特許拒絶査定不服審判
2016-018366
遊技機
- 審判番号
- 2016-018366
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-071262外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月07日
- 審決日
- 2017年06月20日
- 公報発行日
- 2017年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京楽産業.株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 エビス国際特許事務所
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015- 71262「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年11月10日出願公開、特開2016-189899〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成27年3月31日の出願であって、平成28年1月25日付けで拒絶の理由が通知され、これに対し同年3月31日付けで手続補正がなされたが、同年9月6日付け(発送日:9月13日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月7日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。
第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載を含む補正であり、平成28年3月31日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は、補正箇所を示す。)。
(補正前:平成28年3月31日付け手続補正)
「【請求項1】
始動条件が成立した場合、遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、
複数種類の演出図柄を変動表示する複数の可変表示部を有する可変表示手段と、
前記特別遊技判定手段によって判定が行われた場合、前記可変表示手段の複数の前記可変表示部における演出図柄の変動表示を制御し、前記特別遊技の制御を行うとする判定結果である場合は、予め定められた特定の演出図柄の組み合わせを停止表示させる演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
変動表示中において、前記複数の可変表示部のうち最後に演出図柄が停止表示される最終停止可変表示部を除く前記可変表示部に前記特定の演出図柄の組み合わせの一部を構成する演出図柄を停止表示させる特定演出を実行可能であって、特定演出実行後に演出図柄の変動表示を複数回行う遊技演出を実行可能であり、さらに該遊技演出の実行後に再度特定演出を実行可能であり、
前記特定演出実行後に前記遊技演出を実行してから再度特定演出を実行する場合、該遊技演出の実行後は、該遊技演出の実行前に実行された特定演出と同種類の特定演出を行ってから、前記特別遊技判定手段による判定結果が前記特別遊技を行うとする期待度が高い特定演出を実行可能である、ことを特徴とする遊技機。」
(補正後:本件補正である平成28年12月7日付け手続補正)
「【請求項1】
始動条件が成立した場合、遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、
複数種類の演出図柄を変動表示する複数の可変表示部を有する可変表示手段と、
前記特別遊技判定手段によって判定が行われた場合、前記可変表示手段の複数の前記可変表示部において演出図柄を変動表示させ、前記特別遊技の制御を行うとする判定結果である場合は、予め定められた特定の演出図柄の組み合わせを停止表示させる変動演出を実行する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記変動演出として演出図柄の変動表示を複数回行う特別変動演出を実行可能であって該特別変動演出の実行中に段階的に演出が進展する特別演出を実行可能であり、
前記特別変動演出における、先に行われる演出図柄の変動表示、及び、後に行われる演出図柄の変動表示において、前記複数の可変表示部のうち最後に演出図柄が停止表示される最終停止可変表示部を除く前記可変表示部に前記特定の演出図柄の組み合わせの一部を構成する演出図柄を停止表示させる特定演出を実行可能であり、
前記先に行われる演出図柄の変動表示で特定演出を実行した場合、前記後に行われる演出図柄の変動表示で前記先に行われる演出図柄の変動表示で実行された特定演出と同種類の特定演出を行ってから、前記特別遊技判定手段による判定結果が前記特別遊技を行うとする期待度が高い特定演出を実行可能であり、
前記特別変動演出の実行期間が第1期間の場合は、第1特別演出を実行し、
前記特別変動演出の実行期間が前記第1期間よりも長い第2期間の場合は、前記第1特別演出の少なくとも一部と同じ演出を含むとともに前記第1特別演出とは異なる演出を含む第2特別演出を実行可能である、ことを特徴とする遊技機。」
2.補正の適否
(1)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「演出制御手段」について、補正前の「前記可変表示部における演出図柄の変動表示を制御」することから、補正後の「前記可変表示部において演出図柄を変動表示させ」ることと、表現上の変更をしたものである。
