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特許拒絶査定不服審判

2016-000382

自動車用のレーダシステム並びにレーダシステムを有する自動車

審判番号
2016-000382
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-516241外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年01月08日
審決日
2016年11月11日
公報発行日
2017年05月26日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G01S) / P18 .575-Z (G01S)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-516241「自動車用のレーダシステム並びにレーダシステムを有する自動車」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月10日国際公開、WO2013/004418、平成26年 9月25日国内公表、特表2014-525031〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2012年5月8日(パリ条約に基づく優先権主張:平成2011年7月5日(以下、「優先日」という。)、独国)を国際出願日とする出願であって、平成26年9月30日付けで拒絶理由が通知され、平成27年4月3日付けで手続補正がなされたが、平成27年9月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成28年1月8日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成28年1月8日にされた手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成28年1月8日された手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。) 「【請求項1】 レーダ光線を送信および受信する少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)を有する自動車(2)の周辺状況を監視するための自動車(2)用のレーダシステム(1)において、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ共通の軸線(3)に対して40°から50°の間の角度(100)で配置されていて、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ複数の位相制御式のアンテナを有しており、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)は、前記複数の位相制御式のアンテナが振幅変調及び/又は位相変調によりそれぞれ各レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に-60°から+60°の角度(101)に旋回可能な視野(51,52,53)を有するように構成されており、 前記レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)のうちの少なくとも1つがこれらのレーダセンサの方向に関連して少なくとも2つの異なる視野を概ね同時に前記複数の位相制御式のアンテナに提供するように構成されており、 少なくとも1つの前記レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナのそれぞれの視野(51,52,53)を制御するための制御装置(S)が配置されており、 前記制御装置(S)は、少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナのそれぞれの前記視野(51,52,53)を少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に関連して+45°から0°、0°から-45°の間で振幅変調及び/又は位相変調により旋回させて調節するように構成されており、 少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナがそれぞれのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に異なる角度(101)に構成された視野を有している ことを特徴とする自動車(2)のためのレーダシステム(1)。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の平成27年4月3日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び請求項3の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 レーダ光線を送信および受信する少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)を有する、自動車(2)の周辺状況を監視するための、自動車(2)用のレーダシステム(1)において、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ、共通の軸線(3)に対して40°から50°の間の角度(100)で配置されていて、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ少なくとも1つのアンテナを有しており、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)は、前記アンテナがそれぞれ、各レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に、-60°から+60°の角度(101)である旋回可能な視野(51,52,53)を有するように構成されており、前記レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)のうちの少なくとも1つが、これらのレーダセンサの方向に関連して少なくとも2つの異なる視野を概ね同時に少なくとも1つのアンテナに提供するように構成されており、少なくとも1つの前記レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の少なくとも1つのアンテナの視野(51,52,53)を制御するための制御装置(S)が配置されており、前記制御装置(S)は、少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の少なくとも1つのアンテナの前記視野(51,52,53)を少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に関連して+45°から0°、0°から-45°の間に調節するように、構成されており、少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の少なくとも1つのアンテナが、それぞれのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に異なる角度(101)のための、異なって構成された視野を有している、自動車(2)のためのレーダシステム(1)。」 「【請求項3】 少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が複数の位相制御式のアンテナを有しており、これらのアンテナのそれぞれの視野(51,52,53)が振幅変調および/または位相変調によって旋回可能である、請求項1または2に記載の自動車のためのレーダシステム。」 2 補正の適否 本件補正前の請求項1を引用する請求項3に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載された発明とを比較すると、本件補正は、 (限定1):本件補正前の請求項1を引用する請求項3に記載された発明を特定するための必要な事項である「少なくとも1つのアンテナ」(本件補正前の請求項1)(下線は、強調のため、当審で付与した。以下、同様。)