特許拒絶査定不服審判
2016-018388
遊技機
- 審判番号
- 2016-018388
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-031622外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月07日
- 審決日
- 2017年07月18日
- 公報発行日
- 2017年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015- 31622「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月25日出願公開、特開2016-152855〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成27年2月20日の出願であって、平成28年1月22日付けで拒絶の理由が通知され、これに対し同年3月22日付けで手続補正がなされたが、同年9月6日付け(発送日:9月9日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月7日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。
第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1を補正する内容を含んでおり、平成28年3月22日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は、補正箇所を示す。)。
(補正前:平成28年3月22日付け手続補正)
「【請求項1】
取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段と、
前記取得情報に基づいて、特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段による判定が行われると、所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
前記特別遊技判定手段の判定結果に基づく演出を実行する演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
第1演出を実行する第1演出実行手段と、
前記第1演出の実行中に第2演出を開始する第2演出実行手段と、
前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、を含み、
前記第2演出の開始に伴って、実行中の前記第1演出の演出態様を維持する場合と、前記第2演出の開始から所定時間経過したことに伴って、演出態様が変化した前記第1演出を開始する場合とがあり、
演出態様が変化した前記第1演出が開始された後に前記予告演出が実行される場合があることを特徴とする遊技機。」
(補正後:本件補正である平成28年12月7日付け手続補正)
「【請求項1】
取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段と、
前記取得情報に基づいて、特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段による判定が行われると、所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
前記特別遊技判定手段の判定結果に基づく演出を実行する演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記図柄の変動表示が開始される前に第1の演出態様の第1演出を開始する第1演出実行手段と、
前記第1演出が実行されている状態で、前記図柄の変動表示に伴って第2演出を開始する第2演出実行手段と、
前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、を含み、
前記演出実行手段は、
前記第2演出の開始から第1時間が経過すると前記第1の演出態様の第1演出を終了させる第1演出パターンの演出と、
前記第2演出の開始に伴って前記第1演出の演出態様を前記第1の演出態様から第2の演出態様へと変化させて、前記第2演出の開始から前記第1時間よりも長い第2時間が経過するまで当該第1演出を継続させる第2演出パターンの演出とを実行可能であり、
前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化した後に前記予告演出が実行される場合があり、
前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化すると、前記図柄の変動表示中におけるリーチ成立後も前記第2の演出態様の第1演出が継続することを特徴とする遊技機。」
2.補正の適否
(1)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「第1演出実行手段」について、補正前の「第1演出を実行」することから、補正後の「前記図柄の変動表示が開始される前に第1の演出態様の第1演出を開始」することと、開始時期を特定することにより、請求項1の記載を限定するものである。
(2)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「第2演出実行手段」について、補正前の「前記第1演出の実行中に第2演出を開始する」ことから、補正後の「前記第1演出が実行されている状態で、前記図柄の変動表示に伴って第2演出を開始する」ことと、開始時期を特定することにより、請求項1の記載を限定するものである。
(3)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「演出実行手段」について、「前記第2演出の開始に伴って、実行中の前記第1演出の演出態様を維持する場合と、前記第2演出の開始から所定時間経過したことに伴って、演出態様が変化した前記第1演出を開始する場合とがあ」ることから、補正後の「前記第2演出の開始から第1時間が経過すると前記第1の演出態様の第1演出を終了させる第1演出パターンの演出と、前記第2演出の開始に伴って前記第1演出の演出態様を前記第1の演出態様から第2の演出態様へと変化させて、前記第2演出の開始から前記第1時間よりも長い第2時間が経過するまで当該第1演出を継続させる第2演出パターンの演出とを実行可能であ」ることとすることで、「演出実行手段」が実行する演出の「演出態様」に関して、「第1演出パターン」及び「第2演出パターン」の演出を実行可能であることを特定することにより、請求項1の記載を限定するものである。
(4)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された「演出態様が変化した前記第1演出が開始された後に前記予告演出が実行される場合がある」ことから、補正後の請求項1に記載された「前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化した後に前記予告演出が実行される場合があ」ることとすることで「予告演出」が実行される時期について特定することにより、請求項1の記載を限定するものである。
(5)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「演出実行手段」について、「前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化すると、前記図柄の変動表示中におけるリーチ成立後も前記第2の演出態様の第1演出が継続する」ことという構成を付加することにより、請求項1の記載を限定するものである。
補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の特許請求の範囲に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そして、本件補正は、明細書の段落【0128】、【0131】、【0137】、【0139】、【0140】及び図11等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。
3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。
(1)本件補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の本件補正の概要において示した次に特定されるとおりのものである(A~Mについては、発明特定事項を分説するため当審で付与した。)。
「A 取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段と、
B 前記取得情報に基づいて、特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、
C 前記特別遊技判定手段による判定が行われると、所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
D 前記特別遊技判定手段の判定結果に基づく演出を実行する演出実行手段と、を備え、
E 前記演出実行手段は、
F 前記図柄の変動表示が開始される前に第1の演出態様の第1演出を開始する第1演出実行手段と、
G 前記第1演出が実行されている状態で、前記図柄の変動表示に伴って第2演出を開始する第2演出実行手段と、
H 前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、を含み、
I 前記演出実行手段は、
J 前記第2演出の開始から第1時間が経過すると前記第1の演出態様の第1演出を終了させる第1演出パターンの演出と、
K 前記第2演出の開始に伴って前記第1演出の演出態様を前記第1の演出態様から第2の演出態様へと変化させて、前記第2演出の開始から前記第1時間よりも長い第2時間が経過するまで当該第1演出を継続させる第2演出パターンの演出とを実行可能であり、
L 前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化した後に前記予告演出が実行される場合があり、
M 前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化すると、前記図柄の変動表示中におけるリーチ成立後も前記第2の演出態様の第1演出が継続することを特徴とする遊技機。」
(2)刊行物1に記載された事項
本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014―104127号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「遊技台」について、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【0057】
