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特許拒絶査定不服審判

2024-018347

コンパクトな容器、長寿命な炉心、及びPOOL型原子炉における燃料補給の容易化を支援する一般的なPLENUM燃料アセンブリ設計

審判番号
2024-018347
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-564622
請求日
2024年11月18日
審決日
2026年02月09日
公報発行日
2026年07月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ウェスティングハウス エレクトリック カンパニー エルエルシー
  • 【請求人代理人】弁理士法人 快友国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 波多江 進
  • 審判官 横井 亜矢子
  • 審判官 野村 伸雄
分類
P18 .113-Z (G21C) / P18 .121-Z (G21C) / P18 .575-Z (G21C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-564622「コンパクトな容器、長寿命な炉心、及びPOOL型原子炉における燃料補給の容易化を支援する一般的なPLENUM燃料アセンブリ設計」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年11月 5日国際公開、WO2020/223163、令和 4年 6月30日国内公表、特表2022-530665〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)4月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2019年4月30日、米国)を国際出願日とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和3年12月23日 :翻訳文の提出 令和4年 1月 4日 :手続補正書の提出 令和6年 3月26日付け:拒絶理由通知書 同年 6月19日 :意見書、手続補正書の提出 同年 7月 3日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月16日 :原査定の謄本の送達) 同年11月 1日作成:応対記録(補正案の提出。) 同月18日 :審判請求書、誤訳訂正書の提出 同年12月11日付け:前置報告書 以下、2019年(平成31年)4月30日を「優先日」という。 第2 令和6年11月18日提出の誤訳訂正書による手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年11月18日提出の誤訳訂正書による手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和6年11月18日提出の誤訳訂正書による手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正を含むものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和6年6月19日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。本件補正後の記載において下線は補正箇所を示す。また、補正箇所に対応する本件補正前の記載についても下線を付した。 (1) 本件補正前 「【請求項1】 容器を有し、さらに前記容器内に配置された冷却材を有する原子炉で使用するための燃料アセンブリであって、 第1の部分と、 第2の部分と、を備え、 前記第1の部分は、 細長いダクトと、 複数の流路が形成されたプレナムヘッダ接続部を備えた上端取付部と、 前記細長いダクト内に配置され、内部領域を含む被覆材を備えており、前記内部領域には核燃料材料が配置され、前記内部領域は前記複数の流路と流体連通している複数の燃料要素と、を備え、 前記第2の部分は、 前記複数の流路及び前記上端取付部の前記プレナムヘッダ接続部と流体連通している共通の核分裂ガスプレナムであって、前記共通の核分裂ガスプレナムは、前記容器の冷却材のフロー領域の上方に位置され、前記原子炉の運転中に前記核燃料材料によって生成される核分裂ガスを受け取るように構成される前記共通の核分裂ガスプレナムを備える、燃料アセンブリ。」 (2) 本件補正後 「【請求項1】 容器を有し、さらに前記容器内に配置された冷却材を有する原子炉で使用するための燃料アセンブリであって、 第1の部分と、 第2の部分と、を備え、 前記第1の部分は、 細長いダクトと、 複数の流路が形成されたプレナムヘッダ接続部を備えた上端取付部と、 前記細長いダクト内に配置され、内部領域を含む被覆材を備えており、前記内部領域には核燃料材料が配置され、前記内部領域は前記複数の流路と流体連通している複数の燃料要素と、を備え、 前記第2の部分は、 前記複数の流路及び前記上端取付部の前記プレナムヘッダ接続部と流体連通している共通の核分裂ガスプレナムであって、前記共通の核分裂ガスプレナムが前記冷却材の表面を貫通し、前記共通の核分裂ガスプレナムの一部が、前記容器内に位置される前記冷却材の全体の上方に配置され、前記原子炉の運転中に前記核燃料材料によって生成される核分裂ガスを受け取るように構成される前記共通の核分裂ガスプレナムを備える、燃料アセンブリ。」 2 本件補正の目的 本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「共通の核分裂ガスプレナム」について、次の限定をするものである。 「共通の核分裂ガスプレナム」について、「前記容器の冷却材のフロー領域の上方に位置され[る]」ものを、「前記冷却材の表面を貫通し、前記共通の核分裂ガスプレナムの一部が、前記容器内に位置される前記冷却材の全体の上方に配置され[る]」ものに限定すること。 そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって、本件補正のうち請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1) 本件補正発明 ア 本件補正発明の認定と分説 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成X並びに構成A及び構成Bに分説する。また、参考図として、本願の【図1】、【図5】、【図7】に部材名を記入したものを掲載する。 <本件補正発明の分説> X 容器を有し、さらに前記容器内に配置された冷却材を有する原子炉で使用するための燃料アセンブリであって、 A 第1の部分と、 B 第2の部分と、を備え、 A1 前記第1の部分は、細長いダクトと、 A2 複数の流路が形成されたプレナムヘッダ接続部を備えた上端取付部と、 A3 前記細長いダクト内に配置され、内部領域を含む被覆材を備えており、前記内部領域には核燃料材料が配置され、前記内部領域は前記複数の流路と流体連通している複数の燃料要素と、を備え、 B1 前記第2の部分は、前記複数の流路及び前記上端取付部の前記プレナムヘッダ接続部と流体連通している共通の核分裂ガスプレナムであって、前記共通の核分裂ガスプレナムが前記冷却材の表面を貫通し、前記共通の核分裂ガスプレナムの一部が、前記容器内に位置される前記冷却材の全体の上方に配置され、前記原子炉の運転中に前記核燃料材料によって生成される核分裂ガスを受け取るように構成される前記共通の核分裂ガスプレナムを備える、 X 燃料アセンブリ。 <参考図【図1】> 「 [図:0001436797000001.jpg] 」 <参考図【図5】> 「 [図:0001436797000002.jpg] 」 <参考図【図7】> 「 [図:0001436797000003.jpg] 」 イ 課題及び作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願の明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。 「【背景技術】 【0002】 液体金属冷却(または将来的には塩冷却)原子炉に燃料を補給する課題は、軽水原子炉の場合よりも著しく高い。