特許拒絶査定不服審判
2016-015513
遊技機
- 審判番号
- 2016-015513
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-012299外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年10月18日
- 審決日
- 2018年01月09日
- 公報発行日
- 2018年04月27日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014- 12299号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月 3日出願公開、特開2015-139471号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成26年1月27日に特許出願されたものであって,平成27年3月19日付けで拒絶理由が通知され,同年5月20日に意見書及び手続補正書が提出され,同年11月18日付けで拒絶理由が通知(いわゆる「最後の拒絶理由通知」)され,これに対し平成28年1月18日に意見書及び手続補正書が提出されたが,同年7月12日付けで同年1月18日付けの手続補正が却下されると共に拒絶査定がなされ,これに対して,同年10月18日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。
第2 平成28年10月18日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成28年10月18日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載を含む補正であり,平成27年5月20日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ,以下のとおりである(下線部は補正を示す。)。
(補正前:平成27年5月20日付けの手続補正)
「【請求項1】
遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機であって,
所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段と,
前記演出制御手段によって演出が行われるときの演出音を出力するスピーカーと,
遊技者が操作できない位置に設けられ,前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの初期値の設定を行うために操作入力可能な第1操作入力手段と,
前記第1操作入力手段に対する操作入力に基づいて演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う初期音量設定手段と,
遊技者が前記初期値に設定された演出音の音量レベルを変更するために操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段と,
前記第2操作入力手段に対する操作入力に基づいて,演出音の音量レベルを変更する音量調整手段と,
音量レベルが前記初期値に設定されている場合に前記第2操作入力手段に対する操作が行われたことに伴い,演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段と,
を備えることを特徴とする遊技機。」
(補正後:本件補正:平成28年10月18日付け手続補正)
「【請求項1】
遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機であって,
所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段と,
前記演出制御手段によって演出が行われるときの演出音を出力するスピーカーと,
遊技者が操作できない位置に設けられ,前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの初期値の設定を行うために操作入力可能な第1操作入力手段と,
前記第1操作入力手段に対する操作入力に基づいて演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う初期音量設定手段と,
遊技者が前記初期値に設定された演出音の音量レベルを変更するために操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段と,
前記第2操作入力手段に対する操作入力に基づいて,演出音の音量レベルを変更する音量調整手段と,
音量レベルが前記初期値に設定されている場合に前記第2操作入力手段に対する操作が行われたことに伴い,演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段と,
を備え,
前記演出制御手段は,特別図柄の変動表示に応じて図柄変動演出を行わせ,
前記報知手段は,前記演出制御手段により前記図柄変動演出が行われている状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを第1の態様にて報知すると共に,前記図柄変動演出が行われていない状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを前記第1の態様とは異なる第2の態様にて報知することを特徴とする遊技機。」
2 補正の適否
(1)補正事項
本件補正は,補正前の請求項1の「演出制御手段」及び「報知手段」に関して,「前記演出制御手段は,特別図柄の変動表示に応じて図柄変動演出を行わせ,前記報知手段は,前記演出制御手段により前記図柄変動演出が行われている状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを第1の態様にて報知すると共に,前記図柄変動演出が行われていない状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを前記第1の態様とは異なる第2の態様にて報知する」という記載を追加する補正である。
(2)補正の目的等についての検討
上記補正事項は,「演出制御手段」に関して,「特別図柄の変動表示に応じて図柄変動演出を行わせ」ることを限定すると共に,「報知手段」に関して,「前記演出制御手段により前記図柄変動演出が行われている状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを第1の態様にて報知すると共に,前記図柄変動演出が行われていない状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを前記第1の態様とは異なる第2の態様にて報知する」ことを限定する補正であり,また,補正後の請求項1に記載された発明は,補正前の請求項1に記載された発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので,特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして,本件補正は,【0130】,【0164】~【0165】,【0217】,図24,42の記載に基づくものであるから,新規事項を追加するものではない。
3 独立特許要件
そこで,本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か,すなわち,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か,について以下に検討する。
(1)本件補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下,「本願補正発明」という。)は,上記「1 本件補正の概要」に本件補正後の請求項1として記載したとおりのものである(A~Hは,本願補正発明を分説するために当審で付与した。)。
「【請求項1】
A 遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機であって,
B 所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段と,
C 前記演出制御手段によって演出が行われるときの演出音を出力するスピーカーと,
D 遊技者が操作できない位置に設けられ,前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの初期値の設定を行うために操作入力可能な第1操作入力手段と,
E 前記第1操作入力手段に対する操作入力に基づいて演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う初期音量設定手段と,
F 遊技者が前記初期値に設定された演出音の音量レベルを変更するために操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段と,
G 前記第2操作入力手段に対する操作入力に基づいて,演出音の音量レベルを変更する音量調整手段と,
H 音量レベルが前記初期値に設定されている場合に前記第2操作入力手段に対する操作が行われたことに伴い,演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段と,
を備え,
I 前記演出制御手段は,特別図柄の変動表示に応じて図柄変動演出を行わせ,
J 前記報知手段は,前記演出制御手段により前記図柄変動演出が行われている状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを第1の態様にて報知すると共に,前記図柄変動演出が行われていない状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを前記第1の態様とは異なる第2の態様にて報知することを特徴とする遊技機。」
(2)刊行物に記載された事項
(2-1)刊行物1
本願の出願前に頒布された特開2005-288020号公報(以下,「刊行物1」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
(ア)「【0029】
遊技領域13の中央部にはセンターケース14が装着されており,そのセンターケース14にて取り囲まれるようにして図柄表示装置15(全体の図示は省略)のLCDパネル15aが配されている。」
(イ)「【0039】
発射制御装置34は,主制御装置30から送られてくるコマンド,遊技者が発射ハンドル64に接触(操作)していることを検出するタッチスイッチのタッチ信号,発射ハンドル64の回動量信号及び発射停止スイッチの信号に基づいて発射モータを制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0040】
図柄制御装置40は図柄表示装置15と一体化されており,図柄制御装置40は,サブ統合基板90(主制御装置30)から送られてくるコマンドに応じて図柄表示装置15の表示を制御する。図柄表示装置15は画像表示装置に該当し,図柄制御装置40は画像制御装置として機能する。
【0041】
サブ統合基板90は,主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し,それらを図柄制御装置40,音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて,各制御部位に送信する。そして,音制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ5からの音声出力を制御し,同様にランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって特別図柄保留記憶LED17,普通図柄保留記憶LED,普通図柄用LED29,各種ランプ等を制御する。このように構成することで,例えば図柄変動における音,ランプ,図柄表示装置15の演出タイミングの同調をはかることができる。このことから,サブ統合基板90はランプ・音声制御装置と言うこともできる。
【0042】
また,サブ統合基板90は,操作ボタン75の操作信号が入力される。詳細は後述するが,サブ統合基板90は,操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するので,音声制御装置に該当する。」
(ウ)「【0045】
次に,パチンコ機50の動作を説明する。
パチンコ機50の基本的な動作は公知の第1種パチンコ機と同様であるから,概要のみを簡単に説明する。
【0046】
主制御装置30は,普通電動役物22に入球(始動入賞が発生)して第1種始動口スイッチの始動検出信号が入力されると,保留記憶の個数が上限個数に達していない限り,当否抽選用乱数と大当たり図柄決定用乱数,リーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を該当のカウンタから読み込んで,それらを保留データとして保留記憶エリアに記憶する。
【0047】
保留記憶された保留データに対しては,当否抽選が行われる(抽選手段)。当否抽選は保留データの中で最も古いものを対象に行われ,その保留データは当否抽選に伴って保留エリアから当否抽選用の一時記憶に移されて保留エリアからは消去される。
・・・
【0049】
