特許異議申立
2016-700408
建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム
- 審判番号
- 2016-700408
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2013-002078
- 登録番号
- 特許第5809174号(P5809174)
- 請求日
- 2016年05月10日
- 審決日
- 2017年01月19日
- 公報発行日
- 2017年04月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社NTTファシリティーズ
- 【権利者代理人】特許業務法人 志賀国際特許事務所
- 【異議申立人】株式会社 クラウズ
- 審判長/審判官
- 審判長 福島 浩司
- 審判官 ▲高▼見 重雄
- 審判官 小川 亮
- 分類
- P1651.121-YAA(G01M) / P1651.537-YAA(G01M) / P1651.1 -YAA(G01M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第2項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5809174号発明「建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5809174号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16について訂正することを認める。
特許第5809174号の請求項1~16に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第5809174号の請求項1~16に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成25年1月9日にされた特許出願であって、平成27年9月18日にその特許権の設定登録がされ、平成28年5月10日に特許異議申立人 株式会社クラウズ(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審において平成28年8月3日付けの取消理由(以下、「取消理由」という。)が通知され、同年10月7日に意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正の請求」という。)がされたものである。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正の請求による訂正の内容は、次のとおりである(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。)。
(1)請求項1~4からなる一群の請求項に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1、2及び3に「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する(請求項1~3を引用する請求項4も同様に訂正する)。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「特定の層」とあるのを、「早急な調査が必要とされた層」に訂正する(請求項1を引用する請求項4も同様に訂正する)。
ウ 訂正事項3
願書に添付した明細書の段落【0008】に記載された「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」(第1段落、第2段落の2箇所)とあるのを、また、明細書の段落【0008】に「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とに基づいた判定」(第3段落の1箇所)とあるのを、いずれも、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正し、さらに、明細書の段落【0008】に記載された「特定の層」(第1段落の1箇所)とあるのを、「早急な調査が必要とされた層」に訂正する。
(2)請求項5に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項5に「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0010】に記載された「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
(3)請求項6に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項6に「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0011】に記載された「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
(4)請求項7に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項7に「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項7に「特定の層」とあるのを、「早急な調査が必要とされた層」に訂正する。
ウ 訂正事項3
願書に添付した明細書の段落【0012】の第1段落に記載された「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正し、さらに、そこに記載された「特定の層」とあるのを、「早急な調査が必要とされた層」に訂正する。
(5)請求項8に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項8に「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0012】の第2段落に記載された「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
(6)請求項9に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項9に「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と基づいた判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0012】の第3段落に記載された「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とに基づいた判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
(7)請求項10に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項10に「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0012】の第4段落に記載された「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
(8)請求項11に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項11に「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0012】の第5段落に記載された「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
(9)請求項12に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項12に「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項12に「特定の層」とあるのを、「早急な調査が必要とされた層」に訂正する。
ウ 訂正事項3
願書に添付した明細書の段落【0012】の第6段落に記載された「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正し、さらに、そこに記載された「特定の層」とあるのを、「早急な調査が必要とされた層」に訂正する。
(10)請求項13に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項13に「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0012】の第7段落に記載された「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