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
【0058】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0059】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0~65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には2つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、特図表示装置212の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、普図電動役物252の扉部材2521や可変入賞口234の扉部材2341等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334と、入賞ランプ254の発光制御を行うための駆動回路335とを接続している。なお、入賞ランプ254の発光制御は、第1副制御部400側で行うようにしてもよい。」
(イ)「【0104】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
・・・
【0115】
また、図1に示すパチンコ機100では特図の保留記憶がない。主制御部300のRAM308には特図入賞フラグが用意されている。特図入賞フラグは、普図電動役物252の扉部材2521が閉鎖するとオフ状態になる。したがって、普図電動役物252の扉部材2521が開放した直後には特図入賞フラグはオフ状態である。主制御部300のCPU304は、特図始動口230に入賞があり、且つ、特図入賞フラグがオフ状態であれば、所定の始動情報を取得する。すなわち、所定の始動情報として、特図当選乱数値、特図決定用乱数値、および特図変動時間決定用乱数値を取得する。ここで取得する特図当選乱数値は、ハードウェア乱数を加工した値(ハードウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)であり、特図決定用乱数値および特図変動時間決定用乱数値は、ソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318の、特図始動口230に対応した乱数値記憶用レジスタ、RAM308に設けられた特図変動時間決定用乱数カウンタ、ならびに乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報導出手段(第2の始動情報導出手段)の一例に相当する。ここで取得された、特図当選乱数値、特図決定用乱数値、および特図変動時間決定用乱数値は、RAM308に設けた特図始動情報記憶領域に、1セットの始動情報として記憶される。
・・・
【0150】
ステップS225における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図関連抽選処理(ステップS229)を行う。この特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が第二当否判定手段の一例に相当する。特図関連抽選処理(ステップS229)では、抽選(第一当否判定)の実行、停止表示する特図の決定、および特図の図柄変動停止表示における変動期間(第一変動期間)の決定を行う。まず、所定条件を充足したか否かを判定する。すなわち、最初に、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。ここでは、特図表示装置212が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には特図関連抽選処理は終了になる。一方、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば特図関連抽選処理は終了になり、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。ここでの判定は、RAM308に設けた特図始動情報記憶領域に始動情報が記憶されているか否かを判定する。始動情報が記憶されていなければ特図関連抽選処理は終了になり、始動情報が記憶されていれば所定の当否判定条件が成立していることになる。
【0151】
所定の当否判定条件が成立していれば、その特図始動情報記憶領域に記憶されている始動情報(特図当選乱数値、特図決定用乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を取得し、特図当否判定(第一当否判定)処理を行う。主制御部300のROM306には、特図の当否判定用テーブルが記憶されている。」
(ウ)「【0165】
特図変動期間の決定が終了すると、特図関連抽選処理(ステップS229)は終了になり、次いで、図8に示すコマンド設定送信処理(ステップS233)を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11~14はコマンド種別(ここでは、基本コマンド、特図図柄変動開始コマンド、特図図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0~10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0166】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、特図図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、特図変動時間を表す情報を含み、特図図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図始動口230への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。」
(エ)「【0171】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。」
(オ)「【0188】
第1副制御部400には、図8に示すコマンド設定送信処理(ステップS233)で、主制御部300から、普図の作動期間の開始を表す普図作動開始コマンド、普図電動役物252における扉部材2521の閉鎖を表す普図電動役物閉鎖コマンド、特図の変動開始を表す図柄変動開始コマンド等が送信される。普図作動開始コマンドには、普図電動役物252における扉部材2521の開閉パターンを表す情報が含められている。図9(a)に示すようにここでは、扉部材2521の開閉パターンは、1回開放して、1回閉鎖するパターンであるが、第1副制御部400は、この情報に基づいて、一回の普図の作動期間における扉部材2521の最後の閉鎖を認識することができる。すなわち、第一期間の一例に相当する電チュー開放終了待機時間(ここでは60秒)の直前の閉鎖を認識することができる。第1副制御部400は、演出制御処理において、まず、特別演出開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS3091)。すなわち、普図作動開始コマンドを受信してから、最後の閉鎖を表す普図電動役物閉鎖コマンドを受信するまでの間に、一度も図柄変動開始コマンドを受信しなかった場合には、特別演出開始条件が成立し、第1副制御部400のRAM408に設けられた送信領域に、特別演出コマンドを設定し(ステップS3092)、ステップS3093に進む。一方、特別演出開始条件が不成立であれば、ステップS3092の処理は行わずにステップS3093へ進む。ステップS3093では、その他の演出制御処理を行い、演出制御処理は終了する。ステップS3092で設定された特別演出コマンドは、図13(a)に示すステップS319の情報送信処理において、第2副制御部500に送信される。第2副制御部500は、特別演出コマンドを受信すると、その特別演出コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を行い、装飾図柄表示装置208には、後述する所定の特別演出の画像が表示される。」
(カ)「【0197】
以上説明したように、装飾図柄表示装置208は画像表示手段の一例に相当する。また、第1副制御部400および第2副制御部500を併せたものが、演出制御手段の一例に相当する。」
(キ)「【0314】
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否判定結果(抽選結果)を報知する報知手段であって、図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様(特図A~特図F)を停止表示するまでの図柄変動表示を行う図柄表示手段の一例に相当する。」
(ク)「【0447】
図38(b)は特図の装飾図柄の一例を示した図である。本実施形態における特図の装飾図柄には、「装飾1」~「装飾10」の10種類がある。保留消化条件が成立した場合に、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特図表示装置212および第2特図表示装置214とは別に、特図の装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。特図の装飾図柄を変動表示および停止表示は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214における図柄の変動表示および停止表示と同期している。」
(ケ)「【0449】
以下、装飾図柄表示装置208において、この「特図の装飾図柄の変動表示」を開始してから特図の装飾図柄の停止図柄態様(装飾図柄の組合せ)を停止表示するまでの表示を特図用装飾図柄の変動表示と称することがある。特図用装飾図柄の変動表示は、第1副制御部400が制御することによって行われる。」
(コ)「【0534】
図46(ツ)には、大当り遊技終了直後の装飾図柄表示装置208の様子が示されている。この装飾図柄表示装置208の特図2保留表示領域282には、大当り遊技が終了したことで、図45(タ)のタイミングで電チューに入球し増加した特図2の保留数を表す第1~第4特図2保留アイコン2821~2824が表示されている。
【0535】
図46(テ)に示す装飾図柄表示装置208の上方には、確変状態であることを表す「確変中」という文字表示が行われている。すなわち、遊技情報を報知する演出が行われている。また、次回大当りまで電サポ状態が継続する。また、この図46(テ)では、第2特図表示装置214による図柄変動表示が開始され、装飾図柄表示装置208では特図2の装飾図柄の変動表示が開始されている。一方、これまで図柄変動表示を行っていた普図表示装置210は停止表示を行い、図46(テ)に示す普図表示装置210には、電チューショート開放の普図Aが停止表示されている。ここで停止表示した普図の図柄変動表示は、大当り遊技を跨いで行われた図柄変動表示であり、大当り遊技中の非電サポ状態における普図の当否判定の結果を報知する図柄変動表示である。
