特許拒絶査定不服審判
2024-008389
缶デコレータ用の印刷見当合わせシステム
- 審判番号
- 2024-008389
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-523875
- 請求日
- 2024年05月20日
- 審決日
- 2025年07月23日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】クラウン パッケイジング テクノロジー インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】須田 洋之
- 【請求人代理人】山崎 一夫
- 【請求人代理人】山本 泰史
- 【請求人代理人】鈴木 博子
- 審判長/審判官
- 審判長 川俣 洋史
- 審判官 道祖土 新吾
- 審判官 山本 一
- 分類
- P18 .121-WZ (B41F) / P18 .537-WZ (B41F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-523875「缶デコレータ用の印刷見当合わせシステム」拒絶査定不服審判事件〔令和2年5月7日国際公開、WO2020/092843、令和4年1月17日国内公表、特表2022-506480〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2019年(令和元年)10月31日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2018年10月31日、米国)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年 7月31日付け:拒絶理由通知書
同年12月27日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 1月12日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月18日 :原査定の謄本の送達)
同年 5月20日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年11月20日付け:拒絶理由通知書
令和7年 5月21日 :意見書、手続補正書の提出
なお、当審において通知した令和6年11月20日付け拒絶理由通知書を、以下「当審拒絶理由通知書」という。
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和7年5月21日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1の記載は、次のとおりである。
「 【請求項1】
缶デコレータ用の印刷見当合わせ組立体であって、前記印刷見当合わせ組立体は、
版シリンダシャフトの版シリンダを軸方向の向きに見当合わせする軸方向見当合わせ駆動装置と、
前記軸方向見当合わせ駆動装置によって運動可能な軸方向見当合わせスライダであって、前記軸方向見当合わせスライダが、前記軸方向見当合わせスライダの運動が前記版シリンダの軸方向見当合わせと関連するよう前記缶デコレータの版シリンダに機械的に結合され、前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフトの軸方向又は軸が、前記軸方向見当合わせスライダの運動に対してインラインに配置される前記軸方向見当合わせスライダと、
前記版シリンダを円周方向の向きに見当合わせする円周方向見当合わせ駆動装置と、
前記円周方向見当合わせ駆動装置によって運動可能な円周方向見当合わせスライダであって、前記円周方向見当合わせスライダの運動が前記版シリンダの円周方向の運動を生じさせ、前記版シリンダの円周方向見当合わせと関連するよう前記版シリンダに機械的に結合されている前記円周方向見当合わせスライダと、を備えており、
前記軸方向見当合わせスライダと前記円周方向見当合わせスライダは、インライン関係をなしかつ同軸である、印刷見当合わせ組立体。」
第3 当審拒絶理由通知書において指摘した拒絶理由の概要
当審拒絶理由通知書において指摘した拒絶理由の概要は、本願発明に対する次の理由を含むものである。
2.(新規性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった次の引用文献1記載の発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
3.(進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった次の引用文献1記載の発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1.特開2015-63022号公報
第4 当審の判断1 引用文献に記載された事項及び引用発明の認定等(1)引用文献1に記載された事項
本願の優先日前に発行され、当審拒絶理由で引用した特開2015-63022号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
