特許拒絶査定不服審判
2017-006315
仮想世界処理装置及び方法
- 審判番号
- 2017-006315
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-167901外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年05月01日
- 審決日
- 2018年02月26日
- 公報発行日
- 2018年04月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】大貫 進介
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-167901「仮想世界処理装置及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月12日出願公開、特開2016- 26342、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成23年4月6日(優先権主張平成22年4月13日、大韓民国、平成23年3月18日、大韓民国)を国際出願日とする特願2013-504805号の一部を、平成27年8月27日に新たに特許出願したものであって、平成28年7月29日付けで拒絶理由が通知され、それに対して同年11月4日付けで手続補正がなされたが、平成29年1月30日付けで拒絶査定がなされ、それに対して同年5月1日に拒絶査定不服の審判請求がされたものである。
第2 原査定の理由の概要
原査定(平成29年1月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-10に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献一覧
1.特開2004-213350号公報
第3 本願発明
本願の請求項1-10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明10」という。)は、平成28年11月4日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-10は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
センサから検出情報を受信するステップと、
前記検出情報を仮想世界に適用される情報に変換するステップと、
を含み、
前記検出情報は、ベンディングによって検出された値の集合を示すアレイベンディング値要素を含み、前記検出情報は、前記検出された値の単位を示す単位属性を選択的にさらに含み、
前記アレイベンディング値要素は、軸数及び検出位置数によって定義され、
前記検出情報は、検出位置でデータのディメンションを示す軸数フィールド、及び前記検出位置数を示す位置数フィールドを含む、仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項2】
前記検出情報は、前記検出情報内で前記単位属性が用いられるか否かを示す単位フラグフィールド、ベンディングセンサによって測定されるセグメント数を示すセンサ数フィールド、をさらに含み、
前記アレイベンディング値要素は、前記センサ数フィールドが0以上の値に設定され、前記軸数フィールドが0以上の値に設定され、前記位置数フィールドが0以上の値に設定される場合、アレイベンディング値要素フィールドを含み、
単位成分は、前記単位フラグフィールドが1に設定される場合に単位フィールドを含む、請求項1に記載の仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項3】
検出情報をセンサの出力に生成するステップを含み、
前記検出情報は、ベンディングによって検出された値の集合を示すアレイベンディング値要素を含み、前記検出情報は、前記検出された値の単位を示す単位属性を選択的に含み、
前記アレイベンディング値要素は、軸数及び検出位置数によって定義され、
前記検出情報は、検出位置でデータのディメンションを示す軸数フィールド、及び前記検出位置数を示す位置数フィールドを含む、仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項4】
前記検出情報は、前記検出情報内で単位属性が用いられるか否かを示す単位フラグフィールド、ベンディングセンサによって測定されるセグメント数を示すセンサ数フィールド、をさらに含み、
前記アレイベンディング値要素は、前記センサ数フィールドが0以上の値に設定され、前記軸数フィールドが0以上の値に設定され、前記位置数フィールドが0以上の値に設定される場合、アレイベンディング値要素フィールドを含み、
