特許拒絶査定不服審判
2016-018202
情報処理システム、管理情報処理装置、およびプログラム
- 審判番号
- 2016-018202
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-040363外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月05日
- 審決日
- 2018年03月22日
- 公報発行日
- 2018年06月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】フェリカネットワークス株式会社
- 【請求人代理人】亀谷 美明
- 分類
- P18 .121-WZ (G07G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015- 40363「情報処理システム、管理情報処理装置、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月13日出願公開、特開2015-146197〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件出願は、平成19年4月13日に出願した特願2007-106588号の一部を、平成24年9月5日に新たな特許出願とした特願2012-195214号の一部を、さらに平成25年12月26日に新たな特許出願とした特願2013-268897号の一部を、さらに平成27年3月2日に新たな特許出願としたものであって、平成27年4月13日に手続補正書が提出され特許請求の範囲について補正がなされ、平成28年2月22日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月28日に意見書とともに手続補正書が提出され特許請求の範囲についてさらに補正がなされたが、同年9月1日付けで拒絶をすべき旨の査定がなされた。
これに対し、平成28年12月5日に該査定の取消を求めて本件審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、特許請求の範囲についてさらに補正がなされたものである。
一方、当審において、平成29年8月28日付けで拒絶の理由を通知し、応答期間内である同年10月30日に意見書とともに手続補正書が提出され特許請求の範囲についてさらに補正がなされたところである。
第2 本件出願の発明について
1 本件出願の発明
本願の請求項1ないし11に係る発明は、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、下記のとおり、平成29年10月30日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明は、以下のとおりの「管理情報処理装置」である(以下、「本願発明1」という)。
「【請求項1】
リーダ/ライタと非接触通信可能なICチップで使用されるデータを含むマークアップ言語の形式で表現されるメタデータであるサービスデータを生成し、前記ICチップを搭載した情報処理端末へと、前記リーダ/ライタとの非接触通信とは異なる通信経路で前記サービスデータを送信する管理情報処理装置であって:
前記サービスデータを生成するためのマークアップ言語の形式で表現される第1データを受信する管理側通信部と;
前記サービスデータを生成するための少なくとも1以上の第2データを保持する管理側記憶部と;
前記第1データに含まれる情報を、前記第1データと対応する少なくとも1以上の第2データに埋め込むことで前記サービスデータを生成するデータ生成部と;
を備え、
前記サービスデータは、前記リーダ/ライタと前記情報処理端末との間の非接触通信にて通信される、管理情報処理装置。」
2.当審にて通知した拒絶の理由
当審にて通知した平成29年8月28日付け拒絶理由通知書で指摘した内容は、以下のとおりである。
(請求項1-3,5-11に係る発明に対して)
刊行物1:特開2006-309502号公報
刊行物2:特開2006-252160号公報
刊行物3:特開2002-215997号公報
(1)請求項1-3,5-9に係る発明は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された事項、及び、周知技術に基づき、当業者が容易に想到することができたものである。
