特許拒絶査定不服審判
2017-005900
可変的な軸方向特性を有する燃料棒、及びこれを使用した核燃料集合体
- 審判番号
- 2017-005900
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-256590
- 請求日
- 2017年04月25日
- 審決日
- 2018年02月07日
- 公報発行日
- 2018年08月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】グローバル・ニュークリア・フュエル・アメリカズ・エルエルシー
- 【請求人代理人】荒川 聡志
- 【請求人代理人】小倉 博
- 【請求人代理人】黒川 俊久
- 【請求人代理人】田中 拓人
- 審判長/審判官
- 審判長 森 竜介
- 審判官 森林 克郎
- 審判官 松川 直樹
- 分類
- P18 .121-Z (G21C) / P18 .575-Z (G21C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-256590「可変的な軸方向特性を有する燃料棒、及びこれを使用した核燃料集合体」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月30日出願公開、特開2014-119454〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2013年12月12日(パリ条約による優先権主張 2012年12月14日 米国)に出願された特願2013-256590号であって、平成27年10月16日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月15日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされ、同年6月8日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年9月8日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされ、同年12月28日付けで、同年9月8日付けの手続補正書でした明細書、特許請求の範囲又は図面についての補正に対しての補正の却下の決定がなされ、同日付で拒絶査定がなされ、これに対して、平成29年4月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成29年4月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年4月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成28年1月15日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載の、
「核燃料集合体で使用される燃料棒であって、
核燃料要素と、
内径を有するクラッドであって、前記内径は、前記核燃料要素が格納される不透過性の内部容積を画成する、クラッドと、
前記クラッドの内面に延在する内部ライナと、
を備え、
前記クラッドが前記内径に対して垂直な軸方向に第1および第2のゾーンにわたって延在し、前記第1のゾーンは第1の内径を有し、第2のゾーンは前記第2の内径を有し、
前記第1の内径は前記第2の内径よりも小さく、
前記内部ライナは、前記第1のゾーンのみに形成されている、
燃料棒。」が
「核燃料集合体で使用される燃料棒であって、
核燃料要素と、
内径を有するクラッドであって、前記内径は、前記核燃料要素が格納される不透過性の内部容積を画成する、クラッドと、
前記クラッドの内面に延在する内部ライナと、
を備え、
前記クラッドが前記内径に対して垂直な軸方向に第1および第2のゾーンにわたって延在し、前記第1のゾーンは第1の内径を有し、第2のゾーンは第2の内径を有し、
前記第1の内径は前記第2の内径よりも小さく、
前記内部ライナは、前記第1のゾーンのみに形成され、
前記内部容積が、核分裂生成物を累積できる燃料を備えていない領域を含み、前記燃料を備えていない領域の前記クラッドの厚さが前記クラッドの端部に近づくにしたがって薄くなる、
燃料棒。」と補正された。(下線は補正箇所を示す。)
そして、この補正は、補正前の「燃料棒」について、「内部容積が、核分裂生成物を累積できる燃料を備えていない領域を含」むこと及び「燃料を備えていない領域の前記クラッドの厚さが前記クラッドの端部に近づくにしたがって薄くなる」ものであることを限定して特定する補正を含むものであって、特許請求の範囲のいわゆる限定的減縮を目的とする補正を含むものであるといえる。
すなわち、本件補正における請求項1に係る発明の補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項を目的とする補正を含むものである。
2 独立特許要件違反についての検討
そこで、次に、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反しないか)について検討する。
(1)引用文献の記載事項
ア 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開昭61-57882号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。(なお、下記「イ 引用例1に記載された発明の認定」において直接引用した記載に下線を付した。)
