審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許無効審判

2014-800056

液晶表示デバイス

審判番号
2014-800056
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願平10-503800
登録番号
特許第3828158号(P3828158)
請求日
2014年04月11日
審決日
2017年11月06日
公報発行日
2019年10月25日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】DIC 株式会社
  • 【請求人代理人】長谷川 芳樹
  • 【請求人代理人】清水 義憲
  • 【請求人代理人】城戸 博兒
  • 【請求人代理人】池田 正人
  • 【請求人代理人】吉住 和之
  • 【被請求人】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
  • 【被請求人代理人】葛和 清司
  • 【被請求人代理人】塩崎 進
  • 【被請求人代理人】小田切 美紗
  • 【被請求人代理人】松浦 綾子
審判長/審判官
  • 審判長 吉村 尚
  • 審判官 黒瀬 雅一
  • 審判官 木村 敏康
分類
P1123.113-ZAA(G02F) / P1123.121-ZAA(G02F) / P1123.537-ZAA(G02F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第184条の4第1項、特許法第29条第1項第3号、特許法第134条の2第1項、特許法第134条の2第9項、特許法第126条第3項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の特許第3828158号発明「液晶表示デバイス」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第3828158号の明細書、特許請求の範囲、及び図面を訂正請求書に添付された訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2、3、23、24〕、4、5、〔6、7〕、8ないし14、〔15ないし22〕、25ないし34について、訂正することを認める。 特許第3828158号の請求項1、4ないし14、25ないし34に記載された発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件特許第3828158号は、1997年6月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 1996年7月1日 欧州特許庁(EP))を国際出願日とする出願であって、平成18年7月14日に設定登録がなされたものである。 そして、本件無効審判請求に係る手続の経緯は、以下のとおりである。 平成26年4月11日  無効審判請求書提出 平成26年5月15日  補正書提出(請求人) 平成26年8月20日  審判事件答弁書、訂正請求書提出 平成26年10月6日  弁駁書提出(請求人) 平成27年2月27日  口頭審理陳述要領書提出(請求人) 平成27年2月27日  口頭審理陳述要領書提出(被請求人) 平成27年3月13日  上申書提出(被請求人) 平成27年3月13日  口頭審理 平成27年3月16日  上申書提出(請求人) 平成27年3月27日  上申書提出(請求人) 平成27年3月27日  上申書提出(被請求人) 平成27年4月17日  上申書、証拠説明書提出(被請求人) 平成27年11月4日  審決の予告 平成28年2月8日   訂正請求書、上申書提出(被請求人) 平成28年3月28日  弁駁書提出(請求人) 平成28年5月20日  審尋 平成28年5月31日  上申書提出(被請求人) 平成28年6月20日  回答書提出(請求人) 平成28年7月19日  上申書、証拠説明書提出(被請求人) 平成28年12月3日  審決の予告 平成29年3月21日  訂正請求書、上申書、証拠説明書提出(被請求人) 平成29年5月1日   弁駁書提出(請求人) 第2 訂正請求について 1.訂正の内容 被請求人が平成29年3月21日付けの訂正請求書により請求する訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の明細書(含む特許請求の範囲)を、訂正請求書に添付した訂正明細書(含む特許請求の範囲)のとおり、訂正後の請求項1~34に訂正しようとするものであって、その請求の内容は以下のとおりである。 (1)訂正事項1 ア.訂正事項1-1 特許請求の範囲の請求項1の 「組合せを含み」を、 「組合せを含む液晶表示デバイスであって」(下線は審決で付した。以下同じ。)と、及び 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む液晶表示デバイスであって」を、 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み、」と訂正する。 イ.訂正事項1-2 特許請求の範囲の請求項1の 「a)少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」を、 「式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン75~99重量%」と訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2の 「広帯域反射型偏光板を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示デバイス。」を 「液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み、上記アニソトロピックポリマー層がホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有するものであって、広帯域反射型偏光板を含むことを特徴とする、前記液晶表示デバイス。」と訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4の 「補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマー層を含み、これらの層の少なくとも1枚がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜であることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の液晶表示デバイス。」を、 「液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜また は偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、一CO一、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CHー、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、 そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み、上記アニソトロピックポリマー層がホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有することを特徴とし、補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマー層を含み、これらの層の少なくとも1枚がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜であることを特徴とし、 該重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%、 a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを10~80重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm からなることを特徴とする、 前記液晶表示デバイス。」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4の 「請求項1、2または3に記載の液晶表示デバイス。」を、 訂正前の請求項2および3を引用しないものとすること(訂正事項3)に伴い、訂正前の請求項4のうち、請求項2および3を引用するものを、「補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマー層を含み、これらの層の少なくとも1枚がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜であることを特徴とする、請求項2または3に記載の液晶表示デバイス。」として、新たな請求項23に書き改める。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5の 「複合補償膜の少なくとも1層が、これらの層の少なくとも1つの別の層の光学対称軸とは異なる配向の光学対称軸を有することを特徴とする、請求項4に記載の液晶表示デバイス。」を、 「液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、一CO一、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH (ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、ーCH2O-、-CH=CHー、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み、上記アニソトロピックポリマー層がホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有することを特徴とし、補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマー層を含み、これらの層の少なくとも1枚がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜であることを特徴とし、 複合補償膜の少なくとも1層が、これらの層の少なくとも1つの別の層の光学対称軸とは異なる配向の光学対称軸を有することを特徴とし、 該重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲンを75~99重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppm からなることを特徴とする、 前記液晶表示デバイス。」と訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項5の 訂正前の請求項2および3を引用する訂正前の請求項4を引用するものを、 訂正前の請求項4のうち請求項2および3を引用するものを新たな請求項23として書き改めた訂正事項4に伴い、「複合補償膜の少なくとも1層が、これらの層の少なくとも1つの別の層の光学対称軸とは異なる配向の光学対称軸を有することを特徴とする、請求項23に記載の液晶表示デバイス。」として、新たな請求項24に書き改める。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項6の 「a)少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」を、 「a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CHー、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、で表される化合物から選択される、少なくとも2個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」と訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8の 「重合性メソゲン物質の混合物が、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンおよび2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを含有することを特徴とする、請求項6または7に記載の補償膜。」を、 「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、一CO一、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、ーCH2O-、-CH=CHー、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン および 式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレンー2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CHー、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基 を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、 ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜。」と訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9の 「重合性メソゲン物質の混合物が、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンを含有することを特徴とする、請求項6または7に記載の補償膜。」を、 「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CHー、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン75~99重量%を b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含有する重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜。」と訂正する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10の 「重合した材料が、三次元網状構造体を形成していることを特徴とする、請求項6~9のいずれかに記載の補償膜。」を、 「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a1)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH (ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II’ (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン15~85重量%、および a2)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはC1により置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、で表される化合物から選択される、少なくとも2個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン10~80重量%を b)開始剤0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppm、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られ、 該重合した材料が、三次元網状構造体を形成していることを特徴とする、前記補償膜。」と訂正する。 (11)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11の 「重合性メソゲン物質が、下記式Iで表わされる化合物であることを特徴とする、請求項6~10のいずれかに記載の補償膜: P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有するスペーサー基であり、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、0または1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する。」を 「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C- により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを、 b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜。」と訂正する。 (12)訂正事項12 訂正前の請求項11について、訂正前の請求項6を引用する請求項9を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項28に書き改める。 (13)訂正事項13 特許請求の範囲の請求項12の 「重合性メソゲン物質の混合物が本質的に下記成分からなることを特徴とする請求項6~11のいずれかに記載の補償膜:」を 「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレンー2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られ、 該重合性メソゲン物質の混合物が本質的に下記成分からなることを特徴とする、前記補償膜:」と訂正する。 (14)訂正事項14 訂正前の請求項12について、訂正前の請求項6を引用する訂正前の請求項11を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項25に書き改める。 (15)訂正事項15 訂正前の請求項12について、訂正前の請求項6を引用する訂正前の請求項10を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項26に書き改める。 (16)訂正事項16 特許請求の範囲の請求項13の 「重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に下記成分からなることを特徴とする請求項6~11のいずれかに記載の補償膜:」を 「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含有する重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とし、 重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に下記成分からなることを特徴とする前記補償膜:」と訂正する。 (17)訂正事項17 訂正前の請求項13について、訂正前の請求項6を引用する請求項11を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項27に書き改める。 (18)訂正事項18 特許請求の範囲の請求項14の 「請求項6~13のいずれかに記載の重合性メソゲン物質の混合物。」を 「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、 a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、一S一、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、 b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤 を含む、前記混合物。」と訂正する。 (19)訂正事項19 訂正前の請求項14について、訂正前の請求項6を引用する請求項11を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項29に書き改める。 (20)訂正事項20 訂正前の請求項14について、訂正前の請求項6を引用する請求項9を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項30に書き改める。 (21)訂正事項21 訂正前の請求項14について、訂正前の請求項6を引用する請求項8を引用する請求項11を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項31に書き改める。 (22)訂正事項22 訂正前の請求項14について、訂正前の請求項6を引用する請求項9を引用する請求項11を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項32に書き改める。 (23)訂正事項23 訂正前の請求項14について、訂正前の請求項6を引用する請求項12を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項33に書き改める。 (24)訂正事項24 訂正前の請求項14について、訂正前の請求項6を引用する請求項13を引用するものを、書き下すとともに減縮し、新たな請求項34に書き改める。 (25)訂正事項25 特許請求の範囲の請求項15の 「広帯域反射型偏光板により透過される光の位相リターデーションの視角角度依存性を補償するための、請求項6~13のいずれかに記載の補償膜の使用。」とあるのを、「広帯域反射型偏光板により透過される光の位相リターデーションの視角角度依存性を補償するための、 ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜の使用。」と訂正する。 (26)訂正事項26 訂正前の請求項15のうち、訂正前の請求項7~13を引用するものを、それぞれ新たな請求項16~22として書き改める。 (27)訂正事項27 願書に添付した明細書(本件特許公報第13頁第21~23行)に「Pは特に好ましくは、ビニル基、アクリレート基、メタアクリレート基、プロペニル基またはエポキシ基であり、非常に特に好ましくは、アクリレート基である。」とある誤訳を 「Pは特に好ましくは、ビニル基、アクリレート基、メタアクリレート基、プロペニルエーテル基またはエポキシ基であり、非常に特に好ましくは、アクリレート基である。」と訂正する。 (28)訂正事項28 願書に添付した明細書(本件特許公報第14頁第42行~第15頁第1行)に「本発明の好適態様において、補償膜は、下記成分からなる重合性メソゲン物質の混合物から得られる:a1)少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンの10~99重量%、a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンの0~90重量%、b)0.01~5重量%の開始剤、c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物の0~20重量%、およびd)0~1000ppmの安定剤。」とある誤訳を 「本発明の好適態様において、補償膜は、下記成分を含む重合性メソゲン物質の混合物から得られる:a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンの10~99重量%、a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンの0~90重量%、b)0.01~5重量%の開始剤、c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物の0~20重量%、およびd)0~1000ppmの安定剤。」と訂正する。 (29)訂正事項29 願書に添付した明細書(本件特許掲載公報第16頁第32~34行)に「このポリマーフイルムは、光学的に透明であり、垂直入射で見た場合、複屈折を伴わないメソゲン基のホメオトロピック配向を示し、また偏光光学顕微鏡下で視角の増大に従う複屈折率の増加を示した。」とある誤訳を 「このポリマーフイルムは、偏光光学顕微鏡下で、光学的に透明であり、垂直入射で見た場合に複屈折を伴わず、かつ視角の増大とともに増加する複屈折率を伴う、メソゲン基のホメオトロピック配向を示した。」と訂正する。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正事項1について ア.訂正事項1-1について 訂正事項1-1は、請求項1において、訂正前の「液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含み、該補償膜は・・・重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む液晶表示デバイスであって」との記載を、訂正後の「液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は・・・重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み」との記載として、液晶デバイスの構成と補償膜の構成をそれぞれ明瞭にすると共に両者の関係を明瞭にしたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的としたものである。 そして、訂正事項1-1は、上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 イ.訂正事項1-2について 訂正事項1-2は、訂正前の請求項1の少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンに関して、具体的に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項1-2は、願書に添付した明細書(特許第3828158号公報(以下「本件特許公報」という。)の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30、40行、第14頁第44~45行、第15頁第2~5行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用した記載であったものを、請求項1の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、上記「(1)ア.」のとおり、訂正前の明瞭でない記載を明瞭としたものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そして、訂正事項2は、上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は、訂正前の請求項4が請求項1~3の記載を引用した記載であったものを、請求項2、及び3を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、上記「(1)ア.」