(2)請求項1-3,5-9に係る発明は、刊行物2に記載された発明、刊行物3に記載された事項、及び、周知技術に基づき、当業者が容易に想到することができたものである。
3 刊行物
これに対して、当審の平成29年8月28日付け拒絶の理由に引用された、原出願前に頒布された刊行物である特開2006-309502号公報(以下、「刊行物1」という。)、及び、特開2006-252160号公報(以下、「刊行物2」という。)には、各々、以下の発明又は事項が記載されていると認められる。
(1)刊行物1
ア 刊行物1に記載された事項
刊行物1には、「クーポン提供装置」に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線部は当審で付したものである。
(ア)「【請求項1】
ユーザの端末装置にクーポンを提供するクーポン提供装置であって、
特定の店舗で前記ユーザが受けることのできる特典を表示するクーポンにバナー広告が埋め込まれた表示データを生成する表示データ生成手段を備える
クーポン提供装置。」
(イ)「【請求項14】
ユーザの端末装置にクーポンを提供するための方法であって、
特定の店舗で前記ユーザが受けることのできる特典を表示するクーポンに、バナー広告が埋め込まれた表示データを生成する表示データ生成ステップと、
前記表示データ生成ステップにおいて生成された前記クーポンにバナー広告が埋め込まれた表示データを、前記端末装置に送信する送信ステップと
を含むクーポン提供方法。」
(ウ)「【請求項15】
ユーザの端末装置にクーポンを提供するためのプログラムであって、
特定の店舗で前記ユーザが受けることのできる特典を表示するクーポンに、バナー広告が埋め込まれた表示データを生成する表示データ生成ステップと、
前記表示データ生成ステップにおいて生成された前記クーポンにバナー広告が埋め込まれた表示データを、前記端末装置に送信する送信ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。」
(エ)「【0014】
クーポン提供システムは、ユーザにクーポンを提供するためのWebサイト(以下、「クーポンサイト」という。)を公開するためのシステムである。クーポン提供システムは、Webサーバ1と、管理端末50と、登録店端末60と、ユーザ端末70と、携帯端末71とを備える。Webサーバ1と上記各端末装置とは、インターネットを介し接続されている。
【0015】
Webサーバ1は、本発明のクーポン提供装置の一例であり、ユーザにクーポンを提供するためのWebページを送信する装置である。管理端末50は、Webサーバ1の管理者が使用する端末装置である。登録店端末60は、クーポンの発行者である店、会社など(以下、「登録店」という。)の担当者(以下、単に「担当者」ともいう。)が使用する端末装置である。ユーザ端末70および携帯端末71は、ユーザがクーポンを取得するための端末装置である。」
(オ)「【0019】
ユーザは、ユーザ端末70または携帯端末71からWebサーバ1へアクセスすることにより、登録店情報ページ21、クーポン25等のコンテンツをそれら端末装置に備えられたディスプレイに表示させることができる。」
(カ)「【0023】
図2は、Webサーバ1の機能的な構成を示す機能ブロック図である。Webサーバ1は上述のように、本発明のクーポン提供装置の一例である。
【0024】
図2に示すように、Webサーバ1は、通信部2と、認証部3と、登録店データ記憶部4と、クーポンデータ記憶部5と、バナーデータ記憶部6と、データ管理部7と、テンプレート記憶部8と、ルールデータ記憶部9と、組合せ決定部10と、履歴データ記憶部11と、表示データ生成部12とを備える。
【0025】
また、管理端末50、登録店端末60、およびユーザ端末70と、Webサーバ1とはインターネット200を介し接続されている。
【0026】
なお、Webサーバ1は、クーポンサイトを構成するHTML(HyperText Markup Language)ファイルおよび画像ファイルを記憶し送信する機能など、Webサーバが本来備える機能も有している。しかしながら、これら機能の図示および説明は省略し、本発明の実施の形態のWebサーバ1に特徴的な構成部についてのみ図示および説明を行う。
【0027】
