特許拒絶査定不服審判
2017-008846
非接触電力伝送装置
- 審判番号
- 2017-008846
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-125398外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年06月19日
- 審決日
- 2018年11月21日
- 公報発行日
- 2019年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社プリンシパルテクノロジー
- 【請求人代理人】加藤 道幸
- 分類
- P18 .121-WZ (H02J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-125398「非接触電力伝送装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月 5日出願公開、特開2015- 2598〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、平成25年6月14日の出願であって、平成28年10月18日付けで拒絶理由通知がなされ、平成28年12月8日付けで手続補正書と意見書が提出されたが、平成29年3月16日付けで拒絶査定がされた。これに対して平成29年6月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、当審において平成30年8月10日付けで拒絶理由通知がなされ、平成30年9月10日付けで意見書と手続補正書が提出されたものである。
2.本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明は、平成30年9月10日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるものであるところ請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
給電手段と受電手段との間の電磁誘導現象又は静電誘導現象によって、非接触にて、該給電手段から送られた交流電力を該受電手段に接続された交流負荷へ伝送する非電力系統における非接触電力伝送装置において、
該受電手段及び該交流負荷と並列に設けられ、無効電力を生成する無効電力発生手段を備え、
該無効電力発生手段が、該給電手段と該受電手段との間の磁界又は電界を変化させるために無効電力の大きさを制御することにより、交流負荷に印加される交流電圧の実効値が所定の値になるようにすることを特徴とする非接触電力伝送装置。」
3.引用発明・引用文献の技術
(1)引用文献1
当審で通知した平成30年8月10日付け拒絶理由に引用された特開2004-72832号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。(下線部は当審において付加した。以下同じ。)
ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触給電方法に関し、特に、受電回路のインダクタンスが変化した場合でもその補正を行い、受電回路に接続された負荷に供給される電圧を一定に維持するとともに、負荷に必要な電圧を必要なときにだけ供給することができる非接触給電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非接触給電装置は、例えば、半導体工場のクリーンルーム内の搬送装置で使用されている。
このような非接触給電装置において、受電回路に共振を利用した非接触で負荷に電力を給電する場合、共振回路と並列に負荷を接続した場合、回路構成は簡単であるが、小負荷時には負荷にかかる電圧が増大し、大負荷時には負荷の電圧が減少し、負荷の電圧が安定しないという問題が発生する。
また、この非接触給電方法では、無負荷時にも共振回路には電流が流れることから、受電コイルや共振コンデンサの内部抵抗で発熱し損失が発生するという問題があり、さらに、受電コイルと1次線路との相対位置が変わり、受電コイルを通る磁束が減少し、等価的に受電コイルのインダクタンスが減少した場合においても、共振状態が変化し負荷に供給する電圧が変化するという問題もあった。」
イ.「【0009】
図1~図2に、本発明の非接触給電方法の一実施例を示す。
この非接触給電方法は、電源に接続された給電線から受電回路に電磁誘導により非接触で電力を供給する非接触給電方法において、受電回路側の電圧を検出し、該電圧が低下したときに時間率を変化させ、動作点を所定の電圧を発する位置まで移動させることにより、受電回路に接続された負荷に供給される電圧を一定に維持するようにしている。
【0010】
非接触給電装置の構成を図1、図2で説明する。非接触給電の構成は給電線1から受電コイル2に、給電線1の周囲に生じる磁界を電磁誘導により電力を伝達する。給電線1は高周波電源3で、高周波電流を給電線路に流す。
受電側には固定容量の共振コンデンサ4、可変容量の共振コンデンサ5の並列の容量と受電コイル2、のインダクタンスとで共振回路を構成する。受電コイルには結合効率、コイルの巻線、コアの損失を含めた等価的な内部抵抗3が存在する。
なお、負荷は共振回路と並列に接続されている。
【0011】
図3及び図5に、受電回路の詳細を示す。
受電回路は、可変容量のコンデンサ5、固定容量の共振コンデンサ4、逆方向に直列接続されたスイッチング素子6、7、及び該スイッチング素子6、7に並列接続したダイオード8、9から構成されている。
