特許拒絶査定不服審判
2017-014353
遊技機
- 審判番号
- 2017-014353
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-039019外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年09月28日
- 審決日
- 2018年06月19日
- 公報発行日
- 2018年09月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社北電子
- 【請求人代理人】特許業務法人平和国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017- 39019号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年6月8日出願公開、特開2017- 99964号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成23年10月7日に出願された特願2011-222752号の一部を平成29年3月2日に新たな特許出願とした特願2017-39019号であって、平成29年3月2日に上申書が提出され、平成29年4月27日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年6月6日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年7月7日付け(発送日:平成29年7月18日)で拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年9月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成29年9月28日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年9月28日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
複数の図柄列を可変表示する可変表示手段と、遊技者に有利となる特定遊技結果についてその当否を判定する判定手段と、前記判定手段が行った前記判定の結果に基づいて前記特定遊技結果の当選に関する報知を行う報知手段とを備えた遊技機であって、
前記可変表示手段で可変表示される図柄を停止させるための第1の操作手段及び第2の操作手段を含む複数の操作手段と、
前記報知手段の報知態様を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1の操作手段又は前記第2の操作手段のいずれか一方が操作された場合、又は、前記第1の操作手段及び前記第2の操作手段が操作された場合に、前記報知手段による報知を開始させる制御を実行可能とし、
前記可変表示手段に前記特定遊技結果に対応する図柄組合せが表示されても前記報知手段による報知を所定期間継続し、前記所定期間が経過した場合に、前記報知手段による報知を終了させる制御を実行可能とする
ことを特徴とする遊技機。」(平成29年6月6日付けの手続補正)
から、
「【請求項1】
複数の図柄列を可変表示する可変表示手段と、遊技者に有利となる特定遊技結果についてその当否及び種類を判定する判定手段と、前記判定手段が行った前記判定の結果に基づいて前記特定遊技結果の当選に関する発光報知を行う報知手段とを備えた遊技機であって、
前記可変表示手段で可変表示される図柄を停止させるための第1の操作手段及び第2の操作手段を含む複数の操作手段と、
前記報知手段の報知態様を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1の操作手段又は前記第2の操作手段のいずれか一方が操作された場合、又は、前記第1の操作手段及び前記第2の操作手段が操作された場合に、前記報知手段による発光報知を開始させる制御を実行可能とし、
前記可変表示手段に前記特定遊技結果に対応する図柄組合せが表示されても前記報知手段による発光報知を所定期間継続し、前記所定期間が経過した場合に、前記報知手段による発光報知を終了させる制御を実行可能とする
ことを特徴とする遊技機。」(平成29年9月28日付けの手続補正)
に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。)。
2 補正の適否について
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「判定手段」に関して、「当否を判定する」を「当否及び種類を判定する」と限定するとともに、「報知手段」に関して、「報知」を「発光報知」と限定するものであり、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。
3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1)引用文献及び引用発明
