特許拒絶査定不服審判
2016-013457
ゲーミングマシン及びその制御方法
- 審判番号
- 2016-013457
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-104240外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年09月08日
- 審決日
- 2017年04月04日
- 公報発行日
- 2017年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ユニバーサルエンターテインメント
- 【請求人代理人】特許業務法人梶・須原特許事務所
- 【請求人】アルゼゲーミングアメリカインク
- 【請求人代理人】特許業務法人梶・須原特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012-104240「ゲーミングマシン及びその制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年11月14日出願公開、特開2013-230274〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年4月27日に特許出願されたものであって、平成27年11月13日付けで拒絶理由通知がされ、これに対し平成28年1月7日付けで手続補正がなされたが、同年7月14日付け(発送日:同年7月26日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年9月8日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。
第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載を含む補正であり、平成28年1月7日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。
(補正前:平成28年1月7日付けの手続補正)
「【請求項1】
シンボルを備えたリール帯がそれぞれ設けられ、水平方向に並設された複数のリールと、
遊技に関する情報を識別可能とする可視情報を含む可視光を前記複数のリールの外周に照射する照射光装置とを有しており、
前記リール帯は、前記照射光装置からの前記可視光を反射するミラー層を有し、
前記照射光装置は、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するように、各リールに対向して配置された複数のLEDユニットを有していることを特徴とするゲーミングマシン。」
(補正後:本件補正である平成28年9月8日付けの手続補正)
「【請求項1】
シンボルを備えたリール帯がそれぞれ設けられ、水平方向に並設された複数のリールと、
遊技に関する情報を識別可能とする可視情報を含む可視光を前記複数のリールの外周に照射する照射光装置とを有しており、
前記リール帯は、前記照射光装置からの前記可視光を反射するミラー層を有し、
前記照射光装置は、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するように、前記リール毎に対向して配置されて前記水平方向に並設された複数のLEDユニットを有し、
前記照射光装置は、前記リールの上方位置又は下方位置に配置されていることを特徴とするゲーミングマシン。」
2.補正の適否
審判請求時の補正によって、請求項1の記載は、上記1.の下線部が加わるように補正された。すなわち、補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「照射光装置」が「有している」「複数のLEDユニット」について、「各リールに対向して配置された」ものから、「前記リール毎に対向して配置されて前記水平方向に並設された」ものへと限定するとともに、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「照射光装置」について、「前記リールの上方位置又は下方位置に配置されている」との限定を付加したものである。
そうすると、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そして、本件補正は、図9、明細書の段落【0104】及び補正前の請求項2の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。
3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。
(1)本件補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の本件補正の概要において示したとおりのものである。
(2)刊行物に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2005-124739号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
ア 「【請求項2】
前記投影部は、前記リールの表示面側の上下の位置に2個設置されていることを特徴とする請求項1に記載の回胴装置。」
イ 「【0001】
本発明は、リールの回転によりその周面に描かれた図柄を変動表示する回胴装置と、それが設けられている例えばスロットマシン等の回胴式遊技機に関する。」
ウ 「【0044】
サブ制御基板330の下方には、リール21a,21b,21cを目視させるための表示窓51を有するパネル面50が取り付けられている。表示窓51の上下端側に、リール21a,21b,21cに向けて映像を投影する2個の投影部34a,34bが取り付けられている。なお、投影部34a,34bは、フラットタイプの例えばカラー液晶ディスプレイであり、詳細については後述する。」
エ 「【0056】
