審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許無効審判

2012-800149

同時圧縮方式デジタルビデオ制作システム

審判番号
2012-800149
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願平8-526411
登録番号
特許第3525298号(P3525298)
請求日
2012年09月11日
審決日
2018年02月01日
公報発行日
2018年09月28日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】パナソニック 株式会社
  • 【請求人代理人】岩坪 哲
  • 【請求人代理人】速見 禎祥
  • 【被請求人】マルチ―フォーマット インコーポレイテッド
  • 【被請求人代理人】木村 満
  • 【被請求人代理人】杉本 和之
  • 【被請求人代理人】堀川 大介
  • 【被請求人代理人】宮本 一浩
  • 【被請求人代理人】齋藤 悟郎
  • 【被請求人代理人】笠原 基広
  • 【被請求人代理人】坂生 雄一
  • 【被請求人代理人】中村 京子
  • 【被請求人代理人】竹中 大樹
審判長/審判官
  • 審判長 鳥居 稔
  • 審判官 渡辺 努
  • 審判官 樫本 剛
分類
P1113.113-ZB (H04N) / P1113.121-ZB (H04N) / P1113.16 -ZB (H04N) / P1113.537-ZB (H04N) / P1113.841-ZB (H04N) / P1113.852-ZB (H04N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条の2、特許法第36条第6項第1号、特許法第134条の2第9項、特許法第36条第4項第1号、特許法第134条の2、特許法第134条の2第6項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の特許第3525298号「同時圧縮方式デジタルビデオ制作システム」の特許無効審判事件についてされた平成26年 3月14日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る発明に対する部分の審決取消しの判決(平成26年(行ケ)第10105号、平成27年 4月23日)があったので、審決が取り消された部分の請求項に係る発明についてさらに審理のうえ、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第3525298号の請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

【理 由】 [第1]手続の経緯 1.出願手続経緯 本件特許第3525298号は、平成8年3月1日(パリ条約による優先権主張:平成7年3月1日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成15年6月27日の手続補正を経て、平成16年2月27日に設定登録されたものであり、登録時の請求項の数は50である。 2.審判手続経緯 これに対して、請求人より平成24年9月11日に本件無効審判の請求がなされたものであり、本件無効審判における手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 平成24年 9月11日 無効審判請求(請求人) (甲第1~10号証添付) 平成25年 3月29日 審判事件答弁書(被請求人)(以下、「第1答弁」という。) 〃   3月29日 訂正請求(被請求人)(以下、「第1訂正」という。) 〃   7月18日 通知書(合議体) 〃   8月28日 口頭審理陳述要領書(請求人) (参考資料1~6添付) 〃   9月25日 口頭審理陳述要領書(被請求人) 〃  10月 3日 口頭審理 〃  11月 5日 審決の予告(1回目)(合議体)(以下、「第1予告」という。) 〃  12月26日 上申書(請求人) (参考資料7~11添付) 平成26年 3月14日 審決(合議体)(以下、「第1次審決」という。) 平成26年 3月25日 審決の一部確定 (第1訂正について、請求項9、34ないし39、45、48ないし50を削除する訂正を認めるとの部分) 平成26年 4月23日 審決取消訴訟(請求人提起) (平成26年(行ケ)第10105号) 〃   7月22日 審決取消訴訟(被請求人提起) (平成26年(行ケ)第10177号) 〃   7月23日 審決の一部確定 (請求項12、15ないし21、25、40ないし42に係る発明についての特許を無効とするとの部分) 平成26年11月28日 特許権の移転登録 平成27年 3月 9日 訴訟承継参加の申立て (平成27年(行ケ)第10048号、第10049号) 〃   4月23日 判決言渡(審決一部取消) 〃   6月 8日 上告(被請求人提起) (平成27年(行ヒ)第366号) 〃  12月15日 上告受理申立不受理 審決の一部確定 (請求項10、11、14、43、44、46、47に係る発明についての特許を無効とするとの部分) 平成27年12月21日 訂正請求申立(被請求人) 平成28年 1月22日 訂正請求(被請求人)(以下、「第2訂正」という。) 〃   1月29日 補正指令書(第2訂正に対して)(合議体) 〃   3月 2日 補正書(第2訂正に対して)(被請求人) 〃   4月 8日 審判事件弁駁書(請求人)(以下、「第1弁駁」という。) (参考資料12~16添付) 〃   6月16日 審判事件答弁書(被請求人)(以下、「第2答弁」という。) 〃   8月24日 審決の予告(合議体)(以下、「第2予告」という。) 〃  11月28日 訂正請求(被請求人)(以下、「第3訂正」という。) 〃  12月 6日 補正指令書(第3訂正に対して)(合議体) 平成29年 1月 5日 補正書(第3訂正に対して)(被請求人) 〃   2月23日 審判事件弁駁書(請求人)(以下、「第2弁駁」という。) (参考資料17、18添付) 〃   4月11日 補正許否の決定(合議体) 〃   6月 5日 審判事件答弁書(被請求人)(以下、「第3答弁」という。) 〃   6月 5日 訂正請求(被請求人)(以下、「第4訂正」という。) 〃   7月24日 審判事件弁駁書(請求人)(以下、「第3弁駁」という。) 〃  10月27日 審判事件答弁書(被請求人)(以下、「第4答弁」という。) [第2]本審決の審理範囲 平成24年9月11日付け審判請求書にて、請求人が特許第3525298号の特許(請求項1ないし50)を無効とする旨の請求を行い、第1次審決において、 「請求のとおり訂正を認める。 特許第3525298号の請求項10ないし12、14ないし21、25、40ないし44、46、47に係る発明についての特許を無効とする。 特許第3525298号の請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る発明についての審判請求は、成り立たない。 審判費用は、その50分の20を請求人の負担とし、50分の30を被請求人の負担とする。」 との結論が示された。 そして、当該第1次審決のうち、第1訂正について、請求項9、34ないし39、45、48ないし50を削除する訂正を認めるとの部分は、平成26年3月25日に確定し、請求項12、15ないし21、25、40ないし42に係る発明についての特許を無効とするとの部分は、平成26年7月23日に確定した。 また、平成27年4月23日に言い渡された判決にて、 「1 特許庁が無効2012-800149号事件について平成26年3月14日にした審決のうち、特許第3525298号の請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る部分を取り消す。 2 参加人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は参加人の負担とする。」 と判示され、平成27年6月8日に上告されたものの、平成27年12月15日に 「1 本件を上告審として受理しない。 2 申立費用は申立人の負担とする。」 と決定され、第1次審決のうち、請求項10、11、14、43、44、46、47に係る発明についての特許を無効とするとの部分は、確定した。 したがって、本審決において、審理すべき対象は、判決において、第1次審決のうち、「特許第3525298号の請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る発明についての審判請求は、成り立たない。」との結論が取り消された請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る部分のみである。 よって、以下、請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る部分について審理する。 [第3]当事者の主張の概要 上記[第2]で検討したように、本審決の審理範囲は、請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る発明であるから、以下の主張の概要は、審理範囲の請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に対する主張を摘出したものである。 なお、本件特許の訂正請求は、平成25年3月29日(第1訂正)、平成28年1月22日(第2訂正)、平成28年11月28日(第3訂正)、平成29年6月5日(第4訂正)に提出されているが、「訂正の請求がされた場合において、その審判事件において先にした訂正の請求があるときは、当該先の請求は、取り下げられたものとみなす」(特許法第134条の2第6項)と規定されているから、第1訂正(請求項9、34ないし39、45、48ないし50を削除する訂正以外)、第2訂正、第3訂正は、取り下げられたものとみなし、第4訂正のみを検討の対象とする。なお、第4訂正を、以下では、「本件訂正」と称する。 ここで、本件訂正は、請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る発明のうち、「請求項1~8、24、26~33について訂正することを求める」ものであるから、訂正請求前、すなわち、特許査定時の特許請求の範囲の請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る発明を、以下では、「本件発明1」などと称し、訂正請求後、すなわち、第4訂正の訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし8、24、26ないし33に係る発明を、以下では、「本件訂正発明1」などと称する。 1.請求人の主張 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁、第2弁駁、第3弁駁によれば、請求人は、「特許第3525298号の特許請求の範囲の請求項1乃至8、13、22乃至24、26乃至33の発明に係る特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする」、との審決を求めており、請求人の主張する無効理由の概要は次のとおりである。 1-1 本件発明について (1)本件発明1、本件発明3、本件発明4、本件発明6について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明1、本件発明3、本件発明4、本件発明6は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明であり、特許法29条第1項第3号の規定によって特許を受けることができない b)本件特許出願(優先日)の日前の他の特許出願であって本件特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、特許法29条の2の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明1、本件発明3、本件発明4、本件発明6に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第6号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料2~8、参考資料11を追加している。 (2)本件発明2について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明2は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明であり、特許法29条第1項第3号の規定によって特許を受けることができない b)本件特許出願(優先日)の日前の他の特許出願であって本件特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、特許法29条の2の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明2に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第6号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料2~8、参考資料11を追加し、圧縮率1/1の表現が圧縮しないことを意味することの説明として、参考資料13、参考資料14を追加している。 (3)本件発明5について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明5は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明であり、特許法29条第1項第3号の規定によって特許を受けることができない b)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定によって特許を受けることができない c)本件特許出願(優先日)の日前の他の特許出願であって本件特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、特許法29条の2の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明5に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第3号証、甲第6号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料2~8、参考資料11を追加している。 (4)本件発明7について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明7は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定によって特許を受けることができない b)本件特許出願(優先日)の日前の他の特許出願であって本件特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、特許法29条の2の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明7に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第3号証、甲第6号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料2~8、参考資料11を追加している。 (審判請求時の無効理由のうち、新規性喪失の無効理由は、第1弁駁にて取り下げられている。) (5)本件発明8について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明8は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定によって特許を受けることができない b)本件特許出願(優先日)の日前の他の特許出願であって本件特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、特許法29条の2の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明8に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第5号証、甲第6号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料2~8、参考資料11、参考資料16を追加している。 (6)本件発明13について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明13は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明であり、特許法29条第1項第3号の規定によって特許を受けることができない b)本件特許出願(優先日)の日前の他の特許出願であって本件特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、特許法29条の2の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明13に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第6号証を証拠として提出し、圧縮率1/1の表現が圧縮しないことを意味することの説明として、参考資料13、参考資料14を追加している。 (審判請求時の無効理由のうち、サポート要件違反の無効理由は、第1弁駁にて取り下げられている。) (7)本件発明22、本件発明23について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明22、本件発明23は、 a)特許法第36条第6項第1号、同第2号に規定する要件を満たしていない b)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明であり、特許法29条第1項第3号の規定によって特許を受けることができない c)本件特許出願(優先日)の日前の他の特許出願であって本件特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、特許法29条の2の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明22、本件発明23に付与された本件特許は、同法第123条1項2号、同第4号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第6号証を証拠として提出し、代表という用語を説明するために、参考資料1を提出し、周知技術についての説明として、参考資料2~8、参考資料11を提出している。 (8)本件発明24、本件発明33について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明24、本件発明33は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明であり、特許法29条第1項第3号の規定によって特許を受けることができない b)本件特許出願(優先日)の日前の他の特許出願であって本件特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、特許法29条の2の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明24、本件発明33に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第6号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料11を提出している。 (9)本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明31、本件発明32について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明31、本件発明32は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明31、本件発明32に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料9、参考資料10、参考資料12を提出している。 (審判請求時の無効理由のうち、サポート要件違反の無効理由は、第1弁駁にて取り下げられている。) (10)本件発明28について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明28は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明28に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料2~8、参考資料9、参考資料10、参考資料12を提出している。 (審判請求時の無効理由のうち、サポート要件違反の無効理由は、第1弁駁にて取り下げられている。) (11)本件発明30について 審判請求書、口頭陳述要領書、上申書、第1弁駁によれば、請求人は、本件発明30は、 a)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件発明30に付与された本件特許は、同法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものであると主張し、甲第1号証、甲第3号証を証拠として提出し、周知技術についての説明として、参考資料9、参考資料10、参考資料12を提出している。 (審判請求時の無効理由のうち、サポート要件違反の無効理由は、第1弁駁にて取り下げられている。) 1-2 本件訂正発明について (1)本件訂正発明1、本件訂正発明2、本件訂正発明4~8について 第2弁駁、第3弁駁によれば、請求人は、本件訂正発明1、本件訂正発明2、本件訂正発明4~8について、 a)本件訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内でなく、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合しない。 仮に本件訂正が認められるとしても、上記1-1(1)~(5)の主張に加えて、 b)特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない c)発明の詳細な説明の記載について、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない d)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件訂正発明1、本件訂正発明2、本件訂正発明4~8に係る特許は、同法第123条第1項第2号、第4項の規定により、無効とすべきものであると主張し、上記各証拠及び参考資料に加えて、参考資料17~18を提出している。 (2)本件訂正発明3について 第2弁駁、第3弁駁によれば、請求人は、本件訂正発明3について、 a)本件訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内でなく、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合しない。 仮に本件訂正が認められるとしても、上記1-1(1)の主張に加えて、 b)特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない ものであって、本件訂正発明3に係る特許は、同法第123条第1項第2号、第4項の規定により、無効とすべきものであると主張し、上記各証拠及び参考資料を提出している。 (3)本件訂正発明24、本件訂正発明26、本件訂正発明28~33について 第2弁駁、第3弁駁によれば、請求人は、本件訂正発明24、本件訂正発明26、本件訂正発明28~33について、 a)本件訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内でなく、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合しない。 仮に本件訂正が認められるとしても、上記1-1(8)~(11)の主張に加えて、 b)特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない c)発明の詳細な説明の記載について、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない d)本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定によって特許を受けることができない ものであって、本件訂正発明24、本件訂正発明26、本件訂正発明28~33に係る特許は、同法第123条第1項第2号、第4項の規定により、無効とすべきものであると主張し、上記各証拠及び参考資料に加えて、参考資料17~18を提出している。 (4)本件訂正発明27について 第2弁駁、第3弁駁によれば、請求人は、本件訂正発明27について、 a)本件訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内でなく、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合しない。 仮に本件訂正が認められるとしても、上記1-1(9)の主張に加えて、 b)特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない ものであって、本件訂正発明27に係る特許は、同法第123条第1項第2号、第4項の規定により、無効とすべきものであると主張し、上記各証拠及び参考資料を提出している。 証拠として提出された各甲号証及び参考資料 甲第1号証  :特開平6-292116号公報 甲第2号証  :特開平5-244556号公報 甲第3号証  :国際標準化機構 ISO-IEC JTC1/SC2/WG11 仕様書草案 甲第4号証  :特開平7-7715号公報 甲第5号証  :「蓄積メディア用動画像符号化技術」テレビジョン学会誌Vol.45 No.7 pp.807-812 甲第6号証  :特開平8-7535号公報 甲第7号証  :特開昭59-217206号公報 甲第8号証  :特開平6-20444号公報 甲第9号証  :特開昭58-114672号公報 甲第10号証 :特表平11-507184号公報 (甲第10号証は、本件特許出願の願書に最初に添付した明細書の記載を確認するためのものである。) 参考資料 参考資料1  :広辞苑(第6版)1694ページ (参考資料1は、「代表」という用語の意味を説明するためのものである。) 参考資料2  :特開平2-214985号公報 参考資料3  :実開平4-108246号公報 参考資料4  :日経エレクトロニクス、1994年10月24日号(126-129頁) 参考資料5  :日経パソコン、1994年11月21日号(122-123頁) 参考資料6  :日経パソコン、1994年12月5日号(192-197頁) 参考資料7  :特開平4-211587号公報 参考資料8  :月刊ビデオα第11巻第2号通巻82号(27-33頁) (参考資料2ないし8は、仮編集器が、プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターである構成は、周知であったことを示すための証拠であり、それに加えて、参考資料7ないし8は、編集にあたって、台本等を参照することが周知であったこと、参考資料4ないし5は、パーソナルコンピューターが、動画編集に対応できることが周知であったことをそれぞれ示すための証拠である。) 参考資料9  :特開平5-159536号公報 参考資料10 :特開平5-307864号公報 (参考資料9、10は、オンライン映像装置が複数のオリジナルテープへのアクセスを行うことが周知であったことを示すための証拠である。) 参考資料11 :VTR技術(218-231頁) (参考資料11は、SMPTEタイムコードが周知であったことを示すための証拠である。) 参考資料12 :特開平6-86210号公報 (参考資料12は、オンライン映像装置が複数のオリジナルテープへのアクセスを行うことが周知慣用手段であったことを示すための証拠である。) 参考資料13 :特開平6-197368号公報 参考資料14 :特開平4-336892号公報 (参考資料13ないし14は「圧縮率1/1」との表現は、「圧縮しないこと」ことを意味することを示すための証拠である。) 参考資料15 :平成26年(行ケ)第10105号、同第10177号、平成27年(行ケ)第10048号、同第10049号審決取消請求事件判決 参考資料16 :JIS X 4321 (参考資料16は、「デジタルの音声・映像番組データはインターリーブ(重ね合わせ)されていること」が、周知の事項であったことを示すための証拠である。) 参考資料17 :日経パソコン1994年6月20日号、134~135頁 (参考資料17は、パーソナルコンピューターが、ワープロソフトも動画編集ソフトも使用できることが周知であったことを示すための証拠である。) 参考資料18 :特開平6-20444号公報 (参考資料18は、訂正事項1、訂正事項3のような構成程度は周知の技術事項ないし技術常識であることを示すための証拠である。) 2.被請求人の主張 被請求人は、訂正請求をすると共に、第1答弁、口頭審理陳述要領書、第2答弁、第3答弁、第4答弁にて、以下の主張をしている。 (1)本件無効審判における、審判請求書に記載された理由はその記載要件を満たさず、また、口頭審理陳述要領書で請求人が主張する理由もその記載要件を満たすものではないから、当該請求は認められるべきではない。 (2)本件特許第3525298号の明細書、特許請求の範囲を訂正明細書のとおり、訂正後の請求項1~8、24、26~33について訂正することを求め、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、訂正後の請求項に係る発明には、無効理由がない。 [第4]訂正の適否 1.訂正事項 上記[第3]において示したとおり、本件特許の訂正については、第4訂正のみを検討の対象とする。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の記載を以下のように訂正する。 (訂正前) 【請求項1】オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システムは、 同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、前記第1のフォーマットの番組素材から必要な情報を取り出して編集して、編集決定リストを作成できるように構成され、 前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成したことを特徴とするデジタル映像制作システム。 (訂正後) 【請求項1】オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システムは、 同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組ソース素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、編集前に当該パーソナルコンピューターに用意されたスクリプトに合致するように前記第1のフォーマットの番組ソース素材から必要な情報を取り出して当該番組ソース素材を編集して、編集決定リストを作成できるように構成され、 前記スクリプトは、前記番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され、前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組ソース素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成したことを特徴とするデジタル映像制作システム。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3の記載を以下のように訂正する。 (訂正前) 【請求項3】前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。 (訂正後) 【請求項3】オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システムは、 同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組ソース素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、前記第1のフォーマットの番組ソース素材から必要な情報を取り出して編集して、編集決定リストを作成できるように構成され、 前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組ソース素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成し、 前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成しており、 前記制作システムは、前記カムコーダーを備え、 前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、 前記カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作する、 ことを特徴とするデジタル映像制作システム。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項24の記載を以下のように訂正する。 (訂正前) 【請求項24】デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、 (c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えたことを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。 (訂正後) 【請求項24】デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが当該第1の映像編集システムに用意されたスクリプトに合致するように前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、前記スクリプトは、前記番組を編集して編集決定指示を作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され、 (c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えたことを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。 (3)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項27の記載を以下のように訂正する。 (訂正前) 【請求項27】前記デジタル映像記録装置はカムコーダーを形成し、前記カムコーダーは、撮影を制御するためのスクリプト情報を使用することを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。 (訂正後) 【請求項27】デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、 (c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、を備え、 前記第2の映像編集システムは複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段を備えており、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用され、 前記デジタル映像記録装置はカムコーダーを形成し、前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、当該カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作することを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。 (5)訂正事項5 特許明細書の第10欄41行~47行の記載を以下のように訂正する。 (訂正前) 内部の映像記録機能は二つの部分で構成されている。一つめは、低いデータ圧縮比のデジタル音声・映像信号が可搬型テープ駆動機構18の(1/4インチカートリッジ、1/2インチカートリッジ、DAT、6mm、8mmのような)固定ヘッドか回転ヘッドのデジタルデータレコーダーに記録され、下記に説明するオフライン編集システムを使うことを目的としている。 (訂正後) 内部の映像記録機能は二つの部分で構成されている。一つめは、低いデータ圧縮比のデジタル音声・映像信号が可搬型テープ駆動機構18の(1/4インチカートリッジ、1/2インチカートリッジ、DAT、6mm、8mmのような)固定ヘッドか回転ヘッドのデジタルデータレコーダーに記録され、下記に説明するオンライン編集システムを使うことを目的としている。 (下線は、訂正箇所を示す。) 2.当審の本件訂正請求についての判断 (1)訂正事項1について (1-1)訂正の目的の適否 本件特許の特許請求の範囲の請求項1の 「オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システムは、 同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、前記第1のフォーマットの番組素材から必要な情報を取り出して編集して、編集決定リストを作成できるように構成され、 前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成したことを特徴とするデジタル映像制作システム。」を、 「オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システムは、 同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組ソース素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、編集前に当該パーソナルコンピューターに用意されたスクリプトに合致するように前記第1のフォーマットの番組ソース素材から必要な情報を取り出して当該番組ソース素材を編集して、編集決定リストを作成できるように構成され、 前記スクリプトは、前記番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され、前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組ソース素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成したことを特徴とするデジタル映像制作システム。」 とする訂正は、「番組素材」を「番組ソース素材」に限定し、「前記第1のフォーマットの番組素材から必要な情報を取り出して編集」することについて、「編集前に当該パーソナルコンピューターに用意されたスクリプトに合致するように」「番組ソース素材」を編集し、「前記スクリプトは、前記番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され」ることに限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。 (1-2)新規事項追加の有無 本件特許明細書には、訂正事項1に関連した記載として、以下のような記載がある。 なお、下線は、強調のために、付したものである。 ア「操作に際して、オフラインデジタル映像システムPCは種々のデータ記録機器に記録された素材を編集したり組み合わせたりするのに使用され、オンライン編集システムで使用される編集決定リストを作成する。多数の記録機器の有用性はオペレーターが、たったの二つの記録機器でABロールの編集を、そして三つの記録機器でABCロールの編集を練習したり確認することができます。拡張準備か追加のSCSIバス機器を装備した時に、そのシステムは、便利でしかも適切な方法で非常に複雑なシーケンス作ることができる種々の記録機器を制御することができる。低品質の番組素材(高データ圧縮比)は、番組の編集ポイント(編集決定リスト)を決めるのみに、使用され、これから下記に述べるオフライン編集システムは、この発明により、高品質の結果で番組の最終編集版を制作することができる。 このシステムの多様性は、番組の計画が編集に、先立って、あるいはさらに、映画の撮影またはオリジナル制作のビデオ記録に先立って、コンピューターにスクリプトとステージの情報が用意されていることから始まれば、さらに高められる。スクリプトは、単純なテキストファイルとして、あるいはワードパーフェクトやワードフォーウィンドウに使用されているようなフォーマットされたワードプロセッサーファイルとして用意できる。また代わりとして、そのファイルは、プロのスクリプトライターが一般的に使用しているような専用のフォーマットでも、かまわない。このスクリプトとステージ情報には、カメラをいつ特定の俳優に切り替えるかとか、特定のカメラアングルを選択するなどの特定の命令を含むように、フォーマットされ直される。更なる詳細として、クローズアップカメラの撮影範囲あるいは、(スプリットスクリーンの光景やクローマキーの背景のような)特別な映像効果や音響効果を組み入れる場面を表示できるような能力を含む。改造されたスクリプトファイルは、スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用されるし、ビデオテープに記録する環境に必要なスクリプトの変更をする為に、あるいは、実際のテープ素材によって発見された予見できなかったアーチストの機会に役立たせる為に使用されます。」(13欄27行~14欄15行) 上記記載アより、本件特許明細書には、以下のa~eが記載されているといえる。 a オフラインデジタル映像システムは、記録された素材を編集するのに使用され、オンライン編集システムで使用される編集決定リストを作成する。 b コンピューターにスクリプトとステージの情報が用意されている。 c スクリプトは、単純なテキストファイル、ワードパーフェクトやワードフォーウィンドウに使用されているようなフォーマットされたワードプロセッサーファイル、プロのスクリプトライターが使用しているフォーマットのファイルである。 d スクリプトとステージ情報には、特定の命令を含むようにフォーマットされ直される。 e 改造されたスクリプトファイルは、スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用される。 そうすると、上記eより、改造されたスクリプトファイルは、オフライン編集システムの操作の案内に使用されるものであり、当該操作は、オペレータによるものである。また、上記aより、オフラインデジタル映像システムは、記録された素材、すなわち、番組ソース素材を編集して、編集決定リストを作成するものである。 すなわち、上記a、eより、改造されたスクリプトファイルは、番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるものといえる。 しかし、本件特許明細書には、訂正事項1における「スクリプトは、前記番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され」る構成についての直接的な記載はない。また、「改造されたスクリプトファイル」が「スクリプト」を指すものであることについての直接的な記載もない。 ここで、上記cにおいて、スクリプトは、ファイルであることが記載されており、上記b、dより、コンピューターに用意されたスクリプトとステージ情報には、特定の命令を含むようにフォーマットされ直されることから、フォーマットされ直されたものが、ファイルを改造したものと仮定すると、スクリプトのファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル、もしくは、スクリプトとステージ情報を含むファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイルが、改造されたスクリプトファイルを指すものと一応想定できる。 しかし、そのように想定した場合においても、番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるのは、『スクリプトのファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル』もしくは『スクリプトとステージ情報を含むファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル』であり、これらのファイルはスクリプト等を含むものであるかもしれないが、スクリプトであるとはいえず、スクリプトが、番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるものであるとまではいえない。 したがって、本件特許明細書のすべての記載を総合しても、「前記スクリプトは、前記番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され」ることは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、訂正事項1により訂正された事項は、新規事項を追加するものである。 (2)訂正事項2について (2-1)訂正の目的の適否 本件特許の特許請求の範囲の請求項3の 「前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。」を、 「オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システムは、 同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組ソース素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、前記第1のフォーマットの番組ソース素材から必要な情報を取り出して編集して、編集決定リストを作成できるように構成され、 前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組ソース素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成し、 前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成しており、 前記制作システムは、前記カムコーダーを備え、 前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、 前記カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作する、 ことを特徴とするデジタル映像制作システム。」 とする訂正は、訂正前の請求項3の記載が、訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めたものであり、「番組素材」を「番組ソース素材」に限定し、「制作システム」を、「前記制作システムは、前記カムコーダーを備え」ることに限定し、「カムコーダー」を「前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、前記カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作する」ことに限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。 (2-2)新規事項追加の有無 本件特許明細書には、訂正事項2に関連した記載として、以下のような記載がある。 なお、下線は、強調のために、付したものである。 イ「図1は、オプションとしてカムコーダーの一部として実現される可搬型同時圧縮記録方式デジタルビデオレコーダーの構成図である。」(10欄14行~16行) ウ「図1は、本発明による可搬型同時圧縮方式デジタルビデオレコーダーを表したものである。オプションとしてカムコーダーシステムの一部として実現する。レンズ2とビューファインダー4はカメラの筐体の胴体に装備されている。一般の光学分光系・CCDセンサー・ドライブ回路そしてデジタル信号処理回路は6に配置されている。オプションの充電池パックの機能は10に示されている。16に一般的に示されている種々のアナログとデジタル出力信号そしてあらゆる音声・映像あるいは制御信号の入力は、後部パネル12とサブパネル14に配置された適切なコネクターを通してインターフェースされている。アナログ音声信号入力そしてアナログとデジタルの両方の音声信号の出力できる準備もされていることを示している。必要ならばファィバーオプティカル線を信号搬送媒体として働かせる。」(10欄26行~40行) エ「付け加えると、放送用ニューススタジオにおいては、生番組をテレビ放送する為にリモート制御されたカメラを使用することは一般的な業務である。これらのカメラは、(カメラケーブルの長さやカメラをステージの上で互いに動かすことができる間隔などの)ステージ自身による物理的限界内で、ステージの上の必要とされるどの位置にもカメラを移動できるように電動の台の上に設置されている。ズームレンズ、パンチルト台そしてカメラの電気制御設定は、別に別れた電気制御パネルあるいは代わりに。ワシノ(WASHINO)US特許番号5、325、2 02で説明されている機器のような適切な制御ソフトを持ったコンピューターインタフェースのどちらかを含むカメラリモート制御設備を通して操作される。カメラの動きを制御する指示するソフトウェアースクリプト素材を組み合わせることによって、これらのシステムの全ての機能は適正化される。改正されたスクリプトファイルは実際のビデオテープ記録する前に準備されなければならないが、それはそれぞれの場面のセットや小道具の物理的配置を含むべきである。 上記に説明したステージの情報は、特別なカメラリモート制御のソフトにより確認される。そして、カメラオペレーターはセットや俳優の遮蔽された位置そしてある場面の小道具の配置を描いた図解のインターフェースを用意されている。このシステムはまた、共に申請中のUSシリアル番号08/050、861に説明されているように、望まれる場面を取り込むように、カメラ制御オペレーターがカメラを正しい位置にあるように、そして正しいズームレンズとパンチルトの位置を持つようにプログラムできるように(タッチスクリーンあるいはマウスのような)ユーザーインタフェースを含むことが好まれる。この場合は、オペレーターはオプションとして、映画、ビデオそしてステージプロダクションの技術で良く知られている自動ライティングシステムを制御する情報を追加することができる。この拡張版の改正されたスクリプトファイルはそこで実際の場面の撮影の間に、カメラの動きを指示することに使用される。そしてさらに、この発明による上記に説明したような、EDLを作成するようにオフライン編集処理の一部として改正される。」(14欄16行~15欄3行) 上記記載イ、ウより、本件特許明細書には、以下のf、gが記載されているといえ、上記記載ウより、本件特許明細書には、以下のhが記載されているといえる。 f 可搬型同時圧縮方式デジタルビデオレコーダーは、カムコーダーを含んでいる。 g カムコーダーは、カメラを有し、制御信号が入力される。 h 放送用ニューススタジオにおいては、リモート制御されるカメラを使用するものであり、当該カメラは、カメラリモート制御設備を通して操作され、カメラの動きを制御する指示するソフトウェアースクリプト素材を組み合わせることによって適正化され、改正されたスクリプトファイルは実際のビデオテープ記録する前に準備される。 そうすると、上記fより、可搬型同時圧縮方式デジタルビデオレコーダーはカムコーダーを含むので、デジタル映像制作システムは、カムコーダーを備えるものである。また、上記gより、カムコーダーは、何らかの制御がされるものであり、カメラを有しているものである。 また、上記hより、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラは、リモート制御されるものであり、スクリプト素材はカメラの動きを制御するものであるから、当該カメラは、カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作するものといえる。さらに、改正されたスクリプトファイルは、記録前に準備されるので、撮影前に用意されているといえる。 以上をまとめると、上記f~hより、デジタル映像制作システムは、カムコーダーを備え、当該カムコーダーは、何らかの制御がされ、カメラを有するものといえ、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラは、リモート制御され、当該カメラの動きをカメラの動きを制御するスクリプト素材により動作するものといえる。 しかし、本件特許明細書には、訂正事項2における「前記制作システムは、前記カムコーダーを備え、前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、前記カメラ(カムコーダーに有されるカメラ)は、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作する」構成についての直接的な記載はない。 確かに、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラは、リモート制御され、当該カメラの動きをカメラの動きを制御するスクリプト素材により動作するものといえるが、当該カメラは、あくまで、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラであり、カムコーダーのカメラについての説明ではない。そして、撮影者がカムコーダーを手に持って撮影する場合は、カメラマンがカムコーダーの切り替えやアングルの選択、パン・チルトの操作を行えばよく、むしろ、リモート制御ではなく、カメラマンがその場の状況に応じて適宜必要なカムコーダーの操作を行うのが普通であるから、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作することは通常想定し得ないものといえる。 したがって、本件特許明細書のすべての記載を総合しても、「前記制作システムは、前記カムコーダーを備え、前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、前記カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作する」ことは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、訂正事項2により訂正された事項は、新規事項を追加するものである。 (3)訂正事項3について (3-1)訂正の目的の適否 本件特許の特許請求の範囲の請求項24の 「デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、 (c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えたことを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。」を、 「デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが当該第1の映像編集システムに用意されたスクリプトに合致するように前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、前記スクリプトは、前記番組を編集して編集決定指示を作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され、 (c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えたことを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。」 とする訂正は、「前記第1のフォーマットで番組を編集」することについて、「当該第1の映像編集システムに用意されたスクリプトに合致するように」編集し、「前記スクリプトは、前記番組を編集して編集決定指示を作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され」ることに限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。 (3-2)新規事項追加の有無 本件特許明細書には、訂正事項3に関連した記載として、上記(1-2)の記載アが記載されており、上記記載アより、本件特許明細書には、上記(1-2)のa~eが記載されているといえる。 そうすると、上記(1-2)と同様に、改造されたスクリプトファイルは、番組を編集して編集決定指示を作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるものといえるが、本件特許明細書には、訂正事項3における「スクリプトは、前記番組を編集して編集決定指示を作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され」る構成についての直接的な記載はない。また、「改造されたスクリプトファイル」が「スクリプト」を指すものであることについての直接的な記載もない。 さらに、上記(1-2)と同様に、改造されたスクリプトファイルが、スクリプトのファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル、もしくは、スクリプトとステージ情報を含むファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイルを指すものと想定した場合においても、番組を編集して編集決定指示を作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるのは、『スクリプトのファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル』もしくは『スクリプトとステージ情報を含むファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル』であり、これらのファイルはスクリプト等を含むものであるかもしれないが、スクリプトであるとはいえず、スクリプトが、番組を編集して編集決定指示を作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるものであるとまではいえない。 したがって、本件特許明細書のすべての記載を総合しても、「前記スクリプトは、前記番組を編集して編集決定指示を作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され」ることは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、訂正事項3により訂正された事項は、新規事項を追加するものである。 (4)訂正事項4について (4-1)訂正の目的の適否 本件特許の特許請求の範囲の請求項27の 「前記デジタル映像記録装置はカムコーダーを形成し、前記カムコーダーは、撮影を制御するためのスクリプト情報を使用することを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。」を、 「デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、 (c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、を備え、 前記第2の映像編集システムは複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段を備えており、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用され、 前記デジタル映像記録装置はカムコーダーを形成し、前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、当該カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作することを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。」 とする訂正は、訂正前の請求項27の記載が、訂正前の請求項24の記載を引用する請求項26の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項26及び請求項24の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めたものであり、「カムコーダー」を「前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、当該カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作する」ことに限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。 (4-2)新規事項追加の有無 本件特許明細書には、訂正事項4に関連した記載として、上記(2-2)の記載イ~エが記載されており、上記記載イ~エより、本件特許明細書には、上記(2-2)のf~hが記載されているといえる。 そうすると、上記(2-2)と同様に、デジタル映像制作システムは、カムコーダーを備え、当該カムコーダーは、何らかの制御がされ、カメラを有するものといえ、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラは、リモート制御され、当該カメラの動きをカメラの動きを制御するスクリプト素材により動作するものといえるが、本件特許明細書には、訂正事項4における「前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、当該カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作する」構成についての直接的な記載はない。 さらに、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラは、リモート制御され、当該カメラの動きをカメラの動きを制御するスクリプト素材により動作するものといえるが、当該カメラは、あくまで、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラであり、カムコーダーのカメラについての説明ではない。そして、撮影者がカムコーダーを手に持って撮影する場合は、カメラマンがカムコーダーの切り替えやアングルの選択、パン・チルトの操作を行えばよく、むしろ、リモート制御ではなく、カメラマンがその場の状況に応じて適宜必要なカムコーダーの操作を行うのが普通であるから、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作することは通常想定し得ないものといえる。 したがって、本件特許明細書のすべての記載を総合しても、「前記カムコーダーは、リモート制御されるカメラを有し、当該カメラは、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作する」ことは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、訂正事項4により訂正された事項は、新規事項を追加するものである。 (5)訂正事項5について (5-1)訂正の目的の適否 当該訂正事項は、低いデータ圧縮比のデジタル音声・映像信号が、訂正前はオフライン編集システムを使うことを目的としている記載であるのに対し、訂正後は、オンライン編集システムを使うことを目的としている記載となるものである。 本件特許明細書には、関連する記載として、以下のような記載がある。 オ「高いデータ圧縮比を持ち、オフライン編集システムで使うことを目的とした最初のフォーマットは編集決定リストを作成する為に使われ、そして、低いデータ圧縮比を持った二つ目のフォーマットは、最終的な番組を制作するオンライン編集システムに使われる。このように、オフライン編集の決定は、移動可能記録媒体を使用して可搬型PCを含むPCで実行され、番組の最終描写は固定ヘッドかロータリーヘッドのDAT・6mmあるいは、8mmなどのデジタルテープによるフォーマットで実現されている。」(9欄26行~35行) したがって、低いデータ圧縮比のデータはオンライン編集システムにて使われることが記載されており、他の記載を総合的に判断しても、高いデータ圧縮比のデータはオフライン編集システムにて利用され、低いデータ圧縮比のデータはオンライン編集システムにて利用されることが見て取れるから、訂正前の、低いデータ圧縮比のデジタル音声・映像信号が、オフライン編集システムを使うことを目的としている記載は誤りであり、訂正後の、低いデータ圧縮比のデジタル音声・映像信号が、オンライン編集システムを使うことを目的としている記載が正しいといえ、当該訂正事項は誤記の訂正を目的とするものである。 (5-2)新規事項追加の有無及び特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 また、上記オより、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、請求項に記載した事項をより広い意味を表す表現や、別の表現に入れ替える訂正でなく、特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。 (6)訂正に関する被請求人の主張について 被請求人は、第4答弁において、請求人の第3弁駁における訂正要件違反に関しての主張に対して以下のような主張をしている。 「(2)本件訂正発明1について ア 記載要件について 請求人は、本件訂正発明1の「前記スクリプトは、前記番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され、」(訂正事項1で追加した構成)について、訂正要件(特許法第134条の2、同法第126条第5項)違反(中略)を指摘する(平成29年7月24日付弁駁書5~7頁)が、いずれも失当である。以下、詳細に説明する。 (ア)明細書の記載 本件明細書には、「スクリプト」に関連して、下記の記載がある。 「(中略)」(明細書第13欄42行~第14欄15行)(以下、記載Aという。) (イ)訂正要件、サポート要件、実施可能要件 上記記載Aには、「改造されたスクリプトファイルは、スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用される」との記載がある。ここで、上記「改造されたスクリプトファイル」は、「ファイル」であり、当該「ファイル」は、データとして用意されたことを表す表現であるので(上記「テキストファイル」等の表現も参照。「テキストファイル」も、テキストのデータを指す)、「改造されたスクリプトファイル」もスクリプトであることに変わりはない。また、「改造されたスクリプトファイルは、スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用される」は、記載Aにおけるその前の記載を受けたものであり、当該その前の記載は、スクリプトの説明(正確には、ステージの情報も説明されているが、主はスクリプト)なので、「改造されたスクリプトファイルは、スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用される」もスクリプトについての説明であると理解でき、当該文章の主語である「スクリプトファイル」はスクリプトの別表現であると容易に理解できる。そしてスクリプトは、放送用の原稿、台本等であり、編集の際に参照されることを考慮すると、前記「改造されたスクリプトファイルは、スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用される」は、『スクリプト(改造されたスクリプトファイル)は、当該スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用される』の意味であると理解できる。また、「オフライン編集システムの操作の案内に使用される」について、○1上記のようにスクリプトが放送用の原稿、台本等であり、編集の際に参照されるものであること、○2スクリプトはテキストデータファイル等として用意されること(上記記載A)、○3「オフライン編集システム」では「スクリプトに番組素材が合致するように編集決定」されること、○4「このスクリプトとステージ情報には、カメラをいつ特定の俳優に切り替えるかとか、特定のカメラアングルを選択するなどの特定の命令を含むように、フォーマットされ直される。更なる詳細として、クローズアップカメラの撮影範囲あるいは、(スプリットスクリーンの光景やクローマキーの背景のような)特別な映像効果や音響効果を組み入れる場面を表示できるような能力を含む。」(上記記載A、下線は被請求人が付した)といったスクリプトの内容が表示される記載が上記記載Aにあることなどを考慮すると、当該「オフライン編集システムの操作の案内に使用される」は、システムの多様性を高めるため(上記記載A参照)ないし編集を容易にするため、『スクリプト(改造されたスクリプトファイル)が表示され参照されることで、オフライン編集システムの操作が案内される』ことの意であると理解できる。 以上のようなことからすると、「前記スクリプトは、前記番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され、」は、本件特許の明細書の記載から把握できる事項であり、本件訂正発明1について、訂正要件違反(中略)はない。」(3頁14行~6頁4行) 「(3)本件訂正発明3について 本件訂正発明3についての主張は、平成29年6月5日付けの答弁書、訂正請求書で主張したとおりである。 なお、請求人は、訂正事項2について、「放送用ニューススタジオにおいては、生番組をテレビ放送する為にリモート制御されたカメラを使用することは一般的な業務である。これらのカメラは、(カメラケーブルの長さやカメラをステージの上で互いに動かすことができる間隔などの)ステージ自身による物理的限界内で、ステージの上の必要とされるどの位置にもカメラを移動できるように電動の台の上に設置されている。」(明細書の第14欄16~23行)を引用し、本件明細書には、カメラのリモート制御について、生番組をテレビ放送する場合の記載しかなく、このリモート制御を仮編集システムと組み合わせた構成は本件明細書に開示されていない旨を主張し、訂正要件違反(中略)を主張する(平成29年7月24日付弁駁書9~11頁)。 しかしながら、本件明細書には、上記記載のあとに、「この拡張版の改正されたスクリプトファイルはそこで実際の場面の撮影の間に、カメラの動きを指示することに使用される。そしてさらに、この発明による上記に説明したような、EDLを作成するようにオフライン編集処理の一部として改正される。」(明細書の第14欄49行~第15欄3行)との記載があり(下線は、強調のため付した)、リモート制御を仮編集システムと組み合わせた構成は、本件明細書に開示されている。上記「放送用ニューススタジオにおいては、生番組をテレビ放送する為にリモート制御されたカメラを使用することは一般的な業務である。」