これは、燃料補給の間隔を長くすることでメリットが得られる可能性があることを示唆する。特定の高速炉は、独特の燃料サイクルを利用することができ、非常に高いエネルギーコア、有意な増殖を提供し、U:Pu、Pu+U:Pu、U:Th、およびU+MinorActinides:Puの供給原料を可能にし、ここで、X:Yは種元素:ブランケットブリード材料を表す。しかしながら、高増殖比/高エネルギーコアを利用することに対する主な制限の1つは、プレナム長さの線形単位当たりの核分裂ガスプレナムの体積が比較的小さいことである。現在の技術は、最悪の場合の核分裂ガスを最も制限的なピンに収容するために、有効燃料長より潜在的に長い、非常に長い燃料棒プレナム又は被覆管を実施することにより、この要求に応答している。統合された核分裂ガスの放出、及びそれに伴う高い燃料棒内圧は、被覆管が原子あたりの変位(dpa)として測定される中性子損傷によって引き起こされる脆化及び膨潤を経験した時、高い燃料曝露で発生する。高い内圧による被覆管の膨潤/脆化と高い被覆管応力との組み合わせは、多くの場合、最大許容燃料暴露(すなわち、炉心滞留時間)を確立し、それによって、平準化された燃料サイクルコストを決定付け、高速炉の利点を利用する肯定的なビジネスケースを得る能力を困難にする。 【発明の概要】 【0003】 本開示の少なくとも1つの態様は、燃料暴露を最大化し、それによって複数の手段による燃料補給を単純化することを目標とし、したがって単純化を向上させプラントからコストを削減する。これらの改善およびそれらの実施については、以下でより詳細に説明する。 【0004】 共通の核分裂ガスプレナム又はタンクは、燃料バンドルの上方に配置された収集ヘッダ又は上端取付具に接続され、それらの上方に配置されている。上端取付部の上方にある共通の核分裂ガスプレナムの位置は、炉心及び炉のフロー領域の上方にあり、これにより、原子炉のフロー領域内又は他の共有されたプレナム設計において可能であるよりも、プレナムの長さあたりの実質的に大きなプレナム体積が可能になる。これは、共通の核分裂ガスプレナムが、以前に使用されていなかった原子炉容器空間内に配置されているため、ペナルティなしに、より大きなサイズの共通の核分裂ガスプレナムを可能にし、また(従来の、燃料棒プレナムと比較して)、バンドルフロー領域のほとんどがが、プレナム体積に対して利用可能である。さらに、共通の核分裂ガスプレナムのための構造材料の量は、個々の燃料棒プレナムの現在の技術に必要とされるものよりもはるかに少ない。 【0005】 上端取付具又は収集ヘッダは、燃料バンドルから放出された核分裂ガスを収集し、上端取付具の上方に配置された減少された直径のマストに核分裂ガスを導くチャネル又は通路を備える。核分裂ガスは、減少された直径のマスト内の通路を通って、減少された直径のマストの上方に配置された共通の核分裂ガスプレナム内に移動する。上端取付部と、燃料バンドルから出た後に核分裂ガスが移動する共通の核分裂ガスプレナムとの間の通路は、核分裂ガス収集体積を規定すると考えることができる。共通のプレナムは、燃料アセンブリ体の限定条件が、製造及び設計の不確実性の最も制限的なセットで最大出力で作動するピークピンによって規定される必要がない。むしろ、燃料棒内圧及び揮発性核分裂生成物を貯蔵する燃料棒の能力においてはるかに低い不確実性を有する燃料バンドルの平均値によって規定されるように、個々の燃料核分裂ガス放出を均等化する。(注:その後の核分裂生成物または核分裂ガスへの言及は、揮発性核分裂生成物のみを指す。 …(中略)… 【0007】 共通の核分裂ガスプレナムは、燃料棒内のプレナム空間の必要性を排除し、従って、潜在的に、最大6倍又はそれ以上の燃料棒の長さを最小化する。これにより、燃料スタックが長くなるとバンドル長が短くなり、燃料棒内に従来の核分裂ガスプレナムを採用した設計と比較して燃料負荷を大きくすることができ、結果的に燃料サイクルが長くなる。 …(中略)… 【0009】 さらに、上述のことに対して、燃料マスト及び共通の核分裂ガスプレナムは、冷却材の表面を貫通し、従って、燃料の直接的な取り扱いを可能にし、更に、燃料アセンブリの構造に加えられる下向きの垂直方向の保持力(図6の矢印DF参照)を通して容易な保持を提供し、最も顕著には、冷却材内に位置し、燃料アセンブリ上の浮力、摩擦力及び冷却材の抗力に抵抗する活性燃料部分を含む燃料アセンブリの大部分を保持する。少なくとも1つの実施例では、燃料マスト及び共通の核分裂ガスプレナムは、冷却材の表面に(例えば、表面を貫くことなく)近づくことができる。このような配置では、燃料マスト及び/又は共通の核分裂ガスプレナムが冷却材の表面に侵入することなく、燃料のより容易な取扱いが実現され得る。 【0010】 本開示の少なくとも1つの態様は、所与の原子炉容器サイズおよび熱出力定格に対する燃料出力密度の低下をもたらす。加えて、本開示の少なくとも1つの態様は、燃料補給期間の負荷を低下させる(例えば、燃料サイクルを長くし、燃料サイクル期間からの全体的な設備利用率の影響を減少するために)。燃料補給の期間の負荷を減らすと、ドライリフト給油が容易になる場合がある。ドライリフト給油は、通常、一次冷却材プールから使用済燃料貯蔵区域又はキャスクへの輸送中に燃料棒の健全性を確保する必要性によって制約される。燃料出力密度の減少及びはるかに大きな利用可能な核分裂ガス貯蔵体積は、燃料棒圧力の構造的制限が生じる前に、燃料統合核分裂の増加に伴って核分裂ガス圧力の速度を減少させることにより、燃料燃焼度及び増殖率の著しい増加を可能にする。燃料出力密度が減少し、利用可能な核分裂ガス貯蔵容積がはるかに大きくなると、燃料サイクルが長くなる可能性がある。 【0011】 本開示の少なくとも1つの態様は、超長燃料サイクルの実施を容易にするために、燃料棒の被覆管上の応力を下げることを意図しており、その結果、プラント内の使用済み燃料取扱いのためのインフラストラクチャの必要性が低減され、従って、燃料補給作業中に使用済み燃料の転用の可能性に対する懸念が低減される。これらの利点は、成熟した燃料サイクルインフラストラクチャ/セーフガードがない国の原子炉に特に当てはまる。 【0012】 本開示の少なくとも1つの態様は、重要な高中性子束原子炉領域から遠く離れた(例えば、共通の核分裂ガスプレナムへの再配置)ガス状および不揮発性吸収性核分裂生成物の再配置を可能にする結果として、原子炉核分裂生成物の中性子寄生吸収を下げることを意図している。 【0013】 さらに、従来のより長い燃料棒設計で実施されるならば、原子炉容器の高さをより厳しく悪化させるであろう容器内の使用済燃料貯蔵のための選択肢は、「カットアンドピンチ」方法論が実装されるマストがより小さい直径のガス輸送経路を伴う点を含むであろう。これは、共通の核分裂ガスプレナムを燃料アセンブリから分離し、それにより、より小さい直径のマスト内で核分裂ガス輸送管の両端内に密封するためである。これにより、各細長い燃料アセンブリは、単一の長い構造よりも比較的容易に収納されるであろう一対の比較的短い細長い構造体に変換されることが可能になるであろう。また、このような構成では、細長い燃料アセンブリの2つの部分は、消耗した燃料用に設計されているが、おそらく共通の核分裂ガスプレナム用に過剰設計されている、1つのコンテナまたはキャスク内での強制貯蔵に対して、それらの要件に適した方法で貯蔵または処理することができる。共通のプレナムはまた、単に貯蔵することを超えてより良好な処理手段を有することができる。この技術は、石油・ガス産業(噴出防止装置など)などで利用されている。」 「【0035】 …(中略)…上端取付具100内の流路130、135、上端取付具100内のプレナムヘッダ接続部140、マスト300内の通路320、及び共通のプレナム400は、伝統的な燃料アセンブリにおける結合プレナム面積に対して200~300%の体積増加を達成することを通してプレナム圧力の大幅な低減を達成するようなサイズのガス収集体積を形成する。プレナム圧力が低下すると、燃料棒被覆が高い曝されるという課題が緩和され、また、燃料の加熱過渡及び燃料の動き(例えば、ドライリフト等)中の加圧も緩和される。共通のプレナム400への通路、流路、および接続部はまた、損傷を受けた場合に輸送パイプ(例えば、通路320)への逆流を防止するために、1つまたは複数の一方向弁を有してもよい。一方向弁は、例えば、核分裂ガス収集体積に沿った任意の点に、および/または燃料棒210の一部として配置されてもよい。 