を、「複数の位相制御式のアンテナ」と限定するとともに、 (限定2):本件補正前の請求項1を引用する請求項3に記載した発明を特定するための必要な事項である「前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ少なくとも1つのアンテナを有しており、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)は、前記アンテナがそれぞれ、各レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に、-60°から+60°の角度(101)である旋回可能な視野(51,52,53)を有するように構成されており」(本件補正前の請求項1)、「少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が複数の位相制御式のアンテナを有しており、これらのアンテナのそれぞれの視野(51,52,53)が振幅変調および/または位相変調によって旋回可能である」(本件補正前の請求項3)点について、「少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ複数の位相制御式のアンテナを有しており、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)は、前記複数の位相制御式のアンテナが振幅変調及び/又は位相変調によりそれぞれ各レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に-60°から+60°の角度(101)に旋回可能な視野(51,52,53)を有するように構成されており」と限定し、 (限定3):本件補正前の請求項1を引用する請求項3に記載した発明を特定するための必要な事項である「少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の少なくとも1つのアンテナが、それぞれのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に異なる角度(101)のための、異なって構成された視野を有し」を、「少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナがそれぞれのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に異なる角度(101)に構成された視野を有し」と限定するものである。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用例の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である、国際公開第2011/066993号(平成23年6月9日国際公開、以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されいる(当審の翻訳は、引用例1のパテントファミリーである、特表2013-513093号公報によるものであって、訳文中の段落番号は該公報に記載された段落番号である(ただし、段落【0037】に「アンテナアレイまたはアンテナ行列」と記載されている箇所については、段落【0039】の記載と統一を図るため、「Antennenmatrix (Array)」を「アンテナ行列(アレイ)」と翻訳した。)。また、ウムラウトの付いた「a」「o」「u」を、それぞれ「'a'」「'o'」「'u'」と記載し、エスツェットを「ss」と記載した。下線は、当審で付与したものである。)。 (ア)「Ein erfindungsgem'a'sses Kraftfahrzeug umfasst eine erfindungsgem'a'sse Fahrerassistenzeinrichtung. Das Kraftfahrzeug ist bevorzugt ein Personenkraftwagen. Die Fahrerassistenzeinrichtung kann beispielsweise ein 'U'berwachungssystem f'u'r einen Totwinkelbereich des Kraftfahrzeugs und/oder ein Unfallfr'u'herkennungssystem, insbesondere f'u'r die Auffahrunf'a'lle von hinten und/oder ein ACC(Additive Course Control)-System sein. 」(第10頁第9~14行)(当審訳: 【0027】 本発明によるによる車両は、本発明による運転者支援デバイスを備えている。この車両は、旅客自動車であることが望ましい。 【0028】 1つの例として、運転者支援デバイスは、自動車の死角範囲に対する監視システム、および/または事故早期警告システム(特に、後方からの衝突に関わる事故)、および/またはACC(車間自動制御システム:Additive Course Control)システム)であってよい。) (イ)「Ein in Fig. 1 dargestelltes Kraftfahrzeug 1 umfasst eine Fahrerassistenzeinrichtung 2, die den Fahrer beim F'u'hren des Kraftfahrzeugs 1 unterst'u'tzt. Das Kraftfahrzeug 1 ist im Ausf'u'hrungsbeispiel ein Personenkraftwagen. Die Fahrerassistenzeinrichtung 2 kann beispielsweise ein 'U'berwachungssystem f'u'r den Totwinkelbereich und/oder ein Unfallfr'u'herkennungssystem und/oder ein ACC-System sein. Die Fahrerassistenzeinrichtung 2 umfasst ein erstes Radarger'a't 3 sowie ein zweites Radarger'a't 4. Das erste Radarger'a't 3 ist in einer linken Ecke eines hinteren Stossf'a'ngers und das zweite Radarger'a't 4 in einer rechten Ecke desselben Stossf'a'ngers angeordnet. Das erste und das zweite Radarger'a't 3, 4 sind Frequenzmodulation-Dauerstrich-Radarger'a'te (Frequency Modulated Continuous Wave Radar, FMCW-Radar). Das erste und das zweite Radarger'a't 3, 4 sind mit einer Signalverarbeitungseinrichtung 5 gekoppelt. Selbige Signalverarbeitungseinrichtung 5 kann zum Beispiel einen f'u'r das erste und das zweite Radarger'a't 3, 4 gemeinsamen Mikrokontroller 6 umfassen, wie auch einen in den Figuren nicht dargestellten digitalen Signalprozessor. Alternativ k'o'nnen auch zwei Mikrocontroller 6 und/oder zwei digitale Signalprozessoren vorgesehen sein, die zum Beispiel 'u'ber einen im Kraftfahrzeug 1 vorhandenen Kommunikationsbus miteinander kommunizieren. Das erste Radarger'a't 3 weist einen ersten Erfassungsbereich 7 auf. Der Erfassungsbereich 7 ist in horizontaler Richtung durch einen Azimutwinkelbereich α definiert, welcher in Fig. 1 durch zwei Linien 7a, 7b begrenzt ist. Entsprechend weist das zweite Radarger'a't 4 einen Erfassungsbereich 8 auf, welcher durch einen entsprechenden Azimutwinkelbereich α definiert ist, n'a'mlich in horizontaler Richtung. Der Azimutwinkelbereich α ist durch zwei Linien 8a, 8b begrenzt. Die Azimutwinkelbereiche α betragen im Ausf'u'hrungsbeispiel etwa 170°. Die Erfassungsbereiche 7, 8 der Radarger'a'te 3, 4 'U'berschneiden sich, sodass ein 'U'berlappungsbereich 9 gegeben ist. Der 'U'berlappungsbereich 9 ist durch die Linien 7b, 8b winkelig begrenzt. Im Ausf'u'hrungsbeispiel betr'a'gt ein 'O'ffnungswinkel βdes 'U'berlappungsbereichs 9 etwa 70°. In ihren jeweiligen Erfassungsbereichen 7, 8 k'o'nnen die Radarger'a'te 3, 4 Objekte orten. Insbesondere k'o'nnen die