等の記載は、カメラのリモート制御に関する技術について、生番組をテレビ放送する時に使用される一般的なリモート制御の技術を利用出来る旨を指摘しているに過ぎない。」(7頁18行~8頁17行) 「(4)他の本件訂正発明について 他の本件訂正発明についての主張は、上記主張ないし従前の主張を援用する」(8頁19~20行) すなわち、当審が整理するに、被請求人は、訂正要件に関して、以下の3点を主張している。 主張1:「改造されたスクリプトファイル」もスクリプトであることに変わりはなく、「改造されたスクリプトファイルは、スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用される」は、『スクリプト(改造されたスクリプトファイル)は、当該スクリプトに番組素材が合致するように編集決定をするオフライン編集システムの操作の案内に使用される』の意味であるので、本件訂正発明1について、訂正要件違反はない。 主張2:「放送用ニューススタジオにおいては、生番組をテレビ放送する為にリモート制御されたカメラを使用することは一般的な業務である。」等の記載は、カメラのリモート制御に関する技術について、生番組をテレビ放送する時に使用される一般的なリモート制御の技術を利用出来る旨を指摘しているに過ぎないので、本件訂正発明3について、訂正要件違反はない。 主張3:他の本件訂正発明についても、訂正要件違反はない。 そこで、主張1~3について検討する。 主張1について 上記(1)(1-2)で検討したように、本件特許明細書には、「スクリプトは、前記番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用され」る構成についての直接的な記載はない。また、「改造されたスクリプトファイル」が「スクリプト」を指すものであるともいえない。 さらに、スクリプトのファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル、もしくは、スクリプトとステージ情報を含むファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイルが、番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるものと想定しても、番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるのは、『スクリプトのファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル』もしくは『スクリプトとステージ情報を含むファイルに特定の命令を含むようにフォーマットされ直されたファイル』であり、これらのファイルはスクリプト等を含むものであるかもしれないが、スクリプトであるとはいえず、スクリプトが、番組ソース素材を編集して編集決定リストを作成する際の前記オペレータによる操作の案内に使用されるものであるとまではいえない。 したがって、本件訂正発明1は、訂正要件に違反してされたものである。 主張2について 上記(2)(2-2)で検討したように、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラは、リモート制御され、当該カメラの動きをカメラの動きを制御するスクリプト素材により動作するものといえるが、当該カメラは、あくまで、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラであり、カムコーダーのカメラについての説明ではない。そして、撮影者がカムコーダーを手に持って撮影する場合は、カメラマンがカムコーダーの切り替えやアングルの選択、パン・チルトの操作を行えばよく、むしろ、リモート制御ではなく、カメラマンがその場の状況に応じて適宜必要なカムコーダーの操作を行うのが普通であるから、撮影前に用意されて当該カメラの動きを制御するスクリプト素材により動作することは通常想定し得ないものといえる。 また、被請求人は、「この拡張版の改正されたスクリプトファイルはそこで実際の場面の撮影の間に、カメラの動きを指示することに使用される。そしてさらに、この発明による上記に説明したような、EDLを作成するようにオフライン編集処理の一部として改正される。」との記載から、リモート制御を仮編集システムと組み合わせた構成は、本件明細書に開示されている旨の主張をしているが、当該記載は、あくまで、放送用ニューススタジオにおいて使用されるカメラにおいての説明であり、カムコーダーのカメラについての説明ではない。 したがって、本件訂正発明3は、訂正要件に違反してされたものである。 主張3について 他の本件訂正発明についても、上記「主張1について」、「主張2について」の検討と同様に、訂正要件に違反してされたものである。 3.まとめ 訂正事項1~4により訂正された事項は、新規事項を追加するものである。 したがって、訂正事項1~4に係る訂正は、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合しないので、適法な訂正と認めない。 訂正事項5により訂正された事項は、誤記の訂正を目的とし、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、請求項に記載した事項をより広い意味を表す表現や、別の表現に入れ替える訂正でなく、特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。 したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第134条の2ただし書、及び、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 そうすると、請求項1~8、24、26~33について訂正することを認めない。 [第5]本件発明 以上のように、本件訂正請求の訂正事項1~4に係る訂正は認められないから、請求項1~8、24、26~33について訂正することを認めないものであり、本件特許発明は、訂正請求前である特許査定時の特許請求の範囲の請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 (以下、前掲したように、それぞれ、「本件発明1」などといい、これらを総称して「本件発明」という。また、請求項12に係る発明については、既に無効が確定しているが、請求項13に係る発明が、請求項12を引用する発明であるので、以下に記載する。) 【請求項1】オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システムは、 同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、前記第1のフォーマットの番組素材から必要な情報を取り出して編集して、編集決定リストを作成できるように構成され、 前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成したことを特徴とするデジタル映像制作システム。 【請求項2】前記第2のフォーマットの情報は圧縮がされていないことを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。 【請求項3】前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。 【請求項4】前記第1の記録媒体は磁気ハードディスクであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。 【請求項5】前記第1の記録媒体は光ディスクであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。 【請求項6】前記第1の記録媒体は光磁気ディスクであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。 【請求項7】前記第1の記録媒体はテープドライブであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。 【請求項8】デジタルの音声・映像番組データはインターリーブ(重ね合わせ)されていることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。 【請求項12】最終番組を制作する目的で、オンライン映像編集設備に番組素材とこれに付随した編集決定リストを伝達するのに適用されるデジタル映像制作システムにおいて、 デジタル映像記録装置であって、この装置は、 映像番組を受け入れる入力部と、 一つ以上の圧縮比により番組をデジタル圧縮する手段と、 第1の記録媒体へのインターフェースと、 第2の記録媒体へのインターフェースと、 映像番組を、第1の圧縮比で第1の記録媒体に、そして第2の圧縮比で第2の記録媒体に二重に記録する手段とを備えており、前記第1の圧縮比は前記第2の圧縮比より大きくなっており、そして オフラインデジタル映像編集システムは、 前記第1の記録媒体の番組素材を受け取るインターフェースと、 使用者が番組に関する編集決定を行うことができるように、前記映像番組の一部を再検討するためのディスプレイと、 編集決定リストを記録する第3の記録媒体へのインターフェースとを備え、 そこで前記第3の記録媒体の情報を受け取りしだい、オンライン映像編集設備が前記編集決定リストにより前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、番組の最終の編集版を制作することに使用されることを特徴とするデジタル制作システム。 【請求項13】前記第2の圧縮比はゼロであることを特徴とする請求項12に記載のデジタル映像制作システム。 【請求項22】オンライン映像編集設備及び、編集決定リストの作成を含むオフライン編集を行うパーソナルコンピューターと共に使用されるのに適用されるデジタル映像記録装置において 映像番組を代表する情報を出力するカメラと、 番組情報をデジタル圧縮する手段と、 前記パーソナルコンピューターを使用したオフライン編集に合った番組情報を、ランダムにアドレス可能な形態のものとして記録するディスクと、 オンライン編集に合った番組情報を、順にアドレス可能な形態のものとして記録するテープとを備え、 前記番組情報の両方のバージョンは相互に関連した編集タイムコードで二重に記録され、これによりオフライン編集で作成した前記編集決定リストを使用して、オンライン編集を行うことを可能にしたデジタル映像記録装置。 【請求項23】カメラと、番組をデジタル圧縮する手段と、ディスクドライブと、テープドライブとの全てがカムコーダーに組み入れられていることを特徴とする請求項22に記載のデジタル映像記録装置。 【請求項24】デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、 (c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えたことを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。 【請求項26】前記第2の映像編集システムは複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段を備えており、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用されることを特徴とする請求項24に記載のデジタル音声・映像制作システム。 【請求項27】前記デジタル映像記録装置はカムコーダーを形成することを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。 【請求項28】前記第1の映像編集システムはプログラムされたパーソナルコンピューターの一部を構成することを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。 【請求項29】前記第1のデジタル記録媒体は磁気ディスクであることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。 【請求項30】前記第1のデジタル記録媒体は光ディスクであることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。 【請求項31】前記第1のデジタル記録媒体は光磁気ディスクであることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。 【請求項32】前記第1のデジタル記録媒体は半導体記憶素子であることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。 【請求項33】前記第2のデジタル記録媒体は磁気テープであることを特徴とする請求項24に記載のデジタル音声・映像制作システム。 [第6]各証拠及びその内容 上記[第3]1.で示したように、請求人は、証拠として甲第1号証~甲第10号証を提出しているが、本審理の審理範囲は、請求項1ないし8、13、22ないし24、26ないし33に係る部分のみであるから、本件発明1ないし8、13、22ないし24、26ないし33について提出された甲号証である甲第1号証、甲第3号証、甲第5号証、甲第6号証について記載する。 1.甲第1号証について 本件特許に係る出願の優先日(平成7年3月1日)前に頒布された刊行物である甲第1号証には、図面とともに次の事項が記載されている。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、その撮像された記憶媒体を効率良く編集可能とする構成としたカメラ一体型記録装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上述のようなカメラ一体型記録装置としては、現在カメラ一体型VTRが知られている。 【0003】図6は従来のカメラ一体型VTRにおける制御系のブロック図で、1は被写体を撮像しこの撮像した被写体を映像信号101に変換して出力する撮像手段、2はシステム制御手段、3は各回路に電源を供給する電源部、4はバッテリー、5は記憶媒体の位置情報を生成する位置情報生成手段、6は撮像手段1より出力される映像信号101を磁気テープ上に記録する記録手段、8はビューファインダー部である。 【0004】次に、従来のカメラ一体型VTRの動作を説明する。システム制御手段2はシステム全体の動作制御を行う回路ブロックであり、各種の電源制御信号103や各種のシステム制御信号100を出力し、システムを所定の動作状態にする。電源部3は各回路に電源を供給するブロックであり、システム制御手段2よりの各種の電源制御信号103に基づきバッテリー4の電源を適当に変換し、各回路部に必要な電源を供給する。撮像手段1は撮像した被写体の映像を映像信号101に変換するブロックであり、例えば光学レンズ等の光学系、CCD等の個体撮像装置等によって被写体を撮像し、システム制御手段2からの制御信号100により例えばNTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号101として記録手段6へ送られる。位置情報生成手段5は媒体の位置情報信号102を生成するブロックであり、ここで生成される位置情報信号102は、例えばテープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等であり、映像信号101と共に記録手段6に送られる。この位置情報は映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標となり、例えば編集作業時等に利用される。記録手段6はこの装置部に記憶媒体を装填し、撮像手段1から送られてくる映像信号100と位置情報生成手段5から送られてくる位置情報信号102を装填された記憶媒体に記録するブロックであり、図示していない機構系、サーボ系等により動作する。すなわち撮像された被写体は撮像手段1で映像信号101に変換され、記録手段6において位置情報信号102とともに記録される。この記録手段6に装填されるカセットテープは後の編集作業において原物(オリジナル)となる。 【0005】カメラ一体型記録装置等で記録された素材は、その目的によって撮像後の編集の仕方が異なる。ドキュメンタリー番組では、多くの素材を何回も取材し、編集して主張を構成する。また、ドラマ番組ではしっかりした台本に従って撮像し、台本どおりに編集していく。 【0006】更に、ニュース等では撮像された素材を迅速に整理し、事実を的確に伝えるように編集を行う。 【0007】近年電子技術の発達によって、カメラ一体型記録装置が小型、軽量化され、従来フィルムにより撮像されていた映像がビデオテープ等で置き換えられたり、新たな撮像、編集形態が浸透してきたりしている。例えばENGの取材体制に見られるようにニュース取材のような速報性を追及するような場面ではカメラ一体型VTRが急速に普及してきた。と同時に迅速かつ的確な編集が行えるようなシステムが要望されている。 【0008】従来、カメラ一体型記録装置で撮像した映像(以下単に映像と呼ぶ)から収録用テープ(以下マスターテープと呼ぶ)を作成するには後述する手順による編集作業が必要であった。 【0009】一般にカメラ一体型記録装置で撮像した映像は、その全映像が必要とされるのではなく、その中の適当な撮像区間(以下カットと呼ぶ)を適切な順序に編集することを前提とし、余分に撮像されていることが多い。したがって全映像から適当なカットを選択し、そのカットを適当な順序に編集してマスターテープを作成することが必要であり、仮編集、本編集という編集作業を行う。 【0010】以下、従来の一般的な編集手順を説明する。上述したカメラ一体型記録装置で撮像した映像はオリジナルとして原物磁気テープ(以下オリジナルテープと呼ぶ)に記録される。この映像を仮編集用の作業用磁気テープ(以下ワークカセットと呼ぶ)に複写し、作業用素材(以下ワークオリジナルと呼ぶ)とする。次に仮編集機を用い、このワークカセットを使用して仮編集作業を行いワークオリジナルを適当なカットに分けていく。そして編集対象のカットの媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載していく。そしてこのEDLリストに基づき、今度は本編集機を用い、オリジナルテープを使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる。 【0011】仮編集作業時にオリジナルテープの内容をワークカセットに複写するのは、仮編集では繰り返し同じ箇所を再生、巻きもどししながら編集位置を決めていくため、これによりオリジナルテープを傷つけないようにするためである。このようなワークカセットとしてはカセットテープが一般的であるが、カセットテープのような連続媒体(以下シーケンシャルな媒体と呼ぶ)では媒体上の任意の位置(アドレス)に移動するのに時間がかかるためその作業効率が悪くなるという問題があった。この問題を解決するためにワークカセットとして、光磁気ディスク、ハードディスク、あるいは半導体記憶媒体等のランダムアクセス可能な媒体を用いる仮編集システムが考案されている(特願平03-247559号)。しかしながら光磁気ディスク、ハードディスク等は映像を記録する一般的な媒体であるカセットテープに比べ記録容量が小さく記録時間が短くなるという問題を有していた。あるいはこれらの媒体に映像情報を圧縮して記録する方法も考案されているが、圧縮された映像ではその画質の劣化が著しくオリジナルとしては使用できないという問題を有したものであった。 【0012】仮編集作業ではこのようにワークカセットを繰り返し再生、巻き戻ししながら適当な編集位置を決めて、そのカットの位置情報等をEDLリストに記録する。この際のカットの位置情報には、媒体に映像信号と共に記録されている媒体の位置情報が用いられる。しかしこの記録作業は目視による位置情報の確認と手作業による記録で、本編集時はこのEDLリストの読み取り、キー入力という一連の非効率な作業となっていた。更に、仮編集作業ではこのように作成された編集意思情報に従い、ワークオリジナルを使って実際に編集し、ワークマスターとしてその結果、出来映えを確認する。そして、思い通りの編集結果が得られるまで繰り返しこれら編集作業を繰り返すことが必要であり、作業の長時間化という問題も有していた。 【0013】しかし近年編集システムの電子化に伴い、EDLリストの情報を電子化し、仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り、有効に本編集作業に反映させるようになったり、仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し、ワークマスターの作成まで行うシステムが考案されてきている。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、どのような作業用媒体を選択し、どのような編集システムを用いても、従来はオリジナルテープから作業用媒体に複写することが必要であり、複写のために映像の時間分だけ浪費するという問題点が解決されていなかった。そして例えばニュース等の緊急を要する素材の編集においては、この問題が顕在化していた。 【0015】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、撮像後の編集を迅速に行えるようにするカメラ一体型記録装置を提供することを目的としている。 【0016】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明のカメラ一体型記録装置は、撮像時に複数の記憶媒体に同時にデータを記録するカメラ一体型記録装置であって、撮像した被写体像を電気信号に変換する撮像手段と、記憶媒体の位置情報を生成する位置情報生成手段と、撮像手段から出力される電気信号と位置情報生成手段から出力される位置情報を共有させて複数の記憶媒体に同時にデータを記録する記録手段を具備する。 【0017】本願の請求項2の発明は、撮像時に複数の記憶媒体に同時にデータを記録するカメラ一体型記録装置であって、撮像した被写体像を電気信号に変換する撮像手段と、媒体位置情報生成手段と、前記撮像手段から出力される電気信号と前記媒体位置情報生成手段から出力される媒体位置情報を共有させて記憶媒体に同時にデータを記録する複数の記録手段を具備することを特徴とする。 【0018】本願の請求項3の発明は、撮像時に記憶媒体に記録すると同時に同一データを伝送し、記録するカメラ一体型記録装置であって、撮像した被写体像を電気信号に変換する撮像手段と、媒体位置情報生成手段と、前記撮像手段から出力される電気信号と前記媒体位置情報生成手段から出力される媒体位置情報を記憶媒体に記録する記録手段と前記記録手段で記録するのと同一データを伝送する伝送手段を具備することを特徴とする。 【0019】本願の請求項4の発明は、撮像時にデータを圧縮して記憶媒体に記録することも可能なカメラ一体型記録装置であって、撮像した被写体像を電気信号に変換する撮像手段と、媒体位置情報生成手段と、前記撮像手段から出力される電気信号を圧縮する圧縮手段と、前記撮像手段から出力される電気信号あるいは前記電気信号を前記圧縮手段で圧縮した電気信号と前記媒体位置情報生成手段から出力される媒体位置情報を記憶媒体に記録する記録手段を具備することを特徴とする。 【0020】本願の請求項5の発明は、撮像時に複数の記憶媒体に同時にデータを記録するカメラ一体型記録装置であって、撮像した被写体像を電気信号に変換する撮像手段と、媒体位置情報生成手段と、前記撮像手段から出力される電気信号と前記媒体位置情報生成手段から出力される媒体位置情報を共有させて記憶媒体に同時にデータを記録する複数の記録手段を具備し、その記録装置記録手段のうち少なくとも一つはランダムアクセス可能な記憶媒体に記録することを特徴とする。 【0024】 【作用】この構成により、撮像された映像は従来のようにオリジナルテープに記録されるとともに仮編集作業時に用いる仮編集用の記憶媒体にも位置情報を共有して記録される。したがって、オリジナルテープから作業用のワークカセットに複写することなく仮編集作業をすることが可能となり、迅速な編集システムを実現できる。 