ア 「【技術分野】
【0001】
この発明は、缶印刷装置、さらに詳しくは、印刷状態の検査を行う検缶機を備えた缶印刷装置に関する。
・・・
【0006】
この発明の目的は、前記の問題を解決し、印刷ズレ不良品の発生を防止することができる缶印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による缶印刷装置は、異なる色を印刷するための複数の版胴を有し缶への印刷を行う印刷機と、印刷状態の検査を行う検缶機とを備えている缶印刷装置であって、検缶機は、缶を回転させる缶回転装置と、缶の画像を撮影する缶撮影装置と、撮影した画像を処理する画像処理装置とを備え、画像処理装置は、缶に印刷された印刷ズレ検査用マークの設定位置に対するズレ値を測定する印刷ズレ値測定手段を有しており、印刷機は、検缶機で測定された印刷ズレ値に基づいて、版胴の見当合わせを自動で行う見当合わせ装置を有していることを特徴とするものである。
・・・
【0012】
見当合わせ装置は、版胴を軸方向に移動させる軸方向移動手段と、版胴を周方向に移動させる周方向移動手段とを備えており、軸方向移動手段は、回転不可能かつ軸方向に移動可能にハウジングに支持されて版胴軸と一体で軸方向に移動する軸方向移動部材を備え、軸方向移動部材を移動させる軸方向駆動手段は、軸方向に移動不可能に支持された第1回転軸と、回転不可能に支持されて第1回転軸に設けられたおねじ部にねじ合わされた第1めねじ部材と、第1回転軸を駆動する第1モータとを備えており、周方向移動手段は、一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に版胴軸に取り付けられるとともに、軸方向移動不可能に設けられたはす歯歯車と噛み合わされ、軸方向に移動することで版胴軸を周方向に移動させる周方向移動部材を備えており、周方向移動部材を移動させる周方向駆動手段は、軸方向に移動不可能に支持された第2回転軸と、回転不可能に支持されて第2回転軸に設けられたおねじ部にねじ合わされた第2めねじ部材と、第2回転軸を駆動する第2モータとを備えており、第1モータを制御する制御装置は、印刷ズレ値測定手段における缶の高さ方向の印刷ズレ値に応じて第1モータを駆動させることで版胴の軸方向位置を調整し、第2モータを制御する制御装置は、印刷ズレ値測定手段における缶の周方向の印刷ズレ値に応じて第2モータを駆動させることで版胴の周方向位置を調整するものとされていることが好ましい。
・・・
【図面の簡単な説明】
【0020】
・・・
【図8】図8は、印刷機の見当合わせ装置の縦断面図である。
・・・
【0029】
印刷機(2)は、図3および図4に示すように、それぞれが異なる色を印刷するための版を備えた複数(図示は8つ)の版胴(47)と、版胴(47)からインキを転写されて缶に印刷を行うブランケット胴(48)と、各版胴(47)にインキを供給するためのインキ供給装置(3)と、版胴(47)の位置調整(見当合わせ)を行う見当合わせ装置(58)と、複数の缶送りローラ(59a)および缶送りシュート(59b)からなる缶送り装置(59)とを有している。」
イ 「【0053】
図8に、印刷機(2)の見当合わせ装置(58)を示す。この見当合わせ装置(58)の説明において、上下・左右は、図8の上下・左右をいうものとする。
【0054】
図8に示すように、版胴(47)を左右方向(軸方向)に移動させる軸方向移動手段(96)は、版胴軸(47a)と一体で軸方向に移動するスリーブ(円筒状の軸方向移動部材)(102)を備えている。スリーブ(102)は、円筒状の版胴軸ハウジング(101)に、回転不可能かつ軸方向に移動可能に支持されている。版胴軸(47a)は、軸受(103)を介して回転自在にかつ軸方向移動不可能にスリーブ(102)に支持されている。版胴軸(47a)、スリーブ(102)および版胴軸ハウジング(101)は、同心状に配置されている。
【0055】
版胴(47)を周方向に移動させる周方向移動手段(97)は、版胴(47)の中央部から右方向にのびている版胴軸(47a)の右端部に設けられたスプライン軸部(47b)に嵌め合わされたスプライン筒(周方向移動部材)(104)を備えている。スプライン筒(104)の外周には環状溝が形成されて、この環状溝に、はす歯歯車(105)が嵌め入れられて固定されている。このはす歯歯車(105)は、軸方向移動不可能に配置されたはす歯歯車(106)と噛み合わされている。スプライン筒(104)は、スプライン嵌合によって、スプライン軸部(47b)すなわち版胴軸(47a)に対して、一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に取り付けられている。そして、はす歯歯車(105)(106)同士の噛み合わせにより、スプライン筒(104)の軸方向移動に伴って、版胴軸(47a)が周方向に移動する。
【0056】
版胴軸ハウジング(101)は、版胴軸ハウジング(101)に直交するフレーム(107)に固定されている。フレーム(107)には、版胴軸ハウジング(101)の上方に版胴軸ハウジング(101)と平行に配置されたモータハウジング(108)の右端部が固定されている。
