特許拒絶査定不服審判
2017-011898
省エネルギー減速走行方法
- 審判番号
- 2017-011898
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-126123外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年08月09日
- 審決日
- 2018年05月29日
- 公報発行日
- 2018年09月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】渡邉 雅弘
- 分類
- P18 .121-Z (B60W) / P18 .575-Z (B60W) / P18 .113-Z (B60W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-126123「省エネルギー減速走行方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年7月20日出願公開、特開2017-124807〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成28年6月26日の出願であって、平成28年8月8日に明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出され、平成29年3月14日に明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出され、平成29年5月30日付けで拒絶理由が通知され、平成29年6月7日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成29年7月31日付けで拒絶査定がされ、これに対して、平成29年8月9日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたものである。
第2 平成29年8月9日の手続補正についての補正却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年8月9日の手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容
平成29年8月9日の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の請求項1に関して、本件補正により補正される前の(すなわち、平成29年6月7日に提出された手続補正書による)下記の(1)の記載を下記の(2)の記載に補正するものである。
(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
事前にその位置を検知・特定できる目標減速点・目標停止点への減速走行は、原則として、(回生制動走行を含む制動走行に代えて)目標減速点・目標停止点上流惰性走行可能距離以内の地点からの惰性走行主体で行うこと、を特徴とする省エネルギー減速走行方法。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
目標減速点・目標停止点への減速走行を、回生制動走行を含む制動走行に代えて、目標減速点・目標停止点の状態(例えば、車両の目標停止点である信号交差点信号情報の有無、あるいは有の場合の信号状態)如何にかかわらず、原則として、目標減速点・目標停止点上流惰性走行可能距離以内の地点からの惰性走行主体で行うこと、を特徴とする省エネルギー減速走行方法。」
(下線は補正箇所を示すために当審で付したものである。)
2 本件補正の目的
請求項1についての本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明における「事前にその位置を検知・特定できる目標減速点・目標停止点」という発明特定事項を、本件補正後に「目標減速点・目標停止点」とするとともに、本件補正前の請求項1に記載した発明における「事前にその位置を検知・特定できる目標減速点・目標停止点への減速走行は、原則として、(回生制動走行を含む制動走行に代えて)」という発明特定事項を、本件補正後に「目標減速点・目標停止点への減速走行を、回生制動走行を含む制動走行に代えて、目標減速点・目標停止点の状態(例えば、車両の目標停止点である信号交差点信号情報の有無、あるいは有の場合の信号状態)如何にかかわらず、原則として」と限定することにより、すなわち、減速走行を惰性走行主体で行う条件を「目標減速点・目標停止点の状態如何にかかわらず」と限定することにより、全体として、特許請求の範囲を減縮するものである。
なお、本件補正前の請求項1に記載した発明における「事前にその位置を検知・特定できる目標減速点・目標停止点」という発明特定事項を、本件補正後に「目標減速点・目標停止点」とすることについては、「目標減速点・目標停止点」が事前にその位置を検知・特定できるものであることは自明であるから、発明特定事項を実質的に変更するものではないと認める。
したがって、特許請求の範囲の請求項1についての本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の発明特定事項を限定するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正によって補正される特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
