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特許拒絶査定不服審判

2016-017605

遊技機

審判番号
2016-017605
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-078923外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年11月25日
審決日
2017年06月27日
公報発行日
2017年09月29日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-78923号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月1日出願公開、特開2016-198182号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成27年4月8日の出願であって、平成28年3月1日付けで拒絶理由通知がなされ、同年4月28日付けで手続補正がなされ、同年8月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年11月25日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 (補正前:平成28年4月28日付け手続補正) 「【請求項1】 遊技の進行を制御し、遊技の進行に合わせたコマンドを送信する主制御手段と、 該主制御手段から送信されたコマンドに基づいて複数の演出のうちからコマンドに対応する演出を決定する演出制御手段と、 複数の演出図柄による変動演出が行われる画像表示手段を含むと共に、前記演出制御手段により決定された演出が実行される演出装置と、 を備える遊技機であって、 前記複数の演出は、複数のリーチ演出を含み、 前記複数のリーチ演出は、第1の発展演出と、前記第1の発展演出後に実行され得ると共に前記判定結果が前記特別遊技を実行するものであるときに選択されやすい第2の発展演出とを含み、 前記演出制御手段は、前記複数の演出図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動中の演出として、前記第2の発展演出が2回以上実行されることを規制する規制手段を備えたことを特徴とする遊技機。」 から、 (補正後:本件補正である平成28年11月25日付け手続補正) 「【請求項1】 遊技の進行を制御し、遊技の進行に合わせたコマンドを送信する主制御手段と、 該主制御手段から送信されたコマンドに基づいて複数の演出のうちからコマンドに対応する演出を決定する演出制御手段と、 複数の演出図柄による変動演出が行われる画像表示手段を含むと共に、前記演出制御手段により決定された演出が実行される演出装置と、 を備える遊技機であって、 前記複数の演出は、複数のリーチ演出と、前記コマンドが前記特別遊技を実行するコマンドであるときに選択されやすい演出であって遊技者による所定の操作により演出が実行される演出である特定の操作要求演出とを含み、 前記複数のリーチ演出は、第1の発展演出と、前記第1の発展演出後に実行され得ると共に前記コマンドが前記特別遊技を実行するものであるときに選択されやすい第2の発展演出とを含み、 前記演出制御手段は、前記複数の演出図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動中の演出として、前記第2の発展演出が2回以上実行されることを規制する規制手段を備え、 前記規制手段は、前記第2の発展演出の実行中に、前記特定の操作要求演出が2回以上実行されることを規制することを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審で付した。)。 2 本件補正の適否 本件補正のうち、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「複数の演出」に関して、「前記コマンドが前記特別遊技を実行するコマンドであるときに選択されやすい演出であって遊技者による所定の操作により演出が実行される演出である特定の操作要求演出とを含み」とする補正は、補正前には「複数の演出」が当該「特定の操作要求演出」を含むことは限定されていなかったところを、当該補正事項を追加することで、これを「含」むとして限定するものである。 また、本件補正のうち、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「第2の発展演出」に関して、補正前の「前記判定結果」を「前記コマンド」とする補正は、前記されていなかった「判定結果」を前記されている「コマンド」として誤記を訂正しつつ、「第2の発展演出」の選択が「コマンド」に基づいて行われることを限定するものである。 さらに、本件補正のうち、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「規制手段」に関して、「前記第2の発展演出の実行中に、前記特定の操作要求演出が2回以上実行されることを規制する」とする補正は、「規制手段」の規制事項として「前記特定の操作要求演出が2回以上実行されること」を追加するものである。 したがって、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「複数の演出」、「第2の発展演出」及び「規制手段」に関して、以上のとおりに限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、特許法第17条の2第3項に違反するところはない。 3 独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。 (1) 本願補正発明 本願補正発明は、上記1の本件補正の概要において示した次のとおりのものである(A~Hは、本願補正発明を分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 A 遊技の進行を制御し、遊技の進行に合わせたコマンドを送信する主制御手段と、 B 該主制御手段から送信されたコマンドに基づいて複数の演出のうちからコマンドに対応する演出を決定する演出制御手段と、 C 複数の演出図柄による変動演出が行われる画像表示手段を含むと共に、前記演出制御手段により決定された演出が実行される演出装置と、 D を備える遊技機であって、 E 前記複数の演出は、複数のリーチ演出と、前記コマンドが前記特別遊技を実行するコマンドであるときに選択されやすい演出であって遊技者による所定の操作により演出が実行される演出である特定の操作要求演出とを含み、 F 前記複数のリーチ演出は、第1の発展演出と、前記第1の発展演出後に実行され得ると共に前記コマンドが前記特別遊技を実行するものであるときに選択されやすい第2の発展演出とを含み、 G 前記演出制御手段は、前記複数の演出図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動中の演出として、前記第2の発展演出が2回以上実行されることを規制する規制手段を備え、 H 前記規制手段は、前記第2の発展演出の実行中に、前記特定の操作要求演出が2回以上実行されることを規制することを特徴とする遊技機。」 (2) 刊行物に記載された事項 ア 刊行物1 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2015-44001号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア) 「【0010】 図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段、演出実行手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲーム(以下、「変動ゲーム」と示す)を含み、該変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。なお、演出表示装置11の変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。 ・・・ 【0013】 また、本実施形態において演出表示装置11には、複数の図柄列毎に[1]~[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置11は、各表示装置12a,12bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された図柄から当り(大当り及び小当り)又ははずれを認識し得る。」 (イ) 「【0053】 また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、変動ゲームが開始してから変動ゲームが終了するまでの間の演出(遊技演出)のベースとなるパターンであって、変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定(指定)し得る。・・・」 (ウ) 「【0057】 ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて図4を参照して以下に説明する。 本実施形態では、図4に示すように、変動パターンとして、変動ゲームの変動時間を指定する変動パターンが設定されている。・・・ 【0059】 また、変動パターンP01,P02がはずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP11~P13,P41がはずれリーチ変動用の変動パターンとして、変動パターンP22~P23が確変示唆変動用の変動パターンとして、変動パターンP31~P33,P42が大当り変動用の変動パターンとして、それぞれ規定されている。なお、変動パターンP41は、はずれリーチ変動用の変動パターンとして規定されているが、確変示唆変動用の変動パターンとしても規定されている。 ・・・ 【0062】 また、このようなリーチ演出では、その種類により大当り期待度が異なる。この大当り期待度とは、大当り遊技が付与される場合の出現率と大当り遊技が付与されない場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当り遊技が付与される場合の出現率の割合を示すものである。具体的には、NR演出が実行される場合、大当り期待度が低となり、SRA演出が実行される場合、大当り期待度が中となり、SRB演出が実行される場合、大当り期待度が高となる。なお、はずれ変動用の変動パターンが選択された場合、リーチ演出が実行されず、大当り遊技が付与されることがないため、大当り期待度が最低となる。 【0063】 各リーチ演出の演出態様について図5を参照して以下に説明する。 変動パターンP11,P31では、図5(a)に示すように、変動ゲームが開始された場合、リーチ前の演出が実行され、その後、左列、右列の図柄(飾図)が一旦停止表示される。そして、右列の図柄が一旦停止表示された結果、左列及び右列の図柄でリーチ状態が形成され、NR演出が実行される。そして、中列の図柄が一旦停止表示されることにより、図柄が確定停止表示され、変動ゲームが終了する。 【0064】 また、変動パターンP12,P22,P32,P41,P42では、図5(b)に示すように、変動ゲームが開始されてからNR演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し、スーパーリーチ1(以下、「SR1」と示す)演出が実行される。そして、中列の図柄が一旦停止表示されることにより、図柄が確定停止表示され、変動ゲームが終了する。 【0065】 また、変動パターンP13,P23,P33では、図5(c)に示すように、変動ゲームが開始されてからNR演出、SR1演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し、スーパーリーチ2(以下、「SR2」と示す)演出が実行される。そして、中列の図柄が一旦停止表示されることにより、図柄が確定停止表示され、変動ゲームが終了する。 【0066】 つまり、NR演出が実行される場合(1段階目)よりも、NR演出、及びSR1演出が実行される場合(2段階目)のほうが、大当り期待度が高くなり、更に、NR演出、SR1演出、及びSR2演出が実行される場合(3段階目)のほうが、大当り期待度が高くなる。このように、1回の変動ゲーム中に段階的に実行させ、少なくとも実行される段階数によって変動ゲームの大当り期待度(大当り、及び小当りを含めた当り期待度でもある)を示唆する段階演出が実行されることとなる。また、本実施形態では、各段階の段階演出ではリーチ演出が実行される。なお、本実施形態において、1回の変動ゲーム中においてリーチ演出が発展する場合には、所定時間の発展時の演出が実行される。 【0067】 次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づいて実行する特別図柄入力処理、特別図柄開始処理などの各種処理について以下に説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では、4ms)毎に各種処理を実行する。