(11)請求項14に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項14に「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と基づいた判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0012】の第8段落に記載された「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とに基づいた判定」とあるのを、「前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定」に訂正する。
(12)請求項15に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項15に「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0012】の第9段落に記載された「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
(13)請求項16に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項16に「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0012】の第10段落に記載された「地盤の損傷による影響の有無を判定する」とあるのを、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」に訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、一群の請求項ごとに訂正の請求を行っているか否か
(1)請求項1~4からなる一群の請求項に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項1~4では、「層間変位」と「固有周期」とを並列的に取り扱う判定を含み、これらを組み合わせて判定するとは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項1~4に記載の特許発明では、「層間変位」と「固有周期」とを組み合わせて判定することを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「前記層間変位と・・・前記固有周期とを組み合わせた判定する」ことに係る説明として、段落【0020】~【0021】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正前の請求項1及び4では、「特定の層」という広い意味で記載されており、具体的に限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項1及び4に記載の特許発明では、「早急な調査が必要とされた層」であることを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、「早急な調査が必要とされた層」に特定することに係る説明として、段落【0022】、【0027】~【0028】に記載されているから、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
ウ 訂正事項3
訂正事項3は、上記訂正事項1及び2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項3は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
エ 一群の請求項ごとに訂正の請求を行っているか否か
訂正事項1~3は、請求項1~4に関する訂正であり、訂正前の請求項1~4は一群の請求項であるから、この訂正は一群の請求項ごとにされている。
(2)請求項5に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項5では、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことまでは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項5に記載の特許発明では、建物の健全性を判定することまで限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことに係る説明として、願書に添付した明細書の段落【0065】~【0071】及び【図8】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)請求項6に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項6では、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことまでは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項6に記載の特許発明では、建物の健全性を判定することまで限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことに係る説明として、願書に添付した明細書の段落【0065】~【0071】及び【図8】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(4)請求項7に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項7では、「層間変位」と「固有周期」とを並列的に取り扱う判定を含み、これらを組み合わせて判定するとは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項7に記載の特許発明では、「層間変位」と「固有周期」とを組み合わせて判定することを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「前記層間変位と・・・前記固有周期とを組み合わせた判定する」ことに係る説明として、段落【0020】~【0021】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正前の請求項7では、「特定の層」という広い意味で記載されており、具体的に限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項7に記載の特許発明では、「早急な調査が必要とされた層」であることを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、「早急な調査が必要とされた層」に特定することに係る説明として、段落【0022】、【0027】~【0028】に記載されているから、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
ウ 訂正事項3
訂正事項3は、上記訂正事項1及び2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項3は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(5)請求項8に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項8では、「層間変位」と「固有周期」とを並列的に取り扱う判定を含み、これらを組み合わせて判定するとは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項8に記載の特許発明では、「層間変位」と「固有周期」とを組み合わせて判定することを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「前記層間変位と・・・前記固有周期とを組み合わせた判定する」ことに係る説明として、段落【0020】~【0021】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(6)請求項9に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項9では、「層間変位」と「固有周期」とを並列的に取り扱う判定を含み、これらを組み合わせて判定するとは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