ア 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用例1として引用された特開平10-305128号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スロットマシン(回胴式遊技機)におけるいわゆる内部当りを報知する装置及び方法に関し、特に、内部当りの当選結果を報知する報知部の報知時期を任意に設定できるとともに、内部当りの種類に応じて異なる報知を行うことができるスロットマシンの内部当り報知装置及び方法に関する。」
(イ)「[第一実施形態]まず、本発明のスロットマシンの内部当り報知装置及び方法の第一実施形態について、図1~図3を参照して説明する。
【0037】図1は、本発明の第一実施形態にかかるスロットマシンの正面図である。図2は、本発明の第一実施形態にかかるスロットマシンの内部当り表示ランプを点灯させるための制御系を示すブロック図である。また、図3は、本実施形態にかかるスロットマシンの内部当り表示ランプの点灯処理動作を示すフローチャートである。
【0038】まず、図1にもとづき、スロットマシンの全体構造を説明する。同図において、スロットマシン本体1の前面パネル2には、中央部に三つの表示窓3(3a,3b,3c)が設けられており、内部でそれぞれ独立して回転する三つのドラムの周面に描かれた図柄を、この表示窓3で識別できるようになっている。なお、表示窓3には、入賞ライン表示が描かれており、この入賞ライン表示上に配列した図柄の種類に応じて入賞が決定される。
【0039】4はスタートレバーで、各ドラムを一斉に回転させるためのゲームスタート装置となっている。5はストップボタンで、回転する三つの各ドラムをそれぞれ任意に停止させるためのものであり、三つのドラムに対応して、三つのストップボタン5(第一ボタン5a,第二ボタン5b,第三ボタン5c)が設けてある。・・・
【0044】20は内部当り表示ランプで、後述する内部当り抽選の結果を報知する報知部となっている。この内部当り表示ランプ20は、図1に示すように、スロットマシン本体1の前面部等、遊技者が確実に視認できる場所に設けられている。そして、図2に示すように、後述する内部当り報知制御部12からの信号により、ランプを点灯及び消灯するよう制御されている。
【0045】ここで、図2を参照して、本実施形態にかかるスロットマシンの表示ランプ20を点灯させるための制御系について説明する。同図において、10は制御部で、内部当り抽選部11及び内部当り報知制御部12を備えており、内部当り表示ランプ20の報知制御及び内部当りの抽選の制御を行う。また、この制御部10は、特に示さないが、スロットマシンにおける種々の制御を行うようになっている。
【0046】内部当りの抽選を行う内部当り抽選部11は、図2に示すように、スタートレバー4からの信号により、スタートレバー4の押下と同時に内部当りの抽選を行うようになっている。
【0047】ここで、内部当り抽選部で抽選される内部当りには、通常、大当り(大ボーナス,BB)及び中当り(中ボーナス,RB)等の二種類以上の異なる種類の当選がある。例えば、大当りに当選した場合には、以後所定量のメダルが払い出されるまで、大当り用の特定の図柄が配列されやすくなるように(例えば「7,7,7」)ドラムが制御され、中当りに当選した場合は、中当り用の特定の図柄が配列されやすくなるように(例えば「BAR,BAR,BAR」)ドラムが制御され、大当りは中当りの約3倍の量のメダルが払い出されるように設定されている。
【0048】そして、この内部当り抽選部11の抽選の結果、内部当りとなった場合には、図2に示すように、内部当り抽選部11から内部当り報知制御部12に信号が出力される。なお、本実施形態では、内部当りが大当り,中当りのいずれの場合にも、内部当りとして単一の信号を出力するようにしてあるが、後述する第二実施形態以下で示すように、内部当りの結果が中当りか大当りかの種類を判別し、その種類に応じた信号を出力することもできる。
【0049】内部当り報知制御部12は、あらかじめ内部当りの報知時期が設定されており、内部当り抽選部11からの内部当り信号に基づき、内部当り表示ランプ20にランプ点灯の信号を出力する。
【0050】すなわち、この内部当り報知制御部12は、例えばスタートレバー4の押下後、あるいは三つのストップボタン5a,5b,5cのいずれかが押された後に内部当り表示ランプ20を点灯させるよう、内部当りの報知時期をあらかじめ設定できるようにしてある。
【0051】ここで、スタートレバー4の押下後、あるいはストップボタン5a,5b,5cの押された後とは、スタートレバー4及び第一ボタン5a,第二ボタン5bについては、次のストップボタンが押されるまでの間を意味し、第三ボタン5cについては、第三のドラムが停止するまでの間を意味している。
【0052】そして、図2に示すように、この内部当り報知制御部12にはスタートレバー4及び各ストップボタン5a,5b,5cがそれぞれ接続されており、これらスタートレバー4及びストップボタン5が操作されることにより信号が入力され、あらかじめ設定された報知時期と一致するか否かを判別し、一致する場合には、内部当り表示ランプ20にランプ点灯の信号を出力するようになっている。・・・