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する主制御用CPU30aが当り判定手段、ゲーム制御手段、コマンド制御手段として機能し、主制御用RAM30cが保留記憶手段として機能する。」 (エ) 「【0089】 その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的には、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図用の特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図の確定停止表示に際して全図柄停止コマンドを統括制御基板31に出力する。なお、これら変動パターン指定コマンド、特図指定コマンド、全図柄停止コマンドは、実行する変動ゲームの種類(第1変動ゲーム、第2変動ゲーム)毎に規定されており、統括制御用CPU31aも、何れの変動ゲームが実行されているか特定可能である。」 (オ) 「【0105】 ・・・表示制御用CPU32aは、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾図柄指定コマンドで指定された飾図を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。この制御により、演出表示装置11では変動ゲームが行われる。」 (カ) 「【0114】 ・・・統括制御用CPU31aは、変動ゲームの開始時に主制御用CPU30aから入力された変動パターン指定コマンドを読み出し、変動パターンを特定するとともに、実行中の変動ゲームの種類(第1変動ゲーム、又は第2変動ゲーム)を特定する。・・・」 (キ) 図4には、「変動パターン」として「P01」~「P42」の全12パターンが存在し、そのうち「P01」、「P02」の2パターンは「リーチ演出」が「なし」であり、「P11」、「P31」の2パターンは「リーチ演出」が「NR」であり、「P12」、「P22」、「P32」、「P41」、「P42」の5パターンは「リーチ演出」が「SRA」であり、「P13」、「P23」、「P33」の3パターンは「リーチ演出」が「SRB」であることが図示されている。 (ク) 図5には、リーチ演出の発展時の演出として「SR2演出」を、変動パターンが「P13」、「P23」、「P33」のとき(「リーチ演出」が「SRB」のとき)に1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しないことが図示されている。 以上の記載事項、図面の図示内容(キ)及び(ク)から、以下の認定をすることができる。 (ケ) 上記(ウ)の【0064】には、「変動ゲームが開始されてからNR演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し、スーパーリーチ1(以下、「SR1」と示す)演出が実行される」と記載され、同【0065】には、「変動ゲームが開始されてからNR演出、SR1演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し、スーパーリーチ2(以下、「SR2」と示す)演出が実行される」と記載されている。ここで、「スーパーリーチ1(以下、「SR1」と示す)演出」及び「スーパーリーチ2(以下、「SR2」と示す)演出」は、いずれもリーチ演出であって、「複数のリーチ演出」であるといえる。 また、上記(ウ)の【0066】には、「NR演出が実行される場合(1段階目)よりも、NR演出、及びSR1演出が実行される場合(2段階目)のほうが、大当り期待度が高くなり、更に、NR演出、SR1演出、及びSR2演出が実行される場合(3段階目)のほうが、大当り期待度が高くなる」と記載されている。 そうすると、上記(ウ)には、複数のリーチ演出として、NR演出が実行される場合(1段階目)よりも、NR演出、及びSR1演出が実行される場合(2段階目)のほうが、大当り期待度が高くなるSR1演出と、更に、NR演出、SR1演出、及びSR2演出が実行される場合(3段階目)のほうが、大当り期待度が高くなるSR2演出とを含むことが記載されているといえる。 (コ) 上記(ウ)の【0066】には、「1回の変動ゲーム中においてリーチ演出が発展する場合には、所定時間の発展時の演出が実行される」と記載され、上記(カ)の【0114】には、「統括制御用CPU31aは、変動ゲームの開始時に主制御用CPU30aから入力された変動パターン指定コマンドを読み出し、変動パターンを特定する」と記載されている。 また、上記(キ)に示したとおり図4には、「変動パターン」として「P01」~「P42」の全12パターンが存在することが図示され、上記(ク)に示したとおり図5には、リーチ演出の発展時の演出として「SR2演出」を、変動パターンが「P13」、「P23」、「P33」のときに1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しないことが図示されている。 そうすると、上記(ウ)、(カ)、(キ)及び(ク)には、統括制御用CPU31aは、全12パターンのうちから変動パターンを特定し、1回の変動ゲーム中においてリーチ演出が発展する場合には、所定時間の発展時の演出を実行し、リーチ演出の発展時の演出としてSR2演出を、変動パターンがP13、P23、P33のときに1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しないことが記載されているといえる。 以上の記載事項及び認定事項から、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下、「引用発明」という。a~gは引用発明を分説するため当審で付した。)。 