【0057】
モータハウジング(108)の左端部には、2つのモータ、すなわち、下側(版胴(47)に近い側)の第1モータ(109)と、上側(版胴(47)から遠い側)の第2モータ(110))が配置されている。
【0058】
モータハウジング(108)内には、第1モータ(109)によって回転させられる中空状の外側回転軸(第1回転軸)(111)と、外側回転軸(111)と同心に配置されて第2モータ(110)によって回転させられる中実の内側回転軸(第2回転軸)(112)とが回転可能に配置されている。
【0059】
第1モータ(109)の右方にのびる駆動軸(109a)の右端部には、駆動歯車(113)が取り付けられており、この駆動歯車(113)と外側回転軸(111)の左端部に一体に設けられた従動歯車(114)とが噛み合わされている。第2モータ(110)の右方にのびる駆動軸(110a)の右端部には、駆動歯車が(115)取り付けられており、この駆動歯車(115)と内側回転軸(112)の左端部に一体に設けられた従動歯車(116)とが噛み合わされている。
【0060】
外側回転軸(111)は、軸受(117)を介してモータハウジング(108)に回転可能に支持されている。内側回転軸(112)は、軸受(118)を介して外側回転軸(111)に相対回転可能に支持されている。これにより、外側回転軸(111)および内側回転軸(112)は、それぞれ独立に回転するようになされている。
【0061】
外側回転軸(111)の右端部には、おねじ部(111a)が設けられて、このおねじ部(111a)に、第1めねじ部材(119)がねじ合わされている。内側回転軸(112)の右端部は、外側回転軸(111)の右端よりも右方に突出しており、この右端部には、おねじ部(112a)が設けられて、このおねじ部(112a)に、第2めねじ部材(120)がねじ合わされている。
【0062】
各めねじ部材(119)(120)は、フレーム(107)に固定されて各回転軸(111)(112)と平行で右方にのびる1対のガイドバー(121)に摺動可能に嵌め入れられている。これにより、各めねじ部材(119)(120)は、回転不可能とされ、各回転軸(111)(112)の回転に伴って、左右方向(各回転軸(111)(112)の軸方向)に移動する。
【0063】
外側回転軸(111)にねじ合わされた第1めねじ部材(119)には、スリーブ(102)に係合して、第1めねじ部材(119)とスリーブ(102)とを連結する第1連結部材(122)が固定されている。これにより、外側回転軸(111)の回転に伴って、第1めねじ部材(119)とスリーブ(102)とは、軸方向に一体で移動する。
【0064】
内側回転軸(112)にねじ合わされた第2めねじ部材(120)には、スプライン筒(104)に係合して、第2めねじ部材(120)とスプライン筒(104)とを連結する第2連結部材(123)が固定されている。これにより、内側回転軸(112)の回転に伴って、第2めねじ部材(120)とスプライン筒(104)とは、軸方向に一体で移動する。
【0065】
軸方向移動部材としてのスリーブ(102)を移動させる軸方向駆動手段(98)は、第1モータ(109)、外側回転軸(111)、第1めねじ部材(119)および第1連結部材(122)によって構成されている。
【0066】
周方向移動部材としてのスプライン筒(104)を移動させる周方向駆動手段(99)は、第2モータ(110)、内側回転軸(112)、第2めねじ部材(120)および第2連結部材(123)によって構成されている。
【0067】
第1モータ(109)を制御する制御装置(124)は、検缶機(5)の印刷ズレ値測定手段(56)における缶(C)の高さ方向の印刷ズレ値に応じて第1モータ(109)を駆動させることで版胴(47)の軸方向位置を調整している。第2モータ(110)を制御する制御装置(125)は、印刷ズレ値測定手段(56)における缶(C)の周方向の印刷ズレ値に応じて第2モータ(110)を駆動させることで版胴の周方向位置を調整している。」
ウ 「【図8】
[図:0001430641000001.jpg]
」
(2)引用文献1の記載から把握できる事項
ア 前記(1)ア【0020】の「図8は、印刷機の見当合わせ装置の縦断面図である。」との図8の説明と、前記(1)イ【0058】の「第1モータ(109)によって回転させられる中空状の外側回転軸(第1回転軸)(111)」、【0059】の「第1モータ(109)の右方にのびる駆動軸(109a)」及び【0061】の「外側回転軸(111)の右端部には、おねじ部(111a)が設けられて、このおねじ部(111a)に、第1めねじ部材(119)がねじ合わされている。」、さらには【0062】の「各めねじ部材(119)(120)は、回転不可能とされ、各回転軸(111)(112)の回転に伴って、左右方向(各回転軸(111)(112)の軸方向)に移動する」との記載を踏まえれば、前記(1)ウの図8から、次の事項が見て取れる。