【0025】また、本願の請求項3の発明によれば撮像された映像は本体装置内と伝送手段および伝送媒体を介して配置された外部記録装置において、従来のようにオリジナルテープに記録されるとともに仮編集作業時に用いる仮編集用の記憶媒体にも媒体位置情報を共有して記録される。したがって本体装置を軽量化しつつ複数の記憶媒体に記録可能となる。またオリジナル素材から作業用のワークカセットに複写することなく仮編集作業をすることが可能となり、迅速な編集システムを実現できる。 【0026】また、請求項4の発明によれば撮像された映像は従来のようにオリジナルテープに記録されるとともに圧縮手段を介して仮編集作業時に用いる仮編集用の記憶媒体にも媒体位置情報を共有して記録される。したがってオリジナル素材から作業用のワークカセットに複写することなく仮編集作業をすることが可能となり、迅速な編集システムを実現できるとともに、仮編集用の記憶媒体として記憶容量の小さな媒体も利用可能となる。 【0027】また、請求項6~8の発明によれば撮像された映像は従来のようにオリジナルテープに記録されるとともに脱着装置部に配置された記録手段あるいは伝送手段を介した遠隔場所の記憶媒体にも媒体位置情報を共有して記録可能となる。したがって脱着部の脱着により従来のカメラ一体型記録装置としても使用可能とするとともに脱着装置を複数付け替える構成が可能となる。 【0028】 【実施例】 本発明のカメラ一体型記録装置について、実施例を図1、図2、図3、図4及び図5の図面を参照しつつ説明する。なお、図6に示した従来の装置と同一構成要素には同一符号を付して詳細な説明は省略する。 【0029】図1は本発明の第1の実施例におけるカメラ一体型記録装置の構成を示すブロック図であり、記録部7が記録手段6を複数具備し、複数の記憶媒体に同時に記録可能な構成とした点に特徴を有する。 【0030】撮像手段1は撮像した被写体の映像を映像信号101に変換するブロックであり、例えば光学レンズ等の光学系、CCD等の個体撮像装置等によって被写体を撮像し、システム制御手段2からの制御信号100によって例えばNTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号101として記録手段6へ送られる。位置情報生成手段5は媒体の位置情報信号102を生成するブロックであり、ここで生成される例えばテープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の位置情報信号102は映像信号101と共に記録手段6に送られる。この位置情報は映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標となり、例えば後の編集作業時等に利用される。記録部7は、記録手段6に記憶媒体を装填し、各ブロックから送られてくる映像信号100と位置情報信号102をこの記憶媒体に記録するブロックであり、記憶媒体としては、例えば磁気記録テープ、光磁気ディスク、磁気ディスク、半導体記憶装置等があり、記憶媒体によって記録手段6の構成が決まる。なお、いかなる記憶媒体を用いる構成でも同様の効果が得られる。記録手段6に装填される例えばカセットテープや光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等の記憶媒体のうち一つはオリジナルの媒体として、もう一つはワークオリジナルの媒体として、映像信号100と媒体の位置情報信号102を記録する。このときこれらの記録部7において、同一の映像に対しては同一の位置情報が記録されるため、編集作業時にワークオリジナルとなる記憶媒体に記録された位置情報を利用して行われた編集結果は、オリジナルとなる記憶媒体に同期している。したがってこのように記録された複数の記憶媒体のうち、一つの記憶媒体をオリジナルテープとし、一つを編集用のワークオリジナルとすることで、編集作業時にワークオリジナルへ複写する必要がなくなり迅速な編集が可能となる。なお、単一の記録手段で複数の記憶媒体に記録可能な構成としても同一の効果が得られる。 【0031】図2は本発明の第2の実施例におけるカメラ一体型記録装置の構成を示すブロック図であり、伝送手段9と外部記録装置30を具備し、伝送手段9および伝送媒体110を介して記録手段6に記録されるのと同一の情報を外部記録装置30に記録可能な構成とした点に特徴を有する。 【0032】撮像手段1は撮像した被写体の映像を映像信号101に変換するブロックであり、例えば光学レンズ等の光学系、CCD等の個体撮像装置等によって被写体を撮像し、システム制御手段2からの制御信号100によって例えばNTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号101として記録手段6へ送られる。位置情報生成手段5は媒体の位置情報信号102を生成するブロックであり、ここで生成される例えばテープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の位置情報信号102は映像信号101と共に記録手段6および伝送手段9に送られる。この位置情報は映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標となり、例えば後の編集作業時等に利用される。記録手段6はこの装置部に記憶媒体を装填し、各ブロックから送られてくる映像信号100と位置情報信号102をこの記憶媒体に記録するブロックであり、図示していない機構系、サーボ系等により動作する。記録手段6に装填された例えばカセットテープや光磁気ディスク等の記憶媒体は例えばオリジナルの媒体となり、映像信号101と媒体の位置情報信号102が記録される。外部記録装置30はこの装置部に記憶媒体を装填し、伝送媒体110を介して送られてくる映像信号や位置情報信号等のデータをこの記憶媒体に記録するブロックであり、例えばポータブルVTR等がある。伝送手段9は送られてきた映像信号101と位置情報信号102を遠隔で設置してある外部記録装置30へ伝送媒体110を介して伝送するためのブロックであり、外部記録装置30に装填された例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等の記憶媒体に映像信号100と媒体の位置情報信号102を記録する。なおこの記憶媒体は編集作業におけるワークオリジナルの媒体となる。このときオリジナルの媒体とワークオリジナルの媒体において、同一の映像に対しては同一の位置情報が記録されることになり、編集作業時にワークオリジナルとなる記憶媒体に記録された位置情報を利用して行われた編集結果は、オリジナルとなる記憶媒体に同期している。また、伝送手段、伝送媒体を介して外部記録装置に記録するような構成とすることで、本体装置部の重量をあまり増やすことなく複数の記憶媒体に同時に記録することが可能となる。 【0033】図3は本発明の第3の実施例におけるカメラ一体型記録装置の構成を示すブロック図であり、例えば主記録手段12と副記録手段13というように記録手段を複数具備し、そのうちの一つは信号圧縮手段11を介した圧縮映像信号104を記録可能な構成とした点に特徴を有する。 【0034】システム制御手段2はシステム全体の動作制御を行う回路ブロックであり、各種の電源制御信号103や各種のシステム制御信号100を出力し、システムを所定の動作状態にする。撮像手段1は撮像した被写体の映像を映像信号101に変換するブロックであり、例えば光学レンズ等の光学系、CCD等の個体撮像装置等によって被写体を撮像し、システム制御手段2からの制御信号100によって例えばNTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号101として主記録手段12あるいは信号圧縮手段11へ送られる。位置情報生成手段5は媒体の位置情報信号102を生成するブロックであり、ここで生成される例えばテープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の位置情報信号102は映像信号101と共に主記録手段12および副記録手段13に送られる。この位置情報は映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標となり、例えば後の編集作業時等に利用される。信号圧縮手段11は映像信号101を圧縮して圧縮映像信号に変換するブロックであり、撮像手段1より送られてきた映像信号101は、例えばJPEGあるいはMPEG等で標準化されている符号化方法に基づき圧縮映像信号104に変換され副記録手段13へ送られる。主記録手段12および副記録手段13はこの装置部に記憶媒体を装填し、各ブロックから送られてくる映像信号100あるいは圧縮映像信号104と位置情報信号102をこの記憶媒体に記録するブロックであり、図示していない機構系、サーボ系等により動作する。主記録手段12に装填された例えばカセットテープや光磁気ディスク等の記憶媒体は例えばオリジナルの媒体であり、映像信号101と媒体の位置情報信号102が記録される。副記録手段13に装填された例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等の記憶媒体は例えばワークオリジナルの媒体であり、圧縮映像信号104と媒体の位置情報信号102を記録する。このとき主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報が記録されるため、編集作業時にワークオリジナルとなる記憶媒体に記録された位置情報を利用して行われた編集結果は、オリジナルとなる記憶媒体に同期している。 【0035】この構成とすることで、例えば磁気テープと磁気ディスクあるいは磁気テープと光磁気ディスク等、記憶容量の異なる記憶媒体に同一の映像をその位置情報とともに記録できる。また、副記録手段では圧縮映像信号を記録するため記録容量の小さな記憶媒体にもオリジナルと同一の映像を記録可能となる。なお、仮編集作業で必要な情報は映像信号と位置情報の関係ではなく、映像と位置情報の相対関係であるため、たとえ圧縮された映像であってもオリジナルテープの位置情報と同期のとれている位置情報が記録されていれば編集作業上問題とはならない。 【0036】図4は本発明の第4の実施例におけるカメラ一体型記録装置の構成を示すブロック図であり、本体装置部10に対し、脱着可能な脱着装置部20を設けた点に特徴を有する。本体装置部10の構成は、撮像手段1、システム制御手段2、電源部3、バッテリー4、位置情報生成手段5、主記録手段6およびビューファインダー部8からなる。また、脱着装置部20は、映像信号101を圧縮映像信号104に変換する信号圧縮手段22と、圧縮映像信号104と位置情報信号102を記録する副記録手段21より構成されている。 【0037】次に、図4の動作を説明する。システム制御手段2は本体装置部10と脱着装置部20のシステム全体の動作制御を行う回路ブロックであり、例えば図示していない各種操作スイッチや各種センサよりの情報を得て、各種の電源制御信号103や各種のシステム制御信号100を出力し、システムを所定の動作状態にするとともに、図示していない各種表示装置に例えば録画中や記憶媒体の残量あるいは媒体の位置情報等の様々な表示を行わせる。電源部3は各回路に電源を供給するブロックであり、例えばシステム制御手段2よりの各種の電源制御信号103に基づきバッテリー4の電源を適当に変換し、各回路部に必要な電源を供給する。撮像手段1は撮像した被写体の映像を映像信号101に変換するブロックであり、例えば光学レンズ等の光学系、CCD等の個体撮像装置等によって被写体を撮像し、システム制御手段2からの制御信号100によって例えばNTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号101として主記録手段6あるいは信号圧縮手段22へ送られる。位置情報生成手段5は媒体の位置情報信号102を生成するブロックであり、ここで生成される例えばテープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の位置情報信号102は映像信号101と共に主記録手段6および副記録手段21に送られる。この位置情報は映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標となり、例えば後の編集作業時等に利用される。信号圧縮手段22は映像信号101を圧縮して圧縮映像信号104に変換するブロックであり、撮像手段1より送られてきた映像信号101は、例えばJPEGあるいはMPEG等で標準化されている符号化方法に基づき圧縮映像信号104に変換され副記録手段21へ送られる。主記録手段6および副記録手段21はこの装置部に記憶媒体を装填し、各ブロックから送られてくる映像信号100あるいは圧縮映像信号104と位置情報信号102をこの記憶媒体に記録するブロックであり、図示していない機構系、サーボ系等により動作する。主記録手段6に装填された例えばカセットテープや光磁気ディスク等の記憶媒体は例えばオリジナルの媒体であり、前記映像信号101と前記媒体の位置情報信号102が記録される。副記録手段に装填された例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等の記憶媒体は例えばワークオリジナルの媒体であり、圧縮映像信号104と媒体の位置情報信号102を記録する。このとき主記録手段6と副記録手段21において、同一の映像に対しては同一の位置情報が記録されるため、編集作業時にワークオリジナルとなる記憶媒体に記録された位置情報を利用して行われた編集結果は、オリジナルとなる記憶媒体に同期している。 【0038】図5は本発明の第5の実施例におけるカメラ一体型記録装置の構成を示すブロック図であり、本体装置部10に対し、脱着可能な脱着装置部20と外部記録装置30を設けた点に特徴を有する。本体装置部10の構成は、撮像手段1、システム制御手段2、電源部3、バッテリー4、位置情報生成手段5、主記録手段12およびビューファインダー部8からなる。また、脱着装置部20は、映像信号101を圧縮映像信号104に変換する信号圧縮手段22と、圧縮映像信号104と位置情報信号102を伝送媒体110へ伝送する伝送手段23より構成されている。 【0039】次に、図5の動作を説明する。システム制御手段2は本体装置部10と脱着装置部20のシステム全体の動作制御を行う回路ブロックであり、例えば図示していない各種操作スイッチや各種センサよりの情報を得て、各種の電源制御信号103や各種のシステム制御信号100を出力し、システムを所定の動作状態にするとともに、図示していない各種表示装置に例えば録画中や記憶媒体の残量あるいは媒体の位置情報等の様々な表示を行わせる。電源部3は各回路に電源を供給するブロックであり、例えばシステム制御手段2よりの各種の電源制御信号103に基づきバッテリー4の電源を適当に変換し、各回路部に必要な電源を供給する。撮像手段1は撮像した被写体の映像を映像信号101に変換するブロックであり、例えば光学レンズ等の光学系、CCD等の個体撮像装置等によって被写体を撮像し、システム制御手段2からの制御信号100によって例えばNTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号101として主記録手段12あるいは信号圧縮手段22へ送られる。位置情報生成手段5は媒体の位置情報信号102を生成するブロックであり、ここで生成される例えばテープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の位置情報信号102は映像信号101と共に主記録手段12および伝送手段23に送られる。この位置情報は映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標となり、例えば後の編集作業時等に利用される。信号圧縮手段22は映像信号101を圧縮して圧縮映像信号104に変換するブロックであり、撮像手段1より送られてきた映像信号101は、例えばJPEGあるいはMPEG等で標準化されている符号化方法に基づき圧縮映像信号104に変換され伝送手段23へ送られる。主記録手段12はこの装置部に記憶媒体を装填し、各ブロックから送られてくる映像信号100あるいは圧縮映像信号104と位置情報信号102をこの記憶媒体に記録するブロックであり、図示していない機構系、サーボ系等により動作する。主記録手段12に装填された例えばカセットテープや光磁気ディスク等の記憶媒体は例えばオリジナルの媒体であり、映像信号101と媒体の位置情報信号102が記録される。伝送手段23は送られてきた圧縮映像信号101と位置情報信号102を遠隔に設置してある外部記録装置30へ伝送媒体110を介して伝送するためのブロックであり、圧縮映像信号104と位置情報信号102は、例えばベースバンド伝送方式や帯域伝送方式あるいはPCMデータ伝送方式等の伝送方式に変換され伝送媒体110へ送られる。外部記録装置30に装填された例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等の記憶媒体は例えばワークオリジナルの媒体であり、圧縮映像信号104と媒体の位置情報信号102を記録する。伝送媒体110としては例えば同軸ケーブルや光ファイバーがあり、外部記録装置30としては例えばポータブルVTR等がある。このときオリジナルの媒体とワークオリジナルの媒体において、同一の映像に対しては同一の位置情報が記録されることになり、編集作業時にワークオリジナルとなる記憶媒体に記録された位置情報を利用して行われた編集結果は、オリジナルとなる記憶媒体に同期している。また、伝送媒体としては有線、あるいは無線があるがいずれを使っても得られる効果は同一である。 【0040】なお、図4および図5の実施例において、脱着装置部20を外した状態では従来のカメラ一体型記録装置として利用することも可能である。また、脱着装置部の接続端子、形状を統一し、脱着装置部を通常の記録装置、圧縮記録する記録装置、あるいは伝送するための装置等に使い分けることも可能であり、このような構成にすることでこのカメラ一体型記録装置の拡張性を広げることが可能である。 【0041】 【発明の効果】 以上述べてきたように、本発明によれば、マスターテープと同時に同じ媒体位置情報を共有して記録された編集用記憶媒体を仮編集に利用することができる。このためマスターテープから作業用ワークカセットに複写する必要がなくなり迅速に編集作業をすることができる。 2.甲第3号証について 本件特許に係る出願の優先日(平成7年3月1日)前に頒布された刊行物である甲第3号証には、ISOの規格として、CDのような光ディスクやデジタルオーディオテープにノンインターレース方式で24から30ヘルツのレートで画像信号を記録することが記載されている。 3.甲第5号証について 本件特許に係る出願の優先日(平成7年3月1日)前に頒布された刊行物である甲第5号証には、MPEGにおいて、ビデオデータとオーディオデータとを、概略同じ時間相当分を集めてパケットを構成し、それらをマルチプレックスして、パックを構成する技術が開示されている。 4.甲第6号証について 本件特許に係る出願の優先日(平成7年3月1日)前に出願され、本件特許に係る出願日の後に公開された特許出願の明細書(以下、上記特許出願を先願、先願の明細書を先願明細書という。なお、参照公報として甲第6号証を参照。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 なお、上記先願に係る発明は、その発明をした者が本件特許出願に係る発明の発明者と同一の者ではなく、また、本件特許出願の時にその出願人と上記先願の出願人とが同一の者でないことは明らかである。 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、録画内容を編集するためのビデオ編集方法およびその装置に関する 【0002】。 【従来の技術】従来、テープのようなシーケンシャルアクセスである記録媒体からランダムアクセス可能な記録媒体に変更して、テープの頭出し、巻き戻し時間を短縮するビデオ選集装置が存在している。 【0003】しかしながら、この装置は画質を維持した状態で記録時間を長くする場合に、非常に大掛かりな装置となり、日進月歩の今日でもそのコストは莫大なものとなっている。例えば、このような装置は放送などの用途でかなり良い画質が求められている場合に、画質を維持して大量の記録をするため、コストがかかり過ぎになる、あるいは装置が大掛かりになり過ぎる。このような欠点があるので、この装置は実用的ではない。 【0004】実用的な編集方法としては、撮影あるいは取材現場で一旦テープに記録し、その後ランダムアクセス可能な記録媒体や記録装置に取り込み直し、編集ポイントのみを見つけるオフライン編集がある。 【0005】オフライン編集においては、素材の量が多い場合、取り込む作業に費やす時間が非常にばかにならず大変な作業になるという欠点がある。しかも、テープの数が数十から時には百本を越えることもあるので、テープにそれぞれなにが入っていたかを管理することが大変な作業になるという欠点がある。 【0006】これらの欠点があるが、必要な駒を見つけ、その頭出しを行ない、編集ポイントのみを記録したリストを作り、それらを従来のVTR3台とスイッチャー装置を使い、それらをリモコンして編集するので、オフライン編集はテープの頭出しのための時間を短縮することができるという利点がある唯一の手段である。 【0007】また、オフライン編集では、編集ポイントを見つけるためだけにランダムアクセス可能な記録媒体や記録装置に映像を取り込み、その順序を指定して、最後に通常のビデオ編集と同様にVTRを操作して編集するので、仕上がりの画質はVTRの画質のみで定まる。つまり、この方法によれば、ランダムアクセス可能な記録媒体に記録した映像の画質は如何に悪くとも、仕上がり画質に影響を与えない。この方法の欠点は、例えば重ねあわせが数回必要な特殊効果を狙った編集の場合、数回のコピー操作とテープのかけかえを繰り返すので非常に効率が悪く、しかも仕上りに画質劣化を起こすことである。さらに、特殊効果についてスイッチャー装置が持っているものとオフライン編集機が持っているものが同じになるように制御コードを設定しなくてはならないという欠点もある。このように設定しない場合は、オフライン編集機のほうでいろいろな効果を使えても、実際の仕上りにおいてその効果を実現できない事がある。しかも、オフライン編集で実際の編集作業をおこなうために、適切なテープをまちがいなく装着しなくてはならない。この作業は単純ではあるが、非常に大量のテープを扱う場合に大変な作業になるという欠点がある。 【0008】別の編集方法として、ランダムアクセス可能な記録媒体に実用上画質劣化の無い圧縮比、あるいは画素数で全ての映像を取り込んで編集する方法も従来考えられている。 【0009】この方法には、記録するための媒体の容量が非常に大きな物を必要としその価格が非常に高価なものになるという欠点がある。 【0010】また、この方法には、様々な特殊効果を取り込んだ装置で処理するため、その処理にアンマッチが生じず、しかも幾つもの画面を合成する場合でもメモリーに取り込んで処理が可能なため何重にも重ねた画面を得る場合にも画質劣化を生じないばかりか非常に効率の良い編集が可能となる利点があるが、前述のオフライン編集の処理系よりも数倍の処理能力が必要であり、実用上、画面確認のための作業に過大な待時間を生じるので、次のような問題が生じる。この過大な待ち時間が編集作業の効率を著しく低下させる原因となる。しかも、数倍の処理能力を持たせるには数倍のハードウエアが必要となる。つまり、数倍のコストが必要になる。 【0011】次に、図23を参照して別の従来のビデオ編集装置について説明する。この装置は、ビデオ信号原300、ディジタイズ手段301、信号処理手段302、記録手段303、編集手段304、接合手段305、映像再生手段306を備えている。ビデオ信号原300は、カメラ、VTRなどであり、ビデオ信号をディジタイズ手段301に送信する。ディジタイズ手段301は、ビデオ信号をA/D変換して動画データに変える信号処理手段302に送信する。信号処理手段302は、動画データを圧縮、拡大、縮小し、記録手段303は、そのデータを記録媒体に記録する。編集手段304は、記録媒体の内容を編集し、接合手段305は、その編集内容にしたがって記録媒体の内容を接合、特殊効果、重ね合わせ処理して、仕上がり映像のデータを作る。