a「〔発明の技術分野〕
本発明は、沸騰水型原子炉に装荷される核燃料集合体に関する。」(第1頁右下欄第3~5行)
b「〔発明の目的〕
本発明の目的は、高燃焼度時における大幅日間負荷追従運転等の定格出力運転中の制御棒操作に対して被覆管の健全性を十分保つことのできる核燃料集合体を得ることにある。
〔発明の概要〕
本発明は、多数本の燃料棒と複数本のウォータロッドとを正方格子状に配列させ、前記燃料棒は円筒状の被覆管と、この被覆管内に装填される燃料ペレットと、前記被覆管の上下両端に固着される上部端栓及び下部端栓とから成る核燃料集合体において、前記被覆管の長手軸方向上部の肉厚を長手軸方向下部の肉厚より厚くしかつ、長手軸方向上部の燃料ペレットの外径を長手軸方向下部の外径より小さくしたことを特徴とする核燃料集合体にある。」(第2頁右下欄第8行~第3頁左上欄第3行)
c「第2図において、円筒状の被覆管25は従来と同じ肉厚部(以下薄肉部とする)25aと従来より厚い肉厚部(以下厚肉部とする)25bとから成っている。前記薄肉部25aに従来径の燃料ペレット26aが配置されており、厚肉部25bには従来より小さい外径の燃料ペレット26bが配置されている。
ここで被覆管の厚肉部25bは、PCIが発生している5~8KW/ftの出力位置から出力を10~13.4KW/ftまで急激に上昇させた最も厳しい条件で評価した結果、従来より40%以内の肉厚の増加で十分である。
この厚肉部25bは、大幅日間負荷追求運転等の燃料棒上部における出力変化によって生ずる局部的応力を鑑みて、炉心運転時挿入されている制御棒の上端の位置すなわち燃料棒の中心位置から上部プレナム18の下端までの位置に設けられる。また、従来より小さい外径の燃料ペレット26bの外径とこの燃料ペレット26bと被覆管25とのギャップ幅は、従来の燃料ペレット26aの外径とこの燃料ペレット26aと被覆管25とのギャップ幅の比と同様の比率として求められる。
以上の構成において、大幅日間負荷追従運転等の高出力時における第1燃料棒21は、制御棒24の操作によって生ずる局部的な出力変化の発生位置に従来より、強度を増加させた被覆管が存在するため、燃料棒の破損の発生を防止できる。さらには、下部においては、従来と同じ肉厚の被覆管であるため、軸方向全長にわたり、肉厚を増加させる燃料棒より、中性子経済を向上させることができる。」(第3頁右上欄第8行~左下欄下から第3行)
d「
」
イ 引用文献1に記載された発明の認定
上記「ア」のd(第2図)においては、燃料棒21(当審注;第2図中において「22」と記載されているのは明らかに「21」の誤りである)には、燃料ペレット26a,26bが配置されていない部分(上部プレナム18)を備え、この燃料ペレット26a,26bが配置されていない部分(上部プレナム18)においては、被覆管25の上端の厚さが下端の厚さより薄いことが見て取れる。
上記記載から、引用文献1には、
「核燃料集合体を形成する燃料棒において、
前記燃料棒は円筒状の被覆管と、この被覆管内に装填される燃料ペレットと備え、
円筒状の被覆管は従来と同じ肉厚の薄肉部と、従来より厚い肉厚の厚肉部とから成り、前記薄肉部に従来径の燃料ペレットが配置されており、厚肉部には従来より小さい外径の燃料ペレットが配置され、従来より小さい外径の燃料ペレットの外径とこの燃料ペレットと被覆管とのギャップ幅は、従来の燃料ペレットの外径とこの燃料ペレットと被覆管とのギャップ幅の比と同様の比率として求められ、
燃料棒には、燃料ペレットが配置されていない部分である上部プレナムを備え、この燃料ペレットが配置されていない部分である上部プレナム18においては、被覆管25の上端の厚さが下端の厚さより薄い、燃料棒。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
ウ 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である実願昭57-87100号(実開昭58-189995号)のマイクロフィルム(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
a「〔考案の技術分野〕
この考案は燃料ペレットとこれを被覆する被覆管との間に生じる機械的な相互作用を防止した核燃料要素に関する。」(第1頁第16~19行)
b「〔考案の目的〕
この考案はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的は燃料ペレットと被覆管との相互作用による応力の発生を防止でき、これによって被覆管の破損を防止し得る安定性に富んだ核燃料要素を提供することにある。
〔考案の概要〕
すなわち、この考案は被覆管内に複数の燃料ペレットを積層状に装填し、該被覆管の両端を端栓で密封してなる核燃料要素において、前記被覆管の内面と該燃料ペレットとの間に炭素繊維と低融点金属との複合材製のバリア層が介在されてなることを特徴とする核燃料要素である。」(第3頁第5~17行)
c「しかして、上記構成によれば、原子炉内に装荷した場合原子炉が出力上昇して燃料ペレット3の温度が上昇すると、燃料ペレット3に熱膨張が生ずるが、被覆管1の内面には熱膨張を十分吸収できる厚さにバリア層2が設けられている。