【0536】
さらに、普図演出領域283では、電サポ状態であることから普図演出は行われず(図41に示すステップS601参照)、この普図演出領域283は、消化保留アイコンの表示領域として機能している。すなわち、ここで開始された特図2の第1保留を表す第1特図2保留アイコン2821が、特図の図柄変動表示とともに特図2保留表示領域282から、別領域である普図演出領域283に移動し、その後、当該図柄変動が終了する以前に普図演出領域283で消える。また、特図2保留表示領域282内では、今まで第2特図2保留アイコン2822であった保留アイコンが、普図演出領域283の右隣である第1特図2保留アイコン表示位置までシフト移動し、第2特図3保留アイコン2823以降の保留アイコンも同様に一つ左側へシフト移動する。なお、今まで第1特図2保留アイコン2821であった消化保留アイコンが消化保留アイコンの表示領域となった普図演出領域283(第二の領域)まで移動する時間(第二の移動完了時間)は、特図2保留表示領域282(第一の領域)に残った未消化保留アイコン(今まで第2~第4特図2保留アイコン2822~2824であった保留アイコン)が、特図2保留表示領域282内の別の位置まで移動する時間(第一の移動完了時間)とは異なる。また、当該変動に対応する保留アイコン(消化保留アイコン)を遊技者に長く見せて、保留が一つ消化されたことを強く印象付けるには、上記第二の移動完了時間の方が、上記第一の移動完了時間よりも長い方が好ましい。さらに、普図演出領域283は、特図1の消化保留アイコンと特図2の消化保留アイコンの共通の移動先であるが、普図演出領域283を2つに分け、特図1の消化保留アイコンの移動先と特図2の消化保留アイコンの移動先を別々に設けてもよい。
【0537】
図46(ト)では、第2特図表示装置214の図柄変動表示が終了し、停止図柄が表示されるとともに、装飾図柄表示装置208でははずれの装飾図柄の組み合わせである「装飾4-装飾5-装飾7」が停止表示される。一方、普図表示装置210では、普図の図柄変動表示が開始されている。なお、普図演出領域283に移動した第1特図2保留アイコン2821(消化保留アイコン)は消えており、電サポ状態では確率的にはほぼ電チューロング開放に当選するため、普図表示装置210で図柄変動表示が開始されても普図演出は行われていない(図41に示すステップS601参照)。」
(サ)「【0538】
続いて、第2特図表示装置214による図柄変動表示が再び開始されるとともに、装飾図柄表示装置208では特図2の装飾図柄の変動表示が再び開始され、図46(ナ)に示す装飾図柄表示装置208には、特図2の大当り予告の演出として、お姫様のキャラクタC3が登場する。このキャラクタC3も、装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bを越えて大きく表示され、足の部分が、普図演出領域283の一部を隠すとともに、頭の部分は、「確変中」という文字表示(遊技情報報知演出)の一部を隠している。図46(ナ)に示す普図演出領域283では、消化保留アイコン2820が、デフォルトの表示態様とは異なる、当該変動における大当り予告(偽の大当り予告も含む)の表示態様(ここではパンダの顔の表示態様)に変化しているが、キャラクタC3によって視認困難になっており、遊技の興趣が向上する。なお、消化保留アイコン2820は、普図演出領域283への移動中、あるいは移動完了後に、表示態様を変化させる。また、遊技情報報知演出もキャラクタC3によって視認困難になっており、遊技の興趣が向上する。さらに、図46(ナ)に示す普図表示装置210には、電チューロング開放の普図Bが停止表示されている。
【0539】
図46(ニ)に示す装飾図柄表示装置208では、キャラクタC3は消え、特図2の装飾図柄の変動表示でリーチ演出に発展する。キャラクタC3が消えたことにより、普図演出領域283における消化保留アイコン2820による大当り予告は良好に視認することができる。なお、図46(ニ)では、電チューロング開放が開始されているが、電サポ状態では確率的にはほぼ電チューロング開放に当選するため、電チュー開放報知演出も行われていない(図41に示すステップS601参照)。この電チューロング開放中に、遊技球が電チューに進入し、特図2の保留は満タン(4つ)になる。
【0540】
図46(ヌ)に示す普図表示装置210では図柄変動表示が開始されるが、普図演出領域283には、何の図柄も表示されず、普図の装飾図柄の変動表示は非実行である。また、この装飾図柄表示装置208では、特図2の装飾図柄の変動表示がスーパーリーチに発展し、スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2が登場する。このキャラクタC2も、装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bを越えて大きく表示され、足の部分が、普図演出領域283の一部を隠し、普図演出領域283が視認困難になっている。普図演出領域283は何の図柄も表示されていないが、遊技者からは、普図の装飾図柄の変動表示が行われているか否かがわかりづらくなっており、遊技の興趣が向上する。」
(シ)「【0618】
なお、第三の演出は、保留アイコンであったり、時短回数や連荘数の表示であったりしてもよい。」
上記(ア)~(シ)の記載事項から、以下の事項が導かれる。
(a)上記(イ)【0115】には、主制御部300のCPU304は、特図始動口230に入賞があり、且つ、特図入賞フラグがオフ状態であれば、所定の始動情報を取得することが記載されている。
そうすると、刊行物1には、特図始動口230に入賞があり、且つ、特図入賞フラグがオフ状態であれば、所定の始動情報を取得する主制御部300が記載されているといえる。
(b)上記(イ)【0104】、【0150】、【0151】には、主制御部300のCPU304が実行することとして、特図関連抽選処理を行うこと、及び、特図関連抽選処理では、特図始動情報記憶領域に始動情報が記憶されているか否かを判定し、始動情報が記憶されていれば、その始動情報を取得し、特図当否判定処理を行うことが記載されている。
そうすると、刊行物1には、始動情報を取得し、当否の判定を行う主制御部300が記載されているといえる。
(c)上記(ア)【0057】~【0059】には、主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、特図表示装置212の表示制御を行うための駆動回路324を接続していることが、また、上記(キ)【0314】には、第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否判定結果(抽選結果)を報知する報知手段であって、図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示するまでの図柄変動表示を行う図柄表示手段であることが記載されている。
そうすると、刊行物1には、図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示するまでの図柄変動表示を行う特図表示装置の表示制御を行う主制御部300が記載されているといえる。
(d)上記(ウ) 【0165】、【0166】には、特図関連抽選処理が終了すると、各種のコマンドが第1副制御部400に送信されること、及び、コマンドには、特図停止図柄を表す情報等含むことが、上記(エ)【0171】には、第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになることが、上記(オ)【0188】には、第1副制御部400は、演出制御処理において、まず、特別演出開始条件が成立したか否かを判定し、特別演出開始条件が成立すると特別演出コマンドを設定し、第2副制御部500に送信し、第2副制御部500は、特別演出コマンドを受信すると、その特別演出コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を行い、装飾図柄表示装置208には、所定の特別演出の画像が表示されることが、上記(カ)【0197】には、第1副制御部400および第2副制御部500を併せたものが、演出制御手段の一例に相当することが、上記(ケ)【0449】には、特図用装飾図柄の変動表示は、第1副制御部400が制御することによって行われることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物1には、特図停止図柄を表す情報等を含むコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定して特図用装飾図柄の変動表示を行う第1副制御部400及び装飾図柄表示装置208に所定の特別演出の画像を表示する第2副制御部500の演出制御手段が記載されているといえる。
(e)上記(d)より、刊行物1には、演出制御手段が記載されている。
(f)上記(コ)【0534】、【0535】には、大当り遊技終了直後の装飾図柄表示装置208の特図2保留表示領域282には、特図2の保留数を表す第1~第4特図2保留アイコン2821~2824が表示されており、その後、第2特図表示装置214による図柄変動表示が開始されることが記載されている。
そうすると、刊行物1には、演出制御手段は、第2特図表示装置214による図柄変動表示が開始される前に第1特図2保留アイコン2821を表示することが記載されているといえる。
(g)上記(ク)【0447】には、特図の装飾図柄の変動表示および停止表示は、第2特図表示装置214における図柄の変動表示および停止表示と同期していることが、上記(コ)【0534】~【0537】には、装飾図柄表示装置208の特図2保留表示領域282には、特図2の保留数を表す第1~第4特図2保留アイコン2821~2824が表示されており、その後、第2特図表示装置214による図柄変動表示が開始され、装飾図柄表示装置208では特図2の装飾図柄の変動表示が開始されており、消化保留アイコンの表示領域として機能している普図演出領域283に、ここで開始された特図2の第1保留を表す第1特図2保留アイコン2821が、特図の図柄変動表示とともに特図2保留表示領域282から、別領域である普図演出領域283に移動して消化保留アイコンとして表示され、その後、当該図柄変動が終了する以前に普図演出領域283で消えることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物1には、演出制御手段は、表示されている第1特図2保留アイコン2821を別領域である普図演出領域283に移動して消化保留アイコンとして表示し、第2特図表示装置214における図柄の変動表示の開始に同期して装飾図柄表示装置208で装飾図柄の変動表示を開始することが記載されているといえる。