通信部2は、管理端末50等の端末装置との間で情報のやり取りを行うための処理部である。認証部3は、Webサーバ1へ情報の登録等が行われる際の認証を行う処理部である。管理者および登録店の担当者は、それぞれに付与されたIDおよびパスワードを用いることで、認証部3の認証を受けることができる。」
(キ)「【0031】
テンプレート記憶部8は、本発明のクーポン提供装置におけるテンプレート記憶手段の一例であり、登録店情報ページやクーポンのテンプレートを記憶するための記憶装置である。ルールデータ記憶部9は、本発明のクーポン提供装置における決定条件記憶手段の一例であり、クーポンとバナー広告との組合せを決定する際のルールを記憶するための記憶装置である。」
(ク)「【0034】
表示データ生成部12は、ユーザ端末70等の端末装置からの要求に従い、それら端末装置に表示させる表示データを生成する処理部である。具体的には、表示データ生成部12は、端末装置からの要求に従い端末装置に表示させる画面を構成するHTML(HyperText Markup Language)ファイルを生成する。
【0035】
なお、ユーザは、ユーザ端末70以外に、図1に示すように、携帯端末71を用いてWebサーバ1との通信が可能である。
【0036】
図3は、登録店データ記憶部4に記憶されている登録店データ4aのデータ構成の一例を示す図である。
【0037】
登録店データ4aは、上述のように、クーポンの発行者である登録店に関する情報であり、データ項目として、店ID、店名、住所、TEL、FAX、カテゴリ、店情報、公開開始日、および公開終了日を有する。」
(ケ)「【0042】
なお、登録店データ4aは、登録店の担当者により入力および修正されるデータである。入力および修正を行う際、担当者は登録店端末60からWebサーバ1へアクセスし、所定のIDおよびパスワードを入力することにより、認証部3の認証を受ける。認証を受けた後、所定の画面において入力および修正を行う。また、担当者は、公開されるクーポンについての情報も入力および修正をすることができる。
【0043】
図4は、公開されるクーポンについての情報を入力するためのクーポンデータ入力画面100の一例を示す図である。
【0044】
クーポンデータ入力画面100は、担当者が、登録店端末60から所定のIDおよびパスワードを入力し、認証部3により認証された後に表示される画面である。また、店ID“S0002”である登録店“○○リゾート”が、クーポンデータを入力した場合の表示例を示している。」
(コ)「【0049】
図5は、クーポンデータ記憶部5に記憶されているクーポンデータ5aのデータ構成の一例を示す図である。
【0050】
クーポンデータ5aは、上述のように、クーポンの内容を示す情報であり、データ項目として、図4に示すクーポンデータ入力画面100に表示された項目を有する。また、データ項目として、クーポンの属性情報であるカテゴリ、地域、およびキーワードを含んでいる。
【0051】
クーポンデータ5aに登録されている情報は、テンプレート記憶部8に記憶されているテンプレートに配置され、クーポンとして公開される。
【0052】
各クーポンの内容を示す情報には、上述のように、ユニークなIDであるクーポンIDが付与される。クーポンIDにより一意に識別される情報を以下、「個別クーポンデータ」という。
【0053】
個別クーポンデータは、データ項目として、店IDを有している。つまり、個別クーポンデータと個別登録店データとは、店IDにより紐付けされている。また、店名、カテゴリ、地域は、店IDにより特定される個別登録店データにおける店名、カテゴリ、地域がそのまま複製される。」
(サ)「【0110】
なお、クーポン25およびクーポン26が表示される画面は、上述のように、表示データ生成部12の動作により生成される。テンプレート記憶部8には、パーソナルコンピュータなどのユーザ端末70向けのクーポン用テンプレートと、携帯電話などの携帯端末71向けのクーポン用テンプレートとを有している。
【0111】
テンプレートは、HTMLで記述されており、店名などの各情報を表示する部分には、各情報に対応する文字列が入力されている。表示データ生成部12は、テンプレートを読み込み、各情報に対応する文字列を、店名などの各情報で置換する。また、テンプレートのバナーを表示する部分に該当する文字列を組合せ決定部10から受け取ったバナーの画像ファイル名で置換する。
【0112】