第1、第2リング部213,214及び梁部215から形成されるリール21aの周面には、長尺状のリールテープ28aが貼り付けられる。リールテープ28aは、プラスチックシートからなり、その表面にはハーフミラー加工が施されて鏡面282aが形成され、裏面には複数種類の図柄281aが印刷さている。そして、リールテープ28aの裏面側がリール21aの周面に当接して捲装されている。これにより、リール21aの周面は、通常の状態では鏡面282aしか見えず、裏面側から光を当てると鏡面282aを透過して図柄281aが見えるようになっている。
【0057】
なお、透明なプラスチックシートの一方の面にハーフミラー加工が施され、他方の面に入射した光をほぼ透過させる性質を有するリールテープをここでは「ハーフミラーテープ」と呼んでいる。また、他のリール21b,21cの周面にも図柄の配列のみが異なる同様のリールテープがそれぞれ捲装されて貼り付けられる。」
オ 「【0063】
なお、投影部34a,34bを形成する液晶ディスプレイは、バックライトを有してユニット化された自発光型の映像表示装置である。また、投影部34a,34bは、上述の液晶ディスプレイに限定されるものではなく、例えば有機ELから形成された表示装置等、自発光型の表示装置であれば何れでもよい。また、演出画像が印刷された透過フィルムを映写して表示する映写装置のように静止画像を投影する表示装置でもよい。また、投影部34a,34bは、1ライン(光画像列)づづスキャニングして2次元の映像を形成し投影するものでもよい。
【0064】
図6(a)は、回胴装置20と背景映像表示部29によって演出映像を表示する表示態様を表している。この場合、任意に選択されたリール21のバックランプユニット26が消灯し、そのリール21の表示面に向けて投影部34a,34bが映像を投影すると、リール21の周面に形成されている鏡面で映像が反射する。これにより、遊技者PEYEは表示窓51を通して反射映像MIMGを観察できる。
…
【0067】
なお、バックランプユニット26a,26b,26cのいずれかを選択して点灯させることで、そのバックランプを有するリール21のみに図柄像RIMGを表示させることができる。そして、バックランプユニット26a,26b,26cを点灯させないリール21に向けて部分的に投影部34a,34bが映像を投影すると、そのリール21のみに反射映像MIMGが表示される。」
カ 「【0106】
図11は、BBゲーム告知演出の表示例を示している。この表示例の場合、中央のリール21bのバックランプユニット26は点灯して図柄を透過表示させている。また、左右のリール21a,21cのバックランプユニット26は消灯され、これにより両リール21a,21cの図柄は透過表示されない。また、左右のリール21(当審注:「21」は「21a」の誤記と認められる。),21cの鏡面に例えば「GO」の文字を表す演出映像が投影されると、これらの映像がリール21a,21cの鏡面で反射して表示される。また、リール21a,21b,21cの背後に背景映像表示部29による例えば「花火」の背景映像BIMGが演出表示される。」
キ 【図6】(a)は、回胴装置と背景映像表示部が設置されたスロットマシンの内部構造を表す図であり、段落【0031】の「回胴装置20は、3個の円筒形状のリール21a,21b,21cが回転軸方向に並べられて構成され、筐体2内に設置されている」との記載を踏まえれば、リール21は水平方向に並設された3個のリール21a,21b,21cを代表して記載されていることは明らかであるから、投影部34a,34bが、水平方向に並設された3個のリール21a,21b,21cに対向して配置されていることが見てとれる。
上記記載事項ア~カ並びに認定事項キを総合すれば、刊行物1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「裏面に複数種類の図柄281aが印刷された長尺状のリールテープ28aが周面に貼り付けられて(【0056】)水平方向に並設された3個のリール21a,21b,21c(【0056】、キ)と、
リール21a,21b,21cに向けて映像を投影する2個の投影部34a,34b(【0044】)とを有しており、
前記リール21a,21b,21cは、その周面に貼り付けられた長尺状のリールテープの表面に、任意に選択されたリール21の表示面に向けて投影部34a,34bが投影した映像を反射する鏡面を有し(【0056】、【0057】、【0064】)、
前記投影部34a,34bは、水平方向に並設されたリール21a,21b,21cに対向して配置され(キ)、バックライトを有してユニット化された自発光型の液晶ディスプレイから形成され(【0063】)、任意に選択されたリール21の表示面に向けて映像を投影すると、リール21の周面に形成されている鏡面で映像が反射し(【0064】)、バックランプユニット26a,26b,26cを点灯させないリール21に向けて部分的に映像を投影すると、そのリール21のみに反射映像MIMGが表示され(【0067】)、BBゲーム告知演出の表示として、左右のリール21a,21cの鏡面に「GO」の文字を表す演出映像を投影することが可能であり(【0106】)、
前記投影部は、前記リールの表示面側の上下の位置に2個設置されている(【請求項2】)
スロットマシン(【0001】)。」
(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「図柄281a」及び「長尺状のリールテープ28a」は、それぞれ、本願補正発明の「シンボル」及び「リール帯」に相当する。
したがって、引用発明の「図柄281aが印刷された長尺状のリールテープ28aが周面に貼り付けられて水平方向に並設された3個のリール21a,21b,21c」は、本願補正発明の「シンボルを備えたリール帯がそれぞれ設けられ、水平方向に並設された複数のリール」に相当する。
イ 引用発明の「BBゲーム告知演出表示として、左右のリール21a,21cの鏡面に「GO」の文字を表す演出映像」は、左右のリール21a,21cの鏡面に投影される可視光といえるから、本願補正発明の「遊技に関する情報を識別可能とする可視情報を含む可視光」に相当する。
したがって、引用発明の「BBゲーム告知演出表示として、左右のリール21,21cの鏡面に「GO」の文字を表す演出映像を投影することが可能な」「投影部34a,34b」は、本願補正発明の「遊技に関する情報を識別可能とする可視情報を含む可視光を前記複数のリールの外周に照射する照射光装置」に相当する。
