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特許拒絶査定不服審判

2016-010675

遊技機

審判番号
2016-010675
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2011-063540外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年07月14日
審決日
2017年03月21日
公報発行日
2017年07月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2011-63540号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成24年10月18日出願公開、特開2012-196358号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯の概要 本願は、平成23年3月23日の出願であって、平成26年11月4日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月16日に意見書が提出され、さらに、平成27年8月4日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月1日に意見書が提出されたところ、平成28年4月8日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年4月19日)、それに対し、同年7月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 平成28年7月14日付けの手続補正についての補正却下の決定 平成28年7月14日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正により、出願時の特許請求の範囲の請求項1における 「外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、 遊技毎に遊技媒体の投入を受け付けて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたことに基づいて遊技開始操作を有効化する投入受付手段と、 前記遊技開始操作に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、 前記遊技開始操作に基づいて前記複数のリールの回転を開始させてから停止操作を有効化し、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段とを備えた遊技機であって、 前記投入受付手段が、 第1の条件が成立したことに基づいて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたにも関わらず前記遊技開始操作の有効化を保留することによって遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理を行い、 前記リール制御手段が、 前記第1の条件とは異なる第2の条件が成立したことに基づいて、前記遊技開始操作が行われたにも関わらず前記複数のリールの回転の開始を保留することによって遊技の進行を遅延させる第2フリーズ処理を行うことを特徴とする遊技機。」は、 審判請求時に提出された手続補正書(平成28年7月14日付け)における 「A 外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、 B 遊技毎に遊技媒体の投入を受け付けて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたことに基づいて遊技開始操作を有効化する投入受付手段と、 C 前記遊技開始操作に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、 D 前記遊技開始操作に基づいて前記複数のリールの回転を開始させてから停止操作を有効化し、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段とを備えた遊技機であって、 E 前記投入受付手段が、 第1の条件が成立したことに基づいて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたにも関わらず前記遊技開始操作の有効化を所定期間において保留することによって遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理を行い、当該第1フリーズ処理の終了を契機として前記遊技開始操作を有効化し、 F 前記リール制御手段が、 前記第1の条件とは異なる第2の条件が成立したことに基づいて、前記遊技開始操作が行われたにも関わらず前記複数のリールの回転の開始を所定期間において保留することによって遊技の進行を遅延させる第2フリーズ処理を行い、当該第2フリーズ処理の終了を契機として前記複数のリールの回転を開始させることを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。また、A~Fは、当審にて分説して付与した。)。 2 補正の目的 上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である第1フリーズ処理について、「遊技開始操作の有効化を保留する」ことを「遊技開始操作の有効化を所定期間において保留する」ことに限定すると共に、「第1フリーズ処理」に関して、「当該第1フリーズ処理の終了を契機として前記遊技開始操作を有効化」することを限定し、第2フリーズ処理について、「複数のリールの回転の開始を保留する」ことを「複数のリールの回転の開始を所定期間において保留する」ことに限定すると共に、「当該第2フリーズ処理の終了を契機として前記複数のリールの回転を開始させる」ことを限定するものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件について そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~7に係る発明は、平成28年7月14日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)刊行物 原査定の拒絶理由において提示された、本願の遡及日前に頒布された刊行物である特開2008-237875号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。 