スイッチング素子6、7はバイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、IGBT等が使用可能である。給電線に流す高周波電流の周波数が低い場合にはサイリスタも使用することが可能である。
電流は、整流ダイオード10で整流するとともに、平滑コンデンサ11で平滑にされ、負荷12に接続される。」
ウ.「【0014】
ここで、i(cs)は、可変容量コンデンサ5の電流を示す。これは、電流を積分する時間を制御することでコンデンサに蓄積する電荷量を制御し、回路を導通する時間比率Dに依存する。
言い換えると、可変容量コンデンサ5は、D=1の場合に容量がCsのコンデンサとして振る舞い、D=0の場合に容量がゼロとして振る舞う、スイッチングの時間率で容量を変化する可変容量コンデンサとなる。」
エ.「【0019】
回路の共振状態は、時間率を任意に変化することで共振点を1次の高周波電源3の周波数に接近させることができるが、給電線1と受電コイル2の位置関係が変化し、受電コイル2を通過する磁束数が減少した場合、等価的に受電コイル2のインダクタンスが低下する。
従来の共振コンデンサの容量を固定した回路では、受電コイルのインダクタンスが変化した場合、その補正が行えず、負荷に供給しうる電力が低下するが、本実施例では、インダクタンスが変化しても負荷電圧に応じて動作点を移動し、同一の電圧を発生させることができる。」
オ.「【0023】
【発明の効果】
本発明の非接触給電方法によれば、スイッチングの時間率で容量が変化する可変容量コンデンサを設け、受電回路側の電圧を検出して該電圧が低下したときに時間率を変化させ、該可変容量コンデンサの動作点を所定の電圧を発する位置まで移動させることから、受電回路のインダクタンスが変化した場合でもその補正を行うことができ、これにより、受電回路に接続された負荷に供給される電圧を一定に維持するとともに、負荷に必要な電圧を必要なときにだけ供給することができる。
その結果、給電装置の能力内で負荷を平準化するとともに、給電装置の受電部分を小型化し、かつ地上給電設備容量を低減し、給電区間長を増大させることができる。」
カ.【図2】
キ.【図3】
上記アないしキの記載から、引用文献1には次の事項が記載されている。
・上記イの段落【0010】、カには、給電線1から受電コイル2に、給電線1の周囲に生じる磁界の変化による電磁誘導により電力を伝達する非接触給電装置、が記載されている。
・上記イの段落【0010】によれば、給電線1には、高周波電源3の高周波電流が流れること、が記載されている。
・上記イの段落【0010】によれば、受電側には、固定容量の共振コンデンサ4、可変容量の共振コンデンサ5の並列の容量と受電コイル2のインダクタンスとで共振回路を構成し、負荷が該共振回路と並列に接続されることが記載されている。
また、上記イの段落【0011】、キによれば、受電側には、受電コイル2からの電流を整流する整流ダイオード10があり、該整流ダイオード10を介して負荷が接続されていること、さらに、上記カ、キによれば、前記並列の容量と受電コイル2と負荷は並列に接続されること、が記載されている。
してみれば、引用文献1には、受電側は、固定容量の共振コンデンサ4、可変容量のコンデンサ5の並列の容量と、受電コイル2のインダクタンスからなる共振回路と、受電コイルからの電流を整流する整流ダイオード10と、該整流ダイオード10を介して共振回路に並列に接続された負荷とからなり、前記受電コイル2と前記並列の容量と前記負荷が並列に接続されること、が記載されているといえる。
・上記イの段落【0011】、キによれば、可変容量のコンデンサ5には、逆方向に直列接続されたスイッチング素子6、7が接続され、また、上記ウ、オによれば、可変容量のコンデンサ5は、スイッチングの時間率で容量が変化するものであること、が記載されている。
・上記エ、オには、受電回路側の電圧を検出して該電圧が低下したときに時間率を変化させ、可変容量のコンデンサの動作点を所定の電圧を発する位置まで移動させ、受電回路のインダクタンスが変化した場合でもその補正を行うことができ、これにより、受電回路に接続された負荷に供給される電圧を一定に維持できること、が記載されている。
以上総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認められる。
「給電線1から受電コイル2に、給電線1の周囲に生じる磁界の変化による電磁誘導により電力を伝達する非接触給電装置において、
前記給電線1には、高周波電源3の高周波電流が流れ、
受電側は、固定容量の共振コンデンサ4、可変容量のコンデンサ5の並列の容量と、受電コイル2のインダクタンスからなる共振回路と、受電コイルからの電流を整流する整流ダイオード10と、該整流ダイオード10を介して共振回路に並列に接続された負荷とからなり、前記受電コイル2と前記並列の容量と前記負荷が並列に接続され、
前記可変容量のコンデンサ5には、逆方向に直列接続されたスイッチング素子6、7が接続され、スイッチングの時間率で容量が変化するものであって、
受電回路側の電圧を検出して該電圧が低下したときに前記時間率を変化させ、前記可変容量のコンデンサ5の動作点を所定の電圧を発する位置まで移動させ、受電回路のインダクタンスが変化した場合でもその補正を行うことができ、これにより、受電回路に接続された負荷に供給される電圧を一定に維持できる非接触給電装置。」