項9に記載の特許発明では、「層間変位」と「固有周期」とを組み合わせて判定することを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「前記層間変位と・・・前記固有周期とを組み合わせた判定する」ことに係る説明として、段落【0020】~【0021】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(7)請求項10に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項10では、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことまでは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項10に記載の特許発明では、建物の健全性を判定することまで限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことに係る説明として、願書に添付した明細書の段落【0065】~【0071】及び【図8】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(8)請求項11に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項11では、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことまでは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項11に記載の特許発明では、建物の健全性を判定することまで限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことに係る説明として、願書に添付した明細書の段落【0065】~【0071】及び【図8】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(9)請求項12に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項12では、「層間変位」と「固有周期」とを並列的に取り扱う判定を含み、これらを組み合わせて判定するとは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項12に記載の特許発明では、「層間変位」と「固有周期」とを組み合わせて判定することを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「前記層間変位と・・・前記固有周期とを組み合わせた判定する」ことに係る説明として、段落【0020】~【0021】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正前の請求項12では、「特定の層」という広い意味で記載されており、具体的に限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項7に記載の特許発明では、「早急な調査が必要とされた層」であることを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、「早急な調査が必要とされた層」に特定することに係る説明として、段落【0022】、【0027】~【0028】に記載されているから、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
ウ 訂正事項3
訂正事項3は、上記訂正事項1及び2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項3は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(10)請求項13に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項13では、「層間変位」と「固有周期」とを並列的に取り扱う判定を含み、これらを組み合わせて判定するとは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項13に記載の特許発明では、「層間変位」と「固有周期」とを組み合わせて判定することを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「前記層間変位と・・・前記固有周期とを組み合わせた判定する」ことに係る説明として、段落【0020】~【0021】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(11)請求項14に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項14では、「層間変位」と「固有周期」とを並列的に取り扱う判定を含み、これらを組み合わせて判定するとは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項14に記載の特許発明では、「層間変位」と「固有周期」とを組み合わせて判定することを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「前記層間変位と・・・前記固有周期とを組み合わせた判定する」ことに係る説明として、段落【0020】~【0021】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(12)請求項15に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項15では、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことまでは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項15に記載の特許発明では、建物の健全性を判定することまで限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことに係る説明として、願書に添付した明細書の段落【0065】~【0071】及び【図8】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(13)請求項16に係る訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項16では、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことまでは限定されていなかった。これに対して、訂正後の請求項16に記載の特許発明では、建物の健全性を判定することまで限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、「地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」ことに係る説明として、願書に添付した明細書の段落【0065】~【0071】及び【図8】に記載されているから、訂正事項1は、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の記載を訂正しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当しないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正の請求による訂正は、特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、本件訂正の請求による訂正後の〔1~4〕、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16について、訂正を認める。
第3 本件特許発明について
本件訂正の請求により訂正された請求項1~16に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」~「本件特許発明16」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~16に記載された以下の事項により特定されるものである。
「【請求項1】
複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記各層ごとにそれぞれ実施し、前記各層ごとの判定結果から定まる早急な調査が必要とされた層より上の層の対応についての判定を予め定められたルールに従って実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備えたことを特徴とする建物安全性検証システム。
