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特許拒絶査定不服審判

2016-012062

遊技機

審判番号
2016-012062
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-134815外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年08月09日
審決日
2017年03月14日
公報発行日
2017年06月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-134815号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年1月21日出願公開、特開2016-10638号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年6月30日の出願であって、平成27年8月31日付けで拒絶理由通知がなされ、同年11月6日付けで手続補正がなされ、平成28年5月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成28年8月9日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「 本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲は、 (補正前:平成27年11月6日付け手続補正) 「【請求項1】 図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段と、 前記変動記憶情報を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段と、 前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段と、 前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数に関する保留個数情報を保留表示部に表示可能な保留個数情報表示手段と、 前記図柄表示手段による図柄変動中に、一又は複数段階の演出ステップよりなるステップアップ演出を実行可能なステップアップ演出実行手段とを備えた 遊技機において、 前記保留表示部は、第1保留表示部と第2保留表示部とを含み、 前記保留個数情報表示手段は、画像表示手段とは別に設けた前記第1保留表示部に前記保留個数情報を表示する第1保留個数情報表示手段と、前記画像表示手段の前記第2保留表示部に前記保留個数情報を表示する第2保留個数情報表示手段とを含み、 前記ステップアップ演出における前記演出ステップが特定段階に達した場合に、前記第1保留個数情報表示手段による前記保留個数情報の表示については前側から視認可能な状態を維持しつつ、前記第2保留個数情報表示手段の前記第2保留表示部に表示されている前記保留個数情報の少なくとも一部を前側から視認不可能な状態にするように構成し、 前記停止図柄が前記特定態様とならない場合には、前記演出ステップが前記特定段階に達するステップアップ演出よりも前記特定段階に達しないステップアップ演出の方を高い確率で選択する ことを特徴とする遊技機。」 から、 (補正後:本件補正である平成28年8月9日付け手続補正) 「【請求項1】 図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段と、 前記変動記憶情報を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段と、 前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段と、 前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数に関する保留個数情報を保留表示部に表示可能な保留個数情報表示手段と、 前記図柄表示手段による図柄変動中に、一又は複数段階の演出ステップよりなるステップアップ演出を実行可能なステップアップ演出実行手段とを備えた 遊技機において、 前記保留表示部は、第1保留表示部と第2保留表示部とを含み、 前記保留個数情報表示手段は、画像表示手段とは別に設けた前記第1保留表示部に前記保留個数情報を表示する第1保留個数情報表示手段と、前記画像表示手段の前記第2保留表示部に前記保留個数情報を表示する第2保留個数情報表示手段とを含み、 前記ステップアップ演出における前記演出ステップが特定段階に達した場合に、前記第1保留個数情報表示手段による前記保留個数情報の表示については前側から視認可能な状態を維持しつつ、前記第2保留個数情報表示手段の前記第2保留表示部については前記保留個数情報の表示を維持したままでその少なくとも一部を隠すように前記第2保留表示部の前側に可動体を移動させるように構成し、 前記停止図柄が前記特定態様とならない場合には、前記演出ステップが前記特定段階に達するステップアップ演出よりも前記特定段階に達しないステップアップ演出の方を高い確率で選択する ことを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審で付した。)。 2 本件補正の適否 本件補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記ステップアップ演出における前記演出ステップが特定段階に達した場合」における「前記第2保留表示部」に関して、補正前には、「表示されている前記保留個数情報の少なくとも一部を前側から視認不可能な状態にする」とされていた点を、「前記保留個数情報の表示を維持したままでその少なくとも一部を隠すように前記第2保留表示部の前側に可動体を移動させる」とするものである。 そうすると、本件補正は、補正前の記載では「表示されている前記保留個数情報の少なくとも一部」をどのようにして「前側から視認不可能な状態」にするのかが特定されていなかったところを、「前記保留個数情報の表示を維持したままでその少なくとも一部を隠すように前記第2保留表示部の前側に可動体を移動させる」とすることで、当該視認不可能な状態にする際の保留個数情報の表示状態を特定したものであるといえる。 したがって、本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記ステップアップ演出における前記演出ステップが特定段階に達した場合」における「前記第2保留表示部」に関して、保留個数情報の少なくとも一部を前側から視認不可能な状態にする際の当該保留個数情報の表示状態を特定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、特許法第17条の2第3項に違反するところはない。 3 独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。 (1) 本願補正発明 本願補正発明は、上記1の本件補正の概要において示した次のとおりのものである(A~Jは、審判請求書において請求人が付したA~Jに合わせて、本願補正発明を分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 A 図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段と、 B 前記変動記憶情報を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段と、 C 前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段と、 D 前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数に関する保留個数情報を保留表示部に表示可能な保留個数情報表示手段と、 E 前記図柄表示手段による図柄変動中に、一又は複数段階の演出ステップよりなるステップアップ演出を実行可能なステップアップ演出実行手段とを備えた F 遊技機において、 G 前記保留表示部は、第1保留表示部と第2保留表示部とを含み、 H 前記保留個数情報表示手段は、画像表示手段とは別に設けた前記第1保留表示部に前記保留個数情報を表示する第1保留個数情報表示手段と、前記画像表示手段の前記第2保留表示部に前記保留個数情報を表示する第2保留個数情報表示手段とを含み、 I 前記ステップアップ演出における前記演出ステップが特定段階に達した場合に、前記第1保留個数情報表示手段による前記保留個数情報の表示については前側から視認可能な状態を維持しつつ、前記第2保留個数情報表示手段の前記第2保留表示部については前記保留個数情報の表示を維持したままでその少なくとも一部を隠すように前記第2保留表示部の前側に可動体を移動させるように構成し、 J 前記停止図柄が前記特定態様とならない場合には、前記演出ステップが前記特定段階に達するステップアップ演出よりも前記特定段階に達しないステップアップ演出の方を高い確率で選択する ことを特徴とする遊技機。」 (2) 刊行物に記載された事項 ア 刊行物1 原査定の拒絶の理由に引用された特開2011-156148号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア) 「【0011】 前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、 始動条件の成立(普通入賞球装置6Aにより形成される第1始動入賞口に始動入賞したこと。普通可変入賞球装置6Bにより形成される第2始動入賞口に始動入賞したこと)にもとづいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(第1特別図柄、第2特別図柄または飾り図柄)の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、画像表示装置5)を備え、前記可変表示手段に表示結果を導出することで遊技の結果を確定し、遊技の結果が特定遊技結果(例えば、大当り遊技結果)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、 前記始動条件の成立にもとづいて、前記識別情報の可変表示を行う権利を所定の上限数(例えば4)を限度として記憶する保留記憶手段(第1特図保留記憶部151A、第2特図保留記憶部151B、特図保留記憶部195)と、 前記可変表示手段における所定の保留表示領域(画像表示装置5の第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5U)に、所定の保留特定情報を前記保留記憶手段に記憶された権利の数を特定可能に表示する保留表示制御手段(演出制御用CPU120において、保留記憶表示制御処理を実行する部分)と、 前記可変表示手段における前記保留表示領域に重畳しない非重畳位置(格納位置)から該可変表示手段における前記保留表示領域の少なくとも一部に重畳する重畳位置(前面位置)に可動可能(例えば図56(a)(b)参照)に設けられる可動物(シャッタ38H,38L)と、 所定条件の成立にもとづいて、前記可動物を前記非重畳位置から前記重畳位置に移動させる可動演出(疑似連の演出、ステップアップ予告演出、ノーマルリーチ2の演出、スーパーリーチの演出、エンディング演出)を実行する可動演出実行手段(演出制御用CPU120において、例えば、ステップS736,737を実行する部分)と、 を備え、 前記保留表示制御手段は、前記可動演出実行手段が前記可動演出を実行するときに、表示中の保留特定情報を消去するとともに、新たな始動条件の成立にもとづく保留特定情報の表示を禁止する(演出制御用CPU120が保留表示中止フラグがセットされているときにステップS922を実行する部分、図57~図61参照)、 ことを特徴としている。」 (イ) 「【0019】 ・・・画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。」 (ウ) 「【0021】 このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。・・・ 【0022】 画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。・・・」 (エ) 「【0024】 画像表示装置5の表示領域には、表示領域下方隅部には、第1保留記憶数が表示される第1保留記憶数表示エリア5Dが形成(配置)されているとともに、これら第1保留記憶数表示エリア5Dと対角位置となる表示領域上方隅部には、第2保留記憶数が表示される第2保留記憶数表示エリア5Uが形成(配置)されている。第1保留記憶数表示エリア5Dでは、第1特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示し、第2保留記憶数表示エリア5Uでは、第2特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、第1特図ゲームや第2特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。」 (オ) 「【0028】 また、これら第1保留記憶数表示エリア5D並びに第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、あるいは第1保留記憶数表示エリア5D並びに第2保留記憶数表示エリア5Uに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、これら第1保留記憶数表示エリア5D並びに第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部と下部とに、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。」 (カ) 「【0033】 普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。」 (キ) 「【0066】 ・・・「ステップアップ表示」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ表示」の予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り換えられることなく、予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、演出画像を切り換えて表示させる演出表示に代えて、あるいは、このような演出表示とともに、例えば演出用の可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われるようにしてもよい。」 (ク) 「【0159】 第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示す保留記憶情報となる。 【0160】 第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示す保留記憶情報となる。」 (ケ) 「【0247】 図22(B)に示す設定例では、ハズレとなる変動パターンであるSPB2-1、SPB2-2、SPA3-1、SPA3-2においては、末尾がNであるシャッタ画像を表示する図柄変動制御パターンに対して判定値数が多く割り当てられる一方、末尾がPであるシャッタ38H,38Lが動作する図柄変動制御パターンに対して判定値数が少なく割り当てられ、当りとなる変動パターンであるSPB4-1、SPB4-2、SPA5-1、SPA5-2においては、末尾がNであるシャッタ画像を表示する図柄変動制御パターンに対して判定値数が少なく割り当てられる一方、末尾がPであるシャッタ38H,38Lが動作する図柄変動制御パターンに対して判定値数が多く割り当てられていることで、ハズレとなる場合にはリーチ成立時に画像表示装置5にシャッタ画像が表示される場合が多く決定され、大当りとなる場合にはリーチ成立時にシャッタ38H,38Lが動作する場合が多く決定されることで、シャッタ38H,38Lが動作した場合には大当りとなる可能性が高く、シャッタ38H,38Lが動作しない場合(画像シャッタが表示される場合)には大当りとなる可能性が低いこととなる。」 (コ) 「【0250】 尚、これら図23に示す表示系予告種別に対応した予告演出制御パターンには、シャッタ38H,38Lの動作制御を有するものと、シャッタ38H,38Lを動作させずにシャッタの画像を画像表示装置5に表示する表示制御を有するものとを含んでいる。具体的には、予告演出の種別としてステップアップ予告が決定された場合において設定される予告演出制御パターンSTA2-2~STA2-4には、ステップアップ時においてシャッタ38H,38Lを動作(一時的に閉状態とする動作)させる動作制御が含まれており、第2ステップ以上に発展するステップアップ予告では、ステップアップ時(予告演出の発展時)においてシャッタ38H,38Lを一時的に閉状態とする動作が実施される。」 (サ) 「【0259】 保留表示中止フラグ制御データには、保留表示中止フラグのセット或いはリセットを指示するデータが含まれていれば良く、例えば、これら保留表示中止フラグのセットを指示する保留表示中止フラグ制御データが、シャッタ制御データによってシャッタ38H,38Lのいずれかが動作される直前のプロセスデータや、トリガボタン31Aやプッシュボタン31Bの操作を有効に検出する操作有効期間が開始される時点のプロセスデータに含まれるように設定されることで、シャッタ38H,38Lのいずれかが動作する直前またはトリガボタン31Aやプッシュボタン31Bの操作が有効とされたときに、第1保留記憶数表示エリア5D並びに第2保留記憶数表示エリア5Uにおける第1保留記憶数や第2保留記憶数の表示が中止されて非表示状態とされるようになっている。」 (シ) 「【0275】 図53に示すように、シャッタユニット500は、中央に横長長方形状の開口503が形成された四角枠状の枠板502と、枠板502の前面側に上下方向に移動可能に設けられる上下一対のシャッタ38H,38Lと、枠板502の背面側に設けられ、シャッタ38を駆動させるためのシャッタモータ36H,36Lと、これらシャッタ38H,38Lが格納位置に位置していることを検出するためのシャッタセンサ37H,37Lと、から主に構成される。 【0276】 シャッタユニット500は、特に図示はしないが、開口503の背面に設けられる画像表示装置5の前面側に起立姿勢で配設される。開口503は、枠板502の背面側に配設される画像表示装置5の表示面とほぼ同形に形成され、該開口503を介して表示面を遊技盤2の前面側から視認可能に形成されている。」 (ス) 「【0508】 なお、本発明にける保留記憶表示の非重畳位置とは、シャッタ38H,38Lが完全に格納されている格納位置となる初期値位置のみを示すものではなく、シャッタ38H,38Lが完全に格納されていないが、シャッタ38H,38Lが保留記憶表示を隠すことのない位置であっても良く、このような非重畳位置となって時点において、保留表示中止フラグをリセットして、非表示とされた保留記憶表示を再度表示するようにしても良い。」 (セ) 「【0567】 この実施の形態では、図58に示すように、ステップアップ予告演出が実施される場合においては、予告演出の各変化(ステップアップ)時においてシャッタ38H,38Lが動作する。具体的には、第1ステップから第2ステップへの変化(ステップアップ)時においては、下側シャッタ38Lが画像表示装置5の下側半分の表示領域を一時的に覆うように上方へ移動した後、所定の格納位置に戻るように動作し、第2ステップから第3ステップへの変化(ステップアップ)時においては、上側シャッタ38Hが画像表示装置5の上側半分の表示領域を一時的に覆うように下方へ移動した後、所定の格納位置に戻るように動作し、第3ステップから第4ステップへの変化(ステップアップ)時においては、両シャッタ38H,38Lが画像表示装置5の全表示領域を一時的に覆うように移動した後、所定の格納位置に戻るように動作する。」 (ソ) 図1には、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bは、画像表示装置5と別に、画像表示装置5から離れた位置に設けられていることが図示されている。 (タ) 図23には、「予告演出制御パターン」が「STA2-1」の場合に、予告演出の「内容」として「第1ステップのみ」を行うこと及び「シャッタ動作」が「無し」であることが図示されている。 (チ) 図53及び図56には、シャッタ38H、38Lは、シャッタユニット500の左右に設けられた案内片522L、522R、524L、524Rに沿って、シャッタユニット500の開口503を塞ぐように上下に移動するのみであることが図示されている。 