審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2016-012208

携帯通信装置、通信システム、通信方法及び通信プログラム

審判番号
2016-012208
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-103884外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年08月10日
審決日
2017年03月30日
公報発行日
2017年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04M) / P18 .537-WY (H04M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-103884「携帯通信装置、通信システム、通信方法及び通信プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年11月14日出願公開、特開2013-232789、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年4月27日の出願であって、平成27年4月30日付けで拒絶理由が通知され、同年7月13日付けで手続補正がされ、平成28年1月28日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年3月30日付けで手続補正がされたが、当該手続補正は同年5月9日付けで補正の却下の決定がされ、同日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年8月10日に拒絶査定不服審判が請求がされるとともに同日付けで手続補正(以下「本件補正」という。)がされ、同年28年9月5日付けの前置報告がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年5月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 平成28年8月10日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明が、平成27年7月13日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項2と同じ発明特定事項を含むので、平成28年1月28日付けの拒絶理由(以下、「原審拒絶理由」という。)における、請求項2に関する理由について主に検討する。 1.本願請求項1-4に係る発明は、以下の引用文献1ないし3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するもの(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2007-88948号公報 2.米国特許出願公開第2009/0185699号明細書 3.特開2010-103741号公報 (当審では、原審拒絶理由で、特開2007-88948号公報が主たる引用文献として引用されていたことに鑑み、原審の拒絶理由とは、引用文献の順番を替えて検討する。) 第3 審判請求時の補正について、 審判請求時の補正は、特許法17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているとは認められない。 本件補正は、平成27年7月13日付けの手続補正された特許請求の範囲の請求項1に、該請求項1を引用した請求項2の発明特定事項を追加するともに、本願明細書段落【0062】、図11の記載を根拠として「前記制御部」が、「前記電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示した後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を前記地図の一部に表示させる」際に「前記地図の一部に重ねて表示させる」点を明確にしたことを含むものであって、不明瞭な記載の釈明に該当する。 そして本件補正の前の、請求項2、4、9を削除し、本件補正前の独立請求項である、請求項6、請求項7、請求項8について、請求項1と同様(本件補正前の請求項2の発明特定事項)の限定を加えたものである。 そして、「第4 本願発明」から「第6 当審の判断」までに示すように、補正後の請求項1-6に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。 第4 本願発明 本願請求項1-6に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、本件補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-請求項6に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明と認める。 「【請求項1】 表示部と、 特定の携帯通信装置と通信する通信部と、 自機の位置情報を検出する位置検出部と、 前記特定の携帯通信装置が防犯機能を作動させたときに当該特定の携帯通信装置から送信され、前記特定の携帯通信装置が前記防犯機能を作動させたときに検出する位置情報を含む電子メールを、当該特定の携帯通信装置から前記通信部により受信すると、受信した当該電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示させる制御部と、を備え、 前記制御部は、 前記電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示した後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を前記地図の一部に重ねて表示させる携帯通信装置。 