(2)補正後の請求項1は、補正前の「遊技演出」から、補正後の「特別変動演出」と表現上の変更をするとともに、「特別変動演出」において「特別演出」を行うこと、及び「前記特別変動演出の実行期間が第1期間の場合は、第1特別演出を実行し、前記特別変動演出の実行期間が前記第1期間よりも長い第2期間の場合は、前記第1特別演出の少なくとも一部と同じ演出を含むとともに前記第1特別演出とは異なる演出を含む第2特別演出を実行可能である」ことを特定することにより、請求項1の記載を限定するものである。
そして、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の特許請求の範囲に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そして、本件補正は、明細書の段落【0050】~【0053】、【0136】、【0387】、【0392】~【0396】、【0432】、【0433】、【0436】及び図48、図52、図54、図55等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。
3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。
(1)本件補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の本件補正の概要において示した次に特定されるとおりのものである(A~Iについては、発明特定事項を分説するため当審で付与した。)。
「A 始動条件が成立した場合、遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、
B 複数種類の演出図柄を変動表示する複数の可変表示部を有する可変表示手段と、
C 前記特別遊技判定手段によって判定が行われた場合、前記可変表示手段の複数の前記可変表示部において演出図柄を変動表示させ、前記特別遊技の制御を行うとする判定結果である場合は、予め定められた特定の演出図柄の組み合わせを停止表示させる変動演出を実行する演出制御手段と、を備え、
D 前記演出制御手段は、
E 前記変動演出として演出図柄の変動表示を複数回行う特別変動演出を実行可能であって該特別変動演出の実行中に段階的に演出が進展する特別演出を実行可能であり、
F 前記特別変動演出における、先に行われる演出図柄の変動表示、及び、後に行われる演出図柄の変動表示において、前記複数の可変表示部のうち最後に演出図柄が停止表示される最終停止可変表示部を除く前記可変表示部に前記特定の演出図柄の組み合わせの一部を構成する演出図柄を停止表示させる特定演出を実行可能であり、
G 前記先に行われる演出図柄の変動表示で特定演出を実行した場合、前記後に行われる演出図柄の変動表示で前記先に行われる演出図柄の変動表示で実行された特定演出と同種類の特定演出を行ってから、前記特別遊技判定手段による判定結果が前記特別遊技を行うとする期待度が高い特定演出を実行可能であり、
H 前記特別変動演出の実行期間が第1期間の場合は、第1特別演出を実行し、
I 前記特別変動演出の実行期間が前記第1期間よりも長い第2期間の場合は、前記第1特別演出の少なくとも一部と同じ演出を含むとともに前記第1特別演出とは異なる演出を含む第2特別演出を実行可能である、ことを特徴とする遊技機。」
(2)刊行物に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012―245163号公報(以下、「刊行物」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【請求項1】
遊技盤面に設けられた始動入賞口に遊技球が入賞することで抽選を実行する通常遊技の進行を制御すると共に、前記抽選が当選のとき、前記遊技盤面上に設けられ前記通常遊技中は閉止されている大入賞口を所定期間開放することにより遊技球の入賞を可能とする特別遊技の進行を制御する遊技進行制御手段と、
表示装置に、予め定められた複数の図柄列の変動を含む画像演出を表示し、その後に停止される各図柄列の図柄配列状態によって前記抽選の結果を報知する、或いは、前記抽選の結果を報知する前に前記複数の図柄列の内最終停止図柄列を残して当選図柄で仮停止させるリーチ演出を介して停止される各図柄列の図柄配列状態によって前記抽選の結果を報知する報知手段と、
前記報知手段で報知される前記図柄列の変動を含む画像演出の形態として、前記リーチ演出を実行した後に実行される一連の動作であり、前記最終停止図柄列を特定図柄で仮停止及び再変動しかつ当該再変動中に特定演出を実行する擬似連動作を、所定回数繰り返した後、前記抽選の結果を報知するための最終停止図柄で停止させるリーチ後擬似連演出を実行する演出実行制御手段とを有し、
前記演出実行制御手段が、
前記リーチ後擬似連演出を実行するとき、前記擬似連動作の回数に基づいて、当該擬似連動作が開始される毎に、前記リーチ演出で仮停止されたリーチ図柄の表示状態を変更することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記リーチ図柄の表示状態の変更が、
前記擬似連動作が繰り返される毎に、前記リーチ図柄自体を複製して表示することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記複製された複数のリーチ図柄は、互いに一部が重なるように多重表示されることを特徴とする請求項2記載の遊技機。」
(イ)「【0044】
