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特許拒絶査定不服審判

2017-003372

紙幣を含むセキュリティ書類を付番およびニス引きするための印刷機

審判番号
2017-003372
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-510705
請求日
2017年03月07日
審決日
2018年02月22日
公報発行日
2018年08月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】カーベーアー-ノタシ ソシエテ アノニム
  • 【請求人代理人】特許業務法人北青山インターナショナル
審判長/審判官
  • 審判長 黒瀬 雅一
  • 審判官 藤本 義仁
  • 審判官 森次 顕
分類
P18 .121-WZ (B41F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-510705「紙幣を含むセキュリティ書類を付番およびニス引きするための印刷機」拒絶査定不服審判事件〔平成23年11月24日国際公開、WO2011/145028、平成25年 7月18日国内公表、特表2013-529147〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、本願は、平成23年5月12日(パリ条約による優先権主張2010年5月19日、欧州特許庁)の出願であって、平成27年9月1日付けで手続補正書が提出され、平成28年11月4日付けで拒絶の査定がなされ、これに対し、平成29年3月7日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされ、同年7月12日付けで当審より拒絶理由が通知され、同年11月15日付けで意見書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1乃至請求項21に係る発明は、上記平成27年9月1日付けの手続補正によって補正された特許請求の範囲の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至請求項21に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1は以下のとおりのものと認められる。(以下「本願発明」という。) 「紙幣を含むセキュリティ書類を付番およびニス引きするためのシート供給型またはウェブ供給型の印刷機であって: 複数のセキュリティインプリントを保持する個別のシートまたは連続ウェブの一連の部分の形態をした印刷物を付番する少なくとも1の付番ユニット(21、22)を具えている付番グループ(02)と; 印刷物の表面側および裏面側にニスを適用するために前記付番グループ(02)の下流に配置されたニス引きグループ(03;03*)であって、印刷物の表面側にニスを適用するように印刷物の経路の上側に配置された少なくとも第1のニス引きユニット(31)と、印刷物の裏面側にニスを適用するように印刷物の経路の下側に配置された少なくとも第2のニス引きユニット(32)とを具えているニス引きグループ(03;03*)と、を具えることを特徴とする印刷機。」 第3 引用刊行物 当審の拒絶理由通知で引用された、本願の優先日前である平成20年10月15日に頒布された刊行物である欧州特許出願公開第1980393号明細書(以下「刊行物」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。(なお、括弧内の訳文は、当審が作成した。また、下線は審決で付した。以下同じ。) (1)「【0001】 The present invention generally relates to a method and system for producing notes of securities, in particular banknotes, wherein individual printed sheets or successive printed portions of a continuous web are cut into individual notes on a sheet-fed or web-fed processing system, and wherein these individual notes are subsequently processed by a single-note processing system comprising a plurality of single-note processing stations.」 (本発明は、一般に、個別印刷シートまたは連続巻取紙の連続印刷部分が、枚葉紙または巻取紙加工システムで個別ノートに裁断され、引き続きこれらの個別ノートが、複数の単一ノート加工ステーションを備える単一ノート加工システムで加工される、有価証券ノート、より詳細には銀行券の製造方法およびシステムに関する。) (2)「【0012】 Step S1* in Figure 2A is similar to step S1 of Figure 1 , i.e. successive sheets 100 are produced, i.e. subjected successively to offset printing, intaglio printing, silk-screen printing, foil/patch application, etc. Step S2* in Figure 2A is similar to step S3 of Figure 1 , i.e. full sheets are numbered in an appropriate numbering press. In this case however, one shall understand that both good and defective sheets are numbered. The numbered sheets are then optionally varnished at step S3*, before being cut into individual notes at step S4*.」 ( 図2AのステップS1*は、図1のステップS1と同様であり、すなわち一連のシート100が、製造、すなわち連続的にオフセット印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷、箔/パッチ貼付などがそれに施される。図2AのステップS2*は、図1のステップS3と同様であり、すなわち全シートが適切な番号印字機で番号付けされる。しかし、この場合、優良および不良の両方のシートが番号付けされると理解されたい。次いで、番号付けされたシートは、ステップS4*で個別ノートに裁断される前に、ステップS3*で任意選択でワニス塗布される。) (3)「【0041】 Figure 4 is a schematic illustration of a production facility according to an implementation of the present invention. In Figure 4 , there is shown a sheet-fed production line (or sheet-fed processing system) 300 similar to that illustrated in Figure 3 comprising, in this example, seven successive sheet-fed printing or processing stations 301 to 307, e.g. an offset printing press 301, a silk-screen printing press 302, a foil application machine 303, an intaglio printing press 304, a numbering press 305, an optional varnishing machine 306 and a cutting machine 307. Stations 301 to 304 perform full-sheet printing of unprinted sheets 100* according to step S1 * of Figure 2A , thereby yielding a set of printed sheets 100 which are numbered at station 305 and then varnished at station 306 before being cut into individual notes 150 at station 307 (i.e. the sheets are processed according to steps S2*, S3* and S4* of Figure 2A ).」 (図4は、本発明の実装形態による製造設備の概略図である。図4には、図3に示されるものと類似の枚葉紙製造ライン(すなわち枚葉紙加工システム)300が図示される。枚葉紙製造ライン300は、本例においては、例えば、オフセット印刷機301、シルクスクリーン印刷機302、箔貼付機303、凹版印刷機304、番号印字機305、任意選択のワニス塗布機306および裁断機307である、7つの連続する枚葉紙印刷すなわち加工ステーション301~307を備える。ステーション301~304は、印刷されていないシート100*の全シート印刷を図2AのステップS1*に従って実施し、それによって一組の印刷シート100が得られ、それらは、ステーション307で個別ノート150に裁断される前に、ステーション305で番号付けされ、次いでステーション306でワニスを塗布される(すなわち、シートは図2AのステップS2*、S3*、S4*に従って加工される)。) (4)上記(1)及び(3)より、枚葉紙加工システム300は、銀行券加工システム300といえる。 上記(1)乃至(4)から、刊行物には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「オフセット印刷機301、シルクスクリーン印刷機302、箔貼付機303、凹版印刷機304、番号印字機305、任意選択のワニス塗布機306および裁断機307である、7つの連続する枚葉紙印刷すなわち加工ステーション301~307を備え、ステーション301~304は、印刷されていないシート100*の全シート印刷が、製造、すなわち連続的にオフセット印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷、箔/パッチ貼付などがそれに施され、それによって一組の印刷シート100が得られ、それらは、ステーション307で個別ノート150に裁断される前に、ステーション305で番号付けされ、次いでステーション306でワニスを塗布される銀行券加工システム300。」 第4 対比 そこで、本願発明と引用発明とを対比すると、 1 後者の「銀行券」、「番号付け」、「ワニスを塗布」、及び「印刷シート100」は、それぞれ、前者の「紙幣を含むセキュリティ書類」、「付番」、「ニス引き」、及び「印刷物」に相当する。 2 後者の銀行券加工システム300は、印刷されていないシート100*に対して、印刷が施され、番号付け、及びワニスが塗布されるものであるから、「シート供給型」といえる。 3 後者の「番号印字機305」と、前者の「付番グループ(02)」とは、「複数のセキュリティインプリントを保持する個別のシートの形態をした印刷物を付番する少なくとも1の付番ユニットを具えている付番機構」との概念で共通する。 4 後者の「任意選択のワニス塗布機306」と、前者の「ニス引きグループ(03:03*)」とは、「印刷物にニスを適用する少なくとも1のニス引きユニットを具えているニス引き機構」との概念で共通する。そして、後者の銀行券加工システム300においては、印刷シート100に、ステーション305で番号付けされ、次いでステーション306でワニスを塗布されるものであるから、後者の「任意選択のワニス塗布機306」は、「印刷物にニスを適用するために付番する機構の下流側に配置された印刷物にニスを適用する少なくとも1のニス引きユニットを具えているニス引き機構」といえる。 5 後者の「銀行券加工システム300」と、前者の「印刷機」とは、紙幣を含むセキュリティ書類に付番する機構およびニスを適用する機構を有している点で共通するもの(印刷装置)であるから、「紙幣を含むセキュリティ書類を付番およびニス引きするためのシート供給型の印刷装置」との概念で共通する。 したがって、両者は、 「紙幣を含むセキュリティ書類を付番およびニス引きするためのシート供給型の印刷装置であって: 複数のセキュリティインプリントを保持する個別のシートを付番する少なくとも1の付番ユニットを具えている付番機構と; 印刷物にニスを適用するために前記付番する機構の下流に配置され、印刷物にニスを適用する少なくとも1のニス引きユニットを具えているニス引き機構と、からなる印刷装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点] 本願発明が、「付番グループ(02)」と、「印刷物の表面側および裏面側にニスを適用するために前記付番グループ(02)」の下流に配置された「ニス引きグループ(03;03*)であって、印刷物の表面側にニスを適用するように印刷物の経路の上側に配置された少なくとも第1のニス引きユニット(31)と、印刷物の裏面側にニスを適用するように印刷物の経路の下側に配置された少なくとも第2のニス引きユニット(32)とを具えているニス引きグループ(03;03*)」と、を「具える」「印刷機」であるのに対し、引用発明は、番号印字機305と、ワニス塗布機306を備える銀行券加工システム300である点。 第5 判断 上記相違点について以下検討する。 印刷機の分野において、複数の印刷枚葉紙両面に対する印刷に付随する処理(コーティング、及びナンバリング)装置を印刷機に組み込み、一体的に具えるようにすることは周知の技術手段である(例えば、特開2002-19075号公報(特に、【0021】「印刷枚葉紙両面の品質をラッカーまたはその他のコーティング材料によって高めるために、該胴にコーティングユニット24を配属させることができる。…ここで枚葉紙にカレンダ加工、要するに艶出し、ナンバリング、パーフォレーション加工、細溝加工、溝加工、カッティング、加熱、加湿その他を施すことができる。…」参照。)。以下「周知の技術事項」という。) そして、引用発明と上記周知の技術事項とは、共に「印刷機」という技術分野に属し、また、一般に印刷機に関連する技術分野において、装置を保守容易に小型に構成することは、自明の課題であるから、引用発明、及び上記周知の技術事項においても、内在する自明の課題である。 そうすると、引用発明において、上記周知の技術事項を適用することは、当業者が容易に想到し得るものである。 そして、引用発明において、上記周知の技術事項を適用することによって、「ワニス塗布機306」は、印刷物の表面側および裏面側にニスを適用するために、印刷物の表面側にニスを適用するように印刷物の経路の上側に配置されるとともに、印刷物の裏面側にニスを適用するように印刷物の経路の下側に配置されて、「番号印字機305」と、「ワニス塗布機306」とは、必然的に、一つの装置に組み込まれて、「印刷機」となる。 したがって、引用発明において、上記周知の技術事項を適用することにより、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 そして、本願発明の発明特定事項によって奏される効果も、引用発明、及び上記周知の技術事項から、当業者が予測しうる範囲内のものである。 よって、本願発明は、引用発明、及び上記周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、及び上記周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-003372

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