当否抽選が大当たりなら,保留データ中の大当たり図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄を決定し,保留データ中の変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。外れのときは,外れ図柄と変動パターンを決定する。大当たり図柄及び外れ図柄が停止図柄である。
・・・
【0051】
図柄制御基板40は,変動開始コマンドを受信する図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を開始させる。さらに,変動開始コマンドに含まれている変動パターンに基づいてLCDパネル15aに図柄の変動表示を行わせ,主制御装置30からの確定コマンドを受信すると変動開始コマンドで指定されていた停止図柄(大当たり図柄又は外れ図柄)を確定表示させる。すなわち,図柄表示装置15は当否抽選の結果を表示する表示手段となる。
【0052】
このようにして,大当たりか否かの当否抽選が行われ,その抽選結果を示す特別図柄(大当たり図柄又は外れ図柄)が図柄表示装置15に表示される。
また,大当たり図柄が図柄表示装置15に表示されると,主制御装置30は大当たり遊技処理を実行して大入賞口25を開放させる(特別遊技実行手段)。大当たり遊技の内容は,公知の第1種パチンコ機における特別遊技と同様であり,大入賞口25の1開放(開放時間は約29秒間,但し,開放された大入賞口25に10個入賞すれば開放終了。)を1ラウンドとし,入賞球が特定領域を通過したこと(Vスイッチによって遊技球が検出されたこと)を継続条件に,最大で16ラウンドまで継続する。
【0053】
次に,操作ボタン75の操作と音量変更等と関係を説明する。
まず図4を参照してサブ統合基板90が実行する初期音量設定処理を説明する。この初期音量設定処理においては,サブ統合基板90は主制御装置30からの電源投入時であることを示す信号が入力されると(S1:YES),音量変更処理により,スピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定する(S3)。初期音量は,サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ(図示略)によって,遊技店が設定できる。
・・・
【0055】
電源投入時(S1:YES)又は一定期間遊技が行われていないときには(S2:YES)初期音量に設定される(S3)から,遊技者がパチンコ機50にて遊技を行おうとして着席した場合,たいていは(前の遊技者が立ち去ってから一定期間を経過していないこともある。)初期音量に設定されている。
【0056】
このパチンコ機50においては,遊技状態や図柄の変動状態等に応じて,遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる音量調節可能期間がある。そのための音量調整処理を図5に従って説明する。
・・・
【0058】
音量調整可能期間であるが(S11:YES),音量表示がなされていない場合には(S12:NO),操作ボタン75からの操作信号が入力されると(S13:YES),図柄制御基板40に指示して図柄表示装置15に音量表示を行わせ(S14),計測値を一旦0にリセットしてから経過時間の計測を開始する(S15)。図柄表示装置15においては,図7に例示するような音量インジケータ41による音量表示が行われる。」
(エ)「【0065】
その後,操作ボタン75の操作信号が無い期間が一定期間Bを経過すると(T4~T5,T7~T8,T14~T15,T18~T19),それまでの操作ボタン75の操作信号の入力回数(S22のカウント値)に基づいて音量を変更する(T5,T8,T15,T19)。一定期間Bを経過する前に操作ボタン75の操作信号が入力されれば(T12~T13)操作信号の入力回数のカウントは継続される(T11~T14)。また,一定期間Bの経過により音量を変更しても一定期間Aについての計時は続き,その後期間Cを経過してから音量表示が終了する(A=B+C)。」
(オ)「【0072】
また,操作ボタン75の操作信号が無い期間が一定期間Aを経過すると,音量表示が終了する(図8I~K)。
一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり(図8L)音量が初期音量にされる。デモ表示においては,図8Lに例示するとおり,操作ボタン75を押すと音量を変更できる旨が表示される。
【0073】
一旦デモ表示になってから操作ボタン75を押すと,そのときに表示される音量インジケータ41は初期音量を示す(図7N,初期音量は音量インジケータ41のレベル5)。
このように,本実施例では図柄表示装置15にて音量を表示しているので,遊技者が容易に正確に音量調整ができ,新たに音量表示専用の表示装置を設けなくてよいから,費用や配置スペースの問題も発生しない。また,遊技者は一つの表示装置(ここでは図柄表示装置15)のみを見ているだけでいいので遊技に集中できる。」
(カ)「【0088】
特定のリーチが出現する変動パターンを上記の特定の変動パターンとして設定した例により,図9の音量調整切替処理と図柄表示装置15における画像表示との関係を説明する。
【0089】
図10に示すように,図柄の変動表示が行われ(A,B),期間Yを経過すると特定のリーチが始まる(C)。ここで切替処理bが行われて(S36),操作ボタン75による表示内容の変更が可能になる。図示の例では,2種類のキャラクタC1,C2が表示され,交互に選択枠が表示されるので(C,D),所望のキャラクタC1,C2が選択枠で囲まれたときに操作ボタン75を押せば,そのキャラクタC1,C2によるリーチ表示が行われる(E,F)。キャラクタC1,C2の選択が可能な期間は,上述の期間Yで開始し期間Xで終了し(Eでは終了している。),以後E~Hのように進行する(言うまでもないが外れるときもある)。Gでは,操作ボタン75を1回押した時であり(現在の音量を表示),このことから,少なくともA~Fまでは1段階目の音量で変動表示が行なわれていたことがわかる。」
(キ)「【0094】
図7,8,10の例では音量インジケータ41による音量表示が1段階刻みで行われるが,例えば図14に示すように無段階(連続的)な表示としてもよいし,図15に示すように数値表示としてもよい。また,これらに限ることなく,適宜さまざまな表示形態にできる。」
(ク)「【0116】
実施例は,図3で説明したように,ホール用(遊技者が操作できない)の音量調整手段が設けられており,上述した初期音量が店員によって変更可能になっているが,このような構成に限らず,例えばホール用にて大まかな音量調整ができるようにし,操作ボタン75での音量調整は限られた範囲での細かい音量調整のみできるようにしてもよい。このような構成でれば,大音量とか無音とかいった極端な変更が遊技者によって行われるのを防止できる。また,操作ボタン75によっての音量調整が可能,不能を設定できる切替スイッチを弾球遊技機の背面に設けてもよい。」
(ケ)上記【0029】の「図柄表示装置15・・・のLCDパネル15a」との記載,上記【0040】の「図柄表示装置15は画像表示装置に該当し」との記載,上記【0051】の「図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて・・・図柄の変動表示を開始させる」との記載,上記【0089】の「図10に示すように,図柄の変動表示が行われ(A,B),期間Yを経過すると特定のリーチが始まる・・・キャラクタ・・・C2によるリーチ表示が行われる(E,F)・・・少なくともA~Fまでは・・・変動表示が行なわれていた」との記載及び図10のA~Fを参酌すると,図10Eには,右上に「音量調整可能期間」と表示され,中央に「キャラクタC2が鬼を追いかけるリーチ表示画像」が表示され,右下に「3 3のリーチで変動表示している画像」が表示された,図柄表示装置15のLCDパネル15aが図示されているといえる。
上記記載事項(ア)~(ク),上記図示内容(ケ)より,以下の事項が導かれる。
なお,(a)~(j)は,本願補正発明の構成A~Jに対応した事項を示している。
(a)上記【0039】には「遊技者が発射ハンドル64・・・操作・・・して・・・遊技球を発射・・・させ」と記載され,上記【0046】には「普通電動役物22に入球(始動入賞が発生)して第1種始動口スイッチの始動検出信号が入力されると,・・・当否抽選用乱数と・・・リーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を・・・読み込んで,」と記載され,上記【0047】には「当否抽選が行われ」と記載され,上記【0051】には「図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて・・・図柄の変動表示を行わせ」と記載され,上記【0049】には「当否抽選が大当たりなら」と記載され,上記【0052】には「大当たり図柄が・・・表示され・・・大当たり遊技処理を実行して大入賞口25を開放させる」と記載され,上記【0045】には「パチンコ機50」と記載されている。ここで,上記【0051】の「図柄の変動表示」は,上記【0047】の「当否抽選」の抽選結果に基づいていることが明らかであることを踏まえると,刊行物1には,遊技者が発射ハンドル64を操作して遊技球を発射させ,普通電動役物22に入球(始動入賞が発生)して第1種始動口スイッチの始動検出信号が入力されると,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を行わせ,当否抽選が大当たりなら大当たり図柄が表示され,大当たり遊技処理を実行して大入賞口25を開放させるパチンコ機50が記載されているといえる。
(b)上記(a)で検討したように,刊行物1には「当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を開始させ」ることが記載され,上記【0049】には「当否抽選が大当たりなら・・・変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン・・・を決定する。外れのときは・・・変動パターンを決定する」と記載され,上記【0088】には「特定のリーチが出現する変動パターンを・・・特定の変動パターンとして設定・・・図柄表示装置15における画像表示」と記載され,上記【0089】には「図10に示すように,図柄の変動表示が行われ(A,B),期間Yを経過すると特定のリーチが始まる(C)。・・・キャラクタ・・・C2によるリーチ表示が行われる(E,F)」と記載されている。
そして,上記【0089】の「図10に示す」の「特定のリーチ」である「キャラクタ」「C2によるリーチ表示」は,「当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで」行われる,当否抽選の抽選結果に基づいて行われる演出であることは明らかであると共に,リーチ表示は図柄の変動表示中にリーチになったときに行われる(リーチ表示は図柄の変動表示に含まれる)ことも明らかであるから,刊行物1には,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15にキャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせることが記載されているといえる。
また,上記【0072】には「一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり」と記載され,上記【0040】には「図柄制御装置40は,サブ統合基板90(主制御装置30)から送られてくるコマンドに応じて図柄表示装置15の表示を制御する」と記載されている。
これらのことから,刊行物1には,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15にキャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせると共に,一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になるように,サブ統合基板90(主制御装置30)から送られてくるコマンドに応じて制御する図柄制御装置40が記載されているといえる。
(c)上記【0041】には「サブ統合基板90は,主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを・・・図柄制御装置40,音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて・・・送信する。・・・スピーカ5からの音声出力を制御し,・・・図柄変動における音,・・・図柄表示装置15の演出タイミングの同調をはかることができる」と記載されているから,刊行物1には,主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを図柄制御装置40に送信するサブ統合基板90によって,図柄表示装置15の演出タイミングと同調をはかり図柄変動における音の音声出力をするスピーカ5が記載されているといえる。
(d)上記【0116】には「ホール用(遊技者が操作できない)の音量調整手段が設けられており,上述した初期音量が店員によって変更可能」と記載され,上記【0053】には「初期音量設定処理において・・・スピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定する・・・初期音量は,サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ・・・によって,遊技店が設定できる」と記載されているから,刊行物1には,遊技者が操作できないが店員によって変更可能にサブ統合基板90に設けられ,スピーカ5から出力する音声の音量の初期音量が設定できるホール用音量調整スイッチが記載されているといえる。
