特許拒絶査定不服審判
2017-011688
遊技機
- 審判番号
- 2017-011688
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-056623外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年08月04日
- 審決日
- 2018年04月16日
- 公報発行日
- 2018年07月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京楽産業.株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 エビス国際特許事務所
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015- 56623「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月 6日出願公開、特開2016-174693〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成27年3月19日の出願であって、平成28年2月16日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年4月15日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年9月26日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成28年12月2日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年5月17日付けで補正の却下の決定がなされるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年8月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書及び特許請求の範囲に係る手続補正がなされたものである。
第2 平成29年8月4日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年8月4日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
所定の音を出力することが可能な音出力部と、遊技の状態に応じて前記音出力部から演出音を出力させる演出音出力手段と、を備えた遊技機において、
所定の操作部の操作に基づいて、前記音出力部から出力される前記演出音の音量値を所定の音量値に設定する音量値設定手段と、
所定条件の成立に基づいて、前記音量値を設定可能であることを案内する案内報知を行う案内報知手段と、
所定の表示条件の成立に基づいて、所定の表示部に現在の音量値を示す音量値画像を表示させる音量値報知手段と、を備え、
前記案内報知手段は、前記所定の表示部に遊技に関する演出画像が表示されているときに前記案内報知を実行し、
前記音量値報知手段は、前記案内報知の実行中に前記所定の操作部が操作されると前記音量値画像を表示し、
前記音量値設定手段は、前記案内報知の実行中に前記所定の操作部が操作されても前記音量値を設定せず、前記音量値画像の表示中に前記所定の操作部が操作されると前記音量値を設定することを特徴とする遊技機。」(平成28年4月15日付けの手続補正)
から、
「【請求項1】
A 所定の音を出力することが可能な音出力部と、遊技の状態に応じて前記音出力部から演出音を出力させる演出音出力手段と、を備えた遊技機において、
B 所定の操作部の操作に基づいて、前記音出力部から出力される前記演出音の音量値を所定の音量値に設定する音量値設定手段と、
C 所定条件の成立に基づいて、前記音量値を設定可能であることを案内する案内報知を行う案内報知手段と、
D 所定の表示条件の成立に基づいて、所定の表示部に現在の音量値を示す音量値画像を表示させる音量値報知手段と、を備え、
E 前記音量値設定手段は、
E1 遊技店員が操作可能な第1操作部の操作に基づいて、前記演出音の音量値を複数の音量値の何れかに設定する第1音量値設定手段と、
E2 遊技者が操作可能な第2操作部の操作に基づいて、前記第1音量値設定手段によって設定された前記音量値を所定の音量値に設定する第2音量値設定手段と、を有し、
F 前記案内報知手段は、前記所定の表示部に遊技に関する演出画像が表示されているときに前記案内報知を実行し、
G 前記音量値報知手段は、前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されると前記音量値画像を表示し、
H 前記第2音量値設定手段は、前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されても前記音量値を設定せず、前記音量値画像の表示中に前記第2操作部が操作されると前記音量値を設定し、
I 前記音量値報知手段は、
I1 前記音量値画像の表示中に前記第2音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能であり、
I2 前記音量値画像の表示中に前記第1音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能であることを特徴とする遊技機。」(平成29年8月4日付けの手続補正)
に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。また、当審においてA~I2に分説した。)。