Radarger'a'te 3, 4 eine Entfernung eines Objektes von dem jeweiligen Radarger'a't 3, 4, wie auch eine relative Geschwindigkeit eines Objektes bez'u'glich des Kraftfahrzeugs 1 bestimmen. Fig. 2 zeigt ein Blockschaltbild eines einzelnen Radarger'a'ts 3, 4 einschliesslich der Signalverarbeitungseinheit 5. Das Radarger'a't 3, 4 umfasst eine Sendeantenneneinheit 13, die eine Antennengruppe bzw. Antennenmatrix (Array) sein und ein Vielzahl von Patch-Antennen umfassen kann. Die Sendeantenneneinheit 13 wird 'u'ber eine Speiseschaltung 14 gespeist. Die Sendeantenneneinheit 13 wird mithilfe eines lokalen Oszillators 15 gespeist, welcher ein Sendesignal S0 erzeugt. Dieses Sendesignal S0 ist eine frequenzmodulierte elektromagnetische Welle, deren Frequenz im Ausf'u'hrungsbeispiel einen s'a'gezahnf'o'rmigen Verlauf aufweist. Dieser wird weiter unten unter Bezug auf Fig. 3 n'a'her erl'a'utert. Also ist das Sendesignal S0 frequenzmoduliert; seine Frequenz l'a'uft periodisch zwischen einem ersten Frequenzwert und einem zweiten Frequenzwert. Die mittlere Frequenz des Sendesignals S0 betr'a'gt im Ausf'u'hrungsbeispiel 24 GHz. Der lokale Oszillator 15 wird durch die Signalverarbeitungseinheit 5 angesteuert. Der Oszillator 15 ist zum Beispiel ein spannungsgesteuerter Oszillator (Voltage Control Oszillator), welcher das Sendesignal S0 mit einer solchen Frequenz erzeugt, die abh'a'ngig von der Amplitude einer von der Signalverarbeitungseinheit 5 an dem Oszillator 15 bereitgestellten Gleichspannung ist. Das Radarger'a't 3, 4 umfasst ausserdem einen Emp'a'nger 16. Dieser Empf'a'nger 16 umfasst eine Empfangsantenneneinheit 17, die im Ausf'u'hrungsbeispiel eine Vielzahl von Patch-Antennen umfassen kann. Die Empfangsantenneneinheit 17 kann ebenfalls eine zweidimensionale Antennenmatrix (Array) sein. Die Empfangsantenneneinheit 17 ist mit einer Speiseschaltung 18 gekoppelt. Die Speiseschaltung 18 stellt ein Signal SE bereit, welches ein Empfangssignal ist. Das empfangene Signal SE wird mithilfe eines rauscharmen Verst'a'rkers 19 (Low Noise Amplifier) verst'a'rkt, mithilfe eines Mischers 20 herabgemischt, mithilfe eines Tiefpassfilters 21 tiefpassgefiltert und mittels eines Analog-Digital-Wandlers 22 analog-digital-gewandelt. Zum Herabmischen des empfangenen Signals SE wird das Sendsignal S0 verwendet; das Sendesignal S0 wird an den Mischer 20 gef'u'hrt, n'a'mlich beispielsweise mithilfe eines Richtkopplers. Das empfangene digitale Signal SE wird dann mithilfe der Signalverarbeitungseinrichtung 5 verarbeitet. Aus dem Signal SE bestimmt die Signalverarbeitungseinrichtung 5 zum Beispiel die Entfernung des Objektes, wie auch eine relative Geschwindigkeit. Fig. 2 ist eine Prinzipdarstellung des Radarger'a'ts 3, 4. Zum Beispiel kann das Radarger'a't 3, 4 auch weitere Empf'a'nger 16 mit jeweils einer Empfangsantenneneinheit 17 beinhalten; das Radarger'a't 3, 4 kann gleichfalls mehrere Sendeantenneneinheiten 13 beinhalten. Also ist das Radarger'a't 3, 4 in Fig. 2 lediglich beispielhaft abgebildet. 」(第11頁第5行~第13頁第6行)(当審訳: 【発明を実施するための形態】 【0033】 図1に示す自動車1は、運転者支援デバイス2を備え、この運転者支援デバイス2は、運転者が自動車1を制御する際の支援を行う。典型的な実施形態では、自動車1は、旅客自動車である。1つの例として、運転者支援デバイス2は、死角範囲に対する監視システム、および/または事故早期警告システム、および/またはACCシステムであってよい。運転者支援デバイス2は、第1のレーダ3と第2のレーダ4とを備えている。第1のレーダ3は、後部バンパの左側角に配置され、第2のレーダ4は、同じバンパの右側角に配置されている。第1および第2のレーダ3、4は、周波数変調連続波レーダ(FMCWレーダ)である。 【0034】 第1および第2のレーダ3、4は、信号処理デバイス5に結合している。1つの例として、前記信号処理デバイス5は、第1および第2のレーダ3、4が共有するマイクロコントローラ6、または図には示されていないディジタル信号プロセッサを備えることができる。あるいは、2つのマイクロコントローラ6、および/または2つのディジタル信号プロセッサを備えることができ、これらは、例えば、自動車1の中に備えられている通信バスを介して互いに通信する。 【0035】 第1のレーダ3は、第1の検出エリア7を有する。検出エリア7は、水平方向に方位角範囲αで画定され、これは、図1では2つの線7a、7bによって境界が決められている。それに対応して、第2のレーダ4は、検出エリア8を有し、これは、具体的には水平方向に、対応した方位角範囲αで画定される。方位角範囲αは、2つの線8a、8bによって境界が決められている。方位角範囲αは、典型的な実施形態では約170°である。レーダ3、4の検出エリア7、8は、互いに交差しており、従って、オーバーラップエリア9が生ずる。このオーバーラップエリア9は、線7b、8bによって角度の境界が決められている。典型的な実施形態では、オーバーラップエリア9の開口角βは、約70°である。 【0036】 レーダ3、4は、それぞれ自分の検出エリア7、8の中の物体の位置判定を行うことができる。特に、レーダ3、4は、それぞれのレーダ3、4から物体までの距離と、物体の自動車1に対する相対速度とを判定することができる。 【0037】 図2は、信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4のブロック図を示す。レーダ3、4は、送信アンテナユニット13を備えている。送信アンテナユニット13は、アンテナ行列(アレイ)であってよく、複数のパッチアンテナを備えることができる。