(e)上記【0053】には「サブ統合基板90が実行する初期音量設定処理・・・初期音量設定処理において・・・スピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定する・・・初期音量は,サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ・・・によって,遊技店が設定できる」と記載され,上記【0116】には「ホール用(遊技者が操作できない)の音量調整手段が設けられており,上述した初期音量が店員によって変更可能」と記載されているから,刊行物1には,ホール用音量調整スイッチの店員による操作によって,スピーカ5から出力する音声の音量の初期音量を設定するサブ統合基板90が記載されているといえる。
(f)上記【0055】には「電源投入時・・・又は一定期間遊技が行われていないときに・・・初期音量に設定される」と記載され,上記【0056】には「遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる」と記載され,上記【0065】には「操作ボタン75の操作信号の入力回数・・・に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更する」と記載されているから,刊行物1には,初期音量に設定される,電源投入時又は一定期間遊技が行われていないときに,遊技者が操作する操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更する操作ボタン75が記載されているといえる。
(g)上記【0042】には「サブ統合基板90は,操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更する」と記載されているから,刊行物1には,操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90が記載されているといえる。
(h)上記【0072】には「一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり・・・音量が初期音量にされ・・・,図8Lに例示するとおり,操作ボタン75を押すと音量を変更できる旨が表示される」と記載され,上記【0073】には「一旦デモ表示になってから操作ボタン75を押すと,そのときに表示される音量インジケータ41は初期音量を示す」と記載されているから,刊行物1には,一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,音量が初期音量にされ,一旦デモ表示になってから操作ボタン75を押すと,初期音量が表示される音量インジケータ41が記載されているといえる。
(i)上記【0040】には「図柄制御装置40は・・・図柄表示装置15の表示を制御する」と記載され,上記(a)で検討したように,刊行物1には「当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を行わせ」ることが記載され,上記(b)で検討したように,刊行物1には「当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15にキャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせる」ことが記載されているから,刊行物1には,図柄制御装置40は,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせることが記載されているといえる。
(j)上記(i)で検討したように,刊行物1には「図柄制御装置40は・・・図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせ」ることが記載され,上記(ケ)の図10Eの図示内容は「右上に「音量調整可能期間」と表示され,中央に「キャラクタC2が鬼を追いかけるリーチ表示画像」が表示され,右下に「3 3のリーチで変動表示している画像」が表示された,図柄表示装置15のLCDパネル15a」であり,上記【0058】には「音量調整可能期間であるが・・・,音量表示がなされていない場合には・・・,操作ボタン75からの操作信号が入力されると・・・図柄表示装置15においては,図7に例示するような音量インジケータ41による音量表示が行われる」と記載され,上記【0073】には「操作ボタン75を押すと,・・・表示される音量インジケータ41」と記載され,上記【0094】には「図7,8,10の例では音量インジケータ41による音量表示が1段階刻みで行われる」と記載されているから,刊行物1には,音量インジケータ41は,図柄制御装置40が図柄表示装置15のLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせたときに,LCDパネル15aの右上に「音量調整可能期間」と表示されているが,音量表示がなされていない場合に,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われることが記載されているといえる。
また,上記(h)で検討したように,刊行物1には「一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,・・・操作ボタン75を押すと・・・表示される音量インジケータ41」が記載され,上記【0040】には「図柄制御装置40は・・・図柄表示装置15の表示を制御する」と記載され,上記【0094】には「図7,8,10の例では音量インジケータ41による音量表示が1段階刻みで行われる」と記載されているから,刊行物1には,音量インジケータ41は,図柄制御装置40が一定期間遊技が行われていないときに,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われることが記載されているといえる。
そして,上記【0094】には「図7,8,10の例では音量インジケータ41による音量表示が1段階刻みで行われるが,例えば図14に示すように無段階(連続的)な表示としてもよいし,図15に示すように数値表示としてもよい」と記載され,上記【0045】には「パチンコ機50」と記載されているから,刊行物1には,音量表示は無段階(連続的)な表示としてもよいし数値表示としてもよいパチンコ機50が記載されているといえる。
これらのことから,刊行物1には,音量インジケータ41は,図柄制御装置40が図柄表示装置15のLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせたときに,LCDパネル15aの右上に「音量調整可能期間」と表示されているが,音量表示がなされていない場合に,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われ,一定期間遊技が行われていないときに,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われると共に,音量表示は無段階(連続的)な表示としてもよいし数値表示としてもよいパチンコ機50が記載されているといえる。
上記(ア)~(ク)の記載事項,上記図示内容(ケ)及び上記(a)~(j)の認定事項を総合すれば,刊行物1には以下の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されていると認められる(a~jは発明の構成を分説するため当審で付与した。)。
「a 遊技者が発射ハンドル64を操作して遊技球を発射させ,普通電動役物22に入球(始動入賞が発生)して第1種始動口スイッチの始動検出信号が入力されると,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を行わせ,当否抽選が大当たりなら大当たり図柄が表示され,大当たり遊技処理を実行して大入賞口25を開放させるパチンコ機50であって,
b 当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15にキャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせると共に,一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になるように,サブ統合基板90(主制御装置30)から送られてくるコマンドに応じて制御する図柄制御装置40と,
c 主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを図柄制御装置40に送信するサブ統合基板90によって,図柄表示装置15の演出タイミングと同調をはかり図柄変動における音の音声出力をするスピーカ5と,
d 遊技者が操作できないが店員によって変更可能にサブ統合基板90に設けられ,スピーカ5から出力する音声の音量の初期音量が設定できるホール用音量調整スイッチと,
e ホール用音量調整スイッチの店員による操作によって,スピーカ5から出力する音声の音量の初期音量を設定するサブ統合基板90と,
f 初期音量に設定される,電源投入時又は一定期間遊技が行われていないときに,遊技者が操作する操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更する操作ボタン75と,
g 操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90と,
h 一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,音量が初期音量にされ,一旦デモ表示になってから操作ボタン75を押すと,初期音量が表示される音量インジケータ41と,
を備え,
i 図柄制御装置40は,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせ,
j 音量インジケータ41は,図柄制御装置40が図柄表示装置15のLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせたときに,LCDパネル15aの右上に「音量調整可能期間」と表示されているが,音量表示がなされていない場合に,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われ,一定期間遊技が行われていないときに,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われると共に,音量表示は無段階(連続的)な表示としてもよいし数値表示としてもよいパチンコ機50。」
(3)対比
本願補正発明と引用発明1とを対比する。
(a)引用発明1の「遊技者」による「発射ハンドル64を操作」,及び「パチンコ機50」は,それぞれ,本願補正発明の「遊技者による遊技操作」,及び「遊技機」に相当する。
引用発明1は「遊技者が発射ハンドル64を操作」することにより,「遊技球を発射させ,普通電動役物22に入球(始動入賞が発生)して第1種始動口スイッチの始動検出信号が入力されると,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を行わせ,当否抽選が大当たりなら大当たり図柄が表示され,大当たり遊技処理を実行して大入賞口25を開放させる」という,各種遊技が順次行われることであるから,引用発明1は「遊技者が発射ハンドル64を操作」することにより,遊技を進行させているといえる。
これらのことから,引用発明1の「遊技者が発射ハンドル64を操作して遊技球を発射させ,普通電動役物22に入球(始動入賞が発生)して第1種始動口スイッチの始動検出信号が入力されると,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を行わせ,当否抽選が大当たりなら大当たり図柄が表示され,大当たり遊技処理を実行して大入賞口25を開放させるパチンコ機50」は,本願補正発明の「遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機」に相当する。
(b)引用発明1の「図柄表示装置15」及び「図柄制御装置40」は,それぞれ,本願補正発明の「所定の演出手段」及び「演出制御手段」に相当する。
また,引用発明1の「キャラクタC2によるリーチ表示」及び「デモ表示」は,本願補正発明の「演出」に相当する。
これらのことから,引用発明1の「当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15にキャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせると共に,一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になるように,サブ統合基板90(主制御装置30)から送られてくるコマンドに応じて制御する図柄制御装置40」は,本願補正発明の「所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段」に相当する。