例えば、テンプレートであるHTMLファイルには、“##店名##”という文字列が記述された部分があり、この文字列が、表示データ生成部12よって、個別クーポンデータに含まれる店名に置換される。また、“##バナー画像##” という文字列が個別バナーデータに含まれる画像のファイル名に置換される。」
イ 刊行物1発明
(シ)上記ア(エ)に「クーポン提供システムは、Webサーバ1と、管理端末50と、登録店端末60と、ユーザ端末70と、携帯端末71とを備える。Webサーバ1と上記各端末装置とは、インターネットを介し接続されている。」との記載があり、また、上記ア(オ)に「ユーザは、ユーザ端末70または携帯端末71からWebサーバ1へアクセスすることにより、登録店情報ページ21、クーポン25等のコンテンツをそれら端末装置に備えられたディスプレイに表示させることができる。」との記載があることより、刊行物1には、“携帯端末71へと、インターネットでクーポンを送信するWebサーバ1”が記載されていることは明らかである。
(ス)上記ア(カ)に「通信部2は、管理端末50等の端末装置との間で情報のやり取りを行うための処理部である」との記載があることより、Webサーバ1が各端末から受信するデータは通信部2により受信されるものと認められ、また、上記ア(ケ)の「登録店データ4aは、登録店の担当者により入力および修正されるデータである。入力および修正を行う際、担当者は登録店端末60からWebサーバ1へアクセスし、所定のIDおよびパスワードを入力することにより、認証部3の認証を受ける。認証を受けた後、所定の画面において入力および修正を行う。また、担当者は、公開されるクーポンについての情報も入力および修正をすることができる。」、及び、「クーポンデータ入力画面100は、担当者が、登録店端末60から所定のIDおよびパスワードを入力し、認証部3により認証された後に表示される画面である。」との記載より、登録店データ4a及びクーポンデータ5aは、登録店端末60にて入力されてWebサーバ1にて受信されるものであると認められる。
これらのことを考慮すると、刊行物1には、“Webサーバ1が、登録店データ4a及びクーポンデータ5aを受信する通信部2を備える”ことが記載されていると認められる。
(セ)上記ア(コ)の「クーポンデータ5aに登録されている情報は、テンプレート記憶部8に記憶されているテンプレートに配置され、クーポンとして公開される。」との記載より、クーポンデータ5aに含まれる情報をクーポン用テンプレートに配置することが認められる。
また、上記ア(コ)の「個別クーポンデータは、データ項目として、店IDを有している。つまり、個別クーポンデータと個別登録店データとは、店IDにより紐付けされている。また、店名、カテゴリ、地域は、店IDにより特定される個別登録店データにおける店名、カテゴリ、地域がそのまま複製される。」との記載、並びに、上記ア(サ)の「クーポン25およびクーポン26が表示される画面は、上述のように、表示データ生成部12の動作により生成される。」及び「テンプレートは、HTMLで記述されており、店名などの各情報を表示する部分には、各情報に対応する文字列が入力されている。表示データ生成部12は、テンプレートを読み込み、各情報に対応する文字列を、店名などの各情報で置換する。」との記載より、表示データ生成部12が、クーポンデータ5aに紐付けされた登録店データ4aの店名をクーポン用テンプレートに配置することが認められる。また、当該記載によれば、テンプレートはHTMLで記述されており、それに対して情報が配置されて作成されるクーポン25、26も、HTMLで記述されたものとなることは明らかである。
これらのことより、刊行物1には、“登録店データ4a、クーポンデータ5aに含まれる店名などの各情報を、クーポン用テンプレートに配置することで、HTMLファイルのクーポン26を生成する表示データ生成部12”が記載されていると認められる。
(ソ)上記ア(カ)には、「Webサーバ1は、・・・表示データ生成部12とを備える」との記載があり、かつ、上記(セ)によれば、表示データ生成部12がクーポン26を生成するものであるから、“Webサーバ1がクーポン26を生成する”ことは明らかである。
(タ)上記(セ)によれば、登録店データ4a、クーポンデータ5a、及び、クーポン用テンプレートからクーポン26が生成されるから、登録店データ4a、クーポンデータ5a、及び、クーポン用テンプレートは、クーポン26を生成するためのものであることは明らかである。