2 補正の適否について
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「音量値設定手段」に関して、「前記音量値設定手段は、遊技店員が操作可能な第1操作部の操作に基づいて、前記演出音の音量値を複数の音量値の何れかに設定する第1音量値設定手段と、遊技者が操作可能な第2操作部の操作に基づいて、前記第1音量値設定手段によって設定された前記音量値を所定の音量値に設定する第2音量値設定手段と、を有し、」とするとともに「第2音量値設定手段は、前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されても前記音量値を設定せず、前記音量値画像の表示中に前記第2操作部が操作されると前記音量値を設定し、」と限定し、「音量値報知手段」に関して「前記音量値報知手段は、前記音量値画像の表示中に前記第2音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能であり、前記音量値画像の表示中に前記第1音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能である」とするとともに「前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されると前記音量値画像を表示し、」と限定するものであって、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。
3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2005-288020号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(1-a)「【0001】
本発明は、弾球遊技機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
最近の弾球遊技機では、遊技者の気持ちを盛り上げるために良い音質の音を発生させるようにもなってきた。
かつては弾球遊技機から発生させられる音は、遊技機の背面に設けられた音量調節器を操作しなければ変更できなかった。つまり、遊技者には音量を操作できなかった。このため、上述の良い音質の音をもっと大きな音で聞きたいと思ったり、何度も聞いたから小さい音でいいと思っても、その音の音量を遊技者の意思によって変更できなかった。
【0003】
また、遊技者に期待を与えるために予告やリーチの時には大きな音を出したり、インパクトのある音楽を流したりしているが、この種の音が発生すると、それと気付いた回りの遊技客が自分が遊技している台を覗いてきたりして、遊技に集中できないと感じている人も多数いた。しかし、この場合も、かつての弾球遊技機においては遊技者が音量を調節できなかった。」
(1-b)「【0041】
サブ統合基板90は、主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを図柄制御装置40、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、各制御部位に送信する。そして、音制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ5からの音声出力を制御し、同様にランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって特別図柄保留記憶LED17、普通図柄保留記憶LED、普通図柄用LED29、各種ランプ等を制御する。このように構成することで、例えば図柄変動における音、ランプ、図柄表示装置15の演出タイミングの同調をはかることができる。このことから、サブ統合基板90はランプ・音声制御装置と言うこともできる。
【0042】
また、サブ統合基板90は、操作ボタン75の操作信号が入力される。詳細は後述するが、サブ統合基板90は、操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するので、音声制御装置に該当する。」
(1-c)「【0053】
次に、操作ボタン75の操作と音量変更等と関係を説明する。
まず図4を参照してサブ統合基板90が実行する初期音量設定処理を説明する。この初期音量設定処理においては、サブ統合基板90は主制御装置30からの電源投入時であることを示す信号が入力されると(S1:YES)、音量変更処理により、スピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定する(S3)。初期音量は、サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ(図示略)によって、遊技店が設定できる。
・・・
【0056】
このパチンコ機50においては、遊技状態や図柄の変動状態等に応じて、遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる音量調節可能期間がある。そのための音量調整処理を図5に従って説明する。
【0057】
サブ統合基板90は、音量調整処理を開始すると音量調整可能期間か否かを判断する(S11)。なお、音量調整可能期間中は、図7に例示するように図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」との表示がなされる。
【0058】