3 独立特許要件
(1)引用文献
ア 引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である国際公開第2011/101949号(以下、「引用文献」という。)には、図面(特に、図2ないし図4及び図6参照。)とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、理解の一助のため当審で付した。
(ア)「【0001】
本発明は、車両制御装置に関し、特に自車両の速度パターンを生成する車両制御装置に関する。」
(イ)「【0008】
本発明は、自車両の車輪に対して加速方向への駆動力を与えることにより自車両を加速させる区間を含む加速走行パターンと、自車両の車輪に対する加速方向への駆動力及び減速方向への制動力を0とする区間を含む惰性走行パターンとを交互に繰り返す速度パターンを生成する速度パターン生成ユニットを備え、速度パターン生成ユニットは、自車両が走行する道路の交差点及び自車両が走行する道路に通じる出口のいずれかの地点の手前において自車両の車速が減少するような速度パターンを生成する車両制御装置である。
【0009】
この構成によれば、速度パターン生成ユニットは、自車両の車輪に対して加速方向への駆動力を与えることにより自車両を加速させる区間を含む加速走行パターンと、自車両の車輪に対する加速方向への駆動力及び減速方向への制動力を0とする区間を含む惰性走行パターンとを交互に繰り返す速度パターンを生成するため、燃費を向上させることができる。また、速度パターン生成ユニットは、自車両が走行する道路の交差点及び自車両が走行する道路に通じる出口のいずれかの地点の手前において自車両の車速が減少するような速度パターンを生成する。交差点や出口は他車両と遭遇する可能性があり、自車両が走行する道路で交通流を形成する他車両も含めて、もともと減速せざるを得ない地点である。したがって、もともと減速せざるを得ない交差点や出口の地点に速度パターンの車速が減少する地点を合わせることにより、自車両周囲の交通と協調しつつ燃費を向上することが可能となる。」
(ウ)「【0010】
なお、本発明で、自車両の車輪に対する加速方向への駆動力及び減速方向への制動力を0とする区間を含む惰性走行パターンとは、内燃機関や電動機等による車輪の駆動や回生を行わず、車輪には軸受けとの摩擦抵抗や路面との転がり抵抗のみが働き、あたかもトランスミッションをニュートラルの操作位置とした状態で走行する区間を含む走行パターンを意味する。また、惰性走行パターンにおいて、必ずしも損失する車両の運動エネルギーが最小となる必要はない。例えば、惰性走行パターンにおいても、回生による制動や、ディスクブレーキ、ドラムブレーキによる制動が一部の区間において適宜行われても良い。
【0011】
この場合、速度パターン生成ユニットは、交差点及び出口のいずれかの地点の手前において、自車両の車速が極小値となるような速度パターンを生成するものとできる。
【0012】
この構成によれば、速度パターン生成ユニットは、交差点及び出口のいずれかの地点の手前において、自車両の車速が極小値となるような速度パターンを生成する。もともと局所的に減速せざるを得ない交差点や出口の地点に速度パターンの車速の極小値を合わせることにより、自車両周囲の交通と協調しつつ燃費を向上することがさらに高い効率で可能となる。」
(エ)「【0018】
この構成によれば、速度パターン生成ユニットは、交差点及び出口のいずれかの信号機が表示する信号が判明する地点において、自車両の車速が減少するような速度パターンを生成する。一般道路の信号機には、自車両から見通しが良い信号機や、自車両から見通しが悪い信号機や、光ビーコン等により表示される信号の情報を入手可能な信号機等の様々な種類が存在する。そのため、一律に信号機手前で減速するのではなく、信号機が表示する信号が判明する地点において自車両の目標車速が減少する速度パターンを生成することにより、信号機の状況に応じて燃費を向上することが可能な速度パターンを生成することが可能となる。」
(オ)「【0042】
図2に示すような速度パターンにおいて、自車両を交差点手前等の所定位置に停止させる場合がある。このような場合、図3に示すように惰性走行区間Fにおいて、自車両VMの車速が軸受けとの摩擦抵抗や路面との転がり抵抗により徐々に低下し、最後に交差点C等の手前に自車両VMが停止するような速度パターンが生成される。
【0043】
しかしながら、一般道路では、様々な外的要因によって交通流の速度が変化することが通常である。そこで、本実施形態では、図4に示すように、自車両VMが他車両VOと遭遇し、停止せざるを得ない可能性がある交差点Cや施設等の出口Eの手前において、自車両VMの速度が減少するような速度パターンが生成される。さらに理想的には、交差点Cや施設等の出口Eの手前において、自車両VMの速度が極小値となるような速度パターンが生成される。
【0044】
そのため、本実施形態においては、加速走行区間Aにおける熱効率や惰性走行区間Fにおける運動エネルギーの損失が図2の理想の速度パターンから離れても、交差点Cや出口Eの手前において、自車両VMの速度が減少することを優先した速度パターンが生成される。これにより、仮に交差点Cや出口Eの手前において、自車両VMが停止せざるを得なくなったときでも、すでに自車両VMの車速は低くなっているため、惰性走行区間Fにおける運動エネルギーの損失は最小限に抑えられる。」
(カ)「【0049】
