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特許異議申立

2017-700260

プローブカードへの基板当接装置、基板当接装置を備えた基板検査装置、及びプローブカードへの基板当接方法

審判番号
2017-700260
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2012-169512外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年03月13日
審決日
2017年05月23日
公報発行日
2017年07月28日
結論
維持
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-Y (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5993649号発明「プローブカードへの基板当接装置、基板当接装置を備えた基板検査装置、及びプローブカードへの基板当接方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5993649号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第5993649号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成24年7月31日に特許出願され、平成28年8月26日に特許の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人佐藤桂子により特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」ないし「本件特許発明10」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 1 本件特許発明1 「【請求項1】 基板に形成された半導体デバイスの電気的特性を検査する検査部と、該検査部の上部に配置された基板検査用インターフェースとを有する基板検査装置の前記基板検査用インターフェースのプローブカードに前記基板を当接するプローブカードへの基板当接装置において、 前記基板を板状部材と共に前記プローブカードと対向する位置まで搬送する搬送機構と、 該搬送機構で搬送された前記基板を前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって移動させて前記基板に設けられた半導体デバイスの複数の電極を前記プローブカードに設けられた複数のプローブにそれぞれ当接させた後、前記基板をさらに前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって所定量移動させる当接機構と、 前記基板が前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって前記所定量移動した後に前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接状態を保持する保持機構と、 前記保持機構によって前記当接状態を保持した後、前記搬送機構を前記板状部材から切り離す脱離機構と、を有し、 前記保持機構は、前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を、前記プローブカードと前記基板との当接部に前記基板及び前記板状部材の自重と、前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接反力との合計に耐えうる当接力が作用する圧力に減圧することを特徴とするプローブカードへの基板当接装置。」 2 本件特許発明2 「【請求項2】 前記所定量は、10μm~150μmであることを特徴とする請求項1記載のプローブカードへの基板当接装置。」 3 本件特許発明3 「【請求項3】 前記保持機構は、前記空間の圧力を段階的に減圧することを特徴とする請求項1記載のプローブカードへの基板当接装置。」 4 本件特許発明4 「【請求項4】 前記板状部材の周囲には、該板状部材と前記プローブカードとの間の空間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のプローブカードへの基板当接装置。」 5 本件特許発明5 「【請求項5】 前記脱離機構によって、前記搬送機構を前記板状部材から切り離した後、前記空間を更に減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接圧力を高くする減圧機構を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のプローブカードへの基板当接装置。」 6 本件特許発明6 「【請求項6】 前記板状部材の基準面と前記プローブカードの取り付け面又は前記プローブカードの下面との間の距離を検出する距離検出センサを設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の基板当接装置。」 7 本件特許発明7 「【請求項7】 前記板状部材は、チャック部材に支持されたウエハプレートであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のプローブカードへの基板当接装置。」 8 本件特許発明8 「【請求項8】 前記板状部材は、前記搬送機構に載置されたチャック部材であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のプローブカードへの基板当接装置。」 9 本件特許発明9 「【請求項9】 請求項1乃至8の何れか1項に記載のプローブカードへの基板当接装置を有することを特徴とする基板検査装置。」 10 本件特許発明10 「【請求項10】 基板に形成された半導体デバイスの電気的特性を検査する検査部と、該検査部の上部に配置された基板検査用インターフェースとを有する基板検査装置の前記基板検査用インターフェースのプローブカードに前記基板を当接するプローブカードへの基板当接方法であって、 前記基板を板状部材と共に前記プローブカードと対向する位置まで搬送機構によって搬送する搬送工程と、 前記搬送された前記基板を前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって移動させて前記基板に設けられた半導体デバイスの複数の電極を前記プローブカードに設けられた複数のプローブにそれぞれ当接させた後、前記基板をさらに前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって所定量移動させる当接工程と、 前記基板が前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって前記所定量移動した後に前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接状態を保持する保持工程と、 前記当接状態が保持された後、前記搬送機構を前記板状部材から切り離す脱離工程と、を有し、 前記保持工程では、前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を、前記プローブカードと前記基板との当接部に前記基板及び前記板状部材の自重と、前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接反力との合計に耐えうる当接力が作用する圧力に減圧することを特徴とするプローブカードへの基板当接方法。」 第3 申立理由の概要 1 特許異議申立人の主張 特許異議申立人は、下記2の証拠方法を提出し、本件特許発明1ないし10は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1ないし10に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張している。 