【請求項2】
複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部は、
前記各層ごとの判定結果に早急な対応が必要とされる状況が生じている層があると判定された場合、当該状況が生じている層と判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する
ことを特徴とする建物安全性検証システム。
【請求項3】
複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じているか否かを判定する判定基準が定められ、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記定められた判定基準に従って前記各層ごとにそれぞれ実施して前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部は、
前記各層ごとの判定結果に、前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じていると判定した層がある場合、当該状況が生じていると判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する
ことを特徴とする建物安全性検証システム。
【請求項4】
前記建物安全性評価部が、
前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定された固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果とを組み合わせて判定した結果により、前記建物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の建物安全性検証システム。
【請求項5】
複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、前記建物の最上層と最上層近傍の何れかに前記配置された場所の地平に対する傾斜を検出して、前記加速度センサの計測データと異なる計測データの当該建物の傾斜角を、前記検出された傾斜から求める傾斜角計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と、前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部が、
前記固有周期の判定結果と前記配置された場所の傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、前記判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する
ことを特徴とする建物安全性検証システム。
【請求項6】
複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、前記建物の最上層と最上層近傍の何れかに前記配置された場所の地平に対する傾斜を検出して、前記加速度センサの計測データと異なる計測データの当該建物の傾斜角を、前記検出された傾斜から求める傾斜角計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と、前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部が、
前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、前記傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する
ことを特徴とする建物安全性検証システム。
【請求項7】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記各層ごとにそれぞれ実施し、前記各層ごとの判定結果から定まる早急な調査が必要とされた層より上の層の対応についての判定を予め定められたルールに従って実施して、前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と
を含むことを特徴とする建物安全性検証方法。
【請求項8】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と、
前記建物安全性評価過程において、前記建物安全性評価部が、前記各層ごとの判定結果に早急な対応が必要とされる状況が生じている層があると判定された場合、当該状況が生じている層と判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する過程と
を含むことを特徴とする建物安全性検証方法。
【請求項9】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じているか否かを判定する判定基準が定められ、建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記定められた判定基準に従って前記各層ごとにそれぞれ実施して前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と、
前記建物安全性評価過程において、前記建物安全性評価部が、前記各層ごとの判定結果に、前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じていると判定した層がある場合、当該状況が生じていると判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する過程と
を含むことを特徴とする建物安全性検証方法。
【請求項10】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
傾斜角計測部が、前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、前記建物の最上層と最上層近傍の何れかに前記配置された場所の地平に対する傾斜を検出して、前記加速度センサの計測データと異なる計測データの当該建物の傾斜角を、前記検出された傾斜から求める傾斜角計測過程と、
建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と、前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角とにより、前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と、
前記建物安全性評価過程において、前記建物安全性評価部が、前記固有周期の判定結果と前記配置された場所の傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、前記判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する過程と
を含むことを特徴とする建物安全性検証方法。
【請求項11】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
傾斜角計測部が、前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、前記建物の最上層と最上層近傍の何れかに前記配置された場所の地平に対する傾斜を検出して、前記加速度センサの計測データと異なる計測データの当該建物の傾斜角を、前記検出された傾斜から求める傾斜角計測過程と、
建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と、前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角とにより、前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と、
前記建物安全性評価過程において、前記建物安全性評価部が、前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、前記傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する過程と
を含むことを特徴とする建物安全性検証方法。