「同一面内で、第1モータ(109)の駆動軸(109a)の軸方向に並んで、第1めねじ部材(119)が配置されること。」
イ 前記アに加えて、前記(1)イ【0058】の「外側回転軸(111)と同心に配置されて第2モータ(110)によって回転させられる中実の内側回転軸(第2回転軸)(112)」、【0064】の「内側回転軸(112)にねじ合わされた第2めねじ部材(120)」との記載を踏まえれば、図8から、次の事項も見て取れる。
「同一面内で、外側回転軸(111)及び内側回転軸(112)の軸方向に並んで、第1めねじ部材(119)と第2めねじ部材(120)が配置されること。」
(3)引用文献1に記載の発明
前記(1)及び(2)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、「軸方向移動手段」と「軸方向移動手段(96)」は同じ手段をいうことは明らかであるから、「軸方向移動手段」に統一して用いた。「周方向移動手段」と「周方向移動手段(97)」、「版胴」と「版胴(47)」についても同様に、「周方向移動手段」、「版胴」で統一した。
「缶への印刷を行う印刷機を備えている缶印刷装置の印刷機が有する、検缶機で測定された印刷ズレ値に基づいて、版胴の見当合わせを自動で行う見当合わせ装置であって(【0007】)、
見当合わせ装置は、版胴を軸方向に移動させる軸方向移動手段と、版胴を周方向に移動させる周方向移動手段とを備えており、第1モータを制御する制御装置は、印刷ズレ値測定手段における缶の高さ方向の印刷ズレ値に応じて第1モータを駆動させることで版胴の軸方向位置を調整し、第2モータを制御する制御装置は、印刷ズレ値測定手段における缶の周方向の印刷ズレ値に応じて第2モータを駆動させることで版胴の周方向位置を調整し(【0012】)、
版胴を軸方向に移動させる軸方向移動手段は、版胴軸(47a)と一体で軸方向に移動するスリーブ (102)を備え、スリーブ(102)は、円筒状の版胴軸ハウジング(101)に、回転不可能かつ軸方向に移動可能に支持され、版胴軸(47a)は、軸受(103)を介して回転自在にかつ軸方向移動不可能にスリーブ(102)に支持され(【0054】)、
版胴を周方向に移動させる周方向移動手段は、版胴の中央部から右方向にのびている版胴軸(47a)の右端部に設けられたスプライン軸部(47b)に嵌め合わされたスプライン筒(104)を備え、スプライン筒(104)の外周には環状溝が形成されて、この環状溝に、はす歯歯車(105)が嵌め入れられて固定され、このはす歯歯車(105)は、軸方向移動不可能に配置されたはす歯歯車(106)と噛み合わされ、はす歯歯車(105)(106)同士の噛み合わせにより、スプライン筒(104)の軸方向移動に伴って、版胴軸(47a)が周方向に移動し(【0055】)、
第1モータ(109)によって回転させられる中空状の外側回転軸(111)と、外側回転軸(111)と同心に配置されて第2モータ(110)によって回転させられる中実の内側回転軸(112)とが回転可能に配置され(【0058】)、
第1モータ(109)の右方にのびる駆動軸(109a)の右端部には、駆動歯車(113)が取り付けられており、この駆動歯車(113)と外側回転軸(111)の左端部に一体に設けられた従動歯車(114)とが噛み合わされ、第2モータ(110)の右方にのびる駆動軸(110a)の右端部には、駆動歯車が(115)取り付けられており、この駆動歯車(115)と内側回転軸(112)の左端部に一体に設けられた従動歯車(116)とが噛み合わされており(【0059】)、
各めねじ部材(119)(120)は、各回転軸(111)(112)の回転に伴って、各回転軸(111)(112)の軸方向に移動し(【0062】)、
外側回転軸(111)にねじ合わされた第1めねじ部材(119)には、スリーブ(102)に係合して、第1めねじ部材(119)とスリーブ(102)とを連結する第1連結部材(122)が固定されていることにより、外側回転軸(111)の回転に伴って、第1めねじ部材(119)とスリーブ(102)とは、軸方向に一体で移動し(【0063】)、
内側回転軸(112)にねじ合わされた第2めねじ部材(120)には、スプライン筒(104)に係合して、第2めねじ部材(120)とスプライン筒(104)とを連結する第2連結部材(123)が固定されていることにより、内側回転軸(112)の回転に伴って、第2めねじ部材(120)とスプライン筒(104)とは、軸方向に一体で移動し(【0064】)、
同一面内で、第1モータ(109)の駆動軸(109a)の軸方向に並んで、第1めねじ部材(119)が配置され(前記(2)ア)、
同一面内で、外側回転軸(111)及び内側回転軸(112)の軸方向に並んで、第1めねじ部材(119)と第2めねじ部材(120)が配置される(前記(2)イ)、
見当合わせ装置」
2 対比・判断(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「缶印刷装置」、「版胴軸(47a)」及び「版胴」は、機能からみて、本願発明の「缶デコレータ」、「版シリンダシャフト」及び「版シリンダ」に相当する。