このバリア層2の骨格となる炭素繊維は第3図に示すように不活性雰囲気内では温度に対して引張強度はほとんど変わらず、しかもその強度は非常に大きく、容易に変形しないため燃料ペレット3の熱膨張を拘束することが可能であり、従来の被覆管のような変形は発生しない。
したがって、局部的な応力も発生しないので、たとえ腐食性核分裂ガスが作用しても応力腐食割れには至らず、燃料破損を防止することが可能である。」(第5頁第1~15行)
エ 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開昭58-205889号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。
a「〔発明の技術分野〕
本発明は沸騰水形原子炉設備の核燃料棒に関する。」(第1頁左下欄第15~17行)
b「〔発明の目的〕
本発明の目的とするところは、熱膨張したときに最も応力腐食割れが発生しやすい最内周の内張層に働く引張応力を減少させ応力腐食割れを防止することができる核燃料棒を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明による核燃料棒は、ジルコニウム合金製の被覆管の内面全面にジルコニウム合金よりも線膨張率の大きな材料の内張層を設けて熱膨張したときに応力腐食割れの発生しやすい最内周の内張層に加えられる引張応力を減少させるようにしたものである。
〔発明の実施例〕
第2図ないし第3図を参照して本発明の一実施例を説明する。第2図は核燃料棒の横断面図であって、図中102は被覆管である。この被覆管102はジルコニウム合金で円筒最長状に形成されている。被覆管102の内周面には前記ジルコニウム合金よりも線膨張率の大きい材料たとえばニッケルで形成された内張層104が設けられている。この内張層104は被覆管102の内周面に常温状態で密着している。内張層104の内側空間には従来と同様の核燃料物質としての二酸化ウランペレット106が収容されている。この二酸化ウランペレット106は従来と同様にプレナムスプリングで押圧され保持されている。そして、前記被覆管102の上下開口も従来と同様の上下端栓で密封されている。
このような構成のものは次のように作用する。すなわち、原子炉設備の運転時に高温となったペレット106は熱膨張して被覆管102および内張層104を押し拡げる。このため被覆管102と内張層104とには引張応力が発生する。しかし、被覆管102と内張層104との線膨張率の差により内張層には圧縮応力が発生しこの圧縮応力によって内張層104の引張応力が減少することになる。」(第2頁左上欄第17行~左下欄第15行)
オ 上記の引用文献2,3の記載事項から、
「核燃料棒において、被覆官と燃料ペレットとの熱膨張率の違いによって生じる応力を緩和するために被覆管の内面に内部ライナ(バリア層、内張層)を設けること」
は周知の技術である。
(2)本願補正発明と引用発明との対比
ア 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「核燃料集合体で使用される燃料棒」が、本願補正発明の「核燃料集合体で使用される燃料棒」に相当する。
(イ)引用発明の「燃料ペレット」が、本願補正発明の「核燃料要素」に相当する。
(ウ)引用発明の「(その)内に」「装燃料ペレット」が「填される」「円筒状の被覆管」が、本願補正発明の「内径を有するクラッドであって、前記内径は、前記核燃料要素が格納される不透過性の内部容積を画成する、クラッド」に相当する。(なお、引用発明の「被覆管」は、技術常識から、当然に、本願補正発明と同様の「不透過性」を備えるものとした。)
(エ)引用発明の「円筒状の被覆管は従来と同じ肉厚の薄肉部と、従来より厚い肉厚の厚肉部とから成り、前記薄肉部に従来径の燃料ペレットが配置されており、厚肉部には従来より小さい外径の燃料ペレットが配置され、従来より小さい外径の燃料ペレットの外径とこの燃料ペレットと被覆管とのギャップ幅は、従来の燃料ペレットの外径とこの燃料ペレットと被覆管とのギャップ幅の比と同様の比率として求められ」ることが、本願補正発明の「前記クラッドが前記内径に対して垂直な軸方向に第1および第2のゾーンにわたって延在し、前記第1のゾーンは第1の内径を有し、第2のゾーンは第2の内径を有し、前記第1の内径は前記第2の内径よりも小さく」したことに相当する。
(オ)引用発明の「燃料棒には、燃料ペレットが配置されていない部分である上部プレナムを備え、この燃料ペレットが配置されていない部分である上部プレナム18においては、被覆管25の上端の厚さが下端の厚さより薄い」ことと、本願補正発明の「前記内部容積が、核分裂生成物を累積できる燃料を備えていない領域を含み、前記燃料を備えていない領域の前記クラッドの厚さが前記クラッドの端部に近づくにしたがって薄くなる」こととは、「前記内部容積が、核分裂生成物を累積できる燃料を備えていない領域を含み、前記燃料を備えていない領域の前記クラッドの厚さが前記クラッドの端部の方が薄くなる」点で一致する。
イ 一致点
よって、本願補正発明と引用発明は、
「核燃料集合体で使用される燃料棒であって、
核燃料要素と、
内径を有するクラッドであって、前記内径は、前記核燃料要素が格納される不透過性の内部容積を画成する、クラッドと、
を備え、
前記クラッドが前記内径に対して垂直な軸方向に第1および第2のゾーンにわたって延在し、前記第1のゾーンは第1の内径を有し、第2のゾーンは第2の内径を有し、
前記第1の内径は前記第2の内径よりも小さく、