【請求項2】 前記制御部は、 前記拡大した画像を、前記自機の位置情報により特定される位置と、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置と、の間に位置するよう表示させる請求項1に記載の携帯通信装置。 【請求項3】 前記制御部は、 前記特定の携帯通信装置の前記防犯機能として、スピーカから警報音を出力する機能が作動したときに当該特定の携帯通信装置から送信される前記電子メールを受信すると、受信した当該電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示させる請求項1または2に記載の携帯通信装置。 【請求項4】 表示部と、通信を行う第1通信部と、自機の位置を検出する第1位置検出部と、第1制御部と、を有する第1携帯通信装置と、 通信を行う第2通信部と、位置を検出する第2位置検出部と、第2制御部と、を有する第2携帯通信装置と、を備え、 前記第1制御部は、前記第2携帯通信装置から防犯機能が作動したことを示す電子メールを前記第1通信部により受信すると、当該第1通信部により前記第2携帯通信装置に位置情報の送信要求を送信させ、 前記第2制御部は、前記第1携帯通信装置による位置情報の送信要求を検出した場合、前記第2位置検出部で検出した位置情報を含む電子メールを前記第2通信部により前記第1携帯通信装置に送信させ、 前記第1制御部は、 前記第2携帯通信装置に対する前記位置情報の送信要求によって、前記第2携帯通信装置から送信された位置情報を含む電子メールを前記第1通信部により受信した場合、受信した前記電子メールに含まれる前記位置情報及び前記第1位置検出部で検出した自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示させ、 前記電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示した後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を前記地図の一部に重ねて表示させる通信システム。 【請求項5】 通信を行う通信部と表示部と位置検出部とを有する携帯通信装置を制御する方法であって、 特定の携帯通信装置から防犯機能が作動したことを示す電子メールを前記通信部により受信する第1ステップと、 前記防犯機能が作動したことを示す電子メールを前記通信部より受信すると、前記特定の携帯通信装置の位置情報を含む電子メールを自機に送信するように当該特定の携帯通信装置を、前記通信部を介して制御する第2ステップと、 前記第2ステップにより前記特定の携帯通信装置から送信された位置情報を含む電子メールを前記通信部により受信する第3ステップと、 受信した前記電子メールに含まれる前記位置情報及び前記位置検出部で検出した自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示させる第4ステップと、 前記電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示した後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を前記地図の一部に重ねて表示させる第5ステップと、 を含む通信方法。 【請求項6】 通信を行う通信部と表示部と位置検出部とを有する携帯通信装置に、 特定の携帯通信装置から防犯機能が作動したことを示す電子メールを前記通信部により受信する第1ステップと、 前記防犯機能が作動したことを示す電子メールを前記通信部より受信すると、前記特定の携帯通信装置の位置情報を含む電子メールを自機に送信するように当該特定の携帯通信装置を、前記通信部を介して制御する第2ステップと、 前記第2ステップにより前記特定の携帯通信装置から送信された位置情報を含む電子メールを前記通信部により受信する第3ステップと、 受信した前記電子メールに含まれる前記位置情報及び前記位置検出部で検出した自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示させる第4ステップと、 前記電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示した後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を前記地図の一部に重ねて表示させる第5ステップと、 を実行させる通信プログラム。」 第5 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由の請求項2に関する理由に引用された特開2007-88948号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア.「【背景技術】 【0002】 携帯電話端末などの移動体通信端末は、広く普及し、かつ、携行頻度の極めて高い携帯型装置であるため、基本機能である通話機能の他に、防犯装置や警報装置としての機能が付加されているものもある。例えば、ユーザの操作に応じて大音量のブザー音を発生させることで、携帯型の防犯ブザー(警報装置)として機能させることができる。」(3頁) イ.「【0024】 以下、本実施形態にかかる移動体通信端末を移動体通信端末100とし、移動体通信端末100のユーザに緊急事態が発生した場合を例に説明する。ここで、緊急事態が発生したユーザをユーザAとし、ユーザAが使用する移動体通信端末100を、通報側端末100Aとする。