送信アンテナユニット13は、給電回路14を介して給電される。送信アンテナユニット13は、送信信号S0を生成する局部発振器15によって給電される。この送信信号S0は、周波数変調された電磁波であり、典型的な実施形態におけるこの周波数は、鋸歯状波形プロファイルを有している。これに関しては、以下で、図3を参照して更により詳細に説明する。従って、送信信号S0は、周波数変調されて、その周波数は、第1の周波数値と第2の周波数値との間を周期的に変化する。典型的な実施形態における送信信号S0の中心周波数は、24GHzである。 【0038】 局部発振器15は、信号処理ユニット5によって制御される。1つの例として、発振器15は、電圧制御発振器であり、これは、DC電圧の振幅に依存した周波数の送信信号S0を生成する。このDC電圧は、信号処理ユニット5によって発振器15に与えられる。 【0039】 レーダ3、4は、受信機16を更に備える。この受信機16は、受信機アンテナユニット17を備える。受信機アンテナユニット17は、典型的な実施形態では、複数のパッチアンテナを備えることができる。受信アンテナユニット17は、同様に2次元のアンテナ行列(アレイ)であってよい。受信アンテナユニット17は、給電回路18に結合している。給電回路18は、信号SEを生成し、これは受信信号である。受信信号SEは、低雑音増幅器19によって増幅され、ミキサ20によってダウンコンバートされ、低域通過フィルタ21によって低域通過フィルタリングされ、さらに、アナログディジタル変換器22によって、アナログ形からディジタル形に変換される。送信信号S0を使用して受信信号SEがダウンコンバートされる。送信信号S0はミキサ20に渡される(具体的には、例えば、方向性結合器によって)。受信されたディジタル信号SEは、その後、信号処理デバイス5によって処理される。1つの例として、信号処理デバイス5は、信号SEを使用して、物体の距離と共に相対速度を判定する。 【0040】 図2は、レーダ3、4の概略を示している。1つの例として、レーダ3、4はまた、更なる受信機16を含むこともでき、各受信機は、受信アンテナユニット17を有する。レーダ3、4は、同様に、複数の送信アンテナユニット13を含むことができる。従って、レーダ3、4は、図2には、1つの例だけを示している。) (ウ)「Die Funktionsweise der Radarger'a'te 3, 4 wird nachfolgend n'a'her beschrieben: Die Sendeantenneneinheit 13, und genauer gesagt die Speiseschaltung 14, kann so gesteuert werden, dass sie nacheinander verschiedene Teilbereiche A, B, C, D, E, F, G, H des Erfassungsbereichs 7 beleuchtet. Zum Beispiel kann dazu eine Sendekeule der Sendeantenneneinheit 13 elektronisch in horizontaler Richtung geschwenkt werden (nach dem Phase-Array-Prinzip). Die Empfangsantenneneinheit 17 kann in diesem Fall in horizontaler Richtung eine breite Empfangscharakteristik aufweisen, mit der der gesamte Erfassungsbereich 7 abgedeckt wird. Andere Ausgestaltungen k'o'nnen alternativ oder erg'a'nzend schmale Empfangswinkelbereiche in Verbindung mit breiten Sendekeulen realisieren. In Fig. 1 sind der 'U'bersicht halber lediglich die Teilbereiche A bis H des Erfassungsbereichs 7 des ersten Radarger'a'ts 3 dargestellt. Entsprechend ist hier auch der Erfassungsbereich 8 des Radarger'a'ts 4 in mehrere Teilbereiche unterteilt, die durch das Radarger'a't 4 nacheinander erfasst werden. Wenngleich sich die weitere Beschreibung lediglich auf das Radarger'a't 3 bezieht, entspricht die Funktionsweise des Radarger'a'ts 4 der des Radarger'a'ts 3. In einem einzelnen Messzyklus werden die Teilbereiche A bis H durch das Radarger'a't 3 nacheinander erfasst. In einem einzelnen Messzyklus sendet das Radarger'a't 3 f'u'r jeden Teilbereich A bis H (also pro Beam) separat jeweils eine vorbestimmte Folge von frequenzmodulierten Signalpulsen (Chirps). Also sendet das Radarger'a't 3 pro Messzyklus und pro Teilbereich A bis H jeweils eine Folge von frequenzmodulierten Signalpulsen. Und zwar sendet das Radarger'a't 3 jeweils einen Block von 16 bis 64 frequenzmodulierten Signalpulsen. Ein solcher Block bzw. eine solche Folge von linear-frequenzmodulierten Signalpulsen 23 ist in Fig. 3 dargestellt. Gezeigt ist die Funktion einer Frequenz f in Abh'a'ngigkeit von der Zeit t. Die Parameter der Folge von Signalpulsen 23 sind: - eine Zeitdauer TChirp eines einzelnen frequenzmodulierten Signalpulses, - eine Zeitdauer TPause einer Pause zwischen den einzelnen Signalpulsen 23, - eine Anzahl NChirp von Signalpulsen innerhalb eines Blocks, - ein Frequenzhub fHub - eine Differenz zwischen einer oberen Frequenz fE und einer unteren Frequenz fA , - eine mittlere Frequenz f0 = 24 GHz. 」 (第13頁第7行~第14頁第6行)(当審訳: 【0041】 次に、レーダ3、4を動作させる方法を、より詳細に説明する。 【0042】 送信アンテナユニット13と、さらに正確には、給電回路14とは、検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御することができる。1つの例として、送信アンテナユニット13の送信ローブは、水平方向に電子的に指向性を向けることができる(フェーズドアレイ原理に基づいて)。この場合には、受信アンテナユニット17は、水平方向に広い受信特性を有することができ、検出エリア7の全域をカバーすることができる。更に、代替として、または追加的に、広い送信ローブと連携させて、狭い受信角度範囲にするように工夫することもできる。 【0043】 明白にするために、図1では、第1のレーダ3の検出エリア7のサブエリアA~Hだけを示している。この場合には、レーダ4の検出エリア8は、それに対応して、やはり複数のサブエリアに分割されており、これらのサブエリアは、レーダ4によって順次に連続的にカバーされる。以下の記述はレーダ3だけに関連して説明するが、レーダ4の操作の方法も、レーダ3の操作の方法に対応している。 【0044】 サブエリアA~Hは、単一の測定サイクルの中で、レーダ3によって連続的にカバーされる。レーダ3は、それぞれの場合に、単一の測定サイクルの中で、各サブエリアA~Hに対して所定のシーケンスの周波数変調信号パルス(チャープ)を個別に送信する(つまり、ビーム毎に)。従って、レーダ3は、それぞれの場合に、測定サイクル毎に、またサブエリアA~H毎に1シーケンスの周波数変調信号パルスを送信する。正確に言うと、レーダ3は、それぞれの場合に、16から64までの周波数変調信号パルスから成るブロックを送信する。