イ 引用発明の「見当合わせ装置」は、「印刷ズレ値に基づいて、版胴の見当合わせを自動で行う」ものであるから、本願発明の「印刷見当合わせ組立体」に相当する。また、引用発明の「見当合わせ装置」は、「缶印刷装置の印刷機が有する」ものであるから、上記アを踏まえれば、本願発明の「印刷見当合わせ組立体」と引用発明の「見当合わせ装置」は、「缶デコレータ用の」ものである点で一致する。
ウ 引用発明の「見当合わせ装置」の「版胴を軸方向に移動させる軸方向移動手段」は、「第1モータ(109)によって回転させられる中空状の外側回転軸(111)」の回転に伴って、「第1めねじ部材(119)とスリーブ(102)とを連結する第1連結部材(122)が固定されていることにより、・・・第1めねじ部材(119)とスリーブ(102)とは、軸方向に一体で移動」し、「版胴軸(47a)は、軸受(103)を介して回転自在にかつ軸方向移動不可能にスリーブ(102)に支持され」るものであり、版胴軸が版胴の回転軸として設けられるとの技術常識を踏まえれば、「スリーブ(102)」が軸方向に移動することで版胴軸を軸方向に移動し、同時に版胴を円周方向に移動させて見当合わせを行うものと理解される。そうすると、引用発明の「「第1モータ(109)」及び「外側回転軸(111)」」は、「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」を軸方向に駆動して見当合わせを行うものであるから、「軸方向見当合わせ駆動装置」に相当する。また、「「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」」は、外側回転軸(111)の軸方向に移動するから、「軸方向見当合わせスライダ」に相当する。
さらに、上記より、本願発明の「軸方向見当合わせ駆動装置」と引用発明の「第1モータ(109)」及び「外側回転軸(111)」は、「版シリンダシャフトの版シリンダを軸方向の向きに見当合わせする」ものである点で一致し、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」と引用発明の「「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」」は、「軸方向見当合わせ駆動装置によって運動可能な」ものである点で一致する。
エ 引用発明の「「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」」は、「版胴軸(47a)は、軸受(103)を介して回転自在にかつ軸方向移動不可能にスリーブ(102)に支持され」ることで、スリーブの軸方向の移動が、版胴軸及び版胴を軸方向に移動させると理解される。そして、版胴の軸方向の移動は、見当合わせに関連し、かつまた、版胴軸(47a)とスリーブ(102)とは機械的に結合されるといえるから、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」と引用発明の「「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」」は、「軸方向見当合わせスライダの運動が前記版シリンダの軸方向見当合わせと関連するよう前記缶デコレータの版シリンダに機械的に結合され」るものである点で一致する。
オ
(ア)引用発明の「第1モータ(109)の駆動軸(109a)」は、第1モータ(109)の出力を受ける軸であるから、前記ウも踏まえれば、「前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフト」に相当する。
このとき、引用発明の「第1めねじ部材(119)」は、「同一面内で、第1モータ(109)の駆動軸(109a)の軸方向に並んで」配置されるとともに、「各めねじ部材(119)(120)」は、「各回転軸(111)(112)の回転に伴って、各回転軸(111)(112)の軸方向に移動」するものであるから、「第1モータ(109)の駆動軸(109a)」の「軸方向」は、「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」の移動方向と一致し、両方向を直線上に重ねることができる。
そうすると、引用発明の「第1モータ(109)の駆動軸(109a)」を「前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフト」に相当させた場合は、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」と引用発明の「「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」」とは、「前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフトの軸方向又は軸が、前記軸方向見当合わせスライダの運動に対してインラインに配置される」ものである点で一致する。
