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特許拒絶査定不服審判

2020-013299

マルチメディアを再生するための方法及び装置

審判番号
2020-013299
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-188876外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年09月24日
審決日
2022年03月28日
公報発行日
2022年09月30日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G10L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-188876「マルチメディアを再生するための方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月13日出願公開、特開2019- 91014〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年10月4日(パリ条約による優先権主張2017年11月14日、中国)の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。 平成30年11月 1日 :手続補正書の提出 令和 元年12月12日付け:拒絶理由通知書 2年 3月17日 :意見書、手続補正書の提出 同年 5月19日付け:拒絶査定 同年 9月24日 :審判請求書、手続補正書の提出 3年 8月27日付け:拒絶理由通知書(当審) 同年11月24日 :意見書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~17に係る発明は、令和2年9月24日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~17に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 〔本願発明〕 コンピュータにより実施されるマルチメディアを再生するための方法であって、 ユーザから入力された、マルチメディアの再生を予約するための音声再生要求を受信するステップと、 前記音声再生要求から、ユーザの前記予約による、マルチメディアの再生動作をトリガする条件である予約再生タイミングと再生パラメータを抽出するステップと、 前記再生パラメータに基いてマルチメディアリストを生成するステップと、 現在のタイミングが前記予約再生タイミングを満たしていることに応答して、前記マルチメディアリストにおけるマルチメディアを自発的に再生するステップと、を含み、 前記予約再生タイミングは、再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする方法。 第3 当審による拒絶の理由 当審が令和3年8月27日付けで通知した拒絶の理由のうち、本願発明に係るものは次のとおりである。 本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:国際公開第2017/147081号 引用文献2:特開2001-126454号公報(周知技術を示す文献) 引用文献3:特開2009-49729号公報(周知技術を示す文献) 引用文献4:特開2016-200832号公報 第4 引用文献 1 引用文献1 (1)記載事項 上記引用文献1には、図面とともに次の記載がある。 なお、各記載事項の末尾において、引用文献1の対応日本語公報である特表2019-514237号公報の記載を仮訳として付した。 また、以降の下線は、説明のために当審において付したものである。 「IV. Example Systems, Apparatus, and Methods for Voice Control of a Media Playback System」 (仮訳:IV.メディア再生システムの音声制御のための例示的なシステム、装置、及び方法) 「[163] Examples described herein may involve controlling a media playback system. In particular, Figure 12 shows an example flow diagram 1200 of a method for playing an audio response. Method 1200 presents an embodiment of a method that can be implemented within an operating environment involving, for example, the media playback system 100 of Figure 1, one or more of the playback device 200 of Figure 2, one or more of the control device 300 of Figure 3, and one or more of the plurality of devices in system 500 of Figure 5. Method 1200 may involve transmitting and receiving information between a networked microphone system and the media playback system via various communication paths as described herein and/or using a metadata exchange channel as described in Application No. 62/298,350 filed February 22, 2016 and entitled "Metadata exchange involving a networked playback system and a networked microphone system." This application is hereby incorporated by reference in its entirety. Method 1200 may include one or more operations, functions, or actions.」 (仮訳:本明細書に記載の例は、メディア再生システムを制御することを含んでいてもよい。特に、図12は、音声応答を再生するための方法に関する例示的なフロー図1200を示す。方法1200は、たとえば、図1のメディア再生システム100、図2の再生デバイス200の1又は複数、図3の制御デバイス300の1又は複数、及び図5のシステム500における複数のデバイスの1又は複数を含む動作環境内で実行できる方法の実施形態を提示している。方法1200は、本明細書に記載しているような様々な通信経路を介してネットワークマイクロホンシステムとメディア再生システムとの間で情報の送受信を行うこと、及び/又は「ネットワーク再生システム及びネットワークマイクロホンシステムを含むメタデータ交換(Metadata exchange involving a networked playback system and a networked microphone system)」と題する2016年2月22日に出願された出願第62/298,350号明細書に記載のメタデータ交換チャネルを使用することを含んでもよい。本出願は、その全体を参照によって本明細書に引用するものとする。方法1200は1又は複数の操作、機能、又はアクションを含んでいてもよい。) 「[174] At block 1214, a user can provide voice input by speaking a command or request which may be received by a NMD. The networked microphone system can convert the voice input from speech to text and parse the words to determine the syntax of the voice input. The spoken command may have a particular syntax which the networked microphone system can recognize as being in the area or domain of music playback control. For example, the user may say "play The Beatles in the Kitchen and Nick's Room." The networked microphone system may recognize the word "play" as a command which corresponds to an intent or directly as an intent that is associated with music playback and may identify the spoken command as in the area or domain of music playback control at block 1216.」 (仮訳:ブロック1214において、ユーザは、NMDによって受信され得るコマンド又は要求を発することによって、音声入力を提供してもよい。ネットワークマイクロホンシステムは音声入力を音声からテキストへと変換し、且つその言葉を解析して音声入力のシンタックスを決定することができる。音声コマンドは、音楽再生制御の範囲又はドメイン内にあるとネットワークマイクロホンシステムが認識できるような特定のシンタックスを有していてもよい。たとえば、ユーザは「キッチンとニックの部屋でビートルズの曲を再生して(play The Beatles in the Kitchen and Nick's Room)」と言う場合がある。ネットワークマイクロホンシステムは、「再生して」という言葉を音楽再生と関連付けられたインテントに対応するコマンドか、又はインテントそのものであると認識してもよく、ブロック1216において、この音声コマンドが音楽再生制御の範囲又はドメイン内にあると識別してもよい。) 「[178] At block 1218, the voice input containing a music control command may be processed. The networked microphone system may have various predefined syntaxes that may be associated with a user's intent (e.g., play, pause, adding to queue, grouping, other transport controls, controls available via the control device 300).(後略)」 (仮訳:ブロック1218において、音楽制御コマンドを含む音声入力を処理してもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、ユーザのインテント(たとえば、再生、一時停止、キューへの追加、グループ化、他のトランスポートの制御、制御デバイス300を介して利用可能な制御)と関連付けられた様々な所定のシンタックスを有していてもよい。) 「[186] As yet another example command or intent may be a play next command which may cause a selected media content to be added to the top of a queue to be played next in a zone. An example syntax for this command may be to "play [media variable] next." Similar to other aspects described herein, the zone variable may be optional. 