LCD表示部106では、例えば、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行される。なお、3列の内、先に2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの1列が変動中の場合を、「リーチ」という。」
(ウ)「【0100】
(遊技仕様の概要)
まず、主制御部150における抽選処理を中心とした遊技制御について説明する。
【0101】
特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134に、遊技球PBが入賞すると、有効始動入賞か否かが主制御部150によって判断される。この有効始動入賞とは、保留球が満杯(例えば、1個の始動口に対して4個)ではなく、かつ特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134へ遊技球PBが入賞したことを言い、これによって抽選権利を得ることになる。なお、無効始動入賞時は、抽選の権利は与えられないが、所定数(3~5個程度)の賞球払出しがなされる場合もある。
【0102】
上記始動入賞が有効始動入賞であった場合に主制御部150は、図示を省略した乱数発生部から入賞タイミングに応じて当落抽選用の乱数を取得し、かつ、予め記憶されている当り値を読み出し、双方を比較して、特別図柄抽選が当りか外れかを判定する。
【0103】
・・・
【0104】
この特別図柄抽選の当り/外れに基づいて、図柄変動パターン演出時間を設定し、特別図柄抽選結果、図柄変動パターン時間を含むコマンドを演出制御部152へ送出する。」
(エ)「【0105】
演出制御部152では、LCD表示部106やスピーカ60等の出力系デバイスを制御して、特別図柄抽選の結果を、設定された演出時間を使って報知する。例えば、LCD表示部106では、図柄変動パターン演出が実行される。」
(オ)「【0106】
この報知後、特別図柄抽選の結果が当たりの場合には、特別遊技状態(大当たり処理)が実行される。通常遊技状態では常に閉止状態のアタッカー112を所定のラウンド数(5R,10R,15R)だけ開閉する。なお、アタッカー112の開放時間は最大30秒であり、アタッカー112が開放中に所定数(例えば、8~10個)の遊技球の入賞があった時点で閉止し、所定の閉止時間をおいて、次のラウンド(開放)に移行する。これにより、遊技者は短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる。」
(カ)「【0107】
ここで、前記特別図柄抽選の結果が判明すると、その抽選情報が、主制御部150から演出制御部152へ送出され、演出制御部152では、指示された演出時間等に基づいて、図柄変動パターン種を選択することになる。図柄変動パターン演出は、基本的には、3列の図柄の変動が開始され、様々な演出画像を経て各列の図柄が確定(本停止)するという流れであり、その中から、指示された演出時間に基づいて、リーチの有無、リーチ種等を選択する。なお、リーチ種とは、一般的には演出の違いを示し、特別図柄抽選の当選の可能性を示す比率(期待値等)が定められており、通常は、演出に登場するキャラクタやストーリーの違い、並びに、演出時間に差異を持たせている。これにより、リーチは、期待値の低い順にノーマルリーチ群、スーパーリーチ群、プレミアムリーチ群等に分類され、期待値に基づくそれぞれの選択比率によって選択される。
【0108】
また、本実施の形態では、上記のような図柄変動パターン演出において、3列の図柄が確定する前の図柄変動中において、擬似連演出が選択される場合がある。この擬似連演出には、従来から存在するリーチ前擬似連演出(図5参照)に加え、本実施の形態では、リーチ後擬似連演出(図6参照)を設定した。」
(キ)「【0123】
リーチ後擬似連演出は、図柄変動パターン演出が開始され、図8(A)に示される如く、左図柄列と右図柄列がそれぞれ「7」図柄で仮停止すると、リーチ図柄280と共に基本リーチ図柄画像282が表示される。
【0124】
このリーチ後も中図柄列は変動継続しており、仮停止動作後に、前記中図柄列特定図柄(擬似連図柄G)が仮停止される場合がある(図8(B)参照)。このとき、図柄(すなわち、「7-G-7」)は、縮小されると共に1回目の擬似連図柄強調画像284が表示され擬似連演出が開始される。この1回目の擬似連演出が開示されることを表現するべく、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示される。
【0125】
・・・
【0126】
・・・
【0127】
擬似連が開始すると、中図柄が再変動されると共に、LCD表示部106の中央部では例えば予告演出286等が実行される予告画像288が表示される(図8(C)参照)。
【0128】
図8(C)に示す予告演出が終了すると、再変動中の中図柄列が仮停止動作に入り、再度、擬似連図柄Gで仮停止すると、2回目の擬似連図柄強調画像290が表示され(図8(D)参照)、擬似連が継続される。この継続が長ければ長いほど、特別図柄抽選の結果が当選になる期待感が高まる。
【0129】
この2回目の擬似連演出が開示されることを表現するべく、3個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示される。
【0130】
・・・
【0131】
なお、擬似連図柄Gで仮停止しなかった場合は、擬似連が終了するが、既にリーチは確定しており、その後に1回以上の予告演出があったため、ノーマルリーチよりも期待値の高いスーパーリーチ演出等を実行する。」