ア「【請求項1】 遊技者により投入された遊技媒体の値を記憶する遊技媒体記憶手段と、 前記遊技媒体記憶手段により記憶されている前記遊技媒体の値に基づいて開始操作の検出を行う開始操作検出手段と、 前記開始操作検出手段により開始操作の検出が行われると、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、 複数の図柄が夫々の表面に配された複数のリールの夫々の回転を行うリール回転手段と、 前記リール回転手段により前記複数のリールの回転が行われると、前記複数のリールの種別に対応する停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、 前記停止操作検出手段により行われる停止操作の検出と前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転を停止するリール停止手段と、 前記リール停止手段により前記複数のリールの回転が停止されると、当該複数のリールにより表示される図柄の組合せに基づいて遊技媒体の払い出しを行う払出手段と、を少なくとも備えることにより遊技の進行を制御する制御手段を備え、 前記制御手段は、 前記内部当籤役決定手段により所定の内部当籤役が決定され、予め定められた条件が満たされると、所定の時間が経過するまで前記遊技の進行を待機することを特徴とする回胴式遊技機。」 イ 「【0001】 本発明は、回胴式遊技機に関する。」 ウ 「【0008】 請求項1に記載の回胴式遊技機は、遊技者により投入された遊技媒体の値(例えば、後述の投入枚数)を記憶する遊技媒体記憶手段(例えば、後述のメダル受付・スタートチェック処理)と、前記遊技媒体記憶手段により記憶されている前記遊技媒体の値に基づいて開始操作の検出を行う開始操作検出手段(例えば、後述のメダル受付・スタートチェック処理におけるS64)と、前記開始操作検出手段により開始操作の検出が行われると、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、後述の内部抽籤処理)と、複数の図柄が夫々の表面に配された複数のリール(例えば、後述のリール3L,3C,3R)の夫々の回転を行うリール回転手段(例えば、後述の全リールの回転開始を要求する処理)と、前記リール回転手段により前記複数のリールの回転が行われると、前記複数のリールの種別に対応する停止操作の検出を行う停止操作検出手段(例えば、後述のリール停止制御処理)と、前記停止操作検出手段により行われる停止操作の検出と前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転を停止するリール停止手段(例えば、後述のリール停止制御処理)と、前記リール停止手段により前記複数のリールの回転が停止されると、当該複数のリールにより表示される図柄の組合せに基づいて遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば、後述のメダルの払い出しを行う処理)と、を少なくとも備えることにより遊技の進行を制御する制御手段(例えば、後述の主制御回路71、後述のCPU31)を備え、前記制御手段は、前記内部当籤役決定手段により所定の内部当籤役(例えば、後述のbb1等)が決定され、予め定められた条件が満たされると(例えば、後述の開始操作の検出等が行われると)、所定の時間が経過するまで前記遊技の進行を待機することを特徴としている。」 エ 「【0064】 このように、本実施の形態では、決定される内部当籤役に対応してウェイト処理を行うようにしており、より具体的には、抽出された乱数値が、ベル、リプレイ、BB1及びBB2といった所定の当たり要求フラグが決定される数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じてウェイト処理を行うか否かを決定するようにしている。即ち、内部当籤役を決定する際に抽出される1つの乱数値に基づいて、ウェイト処理を行うか否かの決定を行うことが可能となっており、この結果、内部当籤役の決定の際に抽出する乱数値とは別に、あらためて乱数値を抽出することによる専用の抽籤を行う必要がないようにすることが可能となる。」 オ 「【0078】 次に、図18~図28に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31が実行する各処理の内容について説明する。 【0079】 先ず、図18及び図19を参照して、主制御回路71のCPU31により行われるリセット割込処理について説明する。電源が投入されると、初めに、CPU31は、遊技終了時初期化用のアドレスを指定し、当該指定格納領域を初期化する(ステップS1)。これによって、RAM33の内部当籤役格納領域等に格納されたデータが初期化される。次に、CPU31は、後で図20を参照して説明するボーナス作動監視処理を行う(ステップS2)。これは、BB1~BB3の作動中において、RBの作動を行うか否かを監視する処理である。 【0080】 次に、CPU31は、後で図21を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。この処理は、遊技媒体記憶手段、開始操作検出手段を構成する。次に、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。次に、後で図22及び図23を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。この処理は、内部当籤役決定手段を構成する。次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS6)。スタートコマンドには、内部当籤役等の各種データが含まれている。 【0081】 次に、CPU31は、ウェイト処理3要求フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS7)。CPU31は、ウェイト処理3要求フラグがオンであると判別したときには、後で図28を参照して説明するウェイト処理を行う(ステップS8)。ウェイト処理では、所定の時間が経過するまで、以降の処理を行わずに待機する処理が行われる。尚、ウェイト処理は、前記内部当籤役決定手段により所定の内部当籤役が決定され、予め定められた条件が満たされると、所定の時間が経過するまで前記遊技の進行を待機する待機手段を構成する。また、ウェイト処理3は、当たり要求フラグとして「BB1」が決定されるときの一部において行われるので、ウェイト処理3が行われることにより内部当籤役としてBB1が決定されたことを遊技者に知らせることが可能となる。 【0082】 CPU31は、ステップS8の後、又は、ステップS7においてウェイト処理3要求フラグがオンではないと判別したときには、全リールの回転開始を要求する(ステップS9)。また、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、ストップボタン未作動カウンタに3をセットする。有効ストップボタン格納領域は、停止操作の検出を受付可能なストップボタンの種別を示すデータであり、ビット0が左ストップボタン7L、ビット1が中ストップボタン7C及びビット2が右ストップボタン7Rに対応する。