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特許拒絶査定不服審判

2017-016502

広スペクトル光源を有する選別デバイスとその方法

審判番号
2017-016502
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-190131外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年11月06日
審決日
2018年10月02日
公報発行日
2019年04月26日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G01N) / P18 .575-Z (G01N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-190131「広スペクトル光源を有する選別デバイスとその方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月14日出願公開、特開2016-  6437〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2008年9月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年9月3日、欧州)を国際出願日とする出願である特願2010-523241号(以下「原出願」という。)の一部を、平成27年9月28日に新たな特許出願としたものであって、平成28年7月25日付けで拒絶理由(最後)が通知され、平成29年1月27日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされたが、同年6月30日付けで平成29年1月27日付けの手続補正についての補正の却下の決定がなされるとともに、同日付けで拒絶査定がなされた。 本件は、これに対して、平成29年11月6日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。その後、平成30年2月2日付けで前置報告がなされ、同年7月31日付けで請求人から上申書が提出された。 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正により、本願の特許請求の範囲の請求項1は、本件補正前の(出願当初の)特許請求の範囲の請求項1である、 「【請求項1】 広帯域スペクトルを有する光ビームを生成する放射源と、検出ゾーンを通して製品を移動させる手段とを用いて、製品の流れの中で製品を特徴づけるための選別デバイスであって、前記光ビームが前記検出ゾーンの中で前記製品に衝突し、それにより、前記製品により光が散乱及び/又は反射され、検出手段が、前記散乱光及び/又は反射光を検出するために設けられ、前記検出手段が前記製品を特徴づけるための処理ユニットと協働する、デバイスにおいて、前記放射源がスーパコンティニューム放射源を備えることを特徴とするデバイス。」 から、次のように補正されたものと認める。 「【請求項1】 広帯域スペクトルを有する光ビームを生成する放射源と、検出ゾーンを通して製品を移動させる手段とを用いて、製品の流れの中で製品を特徴づけ、選別するための選別デバイスであって、前記光ビームが前記検出ゾーンの中で前記製品に衝突し、それにより、前記製品により光が散乱及び/又は反射され、検出手段が、前記散乱光及び/又は反射光を検出するために設けられ、前記検出手段が前記製品を特徴づけるための処理ユニットと協働し、前記製品流れから望ましくない製品又は異物を取り除く除去システムが備えられる、デバイスにおいて、前記放射源がスーパコンティニューム放射源と、前記散乱光及び/又は反射光を、検出のために関心のあるスペクトル成分に分離するための手段とを備えることを特徴とするデバイス。」 (下線は、補正箇所である。) 2 補正の目的 本件補正後の請求項1は、本件補正前の請求項1の「デバイス」が、「選別するための選別デバイス」であって、「前記製品流れから望ましくない製品又は異物を取り除く除去システム」及び「前記散乱光及び/又は反射光を、検出のために関心のあるスペクトル成分に分離するための手段」を備えることを限定するものであるから、本件補正の請求項1についての補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するか否か(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か)について、以下に検討する。 