【0036】 従来の燃料サイクルでは、出力密度、より高いロッド圧力、および短い停止の必要性が、ドライリフト燃料補給(例えば、使用済み燃料アセンブリが、それらの典型的な冷却材が存在しない状態で持ち上げられ、空気または何らかの他のガスによってのみ冷却される燃料補給)をより困難にする。例えば、従来の燃料サイクルは、冷却を強化するために、使用済み燃料のための長い容器内貯蔵時間、及び/又はある量の冷却材と一緒に燃料を持ち上げることを必要とし、全体的に原子炉設計および燃料取扱いを複雑にする。具体的には、燃料は、原子炉容器内の周辺位置に移動され、次いで、冷却材を充填したリフティングコンテナ内に移動されなければならない。ここから、それは持ち上げられ、一時的な保持場所または高減衰熱消費燃料キャスクに移送されてもよい。この周辺位置への移動は、原子炉の冷却材プール内で互いに持ち上げることができる短いアセンブリ(したがって、鉛または他の高速原子炉における押さえつけ特有の課題のための高価なバラストまたはラッチングを必要とする)、または排出されるべき燃料アセンブリを移動させるための空間を作り、部分的に燃焼されたアセンブリを定位置に戻すために容器内でシャッフルされなければならない全高アセンブリのいずれかを必要とする。このシャッフリングは、多数の容器内貯蔵場所を必要とし、容器の大きさと炉内構造物の複雑さの大幅な増加を駆動する。このシャッフリングで必要とされる多くの移動はまた、燃料取扱事故の時間および機会を増加させる。 【0037】 本開示の少なくとも1つの態様は、炉心内部の燃料位置からの直接的で乾燥したリフトが遮蔽された燃料補給マスト(次いで、乾燥したキャスクに入ることができるように、出力密度、ロッド内圧、及び停止時間圧力を下げることを約束している(例えば、プラントの寿命中に1回又は2回の燃料補給が行われる場合、複数月間の冷却は許容され得る)。これにより、燃料補給装置が簡素化されるだけでなく、容器が縮小し、プラント内の他の燃料補給インフラストラクチャが除去することができる。 【0038】 …(中略)…燃料アセンブリ500は、共通又は共有された核分裂ガスプレナム400を使用し、ガスプレナムを燃料棒210から燃料アセンブリ500の第2の部分内のマスト300の上方に位置する共通のプレナム400に再配置し、これは、さもなければ、活性燃料及び炉心出口流領域の上方の容器の未使用体積である。冷却材表面よりはるかに下の燃料の水没は、自然対流と両立する方法での一次熱交換器の位置決めに必要である。共通のプレナム400の追加は、活性炉心領域をはるかに高くすることを可能にしながら、燃料全体の長さにほとんど~全く影響を及ぼさない。これにより、従来の燃料設計と比較して、200%以上の有効燃料質量の増加が可能になる。さらに、活性炉心領域から離れた共通のプレナム400は、キセノン、サマリウム、ガドリニウムなどの不揮発性中性子吸収核分裂生成物が炉心反応度に及ぼす負の影響を低減する。 【0039】 他のいくつかの高速炉設計と同様に、この概念における燃料アセンブリ構造は、冷却材の表面を貫通する可能性があり、したがって、取り扱いを大幅に容易にする。少なくとも1つの実施形態では、共通の核分裂ガスプレナム400の位置は、冷却材表面から出るのに必要な高さを利用し、従って、この余分な長さ及びアセンブリを利用して、燃料補給中の識別及び捕捉、並びに保持機能を容易にすることが好都合である。 …(中略)… 【0041】 鉛または鉛-ビスマスのような重い液体金属冷却材の場合、液体金属の上方に上昇する燃料アセンブリ500のような長い燃料アセンブリは、複雑な内部構造、ラッチ、または高価なバラストなしに、燃料のより容易な保持を可能にする(注、これらの冷却材では、冷却材が燃料よりも密度が高い場合、燃料は積極的に浮揚し、浮揚する傾向がある)。主に図6を参照すると、矢印DFは、燃料アセンブリ500のような、燃料アセンブリに加えられる下向きの垂直保持力を示す。炉心および炉心出口流の上方の位置のために、核分裂ガスは、主に比較的低い温度領域(すなわち、棒内温度に対して)にあり、したがって、所与の放出された核分裂ガスモル内容および燃料曝露で共通の核分裂ガスプレナムの圧力を低下させる。 【0042】 一般的な核分裂ガスプレナム400は、容器の大きな、未使用の部分内に位置するため、燃料棒又は他の概念において一般的に実用的であろう体積よりも大きな体積を有する。更に、それは、従来の燃料棒内核分裂ガスプレナと比較して、最も高いフルエンス領域、即ち、コアから離れた位置にあり、かくして、核分裂ガス圧とプレナム壁への照射損傷を低下させ;これは、破壊に対する機械的余裕を増大させる。 【0043】 共通の核分裂ガスプレナム400を流動する冷却材流から離して配置することにより、流れによって引き起こされる腐食/エロージョンに関連する材料選択の課題を軽減することができる。 …(中略)… 【0047】 所与の容器サイズ内の低い出力密度、低いロッド圧力、燃料補給の頻度の低さ、および冷却材表面の上または近くに位置することによる燃料処理の容易さは、各位置でのドライリフト燃料補給を可能にし、これらのシステムおよびプラントレイアウト/サイズのコストを大幅に緩和する。冷却材内シャッフリングを伴わない直接抽出は、多くの他の燃料補給スキームと比較して注目すべき単純化である。 …(中略)… 【0050】 本開示の少なくとも1つの態様は、プール型原子炉に配置することができる燃料負荷全体の実質的な増加を可能にし、核分裂ガス圧力を減少させ、液体金属または塩冷却材を使用するプール型プラントにおける燃料補給課題を容易にする。それは、燃料補給間隔を20年以上に延長する可能性を提供しつつ行われる。これにより、顧客は、頻繁に使用することを意図した、原子力アイランドの不可欠な部分である燃料補給装置を購入することを回避することができる。これは、プラント全体のレイアウトを単純化し、全資本化期間(およびより長い期間)にわたって保証された燃料コストを提供し、生成される使用済み燃料の体積を減少させ、拡散抵抗性を増加させ、さもなければ成熟した燃料サイクルインフラストラクチャ/セーフガードの欠如によって挑戦されるであろう市場へのアクセスを容易にする。コストの節約がもたらされる。他の利点は明らかであろう。」 (2) 各引用文献に記載された事項項及び引用発明等の認定 ア 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定 (ア) 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の優先日前に発行された文献である英国特許出願公開第2163888号明細書(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記(イ)の引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。また、引用文献1から摘記した記載の後に続く括弧内に記載した翻訳文は、当合議体が作成したものである。) a SPECIFICATION 1ページ2~22行 「Fission gas plenum chamber for nuclear fuel element sub-assembly This invention relates to the storage of fission gases in nuclear fuel element sub-assemblies of the type which comprise a plurality of elongate fuel enclosures (e.g. fuel pins) mounted in generally parallel spaced relation within an external shroud (known as a wrapper) which, inter alia, isolates flow of coolant to the sub-assembly. The invention has particular application to liquid metal cooled fast breeder nuclear reactors in which fission gas liberation tends to be problematic in imposing limitations on the degree of burn-up that can be attained. It is well-known to provide a plenum space or spaces within each fuel enclosure for accommodating the liberated fission gases. However, the plenum volumes provided hitherto have proved inadequate in terms of enabling burn-up of the order of 15% and higher. (核燃料要素サブアセンブリ用核分裂ガスプレナム室 本発明は、ラッパーといわれる外部シュラウド内に複数の細長い、例えば燃料ピンである燃料収納体を、一般的には平行かつ間隔をもって配置したタイプの核燃料要素サブアセンブリにおける核分裂ガスの貯蔵に関するものであり、特に、外部シュラウドが、冷却材の流れをサブアセンブリに限定するものである。