音量調整可能期間であるが(S11:YES)、音量表示がなされていない場合には(S12:NO)、操作ボタン75からの操作信号が入力されると(S13:YES)、図柄制御基板40に指示して図柄表示装置15に音量表示を行わせ(S14)、計測値を一旦0にリセットしてから経過時間の計測を開始する(S15)。図柄表示装置15においては、図7に例示するような音量インジケータ41による音量表示が行われる。
【0059】
音量表示がなされている場合には(S12:YES)、計測処理に(S15)による計時が一定期間Aを経過したか否かを判断する(S16)。この一定期間Aは、図6のタイミングチャートにAとして示す期間であり、音量表示がなされた状態で(S12:YES)操作ボタン75の操作信号が無い期間が一定期間Aを経過すると(S16:YES)、図柄制御基板40に指示して図柄表示装置15での音量表示を終了させ(S17)、経過時間の計測も終了する(S18)。
【0060】
操作ボタン75の操作信号が無い期間が一定期間Aを経過してはいないが(S16:NO)、一定期間Bを経過したときには(S19:YES)、それまでの操作ボタン75の操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更し、操作信号の入力回数カウントを0にリセットする(S20)。なお、音量の変更は最大音量の次は最小音量になる。
【0061】
S19で否定判断のとき又はS20に続いて、操作ボタン75からの操作信号が入力されたか否かを判断し(S21)、操作信号が入力されているときは(S21:YES)、操作信号の入力回数カウントを+1し音量インジケータ41による音量表示も1段階更新させる(S22)。なお、音量インジケータ41による音量表示が最大になってから操作信号が入力されると、音量表示は最小音量になる(図7、D~E参照)。そして、計測値を一旦0にリセットしてから経過時間の計測を開始する(S23)。」
(1-d)「【0071】
なお、上述のように操作ボタン75が操作されると音量インジケータ41による音量表示が更新されるが(図7B~F)、この段階では実際の音量変化はなく(初期音量、本例ではレベル5のままであり)、操作ボタン75の操作信号が無い期間が一定期間Bを経過したときに実際の音量が変更される。図7の例では図7F~Gの間に操作ボタン75の操作信号が無い期間が一定期間Bを経過し、図7Gで音量が変更される。」
(1-e)段落【0053】には「初期音量は、サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ(図示略)によって、遊技店が設定できる。」と記載されているから、ホール用音量調整スイッチが設けられたサブ統合基板90は、遊技店がホール用音量調整スイッチによって初期音量を設定できる機能を有しているといえる。
また、段落【0056】には、「遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる」ことが記載され、段落【0071】には、「操作ボタン75が操作されると音量インジケータ41による音量表示が更新されるが(図7B~F)、この段階では実際の音量変化はなく(初期音量、本例ではレベル5のままであり)、操作ボタン75の操作信号が無い期間が一定期間Bを経過したときに実際の音量が変更される。」と記載されているから、
遊技者が操作ボタン75を操作すると、初期音量の表示が更新され(この段階では音量が初期音量のまま)、一定時間Bを経過したときに音量を変更する機能を有しているといえる。
よって、刊行物1には、サブ統合基板90は、遊技店がホール用音量調整スイッチによって、初期音量を設定できる機能と、遊技者が操作ボタン75を操作すると、設定された初期音量の表示が更新されて、一定期間Bを経過したときに音量を変更する機能と、を有する点が記載されているといえる。
(1-f)段落【0057】には、「サブ統合基板90は、・・・図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」との表示がなされる。」と記載されている。
また、図7には、図柄表示装置15(LCDパネル15a)に遊技に関する画像(「423」、「128」、変動中であることを示す画像等)が表示されているときに「音量調整可能期間」と表示することが示されている。
よって、刊行物1には、サブ統合基板90は、図柄表示装置15に遊技に関する画像が表示されているときに「音量調整可能期間」と表示する点が記載されているといえる。
(1-g)段落【0057】には、「サブ統合基板90は、音量調整処理を開始すると音量調整可能期間か否かを判断する(S11)。・・・音量調整可能期間中は、・・・図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」との表示がなされる。」と記載され、段落【0058】には、操作ボタン75からの操作信号が入力されると(S13:YES)、図柄制御基板40に指示して図柄表示装置15に音量表示を行わせ」と記載されている。
よって、刊行物1には、サブ統合基板90は、「音量調整可能期間」の表示中に操作ボタン75が操作されると音量表示を行わせる点が記載されているといえる。
(1-h)段落【0058】には、「音量調整可能期間であるが(S11:YES)、音量表示がなされていない場合には(S12:NO)、操作ボタン75からの操作信号が入力されると(S13:YES)、図柄制御基板40に指示して図柄表示装置15に音量表示を行わせ(S14)」と記載され、段落【0057】には、「音量調整可能期間中は、・・・図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」との表示がなされる。」と記載されている。