(c)引用発明1の「スピーカ5」は,本願補正発明の「スピーカー」に相当する。
また,上記(2)(2-1)(b)において既に検討しているように,リーチ表示は,図柄変動中に行われるので,引用発明1の「図柄表示装置15の演出タイミングと同調をはかり」「音声出力」される「図柄変動における音」には,引用発明1における構成bの「キャラクタによるリーチ表示が行われる」ときの音も含まれることは明らかである。このことから,引用発明1の「図柄表示装置15の演出タイミングと同調をはかり」「音声出力」される「図柄変動における音」は,本願補正発明の「演出が行われる時の演出音」に相当する。
しかしながら,引用発明1の「スピーカ5」は「サブ統合基板90によって」「音の音声出力をする」ものであり,上記「サブ統合基板90」は,上記(b)で検討した「図柄制御装置40」とは異なる制御装置である。
これらのことから,引用発明1の「主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを図柄制御装置40に送信するサブ統合基板90によって,図柄表示装置15の演出タイミングと同調をはかり図柄変動における音の音声出力をするスピーカ5」は,本願補正発明の構成Cと「演出が行われるときの演出音を出力するスピーカー」である点で共通している。
(d)引用発明1の「音量の初期音量」の「設定」,及び「ホール用音量調整スイッチ」は,それぞれ,本願補正発明の「音量レベルの初期値の設定」,及び「第1操作入力手段」に相当する。
また,引用発明1の「ホール用音量調整スイッチ」は,「遊技者が操作できないが店員によって変更可能にサブ統合基板90に設けられ」ているから,遊技者が操作できない位置に設けられていることは明らかである。
これらのことから,引用発明1の「遊技者が操作できないが店員によって変更可能にサブ統合基板90に設けられ,スピーカ5から出力する音声の音量の初期音量が設定できるホール用音量調整スイッチ」は,本願補正発明の「遊技者が操作できない位置に設けられ,前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの初期値の設定を行うために操作入力可能な第1操作入力手段」に相当する。
(e)引用発明1の「初期音量を設定するサブ統合基板90」は,本願補正発明の「初期音量設定手段」に相当する。
また,上記(d)において既に検討したように,引用発明1の「音量の初期音量」の「設定」は,本願補正発明の「音量レベルの初期値の設定」に相当するから,引用発明1の「音声の音量の初期音量を設定する」ことは,本願補正発明の「演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う」ことに相当する。
これらのことから,引用発明1の「ホール用音量調整スイッチの店員による操作によって,スピーカ5から出力する音声の音量の初期音量を設定するサブ統合基板90」は,本願補正発明の「前記第1操作入力手段に対する操作入力に基づいて演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う初期音量設定手段」に相当する。
(f)引用発明1の「操作ボタン75」は,本願補正発明の「第2操作入力手段」に相当する。
このことから,引用発明1の「音量が初期音量に設定される,電源投入時又は一定期間遊技が行われていないときに,遊技者が操作する操作信号の入力回数に基づいてスピーカ5から出力する音量を変更する操作ボタン75」は,本願補正発明の「遊技者が前記初期値に設定された演出音の音量レベルを変更するために操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段」に相当する。
(g)引用発明1の「音量を変更するサブ統合基板90」は,本願補正発明の「音量調整手段」に相当する。
このことから,引用発明1の「操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90」は,本願補正発明の「前記第2操作入力手段に対する操作入力に基づいて,演出音の音量レベルを変更する音量調整手段」に相当する。
(h)引用発明1の「音量インジケータ41」は,本願補正発明の「報知手段」に相当する。
このことから,引用発明1の「一定期間遊技が行われていないときには,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,音量が初期音量にされ,一旦デモ表示になってから操作ボタン75を押すと,初期音量が表示される音量インジケータ41」は,本願補正発明の「音量レベルが前記初期値に設定されている場合に前記第2操作入力手段に対する操作が行われたことに伴い,演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段」に相当する。
(i)引用発明1の「図柄制御装置40」は,「LCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせ」ている。
しかしながら,引用発明1の「図柄の変動表示」は,図柄変動であるが,図柄変動演出であるか不明であると共に,引用発明1の「図柄の変動表示」と同期して変動表示する,別の図柄の変動表示を行う構成を有するか不明である。
これらのことから,引用発明1の「図柄制御装置40は,当否抽選用乱数とリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数などの各種乱数を読み込んで行われる当否抽選の抽選結果に基づいて,図柄表示装置15を制御してLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせ」は,本願補正発明の構成Iと「前記演出制御手段は,」「図柄変動」「を行わせ」る点で共通しているといえる。
(j)引用発明1の「音量インジケータ41は,図柄制御装置40が図柄表示装置15のLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせたときに,LCDパネル15aの右上に「音量調整可能期間」と表示されているが,音量表示がなされていない場合に,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われ,一定期間遊技が行われていないときに,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われる」から,音量インジケータ41(報知手段)は,図柄制御装置40(演出制御手段)により図柄変動が行われている状態,又は図柄変動が行われていない状態で操作ボタン75(第2操作入力手段)に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを1段階刻み(第1の態様)等にて報知するといえる。
しかしながら,上記(i)で検討したように,引用発明1の「図柄の変動表示」は,図柄変動であるが,図柄変動演出であるか不明であると共に,図柄変動が行われている状態と行われていない状態とで,音量インジケータ41(報知手段)の音量レベルの報知態様が異なるか不明である。
これらのことから,引用発明1の「音量インジケータ41は,図柄制御装置40が図柄表示装置15のLCDパネル15aにて,キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせたときに,LCDパネル15aの右上に「音量調整可能期間」と表示されているが,音量表示がなされていない場合に,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われ,一定期間遊技が行われていないときに,図柄表示装置15の表示がデモ表示になり,操作ボタン75を押すと,1段階刻みで音量表示が行われると共に,音量表示は無段階(連続的)な表示としてもよいし数値表示としてもよいパチンコ機50」は,本願補正発明の構成Jと「前記報知手段は,前記演出制御手段により前記図柄変動」「が行われている状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを第1の態様にて報知すると共に,前記図柄変動」「が行われていない状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを」「報知することを特徴とする遊技機」である点で共通しているといえる。
上記(a)~(j)から,本願補正発明と引用発明1とは,
[一致点]
「A 遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機であって,
B 所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段と,
C’演出が行われるときの演出音を出力するスピーカーと,
D 遊技者が操作できない位置に設けられ,前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの初期値の設定を行うために操作入力可能な第1操作入力手段と,
E 前記第1操作入力手段に対する操作入力に基づいて演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う初期音量設定手段と,
F 遊技者が前記初期値に設定された演出音の音量レベルを変更するために操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段と,
G 前記第2操作入力手段に対する操作入力に基づいて,演出音の音量レベルを変更する音量調整手段と,
H 音量レベルが前記初期値に設定されている場合に前記第2操作入力手段に対する操作が行われたことに伴い,演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段と,
を備え,
I’前記演出制御手段は,図柄変動を行わせ,
J’前記報知手段は,前記演出制御手段により前記図柄変動が行われている状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを第1の態様にて報知すると共に,前記図柄変動が行われていない状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを報知することを特徴とする遊技機。」
である点で一致し,以下の点で相違する。
[相違点1](構成C)
「演出が行われるときの演出音を出力するスピーカー」 の「制御手段」に関して,
本願補正発明は,「前記演出制御手段」であるのに対して,
引用発明1は,「図柄制御装置40」(前記演出制御手段)でなく,「主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを図柄制御装置40に送信するサブ統合基板90」である点。
[相違点2](構成I)
「図柄変動を行わせ」る「前記演出制御手段」に関して,
本願補正発明は,「特別図柄の変動表示に応じて図柄変動演出を行わせ」るのに対して,
引用発明1は,「図柄の変動表示」(図柄変動)を行うが,このような構成であるか不明である点。
[相違点3](構成J)
「前記演出制御手段により前記図柄変動」「が行われている状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを第1の態様にて報知すると共に,前記図柄変動」「が行われていない状態で前記第2操作入力手段に対する操作が行われた場合に,演出音の音量レベルを報知する」「前記報知手段」に関して,
本願補正発明は,「前記図柄変動演出が行われている状態で」「演出音の音量レベルを第1の態様にて報知すると共に,前記図柄変動演出が行われていない状態で」「演出音の音量レベルを前記第1の態様とは異なる第2の態様にて報知する」のに対して,
引用発明1は,「図柄の変動表示」(図柄変動)が,「図柄変動演出」であるか不明であると共に,「図柄の変動表示」(図柄変動)が行われている状態と行われていない状態とで,音量インジケータ41(報知手段)の音量レベルの報知態様が異なるか不明である点。
(4)判断
ア 相違点1について
引用発明1は,構成bにおいて「サブ統合基板90(主制御装置30)から送られてくるコマンドに応じて制御する図柄制御装置40」という構成を有しているから,図柄制御装置40が行う制御は,サブ統合基板90から送られてくるコマンドに基づく制御であるといえる。このことから,図柄制御装置40が行う制御を,図柄制御装置40を介さずに直接サブ統合基板90で行う構成とすることは可能であるといえる。
また,遊技機において,演出表示の制御と,スピーカーの制御とを,同一の制御手段により行うことは,刊行物2(特開2013-132314号公報。【0093】,【0097】,図10~11には,画像音声制御基板70に搭載した画像音声制御用MPU71は,演出表示器30に変動・演出パターンを表示するために画像処理LSI76を制御し,スピーカ10~12から音楽や効果音などを出力するために音源IC80を制御する点が記載されている。),刊行物3(特開2011-200511号公報。【0091】,図3~4には,演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が,飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御やスピーカ27L,27R,27a,27bからの音出力制御を行う点が記載されている。)に記載されているように周知(以下,「周知技術1」という。)である。