ストップボタン未作動カウンタは、停止操作の検出が行われていないストップボタンの数を示すデータである。尚、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(例えば、1.1173msecの周期)毎に定期的に発生させている割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転を開始する。そして、その後、この割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転が定速に達するまで加速を行う。次に、CPU31は、リールの回転の定速待ちを行う(ステップS10)。尚、リールの回転が定速に達すると、上記割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転が定速で行われるよう維持する。上記割込処理により行われるリールの回転にかかる制御(開始、加速、定速等)は、リール回転手段を構成する。 【0083】 次に、CPU31は、後で図24を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS11)。この処理は、停止操作検出手段、リール停止手段を構成する。次に、CPU31は、図柄組合せテーブルを参照し、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せに基づいて表示役等を決定する(ステップS12)。具体的には、図柄組合せテーブルを参照し、当該テーブルに規定されている図柄の組合せと、各有効ラインに対応する図柄の組合せとが一致するか否かが判別される。そして、一致するときには、該当する入賞作動フラグ及び格納領域加算データが取得され、取得した入賞作動フラグが、格納領域加算データにより指定される表示役格納領域に格納される。また、該当する払出枚数が取得され、払出枚数カウンタが更新される。尚、一致しないときには、表示役はハズレとなる。この処理は、複数のリールの全ての回転が停止された結果、図柄表示手段により入賞に係る図柄の組合せが表示されたか否かを決定する入賞決定手段を構成する。 ・・・ 【0087】 次に、CPU31は、ウェイト処理2要求フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS22)。CPU31は、ウェイト処理2要求フラグがオンであると判別したときには、後で図28を参照して説明するウェイト処理を行う(ステップS23)。CPU31は、ステップS23の後、又は、ステップS22においてウェイト処理2要求フラグがオンではないと判別したときには、ステップS1に移る。 ・・・ 【0090】 次に、図21を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。 【0091】 初めに、CPU31は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS51)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(ステップS52)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行い、セレクタ内のメダルの通過を促す。CPU31は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(ステップS53)。次に、CPU31は、自動投入カウンタをクリアする(ステップS54)。 【0092】 CPU31は、ステップS52の後、又は、ステップS54の後に、メダル通過が検出されたか否かを判別する(ステップS55)。CPU31は、メダルの通過が検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは投入最大値であるか否かを判別する(ステップS56)。本実施の形態では、投入最大値として「3」を採用する。CPU31は、投入枚数カウンタは投入最大値ではないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する (ステップS57)。次に、CPU31は、有効ラインカウンタに5を格納する(ステップS58)。次に、CPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS59)。メダル投入コマンドには、投入枚数のデータ等が含まれる。 【0093】 CPU31は、ステップS56において投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(ステップS60)。CPU31は、ステップS55においてメダルの通過が検出されていないと判別したとき、ステップS59の後、又は、ステップS60の後に、メダルの通過途中であるか否かを判別する(ステップS61)。CPU31は、メダルの通過途中ではないと判別したときには、ベットスイッチのチェックを行う(ステップS62)。ベットスイッチ11S,12S,13Sがオンである場合は、その種別が特定され、投入枚数カウンタが更新される。 【0094】 CPU31は、ステップS61においてメダルの通過途中であると判別したとき、又は、ステップS62の後に、投入枚数カウンタは投入最大値であるか否かを判別する(ステップS63)。投入枚数カウンタは投入最大値ではないと判別したときには、ステップS55に移る。CPU31は、投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS64)。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS55に移り、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(ステップS65)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わず、メダルのメダル払出口15からの排出を促す。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。 ・・・ 【0106】 ここで、本実施の形態では、基本的に、ストップスイッチ7Sにより停止操作の検出が行われた後、190msec以内にリール3L,3C,3Rの回転が停止するようになっている。具体的には、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置(即ち、リールの回転の停止が開始される図柄位置であり、これを停止開始位置という)に、いわゆる滑り駒数と称される予め定められた数値範囲「0」~「4」のうちの何れかを加算した図柄位置を、リールの回転の停止が可能な図柄位置(これを「停止予定位置」という)として決定することが可能となっている。