上記(ア)~(キ)の記載事項から、以下の事項が導かれる。
(1-a)上記(ウ)【0101】、【0102】には、遊技球PBが入賞すると、有効始動入賞か否かが主制御部150によって判断され、始動入賞が有効始動入賞であった場合に主制御部150は、特別図柄抽選が当りか外れかを判定することが、上記(オ)【0106】には、特別図柄抽選の結果が当たりの場合には、特別遊技状態(大当たり処理)が実行され、遊技者は短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物には、始動入賞が有効始動入賞であった場合、遊技者が短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる特別遊技状態を実行するための特別図柄抽選が当りか外れかを判定する主制御部150が記載されているといえる。
(1-b)上記(イ)【0044】には、LCD表示部106では、3列の図柄列が独立して変動することが、上記(カ)【0107】には、図柄変動パターン演出は、基本的には、3列の図柄の変動が開始され、様々な演出画像を経て各列の図柄が確定(本停止)するという流れであることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物には、様々な演出画像を経て各列の図柄が確定する独立して変動する3列の図柄列を有するLCD表示部106が記載されているといえる。
(1-c)上記(イ)【0044】には、LCD表示部106では、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行されることが、上記(ウ)【0100】、【0104】には、主制御部150は、特別図柄抽選の当り/外れに基づいて、図柄変動パターン演出時間を設定し、特別図柄抽選結果、図柄変動パターン時間を含むコマンドを演出制御部152へ送出することが、上記(エ)【0105】には、演出制御部152では、LCD表示部106等を制御して、特別図柄抽選の結果を、設定された演出時間を使って報知する、例えば、LCD表示部106では、図柄変動パターン演出が実行されることが、それぞれ、記載されている。
また、特別図柄抽選の結果が出るのは、上記(1-a)で言及した特別図柄抽選が当りか外れか判定された後であるといえる。
そうすると、刊行物には、特別図柄抽選が当りか外れか判定されると、LCD表示部106において3列の図柄列を独立して変動させ、3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった図柄変動パターン演出を実行する演出制御部152が記載されているといえる。
(1-d)上記(1-c)より刊行物には、演出制御部152が記載されている。
(1-e)上記(ア)【請求項1】には、図柄列の変動を含む画像演出の形態として、最終停止図柄列を特定図柄で仮停止及び再変動する擬似連動作を、所定回数繰り返し、擬似連動作の回数に基づいて、擬似連動作が開始される毎に、リーチ演出で仮停止されたリーチ図柄の表示状態を変更することが、同【請求項2】には、擬似連動作が繰り返される毎に、リーチ図柄自体を複製して表示することが、同【請求項3】には、複製された複数のリーチ図柄は、互いに一部が重なるように多重表示されることが、上記(カ)【0108】には、図柄変動パターン演出において、3列の図柄が確定する前の図柄変動中において、擬似連演出が選択される場合があることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物には、演出制御部152は、図柄列の変動を含む画像演出の形態として最終停止図柄列を特定図柄で仮停止及び再変動する擬似連動作を実行することがあり、擬似連動作が繰り返される毎にリーチ図柄を複製し互いに一部が重なるように多重表示することが記載されている。
(1-f)上記(ア)【請求項1】には、抽選の結果を報知する前に前記複数の図柄列の内最終停止図柄列を残して当選図柄で仮停止させるリーチ演出を行うことが、上記(カ)【0107】には、図柄変動パターン演出は、リーチの有無、リーチ種等を選択することが、上記(キ)【0123】、【0124】、【0127】には、図柄変動パターン演出が開始され、左図柄列と右図柄列がそれぞれ「7」図柄で仮停止すると、リーチ図柄280と共に基本リーチ図柄画像282が表示され、このリーチ後も中図柄列は変動継続しており、仮停止動作後に、前記中図柄列特定図柄(擬似連図柄G)が仮停止され、擬似連演出が開始されると、中図柄が再変動されることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物には、演出制御部152は、擬似連演出において、左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続し、中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止された後、中図柄を再変動することが記載されているといえる。
(1-g)上記(1-f)での摘記事項に加え、上記(キ)【0127】、【0131】には、中図柄が再変動された後に、擬似連図柄Gで仮停止しなかった場合は、ノーマルリーチよりも期待値の高いスーパーリーチ演出等を実行することが記載されている。
そうすると、刊行物には、演出制御部152は、左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続し、中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止された後の、中図柄の再変動において、擬似連図柄Gで仮停止しなかった場合は、ノーマルリーチよりも期待値の高いスーパーリーチ演出等を実行することが記載されているといえる。