引用発明1と周知技術1は共に,遊技機における演出表示の制御とスピーカーの制御に関する発明又は技術であり,技術分野及び機能が共通している。
引用発明1の図柄制御装置40による図柄表示装置15の表示の制御と,サブ統合基板90によるスピーカ5の音量を変更することを,上記周知技術1に基づいて,サブ統合基板90で一括して行うようにして,上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点2について
遊技機において,演出制御手段が,特別図柄の変動表示に応じて図柄変動演出を行わせることは,上記刊行物2(【0054】,【0093】,【0097】,図2,5,11には,画像音声制御基板70に搭載した画像音声制御用MPU71は,演出表示器30に変動・演出パターンを表示するために画像処理LSI76を制御する点,演出図柄とは,演出用の図柄のことであり,演出表示器30は,特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出図柄の変動表示を開始し,特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出図柄の変動表示を終了し,特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する[特別図柄の変動表示に応じて飾り図柄の変動表示を行う]点が記載されている。),上記刊行物3(【0018】,図1,3には,変動表示装置9は,演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御され,変動表示装置9は,特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に,装飾用(演出用)の図柄であって,各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う[特別図柄の変動表示に応じて飾り図柄の変動表示を行う]点が記載されている。)に記載されているように周知(以下,「周知技術2」という。)である。
引用発明1と周知技術2は共に,遊技機において,演出制御手段により図柄変動表示を行わせる発明又は技術であり,技術分野及び機能が共通している。
引用発明1に上記周知技術2を適用して,引用発明1の「図柄制御装置40が図柄表示装置15のLCDパネル15aにて」表示する「図柄の変動表示」を,特別図柄の変動表示に応じた図柄変動演出となるようにして,上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者が容易になし得たことである。
ウ 相違点3について
「図柄の変動表示」(図柄変動)が,「図柄変動演出」であるかどうかについては,上記相違点2において既に検討済みである。
引用発明1は,構成jとして「1段階刻みで音量表示が行われるが,音量表示は無段階(連続的)な表示としてもよいし数値表示としてもよい」構成を有しているから,1段階刻み以外の表示形態で音量表示をしてもいいといえる。
また,引用発明1は,構成jとして「キャラクタC2によるリーチ表示を含む図柄の変動表示を行わせたときに,LCDパネル15aの右上に「音量調整可能期間」と表示されている」構成を有しており,LCDパネル15aの右上の「音量調整可能期間」という表示は,変動表示の邪魔にならない表示であるといえる。
そして,遊技機の技術分野において,所定の情報を複数の遊技状態で表示する場合,図柄変動が行われている遊技状態における情報の報知が図柄変動表示の邪魔にならないように,図柄変動が行われている状態と行われていない状態(待機中)とで,異なる態様にて情報の報知を行うことは,刊行物4(特開2014-8184号公報。【0068】~【0070】,図7~9には,遊技者が注目している変動演出画像68の邪魔にならないように,変動演出画像68を表示している状態[図8(b),9(b)]での注意喚起画像69[のめり込みには注意して下さい。]は,表示画面の上端部に右端から左端に流れるような表示態様で表示されるが,待機演出画像67を表示している状態[図7(b),9(a)]での注意喚起画像69[のめり込みには注意して下さい。]は,比較的目立つ位置に表示される点が記載されている。),刊行物5(特開2013-158369号公報。【0431】~【0432】,図46には,遊技台説明表示[Aリーチは発展に期待だ]を他の演出の邪魔にならないように,特図変動遊技をして状態[図46(c)(d)]では,装飾図柄表示装置208の表示領域の右上の遊技台説明表示領域810に「Aリーチは発展に期待だ」と表示され,デモ演出830が開始された状態[図46(f)]では,拡大した中央部の遊技台説明表示領域710に「Aリーチは発展に期待だ」と表示される点が記載されている。)に記載されているように周知(以下,「周知技術3」という。)である。
引用発明1と周知技術3は共に,遊技機という同一の技術分野に属し,報知手段(表示手段)により報知を行わせるに際し,変動表示の邪魔にならないように所定の情報を表示させるという共通の機能を奏するものである。
したがって,引用発明1に,上記「イ 相違点2」において既に検討した周知技術2と共に,上記周知技術3を適用して,図柄の変動表示中の「音量表示」が邪魔にならないように,引用発明1の「図柄表示装置15のLCDパネル15aにて図柄の変動表示,及びキャラクタC2によるリーチ表示を行わせたとき」と「図柄表示装置15の表示がデモ表示にな」ったときの「音量表示」が異なるようにして,上記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者が容易になし得たことである。
そして,本願補正発明の作用効果も,引用発明1,及び周知技術1~3から当業者が予測できる範囲のものである。
よって,本願補正発明は,引用発明1,及び周知技術1~3に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5)請求人の主張について
請求人は審判請求書の3.(d)において,
「これに対して本願発明は,演出音の音量レベルが初期値に設定されている場合に音量レベルを変更する操作が行われると,当該初期値を報知する点で上記引用発明1及び2と共通するが,図柄変動演出が行われている状態においても,第2操作入力手段に対する操作に基づいて音量レベルを変更させることが可能であるという点で,引用発明1及び2とは全く相違する。そして,図柄変動演出が行われている状態で第2操作入力手段に対する操作が行われた場合,図柄変動演出が行われていない状態における第1の態様とは異なる第2の態様で音量レベルを報知する。これにより,本願発明は,図柄変動演出実行中においても音量レベルの変更を行うことが可能となると共に,図柄変動演出が行われていない場合とは異なる態様で音量レベルを報知することから,遊技者が図柄変動演出に集中するのを妨げることなく音量レベルを報知することが可能となるとの作用効果を奏するのである。」と主張している。
しかしながら,上記(3)において既に検討したように,請求人の主張する平成27年11月18日付け拒絶理由の引用文献1(特開2013-132357号公報。)と異なる,今回新たに提示した刊行物1(特開2005-288020号公報)に記載された発明である引用発明1は,請求人が相違点であると主張する「図柄変動演出が行われている状態においても,第2操作入力手段に対する操作に基づいて音量レベルを変更させることが可能である」という構成を備えるものであるから,引用発明1と本願補正発明との間には,請求人が相違点であると主張する相違点は存在しないと共に,上記(4)イにおいて既に検討したように,図柄変動が行われている状態の報知が邪魔にならないように,図柄変動が行われている状態と行われていない状態とで,異なる態様にて報知を行うことは,周知技術3として周知であるから,請求人の主張を採用することはできない。
(6)まとめ
したがって,本願補正発明は,特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正(平成28年10月18日付け手続補正)は上記第2のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成27年5月20日付け手続補正書により補正された,上記第2 1で前述した特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(A~Gは,本願発明を分説するために当審で付与した。)。
「【請求項1】
A 遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機であって,
B 所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段と,
C 前記演出制御手段によって演出が行われるときの演出音を出力するスピーカーと,
D 遊技者が操作できない位置に設けられ,前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの初期値の設定を行うために操作入力可能な第1操作入力手段と,
E 前記第1操作入力手段に対する操作入力に基づいて演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う初期音量設定手段と,
F 遊技者が前記初期値に設定された演出音の音量レベルを変更するために操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段と,
G 前記第2操作入力手段に対する操作入力に基づいて,演出音の音量レベルを変更する音量調整手段と,
H 音量レベルが前記初期値に設定されている場合に前記第2操作入力手段に対する操作が行われたことに伴い,演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段と,
を備えることを特徴とする遊技機。」
2 刊行物に記載された事項
(1)刊行物
平成27年11月18日付けの拒絶理由の通知で引用文献1とした本願の出願前に頒布された刊行物6(特開2013-132357号公報)には,図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。
(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
打球発射装置から発射された遊技球が遊技領域に設けられた始動領域に入球したことに基づいて遊技者に利益を付与するか否かの当落判定を行って該当落判定の結果に基づく制御コマンドを出力する主制御手段と,
該主制御手段からの制御コマンドに基づいて演出を進行する演出制御手段と,
を備える遊技機であって,
前記遊技機は,さらに,
前記演出制御手段により制御されて各種画像を表示する表示手段
を備え
前記演出制御手段は,少なくとも,
前記遊技機と当該遊技機の対面に着座する遊技者が所持する移動通信端末とを双方向に無線通信することができる無線通信制御手段と,
前記遊技機の対面に着座する遊技者と異なる他の者が所持する他の移動通信端末から当該遊技機の対面に着座する遊技者が所持する前記移動通信端末に対して送信された情報を,当該移動通信端末を介して,前記無線通信制御手段が受信し,該受信した情報に基づいて,他の者に関する情報を前記表示手段に表示する受信報知表示制御手段と,
を備えることを特徴とする遊技機。」
(イ)「【0012】
本実施形態では,例えば,図7の打球発射装置650が打球発射装置に相当し,図96の遊技領域1100が遊技領域に相当し,図96の上始動口2101又は下始動口2102が始動領域に相当し,図125の主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS86の特別図柄及び特別電動役物制御処理において行う特別抽選が「遊技球が遊技領域に設けられた始動領域に入球したことに基づいて遊技者に利益を付与するか否かの当落判定を行って」という部分に相当し,図125の主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理が「該当落判定の結果に基づく制御コマンドを出力する」部分に相当し,図99の主制御基板4100が主制御手段に相当し,図145の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1009~ステップS1038の周辺制御部定常処理,及び図147の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が「該主制御手段からの制御コマンドに基づいて演出を進行する」という部分に相当し,図102の周辺制御基板4140が演出制御手段に相当し,図1のパチンコ遊技機1が遊技機に相当し,図55の上皿側液晶表示装置470が表示手段に相当し,図145の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1023aの近距離通信処理が無線通信制御手段に相当し,「図166(a)に示す,上皿側液晶表示装置470の表示領域に描画されるバーチャルホール画面にウインドウWMGが表示され,このウインドウWMGの上側中央に「メールが届きました!」というメッセージが表示され,ウインドウWMGの下側中央に,メールの差出人と件名とが表示される」点が「他の者に関する情報を前記表示手段に表示する」部分に相当し,図145の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1027aのメール告知処理が受信報知表示制御手段に相当する。」