本発明は、核分裂ガスの放出が達成可能な燃焼度に制限を課すという問題を引き起こしやすい液体金属冷却高速増殖炉に、特に適用されるものである。 放出された核分裂ガスを収容するために、各燃料収納体内にプレナム空間を設けることが、よく知られている。しかしながら、これまで提供されてきたプレナム容積は、約15%以上の燃焼度を可能にするという点で不十分であることが確認されている。)」 b SPECIFICATION 1ページ39~49行 「The object of the present invention is to provide an improved sub-assembly with improved fission gas storage. According to the present invention there is provided a nuclear fuel element sub-assembly of the type initially referred to in which at least some of the fuel enclosures also contain breeder material and in which the interiors of at least some and preferably all of the fuel enclosures are connected to a common plenum vessel separate from the fuel enclosures and accommodated within the shroud. (本発明の目的は、改良された核分裂ガス貯蔵を有した、改良されたサブアセンブリを提供することである。 本発明によれば、当初言及したタイプの核燃料要素サブアセンブリにおいて、少なくともいくかの燃料収納体が増殖材も含み、さらに、少なくともいくつかの、好ましくは全ての燃料収納体の内部が、燃料収納体とは別であってシュラウド内に収容された共通のプレナム容器に接続されている。)」 c SPECIFICATION 1ページ50~51行 「Preferably the fuel enclosures are connected to the common plenum vessel via one or more manifolds. (好ましくは、燃料収納体は、一つ又は複数のマニホールドを介して共通のプレナム容器に接続されている。)」 d SPECIFICATION 1ページ52~62行 「In practice, the plenum vessel will be sized according to the degree of burn-up desired. As the vessel is accommodated within the shroud, it will lie in the path of coolant flow; preferably therefore the vessel is located adjacent the upper end of the shroud and an outlet port or ports may be provided in the wall or wall of the wrapper in the vicinity of the vessel to allow egress of at least part of the coolant flow whereby the coolant flow is at least partially channelled externally of the shroud and by-passes the plenum vessel. (実際には、プレナム容器は、所望の燃焼度に応じて寸法が設定される。容器はシュラウド内に収容されるため、冷却材流路上に位置することになる。したがって、好ましくは、容器はシュラウドの上端近傍に配置され、容器の近傍において壁部又はラッパーの壁に一つ又は複数の出口ポートを設けることができ、これにより冷却材流の少なくとも一部が流出し、冷却材流は少なくとも部分的にシュラウド外部に導かれ、プレナム容器を迂回する。)」 e SPECIFICATION 1ページ63~69行 「In the gap between the outer periphery of the vessel and the inner periphery of the shroud, fins may be arranged to effect mixing of the coolant that flows through the gap. The fins may extend generally helically about the plenum vessel and may be provided on the external surface or surfaces of the latter. (容器の外周とシュラウドの内周との間の隙間には、隙間を流れる冷却材を混合するために、フィンを配置することができる。フィンは、プレナム容器の周囲に全体として螺旋状に延在し、プレナム容器の一つまたは複数の外表面に設けることができる。)」 f SPECIFICATION 1ページ84~89行 「To promote further understanding of the invention, one example will now be described with reference to the accompanying drawing, the sole Figure of which is a diagrammatic longitudinalsectional view of part of a fuel element subassembly for a sodium cooled fast breeder reactor. (本発明のさらなる理解を深めるために、一例を添付図面を参照して説明する。唯一の図は、ナトリウム冷却高速増殖炉用の燃料要素サブアセンブリの一部の、概略的な縦方向断面図である。)」 g SPECIFICATION 1ページ90~98行 「The sub-assembly shown comprises a tubular shroud or wrapper 10 of known design which terminates at its lower end in a spike which fixes into the bottom core plate or diagrid of the reactor and through which sodium coolant enters for flow along the length of the shroud. At its upper end, the wrapper terminates in a generally cylindrical endpiece provided with lifting lugs. Between its ends the wrapper is of generally hexagonal cross-section. (図示されたサブアセンブリは、公知の設計の管状のシュラウド又はラッパー10を含み、その下端はスパイク状で終端し、このスパイクは原子炉の下部コアプレート又はダイアグリッドに固定され、これを介して、ナトリウム冷却材がシュラウドの長さ方向に沿った流れのために流入する。