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特許拒絶査定不服審判

2017-013063

遊技機

審判番号
2017-013063
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-185475外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年09月05日
審決日
2018年06月05日
公報発行日
2018年09月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .113-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

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特願2014-185475号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月21日出願公開、特開2016- 55054号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年9月11日の出願であって、平成29年1月10日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年3月15日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年5月16日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年9月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に特許請求の範囲に係る手続補正がなされたものである。 第2 平成29年9月5日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成29年9月5日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 基板側コネクタが設けられた回路基板と、 前記回路基板を収納する基板ケースと、 前記基板ケースに形成され、前記基板側コネクタを露呈させる開口と、 保護チューブ内に挿通されたハーネスの先端に設けられ、前記開口を介して前記基板側コネクタと係合されるハーネス側コネクタと、 前記基板側コネクタと前記ハーネス側コネクタとの係合部、及び、前記保護チューブの先端と前記ハーネス側コネクタとの間から露呈した前記ハーネスの先端部を覆うように前記基板ケースに取り付けられる封印カバーとを備え、 前記ハーネス側コネクタは、先端部を回路基板へ向けた状態で前記基板側コネクタに係合されており、前記係合を解除する際には、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向である係合解除方向に移動され、 前記封印カバーと前記回路基板との間には、前記封印カバーの内部から前記封印カバーの外部へ向かう前記ハーネスが通るための隙間が形成され、 前記ハーネスは、先端部が前記ハーネス側コネクタの後端部に接続されており、前記ハーネス側コネクタの後端部から前記隙間へ向けて前記係合解除方向とは反対の前記回路基板へ向かう経路を経由し、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈されることを特徴とする遊技機。」 から、 「【請求項1】 A 基板側コネクタが設けられた回路基板と、 B 前記回路基板を収納する基板ケースと、 C 前記基板ケースに形成され、前記基板側コネクタを露呈させる開口と、 D 保護チューブ内に挿通されたハーネスの先端に設けられ、前記開口を介して前記基板側コネクタと係合されるハーネス側コネクタと、 E 前記基板側コネクタと前記ハーネス側コネクタとの係合部、及び、前記保護チューブの先端と前記ハーネス側コネクタとの間から露呈した前記ハーネスの先端部を覆うように前記基板ケースに取り付けられる封印カバーとを備え、 F 前記ハーネス側コネクタは、先端部を回路基板へ向けた状態で前記基板側コネクタに係合されており、前記係合を解除する際には、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向である係合解除方向に移動され、 G 前記封印カバーと前記回路基板との間には、前記封印カバーの内部から前記封印カバーの外部へ向かう前記ハーネスが通るための隙間が形成され、 H 前記ハーネスは、先端部が前記ハーネス側コネクタの後端部に接続されており、前記ハーネス側コネクタの後端部から前記隙間へ向けて前記係合解除方向とは反対の前記回路基板へ向かう経路を経由し、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈され、 I 前記隙間は、前記基板ケースの背面から前記回路基板側へ向けて一段窪むように形成されたコネクタ露呈部内に設けられ、 J 前記ハーネスは、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈された後、前記コネクタ露呈部から脱するために、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向へ向かう経路を経由し、前記コネクタ露呈部の外部に露呈されることを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。また、当審においてA~Jに分説した。)。 2 補正の適否について 上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「隙間」に関して、「前記基板ケースの背面から前記回路基板側へ向けて一段窪むように形成されたコネクタ露呈部内に設けられ、」と限定し、「ハーネス」に関して、「前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈された後、前記コネクタ露呈部から脱するために、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向へ向かう経路を経由し、前記コネクタ露呈部の外部に露呈され」と限定するものであって、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。 (1)刊行物1 本願の出願前に頒布された特開2013-226296号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1-a)「【要約】 【課題】基板ボックスのコネクタ接続部への不正なアクセスを有効に防止する。 【解決手段】コネクタカバー360がコネクタ収容室260をカバーし、裏面側でコネクタ収容室260の底壁257に係止されて封止状態となる。コネクタカバー360の裏面には剛性ブロック部390が形成され、ソケット48に接続されたコネクタ81とケーブル引出し口85間のケーブル80の経路をS字状に規制するので、針金などを使用してもケーブル引出し口85から直接コネクタ接続部にアクセスすることができない。」 (1-b)「【0012】 次に本発明をスロットマシンに適用した実施の形態について説明する。」 (1-c)「【0016】 主制御装置22には後述のソケット45(図8参照)、48(図47参照)が設けられ、ソケット45には各種センサやスイッチ信号を中継する中継基板につながるケーブル27のコネクタ28(図25参照)が挿し込まれて接続され、ソケット48には表示制御装置等のサブ基板に向けてコマンド信号を送るケーブル80のコネクタ81(図47参照)が挿し込まれて接続される。 ソケット45まわりのコネクタ接続部CON1には、主制御装置22から可動ベース部100に跨って当該部位をカバーするコネクタカバー300が取り付けられる。 ソケット48まわりのコネクタ接続部CON2には、主制御装置22に当該部位をカバーするコネクタカバー360が取り付けられる。 