3 本願補正発明 本願補正発明は、本件補正後の請求項1に記載された事項(上記「1」で、本件補正後の請求項1として記載した事項)により特定されるところ、 本件補正後の請求項1の「デバイスにおいて、前記放射源がスーパコンティニューム放射源と、前記散乱光及び/又は反射光を、検出のために関心のあるスペクトル成分に分離するための手段とを備える」について、本願の明細書及び図面を参照すると、「前記散乱光及び/又は反射光を、検出のために関心のあるスペクトル成分に分離するための手段」は、「放射源」が備えるものではなく、「デバイス」が備えるものであることは明らかであるから、以下、「前記散乱光及び/又は反射光を、検出のために関心のあるスペクトル成分に分離するための手段」は、「デバイス」が備えるものであると解して、検討を進める。 4 引用文献 原査定の拒絶の理由に引用され、原出願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、国際公開第2007/083755号(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付したものである。) (1)「技術分野 [0001] この発明は、スーパーコンティニューム光(SC光)を利用した分析装置、印刷物の真贋判定装置、印刷物の真贋判定方法、及び地中探索方法に関するものである。 背景技術 [0002] スーパーコンティニューム光(SC光)とは、ピークパワーの強いレーザ光が非線形媒質に入射された際、該媒質中で発生する非線形現象によって、スペクトル帯域が拡大された広帯域光である。0.1μm程度から2μm程度のスペクトル帯域幅を有する広帯域光を生成する光源のひとつであるSC光源は、その高出力性、広帯域性、スペクトル平坦性などから、様々な応用分野への重要光源として期待されている。このようなSC光源として様々な構成が提案されているが、光ファイバ内でSC光を生成させる構成は、簡便であり、相互作用長を容易に長くでき、かつスペクトル制御も容易であることから、一般的に広く用いられている。」 (2)「[0100] (第3実施例) 図12の領域(a)及び領域(b)は、この発明に係る分析装置の第3実施例の構成を示す図である。これら領域(a)及び領域(b)に示された分析装置1b、1cは、上述の第1実施例に係る分析装置1を変形例であり、例えば食品検査などの際の近赤外分光分析に使用することができる。 [0101] 図12の領域(a)に示されたように、分析装置1bは、光検出部3b、モニタ/分析部6a(信号処理部に含まれる)、分光器7、レンズ14、及び光源部20bを備える。光源部20bは、SC光P2を照射光P3として食品などの対象物A2に照射するための構成要素である。光源部20bは、種光源2及び光ファイバ9によって構成されている。なお、種光源2及び光ファイバ9の構成は、第1実施例と同様である。 [0102] レンズ14は、対象物A2の表面における照射光P3(SC光P2)の照射範囲をスポット状に制限するための照射径制限部であり、光源部20bの光出射端に光学的に接続されている。なお、レンズ14は、対象物のサイズ(ゴマ、米粒などの小さな種子は狭く、ミカン、リンゴ、メロンといった大きな果実は広く)に応じて照射径を適切な範囲にする。すなわち、レンズ 14は、照射光P3の単位面積あたりの光強度(照度)を高めるために、対象物A2の表面における照射光P3の照射径を1μm以上かつ50mm以下のスポット状にする。 [0103] 分光器7は、対象物A2からの被検出光Lを分光するための光学部品である。分光器7の構成としては、例えばプリズムやバルタタイプのグレーティング素子を用いた構成や、あるいはフーリエ変換分光を利用する構成などが適している。 [0104] 光検出部3bは、被検出光Lを検出する。第3実施例における光検出部3bは、例えばフォトダイオード(PD)やPDアレイ、赤外カメラ等によって実現され、対象物A2からの反射光又は散乱光を被検出光Lとして受光し、その光強度を電流値などの電気的な量に変換する。なお、光検出部3bの詳細な構成は、第1実施例における光検出部3と同様である。 [0105] モニタ/分析部6aは、種光源2からのレーザ光P1の出射タイミングと、光検出部3bにおける検出タイミングとを制御する制御部としての機能と、光検出部3bからの信号(検出結果)に基づいて、被検出光Lに関するスペクトル波形情報を生成する信号処理部としての機能とを兼備する。また、モニタ/分析部6aは、生成されたスペクトル波形情報を表示する表示部としての機能も備えている。 [0106] 一方、分析装置1cは、図12の領域(b)に示されたように、光検出部3c、モニタ/分析部6a(信号処理部)、レンズ14、及び光源部20cを備える。