単位成分は、前記単位フラグフィールドが1に設定される場合に単位フィールドを含む、請求項3に記載の仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項5】
センサから検出情報及びセンサ特性を受信するステップと、
前記センサ特性に基づいて前記検出情報を仮想世界に適用される情報に変換するステップと、
を含み、
前記センサ特性は、ベンディングセンサがベンディング角度を検出できる位置の数を示す位置数要素、隣接する検出位置の間の距離を示す位置距離要素、及びベンディングセンサがベンディング角度を検出できるディメンションを示す軸数要素を含む、仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項6】
前記センサ特性は、ベンディングセンサのアレイが検出できるセグメント数を示すセンサ数要素をさらに含む、請求項5に記載の仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項7】
前記検出情報は、ベンディングによって検出された値の集合を示すアレイベンディング値要素を含み、前記検出情報は、前記検出された値の単位を示す単位属性を選択的に含む、請求項5または請求項6に記載の仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項8】
センサから検出情報及びセンサ特性を受信するステップと、
前記センサ特性に基づいて前記検出情報を仮想世界に適用される情報に変換するステップと、
を含み、
前記センサ特性は、要素、前記要素に対応するフラグ、前記フラグの順序、前記フラグのビット数、前記要素の順序、及び前記要素のビット数を定義する2進符号化シンタックスに基づいて生成され、
前記要素は、ベンディングセンサがベンディング角度を検出できる位置の数を示す位置数要素、隣接する検出位置の間の距離を示す位置距離要素、及びベンディングセンサがベンディング角度を検出できるディメンションを示す軸数要素を含み、
前記センサ特性は、前記フラグに対応する少なくとも1つの要素を含む、仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項9】
前記検出情報は、前記検出情報内で単位属性が用いられるか否かを示す単位フラグフィールド、ベンディングセンサによって測定されるセグメント数を示すセンサ数フィールド、前記検出位置でデータのディメンションを示す軸数フィールド、及び検出位置数を示す位置数フィールドを含み、
前記検出情報は、前記センサ数フィールドが0以上の値に設定され、前記軸数フィールドが0以上の値に設定され、前記位置数フィールドが0以上の値に設定される場合、アレイベンディング値要素フィールドをさらに含み、
前記検出情報は、前記単位フラグフィールドが1に設定される場合に単位フィールドをさらに含む、請求項8に記載の仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータで読み出し可能な記録媒体。」
第3 引用文献・引用発明
1.引用文献について
原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、当審において付与した。)
「【0024】
この力覚提示システム1は、基地局9、仮想空間表示装置5及び各リアルグローブ20から供給された情報に基づいて情報処理装置8によって作成(生成)された仮想空間画像を仮想空間表示装置5に表示し、リアルグローブ20を装着した手や指を動作させることによってその手や指が仮想空間に表示された物体に仮想的に接触した場合等に、その様子を仮想空間表示装置5に表示するとともに、リアルグローブ20を装着した手や各指に接触したときの触覚や力覚を与えるための各処理を行う。」
「【0053】
図5及び図6は、それぞれ、力覚発生部22の構成例を示す外観図である。なお、図5は、フレームカバーが取り外された状態を示す。図5に示すように、力覚発生部22は、リアルグローブ20を装着したときのユーザの各指の背側に設けられている。なお、力覚発生部22の構成及び作用は、ほぼ同様であるので、以下、代表的に、そのうちの1つについて説明する。力覚発生部22は、回動可能に連結された複数(本実施形態では6つ)のフレーム221を備えたリンク機構と、各フレーム221を回動させる複数(本実施形態では7つ)のリンクモータ(駆動源)222と、手袋2aに設けられた複数(本実施形態では4つ)のフレームホルダ2bとを有している。
【0054】
前記フレームホルダ2bは、ユーザがリアルグローブ20を装着したとき、ユーザの指の第1関節より先端側に位置する装着部と、第1関節と第2関節(中節骨と基節骨との間の関節)との間に位置する装着部と、第2関節と第3関節との間に位置する装着部と、第3関節(基節骨と中手骨との間の関節)より基端側に位置する装着部とに、それぞれ、設けられている。リンク機構は、前記フレームホルダ2bによって、手袋2aの、リアルグローブ20を装着したときのユーザの指の背側に取り付けられている。