線形周波数変調信号パルス23のこのようなブロック、またはこのようなシーケンスは、図3に示されている。この図は、周波数fの関数を時間tの関数として示している。信号パルス23のシーケンスに対するパラメータは、 -個々の周波数変調信号パルスの継続時間TChirp、 -個々の信号パルス23の間の空き時間の継続時間TPause、 -1つのブロックの中の信号パルスの数NChirp、 -周波数シフトfShift(上限周波数fEと下限周波数fAとの間の差)、 -中心周波数f0=24GHz である。) (エ)「Nach einem jeden Messzyklus ermittelt die Signalverarbeitungseinheit 5 jeweils einige Messwerte sowohl f'u'r die Entfernung als auch f'u'r die relative Geschwindigkeit, dies aufgrund der jeweiligen Mehrdeutigkeiten. Die endg'u'ltige Entfernung sowie die endg'u'ltige relative Geschwindigkeit bestimmt die Signalverarbeitungseinrichtung 5 wie folgt:」(第16頁第13~16行)(当審訳: 【0056】 それぞれの測定サイクルの後に、信号処理ユニット5は、それぞれの場合に、距離および相対速度の両方に対する複数の測定値を判定する。その理由は、それぞれ不明確さが生じているからである。最終的な距離および最終的な相対速度は、信号処理デバイス5によって、次に示すように判定される。) 上記記載より、次の技術事項を読み取ることができる(段落番号は、当審訳中の段落番号である。)。 ア 段落【0027】、【0028】及び【0033】より、「自動車1に備えられた運転者支援デバイス2であって、運転者支援デバイス2は、自動車の死角範囲に対する監視システム、および/または事故早期警告システム(特に、後方からの衝突に関わる事故)、および/またはACC(車間自動制御システム:Additive Course Control)システム)であってよい。」との技術事項を読み取ることができる。 イ 段落【0033】及び【0034】より、「運転者支援デバイス2は、第1のレーダ3と第2のレーダ4とを備えており、第1のレーダ3は、後部バンパの左側角に配置され、第2のレーダ4は、同じバンパの右側角に配置され、第1および第2のレーダ3、4は、周波数変調連続波レーダ(FMCWレーダ)であり、第1および第2のレーダ3、4は、信号処理デバイス5に結合している。」との技術事項を読み取ることができる。 ウ 段落【0035】及び【0036】より、「第1のレーダ3は、第1の検出エリア7を有し、検出エリア7は、水平方向に方位角範囲αで画定され、これは、2つの線7a、7bによって境界が決められ、それに対応して、第2のレーダ4は、検出エリア8を有し、これは、具体的には水平方向に、対応した方位角範囲αで画定され、方位角範囲αは、2つの線8a、8bによって境界が決められ、方位角範囲αは、典型的な実施形態では約170°であり、レーダ3、4の検出エリア7、8は、互いに交差しており、従って、オーバーラップエリア9が生じ、このオーバーラップエリア9は、線7b、8bによって角度の境界が決められ、典型的な実施形態では、オーバーラップエリア9の開口角βは、約70°であり、レーダ3、4は、それぞれ自分の検出エリア7、8の中の物体の位置判定を行うことができる。」との技術事項を読み取ることができる。 エ 段落【0037】、 【0039】及び【0040】より、「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4は、送信アンテナユニット13を備え、送信アンテナユニット13は、アンテナ行列(アレイ)であってよく、複数のパッチアンテナを備えることができ、レーダ3、4は、受信機16を更に備え、この受信機16は、受信機アンテナユニット17を備え、受信機アンテナユニット17は、複数のパッチアンテナを備えることができ、受信アンテナユニット17は、同様に2次元のアンテナ行列(アレイ)であってよく、レーダ3、4はまた、更なる受信機16を含むこともでき、各受信機は、受信アンテナユニット17を有し、レーダ3、4は、同様に、複数の送信アンテナユニット13を含むことができる。」との技術事項を読み取ることができる。 オ 段落【0042】、【0043】より、「送信アンテナユニット13と、給電回路14とは、検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御することができ、送信アンテナユニット13の送信ローブは、水平方向に電子的に指向性を向けることができ(フェーズドアレイ原理に基づいて)、レーダ4の検出エリア8は、それ(第1のレーダ3の検出エリア7のサブエリアA~H)に対応して、やはり複数のサブエリアに分割されており、これらのサブエリアは、レーダ4によって順次に連続的にカバーされる。」との技術事項を読み取ることができる。 カ 段落【0043】及び【0044】より、「サブエリアA~Hは、単一の測定サイクルの中で、レーダ3によって連続的にカバーされ、レーダ3は、それぞれの場合に、単一の測定サイクルの中で、各サブエリアA~Hに対して所定のシーケンスの周波数変調信号パルス(チャープ)を個別に送信し(つまり、ビーム毎に)、従って、レーダ3は、それぞれの場合に、測定サイクル毎に、またサブエリアA~H毎に1シーケンスの周波数変調信号パルスを送信し、レーダ4の操作の方法も、レーダ3の操作の方法に対応している。」との技術事項を読み取ることができる。 キ 段落【0056】には、「それぞれの測定サイクルの後に、信号処理ユニット5は、それぞれの場合に、距離および相対速度の両方に対する複数の測定値を判定する。」との技術事項が記載されている。 以上の技術事項及び図面の記載を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「自動車1に備えられた運転者支援デバイス2であって、運転者支援デバイス2は、自動車の死角範囲に対する監視システム、および/または事故早期警告システム(特に、後方からの衝突に関わる事故)、および/またはACC(車間自動制御システム:Additive Course Control)システム)であってよく、 運転者支援デバイス2は、第1のレーダ3と第2のレーダ4とを備えており、第1のレーダ3は、後部バンパの左側角に配置され、第2のレーダ4は、同じバンパの右側角に配置され、第1および第2のレーダ3、4は、周波数変調連続波レーダ(FMCWレーダ)であり、第1および第2のレーダ3、4は、信号処理デバイス5に結合しており、 第1のレーダ3は、第1の検出エリア7を有し、検出エリア7は、水平方向に方位角範囲αで画定され、これは、2つの線7a、7bによって境界が決められ、それに対応して、第2のレーダ4は、検出エリア8を有し、これは、具体的には水平方向に、対応した方位角範囲αで画定され、方位角範囲αは、2つの線8a、8bによって境界が決められ、方位角範囲αは、典型的な実施形態では約170°であり、レーダ3、4の検出エリア7、8は、互いに交差しており、従って、オーバーラップエリア9が生じ、このオーバーラップエリア9は、線7b、8bによって角度の境界が決められ、典型的な実施形態では、オーバーラップエリア9の開口角βは、約70°であり、レーダ3、4は、それぞれ自分の検出エリア7、8の中の物体の位置判定を行うことができ、 信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4は、送信アンテナユニット13を備え、送信アンテナユニット13は、アンテナ行列(アレイ)であってよく、複数のパッチアンテナを備えることができ、レーダ3、4は、受信機16を更に備え、この受信機16は、受信機アンテナユニット17を備え、受信機アンテナユニット17は、複数のパッチアンテナを備えることができ、受信アンテナユニット17は、同様に2次元のアンテナ行列(アレイ)であってよく、レーダ3、4はまた、更なる受信機16を含むこともでき、各受信機は、受信アンテナユニット17を有し、レーダ3、4は、同様に、複数の送信アンテナユニット13を含むことができ、 送信アンテナユニット13と、給電回路14とは、検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御することができ、送信アンテナユニット13の送信ローブは、水平方向に電子的に指向性を向けることができ(フェーズドアレイ原理に基づいて)、レーダ4の検出エリア8は、それ(第1のレーダ3の検出エリア7のサブエリアA~H)に対応して、やはり複数のサブエリアに分割されており、これらのサブエリアは、レーダ4によって順次に連続的にカバーされ、 サブエリアA~Hは、単一の測定サイクルの中で、レーダ3によって連続的にカバーされ、レーダ3は、それぞれの場合に、単一の測定サイクルの中で、各サブエリアA~Hに対して所定のシーケンスの周波数変調信号パルス(チャープ)を個別に送信し(つまり、ビーム毎に)、従って、レーダ3は、それぞれの場合に、測定サイクル毎に、またサブエリアA~H毎に1シーケンスの周波数変調信号パルスを送信し、レーダ4の操作の方法も、レーダ3の操作の方法に対応しており、 それぞれの測定サイクルの後に、信号処理ユニット5は、それぞれの場合に、距離および相対速度の両方に対する複数の測定値を判定する、 自動車1に備えられた運転者支援デバイス2。」 (3)対比 本願補正発明と引用発明1とを対比する。 ア 引用例1の段落【0037】に「典型的な実施形態における送信信号S0の中心周波数は、24GHzである。」と記載されているように、引用発明1における「第1のレーダ3と第2のレーダ4」が、光のように直進性の強い電波、つまり、レーダ光線を送信および受信していることは明らかである。 よって、引用発明1における「第1のレーダ3と第2のレーダ4」と、これに結合された「信号処理デバイス5」(引用発明1では、「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」とも表現される。)が本願補正発明における「レーダ光線を送信および受信する少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)」に相当する。 イ 引用発明1における「自動車1に備えられた運転者支援デバイス2」は、「第1のレーダ3と第2のレーダ4とを備えており」、「運転者支援デバイスは、自動車の死角範囲に対する監視システム、および/または事故早期警告システム(特に、後方からの衝突に関わる事故)、および/またはACC(車間自動制御システム:Additive Course Control)システム)であってよ」いから、本願補正発明における「自動車(2)の周辺状況を監視するための自動車(2)用のレーダシステム(1)」に相当する。 ウ 引用発明1において「自動車1」の前後の軸線が本願補正発明における「自動車1の軸線」に相当するから、引用発明1において「第1のレーダ3は、後部バンパの左側角に配置され、第2のレーダ4は、同じバンパの右側角に配置され」、「第1のレーダ3は、第1の検出エリア7を有し、検出エリア7は、水平方向に方位角範囲αで画定され、これは、2つの線7a、7bによって境界が決められ、それに対応して、第2のレーダ4は、検出エリア8を有し、これは、具体的には水平方向に、対応した方位角範囲αで画定され、方位角範囲αは、2つの線8a、8bによって境界が決められ、方位角範囲αは、典型的な実施形態では約170°であり、レーダ3、4の検出エリア7、8は、互いに交差しており、従って、オーバーラップエリア9が生じ、このオーバーラップエリア9は、線7b、8bによって角度の境界が決められ、典型的な実施形態では、オーバーラップエリア9の開口角βは、約70°であ」るとされていることと、本願補正発明における「前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ共通の軸線(3)に対して40°から50°の間の角度(100)で配置されて」いることは、「前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ共通の軸線(3)に対して所定の角度で配置されて」いる点で共通する。 エ 引用発明1における「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4は、送信アンテナユニット13を備え、送信アンテナユニット13は、アンテナ行列(アレイ)であってよく、複数のパッチアンテナを備えることができ、レーダ3、4は、受信機16を更に備え、この受信機16は、受信機アンテナユニット17を備え、受信機アンテナユニット17は、複数のパッチアンテナを備えることができ、受信アンテナユニット17は、同様に2次元のアンテナ行列(アレイ)であってよく、レーダ3、4はまた、更なる受信機16を含むこともでき、各受信機は、受信アンテナユニット17を有し、レーダ3、4は、同様に、複数の送信アンテナユニット13を含むことができ」、「送信アンテナユニット13の送信ローブは、水平方向に電子的に指向性を向けることができ(フェーズドアレイ原理に基づいて)」ることが、本願補正発明における「前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ複数の位相制御式のアンテナを有して」いることに相当する(なお、「複数の位相制御式のアンテナ」が、それぞれの位相が制御される複数のアンテナを行列(アレイ)配置して構成されるフェーズドアレイ・アンテナを意味するのではなく、フェーズドアレイ・アンテナを「複数」備える意味であると解釈しても、引用発明1は、「レーダ3、4は、同様に、複数の送信アンテナユニット13を含むことができ」、「レーダ3、4はまた、更なる受信機16を含むこともでき」るのであるから、この点は相違点とはならない。)。 オ 引用発明1の「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」において、「第1のレーダ3」の有する「第1の検出エリア7」の「異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、H」、及び「第2のレーダ4」の有する「検出エリア8」の「複数のサブエリア」が、本願補正発明における「前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)」の有する「視野(51,52,53)」に相当する。 カ 引用発明1における「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」は、「第1のレーダ3は、第1の検出エリア7を有し、検出エリア7は、水平方向に方位角範囲αで画定され、これは、2つの線7a、7bによって境界が決められ、それに対応して、第2のレーダ4は、検出エリア8を有し、これは、具体的には水平方向に、対応した方位角範囲αで画定され、方位角範囲αは、2つの線8a、8bによって境界が決められ、方位角範囲αは、典型的な実施形態では約170°であ」り、「送信アンテナユニット13と、給電回路14とは、検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御することができ、送信アンテナユニット13の送信ローブは、水平方向に電子的に指向性を向けることができ(フェーズドアレイ原理に基づいて)、レーダ4の検出エリア8は、それ(第1のレーダ3の検出エリア7のサブエリアA~H)に対応して、やはり複数のサブエリアに分割されており、これらのサブエリアは、レーダ4によって順次に連続的にカバーされ」ることと、本願補正発明における「前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)は、前記複数の位相制御式のアンテナが振幅変調及び/又は位相変調によりそれぞれ各レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に対して相対的に-60°から+60°の角度(101)に旋回可能な視野(51,52,53)を有するように構成されて」いることとは、「前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)は、前記複数の位相制御式のアンテナが振幅変調及び/又は位相変調によりそれぞれ各レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の投射方向に120゜以上となる角度に旋回可能な視野(51,52,53)を有するように構成されて」いる点で共通する。 キ 引用発明1に示された、フェーズドアレイ原理に基づいて、送信ローブを水平方向に電子的に指向性を向けることができるアンテナ、つまりフェーズドアレイ・アンテナは、機械的な走査アンテナに比べ、「概ね同時」といえる程度の短時間に走査が可能であることは、技術常識である。 よって、引用発明1において、「送信アンテナユニット13と、給電回路14とは、検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照ら」し、「サブエリアA~Hは、単一の測定サイクルの中で、レーダ3によって連続的にカバーされ」、「レーダ4の操作の方法も、レーダ3の操作の方法に対応して」いることが、本願補正発明における「前記レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)のうちの少なくとも1つがこれらのレーダセンサの方向に関連して少なくとも2つの異なる視野を概ね同時に前記複数の位相制御式のアンテナに提供するように構成されて」いることに相当するといえる。 ク 引用発明1において「送信アンテナユニット13と、給電回路14とは、検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御することができ」、「レーダ4の検出エリア8は、それ(第1のレーダ3の検出エリア7のサブエリアA~H)に対応して、やはり複数のサブエリアに分割されており、これらのサブエリアは、レーダ4によって順次に連続的にカバーされる」から、引用発明1の「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」が、かかる「制御」を行う装置を備えていることが、本願補正発明1における「少なくとも1つの前記レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナのそれぞれの視野(51,52,53)を制御するための制御装置(S)が配置されて」いることに相当する。 