上端において、ラッパーは一般的に円筒形状である端部で終端し、この端部にはつり上げ用ラグが設けられている。両端の間において、ラッパーは一般的に六角形の断面を有する。)」 h SPECIFICATION 1ページ99~116行 「Within the wrapper, a hexagonal array of fuel pins 12 are mounted. The fuel pins 12 may be spaced from one another by means of spacing grids or by means of wires wound helically around the pins. In a conventional sub-assembly design, the fuel pins are filled with annular pellets of oxide fuel material and fertile material arranged so that there is a lower breeder section, an upper breeder section and a section of oxide fuel material between the two breeder sections with top and bottom plenum spaces for the collection of fission gases generated during fuel burn-up. Because of the need to provide the plenum spaces within the pins of a conventional sub-assembly, the lengths of the breeder sections within the pins are necessarily restricted. Additional breeder material can therefore introduced into the sub-assembly by way of so-called mixer-breeder pins located above the fuel pins. (ラッパー内には、六角形に配列された複数の燃料ピン12が取り付けられている。燃料ピン12は、スペーシンググリッド又はピンの周囲に螺旋状に巻かれたワイヤによって、互いに間隔をあけて配置できる。従来のサブアセンブリの設計では、燃料ピンは酸化物燃料材料および増殖材の環状ペレットで充填され、下部増殖材セクション、上部増殖材セクション及び両増殖材セクションの間に酸化物燃料材料のセクションが配置され、燃料燃焼時に生成される核分裂ガスを収集するための上下プレナム空間が設けられている。従来のサブアセンブリでは複数のピン内にプレナム空間を設ける必要があるため、ピン内の増殖材セクションの長さは必然的に制限される。したがって、追加の増殖材は、燃料ピンの上方に配置された、いわゆる混合型増殖炉用燃料ピンによってサブアセンブリに導入することができる。)」 i SPECIFICATION 1ページ117~2ページ3行 「In accordance with the preferred form of the invention, the plenum spaces within the fuel pins are virtually eliminated and storage of fission gases is provided for by a separate plenum vessel 14 which is housed within the wrapper 10 at the location normally occupied by the mixer-breeder pins which may be omitted provided some other form of mixing arrangement is included. As mentioned, the fuel pins 12 (of which only three are illustrated) are mounted in a hexagonal array and may be considered to be arranged as a series of rows extending parallel to a line joining opposite vertices of the hexagon. Each row of pins is connected to a respective manifold 16 which, in turn, is connected to the vessel 14 via a respective pipe 18. Thus, the vessel 14 acts as a common reservoir for all the fission gases generated within the pins. (本発明の好適な形態に基づくと、複数の燃料ピン内のプレナム空間は事実上排除され、核分裂ガスの貯蔵は、別のプレナム容器14によって提供される。この容器14は、通常混合型増殖炉用燃料ピンが占める位置にシュラウド10内に収容され、他の混合手段が含まれる場合には混合型増殖炉用燃料ピンを省略することができる。前述のとおり、燃料ピン12(3本のみが図示されている)は六角形の配列で取り付けられ、六角形の対向する頂点を結ぶ線に平行に延びる複数の列として配置されていると見なすことができる。ピンのそれぞれの列は、それぞれ対応するマニホールド16に接続され、マニホールドは、それぞれ、対応するパイプ18を介して容器14に接続される。したがって、容器14は、複数のピン内で生成されたすべての核分裂ガスの共通のリザーバーとして機能する。)」 j SPECIFICATION 2ページ4~25行 「The pins 12 may be generally similar in design to the conventional pins described above with the important difference that the plenum spaces are no longer required. Consequently, the pins 12 may be loaded with additional fissile or fertile material. For example, the ommision of the conventional mixerbreeder pins can be compensated for by loading the pins 12 with additional breeder pellets with the advantage that a greater quantity of breeder material is subjected to the higher neutron fluxes prevailing in the vicinity of the fuel pins. Thus, as shown, the fuel pins 12 each contain a lower breeder section 20, an intermediate section 22 of the fuel material, and an upper breeder section 24. The sections 22, 24 are composed of annular pellets so as to provide a central path for fission gas flow to the manifolds 16 and thence to the vessel 14. The lower breeder section 20 however may be composed of solid pellets since there is a reduced requirement to provide a flow path. Reference numeral 26 depicts wire mesh spacers located between the adjacent sections. (ピン12は、上述した従来のピンと概ね同様の設計であってよいが、重要な相違はプレナム空間が不要となることである。