上記記載事項(ア)~(セ)及び図面の図示内容(ソ)~(チ)から、以下の事項が導かれる。 (ツ) 上記(カ)の【0033】には「遊技球は・・・第1始動口スイッチ22A・・・第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき・・・第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき・・・第2始動条件が成立する」と記載され、上記(ク)の【0159】及び【0160】には「第1始動条件」又は「第2始動条件」の「成立に基づいて・・・抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして・・・記憶」と記載されている。そうすると、上記(カ)及び(ク)には、第1始動口スイッチ22A又は第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されて第1始動条件又は第2始動条件が成立したことに基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどの保留データが記載されているといえる。 また、上記(エ)の【0024】には「飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲーム・・・を開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる」と記載されており、当該飾り図柄の可変表示が当該保留された保留データに基づいて行われることは明らかである。 さらに、上記(イ)の【0019】には「画像表示装置5の表示領域では、・・・飾り図柄を可変表示する」と記載され、上記(ウ)の【0022】には「画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が・・・設けられ」と記載されている。そうすると、上記(イ)及び(ウ)には、飾り図柄を可変表示する画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが記載されているといえる。 したがって、上記(イ)~(エ)、(カ)及び(ク)には、第1始動口スイッチ22A又は第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されて第1始動条件又は第2始動条件が成立したことに基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどの保留データに基づいて飾り図柄を可変表示する画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが記載されているといえる。 (テ) 上記(エ)の【0024】には「飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件・・・は成立したが、・・・可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる」と記載され、上記(ク)の【0159】及び【0160】には「保留データとして、その記憶数が所定の上限値・・・に達するまで」「第1特図保留記憶部151A」又は「第2特図保留記憶部151B」に記憶すると記載されている。 したがって、上記(エ)及び(ク)には、飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、可変表示ゲームを開始するための開始条件が成立していないときに、記憶数が所定の上限値に達するまで保留データを記憶する第1特図保留記憶部151A又は第2特図保留記憶部151Bが記載されているといえる。 (ト) 上記(ウ)の【0021】には「画像表示装置5の表示領域では、・・・飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する」と記載され、上記(ア)の【0011】には「可変表示手段に表示結果を導出することで遊技の結果を確定し、遊技の結果が特定遊技結果(例えば、大当り遊技結果)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる」と記載されている。 また、上記(ツ)に示したとおり、上記(ウ)の【0022】には「画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が・・・設けられ」と記載されている。 したがって、上記(ア)、(ウ)には、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示することで遊技の結果を確定し、遊技の結果が大当り遊技結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる手段が記載されているといえる。 (ナ) 上記(ソ)から、図1には、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bは、画像表示装置5と別に設けられている点が図示されているといえる。 また、上記(エ)の【0024】には「第1保留記憶数表示エリア5Dでは・・・保留数・・・を特定可能に表示し、第2保留記憶数表示エリア5Uでは・・・保留数・・・を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる」と記載され、上記(オ)の【0028】には「特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている」と記載されている。 したがって、図1、上記(エ)及び(オ)には、画像表示装置5とは別に設けた第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bに保留数を表示する手段と、画像表示装置5の第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5Uに保留数を表示する手段が記載されているといえる。 (ニ) 上記(オ)の【0028】には「第1保留記憶数表示エリア5D並びに第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、・・・特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている」と記載されている。 また、上記(シ)、上記(チ)の図53及び図56から、シャッタ38H、38Lは、画像表示装置5の表示面とほぼ同形に形成された開口503を塞ぐように移動するのみであるといえる。そして、上記(ナ)に示したとおり、図1に、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bは、画像表示装置5と別に設けられている点が図示されており、シャッタ38H、38Lにより、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bが視認不可能にならないことは明らかである。 