(1-h)上記(キ)【0124】には、仮停止動作後に、前記中図柄列特定図柄(擬似連図柄G)が仮停止される場合、1回目の擬似連演出が開示されることを表現するべく、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示されることが記載されている。
そうすると、刊行物には、演出制御部152は、擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出の1回目は、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示することが記載されているといえる。
(1-i)上記(ア)【請求項1】には、遊技機が記載されている。
また、上記(1-h)での摘記事項に加え、上記(キ)【0128】、【0129】には、再変動中の中図柄列が、再度、擬似連図柄Gで仮停止すると、2回目の擬似連演出が開示されることを表現するべく、3個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示されることが記載されている。
そうすると、刊行物には、演出制御部152は、擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出が2回行われる場合は、1回目は、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示し、2回目は、3個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示する遊技機が記載されているといえる。
以上、上記(ア)~(キ)の記載事項及び上記(1-a)~(1-i)の認定事項を総合すれば、刊行物には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(a~iは発明の構成を分説するため当審で付与した。)。
「a 始動入賞が有効始動入賞であった場合、遊技者が短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる特別遊技状態を実行するための特別図柄抽選が当りか外れかを判定する主制御部150と、
b 様々な演出画像を経て各列の図柄が確定する独立して変動する3列の図柄列を有するLCD表示部106と、
c 特別図柄抽選が当りか外れか判定されると、LCD表示部106において3列の図柄列を独立して変動させ、3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった図柄変動パターン演出を実行する演出制御部152と、を備え、
d 演出制御部152は、
e 図柄列の変動を含む画像演出の形態として最終停止図柄列を特定図柄で仮停止及び再変動する擬似連動作を実行することがあり、擬似連動作が繰り返される毎にリーチ図柄を複製し互いに一部が重なるように多重表示し、
f 擬似連演出において、左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続し、中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止された後、中図柄を再変動し、
g 左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続し、中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止された後の、中図柄の再変動において、擬似連図柄Gで仮停止しなかった場合は、ノーマルリーチよりも期待値の高いスーパーリーチ演出等を実行し、
h 擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出の1回目は、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示し、
i 擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出が2回行われる場合は、1回目は、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示し、2回目は、3個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示する遊技機。」
(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)~(i)とし、本願補正発明、引用発明の分説に対応させている。
(a)引用発明の「始動入賞が有効始動入賞であった」ことは、本願補正発明の「始動条件が成立した」ことに相当する。
また、引用発明の「遊技者が短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる特別遊技状態を実行する」ことは、本願補正発明の「遊技者にとって有利な特別遊技を行う」ことに相当する。
したがって、引用発明の「特別図柄抽選が当りか外れかを判定する主制御部150」は、本願補正発明の「特別遊技判定手段」に相当する。
よって、引用発明の「始動入賞が有効始動入賞であった場合、遊技者が短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる特別遊技状態を実行するための特別図柄抽選が当りか外れかを判定する主制御部150」は、本願補正発明の「始動条件が成立した場合、遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段」に相当する。