映像再生手段306は、そのデータをA/D変換して仕上がり映像を再生する。 【0012】次に、図24を参照して、従来のディジタル方式カメラ体形ビデオについて説明する。 【0013】このビデオは、カメラ307、A/D変換手段308、テープドライブ装置309を備えている。カメラ307は、CCDカメラなどである。カメラ307のビデオ信号をA/D変換手段308によってA/D変換し、テープドライブ装置309によってテープに記録する。このテープの記録内容を前述のビデオ編集装置によって編集する。 【0014】次に、別の従来技術によるビデオ編集方法について説明する。 【0015】図25を参照して、この方法に用いるビデオ編集装置について説明する。この装置は、第1再生側VTR310、第2再生側VTR311、スイッチャー312、収録側VTR313を備えている。 【0016】この編集方法においては、簡単な編集であっても前後入れ替えや素材と素材との間に別のテープに記録されている素材を挿入又は混合をしなくてはならない場合が頻繁におこりうる。この場合を、図26に模式的に示す。このような編集の場合、少なくとも14回の頭出しと、11回の装着交換作業が必要になってくる。この最も少なくてすむ手順を説明する。まず最初に収録側VTR313に生のテープを装着し、素材AとGを第1、第2再生用VTR310、311に装着し、P1の開始点の頭出しとP7の開始点の頭出しを行なう。次に両方を再生しながらスイッチャー312により画面を推移させて行きP7の終了点まで収録側VTR313に録画する。次に素材EとDを第1、第2再生側VTR310、311にセットしP6の開始点とP5の開始点の頭出しを行ない、収録側VTR313を再生してP7の終了点を頭出しして録画待機させる。素材Dを再生しながら、途中のP5の開始点になったならば素材Dを再生しながらスイッチャー312を操作して画面を推移させる。P5の終了点になったところで収録側VTR313を停止する。第1再生側VTR310に素材Bをセットする。次にP4の開始点を頭出しして収録側VTR313を再生してP5の終了点を頭出しして待機させる。第1再生側VTR310と収録側VTR313を同時にスタートしてP4の終了点になったところで収録側VTR313を停止する。第1再生側VTR310に素材Gをセットする。次にP8の開始点を頭出しして収録側VTR313を再生してP4の終了点を頭出しして待機させる。第1再生側VTR310と収録側VTR313を同時にスタートしてP8の終了点になったところで収録側VTR313を停止する。第1再生側VTR310に素材Aをセットする。次に2の開始点を頭出しして収録側VTR313を再生してP8の終了点を頭出しして待機させる。第1再生側VTR310と収録側VTR313を同時にスタートしてP2の終了点になったところで収録側VTR313を停止する。ここまでの操作で収録側に中間素材Iができた。図27に中間素材Iを模式的に示す。 【0017】その後、収録側VTR313から中間素材Iを取り出し第1再生側VTR310にセットする。素材Hをもう一方の第2再生側VTR311にセットしP9の頭出しを行なう。中間素材Iがセットされた第1再生側VTR310を再生し、P9の合成開始点にきたところでスイッチャー312と待機中のVTRを操作して中間素材IとP9を合成する。P9の終了点でスイッチャー312を操作して合成をやめ素材3の合成点まで収録がすめば今度は素材Bを素材Hと入れ替えP3の頭出しを行なう。収録側VTR313を再生して素材BのP3の合成点を頭出しして待機させる。スイッチャー312と第1、第2再生側VTR310、311を操作して収録を始める、P3の終了点でスイッチャー312を操作して合成をやめP2の終了点まで収録する。以上の操作によって、図27のKに示すように、編集が仕上がる。 【0018】これらに操作を実行するには、最低でも3人オペレーターが必要となる。このように、1人では編集できないという欠点がある。 【0019】しかも、図27のように編集する場合、前述のように仕上がりまでに2回のコピー操作を繰り返していることになる。1回で1.5db程度S/N比が低下する場合、2回の合計で2×1.5db=3.0dbも低下することになる。編集にディジタル方式のVTRを使えばこの欠点は生じない。しかしながら、この場合も前述のような1人では編集できないという欠点が残る。 【0020】しかも、目的の映像を作る実際の編集作業を行なうまでに、どの素材のどの部分を何処に使うか、混合や特殊効果等どのようなものを使うかを決めなくてはならない。そのために、まず全ての素材(仕上がりが1時間の映像である場合、素材は約20分のカセット60本程度である。この数量は通常放送番組等を製作する場合の平均的な量である。)の内容を見て行かなくてはならない。すなわちどのテープにどのような映像が入っていて、どの映像とどの映像をどのような順序で使うかを頭の中でイメージしながら全てのテープを見て行くわけである。この作業に費やす時間は非常に大きい。採用される部分のあたりで数回繰り返して見て、採用される部分のタイムコードや、そのテープのタイトルや、管理番号等を記録するわけである。細かいタイミングなどが最終的に決まるまで、幾度かこの作業を繰り返す。 【0021】これらの作業を軽減するために従来はオフライン編集という手法が用いられている。これはランダムアクセス可能な記録媒体に高い圧縮率(画質を落とし、画面に何が映っているか確認できる程度に変える圧縮率、例えばほぼ1/6~1/100の圧縮率)で、全ての素材を記録し、一通りランダムアクセス可能な記録媒体上で映像を作ってみる手法である。その時、前述のようにタイムコードや特殊効果を記録して、リストとして印刷する。その後に、前述のように実際の編集作業をVTRで行なうものである。つまり、印刷されているリストにしたがって順番にテープを掛け替えて再生し、スイッチャー装置を使い画面の合成等を行ないながら収録側VTRにつなぎ取りを行なってゆくわけである。この編集作業において、一度VTRに装着されて再生に使われたテープを後でもう一度装着しなくてはならないことがしばしば起こる。通常テープを2本再生して画面を合成するので、常に2本の再生用のテープがVTRに装着された状態になっている。取り出した後でに必ずもとの位置にテープをもどしておけば良いわけだが、2本取り出した状態ではテープを間違って別のテープが当初入っていたところに戻してしまうことが起こりうる。つまり戻すときにきちんと確認をしてもとに戻す手間がかかるか、あるいは取り出すときにテープを捜す手間がかかることになる。したがって、テープの数が増せば増すほど、それらの装着作業の繁雑さが障害となり、編集にかかる時間が増えて行く結果となる。しかも、前述と同様に編集に必要なオペレーターの人数が減らず、一人で編集を行えないという欠点もある。 【0022】また、前述のオフライン編集とは別に、全ての素材をランダムアクセス可能な記録媒体に仕上がりで必要な画質を維持できる圧縮率(圧縮率は、1/1~1/6)で記録し、ランダムアクセス可能な記録媒体どうしあるいはランダムアクセス可能な記録媒体とメモリー上で画面の合成、接合、特殊効果、などを行なうオンライン編集という手法がある。この手法においては、操作の繁雑さ等は存在しない。しかも、映像の重ねあわせなどで重ねる映像の数が増しても、メモリーやランダムアクセス可能な記録媒体どうしで編集できるので、非常に簡単な作業で編集が出来る。そのため、編集に必要なオペレーターは1人である。 【0023】しかしながら、ランダムアクセス可能な記録媒体に画質を維持した状態で長い時間の映像を記録するために、途方もなく膨大な装置が必要となる(当然の事ながら費用が比例して必要になる)。装置の大きさとそのコストが問題となっていた。 【0024】次に、図28を参照して、前述の従来のオフライン編集装置についてさらに説明する。このオフライン編集装置は、カメラ314、VTR315、ランダムアクセス可能な記録媒体317を備える。 【0025】カメラ314からVTR315に音声情報および映像情報を送る。そして、VTR315によって、テープの音声トラック315aおよび映像トラック315bに音声情報および映像情報をそれぞれ高質録画するとともに、それらに対応させてタイムコード315cを記録する。このように、音声、映像、タイムコードの3種類のデーターがテープに記録される。 【0026】その後、テープから映像情報を再生して圧縮して圧縮映像を作り、その圧縮映像をランダムアクセス可能な記録媒体317に録画する。つまり、テープの内容をコピーしてから圧縮映像を作る。 【0027】そのため、編集に必要なデーターはタイムコードであり、全ての音声、映像はタイムコードによって管理されている。つまり、タイムコードによってテープの内容とランダムアクセス可能な記録媒体を対応させている。 【0028】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来技術の欠点を解消して、ビデオ編集を低コストかつ短時間で行うことができるビデオ編集方法およびその装置を提供することを目的とする。 【0031】また、本願の第3発明は、複数の第1記録媒体の録画内容を情報量を少くした形でランダムアクセス可能な第2記録媒体に記録する情報量調節録画再生手段と、第2記録媒体の録画内容を編集して編集ポイントを抽出する仮編集手段と、編集ポイントにしたがって第1記録媒体を自動的に指定するテープ巻指定手段と、指定された巻の第1記録媒体から採用分の録画内容をランダムアクセス可能な第2記録媒体に実用上画質劣化の認められない形で取り込んで、編集ポイントにしたがって編集する本編集手段を備えることを特徴とするビデオ編集装置を要旨とする。 【0046】高質録画の内容は、画像および音声の情報や、画像だけの情報や、音声だけの情報などであり、従来の高質録画の内容と同様のものを採用できる。例えば、放送局における素材、つまり撮影あるいは取材現場でテープ等の記録媒体に記録した録画内容を採用できる。また、記録媒体に記録したものに限らず、カメラ等から送信されるビデオ信号なども採用できる。また、素材を編集した後のものも採用できる。 【0047】高質録画の内容は、従来と同様に実用上十分に高質であり、それを編集した後の内容も実用上十分に高質である。例えば、放送局においては、放送に使用する上で十分に高画質である。 【0048】高質録画再生手段は、撮影によって高質録画の内容を送信する手段や、記録媒体に高質録画の内容を録画再生する手段などを採用できる。例えば、ビデオカメラ、VTR(ビデオテープレコーダー)、コンピュータ、デジタルディスクレコーダーなど、従来の高質録画の内容を得る手段を採用できる。 【0049】第1記録媒体は、高質録画の内容を記録できるものであり、シーケンシャルアクセスである記録媒体やランダムアクセス可能な記録媒体など、従来と同様のものを採用できる。シーケンシャルアクセスである記録媒体としては、ビデオテープなどを採用できる。ランダムアクセス可能な記録媒体としては、ハードディスク、MOディスク(光磁気ディスク)、RAMなどを採用できる。ランダムアクセスとは、記録媒体に記録されたデータ中の任意の部分を直接読み書きする方法である。 【0050】第3記録媒体は、第1記録媒体と同様のものである。第1記録媒体と同等の第3記録媒体には、第1記録媒体と同様の内容が記録されている。第3記録媒体に記録する手段としては、前述の高質録画手段や、第1記録媒体からその内容を取り込んで記録する手段などを採用できる。 【0051】任意の数の第1記録媒体に複数巻の高質録画の内容を記録できる。例えば、各第1記録媒体に各巻の高質録画の内容を記録できる。 【0052】低質録画の内容は、高質録画の内容より情報量の少ないものであり、編集するためには十分な情報量を有するが、実用的には不十分な情報量しか有しない。例えば、編集に必要な録画内容を表示できる程度に高質録画の画像情報を圧縮したものや、画素数を少なくしたものなどである。 【0053】情報量調節録画再生手段は、高質録画の内容を低質録画の内容に変えることができるものであり、データ圧縮手段、画素数を少なくする手段、帯域分割手段、従来のオフライン編集機の取り込み手段などを採用することができる。 【0054】複数の第1記録媒体の録画内容を、任意の数の第2記録媒体に記録できる。例えば、複数の第1記録媒体の録画内容を1つの第2記録媒体に記録できる。 【0055】第2記録媒体は、第1記録媒体と同様のものを採用できる。ただし、低質録画の内容を記録できるものであればよい。好ましくは、ランダムアクセス可能な記録媒体である。 【0056】仮編集手段は、アナログビデオ編集機、デジタルビデオ編集機、コンピュータを用いた編集システムなどである。その他にも、従来のオフライン編集機を採用することができる。好ましくは、編集内容を記録できるものである。 【0057】仮編集による編集内容は、実際に編集された映像ではなく、編集ポイントであることが好ましい。編集ポイントは、編集に採用する素材、その採用部分、合成のタイミングなどを示すものである。例えば、従来のように、採用部分の開始点、終了点、合成の開始点、終了点を基準点からの駒数や時間に換算したものである。これに限らず、従来のオフライン編集機におけるEDL(Edit・Direction・List)なども採用できる。編集内容は、編集に採用する素材を特定できることが好ましい。 【0065】第1実施例 本発明の第1実施例によるビデオ編集方法およびその装置について説明する。 【0066】このビデオ編集装置は、ランダムアクセス可能な記録媒体に録画内容を取り込んで編集を行なう編集装置であり、前述の従来技術の欠点をなくすことができる。 このビデオ編集装置について説明する。ビデオ編集装置1の構成を示すブロック図を図1に示す。 【0067】ビデオ編集装置1は、自動交換装置2、VTR3、ディジタイザー4、CPU(中央処理装置)5、圧縮伸長装置6、フレーム位置情報出力手段7、第1I/O装置8、ハードディスク駆動装置9、RAM/ROM10、第2I/O装置11、テープ管理手段12、D/A変換手段13を備えている。 【0068】ディジタイザー4は、VTR3の再生信号をA/D変換するものであり、従来のビデオディジタイザーを採用できる。圧縮伸長装置6は、圧縮比可変のものであり、動画データを高質のデータや低質のデータなので、所望の質のデータに変換できる。フレーム位置情報出力手段7は、タイムコードリーダおよび同期信号カウンタを備えており、VTR3から受信したタイムコードとディジタイザー4から受信した同期信号に基づいてフレーム位置情報を出力する。第1I/O装置8、第2I/O装置11は、それぞれパラレル又はシリアルのものである。テープ管理手段12は、テープ番号を出力したり、テープの有無を入力したりするものである。D/A変換手段13は、動画データをD/A変換してモニター出力するものである。 【0069】次に、ビデオ編集方法について説明する。 【0070】ビデオ編集方法は、図2および図3に示す流れ図の手順20~57にしたがって行われる。 【0071】このビデオ編集方法について、詳しく説明する。 【0072】必要な素材を選び、編集ポイントを見つけ、ストーリーを構成するために、一旦ランダムアクセス可能な記録媒体に情報量の少ない形で、例えば縦横で半分の画素数、圧縮比で1/10という条件で全ての素材を取り込む。このようにして取り込まれたデータは、元の映像(素材)をそのまま取り込む場合と比べて、約1/40のデータである。例えば、NTSC方式の動画を横640ドット×縦480ドットで3万2千色で取り込む場合は、毎秒約450Kbのデータである。この場合、例えば素材を20時間取り込むためには、32.4Gbの記録媒体があればよい。素材の情報量より少ない記録容量の記録媒体に、全ての素材を取り込むことが出来る。 【0073】その後、記録媒体の録画内容を編集する。すなわち、記録媒体の録画内容をコンピューターのディスプレイ上に表示しながら、編集ポイントの設定、あるいは重ね合わせ、素材の接続切り替え分割などの設定を行う。編集中に、仕上がりの内容がどのようなタイミングで編集されるか、あるいはどのような画面となるかを確認する作業、つまりプレビューの作業を一緒に行う。この作業に用いる画面の画素数が素材の画素数の1/4であるので、プレビューの処理系に必要なCPUパワーは、従来方式の1/4である。 【0074】一通りの編集作業が終了した段階で、一旦使われている各素材に対して管理のために番号あるいは符号あるいは名称を付ける。好ましくは、例えば通し番号を割り当てる。そして、番号毎に、その番号の素材の編集ポイントを全て記録装置に記録する。この場合、素材を他の素材と間違えないように管理する手段を使う。例えば、素材がテープである場合は、各テープを他のテープと間違えないように所定のホルダーに入れる手段を使う。このようにホルダーに入れる手段を使う場合は、ホルダーに通し番号を付け、その通し番号でテープを管理する。 【0075】その後、ランダムアクセス可能な記録媒体に入っている内容を消去し、編集に使われた部分のみを今度は実用上画質劣化の無い圧縮比、あるいは画素数でランダムアクセス可能な記録媒体に取り込む。この時、編集内容にしたがって通し番号を指定して適切にテープを取り替える。 【0076】それによって、非常に効果を発揮する。すなわち、テープを管理する手段によりテープに初めから番号が付けられ、各テープが後で間違いなくすぐに探し出されるように所定の場所に格納されるので、テープ交換作業のうちで一番時間のかかる大量のテープの山から必要なテープを選び出す作業を瞬時に出来る。それに対して、従来は、テープに付けられたタイトルから必要なテープを選び出すので、そのような効果を発揮できない。この効果は手動自動を問わず著しい時間短縮につながる。 【0077】前述の実用上画質劣化の無い圧縮比、あるいは画素数で取り込むデータは、例えばNTSC方式の動画を横640ドット×縦480ドットで圧縮比1/3、3万2千色で取り込む場合、毎秒約6Mbのデータとなる。 【0078】毎秒約6Mbのデータを取り込むための記録媒体の記録容量について説明する。ここで重要なのは素材がどれぐらいの割合で有効なのかである。例えば、素材が20時間であり、素材の有効となる率が約5%である場合(放送局などで実際に使われる率がほぼ5%である)、20時間の5%すなわち1時間取り込む。この場合、取り込みに必要となるランダムアクセス可能な記録媒体の記録容量は21.6Gbである。このように有効な割合に応じて記録容量を設定することによって、必要な素材を取り込むことが出来る。 【0079】その後、取り込まれたデータを編集して映像をつなぎ、つなぎの終わった映像を記録媒体に記録する。そのために、前述の取り込みに必要な記録容量とほぼ同量の21.6Gbの記録容量が必要となる。つまり上記の条件の下では合計で43.2Gbの記録容量があれば1時間の映像を作成できる。 【0080】それに対して、従来のような考え方で全ての素材を実用上画質劣化の無い圧縮比、あるいは画素数で取込みを行なう場合は、素材を取り込むために同様の条件の下で432Gbの記録容量が必要であり、さらにつなぎの終わった映像を記録するためにその5%の21.6Gbの記録容量が必要となる。つまり合計で453.6Gbの記録容量のランダムアクセス可能な記録媒体が必要となる。 【0081】このように、本発明によれば、従来の約1/10の記録容量のランダムアクセス可能な記録媒体を用いて全ての編集を行なえる。すなわちランダムアクセス可能な記録媒体のコストが1/10となり、装置の大きさもほぼ1/10で実現できるようになる。ランダムアクセス可能な記録媒体のコストが装置全体のコストの約5割から9割を占めている場合は、著しいコストダウンとなる。しかも、有効な分を取り込む時のテープを掛け替える作業は、時間にして従来の作業の約1/20である。このように、本発明によって正しいテープを即座に装着出来るようになる。それによって、テープ掛け替え作業に費やす労力は相対的に非常に低いものとなる。 【0082】その上、本発明は、従来のオフライン編集で使われている程度のCPU、すなわちパーソナルコンピュータの利用が可能である。さらに、編集ポイントを見つける作業をするためのソフトウエアとして、従来のオフライン編集で使われているものを転用することも可能である。すなわちランダムアクセス可能な記録媒体以外の部分でも著しいコストダウンが図れる。 【0099】その後、最初の番号のテープをVTRに押し込む。その一方で、テープをVTRに押し込み終えたのを確認してディジタイザを待機させ、VTRを再生するためのコントロール信号をVTRに送る。再生時にVTRからタイムコードを読み取りながらディジタイズを行なう。そのテープ1本分の取り込みを終えた後、次のテープに交換する信号を自動交換装置に送る。自動交換装置によってイジェクトボタンを押してテープを取り出し、次のテープに交換する。このテープ似ついても同様にして取り込み、交換を行う。この作業を繰り返して各テープの内容を取り込む。つまり、番号順にテープをVTRにセットして各テープの内容を取り込む。 【0115】素材をディジタイジングしたファイルをムービーファイルと言う。そのムービーファイルから例えばGet・Track・Duration関数を用いてムービーファイルのトラックの長さを得る。 【0116】次に、そのトラックの長さをM/(N-1){M<N、0<M}に分けて示す時間(タイムコード)を得る。このN個の時間(タイムコード)を時間リストとして管理する。 【0117】Get・Movie・Pict関数を用いて時間リストに基づいてそれぞれの時間におけるフレームの静止画を得る。 【0118】素材を表示する素材ウインドウ110上にそれぞれのムービー再生のためのビューインスタンスを生成する。つまり、各素材について、その通し番号113、タイムコード112、各タイムコードにおけるフレームの静止画111を素材ウインドウ110に表示する。通し番号113は、前述のようにテープ毎に割り当ていれている。通し番号113とともに、各素材に応じたタイトルメモなどを表示してもよい。素材ウインドウ110は、スクロールバー110aを備えている。スクロールバー110aによって、全ての素材の静止画111をスクロールさせて表示させることができる。 【0121】第4実施例 図11を参照して、本発明の第4実施例によるビデオ編集方法およびその装置について説明する。 【0122】このビデオ編集方法は直接記録方式の編集方法である。 【0123】この方式の装置は、ビデオ信号原120、ディジタイズ手段121、高質処理手段122、第1高質録画手段123、低質処理手段124、低質録画手段125、仮編集手段126、編集ポイント保存手段127、高質再生手段128、本編集手段129、本編集データ記録手段130、仕上がり映像再生手段131、第2高質録画手段132を備えている。これらの手段は、それぞれ別体として設けられたものでなくてもよい。例えば、1つのものを複数の手段に使い分けるようにしてものでもよい。 【0124】次に、この装置による信号処理の流れについて説明する。 【0125】ビデオ信号原120は、ビデオ信号をディジタイズ手段121に送信する。ビデオ信号原120は、カメラやVTRなどであり、ビデオ信号は、高質録画の内容である。ディジタイズ手段121は、ビデオ信号をA/D変換して動画データに変えて、高質処理手段122、低質処理手段124にそれぞれ送信する。 【0126】高質処理手段122は、画質を落とさないように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して高画質の動画データに変え、第1高質録画手段123に送信する。第1高質録画手段123は、高画質の動画データを第3記録媒体、例えばテープに記録する。 【0127】低質処理手段124は、データ量を少なくするように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して低画質の動画データに変え、低質録画手段125に送信する。低質録画手段125は、低画質の動画データを第2記録媒体、例えばハードディスクに記録する。仮編集手段126は、第2記録媒体の記録内容を編集して、編集ポイントを編集ポイント保存手段127に送信する。編集ポイント保存手段127は、編集ポイントを保存して、それに基づいて接合点等の位置情報を高質再生装置128および本編集手段129にそれぞれ送信する。高質再生装置128は、位置情報にしたがって第3記録媒体を再生し、採用分の動画データを本編集手段129に送信する。