そこで、上記記載事項(ア)ないし(サ)及び上記認定事項(シ)ないし(タ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、刊行物1には以下の発明が記載されていると認める。(以下「刊行物1発明」という。)
「クーポン26を生成し、携帯端末71へと、インターネットでクーポンを送信するWebサーバ1であって、
クーポン26を生成するための登録店データ4a及びクーポンデータ5aを受信する通信部2と、
クーポン26を生成するためのクーポン用テンプレートを有するテンプレート記憶部8と、
登録店データ4a、クーポンデータ5aに含まれる店名などの各情報を、クーポン用テンプレートに配置することで、HTMLファイルのクーポン26を生成する表示データ生成部12と、
を備える、Webサーバ1。」
(2)刊行物2
ア 刊行物2に記載された事項
刊行物2には、「クーポン発行システム」に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線部は当審で付したものである。
(ア)「【0015】
(クーポン券発行システム)
図1に示したように、本発明に係るクーポン発行システムは、クーポンの発行を行なうクーポン発行会社等のクーポン発行者に備えられた通信端末である発行者端末40と、クーポンを利用して商品やサービスの購入を行なう消費者が所有する通信端末である消費者パソコン20と、クーポンサービスにより種々の特典を消費者に提供する店舗に備えられたPOSレジスタ51、店舗端末52および店舗サーバ50と、情報センターに備えられ、クーポン発行者が消費者に提供可能なクーポンサービス情報や、消費者が提供を希望するクーポンサービスの条件に関する情報などの消費者情報等を一元的に管理するサービスサーバ10とを有する。そして、発行者端末40、消費者パソコン20、サービスサーバ10および店舗サーバ50は、それぞれインターネット等のネットワーク網60を介して接続されている。」
(イ)「【0022】
加えて、本実施の形態においては、消費者はクーポンサービス情報を記憶するICカード30を有し、消費者が所持する通信端末を消費者パソコン20としているが、消費者が所持する通信端末を携帯電話とし、クーポンサービス情報を記憶するICカード30が、携帯電話に内蔵されるSIM(Subscriber Identity Module)であっても本発明は実現することができる。消費者が所持する通信端末を携帯電話とすることで、消費者は場所を問わず、クーポンサービス情報をサービスサーバ10から取得することができる。」
(ウ)「【0031】
そして、クーポン発行手段は、クーポンサービス情報選定手段13が選定したクーポンサービス情報を消費者パソコン20に送信する手段で、消費者が所有する消費者パソコン20からサービスサーバ10に前述した確認依頼用の信号が送信されると、クーポンサービス情報選定手段13が選定したクーポンサービス情報を消費者パソコン20に送信する。そして、消費者パソコン20に送信されたクーポンサービス情報は、リーダライタ21を介してICカード30に記憶される。」
(エ)「【0051】
次に、この店員がICカード30をPOSレジスタ51に備えられたリーダライタ51aに装着すると、POSレジスタ51はICカード30からクーポンサービス情報を読取り、読み取ったクーポンサービス情報に基づくクーポンサービスを消費者に供与するとともに、ICカード30を利用して商品の購入の決済を行う(S22)。」
イ 刊行物2事項
(オ)上記ア(ウ)には「クーポン発行手段は、・・・クーポンサービス情報を消費者パソコン20に送信する。そして、消費者パソコン20に送信されたクーポンサービス情報は、リーダライタ21を介してICカード30に記憶される。」との記載があり、“消費者パソコン20へとクーポンサービス情報を送信すること”が記載されている。
そして、上記ア(イ)には「本実施の形態においては、消費者はクーポンサービス情報を記憶するICカード30を有し、消費者が所持する通信端末を消費者パソコン20としているが、消費者が所持する通信端末を携帯電話とし、クーポンサービス情報を記憶するICカード30が、携帯電話に内蔵されるSIM(Subscriber Identity Module)であっても本発明は実現することができる。」との記載があり、消費者パソコン20の代わりに、ICカード30であるSIMを内臓した携帯電話を用いることが記載されている。