つまり、滑り駒数は、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから対応するリールの回転が停止する迄のリールの回転量であり、言い換えれば、ストップスイッチ7Sにより停止操作の検出が行われてから該当するリールの回転が停止する迄の期間において、該当する表示窓の中段を通過する図柄の数である。これは、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから更新された図柄カウンタの値により把握される。 【0107】 前述のステップS118の処理では、停止開始位置と、決定された内部当籤役と、入賞に係る図柄の組合せの種別(或いは内部当籤役の種別)に応じて予め規定されている優先順位とに基づいて、最も優先順位の高い図柄位置が決定される。入賞に係る図柄の組合せの種別(或いは内部当籤役の種別)に応じて予め規定されている優先順位としては、例えば、優先順位1として特殊リプレイ、優先順位2としてリプレイ、優先順位3としてBB1~BB3、並びに、優先順位4として赤チェリー、桃チェリー、ベル、特殊ベル及びスイカを規定することができる。このようにした場合では、例えば、内部当籤役として「特殊リプレイ+リプレイ」が決定されているとき、特殊リプレイに係る図柄の組合せを構成する図柄に対応する優先順位は、リプレイに係る図柄の組合せを構成する図柄に対応する優先順位よりも高い。尚、最も高い優先順位の図柄位置が複数決定された場合には、決定可能な滑り駒数の中から所定の優先順序(例えば、優先順序1~5の順に、「0」→「1」→「2」→「3」→「4」)にて何れかを決定するようにしても良い。」 【0108】 次に、CPU31は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(ステップS119)。即ち、停止開始位置と決定された図柄位置との差分が滑り駒数として決定される。次に、CPU31は、図柄カウンタと滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定する(ステップS120)。尚、滑り駒数と停止予定位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。次に、CPU31は、リール停止コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS121)。リール停止コマンドには、有効ストップボタン、作動ストップボタン、停止開始位置、及び停止予定位置などのデータが含まれる。次に、CPU31は、停止予定位置を格納し、該当リールの回転停止を要求する(ステップS122)。回転停止が要求されると、前述した定期的に発生する割込処理によって、当該RAM33の所定領域に格納された停止予定位置に基づいてリールの回転を停止する処理が行われる。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS123)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であると判別したときには、リール停止制御処理を終了し、ストップボタン未作動カウンタは0ではないと判別したときには、ステップS111に移る。」 カ 「【0136】 図32の(1)は、ウェイト処理が行われていない場合の液晶表示装置5における表示例である。この表示例では、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止され、表示役が決定されたときの様子が示されている。図32の(2)は、ウェイト処理が行われている場合の液晶表示装置5における表示例である。この表示例では、ウェイト処理が行われたことにともなって、液晶表示装置5の表示画面5aの全体が暗転された様子が示されている。尚、図示した表示例では、表示画面5aの全体を暗転させているが、表示窓4L,4C,4R内については暗転を行わないようにして、遊技者がリールを視認するのを妨げないようにしても良い。 ・・・ 【0138】 また、本実施の形態では、予め定められた条件を複数設け、それぞれが満たされることに応じてウェイト処理を行うようにしている。より具体的には、複数のリール3L,3C,3Rの全ての回転が停止したことを条件としてウェイト処理1を行い、メダルの払い出しが行われたことを条件としてウェイト処理2を行い、開始操作の検出が行われたことを条件としてウェイト処理3を行い、第1停止操作の検出が行われたことを条件としてウェイト処理4を行うようにした。開始操作の検出が行われたことを条件とするウェイト処理3では、所定の時間が経過するまでの間、リール3L,3C,3Rの回転を開始する処理や、停止操作の検出をチェックする処理等が行われないようにすることができる。また、第1停止操作の検出が行われたことを条件とするウェイト処理4では、所定の時間が経過するまでの間、第1停止操作に対応するリールの回転を停止する処理や、他の停止操作の検出をチェックする処理等が行われないようにすることができる。さらに、複数のリール3L,3C,3Rの全ての回転が停止したことを条件とするウェイト処理1では、所定の時間が経過するまでの間、メダルの払い出しを行う処理等が行われないようにすることができる。さらにまた、メダルの払い出しが行われたことを条件とするウェイト処理1では、所定の時間が経過するまでの間、メダルが投入されたことの検出を行う処理や、開始操作の検出を行う処理等が行われないようにすることができる。このように、本実施の形態によれば、採用する内部当籤役に応じて、ウェイト処理を行う条件を多様なものとすることができるようになるので、従来のように一様の条件にて行う場合と比べて、単調化が防止され、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。」 キ 「【0156】 また、本実施の形態では、ウェイト処理として、前述したようにウェイト処理1~ウェイト処理4の4つのパターンを採用し、これに対応する内部当籤役が決定されたことに対応して各ウェイト処理を行うこととしているが、本発明はこれに限られず、採用するウェイト処理の種類や、内部当籤役とウェイト処理の組合せ等は任意に変更可能である。例えば、ウェイト処理1が行われる内部当籤役として、取りこぼしの生じる可能性のある「スイカ」を採用してもよい。この場合、スイカに係る図柄の組合せが表示されたときにウェイト処理が行われるようにする一方で、スイカに係る図柄の組合せが表示されなかった(即ち、ハズレに係る図柄の組合せが表示された)ときにウェイト処理が行われないようにしても良い。また、ウェイト処理2が行われる内部当籤役として「ベル」を採用してもよく、該当する枚数のメダルの払い出しが行われた後にウェイト処理を行うようにしても良い。さらに、ウェイト処理2が行われる内部当籤役として、取りこぼしの生じる可能性のある「スイカ」を採用してもよい。この場合、スイカに係る図柄の組合せが表示され、払い出しが行われたときにウェイト処理が行われるようにする一方で、スイカに係る図柄の組合せが表示されずに、払い出しが行われなかったときにはウェイト処理が行われないようにしても良い。 