(h)上記(サ)【0540】には、装飾図柄表示装置208では、特図2の装飾図柄の変動表示がスーパーリーチに発展し、スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2が登場することが記載されている。
そうすると、刊行物1には、演出制御手段は、スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2を登場させることが記載されているといえる。
(i)上記(d)より、刊行物1には、演出制御手段が記載されている。
(j)上記(g)より、刊行物1には、演出制御手段は、装飾図柄の変動表示が開始されてから、図柄変動が終了する以前に、消化保留アイコンとして表示されていた第1特図2保留アイコン2821を消すことが記載されているといえる。
(k)上記(コ)【0536】には、消化保留アイコンの表示領域として機能している普図演出領域283に、ここで開始された特図2の第1保留を表す第1特図2保留アイコン2821が、特図の図柄変動表示とともに特図2保留表示領域282から、別領域である普図演出領域283に移動することが、上記(サ)【0538】には、第2特図表示装置214による図柄変動表示が再び開始されるとともに、装飾図柄表示装置208では特図2の装飾図柄の変動表示が再び開始されると、普図演出領域283では、消化保留アイコン2820が、普図演出領域283への移動完了後に、デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化することあることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物1には、演出制御手段は、装飾図柄の変動表示の開始とともに別領域である普図演出領域283に移動した消化保留アイコン2820を、移動完了後にデフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化させることが可能であることが記載されているといえる。
(l)上記(サ)【0538】~【0540】には、普図演出領域283では、消化保留アイコン2820が、デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化した後に、特図2の装飾図柄の変動表示がリーチ演出に発展し、さらに、スーパーリーチに発展し、スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2が登場することが記載されている。
そうすると、刊行物1には、演出制御手段は、消化保留アイコン2820が、デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化した後に、スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2を登場させることが記載されているといえる。
(m)上記(ア)【0057】には、パチンコ機100が、上記(サ)【0538】、【0539】には、普図演出領域283では、消化保留アイコン2820が、デフォルトの表示態様とは異なる表示態様(ここではパンダの顔の表示態様)に変化しているが、キャラクタC3によって視認困難になっていること、及び、装飾図柄表示装置208で、キャラクタC3が消え、特図2の装飾図柄の変動表示でリーチ演出に発展すると、キャラクタC3が消えたことにより、普図演出領域283における消化保留アイコン2820は良好に視認することができることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物1には、消化保留アイコン2820がパンダの顔の表示態様に変化すると、装飾図柄の変動表示がリーチ演出に発展しても視認することができるパチンコ機100が記載されているといえる。
以上、上記(ア)~(シ)の記載事項及び上記(a)~(m)の認定事項を総合すれば、刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている(a~mは発明の構成を分説するため当審で付与した。)。
「a 特図始動口230に入賞があり、且つ、特図入賞フラグがオフ状態であれば、所定の始動情報を取得する主制御部300と、
b 始動情報を取得し、当否の判定を行う主制御部300と、
c 図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示するまでの図柄変動表示を行う特図表示装置の表示制御を行う主制御部300と、
d 特図停止図柄を表す情報等を含むコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定して特図用装飾図柄の変動表示を行う第1副制御部400及び装飾図柄表示装置208に所定の特別演出の画像を表示する第2副制御部500の演出制御手段と、を備え、
e 演出制御手段は、
f 第2特図表示装置214による図柄変動表示が開始される前に第1特図2保留アイコン2821を表示し、
g 表示されている第1特図2保留アイコン2821を別領域である普図演出領域283に移動して消化保留アイコンとして表示し、第2特図表示装置214における図柄の変動表示の開始に同期して装飾図柄表示装置208で装飾図柄の変動表示を開始し、
h スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2を登場させ、
i 演出制御手段は、
j 装飾図柄の変動表示が開始されてから、図柄変動が終了する以前に、消化保留アイコンとして表示されていた第1特図2保留アイコン2821を消し、
k 装飾図柄の変動表示の開始とともに別領域である普図演出領域283に移動した消化保留アイコン2820を、移動完了後にデフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化させることが可能であり、
l 消化保留アイコン2820が、デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化した後に、スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2を登場させ、
m 消化保留アイコン2820がパンダの顔の表示態様に変化すると、装飾図柄の変動表示がリーチ演出に発展しても視認することができるパチンコ機100。」
(3)対比
本願補正発明と引用発明1とを対比する。なお、見出しは(a)~(m)とし、本願補正発明、引用発明1の分説に対応させている。
(a)引用発明1の「所定の始動情報」は、本願補正発明1の「取得情報」に相当する。
そして、引用発明1において、「特図始動口230に入賞があり、且つ、特図入賞フラグがオフ状態であ」るという取得条件が成立したときに、「所定の始動情報を取得」しているといえる。
したがって、引用発明1の「特図始動口230に入賞があり、且つ、特図入賞フラグがオフ状態であれば、所定の始動情報を取得する主制御部300」は、本願補正発明1の「取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段」としての機能を有する。
(b)引用発明1の「始動情報を取得」し、当否の判定を行うことは、取得した始動情報を用いて、当否の判定をおこなうことであるから、引用発明1の「始動情報を取得」することは、本願補正発明の「前記取得情報に基づ」くことに相当する。
また、当該技術分野において、取得した始動情報を用いて行う当否の判定が、特別遊技を実行するか否かの判定であることは技術常識であるから、引用発明1の「当否の判定を行う」ことは、本願補正発明の「特別遊技を実行するか否かを判定する」ことに相当する。
したがって、引用発明1の「始動情報を取得し、当否の判定を行う主制御部300」は、本願補正発明の「前記取得情報に基づいて、特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段」としての機能を有する。
(c)上記(b)より、引用発明1の「当否判定」は、本願補正発明の「特別遊技判定手段による判定」に相当する。
また、引用発明1の「特図表示装置」及び「当否判定の結果に対応した図柄態様」は、本願補正発明の「図柄表示手段」及び「判定の結果を示す図柄」に相当する。
したがって、引用発明1の「図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示するまでの図柄変動表示を行う特図表示装置の表示制御を行う主制御部300」は、本願補正発明の「前記特別遊技判定手段による判定が行われると、所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段」としての機能を有する。
(d)引用発明1の「特図停止図柄」は、上記(c)の「当否判定の結果に対応した図柄態様」であるから、本願補正発明の「特別遊技判定手段の判定結果」を示す図柄に相当するから、引用発明1の「特図停止図柄を表す情報等を含むコマンドデータの情報に基づ」くことは、本願補正発明の「特別遊技判定手段の判定結果に基づく」ことに相当する。
また、引用発明1の「演出制御内容を決定して特図用装飾図柄の変動表示を行う」こと及び「装飾図柄表示装置208に所定の特別演出の画像を表示する」ことは、本願補正発明の「演出を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明1の「第1副制御部400」及び「第2副制御部500」とからなる「演出制御手段」は、本願補正発明の「演出実行手段」に相当する。
よって、引用発明1の「特図停止図柄を表す情報等を含むコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定して特図用装飾図柄の変動表示を行う第1副制御部400及び装飾図柄表示装置208に所定の特別演出の画像を表示する第2副制御部500の演出制御手段」は、本願補正発明の「前記特別遊技判定手段の判定結果に基づく演出を実行する演出実行手段」に相当する。
(e)、(i)上記(d)より、引用発明1の「演出制御手段」は、本願補正発明の「演出実行手段」に相当する。
(f)引用発明1の「第2特図表示装置214による図柄変動表示が開始される前」は、本願補正発明の「図柄の変動表示が開始される前」に相当する。
そして、上記(2)(シ)【0618】より、刊行物1には「保留アイコン」の「表示」は「演出」であることが記載されているから、引用発明1の「第1特図2保留アイコン2821」の「表示」は、本願補正発明の「第1の演出態様の第1演出」に相当する。