4.対 比
本願発明と引用発明とを対比する。
a.引用発明の「給電線1」、「受電コイル2」は、本願発明の「給電手段」、「受電手段」に相当する。
また、引用発明の「負荷」は、整流ダイオード10を介して接続されるものであるから直流の負荷と認められ、本願発明の「交流負荷」とは「負荷」の点では共通する。
そして、引用発明の「非接触給電装置」は、給電線1から受電コイル2に、給電線1の周囲に生じる磁界の電磁誘導により電力を伝達するものであって、また、受電コイルには負荷が接続されている。さらに、給電線1には高周波電流が流れるものであるから、受電コイル2側には交流電力が伝達されているものと認められる。
また、引用文献1の段落【0002】には、非接触給電装置は、クリーンルーム内の搬送装置に使用されることが記載されていることから、引用発明の「非接触給電装置」は、非電力系統に用いられるものと認められる。
したがって、引用発明の「給電線1から受電コイル2に、給電線1の周囲に生じる磁界の電磁誘導により電力を伝達する非接触給電装置」は、本願発明の「給電手段と受電手段との間の電磁誘導現象又は静電誘導現象によって、非接触にて、該給電手段から送られた交流電力を該受電手段に接続された負荷へ伝送する非電力系統における非接触電力伝送装置」に相当する。
b.2次コイルとキャパシタ(コンデンサ)からなる共振回路が無効電力を発生(生成)することは、技術常識である。(必要であれば、当審で通知した平成30年8月10日付け拒絶理由に引用された国際公開第2012/001758号(以下、「引用文献2」という。)の段落[0016]、[0018]、[0020]、図3(2)、図4(1)等参照されたい。2次コイル8とキャパシタ26に注目。)
してみると、引用発明における受電コイル2と並列の容量(共振コンデンサ4と可変容量のコンデンサ5)からなる共振回路の並列の容量は、本願発明の「無効電力を生成する無効電力発生手段」といえる。
また、引用発明の並列の容量は、受電コイル2および負荷に並列に接続されるものであるから、引用発明の「固定容量の共振コンデンサ4、可変容量のコンデンサ5の並列の容量」は、本願発明の「該受電手段及び該負荷と並列に設けられ、無効電力を生成する無効電力発生手段」に相当する。
c.引用発明の可変容量のコンデンサ5の動作点を移動させ容量を変化させれば、発生する無効電力も変化(制御)するものであって、また当然に、無効電力が変化すれば、受電コイルの磁界は変化するものと認められる。
してみると、引用発明の「受電回路側の電圧を検出して該電圧が低下したときに前記時間率を変化させ、前記可変容量のコンデンサ5の動作点を所定の電圧を発する位置まで移動させ、受電回路のインダクタンスが変化した場合でもその補正を行うことができ、これにより、受電回路に接続された負荷に供給される電圧を一定に維持できる」ことは、本願発明の「該無効電力発生手段が、該給電手段と該受電手段との間の磁界又は電界を変化させるために無効電力の大きさを制御することにより、負荷に印加される電圧が所定の値になるようにする」ことに相当する。
但し、本願発明では、「負荷」が「交流負荷」であって、「交流電圧の実効値が所定の値となるように」制御するのに対して、引用発明では、そのような特定がされていない点で相違する。
したがって、本願発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違する。
(一致点)
「給電手段と受電手段との間の電磁誘導現象又は静電誘導現象によって、非接触にて、該給電手段から送られた交流電力を該受電手段に接続された負荷へ伝送する非電力系統における非接触電力伝送装置において、
該受電手段及び該負荷と並列に設けられ、無効電力を生成する無効電力発生手段を備え、
該無効電力発生手段が、該給電手段と該受電手段との間の磁界又は電界を変化させるために無効電力の大きさを制御することにより、負荷に印加される電圧が所定の値になるようにする非接触電力伝送装置。」
(相違点)
本願発明では、「負荷」が「交流負荷」であって、「交流電圧の実効値が所定の値となるように」制御するのに対して、引用発明では、そのような特定がされていない点。
5.検討
そこで、上記相違点について検討する。
非接触給電を行う負荷としてどのようなものを選択するかは当業者が設計時に適宜選択可能な事項である。
そして、引用発明は、交流を整流ダイオード10で直流に変換して直流負荷に給電するものであるから、非接触給電を行う負荷として、交流負荷が選択できなくないことは明らかであって、その際には、当然、整流ダイオード10は介されないで接続されるものと認められる。
また、交流電圧の制御を行う際に、実効値を用いることは常套手段である。
してみれば、引用発明において負荷を交流負荷として、交流電圧の実効値が所定の値となるように制御することは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本願発明の効果も、引用発明から想到される構成から当業者が予想できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、上記引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
なお、審判請求人は、平成30年9月10日付けの意見書において、
「イ)本願発明が当業者の言うところの『共振回路』を前提とする否かについて 審判官殿が指摘されているように、引用文献1における非接触給電装置では、『共振回路』による構成をとっているようですが、本願発明は、本願明細書を含め、『共振回路』による旨の記載は一切無く、『共振回路』の動作に基づく動作説明も一切されていません。