【0055】
すなわち、リンク機構の先端側(図5中右側)の端部のフレーム221は、ユーザがリアルグローブ20を装着したときに、ユーザの指の第1関節より先端側の部位にその端部が位置するように配置され、このフレーム221の先端部は、フレームホルダ2bに対し、回動可能に設置されている。また、リンク機構の基端側(図5中左側)の端部のフレーム221は、ユーザがリアルグローブ20を装着したときに、ユーザの指の第3関節より基端側の部位にその端部が位置するように配置され、このフレーム221の基端部は、フレームホルダ2bに対し、回動可能に設置されている。
【0056】
また、リンク機構の残りの各フレーム221は、ユーザがリアルグローブ20を装着したときに、ユーザの指の第1関節と第2関節との間の部位と、第2関節と第3関節との間の部位とに、フレーム連結部が1つおきに位置するように配置され、この1つおきのフレーム連結部において、フレームホルダ2bに対し、回動可能に設置されている。」
「【0058】
力覚発生部22の各フレーム221や各リンクモータ222は、それぞれ、図6に示すように、例えば布製のフレームカバー2cの中に収納されている。また、図6に示すように、フレームカバー2cの内側には、手や指の所定の部位の位置及び姿勢を検出する複数(本実施形態では4つ)の位置姿勢検出部(位置検出手段)23が設置されている。各位置姿勢検出部23は、それぞれ、位置及び姿勢を検出する部位(検出位置)の近傍、すなわち、指の関節の近傍に対応する部位に、前記検出位置に対して一定の位置関係を保持し得るように設けられている。
【0059】
すなわち、各位置姿勢検出部23は、それぞれ、本実施形態では、フレームホルダ2bが設けられている位置に固定されている各リンクモータ222に取付固定されている。従って、各位置姿勢検出部23が設けられている部位と、ユーザの手のひら側の所定の部位(検出位置)との位置関係は、一定に保たれる。よって、位置姿勢検出部23が自己の位置や姿勢を検出することによって、ユーザの手の平側の所定の部位の位置や姿勢を容易かつ正確に導出することができる。また、各位置姿勢検出部23は、それぞれ、手の甲側に配置されているので、リアルグローブ20の指腹側の厚みを極力抑えることができる。
【0060】
また、図3に示すように、位置姿勢検出部23は、ユーザがリアルグローブ20を装着したとき、リアルグローブ20の腕の基端側の部位に相当する位置にも設置されている。これら位置姿勢検出部23により、リアルグローブ20を装着した各指、手、手首、腕などの各部の位置及び姿勢を確実に把握することができる。」
「【0066】
図7は、位置姿勢検出部23の構成例を示すブロック図である。位置姿勢検出部23には、本実施形態では、直交コイル式(直交コイル型)の位置センサ(位置検出手段)が用いられる。すなわち、位置姿勢検出部23は、図7に示すように、中心軸が互いに直交するX方向検出コイル(第1のコイル)231と、Y方向検出コイル(第2のコイル)232と、Z方向検出コイル(第3のコイル)233とで構成される。なお、X方向(X軸方向)と、Y方向(Y軸方向)と、Z方向(Z軸方向)とは、互いに直交している。一方、情報処理装置8には、磁界を発生する後述する磁界発生部88が設けられている。この磁界発生部88には、例えば、前記位置姿勢検出部23とほぼ同じ構成のもの、すなわち、直交コイル式(直交コイル型)の磁界発生器(X方向コイル、Y方向コイル、Z方向コイル)が用いられる。
【0067】
この磁界発生部88で発生した磁界は、位置姿勢検出部23で検出される。この場合、磁界発生部88のX方向コイル、Y方向コイル及びZ方向コイルから、順次、磁界を発生し、それぞれを、位置姿勢検出部23のX方向検出コイル231、Y方向検出コイル232及びZ方向検出コイル233の3つのコイルで検出する。
【0068】
位置姿勢検出部23によってXYZ各方向について検出された各信号(検出データ)は、それぞれ、信号処理部25の増幅部251において増幅され、A/D変換部252においてデジタル信号に変換された後、図2に示す信号送受信部26に出力され、この信号送受信部26を介して情報処理装置8に送信される。情報処理装置8では、リアルグローブ20から送信された信号を受信し、その信号(情報)に基づいて、リアルグローブ20を装着した各指、手、手首、腕などの各部の位置及び姿勢、すなわち、前記各部の座標を導出し、その情報を所定の各処理において利用する。このように、位置姿勢検出部23を設けることにより、リアルグローブ20を装着した各指、手、手首、腕などの各部の位置及び姿勢を正確かつ確実に求めることができる。」
「【0084】