したがって、引用発明1の、演出制御手段は、本願補正発明の、「前記図柄の変動表示が開始される前に第1の演出態様の第1演出を開始する第1演出実行手段」を備えているといえる。
(g)上記(f)での検討を踏まえると、引用発明1の「表示されている第1特図2保留アイコン2821を別領域である普図演出領域283に移動して消化保留アイコンとして表示し」た状態は、本願補正発明の「前記第1演出が実行されている状態」に相当する。
また、引用発明1の「装飾図柄の変動表示」は、図柄の変動に伴うものであるので、本願補正発明の「第2演出」に相当する。
したがって、引用発明1の「第2特図表示装置214における図柄の変動表示の開始に同期して装飾図柄表示装置208で装飾図柄の変動表示を開始」することは、本願補正発明の「前記図柄の変動表示に伴って第2演出を開始する」ことに相当する。
よって、引用発明1の、演出制御手段は、本願補正発明の、「前記第1演出が実行されている状態で、前記図柄の変動表示に伴って第2演出を開始する第2演出実行手段」を備えているといえる。
(h)「スーパーリーチ」が、特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する演出であることは、当該技術分野の当業者にとって明らかなことである。
したがって、引用発明1の「スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2を登場させ」ることは、本願補正発明の「前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能」である結果であり、引用発明1の演出制御手段は、本願補正発明の「予告演出実行手段」を含んでいるといえる。
よって、引用発明1の、演出制御手段は、本願補正発明の、「前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能な予告演出実行手段」を含むといえる。
(j)上記(g)より、引用発明1の「装飾図柄の変動表示」は、本願補正発明の「第2演出」に相当する。
また、上記(f)より、引用発明1の「第1特図2保留アイコン2821」を「表示」することは、本願補正発明の「第1演出態様の第1演出」に相当する。
そして、引用発明1の、装飾図柄の変動表示が「開始されてから、図柄変動が終了する以前に、消化保留アイコンとして表示されていた第1特図2保留アイコン2821」を「消」すことは、本願補正発明の、第2演出の「開始から第1時間が経過すると」第1の演出態様の第1演出を「終了させる」こと、すなわち、「第1演出パターンの演出」を実行することに相当する。
したがって、引用発明1の、演出制御手段は、「装飾図柄の変動表示が開始されてから、図柄変動が終了する以前に、消化保留アイコンとして表示されていた第1特図2保留アイコン2821を消」すことは、本願補正発明の、演出実行手段は、「前記第2演出の開始から第1時間が経過すると前記第1の演出態様の第1演出を終了させる第1演出パターンの演出」を実行可能である構成を含んでいる。
(k)上記(g)より、引用発明1の「装飾図柄の変動表示」は、本願補正発明の「第2演出」に相当する。
また、引用発明1の「別領域である普図演出領域283に移動した消化保留アイコン2820」は、移動前から表示されていたものであるから、本願補正発明の「第1演出」の「第1の演出態様」にあることは明らかである。
そして、引用発明1の「デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様」は、「第1の演出態様」とは異なるから、本願補正発明の「第2の演出態様」に相当する。
したがって、引用発明1の「装飾図柄の変動表示の開始とともに別領域である普図演出領域283に移動した消化保留アイコン2820を、移動完了後にデフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化させ」ることは、本願補正発明の「前記第2演出の開始に伴って前記第1演出の演出態様を前記第1の演出態様から第2の演出態様へと変化させ」ることに相当する。
そして、「デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化させ」た「消化保留アイコン2820」の表示、すなわち、「第1演出」が所定時間(第2時間)が経過するまで継続していることは明らかであるから、引用発明1は、「前記第2演出の開始から」「第2時間が経過するまで当該第1演出を継続させる」演出を実行しているといえる。
よって、引用発明1の、演出制御手段は、「装飾図柄の変動表示の開始とともに別領域である普図演出領域283に移動した消化保留アイコン2820を、移動完了後にデフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化させることが可能であ」ることは、本願補正発明の、演出実行手段は、「前記第2演出の開始に伴って前記第1演出の演出態様を前記第1の演出態様から第2の演出態様へと変化させて、前記第2演出の開始から」「第2時間が経過するまで当該第1演出を継続させる第2演出パターンの演出とを実行可能であ」る点で共通する。
(l)上記(k)における検討を踏まえると、引用発明1の「消化保留アイコン2820が、デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化」することは、本願補正発明の「前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化」することに相当する。
また、上記(h)より、引用発明1の「スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2を登場させ」ることは、本願補正発明の「予告演出が実行」されることに相当する。
したがって、引用発明1の、演出制御手段は、「消化保留アイコン2820が、デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化した後に、スーパーリーチの演出として、女中のキャラクタC2を登場させ」ることは、本願補正発明の「前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化した後に前記予告演出が実行される場合」に相当する。
(m)引用発明1の「消化保留アイコン2820がパンダの顔の表示態様に変化する」ことは、本願補正発明の、「前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化」することに相当する。
また、引用発明1の「装飾図柄の変動表示がリーチ演出に発展」することは、本願補正発明の「図柄の変動表示中に」おいて「リーチ」が「成立」することに相当するので、引用発明1の「リーチ演出に発展しても」「パンダの顔の表示態様に変化」した「消化保留アイコン2820」を「視認することができる」ことは、本願補正発明の「リーチ成立後も」「第2の演出態様の第1演出が継続する」ことに相当する。
また、引用発明1の「パチンコ機100」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明1の「消化保留アイコン2820がパンダの顔の表示態様に変化すると、装飾図柄の変動表示がリーチ演出に発展しても視認することができる」「パチンコ機100」は、本願補正発明の「前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化すると、前記図柄の変動表示中におけるリーチ成立後も前記第2の演出態様の第1演出が継続する」「遊技機」に相当する。
上記(a)~(m)の対比により、本願補正発明と引用発明1とは、
「A 取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段と、
B 前記取得情報に基づいて、特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、
C 前記特別遊技判定手段による判定が行われると、所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
D 前記特別遊技判定手段の判定結果に基づく演出を実行する演出実行手段と、を備え、
E 前記演出実行手段は、
F 前記図柄の変動表示が開始される前に第1の演出態様の第1演出を開始する第1演出実行手段と、
G 前記第1演出が実行されている状態で、前記図柄の変動表示に伴って第2演出を開始する第2演出実行手段と、
H 前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、を含み、
I 前記演出実行手段は、
J 前記第2演出の開始から第1時間が経過すると前記第1の演出態様の第1演出を終了させる第1演出パターンの演出と、
K’ 前記第2演出の開始に伴って前記第1演出の演出態様を前記第1の演出態様から第2の演出態様へと変化させて、前記第2演出の開始から第2時間が経過するまで当該第1演出を継続させる第2演出パターンの演出とを実行可能であり、
L 前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化した後に前記予告演出が実行される場合があり、
M 前記第1演出の演出態様が前記第2の演出態様に変化すると、前記図柄の変動表示中におけるリーチ成立後も前記第2の演出態様の第1演出が継続する遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点]
第2演出パターンの演出における当該第1演出を継続させる前記第2演出の開始からの経過時間である第2時間に関して、本願補正発明では、第2時間は第1時間よりも長いのに対し、引用発明1では、そのような特定がされていない点。
(4)判断
上記相違点について検討する。
図柄の変動中に消化保留アイコンの演出が変化する場合における当該図柄の変動表示を、演出が変化しない場合における当該図柄の変動表示より、長い時間継続するようにすることは、当該技術分野においては技術常識であることを考慮すると、引用発明1において、「パンダの顔の表示態様に変化させ」た「消化保留アイコン2820」が表示された場合に、上記(j)において検討した、消化保留アイコンとして表示した「第1特図2保留アイコン2821」より、長い時間、「第1演出」を「継続」するようにすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得る設計的事項にすぎない。