なお、主制御装置22にはソケット45、48以外にもソケットが設けられているが、不正アクセスによって制御に影響を受けるのを防止するためコネクタカバーが取り付けられるもののみ挙げておく。 【0017】 主制御装置22は、後述する表裏一対の第1ボックス200と第2ボックス201によって構成される横長の矩形状の基板ボックス30と、この基板ボックス30内に収容される平板形状の主基板23(後掲の図11参照)とからなっている。」 (1-d)「【0098】 次に、先の図8に戻って、基板ボックス30の前壁31にはソケット45のコネクタ接続部CON1に隣接した内側に、下端壁34に沿って矩形凹部208が形成されている。 ここで、下端壁34は第1ボックス200の下端壁206と第2ボックス201の下端壁207を突き合わせて構成されている(図9参照)。なお、下端壁206から外部には連結部297が延びて第1の封止結合部70を構成するアッパブラケットを支持している(後掲の図31参照)。 後掲の図30以下に示すように、矩形凹部208の下壁は前壁31に対して垂直な下端壁206の上面である一方、上壁255は前壁31に向かって上方に傾斜している。 この矩形凹部208内は左右方向3区画に分割され、中央の区画が前述のソケット48にかかるコネクタ接続部CON2となっている。 【0099】 ・・・ 図30に示すように、ソケット48にかかるコネクタ接続部CON2には、ソケット挿通穴256を上壁261、下壁263、側壁262および側壁264の4壁で囲むコネクタ収容室260が形成されている。」 (1-e)「【0119】 ・・・コネクタカバー360は樹脂製で、基板ボックス30のカバー嵌め込み領域267に整合する矩形をなすベース365の裏面に後述の係止片を備えて構成されている。ベース365はスリット363により左右方向で長尺の第1部361と短尺の第2部362に2分割され、耳片375、377によって連結されている。」 (1-f)「【0127】 第1部361の左端部には、剛性ブロック部390が設けられている。」 (1-g)「【0139】 上述した矩形凹部208のコネクタ接続部CON2においては、基板ボックス30内の基板からソケット挿通穴256を貫通してコネクタ収容室260に臨むソケット48に、ケーブル80のコネクタ81を挿し込んで接続し、そのあと、コネクタカバー360を取り付ける。」 (1-h)「【0146】 コネクタカバー360、とくに第1部361の裏面はソケット48に接続されたコネクタ81の上部を囲む凹部399となっているので、段差ができるとともにコネクタ81上部まわりが狭くなるので、外部から裏面側空間に針金などを進入させ得たとしても、コネクタ81とケーブル80の接続部にまでアクセスすることはきわめて困難である。 また、コネクタ81は前方へ延びる係止プレート82を備えており、コネクタ81のソケット48への挿し込みが不十分で接続が正規状態でないときは、凹部399の底壁399aに設けられたコネクタ押さえ400がコネクタ81の係止プレート82に当接して押し込むので、コネクタ接続が十分でないときでもコネクタカバー360の取り付けによって同時に正規の接続状態が実現される。」 (1-i)「【0150】 ・・・ コネクタ81の前面から延びるケーブル80は、コネクタカバー360の凹部399の底面399aで進路を曲げられてコネクタ収容室260の凹部278へ向かう。そして、ケーブル80は凹部278の凹部底278aと剛性ブロック部390における右壁392の底部393との間隙を抜けて、側壁264とコネクタカバー360間のケーブル引出し口85から外部へ引き出される。 【0151】 コネクタカバー360がコネクタ接続部CON2のカバー嵌め込み領域267に嵌め込まれたこの状態では、ケーブル80は剛性ブロック部390により経路を規制されてS字状にコネクタ81に接続しているので、針金などを使用してもケーブル引出し口85から直接ケーブル80とコネクタ81の接続部やコネクタ81とソケット48の接続部にアクセスすることができない。」 (1-j)「【0163】 一方、ソケット48にかかるコネクタ接続部CON2では、矩形凹部208内の奥まった位置にコネクタ収容室260を設定し、カバー嵌め込み領域267に取り付けられたコネクタカバー360の前面も基板ボックス30の前壁31から後退しているものとしたが、コネクタ収容室260を独立して基板ボックス30の前壁31に開口させて、カバー嵌め込み領域267に取り付けたコネクタカバー360の前面が前壁31と面一になるようにしてもよい。」 (1-k)段落【0016】には、「主制御装置22には後述のソケット45(図8参照)、48(図47参照)が設けられ」と記載され、段落【0017】には、「主制御装置22は、後述する表裏一対の第1ボックス200と第2ボックス201によって構成される横長の矩形状の基板ボックス30と、この基板ボックス30内に収容される平板形状の主基板23(後掲の図11参照)とからなっている」と記載され、図47には、ソケット48が主基板23に接続されることが図示されているから、刊行物1には、ソケット48が設けられた主基板23と、主基板23を収容する基板ボックス30が記載されているといえる。 (1-l)段落【0098】には、「基板ボックス30の前壁31にはソケット45のコネクタ接続部CON1に隣接した内側に、下端壁34に沿って矩形凹部208が形成されている」と記載され、段落【0139】には、「矩形凹部208のコネクタ接続部CON2においては、基板ボックス30内の基板からソケット挿通穴256を貫通してコネクタ収容室260に臨むソケット48に、ケーブル80のコネクタ81を挿し込んで接続」と記載されていることから、刊行物1には、基板ボックス30に形成され、ソケット48を基板ボックス30内から貫通するソケット挿通穴256が記載されているといえる。 (1-m)段落【0139】には、「ソケット挿通穴256を貫通してコネクタ収容室260に臨むソケット48に、ケーブル80のコネクタ81を挿し込んで接続」と記載され、図47にはケーブル80の先端に接続されたコネクタ81がソケット挿通穴256を通ってソケット48と接続されることが図示されていることから、刊行物1には、ケーブルの80の先端に設けられ、ソケット挿通穴256を通ってソケット48に接続されるコネクタ81が記載されているといえる。 (1-n)段落【0098】には、「基板ボックス30の前壁31にはソケット45のコネクタ接続部CON1に隣接した内側に、下端壁34に沿って矩形凹部208が形成されている」と記載され、段落【0139】には、「矩形凹部208のコネクタ接続部CON2においては、基板ボックス30内の基板からソケット挿通穴256を貫通してコネクタ収容室260に臨むソケット48に、ケーブル80のコネクタ81を挿し込んで接続し、そのあと、コネクタカバー360を取り付ける」と記載され、段落【0146】には、「コネクタカバー360、とくに第1部361の裏面はソケット48に接続されたコネクタ81の上部を囲む凹部399となっている」と記載され、図47には、ソケット48とコネクタ81の接続部、及び、ケーブル80の先端部がコネクタカバー360で覆われることが図示されていることから、刊行物1には、ソケット48とコネクタ81の接続部、及び、ケーブル80の先端部を覆うように、基板ボックス30に取付けられるコネクタカバー360が記載されているといえる。 (1-o)段落【0146】には、「コネクタ81のソケット48への挿し込みが不十分で接続が正規状態でないときは、凹部399の底壁399aに設けられたコネクタ押さえ400がコネクタ81の係止プレート82に当接して押し込むので、コネクタ接続が十分でないときでもコネクタカバー360の取り付けによって同時に正規の接続状態が実現される」と記載され、図47には、コネクタ81が先端部を主基板23に向けた状態でソケット48に接続されること、コネクタ押さえ400が主基板23とは反対の方向から主基板23に向かって略垂直方向にコネクタ81に当接することが図示されていることから、刊行物1には、コネクタ81は、先端部を主基板23に向けた状態でソケット48に接続され、コネクタ81は、主基板23とは反対の方向から主基板23に向かって略垂直方向に押し込まれることよりソケット48に接続されることが記載されているといえる。 (1-p)段落【0119】には、「コネクタカバー360は樹脂製で、基板ボックス30のカバー嵌め込み領域267に整合する矩形をなすベース365の裏面に後述の係止片を備えて構成されている。ベース365はスリット363により左右方向で長尺の第1部361と短尺の第2部362に2分割され」と記載され、段落【0127】には、「第1部361の左端部には、剛性ブロック部390が設けられ」と記載され、段落【0150】には、「ケーブル80は凹部278の凹部底278aと剛性ブロック部390における右壁392の底部393との間隙を抜けて、側壁264とコネクタカバー360間のケーブル引出し口85から外部へ引き出される」と記載されている。すなわち、コネクタカバー360の一部である底部393と凹部底278aとの間隙を抜けて、ケーブル80が外部へ引き出されることが記載されている。 また、図47には、コネクタカバー360の底部393と凹部底278aとの間隙は、コネクタカバー360と主基板23との間に設けられることが図示されているから、刊行物1には、コネクタカバー360と主基板23との間には、コネクタカバー360の外部へケーブル80を引き出す際に通る間隙が形成されることが記載されているといえる。 (1-q)段落【0150】には、「コネクタ81の前面から延びるケーブル80は、コネクタカバー360の凹部399の底面399aで進路を曲げられてコネクタ収容室260の凹部278へ向かう。そして、ケーブル80は凹部278の凹部底278aと剛性ブロック部390における右壁392の底部393との間隙を抜けて、側壁264とコネクタカバー360間のケーブル引出し口85から外部へ引き出される」と記載され、段落【0151】には、「ケーブル80は剛性ブロック部390により経路を規制されてS字状にコネクタ81に接続」と記載され、図47には、ケーブル80の先端部にコネクタ81が接続されること、ケーブル80がコネクタ81から主基板23側に向かう経路で凹部底278aと底部393との間隙を抜けてコネクタカバー360の外部に出ることが図示されていることから、刊行物1には、ケーブル80は先端部がコネクタ81の前面に接続されており、コネクタ81の前面から主基板23へ向かう経路で間隙を抜けてコネクタカバー360の外部に出ることが記載されているといえる。 (1-r)段落【0150】には、「コネクタ81の前面から延びるケーブル80は、コネクタカバー360の凹部399の底面399aで進路を曲げられてコネクタ収容室260の凹部278へ向かう。そして、ケーブル80は凹部278の凹部底278aと剛性ブロック部390における右壁392の底部393との間隙を抜けて、側壁264とコネクタカバー360間のケーブル引出し口85から外部へ引き出される」と記載されている。 また、段落【0098】には、「基板ボックス30の前壁31にはソケット45のコネクタ接続部CON1に隣接した内側に、下端壁34に沿って矩形凹部208が形成されている。・・・この矩形凹部208内は左右方向3区画に分割され、中央の区画が前述のソケット48にかかるコネクタ接続部CON2となっている。」と記載され、段落【0099】には、「ソケット48にかかるコネクタ接続部CON2には、ソケット挿通穴256を上壁261、下壁263、側壁262および側壁264の4壁で囲むコネクタ収容室260が形成されている」と記載され、段落【0163】には、「ソケット48にかかるコネクタ接続部CON2では、矩形凹部208内の奥まった位置にコネクタ収容室260を設定し、カバー嵌め込み領域267に取り付けられたコネクタカバー360の前面も基板ボックス30の前壁31から後退している」と記載され、図8には、矩形凹部208が基板ボックス30の前壁31から基板ボックス30の内部に向けて一段下がるように形成される点が図示されているから、刊行物1には、間隙は、基板ボックス30の前壁31から基板ボックス30の内部に向けて一段下がるように形成された矩形凹部208のコネクタ収容室260に設けられることが記載されているといえる。 (1-s)段落【0012】には、「本発明をスロットマシンに適用」と記載され、段落【0150】には、「コネクタ81の前面から延びるケーブル80は、コネクタカバー360の凹部399の底面399aで進路を曲げられてコネクタ収容室260の凹部278へ向かう。そして、ケーブル80は凹部278の凹部底278aと剛性ブロック部390における右壁392の底部393との間隙を抜けて、側壁264とコネクタカバー360間のケーブル引出し口85から外部へ引き出される」と記載され、段落【0151】には、「ケーブル80は剛性ブロック部390により経路を規制されてS字状にコネクタ81に接続」と記載され、図47には、ケーブル80がコネクタ81から凹部底278aと底部393との間隙を抜けてコネクタカバー360の外部に出た後、間隙から略垂直に主基板23から離れるS字状の経路でコネクタ収容室260の外部に向かうことが図示されている。 また、段落【0016】には、「ソケット48には表示制御装置等のサブ基板に向けてコマンド信号を送るケーブル80のコネクタ81(図47参照)が挿し込まれて接続される」との記載があり、ソケット48に接続されたコネクタ81のケーブル80は表示制御装置等の他のサブ基板に向かうことが記載されている。 よって、刊行物1には、ケーブル80は、間隙からコネクタカバー360の外部に出た後、略垂直に主基板23から離れる方向で矩形凹部208内のコネクタ収容室260の外部に出て、その後、表示制御装置等の他のサブ基板に向かう、スロットマシンが記載されているといえる。 上記(1-a)~(1-j)の記載事項及び(1-k)~(1-s)の認定事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物1発明」という。)。 「a ソケット48が設けられた主基板23と(認定事項(1-k))、 b 主基板23を収容する基板ボックス30(認定事項(1-k))と、 c 基板ボックス30に形成され、ソケット48を基板ボックス30内から貫通するソケット挿通穴256と(認定事項(1-l))、 d ケーブルの80の先端に設けられ、ソケット挿通穴256を通ってソケット48に接続されるコネクタ81と(認定事項(1-m))、 e ソケット48とコネクタ81の接続部、及び、ケーブル80の先端部を覆うように、基板ボックス30に取付けられるコネクタカバー360と(認定事項(1-n))、 f コネクタ81は、先端部を主基板23に向けた状態でソケット48に接続され、コネクタ81は、主基板23とは反対の方向から主基板23に向かって略垂直方向に押し込まれることよりソケット48に接続され(認定事項(1-o))、 g コネクタカバー360と主基板23との間には、コネクタカバー360の外部へケーブル80を引き出す際に通る間隙が形成され(認定事項(1-p))、 h ケーブル80は先端部がコネクタ81の前面に接続されており、コネクタ81の前面から主基板23へ向かう経路で間隙を抜けてコネクタカバー360の外部に出て(認定事項(1-q))、 i 間隙は、基板ボックス30の前壁31から基板ボックス30の内部に向けて一段下がるように形成された矩形凹部208のコネクタ収容室260に設けられ(認定事項(1-r))、 j ケーブル80は、間隙からコネクタカバー360の外部に出た後、略垂直に主基板23から離れる方向で矩形凹部208内のコネクタ収容室260の外部に出て、その後、表示制御装置等の他のサブ基板に向かう、スロットマシン(認定事項(1-s))。」 (2)刊行物2 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2014-33905号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (2-a)「【要約】 【課題】電線に対する不正行為を抑制するとともに、電線と電線側コネクタとの間で接続不良がない遊技機を容易に製造することができる遊技機を提供する。」 (2-b)「【0001】 本発明は、例えば、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。」 (2-c)「【0084】 着脱側コネクタ71aに接続済みのハーネス300がチューブ304に挿通された状態で、ハーネス両側の着脱側コネクタ71aが各基板に電気的に接続されている。例えば、一方の着脱側コネクタ71aが主制御基板12に電気的に接続された構成では、他方の着脱側コネクタ71aがサブ制御基板(副制御基板)に対して電気的に接続される。 ・・・ 【0086】 チューブ304は、筒状(円筒状あるいは角筒状)に構成されており、開口部304aを有している。また、チューブ304は、透明の樹脂製のものでもよく、電磁波や外部からの不正信号を遮蔽する材質のもので構成してもよい。」 (2-d)「【0185】 また、図29~図36に示すように、各コネクタカバー73、118、172、215とその対向部位との隙間に、ハーネス300及びチューブ304に当接し引き抜きを阻止する各押さえ手段310が設けられているため、ハーネス300をチューブ304で覆っている状態でチューブ304だけが引抜き方向(図29~図36中矢印A方向)に引っ張られた場合でも、チューブ304がハーネス300に対して相対移動することを防止できる。これにより、ハーネス300が露出することを防止できるため、ハーネス300に対して不正信号が付与されることを防止できる。この結果、不正行為を抑制することができる。」 (2-e)「【0190】 コネクタカバー73、118、172、215が着脱側コネクタ71a、117a、117b、171、214に当接して着脱側コネクタ71a、117a、117b、171、214の離脱を阻止する離脱規制部81を有することにより、着脱側コネクタ71a、117a、117b、171、214の離脱あるいは引抜きを阻止することができる。これにより、着脱側コネクタ71a、117a、117b、171、214の脱着あるいは取替えを伴う不正行為を防止することができる。」 (3)対比 本願補正発明と刊行物1発明とを対比する(下記の(a)~(j)は、刊行物1発明の構成に対応している。)。 (a)刊行物1発明の「ソケット48」は、本願補正発明の「基板側コネクタ」に相当する。 よって、刊行物1発明の「ソケット48が設けられた主基板23」は、本願補正発明の「基板側コネクタが設けられた回路基板」に相当する。 (b)刊行物1発明の「主基板23を収容する基板ボックス30」は、本願補正発明の「前記回路基板を収納する基板ケース」に相当する。 (c)刊行物1発明の「ソケット挿通穴256」は、ソケット48を基板ボックス30内から貫通するものであるから、基板ボックス30外にソケット48を露呈させていることは明らかである。 よって、刊行物1発明の「基板ボックス30に形成され、ソケット48を基板ボックス30内から貫通するソケット挿通穴256」は、本願補正発明の「前記基板ケースに形成され、前記基板側コネクタを露呈させる開口」に相当する。 (d)刊行物1発明の「ケーブル80」は、本願補正発明の「ハーネス」に相当し、刊行物1発明の「コネクタ81」は、ケーブルの80の先端に設けられ、ソケット挿通穴256を通ってソケット48に接続されるものであるから、刊行物1発明の「コネクタ81」と本願補正発明の「ハーネス側コネクタ」とは、「ハーネスの先端に設けられ、開口を介して基板側コネクタと係合される」点において共通する。 (e)刊行物1発明の「ソケット48とコネクタ81の接続部」は、本願補正発明の「基板側コネクタとハーネス側コネクタとの係合部」に相当し、刊行物1発明の「ケーブル80の先端部」は、本願補正発明の「ハーネスの先端部」に相当する。 そして、刊行物1発明の「コネクタカバー360」は、ソケット48とコネクタ81の接続部、及び、ケーブル80の先端部を覆うように、基板ボックス30に取付けられているから、刊行物1発明の「コネクタカバー360」と本願補正発明の「封印カバー」とは、「基板側コネクタとハーネス側コネクタとの係合部、及び、ハーネスの先端部を覆うように基板ケースに取り付けられる」点において共通する。 (f)コネクタの接続を解除する際に、コネクタを押し込んで接続する方向と反対の方向にコネクタを引っ張ってコネクタを移動させることは自明の事項であるから、刊行物1発明の「コネクタ81」の接続を解除する際には、コネクタ81の接続方向と反対方向、すなわち、主基板23から主基板23とは反対の方向に向かって略垂直方向にコネクタ81を引っ張って、コネクタ81を主基板23から離れるように略垂直方向に移動させることは明らかである。 よって、刊行物1発明の「コネクタ81は、先端部を主基板23に向けた状態でソケット48に接続され、コネクタ81は、主基板23とは反対の方向から主基板23に向かって略垂直方向に押し込まれることよりソケット48に接続され」は、本願補正発明の「前記ハーネス側コネクタは、先端部を回路基板へ向けた状態で前記基板側コネクタに係合されており、前記係合を解除する際には、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向である係合解除方向に移動され」に相当する。 (g)刊行物1発明の「間隙」はコネクタカバー360と主基板23との間に形成されるとともに、コネクタカバー360の外部へケーブル80を引き出す際に通るものであり、本願補正発明の「隙間」に相当する。 よって、刊行物1発明の「コネクタカバー360と主基板23との間には、コネクタカバー360の外部へケーブル80を引き出す際に通る間隙が形成され」は、本願補正発明の「前記封印カバーと前記回路基板との間には、前記封印カバーの内部から前記封印カバーの外部へ向かう前記ハーネスが通るための隙間が形成され」に相当する。 (h)刊行物1発明の「コネクタ81の前面」はケーブル80との接続部分であるコネクタの後端部であるから、刊行物1発明の「コネクタ81の前面」は、本願補正発明の「ハーネス側コネクタの後端部」に相当する。また、「コネクタ81」は主基板23の方向に向かって接続されるものであり、コネクタを接続方向とは逆の方向に引っ張って移動させて接続を解除することは自明な事項であることから、「主基板23へ向かう経路」は、コネクタの接続方向、すなわち、接続解除方向とは反対の方向であり、刊行物1発明の「コネクタ81の前面から主基板23へ向かう経路で間隙を抜け」る経路は、本願補正発明の「ハーネス側コネクタの後端部から隙間へ向けて係合解除方向とは反対の回路基板へ向かう経路」に相当する。 よって、刊行物1発明の「ケーブル80は先端部がコネクタ81の前面に接続されており、コネクタ81の前面から主基板23へ向かう経路で間隙を抜けてコネクタカバー360の外部に出て」は、本願補正発明の「前記ハーネスは、先端部が前記ハーネス側コネクタの後端部に接続されており、前記ハーネス側コネクタの後端部から前記隙間へ向けて前記係合解除方向とは反対の前記回路基板へ向かう経路を経由し、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈され」に相当する。 (i)刊行物1発明の「基板ボックス30」の内部には主基板23が収納されており、基板ボックス30の内部に向かう方向は主基板23側に向けた方向であることから、刊行物1発明の「基板ボックス30の前壁31から基板ボックス30の内部に向けて一段下がるように形成された矩形凹部208」は、本願補正発明の「基板ケースの背面から回路基板側へ向けて一段窪むように形成されたコネクタ露呈部」に相当する。 よって、刊行物1発明の「間隙は、基板ボックス30の前壁31から基板ボックス30の内部に向けて一段下がるように形成された矩形凹部208のコネクタ収容室260に設けられ」は、本願補正発明の「前記隙間は、前記基板ケースの背面から前記回路基板側へ向けて一段窪むように形成されたコネクタ露呈部内に設けられ」に相当する。 (j)刊行物1発明の「ケーブル80」は、矩形凹部208内のコネクタ収容室260から最終的に表示制御装置等の他のサブ基板に向かっており、刊行物1発明の「間隙からコネクタカバー360の外部に出た後、略垂直に主基板23から離れる方向で矩形凹部208内のコネクタ収容室260の外部に出」ることは、最終的に矩形凹部208の外に出るためのものであることは明らかであるから、刊行物1発明の「間隙からコネクタカバー360の外部に出た後、略垂直に主基板23から離れる方向で矩形凹部208内のコネクタ収容室260の外部に出て」は、本願補正発明の「前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈された後、前記コネクタ露呈部から脱するために、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向へ向かう経路を経由し、前記コネクタ露呈部の外部に露呈される」に相当する。 また、刊行物1発明の「スロットマシン」は遊技機の一種であるから、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 よって、刊行物1発明の「ケーブル80は、間隙からコネクタカバー360の外部に出た後、略垂直に主基板23から離れる方向で矩形凹部208内のコネクタ収容室260の外部に出て、その後、表示制御装置等の他のサブ基板に向かう、スロットマシン」は、本願補正発明の「前記ハーネスは、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈された後、前記コネクタ露呈部から脱するために、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向へ向かう経路を経由し、前記コネクタ露呈部の外部に露呈される」「遊技機」に相当する。 したがって、本願補正発明と刊行物1発明とは、 「A 基板側コネクタが設けられた回路基板と、 B 前記回路基板を収納する基板ケースと、 C 前記基板ケースに形成され、前記基板側コネクタを露呈させる開口と、 D’ハーネスの先端に設けられ、前記開口を介して前記基板側コネクタと係合されるハーネス側コネクタと、 E’前記基板側コネクタと前記ハーネス側コネクタとの係合部、及び、前記ハーネスの先端部を覆うように前記基板ケースに取り付けられる封印カバーとを備え、 F 前記ハーネス側コネクタは、先端部を回路基板へ向けた状態で前記基板側コネクタに係合されており、前記係合を解除する際には、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向である係合解除方向に移動され、 G 前記封印カバーと前記回路基板との間には、前記封印カバーの内部から前記封印カバーの外部へ向かう前記ハーネスが通るための隙間が形成され、 H 前記ハーネスは、先端部が前記ハーネス側コネクタの後端部に接続されており、前記ハーネス側コネクタの後端部から前記隙間へ向けて前記係合解除方向とは反対の前記回路基板へ向かう経路を経由し、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈され、 I 前記隙間は、前記基板ケースの背面から前記回路基板側へ向けて一段窪むように形成されたコネクタ露呈部内に設けられ、 J 前記ハーネスは、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈された後、前記コネクタ露呈部から脱するために、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向へ向かう経路を経由し、前記コネクタ露呈部の外部に露呈される、遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1] 本願補正発明は、ハーネスが「保護チューブ内に挿通され」るとともに、封印カバーが「保護チューブの先端とハーネス側コネクタとの間から露呈したハーネスの先端部」を覆うのに対して、刊行物1発明はそのように構成されていない点。(構成D、E) (4)判断 ア 上記相違点1について検討する。 刊行物2の段落【0001】、【0084】、【0086】、【0185】、【0190】、図15、図29には、ハーネスを不正防止用のチューブに挿通するとともに、チューブの先端と着脱側コネクタとの間から露出したハーネスの先端部をコネクタカバーで覆う遊技機が記載されている(以下「刊行物2記載の事項」という。)。 刊行物1発明及び刊行物2記載の事項は、いずれもハーネスやコネクタに対する不正を防止することを課題とし、ハーネスの先端のコネクタ接続部をカバーで覆う遊技機である点で共通するものである。 よって、刊行物1発明に刊行物2記載の事項を適用し、ハーネスを不正防止用のチューブに挿通するとともに、封印カバーでチューブの先端とハーネス側コネクタとの間から露出したハーネスの先端部を覆うように構成し、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 イ 本願補正発明が奏する効果について 上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2記載の事項から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。 ウ 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において「一方、本願発明は、『ハーネスが、上述した1回目のUターンの後、さらに反対側に2回目のUターンを行う経路を介して接続先に向かう構成』を有していますが、引用文献1は、このような構成を有していません。 そして、『ハーネスが2回のUターンを行う』といった引用文献1には無い構成を有する本願発明によれば、ハーネスの強引な引き抜きなどの不正行為をより確実に防止することが出来るといった引用文献1では得られない作用効果を得られます。 また、本願発明は、『ハーネスが封印カバーから露呈する際に通る隙間が、基板ケースの背面から回路基板側へ向けて一段窪むように形成されたコネクタ露呈部内に設けられているといった構成』を有していますが、引用文献1は、このような構成を有していません。 そして、このような引用文献1には無い構成を有する本願発明によれば、隙間(ハーネスが封印カバーから露呈する際に通る隙間)にアクセスして(工具や指を差し込むなどして)不正行為を行うといったことが困難であり、さらに確実に不正行為を防止できるといった引用文献1では得られない作用効果を得られます。」と主張する(第3頁第17行~第4頁第4行)。 しかしながら、当審において新たに引用した刊行物1発明は、ケーブル80がコネクタ81の前面から間隙に向かって主基板23へ向かう経路で間隙からコネクタカバー360の外部へ引き出された後、略垂直に主基板23から離れる方向で外部に向かうS字状の経路で引き出されるものであり、請求人が主張する「ハーネスが2回のUターンを行う」に相当するものである(構成h、j)。 また、刊行物1発明は、ケーブル80がコネクタカバー360の外部へ引き出される際に通る間隙が基板ボックス30の前壁31から基板ボックス30の内部に向けて一段下がるように形成された矩形凹部208に設けられるものであるとともに(構成i)、刊行物1の段落【0151】には「ケーブル80は剛性ブロック部390により経路を規制されてS字状にコネクタ81に接続しているので、針金などを使用してもケーブル引出し口85から直接ケーブル80とコネクタ81の接続部やコネクタ81とソケット48の接続部にアクセスすることができない。」と記載されているように、刊行物1発明がコネクタへの不正なアクセスを防止する効果を有する点についても記載されている。 よって、請求人の上記主張は採用できない。 (5)まとめ 以上のように、本願補正発明は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成29年3月15日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。当審において、A~Hに分説した。)は、次のとおりである。 