2 証拠方法 甲第1号証:国際公開第2012/026036号 甲第2号証:特開2011-91262公報 甲第3号証:特開平8-5666号公報 甲第4号証:特開平7-74219号公報 甲第5号証:特開2009-276215号公報 第4 甲号証の記載 1 甲第1号証の記載及び甲1発明 (1)甲第1号証の記載 甲第1号証は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献であって、図面とともに、次の事項が記載されている。(当審注.下線は、参考のために、当審において付したものである。以下において同じ。) ア「[0001] 本発明は、半導体ウェハに形成された集積回路素子等の被試験電子部品(以下、DUT(Device Under Test)とも称する。)を、プローブカードを用いて試験する半導体ウェハの試験方法、並びに、その試験に用いられる半導体ウェハ搬送装置及び半導体ウェハ試験装置に関する。 [0002] ウェハ状態でのDUTのテストに用いられるプローブカードとして、例えば、プローブ針を有するカンチレバー型プローブカードや、ポゴピンを有するバーチカル(垂直)型プローブカードが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。 [0003] こうしたプローブカードでは、プローブカードの接触子と半導体ウェハの電極との電気的な接触を確実なものとするため、接触子と電極とが接触してから半導体ウェハをプローブカードに向かって所定量(例えば100μm)押し上げる(オーバドライブさせる)必要がある。 [0004] このようなストローク管理を行うために、上記のプローブカードを用いた半導体ウェハの試験では、半導体ウェハを吸着保持するチャックと、当該チャックを昇降させるZステージと、を有するプローバが用いられている。 [0005] 特許文献1:国際公開第2006/064546号 [0006] 上記の構造では、チャックを介して半導体ウェハをプローブカードに押し付けるため、当該チャックやプローブカードの剛性を高めておく必要があり、高コスト化を招来するという問題がある。半導体ウェハに形成された全てのDUTにプローブカードを同時に接触させる一括コンタクト方式を採用する場合には、この問題は特に顕著である。 [0007] 本発明が解決しようとする課題は、低コスト化を図ることが可能な半導体ウェハの試験方法、半導体ウェハ搬送装置、及び半導体ウェハ試験装置を提供することである。」 イ「[0015] (2)本発明に係る半導体ウェハ搬送装置は、プローブカードを用いた半導体ウェハの試験に用いられる半導体ウェハ搬送装置であって、前記半導体ウェハを保持する保持部材と、前記プローブカードと前記保持部材との間に密閉空間を形成する密閉手段と、前記密閉空間を減圧する減圧手段と、前記減圧手段によって前記密閉空間を減圧した状態で、前記保持部材を前記プローブカードに対して相対移動させる移動手段と、を備えたことを特徴とする(請求項8参照)。 ・・・ [0018] (3)本発明に係る半導体ウェハ搬送装置は、プローブカードを用いた半導体ウェハの試験に用いられる半導体ウェハ搬送装置であって、前記半導体ウェハを保持する保持部材と、前記プローブカードと前記保持部材との間に密閉空間を形成する密閉手段と、前記密閉空間を減圧する減圧手段と、前記保持部材に当接する当接部と、前記当接部を移動させる駆動部と、を有する当接手段と、を備えたことを特徴とする(請求項11参照)。」 ウ「[0024] 本発明では、減圧によって半導体ウェハとプローブカードとを電気的に接触させるので、半導体ウェハを保持する保持部材やプローブカードの剛性を高める必要がなく、低コスト化を図ることができる。 [0025] また、本発明では、減圧を維持した状態で保持部材をプローブカードに向かって移動させるので、ストローク管理を必要とするタイプのプローブカードにも対応することができる。」 エ「[0028] <第1実施形態> 図1及び図2は本実施形態における半導体ウェハ試験装置を示す図である。 [0029] 本実施形態における半導体ウェハ試験装置1は、半導体ウェハ100に造り込まれたDUTの電気的特性を試験する装置であり、図1に示すように、テストヘッド10と、インタフェース組立体20と、ウェハプローバ30と、を備えている。 [0030] この半導体ウェハ試験装置1では、DUTの試験に際して、ウェハプローバ30によって半導体ウェハ100をインタフェース組立体20のプローブカード21に対向させ、この状態で、第2の真空ポンプ42(図3参照)によって密閉空間37(図6及び図7参照)内を減圧することで、半導体ウェハ100をプローブカード21に接触させる。さらに、この状態からウェハプローバ30によって半導体ウェハ100をプローブカード21に向かって所定量押し込む。この押込みによって半導体ウェハ100とプローブカード21とが確実に接触したら、テストヘッド10から半導体ウェハ100のDUTに対して試験信号を入出力することで、DUTのテストを実行する。 [0031] すなわち、本実施形態の半導体ウェハ試験装置1では、半導体ウェハ100とインタフェース組立体20とを接触させる方式として減圧方式を採用しつつも、カンチレバー型やバーチカル型のプローブカードに必要とされるストローク管理の機能も備えている。 [0032] インタフェース組立体20は、図2に示すように、半導体ウェハ100に電気的に接触するプローブカード21と、テストヘッド10に接続されるパフォーマンスボード24と、プローブカード21とパフォーマンスボード24との間で伝送路のピッチ変換を行うインタポーザ22と、を備えている。 [0033] プローブカード21は、配線等が形成されたカード基板211と、当該基板21に実装された多数のプローブ針212を有する、いわゆるカンチレバー型のプローブカードである。 [0034] なお、本実施形態におけるプローブカード21は、半導体ウェハ100との接触後に所定量のオーバドライブを必要とするタイプのものであれば、上記のものに特に限定されない。例えば、プローブカード21として、カード基板と、当該カード基板に立設された多数のポゴピンと、を有する、いわゆるバーチカル(垂直)型のプローブカードを用いてもよい。 [0035] このプローブカード21とパフォーマンスボード24とを電気的に接続するインタポーザ22は、例えば、シリコン基板、セラミック基板、ガラス基板等のピッチ変換基板や異方導電性ゴム等から構成されており、プローブカード21側の狭いピッチを、パフォーマンスボード24側の比較的広いピッチに変換する。なお、このインタポーザ22は、プローブカード21とパフォーマンスボード24との間で伝送路のピッチ変換を行うものであれば、上記のものに特に限定されない。」 オ「[0049] 先ず、図5のステップS11において、ウェハプローバ30のステージ32が、半導体ウェハ100を吸着保持しているチャック33を、プローブカード21に対向する位置に移動させる。次いで、チャック33のシール部材34がプローブカード21のカード基板211に密着するまで、ステージ32がチャック33を上昇させる。シール部材34がプローブカード21に密着してプローブカード21とチャック33との間に密閉空間37が形成されるまでチャック33を上昇させたら、ステージ32は停止する。 [0050] 次いで、図5のステップS12において、図6に示すように、第2の真空ポンプ42を作動させて密閉空間37内を減圧する。 [0051] この際、同図に示すように、密閉空間37内の減圧に伴って生じる吸着力FPが、プローブカード21が有する全てのプローブ針212を押圧するのに必要な必要押圧力FN(例えば200~300[kgf](1.96×103[N]~2.94×103[N])程度)と実質的に同一(FP≒FN)となるように、第2の真空ポンプ42を制御する。