ケ 上記カ及びクにおける対比を踏まえると、引用発明1における、「制御」を行う装置が「送信アンテナユニット13と、給電回路14とは、送信アンテナユニット13と、給電回路14とは、検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御することができ」、「レーダ4の検出エリア8は、それ(第1のレーダ3の検出エリア7のサブエリアA~H)に対応して、やはり複数のサブエリアに分割されており、これらのサブエリアは、レーダ4によって順次に連続的にカバーされる」よう構成されていることと、本願補正発明1における「前記制御装置(S)は、少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナのそれぞれの前記視野(51,52,53)を少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に関連して+45°から0°、0°から-45°の間で振幅変調及び/又は位相変調により旋回させて調節するように構成されて」いることとは、「前記制御装置(S)は、少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナのそれぞれの前記視野(51,52,53)を少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の投射方向に所定の範囲で振幅変調及び/又は位相変調により旋回させて調節するように構成されて」いる点で共通する。 コ 上記カ、ク及びケにおける対比を踏まえると、引用発明1における「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」の備える「送信アンテナユニット13の送信ローブ」を「水平方向に電子的に指向性を向けることができ(フェーズドアレイ原理に基づいて)」、「レーダ4の検出エリア8は、それ(第1のレーダ3の検出エリア7のサブエリアA~H)に対応して、やはり複数のサブエリアに分割されており、これらのサブエリアは、レーダ4によって順次に連続的にカバーされ」、「レーダ4の検出エリア8は、それ(第1のレーダ3の検出エリア7のサブエリアA~H)に対応して、やはり複数のサブエリアに分割されており、これらのサブエリアは、レーダ4によって順次に連続的にカバーされ」ることが、本願補正発明における「少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナがそれぞれのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の投射方向(52a)に異なる角度(101)に構成された視野を有している」ことに相当する。 サ 以上の対比を踏まえると、引用発明1における、「自動車1に備えられた運転者支援デバイス2」は、「第1のレーダ3と第2のレーダ4とを備えており」、「運転者支援デバイスは、自動車の死角範囲に対する監視システム、および/または事故早期警告システム(特に、後方からの衝突に関わる事故)、および/またはACC(車間自動制御システム:Additive Course Control)システム)であってよ」いから、次の相違点を除いて、本願補正発明における「自動車(2)のためのレーダシステム(1)」に相当する。 以上より、本願補正発明と引用発明1との一致点、相違点は次のとおりである。 (一致点) 「レーダ光線を送信および受信する少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)を有する自動車(2)の周辺状況を監視するための自動車(2)用のレーダシステム(1)において、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ共通の軸線(3)に対して所定の角度で配置されていて、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ複数の位相制御式のアンテナを有しており、前記少なくとも2つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)は、前記複数の位相制御式のアンテナが振幅変調及び/又は位相変調によりそれぞれ各レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の投射方向に120゜以上となる角度に旋回可能な視野(51,52,53)を有するように構成されており、 前記レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)のうちの少なくとも1つがこれらのレーダセンサの方向に関連して少なくとも2つの異なる視野を概ね同時に前記複数の位相制御式のアンテナに提供するように構成されており、 少なくとも1つの前記レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナのそれぞれの視野(51,52,53)を制御するための制御装置(S)が配置されており、 前記制御装置(S)は、少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナのそれぞれの前記視野(51,52,53)を少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の投射方向に所定の範囲で振幅変調及び/又は位相変調により旋回させて調節するように構成されており、 少なくとも1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナがそれぞれのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の投射方向に異なる角度(101)に構成された視野を有している ことを特徴とする自動車(2)のためのレーダシステム(1)。」 <相違点ア> 本願補正発明では、レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)を共通の軸線(3)に対して配置する角度が、「40°から50°の間」とされているのに対し、引用発明1では、「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」が「自動車1」の前後の軸線に対し、具体的にどのような角度で「配置」されているか、明らかでない点。 <相違点イ> 本願補正発明では、レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の旋回可能な視野(51,52,53)が、「主投射方向(52a)に対して相対的に-60°から+60°の角度(101)」とされているのに対し、引用発明1では、「送信ローブ」を「水平方向に電子的に指向性を向けることができ(フェーズドアレイ原理に基づいて)」る「送信アンテナユニット13」を備えた「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」の「検出エリア7」及び「検出エリア8」の「水平方向」の「方位角範囲α」が、典型的な実施形態では「約170°」とされている点。 <相違点ウ> 本願補正発明では、制御装置(S)がアンテナの視野(51,52,53)を旋回させて調節する範囲が、「レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)に関連して+45°から0°、0°から-45°の間」とされているのに対し、引用発明1における、「検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御する」装置では、「(フェーズドアレイ原理に基づいて)」、「送信アンテナユニット13」の「送信ローブ」を「水平方向に電子的に指向性を向け」ているものの、「水平方向に電子的に指向性を向け」る角度範囲が示されていない点。 <相違点エ> 本願補正発明では、複数の位相制御式のアンテナが有している視野が、「レーダセンサ(4a,4b,4c,4d)の主投射方向(52a)」に対して相対的に異なる角度(101)に構成されているのに対し、引用発明1では「送信アンテナユニット13」の「送信ローブ」は、「(フェーズドアレイ原理に基づいて)」を「水平方向に電子的に指向性を向け」られているものの、「検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らす」「送信ローブ」の水平方向の角度は、「送信アンテナユニット13」の主投射方向(52a)」に対する相対的に異なる角度として規定されていない点。 (4)判断 そこで、上記相違点について検討する。なお、相違点相互の関係に鑑み、まず<相違点エ>について判断する。 ア <相違点エ>について 例えば、特開平8-97758号公報(以下、「周知例」という。)に、 「【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、目的の対象物に対して電波を送信または受信する機能を有する、例えばレーダあるいは通信等の分野で使用されるフェーズドアレイアンテナに関するものである。 【0002】【従来の技術】図7は例えば「アンテナ工学ハンドブック」(オーム社)に示された従来のフェーズドアレイアンテナを示すブロック図であり、図において、1i(i=1~n)は素子アンテナ、2i(i=1~n)は素子アンテナ1iからの受信信号、あるいは素子アンテナ1iへ供給する送信信号の位相量を変化させるための移相器、3は素子アンテナ1iで受信した信号を合成し、また素子アンテナ1iへ供給する信号を分配する分配合成回路、4は移相器2iの位相を制御するための位相制御回路、5はフェーズドアレイアンテナのビームを所定の方向に向けるための角度指令回路である。」 