したがって、シャッタ38H、38Lが移動しても、画像表示装置5とは別に設けた第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bによる表示は前側から視認可能な状態が維持されるといえる。 (ヌ) 上記(コ)の【0250】には「第2ステップ以上に発展するステップアップ予告では、ステップアップ時(予告演出の発展時)においてシャッタ38H,38Lを一時的に閉状態とする動作が実施される」と記載されされている。また、上記(タ)から、図23には、第1ステップのみを行う場合はシャッタ動作を「無し」とすることが図示されているといえる。 そうすると、ステップアップ予告演出において、第2ステップ以上に達した場合に、シャッタ38H、38Lが移動するといえる。 (ネ) 上記(サ)、(ス)、(セ)、(ニ)及び(ヌ)から、ステップアップ予告演出において、第2ステップ以上に達した場合、シャッタ38H、38Lが移動しても、画像表示装置5とは別に設けた第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bによる表示は前側から視認可能な状態が維持されつつ、シャッタ38H、38Lが動作する直前に、第1保留記憶数表示エリア5D並びに第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留数の表示が非表示状態とされ、ステップアップ時においてシャッタ38H、38Lが移動して保留記憶表示を隠し、さらにシャッタ38H、38Lが移動して保留記憶表示を隠すことのない非重畳位置となった時点で、非表示とされた保留記憶表示を再度表示することが記載されているといえる。 以上(ア)~(ネ)から、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下、「引用発明」という。a~jは引用発明を分説するため当審で付した。)。 「a 第1始動口スイッチ22A又は第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されて第1始動条件又は第2始動条件が成立したことに基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどの保留データに基づいて飾り図柄を可変表示する画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rと(ツ)、 b 飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、可変表示ゲームを開始するための開始条件が成立していないときに、記憶数が所定の上限値に達するまで保留データを記憶する第1特図保留記憶部151A又は第2特図保留記憶部151Bと(テ)、 c 画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示することで遊技の結果を確定し、遊技の結果が大当り遊技結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる手段と(ト)、 d 保留数を特定可能に表示する第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5Uによって保留記憶表示を行う手段と(【0024】、【0028】)、 e 飾り図柄の可変表示中に、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ又は複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階にステップアップするような演出動作を行うステップアップ予告演出を実行する手段とを備えた(【0066】) f パチンコ遊技機1において(【0011】)、 g 第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bとを設け(【0024】、【0028】)、 h 画像表示装置5とは別に設けた第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bに保留数を表示する手段と、画像表示装置5の第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5Uに保留数を表示する手段とを含み(ナ)、 i ステップアップ予告演出において、第2ステップ以上に達した場合に、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bによる表示は前側から視認可能な状態が維持されつつ、第1保留記憶数表示エリア5D並びに第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留数の表示が非表示状態とされ、シャッタ38H、38Lが移動して保留記憶表示を隠し、さらにシャッタ38H、38Lが移動して保留記憶表示を隠すことのない非重畳位置となった時点で、非表示とされた保留記憶表示を再度表示するように構成し(ネ)、 j シャッタ38H、38Lが動作した場合には大当りとなる可能性が高く、シャッタ38H、38Lが動作しない場合には大当りとなる可能性が低いパチンコ遊技機1。(【0247】)」 イ 刊行物2 当審で新たに示す特開2013-150662号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 「【0131】 前述した実施形態では、第1,第2保留表示画像X,Yは、保留表示可動部材81の表示画面21aへの進出に連動して破裂消滅させているが、進出してきた保留表示可動部材81が表示画面21aの第1,第2保留表示画像X,Yに重なって隠れてしまうようにしてもよい。この場合には、進出状態の保留表示可動部材81によって第1,第2保留表示画像X,Yが隠れてしまい遊技者からは見えないことから、第1,第2保留表示画像X,Yの表示を行わないようにしてもよいし、そのまま表示継続してもよい。」 (3) 対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。対比の見出しとしての(a)~(j)は引用発明の分説構成と対応させた。 (a) 引用発明の「第1始動口スイッチ22A又は第2始動口スイッチ22B」によって「遊技球」が「検出」されること、「特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどの保留データ」、「飾り図柄」を「可変表示」すること、「画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5R」は、それぞれ、本願補正発明の「図柄始動手段」が「遊技球」を「検出」すること、「変動記憶情報」、「図柄」を「変動表示」すること、「図柄表示手段」に相当する。 