【請求項12】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記各層ごとにそれぞれ実施し、前記各層ごとの判定結果から定まる早急な調査が必要とされた層より上の層の対応についての判定を予め定められたルールに従って実施して、前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と、
前記建物安全性評価過程において、前記建物安全性評価部が、前記各層ごとの判定結果に早急な対応が必要とされる状況が生じている層があると判定された場合、当該状況が生じている層と判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する過程と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じているか否かを判定する判定基準が定められ、建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記定められた判定基準に従って前記各層ごとにそれぞれ実施して前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と、
前記建物安全性評価過程において、前記建物安全性評価部が、前記各層ごとの判定結果に、前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じていると判定した層がある場合、当該状況が生じていると判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する過程と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
傾斜角計測部が、前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、前記建物の最上層と最上層近傍の何れかに前記配置された場所の地平に対する傾斜を検出して、前記加速度センサの計測データと異なる計測データの当該建物の傾斜角を、前記検出された傾斜から求める傾斜角計測過程と、
建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と、前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角とにより、前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と、
前記建物安全性評価過程において、前記建物安全性評価部が、前記固有周期の判定結果と前記配置された場所の傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、前記判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する過程と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、
固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、
傾斜角計測部が、前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、前記建物の最上層と最上層近傍の何れかに前記配置された場所の地平に対する傾斜を検出して、前記加速度センサの計測データと異なる計測データの当該建物の傾斜角を、前記検出された傾斜から求める傾斜角計測過程と、
建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と、前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角とにより、前記建物の健全の健全性を評価する建物安全性評価過程と、
前記建物安全性評価過程において、前記建物安全性評価部が、前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、前記傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する過程と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。」
第4 取消理由及び申立て理由の概要
1 取消理由の概要
取消理由の概要は、以下の通りである。
(1)取消理由(特許法第36条第6項第1号違反)
本件特許発明1~16に係る特許は、以下のア~ウにより、いずれも特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであって、同法113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
ア 本件特許発明1~3、7~9及び12~14について
請求項1~3、7~9及び12~14の「判定」の特定は、発明の詳細な説明と対応しない。
イ 本件特許発明1、4、7及び12について
請求項1、4、7及び12の「特定の層」と「特定の層より上の層の対応」の特定は、発明の詳細な説明と対応しない。
ウ 本件特許発明5、6、10、11、15及び16について
図8のフローチャートにおけるS27~S35と、請求項5、6、10、11、15及び16で特定されている「判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷による影響の有無を判定する」こととの対応関係が、明確であるとはいえない。
2 取消理由以外の申立ての理由の概要
特許異議申立人は、上記取消理由に関連しないものとして、以下の理由(1)~(3)を申立てていた。
(1)理由1(特許法第29条第1項柱書違反、特許異議申立書第3~4頁の(4)欄)
本件特許発明1~16は、以下のア~ウにより、いずれも、特許法上の発明に該当しない。
ア 請求項1~6における「建物安全性評価部」は、複数の機能によって表現でき、それらの機能により特定されるものではなく、特許法上の物の発明に該当しない。
イ 請求項7~11における「建物安全性評価過程」は、手順として表現され、特定されたものではなく、特許法上の方法の発明に該当しない。
ウ 請求項12~16における「建物安全性評価過程」は、複数の機能によって表現でき、それらの機能により特定されるものではなく、特許法上のプログラムの発明に該当しない。
(2)理由2(特許法第29条第2項違反、特許異議申立書第4~39頁の(5)欄)
本件特許発明1~16は、いずれも、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
甲第1~8号証を以下に示す。
甲第1号証:「多世代利用住宅の維持管理・流通を支える構造ヘルスモニタリング技術の利用ガイドライン(案)」平成23年12月 国土技術政策総合研究所(多世代利用総プロ 管理技術WG)国土交通省 国土技術政策総合研究所 HP掲載(2012年8月15日配信開始日)
http://www.nilim.go.jp/cgi-bin/mailmag/backnumber.cgi?no=123
http://www.nilim.go.jp/lab/ieg/tasedai/seika/shmguideline.pdf
甲第2号証:特開2008-281435号公報
甲第3号証:特開2003-344213号公報
甲第4号証:特開2008-224338号公報
甲第5号証:特開2011-149249号公報
甲第6号証:特開2004-93579号公報
甲第7号証:計測と制御 第46巻 第8号 2007年8月号 p632~636
甲第8号証:大規模地震等に対応した消防計画作成ガイドラインについて 消防予第272号 平成20年10月21日
(3)理由3(特許法第36条第6項第2号違反、特許異議申立書第39~41頁の(6)欄)
本件特許発明1、2、4、7、8、12、13は、以下のア~エにより、いずれも、特許を受けようとする発明が明確でない。
ア 請求項2の補正の根拠とする段落には、上の層の危険度が高いことについての記載がない。
イ 請求項2等に記載の「前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する」の意味が不明確である。
ウ 請求項1、7、12及び請求項1を引用する請求項4に記載の「特定の層」は、定義がなく不明である。
エ 請求項2、8、13及び請求項2を引用する請求項4に記載の「早急な対応」は、定義がなく不明である。
第5 当審の判断
1 取消理由についての検討
(1)取消理由(特許法第36条第6項第1号違反)について
アについて
訂正後の本件特許発明1~3、7~9及び12~14は、 訂正前の「判定」を、「組み合わせた判定」と訂正したことで、発明の詳細な説明との対応関係が明確になった。
イについて
訂正後の本件特許発明1、4、7及び12は、 訂正前の「特定の層」を、「早急な調査が必要な層」と訂正したことで、発明の詳細な説明との対応関係が明確になった。