したがって、ピン12は、追加の核分裂性物質又は増殖材で充填できる。例えば、従来の混合型増殖炉用燃料ピンの省略は、燃料ピン12に追加の増殖材ペレットを装荷することによって補償することができ、その利点は、より多量の増殖材が、燃料ピン近傍に多く存在する高い中性子流束に曝されることである。したがって、図示のように、それぞれの燃料ピン12は、下部増殖材セクション20、中間燃料材料セクション22及び上部増殖材セクション24を含む。セクション22及び24は、マニホールド16を経て容器14に流れる核分裂ガスの中心流路を提供するように、環状ペレットで構成される。しかしながら、下部増殖材セクション20は、流路を提供する必要性が低いため、固体ペレットで構成することができる。参照符号26は、隣接するセクション間に配置されたワイヤメッシュスペーサを示す。)」 k SPECIFICATION 2ページ26~35行 「As in a conventional sub-assembly, sodium coolant flows upwardly through the wrapper and through the inter-pin spaces. The flow may continue past the vessel 14 which may be provided with fins (not shown) on its outer periphery to aid mixing of the coolant. At least part of the coolant flow may be caused to by-pass passage around the vessel 14. For example, the wrapper may be provided with one or more outlet ports 30 to allow egress of sodium from the wrapper in the vicinity of the vessel 14. (従来のサブアセンブリと同様に、ナトリウム冷却材はラッパー内を上方に流れ、ピン間の空間を流れる。流れは、冷却材の混合を助けるフィン(図示せず)が外周に設けられた容器14の周囲を通過し続けることができる。冷却材流の少なくとも一部は、容器14の周囲を迂回するように流路を形成することができる。例えば、ラッパーには、容器14の近傍でナトリウムがラッパーから流出することを可能にする一つ又は複数の出口ポート30を設けることができる。)」 (イ) 引用発明の認定 前記(ア)に摘記した引用文献1に記載された事項を総合すると、引用文献1には、燃料要素サブアセンブリの一例である次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。 <引用発明> 「ラッパーといわれる外部シュラウド内に複数の細長い、例えば燃料ピンである燃料収納体を配置したタイプの核燃料要素サブアセンブリであって、外部シュラウドが、冷却材の流れをサブアセンブリに限定するものであり、液体金属冷却高速増殖炉に、特に適用されるものであり、(前記(ア)a) 全ての燃料収納体の内部が、燃料収納体とは別であってシュラウド内に収容された共通のプレナム容器に接続されており、(前記(ア)b) 燃料収納体は、一つまたは又は複数のマニホールドを介して共通のプレナム容器に接続されており、(前記(ア)c) 容器はシュラウド内に収容されるため、冷却材流路上に位置することになり、したがって、好ましくは、容器はシュラウドの上端近傍に配置され、容器の近傍において壁部又はラッパーの壁に一つ又は複数の出口ポートを設けることができ、これにより冷却材流の少なくとも一部が流出し、冷却材流は少なくとも部分的にシュラウド外部に導かれ、プレナム容器を迂回し、(前記(ア)d) サブアセンブリは、ラッパー10を含み、(前記(ア)g) ラッパー内には、複数の燃料ピン12が取り付けられており、(前記(ア)h) 燃料ピン12は六角形の配列で取り付けられ、六角形の対向する頂点を結ぶ線に平行に延びる複数の列として配置されていると見なすことができ、ピンのそれぞれの列は、それぞれ対応するマニホールド16に接続され、マニホールドは、それぞれ、対応するパイプ18を介して容器14に接続され、したがって、容器14は、複数のピン内で生成されたすべての核分裂ガスの共通のリザーバーとして機能し、(前記(ア)i) それぞれの燃料ピン12は、下部増殖材セクション20、中間燃料材料セクション22及び上部増殖材セクション24を含み、セクション22及び24は、マニホールド16を経て容器14に流れる核分裂ガスの中心流路を提供するように、環状ペレットで構成される、(前記(ア)j) 核燃料要素サブアセンブリ。」 <参考図> 参考図として、引用文献1の唯一の図に部材名を記入したものを掲載する。 「 [図:0001436797000004.jpg] 」 イ 引用文献2に記載された事項及び技術常識1の認定 (ア) 引用文献2に記載された事項 当審において新たに引用する、本願の優先日前に発行された文献である特開2017-15602号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 「【技術分野】 【0001】 本発明の実施形態は、高速炉炉心およびこれを有する高速炉に関する。」 「【0027】 [第1の実施形態] 図1は、第1の実施形態に係る高速炉の構成を示す立断面図である。高速炉300は、高速炉炉心1、高速炉炉心1を支持する炉心支持板2、これらを収納しかつ原子炉冷却材を内部に保持する原子炉容器6、原子炉容器6の上部を覆う遮へいプラグ5を有する。ここで、原子炉冷却材は、液体金属でありたとえばナトリウム(Na)である。 …(中略)… 【0038】 図5は、内側炉心燃料集合体の燃料要素の構成を示す水平断面図である。燃料要素210は、被覆管201およびTRU燃料211を有する。TRU燃料211は、被覆管201内に収納されており、棒状またはペレット状である。棒状またはペレット状のTRU燃料211は、中空棒または中空ペレット(すなわち中空燃料wt%)である。」 (イ) 技術常識1の認定 前記(ア)に示した引用文献2の摘記事項に例示されているように、次の技術事項は、優先日前に当業者にとって技術常識(以下「技術常識1」という。)であったと認められる。 <技術常識1> 「液体金属冷却型の原子炉において用いる燃料要素を、被覆管とその内部に収容された核燃料ペレットで構成すること。」 (3) 本件補正発明と引用発明の対比 ア 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 (ア) 構成Xの観点(燃料アセンブリ) a 構成Xは、「容器を有し、さらに前記容器内に配置された冷却材を有する原子炉で使用するための燃料アセンブリ」の発明であることを特定するものであることである。 b 引用発明の「核燃料要素サブアセンブリ」は、本件補正発明の「燃料アセンブリ」に相当する。 c 引用発明の「核燃料要素サブアセンブリ」は、「液体金属冷却高速増殖炉に、特に適用されるものであり」、本件補正発明でいう「冷却材を有する原子炉で使用するため」のものである。 また、引用発明は、「容器の近傍において壁部又はラッパーの壁に一つ又は複数の出口ポートを設けることができ、これにより冷却材流の少なくとも一部が流出し、冷却材流は少なくとも部分的にシュラウド外部に導かれ、プレナム容器を迂回[する]」ものであるところ、シュラウド外部に導かれた冷却材を収容するために、引用発明の「液体金属冷却高速増殖炉」に容器が備えられることは明らかであるから、引用発明の「核燃料要素サブアセンブリ」は、本件補正発明でいう「容器を有し、さらに前記容器内に配置された」冷却材を有する原子炉で使用するためのものであるといえる d 以上より、本件補正発明と引用発明は、「容器を有し、さらに前記容器内に配置された冷却材を有する原子炉で使用するための燃料アセンブリ」の発明である点において一致する。 (イ) 構成A及びBの観点(第1の部分と第2の部分) a 構成A及びBは、「燃料アセンブリ」が「第1の部分と、第2の部分と、」を備えることである。 