(ウ)「【0018】
図1乃至図7において,本実施形態に係るパチンコ遊技機1は,遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と,外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と,本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と,本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ遊技機1の扉枠5には,遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と,遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と,上皿301に貯留された遊技球を遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と,を備えている。」
(エ)「【0166】
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は,正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され,遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と,遊技者が押圧可能な押圧操作部405と,を備えており,遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり,ダイヤル操作部401が可動したりすることができ,遊技者に対して遊技球の打込操作
だけでなく,遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。」
(オ)「【0322】
[4-3.打球発射装置]
次に,本体枠3における打球発射装置650について,主に図64及び図65を参照して説明する。図64は,本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また,図65は,本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は,扉枠5の球送ユニット580から供給された遊技球を,ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。」
(カ)「【0550】
[5-7-4.液晶表示装置]
遊技盤4における液晶表示装置1900は,裏ユニット3000における裏箱3001の後面に脱着可能に取付けられるようになっており,遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は,左右両側から外方へ突出した固定片1902を備えており,この固定片1902を介して裏箱3001に取付けられるようになっている。」
(キ)「【0583】
[7-3.周辺制御基板]
周辺制御基板4140は,図102に示すように,主制御基板4100からの各種コマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4150と,液晶表示装置1900の描画制御と本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160と,年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下,「RTC」と記載する。)制御部4165と,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム4140aと,を備えている。」
(ク)「【0601】
周辺制御A/Dコンバータ4150akは,音量調整ボリューム4140aと電気的に接続されており,音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し,つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を,アナログ値からデジタル値に変換して,値0~値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では,1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0~6として管理している。基板ボリューム0では消音,基板ボリューム6では最大音量に設定されており,基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0~6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から音楽や効果音が流れるようになっている。このように,つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から音楽や効果音が流れるようになっている。なお,本実施形態では,音楽や効果音のほかに,パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や,遊技演出に関する内容等を告知する(例えば,液晶表示装置1900に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり,遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音も本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れるが,報知音や告知音は,つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており,消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は,上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり,消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより,例えば,ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの,パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では,最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって,演出音の音量を小さくしても,報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また,つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて,広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方,広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて液晶表示装置1900で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり,遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。」
(ケ)「【0649】
このように,本実施形態では,音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と,操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって,基板ボリュームの値を増やしたり,又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と,の2つの方法がある。音量調整ボリューム4140aは,周辺制御基板4140に実装されているため,本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると,音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することができるのは,ホールの店員となる。ところが,ホールの店員が調節した音量では,遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし,遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで,パチンコ遊技機1の電源投入後,所定時間内において,操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり,客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において,操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には,設定モードを行うための画面が液晶表示装置1900に表示され,この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより,遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため,ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には,操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作
して所望の音量まで大きくすることができるし,ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には,操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。」
(コ)「【1219】
[16-1.音量設定]
設定モードにおいて音量設定を選択する場合について簡単に説明すると,まず,図158(a)に示した設定モードの画面において,ジョグダイヤルJGD(ダイヤル操作部401)を回転操作して複数ある項目ITMのうち,音量設定を選択して反転表示させてボタンスイッチBTN(押圧操作部405)を押圧操作して決定すると,図示しないが,音量設定の画面が液晶表示装置1900の表示領域に表示される。この音量調整が液晶表示装置1900の表示領域に表示されると,音量設定の画面が表示されている旨を示すメッセージが表示領域の中央上側に表示され,このメッセージの下側に,音量レベルVLと,この音量レベルを視覚的に表現したインジゲータとから構成されるレベル表示が音量レベルVL1~6まで,液晶表示装置1900の左側から右側に向かって音量レベルVLが大きくなるように並んで表示され,この音量レベルVLを選択決定するための方法を示す画像として,液晶表示装置1900の表示領域の下側中央に,操作ユニット400のダイヤル操作部401を模したジョグダイヤルJGDと,操作ユニット400の押圧操作部405を模したボタンスイッチBTNと,が表示され,ジョグダイヤルJGDの左側に,ジョグダイヤルJGD(ダイヤル操作部401)を左方向に回転させる左回転操作を行うことで選択するレベル表示を次に小さいレベル表示に移動することができる旨を伝えるメッセージが表示される一方,ジョグダイヤルJGDの右側に,ジョグダイヤルJGD(ダイヤル操作部401)を右方向に回転させる右回転操作を行うことで選択するレベル表示を次に大きいレベル表示に移動することができる旨を伝えるメッセージが表示され,ボタンスイッチBTNの上側に,ボタンスイッチBTN(押圧操作部405)を押圧操作することでジョグダイヤルJGD(ダイヤル操作部401)の回転操作により選択したレベル表示を設定することができる旨を伝えるメッセージが表示されるようになっている。
・・・
【1221】
設定モードの画面において音量設定の画面に切り替わった状態において,例えば,音量レベルVLを値2から値5に設定する場合には,ジョグダイヤルJGD(ダイヤル操作部401)を右方向に回転させる右回転操作を行うことでレベル表示を音量レベルVLが値5となる位置まで移動させて選択して反転表示させて(このとき,音量レベルVLに値5が表示されるとともに,インジゲータから音符が表示され,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から「音量レベルは5です。」というアナウンスがその選択されたレベル表示の音量レベルVLの音量で流れる。),ボタンスイッチBTN(押圧操作部405)を押圧操作して設定する。
【1222】
なお,設定モードの画面において音量設定の画面に切り替わって最初に表示されるレベル表示は,音量レベルVLが値2となっていたが,これは,上述した音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて音量調整された基板ボリュームの値となっている。この基板ボリュームは,上述したように,基板ボリューム0では消音,基板ボリューム6では最大音量に設定されており,基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0~6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から音楽や効果音が流れるようになっている。音量設定の画面では,レベル表示の音量レベルVLの値として,値1~値6まで設定することができるようになっており,音量レベルVLの値1~値6が基板ボリューム1~基板ボリューム6にそれぞれ対応するようになっている。つまり,音量設定の画面では,消音設定をすることができないようになっている。