【0157】 本実施の形態では、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止されて表示役が決定されたことを条件として行われ、以降においてメダルの払い出しを行う処理等が行われずに待機されるウェイト処理1、メダルの払い出しが行われたことを条件として行われ、以降において遊技者による投入操作の検出や開始操作の検出等が行われずに待機されるウェイト処理2、開始操作の検出が行われたことを条件として行われ、以降においてリールの回転を開始する処理等が行われずに待機されるウェイト処理3、及び、第1停止操作の検出が行われたことを条件として行われ、以降において該当するリールの回転を停止する処理や他のリールに対応する停止操作の検出等が行われずに待機されるウェイト処理4といった4つのパターンを採用したが、これに加えて、以下の種類を採用しても良い。」 ク 上記オの【0082】に「CPU31は、ステップS8の後、又は、ステップS7においてウェイト処理3要求フラグがオンではないと判別したときには、全リールの回転開始を要求する(ステップS9)。また、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、ストップボタン未作動カウンタに3をセットする。」ことが記載されている。 上記ウの【0008】に「前記停止操作検出手段により行われる停止操作の検出と前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転を停止するリール停止手段(例えば、後述のリール停止制御処理)」との記載があり、また、上記オの【0083】に「CPU31は、後で図24を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS11)。」との記載がある。 これらの記載からみて、刊行物1には、CPU31が、全リールの回転開始を要求する(ステップS9)と共に、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、停止操作検出手段により行われる停止操作の検出と内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転を停止することが記載されている。 ケ 上記ウの「・・・遊技の進行を制御する制御手段(例えば、後述の主制御回路71、後述のCPU31)を備え、前記制御手段は、前記内部当籤役決定手段により所定の内部当籤役(例えば、後述のbb1等)が決定され、・・・」との記載、及び、上記エの【0064】に「本実施の形態では、決定される内部当籤役に対応してウェイト処理を行うようにしており、より具体的には、抽出された乱数値が、ベル、リプレイ、BB1及びBB2といった所定の当たり要求フラグが決定される数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じてウェイト処理を行うか否かを決定するようにしている。」との記載から、刊行物1には、CPU31は、抽出された乱数値が、内部当籤役に対応する数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じてウェイト処理を行うか否かを決定することが示されている。 そして、刊行物1の【0156】に「ウェイト処理2が行われる内部当籤役として「ベル」を採用してもよく、該当する枚数のメダルの払い出しが行われた後にウェイト処理を行うようにしても良い。」との記載がある。この記載によると、ウェイト処理2が、内部当籤役がベルであることに対応することが示されている。 また、刊行物1の【図6】、【図8】~【図10】、及び、【図12】(1)、(2)には、ウェイト処理3が、内部当籤役がBB1であることに対応することが図示されている。 また、上記オの【0078】に「先ず、図18及び図19を参照して、主制御回路71のCPU31により行われるリセット割込処理について説明する。」との記載がある。 さらに、主制御回路71により行われるリセット割込処理のフローチャートを示す図である【図18】、【図19】には、ステップS23においてウェイト処理2を実行し、ステップS8においてウェイト処理3を実行することが示されている。 これらのことから、刊行物1には、CPU31が、抽出された乱数値が、内部当籤役がベルであることに対応する数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じてウェイト処理2の実行を決定し、抽出された乱数値が、内部当籤役がBB1であることに対応する数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じてウェイト処理3の実行を決定することが示されている。 コ まず、刊行物1に記載された「ウェイト処理2」について検討する。 上記キの【0157】に「メダルの払い出しが行われたことを条件として行われ、以降において遊技者による投入操作の検出や開始操作の検出等が行われずに待機されるウェイト処理2」との記載がある。 ここで、遊技者による投入操作の検出や開始操作の検出は、メダル受付・スタートチェック処理を行うCPU31により実行される。 また、遊技の順番からみて、「遊技者による投入操作」が検出された後に、「遊技者による」「開始操作」が検出されることは明らかである。 そうすると、刊行物1に記載された「ウェイト処理2」は、遊技者による投入操作が行われたにもかかわらず、「投入操作の検出や開始操作の検出が行われずに待機される」処理といえる。 さらに、上記記載によると、ウェイト処理2による待機終了後に遊技者による開始操作の検出処理が行われるといえる。 したがって、刊行物1には、CPU31が、遊技者による投入操作が行われたにもかかわらず、投入操作の検出や開始操作の検出が行われることを待機させるウェイト処理2を行い、待機終了後に遊技者による投入操作の検出や開始操作の検出を可能とすることが示されている。 そして、「ウェイト処理3」に関して、上記キの【0157】に「開始操作の検出が行われたことを条件として行われ、以降においてリールの回転を開始する処理等が行われずに待機されるウェイト処理3」との記載がある。 また、刊行物発明において、「ウェイト処理3」の実行は、「開始操作の検出が行われたことを条件」としているので、「ウェイト処理3」は、遊技者による開始操作が行われた後にリールの回転を待機させる処理といえる。 さらに、刊行物発明において、「ウェイト処理3」による待機終了後にリールの回転を開始する処理が行われることは明らかである。 したがって、刊行物1には、CPU31が、遊技者による開始操作が行われたにもかかわらず、リールの回転を開始させることを待機させるウェイト処理3を行い、待機終了後にリールの回転を開始させることが示されている。 サ 上記ア~キの記載事項、及び、上記ク~コの認定事項を総合すると、刊行物1には次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(a~fは、本件補正発明のA~Fに対応させて付与した。)