前記内部容積が、核分裂生成物を累積できる燃料を備えていない領域を含み、前記燃料を備えていない領域の前記クラッドの厚さが前記クラッドの端部の方が薄くなる、燃料棒。」
の発明である点で一致し、次の各点で相違する。
ウ 相違点
(ア)相違点1
本願補正発明では、「前記クラッドの内面には、第1のゾーンのみに形成され、延在する内部ライナ」を備えるのに対し、引用発明では、そのような特定がない点。
(イ)相違点2
クラッドの燃料を備えていない領域であって、クラッドの厚さが前記クラッドの端部の方が薄くなる領域における、クラッドの薄くなる態様について、本願補正発明では、「クラッドの端部に近づくにしたがって」薄くなるのに対し、引用発明では、そのような特定がない点。
(3)当審の判断
ア 上記各相違点について検討する。
(ア)相違点1について
「核燃料棒において、被覆官と燃料ペレットとの熱膨張率の違いによって生じる応力を緩和するために被覆管の内面に内部ライナ(バリア層、内張層)を設けること」は、引用文献2,3にも記載されているように周知の技術である。上記周知技術を引用発明の被覆管に採用することは当業者が容易になし得たことである。
そして、上記の周知技術の採用に際し、内部ライナを被覆管内面のどの範囲に設けるかは、当業者が必要に応じて適宜設定し得る設計的事項といえるところ、局部的応力に鑑みて肉厚部とした部分にのみ採用するとすることに困難性は認められない。
すなわち、引用発明に上記周知技術を採用し、その際に内部ライナの配置箇所を適宜設定して、上記相違点1に関する本願補正発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易に想到し得たことにすぎない。
(イ)相違点2
相違点2については、クラッドの上端で薄くなる具体的態様は、それによって格別の効果を生じるものとも認められないから、単なる設計的事項にすぎないものと認める。よって、上記相違点2に関する本願補正発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易に想到し得たことにすぎない。
イ 本願補正発明の奏する作用効果
そして、本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。
ウ まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
3 むすび
したがって、本願補正発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるということができないから、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
平成29年4月25日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成28年1月15日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記「第2 平成29年4月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「1 本件補正について」の記載参照。)
2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項及び引用発明については、上記「第2 平成29年4月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(1)引用文献の記載事項」に記載したとおりである。
3 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、上記「第2 平成29年4月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(2)本願補正発明と引用発明との対比」の「ア 対比」において記載したのと同様の対比の手法及び結果により、本願発明と引用発明は、
「核燃料集合体で使用される燃料棒であって、
核燃料要素と、
内径を有するクラッドであって、前記内径は、前記核燃料要素が格納される不透過性の内部容積を画成する、クラッドと、
を備え、
前記クラッドが前記内径に対して垂直な軸方向に第1および第2のゾーンにわたって延在し、前記第1のゾーンは第1の内径を有し、第2のゾーンは前記第2の内径を有し、
前記内部ライナは、前記第1のゾーンのみに形成されている、
燃料棒。」
で一致し、次の点で相違する。
(ア)相違点1’
本願補正発明では、「前記クラッドの内面には、第1のゾーンのみに形成され、延在する内部ライナ」を備えるのに対し、引用発明では、そのような特定がない点。
上記の相違点1’についての検討は、上記「第2」「2」「(3)」「ア」の「(ア)」に記載した相違点1についての検討によって既に検討済みの事項であり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得た事項にすぎない。
また、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。
よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
4 むすび
以上のとおりであり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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