また、本実施形態では、緊急通報先としても移動体通信端末100が含まれるものとする。本実施形態では、ユーザAの緊急通報先として指定された移動体通信端末100のユーザをユーザBとし、ユーザBが使用する移動体通信端末100を、被通報側端末100Bとする。なお、通報側端末100Aと被通報側端末100Bの構成は同一である。 【0025】 本実施形態にかかる移動体通信端末100は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などといった移動体通信用の端末装置(電話機)であり、基本機能である音声通話機能の他に、少なくとも、所定の警報動作をおこなう警報機能、電子メールの送受信をおこなう電子メール機能、自己の位置を認識する位置認識機能、などを有しているものとする。このうち、警報機能は、ユーザによる操作に応じてブザー音などを発生させる機能とし、位置認識機能は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)機能によって自己の位置を示す座標情報などを取得する機能とする。また、移動体通信端末100は、インターネットなどを介してデータ通信し、ウェブサイトなどにアクセスするデータ通信機能を有しているものとする。 【0026】 このような移動体通信端末100の構成を、図1および図2を参照して説明する。図1は移動体通信端末100の外観構成を示す図であり、図2は移動体通信端末100の内部構成を示すブロック図である。 【0027】 図1に示すように、操作部130、表示部141、報音スピーカ143、受話用スピーカ151、マイクロフォン152、などが移動体通信端末100の外観上に構成されている。 【0028】 また、図2に示すように、移動体通信端末100は、制御部110、通信部121、アンテナ122、音声通信制御部123、データ通信制御部124、操作部130、表示部141、警報音発生部142、報音スピーカ143、モータ駆動部144、モータ145、音声処理部150、受話用スピーカ151、マイクロフォン152、GPS測位部160、GPSアンテナ161、記憶部170、などから構成される。」(6~7頁) ウ.「【0035】 本実施形態では、操作部130を構成する所定のキー(いわゆる、ホットキー)を用いて所定の操作(例えば、長押しなど)がされた場合に、比較的大音量の電子音を発生させ、警報音として出力するものとする。すなわち、警報音発生部142の動作により、移動体通信端末100が警報装置として機能する(警報機能)。本実施形態では、ホットキーが所定操作されることで警報動作が実行され、再度ホットキーが所定操作されることで警報動作が解除されるものとする。」(8頁) エ.「【0043】 図示するように、制御部110は、警報動作実行部111、緊急事態判別部112、位置情報取得部113、通報メール作成部114、通報先選択部115、緊急通報処理部116、応答判別部117、発呼制御部118、出力制御部119、などとして機能する。 【0044】 警報動作実行部111は、操作部130や警報音発生部142との協働により、操作部130からの入力信号に応じて警報音発生部142を制御することで、警報動作の実行とその解除をおこなう。」(9頁) オ.「【0048】 ここで、通報側端末100Aにおける位置情報取得部113は、緊急事態判別部112が緊急事態の発生を判別したことを契機にGPS測位部160を制御して通報側端末100Aの自位置情報を取得する。この場合の自位置情報を、以下「通報側位置情報」とする。一方、被通報側端末100Bにおける位置情報取得部113は、通報側端末100Aからの緊急通報メールを受信したことを契機に、当該緊急通報メールから通報側端末100Aの位置情報を取得するとともに、GPS測位部160を制御して被通報側端末100Bの自位置情報を取得する。この場合の自位置情報を、以下「被通報側位置情報」とする。 【0049】 通報メール作成部114は、緊急事態判別部112によって緊急事態の発生が判別された場合に、緊急事態が発生した旨を他の移動体通信端末100のユーザに通報するための電子メール(以下、「緊急通報メール」とする)を作成する。本実施形態では、位置情報取得部113によって取得された通報側位置情報と、音声処理部150とマイクロフォン152の動作によって収音された周辺音を示す音声データ、および、当該電子メールが緊急通報メールであることを示す識別情報が緊急通報メールに含まれる。ここで、通報側位置情報は、例えば、座標を示す文字情報がメール本文に埋め込まれるものとする。また、音声データは、例えば、添付ファイルとして付加されるものとする。識別情報は、例えば、電子メールのヘッダ部分に埋め込まれるものとする。 【0050】 通報先選択部115は、通報先情報格納領域172に格納されている緊急通報先を示す情報(詳細後述)から、通報メール作成部114が作成した緊急通報メールの送信先となる電子メールアドレスを選択することで、電子メールによる通報先を選択する。また、公的通報先情報格納領域173に格納されている緊急通報先となる公的機関の電話番号情報(詳細後述)から、発呼制御部118によって発呼すべき電話番号情報を選択することで、音声通信による通報先を選択する。 【0051】 緊急通報処理部116は、データ通信制御部124との協働により、移動体通信端末100の電子メール機能にかかる種々の処理を実行する。本実施形態では、通常の電子メールの送受信動作をおこなう他、緊急通報メールについては、通常の電子メールとは異なる処理を実行する。当該移動体通信端末100が通報側端末100Aである場合、緊急通報処理部116は、通報メール作成部114が作成した緊急通報メールを通報先選択部115が選択した電子メールアドレス宛に送信する。 