また、図5のフローチャートを見ても、「操作ボタンからの信号を検出?」(S13)でYESの場合は、「音量表示処理」(S14)となっており、「音量調整可能期間」の表示中で音量表示がなされていない場合に操作ボタン75が操作されると音量表示を行うことが記載されているが、音量値を設定することは記載されていない。
よって、刊行物1には、サブ統合基板90は、「音量調整可能期間」の表示中で音量表示がなされていない場合に操作ボタン75が操作されても音量値を設定しない点が記載されているといえる。
さらに、段落【0059】の「音量表示がなされている場合には(S12:YES)」に続いて、段落【0061】には、「S19で否定判断のとき又はS20に続いて、操作ボタン75からの操作信号が入力されたか否かを判断し(S21)、操作信号が入力されているときは(S21:YES)、操作信号の入力回数カウントを+1し音量インジケータ41による音量表示も1段階更新させる(S22)。」と記載され、段落【0060】には、「一定期間Bを経過したときには(S19:YES)、それまでの操作ボタン75の操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更し」と記載されている。
以上を踏まえると、刊行物1には、サブ統合基板90は、「音量調整可能期間」の表示中で音量表示がなされていない場合に操作ボタン75が操作されても音量値を設定せず、音量表示がなされている場合に操作ボタン75からの操作信号が入力されているときには、操作信号の入力回数カウントを+1し、一定期間Bを経過したときには、それまでの操作ボタン75の操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更する機能を有する点が記載されているといえる。
(1-i)上記(1-h)と同様に、段落【0059】、【0061】の記載から、刊行物1には、サブ統合基板90は、音量表示がなされている場合に操作ボタン75からの操作信号が入力されているときには、操作信号の入力回数カウントを+1し、音量インジケータ41による音量表示を1段階更新させることが記載されているといえる。
上記(1-a)~(1-d)の記載事項及び(1-e)~(1-i)の認定事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物1発明」という。)。
「a 音声出力を行うスピーカ5と、図柄変動における音、ランプ、図柄表示装置15の演出タイミングの同調をはかり、スピーカ5からの音声出力を制御するサブ統合基板90と(段落【0041】)、を備えた弾球遊技機において(段落【0001】)、
b 操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90と(段落【0042】)、
c 音量調整期間か否かを判断し、音量調整期間中は図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」と表示するサブ統合基板90と(段落【0057】)、
d 操作ボタン75からの操作信号が入力されると、図柄表示装置15に音量表示を行わせるサブ統合基板90と(段落【0057】、【0058】)、を備え、
e 前記サブ統合基板90は、
e1 遊技店がホール用音量調整スイッチによって、初期音量を設定できる機能と、
e2 遊技者が操作ボタン75を操作すると、設定された初期音量の表示が更新されて、一定期間Bを経過したときに音量を変更する機能と、を有し(認定事項(1-e))、
f 前記サブ統合基板90は、図柄表示装置15に遊技に関する画像が表示されているときに「音量調整可能期間」と表示し(認定事項(1-f))、
g 前記サブ統合基板90は、「音量調整可能期間」の表示中に操作ボタン75が操作されると音量表示を行わせ(認定事項(1-g))、
h 前記サブ統合基板90は、「音量調整可能期間」の表示中で音量表示がなされていない場合に操作ボタン75が操作されても音量値を設定せず、音量表示がなされている場合に操作ボタン75からの操作信号が入力されているときには、操作信号の入力回数カウントを+1し、一定期間Bを経過したときには、それまでの操作ボタン75の操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更する機能を有し(認定事項1-h)、
i 前記サブ統合基板90は、
i1 音量表示がなされている場合に操作ボタン75からの操作信号が入力されているときには、操作信号の入力回数カウントを+1し、音量インジケータ41による音量表示を1段階更新させる弾球遊技機(認定事項(1-i))。」
(2)刊行物2
前置報告書で引用された特開2013-42833号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(2-a)「【0205】
図35および図36には、遊技機の前面側と裏面側にそれぞれ音量設定手段としての音量調節スイッチを設けた実施例における演出制御装置300による音量制御の他の実施例が示されている。なお、図35においては、図32や図33の場合と同様に、「ボリュームSW」は遊技機裏面側の音量設定手段46を意味し、「演出SW」は遊技機前面側の音量調節スイッチ(入力操作部25)を意味している。
また、図35において、「演出SW」の後に括弧書きで表示装置と記されているのは、遊技機前面側の表示装置41に表示される音量レベルを表す画像が表示されることを意味しており、図36に、表示装置41における音量レベルを表示画像例が示されている。