「【0006】この時、ビーム指向方向Sが、フェーズドアレイアンテナのビーム中心すなわちこのフェーズドアレイアンテナの法線方向ベクトルnから離れてくると、フェーズドアレイアンテナのビーム指向方向に対する投影面積の低下及び素子アンテナ1iの素子パターンによって、利得の低下ΔGが生じ、近似的に数2で表される。」 と記載されているように、「フェーズドアレイアンテナは、ビーム中心(フェーズドアレイアンテナの法線方向)(本願補正発明でいう、「主投射方向(52a)」)の利得が最も高く、ビーム中心(フェーズドアレイアンテナの法線方向)から離れてくると(本願補正発明の用語で言い換えれば、「主投射方向(52a)」に対する「相対的に異なる角度(101)」が大きくなると)利得の低下が生じること」は周知の事項である。 よって、引用発明1における、「(フェーズドアレイ原理に基づいて)」「水平方向に電子的に指向性を向け」るアンテナ、すなわちフェーズドアレイアンテナにおいて、「検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らす」「送信ローブ」の水平方向の角度を、「送信アンテナユニット13」のビーム中心(フェーズドアレイアンテナの法線方向)に対する相対的に異なる角度として規定し、上記<相違点エ>に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 イ <相違点ア>ないし<相違点ウ>について 次に、<相違点ア>ないし<相違点ウ>に示された角度範囲は相互に関連しているから、<相違点ア>ないし<相違点ウ>についてまとめて判断する。 (ア)上記「ア」で述べたとおり、レーダに用いられるフェーズドアレイアンテナは、ビーム中心(フェーズドアレイアンテナの法線方向)(本願補正発明でいう、「主投射方向(52a)」)の利得が最も高く、ビーム中心(フェーズドアレイアンテナの法線方向)から離れてくると利得の低下が生じるものである。 よって、フェーズドアレイアンテナの上記特性を踏まえ、検出エリア内での利得の低下を少なくするため、引用発明1における、「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」の「検出エリア7」及び「検出エリア8」の「水平方向」の「方位角範囲α」を、単一のレーダ3、4のビーム中心(フェーズドアレイアンテナの法線方向)に対し-α/2から+α/2の角度範囲とすべきことは、レーダの設計にあたり、当業者が考慮すべき事項である。 (イ)同様に、引用発明1における「検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御する」装置において、「(フェーズドアレイ原理に基づいて)」、「送信アンテナユニット13」の「送信ローブ」を「水平方向に電子的に指向性を向け」る角度範囲を、「送信ローブ」の検知エリアの広がり等を考慮して、「検出エリア7」及び「検出エリア8」が「送信アンテナユニット13」のビーム中心(フェーズドアレイアンテナの法線方向)に対し、-α/2から+α/2の角度範囲となるような、所定の角度範囲とすることも、レーダの設計にあたり、当業者が考慮すべき事項である。 (ウ)さらに、引用発明1の「後部バンパの左側角」に「第1のレーダ3」を「配置」し、「同じバンパの右側角」に「第2のレーダ4」を配置するにあたって、「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」の「自動車1」の前後の軸線に対する角度は、自動車の死角範囲対する監視及び後方からの衝突に関わる早期警告のため、レーダ3、4の検出エリア7、8が、互いに交差する角度とすべきことも、レーダの設計にあたり、当業者が考慮すべき事項である。 よって、引用発明1におけるレーダの設計にあたり、上記(ア)ないし(ウ)で述べた事項を考慮し、 (ア’)引用発明1における「検出エリア7」及び「検出エリア8」の「水平方向」の「方位角範囲α」(典型的な実施形態では「約170°」)をα=120゜とし、単一のレーダ3、4のビーム中心(フェーズドアレイアンテナの法線方向)に対し-60゜から+60゜の角度範囲とし、上記<相違点イ>に係る本願補正発明の構成とすること、 (イ’)「検出エリア7の異なるサブエリアA、B、C、D、E、F、G、Hを順次に連続して照らすことができるように制御する」装置において、「(フェーズドアレイ原理に基づいて)」、「送信アンテナユニット13」の「送信ローブ」を「水平方向に電子的に指向性を向け」る角度範囲を、「送信ローブ」の検知エリアの広がり等を考慮して、-45゜から+45゜の角度範囲し、上記<相違点ウ>に係る本願補正発明の構成とすること、 (ウ’)さらに、引用発明1の「後部バンパの左側角」に「第1のレーダ3」を「配置」し、「同じバンパの右側角」に「第2のレーダ4」を配置するにあたり、レーダ3、4の検出エリア7、8が互いに交差するよう、「信号処理ユニット5を含む単一のレーダ3、4」が「自動車1」の前後の軸線に対し、「40°から50°の間」の角度で配置し、上記<相違点ア>に係る本願補正発明の構成とすること、 は、当業者が容易になし得たことである。 また、上記各相違点を総合的に勘案しても、本願補正発明に係る作用効果は、引用発明1、周知の事項、及び周知の事項に基づく設計から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著であるとすることはできない。 なお、本願補正発明における「1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナ」については、それぞれの位相が制御される複数のアンテナを行列(アレイ)配置して構成される「フェーズドアレイアンテナ」を、1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有することを意味するものと解釈したが、「1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナ」との記載を、1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が、「フェーズドアレイアンテナ」を複数有している、という意味に解釈した場合について、念のため検討する。 引用発明1には「レーダ3、4はまた、更なる受信機16を含むこともでき、各受信機は、受信アンテナユニット17を有し、レーダ3、4は、同様に、複数の送信アンテナユニット13を含むことができ」ることが示されており、このようにフェーズドアレイアンテナを複数組み合わせて用いる際、これらのなかから最も利得の高くなるフェーズドアレイアンテナを選択して、切り替えることも、例えば上記周知例の段落【0009】に「従って、広い角度範囲にわたってビームを走査する必要がある場合には、図8に示すように複数個のフェーズドアレイアンテナを配置し、これらのなかから最も利得の高くなるフェーズドアレイアンテナを選択して、切り替える切替回路10を設けた構成とする」と記載されているとおり、周知の事項であるから、本願補正発明における「1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が有する前記複数の位相制御式のアンテナ」との記載を、1つのレーダセンサ(4a,4b,4c,4d)が、「フェーズドアレイアンテナ」を複数有している、という意味に解釈しても、本願補正発明は、引用発明1及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本願補正発明は、引用発明1、周知の事項に基づいて、当業者か容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成28年1月8日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成27年4月3日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1を引用する請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記第2の[理由]「1」「(2)」に記載したとおりのものである。 2 引用刊行物 原査定の拒絶の理由で引用された引用例1及びその記載事項は、前記第2の[理由]「2」「(2)」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]「2」で検討した本願補正発明から、第2の[理由]「2」の「(限定1)」ないし「(限定3)」に係る限定を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を追加したものに相当する本願補正発明が、前記第2の[理由]「2」「(3)、(4)」に記載したとおり、引用発明1及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明1及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-000382

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