よって、刊行物2には、“ICカード30であるSIMを内蔵した携帯電話へと、クーポンサービス情報を送信すること”が記載されていると認められる。
(カ)上記ア(ア)には「発行者端末40、消費者パソコン20、サービスサーバ10および店舗サーバ50は、それぞれインターネット等のネットワーク網60を介して接続されている。」との記載があり、上記(オ)のクーポンサービス情報の送信が、インターネット等のネットワーク網60を介して行われることは明らかである。
(キ)上記ア(エ)には「次に、この店員がICカード30をPOSレジスタ51に備えられたリーダライタ51aに装着すると、POSレジスタ51はICカード30からクーポンサービス情報を読取り、読み取ったクーポンサービス情報に基づくクーポンサービスを消費者に供与するとともに、ICカード30を利用して商品の購入の決済を行う」との記載があり、クーポンサービス情報は、ICチップで使用されているものであるから、“クーポンサービス情報がICチップで使用されるデータを含むこと”は明らかである。
そこで、上記記載事項(ア)ないし(エ)及び上記認定事項(オ)ないし(キ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、刊行物2には以下の事項が記載されていると認める。(以下「刊行物2事項」という。)
「ICカード30であるSIMを内蔵した携帯電話へと、インターネット等のネットワーク網60と通して、ICチップで使用されるデータを含むクーポンサービス情報を送信すること」
4 対比
本願発明1と刊行物1発明とを対比すると以下のとおりである。
刊行物1発明の「Webサーバ1」が本願発明1の「管理情報処理装置」に相当し、以下同様に、「携帯端末71」が「情報処理端末」に、「インターネット」が「リーダ/ライタと非接触通の非接触通信とは異なる通信経路」に、「登録店データ4a」及び「クーポンデータ5a」が「第1データ」に、「通信部2」が「管理側通信部」に、「クーポン用テンプレート」が「少なくとも1以上の第2データ」に、「有する」が「保持する」に、「テンプレート記憶部8」が「管理側記憶部」に、「登録店データ4a、クーポンデータ5aに含まれる店名などの各情報」が「第1データに含まれる情報」に、「クーポン用テンプレートに配置する」が「第1データと対応する少なくとも1以上の第2データに埋め込む」に、「表示データ生成部12」が「データ生成部」に、各々相当する。
また、刊行物1発明の「クーポン26」は、HTMLファイルであるから、「マークアップ言語の形式で表現されるメタデータであるサービスデータ」に相当すると認められる。
したがって、本願発明1と刊行物1発明とは、以下の点で一致しているということができる。
<一致点>
「マークアップ言語の形式で表現されるメタデータであるサービスデータを生成し、情報処理端末へと、リーダ/ライタとの非接触通信とは異なる通信経路で前記サービスデータを送信する管理情報処理装置であって:
前記サービスデータを生成するための第1データを受信する管理側通信部と;
前記サービスデータを生成するための少なくとも1以上の第2データを保持する管理側記憶部と;
前記第1データに含まれる情報を、前記第1データと対応する少なくとも1以上の第2データに埋め込むことで前記サービスデータを生成するデータ生成部と;
を備える、
管理情報処理装置。」
そして、本願発明1と刊行物1発明とは、以下の点で相違している。
<相違点1>
本願発明1においては、ICチップを搭載した情報処理端末へとサービスデータを送信し、かつ、サービスデータがリーダ/ライタと非接触通信可能なICチップで使用されるデータを含み、さらに、サービスデータは、前記リーダ/ライタと前記情報処理端末との間の非接触通信にて通信されるのに対して、刊行物1発明においては、携帯端末71がICチップを搭載しているか否かが不明であり、かつ、クーポン26は、リーダ/ライタと非接触通信可能なICチップで使用されるデータを含むものでなく、リーダ/ライタと携帯端末71との間の非接触通信にて通信されるものでもない点。
<相違点2>
本願発明1においては、第1データがマークアップ言語の形式で表現されるのに対して、刊行物1発明においては、“登録店データ4a”及び“クーポンデータ5a”がマークアップ言語の形式であるか否かが不明である点。