ウ 引用発明の「長尺状のリールテープの表面に」「リール21の表示面に向けて投影部34a,34bが投影した映像を反射する鏡面を有」することは、本願補正発明の「前記リール帯は、前記照射光装置からの前記可視光を反射するミラー層を有」することに相当する。
エ 引用発明において、投影部34a,34bがリール21a,21b,21cに対向して配置されていることから、投影部34a,34bが有するバックライトもリールに対向して配置されることは明らかである。
したがって、引用発明の「投影部34a,34bは、リール21a,21b,21cに対向して配置され、バックライトを有して」いることと、本願補正発明の「前記照射光装置は、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するように、前記リール毎に対向して配置されて前記水平方向に並設された複数のLEDユニットを有していること」とは、「前記照射光装置は、前記リールに対向して配置され」た光源を「有している」点で共通する。
オ 引用発明の「前記投影部は、前記リールの表示面側の上下の位置に2個設置されている」ことは、本願補正発明の「前記照射光装置は、前記リールの上方位置に配置されている」ことを含み、また、本願補正発明の「前記照射光装置は、前記リールの下方位置に配置されている」ことも含んだ構成である。
したがって、引用発明の「前記投影部は、前記リールの表示面側の上下の位置に2個設置されている」ことは、本願補正発明の「前記照射光装置は、前記リールの上方位置又は下方位置に配置されている」ことに相当する。
カ 引用発明の「スロットマシン」は、本願補正発明の「ゲーミングマシン」に相当する。
そうすると、両者は、
「シンボルを備えたリール帯がそれぞれ設けられ、水平方向に並設された複数のリールと、
遊技に関する情報を識別可能とする可視情報を含む可視光を前記複数のリールの外周に照射する照射光装置とを有しており、
前記リール帯は、前記照射光装置からの前記可視光を反射するミラー層を有し、
前記照射光装置は、前記リールに対向して配置された光源を有し、
前記照射光装置は、前記リールの上方位置又は下方位置に配置されているゲーミングマシン。」
である点で一致しており、次の点で相違する。
(相違点)
照射光装置が有する、リールに対向して配置された光源が、本願補正発明は「全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するように、前記リール毎に」配置されて「前記水平方向に並設された複数のLEDユニット」であるのに対し、引用発明はそのような特定がない点。
(4)判断
そこで、前記相違点について検討する。
ア まず、引用発明において、投影部34a,34bは、任意に選択されたリール21の表示面に向けて映像を投影するものであるから、リール21a,21b,21cの各表示面に同時に投影することも可能である。そして、リール21a,21b,21cの各表示面の幅全体を利用して、投影される映像を遊技者の視覚に訴えるように見やすくするためには、投影部34a,34bは少なくともリール21a,21b,21cの各表示面の幅全体に対し投影する必要があることは自明な事項である。
そうすると、引用発明において、投影部34a,34bの液晶表示ディスプレイの光源たるバックライトを、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するようにすることは当業者が適宜設定できる設計事項である。
イ また、引用発明において、投影部34a,34bは、バックランプユニット26a,26b,26cを点灯させないリール21に向けて部分的に映像を投影することが可能であり、そのようなリール毎の部分的な投影を可能とするために、バックランプユニットと同様に、液晶ディスプレイのバックライトたる光源をリール毎に対向して配置することは当業者なら容易になし得ることである。
ウ 一方、遊技機において、液晶ディスプレイのバックライトとして、並設された複数のLEDユニットを用いることは、例えば、特開2008-6168号公報(【0025】、【0026】、【図3】、【図5】、【図6】参照)、特開2005-245505号公報(【0019】、【0020】、【図4】、【図5】参照)に示されるように本願出願前において周知技術である。
そして、引用発明の投影部34a,34bは、バックライトを有してユニット化された自発光型の液晶ディスプレイから形成されているから、そのバックライトの具体化手段として、遊技機における上記周知技術を適用することは当業者が容易になし得ることである。
エ そうすると、上記アで検討した「投影部34a,34bの液晶表示ディスプレイの光源たるバックライトを、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するようにする」という設計事項に対して、イ、ウで検討した「リール毎に」配置された「水平方向に並設された複数のLEDユニット」を有するようにすることは当業者が容易になし得ることであり、結局、前記相違点に係る本願補正発明に構成は引用発明及び周知技術から当業者が容易に想到し得ることである。
なお、前記(3)対比のオで一致点とした点について、本願補正発明の「前記照射光装置は、前記リールの上方位置又は下方位置に配置されている」ことは、「前記照射光装置は、前記リールの上方位置又は下方位置」の一方のみ「に配置されている」と限定的に解釈する余地があるので、以下検討する。
仮にそのように解釈した場合、引用発明の「前記投影部は、前記リールの表示面側の上下の位置に2個設置されている」ことは、本願補正発明の「前記照射光装置は、前記リールの上方位置又は下方位置に配置されている」ことに相当しない。すなわち、照射光装置のリールに対する配置について、本願補正発明は「前記リールの上方位置又は下方位置」の一方のみ「に配置されている」のに対し、引用発明は「リールの表示面側の上下の位置に2個設置されている」、つまり、「前記リールの上方位置及び下方位置」のいずれにも「配置されている」点で相違する。