」 (仮訳:さらに別の例示的なコマンド又はインテントとしては、「次再生コマンド」を挙げることができ、このコマンドによって選択されたメディアコンテンツを、ゾーン内で次に再生されるようにキューの先頭に追加してもよい。このコマンドの例示的なシンタックスは「[メディア変数]を次に再生して」であってもよい。本明細書に記載の他の態様と同様に、ゾーン変数は任意のものであってもよい。) 「[205] At block 1220, the media playback system may execute the spoken music control command by executing each of the parsed commands and variable(s).(後略)」 (仮訳:ブロック1220において、メディア再生システムは、解析されたコマンド及び変数の各々を実行することによって、音楽制御音声コマンドを実行してもよい。) 「[215] While the methods and systems have been described herein with respect to media content (e.g., music content, video content), the methods and systems described herein may be applied to a variety of content which may have associated audio that can be played by a media playback system.(後略)」 (仮訳:本方法及びシステムを、メディアコンテンツ(たとえば、音楽コンテンツ、ビデオコンテンツ)に関連して本明細書に記載したが、本明細書に記載の本方法及びシステムを、メディア再生システムによって再生できる関連オーディオを有し得る様々なコンテンツに適用してもよい。) 「 [図:0001387738000001.jpg] 」 (仮訳:【図12】 [図:0001387738000002.jpg] ) (2)引用発明 上記(1)から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 〔引用発明〕 メディア再生システムの音声制御のための方法であって、(IV.) 方法は、通信経路を介してネットワークマイクロホンシステムとメディア再生システムとの間で情報の送受信を行うことを含み、([163]) ユーザはコマンドを発することによって、音声入力を提供し、ネットワークマイクロホンシステムは音声入力を音声からテキストへと変換し、且つその言葉を解析して音声入力のシンタックスを決定し、([174]) 音声制御コマンドを含む音声入力を処理し、ネットワークマイクロホンシステムはユーザのインテント(たとえば、再生)と関連付けられた様々な所定のシンタックスを有し、([178]) コマンドは、選択されたメディアコンテンツを次に再生されるようにキューの先頭に追加する「次再生コマンド」であり、このコマンドのシンタックスは「[メディア変数]を次に再生して」であり([186]) メディア再生システムは、解析されたコマンド及び変数の各々を実行することによって、音楽制御音声コマンドを実行し、([205]) メディアコンテンツは、たとえば、音楽コンテンツ、ビデオコンテンツである([215]) 方法。 2 引用文献2 (1)記載事項 上記引用文献2には、図面とともに次の記載がある。 「【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る再生装置は、記録媒体に記録された楽曲を再生する再生装置であって、楽曲の再生を開始する日時及び、再生する楽曲を指示する再生指示情報を入力する指示情報入力手段と、前記指示情報入力手段により入力された再生指示情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された再生指示情報に従って、記録媒体に記録された楽曲を特定する楽曲特定手段と、前記記憶手段に記憶された再生指示情報に従って、前記楽曲特定手段により特定された楽曲を対象の日時に再生する楽曲再生手段と、を備えることを特徴とする。」 (2)記載技術 上記(1)から、引用文献2には次の技術が記載されていると認められる。 「楽曲を再生する再生装置において、楽曲の再生を開始する日時及び、再生する楽曲を指示する再生指示情報を入力する指示情報入力手段と、再生指示情報に従って、前記楽曲特定手段により特定された楽曲を対象の日時に再生する楽曲再生手段と、を備える技術。」 3 引用文献3 (1)記載事項 上記引用文献3には、図面とともに次の記載がある。 「【0003】 特許文献1は、インターネットを介してサーバと接続された携帯端末を含む情報処理端末に対して、サーバと連携して目覚まし機能を提供する技術を開示している。この技術によれば、予め設定した時刻になると、情報処理端末はサーバから予め設定した好みの音楽をダウロードして、それを目覚まし時に鳴らすアラーム音とすることを可能にしている。したがって、ユーザは、起床時に好みの音楽を聴きながら目覚めることができる。」 (2)記載技術 上記(1)から、引用文献3には次の技術が記載されていると認められる。 「情報処理端末において、予め設定した時刻になると、情報処理端末はサーバから予め設定した好みの音楽をダウロードして、それを目覚まし時に鳴らすアラーム音とする技術。」 第5 対比 本願発明と引用発明を対比する。 1 本願発明の「マルチメディア」について、本願明細書の【0035】には、「マルチメディアの内容は、オーディオ内容、ビデオ内容、或いはオーディオ内容とビデオ内容の組み合わせであっても良い。」