のとおり、訂正前の明瞭でない記載を明瞭とし、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンに関して、具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、明瞭でない記載の釈明、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項3は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30、40行、第14頁第49~第15頁第1行、第15頁第19~25行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (4)訂正事項4について 訂正事項4は、訂正前の請求項4が請求項1~3の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項2、3に伴い、上記請求項4を訂正後の請求項2、及び3に従属する新たな請求項23とするものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項4は、上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (5)訂正事項5について 訂正事項5は、訂正前の請求項5が請求項1~3の記載を引用した請求項4を引用した記載であったものを、請求項2、及び3を引用する請求項4の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、及び重合性メソゲンの混合物に関して、具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項5は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30、40行、第14頁第48~第15頁第5行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (6)訂正事項6について 訂正事項6は、訂正前の請求項5が請求項1~3の記載を引用した請求項4を引用した記載であったものを、上記訂正事項4、及び5に伴い、上記請求項5を請求項23に従属する新たな請求項24とするものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項6は、上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (7)訂正事項7について 訂正事項7は、訂正前の請求項6の少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンに関して、具体的に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項7は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第5行、第13頁第23~30、40行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (8)訂正事項8について 訂正事項7は、訂正前の請求項8が請求項6、及び7の記載を引用した記載であったものを、請求項6の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、及び2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項8は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30、40行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (9)訂正事項9について 訂正事項9は、訂正前の請求項9が請求項6、及び7の記載を引用した記載であったものを、請求項6の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項9は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30行、第15頁第2~5行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (10)訂正事項10について 訂正事項10は、訂正前の請求項10が請求項6~9の記載を引用した記載であったものを、請求項6の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、重合性メソゲン物質の混合物に関して、具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項10は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30、40行、第14頁第49行~第15頁第1行、第15頁第19~25行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (11)訂正事項11について 訂正事項11は、訂正前の請求項11が請求項6~10の記載を引用した記載であったものを、請求項6の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、Sp、n、及び重合性メソゲン物質の混合物の基板上への塗布に関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項11は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第13頁第23~30、40行、第7頁第3~4、17~19行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (12)訂正事項12について 訂正事項12は、訂正前の請求項11が請求項6~10の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項11に伴い、請求項6を引用する請求項9の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項28とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、Sp、n、Mg、R、及び重合性メソゲン物質の混合物に関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項12は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第13頁第23~30、40行、第14頁第48~第15頁第5行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (13)訂正事項13について 訂正事項13は、訂正前の請求項12が請求項6~11の記載を引用した記載であったものを、請求項6の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンに関して、具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項13は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (14)訂正事項14について 訂正事項14は、訂正前の請求項12が請求項6~11の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項13に伴い、請求項6を引用する請求項11の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項25とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、Sp、n、Mg、及び重合性メソゲン物質の混合物の基板上への塗布に関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項14は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第13頁第23~30、40行、第7頁第3~4、17~19行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (15)訂正事項15について 訂正事項15は、訂正前の請求項12が請求項6~11の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項13に伴い、請求項6を引用する請求項10の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項26とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲン、及び2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項15は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第13頁第23~30、40行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (16)訂正事項16について 訂正事項16は、訂正前の請求項13が請求項6~11の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項13に伴い、請求項6の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、Sp、n、Mg、及びRに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項16は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第13頁第23~30、40行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (17)訂正事項17について 訂正事項17は、訂正前の請求項13が請求項6~11の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項16に伴い、請求項6を引用する請求項11の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項27とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、Sp、n、Mg、R、及び重合性メソゲン物質の混合物の基板上への塗布に関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項17は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第13頁第23~30、40行、第7頁第3~4、17~19行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (18)訂正事項18について 訂正事項18は、訂正前の請求項14が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、請求項6の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、重合性メソゲン物質の混合物、及び少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項18は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第6頁第3~18行、第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30、40行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (19)訂正事項19について 訂正事項19は、訂正前の請求項14が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項18に伴い、請求項6を引用する請求項11の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項29とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、重合性メソゲン物質の混合物、Sp、n、R、及び重合性メソゲン物質の混合物の基板上への塗布に関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項19は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第6頁第3~18行、第13頁第23~30、40行、第7頁第3~4、17~19行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (20)訂正事項20について 訂正事項20は、訂正前の請求項14が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項18に伴い、請求項6を引用する請求項9の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項30とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、重合性メソゲン物質の混合物、及び1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項20は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第6頁第3~18行、第13頁第23~30、40行、第15頁第2~4行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (21)訂正事項21について 訂正事項21は、訂正前の請求項14が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項18に伴い、請求項6を引用する請求項8を引用する請求項11の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項31とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、重合性メソゲン物質の混合物、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲン、及び2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項21は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第6頁第3~18行、第13頁第23~30、40行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (22)訂正事項22について 訂正事項22は、訂正前の請求項14が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項18に伴い、請求項6を引用する請求項9を引用する請求項11の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項32とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、重合性メソゲン物質の混合物、Sp、n、Mg、及びRに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項22は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第13頁第23~30、40行、第14頁第48~第15頁第5行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (23)訂正事項23について 訂正事項23は、訂正前の請求項14が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項18に伴い、請求項6を引用する請求項12の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項33とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、重合性メソゲン物質の混合物、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲン、及び2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項23は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30、40行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (24)訂正事項24について 訂正事項24は、訂正前の請求項14が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項18に伴い、請求項6を引用する請求項13の記載を引用しない独立形式の記載として新たな請求項34とするものであって、請求項間の引用関係を解消すると共に、重合性メソゲン物質の混合物、Sp、n、Mg、及びRに関して、それぞれ具体的に限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項24は、願書に添付した明細書(本件特許公報の第9頁第20行~第10頁第3行、第13頁第23~30、40行)、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (25)訂正事項25について 訂正事項25は、訂正前の請求項15が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、請求項6の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 そして、訂正事項25は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (26)訂正事項26について 訂正事項26は、訂正前の請求項15が請求項6~13の記載を引用した記載であったものを、上記訂正事項25に伴い、上記請求項7~13を訂正後の請求項15に直接または間接的に従属する新たな請求項16~22とするものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項26は、上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (27)訂正事項27について 本件特許法第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「外国語書面」という。)における訂正事項27の該当箇所に対応す る箇所(乙第7号証第26頁第11~13行)には、「P is particularly preferably a vinyl group, an acrylate group,a methacrylate group,a propenyl ether group or an epoxy group,very particularly preferably an acrylate group.」と記載されている。 そして、この記載は、本来、「Pは特に好ましくは、ビニル基、アクリレート基、メタアクリレート基、プロペニルエーテル基またはエポキシ基であり、非常に特に好ましくは、アクリレート基である。」と翻訳されるべきものであると判断される。 これに対して、外国語書面についての特許法第184条の4第1項所定の翻訳文は、「Pは特に好ましくは、ビニル基、アクリレート基、メタアクリレート基、プロペニル基またはエポキシ基であり、非常に特に好ましくは、アクリレート基である。」と記載されている(なお、この記載は、本件特許明細書にも同様に記載されている。)。 以上のことから、訂正事項27に係る訂正前の明細書の上記記載は、誤訳であるといえる。 したがって、訂正事項27は、訂正前の明細書の誤訳を訂正するものであるから、誤訳の訂正を目的とする訂正に該当するものである。 そして、訂正事項27は、上記のとおりであるから、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (28)訂正事項28について 本件特許法第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「外国語書面」という。)における訂正事項28の該当箇所に対応する箇所(乙第7号証第22頁第22行~第23頁1行)には、「In a preferred embodiment of the present invention, the compensation film is obtainable from a mixture of a polymerizable mesogenic material comprising the following components a1) 10 to 99% by weight of at least one mesogen according to formula I and II having one polymerizable functional group,a2) 0 to 90 % by weight of at least one mesogen according to formula I and II having two or more polymerizable functional groups, b) 0.01 to 5 % by weight of an initiator, c) 0 to 20 % by weight of a non-mesogenic compound having two or more polymerizable functional groups, and d) 0 to 1000 ppm of a stabilizer.」と記載されている。 そして、この記載は、本来、「本発明の好適態様において、補償膜は、下記成分を含む重合性メソゲン物質の混合物から得られる:a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンの10~99重量%、a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンの0~90重量%、b)0.01~5重量%の開始剤、c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物の0~20重量%、およびd)0~1000ppmの安定剤。」と翻訳されるべきものであると判断される。 これに対して、外国語書面についての特許法第184条の4第1項所定の翻訳文は、「本発明の好適態様において、補償膜は、下記成分からなる重合性メソゲン物質の混合物から得られる:a1)少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンの10~99重量%、a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンの0~90重量%、b)0.01~5重量%の開始剤、c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物の0~20重量%、およびd)0~1000ppmの安定剤。」と記載されている(なお、この記載は、本件特許明細書にも同様に記載されている。)。 以上のことから、訂正事項28に係る訂正前の明細書の上記記載は、誤訳であるといえる。 したがって、訂正事項28は、訂正前の明細書の誤訳を訂正するものであるから、誤訳の訂正を目的とする訂正に該当するものである。 そして、訂正事項28は、上記のとおりであるから、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (29)訂正事項29について 本件特許法第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「外国語書面」という。)における訂正事項29の該当箇所に対応する箇所(乙第5号証第26頁第10~13行)には、「The polymer film was optically cler and showed homeotropic orientation of the mesogenic groups with no birefringence when viewed at normal incidence and increasing birefringence with increasing viewing angle inder a polarising optical microscope.」と記載されている。 そして、この記載は、本来、「このポリマーフィルムは、偏光光学顕微鏡下で、光学的に透明であり、垂直入射で見た場合に複屈折を伴わず、かつ視野の増大とともに増加する複屈折率を伴う、メソゲン基のホメオトロピック配向を示した。」と翻訳されるべきものであると判断される。 これに対して、外国語書面についての特許法第184条の4第1項所定の翻訳文は、「このポリマーフィルムは、光学的に透明であり、垂直入射で見た場合、複屈折を伴わないメソゲン基のホメオトロピック配向を示し、また偏光光学顕微鏡下で視野の増大に従う複屈折率の増加を示した。」と記載されている(なお、この記載は、本件特許明細書にも同様に記載されている。)。 以上のことから、訂正事項29に係る訂正前の明細書の上記記載は、誤訳であるといえる。 したがって、訂正事項29は、訂正前の明細書の誤訳を訂正するものであるから、誤訳の訂正を目的とする訂正に該当するものである。 そして、訂正事項29は、上記のとおりであるから、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (30)一群の請求項について 訂正前の請求項1~5は、請求項2~4が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。 また、訂正前の請求項6~15は、請求項7~15が、訂正の請求の対象である請求項6の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。 したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。 そして、訂正後の請求項2~5、23、及び24に係る訂正事項2~6は、引用関係の解消を目的の一つとする訂正であって、その訂正は認められるものである。そして、被請求人から、訂正後の請求項2~5、23、及び24について訂正が認められるときは請求項1とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、訂正後の請求項2~5、23、及び24について請求項ごとに訂正することを認める。 訂正後の請求項8~22、及び25~34に係る訂正事項8~26は、引用関係の解消を目的の一つとする訂正であって、その訂正は認められるものである。そして、被請求人から、訂正後の請求項8~22、及び25~34について訂正が認められるときは請求項6、及び7とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、訂正後の請求項8~22、及び25~34について請求項ごとに訂正することを認める。 また、訂正後の請求項2、3、23、及び24は、上記訂正事項を含む請求項2の記載を請求項3、23、及び24が直接又は間接的に引用するものであるから、一群の請求項である。 訂正後の請求項6、及び7は、上記訂正事項を含む請求項6の記載を請求項7が直接的に引用するものであるから、一群の請求項である。 訂正後の請求項15~22は、上記訂正事項を含む請求項15の記載を請求項16~22が直接又は間接的に引用するものであるから、一群の請求項である。 また、願書に添付した明細書を訂正する訂正事項27~29は、訂正後の請求項1、4~14、25~34に対応する記載であって、願書に添付した明細書を訂正である当該訂正事項27~29と関係する一群の全てが請求の対象とされている。 (21)小括 したがって、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き第1号~第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、特許法第134条の2第9項の規定によって準用する特許法第126条第3項、第4項、第5項及び第6項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 第3 本件訂正後の特許発明 上記のとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1ないし34発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし34に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下、それぞれ「本件訂正発明1」、「本件訂正発明2」、・・・及び「本件訂正発明34」という。また、これらを総称して「本件訂正発明」という。)。 「1.液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合せを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン75~99重量%を b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマ-層を含み、上記アニソトロピックポリマ-層がホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有することを特徴とする、前記液晶表示デバイス。 2.液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマ-層を含み、上記アニソトロピックポリマ-層がホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有するものであって、広帯域反射型偏光板を含むことを特徴とする、前記液晶表示デバイス。 3.補償膜の位相リタ-デ-ションが広範囲の視角範囲にわたり広帯域反射型偏光板の位相リタ-デ-ションに対して、符号で反対であり、また大きさで実質的に同等であることを特徴とする、請求項2に記載の液晶表示デバイス。 4.液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマ-層を含み、上記アニソトロピックポリマ-層がホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有することを特徴とし、補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマ-層を含み、これらの層の少なくとも1枚がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜であることを特徴とし、 該重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%、 a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを10~80重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm からなることを特徴とする、 前記液晶表示デバイス。 5.