しかしながら、引用発明においては、投影部は、リールの表示面側の上下の位置に2個設置されているが、上下のいずれか一方のみに設置してもリールの表示面に向けて映像を投影することが可能であることは当業者に明らかであり、上下の位置に2個設置するか、上下のいずれか一方に設置するかは、必要な映像の品質や投影部による演出等を考慮して当業者が適宜選択し得る設計事項であり、後者を選択して前記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得ることである。
そして、本願補正発明の効果は、引用発明及び上記周知技術からみて格別なものではない。
(5)審判請求人の主張について
審判請求人は請求書の第7~8頁において次のような主張をしている。
「これに対しまして、引用文献1には、リールの表示面に向けて映像を投影する投影部を有する回胴装置が開示されています。
…
しかしながら、引用文献1-6のものは、リール毎に対向して配置されて水平方向に並設された複数のLEDユニットを有していません。
そして、引用文献1-6には、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するように、リール毎に対向して配置されて水平方向に並設された複数のLEDユニットを有した照射光装置について、開示も示唆もされていません。
よって、引用文献1-6からの動機付けに欠けるため、これらを組み合わせても、本願請求項1,7に記載の発明に容易に想到することはできません。」
しかしながら、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するように、リール毎に対向して配置されて水平方向に並設された複数のLEDユニットとすることについては、上記(4)で説示したとおり当業者が容易になし得るものである。
また、審判請求人は請求書の第3頁において次のような主張をしている。
「本願請求項1に記載の発明によると、以下の効果を奏します。
リールとLEDユニットとを一対一で対向させることで、LEDユニット毎に点灯、発光色、光量等を容易に制御することができる。
また、リールとLEDユニットとを一対一で対向させることで、照射光装置をリールに近接させて配置しても、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射することができる。
よって、照射光装置をリールに近接させることができるので、ゲーミングマシンの大型化を軽減させることができる。」
しかしながら、リールとLEDユニットとを一対一で対向させることで、LEDユニット毎に点灯、発光色、光量等を容易に制御することができるという本願補正発明の効果は、上記(4)イの検討のとおり、引用発明は任意に選択されたリール21a,21b,21cの表示面に向けて映像を投影できるのであり、上記(4)ウの検討のとおり、液晶ディスプレイのバックライトの光源として並設された複数のLEDを用いることも周知技術であるから、引用発明及び周知技術から予測できる範囲のものであり格別のものではない。
さらに、リールとLEDユニットとを一対一で対向させることで、照射光装置をリールに近接させて配置しても、全リールの幅よりも長尺の可視光を出射することができるという本願補正発明の効果は、上記(4)アの検討のとおり、引用発明において、任意に選択されたリール21a,21b,21cの表示面に対して、投影される映像の幅が不足することがないように、各リールの幅よりも長尺の可視光を出射するようにして、その結果全リールの幅よりも長尺の可視光を出射するようにしたいというのは当業者に自明の課題であり、上記(4)ウの検討のとおり、液晶ディスプレイのバックライトの光源として並設された複数のLEDを用いることも周知技術であるから、引用発明及び周知技術から予測できる範囲のものであり格別のものではない。
そのうえ、照射光装置をリールに近接させることができるので、ゲーミングマシンの大型化を軽減させることができるという本願補正発明の効果は、大型化の軽減自体はスロット等の遊技機が内在している課題でもあり、大型化の軽減のため各種部品の位置等に工夫をこらすことは当業者が常に考慮すべき事項であり、また、液晶ディスプレイの光源として並設された複数のLEDを用いることも周知技術であるから、引用発明及び周知技術から予測できる範囲のものであり格別のものではない。
よって、審判請求人の主張は採用できない。
(6)小括
したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4.むすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~9に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年1月7日付けの手続補正書により補正された、特許請求の範囲の請求項1~9に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明は、上記第2の1.で示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。
1.刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1の記載事項は、上記第2の3.(2)に記載したとおりである。
2.判断
本願発明は、本願補正発明における発明特定事項である「照射光装置」が「有している」「複数のLEDユニット」について、「前記リール毎に対向して配置されて前記水平方向に並設された」ものから、「各リールに対向して配置された」ものへ上位概念化するとともに、本願補正発明における発明特定事項である「照射光装置」について、「前記リールの上方位置又は下方位置に配置されている」との限定を省いたものである。
そうすると、本願発明を下位概念化するとともに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2」の「3」の「(3)補正発明と引用発明との対比」及び「(4)判断」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
3.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-013457