「【請求項1】 A 基板側コネクタが設けられた回路基板と、 B 前記回路基板を収納する基板ケースと、 C 前記基板ケースに形成され、前記基板側コネクタを露呈させる開口と、 D 保護チューブ内に挿通されたハーネスの先端に設けられ、前記開口を介して前記基板側コネクタと係合されるハーネス側コネクタと、 E 前記基板側コネクタと前記ハーネス側コネクタとの係合部、及び、前記保護チューブの先端と前記ハーネス側コネクタとの間から露呈した前記ハーネスの先端部を覆うように前記基板ケースに取り付けられる封印カバーとを備え、 F 前記ハーネス側コネクタは、先端部を回路基板へ向けた状態で前記基板側コネクタに係合されており、前記係合を解除する際には、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向である係合解除方向に移動され、 G 前記封印カバーと前記回路基板との間には、前記封印カバーの内部から前記封印カバーの外部へ向かう前記ハーネスが通るための隙間が形成され、 H 前記ハーネスは、先端部が前記ハーネス側コネクタの後端部に接続されており、前記ハーネス側コネクタの後端部から前記隙間へ向けて前記係合解除方向とは反対の前記回路基板へ向かう経路を経由し、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈されることを特徴とする遊技機。」 2 刊行物 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された刊行物2には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (2-a)「【要約】 【課題】電線に対する不正行為を抑制するとともに、電線と電線側コネクタとの間で接続不良がない遊技機を容易に製造することができる遊技機を提供する。」 (2-b)「【0001】 本発明は、例えば、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。」 (2-c)「【0033】 ・・・ また、前カバー28の後側には、中継基板(基板)48が収容された中継基板ケース(収容部材)49が装着されている。」 (2-d)「【0084】 着脱側コネクタ71aに接続済みのハーネス300がチューブ304に挿通された状態で、ハーネス両側の着脱側コネクタ71aが各基板に電気的に接続されている。例えば、一方の着脱側コネクタ71aが主制御基板12に電気的に接続された構成では、他方の着脱側コネクタ71aがサブ制御基板(副制御基板)に対して電気的に接続される。 ・・・ 【0086】 チューブ304は、筒状(円筒状あるいは角筒状)に構成されており、開口部304aを有している。また、チューブ304は、透明の樹脂製のものでもよく、電磁波や外部からの不正信号を遮蔽する材質のもので構成してもよい。」 (2-e)「【0095】 中継基板ケース49は、図11~図15に示すように、取り付け部101側が開放する矩形蓋状であって、中継基板48の外周に嵌合する周壁106と中継基板48の表面側に対向する背壁107とを一体に備え、周壁106が取り付け部101の起立壁104の外側に嵌合して、その起立壁104の端縁が中継基板48の裏側に当接するようになっている。 ・・・ 【0097】 また、背壁107には、その外縁に沿って複数の露出用凹部113が形成されている。各露出用凹部113は、背壁107側だけでなく周壁106側にも開放されており、その底部には中継基板48側の固定側コネクタ114を露出させるためのコネクタ孔115が設けられている。」 (2-f)「【0098】 また、中継基板48の上縁側に設けられた5つの固定側コネクタ114は、中継基板48の板面に平行且つ外向き(上向き)に配置されている。また、下縁側の1つの固定側コネクタ114は、中継基板48の板面に垂直に配置されている。各固定側コネクタ114には、ハーネス300に設けられた着脱側コネクタ117が着脱可能に接続されるようになっている。 【0099】 中継基板ケース49には、中継基板48に設けられた複数の固定側コネクタ114のうち、例えば上縁側中央の固定側コネクタ114aと、下縁側の固定側コネクタ114bと、に対応してコネクタカバー(カバー部材)118が着脱自在に装着されている。 【0100】 コネクタカバー118は、図11~図15に示すように、中継基板ケース49側の背壁107に沿う略平板状の本体部121と、この本体部121の縁部から中継基板ケース49側の周壁106に沿って延設された第1離脱阻止部122と、中継基板ケース49側に着脱自在に装着するためのヒンジ爪(係合部)123及び係合爪(係合部)124と、を例えば一体に備えている。 【0101】 本体部121は、少なくとも1つ、例えば全ての固定用凹部111を外側から略閉鎖するようにその内側のビス102を覆う固定部材カバー部121aと、固定側コネクタ114bに接続された着脱側コネクタ(電線側コネクタ)117bの離脱方向を覆うことにより着脱側コネクタ117bの離脱を阻止する第2離脱阻止部121bと、を一体に備えている。 【0102】 なお、第2離脱阻止部121bは、固定側コネクタ114bに接続された着脱側コネクタ117bの背面125との間に、その背面125から引き出されているハーネス300を逃がせる程度の隙間ができるように、例えば着脱側コネクタ117bの離脱方向に向けて浅い膨出状に形成されている。」 (2-g)「【0120】 また、第3押さえ手段316は、第2離脱阻止部121bと第2離脱阻止部121bの対向部位(例えば、中継基板ケース49の一部分)との間で、チューブ304を押さえるように設計されている。第3押さえ手段316は、第2離脱阻止部121b側のみに設けられていてもよく、第2離脱阻止部121bの対向部位側のみに設けられていてもよい。」 (2-h)「【0185】 また、図29~図36に示すように、各コネクタカバー73、118、172、215とその対向部位との隙間に、ハーネス300及びチューブ304に当接し引き抜きを阻止する各押さえ手段310が設けられているため、ハーネス300をチューブ304で覆っている状態でチューブ304だけが引抜き方向(図29~図36中矢印A方向)に引っ張られた場合でも、チューブ304がハーネス300に対して相対移動することを防止できる。これにより、ハーネス300が露出することを防止できるため、ハーネス300に対して不正信号が付与されることを防止できる。この結果、不正行為を抑制することができる。」 (2-i)「【0188】 押さえ手段310がコネクタカバー73、118、172、215側に設けられている場合において、ハーネス300及びチューブ304が引き出される押さえ手段310の先端とコネクタカバー73、118、172、215の対向部位との隙間の寸法がハーネス300を挿通したチューブ304の太さよりも小さく設定されていることにより、チューブ304を挟持することができる。これにより、チューブ304の引き抜きを効果的に阻止することができる。」 (2-j)「【0190】 コネクタカバー73、118、172、215が着脱側コネクタ71a、117a、117b、171、214に当接して着脱側コネクタ71a、117a、117b、171、214の離脱を阻止する離脱規制部81を有することにより、着脱側コネクタ71a、117a、117b、171、214の離脱あるいは引抜きを阻止することができる。これにより、着脱側コネクタ71a、117a、117b、171、214の脱着あるいは取替えを伴う不正行為を防止することができる。」 (2-k)段落【0099】には、「中継基板48に設けられた複数の固定側コネクタ114のうち、例えば上縁側中央の固定側コネクタ114aと、下縁側の固定側コネクタ114b」と記載されているから、刊行物2には、固定側コネクタ114bが設けられた中継基板48が記載されているといえる。 (2-l)段落【0033】には、「中継基板(基板)48が収容された中継基板ケース(収容部材)49」と記載されているから、刊行物2には、中継基板48を収容する中継基板ケース49が記載されているといえる。 (2-m)段落【0095】には、「中継基板ケース49は、図11~図15に示すように、取り付け部101側が開放する矩形蓋状であって、中継基板48の外周に嵌合する周壁106と中継基板48の表面側に対向する背壁107とを一体に備え」と記載され、段落【0097】には「背壁107には、その外縁に沿って複数の露出用凹部113が形成されている。各露出用凹部113は、背壁107側だけでなく周壁106側にも開放されており、その底部には中継基板48側の固定側コネクタ114を露出させるためのコネクタ孔115が設けられている」と記載されているから、刊行物2には、中継基板ケース49に形成され固定側コネクタ114を露出させるコネクタ孔115が記載されているといえる。 (2-n)段落【0084】には、「着脱側コネクタ71aに接続済みのハーネス300がチューブ304に挿通された状態で、ハーネス両側の着脱側コネクタ71aが各基板に電気的に接続されている。」と記載され、【0086】には「チューブ304は、透明の樹脂製のものでもよく、電磁波や外部からの不正信号を遮蔽する材質のもので構成してもよい」と記載され、段落【0097】には、「中継基板48側の固定側コネクタ114を露出させるためのコネクタ孔115が設けられている」と記載され、段落【0101】には「固定側コネクタ114bに接続された着脱側コネクタ(電線側コネクタ)117b」と記載され、図15には、チューブ304に挿通されたハーネス300の先端に接続された着脱側コネクタ117bが固定側コネクタ114bに接続されることが図示されているから、刊行物2には、不正防止用のチューブ304に挿通されたハーネス300の先端に設けられ、コネクタ孔115から露出された固定側コネクタ114bに接続される着脱側コネクタ117bが記載されているといえる。 (2-o)段落【0099】~【0101】には「中継基板ケース49には、中継基板48に設けられた複数の固定側コネクタ114のうち、例えば上縁側中央の固定側コネクタ114aと、下縁側の固定側コネクタ114bと、に対応してコネクタカバー(カバー部材)118が着脱自在に装着されている。コネクタカバー118は、図11~図15に示すように、中継基板ケース49側の背壁107に沿う略平板状の本体部121と、この本体部121の縁部から中継基板ケース49側の周壁106に沿って延設された第1離脱阻止部122と、中継基板ケース49側に着脱自在に装着するためのヒンジ爪(係合部)123及び係合爪(係合部)124と、を例えば一体に備えている。本体部121は、少なくとも1つ、例えば全ての固定用凹部111を外側から略閉鎖するようにその内側のビス102を覆う固定部材カバー部121aと、固定側コネクタ114bに接続された着脱側コネクタ(電線側コネクタ)117bの離脱方向を覆うことにより着脱側コネクタ117bの離脱を阻止する第2離脱阻止部121bと、を一体に備えている」と記載され、段落【0185】には「各コネクタカバー73、118、172、215とその対向部位との隙間に、ハーネス300及びチューブ304に当接し引き抜きを阻止する各押さえ手段310が設けられているため、ハーネス300をチューブ304で覆っている状態でチューブ304だけが引抜き方向(図29~図36中矢印A方向)に引っ張られた場合でも、チューブ304がハーネス300に対して相対移動することを防止できる。これにより、ハーネス300が露出することを防止」と記載され、図15には、コネクタカバー118が固定側コネクタ114bと着脱側コネクタ117bとの接続部、チューブ304の先端と着脱側コネクタ117bとの間から露出したハーネス300の先端部を覆うことが図示されているから、刊行物2には、固定側コネクタ114bと着脱側コネクタ117bとの接続部、チューブ304の先端と着脱側コネクタ117bとの間から露出したハーネス300の先端部を覆うように中継基板ケース49に装着されるコネクタカバー118が記載されているといえる。 (2-p)段落【0098】には、「下縁側の1つの固定側コネクタ114は、中継基板48の板面に垂直に配置されている。各固定側コネクタ114には、ハーネス300に設けられた着脱側コネクタ117が着脱可能に接続されるようになっている」と記載され、段落【0099】には、「中継基板48に設けられた複数の固定側コネクタ114のうち、例えば上縁側中央の固定側コネクタ114aと、下縁側の固定側コネクタ114b」と記載され、段落【0101】には「固定側コネクタ114bに接続された着脱側コネクタ(電線側コネクタ)117bの離脱方向を覆うことにより着脱側コネクタ117bの離脱を阻止する第2離脱阻止部121b」と記載され、図15には、着脱側コネクタ117bが先端部を中継基板48に向けた状態で固定側コネクタ114bに接続されること、第2離脱阻止部121bが着脱側コネクタ117bを中継基板48の反対側から中継基板48に向かって略垂直方向に覆うことが図示されているから、刊行物2には、着脱側コネクタ117bは、先端部を中継基板48に向けた状態で固定側コネクタ114bに接続されること、着脱側コネクタ117bの離脱方向は中継基板48から中継基板48の反対側へ向けて略垂直方向であることが記載されているといえる。 (2-q)段落【0120】には「第3押さえ手段316は、第2離脱阻止部121bと第2離脱阻止部121bの対向部位(例えば、中継基板ケース49の一部分)との間で、チューブ304を押さえるように設計されている」と記載され、段落【0188】には「押さえ手段310がコネクタカバー73、118、172、215側に設けられている場合において、ハーネス300及びチューブ304が引き出される押さえ手段310の先端とコネクタカバー73、118、172、215の対向部位との隙間の寸法がハーネス300を挿通したチューブ304の太さよりも小さく設定されていることにより、チューブ304を挟持することができる」と記載され、図15には、コネクタカバー118の押さえ手段316(310)と対向部位との間の隙間からハーネス300を挿通したチューブ304が外部に引き出されること、隙間はコネクタカバー118と中継基板48との間に形成されることが図示されているから、刊行物2には、コネクタカバー118と中継基板48との間には、コネクタカバー118の内部からコネクタカバー118の外部に向かうハーネス300を挿通したチューブ304が通るための隙間が形成されることが記載されているといえる。 (2-r)段落【0001】には、「本発明は、例えば、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する」と記載され、段落【0102】には「固定側コネクタ114bに接続された着脱側コネクタ117bの背面125との間に、その背面125から引き出されているハーネス300」と記載され、図15には、ハーネス300の先端部が着脱側コネクタ117bの背面125に接続され、ハーネスは300は着脱側コネクタ117bの背面125から中継基板48側に向かう経路を経由して隙間を通ってコネクタカバー118の外部に引き出されることが図示されているから、刊行物2には、ハーネス300は、先端部が着脱側コネクタ117bの背面125に接続され、着脱側コネクタ117bの背面125から中継基板48側に向かう経路を経由して隙間を通ってコネクタカバー118の外部に引き出される、スロットマシンが記載されているといえる。 上記(2-a)~(2-j)の記載事項及び(2-k)~(2-r)の認定事項を総合すると、刊行物2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物2発明」という。)。 