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特許拒絶査定不服審判

2016-009995

マルチチャンネルオーディオ信号のエンコーディング/デコーディングシステム、記録媒体及び方法

審判番号
2016-009995
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-267988外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年07月01日
審決日
2017年06月26日
公報発行日
2017年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G10L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-267988「マルチチャンネルオーディオ信号のエンコーディング/デコーディングシステム、記録媒体及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 5月15日出願公開、特開2014- 89467〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 1.手続の経緯 本願は、2006年11月21日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2005年11月21日 米国(US) 2006年4月3日 韓国(KR))を国際出願日とする特願2008-541085号の一部を平成23年11月24日に新たな出願とした特願2011-256425号の一部を平成25年12月25日に新たな出願としたものであって、手続の概要は以下のとおりである。 拒絶理由通知       :平成26年10月31日(起案日) 意見書          :平成27年 2月12日 手続補正         :平成27年 2月12日 拒絶理由通知(最後)   :平成27年 8月 3日(起案日) 意見書          :平成27年12月11日 手続補正         :平成27年12月11日 補正却下の決定      :平成28年 2月25日(起案日) 拒絶査定         :平成28年 2月25日(起案日) 拒絶査定不服審判請求   :平成28年 7月 1日 手続補正         :平成28年 7月 1日 拒絶理由通知(当審)   :平成29年 2月10日(起案日) なお、平成29年2月10日付け拒絶理由通知に対しては、指定した期間内に請求人から応答がなかった。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明は、平成28年7月1日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「 【請求項1】 マルチチャンネルオーディオ信号デコーディングシステムであって、 2つのオーディオチャンネル信号をTTT空間情報を用いて第1、第2、及び第3のチャンネル信号にデコードするTTTデコーダと、 前記第1のチャンネル信号を第1のOTT空間情報を用いて第1の複数のチャンネル信号にデコードする第1のOTTデコーダと、 前記第2のチャンネル信号を第2のOTT空間情報を用いて第2の複数のチャンネル信号にデコードする第2のOTTデコーダと、 前記第3のチャンネル信号を第3のOTT空間情報を用いて第3の複数のチャンネル信号にデコードする第3のOTTデコーダと、 前記第1のOTTデコーダにより出力された前記第1の複数のチャンネル信号のうちの一チャンネル信号を第4のOTT空間情報を用いて第4の複数のチャンネル信号にデコードする第4のOTTデコーダと、 前記第2のOTTデコーダにより出力された前記第2の複数のチャンネル信号のうちの一チャンネル信号を第5のOTT空間情報を用いて第5の複数のチャンネル信号にデコードする第5のOTTデコーダとを備え、 デコーダ側のスピーカー構成(configuration)に係わるデコーダレベルに基づき、デコーダ側のスピーカー構成が7.1チャンネル構成である場合、前記第4のOTTデコーダと前記第5のOTTデコーダがデコーディングを行い、デコーダ側のスピーカー構成が5.1チャンネル構成である場合、前記第4のOTTデコーダと前記第5のOTTデコーダとがデコーディングを行わないことにより、前記2つのオーディオチャンネル信号から7.1チャンネル出力あるいは5.1チャンネル出力のうち一つを生成することを特徴とするマルチチャンネルオーディオ信号デコーディングシステム。」 3.引用例 当審の拒絶理由通知に引用した、本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物であるJ. Breebaart, et al., MPEG Spatial Audio Coding / MPEG Surround: Overview and Current Status(以下「引用例1」という。)には、図面と共に、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。) (1)「3.3.3. Hierarchical Encoding Among the many conceivable configurations of MPEG Surround, the encoding of 5.1 surround sound into two-channel stereo is particularly attractive in view of its backward compatibility with existing stereo consumer devices. Figure 4 shows a block diagram of an encoder for such a typical system consisting of three OTT and a TTT encoder element. The signals lf, lb, c, lfe, rf and rb denote the left front, left back, center, LFE, right front and