【0052】 一方、当該移動体通信端末100が被通報側端末100Bである場合、通報側端末100Aからの緊急通報メールを受信したときに、緊急通報処理部116は、一般の受信メールとは異なる処理をおこなう。本実施形態では、データ通信制御部124との協働により、受信した緊急通報メールに対する応答を通報側端末100Aに送信する。また、緊急通報処理部116は、通報側端末100Aと被通報側端末100Bとの間の経路を示す地図情報を取得する。」(9~10頁) カ.「【0061】 なお、本実施形態における「公的機関」は、国家や自治体に属する機関に限られるものではなく、例えば、警備業務や救急搬送業務などのような、緊急事態発生時に現場に赴いて必要なサービスを提供する民間組織なども含まれるものとする。すなわち、通報先情報格納領域172に設定される緊急通報先が、家族や知人などといった、ユーザと私的な関係を有する者であるのに対し、公的通報先情報格納領域173に設定される緊急通報先は、緊急事態発生時に機動的なサービスを提供する組織などということになる。 【0062】~【0064】(省略) 【0065】 以上のような構成を有する移動体通信端末100により実行される動作を以下説明する。本実施形態では、複数のユーザによって移動体通信端末100が使用されている状況において、あるユーザ(ユーザA)に、例えば、犯罪的行為の被害者となりうるような緊急事態(例えば、暴漢、痴漢、不法侵入者などとの遭遇など)が発生し、当該ユーザAが移動体通信端末100(通報側端末100A)の警報機能を用いて当該緊急事態に対処している場合を想定する。このような場合における、通報側端末100Aの動作をまず説明する。ここでは、通報側端末100Aによって実行される緊急通報処理を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。 【0066】 この緊急通報処理は、ユーザAが通報側端末100Aを操作して、通報側端末100Aの警報機能を実行したことを契機に開始されるものとする。すなわち、緊急事態が発生した際に、ユーザAが通報側端末100Aの操作部130を操作し、例えば、ホットキーとして設定されているキーを長押しするなどの動作をおこなうことにより、警報動作実行部111が警報音発生部142を制御し、警報音を報音スピーカ143から出力させたことを契機に処理が開始される。 【0067】 緊急通報処理が開始されると、緊急事態判別部112は、警報動作実行部111によって実行された警報音の出力開始時点からの経過時間を計測する。すなわち、通報側端末100Aの警報機能実行時間の計測を開始する(ステップS101)。 【0068】 ここで、ユーザAは、例えば、誤操作により警報機能を実行してしまった場合は、すぐに警報機能の解除をおこなう。あるいは、実際に緊急事態が発生した場合であっても、警報音を発生させたことによって事態が収束すれば、すぐに警報機能の解除をおこなうことになる。よって、警報動作の開始から解除までの時間に基づいて、実際に緊急事態が発生しているのか否か、および、発生している場合にはその深刻度などを判断することができる。この場合、この判断をするのに妥当な経過時間(例えば、1分以内程度)以内に警報動作の解除があるか否かを判別する。 【0069】 よって、緊急事態判別部112は、ステップS101での計測開始から所定時間を経過する前に警報動作が解除された場合は(ステップS102:No)、緊急事態は実際には発生していないか、極めて早期に解決されたと判断し、処理を終了する。すなわち、緊急事態発生の通報をおこなわない。 【0070】 一方、ステップS101での計測開始から所定時間以上経過しても警報動作が解除されない場合(ステップS102:Yes)、緊急事態判別部112は、緊急事態が発生しており、かつ、その深刻度が高いと判別し、ユーザAを救助するために緊急通報が必要であると判断する。この場合、緊急事態判別部112は、音声処理部150に周辺音の収音開始を指示するとともに、位置情報取得部113に現在位置情報の取得を指示する。 【0071】 緊急事態判別部112の指示に応じて、音声処理部150は周辺音の収音を開始する(ステップS103)。ここでは、マイクロフォン152を動作させて周辺音を入力し、順次デジタル音声データに変換し、通報情報格納領域175に周辺音の音声データファイルとして格納する。 【0072】 なお、警報音が出力されている状態では、周辺音が収音できない場合もあるので、緊急事態判別部112が、警報音発生部142を制御して、警報音動作を自動的に解除するか、音量を下げるなどの動作をおこなうものとする。 【0073】 また、周辺音の収音開始とともに、緊急事態判別部112が音声処理部150を制御し、音声合成などによって、周辺音の収音が開始された旨のメッセージを報音スピーカ143から出力してユーザAに通知するものとする。この場合、緊急事態判別部112は、モータ駆動部144を制御することで、モータ145の振動動作によってユーザAに通知してもよい。これにより、ユーザAは、周辺音が収音されていると認識でき、これをきっかけに現在の状況などを発話することができる。 【0074】 位置情報取得部113も同様に、緊急事態判別部112の指示に応じて、GPS測位部160を制御し、通報側端末100Aの現在位置を認識させ、通報側端末100Aの現在位置を示す情報(通報側位置情報)を取得する(ステップS104)。 【0075】 位置情報取得部113は、取得した通報側位置情報を通報メール作成部114に引き渡す。通報メール作成部114は、位置情報取得部113から自位置情報を引き渡されたことを契機にテンプレート情報格納領域174にアクセスし、緊急通報メールのテンプレートを取得する。