(イ)また、引用発明の「外側回転軸(111)」は、「第1モータ(109)の右方にのびる駆動軸(109a)の右端部には、駆動歯車(113)が取り付けられており、この駆動歯車(113)と外側回転軸(111)の左端部に一体に設けられた従動歯車(114)とが噛み合わされて」いるから、第1モータ(109)の駆動を受けている軸である。前記ウも踏まえれば、引用発明の「外側回転軸(111)」を「前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフト」に相当するということもできる。
このとき、引用発明の「第1めねじ部材(119)」は、「外側回転軸(111)にねじ合わされ」ているものであるから、引用発明の「外側回転軸(111)」の「軸」は、その延びる方向と、「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」の移動方向が一致し、両方向を直線上に重ねることができる。
そうすると、引用発明の「外側回転軸(111)」を「前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフト」に相当させた場合にも、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」と引用発明の「「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」」とは、「前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフトの軸方向又は軸が、前記軸方向見当合わせスライダの運動に対してインラインに配置される」ものである点で一致する。
カ 引用発明の「見当合わせ装置」の「版胴(47)を周方向に移動させる周方向移動手段(97)」は、「第2モータ(110)によって回転させられる中実の内側回転軸(112)」の回転に伴って、「第2めねじ部材(120)とスプライン筒(104)とを連結する第2連結部材(123)が固定されていることにより、・・・第2めねじ部材(120)とスプライン筒(104)とは、軸方向に一体で移動」し、「スプライン筒(104)の軸方向移動に伴って、版胴軸(47a)が周方向に移動」するものであるから、「スプライン筒(104)」が軸方向に移動することで版胴軸及び版胴が周方向に移動して見当合わせを行うものと理解される。そうすると、引用発明の「「第2モータ(110)」及び「内側回転軸(112)」」は、「一体で移動」する「第2めねじ部材(120)」、「スプライン筒(104)」、及び「第2連結部材(123)」を軸方向に駆動して周方向の見当合わせを行うものであるから、「円周方向見当合わせ駆動装置」に相当する。また、「「一体で移動」する「第2めねじ部材(120)」、「スプライン筒(104)」、及び「第2連結部材(123)」」は、内側回転軸(112)の軸方向に移動するから、「円周方向見当合わせスライダ」に相当する。
さらに、本願発明の「円周方向見当合わせ駆動装置」と引用発明の「「第2モータ(110)」及び「内側回転軸(112)」」は、「前記版シリンダを円周方向の向きに見当合わせするようになった」ものである点で一致し、本願発明の「円周方向見当合わせスライダ」と引用発明の「「一体で移動」する「第2めねじ部材(120)」、「スプライン筒(104)」、及び「第2連結部材(123)」」は、「円周方向見当合わせ駆動装置によって運動可能な」ものである点で一致する。
キ 引用発明の「「一体で移動」する「第2めねじ部材(120)」、「スプライン筒(104)」、及び「第2連結部材(123)」」は、「版胴軸(47a)の右端部に設けられたスプライン軸部(47b)に嵌め合わされたスプライン筒(104)」の軸方向移動に伴って、版胴軸(47a)及び版胴を周方向に移動させると理解される。そして、版胴の周方向の移動により、見当合わせが行われ、かつまた、「版胴軸(47a)」及び「版胴」と「スプライン筒(104)」とは機械的に結合されるといえるから、本願発明の「円周方向見当合わせスライダ」と引用発明の「「一体に移動」する「第2めねじ部材(120)」、「スプライン筒(104)」、及び「第2連結部材(123)」」は、「前記円周方向見当合わせスライダの運動が前記版シリンダの円周方向の運動を生じさせ、前記版シリンダの円周方向見当合わせと関連するよう前記版シリンダに機械的に結合されている」ものである点で一致する。
ク 引用発明の「第1めねじ部材(119)」と「第2めねじ部材(120)」は、「同一面内で、外側回転軸(111)及び内側回転軸(112)の軸方向に並んで」配置され、「外側回転軸(111)」と「内側回転軸(112)」は、「同心に配置され」るから、「第1めねじ部材(119)」と「一体で移動」する「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」と「第2めねじ部材(120)」と「一体で移動」する「スプライン筒(104)」、及び「第2連結部材(123)」も、同心に配置される軸方向に並ぶといえる。