「a 当り判定手段、ゲーム制御手段、コマンド制御手段として機能し(【0067】)、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して出力する主制御用CPU30aと(【0089】)、 b 主制御用CPU30aから入力された変動パターン指定コマンドを読み出し、主制御用ROM30bに記憶されている複数種類の変動パターンから、変動パターンを特定する統括制御用CPU31aと(【0053】、【0114】)、 c 複数の飾図(【0013】)を用いて行われる変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される演出表示装置11であって(【0010】)、統括制御用CPU31aから表示制御用CPU32aに、変動パターン指定コマンドが入力されると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように表示内容が制御される演出表示装置11と(【0105】)、 d を備えるパチンコ遊技機であって(【0010】)、 e 複数種類の変動パターン(【0053】)として、変動ゲームが開始されてからNR演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し、スーパーリーチ1(以下、「SR1」と示す)演出が実行される変動パターンP12,P22,P32,P41,P42(【0064】)、及び、変動ゲームが開始されてからNR演出、SR1演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し、スーパーリーチ2(以下、「SR2」と示す)演出が実行される変動パターンP13,P23,P33(【0065】)を含み、 f 複数のリーチ演出として、NR演出が実行される場合(1段階目)よりも、NR演出、及びSR1演出が実行される場合(2段階目)のほうが、大当り期待度が高くなるSR1演出と、更に、NR演出、SR1演出、及びSR2演出が実行される場合(3段階目)のほうが、大当り期待度が高くなるSR2演出とを含み(認定事項(ケ))、 g 統括制御用CPU31aは、全12パターンのうちから変動パターンを特定し、1回の変動ゲーム中においてリーチ演出が発展する場合には、所定時間の発展時の演出を実行し、リーチ演出の発展時の演出としてSR2演出を、変動パターンがP13、P23、P33のときに1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しない(認定事項(コ))パチンコ遊技機。」 イ 刊行物2 当審で新たに引用する、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-233356号公報(以下、「刊行物2」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア) 「【0025】 [遊技機の構成] 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。・・・ 【0029】 打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。・・・ 【0030】 遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。・・・ 【0034】 この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、演出用役物127等の可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。・・・」 (イ) 「【0086】 ・・・本実施形態では、演出用役物127の移動動作は、後述する演出図柄の変動表示中のスーパーリーチ発展後の演出態様において、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときにのみ実行されるものとする。即ち、演出用役物127の移動動作によって可変表示結果が「大当り」となって、遊技状態が大当り遊技状態に制御されることを報知できる。遊技者は、スーパーリーチ発展後に演出用役物127の移動動作を期待しながら遊技を行うことになる。」 (ウ) 「【0090】 ・・・演出制御用CPU101では、後述するように「ボタン予告演出」を行うとき、及び「役物作動演出」を行うときに、プッシュボタン120による操作を示唆するボタン操作示唆表示を演出表示装置9に表示する。具体的には、図60に示すように、ボタン操作示唆表示201として、「PUSH!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示が表示される。また、ボタン操作示唆表示201の表示期間を示すメータ202が、ボタン操作示唆表示201の下方に表示される。・・・」 (エ) 「【0140】 大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。・・・ 【0153】 なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150~251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。 ・・・ 【0163】 なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230~251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。」 (オ) 「【0392】 ・・・また、図45に示すように、この実施の形態では、予告信頼度パターンを決定することによって、演出図柄の変動開始時に実行する予告演出、全図柄変動中(高速変動中)に実行する予告演出、変動減速時に実行する予告演出、およびリーチ成立後(ノーマルリーチ発生後、スーパーリーチに発展する前の段階)に実行する予告演出の信頼度を一括して決定する。 【0393】 さらに本実施形態では、スーパーリーチに発展した場合には役物作動演出が実行され、可動部材である演出用役物127が動作すれば大当り、動作しなければはずれになる態様の演出を行う。この役物作動演出の態様として、図62に示すように、「勝利演出」、「敗北演出」、及び「復活演出」の3つの態様が存在する。「勝利演出」の態様は、図63に示すように、ボタン操作の有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作すると、その直後に演出用役物127が動作し(D11)、演出表示装置9に「勝利」という文字402と特定のキャラ403が表示された後(D12)、大当りを示す演出図柄が停止表示される(D13)というものである。「敗北演出」の態様は、図63に示すように、ボタン操作の有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作すると、その直後に演出表示装置9に「敗北」という文字404が表示された後(D31)、はずれを示す演出図柄が停止表示される(D33)というものである。「復活演出」の態様は、図63に示すように、ボタン操作の有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作すると、その直後に演出表示装置9に一旦「敗北」という文字404が表示され(D21)、その後に演出用役物127が動作し(D22)、大当りを示す演出図柄が停止表示される(D23)というものである。 