・・・
【1224】
この音量設定の画面で,音量レベルVLの値として値5が設定されると,再び設定モードの画面において音量設定の画面に切り替わって最初に表示されるレベル表示は,既に設定されている音量レベルVLの値5が表示される。このとき,上述した例では,実際には音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて音量調整されて基板ボリューム2であっても,音量設定の画面で設定した音量レベルVLの値が値5となるようになっている。音量調整ボリューム4140aのつまみ部によって設定された基板ボリューム2が音量レベルVLの初期値として設定される条件としては,上述したように,パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され,客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが繰り返し行われる(例えば,10回)場合である。これにより,前回,パチンコ遊技機1の対面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされることにより,音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では,ホールの店員が調節した音量,つまりホールの店員が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量(基板ボリューム)となる。」
上記記載事項(ア)~(コ)より,以下の事項が導かれる。
なお,(a)~(h)は,本願発明の構成A~Hに対応した事項を示している。
(a)上記【0018】には「遊技者が操作するハンドル装置500」と記載され,上記【0322】には「打球発射装置650は・・・遊技球を,ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで・・・遊技領域1100内へ打ち込む」と記載され,上記【請求項1】には「打球発射装置から発射された遊技球が遊技領域に設けられた始動領域に入球したことに基づいて遊技者に利益を付与するか否かの当落判定を行って該当落判定の結果に・・・基づいて演出を進行する・・・遊技機であって」と記載され,上記【0012】には「打球発射装置650が打球発射装置に相当し,・・・遊技領域1100が遊技領域に相当し,・・・上始動口2101又は下始動口2102が始動領域に相当し,・・・パチンコ遊技機1が遊技機に相当し」と記載されているから,刊行物6には,遊技者のハンドル装置500の操作に応じた強さで打球発射装置650から発射された遊技球が遊技領域1100に設けられた上始動口2101又は下始動口2102に入球したことに基づいて遊技者に利益を付与するか否かの当落判定を行って該当落判定の結果に基づいて演出を進行するパチンコ遊技機1が記載されているといえる。
(b)上記【0550】には「液晶表示装置1900は・・・遊技状態に応じて所定の演出画像を表示する」と記載され,上記【0583】には「周辺制御基板4140は・・・演出制御を行う周辺制御部4150・・・を備えている」と記載されているから,刊行物6には,液晶表示装置1900に遊技状態に応じて所定の演出画像を表示する演出制御を行う周辺制御基板4140が記載されているといえる。
(c)上記(b)で検討したように,刊行物6には「液晶表示装置1900に遊技状態に応じて所定の演出画像を表示する演出制御を行う周辺制御基板4140」が記載され,上記【0601】には「本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音」と記載されている。ここで,上記【0601】の「音楽や効果音等の演出音」は,遊技状態に応じて所定の演出画像を表示するときに流れることが明らかであることを踏まえると,刊行物6には,周辺制御基板4140により液晶表示装置1900に遊技状態に応じて所定の演出画像を表示するときに,音楽や効果音等の演出音を流す本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262が記載されているといえる。
(d)上記【0649】には「音量調整ボリューム4140aは,周辺制御基板4140に実装されているため,本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると,音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することができるのは,ホールの店員となる」と記載され,上記【0601】には「ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合・・・本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなる」と記載され,上記【1224】には「音量調整ボリューム4140aのつまみ部によって設定された基板ボリューム・・・が音量レベルVLの初期値として設定される・・・ホールの店員が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量(基板ボリューム)」と記載されているから,刊行物6には,つまみ部を回動操作することができるには本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要があり,ホールの店員がつまみ部を回動操作することができ,周辺制御基板4140に実装され,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音の音量レベルVLの初期値を設定する音量調整ボリューム4140aが記載されているといえる。
(e)上記(d)で検討したように,刊行物6には「ホールの店員がつまみ部を回動操作することができ,周辺制御基板4140に実装され,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音の音量の初期値を設定する音量調整ボリューム4140a」が記載され,上記【0583】には「周辺制御基板4140は・・・本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160・・・を備えている」と記載されている。ここで,「周辺制御基板4140」は,「音量調整ボリューム4140a」を実装し,「本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御」を行う構成を有するので,「周辺制御基板4140」が,上記(d)で検討した「演出音の音量の初期値を設定する」機能を有することは明らかであることを踏まえると,刊行物6には,音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音の音量レベルVLの初期値を設定する周辺制御基板4140が記載されているといえる。
(f)上記【1219】には「音量設定の画面が液晶表示装置1900・・・に表示される」と記載され,上記【1222】には「音量設定の画面に・・・最初に表示される・・・音量レベルVLが・・・音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて音量調整された・・・値となっている・・・音量設定の画面では・・・音量レベルVL・・・設定することができる」と記載され,上記(e)で検討したように,刊行物6には「音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより・・・演出音の音量レベルVLの初期値を設定する」ことが記載され,上記【1221】には「音量設定の画面・・・において・・・ダイヤル操作部401・・・を・・・回転させる・・・回転操作を行うことで・・・音量レベルVL・・・選択して反転表示させて・・・押圧操作部405・・・を押圧操作して設定する」と記載され,上記【0166】には「遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と,遊技者が押圧可能な押圧操作部405」と記載されている。ここで,上記【1222】の「音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて音量調整された」「値」は上記(e)で検討した「音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより」「設定する」「演出音の音量レベルVLの初期値」であることを踏まえると,刊行物6には,液晶表示装置1900に表示される音量設定の画面に,最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示され,ダイヤル操作部401を回転させる回転操作を行うことで音量レベルVLを選択して反転表示させ,押圧操作部405を押圧操作して音量レベルVLを設定する,遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と遊技者が押圧可能な押圧操作部405が記載されているといえる。
(g)上記(f)で検討したように,刊行物6には「液晶表示装置1900に表示される音量設定の画面に,最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示され,ダイヤル操作部401を回転させる回転操作を行うことで音量レベルVLを選択して反転表示させ,押圧操作部405を押圧操作して音量レベルVLを設定する,ダイヤル操作部401及び押圧操作部405」が記載され,上記【0583】には「周辺制御基板4140は・・・液晶表示装置1900の描画制御と本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160・・・を備えている」と記載されている。ここで,上記【0583】の「周辺制御基板4140」は,「液晶表示装置1900の描画制御と本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う」構成を有するので,「周辺制御基板4140」が演出音の音量レベルを変更する機能を有することは明らかであることを踏まえると,刊行物6には,液晶表示装置1900に表示される音量設定の画面に,最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示され,ダイヤル操作部401を回転させる回転操作を行うことで音量レベルVLを選択して反転表示させ,押圧操作部405を押圧操作して音量レベルVLを設定する周辺制御基板4140が記載されているといえる。
(h)上記【0649】には「パチンコ遊技機1の電源投入後,所定時間内において,・・・ダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり・・・液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において・・・ダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には,設定モードを行うための画面が液晶表示装置1900に表示され」と記載され,上記【1219】には「設定モードの画面において,・・・ダイヤル操作部401・・・を回転操作して・・・音量設定を選択して反転表示させて・・・押圧操作部405・・・を押圧操作して決定すると・・・音量設定の画面が液晶表示装置1900・・・に表示される」と記載され,上記(g)で検討したように,刊行物6には「液晶表示装置1900に表示される音量設定の画面に,最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示」されることが記載されているから,刊行物6には,パチンコ遊技機1の電源投入後の所定時間内,及びデモンストレーションが行われている期間内において,ダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作した場合に,設定モードを行うための画面が表示され,設定モードの画面において,ダイヤル操作部401を回転操作して音量設定を選択して反転表示させて押圧操作部405を押圧操作して決定すると音量設定の画面が表示され,音量設定の画面に最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示される液晶表示装置1900を備えたパチンコ遊技機1が記載されているといえる。
上記(ア)~(コ)の記載事項及び上記(a)~(j)の認定事項を総合すれば,刊行物1には以下の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されていると認められる(a~jは発明の構成を分説するため当審で付与した。)。
「a 遊技者のハンドル装置500の操作に応じた強さで打球発射装置650から発射された遊技球が遊技領域1100に設けられた上始動口2101又は下始動口2102に入球したことに基づいて遊技者に利益を付与するか否かの当落判定を行って該当落判定の結果に基づいて演出を進行するパチンコ遊技機1であって,