。 「a 複数の図柄が夫々の表面に配された複数のリール(【請求項1】)と、 b 投入枚数カウンタは投入最大値「3」であるか否かを判別し(ステップS63)、投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS64)メダル受付・スタートチェック処理を行うCPU31(【0090】、【0092】、【0094】)と、 c 開始操作検出手段により開始操作の検出が行われると、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(【請求項1】)と、 d 全リールの回転開始を要求する(ステップS9)と共に、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、停止操作検出手段により行われる停止操作の検出と内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転を停止するCPU31と を備えた回胴式遊技機であって(認定ク)、 e CPU31は、 抽出された乱数値が、内部当籤役がベルであることに対応する数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じてウェイト処理2の実行を決定し、遊技者による投入操作が行われたにもかかわらず、投入操作の検出や開始操作の検出が行われることを待機させるウェイト処理2を行い、待機終了後に遊技者による投入操作の検出や開始操作の検出を可能とし(認定ケ、コ)、 f CPU31は、 抽出された乱数値が、内部当籤役がBB1であることに対応する数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じてウェイト処理3の実行を決定し、遊技者による開始操作が行われたにもかかわらず、リールの回転を開始させることを待機させるウェイト処理3を行い、待機終了後にリールの回転を開始させる(認定ケ、コ) 回胴式遊技機。」 (2)対比 本件補正発明と刊行物発明とを、分説に従い対比する。 (a)刊行物発明における構成aの「複数の図柄が夫々の表面に配された複数のリール」は、本件補正発明における構成Aの「外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリール」に相当する。 (b)刊行物発明における「メダル受付・スタートチェック処理」は、メダルの受付処理、及び、開始操作に基づく変動のスタートを一変動遊技毎に行う処理であることは明らかである。 そして、刊行物発明における「投入最大値「3」」は、スタートスイッチ6Sがオンであることの判別処理に移行するか否かを判断する際に用いられる判定値であることから、本件補正発明における遊技開始操作を有効化するか否かを判断する際に用いられる判定値としての「規定投入数」に相当する。 また、刊行物発明における「スタートスイッチ6Sはオンであるか否か」の判別は、スタートスイッチ6Sの操作が有効であることを前提に行われるものであるから、本件補正発明における「遊技開始操作を有効化する」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成bの「投入枚数カウンタは投入最大値「3」であるか否かを判別し(ステップS63)、投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS64)メダル受付・スタートチェック処理を行うCPU31」は、本件補正発明における構成Bの「遊技毎に遊技媒体の投入を受け付けて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたことに基づいて遊技開始操作を有効化する投入受付手段」の機能を有する。 (c)刊行物発明における「開始操作の検出」は、開始操作が行われるとに基づくから、本件補正発明における「遊技開始操作に基づ」くものである。 また、刊行物発明における「内部当籤役を決定する」ことは、本件補正発明における「役の当否を決定する内部抽選を行う」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成cの「開始操作検出手段により開始操作の検出が行われると、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段」は、本件補正発明における構成Cの「遊技開始操作に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段」に相当する。 (d)刊行物発明において、「全リールの回転開始」が、「スタートスイッチ6S」の操作に基くことは明らかである。 そして、刊行物発明における「有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納」することは、ストップボタン操作が有効化されることであるから、本件補正発明における「停止操作を有効化」することに相当する。 また、刊行物発明における「停止操作検出手段により行われる停止操作の検出と内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転を停止する」ことは、本件補正発明における「停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行う」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成dの「全リールの回転開始を要求する(ステップS9)と共に、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、停止操作検出手段により行われる停止操作の検出と内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転を停止するCPU31」「を備えた回胴式遊技機」は、本件補正発明における構成Dの「遊技開始操作に基づいて複数のリールの回転を開始させてから停止操作を有効化し、停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段」の機能を有する「遊技機」に相当する。 (e)刊行物発明における「抽出された乱数値が、内部当籤役がベルであることに対応する数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じて」実行が決定されることは、本件補正発明における「第1の条件が成立した」ことに相当する。 そして、刊行物発明における「遊技者による投入操作が行われたにもかかわら」ないことは、本件補正発明における「規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたにも関わら」ないことに相当する。 