そして、引用発明1において、「装飾図柄の変動表示」、すなわち、「第2演出」の開始から、消化保留アイコンとして表示した「第1特図2保留アイコン2821」が消えるまでが「第1時間」であるから、消化保留アイコンとして表示した「第1特図2保留アイコン2821」よりも長い時間、「デフォルトの表示態様とは異なる、パンダの顔の表示態様に変化」させた「消化保留アイコン2820」を表示するようにすることにより、「第1時間よりも長い第2時間が経過するまで」「第1演出を継続」させる「第2演出パターンの演出」を実行するようにして、上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(5)審判請求人の主張について
審判請求書において、請求人は、本願補正発明の作用効果として下記のように主張している(8頁2~16行)。
「第1演出の演出態様が変化する場合の方が、変化しない場合に比べて、第1演出がより長く継続する。このたま、遊技者は、第1演出の演出態様が変化するか否かに基づいて、第1演出が終了するまでの時間を推測しながら遊技を楽しむことができる。」
「第1演出の演出態様が第2の演出態様に変化すると、図柄の変動表示中におけるリーチ成立後も第2の演出態様の第1演出が継続する。このため、例えば、第2の演出態様の第1演出と、リーチ成立後に行われる演出との相乗効果によって、演出効果を効果的に向上させることが可能である。」
「第1演出の演出態様が第2の演出態様に変化すると、リーチ成立後も第2の演出態様の第1演出が継続するので、遊技者は、第1演出の演出態様が第2の演出態様に変化するか否かに基づいて、リーチが成立するか否かを認識することが可能である。」
この主張について検討すると、上記(3)(f)~(m)において検討したとおり、刊行物1には、第1演出の演出態様が変化すること、及び、リーチ成立後も第2の演出態様の第1演出が継続することが記載されているから、請求人の主張する効果について、全て記載されているといえる。
よって、請求人の主張は採用できない。
(6)小括
よって、本願補正発明は引用発明1に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4.むすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明
1.請求項1に係る発明
本願補正発明は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年3月22日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で補正前として記載されたとおりのものである(A~L1については、発明特定事項を分説するため当審で付与した。A~E、Hについては、上記第2の3.(1)で本願補正発明として記載されたものと共通するので同一の符号を付与し、F1、G1、J1、K1、L1については、F、G、J、K、Lとの共通構成を考慮して付与した。)。
「A 取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段と、
B 前記取得情報に基づいて、特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、
C 前記特別遊技判定手段による判定が行われると、所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
D 前記特別遊技判定手段の判定結果に基づく演出を実行する演出実行手段と、を備え、
E 前記演出実行手段は、
F1 第1演出を実行する第1演出実行手段と、
G1 前記第1演出の実行中に第2演出を開始する第2演出実行手段と、
H 前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、を含み、
J1 前記第2演出の開始に伴って、実行中の前記第1演出の演出態様を維持する場合と、
K1 前記第2演出の開始から所定時間経過したことに伴って、演出態様が変化した前記第1演出を開始する場合とがあり、
L1 演出態様が変化した前記第1演出が開始された後に前記予告演出が実行される場合があることを特徴とする遊技機。」
2.刊行物2に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-249717号公報(以下、「刊行物2」という。)には、「遊技台」について、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【請求項1】
遊技球が始動領域に進入したことに基づいて生成した始動情報を所定の複数の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段に始動情報が記憶されたことを表す始動保留表示を該始動情報記憶手段に記憶された始動情報ごとに表示する始動保留表示手段と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づいて当否判定を行い当否判定結果を導出する当否判定手段と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報ごとに、図柄変動表示を行ってから前記当否判定の結果を表す図柄態様を停止表示する図柄表示手段と、
を備えた遊技台であって、
前記始動保留表示手段は、前記図柄変動表示が開始された場合に、開始された所定の図柄変動表示に対応した始動情報についての始動保留表示である消化始動保留表示を消し、該消化始動保留表示を消しても、該図柄変動表示が開始されていない始動情報についての始動保留表示である未消化始動保留表示が残るときには、該所定の図柄変動表示が開始される前の表示位置とは異なる新たな表示位置に該未消化始動保留表示を表示するものであって、
前記所定の図柄変動表示が開始されてから前記未消化始動保留表示が前記新たな表示位置に表示されるまでの時間よりも該図柄変動表示が開始されてから前記消化始動保留表示が消されるまでの時間の方が長いことを特徴とする遊技台。」
(イ)「【0032】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、所定の図柄表示手段である。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄であり、装飾図柄表示装置208も、所定の図柄表示手段としてもよい。」
(ウ)「【0054】
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
【0055】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0056】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0~65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。」
(エ)「【0065】
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
・・・
【0067】
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
【0068】
第1副制御部400と第2副制御部500を併せた副制御手段は、遊技制御手段である主制御部300からの指令信号を受信し、受信した指令信号に基づいて、装飾図柄表示装置208等の演出手段を制御する。」
(オ)「【0101】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
・・・
【0111】
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満である場合には、所定の始動情報を取得する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値を取得する。・・・」
(カ)「【0135】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。・・・」
(キ)「【0161】
ステップS231の特図1関連抽選処理に続いて行われるステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11~14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0~10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0162】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、特図変動時間を表す情報などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演出開始コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。」
(ク)「【0170】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。」
(ケ)「【0176】
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断時処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図11を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
・・・
【0181】
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。また、この演出制御処理では、始動入賞時サブ側先読み予告実行処理、変動開示時サブ側予告実行処理、および復電時サブ側フラグ設定処理も行われる。これらの各処理については詳しくは後述する。
・・・
【0186】
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
・・・
【0190】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
<第2副制御部500の処理>
第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行する。第2副制御部500には、装飾図柄表示装置208に画像を表示する画像制御部が接続されている。この画像制御部は、VRAM(ビデオRAM)およびGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を有する。GPUは、第2副制御部500のROMに記憶された絵柄情報等を第2副制御部500のCPUからの信号に基づいて読み出してVRAMの表示領域(ワークエリア)を使用して表示画像を生成し装飾図柄表示装置208に画像を表示する。」
(コ)「【0240】
図18は、電サポ中における本実施形態における保留表示の第一の具体例を示す図である。
【0241】