b 液晶表示装置1900に遊技状態に応じて所定の演出画像を表示する演出制御を行う周辺制御基板4140と,
c 周辺制御基板4140により液晶表示装置1900に遊技状態に応じて所定の演出画像を表示するときに,音楽や効果音等の演出音を流す本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262と,
d つまみ部を回動操作することができるには本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要があり,ホールの店員がつまみ部を回動操作することができ,周辺制御基板4140に実装され,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音の音量レベルVLの初期値を設定する音量調整ボリューム4140aと,
e 音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音の音量レベルVLの初期値を設定する周辺制御基板4140と,
f 液晶表示装置1900に表示される音量設定の画面に,最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示され,ダイヤル操作部401を回転させる回転操作を行うことで音量レベルVLを選択して反転表示させ,押圧操作部405を押圧操作して音量レベルVLを設定する,遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と遊技者が押圧可能な押圧操作部405と,
g 液晶表示装置1900に表示される音量設定の画面に,最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示され,ダイヤル操作部401を回転させる回転操作を行うことで音量レベルVLを選択して反転表示させ,押圧操作部405を押圧操作して音量レベルVLを設定する周辺制御基板4140と,
h パチンコ遊技機1の電源投入後の所定時間内,及びデモンストレーションが行われている期間内において,ダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作した場合に,設定モードを行うための画面が表示され,設定モードの画面において,ダイヤル操作部401を回転操作して音量設定を選択して反転表示させて押圧操作部405を押圧操作して決定すると音量設定の画面が表示され,音量設定の画面に最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示される液晶表示装置1900を備えたパチンコ遊技機1。」
3 対比
本願発明と引用発明6とを,分説に従って対比する。
(a)引用発明6の「遊技者のハンドル装置500の操作」及び「パチンコ遊技機1」は,それぞれ,本願発明の「遊技者による遊技操作」及び「遊技機」に相当する。
引用発明6は「遊技者のハンドル装置500の操作」により,「打球発射装置650から発射された遊技球が遊技領域1100に設けられた上始動口2101又は下始動口2102に入球したことに基づいて遊技者に利益を付与するか否かの当落判定を行って該当落判定の結果に基づいて演出を進行する」から,引用発明6は「遊技者のハンドル装置500の操作」により,遊技を進行させているといえる。
これらのことから,引用発明6の「遊技者のハンドル装置500の操作に応じた強さで打球発射装置650から発射された遊技球が遊技領域1100に設けられた上始動口2101又は下始動口2102に入球したことに基づいて遊技者に利益を付与するか否かの当落判定を行って該当落判定の結果に基づいて演出を進行するパチンコ遊技機1」は,本願発明の「遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機」に相当する。
(b)引用発明6の「液晶表示装置1900」及び「演出制御を行う周辺制御基板4140」は,それぞれ,本願発明の「所定の演出手段」及び「演出制御手段」に相当する。
また,引用発明6の「遊技状態に応じて所定の演出画像を表示する」ことは,本願発明の「演出」に相当する。
これらのことから,引用発明6の「液晶表示装置1900に遊技状態に応じて所定の演出画像を表示する演出制御を行う周辺制御基板4140」は,本願発明の「所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段」に相当する。
(c)引用発明6の「音楽や効果音等の演出音」及び「本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262」は,それぞれ,本願発明の「演出音」及び「スピーカー」に相当する。
このことから,引用発明6の「周辺制御基板4140により液晶表示装置1900に遊技状態に応じて所定の演出画像を表示するときに,音楽や効果音等の演出音を流す本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262」は,本願発明の「前記演出制御手段によって演出が行われるときの演出音を出力するスピーカー」に相当する。
(d)引用発明6の「音量レベルVLの初期値を設定」及び「音量調整ボリューム4140a」は,それぞれ,本願発明の「音量レベルの初期値の設定」及び「第1操作入力手段」に相当する。
また,引用発明6の「音量調整ボリューム4140a」の「つまみ部を回動操作することができるには本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要があ」ると共に,「ホールの店員がつまみ部を回動操作することができ」るから,引用発明6の「音量調整ボリューム4140a」は,遊技者が操作できない位置に設けられていることは明らかである。
これらのことから,引用発明6の「つまみ部を回動操作することができるには本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要があり,ホールの店員がつまみ部を回動操作することができ,周辺制御基板4140に実装され,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音の音量レベルVLの初期値を設定する音量調整ボリューム4140a」は,本願発明の「遊技者が操作できない位置に設けられ,前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの初期値の設定を行うために操作入力可能な第1操作入力手段」に相当する。
(e)引用発明6の「音量レベルVLの初期値を設定する周辺制御基板4140」は,本願発明の「初期音量設定手段」に相当する。
このことから,引用発明6の「音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより,本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音の音量レベルVLの初期値を設定する周辺制御基板4140」は,本願発明の「前記第1操作入力手段に対する操作入力に基づいて演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う初期音量設定手段」に相当する。
(f)引用発明6の「遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と遊技者が押圧可能な押圧操作部405」は,本願発明の「遊技者が」「操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段」に相当する。
引用発明6の「演出音の音量レベルVLの初期値」は,引用発明6の構成eに記載されているように「音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより」「演出音の音量レベルVLの初期値を設定」したものであるから,本願発明の「前記初期値に設定された演出音の音量レベル」に相当する。
これらのことから,引用発明6の「液晶表示装置1900に表示される音量設定の画面に,最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示され,ダイヤル操作部401を回転させる回転操作を行うことで音量レベルVLを選択して反転表示させ,押圧操作部405を押圧操作して音量レベルVLを設定する,遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と遊技者が押圧可能な押圧操作部405」は,本願発明の「遊技者が前記初期値に設定された演出音の音量レベルを変更するために操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段」に相当する。
(g)引用発明6の「音量レベルVLを設定する周辺制御基板4140」は,本願発明の「音量調整手段」に相当する。
このことから,引用発明6の「液晶表示装置1900に表示される音量設定の画面に,最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示され,ダイヤル操作部401を回転させる回転操作を行うことで音量レベルVLを選択して反転表示させ,押圧操作部405を押圧操作して音量レベルVLを設定する周辺制御基板4140」は,本願発明の「前記第2操作入力手段に対する操作入力に基づいて,演出音の音量レベルを変更する音量調整手段」に相当する。
(h)引用発明6の「演出音の音量レベルVLの初期値を表示する液晶表示装置1900」は,本願発明の「演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段」に相当する。
また,引用発明6の「パチンコ遊技機1の電源投入後の所定時間内」の「ダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作」する前は,遊技者が「ダイヤル操作部401及び押圧操作部405」(第2操作入力手段)で「音量レベルVLを設定する」前であるから,「パチンコ遊技機1の電源投入後の所定時間内」「において,ダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作した場合に,設定モードを行うための画面が表示され,設定モードの画面において,ダイヤル操作部401を回転操作して音量設定を選択して反転表示させて押圧操作部405を押圧操作して決定すると音量設定の画面が表示され,音量設定の画面に最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示され」たときは,音量レベルVLが初期値に設定されている場合であることは明らかである。
これらのことから,引用発明6の「パチンコ遊技機1の電源投入後の所定時間内,及びデモンストレーションが行われている期間内において,ダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作した場合に,設定モードを行うための画面が表示され,設定モードの画面において,ダイヤル操作部401を回転操作して音量設定を選択して反転表示させて押圧操作部405を押圧操作して決定すると音量設定の画面が表示され,音量設定の画面に最初に演出音の音量レベルVLの初期値が表示される液晶表示装置1900」は,本願発明の「音量レベルが前記初期値に設定されている場合に前記第2操作入力手段に対する操作が行われたことに伴い,演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段」に相当する。
また,引用発明6の「パチンコ遊技機1」は,本願発明の「遊技機」に相当する。
上記(a)~(h)から,本願発明と引用発明6とは,
[一致点]
「A 遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機であって,
B 所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段と,
C 前記演出制御手段によって演出が行われるときの演出音を出力するスピーカーと,
D 遊技者が操作できない位置に設けられ,前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの初期値の設定を行うために操作入力可能な第1操作入力手段と,
E 前記第1操作入力手段に対する操作入力に基づいて演出音の音量レベルの前記初期値の設定を行う初期音量設定手段と,
F 遊技者が前記初期値に設定された演出音の音量レベルを変更するために操作入力を行うことが可能な第2操作入力手段と,
G 前記第2操作入力手段に対する操作入力に基づいて,演出音の音量レベルを変更する音量調整手段と,
H 音量レベルが前記初期値に設定されている場合に前記第2操作入力手段に対する操作が行われたことに伴い,演出音の音量レベルの前記初期値を報知する報知手段と,
を備えることを特徴とする遊技機。」
である点で一致し,両者の間に相違点はない。
したがって,本願発明は,引用発明6と同一であり,刊行物6に記載された発明である。
仮に,本願発明が引用発明6と同一でないとしても,本願発明は引用発明6から当業者が容易に発明をすることができたものである。
4 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第1項第3号又は第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2016-015513