このうち、モニタ/分析部6a及びレンズ14の機能は、分析装置1bと同様である。 [0107] 光源部20cは、SC光P2に基づく照射光P3を対象物A2に照射するための発光ユニットである。光源部20cは、上述の光源部20bと異なり、種光源2及び光ファイバ9に加えて、光ファイバ9の出射端に光学的に接続された光学フィルタ16を有する。この光学フィルタ16は、照射光P3の波長範囲を所定範囲に制限するための光学部品であり、図12の領域(a)における分光器7に代えて設けられる。なお、この第3実施例における光学フィルタ16は、被測定物質の吸収波長に応じてその透過波長範囲が固定されるが、波長可変フィルタを用いても良い。また、光学フィルタ16は、互いに透過波長が異なる複数の波長固定フィルタによって構成されてもよい。この場合、複数の波長成分を同時に用いて被測定物質を分析することができる。 [0108] 光検出部3cは、上述の光検出部3bと同様に、例えばフォトダイオード(PD)やPDアレイ、赤外カメラ等によって実現される。ただし、この光検出部3cは、対象物A2からの透過光を被検出光Lとして受光し、その光強度を電流値などの電気的な量に変換する。この光検出部3cの詳細な構成も、第1実施例における光検出部3と同様である。 [0109] なお、第3実施例に係る分析装置1b、1cは、反射光を検出する光検出部3b及び透過光を検出する光検出部3cをそれぞれ備えているが、分析装置1b(又は分析装置1c)は、光検出部3b、3cの双方を備えることにより反射光及び透過光の双方を撮像してもよい。また、分析装置1cにおいては、レンズ14又は対象物A2の位置を相対的に移動可能にすることにより、対象物A2の表面を照射光P3が走査させる構成であってもよい。」 (3)「[0118] 続いて、第3実施例に係る分析装置1b(又は分析装置1c)を利用した赤外分光分析の一例として、食品検査・選別、血糖値検査、及び地中探索について説明する。 [0119] (食品検査・選別) 例えば、果実などの食品に照射光P3を照射し、フルクトースやグルコースなどの糖分に特有の吸収波長における被検出光Lと照射光P3との強度比を検出することによって、糖度の測定を容易に行うことができる。あるいは、クエン酸やアスコルビン酸に特有の吸収波長における被検出光Lと照射光P3との強度比を検出することによって、酸度の測定を容易に行うことができる。あるいは、エチレンやクロロフィルに特有の吸収波長における被検出光Lと照射光P3との強度比を検出することによって、熟度の測定を容易に行うことができる。あるいは、ぺクチンに特有の吸収波長における被検出光Lと照射光P3との強度比を検出することによって、硬度の測定を容易に行うことがでさる。 [0120] この食品検査・選別の際には、ケモメトリックス法が好適に用いられる。すなわち、測定対象物質(フルクトース、クエン酸、エチレンなど)の吸収波長に相当する被検出光Lの波長成分の光強度や、該光強度と他の波長成分の光強度との比が指標として準備される。そして、この指標と、水分量、糖度、酸度、及び熟度との予め測定された相関に基づいて、検量線との比較によって半経験的にこれら水分量、糖度、酸度、及び熟度が定量化される。あるいは、ある測定対象物質の吸収波長(例えば果物であれば、水分量なら波長2.1μm付近、糖分なら波長1.7μm付近、酸度なら波長1.1μm付近、熟度なら波長0.9μm付近、硬度なら波長1.2μm付近)における被検出光Lの光強度の大きさに基づいて、水分、糖度、酸度、熟度、硬度などが定量化されてもよい。 [0121] 第3実施例に係る分析装置1b(又は分析装置1c)によれば、第1実施例に係る分析装置1と同様に、実用性に優れ、かつ、より長い波長域まで近赤外分光分析等が可能になる。したがって、上述のような比較的長い吸収波長を有する被測定物質を好適に測定できるので、食品検査・選別に適している。 [0122] また、従来の近赤外分光分析装置としては、例えばフェムト秒のチタンサファイアレ一ザを非線形結晶を用いて近赤外光に波長変換する構成(非特許文献2参照)が知られている。しかしながら、このような構成では、装置が高価かつ大型になってしまう。この第3実施例に係る分析装置1b(又は分析装置1c)は、このような従来の装置と比較して装置構成が単純であり、小型化を実現可能にする。しかも、光ファイバ9を光ファイバプローブとしても利用できるので、可搬型としても極めて精密な測定が可能となる。また、メンテナンスも不要である。したがって、食品の出荷時に用いられるだけでなく、倉庫や商店に当該分析装置1b(又は分析装置1c)を用意しておき、食べ頃の食品や腐敗した食品の選別も容易になる。 [0123] なお、この第3実施例に係る分析装置1b(又は分析装置1c)は、果物だけでなく、種子、穀物、魚介類、肉類など広範な食品に適用可能である。また、醤油や味噌などの加工食品についても、製造メーカや商品に固有のスペクトルを有する。したがって、当該第3実施例に係る分析装置1b(又は分析装置1c)は、加工食品の管理にも適している。 [0124] また、この第3実施例に係る分析装置1b(又は分析装置1c)においては、SC光を生成するための光ファイバ9として、第1実施例と同様に中実のHNLFが用いられる。これにより、PCFを用いる場合と比較してSC光P2の光強度を大きくできる。又はロゲンランプ等の照明を用いる場合と比較して集光も容易である。したがって、従来の赤外分光分析装置では測定が困難であった皮が硬い果実(メロンやパイナップルなど)も容易に測定できる。 [0125] 果実や穀物などの食品は、産地によって被検出光Lのスペクトルが異なることがある。このような場合、当該第3実施例に係る分析装置1b(又は分析装置1c)によって、産地調査も可能となる。また、分析装置1b(又は分析装置1c)によれば種子の一粒ごとの測定も可能なので、ブランド種や遺伝子組み換え種の分類ができ、混雑や交配を防止することもできる。」 (4)「[図12] 」 すると、上記引用文献1の記載事項及び該記載事項から読み取れる事項によれば、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 「光検出部3b、モニタ/分析部6a(信号処理部に含まれる)、分光器7、レンズ14、及び光源部20bを備え、食品検査などの際の近赤外分光分析に使用することができる分析装置1bであって、 光検出部3bは、対象物A2からの反射光又は散乱光を被検出光Lとして受光し、 モニタ/分析部6aは、種光源2からのレーザ光P1の出射タイミングと、光検出部3bにおける検出タイミングとを制御する制御部としての機能と、光検出部3bからの信号(検出結果)に基づいて、被検出光Lに関するスペクトル波形情報を生成する信号処理部としての機能とを兼備し、 分光器7は、対象物A2からの被検出光Lを分光するための光学部品であり、 レンズ14は、対象物のサイズ(ゴマ、米粒などの小さな種子は狭く、ミカン、リンゴ、メロンといった大きな果実は広く)に応じて照射径を適切な範囲にし、 光源部20bは、SC光P2を照射光P3として食品などの対象物A2に照射するための構成要素であり、 ある測定対象物質の吸収波長(例えば果物であれば、水分量なら波長2.1μm付近、糖分なら波長1.7μm付近、酸度なら波長1.1μm付近、熟度なら波長0.9μm付近、硬度なら波長1.2μm付近)における被検出光Lの光強度の大きさに基づいて、水分、糖度、酸度、熟度、硬度などが定量化され、 食べ頃の食品や腐敗した食品の選別も容易になり、 果物だけでなく、種子、穀物、魚介類、肉類など広範な食品に適用可能であって、 種子の一粒ごとの測定も可能なので、ブランド種や遺伝子組み換え種の分類ができ、混雑や交配を防止することもできる、分析装置1b。」 5 対比 (1)本願補正発明と引用発明との対比 ア 引用発明の「光源部20b」、「光検出部3b」、「モニタ/分析部6a」及び「分析装置1b」は、それぞれ、本願補正発明の「放射源」、「検出手段」、「処理ユニット」及び「選別デバイス」に相当する。 イ 引用発明の「SC光P2を照射光P3として食品などの対象物A2に照射するための構成要素であ」る「光源部20b」は、本願補正発明の「スーパコンティニューム放射源を備える」「広帯域スペクトルを有する光ビームを生成する放射源」に相当する。 ウ 引用発明の「対象物A2からの反射光又は散乱光を被検出光Lとして受光」する「光検出部3b」は、本願補正発明の「前記散乱光及び/又は反射光を検出する」「検出手段」に相当する。 エ 引用発明の「SC光P2を照射光P3として食品などの対象物A2に照射」し、「対象物A2からの反射光又は散乱光を被検出光Lとして受光」することと、本願補正発明の「前記光ビームが前記検出ゾーンの中で前記製品に衝突し、それにより、前記製品により光が散乱及び/又は反射され」ることとは、「前記光ビームが前記製品に衝突し、それにより、前記製品により光が散乱及び/又は反射され」ることで共通する。 