また、刊行物発明における「投入操作の検出や開始操作の検出が行われることを待機させるウェイト処理2」と、本件補正発明における「遊技開始操作の有効化を所定期間において保留することによって遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理」とは、「遊技開始操作の有効化を所定期間において保留することによって少なくとも遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理」である点で共通する。 さらに、刊行物発明における「待機終了後に遊技者による開始操作の検出を可能と」することは、本件補正発明における「第1フリーズ処理の終了を契機として遊技開始操作を有効化」することに相当する。 よって、刊行物発明における構成eと、本件補正発明における構成Eとは、「投入受付手段が、第1の条件が成立したことに基づいて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたにも関わらず遊技開始操作に関する処理を所定期間において保留することによって少なくとも遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理を行い、当該第1フリーズ処理の終了を契機として遊技開始操作に関する処理を行う」ことで共通する。 (f)刊行物発明における「抽出された乱数値が、内部当籤役がBB1であることに対応する数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じて」実行が決定されることは、「ベル」と異なる内部当籤役である「BB1」に対応して抽選に当選したことであるから、本件補正発明における「第1の条件とは異なる第2の条件が成立した」ことに相当する。 そして、刊行物発明における「遊技者による開始操作が行われたにもかかわらず、リールの回転を開始させることを待機させるウェイト処理3を行い、待機終了後にリールの回転を開始させる」ことは、開始操作が行われても、リールの回転が開始されずに待機され、待機終了後にリールの回転が開始されることであるから、本件補正発明における「遊技開始操作が行われたにも関わらず複数のリールの回転の開始を所定期間において保留することによって遊技の進行を遅延させる第2フリーズ処理を行い、当該第2フリーズ処理の終了を契機として複数のリールの回転を開始させる」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成fの「CPU31は、抽出された乱数値が、内部当籤役がBB1であることに対応する数値の範囲のうちの予め定められた一部の数値の範囲内に含まれるか否かに応じてウェイト処理3の実行を決定し、遊技者による開始操作が行われたにもかかわらず、リールの回転を開始させることを待機させるウェイト処理3を行い、待機終了後にリールの回転を開始させる」ことは、本件補正発明における構成Fの「リール制御手段が、第1の条件とは異なる第2の条件が成立したことに基づいて、遊技開始操作が行われたにも関わらず複数のリールの回転の開始を所定期間において保留することによって遊技の進行を遅延させる第2フリーズ処理を行い、当該第2フリーズ処理の終了を契機として複数のリールの回転を開始させる」ことに相当する。 (g)上記(a)~(f)によれば、本件補正発明と刊行物発明は、 「A 外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、 B 遊技毎に遊技媒体の投入を受け付けて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたことに基づいて遊技開始操作を有効化する投入受付手段と、 C 前記遊技開始操作に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、 D 前記遊技開始操作に基づいて前記複数のリールの回転を開始させてから停止操作を有効化し、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段とを備えた遊技機であって、 E’前記投入受付手段が、 第1の条件が成立したことに基づいて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたにも関わらず前記遊技開始操作の有効化を所定期間において保留することによって少なくとも遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理を行い、当該第1フリーズ処理の終了を契機として前記遊技開始操作を有効化し、 F 前記リール制御手段が、 前記第1の条件とは異なる第2の条件が成立したことに基づいて、前記遊技開始操作が行われたにも関わらず前記複数のリールの回転の開始を所定期間において保留することによって遊技の進行を遅延させる第2フリーズ処理を行い、当該第2フリーズ処理の終了を契機として前記複数のリールの回転を開始させる遊技機。」 の点で一致し、構成Eに関して次の点で相違する。 [相違点](構成Eに関する) 少なくとも遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理が、本件補正発明では、遊技開始操作の有効化を所定期間において保留する処理であるのに対して、刊行物発明では、遊技開始操作の有効化を所定期間において保留する処理の前に投入操作の検出が行われることを待機させる処理である点。 (3)当審の判断 ア 上記相違点について 上記相違点について検討する。 遊技機の技術分野において、フリーズ処理により保留させる処理を、遊技開始操作を有効化する処理とするか、投入操作を有効化する処理や開始操作を有効化する処理とするかを、当業者が適宜選択し得ることは、本願出願前に周知の技術事項である(特開2006-34818号公報の【0220】、【0223】には、開始操作無効手段が、遊技媒体の検出、又は、開始操作を無効にすることが記載され、特開2006-149817号公報の【0178】、【0179】には、ロック処理が、投入操作の無効及び開始操作の無効、あるいは、開始操作の無効のいずれかを実行することが記載され、特開2009-90053号公報の【0053】には、ストップボタン21a~21cの操作を無効化する方法として、メダルの投入操作、又は、スタートレバー20の操作を無効化することが記載されている。)。 そして、このような周知技術に鑑みれば、刊行物発明において、第1フリーズ処理として、遊技開始操作の有効化を所定期間において保留する処理の前に投入操作の検出が行われることを待機させる処理を行うことに換えて、遊技開始操作の有効化を所定期間において保留する処理を行うことを選択することは、当業者が必要に応じてなし得たものである。 