審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2016-013552

デバイス上の動き制御方法及び装置

審判番号
2016-013552
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-528117外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年09月09日
審決日
2017年04月21日
公報発行日
2017年06月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-528117「デバイス上の動き制御方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 3月15日国際公開、WO2012/033345、平成25年10月24日国内公表、特表2013-539580、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,2011年9月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年9月8日,大韓民国)を国際出願日とする出願であって,平成27年8月26日付けで拒絶理由が通知され,平成27年11月30日に意見書と手続補正書が提出され,平成28年4月26日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成28年9月9日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに手続補正書が提出されたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年4月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記   (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1,2,4-7,9,10 ・引用文献等 1,2 ・請求項 3,8 ・引用文献等 1-3 <引用文献等一覧> 1.特開2010-033455号公報 2.特開2001-290585号公報 3.特開2010-079802号公報 第3 本願発明 本願請求項1-8に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は,平成28年9月9日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 デバイスのタッチスクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの動き制御方法において, 前記デバイスのタッチスクリーン上の少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力を認識する段階と, 前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する段階と,を含み, 前記動きを制御する段階は, 前記2つ以上のタッチ入力位置間のx軸上の距離とy軸上の距離とを比べる段階と, 前記x軸上の距離が前記y軸上の距離より長ければ,x軸方向への動きと判断し,前記y軸上の距離が前記x軸上の距離より長ければ,y軸方向への動きと判断する段階と,を含むことを特徴とする動き制御方法。 【請求項2】 デバイスのタッチスクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの動き制御方法において, 前記デバイスのタッチスクリーン上の少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力を認識する段階と, 前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する段階と,を含み, 前記動きを制御する段階は, 前記タッチ入力位置が2つである場合,2つのタッチ入力位置のうち圧力がさらに大きいタッチ入力位置側にオブジェクトの位置の動き方向を定める段階と, 前記タッチ入力位置が3つ以上である場合,圧力の最も小さなタッチ入力位置の座標と圧力の最も大きいタッチ入力位置の座標を用いて前記オブジェクト動き方向を定める段階と,を含むことを特徴とする動き制御方法。 【請求項3】 前記圧力を認識する段階は, 前記少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力の強度を認識する段階を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の動き制御方法。 【請求項4】 前記動きを制御する段階は, 前記少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力の強度差を用いて前記オブジェクトの位置の動きの速度を定める段階をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の動き制御方法。 【請求項5】 タッチスクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの動きを制御するデバイスにおいて, 前記デバイスのタッチスクリーン上の少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力を認識する認識部と, 前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する処理部と,を備え, 前記処理部は, 前記2つ以上のタッチ入力位置間のx軸上の距離とy軸上の距離とを比べ,前記x軸上の距離が前記y軸上の距離より長ければ,x軸方向への動きと判断し,前記y軸上の距離が前記x軸上の距離より長ければ,y軸方向への動きと判断することを特徴とするデバイス。 【請求項6】 タッチスクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの動きを制御するデバイスにおいて, 前記デバイスのタッチスクリーン上の少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力を認識する認識部と, 前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する処理部と,を備え, 前記処理部は, 前記タッチ入力位置が2つである場合,2つのタッチ入力位置のうち圧力がさらに大きいタッチ入力位置側にオブジェクト動きを定め,前記タッチ入力位置が3つ以上である場合,圧力の最も小さなタッチ入力位置の座標と圧力の最も大きいタッチ入力位置の座標を用いてオブジェクトの位置の動き方向を定めることを特徴とするデバイス。 