と記載されていることから、引用発明の「たとえば、音楽コンテンツ、ビデオコンテンツである」「メディアコンテンツ」も、「マルチメディア」の内容といえるものである。よって、引用発明の「メディア」は、本願発明の「マルチメディア」に相当する。 そして、引用発明は、メディア再生システムの音声制御のための方法であって、メディアの再生に係る音声制御の処理がコンピュータにより実施されることは当然であるから、本願発明と引用発明は、「コンピュータにより実施されるマルチメディアを再生するための方法」として一致する。 2 引用発明は、ユーザが「次再生コマンド」を発することにより、選択されたメディアコンテンツを次に再生されるようにキューの先頭に追加するものであり、当該キューの先頭のメディアコンテンツは、メディア再生システムが次のメディアコンテンツを再生可能になった際に、キューから取り出されて再生されることになるから、当該メディア再生システムが次のメディアコンテンツを再生可能になった際に再生されることを予約するものといえる。 そして、引用発明の、前記予約するためにユーザにより発せられる「次再生コマンド」は、本願発明の「マルチメディアの再生を予約するための音声再生要求」に相当する。 また、引用発明は、「次再生コマンド」を、ユーザが発することによって、音声入力がネットワークマイクロホンシステムに提供されるものであるから、本願発明と引用発明は、「ユーザから入力された、マルチメディアの再生を予約するための音声再生要求を受信するステップ」を含む点で一致する。 3 本願発明の「予約再生タイミング」について、明細書の【0040】には、「マルチメディアのソート位置」を含んでもよいことが記載され、同【0041】には「マルチメディアのソート位置」は、マルチメディアの現在の再生リストにおける位置、例えば「次の曲」などを意味することが記載されていることから、引用発明の、「次再生コマンド」(マルチメディアの再生を予約するための音声再生要求)に含まれる「次に」に対応する、メディア再生システムがキューの先頭のメディアコンテンツを再生可能になったこと、及びその時点も、本願発明の「ユーザの前記予約による、マルチメディアの再生動作をトリガする条件」及び「ユーザの前記予約による、マルチメディアの再生動作をトリガする条件である予約再生タイミング」にそれぞれ相当するものといえる。 そして、引用発明は、音声入力を音声からテキストへと変換し、且つその言葉を解析して音声入力のシンタックスを決定するものであり、上記「次再生コマンド」の言葉を解析する際に、メディア変数及び「次に」との形態素(予約再生タイミング)の抽出が行われることは明らかである。ここで、引用発明の「メディア変数」は、再生する対象を特定するものであり、本願発明の「再生パラメータ」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明は、「前記音声再生要求から、ユーザの前記予約による、マルチメディアの再生動作をトリガする条件である予約再生タイミングと再生パラメータを抽出するステップ」を含む点で共通する。 しかしながら、前記予約再生タイミングが、本願発明では「再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つを含む」のに対し、引用発明では「再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つを含む」ことが特定されていない点で、両者は相違する。 4 引用発明の「キュー」に格納される一連のメディアコンテンツは、本願発明の「マルチメディアリスト」に相当する。 そして、引用発明は、上記「次再生コマンド」によって、選択されたメディアコンテンツを次に再生されるようにキューの先頭に追加するものであるから、本願発明と引用発明は、「前記再生パラメータに基いてマルチメディアリストを生成するステップ」を含む点で一致する。 5 引用発明は、メディア再生システムが、解析されたコマンド及び変数の各々を実行することによって、上記「次再生コマンド」、すなわち、[メディア変数]のメディアコンテンツを次のタイミング、すなわち、メディア再生システムがキューの先頭のメディアコンテンツを再生可能になった時点に再生を実行するから、本願発明と引用発明は、「現在のタイミングが前記予約再生タイミングを満たしていることに応答して、前記マルチメディアリストにおけるマルチメディアを自発的に再生するステップ」を含む点で一致する。 6 以上1~5の対比をふまえると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。 〔一致点〕 コンピュータにより実施されるマルチメディアを再生するための方法であって、 ユーザから入力された、マルチメディアの再生を予約するための音声再生要求を受信するステップと、 前記音声再生要求から、ユーザの前記予約による、マルチメディアの再生動作をトリガする条件である予約再生タイミングと再生パラメータを抽出するステップと、 前記再生パラメータに基いてマルチメディアリストを生成するステップと、 現在のタイミングが前記予約再生タイミングを満たしていることに応答して、前記マルチメディアリストにおけるマルチメディアを自発的に再生するステップと、を含む 方法。 〔相違点〕 前記予約再生タイミングが、本願発明では「再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つを含む」のに対し、引用発明では「再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つを含む」ことが特定されていない点。 第6 判断 1 相違点について 上記相違点について検討する。 音楽を再生可能な装置において、再生時刻と再生する楽曲を設定することは、上記引用文献2や引用文献3に記載されているように周知かつ慣用の技術であり、引用発明のメディア再生システムの音声制御コマンドとして、再生時刻と再生する楽曲を設定するものを付加すること、すなわち、前記予約再生タイミングに再生時刻を含ませることは、当業者であれば容易に想到しうることである。 