また、引用発明において「第1始動口スイッチ22A又は第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されて第1始動条件又は第2始動条件が成立したことに基づいて」「保留データ」を「抽出」することは、本願補正発明において「図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて」「変動記憶情報」を「取得」することに相当する。 したがって、引用発明の「第1始動口スイッチ22A又は第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されて第1始動条件又は第2始動条件が成立したことに基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどの保留データに基づいて飾り図柄を可変表示する画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5R」は、本願補正発明の「図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段」に相当する。 (b) 引用発明における「保留データ」は、「飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲーム」の「開始条件が成立していないとき」に当該開始条件が成立するまで記憶されるものであって、「図柄表示手段による図柄変動に供されるまで」記憶されるものであることは明らかである。 また、引用発明において「記憶数が所定の上限値に達するまで」記憶することは、本願補正発明において「所定の上限個数を限度として」記憶することに相当し、また、引用発明の「第1特図保留記憶部151A又は第2特図保留記憶部151B」は、本願補正発明の「情報記憶手段」に相当する。 したがって、引用発明の「飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、可変表示ゲームを開始するための開始条件が成立していないときに、記憶数が所定の上限値に達するまで保留データを記憶する第1特図保留記憶部151A又は第2特図保留記憶部151B」は、本願補正発明の「前記変動記憶情報を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段」に相当する。 (c) 引用発明において、「画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5R」に「導出表示」される「可変表示結果となる確定飾り図柄」は、本願補正発明の「前記図柄表示手段による変動後の停止図柄」に相当する。そして、引用発明において、「可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示することで遊技の結果を確定し、遊技の結果が大当り遊技結果となったとき」には、当該導出表示された確定飾り図柄が、当該大当り遊技結果に対応した特定の態様になることは明らかであるから、本願補正発明において、「変動後の停止図柄が特定態様となった場合」に相当する。 また、引用発明において、「遊技者にとって有利な特定遊技状態」に「移行」させることは、本願補正発明において、「利益状態」を「発生」させることに相当する。 したがって、引用発明の「画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示することで遊技の結果を確定し、遊技の結果が大当り遊技結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる手段」は、本願補正発明の「前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段」に相当する。 (d) 引用発明における「保留数」は、「第1特図保留記憶部151A又は第2特図保留記憶部151B」に記憶された「保留データ」の個数に関する情報であることは明らかであるから、本願補正発明における「前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数に関する保留個数情報」に相当する。 また、引用発明の「第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5U」は、本願補正発明の「保留表示部」に相当する。 そして、引用発明は「保留記憶表示」を行うことで、「保留数」を特定可能に「表示」していることは明らかであるから、引用発明において、「第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5U」によって「保留記憶表示」を行い得ることは、本願補正発明において、「保留表示部」に「保留個数情報」を「表示可能」とすることに相当する。 したがって、引用発明の「保留数を特定可能に表示する第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5Uによって保留記憶表示を行う手段」は、本願補正発明の「前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数に関する保留個数情報を保留表示部に表示可能な保留個数情報表示手段」に相当する。 (e) 引用発明の「飾り図柄の可変表示中」、「予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ又は複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階にステップアップするような演出動作を行うステップアップ予告演出」は、それぞれ、本願補正発明の「前記図柄表示手段による図柄変動中」、「一又は複数段階の演出ステップよりなるステップアップ演出」に相当する。 したがって、引用発明の「飾り図柄の可変表示中に、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ又は複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階にステップアップするような演出動作を行うステップアップ予告演出を実行する手段」は、本願補正発明の「前記図柄表示手段による図柄変動中に、一又は複数段階の演出ステップよりなるステップアップ演出を実行可能なステップアップ演出実行手段」に相当する。 (f) 引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 (g) 引用発明の「第1保留表示器25A、第2保留表示器25B」及び「第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5U」は、上記(d)に示したとおり、本願補正発明の「保留表示部」に相当する。 