【0206】
この実施例は、遊技機裏面側の音量調節スイッチ(音量設定器46)である「ボリュームSW」の設定を上限として、前面側の「演出SW」の操作による音量レベルの設定を可能にするものである。また、音量設定器46が有効にされるかまたは設定が変更されると表示装置41に、図36に示すような音量レベルの表示を行う。入力操作部25の演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bの操作により、音量設定モードが設定された場合にも図36に示すような音量レベルの表示を行う。そして、この音量レベルの表示においては、音量設定器46である「ボリュームSW」の設定状態に応じた表示、すなわち、そのときの音量設定器46の設定が例えば「4」であれば、図36(A)のように、最大音量レベルが「4」までであることが分かるように表示し、音量設定器46の設定が例えば「3」であれば、図36(B)のように、最大音量レベルが「3」までであることが分かるように表示する。
【0207】
次に、本実施例における具体的な音量調節制御の例について、図35を用いて説明する。図35においては、タイミングt0で遊技機裏面側の音量調節スイッチ(音量設定器46)である「ボリュームSW」の設定が「2」から「4」へ変更されている。すると、演出制御装置300は、その直後のフレーム更新タイミングt1で、1stCPU311から音源LSI314へ「音量制御コマンド」を送信する。これにより、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「2」から「4」に変更され、その後、音源LSI314は音量レベル「4」でスピーカを駆動する信号を出力する。
図35の期間T2は「ボリュームSW」の設定が「4」である期間であり、この期間T2内に、図36(A)のような表示を見ながら「演出SW」を操作して、例えば図35のタイミングt2で、音量レベルを「4」から「2」に変更したとすると、その設定がスピーカの出力音量レベルに反映され、その後、演出制御装置300は音量レベル「2」で遊技演出音の出力を行うように制御する。なお、この「演出SW」の操作による音量レベルの設定変更は、タイミングt3のようにフレーム更新に同期して行われる。」
(2-b)段落【0207】には、「遊技機裏面側の音量調節スイッチ(音量設定器46)である「ボリュームSW」の設定が「2」から「4」へ変更されている。すると、演出制御装置300は、その直後のフレーム更新タイミングt1で、1stCPU311から音源LSI314へ「音量制御コマンド」を送信する。これにより、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「2」から「4」に変更され」と記載されている。
よって、刊行物2には、演出制御装置300は、ボリュームSWの操作に基づいて音量レベルを複数の音量の何れかに設定することが記載されているといえる。
一方、段落【0206】には、「音量設定器46が有効にされるかまたは設定が変更されると表示装置41に、図36に示すような音量レベルの表示を行う」と記載されている。
また、段落【0205】には、「図35において、「演出SW」の後に括弧書きで表示装置と記されているのは、遊技機前面側の表示装置41に表示される音量レベルを表す画像が表示されることを意味しており」と記載されているから、図35において、「ボリュームSW」(音量設定器46)の設定が「2」から「4」へ変更された後のt1において「演出SW(表示装置)」における「4」の記載は、音量レベルが4と表示されることを意味することが分かる。
また、段落【0205】には「図35および図36には、遊技機の前面側と裏面側にそれぞれ音量設定手段としての音量調節スイッチを設けた実施例における演出制御装置300による音量制御の他の実施例が示されている。」と記載されているから、音量レベルの変更を含む音量制御は演出制御装置300が行っているといえる。
以上を踏まえると、刊行物2には、演出制御装置300は、ボリュームSWの操作に基づいて音量レベルを複数の音量の何れかに設定し、音量レベルの表示中にボリュームSWの設定が変更されると表示中の音量レベルを更新することが記載されているといえる。
上記(2-a)の記載事項及び(2-b)の認定事項を総合すると、刊行物2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物2発明」という。)。
「遊技機前面側に演出SWを設けるとともに、遊技機裏面側にボリュームSWを設け、演出制御装置300により音量制御を行う遊技機において(段落【0205】)、
演出制御装置300は、ボリュームSWの操作に基づいて音量レベルを複数の音量の何れかに設定し、音量レベルの表示中にボリュームSWの設定が変更されると表示中の音量レベルを更新する遊技機(認定事項(2-b))。」
(3)対比
本願補正発明と刊行物1発明とを対比する(下記の見出し(a)~(i1)は、刊行物1発明の構成に対応している。)。
(a)刊行物1発明の「音声出力を行うスピーカ5」は、本願補正発明の「所定の音を出力することが可能な音出力部」に相当し、刊行物1発明の「図柄変動における音、ランプ、図柄表示装置15の演出タイミングの同調をはかり、スピーカ5からの音声出力を制御する」ことは、本願補正発明の「遊技の状態に応じて音出力部から演出音を出力させること」に相当する。