液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-,-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A33- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み、上記アニソトロピックポリマー層がホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有することを特徴とし、補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマー層を含み、これらの層の少なくとも1枚がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜であることを特徴とし、 複合補償膜の少なくとも1層が、これらの層の少なくとも1つの別の層の光学対称軸とは異なる配向の光学対称軸を有することを特徴とし、 該重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲンを75~99重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm からなることを特徴とする、 前記液晶表示デバイス。 6.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマ-層を含む補償膜であって、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも2個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の-方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜。 7.少なくとも1つの基板がプラスティックフィルムであることを特徴とする、請求項6に記載の補償膜。 8.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、 および 式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)nについて示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜。 9.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-,-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上CH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン75~99重量%を b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含有する重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜。 10.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマ-層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a1)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II’ (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2、6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン15~85重量%、および a2)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも2個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン10~80重量%を b)開始剤0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppm、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、こと によって得られ、 該重合した材料が、三次元網状構造体を形成していることを特徴とする、前記補償膜。 11.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であってこの基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを、 b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜。 12.ホメオトロピツク分子配向または傾斜したホメオトロピツク分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個CH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られ、 該重合性メソゲン物質の混合物が本質的に下記成分からなることを特徴とする、前記補償膜: a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%、 a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIによるメソゲンを10~80重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm。 13.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単 結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含有する重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピツク配向または傾斜したホメオトロピツク配向に転向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とし、 重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に下記成分からなることを特徴とする前記補償膜: a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲンを75~99重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm。 14.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、 a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味のーつを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、 b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤 を含む、前記混合物。 15.広帯域反射型偏光板により透過される光の位相リターデーションの視角角度依存性を補償するための、 ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、前記補償膜の使用。 16.少なくとも1つの基板がプラスティックフィルムであることを特徴とする、請求項15に記載の使用。 17.重合性メソゲン物質の混合物が、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンおよび2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを含有することを特徴とする、請求項15または16に記載の使用。 18.重合性メソゲン物質の混合物が、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンを含有することを特徴とする、請求項15または16に記載の使用。 19.重合した材料が三次元網状構造体を形成していることを特徴とする、請求項15~18のいずれかに記載の使用。 20.重合性メソゲン物質が、下記式Iで表わされる化合物であることを特徴とする、請求項15~19のいずれかに記載の使用: P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有するスペーサー基であり、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、0または1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-COH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する。 21.重合性メソゲン物質の混合物が本質的に下記成分からなることを特徴とする請求項15~20のいずれかに記載の使用: a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%、 a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIによるメソゲンを10~80重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm。 22.重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に下記成分からなることを特徴とする請求項15~20のいずれかに記載の使用: a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲンを75~99重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppm。 23.補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマー層を含み、これらの層の少なくとも1枚がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜であることを特徴とする、請求項2または3に記載の液晶表示デバイス。 24.複合補償膜の少なくとも1層が、これらの層の少なくとも1つの別の層の光学対称軸とは異なる配向の光学対称軸を有することを特徴とする、請求項23に記載の液晶表示デバイス。 25.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られ、 該重合性メソゲン物質の混合物が本質的に下記成分からなることを特徴とする、前記補償膜: a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%、 a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIによるメソゲンを10~80重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm。 26.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が A)本質的に a1)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II’ (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式I’およびII’に従うメソゲン15~85重量%、および a2)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIによるメソゲンを10~80重量% b)開始剤0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppmからなる、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られ、 重合した材料が、三次元網状構造体を形成していることを特徴とする、前記補償膜。 27.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含有する重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の-方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とし、 重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に下記成分からなることを特徴とする前記補償膜: a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲンを75~99重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppm。 28.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマ-層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンを、 b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とし、 重合性メソゲン物質の混合物が、下記成分を含有することを特徴とする前記補償膜: a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲンを75~99重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm。 29.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための、重合性メソゲン物質の混合物であって、 該補償膜が、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z11)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを、 b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られることを特徴とする、 前記混合物。 30.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、 a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン75~99重量%、 b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤 を含む、前記混合物。 31.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、 a1)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II’ (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、および a2)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、 b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤 を含む、前記混合物。 32.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、 a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン75~99重量%、 b)開始剤0.01~5重量% c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppmを含む、 前記混合物。 33.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、本質的に a)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II’ (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式I’およびII’に従うメソゲン15~85重量%、 a2)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIによるメソゲンを10~80重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm。 からなることを特徴とする、 前記混合物。 34.ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、本質的に、 a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン75~99重量%、 b)開始剤0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppm、 からなることを特徴とする、前記混合物。」 第3 請求人の主張及び証拠方法 請求人は、「特許第3828158号発明の請求項1、4~14に記載された発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、無効理由の概要は以下の1ないし3のとおりであって、本件特許は無効とすべきである旨主張している。 1.本件訂正発明1、14、及び29は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明1及び14の特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。(以下「無効理由1」という。) 2.本件訂正発明1、4~14、及び25~34は、甲第1号証ないし甲第11号証、甲第15号証、甲第16号証、甲第18号証、甲第19号証、及び甲第22号証ないし甲第26号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明1、4~14、及び25~34の特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきものである(以下「無効理由2」という。)。 3.本件訂正発明の解決しようとする課題は、「高融点を有し、従って配向および重合に高温を要」することのない重合性液晶組成物から製造される等の性質を有する補償膜を備えた液晶デバイスを提供することにあり、本件訂正発明における「少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」および本件訂正発明の「式Iで表される化合物」のいずれにも明らかに高融点のものがあると推認されるし、全文訂正明細書の発明の詳細な説明の記載に接した当業者には、本件訂正発明1、4~14、及び25~34における「少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」の混合物がいずれも低融点混合物であるとは推認されないから、本件訂正発明1、4~14及び25~34は、上記課題を解決できると当業者が認識する範囲を超えているというべきである。 したがって、本件訂正発明1、4~14、及び25~34は、本件特許の発明の詳細な説明の記載されたものとはいえず、本件訂正発明1、4~14、及び25~34の特許は特許法第36条第6項第1号の規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、本件特許は同法第123条第1項第4号の規定に該当し、無効とすべきものである。(以下「無効理由3」という。) また、上記無効理由を立証するための証拠方法は、以下のとおりである。 (証拠方法) [書証] 甲第1号証:欧州特許出願公開第659865号明細書 甲第2号証:特開平6-331826号公報 甲第3号証:特開平2-256023号公報 甲第4号証:特開平5-241019号公報 甲第5号証:特開平7-13022号公報 甲第6号証:特開平5-215921号公報 甲第7号証:特開平6-18864号公報 甲第8号証:特開平8-50270号公報 甲第9号証:Makromol.Chem,192,Page 59~74(1991) 甲第10号証:特開平5-178794号公報 甲第11号証:特開平8-231958号公報 甲第12号証:化学大辞典編集委員会編「化学大辞典9」、共立出版株式会社、1997年9月20日、縮刷版第36版、第357頁 甲第13号証:Journal of Polymer Science Part A:Polymer Chemistry,Voleme 29,Page 251-259(1991) 甲第14号証:Journal of Polymer Science Part A:Polymer Chemistry,Voleme 31,Page 2423-2436 (以上、審判請求書に添付して提出された。) 甲第1号証抄訳:甲第1号証の抄訳 甲第9号証抄訳:甲第9号証の抄訳 甲第13号証抄訳:甲第13号証の抄訳 甲第14号証抄訳:甲第14号証の抄訳 (以上、平成26年5月15日付け手続補正書に添付して提出された。) 甲第15号証:特開平3-140921号公報 甲第16号証:特開昭62-70406号公報 甲第17号証:特開昭58-102205号公報 (以上、平成26年10月6日付け弁駁書に添付して提出された。) 甲第18号証:化学大辞典編集委員会編「化学大辞典1」、共立出版株式会社、昭和56年10月15日、縮刷版第26版、第301~302頁 甲第19号証:社団法人日本化学会編「新実験化学講座19 高分子化学I」、丸善株式会社、第2刷、昭和55年11月20日、第275~289頁 (以上、平成27年2月27日付け口頭審理陳述要領書に添付して提出された。) 甲第1号証全訳:甲第1号証の全訳 甲第9号証全訳:甲第9号証の全訳 甲第13号証全訳:甲第13号証の全訳 甲第14号証全訳:甲第14号証の全訳 (以上、平成27年3月27日付け上申書に添付して提出された。) 甲第20号証:大木道則ほか3名編「化学事典」、株式会社東京化学同人、第1版第1刷、1994年10月1日発行、第72頁 甲第21号証:平成28年3月23日に中央大学教授池田富樹が作成した陳述書 甲第22号証:JOURNAL OF MATERIALS SCIENCE、p.4107-4114、1992 甲第22号証抄訳:甲第22号証の抄訳 甲第23号証:JOURNAL OF CHEMICAL SOCIETY,CHEMICAL COMMUNICATION、p.2195-2196、1995 甲第23号証抄訳:甲第23号証の抄訳 甲第24号証:POLYMER PREPINTS、Vol.34、No.1、p.701-702、1993 甲第24号証抄訳:甲第24号証の抄訳 (以上、平成28年3月28日付け弁駁書に添付して提出された。) 甲第1号証全訳:甲第1号証の全訳 甲第22号証全訳:甲第22号証の全訳 甲第23号証全訳:甲第23号証の全訳 甲第24号証全訳:甲第24号証の全訳 甲第25号証:松本正一 角田市良著「液晶の最新技術化学」、株式会社工業調査会、1983年9月15日2版発行、第51-53頁 甲第26号証:岡野光治 小林駿介編「液晶 応用編」、株式会社培風館、昭和61年11月10日初版第2刷発行、第54-61頁 (以上、平成28年6月20日付け回答書に添付して提出された。) 甲第27号証:特開平3-21904号公報 甲第28号証:岡野光治、小林駿介編「液晶 基礎編」、株式会社培風館、昭和61年9月25日初版第2刷発行、第206-209頁 甲第29号証:井口洋夫編「液晶」、共立出版株式会社、昭和57年9月20日初版第10刷発行、第14-15頁 甲第30号証:特開平2-6927号公報 (以上、平成29年5月1日付け弁駁書に添付して提出された。) なお、被請求人は、甲第1ないし19号証の成立を認めている。 第4 被請求人の主張及び証拠方法 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、上記請求人の主張に対し、概略、以下の1、及び2のとおり主張して、本件特許を無効とすべき理由はない旨の主張をしている。 1.無効理由1、2について 甲第1号証発明の重合性液晶組成物に甲第9号証に記載のモノマー6mのジアクリレート化合物をさらに含むようにしてみることや、また該化合物を含ませた重合性液晶組成物を用いてホメオトロピック配向補償膜を形成することの十分な「動機付け」はないし、「阻害事由」も存在する。(平成28年7月19日付け上申書(被請求人)2頁下から3行~8頁9行) 2.無効理由3について 本件訂正発明の課題は、とくに光波長帯域反射偏光板の補償膜として用いたときに、透過される光の位相リタデーションの視野角依存性を補償する補償膜を形成することにあり、前記の課題を解決するために、ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向したアニソトロピックポリマーで補償膜を形成することを見出したものである。そして、本件訂正発明の「少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」を「nが1」である、式1で表される化合物に具体的に特定することで上記課題を野解決のために十分に効果を奏することのできるものとしたから、本件訂正発明は、明細書に十分にサポートされている(審判事件答弁書15頁2行~19頁14行)。 また、上記無効理由に反論するための証拠方法は、以下のとおりである。 (証拠方法) [書証] 乙第1号証:Makromol.Chem,179,Page 2541~2544(1978) 乙第2号証:H.Finekelmann,Thermotropic Liquid Crystals,Critical Reports on Applied Chemistry Volume 22,Society of Chemical Industry (1987),p145~170 乙第3号証:Hiroshi Hasebe,Kiyofumi Takeuchi,Haruyoshi Takatsu,「Properties and Application of UV curable Liquid Crystals」,Journal of Photopolymer Science and Technology,Volume 10,No.1,1997年11月1日,p25~30 乙第1~3号証抄訳:乙第1~3号証の抄訳 (以上、平成27年3月27日付け上申書に添付して提出された。) 乙第4号証:2015年4月15日にPM-D/MERCKのStehen Mulcahyが作成した「Experimental Report 1」、「Experimental Report 2」 乙第4号証全訳:乙第4号証の全訳: (以上、平成27年4月17日付け上申書に添付して提出された。) 乙第5号証:国際公開第98/00475号、表紙 第26頁 (以上、平成28年2月8日付け訂正請求書に添付して提出された。) 乙第6号証:特許第4200195号公報 (以上、平成28年7月19日付け回答書に添付して提出された。) 乙第7号証:国際公開第98/00475号、表紙 第20、22、23頁 (以上、平成29年3月1日付け訂正請求書に添付して提出された。) 第5 主な各甲号証に記載されている事項 1.甲第1号証 請求人が提出した平成28年6月20日付けの回答書に添付された甲第1号証全文翻訳文に基づいて記載する。 甲第1号証には、以下のとおり記載されている。 ア.「特開平4-140921号公報には、一般式(R-2)で表される2官能性のアクリレート化合物を重合させた光学異方フィルムが記載されている。 式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、液晶化合物は重合体ネットワークを形成する重合性基を有している。また、該公報には、一般式(R-2)の重合性組成物にカイラル化合物を添加することによって光学異方フィルム中にメソゲンの螺旋構造を導入し、STN型液晶ディスプレイに好適な光学補償板(位相差板)を得る技術も記載されている。 一般式(R-2)の化合物によって、機械的強度と耐熱性の問題を有利にできる。しかしながら、該公報に例示されているように、一般式(R-2)においてR5がメチル基の化合物80重量部及びR5が水素原子の化合物20重量部から成る液晶組成物は、80~121℃と室温よりかなり高い温度範囲でネマチック液晶相を示し、また予期しない熱重合に起因してこのような重合性液晶組成物を用いて作製される光学異方性フィルムのメソゲンの配向が不均一になるという欠点があった。」(1頁末行~2頁13行) イ.「本発明が解決しようとする課題は、機械的強度及び耐熱性に優れ、均一でムラのない光学異方フィルムを得るために有用な、重合性化合物及び室温付近で液晶相を示す重合性液晶組成物を提供することにある。・・・ 本発明の重合性液晶組成物は、従来の重合性液晶組成物とは異なり、室温付近の温度で液晶相を示すという特徴を有し、これにより液晶状態での光重合の際に、望まない熱重合を誘起することがなく、均一な配向状態を固定化することができ、これまでにない優れた光学異方フィルム提供することができる。」(4頁15~33行) ウ.「本発明の重合性液晶組成物は、第1の単官能(メタ)アクリレート化合物以外の重合性官能基を有する液晶化合物を含んでいてもよい。 このような化合物としては、Dirk J. Broer等が報告(Makromol.Chem.1991年192巻59~74頁)ジアクリレート化合物、又は、上記特許で開示されているようなアクリレート化合物を挙げることができる。そのような液晶化合物の具体的な例は、以下の一般式(II)で表される第2の単官能(メタ)アクリレートである:・・・ さらに、本発明の重合性液晶組成物は、2,6-置換ナフタレン骨格を有する第3の単官能(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。第3の単官能(メタ)アクリレート化合物の例は、以下の一般式(N)で表される化合物を含む。・・・ 一般式(II)で表される第2の単官能(メタ)アクリレート化合物は、好ましくは本発明の重合性液晶組成物中に重量で50%以下の量含まれる。」(10頁8行~12頁2行) エ.「更に、本発明で使用する重合性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを目的として、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。ここで、使用することができる光重合開始剤としては、例えば、公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等を挙げることができる。