【請求項7】 前記認識部は, 前記少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力の強度を認識することを特徴とする請求項5又は6に記載のデバイス。 【請求項8】 前記処理部は, 前記少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力の強度差を用いて前記オブジェクトの位置の動きの速度を定めることを特徴とする請求項5又は6に記載のデバイス。」 第4 引用文献,引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は重要箇所に対して当審が付した。)。 「【0024】 図8は,2点の押圧力の位置の軌跡及び圧力の軌跡に基づいて画面上のオブジェクトを整列する処理の一実施形態を説明する図である。 【0025】 時刻t1において,図8の(a)に示すようにオブジェクト集合801がタッチスクリーン200に表示され,このオブジェクト集合801が当該タッチスクリーン200への所定の操作により選択されているとする(後述のステップS901)。そして,このオブジェクト集合801上の2点(At1及びBt1)が図8の(a)に示すように押圧されているとする。この状態から時刻tnに至るまでA,Bの2点の押圧点を互いに遠ざかる向きにスライドさせ,点Aが座標Atnに,点Bが座標Btnへ移動した状態が図8の(b)である。 【0026】 画面上のこのような操作によりオブジェクト集合801内の各オブジェクトが点Aと点Bの間に,オブジェクト列802の如く整列される。また,点Aと点Bの圧力差に基づいて圧力の小さい点Bの方向のオブジェクトほど前面に表示されるように整列される。このため,指で強く押すほどオブジェクトが下(画面奥)へ沈むように表示されることになり,ユーザに直感的な操作環境を提供できる。 【0027】 図9を用いて,上述の整列操作を実現するCPU11の処理を説明する。図9は,図7のステップS703における入力解釈処理及びステップS704における操作実行処理に対応するフローチャートである。 【0028】 ステップS901において,CPU11はタッチスクリーン200における所定の操作入力により画面上に表示されている複数のオブジェクトを選択状態とする。例えば選択すべきオブジェクト集合の周辺を指で円状に囲うループと呼ばれるジェスチャにより円の内部のオブジェクトを選択状態とする。もちろん選択方法はこの操作に限定されるものではない。例えば,1つのオブジェクトを指示することで,当該指示されたオブジェクトを含み,少なくとも1部分が重なりあって連なるオブジェクト群を選択するようにしてもよい。こうして,ステップS901では,タッチスクリーン200に表示されているオブジェクトから,当該タッチスクリーン200へのタッチ入力に応じて複数のオブジェクトが選択される。 【0029】 ステップS902において,CPU11は,タッチスクリーン200で2点の押圧力が同時に検出されたか(存在するか)どうかを判定する(押圧のタイミングは同時でなくてもよい)。検出された場合は次のステップS903へ進む。所定時間が経過してもそのような押圧力が検出されなかった場合,或いは別の操作を意図する押圧力が検出された場合は本操作を終了する。別の操作を意図する押圧力としては,1点の押圧のみが存在し,それが移動を開始した場合等が挙げられる。 【0030】 ステップS903において,CPU11は,ステップS902で検出された2点の押圧力が両方ともステップS901で選択したオブジェクト集合を同時に押圧しているかどうかを判定する。CPU11は,オブジェクト集合の位置座標(オブジェクト集合の存在する範囲)と押圧力の位置座標とを比較し,両者に重なりがあるかどうかを調べることにより,上述の判定を行う。図8におけるAt1,Bt1のように,選択されたオブジェクト集合上に2点の押圧力がある場合は次のステップS904へ進む。そうでない場合は別の操作であると判断し,本操作を終了する。 【0031】 ステップS904において,CPU11は,ステップS903の判断により2点の押圧力が同時に選択オブジェクト上にあることで,これから行なわれるオペレータの操作が選択したオブジェクトを整列する操作であると解釈する。 【0032】 ステップS905において,CPU11は,2点の押圧力の相対距離が変化するかどうかを検出する。2点の押圧力の相対距離が変化しなかった場合には操作を行なわない。相対距離の変化が検出された場合には,処理は次のステップS906へ移動する。 【0033】 ステップS906において,CPU11は,ステップS904で解釈された整列指示に基づいて移動後の2点の押圧力の間にオブジェクトを整列する。即ち,CPU11は,図8の(b)のオブジェクト列802に示されるように,移動後の2点の押圧力の座標AtnとBtnを両端とし,オブジェクトの重心が等間隔になるように,指示されたオブジェクト集合801の各オブジェクトを整列する。なお,本実施形態では押圧点の相対的移動方向が直線となっており,AtnとBtnを両端とした直線上にオブジェクトを配置しているが,整列方法はこれに限定されるものではない。例えば2つの押圧点を円弧状にスライドさせることにより,トランプを開いたように円弧上にオブジェクトを整列しても良い。この場合,円弧状の押圧点の軌跡から,これにフィットする円を算出し,算出された円における座標AtnとBtnを両端とした円弧上にオブジェクトを配置する。以上のように,ステップS901で選択された複数のオブジェクトの表示範囲において検出された2つの押圧点が移動した場合に,移動後の2つの押圧点を結ぶ直線または曲線上に,当該選択された複数のオブジェクトが等間隔に配置される。 【0034】 ステップS907において,CPU11は,整列された,隣り合うオブジェクトに重なりが検出されるかどうかを判定する。AtnとBtnの距離が小さければ図8の(b)のオブジェクト列802に示されるように隣同士のオブジェクトが重なって整列される。重なりが検出された場合には,処理はステップS908へ進む。検出されなければ本操作は終了する。 【0035】 ステップS908では,2点の押圧力の圧力差を計算する。2点の圧力差は例えば2点それぞれについて図5における押圧力の軌跡の平均を取ったものを比較する。図5においては,全時刻にわたって各点の押圧力は一定であり,点Aの押圧力の平均は150,点Bの押圧力の平均は100となり,点Aの押圧力が点Bの押圧力より50大きい。ただし,ここで比較する圧力は,軌跡の平均に限定するものではない。始点の時刻t1における圧力同士,或いは終点のt5における圧力同士を比較するようにしてもよい。 【0036】 ステップS909において,CPU11は,ステップS908で計算した圧力が小さい側にあるオブジェクト程前面に表示されるように重なりの方向を揃えて整列する。図8の(b)におけるオブジェクト列802では,点Aと点Bの押圧力のうち,点Bの押圧力が小さい場合を示している。即ち,オブジェクト列802は,整列後の点Atn側にある画像に対し,押圧力の小さいBtn側にある画像の方が前面に表示されるように整列される。 