5 相違点の検討
ア 相違点1について
(ア)上記2(2)イにて述べたように、刊行物2事項は、「ICカード30であるSIMを内蔵した携帯電話へと、インターネット等のネットワーク網60を通して、ICチップで使用されるデータを含むクーポンサービス情報を送信すること」というものであるところ、これを本願発明1の用語で表現すれば、「ICカードであるSIM」は「ICチップ」と表現でき、「内蔵した」は「搭載した」と、「携帯電話」は「情報処理端末」と、「インターネット等のネットワーク網60を通して」は「リーダ/ライタとの非接触通信とは異なる通信経路で」と、「クーポンサービス情報」は「サービスデータ」と、各々表現できる。
したがって、刊行物2事項は、「ICチップを搭載した情報処理端末へと、リーダ/ライタとの非接触通信とは異なる通信経路で、ICチップで使用されるデータを含むサービスデータを送信すること」と言い改めることができる。
(イ)ここで、刊行物1発明と刊行物2事項は、いずれも、“クーポンデータを情報処理端末に送信する”ことに関するという点で技術分野が共通しており、刊行物2に接した当業者が、これを刊行物1発明に適用することを試みることに格別困難性はない。
よって、刊行物1発明に、刊行物2事項を適用して、情報処理端末をICチップを搭載したものとし、かつ、サービスデータを、ICチップで使用されるデータを含むものとすることは、当業者であれば容易に想到し得る。
(ウ)また、以下に列挙する点を考慮するに、“サービスデータが、リーダ/ライタと情報処理端末との間の非接触通信にて通信される”ことは、極めて周知の技術的事項であると認められる。
a 刊行物2には、リーダライタ51aにより、ICカード30からクーポンサービス情報を読み取ることが示されていること(上記2(2)ア(エ)参照)。
b 携帯電話のSIMカードを用いてリーダ/ライタとの非接触通信を行うことは、周知技術であること(特開2004-86402号公報の【0002】、【0006】、【0010】~【0011】等、特開2004-56413号公報の【0010】、【0013】、【0017】等、Reply LS on High Speed UICC Interface,CP-060497,3GPP TSG CT Meeting #33,20.Sep.2006のp.32,l.15-p.33,l.34”4.15 Contactless UICC services”[http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ct/tsg_ct/TSGC_33/Tdocs/CP-060497.zip])などを参照のこと)。
c 携帯電話機に搭載したICチップにより、クーポンのリーダ/ライタとの非接触通信を行うことは、周知の技術的事項であること(特開2005-316992号公報の【0013】~【0018】、特開2005-301586号公報の【0032】~【0033】、などを参照のこと)。
(エ)よって、刊行物1発明に、刊行物2事項、及び、上記周知の技術的事項を適用して、相違点1に係る本願発明1の構成とすることは当業者が容易に想到し得たというのが相当である。
イ 相違点2について
(ア)Webサービスへのリクエストとして、XMLデータを用いることは、例えば、SOAPなる名称の規格でも用いられている様に、従来周知の技術的事項である(例えば、特開2004-272871号公報の【0002】~【0003】、【0041】、【0058】、【図10】などを参照のこと)。
そして、当該周知の技術的事項を踏まえて、引用発明1において、Webサービスへのリクエストである“登録店データ4a”、“クーポンデータ5a”の送信形式として、マークアップ言語の形式であるXMLデータを用いるものとすることは、当業者であれば容易に想到することができる。
(イ)よって、刊行物1発明に、上記周知の技術的事項を適用して、相違点2に係る本願発明1の構成とすることは当業者が容易に想到し得たということが相当である。
ウ 小括
したがって、本願発明1は、刊行物1発明、刊行物2事項、及び、上記従来周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
第3 むすび
以上のとおりであるから、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-018202