図18(a)に示す状態では特図2の保留数は3つであり、装飾図柄表示装置208には保留表示が3つ表示されている。この時点における最も古い保留1と、次に古い保留を保留2は、丸い図形を無模様かつ一色で表示するデフォルトの表示態様で保留表示(保留1表示291,保留2表示292)がなされ、この時点における最も新しい保留3は、予告報知になる普通の宝箱の表示態様で保留表示(保留3表示293)がなされている。
・・・
【0243】
同図(e)では、保留2に基づく図柄変動表示が開始され、保留2表示292がその開始タイミングと同タイミングで消え、保留2表示292が消えると同時に、保留2表示292が表示されていた保留1表示領域に保留3表示293がシフトしたように見ることができる。すなわちここでも、保留表示は、図柄変動表示が開始される前に表示されていた位置から一つ繰り上がった新たな位置に表示されたように見ることができる。ここにいう新たな位置は、消化始動保留表示の一例に相当する保留2表示292が表示されていた位置である。ここでは、保留3表示293が表示されていた保留2表示領域から保留3表示293が消え、保留表示が1つ減っただけのようにも見ることができるが、保留3表示293は、左隣の保留1表示領域に再表示されている。この保留3表示293の表示態様は普通の宝箱であり、保留3表示293は、保留3の始動情報に基づく当否判定の結果が15Rの大当りになることを予告するための予告報知を兼ねている。
【0244】
同図(g1)~(g3)では、保留3に基づく図柄変動表示が開始され、保留3が消化される。この保留3に基づく図柄変動表示が開始された場合には、図柄変動表示が開始されてから保留3表示293が消えるまでの時間は、シフト完了までの時間よりも長く、ここでは、同図(f)から同図(h)の2コマ分の時間である。この時間が経過する間に、表示態様が宝箱A1の場合には、同図(g1)に示すように、図柄変動表示が開始されても宝箱が一向に開かない様子が表示され、表示態様が宝箱A2の場合には、同図(g2)に示すように、図柄変動表示が開始されると宝箱が開いて、中から商人のキャラクタが出現する場面が表示され、表示態様が宝箱A3の場合には、同図(g3)に示すように、図柄変動表示が開始されると宝箱が開いて、中から殿様のキャラクタが出現する場面が表示される。同図(g1)~同図(g3)に示すいずれの場合であっても、保留3表示293は継続されている。その後、同図(h)に示すように表示変化を終えた保留3表示293は消える。なお、同図(i)に示す装飾図柄表示装置208では、図9(b)に示すパンダのキャラクタが登場し、リーチAの演出態様が行われている。しかしながら、図18(j)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せが停止表示されている。したがって、この第一の具体例における保留表示の表示態様を利用した予告報知は偽の予告報知であったことになる。しかしながら、遊技者は、同図(g1)~同図(g3)の場面で、保留表示が変化すか否か、あるいは変化してどのキャラクタが出現するかに強い興味を示し、遊技の興趣が向上する場合がある。」
(サ) 図18(a)~(j)には、装飾図柄表示装置208における表示の具体例が時系列で示されている。図18(g1)~(g3)には、図18(g)に示される状態において、3種類の表示態様の宝箱A1~A3が表示される場合があることが示されている。
上記(ア)~(コ)の記載事項及び図面の図示内容(サ)から、以下の事項が導かれる。
(a)上記(オ)【0101】、【0111】には、主制御部300のCPU304は主制御部タイマ割り込み処理を実行すること、及び、主制御部タイマ割り込み処理では、入賞受付処理を行い、この入賞受付処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数未満である場合には、所定の始動情報を取得することが記載されている。
そうすると、刊行物2には、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数未満である場合には、所定の始動情報を取得する主制御部300が記載されているといえる。
(b)上記(ア)【請求項1】には、始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づいて当否判定を行い当否判定結果を導出する当否判定手段が、上記(カ)【0135】には、特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段に相当することが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物2には、始動情報に基づいて、当否判定を行う主制御部300が記載されているといえる。
(c)上記(ア)【請求項1】には、始動情報記憶手段に記憶されている始動情報ごとに、図柄変動表示を行ってから前記当否判定の結果を表す図柄態様を停止表示する図柄表示手段が、上記(イ)【0032】には、第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、所定の図柄表示手段であることが、上記(ウ)【0054】~【0056】には、主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324を接続していることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物2には、図柄変動表示を行ってから当否判定の結果を表す図柄態様を停止表示する図柄表示手段の表示制御を行う主制御部300が記載されているといえる。
(d)上記(エ)【0065】、【0067】、【0068】には、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置208の制御を行うための第2副制御部500が接続され、第1副制御部400と第2副制御部500を併せた副制御手段は、装飾図柄表示装置208等の演出手段を制御することが、上記(キ)【0161】、【0162】には、特図1関連抽選処理が終了すると、各種のコマンドが第1副制御部400に送信されること、及び、コマンドには、特図停止図柄を表す情報等含むことが、上記(ク)【0170】には、第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになることが、上記(ケ)【0176】、【0181】、【0186】、【0190】には、第1副制御部400は、演出制御処理を行い、第2副制御部500に制御コマンドを送信し、第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行することが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物2には、特図停止図柄を表す情報等を含むコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定して装飾図柄表示装置208の演出手段の制御を実行する第1副制御部400及び第2副制御部500からなる副制御手段が記載されているといえる。
(e)上記(d)より、刊行物2には、副制御手段が記載されている。
(f1)上記(コ)【0241】には、図18(a)に示す状態では特図2の保留数は3つであり、装飾図柄表示装置208には保留表示が3つ表示されていること、及び、この時点における最も新しい保留3は、普通の宝箱の表示態様で保留表示(保留3表示293)がなされていることが記載されている。
そうすると、刊行物2には、副制御手段は、宝箱の表示態様で保留3表示293を表示することが記載されているといえる。
(g1)上記(コ)【0243】、【0244】には、保留2表示292が消えると同時に、保留2表示292が表示されていた保留1表示領域に保留3表示293がシフトしたように見ることができ、保留3に基づく図柄変動表示が開始されることが記載されている。
そうすると、刊行物2には、副制御手段は、保留3表示293を表示した状態で、保留3に基づく図柄変動表示を開始することが記載されているといえる。
(h)上記(コ)【0244】には、装飾図柄表示装置では、リーチAの演出態様が行われていることが記載されている。
そうすると、刊行物2には、副制御手段は、リーチAの演出態様を行うことが記載されている。
(j1)上記(コ)【0244】には、保留3に基づく図柄変動表示が開始されてから保留3表示293が消えるまでの時間が経過する間に、保留3表示293の表示態様が宝箱A1の場合には、宝箱が一向に開かない様子が表示されることが記載されている。
そうすると、刊行物2には、副制御手段は、保留3に基づく図柄変動表示が開始した後、保留3表示293の表示態様が宝箱A1の場合には、宝箱が一向に開かないようにすることが記載されているといえる。
(k1)上記(コ)【0244】には、保留3に基づく図柄変動表示が開始されると保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面が表示されることが記載されている。
そうすると、刊行物2には、副制御手段は、保留3に基づく図柄変動表示が開始されると、保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示することが記載されている。
(l1)上記(ウ)【0054】には、パチンコ機100が、上記(コ)【0244】には、上記(k1)で検討したように、保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面が表示されることが記載されており、さらに、図18(i)では、リーチAの演出態様が行われていることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物2には、副制御手段は、保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示した後にリーチAの演出態様を行うパチンコ機100が記載されているといえる。
以上、上記(ア)~(コ)の記載事項、図面の図示内容(サ)及び上記(a)~(l1)の認定事項を総合すれば、刊行物2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている(a~l1は発明の構成を分説するため当審で付与した。)。
「a 第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数未満である場合には、所定の始動情報を取得する主制御部300と、
b 始動情報に基づいて、当否判定を行う主制御部300と、
c 図柄変動表示を行ってから当否判定の結果を表す図柄態様を停止表示する図柄表示手段の表示制御を行う主制御部300と、