(b)引用発明の「様々な演出画像を経て各列の図柄が確定する」ことは、確定するまで「様々な演出画像を経て」いること、つまり、「変動表示」していることであることは明らかであるから、本願補正発明の「複数種類の演出図柄を変動表示する」ことに相当する。
また、引用発明の「独立して変動する3列の図柄列」は、本願補正発明の「複数の可変表示部」に相当する。
したがって、引用発明の「様々な演出画像を経て各列の図柄が確定する独立して変動する3列の図柄列を有するLCD表示部106」は、本願補正発明の「複数種類の演出図柄を変動表示する複数の可変表示部を有する可変表示手段」に相当する。
(c)上記(a)より、引用発明の「特別図柄抽選が当りか外れか判定される」ことは、本願補正発明の「前記特別遊技判定手段によって判定が行われ」ることに相当する。
また、上記(b)より、引用発明の「LCD表示部106において3列の図柄列を独立して変動させ」ることは、本願補正発明の「前記可変表示手段の複数の前記可変表示部において演出図柄を変動表示させ」ることに相当する。
そして、引用発明の「3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった図柄変動パターン演出」は、本願補正発明の「前記特別遊技の制御を行うとする判定結果である場合は、予め定められた特定の演出図柄の組み合わせを停止表示させる変動演出」に相当する。
したがって、引用発明の「特別図柄抽選が当りか外れか判定されると、LCD表示部106において3列の図柄列を独立して変動させ、3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった図柄変動パターン演出を実行する演出制御部152」は、本願補正発明の「前記特別遊技判定手段によって判定が行われた場合、前記可変表示手段の複数の前記可変表示部において演出図柄を変動表示させ、前記特別遊技の制御を行うとする判定結果である場合は、予め定められた特定の演出図柄の組み合わせを停止表示させる変動演出を実行する演出制御手段」に相当する。
(d)上記(c)より、引用発明の「演出制御部152」は、本願補正発明の「演出制御手段」に相当する。
(e)引用発明の「最終停止図柄列を特定図柄で仮停止及び再変動する」ことは、本願補正発明の「演出図柄の変動表示を複数回行う」ことに相当することから、引用発明の「図柄列の変動を含む画像演出の形態として最終停止図柄列を特定図柄で仮停止及び再変動する擬似連動作を実行することがあ」ることは、本願補正発明の「前記変動演出として演出図柄の変動表示を複数回行う特別変動演出を実行可能」であることに相当する。
また、引用発明の「擬似連動作が繰り返される」ときは、本願補正発明の「該特別変動演出の実行中」に相当し、引用発明の「リーチ図柄」を「表示」することは、本願補正発明の「演出」に相当する。
そうすると、引用発明の「擬似連動作が繰り返される毎にリーチ図柄を複製し互いに一部が重なるように多重表示」することは、本願補正発明の「該特別変動演出の実行中に段階的に演出が進展する特別演出」に相当する。
したがって、引用発明の演出制御部152は、「図柄列の変動を含む画像演出の形態として最終停止図柄列を特定図柄で仮停止及び再変動する擬似連動作を実行することがあり、擬似連動作が繰り返される毎にリーチ図柄を複製し互いに一部が重なるように多重表示」することは、本願補正発明の演出制御手段は、「前記変動演出として演出図柄の変動表示を複数回行う特別変動演出を実行可能であって該特別変動演出の実行中に段階的に演出が進展する特別演出を実行可能であ」る構成を含んでいる。
(f)引用発明の「擬似連演出」は、本願補正発明の「特別変動演出」に相当する。
また、引用発明の「左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続」することは、本願補正発明の「複数の可変表示部のうち最後に演出図柄が停止表示される最終停止可変表示部を除く前記可変表示部に前記特定の演出図柄の組み合わせの一部を構成する演出図柄を停止表示させる特定演出」に相当する。
上記(e)より本願補正発明の「特別変動演出」は、「演出図柄の変動表示を複数回行う」ものであることから、引用発明の「中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止」するまでの「変動」が、本願補正発明の「先に行われる演出図柄の変動表示」に相当し、引用発明の「中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止」してからの「中図柄」の「再変動」が、本願補正発明の「後に行われる演出図柄の変動表示」に相当するといえる。
そして、引用発明は、「中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止」するまでの「変動」においても、「中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止」してからの「再変動」においても「中図柄」の「変動」を行っていることから、本願補正発明の「先に行われる演出図柄の変動表示、及び、後に行われる演出図柄の変動表示において」、「特定演出」を実行可能とする共通の構成を有するものである。