車両制御装置100は、ナビゲーションシステム11や路車間通信機12により取得した情報により、自車両前方の例えば1km以内といった範囲に交差点や自車両の走行する道路に通じる出口が存在するか否かを判定する(S105)。この場合の交差点は信号機の有無を問わない。また、この場合の出口は、特に店舗の駐車場等の車両の出入が多い出口を重点的に判定する。もし、交差点や出口が存在しないときは、車両制御装置100は図7に示す後述の工程S121を実行する。」
(キ)「【0065】
一般道路には、光ビーコン等の無線通信により信号機の表示する信号に関する情報が事前に入手できない信号機がある。また、一般道路には、信号機に関する情報を事前に入手できたとしても、感応式の信号機のように交差道路の車両の有無によって信号が変化してしまい、事前に赤信号の時期を予想できない信号機がある。そこで本実施形態では、カーブ速の条件を加えつつ、信号機のある交差点付近で、速度パターンの車速の極小値となるように合わせることにより、自車両周囲の交通と協調しつつ燃費を向上できる。
【0066】
一般的な運転者の挙動を考慮すると、一般的な運転者は、青信号が見えていても信号機の手前で定常速度から減速し、再度加速する。これは、おそらく交差点の安全のためか、黄信号に備えての減速であると推測される。したがって、本実施形態で生成される速度パターンは一般的な運転者の挙動とも合致し、運転者に違和感を与えることを防止できる。」
(ク)上記(イ)の段落【0008】の「速度パターン生成ユニットは、自車両が走行する道路の交差点及び自車両が走行する道路に通じる出口のいずれかの地点の手前において自車両の車速が減少するような速度パターンを生成する」及び段落【0009】の「速度パターン生成ユニットは、自車両が走行する道路の交差点及び自車両が走行する道路に通じる出口のいずれかの地点の手前において自車両の車速が減少するような速度パターンを生成する。」等の記載から、引用文献には、道路の交差点又は出口の手前で惰性走行を行う方法が記載されていることが分かる。
(ケ)上記(イ)の段落【0009】の「燃費を向上させることができる。」及び(キ)の段落【0065】の「自車両周囲の交通と協調しつつ燃費を向上できる。」等の記載から、引用文献に記載された道路の交差点又は出口の手前で惰性走行を行う方法は、燃費の向上を目的とするものであることが分かる。
(コ)上記(ウ)の段落【0010】の「本発明で、自車両の車輪に対する加速方向への駆動力及び減速方向への制動力を0とする区間を含む惰性走行パターンとは、内燃機関や電動機等による車輪の駆動や回生を行わず、車輪には軸受けとの摩擦抵抗や路面との転がり抵抗のみが働き、あたかもトランスミッションをニュートラルの操作位置とした状態で走行する区間を含む走行パターンを意味する。」との記載から、引用文献に記載された惰性走行とは、内燃機関や電動機等による車輪の駆動や回生を行わず、車輪には軸受けとの摩擦抵抗や路面との転がり抵抗のみが働く惰性走行であることが分かる。
(サ)上記(オ)の段落【0042】の「図2に示すような速度パターンにおいて、自車両を交差点手前等の所定位置に停止させる場合がある。このような場合、図3に示すように惰性走行区間Fにおいて、自車両VMの車速が軸受けとの摩擦抵抗や路面との転がり抵抗により徐々に低下し、最後に交差点C等の手前に自車両VMが停止するような速度パターンが生成される。」との記載並びに図2及び図3の記載から、引用文献には、交差点上流の惰性走行可能距離以内の地点からの惰性走行により、車両を交差点手前の所定位置に停止させる方法が記載されているといえる。
(シ)上記(キ)の段落【0065】の「一般道路には、光ビーコン等の無線通信により信号機の表示する信号に関する情報が事前に入手できない信号機がある。また、一般道路には、信号機に関する情報を事前に入手できたとしても、感応式の信号機のように交差道路の車両の有無によって信号が変化してしまい、事前に赤信号の時期を予想できない信号機がある。そこで本実施形態では、カーブ速の条件を加えつつ、信号機のある交差点付近で、速度パターンの車速の極小値となるように合わせることにより、自車両周囲の交通と協調しつつ燃費を向上できる。」等の記載から、引用文献には、信号機の表示する信号に関する情報が事前に入手できない信号機、事前に赤信号の時期を予想できない信号機等があるため、信号機のある交差点付近で速度パターンの車速の極小値となるように惰性走行を行う技術が記載されていることが分かる。
イ 引用発明及び引用技術
上記ア及び図面の記載を総合すると、引用文献には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
<引用発明>
「道路の交差点への減速走行を、回生制動を含む制動走行を行わず、道路の交差点上流の惰性走行可能距離以内の地点からの惰性走行で行う、燃費向上のための減速走行方法。」
また、上記ア(シ)から、引用文献には、次の技術(以下、「引用技術」という。)が記載されていると認められる。
<引用技術>
「道路の交差点の状態(例えば、交差点の信号機の表示する信号に関する情報が事前に入手できない信号機、事前に赤信号の時期を予想できない信号機)にかかわらず、信号機のある交差点付近で、速度パターンの車速の極小値となるように惰性走行を行う技術。」
(2)対比・判断