その添加量は、重合性液晶組成物に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましい。 本発明で使用する重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加してもよい。ここで使用することができる安定剤としては公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール等を挙げることができる。その安定剤の添加量は0.05重量%以下が好ましい。・・・ 本発明はまた、前述の本発明における重合性液晶組成物を光重合および硬化することにより得られる光学異方フィルムを提供する。」(14頁9~26行) オ.「基板は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。具体的な例を挙げると有機材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等、また無機材料としてはシリコン、ガラス等を挙げることができる。 また、使用することができる基板は、堅固な材料であってもよく、また柔軟性を有する材料であってもよい。堅固な材料としては、上記したようなポリカーボネートやガラス基板等を挙げることができる。柔軟性を有する材料としては、透明性を有するフィルム状のものを挙げることができ、このような基板として偏光フィルムを用いた場合、光学異方フィルムを有する偏光フィルムを得ることができ、これは、液晶表示装置の構成部品として有用である。・・・ 重合性液晶組成物を意図する方向に配向させる方法を例示すると、布などによってラビングした基板やSiO2を斜方蒸着した配向膜を形成した基板を用いて、重合性液晶組成物を液晶状態のまま侠持したり、基板に塗工する(審決注:上記の甲第1号証全文翻訳文においては、「担持する」と訳されているが、原文(甲第1号証)には、「coating」とあるので、「塗工する」と訳した。)等の方法が用いられる。布等によってラビングした基板を用いる方法は単純で優れている。・・・ ホメオトロピック配向は、例えば垂直配向が得られる2枚の基板を一定の間隔をもって対向させ、この間に重合性液晶組成物を挟持させることによって得ることができる。 重合性液晶組成物を2枚の基板の間に介在させる方法として、(i)2枚の基板の間隔を制御した後に注入する方法、(ii)柔軟性を有する基板の場合には、この基板の上に重合性液晶組成物及びスペーサーからなる混合物を塗布して、その上に他方の基板を配置する方法がある。」(15頁9行~16頁25行) カ.「その配向構造は光学異方フィルムの用途によって、適当な配向状態を示すことが好ましい。そのような配向構造の例としては、前記水平配向、垂直配向、キラルネマチック配向、コレステリック俳句(審決注:「配向」の誤記。)、ホメオトロピック配向、ホモジニアス配向、及び、ハイブリッド配向を含む。」(21頁32~35行) 「種々の重合性液晶組成物から適当な製造方法により製造された本発明の光学異方フィルムは、光学表示素子、特に液晶表示素子の位相差板又は配向膜として使用することができる。」(26頁14~16行) キ.「本発明の液晶表示素子は、通常上記光学異方フィルム及び2枚の偏光板を含む。光学異方フィルムは、通常偏光板及び液晶セルの間に位置する。前述のような電極層を有する光学異方フィルムは、液晶セル内に配置して用いることができる。」(26頁32~34行) ク.「実施例1 式(a)の化合物50重量部及び式(c)50重量部からなる重合性液晶組成物(A)を調製した。 ・・・ 得られた組成物は室温でネマチック相を示した。ネマチック相から等方性液体相への相転移温度は55℃であった。」(27頁10~16行) ケ.「実施例4 式(a)の化合物10重量部、式(c)の化合物10重量部及び式(d)の化合物からなる重合性液晶組成物(D)を調製した。 得られた組成物は室温でネマチック相を示した。ネマチック相から等方性液体相への相転移温度は49℃であった。25℃における異常光屈折率(ne)と常光屈折率(no)は各々1.61と1.50だった。」(27頁下から3行~28頁4行) コ.「実施例7 式(a)の化合物50重量部及び式(d)の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物(E)を調製した。得られた組成物は室温でネマチック相を示した。ネマチック相から等方性液体相への相転移温度は47℃であった。また、25℃におけるne(異常光屈折率)は1.65であり、no(常光屈折率)は1.52であった。」(28頁下から5~末行) サ.「参考例1:化合物(I)の合成 ・・・化合物(I)6.25gを得た。・・・ 参考例2:化合物(m)の合成 ・・・5.60gの化合物(m)を得た。」(32頁11行~33頁11行) シ.「実施例15:重合性液晶組成物の調製 式(I)の化合物25重量部、式(m)の化合物25重量部及び式(a)の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物(F)を調製した。」(33頁15~17行) ス.「実施例16 実施例15で得られた重合性液晶組成物(F)99重量部と光重合開始剤「IRG-651」(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(F-1)を調製した。 次に、ポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理した2枚のガラス基板を、ポリイミド配向膜の面が内側になるように100μmの間隔をもって対向させ、この間に重合性液晶組成物(F-1)を挟持させた。この時の2枚のガラス基板のラビング方向は互いに180度の角度をなすようにした。この2枚のガラス基板の間に挟持された重合性液晶組成物(F-1)を、2枚の直交する偏光板の間に置いて観察したところ、均一なホモジニアス配向していることが確認できた。この重合性液晶組成物(F-1)にUVランプ(UVP社製、UVGL-25)を用いて、160mJ/cm2の光量の紫外線を照射して光重合を行い、2枚のガラス基板に挟持された光学異方フィルムを得た。これを150℃で10分間保った後、室温において冷却した。室温まで冷却後、光学異方フィルムから2枚のガラス基板を剥離して光学異方フィルムを得た。この光学異方フィルムを2枚の直交する偏光板の間に置いて観察したところ、光重合前の均一なホモジニアス配向が光重合によって固定化されていることが確認できた。 この光学異方フィルムを120℃の温度に保っても、均一なホモジニアス配向は維持されており、耐熱性も何ら問題がなかった。またこの光学異方フィルムは可とう性も良く、多少曲げてもひびが入ることがなかった。」 (33頁21行~34頁7行) セ.「実施例21 実施例7で得られた重合性液晶組成物(E)95.6重量部、光重合開始剤「IRG-651」(チバガイギー社製)1重量部、及び右巻きの螺旋構造を誘起する光学活性化合物 「R-811」(メルク社製)4.4重量部からなり、螺旋ピッチが1.6μmの重合性液晶組成物(E-4)を得た。次にポリイミド配向剤「AL-1254」(日本合成ゴム社製)をガラス基板に塗布後、120℃で1時間乾燥させてポリイミド配向膜を形成し、これにレーヨン布でラビング処理を施した。このラビング処理したポリイミド配向膜を有する2枚のガラス基板を、ラビング方向が右回りに90度の角度をなすように10μmの間隔をもって対向させ、この間に重合性液晶組成物(E-4)を挟持させた。このガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物に、室温において紫外線ランプ(メタルハライドランプ、80W)を用いて、350mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。得られた重合体から一方のガラス基板を剥離して光学異方フィルムを得た。この光学異方体フィルムを偏光顕微鏡を用いて観察したところ、均一で欠陥がなかった。また光学異方フィルムをコノスコープ観察したところ、明瞭なアイソジャイヤーが視野の中心に見られ、且つ鋭敏色板を挿入したときのリタデーションの変化から、この光学異方フィルムは、光軸が厚さ方向に向いた負の一軸性結晶とみなせることを確認できた。またこの光学異方フィルムを120℃の温度に保っても、コレステリック配向は維持されており耐熱性も何ら問題がなかった。」(35頁下から10行~36頁8行) ソ.「実施例22 実施例21で得た重合性液晶組成物(E)100重量部と光重合開始剤”IRG-651”(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(E-2)を得た。次に卵黄レシチンの0.1重量%エタノール溶液をガラス基板に塗布して、垂直配向膜を形成した。この垂直配向膜を形成した2枚のガラス基板を20μmの間隔をもって対向させ、この間に重合性液晶組成物(E-2)を挟持させた。この2枚のガラス基板に挟持された重合性液晶組成物を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、欠陥は観察されなかった。またコノスコープ観察したところ、明瞭なアイソジャイヤーが視野の中心に見られ、ホメオトロピック配向していることを確認できた。このガラス基板間に挟持された重合性液品組成物に、室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL-25)を用いて、160mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。得られた重合体から一方のガラス基板を剥離して、光学異方フィルムを得た。この光学異方フィルムをコノスコープ観察したところ、重合前のホメオトロピック配向がそのまま固定化されていた。また光学異方フィルムを2枚の直交する偏光板の間に置いて観察したところ、均一に暗視野となっており、均一なホメオトロピック配向が得られていることを確認した。He-Neレーザーを用いて、この光学異方フィルムのリタデーションの入射角依存性を測定した結果を第1図に示した。 このとき、入射角度は基板に対する法線からの角度を表わしている。第1図から、この光学異方フィルム中にホメオトロピック配向が固定化されていることが理解できる。また、この光学異方フィルムを120℃の温度に保っても、ホメオトロピック配向は維持されており耐熱性も何ら問題がなかった。」(36頁9~29行) タ.「実施例41 実施例1で得られた重合性液晶組成物(A)85重量部及び式(N-a)の化合物15重量部からなる重合性液晶組成物(A-1)を調製した。 得られた重合性液晶組成物(A-1)は室温でネマチック相を示し、25℃における屈折率の異方性は0.090であり、式(N-a)の化合物の添加により、屈折率の異方性の増大が認められた。」(48頁5~11行) チ.「実施例42 実施例15で得られた重合性液晶組成物(F)60重量部及び実施例41で用いた式(N-a)の化合物40部からなる重合性液晶組成物(F-3)を調製した。得られた重合性液晶組成物は室温でネマチック相を示し、25℃における屈折率の異方性は0.135であり、式(N-a)の化合物の添加により、屈折率の異方性の増大が認められた。 重合性液晶組成物(F-3)99重量部及び、光重合開始剤「IRG-651」(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(F-4)を調製した。実施例41において、重合性液晶組成物(A-2)に代えて、上記で得られた重合性液晶組成物(F-3)を用いた以外は実施例41と同様にして光学異方フィルムを作製した。この光学異方フィルムを、2枚の偏光板の間に置いて観察したところ、光重合前の均一なツイステッドネマチック配向が光重合によって固定化されていることが確認できた。この光学異方フィルムは120℃の温度に保っても、耐熱性には何ら問題はなく、また黄変も観察されなかった。」(48頁28行~49頁8行) 2.甲第4号証 甲第4号証には、以下のとおり記載されている。 ツ.「フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フィルムと、固体相・液晶相の転移温度が50℃以上でありかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子からなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相差フィルム。」(【請求項1】) 3.甲第5号証 甲第5号証には、以下のとおり記載されている。 テ.「・・・本発明に用いる第1の光学異方性フィルムは、フィルムの法線方向からは複屈折を示さず、法線方向に光軸を有する正の一軸性の光学異方体であって、法線方向から離れるに従い、複屈折性が発現するという特徴を持つ。・・・ 」(段落【0009】) 「また、液晶性ポリマーも第1の光学異方性フィルムとして使用できる。・・・そのような液晶性ポリマーを溶融状態で、基板あるいは垂直配向処理した基板に塗布した後熱処理し冷却することによって、Nz>Nx=Nyの関係で配向した第1の光学異方性フィルムを得ることが出来る。・・・ 」(段落【0010】) 「本発明に用いる第2の光学異方性フィルムは、法線方向からは複屈折を示す光学異方体である。この第2の光学異方性フィルムは、例えば正の固有複屈折を有するポリマーを、溶融押出法、溶融流延法、あるいはカレンダー法などにより、プラスチックフィルムとした後、一軸延伸する事で得られる。この場合、延伸した方向(X方向)にポリマー鎖が配向し、それと垂直な幅方向(Y方向)および厚み方向(Z方向)では、X方向へのポリマー鎖の配向に伴い、ポリマー鎖のYおよびZ方向への配向が減少し、結果として延伸方向の屈折率Nxがそれと垂直な方向の屈折率Ny、Nzよりも大きいフィルムが得られる。屈折率の関係は、Nx>Ny≧Nzである。」(段落【0011】) 「第1の光学異方性フィルムと第2の光学異方性フィルムを組み合わせることにより、STN-LCD用の補償シートとして理想的な屈折率の関係、Nx>Nz>Nyを得る事が出来、光学補償シートとして液晶表示装置に組み込む事により、良好な視角特性を得る事が出来る。この2枚のフィルムを組み合わせる方法としては、第2の光学異方性フィルム上に、光異性化しうる官能基を有する高分子化合物を塗布し、光異性化させて、第1の光学異方性フィルムを第2の光学異方性フィルム上に作成する方法、あるいは、TAC、アートン、ゼオネックス等のような複屈折性の発現しにくいフィルム上に、光異性化しうる官能基を有する高分子化合物を塗布し、光異性化させて第1の光学異方性フィルム上とし、これと別に作成した第2の光学異方性フィルムとを用いる方法等が挙げられる。後者の方法においては、TAC上に第1の光学異方性フィルムを作成し、それをPVA/ヨウ素から成る偏光フィルムの保護フィルムとして用いる事がコストの点から好ましい。」(段落【0013】) 4.甲第9号証 請求人が提出した平成27年3月27日付けの上申書に添付された甲第9号証全訳翻訳文に基づいて記載する。 甲第9号証には、以下のとおり記載されている。 ト.「研究対象としたモノマーは、1,4-フェニレンビス[4-(6-アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾアート](表1、化合物6h)、および、その類似体であって、中心環にメチル置換基を有するもの(6m)である。」(2頁4~6行) ナ. (61頁の表1) 5.甲第19号証 甲第19号証には、以下のとおり記載されている。 ニ.「5.2付加重合† ビニル基を二つ以上含むモノマーを重合させたり、ビニル型モノマーと共重合させると、ポリマー鎖間の架橋が起こり、三次元(無限網目)構造がつくられる。」(278頁11~13行) 第6 本件無効理由についての当審の判断 1.無効理由1及び2について (1)甲第1号証に記載された発明 ア.甲第1号証の1発明 上記「第5.1.」の上記「ク.」の「実施例1 式(a)の化合物50重量部・・・からなる重合性液晶組成物(A)を調製した。 」との記載、 上記「ケ.」の「実施例4 式(a)の化合物10重量部・・・及び式(d)の化合物からなる重合性液晶組成物(D)を調製した。 」との記載、 上記「コ.」の「実施例7 式(a)の化合物50重量部及び式(d)の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物(E)を調製した。」との記載、 上記「セ.」の「実施例21 実施例7で得られた重合性液晶組成物(E)95.6重量部・・・の重合性液晶組成物(E-4)を得た。」との記載、及び 上記「ソ.」の「実施例22 実施例21で得た重合性液晶組成物(E)100重量部と光重合開始剤”IRG-651”(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(E-2)を得た。」との記載から、 甲第1号証には、実施例7、21及び22で用いられている「重合性液晶組成物(E)」として「下記の式(a)の化合物50重量部、 及び下記の式(d)の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物。 」が記載されているといえる。 また、上記「ソ.」の「実施例22 実施例21で得た重合性液晶組成物(E)100重量部と光重合開始剤”IRG-651”(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(E-2)を得た。・・・紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。得られた重合体から一方のガラス基板を剥離して、光学異方フィルムを得た。この光学異方フィルムをこのスコープ観察したところ、重合前のホメオトロピック配向がそのまま固定化されていた。・・・また、この光学異方フィルムを120℃の温度に保っても、ホメオトロピック配向は維持されており耐熱性も何ら問題がなかった。」との記載から、甲第1号証には、その実施例22で得られた「光学異方フィルム」として「重合性液晶組成物(E)100重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物(E-2)を光重合させて得られた、ホメオトロピック配向の光学異方フィルム」が記載されているといえる。 そして、上記「カ.」の「本発明の光学異方フィルムは・・・特に液晶表示素子の位相差板・・・として使用することができる。」との記載、上記「キ.」の「本発明の液晶表示素子は、通常上記光学異方フィルム及び2枚の偏光板を含む。光学異方フィルムは、通常偏光板及び液晶セルの間に位置する。」との記載、及び上記「ア.」の「STN型液晶ディスプレイに好適な光学補償板(位相差板)を得る技術」との記載から、甲第1号証には「液晶表示素子」として「偏光板と液晶セルの間に光学補償板(位相差板)として使用できる光学異方フィルムを配置する液晶表示素子」が記載されているといえる。 これらの記載事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲第1号証の1発明」という。)が記載されているものと認められる。 「偏光板と液晶セルの間に光学補償板として使用できる光学異方フィルムを配置する液晶表示素子であって、前記光学異方フィルムは、下記の式(a)の化合物50重量部、 及び下記の式(d)の化合物50重量部 からなる重合性液晶組成物100重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物を光重合させて得られた、ホメオトロピック配向の光学異方フィルムである、前記液晶表示素子。」 イ.甲第1号証の2発明 上記「第5.1.」の上記「ク.」の「実施例1 式(a)の化合物50重量部・・・からなる重合性液晶組成物(A)を調製した。 」との記載、 上記「サ.」の「参考例1:化合物(I)の合成 ・・・化合物(I)6.25gを得た。・・・ 参考例2:化合物(m)の合成 ・・・5.6gの化合物(m)を得た。」との記載、 上記「シ.」の「実施例15・・・式(I)の化合物25重量部、式(m)の化合物25重量部及び式(a)の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物(F)を調製した。」との記載、 上記「タ.」の「実施例41・・・式(N-a)の化合物・・・ 」との記載、 上記「チ.」の「実施例42・・・実施例15で得られた重合性液晶組成物(F)60重量部及び実施例41で用いた式(N-a)の化合物40部からなる重合性液晶組成物(F-3)を調製した。」との記載から、甲第1号証には、実施例42で用いられている「重合性液晶組成物(F-3)」として「下記の式(I)の化合物15重量部、 下記の式(m)の化合物15重量部、 下記の式(a)の化合物30重量部、 及び下記の式(N-a)の化合物40重量部からなる重合性液晶組成物。 」が記載されているといえる。 また、上記「チ.」の「実施例42・・・重合性液晶組成物(F-3)99重量部及び、光重合開始剤「IRG-651」(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(F-4)を調製した。実施例41において、重合性液晶組成物(A-2)に代えて、上記で得られた重合性液晶組成物(F-3)を用いた以外は実施例41と同様にして光学異方フィルムを作製した。この光学異方フィルムを、2枚の偏光板の間に置いて観察したところ、光重合前の均一なツイステッドネマチック配向が光重合によって固定化されていることが確認できた。この光学異方フィルムは120℃の温度に保っても、耐熱性には何ら問題はなく、また黄変も観察されなかった。」との記載から、甲第1号証には、その実施例42で得られた「光学異方フィルム」として「重合性液晶組成物(F-3)99重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物(F-4)を光重合させて得られた、ツイステッドネマチック配向の光学異方フィルム」が記載されているといえる。 そして、上記「カ.」の「本発明の光学異方フィルムは・・・特に液晶表示素子の位相差板・・・として使用することができる。」との記載、上記「キ.」の「本発明の液晶表示素子は、通常上記光学異方フィルム及び2枚の偏光板を含む。光学異方フィルムは、通常偏光板及び液晶セルの間に位置する。」との記載、及び上記「ア.」の「STN型液晶ディスプレイに好適な光学補償板(位相差板)を得る技術」との記載から、甲第1号証には「液晶表示素子」として「偏光板と液晶セルの間に光学補償板(位相差板)として使用できる光学異方フィルムを配置する液晶表示素子」が記載されているといえる。 これらの記載事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲第1号証の2発明」という。)が記載されているものと認められる。 「偏光板と液晶セルの間に光学補償板として使用できる光学異方フィルムを配置する液晶表示素子であって、前記光学異方フィルムは、下記の式(I)の化合物15重量部、 下記の式(m)の化合物15重量部、 下記の式(a)の化合物30重量部、 及び下記の式(N-a)の化合物40重量部、 からなる重合性液晶組成物99重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物を光重合させて得られた、ツイステッドネマチック配向の光学異方フィルムである、前記液晶表示素子。」 ウ.甲第1号証の3発明 上記「1.(1)ア.」における検討と同様に、甲第1号証の「第5.1.」の「ク.」、「ケ.」、「セ.」、及び「ソ.」の記載から、甲第1号証には、実施例7、21及び22で用いられている「重合性液晶組成物(E)」として「下記の式(a)の化合物50重量部、 及び下記の式(d)の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物。 」が記載されているといえる。 また、甲第1号証の「第5.1.ソ.」の「実施例22 実施例21で得た重合性液晶組成物(E)100重量部と光重合開始剤”IRG-651”(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(E-2)を得た。・・・垂直配向膜を形成した2枚のガラス基板を20μmの間隔をもって対向させ、この間に重合性液晶組成物(E-2)を挟持させた。この2枚のガラス基板に挟持された重合性液晶組成物を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、欠陥は観察されなかった。またコノスコープ観察したところ、明瞭なアイソジャイヤーが視野の中心に見られ、ホメオトロピック配向していることを確認できた。このガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物に、室温において紫外線ランプ(・・・)を用いて、160mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。得られた重合体から一方のガラス基板を剥離して、光学異方フィルムを得た。この光学異方フィルムをコノスコープ観察したところ、重合前のホメオトロピック配向がそのまま固定化されていた。・・・また、この光学異方フィルムを120℃の温度に保っても、ホメオトロピック配向は維持されており耐熱性も何ら問題がなかった。」との記載、甲第1号証の「第5.1.カ.」の「本発明の光学異方フィルムは・・・特に液晶表示素子の位相差板・・・として使用することができる。」との記載、及び甲第1号証の「第5.1.ア.」の「STN型液晶ディスプレイに好適な光学補償板(位相差板)を得る技術」との記載から、甲第1号証には、その実施例22で得られた「光学異方フィルム」として「重合性液晶組成物(E)100重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物(E-2)を2枚のガラス基板の間に挟持させ、光重合させて得られた、光学補償板(位相差板)として使用することができるホメオトロピック配向の光学異方フィルム」が記載されているといえる。 これらの記載事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲第1号証の3発明」という。)が記載されているものと認められる。 「重合性液晶組成物を光重合させて得られた、光学補償板として使用することができるホメオトロピック配向の光学異方フィルムであって、下記の式(a)の化合物50重量部、 及び下記の式(d)の化合物50重量部 からなる重合性液晶組成物100重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物を、2枚のガラス基板の間に挟持させ、ホメオトロピック配向していることを確認した後、紫外線を照射して光重合させて得られた、前記光学異方フィルム。」 (2)本件訂正発明1について ア.対比 本件訂正発明1と甲第1号証の1発明とを対比する。 後者の「偏光板と液晶セルの間に光学補償板として使用できる光学異方フィルムを配置する液晶表示素子」は、後者の「偏光板」、「液晶セル」、「光学補償板として使用できる光学異方フィルム」及び「液晶表示素子」の各々が、前者の「偏光板」、「液晶セル」、少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板」及び「液晶表示デバイス」に相当するから、前者の「液晶セルおよび少なくとも1枚の(補償膜または)偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイス」に相当する。 後者の「前記光学異方フィルムは、下記の式(a)の化合物50重量部、 及び下記の式(d)の化合物50重量部 からなる重合性液晶組成物100重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物」は、後者の「前記光学異方フィルム」が「光学補償板として使用できる光学異方フィルム」であるという点において前者の「該補償膜」に相当し、後者の「式(a)の化合物50重量部・・・及び下記の式(d)の化合物50重量部・・・からなる重合性液晶組成物100重量部」に含まれる式(a)及び(d)の化合物という2種の液晶物質(メソゲン)の各々が「CH2=CH-」という重合性官能基(ビニル基)を1個有しているという点において前者の「a)・・・1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンの内の1種のメソゲン」に相当し、後者の「光重合開始剤」及び「・・・からなる重合性液晶組成物」の各々が前者の「b)開始剤」及び「重合性メソゲン物質の混合物」に相当するから、前者の「a)・・・1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲンをb)開始剤…の存在下において含む、重合性メソゲン物質の混合物」に相当する。 また、後者は、「式(a)の化合物50重量部」、「式(d)の化合物50重量部」、及び「光重合開始剤1重量部」から構成されているから、「式(a)の化合物」と「式(d)の化合物」とから構成される2種のメソゲンは、99.0099・・・重量%となり、前者の2種のメソゲンの重量%の有効数字が2桁であるから、99重量%であるといえる。 後者の「光重合させて得られた、ホメオトロピック配向の光学異方フィルム」は、後者の「光重合させて得られた・・・光学異方フィルム」が式(a)及び(d)の2種類の重合性液晶化合物を共重合させて得られた光学異方性(アニソトロピック)のポリマーからなるフィルムであるという点において前者の「共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層」に相当し、後者の「ホメオトロピック配向」が前者の「ホメオトロピック…分子配向を有する」に相当するから、前者の「(重合あるいは)共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み、上記アニソトロピックポリマー層がホメオトロピック(または傾斜したホメオトロピック)分子配向を有する」に相当する。 