したがって、引用発明の演出制御部152は、「擬似連演出において、左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続し、中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止された後、中図柄を再変動」することは、本願補正発明の演出制御手段は、「前記特別変動演出における、先に行われる演出図柄の変動表示、及び、後に行われる演出図柄の変動表示において、前記複数の可変表示部のうち最後に演出図柄が停止表示される最終停止可変表示部を除く前記可変表示部に前記特定の演出図柄の組み合わせの一部を構成する演出図柄を停止表示させる特定演出を実行可能であ」る構成を含んでいる。
(g)上記(f)より、引用発明の「左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続」することは、本願補正発明の「特定演出」に相当する。
したがって、引用発明の「左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続し、中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止」することは、本願補正発明の「先に行われる演出図柄の変動表示で特定演出を実行した」ことに相当する。
また、引用発明の「中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止された後の、中図柄の再変動」は、本願補正発明の「後に行われる演出図柄の変動表示」に相当する。
そして、引用発明は「中図柄列に擬似連図柄G」が「仮停止」する前も後も「中図柄」を「変動」する同種類のノーマルリーチを実行するものであるから、本願補正発明の「前記後に行われる演出図柄の変動表示で前記先に行われる演出図柄の変動表示で実行された特定演出と同種類の特定演出を行って」いるものといえる。
また、引用発明の「ノーマルリーチよりも期待値の高いスーパーリーチ演出等」は、本願補正発明の「前記特別遊技判定手段による判定結果が前記特別遊技を行うとする期待度が高い特定演出」に相当し、引用発明の「中図柄の再変動において、擬似連図柄Gで仮停止しなかった場合」は、「中図柄列に擬似連図柄G」が「仮停止」された後の「中図柄」の「再変動」が続いている状態を示していることは明らかであるから、本願補正発明の「特定演出を行ってから」に相当するものといえる。
したがって、引用発明の演出制御部152は、「左図柄列と右図柄列をそれぞれ「7」図柄で仮停止するリーチ後も中図柄列の変動を継続し、中図柄列に擬似連図柄Gが仮停止された後の、中図柄の再変動において、擬似連図柄Gで仮停止しなかった場合は、ノーマルリーチよりも期待値の高いスーパーリーチ演出等を実行」することは、本願補正発明の演出制御手段は、「前記先に行われる演出図柄の変動表示で特定演出を実行した場合、前記後に行われる演出図柄の変動表示で前記先に行われる演出図柄の変動表示で実行された特定演出と同種類の特定演出を行ってから、前記特別遊技判定手段による判定結果が前記特別遊技を行うとする期待度が高い特定演出を実行可能」である構成を含んでいる。
(h)引用発明の「擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出の1回目」及び「2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示され」ることは、本願補正発明の「前記特別変動演出の実行期間が第1期間の場合」及び「第1特別演出を実行」することに相当する。
したがって、引用発明の演出制御部152は、「擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出の1回目は、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示」することは、本願補正発明の演出制御手段は、「前記特別変動演出の実行期間が第1期間の場合は、第1特別演出を実行」することに相当する。
(i)上記(h)より、引用発明の「擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出の1回目」は、本願補正発明の「前記特別変動演出の実行期間が第1期間の場合」に相当する。
したがって、引用発明の「擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出が2回行われる場合」は、本願補正発明の「前記特別変動演出の実行期間が前記第1期間よりも長い第2期間の場合」に相当する。
そして、引用発明の、擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出において、「1回目は、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示され、2回目は、3個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示される」ことは、本願補正発明の「前記第1特別演出の少なくとも一部と同じ演出を含むとともに前記第1特別演出とは異なる演出を含む第2特別演出」に相当する。
したがって、引用発明の演出制御部152は、「擬似連図柄Gが仮停止する擬似連演出が2回行われる場合は、1回目は、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示され、2回目は、3個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示される」ことは、本願補正発明の演出制御手段は、「前記特別変動演出の実行期間が前記第1期間よりも長い第2期間の場合は、前記第1特別演出の少なくとも一部と同じ演出を含むとともに前記第1特別演出とは異なる演出を含む第2特別演出を実行可能である」構成を含んでいる。