ここで、前記再生時刻は、「再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つ」という択一的要素の一つであるから、上記予約再生タイミングが再生時刻を含むことは、「前記予約再生タイミングは、再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つを含む」ことといえる。 2 効果等について 本願発明の構成は、上記のように当業者が容易に想到しうるものであるところ、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が予測しうる範囲内のものであり、同範囲を超える格別顕著なものがあるとは認められない。 3 意見書の主張について 審判請求人は、令和3年11月24日付けの意見書において、次の主張を行っている。 「 拒絶理由通知書では、本願発明1と引用文献1の発明とは、「予約再生タイミングが再生時刻及び再生シーンの少なくとも1つを含む」という点で相違し、その余の点で一致すると認定されました。しかし請求人は、当該認定は不当であると考えます。 本願発明1は、引用文献1の発明と対比すると、「予約再生タイミングが再生時刻及び再生シーンの少なくとも1つを含む」という点に加え、「予約再生タイミングがマルチメディアの再生動作をトリガーする条件である」という点も異なります。」(以下、「主張1」という。) 「 引用文献2の段落0006において、楽曲の再生を開始する日時及び再生する楽曲を指示する再生指示情報を入力することにより、特定された楽曲を対象の日時に再生させる内容が開示されています。引用文献3の段落0003において、予め設定した時刻になると、情報処理端末はサーバから予め設定した好みの音楽をダウロードして、それを目覚まし時に鳴らすアラーム音とする内容が開示されています。 引用文献2、3の何れの発明も、時刻を、楽曲再生を開始させるトリガー条件としております。つまり、引用文献2、3では、楽曲の再生シーンについて何ら言及されていません。 引用文献4の段落0069において、ゾーンのシーンやテーマを作成するためのコマンドを使用することで、1セットのゾーンを動的に相互にリングすることができ、例えば、「朝」のゾーンシーンコマンドは、1つのアクションで寝室、オフィス及びキッチンのゾーンをともにリンクすることができると記載されています。このように引用文献4には、楽曲の再生シーンが開示されています。 しかし、引用文献4の段落0070において、「ゾーンシーンは、時間に基づいて始動される(例えば、目覚まし時計機能)。例えば、ゾーンシーンを午前8時に適用するように設定することができる。システムは、適切なゾーンを自動的にリンクするとともに、再生する特定の曲を設定してから所定期間後に音楽を停止することができる。」と記載されています。当該記載内容から分かるように、引用文献4の発明も、時刻を音楽の再生を開始させるトリガー条件とするものです。ここでの、「ゾーンシーン」は、音楽の再生をトリガーするためのものではなく、設定された時刻になると、どこで音楽を再生するかを限定するための条件です。 これに対し、本願発明1では、「再生シーン」は、例えば、「私の眠気を気づいた時」、「渋滞時」、「雨の時」など、特定の車速、存在する位置、渋滞状況、特定の天気、ニュースの発生、特定の気分などにある状況です。単なる「再生シーン」のみで、マルチメディアの再生動作をトリガーすることができます。つまり、所定の再生シーンにあることを検出すると、マルチメディアの再生を開始させるようにします。当該点は、引用文献4にも開示されていません。」(以下、「主張2」という。) 「 また、本願発明1によれば、一旦トリガー条件が満たされと、マルチメディアの再生を自発的に開始するので、ユーザの希望を狙ってマルチメディアを自発的に再生することができるので、有利な技術的効果を奏します。」(以下、「主張3」という。) 上記主張について検討する。 (主張1について) 上記第5の3のとおり、「予約再生タイミングがマルチメディアの再生動作をトリガーする条件である」という点において本願発明と引用発明は相違するものではないから、主張1は採用することができない。 (主張2について) 本願発明の「再生時刻」及び「再生シーン」の各々は、「再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つ」という択一的要素の一つであって、上記1のとおり、予約再生タイミングが再生時刻を含むことは、「前記予約再生タイミングは、再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つを含む」ことといえるから、「再生シーン」のみが引用文献2~4に開示されていないとする主張2は、当該「前記予約再生タイミングは、再生時刻及び再生シーンの少なくとも一つを含む」との構成が容易想到ではないとすることの根拠とはならず、これを採用することはできない。 (主張3について) 上記第5の1のとおり、引用発明においても、キューの先頭のメディアコンテンツは、メディア再生システムが次のメディアコンテンツを再生可能になった際に、キューから取り出されて再生されることになるから、一旦トリガー条件(メディア再生システムが次のメディアコンテンツを再生可能になったこと)が満たされると、マルチメディアの再生を自発的に開始するものであるし、ユーザの希望に応じてマルチメディアを自発的に再生することができるという技術的効果を奏するものである。 したがって、上記2に示したとおり、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が予測しうる範囲内のものであり、同範囲を超える格別顕著なものがあるとは認められないから、主張3は採用することができない。 以上のとおり、上記主張1~主張3は、いずれも採用することができない。 4 まとめ 以上1~3のとおりであるから、本願発明は引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-013299

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