ウについて
訂正後の本件特許発明5、6、10、11、15及び16は、 訂正前の「判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷による影響の有無を判定する」を、「判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」と訂正するとともに、各々の本件特許発明において、図8のフローチャートにおけるS31~S35との対応関係を明確にする訂正をした。これにより、訂正後の本件特許発明5、6、10、11、15及び16は、発明の詳細な説明との対応関係が明確になった。
(2)小括
上記(1)のとおりであるから、もはや、取消理由によっては、本件請求項1~16に係る特許を取り消すことはできない。
2 取消理由以外の申立ての理由についての検討
(1)理由1(特許法第29条第1項柱書違反)について
そもそも、特許法第29条第1項柱書きの判断は、発明全体、すなわち、各々の本件特許発明1~16の全体が発明として認識できるかを判断するものである。
特許異議申立人は、発明特定事項の一部のみを指摘して、「物(プログラムを含む)の発明」に該当しない、あるいは、「方法の発明」に該当しないと主張するだけであり、仮に、発明特定事項の一部が「物の発明」又は「方法の発明」と認識できないとしても、各々の本件特許発明1~16の全体が発明として認識できないことにはならないから、特許異議申立人の主張は失当である。
念のため、各々の本件特許発明1~16の全体が発明として認識できるかを判断すると、「建物安全性評価部」を含む本件特許発明1~6、及び「建物安全性評価過程」を含む本件特許発明7~16は、いずれも、全体として、物理量に基づく情報処理を具体的に行うものであり、自然法則を利用していることは明らかであるから、ソフトウェア関連発明に特有の判断、取扱いは必要でなく、本件特許発明1~16は、いずれも、特許法上の発明に該当しないとはいえない。
(2)理由2(特許法第29条第2項違反)について
ア 甲第1号証の記載
甲第1号証(以下、「甲1」という。)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は、当審において付与した。
(ア)「本書は、多世代利用住宅の振動特性の変化を把握する新たな診断技術として、構造へルスモニタリング技術(SHM: Structural Health Monitoring)の普及・利活用のための計測・評価、情報の蓄積・管理等に関するガイドラインを与えるものである。」(1頁「1.1 本書の適用範囲」の上段の枠囲い)
(イ)「一般にSHMは、構造物の強振動(大規模地震・強風)や微小振動(風・中小地震・常時微動)の計測データから振動特性等を推定し、その経時・経年変化等を踏まえ、構造物の損傷・劣化の有無・箇所・度合い等を評価し、ユーザが行う補修等の対策の意思決定を支援する技術である。構造物にSHMシステムを実装することにより、例えば壁面に生じている亀裂やひび割れが構造物全体にどの程度の影響を与えるものであるか、また、外観からは把握できない構造物内部に蓄積・進展した損傷・劣化がどのような状況であるかについて、評価できる。これにより、構造物性能のうち主に「安全性」「耐久性」について、使用期間を通じて目標内容以上に維持管理し続けることを目的としている。」(2頁「(1)SHMの基本概念」の1~8行)
(ウ)図17
(エ)表20~22
イ 甲第1号証に記載された発明
(ア)上記ア(ウ)及び(エ)における表20によれば、災害時システムにおける推定の対象が層レベルの場合、複数の層からなる大規模な共同住宅の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求めることが理解できる。
(イ)上記ア(ウ)及び(エ)における表20によれば、災害時システムにおける推定の対象が層レベルの場合、複数の層からなる大規模な共同住宅の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、当該共同住宅の各次モード振動数を求めることが理解できる。
(ウ)上記ア(ウ)及び(エ)における表20によれば、災害時システムにおける推定の対象が層レベルの場合、前記各層の層間変位が予め定めた閾値を超過したかを判断し、前記各次モード振動数が予め定めた閾値を超過したかを判断し、これらの判断結果から、共同住宅の継続使用可否が把握でき、避難の要否が情報提供されることが理解できる。
(エ)構造へルスモニタリング技術は、上記ア(ウ)によれば、SHMサービス事業者のサーバを用いた構造へルスモニタリングのための支援システム、支援方法、支援プログラムであるといえる。
(オ)上記(ア)~(エ)を含む上記(1)の記載を総合すると、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。
「多世代利用住宅の振動特性の変化を把握する構造へルスモニタリング(SHM: Structural Health Monitoring)システム(方法、プログラム)であって、
SHMは、構造物の強振動(大規模地震・強風)や微小振動(風・中小地震・常時微動)の計測データから振動特性等を推定し、その経時・経年変化等を踏まえ、構造物の損傷・劣化の有無・箇所・度合い等を評価し、ユーザが行う補修等の対策の意思決定を支援するシステムであり、
災害時システムにおける推定の対象が層レベルの場合、複数の層からなる大規模な共同住宅の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求め、複数の層からなる大規模な共同住宅の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、当該共同住宅の各次モード振動数を求め、前記各層の層間変位が予め定めた閾値を超過したかを判断し、前記各次モード振動数が予め定めた閾値を超過したかを判断し、これらの判断結果から、共同住宅の継続使用可否が把握でき、避難の要否が情報提供される、構造へルスモニタリングシステム(方法、プログラム)。」(以下、「甲1発明」という。)
ウ 本件特許発明1について
(ア)本件特許発明1と甲1発明との対比
a 甲1発明の「複数の層からなる大規模な共同住宅の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求め」ることは、本件特許発明1の「複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部」に相当する。
b 甲1発明の「複数の層からなる大規模な共同住宅の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、当該共同住宅の各次モード振動数を求め」ることに、建物の最上層の加速度センサの計測データを用いて1次モード振動数を求めることが含めれていることは明らかである。このこと(1次モード振動数を求めること)が、上記イ(エ)における表20の推定対象が全体レベルの場合の損傷指標となっていることからも裏付けられる。また、1次モード振動数の逆数が1次モード周期である。
これらの点に鑑みると、甲1発明の係る特定事項は、本件特許発明1の「前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部」に相当する。
c 甲1発明の「前記各層の層間変位が予め定めた閾値を超過したかを判断し、前記各次モード振動数が予め定めた閾値を超過したかを判断し、これらの判断結果から、共同住宅の継続使用可否が把握でき、避難の要否が情報提供される」ことと、
本件特許発明1の「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記各層ごとにそれぞれ実施し、前記各層ごとの判定結果から定まる早急な調査が必要とされた層より上の層の対応についての判定を予め定められたルールに従って実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部」とは、
「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部」の点で共通する。
d 甲1発明の「構造へルスモニタリングシステム(方法、プログラム)」は、本件特許発明1の「建物安全性検証システム」に相当する。
(イ)本件特許発明1と甲1発明との一定点・相違点
よって、本件特許発明1と甲1発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。
(一致点)
「複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備えた建物安全性検証システム。」