なお、吸着力FPが必要押圧力FNよりも若干弱く(FP<FN)なるように、第2の真空ポンプ42を制御してもよい。 [0052] ここで、上記の必要押圧力FNは、プローブ針212一本当たりに必要とされる押圧力(単位:[kgf/pin])に対して、プローブカード21が有するプローブ針212の総数を乗じることで算出される。 [0053] この減圧に伴って、半導体ウェハ100とプローブカード21とが接触すると、例えば、テストヘッド10が半導体ウェハ100の電極110とプローブカード21のプローブ針212との電気的な接触を検出する(ステップS13)。」 カ「[0059] <第2実施形態> 図8は本実施形態における半導体ウェハ試験装置の全体構成を示す概略側面図、図9は本実施形態におけるウェハトレイを示す断面図、図10及び図11は本実施形態におけるステージを示す図、図12は本実施形態におけるメカニカルストッパの構成を示す断面図、図13は本実施形態におけるメカニカルストッパのレイアウトを示す底面図である。 [0060] 本実施形態における半導体ウェハ試験装置1Bは、図8に示すように、テストヘッド10と、インタフェース組立体20と、ウェハプローバ30Bと、を備えている。テストヘッド10及びインタフェース組立体20の構成は、第1実施形態と同様であるので、同一の符号を付して説明を省略する。 [0061] 本実施形態におけるウェハプローバ30Bは、(1)チャック33に代えてウェハトレイ50がステージ60に取り付けられており、(2)ウェハトレイ50を着脱可能に保持する先端保持部61がステージ60に設けられており、さらに(3)ウェハトレイ50と当接するメカニカルストッパ70を備えている点で、第1実施形態と相違する。 [0062] 本実施形態におけるウェハトレイ50は、第1実施形態で説明したチャック33と類似の構成を有しており、図9に示すように、半導体ウェハ100が載置される平坦な上面501を持つ略円板状の部材であり、ウェハトレイ50の上面501は半導体ウェハ100よりも大きな直径を有している。なお、本実施形態におけるウェハトレイ50が、本発明における保持部材の一例に相当する。 [0063] このウェハトレイ50の上面501には、半導体ウェハ100よりも小径の3つの環状溝502が同心円状に形成されている。これらの環状溝502は、ウェハトレイ50内に形成された吸着用通路503に連通している。この吸着用通路503は、吸着ポート504を介して第1の真空ポンプ(不図示)に接続されている。 [0064] 従って、ウェハトレイ50の上面501に半導体ウェハ100を載置した状態で第1の真空ポンプによって吸引を行うと、環状溝502内に発生した負圧によって半導体ウェハ100がウェハトレイ50に吸着保持される。なお、環状溝502の形状や数は特に限定されない。 [0065] さらに、本実施形態では、ウェハトレイ50内に減圧用通路505が形成されている。この減圧用通路505は、上面501において最外側の環状溝502のさらに外側に位置する吸引孔506で開口している。この減圧用通路505は、減圧ポート507を介して、第2の真空ポンプ(不図示)に接続されている。本実施形態における第2の真空ポンプが、本発明における減圧手段の一例に相当する。 [0066] また、ウェハトレイ50の上面501の外周部近傍には、環状のシール部材51が設けられている。このシール部材51の具体例としては、例えばシリコーンゴムからなるパッキン等を例示することができる。ウェハトレイ50がプローブカード21に押し付けられると、このシール部材51によって、ウェハトレイ50の上面501とプローブカード21との間に密閉空間53(図15参照)が形成されるようになっている。特に、本実施形態のシール部材51は、第2のポンプの減圧後のウェハトレイ50の移動を十分に許容し得る程度のZ方向(図8)に沿った自由度(柔軟性)を有している。 [0067] さらに、ウェハトレイ50内には、上述のチャック33と同様に、冷却用通路508が形成されていると共にヒータ52及び温度センサ(不図示)が埋設されており、半導体ウェハ100の温度調節を行うことが可能となっている。 [0068] 以上に説明したウェハトレイ50は、ステージ60によって着脱可能に保持されて移動することが可能となっている。こうしたウェハトレイ50を採用することで、例えば、複数のテストヘッドで一つのステージ60を共用して、テスト中の半導体ウェハ100をウェハトレイ50に保持させつつ、ステージ60は他の作業(他のウェハトレイ50の移動やアライメント等)を行うことができ、半導体ウェハ試験装置全体の稼働率向上を図ることができる。 [0069] ステージ60は、特に図示しないモータやボールねじ機構等から構成されており、図1に示すように、ウェハトレイ50を三次元的(X-Y-Z方向)に移動させると共にZ軸を中心として回転させることが可能となっている。なお、本実施形態におけるステージ60が、本発明における移動装置の一例に相当する。 [0070] また、本実施形態におけるステージ60は、図10及び図11に示すように、ウェハトレイ50を着脱可能に保持する先端保持部61を有している。この先端保持部61は、ウェハトレイ50が載置される平坦な上面611を持つ円板状の部材で構成されており、この上面611はウェハトレイ50と同程度の大きさを有している。 [0071] この先端保持部61の上面611には、半導体ウェハ100よりも小径の3つの環状溝612が同心円状に形成されている。これらの環状溝612は、先端保持部61内に形成された吸着用通路613に連通している。この吸着用通路613は、吸着ポート614を介して第3の真空ポンプ62に接続されている。 [0072] 従って、この先端保持部61の上面611にウェハトレイ50を載置した状態で第3の真空ポンプ62によって吸引を行うと、環状溝612内に発生した負圧によってウェハトレイ50がステージ60の先端保持部61に吸着保持される。」 キ「[0081] 次に、以上に説明した半導体ウェハ試験装置1Bによる半導体ウェハ100の試験方法について、図14及び図15を参照しながら説明する。図14は本実施形態における半導体ウェハの試験方法を示すフローチャート、図15は図14のステップS22~S24を示す拡大断面図である。 [0082] 先ず、図14のステップS21において、ウェハプローバ30Bのステージ60が、半導体ウェハ100を保持しているウェハトレイ50を、プローブカード21に対向する位置に移動させる。次いで、ウェハトレイ50のシール部材51がプローブカード21のカード基板211に密着するまで、ステージ60がウェハトレイ50を上昇させる。シール部材51がプローブカード21に密着してプローブカード21とウェハトレイ50との間に密閉空間53が形成されるまでウェハトレイ50を上昇させたら、ステージ60は停止する。 [0083] 次いで、図14のステップS22において、図15に示すように、第2の真空ポンプを作動させて密閉空間53内を減圧する。 [0084] この際、同図に示すように、密閉空間53内の減圧に伴って生じる吸着力FPが、プローブカード21が有する全てのプローブ針212に必要な押圧力FN(例えば200~300[kgf](1.96×103[N]~2.94×103[N])程度)よりも若干強く(FP>FN)なるように、第2の真空ポンプを制御する。 [0085] この減圧に伴って、半導体ウェハ100とプローブカード21とが接触すると、例えば、テストヘッド10が半導体ウェハ100の電極110とプローブカード21のプローブ針212との電気的な接触を検出する(ステップS23)。 [0086] なお、本実施形態では、半導体ウェハ100とプローブカード21とが接触したら、ステージ60は、他の作業(他のウェハトレイ50の移動やアライメント等)を行うために、ウェハトレイ50から離れて下降する。 [0087] 次いで、図14のステップS24において、この検出をトリガとして、図15に示すように、メカニカルストッパ70のモータ71を駆動させて、当接部材73を所定量(例えば100μm)後退させる。 [0088] この際、上述のように、減圧による吸着力FPが、プローブ針212の必要押圧力FNよりも若干強くなっているので(FP>FN)、当接部材73の後退に伴ってウェハトレイ50がプローブカード21にさらに接近する。この接近によって、プローブカード21のプローブ針212が半導体ウェハ100の電極110に食い込むので、プローブ針212と電極110とが確実に接触する。 [0089] 次いで、図14のステップS25において、テストヘッド10がインタフェース組立体20を介して半導体ウェハ100のDUTに対して試験信号を入出力することで、DUTの試験が実行される。 [0090] 以上のように、本実施形態では、減圧によって半導体ウェハ100とプローブカード21とを電気的に接触させるので、ウェハトレイ50、ステージ60、或いはプローブカード21のスティフナの剛性を低くすることができ、半導体ウェハ試験装置1Bの低コスト化を図ることができる。」 (2)甲1発明 上記(1)の甲第1号証の記載と当該技術分野における技術常識より、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「半導体ウェハ100に形成された集積回路素子等の被試験電子部品(DUT)の電気的特性を検査する半導体ウェハ試験装置1Bの上部に配置されたインタフェース組立体20のプローブカード21に前記半導体ウェハ100を当接するウェハプローバ30Bであって、 前記半導体ウェハ100をウェハトレイ50と共に前記プローブカード21と対向する位置まで搬送するステージ60を備え、 前記ウェハトレイ50のシール部材51が前記プローブカード21に密着して前記プローブカード21とウェハトレイ50との間に密閉空間53が形成されるまで、前記ステージ60によって搬送された前記半導体ウェハ100を前記ウェハトレイ50と共に前記プローブカード21に向かって移動させ、 前記プローブカード21と前記ウェハトレイ50との間の前記密閉空間53を減圧し、 前記減圧に伴って前記半導体ウェハ100と前記プローブカード21とが接触すると、前記ステージ60は前記ウェハトレイ50から離れて下降し、 メカニカルストッパ70の当接部材73を所定量後退させることによって、前記プローブカード21のプローブ針212が前記半導体ウェハ100の電極110に食い込み、前記プローブ針21と前記電極110とが確実に接触する、 ウェハプローバ30B。」 2 甲第2号証の記載及び甲2記載事項 (1)甲第2号証の記載 甲第2号証は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献であって、図面とともに、次の事項が記載されている。 「【0038】 図4に示すように、第1実施形態のプローバは可撓性プローブカードを装着可能に構成されている。可撓性プローブカード50は、フレキシブル基板51と、剛性を有するリング状部材52と、バンプ状のプローブ群53と、コンタクト電極群54と、を備え、図2および図3を参照して説明したのと類似の構成を有する。可撓性プローブカード50は、プローブカード保持部23に装着可能であり、テスタのコンタクトリング32の端子34が、コンタクト電極群54に接触される。図4では、リング状部材52をプローブカード保持部23に載置するように示しているが、可撓性プローブカードのプローブカード保持部23への取り付け方法は、各種の変形例が可能である。 【0039】 プローバのウエハチャック16には、シーリング機構が設けられる。シーリング機構は、ウエハチャック16に沿って移動可能なリング状移動部材56と、リング状移動部材56の上に設けられた弾性を有するリング状シール部材57と、を備える。第1実施形態のプローバは、さらに、空圧源61と、電空レギュレータ62と、センサ63と、を備える。リング状移動部材56に設けられた流路口は、電空レギュレータ62に接続されている。リング状シール部材57がフレキシブル基板51に接触してフレキシブル基板51とウエハチャック16の間に形成されるシールされた内部空間は、空圧源61および電空レギュレータ62により内部の圧力が変化可能、特に減圧状態および加圧状態にすることが可能なように構成されている。センサ63は、この内部空間の圧力を検出し、所定の値になっているか確認する。 【0040】 可撓性プローブカードは、プローブカード保持部23にあらかじめ装着されている。リング状移動部材56を下方に移動した状態で、ウエハWがウエハチャック16上にロードされ、真空吸着により固定される。前述のアライメント・針合わせ動作が行われ、ウエハWの電極パッドとプローブ群53との位置関係が検出される。検出した位置関係に基づいて、対応する電極パッドがプローブの直下に位置するように、ウエハチャック16を移動し、図4の(A)に示す状態になる。 【0041】 この状態で、ウエハチャック16が上昇すると、対応する電極パッドがプローブに接触するので、これを電気的に検出して、ウエハチャック16の上昇を停止する。次に、リング状移動部材56を上昇すると、リング状シール部材57がフレキシブル基板51に接触し、フレキシブル基板51とウエハチャック16の間にシールされた内部空間が形成される。そして電空レギュレータ62を動作させ、内部空間の圧力を低下させると、フレキシブル基板51には大気圧と減圧された内部空間の圧力の差圧が印加される。これにより、フレキシブル基板51はウエハWに押し付けられ、フレキシブル基板51のバンプ状プローブが電極パッドに押し当てられる。この時、フレキシブル基板51はリング状シール部材57にも押し付けられ、リング状シール部材57が変形して内部空間の密閉度はさらに向上する。 【0042】 バンプ状のプローブは、独立した突起が電極パッドに対応して配置されており、ウエハWに押し当てられた状態でも、隣接するプローブとの間は空間が形成される。このため、大気圧と内部空間の圧力差は、フレキシブル基板51の全面で一様に働くので、プローブは均一な接触圧で対応する電極パッドに接触する。 【0043】 図5は、第1実施形態におけるシーリング機構の詳細を示す図であり、(A)はリング状移動部材56およびリング状シール部材57が下方に位置する状態を示し、(B)はリング状移動部材56およびリング状シール部材57が上方に位置し、フレキシブル基板51に接触している状態を示す。 【0044】 図5に示すように、ウエハチャック16は、3個の部分16A、16Bおよび16Cで構成されるが、これに限定されず各種の変形例が可能であり、ここではまとめてウエハチャック16として扱う。 【0045】 リング状移動部材56は、2個のリング状部材56Aおよび56Bを有する。リング状部材56Aと56Bは、リング状スペーサ60を介して取り付けられ、厚さの異なるリング状スペーサ60を使用することにより、リング状部材56Aの上面位置をウエハWの厚さに応じて変更可能なように構成されている。 【0046】 リング状部材56Bは、ウエハチャック16の側面に保持されている。ウエハチャック16には、リング状部材56Bの複数部分に連結された複数(例えば4個)のシリンダが設けられている。各シリンダは、移動機構を有するベース65と、移動軸66と、連結部材67と、を有し、リング状部材56Bの複数部分を同期して上下動させる。 【0047】 リング状シール部材57は、リング状部材56Aの上面に設けられており、リング状部材56Aが上方に移動すると、フレキシブル基板51に接触するように構成されている。また、ウエハチャック16の突出した部分16Aの下面には、リング状シール部材58が設けられており、リング状部材56Bが上方に移動すると接触するように構成されている。