d 特図停止図柄を表す情報等を含むコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定して装飾図柄表示装置208の演出手段の制御を実行する第1副制御部400及び第2副制御部500からなる副制御手段と、を備え、
e 副制御手段は、
f1 宝箱の表示態様で保留3表示293を表示し、
g1 保留3表示293を表示した状態で、保留3に基づく図柄変動表示を開始し、
h リーチAの演出態様を行い、
j1 保留3に基づく図柄変動表示が開始した後、保留3表示293の表示態様が宝箱A1の場合には、宝箱が一向に開かないようにし、
k1 保留3に基づく図柄変動表示が開始されると、保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示し、
l1 保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示した後にリーチAの演出態様を行うパチンコ機100。」
3.対比
本願発明と引用発明2とを対比する。なお、見出しは(a)~(l1)とし、本願発明、引用発明2の分説に対応させている。
(a)引用発明2の「所定の始動情報」は、本願発明の「取得情報」に相当する。
そして、引用発明2において、「第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数未満である」という取得条件が成立したときに、「所定の始動情報を取得」しているといえる。
したがって、引用発明2の「第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数未満である場合には、所定の始動情報を取得する主制御部300」は、本願発明の「取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段」としての機能を有する。
(b)引用発明2の「始動情報」は、本願発明の「取得情報」に相当する。
また、当該技術分野において、始動情報に基づいて行う当否の判定が、特別遊技を実行するか否かの判定であることは技術常識であるから、引用発明2の「当否判定を行う」ことは、本願発明の「特別遊技を実行するか否かを判定する」ことに相当する。
したがって、引用発明2の「始動情報に基づいて、当否判定を行う主制御部300」は、本願発明の「前記取得情報に基づいて、特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段」としての機能を有する。
(c)上記(b)より、引用発明2の「当否判定」は、本願発明の「特別遊技判定手段による判定」に相当する。
そうすると、引用発明2の「当否判定の結果を表す図柄態様」は、本願発明の「判定の結果を示す図柄」に相当する。
また、引用発明2の「図柄表示手段」は、本願発明の「図柄表示手段」に相当する。
したがって、引用発明2の「図柄変動表示を行ってから当否判定の結果を表す図柄態様を停止表示する図柄表示手段の表示制御を行う主制御部300」は、本願発明の「前記特別遊技判定手段による判定が行われると、所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段」としての機能を有する。
(d)引用発明2の「特図停止図柄」は、上記(c)の「当否判定の結果を表す図柄態様」であるから、本願発明の「特別遊技判定手段の判定結果」を示す図柄に相当するから、引用発明2の「特図停止図柄を表す情報等を含むコマンドデータの情報に基づ」くことは、本願発明の「特別遊技判定手段の判定結果に基づく」ことに相当する。
また、引用発明2の「演出制御内容を決定して装飾図柄表示装置208の演出手段の制御を実行する」ことは、本願発明の「演出を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明2の「第1副制御部400」及び「第2副制御部500」とからなる「副制御手段」は、本願発明の「演出実行手段」に相当する。
よって、引用発明2の「特図停止図柄を表す情報等を含むコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定して装飾図柄表示装置208の演出手段の制御を実行する第1副制御部400及び第2副制御部500からなる副制御手段」は、本願発明の「前記特別遊技判定手段の判定結果に基づく演出を実行する演出実行手段」に相当する。
(e)上記(d)より、引用発明2の「副制御手段」は、本願発明の「演出実行手段」に相当する。
(f1)引用発明2の「宝箱の表示態様で保留3表示293を表示」することは、本願発明の「第1演出」に相当する。
したがって、引用発明2の、副制御手段は、本願発明の、「第1演出を実行する第1演出実行手段」を備えているといえる。
(g1)引用発明2の「保留3表示293を表示した状態」は、本願発明の「前記第1演出の実行中」に相当する。
また、引用発明2の「保留3に基づく図柄変動表示」は、本願発明の「第2演出」に相当する。
したがって、引用発明2の、副制御手段は、本願発明の「前記第1演出の実行中に第2演出を開始する第2演出実行手段」を備えているといえる。
(h)「リーチ」が、特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出であることは、当該技術分野の当業者にとって明らかなことである。
したがって、引用発明2の「リーチAの演出態様を行」うことは、本願発明の「前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能」であることを含んでおり、引用発明2の副制御手段は、本願発明の「予告演出実行手段」を含んでいるといえる。
よって、引用発明2の、副制御手段は、本願発明の、演出実行手段は、「前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能な予告演出実行手段」を含むといえる。
(j1)上記(g1)より、引用発明2の「保留3に基づく図柄変動表示」は、本願発明の「第2演出」に相当する。
また、引用発明2の「保留3表示293」が「宝箱」の「表示態様」で表示することは、本願発明の「第1演出」に相当する。
そして、引用発明2の「宝箱が一向に開かない」ようにすることは、表示されている宝箱の表示態様が変化しないことであるから、本願発明の「実行中の第1演出の演出態様を維持する」ことに相当する。
したがって、引用発明2の、副制御手段は、「保留3に基づく図柄変動表示が開始した後、保留3表示293の表示態様が宝箱A1の場合には、宝箱が一向に開かないように」することは、本願発明の、演出実行手段は、「前記第2演出の開始に伴って、実行中の前記第1演出の演出態様を維持する場合」があることに相当する。
(k1)上記(g1)より、引用発明2の「保留3に基づく図柄変動表示」は、本願発明の「第2演出」に相当し、上記(j1)より、引用発明2の「保留3表示293」が「宝箱」の「表示態様」で表示することは、本願発明の「第1演出」に相当する。
また、引用発明2の「宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示する」ことは、本願発明の「演出態様が変化」することに相当するから、引用発明2の「保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示する」ことは、本願発明の「演出態様が変化した前記第1演出を開始する」ことに相当する。
そして、引用発明2は、「保留3に基づく図柄変動表示が開始されると」、すなわち、開始された後に、「宝箱が開」くものであるから、本願発明の「第2演出の開始から所定時間経過したことに伴って」、「演出態様が変化」するものである。
したがって、引用発明2の、副制御手段は、「保留3に基づく図柄変動表示が開始されると、保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示する」ことは、本願発明の、演出実行手段は、「前記第2演出の開始から所定時間経過したことに伴って、演出態様が変化した前記第1演出を開始する場合」があることに相当する。
(l1)上記(k1)より、引用発明2の「保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示」することは、本願発明の「演出態様が変化した前記第1演出が開始され」ることに相当する。
そして、上記(h)より、引用発明2の「リーチAの演出態様」は、本願発明の「予告演出」に相当する。
また、引用発明2の「パチンコ機100」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明2の、副制御手段は、「保留3表示293の表示態様が宝箱A2やA3の場合には、宝箱が開いて中からキャラクタが出現する場面を表示した後にリーチAの演出態様を行う」「パチンコ機100」は、本願発明の、演出実行手段は、「演出態様が変化した前記第1演出が開始された後に前記予告演出が実行される場合がある」「遊技機」に相当する。
上記(a)~(l1)の対比により、本願発明と引用発明2とは、
「A 取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段と、
B 前記取得情報に基づいて、特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、
C 前記特別遊技判定手段による判定が行われると、所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
D 前記特別遊技判定手段の判定結果に基づく演出を実行する演出実行手段と、を備え、
E 前記演出実行手段は、
F1 第1演出を実行する第1演出実行手段と、
G1 前記第1演出の実行中に第2演出を開始する第2演出実行手段と、
H 前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、を含み、
J1 前記第2演出の開始に伴って、実行中の前記第1演出の演出態様を維持する場合と、
K1 前記第2演出の開始から所定時間経過したことに伴って、演出態様が変化した前記第1演出を開始する場合とがあり、
L1 演出態様が変化した前記第1演出が開始された後に前記予告演出が実行される場合がある遊技機。」
である点で一致しており、相違点はない。
4.判断
したがって、本願発明は引用発明2と同一であり、刊行物2に記載された発明といえる。
仮に、相違点があったとしても、本願発明は引用発明2から当業者が容易に想到することができたものであるといえる。
5.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、又は特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項である請求項2について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-018388