オ 引用発明の「ある測定対象物質の吸収波長(例えば果物であれば、水分量なら波長2.1μm付近、糖分なら波長1.7μm付近、酸度なら波長1.1μm付近、熟度なら波長0.9μm付近、硬度なら波長1.2μm付近)における被検出光Lの光強度の大きさに基づいて、水分、糖度、酸度、熟度、硬度などが定量化され」ること、「食べ頃の食品や腐敗した食品の選別」及び「ブランド種や遺伝子組み換え種の分類」は、「対象物A2」の特徴を調べて、選別することであるといえるから、この「対象物A2」の特徴を調べて、選別することは、本願補正発明の「製品を特徴づけ、選別する」こと、「前記製品を特徴づける」ことに相当する。 また、前記「対象物A2」の特徴を調べて、選別することは、「分析装置1b」が備える「モニタ/分析部6a」が行っていることであると明らかに認められる。 すると、引用発明の「食品検査などの際の近赤外分光分析に使用することができる分析装置1bであって、」「モニタ/分析部6aは、」「光検出部3bからの信号(検出結果)に基づいて、被検出光Lに関するスペクトル波形情報を生成する信号処理部としての機能」を備え、「ある測定対象物質の吸収波長(例えば果物であれば、水分量なら波長 2.1μm付近、糖分なら波長1.7μm付近、酸度なら波長1.1μm付近、熟度なら波長0.9μm付近、硬度なら波長1.2μm付近)における被検出光Lの光強度の大きさに基づいて、水分、糖度、酸度、熟度、硬度などが定量化され、食べ頃の食品や腐敗した食品の選別も容易になり、」「ブランド種や遺伝子組み換え種の分類ができ、混雑や交配を防止することもできる」ことは、本願補正発明の「製品を特徴づけ、選別するための選別デバイスであって、」「前記検出手段が前記製品を特徴づけるための処理ユニットと協働」することに相当する。 カ 引用発明において、「分光器7は、対象物A2からの被検出光Lを分光するための光学部品であ」って、被検出光Lを分光することにより、「ある測定対象物質の吸収波長(例えば果物であれば、水分量なら波長 2.1μm付近、糖分なら波長1.7μm付近、酸度なら波長1.1μm付近、熟度なら波長0.9μm付近、硬度なら波長1.2μm付近)における被検出光Lの光強度の大きさに基づいて、水分、糖度、酸度、熟度、硬度などが定量化され」るのであって、「対象物A2からの反射光又は散乱光を被検出光Lと」するのであるから、引用発明の「対象物A2からの被検出光Lを分光するための光学部品であ」る「分光器7」は、本願補正発明の「前記散乱光及び/又は反射光を、検出のために関心のあるスペクトル成分に分離するための手段」に相当する。 そして、引用発明の「分光器7」は「分析装置1b」が備えるものであって、本願補正発明の「・・分離するための手段」は「デバイス」が備えるものとする本願補正発明の解釈(上記「3」参照)と一致する。 (2)一致点 してみると、両者は、 「広帯域スペクトルを有する光ビームを生成する放射源を用いて、製品を特徴づけ、選別するための選別デバイスであって、前記光ビームが前記製品に衝突し、それにより、前記製品により光が散乱及び/又は反射され、検出手段が、前記散乱光及び/又は反射光を検出するために設けられ、前記検出手段が前記製品を特徴づけるための処理ユニットと協働するデバイスにおいて、前記放射源がスーパコンティニューム放射源と、前記散乱光及び/又は反射光を、検出のために関心のあるスペクトル成分に分離するための手段とを備えるデバイス。」 で一致し、次の各点で相違する。 (3)相違点 ア 本願補正発明は、「検出ゾーンを通して製品を移動させる手段とを用いて、製品の流れの中で」製品を特徴づけ、前記光ビームが「前記検出ゾーンの中で」前記製品に衝突するのに対して、引用発明は、「対象物A2」が移動して流れとなっていて、その流れ中の検出位置において、「照射光P3」が照射されているか否かかが明らかでない点。 イ 本願補正発明は、「前記製品流れから望ましくない製品又は異物を取り除く除去システムが備えられる」のに対して、引用発明は、そのような「除去システム」を備えない点。 6 判断 (1)相違点ア及びイについて 国際公開第02/31473号には、レーズン、野菜、ナッツ、貝などの食品に使用され、検出ゾーンを移動する製品を選別し、その製品の流れから、不規則なものや異物を除去する装置が、国際公開第98/31477号には、エンドウ豆、ナッツ、レーズンなどの粒状製品の選別装置であって、製品の流れの中に、低品質の製品や異物が含まれているか否かを検出し、検出された場合にはこれらを製品の流れから分離する装置が、それぞれ、記載されるように、一般に、食品の検査装置として、多数の食品を効率よく検査するために、食品を移動させ、この移動中の食品に光を照射して、その反射光や散乱光を検出して、検査を行い、検査の結果、不良品や異物を除去する装置は、周知技術である。 