これにより、リング状シール部材57がフレキシブル基板51に接触し、リング状シール部材58がリング状部材56Bに接触した状態では、フレキシブル基板51、リング状シール部材57、58、リング状部材56A、56Bおよびウエハチャック16により囲まれる内部空間は、シールされ密閉された空間になる。 【0048】 第1実施形態のプローバにおいて、可撓性プローブカード50を装着した状態を示したが、図6に示すように、図1に示した非可撓性プローブカード24を装着することも可能である。非可撓性プローブカード24は、バネ性を有する多数の導電性プローブ25を有する。また、可撓性プローブカード50との高さ位置を合わせるため、プローブカード保持部23と接触する部分に高さ調整用スペーサ27を設けるようにしてもよい。 【0049】 図7は、第1実施形態のプローバを使用してウエハテストシステムにおける検査動作を示すフローチャートである。この検査動作は、可撓性プローブカード50があらかじめ装着されている状態で行う。非可撓性プローブカードを装着した場合は従来例と同じなので説明は省略する。また、図8は、この動作に伴うウエハチャックと可撓性プローブカード50の部分の状態の変化を示す図である。以下、図7および図8を参照して、第1実施形態のプローバを使用した検査動作を説明する。 【0050】 ステップ101では、ウエハチャック16上に検査するウエハをロードし固定する。 【0051】 ステップ102では、アライメントおよび針合わせ処理を行い、ウエハの電極パッドとプローブとの位置関係を検出し、検出した位置関係に基づいて、電極パッドが対応するプローブの下に位置するようにウエハチャック16を移動する。(図8の(A)) ステップ103では、ウエハチャック16を上昇して、電極パッドをプローブに接触(コンタクト)させる。(図8の(B)) ステップ104では、シリンダを動作させてシーリング機構を上昇させ、内部空間をシール(密閉)する。(図8の(C)) ステップ105では、密閉された内部空間を減圧する。この時、例えば、最初は緩やかな減圧速度で減圧し、フレキシブル基板51にある程度以上圧力がかかった状態で高い減圧速度にして所定の圧力まで減圧する。 【0052】 ステップ106では、テスタからウエハWの各チップに電源およびテスト信号を供給し、チップから出力される信号を検出して電気的な動作検査を行う。 【0053】 ステップ107では、密閉された内部空間の減圧を解除、具体的には内部空間に大気圧を導入する。なお、この時に、大気圧を導入するだけではフレキシブル基板51からウエハWを離す時の抵抗が大きい場合があるので、内部空間に大気圧より若干高い圧力を導入するようにしてもよい。 【0054】 ステップ108では、シリンダを動作させてシーリング機構を降下させ、内部空間を開放する。(図8の(D)) ステップ109では、ウエハチャック16を降下する。(図8の(E)) ステップ110では、検査済ウエハWの固定を解除し、ウエハチャック16から検査済ウエハWをアンロードする。 【0055】 図9は、本発明の第2実施形態で使用する可撓性プローブカード、および可撓性プローブカードにウエハチャック16に保持したウエハWを接触させた状態を示す図である。 【0056】 図9の(A)に示すように、第2実施形態で使用する可撓性プローブカードは、剛性を有するリング状部材52’の形状が、第1実施形態で使用するものと異なる。リング状部材52’は、プローブカード保持部に接触する部分の内側の部分が厚くなっており、下側に突き出している。 【0057】 図9の(B)に示すように、ウエハチャック16に設けられるシーリング機構は、第1実施例と同様に、リング状シール部材57’を有するが、リング状シール部材57’を支持するリング状移動部材56’は固定で上下に移動しない。ウエハWを保持したウエハチャック16を上昇させ、バンプ状のプローブ53に電極パッドが接触する直前に、リング状シール部材57’がリング状部材52’の表面に接触し、ウエハチャック16がさらに上昇してリング状シール部材57’が変形し、内部空間がシールされた状態でプローブ53に電極パッドが接触する。リング状シール部材57’は、剛性のあるリング状部材52’の表面に接触するので、この接触によりリング状部材52’およびフレキシブル基板51が変形することはない。電極パッドがプローブ53に接触した状態で内部空間を減圧すると、プローブ53が電極パッドに所定の圧力で接触する。」 (2)甲2記載事項 上記(1)の甲第2号証の記載と当該技術分野における技術常識より、甲第2号証には次の事項が記載されていると認められる。 「可撓性プローブカード50のプローブ53とウエハWの電極パッドとが接触した後に、リング状シール部材57とフレキシブル基板51が接触することにより形成されるフレキシブル基板51とウエハチャック16との間の密閉された内部空間を減圧すること。」 3 甲第3号証の記載及び甲3記載事項 (1)甲第3号証の記載 甲第3号証は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献であって、図面とともに、次の事項が記載されている。 「【0072】図6(a)は本発明の第6実施例に係る半導体ウェハ収納器の平面図であり、図6(b)は図6(a)におけるVI-VI線の断面図である。 【0073】第6実施例が第1実施例と異なるのは、第1実施例においては、固定ねじ16によって配線基板12と保持板7とを接近させたが、第6実施例においては、配線基板12と保持板7との間に密封空間を形成し、該密封空間を減圧することによって配線基板12と保持板7とを接近させる点である。すなわち、保持板7の周縁部の上に、加圧されると弾性的に大きく収縮するリング状のシリコンゴム等よりなるシール材33を配置して、配線基板12と保持板7との間に密封空間を形成し、保持板7に設けられた開閉弁36により開閉される吸引孔38から前記密封空間を減圧するものである。 【0074】第6実施例において、配線基板12、保持板7及びシール材33により囲まれる空間部を真空ポンプを用いて例えば200Torr以下に減圧する。半導体ウェハ8のサイズを例えば6インチとすると、大気圧は約760Torrであるので、大気と密封空間との圧力差により半導体ウェハ8上には少なくとも130kg以上の荷重が加わる。シール材33はシリコンゴム等よりなり収縮性が高いので、130kg以上の荷重の大部分はプローブシート9を介してバンプ14に均一に加わる。半導体ウェハ8上の集積回路端子の材料が例えばAlとすると1バンプ当り約10gの荷重によって0.5Ω以下で安定したバンプ14と集積回路端子間の接触抵抗を得ることができるので、10000箇所以上のバンプ14と集積回路端子との間の確実な接触が可能になる。前記の減圧状態を保持することにより、低抵抗で多数のバンプ14と集積回路端子との間の電気的接続が確保された半導体ウェハ収納器を構成できるので、バンプ14と集積回路端子との間の接触不良がなくなると共に半導体ウェハ8上の全集積回路に均質な入力波形を供給できるので、検査精度の向上を図ることができる。 【0075】尚、第6実施例に代えて、配線基板12を半導体ウェハ8及びシール材33の上に配置した後、配線基板12又は保持板7を両者が互いに接近するように押圧してバンプ14と集積回路端子とを接触させておいてから、配線基板12、保持板7及びシール材33により形成される密封空間を減圧してもよい。 ・・・ 【0097】図14(a),(b)は、第1~第8実施例に示した半導体ウェハ収納器を用いて行なう半導体集積回路の検査方法を示す概念であり、図14(a)は例えば第7実施例の半導体ウェハ収納器の使用状態を示している。 【0098】まず、配線基板側ステージ75の上に、バンプ14を有するプローブシート9、異方性導電ゴム11、配線基板12、及びシール材33が設けられた押圧板25を載置する。また、ウェハ側ステージ76に、半導体ウェハ8が固定されている保持板7を保持させる。 