また、刊行物1発明の「弾球遊技機」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、刊行物1発明の「音声出力を行うスピーカ5と、図柄変動における音、ランプ、図柄表示装置15の演出タイミングの同調をはかり、スピーカ5からの音声出力を制御するサブ統合基板90と、を備えた弾球遊技機」は、本願補正発明の「所定の音を出力することが可能な音出力部と、遊技の状態に応じて前記音出力部から演出音を出力させる演出音出力手段と、を備えた遊技機」に相当する。
(b)刊行物1発明の「操作ボタン75」は、本願補正発明の「所定の操作部」に相当し、刊行物1発明の「スピーカ5の音量を変更する」ことにより、所定の音量値に設定することは、自明な事項である。
よって、刊行物1発明の「操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90」は、本願補正発明の「所定の操作部の操作に基づいて、前記音出力部から出力される前記演出音の音量値を所定の音量値に設定する音量値設定手段」に相当する。
(c)刊行物1発明の「音量調整期間か否かを判断し」、「音量調整期間中」であることは、本願補正発明の「所定条件の成立」に相当し、刊行物1発明の「「音量調整可能期間」と表示する」ことは、本願補正発明の「音量値を設定可能であることを案内する案内報知を行う」ことに相当する。
よって、刊行物1発明の「音量調整期間か否かを判断し、音量調整期間中は図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」と表示するサブ統合基板90」は、本願補正発明の「所定条件の成立に基づいて、前記音量値を設定可能であることを案内する案内報知を行う案内報知手段」に相当する。
(d)刊行物1発明の「操作ボタン75からの操作信号が入力される」ことは、本願補正発明の「所定の表示条件の成立」に相当する。
また、刊行物1発明の「音量表示」は、現在の音量値の表示であることは明らかであるから、刊行物1発明の「図柄表示装置15に音量表示を行わせる」ことは、本願補正発明の「現在の音量値を示す音量値画像を表示させる」ことに相当する。
よって、刊行物1発明の「操作ボタン75からの操作信号が入力されると、図柄表示装置15に音量表示を行わせるサブ統合基板90」は、本願補正発明の「所定の表示条件の成立に基づいて、所定の表示部に現在の音量値を示す音量値画像を表示させる音量値報知手段」に相当する。
(e)刊行物1発明の「ホール用音量調整スイッチ」は、本願補正発明の「第1操作部」に相当する。そして、刊行物1発明の当該「ホール用音量調整スイッチ」は、音量調整を行うスイッチであるから、複数の音量値の何れかに初期音量を設定するものであることは明らかである。
よって、刊行物1発明の「遊技店がホール用音量調整スイッチによって、初期音量を設定できる機能」は、本願補正発明の「遊技店員が操作可能な第1操作部の操作に基づいて、前記演出音の音量値を複数の音量値の何れかに設定する第1音量値設定手段」に相当する。
また、刊行物1発明の「操作ボタン75」は、本願補正発明の「第2操作部」に相当し、刊行物1発明の「設定された初期音量」は、本願補正発明の「第1音量値設定手段によって設定された音量値」に相当する。そして、刊行物1発明の「一定期間Bを経過したときに音量を変更する」ことも音量値を設定することに他ならない。
よって、刊行物1発明の「遊技者が操作ボタン75を操作すると、設定された初期音量の表示が更新されて、一定期間Bを経過したときに音量を変更する機能」は、本願補正発明の「遊技者が操作可能な第2操作部の操作に基づいて、前記第1音量値設定手段によって設定された前記音量値を所定の音量値に設定する第2音量値設定手段」に相当する。
以上のことから、刊行物1発明の「前記サブ統合基板90は、遊技店がホール用音量調整スイッチによって、初期音量を設定できる機能と、遊技者が操作ボタン75を操作すると、設定された初期音量の表示が更新されて、一定期間Bを経過したときに音量を変更する機能と、を有」する点は、本願補正発明の「前記音量値設定手段は、遊技店員が操作可能な第1操作部の操作に基づいて、前記演出音の音量値を複数の音量値の何れかに設定する第1音量値設定手段と、遊技者が操作可能な第2操作部の操作に基づいて、前記第1音量値設定手段によって設定された前記音量値を所定の音量値に設定する第2音量値設定手段と、を有」する点に相当する。
(f)刊行物1発明の「図柄表示装置15に遊技に関する画像が表示され」る点は、本願補正発明の「所定の表示部に遊技に関する演出画像が表示され」る点に相当する。
よって、刊行物1発明の「前記サブ統合基板90は、図柄表示装置15に遊技に関する画像が表示されているときに「音量調整可能期間」と表示」する点は、本願補正発明の「前記案内報知手段は、前記所定の表示部に遊技に関する演出画像が表示されているときに前記案内報知を実行」する点に相当する。
(g)刊行物1発明の「前記サブ統合基板90は、「音量調整可能期間」の表示中に操作ボタン75が操作されると音量表示を行わせ」る点は、本願補正発明の「前記音量値報知手段は、前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されると前記音量値画像を表示」する点に相当する。
(h)刊行物1発明の「「音量調整可能期間」の表示中で音量表示がなされていない場合に操作ボタン75が操作されても音量値を設定」しない点は、本願補正発明の「前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されても前記音量値を設定」しない点に相当する。