仮想空間表示装置5は、情報処理装置8からの画像データに基づいて、その画像を画像表示部51a、51bを用いて表示する。また、仮想空間表示装置5は、装着されているリアルグローブ20、すなわち、ユーザの手や腕が画像表示部51a、51bにより表示されている画像の領域内に入っている場合には、その手や腕に対応する画像も、画像表示部51a、51bに表示する。
【0085】
この場合、前述したように、リアルグローブ20に設けられている複数の位置姿勢検出部23の検出データが情報処理装置8に送信されることによって、リアルグローブ20の位置及び姿勢、すなわち、ユーザの各指、手、手首、腕等の位置及び姿勢は、情報処理装置8において認識される。すなわち、情報処理装置8は、逐一、リアルグローブ20からの前記検出データに基づいて、ユーザの各指、手、手首、腕等の位置及び姿勢を特定し、それらが画像表示部51a、51bにより表示されている画像の領域内に入っている場合には、それらを示す仮想空間画像を作成し、その画像を基礎の画像に合成して、合成画像(合成画像の画像データ)を得、その画像データを仮想空間表示装置5に送信する。
【0086】
従って、ユーザの手や腕が画像表示部51a、51bにより表示されている画像の領域内に入っている場合には、その手や腕に対応する画像が、画像表示部51a、51bに表示される。そして、仮想空間表示装置5では、リアルグローブ20を装着したユーザの手や指の実際の動作に連動して、画像表示部51a、51bに表示されている仮想空間画像においてそのユーザの手や指が動くように描写される。」
「【0124】以下、第4実施形態における力覚提示装置2について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。第4実施形態における力覚提示装置2では、位置姿勢検出部(位置検出手段)23として、例えば、コリオリ力を利用して互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の回りの角速度をそれぞれ検出するジャイロセンサ(ジャイロスコープ)を用いる。
・・・中略・・・
【0130】
図16に示すように、位置姿勢検出部23のX方向検出センサ61によって検出されたX軸の回りの角速度に対応した信号(検出データ)と、Y方向検出センサ62によって検出されたY軸の回りの角速度に対応した信号(検出データ)と、Z方向検出センサ63によって検出されたZ軸の回りの角速度に対応した信号(検出データ)とは、それぞれ、信号処理部25の増幅部251において増幅され、A/D変換部252においてデジタル信号に変換された後、図2に示す信号送受信部26に出力され、この信号送受信部26を介して情報処理装置8に送信される。
情報処理装置8では、リアルグローブ20からの信号を受信し、その信号(情報)に基づいて、リアルグローブ20を装着した各指、手、手首、腕などの各部の位置及び姿勢、すなわち、前記各部の座標を導出し、その情報を所定の各処理において利用するために記憶部85の所定の格納領域に保存する。」
したがって、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「基地局9、仮想空間表示装置5及び各リアルグローブ20から供給された情報に基づいて情報処理装置8によって作成(生成)された仮想空間画像を仮想空間表示装置5に表示し、リアルグローブ20を装着した手や指を動作させることによってその手や指が仮想空間に表示された物体に仮想的に接触した場合等に、その様子を仮想空間表示装置5に表示するとともに、リアルグローブ20を装着した手や各指に接触したときの触覚や力覚を与えるための各処理を行う力覚提示方法であって、
フレームカバー2cの内側には、手や指の所定の部位の位置及び姿勢を検出する複数の位置姿勢検出部(位置検出手段)23が設置されており、各位置姿勢検出部23は、それぞれ、位置及び姿勢を検出する部位(検出位置)の近傍、すなわち、指の関節の近傍に対応する部位に、前記検出位置に対して一定の位置関係を保持し得るように設けられ、
位置姿勢検出部(位置検出手段)23として、コリオリ力を利用して互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の回りの角速度をそれぞれ検出するジャイロセンサ(ジャイロスコープ)が用いられ、
位置姿勢検出部23によってXYZ各方向について検出された各信号(検出データ)は、それぞれ、信号処理部25の増幅部251において増幅され、A/D変換部252においてデジタル信号に変換された後、情報処理装置8に送信され、