【0055】なお、内部当り抽選後に停止されるドラムの図柄配列は、図示しない図柄判定部で入賞か否かが判定されるようになっており、図柄が大当り又は中当り等の所定の入賞配列に揃った場合には、内部当り報知制御部12に信号を出力し、図示しないメダルホッパが制御され、入賞メダル払出し口7から各賞に応じたメダルが遊技者に払い出される。
【0056】なお、本明細書において、点灯とは、ランプが連続的に灯っている場合と、点滅している場合の両方を含む意味である。したがって、本発明においては、内部当り表示ランプを連続的に灯してもよく、点滅させてもよく、またこれらを組合せてもよい。
【0057】また、本実施形態では、ランプの点灯について、内部当りが大当りか中当りかによって特に区別せずに、内部当りの報知としてランプを点灯させるようにしてあるが、後述する第二実施形態以下で示すように、内部当りの種類が大当りか中当りかによって異なった点灯とすることもできる。・・・
【0062】ステップ4において内部当りの抽選が行われると、当該抽選の結果、内部当りしたか否かが判別され(ステップ5)、内部当り(大当り又は中当り)している場合には、内部当り報知制御部12にあらかじめ設定してある内部当り表示ランプ20の点灯の時期に応じてランプ点灯時期が決定され(ステップ6)、当該決定の結果ランプをどの時期に点灯すべきかが判別される(ステップ7~10)。
【0063】例えば、内部当り報知制御部12の設定がスタートレバー4の押下後であればその時点で(ステップ7)、設定が第一ボタン7aが押された後であればその時点で(ステップ8)、設定が第二ボタン5bが押された後であればその時点で(ステップ9)、また、設定が第三ボタン5cが押された後であればその時点で(ステップ10)、それぞれ内部当り表示ランプ20に信号が出力されることになる。
【0064】そして、その判別の結果、決定された点灯時期に内部当り表示ランプ20が点灯され、遊技者に内部当りしたことが報知される(ステップ11)。なお、この間遊技者は、ランプの点灯によって内部当りの当選を知ると同時に、自らの判断により、順次ストップボタン5a,5b,5cを押して三つの各ドラムの回転を停止させ、図柄を配列させている。
【0065】そして、その後、停止,配列された三つのドラムの図柄の配列が所定の入賞配列となっているかの判定が図示しない図柄判定部により行われ(ステップ12)、入賞しているか否かが判別される(ステップ13)。ここでドラムの図柄配列が入賞となっている場合には、所定のメダルが払い出し口9から払い出される(ステップ14)。
【0066】なお、この場合、内部当り(大当り,中当り)したと同時に、直ちにその回のゲームでドラムが所定の大当り等の図柄配列(例えば「7,7,7」)に停止する場合もあり、次回のゲーム以降からドラムが所定の大当り図柄に停止する場合もある。
【0067】従って、直ちに所定の内部当り図柄がそろった場合には、遊技者は内部当りに入ったことが分かるので(この際、上述したスピーカ8から祝福のためのメロディーが流れ、スロットマシン上部のランプ9も点滅を開始する)、制御部10からの信号により、内部当り表示ランプ20は消灯される。
【0068】一方、内部当りになった後でも、ドラムが所定の入賞図柄に停止しなければ遊技者は内部当りとなったことが分からないので、内部当り表示ランプ20はドラムが所定の入賞図柄に停止するまで点灯される。・・・
【0072】このように本実施形態のスロットマシンの内部当り報知装置及び方法によれば、内部当りの当選結果を報知する内部当り表示ランプ20の報知時期を内部当り報知制御部12において任意に設定することにより、内部当りの報知を例えばスタートレバー4の押下後や、いずれかのストップボタン5が押された後とすることができる。
【0073】これによって、すべてのドラムが停止する以前の任意の時期に内部当りを報知することができ、遊技者に確実に内部当りか否かを知らせることができる。また、内部当りの報知時期が任意となり、遊技者が、すべてのドラムが停止する以前のゲーム中にも内部当りしたことを知ることができ、スロットマシンのゲーム自体の面白さも、より増すことができる。」
(ウ)上記(ア)及び(イ)の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明」という。)。
「スロットマシン本体1の前面パネル2には、中央部に三つの表示窓3(3a,3b,3c)が設けられ、内部でそれぞれ独立して回転する三つのドラムの周面に描かれた図柄を、この表示窓3で識別できるようになっていて、
前記三つのドラムに対応して、三つのストップボタン5(第一ボタン5a,第二ボタン5b,第三ボタン5c)が設けてあり、
内部当り報知制御部12からの信号により、ランプを点灯及び消灯するよう制御され、内部当り抽選の結果を報知する報知部となっている内部当り表示ランプ20が設けられ、