上記(a)-(i)の対比により、本願補正発明と引用発明とは、
「A 始動条件が成立した場合、遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、
B 複数種類の演出図柄を変動表示する複数の可変表示部を有する可変表示手段と、
C 前記特別遊技判定手段によって判定が行われた場合、前記可変表示手段の複数の前記可変表示部において演出図柄を変動表示させ、前記特別遊技の制御を行うとする判定結果である場合は、予め定められた特定の演出図柄の組み合わせを停止表示させる変動演出を実行する演出制御手段と、を備え、
D 前記演出制御手段は、
E 前記変動演出として演出図柄の変動表示を複数回行う特別変動演出を実行可能であって該特別変動演出の実行中に段階的に演出が進展する特別演出を実行可能であり、
F 前記特別変動演出における、先に行われる演出図柄の変動表示、及び、後に行われる演出図柄の変動表示において、前記複数の可変表示部のうち最後に演出図柄が停止表示される最終停止可変表示部を除く前記可変表示部に前記特定の演出図柄の組み合わせの一部を構成する演出図柄を停止表示させる特定演出を実行可能であり、
G 前記先に行われる演出図柄の変動表示で特定演出を実行した場合、前記後に行われる演出図柄の変動表示で前記先に行われる演出図柄の変動表示で実行された特定演出と同種類の特定演出を行ってから、前記特別遊技判定手段による判定結果が前記特別遊技を行うとする期待度が高い特定演出を実行可能であり、
H 前記特別変動演出の実行期間が第1期間の場合は、第1特別演出を実行し、
I 前記特別変動演出の実行期間が前記第1期間よりも長い第2期間の場合は、前記第1特別演出の少なくとも一部と同じ演出を含むとともに前記第1特別演出とは異なる演出を含む第2特別演出を実行可能である遊技機。」
である点で一致しており、相違点はない。
(4)判断
したがって、本願補正発明は引用発明と同一であり、刊行物に記載された発明といえる。
仮に、相違点があったとしても、本願補正発明は引用発明から当業者が容易に想到することができたものであるといえる。
(5)審判請求人の主張について
審判請求書において、請求人は、「つまり、引用文献1(当審注、上記刊行物)においては、特定変動演出においてリーチ演出以外の演出を実行することで演出効果を向上させるといった着想がないため、上記相違点のような構成を想起することは難しく、そのような構成を想起するための十分な動機付けにもならない」旨主張している(6頁15~18行)。
この主張について検討すると、刊行物には、「前記リーチ後擬似連演出を実行するとき、前記擬似連動作の回数に基づいて、当該擬似連動作が開始される毎に、前記リーチ演出で仮停止されたリーチ図柄の表示状態を変更する(【請求項1】)」こと、即ち、仮停止されたリーチ図柄の表示状態を変更するという、リーチ演出以外の演出を実行することで「当選の期待感が高まる演出(【0017】)」である「擬似連演出の回数を・・・わかり易く報知することができる(【0026】)」と記載されているから、請求人の主張する概念は記載されている。
よって、請求人の主張は採用できない。
(6)小括
よって、本願補正発明は刊行物に記載された発明であるか、又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、又は特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4.むすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明
本願補正発明は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年3月31日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で補正前として記載されたとおりのものである。
1.刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物の記載事項、引用発明は、上記第2の3.(2)に記載したとおりである。
2.対比・判断
本願発明は、本願補正発明の特定事項から、「演出制御手段」について、本願補正発明の「前記可変表示部において演出図柄を変動表示させ」ることから、「前記可変表示部における演出図柄の変動表示を制御」することと、また、本願補正発明の「特別変動演出」から、「遊技演出」と表現上の変更をし、本願補正発明の特定事項から「特別変動演出」において「特別演出」を行うこととする限定を付加した部分を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を実質的にすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記第2に記載したとおり、引用発明と同一であるか、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明と同一であるか、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
3.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、又は特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-018366