本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「道路の交差点」は、その技術的意義からみて、本願補正発明における「目標減速点・目標停止点」に相当し、以下同様に、「回生制動を含む制動走行を行わず」は「回生制動走行を含む制動走行に代えて」に、「道路の交差点上流」は「目標減速点・目標停止点上流」に、「回生制動を含む制動走行を行わず、道路の交差点上流の惰性走行可能距離以内の地点からの惰性走行で行う」は「回生制動走行を含む制動走行に代えて」、「原則として、目標減速点・目標停止点上流惰性走行可能距離以内の地点からの惰性走行主体で行う」に、「燃費向上のための減速走行方法」は「省エネルギー減速走行方法」に、それぞれ相当する。
そうすると、本願補正発明と引用発明とは、
「目標減速点・目標停止点への減速走行を、回生制動走行を含む制動走行に代えて、原則として、目標減速点・目標停止点上流惰性走行可能距離以内の地点からの惰性走行主体で行う、省エネルギー減速走行方法。」
という点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点>
本願補正発明においては、「目標減速点・目標停止点の状態(例えば、車両の目標停止点である信号交差点信号情報の有無、あるいは有の場合の信号状態)如何にかかわらず」惰性走行を行うのに対して、引用発明においては、「目標減速点・目標停止点の状態(例えば、車両の目標停止点である信号交差点信号情報の有無、あるいは有の場合の信号状態)如何にかかわらず」惰性走行を行うか否か明らかでない点。
上記相違点について判断する。
引用文献には、「道路の交差点の状態(例えば、交差点の信号機の表示する信号に関する情報が事前に入手できない信号機、事前に赤信号の時期を予想できない信号機)にかかわらず、信号機のある交差点付近で、速度パターンの車速の極小値となるように惰性走行を行う技術。」(上記「引用技術」)が記載されている。
上記引用技術には、交差点の信号情報の有無にかかわらず惰性走行を行うこと、また、信号が赤信号かどうかにかかわらず惰性走行を行うことが含まれているから、上記引用技術は、本願補正発明における「目標減速点・目標停止点の状態(例えば、車両の目標停止点である信号交差点信号情報の有無、あるいは有の場合の信号状態)如何にかかわらず」惰性走行を行うことに相当するといえる。
してみれば、引用発明において、一実施例である引用技術を採用することにより、上記相違点に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到することができたことである。
そして、本願補正発明は、全体として検討しても、引用発明及び引用技術から予測される以上の格別の効果を奏すると認めることはできない。
したがって、本願補正発明は、引用発明及び引用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
ウ まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
上記第2のとおり、本件補正は却下されたため、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年6月7日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される上記第2[理由]1(1)のとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、以下のものである。
ア 本願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
イ 本願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献:国際公開第2011/101949号
3 引用文献、引用発明及び引用技術
本願の出願前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献、引用発明及び引用技術は、前記第2[理由]3(1)に記載したとおりである。
4 対比・判断
前記第2[理由]2で検討したとおり、本件補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明、すなわち本願発明の発明特定事項を全体として減縮するものであり、本願発明は、実質的に、本願補正発明における発明特定事項のうち「目標減速点・目標停止点の状態(例えば、車両の目標停止点である信号交差点信号情報の有無、あるいは有の場合の信号状態)如何にかかわらず」という事項を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明と引用発明とは、実質的に相違点を有しないから、本願発明は、引用発明と同一である。
また、本願発明は、引用発明と同様の課題を有し、同様の課題解決手段を有し、同様の作用効果を奏するものであるから、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明と同一である。
また、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
上記第3のとおり、本願発明は、引用発明と同一であるから、本願は、特許法第29条第1項第3号の規定により、特許を受けることができない。
また、本願発明は、引用発明及び引用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
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