前記内部当り報知制御部12は、あらかじめ内部当りの報知時期が設定されており、内部当り抽選部11からの内部当り信号に基づき、内部当り表示ランプ20にランプ点灯の信号を出力するものであって、内部当り報知制御部12の設定がスタートレバー4の押下後であればその時点で、設定が第一ボタン7aが押された後であればその時点で、設定が第二ボタン5bが押された後であればその時点で、また、設定が第三ボタン5cが押された後であればその時点で、それぞれ内部当り表示ランプ20に信号が出力され、
内部当り抽選部11は、内部当りの結果が中当りか大当りかの種類を判別し、その種類に応じた信号を出力し、
前記内部当り表示ランプ20の点灯は、内部当りの種類が大当りか中当りかによって異なった点灯とし、
所定の内部当り図柄がそろった場合には、遊技者は内部当りに入ったことが分かるので、制御部10からの信号により、内部当り表示ランプ20は消灯され、
図柄が大当り又は中当り等の所定の入賞配列に揃った場合には、内部当り報知制御部12に信号を出力し、メダルホッパが制御され、入賞メダル払出し口7から各賞に応じたメダルが遊技者に払い出されるスロットマシン。」
イ 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用例2として引用された特開2010-104526号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに関し、特に、抽選の結果ボーナスに当選したことを告知する機能を有するスロットマシンに関する。」
(イ)「【0047】
ここで、告知パターンテーブルについて、図4に基づいて説明する。告知パターンテーブルは、S3において取得した告知乱数に基づいて告知パターンを決定する情報を有している。告知パターンとしては、ベットボタン14の操作時にベットボタン告知部51を点灯又は点滅させる『ベットボタン操作時』、スタートレバー11の操作時にスタートレバー告知部52を点灯又は点滅させる『スタートレバー操作時』、第1停止操作時に第1停止操作で操作したストップボタン12に対応する告知部50を点灯又は点滅させる『第1停止操作時』、第2停止操作時に第2停止操作で操作したストップボタン12に対応する告知部50を点灯又は点滅させる『第2停止操作時』、第3停止操作時に第3停止操作で操作したストップボタン12に対応する告知部50を点灯又は点滅させる『第3停止操作時』が設定されている。ここで、第1停止操作とは、全てのリール6が回転しているときに行なわれるリール6の停止操作(ストップボタン12の押下操作)をいい、第2停止操作とは、第1停止操作の次に行なわれる停止操作をいい、第3停止操作とは、第2停止操作の次に行なわれる停止操作をいう。・・・
【0049】
また、告知パターンテーブルは、当選したボーナスの種類に応じて設けられている。すなわち、ビッグボーナスに当選した場合は、ビッグボーナス用告知パターンテーブルに基づいて判定され、レギュラーボーナスに当選した場合は、レギュラーボーナス用告知パターンテーブルに基づいて判定される。ビッグボーナス用告知パターンテーブルは、図4のAに示すように、告知パターンとしてベットボタン操作時や第3停止操作時が選択される割合が高く設定されている。レギュラーボーナス用告知パターンテーブルは、図4のBに示すように、告知パターンとして第1停止操作時や第2停止操作時が選択される割合が高く設定されている。」
(ウ)上記の記載事項を総合すると、引用文献2には、次の事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2に記載の事項」という。)。
「ボーナスは複数種類(ビッグボーナス及びレギュラーボーナス)からなり、当選したボーナスの種類に応じて設けられている告知パターンテーブルにより、第1停止操作時,第2停止操作時を含む複数のタイミングで、告知部50を点灯又は点滅させることによりボーナスの告知を行う、スロットマシン。」
ウ 引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用例3として引用された特開2007-152134号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、乱数抽選によって決定された入賞態様に対応した報知情報を遊技者に報知して演出を行う機能を備えた遊技機に関するものである。」
(イ)「【0198】
例えば、BB内部当たり中にスイカが当選し、デモ抽選テーブルNo.16の抽選値32の欄の演出態様組合せが選択され、遊技開始音1,リールランプ消灯パターン3およびリールランプ点滅パターン3が遊技の一連の流れの中で演出された上記の場合は、確定パターン4に一致する。従って、この場合にはマイコン30の制御によってランプ駆動回路48が駆動され、告知ランプ25が点灯する。
【0199】
この際、マイコン30,ランプ駆動回路48および告知ランプ25は、入賞態様決定手段で決定されたRBまたはBBの内部当たりを上記の演出によって100%の確率で遊技者に報知する際、その報知情報を告知ランプ25の点灯表示によって遊技者に告知する告知手段を構成している。