また、引用発明の「第1保留表示器25A、第2保留表示器25B」は、本願補正発明の「第1保留表示部」に相当し、引用発明の「第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5U」は、本願補正発明の「第2保留表示部」に相当する。 したがって、引用発明において「第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bとを設け」ることは、本願補正発明において「前記保留表示部は、第1保留表示部と第2保留表示部とを含」むことに相当する。 (h) 引用発明において、「画像表示装置5とは別に設けた第1保留表示器25A、第2保留表示器25B」に「保留数」を「表示」する手段は、本願補正発明において、「画像表示手段とは別に設けた前記第1保留表示部」に「前記保留個数情報」を「表示」する「第1保留個数情報表示手段」に相当する。 また、引用発明において、「画像表示装置5の第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5U」に「保留数」を「表示」する手段は、本願補正発明において、「前記画像表示手段の前記第2保留表示部」に「前記保留個数情報」を「表示」する「第2保留個数情報表示手段」に相当する。 したがって、引用発明において「画像表示装置5とは別に設けた第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bに保留数を表示する手段と、画像表示装置5の第1保留記憶数表示エリア5D、第2保留記憶数表示エリア5Uに保留数を表示する手段とを含」むことは、本願補正発明において「前記保留個数情報表示手段は、画像表示手段とは別に設けた前記第1保留表示部に前記保留個数情報を表示する第1保留個数情報表示手段と、前記画像表示手段の前記第2保留表示部に前記保留個数情報を表示する第2保留個数情報表示手段とを含」むことに相当する。 (i) 引用発明の「ステップアップ予告演出」において「第2ステップ以上に達した場合」は、本願補正発明の「前記ステップアップ演出」において演出ステップが「特定段階に達した場合」に相当する。 また、引用発明において「第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bによる表示は前側から視認可能な状態が維持され」ることは、本願補正発明において「前記第1保留個数情報表示手段による前記保留個数情報の表示については前側から視認可能な状態を維持」することに相当する。 さらに、引用発明の「シャッタ38H、38L」は、本願補正発明の「可動体」に相当する。 そして、引用発明は「第1保留記憶数表示エリア5D並びに第2保留記憶数表示エリア5U」に関して、「シャッタ38H、38Lが移動して保留記憶表示を隠」すから、引用発明と本願補正発明は「前記第2保留個数情報表示手段の前記第2保留表示部」に関して、「前記保留個数情報の表示」の「少なくとも一部を隠すように前記第2保留表示部の前側に可動体を移動させる」点で共通する。 (j) 上記(i)から、引用発明は、「第2ステップ以上」の「ステップアップ予告演出」において「シャッタ38H、38L」が移動し、「第2ステップ以上」に達しない第1ステップのみの「ステップアップ予告演出」において「シャッタ38H、38L」が移動しないといえる。 さらに、引用発明において、「シャッタ38H、38Lが動作した場合には大当りとなる可能性が高く、シャッタ38H、38Lが動作しない場合には大当りとなる可能性が低い」ということは、大当りとならない場合には、「シャッタ38H、38L」が移動する可能性より「シャッタ38H、38L」が移動しない可能性の方が高いことが明らかである。 そして、引用発明の大当りとならない場合、つまり本願補正発明の「前記停止図柄」が「前記特定態様」とならない場合の、ステップアップ予告演出においても、「シャッタ38H、38L」が移動する可能性より「シャッタ38H、38L」が移動しない可能性の方が高くされ、「シャッタ38H、38L」が移動する演出(第2ステップ以上)よりも、「シャッタ38H、38L」が移動しない演出の方(第1ステップのみ)が高い確率で選択されるようにされることは明らかである。 また、引用発明における、「第2ステップ以上」の「ステップアップ予告演出」、「第2ステップ以上」に達しない第1ステップのみの「ステップアップ予告演出」、「パチンコ遊技機1」は、それぞれ、本願補正発明における、「特定段階に達するステップアップ演出」、「特定段階に達しないステップアップ演出」、「遊技機」に相当する。 したがって、引用発明の「シャッタ38H、38Lが動作した場合には大当りとなる可能性が高く、シャッタ38H、38Lが動作しない場合には大当りとなる可能性が低いパチンコ機1」は、本願補正発明の「前記停止図柄が前記特定態様とならない場合には、前記演出ステップが前記特定段階に達するステップアップ演出よりも前記特定段階に達しないステップアップ演出の方を高い確率で選択する遊技機」に相当する。 以上(a)~(j)の検討より、本願補正発明と引用発明とは、 「A 図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段と、 B 前記変動記憶情報を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段と、 C 前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段と、 D 前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数に関する保留個数情報を保留表示部に表示可能な保留個数情報表示手段と、 E 前記図柄表示手段による図柄変動中に、一又は複数段階の演出ステップよりなるステップアップ演出を実行可能なステップアップ演出実行手段とを備えた F 遊技機において、 G 前記保留表示部は、第1保留表示部と第2保留表示部とを含み、 H 前記保留個数情報表示手段は、画像表示手段とは別に設けた前記第1保留表示部に前記保留個数情報を表示する第1保留個数情報表示手段と、前記画像表示手段の前記第2保留表示部に前記保留個数情報を表示する第2保留個数情報表示手段とを含み、 I’ 前記ステップアップ演出における前記演出ステップが特定段階に達した場合に、前記第1保留個数情報表示手段による前記保留個数情報の表示については前側から視認可能な状態を維持しつつ、前記第2保留個数情報表示手段の前記第2保留表示部については前記保留個数情報の表示の少なくとも一部を隠すように前記第2保留表示部の前側に可動体を移動させるように構成し、 J 前記停止図柄が前記特定態様とならない場合には、前記演出ステップが前記特定段階に達するステップアップ演出よりも前記特定段階に達しないステップアップ演出の方を高い確率で選択する遊技機。