b 引用発明の「複数の燃料ピン」及び「マニホールド」を含む部分は、本件補正発明の「第1の部分」に相当する。また、引用発明の「共通のプレナム容器」を含む部分は、本件補正発明の「第2の部分」に相当する。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「燃料アセンブリ」が「第1の部分と、第2の部分と、」を備える点。 (ウ) 構成A1の観点(細長いダクト) a 構成A1は、「前記第1の部分」は、「細長いダクト」を備えることである。 b 引用発明の「ラッパーといわれる外部シュラウド」は、その内に「複数の細長い、例えば燃料ピンである燃料収納体を配置した」ものであるところ、引用発明の「ラッパーといわれる外部シュラウド」のうち、その内に「複数の細長い、例えば燃料ピンである燃料収納体を配置した」部分は、本件補正発明の「ダクト」に相当するとともに、その形状は、本件補正発明でいう「細長い」ものであるといえる。また、前記(イ)での検討を踏まえれば、当該部分は、本件補正発明でいう「前記第1の部分」が備えるものであるといえる。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記第1の部分」は、「細長いダクト」を備える点。 (エ) 構成A2の観点(上端取付部) a 構成A2は、「前記第1の部分」は、「複数の流路が形成されたプレナムヘッダ接続部を備えた上端取付部」を備えることである。 b 引用発明は、「複数の燃料ピン12」が含む「中間燃料材料セクション22及び上部増殖材セクション24」が、「マニホールド16を経て容器14に流れる核分裂ガスの中心流路を提供」し、「ピンのそれぞれの列は、それぞれ対応するマニホールド16に接続され、マニホールドは、それぞれ、対応するパイプ18を介して容器14に接続され、容器14は、複数のピン内で生成されたすべての核分裂ガスの共通のリザーバーとして機能する」ものである。 そうすると、引用発明の「マニホールド16」は、「複数のピン内で生成されたすべての核分裂ガス」を「パイプ18を介して容器14」へ流すために、複数のピンのそれぞれに対応する複数の流路を有するといえ、さらに、これら複数の流路と「パイプ18」との接続部分を有するといえる。 c これを踏まえると、引用発明の「マニホールド16」が有する当該複数の流路は、本件補正発明の「複数の流路」に相当し、引用発明の「マニホールド16」が有する複数の流路と「パイプ18」との接続部分は、本件補正発明の「プレナムヘッダ接続部」に相当するといえ、引用発明の「マニホールド16」は、本件補正発明の「上端取付部」に相当するといえる。 さらに、前記(イ)での検討を踏まえれば、引用発明の「マニホールド16」は、本件補正発明でいう「前記第1の部分」が備えるものであるといえる。 d したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記第1の部分」は、「複数の流路が形成されたプレナムヘッダ接続部を備えた上端取付部」を備える点。 (オ) 構成A3の観点(複数の燃料要素) a 構成A3は、「前記第1の部分」は、「前記細長いダクト内に配置され、内部領域を含む被覆材を備えており、前記内部領域には核燃料材料が配置され、前記内部領域は前記複数の流路と流体連通している複数の燃料要素」を備えることである。 b 引用発明の「複数の燃料ピン」は、本件補正発明の「複数の燃料要素」に相当する。そして、引用発明は「ラッパーといわれる外部シュラウド内に複数の細長い、例えば燃料ピンである燃料収納体を配置」するものであるから、前記(ウ)も踏まえると、引用発明の「複数の燃料ピン」は、本件補正発明でいう「前記細長いダクト内に配置され[る]」ものである。 また、前記(イ)での検討を踏まえれば、引用発明の「複数の燃料ピン」は、本件補正発明でいう「第1の部分」が備えるものであるといえる。 c 引用発明の「燃料ピン」は、「燃料収納体」であるから、内部に燃料を収納する構成を有することが理解できる。このことは、前記(2)イ(イ)で認定した技術常識1からも首肯できる。そして、当該内部に燃料を収納する構成は、本件補正発明の「被覆材」に相当すると共に、本件補正発明でいう「内部領域を含む」ものといえる。 d 引用発明は、「それぞれの燃料ピン12は、下部増殖材セクション20、中間燃料材料セクション22及び上部増殖材セクション24を含[む]」ものであるところ、「下部増殖材セクション20、中間燃料材料セクション22及び上部増殖材セクション24」は、本件補正発明の「核燃料材料」に相当すると共に、前記cも踏まえれば、引用発明の「複数の燃料ピン」は、本件補正発明でいう「前記内部領域には核燃料材料が配置され[る]」ものであるといえる。 e 引用発明は、「セクション22及び24は、マニホールド16を経て容器14に流れる核分裂ガスの中心流路を提供する」ものであるから、前記(エ)を踏まえると、当該「核分裂ガスの中心流路」及び前記cの内部に燃料を収納する構成は、本件補正発明でいう「前記複数の流路と流体連通している」ものであるといえる。 f したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記第1の部分は、」「前記細長いダクト内に配置され、内部領域を含む被覆材を備えており、前記内部領域には核燃料材料が配置され、前記内部領域は前記複数の流路と流体連通している複数の燃料要素」を備える点。 (カ) 構成B1の観点(共通の核分裂ガスプレナム) a 構成B1は、「前記第2の部分は、前記複数の流路及び前記上端取付部の前記プレナムヘッダ接続部と流体連通している共通の核分裂ガスプレナムであって、前記共通の核分裂ガスプレナムが前記冷却材の表面を貫通し、前記共通の核分裂ガスプレナムの一部が、前記容器内に位置される前記冷却材の全体の上方に配置され、前記原子炉の運転中に前記核燃料材料によって生成される核分裂ガスを受け取るように構成される前記共通の核分裂ガスプレナムを備える」ことである。 b 引用発明の「容器14」は、「複数のピン内で生成されたすべての核分裂ガスの共通のリザーバーとして機能[する]」ものであって、「共通のプレナム容器」を意味することが理解できることから、本件補正発明の「共通の核分裂ガスプレナム」に相当すると共に、前記(イ)での検討を踏まえれば、引用発明の「容器14」は、本件補正発明でいう「前記第2の部分」が備えるものであるといえる。 c 引用発明は、「マニホールドは、それぞれ、対応するパイプ18を介して容器14に接続され[る]」ものであるから、前記(エ)での検討も踏まえると、引用発明の「容器14」は、本件補正発明でいう「前記複数の流路及び前記上端取付部の前記プレナムヘッダ接続部と流体連通している」ものであるといえる。 d 引用発明は、「容器はシュラウド内に収容されるため、冷却材流路上に位置することになり、したがって、好ましくは、容器はシュラウドの上端近傍に配置され、容器の近傍において壁部又はラッパーの壁または壁部に一つまたは複数の出口ポートを設けることができ、これにより冷却材流の少なくとも一部が流出し、冷却材流は少なくとも部分的にシュラウド外部に導かれ、プレナム容器を迂回[する]」ものであるが、「容器14」と冷却材の表面及び冷却材全体との位置関係は不明である。 e 引用発明の「容器14」は、「複数のピン内で生成されたすべての核分裂ガスの共通のリザーバーとして機能[する]」ものであるから、本件補正発明でいう「前記原子炉の運転中に前記核燃料材料によって生成される核分裂ガスを受け取るように構成される」ものであるといえる。 f 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、構成B1の観点において次の(a)の点において一致し、後記(b)の点において相違する。 (a) 構成B1の観点での一致点 「前記第2の部分は、前記複数の流路及び前記上端取付部の前記プレナムヘッダ接続部と流体連通している共通の核分裂ガスプレナムであって、」「前記原子炉の運転中に前記核燃料材料によって生成される核分裂ガスを受け取るように構成される共通の核分裂ガスプレナムを備える」点。 (b) 構成B1の観点での相違点 「共通の核分裂ガスプレナム」が、 本件補正発明においては、「前記冷却材の表面を貫通し、前記共通の核分裂ガスプレナムの一部が、前記容器内に位置される前記冷却材の全体の上方に配置され[る]」のに対して、 引用発明においては、「容器はシュラウド内に収容されるため、冷却材流路上に位置することになり、したがって、好ましくは、容器はシュラウドの上端近傍に配置され、容器の近傍において壁部又はラッパーの壁または壁部に一つまたは複数の出口ポートを設けることができ、これにより冷却材流の少なくとも一部が流出し、冷却材流は少なくとも部分的にシュラウド外部に導かれ、プレナム容器を迂回[する]」ものであるが、「容器14」と冷却材の表面及び冷却材全体との位置関係は不明である点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、それぞれ次の(ア)及び(イ)に示すとおりである。 (ア) 一致点 「容器を有し、さらに前記容器内に配置された冷却材を有する原子炉で使用するための燃料アセンブリであって、 第1の部分と、 第2の部分と、を備え、 前記第1の部分は、細長いダクトと、 複数の流路が形成されたプレナムヘッダ接続部を備えた上端取付部と、 前記細長いダクト内に配置され、内部領域を含む被覆材を備えており、前記内部領域には核燃料材料が配置され、前記内部領域は前記複数の流路と流体連通している複数の燃料要素と、を備え、 前記第2の部分は、前記複数の流路及び前記上端取付部の前記プレナムヘッダ接続部と流体連通している共通の核分裂ガスプレナムであって、前記原子炉の運転中に前記核燃料材料によって生成される核分裂ガスを受け取るように構成される前記共通の核分裂ガスプレナムを備える、 燃料アセンブリ」である点。 (イ) 相違点 「共通の核分裂ガスプレナム」が、 本件補正発明においては、「前記冷却材の表面を貫通し、前記共通の核分裂ガスプレナムの一部が、前記容器内に位置される前記冷却材の全体の上方に配置され[る]」のに対して、 引用発明においては、「容器はシュラウド内に収容されるため、冷却材流路上に位置することになり、したがって、好ましくは、容器はシュラウドの上端近傍に配置され、容器の近傍において壁部又はラッパーの壁または壁部に一つまたは複数の出口ポートを設けることができ、これにより冷却材流の少なくとも一部が流出し、冷却材流は少なくとも部分的にシュラウド外部に導かれ、プレナム容器を迂回[する]」ものであるが、「容器14」と冷却材の表面及び冷却材全体との位置関係は不明である点。 (4) 判断 ア 相違点について 本件補正発明は、「容器を有し、さらに前記容器内に配置された冷却材を有する原子炉で使用するための燃料アセンブリ」を対象とする発明であるところ、「容器」、「冷却材」、「燃料アセンブリ」を組み合わせて「原子炉」が構成されるのであり、「原子炉」という全体装置に対して組み合わせられる「容器」、「冷却材」、「燃料アセンブリ」は、それぞれサブコンビネーションに当たるといえ、本件補正発明は、いわゆるサブコンビネーションの発明である「燃料アセンブリ」の発明を他のサブコンビネーションである「容器」及び「冷却材」に関する事項を用いて特定しようとするものであるといえる。 ここで、相違点に係る本件補正発明の「共通の核分裂ガスプレナム」が「前記冷却材の表面を貫通し、前記共通の核分裂ガスプレナムの一部が、前記容器内に位置される前記冷却材の全体の上方に配置され[る]」という事項(以下「本件補正発明他のサブコンビネーション特定事項」という。)は、「共通の核分裂ガスプレナム」と「冷却材の表面」及び「冷却材の全体」の相対的な位置関係を特定しようとするものであるが、「共通の核分裂ガスプレナム」や、これを備える「燃料アセンブリ」の具体的な構造や機能を特定するものとは解されない。したがって、相違点に係る本件補正発明他のサブコンビネーション特定事項は、本件補正発明を特定するための意味を有しないものと解するのが相当である。 以上より、前記相違点は、実質的な相違点ではない。 イ 小括 前記アにおいて検討したとおり、前記相違点は実質的な相違点ではないから、本件補正発明は引用発明である。また、本件補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえる。 ウ 請求人の主張について (ア) 主張の内容 請求人は審判請求書において、本件補正発明は、燃料アセンブリの核分裂ガスプレナムの一部が容器内に位置される冷却材全体の上方に配置されるように冷却材の表面を貫通しているのに対し、引用発明は、核分裂ガスプレナムの全体が、冷却材内に配置されている点において相違すること、本件補正発明はこれにより、より大きなサイズの共通の核分裂ガスプレナムを可能とし、燃料の直接的な取り扱いを可能にして容易な保持を提供するという点において、引用発明からは予測できない有利な効果を奏すること、について主張している。 (イ) 主張についての判断 前記アで判断したとおり、本件補正発明他のサブコンビネーション特定事項は、本件補正発明を特定するための意味を有しないものと解するのが相当である。また、請求人の主張する他のサブコンビネーション特定事項に基づく効果についても参酌することはできない。 エ 独立特許要件の判断のまとめ 以上検討のとおり、本件補正発明は、引用発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、同項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。また、本件補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反している。 4 本件補正の却下の決定の理由のむすび 前記3(4)エのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の本願発明に対する拒絶の理由3(新規性の欠如)及び理由4(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 理由3(新規性の欠如) 本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、同項の規定により特許を受けることができない。 理由4(進歩性の欠如) 本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.英国特許出願公開第2163888号明細書 3 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 各引用文献に記載された事項並びに引用発明及び技術常識1の認定は、前記第2の3(2)において示したとおりである。 4 対比・判断 (1) 本願発明について 本願発明は、前記第2の2において検討したとおり、本件補正発明における「共通の核分裂ガスプレナム」についての「前記冷却材の表面を貫通し、前記共通の核分裂ガスプレナムの一部が、前記容器内に位置される前記冷却材の全体の上方に配置され」との限定を、「前記容器の冷却材のフロー領域の上方に位置され」にしたものである。 (2) 判断 本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明は、前記第2の3(4)において説示したとおり、引用発明であり、また、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明であり、また、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 なお、本願発明の「共通の核分裂ガスプレナムは、前記容器の冷却材のフロー領域の上方に位置され」との事項(以下「本願発明他のサブコンビネーション事項」という。)は、共通の核分裂ガスプレナムの下方に前記容器の冷却剤のフロー領域が存在すれば足りると解するのが相当である。 そして、引用発明は、「容器はシュラウド内に収容されるため、冷却材流路上に位置することにな[る]」ものであるから、本願発明と引用発明は、本願発明他のコンビネーション事項において相違しない。したがって、本願発明他のコンビネーション事項が本願発明を特定するための意味を有するかどうかの検討を行うまでもなく、原査定のとおり本願発明は引用発明であり、また、本願発明は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条1項及び同条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-018347

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