本編集手段129は、位置情報にしたがって採用分の動画データを接合、特殊効果、重ね合わせ処理して本編集データを作り本編集データ記録手段130あるいは仕上がり映像再生手段131にそれぞれ送信する。本編集データ記録手段130は、本編集データを第4記録媒体、例えばD-1VTRのテープに記録する。仕上がり映像再生手段131は、本編集データをD/A変換して、直接的に映像再生を行う。 【0128】以上説明した装置においては、高質処理手段122および低質処理手段124によって動画データを高画質と低画質の2つのデータに変えたが、これに限らず、高質処理手段122および低質処理手段124によって、ビデオ信号を画質改善用のデータおよび低画質のデータに分割してもよい。 【0129】例えば、高質処理手段122によってビデオ信号を帯域分割して画質改善用のデータに変え、低質処理手段124によってビデオ信号を帯域分割して低画質のデータに変える。低画質のデータは、編集可能な低画質の動画データである。画質改善用のデータは、ビデオ信号から低画質のデータを分割した残りのデータである。この場合、本編集手段129は、位置情報にしたがって、採用分の画質改善用のデータに低画質のデータを加算して採用分の高画質の動画データを作り、その採用分の動画データを接合、特殊効果、重ね合わせ処理して編集データを作る。低画質のデータは、低質録画手段125によって再生する。 【0141】第6実施例 本発明の第6実施例によるビデオ編集方法およびその装置について説明する。 【0142】第6実施例は、高質録画の内容をアナログデータとし、低質録画の内容をディジタルデータとして、両者を対応づける。その他の構成については、前述の第1実施例と同様である。 【0143】次に、図13を参照して、アナログデータにディジタルデータを対応づける方法について説明する。 【0144】高質録画のデータ列160の音声又はコントロールトラックに、あるいは垂直ブランキングの直前直後に記録開始信号をタイムコードインデックスとして、一般的に使われている手段、例えばLTCタイムコード、SMPTE等によってマークする。そして、N駒毎にタイムコードインデックス160a~160eを高質記録時にマークとして付けておく。 【0145】編集用(低画質)のディジタイズ時(つまり、アナログデータを低質のディジタルデータに変える時)に、記録開始信号を検知し、その直後の駒を最初の駒として1駒ずつ駒番号を割り当てる。高画質のディジタイズ時(高質録画の内容から採用分のデータを取り込む時)は、まず目的の駒の前方にあり編集ポイントに近いタイムコードインデックスの所までテープを早送り、巻き戻し、その後、目的の駒になるまで垂直同期信号を監視して(つまり、駒数を数えて)ディジタイザを待機させ、その後、必要な駒数をディジタイズする。 【0146】図示例においては、高質記録時にタイムコードインデックス160a~160eを30駒毎に、かつ1秒毎に割り当てている。そして、低質録画のデータ列161の各採用分162、163(採用1、採用2)の初めの位置および終りの位置を記録する。初めの位置は、採用分の最初の駒の前方で最も近いタイムコードインデックスからその駒の直前の駒までの駒数を示す。終りの位置は、採用分の最後の駒の前方で最も近いタイムコードインデックスからその駒までの駒数を示す。 【0147】低質のデータ列161の採用分162、163(採用1、採用2)の最初の駒の位置および最後の駒の位置にしたがって、高質データの採用分164、165(採用1、採用2)を高画質で取り込む。つまり、高質録画のデータ列160をタイムコードインデックス160a(00:00:01:00)まで早送りし、そこから4駒数えた後、5駒目から採用1の最後の駒まで取り込み、その後、タイムコードインデックス160c(00:00:03:00)まで早送りし、そこから15駒数えた後、16駒目から採用2の最後の駒まで取り込む。 【0156】第8実施例 本発明の第8実施例によるビデオ編集方法およびその装置について説明する。 【0157】第8実施例は、高質録画の内容および低質録画の内容をそれぞれディジタルデータとし、両者を対応づける。その他の構成については、前述の第1実施例と同様である。 【0158】次に、図15を参照して、ディジタルデータにディジタルデータを対応づける方法について説明する。 【0159】帯域分割、JPEG圧縮、MPEG圧縮、拡大縮小等がされた高画質のデーター列176(または画像改善用のデータでもよい)は、低い圧縮率(1/1~1/6)、大きい倍率(0.8~2)、広い帯域(1/2~1/6、あるいは低画質データで記録されなかった残りの部分)で記録されている。MPEG圧縮の場合、高画質を維持できるように、キーフレームを2駒~30駒毎に記録する。 【0160】帯域分割、JPEG圧縮、MPEG圧縮、拡大縮小等がされた低画質のデーター列177(シーン確認用)は、高画質の物より、高い圧縮率(1/2~1/100)、小さい倍率(0.9~0.1倍)、狭い帯域(1/2~1/100)で記録されている。MPEG圧縮の場合、編集ポイントを捜すのに困らないように、キーフレームを2駒~4駒毎に記録する。 【0161】高画質のデーター列176には、K駒毎(ただし、Kは整数)にフレーム又はフィールドの位置を表す位置データ180a、180bが挿入されている。低画質のデーター列177には、P駒毎(ただし、Pは整数)にフレーム又はフィールドの位置を表す位置データ181a、181bが挿入されている。K対Pを、1対1、1対L、あるいはL対1に設定する。ただし、K、P、Lは、3つの条件式(1≦K≦1000000、1≦L≦1000000、1≦P≦1000000)を満足する。 【0164】このように第8実施例の方法は、データーを対応付けて、2通りの記録方法で録画する方法(ディジタルデータとディジタルデータを対応させる方法)である。この方法は、前述の第6実施例のディジタルとアナログの対応付け方法と組み合わせることも可能である。 【0243】次に、図22を参照して、VTR192、カメラ198および光磁気ディスク199についてさらに詳しく説明する。 【0244】カメラ198から音声情報および映像情報をVTR192に送るとともに、音映像情報を光磁気ディスク199に送る。 【0245】VTR192は、タイムコード192cに対応させて、音声情報および映像情報を音声トラック192aおよび映像トラック192bに高質録画する。 【0246】光磁気ディスク199は、映像情報を圧縮して圧縮映像データ199aを作成する。圧縮映像データ199aは、映像の内容を確認できる程度の低画質のものであり、通常のミニチュア表示による映像と同程度の画質である。圧縮映像データ199aは、映像トラック192bに記録される高画質の映像情報に対応するように光磁気ディスクに記録される。 【0247】このように、高画質の映像と低画質の映像を同時に、かつ互いに対応させて記録する。つまり、タイムコード192c以外の手段でも、高画質の映像と低画質の映像を対応させる。 【0249】 【発明の効果】本発明によれば、従来と比較して短時間かつ低コストで編集を行い、かつ編集後の仕上りを高質にすることができる。 [第7]当審の判断 1.被請求人の主張(1)について まず、被請求人が[第3]2.(1)で主張する本件審判請求書における理由の不備について検討する。 被請求人の主張によれば、 a)本件審判請求書において、請求人は、刊行物の記載事項のみを列挙し、上記列挙した刊行物の記載事項と本件発明の構成とを対比しているのみで、上記列挙した事項が、一つの発明として認定できるか検討しておらず、また、 b)請求人の口頭審理陳述要領書によれば、一つの発明として認定した事項が記載されているが、当該記載の根拠が、刊行物のどの記載によるものか特定されていない、 から、本件審判請求書で請求人が主張する、本件各請求項に係る発明が、I)甲第1号証に記載された発明である、II)甲第1発明から容易に発明をすることができた発明である、III)先願明細書に記載された発明である、との主張について、理由が記載されていないとの主張である。 しかしながら、審判請求書とこれを補う口頭審理陳述要領書の記載をともにみれば、上記列挙した事項を一つにまとめたものが請求人が特定するひとまとまりの発明であって、当該請求人が特定するひとまとまりの発明は、各甲号証のどの記載から、認定しているか明らかであるといえるから、審判請求書における理由に不備はない。 したがって、上記被請求人の主張は採用することができない。 2.請求人が主張する各無効理由についての判断 以下では、上記[第3]1.1-1の無効理由に対応して、例えば、本件発明1の無効理由a)についての検討は、a1)と記載し、本件発明13の無効理由b)についての検討は、b13)と記載する。 (1)本件発明1、本件発明3、本件発明4、本件発明6の無効理由についての判断 (1-1)請求人は、本件発明1、本件発明3、本件発明4、本件発明6について、上記[第3]1.1-1(1)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 a1)本件発明1と甲第1号証に記載された発明について a1-1)甲第1発明 上記甲第1号証の記載からみて、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲第1発明」という。)が記載されているといえる。 a1-1-1)カメラ一体型記録装置 甲第1号証には、「本発明は、その撮像された記憶媒体を効率良く編集可能とする構成としたカメラ一体型記録装置に関するものである。」(【0001】)とあるから、甲第1号証はカメラ一体型記録装置に関する発明であって、その撮像された記録媒体を効率良く編集可能とする構成であるから、上記撮像された画像は、編集されることを前提とした画像であるといえる。 したがって、甲第1号証には、撮像した画像を編集することを前提としたカメラ一体型記録装置に関する発明が開示されているといえる。 a1-1-2)従来の編集システム(編集用映像信号の記録) 甲第1号証の【0004】には「次に、従来のカメラ一体型VTRの動作を説明する。・・・撮像手段1は撮像した被写体の映像を映像信号101に変換するブロックであり、例えば光学レンズ等の光学系、CCD等の個体撮像装置等によって被写体を撮像し、システム制御手段2からの制御信号100により例えばNTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号101として記録手段6へ送られる。位置情報生成手段5は媒体の位置情報信号102を生成するブロックであり、ここで生成される位置情報信号102は、例えばテープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等であり、映像信号101と共に記録手段6に送られる。この位置情報は映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標となり、例えば編集作業時等に利用される。記録手段6はこの装置部に記憶媒体を装填し、撮像手段1から送られてくる映像信号100と位置情報生成手段5から送られてくる位置情報信号102を装填された記憶媒体に記録するブロックであり、図示していない機構系、サーボ系等により動作する。すなわち撮像された被写体は撮像手段1で映像信号101に変換され、記録手段6において位置情報信号102とともに記録される。この記録手段6に装填されるカセットテープは後の編集作業において原物(オリジナル)となる。」との記載がある。 したがって、甲第1号証のカメラ一体型記録装置(VTR)は、撮像した被写体の映像を映像信号(NTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号)に変換し、記録するものであって、位置情報生成手段により、媒体の位置情報信号(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の、映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標であって、編集作業時等に利用される信号である。)を生成し、撮像手段1から送られてくる映像信号100と位置情報生成手段5から送られてくる位置情報信号102を装填された記憶媒体(カセットテープ)に、(編集作業時には)原物(オリジナル)となる信号として記録する手段を有しているといえる。 a1-1-3)従来の編集システム(記録された映像信号の編集) 甲第1号証の【0009】-【0013】には以下のとおりの記載がある。 「一般にカメラ一体型記録装置で撮像した映像は、その全映像が必要とされるのではなく、その中の適当な撮像区間(以下カットと呼ぶ)を適切な順序に編集することを前提とし、余分に撮像されていることが多い。したがって全映像から適当なカットを選択し、そのカットを適当な順序に編集してマスターテープを作成することが必要であり、仮編集、本編集という編集作業を行う。 以下、従来の一般的な編集手順を説明する。上述したカメラ一体型記録装置で撮像した映像はオリジナルとして原物磁気テープ(以下オリジナルテープと呼ぶ)に記録される。この映像を仮編集用の作業用磁気テープ(以下ワークカセットと呼ぶ)に複写し、作業用素材(以下ワークオリジナルと呼ぶ)とする。次に仮編集機を用い、このワークカセットを使用して仮編集作業を行いワークオリジナルを適当なカットに分けていく。そして編集対象のカットの媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載していく。そしてこのEDLリストに基づき、今度は本編集機を用い、オリジナルテープを使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる。 仮編集作業時にオリジナルテープの内容をワークカセットに複写するのは、仮編集では繰り返し同じ箇所を再生、巻きもどししながら編集位置を決めていくため、これによりオリジナルテープを傷つけないようにするためである。このようなワークカセットとしてはカセットテープが一般的であるが、カセットテープのような連続媒体(以下シーケンシャルな媒体と呼ぶ)では媒体上の任意の位置(アドレス)に移動するのに時間がかかるためその作業効率が悪くなるという問題があった。この問題を解決するためにワークカセットとして、光磁気ディスク、ハードディスク、あるいは半導体記憶媒体等のランダムアクセス可能な媒体を用いる仮編集システムが考案されている(特願平03-247559号)。しかしながら光磁気ディスク、ハードディスク等は映像を記録する一般的な媒体であるカセットテープに比べ記録容量が小さく記録時間が短くなるという問題を有していた。あるいはこれらの媒体に映像情報を圧縮して記録する方法も考案されているが、圧縮された映像ではその画質の劣化が著しくオリジナルとしては使用できないという問題を有したものであった。 仮編集作業ではこのようにワークカセットを繰り返し再生、巻き戻ししながら適当な編集位置を決めて、そのカットの位置情報等をEDLリストに記録する。この際のカットの位置情報には、媒体に映像信号と共に記録されている媒体の位置情報が用いられる。しかしこの記録作業は目視による位置情報の確認と手作業による記録で、本編集時はこのEDLリストの読み取り、キー入力という一連の非効率な作業となっていた。更に、仮編集作業ではこのように作成された編集意思情報に従い、ワークオリジナルを使って実際に編集し、ワークマスターとしてその結果、出来映えを確認する。そして、思い通りの編集結果が得られるまで繰り返しこれら編集作業を繰り返すことが必要であり、作業の長時間化という問題も有していた。 しかし近年編集システムの電子化に伴い、EDLリストの情報を電子化し、仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り、有効に本編集作業に反映させるようになったり、仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し、ワークマスターの作成まで行うシステムが考案されてきている。」 以上の記載によれば、カメラ一体型記録装置で撮像した映像に対して編集作業(仮編集・本編集)を行う編集システムであって、当該編集の手順は、オリジナルとしてオリジナルテープに記録されたカメラ一体型記録装置で撮像した映像が、仮編集用の作業用磁気テープ(ワークカセット)に複写され、 仮編集機を用い、このワークカセットを使用して仮編集作業を行い、編集対象のカット点の媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載しこのEDLリストに基づき、今度は本編集機を用い、オリジナルテープを使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる編集システムであって、 上記EDLリストに基づき、本編集作業を行う具体的な手順としては、編集システムの電子化に伴い、EDLリストの情報を電子化し、仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り、有効に本編集作業に反映させるようになったり、仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し、ワークマスターの作成まで行うシステムが開示されているといえる。 a1-1-4)甲第1号証における課題と解決手段 甲第1号証には、【0014】-【0016】に以下のとおり記載されている。 「しかしながら、どのような作業用媒体を選択し、どのような編集システムを用いても、従来はオリジナルテープから作業用媒体に複写することが必要であり、複写のために映像の時間分だけ浪費するという問題点が解決されていなかった。そして例えばニュース等の緊急を要する素材の編集においては、この問題が顕在化していた。 本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、撮像後の編集を迅速に行えるようにするカメラ一体型記録装置を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明のカメラ一体型記録装置は、撮像時に複数の記憶媒体に同時にデータを記録するカメラ一体型記録装置であって、撮像した被写体像を電気信号に変換する撮像手段と、記憶媒体の位置情報を生成する位置情報生成手段と、撮像手段から出力される電気信号と位置情報生成手段から出力される位置情報を共有させて複数の記憶媒体に同時にデータを記録する記録手段を具備する。」 すなわち、従来の編集システムでは、オリジナルテープから作業用媒体に複写することが必要であり、複写のために映像の時間分だけ浪費するという問題点があり、甲第1号証のシステムは、これを解決するために(すなわち、複写という作業を不必要とするために)、撮像手段から出力される電気信号と位置情報生成手段から出力される位置情報を共有させて複数の記憶媒体に同時にデータを記録する記録手段を具備するようにしたといえるのであり、上記記録手段にて複数の記録媒体に同時に記録したデータは、少なくとも、オリジナルテープに記録される情報と(従来では)作業用媒体に複写すべき情報となることは、当業者であれば、甲第1号証の記載から十分読み取ることができる事項である。 そして、上記複数の記録を同時に行うことにより、従来の編集システムにおける複写作業を不要にした構成が開示されているといえる。 したがって、甲第1号証において開示された(各実施例の)発明における、複数(例えば二つ)の記録媒体に同時に記録したデータのうち、一方は上記従来技術に記載されたオリジナルテープに記録されるべきデータであり、他方は仮編集用の作業用素材(ワークオリジナル)として、編集に利用されるデータであるといえ、したがって、甲第1号証には、(その発明の実施例に記載された、)複数の記録手段で記録された複数(例えばふたつ)のデータのうち、一方をオリジナルテープに記録されるべきデータとし、他方を仮編集用の作業用素材(ワークオリジナル)とすることで、従来の編集システムにおける複写作業を不要とした編集システムが開示されているというべきである。 a1-1-5)甲第1号証における記憶手段 甲第1号証の【0033】-【0035】には、以下のとおりの記載がある。 「図3は本発明の第3の実施例におけるカメラ一体型記録装置の構成を示すブロック図であり、例えば主記録手段12と副記録手段13というように記録手段を複数具備し、そのうちの一つは信号圧縮手段11を介した圧縮映像信号104を記録可能な構成とした点に特徴を有する。 システム制御手段2はシステム全体の動作制御を行う回路ブロックであり、各種の電源制御信号103や各種のシステム制御信号100を出力し、システムを所定の動作状態にする。撮像手段1は撮像した被写体の映像を映像信号101に変換するブロックであり、例えば光学レンズ等の光学系、CCD等の個体撮像装置等によって被写体を撮像し、システム制御手段2からの制御信号100によって例えばNTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号101として主記録手段12あるいは信号圧縮手段11へ送られる。位置情報生成手段5は媒体の位置情報信号102を生成するブロックであり、ここで生成される例えばテープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の位置情報信号102は映像信号101と共に主記録手段12および副記録手段13に送られる。この位置情報は映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標となり、例えば後の編集作業時等に利用される。信号圧縮手段11は映像信号101を圧縮して圧縮映像信号に変換するブロックであり、撮像手段1より送られてきた映像信号101は、例えばJPEGあるいはMPEG等で標準化されている符号化方法に基づき圧縮映像信号104に変換され副記録手段13へ送られる。主記録手段12および副記録手段13はこの装置部に記憶媒体を装填し、各ブロックから送られてくる映像信号100あるいは圧縮映像信号104と位置情報信号102をこの記憶媒体に記録するブロックであり、図示していない機構系、サーボ系等により動作する。主記録手段12に装填された例えばカセットテープや光磁気ディスク等の記憶媒体は例えばオリジナルの媒体であり、映像信号101と媒体の位置情報信号102が記録される。副記録手段13に装填された例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等の記憶媒体は例えばワークオリジナルの媒体であり、圧縮映像信号104と媒体の位置情報信号102を記録する。このとき主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報が記録されるため、編集作業時にワークオリジナルとなる記憶媒体に記録された位置情報を利用して行われた編集結果は、オリジナルとなる記憶媒体に同期している。 この構成とすることで、例えば磁気テープと磁気ディスクあるいは磁気テープと光磁気ディスク等、記憶容量の異なる記憶媒体に同一の映像をその位置情報とともに記録できる。また、副記録手段では圧縮映像信号を記録するため記録容量の小さな記憶媒体にもオリジナルと同一の映像を記録可能となる。なお、仮編集作業で必要な情報は映像信号と位置情報の関係ではなく、映像と位置情報の相対関係であるため、たとえ圧縮された映像であってもオリジナルテープの位置情報と同期のとれている位置情報が記録されていれば編集作業上問題とはならない。」 上記記載において、「主記録手段12および副記録手段13はこの装置部に記憶媒体を装填し、各ブロックから送られてくる映像信号100あるいは圧縮映像信号104と位置情報信号102をこの記憶媒体に記録するブロックであり、図示していない機構系、サーボ系等により動作する。主記録手段12に装填された例えばカセットテープや光磁気ディスク等の記憶媒体は例えばオリジナルの媒体であり、映像信号101と媒体の位置情報信号102が記録される。副記録手段13に装填された例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等の記憶媒体は例えばワークオリジナルの媒体であり、」とあり、「この構成とすることで、例えば磁気テープと磁気ディスクあるいは磁気テープと光磁気ディスク等、記憶容量の異なる記憶媒体に同一の映像をその位置情報とともに記録できる。