【0200】
図63は告知ランプ25の点灯タイミングチャート図である。告知ランプ25は、BBまたはRBが確定する確定パターンが同図(b)に示すタイミングで表示し終わった時に、同図(a)に示すタイミングで点灯する。また、この告知ランプ25は、BBまたはRBの内部当たりフラグが同図(c)に示すようにONし、各リール3~5の停止時にBBまたはRBのシンボル組合せが停止表示されてBBまたはRB入賞が同図(d)に示すタイミングで発生し、その入賞によるメダル払い出しが終了する同図(e)に示すタイミングで消灯する。
【0201】
このように確定パターンが表示されたことを条件に告知ランプ25が点灯されることにより、今表示された予兆報知が、BBまたはRBの内部当たりが100%の確率で起きている予兆報知であることを、遊技者は認識することが出来る。」
(ウ)図63は次のものである。
(エ)上記の記載事項を総合すると、引用文献3には、次の事項が記載されていると認められる(以下「引用文献3に記載の事項」という。)。
「RBまたはBBの内部当たりを告知ランプ25の点灯表示によって遊技者に告知する告知手段を備え、
前記告知ランプ25の点灯(ON)後、各リール3~5の停止時にBBまたはRBのシンボル組合せが停止表示されるタイミング(図63(d))の後も点灯し続け、その入賞によるメダル払い出しが終了するタイミング(図63(e))で消灯する遊技機。」
(2)対比
本願補正発明と引用発明1とを対比する。
ア 引用発明の「スロットマシン本体1の前面パネル2には、中央部に三つの表示窓3(3a,3b,3c)が設けられ、内部でそれぞれ独立して回転する三つのドラムの周面に描かれた図柄を、この表示窓3で識別できるようになってい」る「ドラム」は、本願補正発明の「複数の図柄列を可変表示する可変表示手段」に相当する。
イ 引用発明の「内部当りの結果が中当りか大当りかの種類を判別し、その種類に応じた信号を出力」する「内部当り抽選部11」は、本願補正発明の「遊技者に有利となる特定遊技結果についてその当否及び種類を判定する判定手段」に相当する。
ウ 引用発明の「内部当り報知制御部12からの信号により、ランプを点灯及び消灯するよう制御され、内部当り抽選の結果を報知する報知部となっている」、「内部当りの種類が大当りか中当りかによって異なった点灯」をする「内部当り表示ランプ20」は、本願補正発明の「前記判定手段が行った前記判定の結果に基づいて前記特定遊技結果の当選に関する発光報知を行う報知手段」に相当する。
エ 引用発明の「前記三つのドラムに対応して」「設けてあ」る「三つのストップボタン5(第一ボタン5a,第二ボタン5b,第三ボタン5c)」は、本願補正発明の「前記可変表示手段で可変表示される図柄を停止させるための第1の操作手段及び第2の操作手段を含む複数の操作手段」に相当する。
オ 引用発明の「あらかじめ内部当りの報知時期が設定されており、内部当り抽選部11からの内部当り信号に基づき、内部当り表示ランプ20にランプ点灯の信号を出力するものであって、内部当り報知制御部12の設定がスタートレバー4の押下後であればその時点で、設定が第一ボタン7aが押された後であればその時点で、設定が第二ボタン5bが押された後であればその時点で、また、設定が第三ボタン5cが押された後であればその時点で、それぞれ内部当り表示ランプ20に信号が出力され」る「内部当り報知制御部12」は、本願補正発明の「前記第1の操作手段又は前記第2の操作手段のいずれか一方が操作された場合に、前記報知手段による発光報知を開始させる制御を実行可能と」する「前記報知手段の報知態様を制御する演出制御手段」に相当する。
なお、仮に、引用発明の「内部当り報知制御部12」が相当しないとしても、本願補正発明の「前記第1の操作手段又は前記第2の操作手段のいずれか一方が操作された場合に、前記報知手段による発光報知を開始させる制御を実行可能と」する構成は、引用文献2に記載の事項にも見られるとおりである。
カ 引用発明の「内部当り表示ランプ20」は、「内部当り報知制御部12からの信号により、ランプを点灯及び消灯するよう制御され」るものであるから、「所定の内部当り図柄がそろった場合には、制御部10からの信号により、内部当り表示ランプ20は消灯される」よう制御するのは「内部当り報知制御部12」であるところ、当該構成は、本願補正発明の「前記可変表示手段に前記特定遊技結果に対応する図柄組合せが表示されても前記報知手段による発光報知を所定期間継続し、前記所定期間が経過した場合に、前記報知手段による発光報知を終了させる制御を実行可能とする」「演出制御手段」と、「前記可変表示手段に前記特定遊技結果に対応する図柄組合せが表示され」「た場合に、前記報知手段による発光報知を終了させる制御を実行可能とする」「演出制御手段」の点で共通する。
キ 引用発明の「スロットマシン」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
ク したがって、本願補正発明と引用発明とは、