したがって、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」と「円周方向見当合わせスライダ」と、引用発明の「「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」」と「「一体に移動」する「第2めねじ部材(120)」、「スプライン筒(104)」、及び「第2連結部材(123)」」は「インライン関係をなしかつ同軸である」ものである点で一致する。
ケ 引用発明の「見当合わせ装置」は、「軸方向移動手段」と「周方向移動手段」を備えており、「軸方向移動手段」が「スリーブ(102)を備え」、「外側回転軸(111)にねじ合わされた第1めねじ部材(119)には、スリーブ(102)に係合して、第1めねじ部材(119)とスリーブ(102)とを連結する第1連結部材(122)が固定され」、「第1モータ(109)の右方にのびる駆動軸(109a)の右端部には、駆動歯車(113)が取り付けられており、この駆動歯車(113)と外側回転軸(111)の左端部に一体に設けられた従動歯車(114)とが噛み合わされ」ているものであるから、「第1モータ(109)」、「外側回転軸(111)」、「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、「第1連結部材(122)」は「見当合わせ装置」を構成すると認められる。
一方、引用発明の「周方向移動手段」が「スプライン筒(104)を備え」、「内側回転軸(112)にねじ合わされた第2めねじ部材(120)には、スプライン筒(104)に係合して、第2めねじ部材(120)とスプライン筒(104)とを連結する第2連結部材(123)が固定され」、「第2モータ(110)の右方にのびる駆動軸(110a)の右端部には、駆動歯車が(115)取り付けられており、この駆動歯車(115)と内側回転軸(112)の左端部に一体に設けられた従動歯車(116)とが噛み合わされて」いるものであるから、「第2モータ(110)」、「内側回転軸(112)」、「第2めねじ部材(120)」、「スプライン筒(104)」、「第2連結部材(123)」は「見当合わせ装置」を構成すると認められる。
したがって、前記イ、ウ及びカの相当関係を踏まえると、本願発明の「印刷見当合わせ組立体」と引用発明の「見当合わせ装置」は、「軸方向見当合わせ駆動装置」と「軸方向見当合わせスライダ」と「円周方向見当合わせ駆動装置」と「円周方向見当合わせスライダ」を備えるものである点で一致する。
したがって、本願発明と引用発明を対比すると、両者は、
「缶デコレータ用の印刷見当合わせ組立体であって、前記印刷見当合わせ組立体は、
版シリンダシャフトの版シリンダを軸方向の向きに見当合わせする軸方向見当合わせ駆動装置と、
前記軸方向見当合わせ駆動装置によって運動可能な軸方向見当合わせスライダであって、前記軸方向見当合わせスライダが、前記軸方向見当合わせスライダの運動が前記版シリンダの軸方向見当合わせと関連するよう前記缶デコレータの版シリンダに機械的に結合され、前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフトの軸方向又は軸が、前記軸方向見当合わせスライダの運動に対してインラインに配置される前記軸方向見当合わせスライダと、
前記版シリンダを円周方向の向きに見当合わせする円周方向見当合わせ駆動装置と、
前記円周方向見当合わせ駆動装置によって運動可能な円周方向見当合わせスライダであって、前記円周方向見当合わせスライダの運動が前記版シリンダの円周方向の運動を生じさせ、前記版シリンダの円周方向見当合わせと関連するよう前記版シリンダに機械的に結合されている前記円周方向見当合わせスライダと、を備えており、
前記軸方向見当合わせスライダと前記円周方向見当合わせスライダは、インライン関係をなしかつ同軸である、印刷見当合わせ組立体。」
である点で一致し、相違点はない。
(2)判断
前記(1)のとおり、本願発明に係る発明特定事項は、全て引用発明が有するものであるから、本願発明と引用発明との間に差異はない。
また、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
そして、本願発明の奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
(3)請求人の主張の検討
ア 請求人の主張
令和7年5月21日付けの意見書3.(2-1)において、請求人は次のとおり主張する。なお、便宜上主張ア、主張イと呼ぶ。
(ア)主張ア
引用発明では、「第1モータ(109)」及び「外側回転軸(111)」の軸方向又は軸が、「第1めねじ部材(119)」及び「第1連結部材(122)」の運動(軸方向の運動)方向に対してインラインに配置されて一列に又は直線状に並んでいるが、「スリーブ(102)」の運動(軸方向の運動)方向に対しては平行となっており、インラインに配置されておらず、一列に又は直線状に並んでいないため、本願発明の「前記軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフトの軸方向又は軸が、前記軸方向見当合わせスライダの運動に対してインラインに配置される前記軸方向見当合わせスライダ」とは相違する。