一方、引用発明は、「ゴマ、米粒などの小さな種子」の「一粒ごとの測定も可能なので、ブランド種や遺伝子組み換え種の分類ができ、混雑や交配を防止することもできる、分析装置1b」であって、検査の結果、多数の食品の中から、1粒ごとに選別・分離することが必要とされることもあることは明らかであるから、引用発明において、多数の食品を効率よく検査し、1粒ごとに選別・分離するために、上記周知技術を採用することは、当業者が容易に想到し得ることである。 (2)効果について 本願補正発明が奏し得る効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものではない。 (3)結論 以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 7 小括 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の(出願当初の)特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記「第2」「[理由]」「1」の本件補正前の請求項1の記載を参照。) 2 引用文献 原査定の拒絶の理由に引用され、原出願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1、その記載内容及び引用発明は、上記「第2」「[理由]」「4」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、前記「第2」「[理由]」「5」及び「6」で検討した本願補正発明から、「選別する」、「前記製品流れから望ましくない製品又は異物を取り除く除去システムが備えられる」、「前記散乱光及び/又は反射光を、検出のために関心のあるスペクトル成分に分離するための手段」を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、更に限定したものに相当する本願補正発明は、前記「第2」「[理由]」「5」及び「6」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同様に、本願発明も、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 結論 したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 平成30年7月31日付け上申書について 1 補正書案 請求人は、平成30年7月31日付けで上申書を提出し、その中で、補正書案として請求項1及び2を提示しているので、この補正書案の請求項1についての当審の見解を、以下、簡潔に示す。 2 補正書案の請求項1 広帯域スペクトルを有する光ビームを生成する放射源と、検出ゾーンを通して製品を移動させる手段とを用いて、製品の流れの中で製品を特徴づけるための選別デバイスであって、前記光ビームが前記検出ゾーンの中で前記製品に衝突し、それにより、前記製品により光が散乱及び/又は反射され、検出手段が、前記散乱光及び/又は反射光を検出するために設けられ、前記検出手段が前記製品を特徴づけるための処理ユニットと協働する、デバイスにおいて、前記放射源がスーパコンティニューム放射源を備え、前記検出手段が、前記製品の位置に関連する情報を提供するために、前記散乱光及び/又は反射光を検出のための関心のある複数のスペクトル成分にフィルタリングするための手段を備えることを特徴とするデバイス。(下線部は、本願補正発明に対する補正箇所を示す。) 3 補正箇所について 請求人は、上申書において、上記補正箇所について、その補正の根拠を明らかにしていないところ、本願の特許請求の範囲、明細書及び図面を精査しても、「前記散乱光及び/又は反射光を検出のための関心のある複数のスペクトル成分にフィルタリングするための手段を備えること」、すなわち、製品を特徴づけ、選別するためにフィルタリング手段を備えることは記載されているものの、「製品の位置に関連する情報を提供するために、」「・・フィルタリングするための手段を備えること」は、記載も示唆もされていない。 すると、上記補正書案の請求項1は、いわゆる新規事項を追加するものである。 したがって、上記補正書案の請求項1は、その内容を審理するまでもなく、特許を受けることができないものである。なお、上記補正書案の請求項2についても、同様である。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって結論のとおり審決する。

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2017-016502

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