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点]:ステップアップ演出における演出ステップが特定段階に達して、第2保留表示部の前側に可動体を移動させる際の、当該第2保留表示部における保留個数情報の表示について、本願補正発明では「表示を維持したまま」とするのに対し、引用発明ではそのような構成でない点。(I) (4) 判断 ア 相違点について 上記「(2) イ」に示した刊行物2に記載された事項において、「保留表示可動部材81」、「第1,第2保留表示画像X,Y」、「そのまま表示継続」することは、それぞれ、本願補正発明の「可動体」、「保留個数情報の表示」、「表示を維持したまま」にすることに相当する。 そうすると、刊行物2には、可動体が保留個数情報の表示に重なって、保留個数情報の表示が隠れてしまい遊技者からは見えない場合には、保留個数情報の表示を維持したままにすることが記載されているといえる。 そして、引用発明と刊行物2に記載された事項は、保留個数情報の表示位置の前側に可動体が移動することで、保留個数情報の表示が隠れてしまい遊技者からは見えなくなる点で共通するから、引用発明においてシャッタ38H、38Lが移動して保留記憶表示を隠す際に、刊行物2に記載された事項を適用し、遊技者から見えなくなる保留記憶表示を非表示にせず、表示を維持したままにすることで、上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 イ 請求人の主張及び本願補正発明が奏する効果について 請求人は本願補正発明について、審判請求書(3頁下から5行~4頁19行)において、「a)・・・第2保留表示部の前側に可動体を移動して保留個数情報の少なくとも一部を隠す場合でもその保留個数情報の表示は維持されるため、例えば可動体が動作不能となった場合にそのまま演出を実行しても画像表示内容が不自然になることを防止できるという利点があります。また、可動体を動作させる場合とそうでない場合とで画像表示制御を共通化できるため、記憶容量等を削減できるという利点もあります。更に、画像表示制御と可動体制御とを厳密に同期させる必要がないため、制御が容易であるという利点もあります」と主張し、また、刊行物1について、「b)・・・Iの構成を備えていない点で・・・明らかに相違し・・・、例えば可動体が動作不能となった場合にそのまま演出を実行すると画像表示内容が不自然になってしまうという問題があります。また、可動体を動作させる場合とそうでない場合とで画像表示制御が異なるため、必要な記憶容量が増大し、また画像表示制御と可動体制御とを厳密に同期させる必要があるために高精度の制御が要求されるという問題もあります」と主張する。 しかしながら、請求人が主張する「第2保留表示部の前側に可動体を移動して保留個数情報の少なくとも一部を隠す場合でもその保留個数情報の表示は維持される」という点、つまり上記相違点については、上記アに示したとおり、引用発明及び刊行物2に記載された事項から、当業者であれば容易になし得たことであるし、請求人が主張する効果を含め上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が引用発明及び刊行物2に記載された事項から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 (5) まとめ 以上のように、本願補正発明は、当業者が引用発明及び刊行物2に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 補正却下の決定についてのむすび 上記3より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成27年11月6日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである(A~Jは本願発明を分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 A 図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段と、 B 前記変動記憶情報を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段と、 C 前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段と、 D 前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数に関する保留個数情報を保留表示部に表示可能な保留個数情報表示手段と、 E 前記図柄表示手段による図柄変動中に、一又は複数段階の演出ステップよりなるステップアップ演出を実行可能なステップアップ演出実行手段とを備えた F 遊技機において、 G 前記保留表示部は、第1保留表示部と第2保留表示部とを含み、 H 前記保留個数情報表示手段は、画像表示手段とは別に設けた前記第1保留表示部に前記保留個数情報を表示する第1保留個数情報表示手段と、前記画像表示手段の前記第2保留表示部に前記保留個数情報を表示する第2保留個数情報表示手段とを含み、 I’ 前記ステップアップ演出における前記演出ステップが特定段階に達した場合に、前記第1保留個数情報表示手段による前記保留個数情報の表示については前側から視認可能な状態を維持しつつ、前記第2保留個数情報表示手段の前記第2保留表示部に表示されている前記保留個数情報の少なくとも一部を前側から視認不可能な状態にするように構成し、 J 前記停止図柄が前記特定態様とならない場合には、前記演出ステップが前記特定段階に達するステップアップ演出よりも前記特定段階に達しないステップアップ演出の方を高い確率で選択する ことを特徴とする遊技機。」 2 刊行物に記載された事項 刊行物1の記載事項、認定事項及び刊行物1に記載された発明(引用発明)については、上記「第2 3 (2) ア」に示したとおりである。 3 対比、判断 本願発明は、「前記ステップアップ演出における前記演出ステップが特定段階に達した場合」の「前記第2保留表示部」に関して、上記「第2 3 (1)」に示した本願補正発明から、「前記保留個数情報の表示を維持したまま」という点を実質的に省いて、「表示されている前記保留個数情報の少なくとも一部を前側から視認不可能な状態にする」としたものである。 しかしながら、引用発明は、「保留数の表示が非表示状態」とされて、表示されている保留個数情報の少なくとも一部を前側から「視認不可能な状態」にされており、上記の実質的に省いたものである。 したがって、本願発明は、刊行物1に記載された発明であるか、又は、当業者が刊行物1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し又は同条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-012062

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