そして、取得したテンプレートの本文に、位置情報取得部113から引き渡された通報側位置情報を埋め込む(ステップS105)。 【0076】 通報側位置情報を緊急通報メールに埋め込むと、通報メール作成部114は通報情報格納領域175にアクセスし、格納された周辺音の音声データファイルを取得し、当該緊急通報メールの添付ファイルとする(ステップS106)。これにより、ユーザAに緊急事態が発生したことを示す緊急通報メールが作成される。 【0077】 緊急通報メールを作成すると、通報メール作成部114は、その旨を通報先選択部115に通知する。通報先選択部115は、通報メール作成部114からの通知であることに基づいて、現在実行している緊急通報の通報方法が電子メールであることを認識する。この場合、通報先選択部115は、通報先情報格納領域172にアクセスし、設定されている緊急通報先の電子メールアドレスを取得し、作成された緊急通報メールの宛先に設定する(ステップS107)。すなわち、緊急通報先として複数の電子メールアドレスが通報先情報格納領域172に格納されていれば、全電子メールアドレスが作成された緊急通報メールの宛先として設定される(すなわち、同報送信が設定される)。 【0078】 作成された緊急通報メールの宛先を設定すると、通報先選択部115はその旨を緊急通報処理部116に通知する。緊急通報処理部116は、通知に応じてデータ通信制御部124を制御し、作成された緊急通報メールを送信する(ステップS108)。すなわち、通報先情報格納領域172に緊急通報先として設定されている他の移動体通信端末100(すなわち、被通報側端末100B)のユーザ(ユーザB)宛に、作成された緊急通報メールが送信される。」(12~13頁) キ.「【0103】 上記出力動作と同時に、緊急事態判別部112が位置情報取得部113に被通報側端末100Bの現在位置情報の取得を指示する。これにより、位置情報取得部113はGPS測位部160を制御し、被通報側端末100Bの現在位置情報(被通報側位置情報)を取得する(ステップS209)。 【0104】 被通報側端末100Bの位置情報(被通報側位置情報)が取得されると、緊急通報処理部116は、受信した緊急通報メールの本文に埋め込まれている、通報側端末100Aの位置情報(通報側位置情報)を取得し、被通報側位置情報を出発地、通報側位置情報を目的地とした経路検索をおこなう(ステップS210)。本実施形態では、緊急通報処理部116がデータ通信制御部124と協働し、経路検索サービスを提供するウェブサイトにアクセスし、上述した出発地と目的地の位置情報を送信することで、被通報側端末100Bから通報側端末100Aまでの経路を示した地図情報を取得する(ステップS211)。 【0105】 緊急通報処理部116は、取得した地図情報を、図11に示すように、出力制御部119を介して表示部141に表示して(ステップS212)、処理を終了する。 【0106】 本実施形態では、緊急通報処理部116がデータ通信制御部124と協働し、経路検索サービスを提供するウェブサイトにアクセスし、上述した出発地と目的地の位置情報を送信することで、被通報側端末100Bから通報側端末100Aまでの経路を示した地図情報を取得する。 【0107】 このように、通報側端末100Aが送信した緊急通報メールを、被通報側端末100Bが受信すると、通常の受信メールよりも通知効果の高い方法で着信動作がおこなわれ、ユーザがより認識しやすいように動作する。そして、受信した緊急通報メールをユーザが認識した場合、通報側端末100Aに応答するとともに、被通報側端末100Bから通報側端末100Aまでの経路を示す地図情報を自動的に取得して表示する。よって、通報側端末100AのユーザAに緊急事態が発生していることが緊急通報されるとともに、ユーザAを救助するために必要な経路情報などが自動的に示される。」(16~17頁) 摘記事項ア.~キ.の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、 (ア)摘記事項イ.の【0026】の「移動体通信端末100は、・・・(略)・・・表示部141、・・・(略)・・・などから構成される。」より、「表示部と、を備え」る「移動体通信端末」といえる。 (イ)摘記事項イ.の【0024】の「緊急事態が発生したユーザをユーザAとし、ユーザAが使用する移動体通信端末100を、通報側端末100Aとする。」と、同【0026】の「通信部121」と、摘記事項カ.の【0061】の「緊急通報先が、家族や知人などといった、ユーザと私的な関係を有する者である」との各記載より、「通報側の特定の相手の移動体通信端末と通信する通信部と、」といえる。 (ウ)摘記事項イ.の【0025】の「自己の位置を認識する位置認識機能、などを有しているものとする。このうち、警報機能は、ユーザによる操作に応じてブザー音などを発生させる機能とし、位置認識機能は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)機能によって自己の位置を示す座標情報を取得する機能とする。」の記載より、「被通報側位置情報を取得するGPS測位部と、」といえる。 (エ)摘記事項ウ.の【0035】の「操作部130を構成する所定のキー(いわゆる、ホットキー)を用いて所定の操作(例えば、長押しなど)がされた場合に、比較的大音量の電子音を発生させ、警報音として出力するものとする。」の記載より、「警報機能を実行したことを契機に、」といえ、摘記事項オ.の【0048】の「通報側端末100Aにおける位置情報取得部113は、緊急事態判別部112が緊急事態の発生を判別したことを契機にGPS測位部160を制御して通報側端末100Aの自位置情報を取得する。」