【0037】 以上のように,本実施形態では,タッチスクリーン200上にランダムに配置された複数のオブジェクトが選択された場合に,移動後の2つの押圧点を結ぶ直線または曲線上に,それら複数のオブジェクトが所定のソート基準で並ぶように配置される。ここで,それら2つの押圧点の間に配置された複数のオブジェクトの重なりの前後関係は,検出された複数の押圧点の圧力差に基づいて変更される。即ち,複数のオブジェクトの重なりの方向が,2つの押圧点の圧力差の方向に応じて決定される。より具体的には,圧力の大きい押圧点から圧力の小さい押圧点に向かってオブジェクトが手前に表示されるようにオブジェクトの重なりが変更され,直感的な操作が可能となる。なお,ソート基準としては,オブジェクトのファイル名順,オブジェクトのタイムスタンプ順等が挙げられる。」 したがって,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 整列操作を実現する方法において, ステップS901において,CPU11はタッチスクリーン200における所定の操作入力により画面上に表示されている複数のオブジェクトを選択状態とし, ステップS902において,CPU11は,タッチスクリーン200で2点の押圧力が同時に検出されたかどうかを判定し,検出された場合は次のステップS903へ進み, ステップS903において,CPU11は,ステップS902で検出された2点の押圧力が両方ともステップS901で選択したオブジェクト集合を同時に押圧しているかどうかを判定し, ステップS904において,CPU11は,ステップS903の判断により2点の押圧力が同時に選択オブジェクト上にあることで,これから行なわれるオペレータの操作が選択したオブジェクトを整列する操作であると解釈し, ステップS905において,CPU11は,2点の押圧力の相対距離が変化するかどうかを検出し,相対距離の変化が検出された場合には,処理は次のステップS906へ移動し, ステップS906において,CPU11は,移動後の2点の押圧力の座標AtnとBtnを両端とし,オブジェクトの重心が等間隔になるように,指示されたオブジェクト集合801の各オブジェクトを整列し, ステップS907において,CPU11は,整列された,隣り合うオブジェクトに重なりが検出されるかどうかを判定し,重なりが検出された場合には,処理はステップS908へ進み, ステップS908では,2点の押圧力の圧力差を計算し,2点の圧力差は例えば2点それぞれについて図5における押圧力の軌跡の平均を取ったものを比較するが,ここで比較する圧力は,軌跡の平均に限定するものではなく,始点の時刻t1における圧力同士,或いは終点のt5における圧力同士を比較するようにしてもよく, ステップS909において,CPU11は,ステップS908で計算した圧力が小さい側にあるオブジェクト程前面に表示されるように重なりの方向を揃えて整列する, 方法。」 2.引用文献2について また,原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2の段落【0162】-段落【0174】,及び第107図等の記載からみて,当該引用文献2には,「タッチパネルにおいて3つ以上のタッチ入力位置で指示すること」という技術的事項が記載されていると認められる。 3.引用文献3について また,原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3の段落【0072】-段落【0073】,及び第10-11図等の記載からみて,当該引用文献3には,「タッチパネルにおいて,ジェスチャ制御部が,タッチ位置のX座標の差分ΔXとY座標の差分ΔYとを比較し,差分が大きい方を優先することで,タッチ位置の移動方向を上下または左右の何れか一方に絞り込むこと」という技術的事項が記載されていると認められる。 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 a 引用発明の「ステップS902において,CPU11は,タッチスクリーン200で2点の押圧力が同時に検出されたかどうかを判定し,検出」することは,本願発明1の「前記デバイスのタッチスクリーン上の少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力を認識する」ことに相当する。 b 引用発明の「ステップS906において,CPU11は,移動後の2点の押圧力の座標AtnとBtnを両端とし,オブジェクトの重心が等間隔になるように,指示されたオブジェクト集合801の各オブジェクトを整列」することは,本願発明1の「前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する」ことに相当する。 c 引用発明の「整列操作を実現する方法」は,上記bに記したようなオブジェクトの動きを制御する方法を含むから,後述する相違点を除き,本願発明1の「デバイスのタッチスクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの動き制御方法」に相当する。 したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 (一致点) 「デバイスのタッチスクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの動き制御方法において, 前記デバイスのタッチスクリーン上の少なくとも2つ以上のタッチ入力位置での圧力を認識する段階と, 前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する段階と, を含む動き制御方法。」 (相違点1) 一致点の「位置の動きを制御する段階」において, 本願発明1では「前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて」,「オブジェクトの位置の動きを制御する」のに対し, 引用発明では「移動後の2点の押圧力の座標AtnとBtn」を用いて,「オブジェクトの重心が等間隔になるように,指示されたオブジェクト集合801の各オブジェクトを整列」する点。 (相違点2) 一致点の「動きを制御する段階」が, 本願発明1では「前記2つ以上のタッチ入力位置間のx軸上の距離とy軸上の距離とを比べる段階と,前記x軸上の距離が前記y軸上の距離より長ければ,x軸方向への動きと判断し,前記y軸上の距離が前記x軸上の距離より長ければ,y軸方向への動きと判断する段階と,を含む」のに対し, 引用発明ではそのような段階を含まない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点1について検討すると,引用発明において2つのタッチ入力位置間の圧力差は「圧力が小さい側にあるオブジェクト程前面に表示されるように重なりの方向を揃えて整列する」ために用いられているが,オブジェクトの重なりの方向を揃えるのみではオブジェクトの位置が変わらないことは明らかであるから,引用発明の上記「圧力が小さい側にあるオブジェクト程前面に表示されるように重なりの方向を揃えて整列する」ことは「オブジェクトの位置の動きの制御」ということはできない。 