また、刊行物1発明の「音量表示がなされている場合に操作ボタン75からの操作信号が入力されているときに」「それまでの操作ボタン75の操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更する」点は、本願補正発明の「前記音量値画像の表示中に前記第2操作部が操作されると前記音量値を設定」する点に相当する。
よって、刊行物1発明の「前記サブ統合基板90は、「音量調整可能期間」の表示中で音量表示がなされていない場合に操作ボタン75が操作されても音量値を設定せず、音量表示がなされている場合に操作ボタン75からの操作信号が入力されているときには、操作信号の入力回数カウントを+1し、一定期間Bを経過したときには、それまでの操作ボタン75の操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更する機能を有」する点は、本願補正発明の「前記第2音量値設定手段は、前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されても前記音量値を設定せず、前記音量値画像の表示中に前記第2操作部が操作されると前記音量値を設定」する点に相当する。
(i1)刊行物1発明の「音量インジケータ41による音量表示を1段階更新させる」点は、本願補正発明の「表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新」する点に相当する。
よって、刊行物1発明の「前記サブ統合基板90は、音量表示がなされている場合に操作ボタン75からの操作信号が入力されているときには、操作信号の入力回数カウントを+1し、音量インジケータ41による音量表示を1段階更新させる」点は、本願補正発明の「前記音量値報知手段は、前記音量値画像の表示中に前記第2音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能であ」る点に相当する。
したがって、本願補正発明と刊行物1発明とは、
「A 所定の音を出力することが可能な音出力部と、遊技の状態に応じて前記音出力部から演出音を出力させる演出音出力手段と、を備えた遊技機において、
B 所定の操作部の操作に基づいて、前記音出力部から出力される前記演出音の音量値を所定の音量値に設定する音量値設定手段と、
C 所定条件の成立に基づいて、前記音量値を設定可能であることを案内する案内報知を行う案内報知手段と、
D 所定の表示条件の成立に基づいて、所定の表示部に現在の音量値を示す音量値画像を表示させる音量値報知手段と、を備え、
E 前記音量値設定手段は、
E1 遊技店員が操作可能な第1操作部の操作に基づいて、前記演出音の音量値を複数の音量値の何れかに設定する第1音量値設定手段と、
E2 遊技者が操作可能な第2操作部の操作に基づいて、前記第1音量値設定手段によって設定された前記音量値を所定の音量値に設定する第2音量値設定手段と、を有し、
F 前記案内報知手段は、前記所定の表示部に遊技に関する演出画像が表示されているときに前記案内報知を実行し、
G 前記音量値報知手段は、前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されると前記音量値画像を表示し、
H 前記第2音量値設定手段は、前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されても前記音量値を設定せず、前記音量値画像の表示中に前記第2操作部が操作されると前記音量値を設定し、
I 前記音量値報知手段は、
I1 前記音量値画像の表示中に前記第2音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能である遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点]
「音量値報知手段」に関して、本願補正発明は、「前記音量値画像の表示中に前記第1音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能である」のに対して、刊行物1発明は、そのように特定されていない点(構成I2)。
(4)判断
ア 上記相違点について検討する。
刊行物2発明には、上記(2)で示したとおり、「遊技機前面側に演出SWを設けるとともに、遊技機裏面側にボリュームSWを設け、演出制御装置300により音量制御を行う遊技機において、演出制御装置300は、ボリュームSWの操作に基づいて音量レベルを複数の音量の何れかに設定し、音量レベルの表示中にボリュームSWの設定が変更されると表示中の音量レベルを更新する遊技機。」が開示されている。
刊行物2発明の「ボリュームSWの操作に基づいて音量レベルを複数の音量の何れかに設定」する「演出制御装置300」は、本願補正発明の「第1音量設定手段」に対応する構成であるから、刊行物2発明は、本願補正発明の構成I2の構成である「音量値画像の表示中に第1音量値設定手段が音量値を設定すると、表示中の音量値画像を新たに設定された音量値を示す音量値画像に更新可能である」点を含むものである。
そして、刊行物1発明と刊行物2発明とは、共に遊技店員が操作可能な操作部(刊行物2発明では「ボリュームSW」)と、遊技者が操作可能な操作部(刊行物2では「演出SW」)と、を有する遊技機である点で共通するものである。
よって、刊行物1発明における「遊技店がホール用音量調整スイッチによって、初期音量を設定できる機能」を有する「サブ統合基板90」の構成に、上記刊行物2発明の「演出制御装置300」の構成を適用し、音量値画像の表示中に音量値を設定すると、表示中の音量値画像を新たに設定された音量値を示す音量値画像に更新可能とし、上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 本願補正発明が奏する効果について