と、同【0049】の「ここで、通報側位置情報は、例えば、座標を示す文字情報がメール本文に埋め込まれるものとする。」との各記載より「前記通報側の移動体通信端末が、警報機能を実行したことを契機に、取得した通報側位置情報を埋め込んだ緊急通報メールを、」、「当該通報側の移動体通信端末から送信され、」といえる。 (オ)摘記事項キ.の【0103】の「位置情報取得部113はGPS測位部160を制御し、被通報側端末100Bの現在位置情報(被通報側位置情報)を取得する(ステップS209)」と、同【0104】の「被通報側端末100Bの位置情報(被通報側位置情報)が取得されると、緊急通報処理部116は、受信した緊急通報メールの本文に埋め込まれている、通報側端末100Aの位置情報(通報側位置情報)を取得し、被通報側位置情報を出発地、通報側位置情報を目的地とした経路検索をおこなう(ステップS210)。本実施形態では、緊急通報処理部116がデータ通信制御部124と協働し、経路検索サービスを提供するウェブサイトにアクセスし、上述した出発地と目的地の位置情報を送信することで、被通報側端末100Bから通報側端末100Aまでの経路を示した地図情報を取得する」と、同【0105】の「取得した地図情報を、図11に示すように、出力制御部119を介して表示部141に表示し」との各記載より、「当該通報側の移動体通信端末から前記通信部を介して受信すると、受信した当該緊急通報メールに含まれる通報側位置情報、及びGPS測位部から取得した前記被通報側測位置情報を出発地及び目的地として経路を示した地図情報を前記表示部に表示させる緊急情報処理部と、」を備え、「前記緊急通報メールに含まれる通報側位置情報及び前記GPS測位部から取得した前記被通報側位置情報を出発地及び目的地とした地図情報を前記表示部に表示する」といえる。 以上を総合すると、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認める。 (引用発明1) 「表示部と、 通報側の特定の相手の移動体通信端末と通信する通信部と、 被通報側位置情報を取得するGPS測位部と、 前記通報側の移動体通信端末が警報機能を実行したことを契機に、当該通報側の移動体通信端末から送信され、前記通報側の移動体通信端末が、前記警報機能を実行したことを契機に取得した通報側位置情報を埋め込んだ緊急通報メールを、当該通報側の移動体通信端末から前記通信部を介して受信すると、受信した当該緊急通報メールに含まれる通報側位置情報、及び前記GPS測位部から取得した前記被通報側位置情報を出発地及び目的地として経路を示した地図情報を前記表示部に表示させる緊急情報処理部と、を備え、 前記緊急情報処理部は、 前記緊急通報メールに含まれる通報側位置情報及び前記GPS測位部から取得した前記被通報側位置情報を出発地及び目的地とした地図情報を前記表示部に表示する 移動体通信端末。」 2.引用文献2 原査定の拒絶の理由に引用された米国特許出願公開第2009/0185699号明細書(以下、「引用文献2」という。)(【0024】~【0028】)には、図面(FIG.4~9)とともに次の発明が記載されている。 (引用発明2) 「無線通信装置において、他の無線通信装置から着信があると、着信に応じて該他の無線通信装置から受信したeメールに含まれる他の携帯通信装置の位置情報及びGPSで検出した自携帯通信装置の位置情報を含む範囲の地図を表示部に表示すること。」 3.引用文献3 原査定の拒絶の理由に引用された特開2010-103741号公報(以下、「引用文献3」という。)(【0101】)には、図面とともに次の発明が記載されている。 (引用発明3) 「親機で表示されている画像の画像データを親機から受信して、ディスプレイに表示する子機において、子機の操作部により画像拡大モードが選択されると、親機に選択されたモードデータを送信し、該モードデータにより親機で生成された画像データを受信して拡大した画像を表示すること。」 4.周知技術 前置報告書で周知技術を示す文献として引用された米国特許公開公報2007/0204218号(【0041】)、特開2004-302988号公報(【0043】【0046】)より、「地図を表示する装置において、地図が表示された後に、地図上の特定の位置の指定を含む所定の操作を検出すると、該特定の位置の周辺部分を拡大した画像を、前記地図とともに表示させること。」(以下、「周知技術」という。)は、周知の技術であると認める。 第6 当審の判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明1とを対比する。 ア.引用発明1における「移動通信端末」、「表示部」、「緊急通報メール」は、それぞれ本願発明1における「携帯通信装置」、「表示部」、「電子メール」に相当する。 イ.引用発明1の「通報側の特定の相手の移動体通信端末と通信する通信部」は、特定の相手と通信するためのものであるから、本願発明1の「特定の携帯通信装置と通信する通信部」に相当する。 ウ.引用発明1の「被通報側位置情報を取得するGPS測位部」は、本願発明1の「自機の位置情報を検出する位置検出部」に相当する。 エ.引用発明1の「警報機能」は、「警報機能は、ユーザによる操作に応じてブザー音などを発生させる機能」(【0025】)、「基本機能である通話機能の他に、防犯装置や警報装置としての機能が付加されているものもある。例えば、ユーザの操作に応じて大音量のブザー音を発生させることで、携帯型の防犯ブザー(警報装置)として機能させることができる。」