「複数の図柄列を可変表示する可変表示手段と、遊技者に有利となる特定遊技結果についてその当否及び種類を判定する判定手段と、前記判定手段が行った前記判定の結果に基づいて前記特定遊技結果の当選に関する発光報知を行う報知手段とを備えた遊技機であって、
前記可変表示手段で可変表示される図柄を停止させるための第1の操作手段及び第2の操作手段を含む複数の操作手段と、
前記報知手段の報知態様を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1の操作手段又は前記第2の操作手段のいずれか一方が操作された場合に、前記報知手段による発光報知を開始させる制御を実行可能とし、
前記可変表示手段に前記特定遊技結果に対応する図柄組合せが表示された場合に、前記報知手段による発光報知を終了させる制御を実行可能とする遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点]
「報知手段による発光報知を終了させる制御を実行」する「場合」が、本願補正発明は「可変表示手段に前記特定遊技結果に対応する図柄組合せが表示されても前記報知手段による発光報知を所定期間継続し、前記所定期間が経過した場合」であるのに対して、引用発明は「所定の内部当り図柄がそろった場合」である点。(以下「相違点」という。)
(3)判断
上記相違点について検討する。
引用発明は「図柄が大当り又は中当り等の所定の入賞配列に揃った場合には、内部当り報知制御部12に信号を出力し、メダルホッパが制御され、入賞メダル払出し口7から各賞に応じたメダルが遊技者に払い出される」ものであって、「内部当り表示ランプ20」が、「所定の内部当り図柄がそろった場合に」「消灯される」のは、「所定の内部当り図柄がそろった場合には、遊技者は内部当りに入ったことが分かる」からとされる。
したがって、「内部当り表示ランプ20」を「消灯」するタイミングは、発明を実施するに際して、「遊技者は内部当りに入ったことが分かる」範囲で適宜のタイミングに定め得るものであるといえる。
ここで、「告知ランプ25」が、「図柄が大当り又は中当り等の所定の入賞配列に揃った」タイミングではなく、「図柄が大当り又は中当り等の所定の入賞配列に揃っ」て「入賞メダル払出し口7から各賞に応じたメダルが遊技者に払い出され」タイミング(各リール3~5の停止時にBBまたはRBのシンボル組合せが停止表示されるタイミングの後も点灯し続け、その入賞によるメダル払い出しが終了するタイミングで消灯する)とすることは、引用文献3に記載の事項に見られるとおり公知のことである。
そして、引用発明の「内部当り表示ランプ20」は「遊技者に内部当りしたことが報知」(上記「(1)」「ア」「(イ)」段落【0064】)されるものであり、また、引用文献3の「告知ランプ25」は、「RBまたはBBの内部当たりを」「遊技者に報知する」(上記「(1)」「ウ」「(イ)」段落【0199】)するものであって、遊技者に内部当りしたことを報知するランプである点で技術的に共通する。
したがって、引用発明における、「図柄が大当り又は中当り等の所定の入賞配列に揃った場合には、内部当り報知制御部12に信号を出力し」、「内部当り表示ランプ20」を「消灯」し、「メダルホッパが制御され、入賞メダル払出し口7から各賞に応じたメダルが遊技者に払い出される」構成を、「図柄が大当り又は中当り等の所定の入賞配列に揃った場合には、内部当り報知制御部12に信号を出力し、メダルホッパが制御され、入賞メダル払出し口7から各賞に応じたメダルが遊技者に払い出される」とともに「内部当り表示ランプ20」を「消灯」するものとなし、上記相違点に係る本願補正発明の構成となすことに格別の困難性は認められない。
(4)本願補正発明が奏する効果について
上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が引用発明及び引用文献2、3に記載の事項から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。
(5)請求人の主張について
ア 上記相違点によって本願補正発明が奏する効果に関して、請求人は審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」「(2)本願発明の説明」の「(f)」及び「(g)」の項において、
「(f)本願発明は、・・・操作手段が操作されることで可変表示手段に所定の当りの内部当選に対応する図柄組合せが表示された場合には、その所定の図柄組合せが表示された後も報知手段による報知を所定期間継続させ、その図柄表示の確定から所定期間が経過したときに、報知手段による報知を終了させるようにしています。・・・
これによって、上述したような2つの停止ボタンが操作されたタイミングでボーナス当選の報知が開始される場合にも、ボーナス図柄が揃った後、所定期間が経過後するまで報知が継続されるようになり、遊技者が報知手段による報知を確実に認識でき、その報知内容を十分に楽しむことができるようになります。