【0099】次に、第1実施例において説明したように、公知のアライメント技術を用いて半導体ウェハ8とプローブシート9との位置合わせを行なった後、ウェハ側ステージ76を矢印の方向に移動させて、半導体ウェハ8の集積回路端子とプローブシート9のバンプ14とを接触させる。 【0100】次に、保持板7、押圧板25及びシール材33によって形成される密封空間を吸引孔52から減圧してシール材33を圧縮することにより、バンプ14を半導体ウェハ8の集積回路端子に電気的に接続する。」 (2)甲3記載事項 上記(1)の甲第3号証の記載と当該技術分野における技術常識より、甲第3号証には次の事項が記載されていると認められる。 「プローブシート9のバンプ14と半導体ウェハ8の集積回路端子とを接触させた後に、保持板7、押圧板25及びシール材33によって形成される密封空間を減圧すること。」 4 甲第4号証の記載及び甲4記載事項 (1)甲第4号証の記載 甲第4号証は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献であって、図面とともに、次の事項が記載されている。 「【0002】 【従来の技術】半導体集積回路装置の検査を行うために、この半導体集積回路の測定部位と外部の試験装置とを接続する装置としては、いわゆるプローブカードが従来知られている。図101は、この従来のプローブカードの概略斜視図である。このプローブカード400は、中央部に開口部を有するカード本体401に探針402が取り付けられた構造をなしている。探針402は、被検査物としてのウェハWHのパッドの個数および配列に対応して、必要個数が適正な配列をもって設置されている。探針402は、外部の試験装置の信号配線と電気的に接続される。 【0003】図102は、探針402が対向するパッド付近におけるウェハWHの正面断面図である。ウェハWHの表面には、配線パターンPtに接続されたパッドPdが配列されている。探針402の先端部がこのパッドPdに当接することによって、外部の試験装置とパッドPdとが電気的に接続される。ウェハWHとプローブカード400はともにプローバ(プローブ装置)に組み込まれており、プローバの働きによって、互いが適切な相対位置をもって当接し合う。 ・・・ 【0010】さらに、プローブカード400を用いて検査を行なう際に、オーバードライブと称して、探針402とパッドPdとの間の接触抵抗を低減させるために、外力により一旦探針402を押圧して、探針402の先端部をパッドPdにくい込ませる作業が行われる。その際に、押圧力の微妙な調整に失敗すると、探針402が塑性変形を起こしてしまい、元に戻らないという不都合が発生する。また、探針402は、その構造上破損し易いので、作業者自身が誤って探針402に触れてしまうことによって、破損されるという事故も高い頻度で発生している。 ・・・ 【0370】<第14実施例>ここでは、プローブ基板と被検査物の間の距離を計測する装置を備えるプローブ装置の例について説明する。図96は、この実施例のプローブ装置の主要部を示す正面図である。この装置では、例えばプローブ基板100の基材2に、距離センサ368が取り付けられている。距離センサ368には、例えばレーザ光を用いたレーザ測距センサ、静電容量の変化を捉える静電容量測距センサなどが用いられる。ここに例示したこれらの測距センサは特に、被検査物に接触することなくその距離を計測し得るとともに、感度が高いという利点を備えている。 【0371】このプローブ装置は、距離センサ368を備えているので、検査を実行する前に、プローブ基板100とウェハWHなどの検査対象物との間の距離を適切に、かつ精度良く調節することが可能である。距離の調節は、例えば次の要領で行われる。すなわち、ウェハWHがウェハステージに載置されたときの、ウェハWHとプローブ基板100との間の距離が距離センサ368によって測定される。その測定値と目標とすべき距離との間の差を算出して、この差に相当する距離だけウェハステージを上昇させることによって、適切な距離を実現する。あるいは、距離を調整する過程で常時距離を計測することによって、その計測値と目標値とが一致するように距離を調整することも可能である。プローブ装置が、距離センサ368およびウェハステージを駆動する機構に機能的に連結された自動制御装置を備えることによって、これらの操作を自動的に実行することも可能である。」 (2)甲4記載事項 上記(1)の甲第4号証の記載と当該技術分野における技術常識より、甲第4号証には次の事項が記載されていると認められる。 「プローブカード400を用いて検査を行なう際に、オーバードライブと称して、プローブカードの探針402とウェハWHのパッドPdとの間の接触抵抗を低減させるために、外力により一旦探針402を押圧して、探針402の先端部をパッドPdにくい込ませること。」 5 甲第5号証の記載及び甲5記載事項 (1)甲第5号証の記載 甲第5号証は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献であって、図面とともに、次の事項が記載されている。 「【0026】 第1の実施形態 本実施形態のプローブ装置10は、例えば図1の(a)、(b)に示すように、被検査体(例えば、半導体ウエハ)Wを載置するX、Y、Z及びθ方向へ移動可能な載置台11と、載置台11をX、Y及びZ方向へ移動させる駆動機構12と、載置台11の上方に配置され且つ上記被検査体の電極と接触する複数のプローブ13Aを有するプローブカード13と、プローブカード13の固定機構14を支持する支持体(ヘッドプレート)15と、載置台11を含む各種の機器を制御する制御装置16と、を備え、プローブカード13に接続リング17を介して所定の荷重でテストヘッド18を電気的に接続させた状態で載置台11をオーバードライブさせて半導体ウエハWと複数のプローブ13Aを電気的に接触させ、テスタ20からの信号に基づいて半導体ウエハWの電気的特性検査を行うように構成されている。また、図示してないが、プローブ装置10には従来と同様にアライメント機構が設けられている。 【0027】 而して、プローブカード13は、検査時にはテストヘッド18からの荷重を受けているため、図1の(a)に示すようにテスタ20側とのインターフェース部分(プローブカード13、その固定機構14及びヘッドプレート15を含む)のうちプローブカード13及び固定機構14が載置台11側へ沈み込み、これに伴ってヘッドプレート15の中央部分が僅かではあるが下方へ変形している。 【0028】 プローブカード13は、図1の(a)に示すように、半導体ウエハWよりやや大径に形成され、半導体ウエハWの全てのデバイスの電極パッドに対応する多数のプローブ13Aを略全面に亘って有している。これらのプローブ13Aは、検査時には半導体ウエハWに形成された多数の電極パッドと一括して接触した後、所定のオーバードライブ量を得て半導体ウエハWと電気的に接触し、一回の接触で半導体ウエハWに形成された全てのデバイスを複数個ずつ順番に検査するように構成されている。従って、制御装置16の制御下でプローブカード13が半導体ウエハWと一括して接触すると、載置台11上の半導体ウエハWとの間に大きな接触荷重が作用し、この接触荷重によりプローブカード13を持ち上げ、インターフェース部分であるヘッドプレート15の中央部分が僅かに上方へ変形して逃げるため、本来必要とされる所定のオーバードライブ量を得ることができない。 【0029】 そこで、本実施形態では距離測定器を用いて現在のオーバードライブ量を測定するようにしている。即ち、距離測定器19は、図1の(a)、(b)に示すようにテストヘッド18内に設けられており、半導体ウエハWとプローブカード13の複数のプローブ13Aが接触した状態でプローブカード13の基板の上面までの距離と半導体ウエハWの上面までの距離をそれぞれ測定するように構成されている。本実施形態では、距離測定器19は、テストヘッド18の中心部と中心部を囲む6箇所を合わせた7箇所に設けられている。この距離測定器19は、例えばレーザー光式測長器によって構成されている。