(【0002】)の記載を参酌すると、本願発明1の「防犯機能」を含むので、引用発明1の「前記通報側の移動体通信端末が警報機能を実行したことを契機に、当該通報側の移動体通信端末から送信され、前記通報側の移動体通信端末が、前記警報機能を実行したことを契機に取得した通報側位置情報を埋め込んだ緊急通報メールを、当該通報側の移動体通信端末から前記通信部を介して受信すると、」と、本願発明1の「前記特定の携帯通信装置が防犯機能を作動させたときに当該特定の携帯通信装置から送信され、前記特定の携帯通信装置が前記防犯機能を作動させたときに検出する位置情報を含む電子メールを、当該特定の携帯通信装置から前記通信部により受信すると、」は、「前記特定の携帯通信装置が、防犯機能を作動させたときに、当該特定の携帯通信装置から送信され、前記特定の通信装置が前記防犯機能を作動させたときに検出する位置情報を含む電子メールを、当該特定の携帯通信装置から前記通信部により受信すると、」という点で共通する。 オ.引用発明1の「経路を示した地図情報」には、「通報側の移動体通信端末」と「被通報側の移動体通信端末」が含まれており、両端末を「含む範囲の地図」を表示することであるから、引用発明1の「受信した当該緊急通報メールに含まれる、通報側位置情報及び前記GPS即位部から取得した前記被通報側位置情報を出発地及び目的地として経路を示した地図情報を前記表示部に表示させる緊急情報処理部」と、本願発明1の「受信した当該電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示させる制御部」とは、「受信した当該電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示させる制御手段」で共通する。 カ.前記オ.と同様に、引用発明1の「前記緊急通報メールに含まれる通報側位置情報及び前記GPS測位部から取得した前記被通報側位置情報を出発地及び目的地とした地図情報を前記表示部に表示」は、本願発明1の「前記電子メールに含まれる位置情報及び前記GPS測位部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示」に相当する。 したがって、本願発明1と、引用発明1とは、以下の点で、一致し、相違する。 (一致点) 「表示部と、 特定の携帯通信装置と通信する通信部と、 自機の位置情報を検出する位置検出部と、 前記特定の携帯通信装置が、防犯機能を作動させたときに、当該当該特定の携帯通信装置から送信され、前記特定の通信装置が前記防犯機能を作動させたときに検出する位置情報を含む電子メールを、当該特定の携帯通信装置から前記通信部により受信すると、受信した当該電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示させる制御手段と、を備え、 前記制御手段は、 前記電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示し 携帯通信装置。」 (相違点) 一致点の「地図を前記表示部に表示し」に関し、本願発明1が、「(表示し)た後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を前記地図の一部に重ねて表示させる」のに対して、引用発明1は、そのような構成がない点。それに伴い一致点の「制御手段」が本願発明1では「制御部」であるのに対し、引用発明1では「緊急情報処理部」である点。 (2)相違点についての判断 (相違点)について検討する。 本願発明1の「(地図を表示し)た後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を地図の一部に重ねて表示させる」は、言い換えると「(地図を表示し)た後に、所定時間が経過すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を地図の一部に重ねて表示させる」又は「(地図を表示し)た後に、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を地図の一部に重ねて表示させる」のいずれかの構成からなるものである。 そこでまず前者の「(地図を表示し)た後に、所定時間が経過すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を地図の一部に重ねて表示させる」について検討する。 「拡大した画像」を「所定時間が経過する」を契機として「表示させる」点は、引用発明2、引用発明3、周知技術のいずれにも記載されていないから、当業者が容易に想到し得たとはいえない。 次に後者の「(地図を表示し)た後に、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を地図の一部に重ねて表示させる」について検討する。 まず「所定の操作を検出」に関し、本願明細書段落【0060】に「第1携帯電話機10は、図9に示すマーク112、114を含む地図画像110をディスプレイ12に表示させている状態で、設定した条件が満たされた場合、ディスプレイ12に図10に示す地図画像120を表示させる。なお、設定した条件としては、所定時間の経過や、設定した操作の検出等がある。」と記載されていることから、「所定の操作を検出」とは、「前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を地図の一部に重ねて表示させる」という予め設定された処理を実行するために設定した条件であると解される。 一方、「第5 引用文献、引用発明等」の項中の「4.周知技術」で検討したように、「地図を表示する装置において、地図が表示された後に、地図上の特定の位置の指定を含む所定の操作を検出すると、該特定の位置の周辺部分を拡大した画像を、前記地図とともに表示させること。」は、周知技術である。そして、仮に、引用発明1に周知技術を適用したとしても、「地図上の特定の位置の指定を含む所定の操作を検出」は、予め設定された処理を実行するために設定した条件ではない点で、本願発明1の「所定の操作を検出」と技術思想を異にするから、当業者が容易に想到し得たとはいえない。