(g)以上のように、本願発明は、上記のような『複数のタイミング』で報知が行われるがゆえに生じる課題を、ボーナス図柄が揃った後も、『報知手段による報知を所定期間継続し』、その所定期間が経過後に報知を終了させることによって解決するものです。
このような課題を解決し得る発明は、引用例1にも、引用例2及び3にも、全く開示も示唆もされておりません。
すなわち、本願発明は、内部当選を告知する報知手段は、(1)操作手段の操作に応じた複数のタイミングで点灯等の報知を開始し、かつ、(2)開始された報知は可変表示手段でボーナス図柄揃った後も所定期間継続させてその所定期間が経過したときに報知を終了させる、という特徴的な構成を備えるもので、これによって、従来にはない意外性や期待感のあるタイミングでボーナス当選の報知が行われ、かつ、そのようなボーナス当選の報知を、ボーナス図柄の成立後も確実に遊技者が認識して楽しむことができるという特有の作用効果を奏するものです。」
と主張する。
しかしながら、本願発明の課題は明細書の段落【0006】に記載されているとおり、「面白味のある演出を実行可能とする遊技機の提供を目的とする」ことであり、複数のタイミングで報知が行われることを前提とした課題を当初から認識しているものではない。また、請求人が主張する上記効果は、上記(4)で述べたとおり、上記「(g)」「(1)」の構成を備える引用発明及び上記「(g)」「(2)」の構成を備える引用文献3に記載の事項から予測し得る程度の効果である。
イ 請求人は、審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」「(4)本願発明と引用発明との対比」「(b)引用文献2及び3」の項において、
「また、引用例3に記載されている発明では、内部当選役が入賞して、その分のメダルの払出が終了するタイミングで報知が終了するため、例えばメダルのクレジットがない状況及びクレジットが最大数に達していない状況において、メダルの払出処理が発生せずクレジットへの加算処理が行われる場合と、クレジットが最大数に達している状況においてメダルの払出処理が発生する場合とで、行われる処理の違いにより報知終了までの時間が異なることになります。さらに、このような引用例3の構成では、メダルのクレジットへの加算処理及びメダルの払出処理は、対象となるメダルの数に処理時間が依存しており、例えば入賞した役の種類によって処理時間が異なることが考えられます。
したがって、引用例3記載の発明では、本願発明のように、『報知手段による発光報知を所定期間継続』させ、『所定期間が経過した場合』に報知を終了させるという、一義的に設定される『所定期間』とは異なり、遊技機の状況等によって変動する時間が報知終了までの時間となるため、遊技者が告知内容を十分に確認する時間が取れる保証がないという問題が発生します。」
とも主張する。
遊技機(スロットマシン)は、「メダルのクレジットがない状況及びクレジットが最大数に達していない状況」だけでなく、「メダルのクレジットがある状況」であって「クレジットが最大数に達している状況」もあり、この場合は、「報知終了までの時間」は一定となるから、本願補正発明でいう「所定期間」の構成を含むものである。
そして、本願補正発明でいう「所定期間」は、一定の期間であるとも特定されないから、引用文献3に記載の事項は、上記相違点に係る本願補正発明の構成を含む。
したがって、上記請求人の主張は採用できない。
(6)まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が引用発明及び引用文献3に記載の事項、あるいは、引用発明及び引用文献2、3に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2」[理由]「1 補正の内容」において、平成29年6月6日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1として記載したとおりのものである。
2 引用文献及び引用発明
引用発明及び引用文献2、3に記載された事項は、上記「第2」[理由]「3」「(1)」に記載したとおりである。
3 対比・判断
本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「判定手段」に関して、「種類」を判定するとの限定を省くとともに、「報知手段」の「報知」に関して、「発光」報知との限定を省くものである。
しかしながら、「報知」が「発光報知」を含むことは明らかであるから、上記「第2」[理由]「3」「(3)」で検討した理由と同じ理由により、本願発明は、当業者が引用発明及び引用文献3に記載の事項、あるいは、引用発明及び引用文献2、3に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。
4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、他の請求項について判断するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-014353