この距離測定器19は、同図に示すように、載置台11上の半導体ウエハWの上面にレーザー光L1を照射して半導体ウエハWの上面までの距離を測定する第1の測定部と、プローブカード13の上面にレーザー光L2を照射してプローブカード13の上面までの距離を測定する第2の測定部と、を有している。第1、第2の測定部による測定信号はテスタ20に送信され、テスタ20において第1の測定部による測定距離L1と第2の測定部による測定距離L2の差を求める。7つの距離測定器19を7箇所に均等に分散させて設けることで、半導体ウエハW全面の距離を把握することができる。尚、プローブカード13の基板には第2の測定部からのレーザー光が透過する透孔が形成されている。尚、図1の(a)では第1、第2の測定部それぞれから照射されるレーザー光及びこのレーザー光によって測定される距離を便宜上L1、L2として示した。」 (2)甲5記載事項 上記(1)の甲第5号証の記載と当該技術分野における技術常識より、甲第5号証には次の事項が記載されていると認められる。 「プローブカード13の多数のプローブ13Aが、半導体ウエハWに形成された多数の電極パッドと一括して接触したあと、所定のオーバードライブ量を得て半導体ウエハWと電気的に接触すること。」 第5 申立理由についての判断 1 本件特許発明1について (1)本件特許発明1と甲1発明との対比 ア 甲1発明における「半導体ウェハ100」、「集積回路素子等の被試験電子部品(DUT)」、「半導体ウェハ試験装置1B」、「インタフェース組立体20」、「プローブカード21」及び「ウェハプローバ30B」は、後述する相違点を除き、それぞれ、本件特許発明1における「基板」、「半導体デバイス」、「基板検査装置」、「基板検査用インターフェース」、「プローブカード」及び「基板当接装置」に相当するといえる。 また、本件特許明細書の段落【0025】の記載より、本件特許発明1における「検査部」は「検査室」を包含するものと認められるところ、甲第1号証の図8の記載及び当該技術分野における技術常識より、甲1発明における「半導体ウェハ試験装置1B」が本件特許発明1における「検査部」に相当する構成を備えることは明らかであるといえ、また、甲第1号証の図8の記載より、甲1発明における「インタフェース組立体20」は、当該「検査部」に相当する構成の上部に備えられたものであるといえる。 そうすると、本件特許発明1と甲1発明とは、「基板に形成された半導体デバイスの電気的特性を検査する検査部と、該検査部の上部に配置された基板検査用インターフェースとを有する基板検査装置の前記基板検査用インターフェースのプローブカードに前記基板を当接するプローブカードへの基板当接装置」である点において共通するといえる。 イ 甲1発明における「ウェハトレイ50」は、本件特許発明1における「板状部材」に相当するといえ、甲1発明における「前記半導体ウェハ100をウェハトレイ50と共に前記プローブカード21と対向する位置まで搬送するステージ60」は、本件特許発明1における「前記基板を板状部材と共に前記プローブカードと対向する位置まで搬送する搬送機構」に相当するといえる。 ウ 甲1発明における「前記ウェハトレイ50のシール部材51が前記プローブカード21に密着して前記プローブカード21とウェハトレイ50との間に密閉空間53が形成されるまで、前記ステージ60によって搬送された前記半導体ウェハ100を前記ウェハトレイ50と共に前記プローブカード21に向かって移動させ」る構成と、本件特許発明1における「該搬送機構で搬送された前記基板を前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって移動させて前記基板に設けられた半導体デバイスの複数の電極を前記プローブカードに設けられた複数のプローブにそれぞれ当接させた後、前記基板をさらに前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって所定量移動させる当接機構」とは、「該搬送機構で搬送された前記基板を前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって移動させる機構」である点において共通し、下記相違点1において相違するといえる。 エ 甲1発明における「前記プローブカード21と前記ウェハトレイ50との間の前記密閉空間53を減圧」する構成、及び「前記減圧に伴って前記半導体ウェハ100と前記プローブカード21とが接触すると、・・・メカニカルストッパ70の当接部材73を所定量後退させることによって、前記プローブカード21のプローブ針212が前記半導体ウェハ100の電極110に食い込み、前記プローブ針21と前記電極110とが確実に接触する」構成は、プローブカード21と半導体ウェハ100との間の空間を減圧して、プローブカード212のプローブ針212と、集積回路素子等の被試験電子部品(DUT)の電極110との当接状態を保持する機構であるといえる。 また、甲1発明における「密閉空間53」、「プローブ針212」及び「電極110」は、それぞれ、本件特許発明1における「空間」、「プローブ」及び「電極」に相当するといえる。 さらに、当該技術分野における技術常識より、甲1発明において、複数の「プローブ針212」と複数の「電極110」が当接することは明らかであるといえる。 そうすると、本件特許発明1と甲1発明とは、「前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接状態を保持する保持機構」を備える点において共通し、下記相違点1において相違するといえる。 オ 甲1発明における「前記減圧に伴って前記半導体ウェハ100と前記プローブカード21とが接触すると、前記ステージ60は前記ウェハトレイ50から離れて下降」する構成と、本件特許発明1における「前記保持機構によって前記当接状態を保持した後、前記搬送機構を前記板状部材から切り離す脱離機構」とは、「前記搬送機構を前記板状部材から切り離す脱離機構」である点において共通するものといえる。 他方、本件特許の請求項1の「前記基板が前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって前記所定量移動した後に前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接状態を保持する保持機構」との記載、及び「前記保持機構は、前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を、前記プローブカードと前記基板との当接部に前記基板及び前記板状部材の自重と、前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接反力との合計に耐えうる当接力が作用する圧力に減圧する」との記載より、本件特許発明1における「当接状態」とは、基板とプローブカードを当接させた後、基板をさらにプローブカードに向かって所定量移動した状態(すなわち、オーバドライブした状態)を意味するものと認められ、また、上記第4.1(1)エの甲第1号証の記載(段落【0034】)より、甲1発明におけるプローブカードはオーバドライブを必要とするタイプのものであり、半導体ウェハ100とプローブカード21とが接触しただけでは、プローブ針212と電極110との当接状態が保持されているとはいえないから、甲1発明は、「当接状態を保持した後」で搬送機構(ステージ60)と板状部材(ウェハトレイ50)とを切り離すものではない点において、本件特許発明1と相違するといえる。 以上より、本件特許発明1と甲1発明とは、「前記搬送機構を前記板状部材から切り離す脱離機構」を備える点において共通し、下記相違点2において相違するといえる。 カ 以上から、本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりであると認められる。 (ア)一致点 「基板に形成された半導体デバイスの電気的特性を検査する検査部と、該検査部の上部に配置された基板検査用インターフェースとを有する基板検査装置の前記基板検査用インターフェースのプローブカードに前記基板を当接するプローブカードへの基板当接装置において、 前記基板を板状部材と共に前記プローブカードと対向する位置まで搬送する搬送機構と、 該搬送機構で搬送された前記基板を前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって移動させる機構と、 前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接状態を保持する保持機構と、 前記搬送機構を前記板状部材から切り離す脱離機構と、を有する プローブカードへの基板当接装置。」 (イ)相違点 ・相違点1 本件特許発明1では、基板に設けられた半導体デバイスの複数の電極をプローブカードに設けられた複数のプローブにそれぞれ当接させた後、基板をさらに板状部材と共にプローブカードに向かって所定量移動させ、その後にプローブカードと板状部材との間の空間を減圧して半導体デバイスの複数の電極とプローブカードの複数のプローブとの当接状態を保持する(すなわち、オーバドライブを行った後で減圧し、オーバドライブされた状態を保持する)のに対し、甲1発明では、空間(密閉空間53)の減圧に伴ってプローブカード(プローブカード21)と板状部材(ウェハトレイ50)とが接触し、その後にメカニカルストッパ70の当接部材73を所定量後退させることによって、半導体デバイス(集積回路素子等の被試験電子部品(DUT))の複数の電極(電極110)とプローブカード(プローブカード21)の複数のプローブ(プローブ針212)との当接状態を保持する(すなわち、減圧を維持した状態でオーバドライブを行い、オーバドライブされた状態を保持する)点。 ・相違点2 本件特許発明1では、当接状態を保持した後、搬送機構を板状部材から切り離す(すなわち、オーバドライブされた状態を保持した後に、搬送機構を板状部材から切り離す)のに対し、甲1発明では、基板(半導体ウェハ100)とプローブ(プローブカード21)とが接触したときに、搬送機構(ステージ60)を板状部材(ウェハトレイ50)から切り離し、その後にメカニカルストッパ70の当接部材73を所定量後退させることによって、当接状態を保持する(すなわち、搬送機構(ステージ60)を板状部材(ウェハトレイ50)から切り離した後で、オーバドライブし、その状態を保持する)点。 ・相違点3 本件特許発明1は、「前記保持機構は、前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を、前記プローブカードと前記基板との当接部に前記基板及び前記板状部材の自重と、前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接反力との合計に耐えうる当接力が作用する圧力に減圧することを特徴とする」のに対し、甲1発明は、当該構成について特定しない点。 (2)判断 ア はじめに、相違点1について検討する。 甲第1号証ないし甲第5号証の記載事項は上記第4.1(1)、2(1)、3(1)、4(1)及び5(1)において摘記し、上記第4.1(2)、2(2)、3(2)、4(2)及び5(2)において認定したとおりであって、相違点1に係る構成(すなわち、オーバドライブを行った後で減圧し、オーバドライブされた状態を保持する構成)については、甲第1号証ないし甲第5号証には記載も示唆もされていない。 また、上記第4.1(1)ア、ウ及びキの甲第1号証の記載(段落【0006】、【0024】、【0025】及び【0090】)より、甲1発明は、「半導体ウェハをプローブカードに向かって所定量押し上げる構造では、チャックを介して半導体ウェハをプローブカードに押し付けるため、当該チャックやプローブカードの剛性を高めておく必要があり、高コスト化を招来する」という課題を解決するために、「減圧によって半導体ウェハとプローブカードとを電気的に接触させ、減圧を維持した状態で保持部材をプローブカードに向かって移動させる」という構成を採用したものと認められるところ、甲1発明において相違点1に係る構成を採用した場合には、減圧を行う前に半導体ウェハをプローブカードに押し付けることとなり、甲1発明の上記課題を解決することができなくなることは明らかであるから、甲1発明において相違点1に係る構成を採用することには、阻害要因があるといえる。 イ 次に、相違点2について検討する。 甲第1号証ないし甲第5号証の記載事項は上記第4.1(1)、2(1)、3(1)、4(1)及び5(1)において摘記し、上記第4.1(2)、2(2)、3(2)、4(2)及び5(2)において認定したとおりであって、相違点2に係る構成(すなわち、オーバドライブされた状態を保持した後に、搬送機構を板状部材から切り離す構成)については、甲第1号証ないし甲第5号証には記載も示唆もされていない。 また、甲1発明は、メカニカルストッパ70の当接部材73を所定量後退させてオーバドライブするものであるから、この際にステージ60でウェハトレイ50を移動させる必要はなく、オーバドライブされた状態を保持した後にステージ60をウェハトレイ50から切り離す構成を採用すべき動機付けがない。 ウ 上記ア及びイのとおり、相違点1及び2に係る構成は甲第1号証ないし甲第5号証には記載も示唆もされておらず、また、甲1発明において相違点1及び2に係る構成を採用することには阻害要因があり、又は動機付けがないから、相違点3について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 2 本件特許発明2ないし10について 本件特許の請求項2ないし9は、請求項1を引用しており、本件特許発明2ないし9は本願特許発明1の発明特定事項を全て有する発明である。 また、本件特許発明10は、本件特許発明1を方法の発明として表現した発明であり、相違点1に係る構成に対応する発明特定事項である「前記搬送された前記基板を前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって移動させて前記基板に設けられた半導体デバイスの複数の電極を前記プローブカードに設けられた複数のプローブにそれぞれ当接させた後、前記基板をさらに前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって所定量移動させる当接工程」、及び「前記基板が前記板状部材と共に前記プローブカードに向かって前記所定量移動した後に前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接状態を保持する保持工程」、並びに相違点2に係る構成に対応する発明特定事項である「前記当接状態が保持された後、前記搬送機構を前記板状部材から切り離す脱離工程」を備えている。 してみれば、上記1(2)ウのとおり、本件特許発明1の相違点1及び2に係る構成が甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到することができたものであるとはいえない以上、本件特許発明2ないし10も、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3 まとめ 以上のとおりであって、本件特許発明1ないし10は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、請求項1ないし10に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものではない。 第6 むすび したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700260

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