right back channels, respectively. Several OTT elements can be cascaded and hence easily support surround systems with more channels. Figure 5 exemplifies how OTT elements can be connected in a tree structure, forming a 5.1-to-mono encoder. Another example is illustrated in Figure 6 where a 7.1 surround signal is encoded into a 5.1 surround signal and spatial information is obtained from two OTT elemnts. The signals lb, ls, lf, c, lfe, rf, rs, rb denote the left back, left side, left front, center, LFE, right front, right side and right back respectively. From these examples, it becomes clear how arbitrary downmixing / upmixing configurations can be addressed using OTT and TTT elements.」 「(訳)3.3.3.階層的なエンコーディング MPEGサラウンドの多くの考えられる構成の中で、5.1サラウンドサウンドの2チャンネルステレオへのエンコーディングはその既存のステレオ消費者装置との後方互換性ゆえに特に魅力がある。図4は3つのOTT及び1つのTTTエンコーダ要素からなるそのような典型的なシステムのためのエンコーダのブロックダイアグラムを示す。信号lf、lb、c、lfe、rf及びrbはそれぞれレフトフロント、レフトバック、センター、LFE、ライトフロント及びライトバックチャンネルを意味する。 いくつかのOTT要素を縦続接続することにより、より多くのチャンネルのサラウンドシステムに容易に対応し得る。図5はOTT要素が5.1からモノへのエンコーダを構成する、ツリー構造にどのように接続され得るかを例示する。 7.1サラウンド信号が5.1サラウンド信号にエンコードされ2つのOTT要素から空間情報が得られるもう1つの例が図6に説明される。信号lb、ls、lf、c、lfe、rf、rs、rbはそれぞれレフトバック、レフトサイド、レフトフロント、センター、LFE、ライトフロント、ライトサイド、ライトバックを意味する。 これらの例から、任意のダウンミキシング/アップミキシング構成がOTT及びTTT要素を用いてどのように提供され得るかが明らかになる。」 (2)「3.3.4. Hierarchical Decoding From a signal flow point of view, the inverse of the encoder is used to create the gain values in the two mixing matrices M1 and M2. In Figure 7 a conceptual block diagram of a stereo-to-5.1 decoder is shown. Each OTT and TTT decoder element contains a decorrelator and hence the order of the OTT/TTT elements in the tree describes how the mixing matrices are structured. The actual gain values for each element in the mixing matrices are calculated by combining the decoded spatial parameters from one of the OTT/TTT elements.」 「(訳)3.3.4.階層的なデコーディング 信号の流れの観点から、2つのミキシング行列M1及びM2の利得値を与えるためにエンコーダの逆が用いられる。図7にステレオから5.1へのデコーダの概念的なブロックダイアグラムが示される。各OTT及びTTTデコーダ要素が相関を解くものを含むことによりツリーのOTT/TTTの順序がどのようにミキシング行列が構成されるかを記述する。ミキシング行列の各要素の実際の利得値はOTT/TTT要素の1つ又はいくつかからデコードされた空間パラメータを結合することにより計算される。」 上記摘示事項及び図面の記載から以下のことがいえる。 (a)引用例1には、ステレオから5.1へのデコーダが記載されている(摘示事項(2))。 (b)ステレオから5.1へのMPEGサラウンドデコーダは、TTTデコーダ要素が空間パラメータを用いてステレオ信号l0、r0を第1、第2、第3の信号にデコードし、第1のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第1の信号をレフトフロント信号lf、レフトバック信号lbにデコードし、第2のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第2の信号をライトフロント信号rf、ライトバック信号rbにデコードし、第3のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第3の信号をセンター信号c、LFE信号lfeにデコードする(図7)。 以上を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。 「ステレオから5.1へのMPEGサラウンドデコーダであって、 TTTデコーダ要素が空間パラメータを用いてステレオ信号l0、r0を第1、第2、第3の信号にデコードし、 第1のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第1の信号をレフトフロント信号lf、レフトバック信号lbにデコードし、 第2のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第2の信号をライトフロント信号rf、ライトバック信号rbにデコードし、 第3のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第3の信号をセンター信号c、LFE信号lfeにデコードするデコーダ。」 