また、引用発明2、引用発明3にも相違点に係る本願発明1の構成に相当する事項は記載されておらず当業者に自明のものでもない。 したがって、(相違点)について、引用発明1ないし引用発明3に基づいて周知技術を参酌することにより当業者が容易に想到し得たとはいえない。 4.本願発明2、本願発明3について、 本願発明2、3は、本願発明1を減縮した発明であるので、本願発明1と同様に、当業者が容易に想到し得たとはいえない。 5.本願発明4ないし本願発明6について 本願発明4ないし本願発明6も、本願発明1の「前記電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示した後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を前記地図の一部に重ねて表示させる」と同一の構成を備えるものである。 したがって、本願発明4ないし本願発明6も、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても容易に発明することができたとはいえない。 第7 原査定について 審判請求時の補正により、補正後の本願発明1ないし本願発明6は、「前記電子メールに含まれる位置情報及び前記位置検出部で検出した前記自機の位置情報を含む範囲の地図を前記表示部に表示した後に、所定時間が経過する、又は、所定の操作を検出すると、前記電子メールに含まれる位置情報により特定される位置の周辺部分を拡大した画像を前記地図の一部に重ねて表示させる」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、原査定の理由において引用された引用文献1ないし引用文献3に基づいて周知技術を参酌することにより当業者が容易に発明することができたものではない。また、仮に、平成28年1月28日付けの拒絶理由の3の請求項1、5についての理由と同様に、主引用例を、引用文献2として、引用文献1を組み合わせたとしても、上記事項の構成について導き出すことができないから、当業者が容易に発明することができたものではない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2016-012208

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決420件(京セラ株式会社)
  • 2025-017131拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)ケイイイジイ
    同じ当事者: 京セラ株式会社
  • 2025-010688拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)ロボット制御装置、ロボット制御システム、及びロボット制御方法
    同じ当事者: 京セラ株式会社
  • 2024-008010拒絶査定不服審判 / 2026-08-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)毛包上皮性幹細胞の生体外増殖方法
    同じ当事者: 京セラ株式会社
  • 2025-016103拒絶査定不服審判 / 2026-07-23 / 原査定取消(特許/登録すべき)通信制御方法及び中継ノード
    同じ当事者: 京セラ株式会社
  • 2024-019511拒絶査定不服審判 / 2026-06-29 / 原査定取消(特許/登録すべき)電子機器、電子機器の制御方法、及び電子機器の制御プログラム
    同じ当事者: 京セラ株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)358件(121・H04M、537・H04M)
  • 2024-015472拒絶査定不服審判 / 2025-10-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)コンタクトセンター通信セッションルーティング動作の実施
    共通の審決分類: 121・H04M、537・H04M
  • 2023-016851拒絶査定不服審判 / 2025-01-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)インターホンシステム
    共通の審決分類: 121・H04M、537・H04M
  • 2024-001013拒絶査定不服審判 / 2024-11-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)呼警告装置、呼警告システム、呼警告方法、および、呼警告プログラム
    共通の審決分類: 121・H04M、537・H04M
  • 2024-000973拒絶査定不服審判 / 2024-11-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)ボディデバイスを管理するための方法および装置
    共通の審決分類: 121・H04M、537・H04M
  • 2022-017122拒絶査定不服審判 / 2024-07-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)着信音声通信要求の通知のインテリジェントなルーティングのためのシステムおよび方法
    共通の審決分類: 121・H04M、537・H04M

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存