イ 請求人の主張について 請求人は、平成28年7月14日付けの審判請求書において、「引用発明1に関して、引用文献1の段落0139には、「予め定められた複数の条件のうち、決定された内部当籤役に応じた条件が満たされると、ウェイト処理を行うようにしているので、ウェイト処理が行われるそれぞれの機会に応じて、決定された内部当籤役の種別を遊技者に予測させることも可能となり」という記載がなされており、引用発明1は、各ウェイト処理の実行開始時に遊技者にウェイト処理の種別を把握させる技術思想であることが明示されており、実行開始時においてウェイト処理2をウェイト処理3と区別できないようにすることを目的として引用発明2~引用発明4を本願発明の構成に沿うように引用発明1に適用する動機付けが存在するということはできず、そのような適用の仕方は、本願発明の内容を知った上でなければできないことであり妥当ではありません。」(4頁第22行~5頁3行)と主張する。 そこで、上記主張について検討する。 刊行物発明は、「規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたにも関わらず遊技開始操作の有効化を所定期間において保留する」「第1フリーズ処理」を行うものであって、遊技者が遊技開始操作を行っても複数のリールの回転が開始されないものである。 また、刊行物発明は、第2フリーズ処理においても、「遊技開始操作が行われたにも関わらず複数のリールの回転の開始を所定期間において保留す」るものである。 したがって、刊行物発明は、第1フリーズ処理と第2フリーズ処理とは、遊技者が遊技開始操作を行ったにもかかわらず、複数のリールの回転が開始されない構成を備えるものであるから、遊技者が、第1フリーズ処理と第2フリーズ処理を識別することができない効果を奏するものである。 また、前記「第2 3(1)カの【0136】」には、ウェイト処理が行われたことに伴い、液晶表示装置5の表示画面5aの全体を暗転させるという共通の表示処理を行うことが記載されている。この記載によると、遊技者は、液晶表示装置5の表示画面5aの表示によって、いずれのウェイト処理が行われているのかを識別できないことになる。 このように、刊行物1にも、遊技者に、いずれのウェイト処理が行われているのかを識別できないようにすることが示唆されている。 よって、刊行物1には、請求人が主張するように、「各ウェイト処理の実行開始時に遊技者にウェイト処理の種別を把握させる技術思想であることが明示されて」はいるが、上記したように、遊技者がいずれのウェイト処理が行われているのかを把握させないようにしたことも示唆されているのであって、かつ、刊行物発明が、遊技者が第1フリーズ処理と第2フリーズ処理を識別することができない効果を奏するものであることからみても、請求人の上記主張を採用することはできない。 ウ 効果 上記ア、イにおいて検討したことからみて、本件補正発明により奏される効果は、当業者が、刊行物発明から予測し得た効果の範囲内のものであって、格別のものではない。 エ 小括 上記ア~ウにおいて検討したように、本件補正発明は、当業者が刊行物発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 上記3において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1~7に係る発明(以下「本願発明」という。)は、出願当初の明細書の特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、 遊技毎に遊技媒体の投入を受け付けて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたことに基づいて遊技開始操作を有効化する投入受付手段と、 前記遊技開始操作に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、 前記遊技開始操作に基づいて前記複数のリールの回転を開始させてから停止操作を有効化し、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段とを備えた遊技機であって、 前記投入受付手段が、 第1の条件が成立したことに基づいて、規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたにも関わらず前記遊技開始操作の有効化を保留することによって遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理を行い、 前記リール制御手段が、 前記第1の条件とは異なる第2の条件が成立したことに基づいて、前記遊技開始操作が行われたにも関わらず前記複数のリールの回転の開始を保留することによって遊技の進行を遅延させる第2フリーズ処理を行うことを特徴とする遊技機。」 2 刊行物 刊行物1の記載事項、刊行物発明は、前記「第2 3(1)」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、前記「第2 2 補正の目的」において検討したとおり、本件補正発明において、第1フリーズ処理について、「遊技開始操作の有効化を所定期間において保留する」こととあったものを「遊技開始操作の有効化を保留する」ことと下線部の限定を省くと共に、「当該第1フリーズ処理の終了を契機として前記遊技開始操作を有効化」するとの限定を省き、第2フリーズ処理について、「複数のリールの回転の開始を所定期間において保留する」こととあったものを「複数のリールの回転の開始を保留する」ことと下線部の限定を省くと共に、「当該第2フリーズ処理の終了を契機として前記複数のリールの回転を開始させる」との限定を省くものである。 そして、補正により限定された点は、いずれも刊行物1に開示されている技術事項であり、本願発明と刊行物発明を対比すると、前述の相違点において両者は次の点で相違し、残余の点で一致する。 [相違点] 少なくとも遊技の進行を遅延させる第1フリーズ処理が、本願発明では、遊技開始操作の有効化を保留する処理であるのに対して、刊行物発明では、遊技開始操作の有効化を所定期間において保留する処理の前に投入操作の検出が行われることを待機させる処理である点。 そして、本願発明の発明特定事項(構成要件)をすべて含み、さらに、他の発明特定事項(構成要件)を付加したものに相当する本件補正発明が、前記「第2 3(3)当審の判断」に記載したとおり、刊行物発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、刊行物発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は他の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-010675

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  • 2024-007297拒絶査定不服審判 / 2025-04-22 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F、575・A63F

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