(相違点)
建物安全性評価部が、本件特許発明1では、層間変位と固有周期とを「組み合わせた」判定を前記各層ごとにそれぞれ実施し、「前記各層ごとの判定結果から定まる早急な調査が必要とされた層より上の層の対応についての判定を予め定められたルールに従って実施して」、前記建物の健全性を評価するのに対し、甲1発明では、この点が明確でない。
(ウ)判断
上記相違点について検討する。
上記相違点に係る発明特定事項、特に、層間変位と固有周期とを「組み合わせた」判定を各層ごとにそれぞれ実施する点については、甲1における他の記載箇所及び甲2~8号証(以下、「甲2~8」という。)のいずれにも開示も示唆もされていない。
よって、甲1発明において、上記相違点に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(エ)小括
上記(ウ)で検討したとおりであるから、本件特許発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
エ 本件特許発明2について
(ア)本件特許発明2と甲1発明との対比
本件特許発明2の「建物安全性評価部」と甲1発明との対比を示す。
甲1発明の「前記各層の層間変位が予め定めた閾値を超過したかを判断し、前記各次モード振動数が予め定めた閾値を超過したかを判断し、これらの判断結果から、共同住宅の継続使用可否が把握でき、避難の要否が情報提供される」ことと、
本件特許発明2の「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部は、
前記各層ごとの判定結果に早急な対応が必要とされる状況が生じている層があると判定された場合、当該状況が生じている層と判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する」こととは、
「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部」で共通する。
(イ)本件特許発明2と甲1発明との一定点・相違点
よって、本件特許発明2と甲1発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。
(一致点)
「複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備えた建物安全性検証システム。」
(相違点)
本件特許発明2では、層間変位と固有周期とを「組み合わせた」判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部は、
「前記各層ごとの判定結果に早急な対応が必要とされる状況が生じている層があると判定された場合、当該状況が生じている層と判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する」のに対し、甲1発明では、この点が明確でない。
(ウ)判断
上記相違点について検討する。
上記相違点に係る発明特定事項、特に、層間変位と固有周期とを「組み合わせた」判定を各層ごとにそれぞれ実施する点については、甲1における他の記載箇所及び甲2~8号証(以下、「甲2~8」という。)のいずれにも開示も示唆もされていない。
よって、甲1発明において、上記相違点に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(エ)小括
上記(ウ)で検討したとおりであるから、本件特許発明2は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
オ 本件特許発明3について
(ア)本件特許発明3と甲1発明との対比
本件特許発明3の「建物安全性評価部」と甲1発明との対比を示す。
甲1発明の「前記各層の層間変位が予め定めた閾値を超過したかを判断し、前記各次モード振動数が予め定めた閾値を超過したかを判断し、これらの判断結果から、共同住宅の継続使用可否が把握でき、避難の要否が情報提供される」ことと、
本件特許発明3の「前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じているか否かを判定する判定基準が定められ、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを組み合わせた判定を前記定められた判定基準に従って前記各層ごとにそれぞれ実施して前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部は、
前記各層ごとの判定結果に、前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じていると判定した層がある場合、当該状況が生じていると判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する」こととは、
「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部」で共通する。
(イ)本件特許発明3と甲1発明との一定点・相違点
よって、本件特許発明3と甲1発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。
(一致点)
「複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とによる判定を前記各層ごとにそれぞれ実施して前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備えた建物安全性検証システム。」
(相違点)
本件特許発明3では、「前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じているか否かを判定する判定基準が定められ、」層間変位と固有周期とを「組み合わせた」判定を「前記定められた判定基準に従って」前記各層ごとにそれぞれ実施して前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部は、
「前記各層ごとの判定結果に、前記建物の早急な調査を必要とする状況が生じていると判定した層がある場合、当該状況が生じていると判定された層より上の層に対し、前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する」のに対し、甲1発明では、この点が明確でない。
(ウ)判断
上記相違点について検討する。
上記相違点に係る発明特定事項、特に、層間変位と固有周期とを「組み合わせた」判定を各層ごとにそれぞれ実施する点については、甲1における他の記載箇所及び甲2~8号証(以下、「甲2~8」という。)のいずれにも開示も示唆もされていない。
よって、甲1発明において、上記相違点に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(エ)小括
上記(ウ)で検討したとおりであるから、本件特許発明3は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
カ 本件特許発明4について
本件特許発明1~3は、上記ウ~オで検討したとおり、いずれも当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないことから、本件特許発明1~3のいずれか1項をさらに限定する特許発明4も、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
キ 本件特許発明5について
(ア)本件特許発明5と甲1発明との対比
本件特許発明5の「建物安全性評価部」と甲1発明との対比を示す。
甲1発明の「前記各層の層間変位が予め定めた閾値を超過したかを判断し、前記各次モード振動数が予め定めた閾値を超過したかを判断し、これらの判断結果から、共同住宅の継続使用可否が把握でき、避難の要否が情報提供される」ことと、
本件特許発明5の「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と、前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部が、
前記固有周期の判定結果と前記配置された場所の傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、前記判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」こととは、
「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部」の点で共通する。