【0394】 演出制御用CPU101は、変動パターンにおいてスーパーリーチが指定されている場合に、図62に示す割合で、役物作動演出の態様を決定する。・・・」 (カ) 図65及び66には、「スーパーリーチ」中に、「ボタン操作示唆表示」として「「PUSH」表示」が1回のみ実行され、「勝利演出」、「敗北演出」及び「復活演出」の3つの態様のそれぞれについて「ボタン操作示唆表示中にプッシュボタン操作有り」、「プッシュボタン操作有り」、「プッシュボタン操作無し」の場合で全9パターンの演出があり、全9パターンにおいて、「役物作動」、「「勝利」表示」又は「「敗北」表示」が実行された後に「図柄停止」されることが図示されている。 (3) 対比 本願補正発明と引用発明とを対比する(対比の見出しとしての(a)~(g)は引用発明の分説構成と対応させた。)。 (a) 引用発明における「ゲーム制御手段」として「機能」すること、「変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンド」、「出力する」こと、「主制御用CPU30a」は、それぞれ、本願補正発明における「遊技の進行を制御」すること、「遊技の進行に合わせたコマンド」、「送信する」こと、「主制御手段」に相当する。 したがって、引用発明の「当り判定手段、ゲーム制御手段、コマンド制御手段として機能し、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して出力する主制御用CPU30a」は、本願補正発明の「遊技の進行を制御し、遊技の進行に合わせたコマンドを送信する主制御手段」に相当する。 (b) 引用発明における「入力された」こと、「変動パターン指定コマンド」は、それぞれ、本願補正発明における「送信された」こと、「コマンド」に相当する。 また、引用発明においては、「複数種類の変動パターンが記憶され」ており、「変動パターン指定コマンド」に基づいて何れかの変動パターンを特定することで、「複数種類の変動パターン」に基づく複数の演出のうちから実行する演出を決定しているといえる。そうすると、引用発明における「複数種類の変動パターン」に基づく複数の演出は、本願補正発明における「複数の演出」に相当し、引用発明において「変動パターン指定コマンド」「を読み出し」「複数種類の変動パターンから」「変動パターンを特定する」ことは、本願補正発明において「コマンド」「に基づいて」「複数の演出のうちからコマンドに対応する演出を決定する」ことに相当する。 そして、引用発明の「統括制御用CPU31a」は、本願補正発明の「演出制御手段」に相当する。 したがって、引用発明の「主制御用CPU30aから入力された変動パターン指定コマンドを読み出し、主制御用ROM30bに記憶されている複数種類の変動パターンから、変動パターンを特定する統括制御用CPU31a」は、本願補正発明の「該主制御手段から送信されたコマンドに基づいて複数の演出のうちからコマンドに対応する演出を決定する演出制御手段」に相当する。 (c) 引用発明における「複数の飾図」、「変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出」、「演出表示装置11」は、それぞれ、本願補正発明における「複数の演出図柄」、「変動演出」、「画像表示手段」に相当する。 また、引用発明においては、「統括制御用CPU31aから表示制御用CPU32aに、変動パターン指定コマンドが入力されると、当該変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように表示内容が制御される」ことで、「統括制御用CPU31a」により決定された変動パターンによる演出が「演出表示装置11」において画像表示されるといえる。そうすると、引用発明において「統括制御用CPU31aから表示制御用CPU32aに、変動パターン指定コマンドが入力されると、当該変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように表示内容が制御される」ことは、本願補正発明において「前記演出制御手段により決定された演出が実行される」ことに相当する。 ここで、引用発明の「画像表示装置11」は、演出が実行される装置であって「演出装置」に含まれるといえる。 したがって、引用発明の「複数の飾図を用いて行われる変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される演出表示装置11であって、統括制御用CPU31aから表示制御用CPU32aに、変動パターン指定コマンドが入力されると、当該変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように表示内容が制御される演出表示装置11」は、本願補正発明の「複数の演出図柄による変動演出が行われる画像表示手段を含むと共に、前記演出制御手段により決定された演出が実行される演出装置」に相当する。 (d) 引用発明の「パチンコ遊技機」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 (e) 引用発明における「スーパーリーチ1(以下、「SR1」と示す)演出」及び「スーパーリーチ2(以下、「SR2」と示す)演出」は、いずれもリーチ演出であるから、本願補正発明における「複数のリーチ演出」に相当する。 そして、引用発明においては、「複数種類の変動パターン」として、「変動パターンP12,P22,P32,P41,P42」及び「変動パターンP13,P23,P33」を含み、これらの変動パターンに基づいて「SR1演出」及び「SR2演出」、つまり複数のリーチ演出が実行される。 したがって、引用発明において「複数種類の変動パターンとして、変動ゲームが開始されてからNR演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し、SR1演出が実行される変動パターンP12,P22,P32,P41,P42、及び、変動ゲームが開始されてからNR演出、スーパーリーチ1(以下、「SR1」と示す)演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し、スーパーリーチ2(以下、「SR2」と示す)演出が実行される変動パターンP13,P23,P33を含」むことと、本願補正発明において「前記複数の演出は、複数のリーチ演出と、前記コマンドが前記特別遊技を実行するコマンドであるときに選択されやすい演出であって遊技者による所定の操作により演出が実行される演出である特定の操作要求演出とを含」むことは、「前記複数の演出は、複数のリーチ演出」「を含」む点で共通する。 (f) 引用発明の「SR1演出」は、「NR演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し」て実行される演出であるから、本願補正発明の「第1の発展演出」に相当する。 引用発明の「SR2演出」は、「NR演出、SR1演出が実行され、その後に、リーチ演出が発展し」て実行される演出であり、「SR1演出」の後に実行される演出であるから、本願補正発明の「前記第1の発展演出後に実行され得る」演出に相当する。また、引用発明の「SR2演出」は、「大当り期待度が高くな」る演出であるところ、引用発明において「大当り期待度が高くな」るということは、「大当り遊技が付与される場合の出現率の割合」(【0062】)が高くなる、つまり特別遊技が実行される割合が高くなるということである。そして、「SR2演出」が実行される場合に「大当り期待度が高くなる」ということは、「変動パターン指定コマンド」が大当り遊技が付与される場合であるときにSR2演出が選択されやすくされていることは明らかである。そうすると、引用発明の「SR2演出」は、本願補正発明の「前記第1の発展演出後に実行され得ると共に前記コマンドが前記特別遊技を実行するものであるときに選択されやすい第2の発展演出」に相当する。 したがって、引用発明において「複数のリーチ演出として、NR演出が実行される場合(1段階目)よりも、NR演出、及びSR1演出が実行される場合(2段階目)のほうが、大当り期待度が高くなるSR1演出と、更に、NR演出、SR1演出、及びSR2演出が実行される場合(3段階目)のほうが、大当り期待度が高くなるSR2演出とを含」むということは、SR2演出はSR1演出後に実行され得ると共に実行されたときに大当りになりやすいということであることを考慮すると、本願補正発明において「前記複数のリーチ演出は、第1の発展演出と、前記第1の発展演出後に実行され得ると共に前記コマンドが前記特別遊技を実行するものであるときに選択されやすい第2の発展演出とを含」むことに相当する。 (g) 引用発明の「統括制御用CPU31a」、「SR2演出」は、それぞれ、本願補正発明の「前記演出制御手段」、「前記第2の発展演出」に相当する。 また、引用発明において「変動ゲーム」は、上記(c)に示したとおり、複数の飾図の変動表示が実行される演出であり、「1回の変動ゲーム」は、当該複数の飾図の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動中の演出であることは明らかである。そうすると、引用発明において「1回の変動ゲーム中においてリーチ演出が発展する場合」に実行される演出は、本願補正発明において「前記複数の演出図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動中の演出」に相当する。 さらに、引用発明では、「全12パターンのうちから変動パターンを特定し・・・リーチ演出の発展時の演出としてSR2演出を、変動パターンがP13、P23、P33のときに1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しない」から、1回の変動ゲーム中に「SR2演出」が2回以上実行されることはない。また、引用発明は、当該「全12パターン」以外に何らかの変動パターンを並存させたり、「SR2演出」を2回以上実行させるものではない(そのようなことは刊行物1に何ら記載されていない)。そうすると、引用発明において「全12パターンのうちから変動パターンを特定し・・・リーチ演出の発展時の演出としてSR2演出を、変動パターンがP13、P23、P33のときに1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しない」ということは、「SR2演出」が2回以上実行されることを規制しているといえるから、本願補正発明において「前記第2の発展演出が2回以上実行されることを規制する」ことに相当する。 ここで、本願補正発明の「演出が2回以上実行されることを規制する規制手段」は、本願の【0169】、【0173】、図29、31に示されている、特定の演出が2回以上実行される可能性がないように予め規定しておく手段も該当するから、引用発明において「全12パターンのうちから変動パターンを特定し・・・リーチ演出の発展時の演出としてSR2演出を、変動パターンがP13、P23、P33のときに1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しない」ようにする手段についても、特定の演出(SR2演出)が2回以上実行される可能性がないように予め規定しているから、本願補正発明の「規制手段」といえることに違いはない。 したがって、引用発明において「統括制御用CPU31aは、全12パターンのうちから変動パターンを特定し、1回の変動ゲーム中においてリーチ演出が発展する場合には、所定時間の発展時の演出を実行し、リーチ演出の発展時の演出としてSR2演出を、変動パターンがP13、P23、P33のときに1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しない」機能を備えることは、本願補正発明において「前記演出制御手段は、前記複数の演出図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動中の演出として、前記第2の発展演出が2回以上実行されることを規制する規制手段を備え」ることに相当する。 以上の検討より、本願補正発明と引用発明とは、 「A 遊技の進行を制御し、遊技の進行に合わせたコマンドを送信する主制御手段と、 B 該主制御手段から送信されたコマンドに基づいて複数の演出のうちからコマンドに対応する演出を決定する演出制御手段と、 C 複数の演出図柄による変動演出が行われる画像表示手段を含むと共に、前記演出制御手段により決定された演出が実行される演出装置と、 D を備える遊技機であって、 E’ 前記複数の演出は、複数のリーチ演出を含み、 F 前記複数のリーチ演出は、第1の発展演出と、前記第1の発展演出後に実行され得ると共に前記コマンドが前記特別遊技を実行するものであるときに選択されやすい第2の発展演出とを含み、 G 前記演出制御手段は、前記複数の演出図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動中の演出として、前記第2の発展演出が2回以上実行されることを規制する規制手段を備える遊技機。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1]:「複数の演出」に関して、本願補正発明では「前記コマンドが前記特別遊技を実行するコマンドであるときに選択されやすい演出であって遊技者による所定の操作により演出が実行される演出である特定の操作要求演出」を含むのに対し、引用発明ではそのような演出を含んでいない点。