上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2発明から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。
ウ まとめ
以上のように、本願補正発明は、 当業者が刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
エ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において「また、補正の前後で発明の解決しようとする課題が完全に同一でないとしても、補正前後で限定された発明特定事項は、技術的に密接に関連するものであって、遊技者による音量調整及び音量値画像の表示に係る技術である点で共通しています。
そのため、補正前の発明の解決しようとする課題と、補正後の発明の解決しようとする課題とは、少なくとも同種のものであると考えられます。
してみれば、今回の手続補正書では、平成28年12月02日付け手続補正書による補正と同一の補正を行っているため、上述した理由の通りに、補正前後の発明の解決しようとする課題が同一、若しくは、同種のものであると考えられます。
このように、本願発明の請求項1に係る補正は、補正前後の発明の解決しようとする課題が同一、若しくは、同種のものであるから、特許法第17条の2第5項違反には該当しないものと思料致します。」(第7頁第15~28行)と主張する。
確かに、補正前後で限定された発明特定事項は、遊技者による音量調整及び音量値画像の表示に関する技術である点で共通しており、本願明細書から把握される発明を解決しようとする課題は、「音出力部から出力される演出音の音量を所望の音量に設定することが可能な遊技機を提供することを目的とする」(段落【0006】)ものであるから、本願発明の請求項1に係る補正は、補正前後の発明の解決しようとする課題が同一であり、特許法第17条の2第5項に規定する要件を満たすものといえる。
しかしながら、上記ウで検討したとおり、補正後の本願補正発明は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成28年4月15日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】
所定の音を出力することが可能な音出力部と、遊技の状態に応じて前記音出力部から演出音を出力させる演出音出力手段と、を備えた遊技機において、
所定の操作部の操作に基づいて、前記音出力部から出力される前記演出音の音量値を所定の音量値に設定する音量値設定手段と、
所定条件の成立に基づいて、前記音量値を設定可能であることを案内する案内報知を行う案内報知手段と、
所定の表示条件の成立に基づいて、所定の表示部に現在の音量値を示す音量値画像を表示させる音量値報知手段と、を備え、
前記案内報知手段は、前記所定の表示部に遊技に関する演出画像が表示されているときに前記案内報知を実行し、
前記音量値報知手段は、前記案内報知の実行中に前記所定の操作部が操作されると前記音量値画像を表示し、
前記音量値設定手段は、前記案内報知の実行中に前記所定の操作部が操作されても前記音量値を設定せず、前記音量値画像の表示中に前記所定の操作部が操作されると前記音量値を設定することを特徴とする遊技機。」
2 刊行物
刊行物1及びその記載事項、並びに刊行物1発明は、上記「第2 3(1)」に記載したとおりである。
3 対比・判断
本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「音量値設定手段」に関して、「前記音量値設定手段は、遊技店員が操作可能な第1操作部の操作に基づいて、前記演出音の音量値を複数の音量値の何れかに設定する第1音量値設定手段と、遊技者が操作可能な第2操作部の操作に基づいて、前記第1音量値設定手段によって設定された前記音量値を所定の音量値に設定する第2音量値設定手段と、を有し、」との限定を省くとともに「第2音量値設定手段は、前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されても前記音量値を設定せず、前記音量値画像の表示中に前記第2操作部が操作されると前記音量値を設定し、」における「第2」及び「し」の限定を省き、「音量値報知手段」に関して「前記音量値報知手段は、前記音量値画像の表示中に前記第2音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能であり、前記音量値画像の表示中に前記第1音量値設定手段が前記音量値を設定すると、表示中の前記音量値画像を新たに設定された前記音量値を示す音量値画像に更新可能である」との限定を省くとともに「前記案内報知の実行中に前記第2操作部が操作されると前記音量値画像を表示し、」における「第2」の限定を省くものである。
そして、本願発明と刊行物1発明とを対比すると、全ての構成において一致し、相違点はない。また、仮に相違点があったとしても、当業者が容易になし得たものである。
4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号又は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2017-011688