「a 固定側コネクタ114が設けられた中継基板48と(認定事項(2-k))、 b 中継基板48を収容する中継基板ケース49と(認定事項(2-l))、 c 中継基板ケース49に形成され固定側コネクタ114を露出させるコネクタ孔115と(認定事項(2-m))、 d 不正防止用のチューブ304に挿通されたハーネス300の先端に設けられ、コネクタ孔115から露出された固定側コネクタ114bに接続される着脱側コネクタ117bと(認定事項(2-n))、 e 固定側コネクタ114bと着脱側コネクタ117bとの接続部、チューブ304の先端と着脱側コネクタ117bとの間から露出したハーネス300の先端部を覆うように中継基板ケース49に装着されるコネクタカバー118と、(認定事項(2-o)) f 着脱側コネクタ117bは、先端部を中継基板48に向けた状態で固定側コネクタ114bに接続され、着脱側コネクタ117bの離脱方向は中継基板48から中継基板48の反対側へ向けて略垂直方向であり、(認定事項(2-p)) g コネクタカバー118と中継基板48との間には、コネクタカバー118の内部からコネクタカバー118の外部に向かうハーネス300を挿通したチューブ304が通るための隙間が形成され、(認定事項(2-q)) h ハーネス300は、先端部が着脱側コネクタ117bの背面125に接続され、着脱側コネクタ117bの背面125から中継基板48側に向かう経路を経由して隙間を通ってコネクタカバー118の外部に引き出される、スロットマシン。(認定事項(2-r))」 3 対比・判断 本願発明と刊行物2発明とを対比する(下記の(a)~(h)は、刊行物2発明の構成に対応している。)。 (a)刊行物2発明の「固定側コネクタ114」は、本願発明の「基板側コネクタ」に相当する。 よって、刊行物2発明の「固定側コネクタ114が設けられた中継基板48」は、本願発明の「基板側コネクタが設けられた回路基板」に相当する。 (b)刊行物2発明の「中継基板48を収容する中継基板ケース49」は、本願発明の「回路基板を収納する基板ケース」に相当する。 (c)刊行物2発明の「コネクタ孔115」は、中継基板ケース49に形成され固定側コネクタ114を露出させている。 よって、刊行物2発明の「中継基板ケース49に形成され固定側コネクタ114を露出させるコネクタ孔115」は、本願発明の「基板ケースに形成され、基板側コネクタを露呈させる開口」に相当する。 (d)刊行物2発明の「不正防止用のチューブ304に挿通されたハーネス300」は、本願発明の「保護チューブ内に挿通されたハーネス」に相当する。 よって、刊行物2発明の「不正防止用のチューブ304に挿通されたハーネス300の先端に設けられ、コネクタ孔115から露出された固定側コネクタ114bに接続される着脱側コネクタ117b」は、本願発明の「保護チューブ内に挿通されたハーネスの先端に設けられ、前記開口を介して前記基板側コネクタと係合されるハーネス側コネクタ」に相当する。 (e)刊行物2発明の「固定側コネクタ114bと着脱側コネクタ117bとの接続部」は、本願発明の「基板側コネクタとハーネス側コネクタとの係合部」に相当し、刊行物2発明の「チューブ304の先端と着脱側コネクタ117bとの間から露出したハーネス300の先端部」は、本願発明の「前記保護チューブの先端と前記ハーネス側コネクタとの間から露呈した前記ハーネスの先端部」に相当する。 よって、刊行物2発明の「固定側コネクタ114bと着脱側コネクタ117bとの接続部、チューブ304の先端と着脱側コネクタ117bとの間から露出したハーネス300の先端部を覆うように中継基板ケース49に装着されるコネクタカバー118」は、本願発明の「前記基板側コネクタと前記ハーネス側コネクタとの係合部、及び、前記保護チューブの先端と前記ハーネス側コネクタとの間から露呈した前記ハーネスの先端部を覆うように前記基板ケースに取り付けられる封印カバー」に相当する。 (f)刊行物2発明の「着脱側コネクタ117bの離脱方向」は中継基板48から中継基板48の反対側へ向けて略垂直方向であることから、着脱側コネクタ117bを離脱する際には、着脱側コネクタ117bを中継基板48から中継基板48の反対側へ略垂直方向に、着脱側コネクタ117bが中継基板48から遠ざかるように移動させることは明らかである。 よって、刊行物2発明の「着脱側コネクタ117bは、先端部を中継基板48に向けた状態で固定側コネクタ114bに接続され、着脱側コネクタ117bの離脱方向は中継基板48から中継基板48の反対側へ向けて略垂直方向であり」は、本願発明の「ハーネス側コネクタは、先端部を回路基板へ向けた状態で基板側コネクタに係合されており、係合を解除する際には、回路基板から略垂直に遠ざかる方向である係合解除方向に移動され」に相当する。 (g)刊行物2発明のコネクタカバー118と中継基板48との間に形成されるとともに、コネクタカバー118の外部へハーネス300を引き出す際に通る「隙間」は、本願発明の「隙間」に相当する。 よって、刊行物2発明の「コネクタカバー118と中継基板48との間には、コネクタカバー118の内部からコネクタカバー118の外部に向かうハーネス300を挿通したチューブ304が通るための隙間が形成され」は、本願発明の「封印カバーと回路基板との間には、封印カバーの内部から封印カバーの外部へ向かうハーネスが通るための隙間が形成され」に相当する。 (h)刊行物2発明の「着脱側コネクタ117bの背面125」はハーネス300との接続部分である着脱側コネクタ117bの後端部であるから、刊行物2発明の「着脱側コネクタ117bの背面125」は、本願発明の「ハーネス側コネクタの後端部」に相当する。そして、「着脱側コネクタ117b」は中継基板48側とは反対の方向に移動することにより接続が解除されるものであるから、中継基板48側に向かう方向は、接続解除方向とは反対の方向であるので、刊行物2発明の「着脱側コネクタ117bの背面125から中継基板48側に向かう経路を経由して隙間を通」る経路は、本願発明の「ハーネス側コネクタの後端部から隙間へ向けて係合解除方向とは反対の回路基板へ向かう経路」に相当する。 また、刊行物2発明の「スロットマシン」は遊技機の一種であるから、本願発明の「遊技機」に相当する。 よって、刊行物2発明の「ハーネス300は、先端部が着脱側コネクタ117bの背面125に接続され、着脱側コネクタ117bの背面125から中継基板48側に向かう経路を経由して隙間を通ってコネクタカバー118の外部に引き出される、スロットマシン」は、本願発明の「前記ハーネスは、先端部が前記ハーネス側コネクタの後端部に接続されており、前記ハーネス側コネクタの後端部から前記隙間へ向けて前記係合解除方向とは反対の前記回路基板へ向かう経路を経由し、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈されることを特徴とする遊技機。」に相当する。 したがって、本願発明と刊行物2発明とは、 「A 基板側コネクタが設けられた回路基板と、 B 前記回路基板を収納する基板ケースと、 C 前記基板ケースに形成され、前記基板側コネクタを露呈させる開口と、 D 保護チューブ内に挿通されたハーネスの先端に設けられ、前記開口を介して前記基板側コネクタと係合されるハーネス側コネクタと、 E 前記基板側コネクタと前記ハーネス側コネクタとの係合部、及び、前記保護チューブの先端と前記ハーネス側コネクタとの間から露呈した前記ハーネスの先端部を覆うように前記基板ケースに取り付けられる封印カバーとを備え、 F 前記ハーネス側コネクタは、先端部を回路基板へ向けた状態で前記基板側コネクタに係合されており、前記係合を解除する際には、前記回路基板から略垂直に遠ざかる方向である係合解除方向に移動され、 G 前記封印カバーと前記回路基板との間には、前記封印カバーの内部から前記封印カバーの外部へ向かう前記ハーネスが通るための隙間が形成され、 H 前記ハーネスは、先端部が前記ハーネス側コネクタの後端部に接続されており、前記ハーネス側コネクタの後端部から前記隙間へ向けて前記係合解除方向とは反対の前記回路基板へ向かう経路を経由し、前記隙間を介して前記封印カバーの外部に露呈されることを特徴とする遊技機。」 である点で一致する。 よって、本願発明は、刊行物2発明である。仮に、本願発明と刊行物2発明に相違点があるとしても、本願発明は刊行物2発明から当業者が容易に発明をすることのできたものである。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。又は、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-013063

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