(E) [相違点2]:「規制手段」に関して、本願補正発明では「前記第2の発展演出の実行中に、前記特定の操作要求演出が2回以上実行されることを規制する」のに対し、引用発明では、相違点1に示したとおり「特定の操作要求演出」を実行しておらず、そのため「特定の操作要求演出」が「2回以上実行されることを規制する」ことについても特定されていない点。(H) (4) 判断 ア 相違点1について 刊行物2には、パチンコ遊技機1において決定された大当り種別が、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150~251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行され(【0153】)、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230~251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される(【0163】)ことが記載されいるなど、「スーパーリーチ」が選択される「変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値」の範囲は、大当りのときの方がはずれのときよりも広くされているから、「スーパーリーチ」は、大当りのとき、つまり「特別遊技を実行するとき」に「選択されやすい演出」であることは明らかである。 また、刊行物2には、変動パターンにおいてスーパーリーチが指定されている場合に、役物作動演出の態様を決定し(【0394】)、スーパーリーチに発展した場合には役物作動演出が実行され(【0393】)、役物作動演出を行うときには、プッシュボタン120による操作を示唆するボタン操作示唆表示を表示し(【0090】)、演出用役物127の移動動作は、演出図柄の変動表示中のスーパーリーチ発展後の演出態様において、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときにのみ実行され、演出用役物127の移動動作によって可変表示結果が「大当り」となって、遊技状態が大当り遊技状態に制御されることを報知できる(【0086】)ことが記載されている。 そうすると、刊行物2に記載された事項において、「特別遊技を実行するとき」に「選択されやすい演出」である「スーパーリーチ」に発展した場合に実行される「役物作動演出」も、「特別遊技を実行するとき」に「選択されやすい演出」であるといえる。 また、刊行物2に記載された事項において、「遊技者がプッシュボタン120を操作する」ことに応じて「演出用役物127が動作」するなどの演出が実行される「役物作動演出」は、「遊技者による所定の操作により演出が実行される演出」であるといえる。 したがって、刊行物2に記載された「役物作動演出」は、特別遊技を実行するときに選択されやすい演出であって遊技者による所定の操作により演出が実行される演出であって、「特定の操作要求演出」であるといえる。 そして、引用発明と刊行物2に記載された事項は、リーチ演出を発展させて演出を行う点で共通するし、スーパーリーチ発展後において演出効果を高めるため、特定の操作要求演出により更に演出を実行することは当業者が適宜設計できることであるから、引用発明において実行される演出として、刊行物2に記載された「役物作動演出」を含ませることで、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 イ 相違点2について 刊行物2の【0392】には、「ノーマルリーチ発生後、スーパーリーチに発展する」と記載されており、「スーパーリーチ」は「発展演出」であるといえる。 また、刊行物2の【0393】には、役物作動演出の態様として、「勝利演出」、「敗北演出」、及び「復活演出」の3つの態様が存在することが記載され、図65及び66には、「スーパーリーチ」の実行中に、「ボタン操作示唆表示」として「「PUSH」表示」が1回のみ実行され、「勝利演出」、「敗北演出」及び「復活演出」の3つの態様のそれぞれについて「ボタン操作示唆表示中にプッシュボタン操作有り」、「プッシュボタン操作有り」、「プッシュボタン操作無し」の場合があって、合計で全9パターンの演出があり、これら全9パターンにおいて、「役物作動」、「「勝利」表示」又は「「敗北」表示」が実行された後に「図柄停止」されることが図示されている。そして、当該「全9パターン」においては、「スーパーリーチ」の実行中に「役物作動演出」が2回以上実行されることなく「図柄停止」されている。 さらに、刊行物2には、当該「全9パターン」以外に何らかのパターンで「役物作動演出」が実行されたり、「役物作動演出」を2回以上実行されることは何ら記載されていない。 また、レア演出は複数回行うようにせず、1回のみの演出にした方が演出効果が高まることは自明である。 そうすると、刊行物2には、「スーパーリーチ」の実行中に「役物作動演出」が2回以上実行されることを規制すること、つまり「発展演出」の実行中に「特定の操作要求演出」が2回以上実行されることを規制することが記載されているということができる。 そして、引用発明と刊行物2に記載された事項は、リーチ演出を発展させて演出を行う点及び図柄停止直前に(最後に)発展演出を行う点で共通するから、引用発明における図柄停止直前の(最後の)発展演出である「SR2演出」の実行中に、刊行物2に記載された事項を適用し、「役物作動演出」が2回以上実行されることを規制することで、相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 ウ 請求人の主張及び本願補正発明が奏する効果について (ア) 本願補正発明(当審注:審判請求書では「本願発明」と記載されている。)の構成について、請求人は、審判請求書(3.(d))において、「引用文献1には・・・スーパーリーチ2が実行された後に変動ゲームが終了するとの記載はあるものの、これは1回の変動ゲームにおいてスーパーリーチ2を1回実行可能であるということであり、2回以上のスーパーリーチ2(第2の発展演出)の実行を規制するという上記(構成a)とは異なる。さらに、引用文献1には、本願発明の特定の操作要求演出に相当する構成の記載や示唆はない。すなわち、特別遊技を実行するときに選択されやすい演出であって、所定の操作により演出が実行される演出に相当する演出の記載がない」と主張する。 