そして、後者の「式(a)の化合物」は、前者の「式I:P-(Sp-X)n-MG-R」において、 Pが、全文訂正明細書の18頁12~13行の「Pは特に好ましくは、ビニル基、アクリレート基、メタアクリレート基、プロペニルエーテル基またはエポキシ基であり、非常に特に好ましくは、アクリレート基である。」との記載にある「ビニル基」に該当する「CH2=CH-」の化学構造を有する「(1個の)重合性基」であり、 Spが、全文訂正明細書の18頁16~22行の「スペーサー基Spは好ましくは、炭素原子1~20個・・・を有し、さらにこの基中に存在する1個のCH2基・・・が・・・-CO-O-、・・・により置き換えられていてもよい直鎖状または分岐鎖状アルキレン基である」との記載にある「-CO-O-」に置き換えられた「炭素原子1個を有するスペーサー基」であり、 Xが「単結合」であり、 nが「1」であり、 MGが、前者の「式II:-(A1-Z1)m-A2-Z2-A3-」において、mが「0」であり、A2が「1,4-フェニレン基」であり、Z2が「単結合」であり、A3が「1,4-シクロヘキシレン基」である「メソゲン基またはメソゲン支持基」であり、 Rが「-C3H7」という「3個の炭素原子を有するアルキル基」であるものに該当する。 また、後者の「式(d)の化合物」は、前者の「式I」において、 Pが「ビニル基」の「(1個の)重合性基」であり、 Spが「-CO-O-」のスペーサー基であり、 Xが「単結合」であり、 nが「1」であり、 MGが、前者の「式II」において、mが「0」であり、A2が「1,4-フェニレン基」であり、Z2が「-C≡C-」であり、A3が「1,4-フェニレン基」である「メソゲン基またはメソゲン支持基」であり、 Rが「-C5H11」という「5個の炭素原子を有するアルキル基」であるものに該当する。 してみると、両者は、 「液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン75~99重量%を b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み、上記アニソトロピックポリマー層がホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する、前記液晶表示デバイス。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違する。 [相違点1] 本件訂正発明1は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」として「a)式1・・・で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン」を「75~99重量%」の範囲で「重合性メソゲン物質の混合物」に含んでいるのに対して、甲第1号証の1発明は、化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」という条件を具備するものではない点。 イ.判断 そうすると、甲第1号証の1発明は、本件訂正発明1を特定するために必要な式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」との発明特定事項を具備していない。 したがって、本件訂正発明1が、甲第1号証の1発明であるとすることはできない。 次に、上記相違点1について以下検討する。 甲第1号証には、上記「第5.1.ウ.」の「一般式(II)で表される第2の単官能(メタ)アクリレート化合物は、好ましくは本発明の重合性液晶組成物中に重量で50%以下の量含まれる。」との記載にあるように、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」との発明特定事項を具備する甲第1号証の「一般式(II)で表される第2の単官能(メタ)アクリレート化合物」を「本発明の重合性液晶組成物中に重量で50%以下の量」で配合させることが「好ましい」ものとして記載されている。 そうすると、甲第1号証の1発明の重合性液晶組成物中に、本件訂正発明1の式Iで表されるSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」とした化合物を、甲第1号証において「好ましい」とされる「重量で50%以下の量」よりも多い、本件訂正発明1の「75~99重量%」の範囲で配合させることには「阻害事由」が存在するといえる。 したがって、本件訂正発明1が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明1は、甲第1号証の1発明であるとすることはできないから、本件訂正発明1についての特許は、無効理由1により無効とすることはできない。 また、本件訂正発明1は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明1についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (3)本件訂正発明4について ア.対比 本件訂正発明4と甲第1号証の2発明とを対比する。 後者の「偏光板と液晶セルの間に光学補償板として使用できる光学異方フィルムを配置する液晶表示素子」は、 後者の「偏光板」、「液晶セル」、「光学補償板として使用できる光学異方フィルム」及び「液晶表示素子」の各々が、前者の「偏光板」、「液晶セル」、少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板」及び「液晶表示デバイス」に相当するから、 前者の「液晶セルおよび少なくとも1枚の(補償膜または)偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイス」に相当する。 後者の「前記光学異方フィルムは、下記の式(I)の化合物15重量部、 下記の式(m)の化合物15重量部、 下記の式(a)の化合物30重量部、 及び下記の式(N-a)の化合物40重量部、 からなる重合性液晶組成物99重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物」は、 後者の「式(I)の化合物」が、前者の「式I:P-(Sp-X)n-MG-R」において、 Pが、全文訂正明細書の18頁12~13行の「Pは特に好ましくは、ビニル基、アクリレート基、メタアクリレート基、プロペニルエーテル基またはエポキシ基であり、非常に特に好ましくは、アクリレート基である。」との記載にある「アクリレート基」に該当する「CH2=CHCOO-」の化学構造を有する「重合性基」であり、 Spが「-CH2CH2-」という「炭素原子2個を有する直鎖状アルキレン基」であって、この基中のメチレン基(CH2基)は-O-などの他の連結基に置き換えられているものではないから「少なくとも1個のCH2基を残す」という条件を満たすスペーサー基であり、 Xが「単結合」であり、 nが「1」であり、 MGが、前者の「式II:-(A1-Z1)m-A2-Z2-A3-」において、mが「0」であり、A2が「1,4-フェニレン基」であり、Z2が「-OCO-」であり、A3が「1,4-フェニレン基」である「メソゲン基またはメソゲン支持基」であり、 Rが「-C5H11」という「5個の炭素原子を有するアルキル基」であるものに該当し、 後者の「式(m)の化合物」が、前者の「式I」において、 Pが「アクリレート基」の「重合性基」であり、 Spが「-CH2CH2-」という「炭素原子2個を有する直鎖状アルキレン基」のスペーサー基であり、 Xが「単結合」であり、 nが「1」であり、 MGが、前者の「式II」において、mが「1」であり、A1が「1,4-フェニレン基」であり、Z1が「-OCO-」であり、A2が「1,4-フェニレン基」であり、Z2が「単結合」であり、A3が「1,4-シクロヘキシレン基」である「メソゲン基またはメソゲン支持基」であり、 Rが「-C3H7」という「3個の炭素原子を有するアルキル基」であるものに該当し、 後者の「式(N-a)の化合物」が、前者の「式I」において、 Pが「アクリレート基」の「重合性基」であり、 Spが「-CH2CH2-」という「炭素原子2個を有する直鎖状アルキレン基」のスペーサー基であり、 Xが「単結合」であり、 nが「1」であり、 MGが、前者の「式II」において、mが「0」であり、A2が「1,4-フェニレン基」であり、Z2が「-OCO-」であり、A3が「ナフタレン-2,6-ジイル基」である「メソゲン基またはメソゲン支持基」であり、 Rが「-C3H7」という「3個の炭素原子を有するアルキル基」であるものに該当し、 後者の「下記の式(I)の化合物15重量部・・・下記の式(m)の化合物15重量部・・・下記の式(a)の化合物30重量部・・・及び下記の式(N-a)の化合物40重量部・・・からなる重合性液晶組成物99重量部」に含まれる式(I)、(m)及び(N-a)の化合物という3種の液晶物質(メソゲン)の合計75重量部が、前者の「a)式I・・・で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」及び 「a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%」に相当し、 後者の「前記光学異方フィルム」が「光学補償板として使用できる光学異方フィルム」であるという点において、前者の「該補償膜」に相当し、 後者の「光重合開始剤1重量部」が、前者の「b)開始剤」及び「b)開始剤を0.01~5重量%」に相当し、 後者の「重合性液晶組成物99重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物」は、前者の「a)・・・少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンをb)開始剤…の存在下において含む、重合性メソゲン物質の混合物」並びに「該重合性メソゲン物質の混合物が、本質的にa1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%、・・・b)開始剤を0.01~5重量%、c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、およびd)安定剤を0~1000ppm」からなる「重合性メソゲン物質の混合物」に相当する。 後者の「光重合させて得られた・・・光学異方フィルム」は、式(I)、(m)、(a)及び(N-a)の4種類の重合性液晶化合物を共重合させて得られた光学異方性(アニソトロピック)のポリマーからなるフィルムであるという点において前者の「共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層」に相当するから、前者の「(重合あるいは)共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み」に相当する。 してみると、両者は、 「液晶セルおよび少なくとも1枚の補償膜または偏光板と少なくとも1枚の補償膜を有する光学補償板との組合わせを含む液晶表示デバイスであって、該補償膜は a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、 の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物の重合あるいは共重合によって得られる少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含み、 該重合性メソゲン物質の混合物が、本質的に a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm からなる、前記液晶表示デバイス。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違する。 [相違点2] 本件訂正発明4は「a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲン」を「10~80重量%」の範囲で含むのに対して、甲第1号証の2発明はそのような「2個または3個以上の重合性官能基を有するメソゲン」を含むものではない点。 [相違点3] 本件訂正発明4は「アニソトロピックポリマー層」が「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向」を有するのに対して、甲第1号証の2発明は「ツイステッドネマチック配向」を有するものである点。 [相違点4] 本件訂正発明4は「補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマー層を含み、これらの層の少なくとも1層がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜である」ことを特徴とするのに対して、甲第1号証の2発明は、このような特徴を有するものではない点。 イ.判断 (ア)相違点2について 甲第1号証には、上記「第5.1.イ.」の「本発明が解決しようとする課題は、機械的強度及び耐熱性に優れ、均一でムラのない光学異方フィルムを提供し、この光学異方フィルムを得るために有用な、重合性化合物及び室温付近で液晶相を示す重合性液晶組成物を提供することにある。」との記載にあるように「機械的強度及び耐熱性に優れた光学異方フィルムの提供」を解決しようとする課題の一つとしているものである。 そして、上記「第5.1.ウ.」には「本発明の重合性液晶組成物は、第1の単官能(メタ)アクリレート化合物以外の重合性官能基を有する液晶化合物を含んでいてもよい。このような化合物としては、Dirk J. Broer等が報告(Makromol. Chem.1991年192巻59~74頁)したジアクリレート化合物又は上記特許で開示されているようなアクリレート化合物を挙げることができる。」との記載があり、当該報告に対応する甲第9号証の上記「第5.4.ト.」の「研究対象としたモノマーは、1,4-フェニレンビス[4-(6-アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾアート](表1,化合物6h)、および、その類似体であって、中心環にメチル置換基を有するもの(6m)である。」との記載、及び上記「第5.4.ナ.」の表1におけるモノマー6h及び6mの記載からみて、当該報告の6h及び6mのジアクリレート化合物の化学構造は、甲第1号証の上記「第5.1.ア.」に記載された「 」の式において、そのR5が水素原子(6h)及びメチル基(6m)である場合のものに相当する。 すなわち、甲第1号証には、本件訂正発明4の「式I:P-(Sp-X)n-MG-R」において「Pが重合性基(アクリレート基)であり、Spが、炭素原子6個を有する直鎖状アルキレン基であって、この基中、6個のCH2を残し、Xは、-O-であり、nは、1であり、MGは、メソゲン基(本件訂正発明4の式IIにおいて、A1、A2およびA3が1,4-フェニレン基であり、これらの基のうちのA2が炭素原子1個を有するアルキル基により置換されていて、Z1が-COO-であり、Z2が-OCO-であり、そして、mは、1であるもの)であり、そしてRはP-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、で表される化合物」に該当するジアクリレート化合物(6m)を含んでいてもよいことが記載されているので、甲第1号証の1発明の「重合性液晶組成物」に、甲第9号証に記載されたモノマー6mのジアクリレート化合物を更に含むようにしてみることは、甲第1号証に明確な示唆があるという点において十分な「動機付け」があるものと認められる。 また、甲第1号証の上記「第5.1.ア.」には「一般式(R-2)の化合物によって、機械的強度と耐熱性の問題が有利になる。」との記載があるので、甲第1号証の1発明の上記「機械的強度及び耐熱性に優れた光学異方フィルムの提供」という課題に照らして、甲第1号証の1発明の「重合性液晶組成物」に、甲第1号証に記載された一般式(R-2)の化合物を課題達成に必要な量で更に含むようにしてみることは、課題の共通性があるという点において十分な「動機付け」があるものと認められ、その課題達成に必要な量を「10~80重量%」の範囲に設定することは当業者にとって通常の創作能力の発揮の範囲である。 なお、甲第1号証の上記「第5.1.ア.」には「一般式(R-2)においてR5がメチル基の化合物80重量部及びR5が水素原子の化合物20重量部から成る液晶組成物は、80~121℃と室温よりかなり高い温度範囲でネマチック液晶相を示し、また予期しない熱重合に起因してこのような重合性液晶組成物を用いて作製される光学異方性フィルムのメソゲンの配向が不均一となるという欠点があった。」との記載があるが、これは当該「一般式(R-2)」の化合物の配合量を100%とした場合の欠点であって、上記「第5.1.イ.」の「本発明の重合性液晶組成物は、従来の重合性液晶組成物とは異なり、室温付近の温度で液晶相を示すという特徴を有し、これにより液晶状態での光重合の際に、望まない熱重合を誘起することがなく、均一な配向状態を固定化することができ、これまでにない優れた光学異方フィルムを提供することができる。」との記載にある利点を有する甲第1号証の2発明の「重合性液晶組成物」に、当該「一般式(R-2)」の化合物を副成分としての量で配合させたとしても、予期しない熱重合に起因した欠点が生じないことは明らかである。このため、上記「第5.1.ア.」に記載された欠点が、甲第1号証の1発明の「重合性液晶組成物」に当該「一般式(R-2)」の化合物を更に含むようにした場合の「阻害事由」にならないことは明らかである。 したがって、本件訂正発明4において、上記「一般式(R-2)」の化合物に照らして、相違点2に係る本件訂正発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点3について 甲第1号証には、上記「第5.1.カ.」の「その配向構造は光学異方フィルムの用途によって、適当な配向状態を示すことが好ましい。そのような配向構造の例としては、・・・ホメオトロピック配向・・・を含む。」との記載にあるように、用途に応じて「ホメオトロピック配向」にすることが記載されている。 そして、甲第1号証の上記「第5.1.オ.」には「ホメオトロピック配向は、例えば垂直配向が得られる2枚の基板を一定の間隔をもって対向させ、この間に重合性液晶組成物を挟持させることによって得ることができる。」との記載があり、甲第1号証の上記「第5.1.ソ.」にも「実施例22」として「ホメオトロピック配向」を有する光学異方フィルムの具体例が記載されている(以下「甲第1号証に記載された技術事項」という。)。 したがって、本件訂正発明4において、甲第1号証の上記「実施例22」の「ホメオトロピック配向」の「光学異方フィルム」に照らして、相違点3に係る本件訂正発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)相違点4について 甲第4号証には、上記「第5.2.ツ.」の「フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フィルムと、固体相・液晶相の転移温度が50℃以上でありかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子からなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相差フィルム」との記載にあるように、ホメオトロピック配向に固定された液晶高分子からなる位相差フィルム(本件訂正発明4の「ホメオトロピック配向」を有する「アニソトロピックポリマー層」に相当する)と、もう1枚の位相差フィルムとを積層してなる複合位相差フィルム(本件訂正発明4の「複合補償膜」に相当する)についての発明が記載されている。 また、甲第5号証には、上記「第5.3.テ.」の「液晶性ポリマーを溶融状態で・・・垂直配向処理した基板に塗布した後熱処理し冷却することによって、Nz>Nx=Nyの関係で配向した第1の光学異方性フィルムを得ることが出来る。・・・第1の光学異方性フィルムと第2の光学異方性フィルムを組み合わせることにより、STN-LCD用の補償シートとして理想的な屈折率の関係、Nx>Nz>Nyを得る事が出来、光学補償シートとして液晶表示装置に組み込む事により、良好な視角特性を得る事が出来る」との記載にあるように、液晶性ポリマーを垂直配向処理した基板に形成した第1の光学異方性フィルム(本件訂正発明4の「ホメオトロピック配向」を有する「アニソトロピックポリマー層」に相当する)を、もう1枚のフィルムと組み合わせた補償シート(本件訂正発明4の「複合補償膜」に相当する)についての発明が記載されている。 すなわち、補償膜の技術分野において、「補償膜が2枚または3枚以上のアニソトロピックポリマー層を含み、これらの層の少なくとも1枚がホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する複合補償膜」は、本願の優先日時点で当業者において普通になされている事項、すなわち常套手段(以下「常套手段1」という。)である。 してみると、上記常套手段1には、相違点4に係る本件訂正発明4の発明特定事項が示されている。 また、本件訂正発明4と上記常套手段1とは、共に液晶表示デバイス(補償板)という技術分野に属するものである。また、本件訂正発明4において、相違点4に係る本件訂正発明4の発明特定事項に格別の技術的意義はない。 したがって、本件訂正発明4において、上記常套手段1に照らして、相違点3に係る本件訂正発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (エ)本件訂正発明4の効果 本件訂正発明4の発明特定事項全体によって奏される効果は、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、上記甲第1号証に記載された技術事項、並びに上記常套手段1から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明4は、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、上記甲第1号証に記載された技術事項(ホメオトロピック配向)、並びに上記常套手段1(複合補償膜)に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明4についての特許は、無効理由2により無効とするべきものである。 (4)本件訂正発明5について ア.対比 本件訂正発明5と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点5] 本件訂正発明5は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」として「a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲン」を「75~99重量%」の範囲で「重合性メソゲン物質の混合物」に含んでいるのに対して、甲第1号証の1発明は、化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」という条件を具備するものではない点。 イ.判断 上記相違点5については、上記「1.(2)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明5が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明5は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明5についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (5)本件訂正発明6について ア.対比 本件訂正発明6と甲第1号証の3発明とを対比する。 後者の「重合性液晶組成物を光重合させて得られた、光学補償板として使用することができるホメオトロピック配向の光学異方フィルム」は、前者の「ホメオトロピック分子配向・・・を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜」に相当する。 後者の「下記の式(a)の化合物50重量部、 及び下記の式(d)の化合物50重量部 からなる重合性液晶組成物100重量部と光重合開始剤1重量部からなる重合性液晶組成物」は、前者の「A)a)・・・重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンをb)開始剤、c)必要に応じて・・・、およびd)必要に応じて・・・の存在下において含む、重合性メソゲン物質の混合物」に相当する。 後者の「2枚のガラス基板の間に挟持させ」と、前者の「少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し」は、両者とも「少なくとも1つの基板上に層形態で配置し」という点で共通する。 後者の「ホメオトロピック配向していることを確認した後、紫外線を照射して光重合させて得られた」は、前者の「B)この混合物を、ホメオトロピック配向・・・させ、C)この混合物を・・・活性照射線にさらすことによって重合させ、・・・D)必要に応じて、・・・次いで、E)必要に応じて・・・ことによって得られ」に相当する。 そして、後者の「式(a)の化合物」は、前者の「式I:P-(Sp-X)n-MG-R」において、 Pが「ビニル基」の「重合性基」であり、 Spが「-CO-O-」のスペーサー基であり、 Xが「単結合」であり、 nが「1」であり、 MGが、前者の「式II:-(A1-Z1)m-A2-Z2-A3-」において、mが「0」であり、A2が「1,4-フェニレン基」であり、Z2が「単結合」であり、A3が「1,4-シクロヘキシレン基」である「メソゲン基またはメソゲン支持基」である。 また、後者の「式(d)の化合物」は、前者の「式I」において、 Pが「ビニル基」の「重合性基」であり、 Spが「-CO-O-」のスペーサー基であり、 Xが「単結合」であり、 nが「1」であり、 MGが、前者の「式II」において、mが「0」であり、A2が「1,4-フェニレン基」であり、Z2が「-C≡C-」であり、A3が「1,4-フェニレン基」である「メソゲン基またはメソゲン支持基」である。 してみると、両者は、 「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rを有する、 で表される化合物から選択される、重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で配置し、 B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、 C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、 D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、 E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られる、前記補償膜。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違している。 [相違点6] 本件訂正発明6は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」とし、なおかつ「Rは、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する」という「少なくとも2個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」を含むのに対して、甲第1号証の3発明はそのような「少なくとも2個の重合性官能基を有するメソゲン」を含むものではない点。 [相違点7] 重合性メソゲン物質の混合物の「配置」が、本件訂正発明6では「塗布」であるのに対し、甲第1号証の3発明では「挟持」である点。 イ.判断 (ア)相違点6について 上記相違点6については、上記「1.(3)イ.(ア)」のとおりであるから、本件訂正発明6において、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物を適用することにより、相違点6に係る本件訂正発明6の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点7について 甲第1号証には、上記「第5.1.オ」の「柔軟性を有する基板の場合には、この基板の上に重合性液晶組成物及びスペーサーからなる混合物を塗布して、その上に他方の基板を配置する方法がある。」との記載にあるように、重合性液晶組成物の配置を「塗布」により行えることが記載されている。 また、甲第5号証には、上記「第5.3.テ.」の「液晶性ポリマーも第1の光学異方性フィルムとして使用できる。・・・そのような液晶性ポリマーを溶融状態で、基板あるいは垂直配向処理した基板に塗布した後熱処理し冷却することによって、Nz>Nx=Nyの関係で配向した第1の光学異方性フィルムを得ることが出来る」との記載にあるように、溶融状態の液晶性ポリマーを基板に「塗布」することによって光学異方性フィルムを得ることができることが記載されている。 すなわち、重合性液晶組成物の技術分野において、液晶組成物の配置を「塗布」によって行うことは、本願の優先日時点で当業者において普通になされている事項、すなわち常套手段(以下「常套手段2」という。)である。 してみると、上記常套手段2には、相違点7に係る本件訂正発明6の発明特定事項が示されている。 また、本件訂正発明6と上記常套手段2とは、共に液晶表示デバイス(重合性液晶組成物)という技術分野に属するものである。また、本件訂正発明6において、相違点7に係る本件訂正発明6の発明特定事項に格別の技術的意義はない。 