(イ)主張イ
引用発明では、「第1モータ(109)」及び「外側回転軸(111)」が、「第2めねじ部材(120)」に対して同軸であり、互いにインラインの関係であるが、「スプライン筒(104)」及び「第2連結部材(123)」に対しては同軸ではなく、互いにインラインの関係ではないため、本願発明の「前記軸方向見当合わせスライダと前記円周方向見当合わせスライダは、インライン関係をなしかつ同軸である」という特徴事項とは相違する。
イ 請求人の主張に対する反論
(ア)主張アに対して
a 引用発明の「スリーブ(102)」は、「第1めねじ部材(119)」と「第1連結部材(122)」で連結され、「一体で軸方向に移動」するものであるから、これら一体で移動する「スリーブ(102)」、「第1めねじ部材(119)」及び「第1連結部材(122)」の全体の運動方向は、「第1めねじ部材(119)」及び「第1連結部材(122)」の軸方向の運動方向と変わるものではない。「第1モータ(109)の駆動軸(109a)」又は「外側回転軸(111)」の軸方向又は軸が、「第1めねじ部材(119)」及び「第1連結部材(122)」の運動(軸方向の運動)方向に対してインラインに配置されて一列に又は直線状に並んでいることは、請求人も認めるとおりであるから、主張アは当たらない。
b また、請求人の前記主張アは、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」に相当するとした、「「一体で移動」する「第1めねじ部材(119)」、「スリーブ(102)」、及び「第1連結部材(122)」」の全ての部材が、「第1モータ(109)」及び「外側回転軸(111)」の軸方向又は軸と一列に又は直線状に並んでいることを必要とするかのごとく解されるが、本願発明の発明特定事項は、「軸方向見当合わせ駆動装置の出力シャフトの軸方向又は軸」が、「軸方向見当合わせスライダの運動」に対して「インラインに配置される」ことを特定するにとどまり、上記の「軸方向見当合わせスライダ」の全ての部材が「第1モータ(109)」及び「外側回転軸(111)」の軸方向又は軸と一列に又は直線状に並ぶとの解釈は、請求項1の記載に基づくものではないから、採用できない。
c 仮に、前記bのような解釈が成り立つとしても、本願明細書において明確に定義されていない以上、連結され一体で移動する複数の部材のうちどこまでをスライダと呼ぶかは、単に部材の呼称の問題であって、本願発明と引用発明の対比においては、引用発明の「第1めねじ部材(119)」のみが、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」に相当するとの認定も可能である。
そうすると、「第1モータ(109)の駆動軸(109a)」又は「外側回転軸(111)」の軸方向又は軸が、「第1めねじ部材(119)」の運動(軸方向の運動)方向に対してインラインに配置されて一列に又は直線状に並んでいることは、請求人も認めるとおりであるから、請求人の主張する本願発明と引用発明の相違点は生じない。
(イ)主張イに対して
a 本願発明の発明特定事項は、「前記軸方向見当合わせスライダと前記円周方向見当合わせスライダは、インライン関係をなしかつ同軸である」というものであって、「軸方向見当合わせスライダ」と「円周方向見当合わせスライダ」との関係を特定しようとするものである。
一方、主張イは、本願発明の「軸方向見当合わせ駆動装置」に相当するとした、「第1モータ(109)」及び「外側回転軸(111)」と、本願発明の「円周方向見当合わせスライダ」に相当するとした、「スプライン筒(104)」及び「第2連結部材(123)」との関係をいうものであり、請求項1の記載に基づくものではないから、採用できない。
b そして、本願発明の「前記軸方向見当合わせスライダと前記円周方向見当合わせスライダは、インライン関係をなしかつ同軸である」との発明特定事項は、前記(1)クで述べたとおりであるから、引用発明が有するものである。
c また、前記(ア)cと同様に、本願発明と引用発明の対比においては、引用発明の「第1めねじ部材(119)」のみが、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」に相当し、引用発明の「第2めねじ部材(120)」のみが、本願発明の「円周方向見当合わせスライダ」に相当するとの認定も可能であり、この場合でも、本願発明の「軸方向見当合わせスライダ」と「円周方向見当合わせスライダ」と、引用発明の「第1めねじ部材(119)」と「第2めねじ部材(120)」は、「インライン関係をなしかつ同軸である」ものである点で一致する。
(ウ)前記(ア)及び(イ)のとおりであるから、請求人の主張はいずれも採用できない。
第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であり、特許法29条1項3号に該当するものであるから、同法29条1項の規定により特許を受けることができない。
さらに、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-008389