しかしながら、請求人が主張する「2回以上のスーパーリーチ2(第2の発展演出)の実行を規制するという」構成については、本願の実施形態(【0169】、図29等)のようにテーブル(「装飾図柄変動演出選択テーブル」)で予め規定しておくことで「SPSPリーチ演出」の「2回以上の実行が規制され」るだけのものを含んでおり、上記「(3) (g)」で示したとおり、引用発明においても「全12パターンのうちから変動パターンを特定し・・・リーチ演出の発展時の演出としてSR2演出を、変動パターンがP13、P23、P33のときに1回のみ実行し、それ以外の変動パターンのときには実行しない」ようにすることで、「SR2演出」が2回以上実行される可能性がないように予め規定しているから、引用発明においても備えられている構成である。 また、請求人が主張する「特定の操作要求演出に相当する構成」については、上記(3)で示した相違点1、2に係る構成であり、上記ア、イで検討したとおり、引用発明において刊行物2に記載された事項を適用することで、当業者であれば容易になし得たものである。 (イ) 本願補正発明の効果について、請求人は、審判請求書(3.(d))において、「ここで、遊技機の中には、発展演出(具体的には、ノーマルリーチから発展するSPリーチ演出やSPSPリーチ演出)の実行中に、大当たり確定演出として操作要求演出を実行するものがある。本願発明は、この種の遊技機に適用されることによって始めて、狙いとする効果を奏するものである。この種の遊技機では、まず、ノーマルリーチから発展演出への進展によって、遊技者に、「この変動で当たりそう」という期待を抱かせ、発展演出の中盤乃至終盤に、「押せ!」といった操作の案内を行い、この案内に従った操作がされた時に、遊技者に、「確実に当たっている」との確信を抱かせる演出が行われるようになっている。遊技者は、当該演出以後は、当たりの種類は何だろうか(確変かそれとも通常か)といったことに思いを巡らせながら、半ば落ち着いた気分で図柄停止までの残りの演出を楽しむことができる。本願発明では、第2の発展演出は、大当たり期待度の高い演出であり、1回の図柄変動中において2回以上実行されることが規制されている。さらに、第2の発展演出の実行中において、大当たり期待度の高い演出である特定の操作要求演出が2回以上実行されることが規制されている。これにより、第2の発展演出と特定の操作要求演出の希少性を高めるともに、第2の発展演出と特定の操作要求演出との差別化を図ることができる。そのため、特定の操作要求演出を遊技者に対してさらに期待感を付与する演出とすることができると共に、期待感が高い演出が2回以上実行されることによる遊技の興趣の低下を抑制することができる」と主張する。 しかしながら、上記ア、イに示したように、引用発明において刊行物2に記載された事項を適用し、相違点1、2に係る本願補正発明の構成とした際に、請求人が主張するような効果を奏することは、当業者が予測し得る程度のものであって、格別のものではない。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 (5) まとめ 以上のように、本願補正発明は、当業者が引用発明及び刊行物2に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 補正却下の決定についてのむすび 上記3より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成28年4月28日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである(A~Gは本願発明を分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 A 遊技の進行を制御し、遊技の進行に合わせたコマンドを送信する主制御手段と、 B 該主制御手段から送信されたコマンドに基づいて複数の演出のうちからコマンドに対応する演出を決定する演出制御手段と、 C 複数の演出図柄による変動演出が行われる画像表示手段を含むと共に、前記演出制御手段により決定された演出が実行される演出装置と、 D を備える遊技機であって、 E’ 前記複数の演出は、複数のリーチ演出を含み、 F’ 前記複数のリーチ演出は、第1の発展演出と、前記第1の発展演出後に実行され得ると共に前記判定結果が前記特別遊技を実行するものであるときに選択されやすい第2の発展演出とを含み、 G 前記演出制御手段は、前記複数の演出図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動中の演出として、前記第2の発展演出が2回以上実行されることを規制する規制手段を備えたことを特徴とする遊技機。」 2 刊行物に記載された事項 刊行物1の記載事項、図示内容、認定事項及び刊行物1に記載された発明(引用発明)については、上記「第2 3 (2) ア」に示したとおりである。 3 対比、判断 本願発明は、「複数の演出」に関して、本願補正発明から「前記コマンドが前記特別遊技を実行するコマンドであるときに選択されやすい演出であって遊技者による所定の操作により演出が実行される演出である特定の操作要求演出とを含み」という事項、つまり上記相違点1に係る事項を実質的に省いて、「複数のリーチ演出を含み」(E’)としつつ、「規制手段」に関して、本願補正発明から「前記規制手段は、前記第2の発展演出の実行中に、前記特定の操作要求演出が2回以上実行されることを規制する」(H)という事項、つまり上記相違点2に係る事項を実質的に省いたものである。 しかしながら、引用発明は、上記「第2 3 (3)」に示したとおり、上記相違点1、2に係る事項を実質的に省いたものである。 また、本願発明は、「第2の発展演出」に関して、本願補正発明の「コマンド」に基づいて選択されるという事項を実質的に省いて、「コマンド」に基づくこと含み得る「判定結果」(F’)に基づいて選択されるとしたものである。 しかしながら、引用発明における「SR2演出」(第2の発展演出)を選択するための「変動パターン指定コマンド」も、例えば、「変動パターンP31~P33,P42が大当り変動用の変動パターンとして、それぞれ規定されている」(【0059】)ものであって、当り判定等の判定結果に基づいているから、引用発明は、「判定結果」に基づいて「第2の発展演出」を選択しているといえる。 したがって、本願発明は引用発明と同一であり、刊行物1に記載された発明であるか、又は、当業者が刊行物1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し又は同条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-017605

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