情報処理装置8では、リアルグローブ20から送信された信号を受信し、その信号(情報)に基づいて、リアルグローブ20を装着した各指、手、手首、腕などの各部の位置及び姿勢、すなわち、前記各部の座標を導出し、その情報を所定の各処理において利用し、情報処理装置8は、逐一、リアルグローブ20からの前記検出データに基づいて、ユーザの各指、手、手首、腕等の位置及び姿勢を特定し、それらが画像表示部51a、51bにより表示されている画像の領域内に入っている場合には、それらを示す仮想空間画像を作成し、その画像を基礎の画像に合成して、合成画像(合成画像の画像データ)を得、その画像データを仮想空間表示装置5に送信し、ユーザの手や腕が画像表示部51a、51bにより表示されている画像の領域内に入っている場合には、その手や腕に対応する画像が、画像表示部51a、51bに表示され、仮想空間表示装置5では、リアルグローブ20を装着したユーザの手や指の実際の動作に連動して、画像表示部51a、51bに表示されている仮想空間画像においてそのユーザの手や指が動くように描写される、力覚提示方法。」
第4 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「位置姿勢検出部23」は、本願発明1の「センサ」に相当する。
(イ)引用発明の「位置姿勢検出部23によってXYZ各方向について検出された各信号(検出データ)は、それぞれ、信号処理部25の増幅部251において増幅され、A/D変換部252においてデジタル信号に変換された後、情報処理装置8に送信され、情報処理装置8では、リアルグローブ20から送信された信号を受信」する構成は、本願発明1の「センサから検出情報を受信するステップ」に相当するといえる。
(ウ)引用発明の「情報処理装置8は、逐一、リアルグローブ20からの前記検出データに基づいて、ユーザの各指、手、手首、腕等の位置及び姿勢を特定し、それらが画像表示部51a、51bにより表示されている画像の領域内に入っている場合には、それらを示す仮想空間画像を作成」する構成は、本願発明1の「前記検出情報を仮想世界に適用される情報に変換するステップ」に相当するといえる。
(エ)引用発明の「各位置姿勢検出部23は、それぞれ、位置及び姿勢を検出する部位(検出位置)の近傍、すなわち、指の関節の近傍に対応する部位に、前記検出位置に対して一定の位置関係を保持し得るように設けられ」ており、「位置姿勢検出部23によってXYZ各方向について検出された各信号(検出データ)」に基づいて、「ユーザの各指、手、手首、腕等の位置及び姿勢を特定」しているから、リアルグローブ20からの前記検出データは、指の曲げ動作によって検出された検出値の集合を含むものであり、このことは、本願発明1の「前記検出情報は、ベンディングによって検出された値の集合を示すアレイベンディング値要素を含み、」「前記アレイベンディング値要素は、軸数及び検出位置数によって定義され」ている構成に相当するといえる。
(オ)引用発明の「力覚提示方法」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法」に相当するといえる。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、以下の一致点及び相違点があるといえる。
(一致点)
「センサから検出情報を受信するステップと、
前記検出情報を仮想世界に適用される情報に変換するステップと、
を含み、
前記検出情報は、ベンディングによって検出された値の集合を示すアレイベンディング値要素を含み、
前記アレイベンディング値要素は、軸数及び検出位置数によって定義され、
仮想世界と現実世界との間の相互動作のための方法。」
(相違点1)
本願発明1では「前記検出情報は、前記検出された値の単位を示す単位属性を選択的にさらに含」むのものであるのに対し、引用発明では、検出データは、そのような特定はない点。
(相違点2〉
本願発明1では、「前記検出情報は、検出位置でデータのディメンションを示す軸数フィールド、及び前記検出位置数を示す位置数フィールドを含む」のものであるのに対し、引用発明は、検出データは、そのような特定はない点。
(2)判断
事案に鑑みて先ず相違点2について検討する。
引用文献には、位置姿勢検出部23は3軸であって、4つの位置姿勢検出部23を指の関節近傍に設けることが記載されているが、上記相違点2に係る本願発明1の「前記検出情報は、検出位置でデータのディメンションを示す軸数フィールド、及び前記検出位置数を示す位置数フィールドを含む」という構成は、記載されておらず、示唆されてもいない。また、上記相違点2に係る本願発明1の構成が、本願優先日前に周知技術であったとはいえない。
したがって、上記相違点1を検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
2.本願発明2-10について
本願発明2-10は、上記相違点2に係る本願発明1の構成と同様の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-006315