意匠拒絶査定不服審判
2015-013721
コップ
- 審判番号
- 2015-013721
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2014-018744外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2015年07月21日
- 審決日
- 2015年10月22日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ロゴスコーポレーション
- 【請求人代理人】大西 正夫
- 分類
- D18 .113-WY (C5-2)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2014-18744「コップ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【 結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【 理 由】
1.本願意匠
本願は,平成26年(2014年)8月27日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「コップ」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面代用の写真に現されたとおりとするものである。(別紙第1参照)
2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,本願の出願前に特許庁から発行された登録実用新案公報に記載の実用新案登録第3169695号の「喫飲用食器」における【図1】(a)(b)(c)に表された喫飲用食器の意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)
3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,本願意匠の意匠に係る物品は「コップ」であるところ,引用意匠の考案の名称は「喫飲用食器」であるが,その考案の内容から,飲み口部を備えた飲みやすい飲食用の食器であって,引用意匠の形状がおおむね細い円筒形であることを加えて勘案すると,引用意匠は「コップ」と言って差し支えないものであるから,両意匠の物品は,共通する。
(2)形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(2-1)共通点
基本的構成態様において,周面から底面にかけて角丸とした縦長の略円筒形であって,具体的構成態様においては,開口上縁部(以下,単に「上縁部」という。)の一部分を下り傾斜にしつつ,突出部を設けている点で,共通する。
(2-2)相違点
それに対して,具体的構成態様において,(a)全体のプロポーション(縦横比)につき,本願意匠は,相対的にやや細長いのに対して,引用意匠は,ややずんぐりとしている点,(b)周面の角度につき,本願意匠は,円錐台形状(下すぼみ形状)と直ちに分かるほど角度が付いているのに対して,引用意匠は,ほぼ円筒形と思われるほど垂直に近い点,(c)上縁部の,下り傾斜していない部分につき,引用意匠が,開いてやや外側に広がる態様としているのに対して,本願意匠は,そのような態様としていない点,(d)下り傾斜の部分につき,本願意匠は,側面視で上縁部の長さの約半分の部分であるのに対して,引用意匠は,約4分の1部分である点,(e)突出部の態様につき,本願意匠は,三日月状平面で,帽子の鍔状(つばじょう)としているのに対して,引用意匠は,垂直断面形状を先端に向かって徐々に小さくなる丸V字状の溝とした鳥のくちばし様としている点,(f)内底面の態様につき,本願意匠は,突起を1つ設けているのに対して,引用意匠は,突起を設けていない点,で相違する。
(3)類否判断
上縁部に突出部などを設けないのが通常であるこの種物品分野においては,上縁部の一部分に突出部を設けたのみで,一見,若干の共通感を生み出すものである。
しかし,相違点(a)及び同(b)が相まって,本願意匠は,より細身であると感じさせる態様であるのに対して,引用意匠は,ずんぐりとした感じであるから,この点については,僅かに両意匠の類否判断に影響を与えるもので,相違点(d)及び同(e)に示した各々の態様は,本願意匠は,「意匠に係る物品の説明」の欄で言うところの,傾斜倒立させる際に,より安定するようにしたものであるのに対して,引用意匠は,口内に注ぎやすいようにしたものであって,それぞれ両意匠の異なる目的を合理的に達成させるための態様であって,これらの相違点は,両意匠のそれぞれの使用の目的が異なることを想起させる態様と認められるから,両意匠の類否判断に強く影響を与えるものである。
よって,その他の相違点を挙げるまでもなく,上記相違点がもたらす印象で,共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものであり,両意匠の形態は類似しないといえる。
したがって,両意匠の意匠に係る物品は共通しているが,形態は類似しないから,両意匠は,類似しているとはいえない。
4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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