また,引用発明の「オブジェクトの重心が等間隔になるように,指示されたオブジェクト集合801の各オブジェクトを整列」することは,これにより各オブジェクトがその位置を変えると考えられることから「オブジェクトの位置の動きの制御」といい得るものではあるが,この制御を行うために「移動後の2点の押圧力の座標AtnとBtn」に加えてもしくはこれに替えてタッチ入力位置間の圧力差を用いようとする動機付けは見当たらない。 さらに,引用文献2,3にも「前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて」,「オブジェクトの位置の動きを制御する」ことは記載されておらず,また,本願優先日前において周知技術であるともいえない。 したがって,本願発明1は,相違点2を検討するまでもなく,当業者であっても引用発明,引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2について 本願発明2も,本願発明1の「前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する段階と,を含み」と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,拒絶査定において引用された引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3.本願発明3,4について 本願の請求項3,4は,本願の請求項1又は2を引用する請求項であって,本願発明3,4も,本願発明1の「前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する段階と,を含み」と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,拒絶査定において引用された引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 4.本願発明5-8について 本願発明5-8は,本願発明1-4に対応する物(デバイス)の発明であり,本願発明1の「前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する段階と,を含み」に対応する構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,拒絶査定において引用された引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 原査定について 本願発明1-8は「前記認識された少なくとも2つ以上のタッチ入力位置間の圧力差を用いて前記スクリーン上にディスプレイされたオブジェクトの位置の動きを制御する段階と,を含み」と同一のもしくはこれに対応した構成を備えるものであるから,当業者であっても,拒絶査定において引用された引用文献1-3に基づいて,容易に発明できたものとはいえない。したがって,原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2016-013552

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決182件(サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド)
  • 2025-000720拒絶査定不服審判 / 2025-12-23 / 原査定取消(特許/登録すべき)DL制御チャンネル用送信構造及びフォーマット
    同じ当事者: サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
  • 2024-013037拒絶査定不服審判 / 2025-09-26 / 請求不成立ビデオ符号化方法及びその装置、ビデオ復号方法及びその装置
    同じ当事者: サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
  • 2025-000719拒絶査定不服審判 / 2025-09-22 / 原査定取消(特許/登録すべき)無線通信システムでアクセシビリティ(accessibility)測定(measu…
    同じ当事者: サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
  • 2023-000986拒絶査定不服審判 / 2025-05-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)ポリマ・ブラシ、およびポリマ・ブラシを使ったリソグラフィ・パターニング方法。
    同じ当事者: サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
  • 2024-004900拒絶査定不服審判 / 2025-05-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)イオン伝導性固体電解質化合物、その製造方法、及びそれを含む電気化学装置
    同じ当事者: サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,453件(121・G06F)
  • 2025-005007拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)共有レコードのクライアント更新にルールの適用によるシステム生成更新のトリガ
    共通の審決分類: 121・G06F
  • 2024-009005拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)モジュール式空気冷却および分配システムおよび方法
    共通の審決分類: 121・G06F
  • 2025-008882拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、認証器、それら方法およびプログラム
    共通の審決分類: 121・G06F
  • 2025-007124拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)記憶装置
    共通の審決分類: 121・G06F
  • 2025-014602拒絶査定不服審判 / 2026-08-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)ペン入力装置用カバー部材、及びペン入力装置
    共通の審決分類: 121・G06F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存