したがって、本件訂正発明6において、上記常套手段2に照らして、相違点7に係る本件訂正発明6の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)本件訂正発明6の効果 そして、本件訂正発明6の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証の3発明、上記常套手段2、並びに甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明6は、甲第1号証の3発明、上記常套手段2(塗布)、並びに甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明6についての特許は、無効理由2により無効とするべきものである。 (6)本件訂正発明7について ア.対比 本件訂正発明7は、本件訂正発明6の「補償板」において、少なくとも1つの基板が「プラスティックフィルム」であることを特徴とする発明である。 本件訂正発明7と甲第1号証の3発明とを対比すると、上記「1.(5)イ.」での検討を踏まえるに、両者は上記相違点6及び相違点7に加え、以下の点で相違する。 [相違点8] 本件訂正発明7は、少なくとも1つの基板が「プラスティックフィルム」であるのに対し、甲第1号証の3発明は、その点につき、明らかでない点。 イ.判断 (ア)相違点6について 上記相違点6については、上記「1.(3)イ.(ア)」のとおりであるから、本件訂正発明7において、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物を適用することにより、相違点6に係る本件訂正発明7の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点7について 上記相違点7については、上記「1.(5)イ.(イ)」のとおりであるから、本件訂正発明7において上記常套手段2(塗布)を適用することにより、相違点7に係る本件訂正発明7の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)相違点8について 甲第1号証には、上記「第5.1.オ.」の「基板は、・・・ポリエチレンテレフタレート、・・・透明性を有するフィルム状のもの」との記載にあるように、基板が「ポリエチレンテレフタレート」等の有機材料(全文訂正明細書の7頁15~17行の「基板は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)・・・などのプラスティックフィルム」との記載にあるPETに合致する材料)である場合の発明が記載されている。 また、甲第5号証には、上記「第5.3.テ.」の「TAC上に第1の光学異方性フィルムを作成」との記載にあるように、基板がTAC(全文訂正明細書の7頁15~17行の「基板は、例えば・・・トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどのプラスティックフィルム」との記載にあるTACに合致する材料)である場合の発明が記載されている。 すなわち、液晶素子用の基板の材料として「プラスティックフィルム」は、本願の優先日時点で当業者において普通になされている事項、すなわち常套手段(以下「常套手段3」という。)である。 したがって、本件訂正発明7において、上記常套手段3に照らして、相違点8に係る本件訂正発明7の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (エ)本件訂正発明7の効果 そして、本件訂正発明7の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証の3発明、上記常套手段2及び3、並びに甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明7は、甲第1号証の3発明、上記常套手段2(塗布)、上記常套手段3(プラスティックフィルム)、並びに甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明7についての特許は、無効理由2により無効とするべきものである。 (7)本件訂正発明8について ア.対比 本件訂正発明8と甲第1号証の2発明とを対比すると、両者は、 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 A) a)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを、 b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含む、 を特徴とする、前記補償膜。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違している。 [相違点9] 本件訂正発明8は「式I・・・で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」を含むのに対して、甲第1号証の2発明はそのような「2個または3個以上の重合性官能基を有するメソゲン」を含むものではない点。 [相違点3] 本件訂正発明8は「アニソトロピックポリマー層」が「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向」を有するのに対して、甲第1号証の2発明は「ツイステッドネマチック配向」を有するものである点。 [相違点10] 本件訂正発明8は「A)重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られる」のに対して、甲第1号証の2発明は、これらA)~E)の製造方法により補償膜という物の発明を特定するものではない点。 イ.判断 (ア)相違点9について 上記相違点9については、上記「1.(3)イ.(ア)」のとおりであるから、本件訂正発明8において、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物を適用することにより、相違点9に係る本件訂正発明8の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点3について 上記相違点3については、上記「1.(3)イ.(イ)」のとおりであるから、本件訂正発明8において、甲第1号証に記載された技術事項に照らして、ツイステッドネマチック配向をホメオトロピック配向に置き換えることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)相違点10について 上記「1.(5)イ.(イ)」の「常套手段2」について示したように、重合性液晶組成物の技術分野において、液晶組成物の配置を「塗布」によって行うことは、本願の優先日時点で当業者において普通になされている事項、すなわち常套手段である。 また、甲第1号証の3発明のように「重合性液晶組成物を、2枚のガラス基板の間に挟持させ、ホメオトロピック配向していることを確認した後、紫外線を照射して光重合」させて「光学異方フィルム」を得るという製造方法も、普通になされている事項、すなわち常套手段(以下「常套手段4」という。)である。 したがって、本件訂正発明8において、上記常套手段2及び4に照らして、相違点10に係る本件訂正発明8の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (エ)本件訂正発明8の効果 そして、本件訂正発明6の発明特定事項全体によって奏される効果も、第1号証の2発明、甲第1号証に記載された技術事項、上記常套手段2、上記常套手段4、並びに甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明8は、甲第1号証の2発明、甲第1号証に記載された技術事項(ホメオトロピック配向)、上記常套手段2(塗布)、上記常套手段4(製造方法)、並びに甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明8についての特許は、無効理由2により無効とするべきものである。 (8)本件訂正発明9について ア.対比 本件訂正発明9と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点11] 本件訂正発明9は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」として「1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン」を「75~99重量%」の範囲で「重合性メソゲン物質の混合物」に含んでいるのに対して、甲第1号証の1発明は、化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」という条件を具備するものではない点。 イ.判断 上記相違点11については、上記「1.(2)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明5が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明9は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明9についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (9)本件訂正発明10について ア.対比 本件訂正発明10と甲第1号証の2発明とを対比すると、両者は、 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a1)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II’ (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2、6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン15~85重量%を b)開始剤0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppm、の存在下において含む、 重合性メソゲン物質の混合物を配向させた、前記補償膜。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違する。 [相違点12] 本件訂正発明10は「a2)式I・・・で表される化合物から選択される、少なくとも2個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」を「10~80重量%」の範囲で含むのに対して、甲第1号証の2発明はそのような「少なくとも2個の重合性官能基を有するメソゲン」を含むものではない点。 [相違点3] 本件訂正発明10は「アニソトロピックポリマー層」が「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向」を有するのに対して、甲第1号証の2発明は「ツイステッドネマチック配向」を有するものである点。 [相違点10] 本件訂正発明10は「A)重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られる」のに対して、甲第1号証の2発明は、これらA)~E)の製造方法により補償膜という物を特定するものではない点。 [相違点13] 本件訂正発明10は「重合した材料が、三次元網状構造体を形成」するのに対して、甲第1号証の2発明は、三次元網状構造体を形成するものとして特定されていない点。 イ.判断 (ア)相違点12について 上記相違点12については、上記「1.(3)イ.(ア)」のとおりであるから、本件訂正発明10において、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物を適用することにより、相違点12に係る本件訂正発明8の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点3について 上記相違点3については、上記「1.(3)イ.(イ)」のとおりであるから、本件訂正発明10において、甲第1号証に記載された技術事項に照らして、ツイステッドネマチック配向をホメオトロピック配向に置き換えることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)相違点10について 上記相違点10については、上記「1.(7)イ.(ウ)」のとおりであるから、本件訂正発明10において、上記常套手段2及び4に照らして、相違点8に係る本件訂正発明10の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (エ)相違点13について 甲第1号証は、上記「第5.1.イ.」の「本発明が解決しようとする課題は、機械的強度及び耐熱性に優れ、均一でムラのない光学異方フィルムを提供し、この光学異方フィルムを得るために有用な、重合性化合物及び室温付近で液晶相を示す重合性液晶組成物を提供することにある。」との記載にあるように「機械的強度及び耐熱性に優れた光学異方フィルムの提供」を解決しようとする課題の一つとしているものである。 そして、甲第1号証の上記「第5.1.ウ.」には「本発明の重合性液晶組成物は、第1の単官能(メタ)アクリレート化合物以外の重合性官能基を有する液晶化合物を含んでいてもよい。このような化合物としては、Dirk J. Broer等が報告(Makromol. Chem.1991年192巻59~74頁)したジアクリレート化合物又は上記特許で開示されているようなアクリレート化合物を挙げることができる。」との記載があり、当該報告に対応する甲第9号証の上記「第5.4.ト.」の「研究対象としたモノマーは、1,4-フェニレンビス[4-(6-アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾアート](表1,化合物6h)、および、その類似体であって、中心環にメチル置換基を有するもの(6m)である。」との記載、及び上記「第5.4.ナ.」の表1におけるモノマー6h及び6mの記載からみて、当該報告の6h及び6mのジアクリレート化合物の化学構造は、甲第1号証の上記「第5.1.ア.」に記載された「 」の式において、そのR5が水素原子(6h)及びメチル基(6m)である場合のものに相当し、甲第1号証の上記「第5.1.ア.」には、当該「一般式(R-2)で表される2官能性のアクリレート化合物」が「重合体ネットワーク」を形成することが記載されている。 また、甲第19号証の上記「第5.5.ニ.」の「ビニル基を二つ以上含むモノマーを重合させたり,ビニル型モノマーと共重合させると,ポリマー鎖間の架橋が起こり,三次元(無限網目)構造がつくられる.」との記載、及び全文訂正明細書の6頁15~17行の「もう一つの好適態様において、重合性混合物は、2個または3個以上の重合性官能基を有する反応性メソゲン化合物(多官能性化合物)を含有する。このような混合物を重合させると、三次元ポリマー網状構造体が形成される。」との記載からみて、甲第1号証に記載されたジアクリレート化合物を更に含むようにしてみた場合に、重合した材料が「三次元網状構造体を形成」することは自明である(以下「甲第9号証及び甲第19号証に記載された技術事項」という。)。 したがって、本件訂正発明10において、上記「重合体ネットワーク」に照らして、相違点13に係る本件訂正発明10の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (オ)本件訂正発明10の効果 そして、本件訂正発明10の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証の3発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、甲第1号証に記載された技術事項、上記常套手段2及び4、並びに甲第9号証及び甲第19号証に記載された上記の技術事項から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明10は、甲第1号証の3発明、甲第1号証に記載された技術事項、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、甲第1号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、上記常套手段2及び4、並びに甲第9号証及び甲第19号証に記載された上記の技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明10についての特許は、無効理由2により無効とすべきものである。 (10)本件訂正発明11について ア.対比 本件訂正発明11と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点14] 本件訂正発明11は「重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ」るのに対して、甲第1号証の1発明は、具体的には「卵黄レシチンの0.1重量%エタノール溶液をガラス基板に塗布して、垂直配向膜を形成」して「ホメオトロピック配向」に配向させるものである点。 イ.判断 配向層を担持することなく、ホメオトロピック配向に配向した配向膜を形成するためには、重合性メソゲン物質の混合物の組成について、用いる化合物を厳選するとともに、その配合比を極めて厳選した範囲に特定することが必要不可欠であるのに対して、甲第1号証を含む甲各号証の公知刊行物には、配向層を担持することなくホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させることができる重合性メソゲン物質の混合物の組成が開示されていない。したがって、甲第1号証の1発明で用いられている重合性メソゲン物質の組成を、基板に予め配向層を担持することなくホメオトロピック配向が得られる組成にするためには、当業者の通常の創作能力を超える創意工夫を要するものと認められ、本件訂正発明11が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明11は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明11についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (11)本件訂正発明12について ア.対比 本件訂正発明12と甲第1号証の2発明とを対比すると、両者は、 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が、 A) a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個CH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲンを b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤、の存在下において含み、 該重合性メソゲン物質の混合物が本質的に下記成分からなる、前記補償膜: a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIに従うメソゲンを15~85重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違する。 [相違点2] 本件訂正発明12は「a2)2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIによるメソゲン」を「10~80重量%」の範囲で含むのに対して、甲第1号証の2発明はそのような「2個または3個以上の重合性官能基を有するメソゲン」を含むものではない点。 [相違点3] 本件訂正発明12は「アニソトロピックポリマー層」が「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向」を有するのに対して、甲第1号証の2発明は「ツイステッドネマチック配向」を有するものである点。 [相違点10] 本件訂正発明12は「A)重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られる」のに対して、甲第1号証の2発明は、これらA)~E)の製造方法により補償膜という物を特定するものではない点。 イ.判断 (ア)相違点2について 上記相違点2については、上記「1.(3)イ.(ア)」のとおりであるから、本件訂正発明12において、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物を適用することにより、相違点2に係る本件訂正発明8の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点3について 上記相違点3については、上記「1.(3)イ.(イ)」のとおりであるから、本件訂正発明12において、甲第1号証に記載された技術事項に照らして、ツイステッドネマチック配向をホメオトロピック配向に置き換えることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)相違点10について 上記相違点10については、上記「1.(7)イ.(ウ)」のとおりであるから、本件訂正発明12において、上記常套手段2及び4に照らして、相違点10に係る本件訂正発明12の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (エ)本件訂正発明12の効果 そして、本件訂正発明12の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、上記常套手段2及び4、並びに甲第1号証に記載された技術事項から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明12は、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、上記常套手段2及び4、並びに甲第1号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明12についての特許は、無効理由2により無効とすべきものである。 (12)本件訂正発明13について ア.対比 本件訂正発明13と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点5] 本件訂正発明13は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」として「a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲン」を「75~99重量%」の範囲で「重合性メソゲン物質の混合物」に含んでいるのに対して、甲第1号証の1発明はそのような条件を満たすものではない点。 イ.判断 上記相違点5については、上記「1.(2)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明13が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明13は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明13についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (13)本件訂正発明14について ア.対比 本件訂正発明14と甲第1号証の2発明とを対比すると、両者は、 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、 a)式I P-(Sp-X)n-MG-R I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、この基は好ましくは、下記式IIに従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基またはナフタレン-2,6-ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味のーつを有する、 で表される化合物から選択される、少なくとも1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、 b)開始剤 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤 を含む、前記混合物。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違する。 [相違点15] 本件訂正発明14は「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向を有する少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるため」の重合性メソゲン物質の混合物であるのに対して、甲第1号証の2発明は「ツイステッドネマチック配向を有するアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるため」の混合物である点。 イ.判断 甲第1号証には、上記「第5.1.カ.」の「その配向構造は光学異方フィルムの用途によって、適当な配向状態を示すことが好ましい。そのような配向構造の例としては、・・・ホメオトロピック配向・・・を含む。」との記載にあるように、用途に応じて「ホメオトロピック配向」にすることが記載されている。 してみると、甲第1号証の2発明の「重合性液晶組成物」という「物」の用途には、ホメオトロピック配向した光学異方フィルムの調製に用いられる用途も含まれているといえるから、用途限定に関する相違点11について、実質的な差異があるとは認められない。 また、仮に用途限定に関する相違点11に実質的な差異があるとしても、甲第1号証の上記「第5.1.オ.」には「ホメオトロピック配向は、例えば垂直配向が得られる2枚の基板を一定の間隔をもって対向させ、この間に重合性液晶組成物を挟持させることによって得ることができる。」との記載があり、甲第1号証の上記「第5.1.ソ.」にも「実施例22」として「ホメオトロピック配向」を有する光学異方フィルムの具体例が記載されている(甲第1号証に記載された技術事項)ので、本件訂正発明14において、甲第1号証の上記「実施例22」の「ホメオトロピック配向」の「光学異方フィルム」に照らして、相違点11に係る本件訂正発明14の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 そして、本件訂正発明14の発明特定事項全体によって奏される効果は、当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明14は、甲第1号証の2発明の「重合性液晶組成物」という物の発明と実質的に区別することができないから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、本件訂正発明14についての特許は、無効理由1により無効とするべきものである。 また、本件訂正発明14は、甲第1号証の2発明、及び甲第1号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明14についての特許は、無効理由2により無効とするべきものである。 (14)本件訂正発明25について ア.対比 本件訂正発明25と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点14] 本件訂正発明25は「重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ」るのに対して、甲第1号証の1発明は、具体的には「卵黄レシチンの0.1重量%エタノール溶液をガラス基板に塗布して、垂直配向膜を形成」して「ホメオトロピック配向」をさせるものである点。 イ.判断 上記相違点14については、上記「1.(10)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明25が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明25は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明25についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (15)本件訂正発明26について ア.対比 本件訂正発明26と甲第1号証の2発明とを対比すると、両者は、 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜であって、 該補償膜が A)本質的に a1)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II’ (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式I’およびII’に従うメソゲン15~85重量% b)開始剤0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物0~20重量%、および d)安定剤0~1000ppmからなる、 重合性メソゲン物質の混合物を配向させた、前記補償膜。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違する。 [相違点12] 本件訂正発明26は「a2)式I・・・で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIによるメソゲン」を「10~80重量%」を含むのに対して、甲第1号証の2発明はそのような「2個または3個以上の重合性官能基を有するメソゲン」を含むものではない点。 [相違点3] 本件訂正発明26は「アニソトロピックポリマー層」が「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向」を有するのに対して、甲第1号証の2発明は「ツイステッドネマチック配向」を有するものである点。 [相違点10] 本件訂正発明26は「A)・・・重合性メソゲン物質の混合物を、少なくとも1つの基板上に層形態で塗布し、B)この混合物を、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ、C)この混合物を熱または活性照射線にさらすことによって重合させ、D)必要に応じて、工程A)、B)およびC)を少なくとも1回以上反復し、次いで、E)必要に応じて、重合した材料から基板の一方または両方を取り除く、ことによって得られ」るのに対して、甲第1号証の2発明は、これらA)~E)の製造方法により補償膜という物を特定するものではない点。 イ.判断 (ア)相違点12について 上記相違点12については、上記「1.(3)イ.(ア)」のとおりであるから、本件訂正発明26において、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物を適用することにより、相違点12に係る本件訂正発明26の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点3について 上記相違点3については、上記「1.(3)イ.(イ)」のとおりであるから、本件訂正発明26において、甲第1号証に記載された技術事項に照らして、ツイステッドネマチック配向をホメオトロピック配向に置き換えることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)相違点10について 上記相違点10については、上記「1.(7)イ.(ウ)」のとおりであるから、本件訂正発明26において、上記常套手段2及び4に照らして、相違点10に係る本件訂正発明26の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (エ)本件訂正発明26の効果 そして、本件訂正発明12の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、甲第1号証に記載された技術事項、並びに上記常套手段2及び4から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明26は、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、甲第1号証に記載された技術事項、並びに上記常套手段2及び4に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明26についての特許は、無効理由2により無効とすべきものである。 (16)本件訂正発明27について ア.対比 本件訂正発明27と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点14] 本件訂正発明27は「重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ」るのに対して、甲第1号証の1発明は、具体的には「卵黄レシチンの0.1重量%エタノール溶液をガラス基板に塗布して、垂直配向膜を形成」して「ホメオトロピック配向」に配向させるものである点。 イ.判断 上記相違点14については、上記「1.(10)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明27が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明27は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明27についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (17)本件訂正発明28について ア.対比 本件訂正発明28と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点5] 本件訂正発明28は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」として「a1)1個の重合性官能基を有する少なくとも2種の式IおよびIIに従うメソゲン」を「75~99重量%」の範囲で「重合性メソゲン物質の混合物」に含んでいるのに対して、甲第1号証の1発明はそのような条件を満たすものではない点。 イ.判断 上記相違点5については、上記「1.(2)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明28が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明28は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明28についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (18)本件訂正発明29について ア.対比 本件訂正発明29と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点14] 本件訂正発明29は「重合性メソゲン物質の混合物を、配向層を担持しない少なくとも1つの基板上に層形態で塗布することにより、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向に配向させ」るのに対して、甲第1号証の1発明は、具体的には「卵黄レシチンの0.1重量%エタノール溶液をガラス基板に塗布して、垂直配向膜を形成」して「ホメオトロピック配向」に配向させるものである点。 イ.判断 上記相違点14については、上記「1.(10)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明29が、甲第1号証の1発明であるとすることはできなず、また、本件訂正発明29が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明29は、甲第1号証の1発明であるとすることはできないから、本件訂正発明29についての特許は、無効理由1により無効とすることはできない。 また、本件訂正発明29は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明29についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (19)本件訂正発明30について ア.対比 本件訂正発明30と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点1] 本件訂正発明30は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」として「a)式I・・・で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン」を「75~99重量%」の範囲で「重合性メソゲン物質の混合物」に含んでいるのに対して、甲第1号証の1発明は、化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」という条件を具備するものではない点。 イ.判断 上記相違点1については、上記「1.(2)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明30が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明30は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明30についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (20)本件訂正発明31について ア.対比 本件訂正発明31と甲第1号証の2発明とを対比すると、両者は、 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、 a1)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II' (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン、 b)開始剤、 c)必要に応じて、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物、および d)必要に応じて、安定剤 を含む、前記混合物。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違する。 [相違点9] 本件訂正発明31は「a2)式I・・・で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種のメソゲン」を含むのに対して、甲第1号証の2発明はそのような「2個または3個以上の重合性官能基を有するメソゲン」を含むものではない点。 [相違点3] 本件訂正発明31は「アニソトロピックポリマー層」が「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向」を有するのに対して、甲第1号証の2発明は「ツイステッドネマチック配向」を有するものである点。 イ.判断 (ア)相違点9について 上記相違点9については、上記「1.(3)イ.(ア)」のとおりであるから、本件訂正発明31において、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物を適用することにより、相違点9に係る本件訂正発明31の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点3について 上記相違点3については、上記「1.(3)イ.(イ)」のとおりであるから、本件訂正発明31において、甲第1号証に記載された技術事項に照らして、ツイステッドネマチック配向をホメオトロピック配向に置き換えることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)本件訂正発明31の効果 そして、本件訂正発明31の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、並びに甲第1号証に記載された技術事項から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明31は、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、並びに甲第1号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明31についての特許は、無効理由2により無効とすべきものである。 (21)本件訂正発明32について ア.対比 本件訂正発明32と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点1] 本件訂正発明32は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」として「a)式I・・・で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン」を「75~99重量%」の範囲で「重合性メソゲン物質の混合物」に含んでいるのに対して、甲第1号証の1発明は、化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」という条件を具備するものではない点。 イ.判断 上記相違点1については、上記「1.(2)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明32が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明32は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明32についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 (22)本件訂正発明33について ア.対比 本件訂正発明33と甲第1号証の2発明とを対比すると、両者は、 「少なくとも1つのアニソトロピックポリマー層を含む補償膜の調製に用いられるための重合性メソゲン物質の混合物であって、本質的に a)式I’ P-(Sp-X)n-MG-R I’ 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、 nは、1であり、 MGは、下記式II’に従い選択され: -(A1-Z1)m-A2-Z2-A3- II' (式中、 A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4-フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はまた、Oおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4-シクロヘキセニレン基であり、これらの基は全部が未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基により、あるいは炭素原子1~7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基により置換されていてもよく、これらの基中の1個または2個以上のH原子はFまたはClにより置換されていてもよく、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、そして mは、0、1または2である)、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、この基は未置換であるか、あるいは1個または2個以上のハロゲンまたはCNにより置換されており、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまたそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない様相で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノである、 で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式I’およびII’に従うメソゲン15~85重量%、 b)開始剤を0.01~5重量%、 c)2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を0~20重量%、および d)安定剤を0~1000ppm。 からなる、 前記混合物。」 との点で一致し、両者は以下の点で相違する。 [相違点12] 本件訂正発明33は「a2)式I・・・で表される化合物から選択される、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の式IおよびIIによるメソゲン」を「10~80重量%」の量で含むのに対して、甲第1号証の2発明はそのような「2個または3個以上の重合性官能基を有するメソゲン」を含むものではない点。 [相違点3] 本件訂正発明33は「アニソトロピックポリマー層」が「ホメオトロピック分子配向または傾斜したホメオトロピック分子配向」を有するのに対して、甲第1号証の2発明は「ツイステッドネマチック配向」を有するものである点。 イ.判断 (ア)相違点12について 上記相違点12については、上記「1.(3)イ.(ア)」のとおりであるから、本件訂正発明33において、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物を適用することにより、相違点12に係る本件訂正発明33の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (イ)相違点3について 上記相違点3については、上記「1.(3)イ.(イ)」のとおりであるから、本件訂正発明33において、甲第1号証に記載された技術事項に照らして、ツイステッドネマチック配向をホメオトロピック配向に置き換えることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (ウ)本件訂正発明33の効果 そして、本件訂正発明33の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、並びに甲第1号証に記載された技術事項から当業者が予測し得る範囲内のものである。 ウ.小括 よって、本件訂正発明33は、甲第1号証の2発明、甲第1号証及び甲第9号証に記載された上記「一般式(R-2)」の化合物、並びに甲第1号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件訂正発明33についての特許は、無効理由2により無効とすべきものである。 (23)本件訂正発明34について ア.対比 本件訂正発明34と甲第1号証の1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の点で相違する。 [相違点1] 本件訂正発明34は、式Iで表される化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」として「a)式I・・・で表される化合物から選択される、1個の重合性官能基を有する少なくとも2種のメソゲン」を「75~99重量%」の範囲で「重合性メソゲン物質の混合物」に含んでいるのに対して、甲第1号証の1発明は、化合物のSpが「少なくとも1個のCH2基を残すことを条件」という条件を具備するものではない点。 イ.判断 上記相違点1については、上記「1.(2)イ.」のとおりであるから、本件訂正発明34が、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 ウ.小括 よって、本件訂正発明34は、甲第1号証の1発明、甲各号証の公知刊行物に記載された発明、並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるとすることはできないから、本件訂正発明34についての特許は、無効理由2により無効とすることができない。 2.無効理由3について (1)特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載 本件特許の請求項1~34の記載は、上記「第3 本件訂正後の特許発明」の項に示したとおりである。 また、本件訂正後の明細書の発明の詳細な説明には、次のとおりの記載がある。 ア.従来技術と解決しようとする課題(訂正明細書1頁末行~3頁10行) 「EP0606940は、円偏光された光を生じさせるか、または四分の一液長リターデーション膜とともに使用した場合、広い波長範囲にわたり輝度の高い直線偏光された光を生じさせるコレステリック反射型偏光板を開示している。しかしながら、この偏光板の光学的性質、例えば輝度およびコントラスト比は、視角が大きくなるのに従い相当に劣化される。 従って、上記したもののような広帯域コレステリック反射型偏光板と一緒に使用した場合、広い視角範囲にわたり当該偏光板の光学的性質を改善する補償膜を利用できることが望まれていた。 補償膜は従来技術で開示されている。通常、この目的には、アイソトロピックまたは液晶ポリマーの単軸延伸フィルムが使用されている。反応性メソゲンの重合混合物から形成された補償膜はまた、開示されている。 例えば、JP05-142531には、膜の垂直方向に配向されているネマティック液晶ポリマーを含む補償板が記載されている。この補償板はガラスセルでホメオトロピック配向される液晶を配向させることによって形成される。しかしながら、JP05-142531に記載されているような液晶の配向はしばしば、達成が困難であり、また高温を要する。さらにまた、JP05-142531に記載されているように、ガラスセルで重合させ、引き続きガラス板を取り除く方法は複雑であり、工業的大規模製造に適していない。 Heynderickx,Broer等によるMol.Cryst.Liq.Cryst.,203(1991),113~126頁には、非カイラルメソゲンジアクリレートとカイラルドープ剤との重合混合物から形成されたSTN用の補償膜が形成されている。この膜の液晶分子はプレーナ配向、すなわち膜面に対して平行の配向を有する。しかしながら、この刊行物に記載されている1種のみの重合性化合物を含有する重合性液晶組成物は一般に、高融点を示し、従って配向および重合に高温を要し、これはこのような膜を製造する場合、重要な欠点である。 さらにまた、JP05-142531およびHynderickx,Broer等による刊行物に記載されている補償板は、補償性液晶ディスプレイ、例えばSTNディスプレイで使用されているが、これらは液晶ディスプレイと組合わされている広帯域反射型コレステリック偏光板の補償用にデザインされていない。従って、広帯域コレステリック反射型偏光板と一緒に使用した場合、この偏光板の光学的性質を広い視角範囲にわたり増強させ、組み立てが容易であり、かつまた前記の従来技術の補償膜の欠点を有していない補償膜に対する格別の要求が存在している。 本発明の課題の一つは、これらの性質を有する補償膜を提供することにある。本発明のもう一つの課題は、このような補償膜を備えた液晶表示デバイスを提供することにある。本発明のその他の課題は、以下の詳細な説明から当業者にとって直に明白である。 これらの課題が、本発明に従い、ホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する補償膜を提供することによって達成することができることが見出された。」 イ.良好な配向を得るための方法(訂正明細書8頁26行~9頁4行) 「良好な配向を備えたポリマーフィルムを得るためには、この重合を重合性メソゲン物質の混合物の液晶相でホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向状態で行うべきである。従って、低融点、好ましくは100℃またはそれ以下、特に60℃またはそれ以下の融点を有する重合性混合物を使用すると好ましく、これにより低温で混合物の液晶相において硬化を行うことができる。これによりまた、重合操作を容易にすることができ、これは大量生産の場合に特に重要である。100℃以下の硬化温度が好適である。60℃以下の硬化温度は特に好ましい。」 ウ.式Iの反応性メソゲン化合物(訂正明細書11頁19行~12頁24行) 「本発明の好適態様において、重合性メソゲン物質の混合物に使用される反応性メソゲン化合物は、下記式Iで表わされる化合物である: P-(Sp-X)n-MG-R    I 式中、 Pは、重合性基であり、 Spは、炭素原子1~20個を有するスペーサー基であり、 Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-から選択される基または単結合であり、 nは、0または1であり、 MGは、メソゲン基またはメソゲン支持基であり、…、そして Rは、25個までの炭素原子を有するアルキル基であり、…あるいはRはまた、ハロゲンまたはシアノであるか、あるいは独立して、P-(Sp-X)n-について示されている意味の一つを有する。」 エ.実施例(訂正明細書22頁15行~26頁末行) 「前記および下記の例において、別段の記載がないかぎり、温度は全部が未補正であって、摂氏度で示されおり、そして部およびパーセンテージは全部が重量による。下記の略号を使用して、化合物の液晶相挙動を示す: K=結晶;N=ネマティック;S=スメクティック;Ch=コレステリック;I=アイソトロピック。これらの記号間の数値は相転移温度を摂氏度で示すものである。 例1A 下記の混合物を調製する: 化合物(1) 24.5% 化合物(2) 24.5% 化合物(3) 24.5% 化合物(4) 24.5% イルガキュア651 2.0% (Irgacure) イルガキュアは市販の光開始剤である(Ciba Geigy AG)。化合物(1)の製造はDE195,04,224に記載されている。化合物(2)~(4)は同様にして製造することができる。 この混合物は、SA 76 Ch 121 Iの中間相挙動を示す。 補償膜を製造するために、この混合物をシクロペンタノン中に溶解し、次いで0.2ミクロンPTFEフィルターに通して濾過した。この試料を、ワイヤー巻き付け塗布棒によりガラス上に塗布し(通常、12ミクロンのコーティング)、次いで窒素雰囲気下に50℃で溶剤を蒸発させた。この混合物を次いで、窒素雰囲気下に、70mW/cm2の照度を有する紫外線光に5分間さらすことによって硬化させ、3ミクロンの厚さを有するアニソトロピックポリマーフィルムを形成した。 このポリマーフィルムは、偏光光学顕微鏡下で、光学的に透明であり、垂直入射で見た場合、複屈折を伴わず、かつ視角の増大とともに増加する複屈折率を伴う、メソゲン基のホメオトロピック配向を示した。 このホメオトロピック薄膜を有するガラス板を、接着層により広波長帯域コレステリック薄膜のシートに接着させた。 この広波長帯域反射型偏光膜は、反応性コレステリックメソゲン化合物の重合した混合物からなる。この偏光板は、多種のピッチ長さのコレステリックラセンを示し、そして約260nmの帯域をもって、図2に示されている広い反射帯域を有していた。 上記接着層は、ヘキサンジオールジアクリレートおよび1%のイルガキュア651からなる塗布混合物を70mW/cm2の照度を有する紫外線光下に3分間硬化させることによって調製し、20ミクロンの厚さを有していた。 例1B 下記の測定において、反射型偏光板51および1Aの本発明によるホメオトロピック補償膜52、四分の一波長薄膜(QWF)53および直線偏光板54(偏光軸はQWFの固定軸に対して45°である)を備えている図3に記載の装置を通過する、市販LCDバックライト50からの光の輝度を、或る視角範囲(-60°~+60°)でミノルタ(Minolta)CS-100カラーカメラ55を用いて測定した。この測定値を図4に示す。 第一に、反射型偏光板51、QWF53および直線偏光板54からなり、本発明による補償膜52を備えていない未補償偏光板組合わせにかかわる結果(曲線4b)を、直線偏光板54を単独で用いた同一装置(曲線4a)と比較した。 曲線4bから、4aに比較して、約44%の明度の増加、すなわち輝度の増加が垂直方向(視野角角度=0°)で測定された。しかしながら、視野角が大きくなるに従う、反射型偏光板それ自体による位相リターデーションの増加は、測定された輝度の顕著な減少を引き起こした。これは36°のクロスオーバー角で直線偏光板について測定された数値と一致した。 次いで、この結果を、反射型偏光板51、本発明によるホメオトロピック補償膜52、QWF53および直線偏光板54からなる補償偏光板組合わせ(4c)と比較した。クロスオーバー角は補償膜を用いない場合の約36°から補償膜を用いた場合の約47°に増加した。曲線4b(未補償)と曲線4c(補償済)とを比較した場合、ホメオトロピック補償膜を使用した場合に、全視角にわたり輝度が格別に増大されることを見ることができる。 図5は、補償済試料(5b)および未補償試料(5a)にかかわる色度差(CIE 1976 L*U*V*色空間による△E*UV値)を示している。曲線5bに示されているように、補償膜は、補償膜を用いない試料(曲線5a)と比較して、角度の増大に従い、色度差を減少させる。一例として、40°の視角において、補償膜を用いた試料の色度差は、補償膜を用いない試料の色度差のほぼ半分である。 例2 下記の混合物を調製する: 化合物(5) 69% 化合物(6) 19% イルガキュア651 12% (Irgacure) 二反応性化合物(5)は、WO93/22397に記載されている化合物の合成と同様にして製造することができる。化合物(6)は、化合物(1)~(4)と同様にして製造することができる。 この混合物は、SA 76 N 117 Iの中間相挙動を示す。 この混合物のシクロペンタノン中20%溶液を、シリカ塗布PET基板上に塗布し、次いで溶剤を蒸発させた。この混合物を60℃で紫外線光にさらすことによって硬化させ、ホメオトロピック配向膜を得た。この膜を、例1Bに記載の装置で補償膜として使用した場合、60°のクロスオーバー角が見出された。 例3 下記の混合物を調製する: 化合物(5) 40% 化合物(7) 10% 化合物(8) 46% イルガキュア907 4% (Irgacure) イルガキュアは、市販の光開始剤である(Ciba Geigy AG)。化合物(7)および(8)は、化合物(1)~(4)と同様にして製造することができる。 本明細書に記載の補償板として使用することができるホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを、例1Aに記載のとおりに、上記混合物の塗布、配向および硬化により製造した。 前記諸例は、前記例で用いられているものの代わりに、一般的または具体的に記載されている反応剤および(または)本発明の操作条件を用いて同様の成功をもって反復することができる。 前記記載から、当業者は本発明の本質的特徴を容易に確認することができ、また本発明の精神および範囲から逸脱することなく、各種用途および状態に適合させるために、本発明を変更および修正することができるものとする。」 (2)本件訂正発明1~34の解決しようとする課題 一般に「特許請求の範囲の記載が,明細書のサポート要件に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものであり,明細書のサポート要件の存在は,特許出願人…が証明責任を負うと解するのが相当である。」とされている〔平成17年(行ケ)10042号判決参照。〕。 そして、本件訂正発明1~34の解決しようとする課題は、全文訂正明細書1頁末行~3頁10行〔上記2.(1)ア.〕の記載を含む発明の詳細な説明の全体の記載からみて「偏光板の光学的性質を広い視角範囲にわたり増強させ、組み立てが容易であり、重合性液晶組成物が高融点を示し配向および重合に高温を要するという欠点を有していないホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向を有する補償膜の提供、このような補償膜を備えた液晶表示デバイスの提供、並びにこのような補償膜を調製できる重合性メソゲン物質の混合物の提供」にあるものと認められる。 (3)詳細な説明に記載された発明 一般に「化学物質の発明の有用性をその化学構造だけから予測することは困難であり,試験してみなければ判明しないことは当業者の広く認識しているところである。したがって,化学物質の発明の有用性を知るには,実際に試験を行い,その試験結果から,当業者にその有用性が認識できることを必要とする。」とされている〔平成20(行ケ)10483号判決参照〕。 そして、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、その例1A~例3の具体例として化合物(1)~(8)の重合性メソゲン物質が記載され、そのうちの化合物(1)~(6)について「本明細書に記載の補償板として使用することができるホメオトロピック配向を有するポリマーフィルム」が得られたという試験結果が示されているところ、当該化合物(1)~(8)は、いずれも全文訂正明細書の11頁21行〔上記2.(1)ウ.〕の「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」において、Pが重合性基としてのアクリレート基(CH2=CHCOO-)であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基〔-(CH2)3-又は-(CH2)6-〕であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物に該当する。 すなわち、当該「式I」で表される化合物において、Pがアクリレート基以外の、メタアクリレート基、プロペニルエーテル基、又はエポキシ基などである場合のもの、Spが「この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換え」られている場合のもの、Xが-O-以外の「-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合」であるもの(又は、Pがビニル基であり、Spの左末端のメチレン基が-CO-O-に置き換えられ、Spの右末端のメチレン基が-O-に置き換えられ、Xが単結合であるもの以外のもの)ついては、当該化合物の有用性を当業者が認識できる程度の記載が、全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらない。 また、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)イ.)には、良好な配向を備えたポリマーフィルムを得るためには、重合性メソゲン物質の混合物の液晶相でホメオトロピック配向または傾斜したホメオトロピック配向状態で重合を行うべきであり、好ましくは100℃またはそれ以下の低融点を有する重合性混合物を使用する必要があり、これにより低温で混合物の液晶相において硬化を行うことができる旨の記載がなされているところ、当該「式I」で表される化合物の全てが、良好な配向を備えたポリマーフィルムを得るために必要な物性(好ましくは100℃以下の低融点を有する重合性メソゲン物質の混合物を形成し得る物性)を有し、これらが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は、全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらない。 (4)特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との対比 ア.本件訂正発明1 本件特許の請求項1は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pが重合性基(アクリレート基)であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明1の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基又はエポキシ基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質や、Pがアクリレート基であり、Spが-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-OCO-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが、実際に合成して使用することができ、これらが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを当業者が認識できる程度に裏付ける記載は、全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらない。 そして、全文訂正明細書2頁22~24行(上記2.(1)ア.)には、高融点を示す重合性液晶組成物は補償膜を製造する場合の重要な欠点になることが記載され、同8頁26行~9頁1行(上記2.(1)イ.)には、良好なホメオトロピック配向を備えたポリマーフィルムを得るためには、100℃以下の低融点を有する重合性混合物を使用することが必要である旨の記載がなされているので、本件訂正発明の式Iの反応性メソゲン化合物のうち、100℃以下の低融点を有さないものが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあると解することはできない。 また、メソゲンの分子量や立体構造や極性基の有無などによっても、その反応性メソゲン物質としての物性が大きく異なることも当業者の技術常識であるところ、本件訂正発明1の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項1の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明1の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 イ.本件訂正発明4 本件特許の請求項4は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明4の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明4の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項4の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明4の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ウ.本件訂正発明5 本件特許の請求項5は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明5の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明5の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜を備えた液晶表示デバイス」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項5の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明5の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 エ.本件訂正発明6 本件特許の請求項6は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~3個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明6の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-O-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明6の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項6の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明6の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 オ.本件訂正発明7 本件特許の請求項7は「少なくとも1つの基板がプラスティックフィルムであることを特徴とする、請求項6に記載の補償膜」に関するものであるところ、上記と同様の理由により、本件訂正後の請求項7の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明7の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 カ.本件訂正発明8 本件特許の請求項8は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I’」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明8の式I’において、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明8の式I’の反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項8の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明8の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 キ.本件訂正発明9 本件特許の請求項9は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明9の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明9の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項9の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明9の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ク.本件訂正発明10 本件特許の請求項10は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I’」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明10の式I’において、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明10の式I’の反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項10の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明10の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ケ.本件訂正発明11 本件特許の請求項11は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明11の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明11の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項11の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明11の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 コ.本件訂正発明12 本件特許の請求項12は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明12の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明12の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項12の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明12の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 サ.本件訂正発明13 本件特許の請求項13は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明13の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明13の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項13の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明13の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 シ.本件訂正発明14 本件特許の請求項14は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明14の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明14の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜を調製できる重合性メソゲン物質の混合物」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項14の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明14の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ス.本件訂正発明25 本件特許の請求項25は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明25の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明25の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項25の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明25の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 セ.本件訂正発明26 本件特許の請求項26は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I’」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明26の式I’において、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明26の式I’の反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項26の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明26の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ソ.本件訂正発明27 本件特許の請求項27は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明27の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明27の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項27の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明27の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 タ.本件訂正発明28 本件特許の請求項28は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明28の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明28の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項28の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明28の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 チ.本件訂正発明29 本件特許の請求項29は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明29の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明29の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項29の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明29の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ツ.本件訂正発明30 本件特許の請求項30は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明30の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明30の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜を調製できる重合性メソゲン物質の混合物」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項30の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明30の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 テ.本件訂正発明31 本件特許の請求項31は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I’」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明31の式I’において、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明31の式I’の反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜を調製できる重合性メソゲン物質の混合物」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項31の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明31の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ト.本件訂正発明32 本件特許の請求項32は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明32の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明32の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜を調製できる重合性メソゲン物質の混合物」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項32の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明32の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ナ.本件訂正発明33 本件特許の請求項33は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I’」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I’」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明33の式I’において、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明33の式I’の反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜を調製できる重合性メソゲン物質の混合物」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項33の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明33の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 ニ.本件訂正発明34 本件特許の請求項34は、その「P-(Sp-X)n-MG-R」で示される「式I」の式中「Pは、重合性基であり、Spは、炭素原子1~20個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であって、この基中、少なくとも1個のCH2基を残すことを条件として、さらに、1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基が、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-CO-O-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-により置き換えられていてもよく、Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-または単結合であり、」という事項を発明特定事項とするものである。 これに対して、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)エ.)には、当該「式I」の式中、Pがアクリレート基であり、Spが炭素数3又は6個の直鎖状アルキレン基であり、Xが-O-であり、nが1であり、MGがメソゲン基である場合の反応性メソゲン化合物が、ホメオトロピック配向を有するポリマーフィルムを形成し、これが補償膜として使用できるという試験結果が示されているものの、化合物(1)~(6)以外のメソゲン(例えば、本件訂正発明34の式Iにおいて、Pがプロペニルエーテル基であり、Spが-O-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-O-COO-CH2-CO-S-であり、Xが-O-である場合のメソゲン物質など)の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜」を好適に作製できる範囲にあることを裏付ける記載は全文訂正明細書の発明の詳細な説明に見当たらず、本件訂正発明34の式Iの反応性メソゲン化合物の全てが「ホメオトロピックまたは傾斜したホメオトロピック分子配向を有する補償膜を調製できる重合性メソゲン物質の混合物」の提供をできる範囲にあるといえる本件特許の出願時の技術常識の存在も見当たらない。 したがって、本件訂正後の請求項34の記載は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件訂正発明34の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものではない。 (5)被請求人の主張 平成29年3月21日付けの上申書の27頁23行~28頁16行において、被請求人は「本件特許発明は、上記(1)の項で述べたとおり、所定のSp基を有する式Iの化合物が有する、好適なホメオトロピック配向光学補償膜を調製できるという新たな発見に基づき完成した発明であって、その本質は、上記(1)の項に記載のとおり、好適なホメオトロピック配向光学補償膜を調製できる式Iの化合物を含む重合性メソゲン物質の混合物を提供すること、該重合性メソゲン物質の混合物により調製された好適なホメオトロピック配向光学補償膜を提供すること、さらに該ホメオトロピック配向光学補償膜を含む好適な液晶表示デバイスを提供することにあるところ、特筆すべきは、混合物の融点と、ホメオトロピック配向性とは無関係である点である。・・・事実、本件訂正発明1、4~14及び25~34における式Iで表される重合性メソゲン化合物のスペーサー基の有無が、好適なホメオトロピック配向性を決定づける傾向を示すことは全文訂正明細書の例1Aおよびその結果を示す23頁下4~2行の記載や乙第4号証レポートにより既に実証されている。」と主張している。 しかしながら、全文訂正明細書の例1A~例3及び乙第4号証の追試で使用された化合物(1)~(8)の重合性メソゲン物質は、いずれも、全文訂正明細書の11頁21行の「式I」において、PがCH2=CHCOO-(アクリレート基)であり、Spが-(CH2)6-又は-CH2)3-であり、Xが-O-であり、nが1であるものに限られているので、本件訂正発明1、4~14及び25~34における式Iで表される重合性メソゲン化合物の全て、特に「所定のSp基」に含まれるもの全てが、好適なホメオトロピック配向の光学補償膜を調製できる範囲にあるとは認められない。 また、被請求人の主張にある「混合物の融点と、ホメオトロピック配向性とは無関係である点」を具体的に裏付ける根拠は見当たらず、全文訂正明細書の発明の詳細な説明(上記2.(1)イ.)の『良好な配向を備えたポリマーフィルムを得るためには、特に60℃以下の融点を有する重合性混合物を使用すると好ましい』という旨の記載にも整合しないので、上記被請求人の主張は採用できない。 (6)サポート要件のまとめ よって、本件特訂正明1、4~14及び25~34は、発明の詳細な説明に記載されたものではないから、本件訂正発明1、4~14及び25~34についての特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであって、無効理由3により無効とすべきものである。 第7 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正発明1、4~14及び25~34についての特許は、無効とすべきである。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2014-800056

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決354件(DIC 株式会社、メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング)
  • 2014-800065無効審判 / 2017-09-22 / 請求不成立液晶組成物及びそれを用いた液晶表示素子
    同じ当事者: DIC 株式会社、メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
  • 2022-800045無効審判 / 2024-08-06 / 請求不成立ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子
    同じ当事者: DIC 株式会社
  • 2022-800088無効審判 / 2023-08-30 / 請求不成立ネマチック液晶組成物
    同じ当事者: DIC 株式会社
  • 2022-800085無効審判 / 2023-08-30 / 請求不成立ネマチック液晶組成物
    同じ当事者: DIC 株式会社
  • 2016-800057無効審判 / 2018-05-07 / 請求不成立液晶媒体
    同じ当事者: メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
同じ論点・分野の審決(審決分類)261件(113・G02F、121・G02F、537・G02F)
  • 2025-002413拒絶査定不服審判 / 2026-07-29 / 原査定取消(特許/登録すべき)清掃装置および清掃方法
    共通の審決分類: 113・G02F、121・G02F、537・G02F
  • 2023-018364拒絶査定不服審判 / 2024-11-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)表示装置
    共通の審決分類: 113・G02F、121・G02F、537・G02F
  • 2023-001320拒絶査定不服審判 / 2024-10-28 / 請求不成立LCDディスプレイ向けのメタサーフェス光リサイクルカラーフィルタ
    共通の審決分類: 113・G02F、121・G02F、537・G02F
  • 2023-700273異議申立 / 2024-03-18 / 請求成立(取消)液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
    共通の審決分類: 113・G02F、121・G02F、537・G02F
  • 2022-012522拒絶査定不服審判 / 2023-12-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)光送信サブアセンブリ及び光モジュール
    共通の審決分類: 113・G02F、121・G02F、537・G02F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存