(イ)本件特許発明5と甲1発明との一定点・相違点
よって、本件特許発明5と甲1発明とは、次の2点で一致し、次の点で相違する。
(一致点)
「複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備える建物安全性検証システム。」
(相違点1)
本件特許発明5では、「前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、前記建物の最上層と最上層近傍の何れかに前記配置された場所の地平に対する傾斜を検出して、前記加速度センサの計測データと異なる計測データの当該建物の傾斜角を、前記検出された傾斜から求める傾斜角計測部」を備えているのに対し、甲1発明では、この点につき明確でない。
(相違点2)
本件特許発明5では、層間変位と固有周期と「前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角」とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部が、
「前記固有周期の判定結果と前記配置された場所の傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、前記判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」のに対し、甲1発明では、この点が明確でない。
(ウ)判断
事案に鑑み、上記相違点2について検討する。
上記相違点2に係る発明特定事項、特に、固有周期の判定結果と配置された場所の傾斜角の判定結果とを「論理的に組み合わせて」判定する点については、甲1における他の記載箇所及び甲2~8号証(以下、「甲2~8」という。)のいずれにも開示も示唆もされていない。
よって、甲1発明において、上記相違点2に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(エ)小括
上記(ウ)で検討したとおりであるから、上記相違点1について検討するまでもなく、本件特許発明5は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
ク 本件特許発明6について
(ア)本件特許発明6と甲1発明との対比
本件特許発明6の「建物安全性評価部」と甲1発明との対比を示す。
甲1発明の「前記各層の層間変位が予め定めた閾値を超過したかを判断し、前記各次モード振動数が予め定めた閾値を超過したかを判断し、これらの判断結果から、共同住宅の継続使用可否が把握でき、避難の要否が情報提供される」ことと、
本件特許発明6の「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と、前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部が、
前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、前記傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」とは、
「前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部」の点で共通する。
(イ)本件特許発明6と甲1発明との一定点・相違点
よって、本件特許発明6と甲1発明とは、次の2点で一致し、次の点で相違する。
(一致点)
「複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期ととにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備える建物安全性検証システム。」
(相違点1)
本件特許発明6では、「前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、前記建物の最上層と最上層近傍の何れかに前記配置された場所の地平に対する傾斜を検出して、前記加速度センサの計測データと異なる計測データの当該建物の傾斜角を、前記検出された傾斜から求める傾斜角計測部」を備えているのに対し、甲1発明では、この点につき明確でない。
(相違点2)
本件特許発明6では、層間変位と固有周期と「前記傾斜角計測部が求めた前記傾斜角」とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部と
を備え、
前記建物安全性評価部が、
「前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、前記傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷を含めて建物の健全性を判定する」のに対し、甲1発明では、この点が明確でない。
(ウ)判断
事案に鑑み、上記相違点2について検討する。
上記相違点2に係る発明特定事項、特に、層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果とを「論理的に組み合わせて」判定する点については、甲1における他の記載箇所及び甲2~8号証(以下、「甲2~8」という。)のいずれにも開示も示唆もされていない。
よって、甲1発明において、上記相違点2に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(エ)小括
上記(ウ)で検討したとおりであるから、上記相違点1について検討するまでもなく、本件特許発明6は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
ケ 本件特許発明7~16について
本件特許発明7及び12は、本件特許発明1に記載の建物安全性検証システムにおける発明特定事項を変更せず、発明のカテゴリをそれぞれ方法及びプログラムに変更しただけのものである。
また、本件特許発明8及び13は、本件特許発明2に記載の建物安全性検証システムにおける発明特定事項を変更せず、発明のカテゴリをそれぞれ方法及びプログラムに変更しただけのものである。
また、本件特許発明9及び14は、本件特許発明3に記載の建物安全性検証システムにおける発明特定事項を変更せず、発明のカテゴリをそれぞれ方法及びプログラムに変更しただけのものである。
また、本件特許発明10及び15は、本件特許発明5に記載の建物安全性検証システムにおける発明特定事項を変更せず、発明のカテゴリをそれぞれ方法及びプログラムに変更しただけのものである。
本件特許発明11及び16は、本件特許発明6に記載の建物安全性検証システムにおける発明特定事項を変更せず、発明のカテゴリをそれぞれ方法及びプログラムに変更しただけのものである。
以上のとおりであるから、本件特許発明1~3、5及び6が、上記ウ~オ、キ及びクで検討したとおり、いずれも当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないことから、本件特許発明7~16は、いずれも、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(3)理由3(特許法第36条第6項第2号違反)について
アについて
上記アは、明確性違反を指摘するものではなく、請求項2に係る発明が不明瞭であるともいえない。
イについて
請求項2等の「前記上の層の前記各層ごとの判定結果より優先させて避難を促す情報を出力する」という記載は、日本語として明確であり、その意味も把握できるので、不明瞭であるとはいえない。
ウについて
請求項1、7、12及び請求項1を引用する請求項4の「特定の層」という記載は、本件訂正の請求により削除されたので、この理由は解消されている。
エについて
請求項2、8、13及び請求項2を引用する請求項4の「早急な対応」という記載は、日本語として明確であり、その意味も把握できるので、不明瞭であるとはいえない。
以上のとおりであるから、本件特許発明1、2、4、7、8、12、13は、いずれも、特許を受けようとする発明が明確でないとはいえない。
(4)小括
上記(1)~(3)で検討したとおりであるから、取消理由以外の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許発明1~16に係る特許を取り消すことはできない。
第6 結び
以上のとおりであるから、取消理由及び申立ての理由によっては、本件特許発明1~16に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許発明1~16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-700408