もし、本願が『共振回路』に基づくものであれば、『共振』に係る説明が必須であり、その記載が無い以上、本願が『共振回路』に基づくものでないことは明らかです。
このように、本願発明は、『共振回路』を前提とした非接触給電についてのものではなく、引用文献1の内容とは、技術的思想が完全に異なっており、引用文献1を引用すること自体が適切ではないと考えます。」
「ロ)本願無効電力発生手段にコンデンサが含まれるか否かについて
審判官殿は、引用文献1における共振回路の可変容量コンデンサ5は無効電力発生手段といえ、この点に関しては、平成30年8月3日の面接において、出願人からも無効電力発生手段には、コンデンサが含まれるとの説明がなされた、とされています。
しかしながら、本願発明の無効電力発生手段にコンデンサは含まれません。
本願明細書段落番号0007に、可変コンデンサを用いることが課題であると記載しており、その解決策である本願発明に可変コンデンサが含まれないことは明らかです。
また、本願明細書等では『無効電力発生手段』を『無効電力発生装置』と表現しており、この『無効電力発生装置』とはインバータで構成された装置(SVG・STATCOM)であって、無効電力源としてコンデンサを用いた装置でないことは当業者にとっては常識です。」
「ハ)共振回路が無効電力を発生させるか否かについて
審判官殿は、引用文献2において、コンデンサを含む共振回路が無効電力を発生することが記載され技術常識である、とされています。
しかしながら、引用文献2については、共振回路が無効電力を発生すると言っているわけではありません。
コイルとコンデンサで構成された共振回路に流れる電流がエアギャップの磁路を励磁し、その電流成分の内の負荷消費電力に相当する成分を励磁有効電力、それ以外の成分を励磁無効電力と呼んでいるだけで、これを共振回路が無効電力を発生すると解するのは困難です。
また、引用文献2の発明は、中継コイルの電圧を共振回路で高電圧化するという発明であり、この共振回路を無効電力発生装置に置き換え可能であるという示唆もありません。」
「ニ)作用の相違
本願発明は、無効電力発生手段が、給電手段と受電手段との間の磁界又は電界を変化させるために無効電力の大きさを制御することにより、交流負荷に印加される交流電圧の実効値が所定の値になるようにすること、を特徴としています。
この給電手段と受電手段との間の磁界又は電界を変化させる、という本願発明特有の作用については、引用文献には、その示唆すらありません。」
と主張している。
上記イ)、ロ)、ハ)、ニ)の主張について検討する。
上記イ)について
確かに、本願の明細書には「共振回路」に関する記載はされていない。
しかしながら、一般に、「無効電力発生手段」には、本願の明細書に記載のインバータ以外に、無効電力を生成する手段(共振回路のコンデンサ等)も含まれるところ、特許請求の範囲の記載には共振回路を除くとは書かれていない。
してみると、「共振回路」に係る説明が記載されていないからといって、特許請求の範囲に記載された発明が「共振回路」に基づくものでないとはいえない。
したがって、上記イ)の主張は認められない。
上記ロ)について
確かに、本願明細書段落【0007】には「可変コンデンサのインピーダンスを変更するためには、モータのような機械的な駆動手段が必要となるのが一般的であり大型で高コストであるという課題がある。」と記載されている。しかしながら、該記載は、可変コンデンサに駆動手段としてモータのような大型で高コストなものを用いる必要があることが課題であるというものであるから、大型の駆動手段を用いない小型の可変コンデンサまでも課題とするものではない。
したがって、段落【0007】に記載の可変コンデンサに、小型の可変コンデンサが含まれているとはいえない。
また、本願の明細書には「無効電力発生装置」としてインバータが記載されているが、特許請求の範囲の記載には「無効電力を生成する無効電力発生手段」とあるのみであって、「無効電力発生手段」がインバータとは記載されていない。
よって、上記ロ)の主張は認められない。
上記ハ)について
上記4.のb.で記したように、引用文献2には、2次側の2次コイル8とキャパシタ26(コンデンサ)とからなるループCの共振回路から、エアギャップgの磁路に対し励磁無効電力を供給することが記載されており、共振回路が無効電力を生成(発生)するものと認められる。
また、引用文献2は、中継回路を引用するものではなく、共振回路のキャパシタ(コンデンサ)が無効電力を発生することを引用するものである。
したがって、上記ハ)の主張は認められない。
上記ニ)について
上記4.のc.で記載したように、引用発明の並列の容量(無効電力発生手段)は、給電手段と受電手段との間の磁界又は電界を変化させるために無効電力の大きさを制御することにより、負荷に印加される電圧が所定の値にするものと認められる。
したがって、上記ニ)の主張は認められない。
6.むすび
以上のとおりであって、本願の請求項1に係る発明は、上記引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項については言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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