同じく、当審の拒絶理由通知に引用した、本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物である特表2005-533426号公報(平成17年11月4日公表、以下「引用例2」という。)には、図面と共に、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。) (3)「【0037】 代替として、符号化器202は全後方信号を生成するために信号LR及びRRを符合化することが可能である一方、符号化器203は全前方信号を生成するために信号LF及びRFを符合化することが可能である。続いて、全前方信号及び全後方信号は更なる符号化器により合成される。符号化器により生成されたパラメータは、次いで、2Dパラメータ表示のために用いられることが可能であり、即ち、この符号化器からのパラメータは、左チャネル及び右チャネルの両方に対して後方チャネルから前方チャネルを復号化するために全体的パラメータとして用いられることが可能である。図3は、本発明の実施形態に従った符合化された4チャネルオーディオ信号を復号化するための復号化器のブロック図を示している。復号化器は、受信信号307からパラメータストリームP1、P2及びP3と符合化信号Tとを抽出するための回路306を有し、それ故、回路306は図2の合成器206の逆動作を実行する。 【0038】 復号化器は、符合化モジュール201、202及び203それぞれに対応するパラメータ復号化モジュール301、302及び303を更に有する。図2に関連して説明されるカスケード符合化プロセスは復号化器において逆にされる。復号化器は、広帯域オーディオ信号Tと3つのパラメータビットストリームP1、P2及びP3とを受信する。先ず、復号化モジュール301は、適切なパラメータP1を用いて、オーディオ信号Tが入力する信号から全左信号L及び全右信号Rそれぞれを合成する。現在のエンドユーザが2つのスピーカのみを有する場合、復号化プロセスはここで終了する。 【0039】 エンドユーザが4つのスピーカを有する場合、付加復号化段階が実行される。復号化器302は全左信号LとパラメータビットストリームP2とを受信し、それから左前信号LF及び左後信号LRをそれぞれ合成する。 【0040】 同様に、復号化器303は全右信号RとパラメータビットストリームP3とを受信し、それから右前信号RF及び右後信号RRをそれぞれ合成する。」 上記摘示事項及び図面の記載から以下のことがいえる。 (c)4チャネルオーディオ信号を復号化するための復号化器において、現在のエンドユーザが2つのスピーカのみを有する場合、復号化プロセスは、全左信号L及び全右信号Rそれぞれを合成したところで終了し、エンドユーザが4つのスピーカを有する場合、付加復号化段階が実行され、左前信号LF、左後信号LR、右前信号RF及び右後信号RRをそれぞれ合成する(摘示事項(3))。 以上を勘案すると、引用例2には、次の技術事項が記載されているものと認める。 「エンドユーザーが有するスピーカの構成に応じて、復号化が途中の段階で終了したり、付加的な復号化段階が実行されたりする。」 4.対比 そこで、本願発明と引用発明とを対比する。 (1)デコーディングシステム 引用発明は、ステレオから5.1へのMPEGサラウンドデコーダであるから、本願発明と引用発明とは、「マルチチャンネルオーディオ信号デコーディングシステム」である点で一致する。 (2)TTTデコーダ 引用発明は、TTTデコーダ要素が空間パラメータを用いてステレオ信号l0、r0を第1、第2、第3の信号にデコードするから、本願発明と引用発明とは、「2つのオーディオチャンネル信号をTTT空間情報を用いて第1、第2、及び第3のチャンネル信号にデコードするTTTデコーダ」を備える点で一致する。 (3)第1のOTTデコーダ 引用発明は、第1のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第1の信号をレフトフロント信号lf、レフトバック信号lbにデコードするから、本願発明と引用発明とは、「前記第1のチャンネル信号を第1のOTT空間情報を用いて第1の複数のチャンネル信号にデコードする第1のOTTデコーダ」を備える点で一致する。 (4)第2のOTTデコーダ 引用発明は、第2のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第2の信号をライトフロント信号rf、ライトバック信号rbにデコードするから、本願発明と引用発明とは、「前記第2のチャンネル信号を第2のOTT空間情報を用いて第2の複数のチャンネル信号にデコードする第2のOTTデコーダ」を備える点で一致する。 (5)第3のOTTデコーダ 引用発明は、第3のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて第3の信号をセンター信号c、LFE信号lfeにデコードするから、本願発明と引用発明とは、「前記第3のチャンネル信号を第3のOTT空間情報を用いて第3の複数のチャンネル信号にデコードする第3のOTTデコーダ」を備える点で一致する。 (6)第4のOTTデコーダ及び第5のOTTデコーダ 本願発明と引用発明とは、本願発明が「前記第1のOTTデコーダにより出力された前記第1の複数のチャンネル信号のうちの一チャンネル信号を第4のOTT空間情報を用いて第4の複数のチャンネル信号にデコードする第4のOTTデコーダと、前記第2のOTTデコーダにより出力された前記第2の複数のチャンネル信号のうちの一チャンネル信号を第5のOTT空間情報を用いて第5の複数のチャンネル信号にデコードする第5のOTTデコーダとを備え」るのに対し、引用発明はそのような構成を有しない点で相違する。 (7)デコーダ側のスピーカー構成に基づく動作 本願発明と引用発明とは、本願発明が「デコーダ側のスピーカー構成(configuration)に係わるデコーダレベルに基づき、デコーダ側のスピーカー構成が7.1チャンネル構成である場合、前記第4のOTTデコーダと前記第5のOTTデコーダがデコーディングを行い、デコーダ側のスピーカー構成が5.1チャンネル構成である場合、前記第4のOTTデコーダと前記第5のOTTデコーダとがデコーディングを行わないことにより、前記2つのオーディオチャンネル信号から7.1チャンネル出力あるいは5.1チャンネル出力のうち一つを生成する」のに対し、引用発明はそのような構成を有しない点で相違する。 そうすると、本願発明と引用発明とは、次の点で一致する。 <一致点> 「マルチチャンネルオーディオ信号デコーディングシステムであって、 2つのオーディオチャンネル信号をTTT空間情報を用いて第1、第2、及び第3のチャンネル信号にデコードするTTTデコーダと、 前記第1のチャンネル信号を第1のOTT空間情報を用いて第1の複数のチャンネル信号にデコードする第1のOTTデコーダと、 前記第2のチャンネル信号を第2のOTT空間情報を用いて第2の複数のチャンネル信号にデコードする第2のOTTデコーダと、 前記第3のチャンネル信号を第3のOTT空間情報を用いて第3の複数のチャンネル信号にデコードする第3のOTTデコーダとを備えるマルチチャンネルオーディオ信号デコーディングシステム。」の点。 そして、次の点で相違する。 <相違点> (1)本願発明が「前記第1のOTTデコーダにより出力された前記第1の複数のチャンネル信号のうちの一チャンネル信号を第4のOTT空間情報を用いて第4の複数のチャンネル信号にデコードする第4のOTTデコーダと、前記第2のOTTデコーダにより出力された前記第2の複数のチャンネル信号のうちの一チャンネル信号を第5のOTT空間情報を用いて第5の複数のチャンネル信号にデコードする第5のOTTデコーダとを備え」るのに対し、引用発明はそのような構成を有しない点。 (2)本願発明が「デコーダ側のスピーカー構成(configuration)に係わるデコーダレベルに基づき、デコーダ側のスピーカー構成が7.1チャンネル構成である場合、前記第4のOTTデコーダと前記第5のOTTデコーダがデコーディングを行い、デコーダ側のスピーカー構成が5.1チャンネル構成である場合、前記第4のOTTデコーダと前記第5のOTTデコーダとがデコーディングを行わないことにより、前記2つのオーディオチャンネル信号から7.1チャンネル出力あるいは5.1チャンネル出力のうち一つを生成する」のに対し、引用発明はそのような構成を有しない点。 5.判断 そこで、上記相違点について検討する。 相違点(1)について 引用例1には、第1のOTTエンコーダ要素がレフトフロント信号lf、レフトバック信号lbを第1の信号にエンコードして空間パラメータを得、第2のOTTエンコーダ要素がライトフロント信号rf、ライトバック信号rbを第2の信号にエンコードして空間パラメータを得、第3のOTTエンコーダ要素がセンター信号c、LFE信号lfeを第3の信号にエンコードして空間パラメータを得、TTTエンコーダ要素が第1、第2、第3の信号をステレオ信号l0、r0にエンコードして空間パラメータを得る5.1からステレオへのMPEGサラウンドエンコーダ(図4)、いくつかのOTT要素を縦続接続することにより、より多くのチャンネルのサラウンドシステムに容易に対応し得ること(摘示事項(1))、第4のOTTエンコーダ要素がレフトバック信号lb、レフトサイド信号lsを信号lb0にエンコードして空間パラメータを得、第5のOTTエンコーダ要素がライトサイド信号rs、ライトバック信号rbを信号rb0にエンコードして空間パラメータを得る7.1から5.1へのMPEGサラウンドエンコーダ(図6)が記載されている。 したがって、7.1から5.1へのMPEGサラウンドエンコーダ(図6)に5.1からステレオへのMPEGサラウンドエンコーダ(図4)を縦続接続すれば、7.1からステレオへのMPEGサラウンドエンコーダが得られることは明らかである。 そして、デコーダはエンコーダとは逆の構成であるから、引用発明において、レフトバック信号lbに代えて信号lb0とし、第4のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて信号lb0をレフトバック信号lb、レフトサイド信号lsにデコードし、ライトバック信号rbに代えて信号rb0とし、第5のOTTデコーダ要素が空間パラメータを用いて信号rb0をライトサイド信号rs、ライトバック信号rbにデコードするステレオから7.1へのMPEGサラウンドデコーダを得ることは、当業者が容易に想到し得る。 相違点(2)について 引用例2には、エンドユーザーが有するスピーカの構成に応じて、復号化が途中の段階で終了したり、付加的な復号化段階が実行されたりすることか記載されている。 ここで、復号化が途中の段階で終了する場合と、付加的な復号化段階が実行される場合とは、デコーディングのレベルが異なるといえる。 また、5.1チャンネル及び7.1チャンネルのスピーカー構成はいずれも周知である。 したがって、スピーカー構成が5.1チャンネルであるか7.1チャンネルであるかに応じて、第4のOTTデコーダ要素及び第5のOTTデコーダ要素がデコーディングを行わずに5.1チャンネル出力を生成したり、第4のOTTデコーダ要素及び第5のOTTデコーダ要素がデコーディングを行って7.1チャンネル出力を生成したりするようにすることは、当業者が容易に想到し得、該構成は、「デコーダ側のスピーカー構成(configuration)に係わるデコーダレベルに基づき、2つのオーディオチャンネル信号から7.1チャンネル出力あるいは5.1チャンネル出力のうち一つを生成する」ことといえる。 また、明細書に記載された本願発明が奏する効果についてみても、本願発明の構成のものとして当業者であれば予測し得る程度のものに過ぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。 6.むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された技術事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-009995

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