また、副記録手段では圧縮映像信号を記録するため記録容量の小さな記憶媒体にもオリジナルと同一の映像を記録可能となる。」との記載もある。 すなわち、主記録手段と副記録手段とは異なる記憶容量の異なる記録媒体を用いることが開示され、副記録手段に記録される映像信号は圧縮されていることから少ない情報量であり、「磁気テープと磁気ディスクあるいは磁気テープと光磁気ディスク」の組み合わせにおいて、記憶容量が大きい記録媒体は磁気テープであることは当業者に普通に知られたことであるから、主記録手段に装填される記録媒体は磁気テープであり、副記録手段に装填される記録媒体は磁気ディスクあるいは光磁気ディスクである組合せが開示されているといえる。 以上のことから、甲第1号証には、記録手段が、「撮像手段1が撮像した被写体の映像を変換し、RGBのデジタルの映像信号101として主記録手段12あるいは信号圧縮手段11へ送り、また、(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の)媒体の位置情報信号102を生成し、主記録手段12および副記録手段13に送られる。 信号圧縮手段11は映像信号101を圧縮して圧縮映像信号に変換し、副記録手段13へ送られる。 主記録手段12および副記録手段13はこの装置部に記憶媒体を装填し、各ブロックから送られてくる映像信号100あるいは圧縮映像信号104と位置情報信号102をこの記憶媒体に記録するブロックであり、主記録手段12に装填された記憶媒体は例えばオリジナルの媒体(磁気テープ)であり、映像信号101と媒体の位置情報信号102が記録され、副記録手段13に装填された記憶媒体は例えばワークオリジナルの媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)であり、圧縮映像信号104と媒体の位置情報信号102を記録する。このとき主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報が記録されるため、編集作業時にワークオリジナルとなる記憶媒体に記録された位置情報を利用して行われた編集結果は、オリジナルとなる記憶媒体に同期している。」 構成が開示されている。 すなわち、記録手段は、撮像した被写体の映像を変換したRGBのデジタルの映像信号101を、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)と副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)とに二重に記録可能であって、主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等)が記録され、副記録手段13に装填された記憶媒体に記録される映像信号は、圧縮映像信号とする記録手段が記載されているといえる。 a1-1-6)まとめ(甲第1発明) 以上の甲第1号証の記載によれば、a1-1-1)、a1-1-4)の記載事項からみて、甲第1号証には、撮像した画像を編集することを前提としたカメラ一体型記録装置に関する発明が(実施例として)開示されているが、上記カメラ一体型記録装置により撮像した画像は、編集をすることが前提であって、(甲第1号証の発明の詳細な説明に記載された実施例の、)複数記録されたデータのうち、一方をオリジナルテープに記録されるべきデータとし、他方を仮編集用の作業用素材(ワークオリジナル)とすることで、従来の編集システムにおける複写作業を不要とした編集システムに関する発明が開示されているといえる。 そして、従来の技術における、編集システムとは、上記a1-1-2)、a1-1-3)にて検討した 「撮像した被写体の映像を映像信号(NTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号)に変換し、記録するものであって、位置情報生成手段により、媒体の位置情報信号(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等の、映像が記憶媒体上のどの位置に記録されたかを示す指標であって、編集作業時等に利用される信号である。)生成し、撮像手段1から送られてくる映像信号100と位置情報生成手段5から送られてくる位置情報信号102を装填された記憶媒体(カセットテープ)に、(編集作業時には)原物(オリジナル)となる信号として記録する手段を有し カメラ一体型記録装置で撮像した映像に対して編集作業(仮編集・本編集)を行う編集システムであって、当該編集の手順は、オリジナルとしてオリジナルテープに記録されたカメラ一体型記録装置で撮像した映像が、仮編集用の作業用磁気テープ(ワークカセット)に複写され、 仮編集機を用い、このワークカセットを使用して仮編集作業を行い、編集対象のカットの媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載しこのEDLリストに基づき、今度は本編集機を用い、オリジナルテープを使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる編集システムであって、 上記EDLリストに基づき、本編集作業を行う具体的な手順としては、編集システムの電子化に伴い、EDLリストの情報を電子化し、仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り、有効に本編集作業に反映させるようになったり、仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し、ワークマスターの作成まで行うシステム」 であり、当該システムの記録手段に代えて、甲第1号証の実施例に記載された「記録手段は、撮像した被写体の映像を変換したRGBのデジタルの映像信号101を、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)と副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)とに二重に記録可能であって、主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等)が記録され、副記録手段13に装填された記憶媒体に記録される映像信号は、圧縮映像信号とする記録手段」の構成を採用することにより、上記従来のシステムから複写作業を不要としたシステムが開示されているといえるのであるから、 甲第1号証に記載された発明(甲第1発明)は、結局以下のとおりの構成を有する編集システムに関する発明であるといえる。 なお、上記従来の編集システムの記録手段を、甲第1号証の実施例に記載された構成に代える際、従来の編集システムにおけるワークカセットは、仮編集用の作業用磁気テープ(すなわち、仮編集用の作業用記録媒体)であるから、甲第1号証の実施例の「副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)」に対応し、従来の編集システムにおけるオリジナルテープが、甲第1号証の実施例に記載された「主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)」に対応することは明らかである。 (甲第1発明) カメラ一体型記録装置で撮像した映像に対して編集作業(仮編集・本編集)を行う編集システムであって、 撮像した被写体の映像を映像信号(NTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号)に変換し、記録する記録手段を有し、 上記記録手段は、撮像した被写体の映像を変換したRGBのデジタルの映像信号101を、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)と副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)とに二重に記録可能であって、主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等)が記録され、副記録手段13に装填された記憶媒体に記録される映像信号は、圧縮映像信号とする記録手段であり、 仮編集機を用い、この副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)を使用して仮編集作業を行い、編集対象のカット点の媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載し、このEDLリストに基づき、今度は本編集機を用い、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)を使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる編集システムであって、 上記EDLリストに基づき、本編集作業を行う具体的な手順としては、編集システムの電子化に伴い、EDLリストの情報を電子化し、仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り、有効に本編集作業に反映させるようになったり、仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し、ワークマスターの作成まで行う編集システム。 a1-2)対比(本件発明1と甲第1発明) 本件発明1と甲第1発明とを対比する。 a1-2-1)「オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システムは」 甲第1発明は、「カメラ一体型記録装置で撮像した映像に対して編集作業(仮編集・本編集)を行う編集システム」であり、上記仮編集は仮編集機で、本編集は本編集機で行っている。 甲第1発明の本編集・仮編集は、それぞれ、オンラインビデオ編集・オフライン編集と称してもよいことは、口頭審理陳述要領書で、請求人及び被請求人がともに認めるところであり、当業者には普通に知られるところであるといえるから、甲第1発明の本編集機は本件発明1のオンラインビデオ編集システム設備といえる。 甲第1発明において、音声について格別特定されてはいないが、甲第1号証の【0005】、【0006】の記載を見れば、上記編集された映像は、ドキュメンタリー番組やドラマ番組、ニュース等に用いられるものであり、上記番組に用いられる映像には音声も付加されていることが普通であって、また、音声と映像とは同期して出力される必要があることは当然のことであるから、甲第1発明は映像の編集を行うと同時に音声も編集して、映像と音声をともに含むコンテンツを制作するシステムであることは、当業者であれば当然想定しうることであり、甲第1発明の編集システムは音声・映像製作システムといえる。 そして、以下で検討するように、甲第1発明では、映像情報をデジタル符号化して処理しているから、音声も当然デジタル処理していることが想定され、甲第1発明の編集システムは、オンラインビデオ編集システム設備である本編集機の他に、仮編集機、カメラ一体型記録装置等を用いることで、編集システムが構成されているから、仮編集機、カメラ一体型記録装置等を含む編集システムは、オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したシステムである。 以上のことから、甲第1発明は、「オンラインビデオ編集システム設備と共に使用するように適合したデジタル音声・映像制作システムであって、その制作システム」である点で本件発明1と相違がない。 a1-2-2)「同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され」 本件発明1の「第1のフォーマット」、「第2のフォーマット」について検討すると、発明の詳細な説明において、データ圧縮されて記憶する情報とデータ圧縮されずに記憶する情報とで異なる(符号化)形式で記録するような技術思想の開示はないから、上記「第1のフォーマット」、「第2のフォーマット」は、互いに圧縮率が異なるデータとして記憶されると、両者は、異なるフォーマットであるといえることとなる。 さらに、本件発明1の「相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し」の記載では、編集タイムコード情報が第1のフォーマットと第2のフォーマットで記録媒体に記録されるととれる記載であるが、発明の詳細な説明では、編集タイムコード情報について、第1の記録媒体と第2の記録媒体とに関連して記録されることは記載されているが、これらを記録する際に異なる(符号化)形式で記録することは記載がないから、上記記載は、「第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に映像データを記録するとともに、相互に関連した編集タイムコード情報も記録する」という程度の意味と捉えることができる。 甲第1発明は「撮像した被写体の映像を映像信号(NTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号)に変換し、記録する記録手段を有し、 上記記録手段は、撮像した被写体の映像を変換したRGBのデジタルの映像信号101を、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)と副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)とに二重に記録可能であって、主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等)が記録され、副記録手段13に装填された記憶媒体に記録される映像信号は、圧縮映像信号とする記録手段であり」の構成を有している。 甲第1発明は、上記a1-2-1)で検討したように、番組に用いられる映像を編集するのであるから、撮影した映像は番組ソース素材といえ、上記撮影した映像をデジタル映像信号に変換し、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)と副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)とに二重に記録可能としているから、同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備えているといえる。 甲第1発明の記録手段は、さらに、「主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等)が記録され」るのであるから、主記録手段と副記録手段とに記録される位置情報は関連しているといえ、上記位置情報はSMPTEタイムコードであるからタイムコードである。 したがって、甲第1発明も相互に関連した編集タイムコード情報を第1と第2の記録媒体の上に有しているといえる。 また、甲第1発明は「デジタルの映像信号101を、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)と副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)とに二重に記録可能であって、・・副記録手段13に装填された記憶媒体に記録される映像信号は、圧縮映像信号とする記録手段」の構成であって、主記録手段12に記録される映像信号と副記録手段13に記録される映像信号とは、主記録手段12に記録される映像信号は圧縮されず、副記録手段13に記録される映像信号が圧縮されているのであるから、互いに圧縮率が異なる情報であって、上記互いに異なる圧縮率で記録されることは、本件発明1の異なるフォーマットといえ、圧縮されている映像信号は第1のフォーマット、圧縮されていない映像信号は第2のフォーマットといえる。 以上のことから、甲第1発明は「同じ番組ソース素材の内容の情報を二重に記録可能なデジタルビデオレコーダーを備え、このレコーダーは、相互に関連した編集タイムコード情報を、第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有し、前記第1のフォーマットの情報は前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され」といえ、本件発明1と相違がない。 a1-2-3)「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、前記第1のフォーマットの番組素材から必要な情報を取り出して編集して、編集決定リストを作成できるように構成され」 甲第1発明は「仮編集機を用い、この副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)を使用して仮編集作業を行い、編集対象のカット点の媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載し」の構成を有している。 先に検討したように、甲第1発明の「副記録手段13に装填された記憶媒体」、「仮編集」は、本件発明1の「第1の記録媒体」、「オフライン方式(の編集)」に相当するといえる。 そして、甲第1発明は、この副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)を使用して仮編集作業を行うのであるから、第1の記録媒体に記録されている番組情報から、必要な情報を取り出して編集しているといえ、そして、編集対象のカット点の媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載しているのであるから、編集決定リストを作成しているといえる。 上記EDLリストについては、「EDLリストの情報を電子化し、仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り」との構成も有しているから、電子データのEDLリストといえる。 「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」について、判決では、以下のように、判断している。 なお、甲17及び甲18は、それぞれ参考文献7及び8を指す。 「(3) 本件発明1と甲1発明の同一性の判断の誤りの有無について 原告は,本件審決は,本件発明1と甲1発明は,本件発明1の仮編集機は「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」であるのに対し,甲1発明の仮編集機は「コンピュータと組み合わせ」るものであって,「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」とはいえない点で相違し,甲1には,上記相違点に係る構成の開示がないから,本件発明1は甲1に記載された発明ではない旨判断したが(本件審決54頁29行~55頁3行),本件出願の優先日当時,仮編集機が「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」である構成は,周知の技術事項ないし技術常識であったから,当業者は,甲1の「仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し,ワークマスターの作成まで行うシステム」(段落【0013】)との記載は,上記構成について開示したものと理解するから,本件審決が甲1に上記構成の開示がないと認定したのは誤りであり,この認定を前提とする本件審決の判断も誤りである旨主張するので,以下において判断する。」(115頁6~19行) 「イ 本件出願の優先日当時の周知の技術事項ないし技術常識について 原告は,本件出願の優先日当時,仮編集機が「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」である構成,すなわち,オフライン式で編集決定リストを作成する仮編集機が,「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」である構成は,周知の技術事項ないし技術常識であった旨主張する。 (ア) 甲17の記載事項 a 甲17(特開平4-211587号公報)には,次のような記載がある(下記記載中に引用する図2及び図8については別紙甲17図面を参照)。 「【請求項1】 各録画が複数のフレームより成る未編集ビデオ録画を記憶するためのランダムアクセス記憶手段と,該記憶手段に接続され,上記の記憶された録画の選択されたフレームを表示するための手段と,上記の記憶手段を制御し,使用者に対してオフライン編集操作の際任意の時点で複数のビデオ・ポスト制作環境への全体的アクセスを可能とし,使用者が入力する指令に応じて編集物リストを発生するためのソフトウエアでプログラムされたコンピュータとを具えることを特徴とするオフライン編集システム。」 「【産業上の利用分野】本発明は,未編集ビデオ録画をランダムアクセスメモリに記憶させ,選択した録画(又は選択した録画からの個々のフレーム)を表示し,ビデオ編集プログラムを決める編集物リストを発生する手段をもつポスト製作(製作後の)オフライン編集システムに関するものである。好適な具体例では,未編集ビデオ録画を1個以上のレーザビデオディスクに記憶させ,また,本発明は,使用者が所望の編集操作を容易に行えるメニューを表示するようプログラムされたコンピュータを有する。」(段落【0001】) 「これまで提案されたポスト製作オフライン編集システムは,未編集ビデオ録画及びアドレスを(ビデオテープ又はレーザビデオディスクに)記憶する手段と,選択した未編集ビデオ録画(又はその録画のフレーム)の表示を制御し,使用者が入力する指令に応じて編集物リストを発生するコンピュータ手段とを有している。」(段落【0003】) 「これまで,ポスト製作オフライン編集のために数種のシステムが提案された。例えば,米国特許第4,796,994号(1988年5月24日エトリンガに付与)は,未編集録画をビデオテープレコーダに記憶させるコンピュータ使用ビデオ編集システムを開示している(ただし,同文献は,ビデオテープレコーダをビデオディスクプレーヤに代えてもよいとの極めて概念的な示唆も与えている。)。コンピュータ・システムにより,使用者は,ビデオテープレコーダを制御して編集リストを作成することができる。コンピュータ・システムは,使用者に種々の編集操作(未編集録画の所望フレームの表示,記憶させた未編集録画のフレーム毎の左右動,編集物リストへの編集物の追加,編集物リストにより決まる録画列の再生など)を行わせるための一連のメニューを表示している。使用者はライトペンを動作させることにより,種々の編集操作を選択することができる。」(段落【0007】) 「【課題を解決するための手段】本発明は,未編集ビデオ録画をランダムアクセスメモリ(1組のレーザビデオディスクプレーヤがよい。)に記憶させ,選択した録画(又は選択した録画からの個々のフレーム)を表示し,ビデオ編集プログラムを決める編集物リストを発生する手段を有するポスト製作オフライン編集システムである。本発明のシステムは,使用者が未編集録画を該システムの中に都合よく取込め,あとでオンライン編集操作に用いる編集物リストを作成しうる統合ソフトウェア環境を与えるソフトウェアでプログラムされたコンピュータを有する。該システムソフトウエアは,種々のビデオ・ポスト製作環境(すなわち,未編集録画の該システムの取込み(ロギング),編集物リストの修正,編集した番組の再生のような種々の操作を使用者に行わせるためのコンピュータ・メニュー)に,オフライン編集操作時の任意の時点で全体的なアクセスを可能とするものである。該システム・ソフトウエアは,使用者に対し,マウスを使って選択できるウィンドウ(窓)内にアイコン(及び簡略記憶文)を含むメニューを提供する。」(段落【0010】) 「図2~7の例では,本発明は,コンピュータ・ファイルの形の編集物リストを発生するようにプログラムされたコンピュータ30を有する(したがって,編集物リストは,コンピュータ30により図2に示すような3.5インチのフロッピー・ディスケットに書込める。)。」(段落【0019】) 「コンピュータ30は,IBMのATパーソナルコンピュータ(又は互換性「AT」コンピュータ)がよく,…」(段落【0024】) 「図8は,本発明のソフトウエアの機能を示す説明図である。図8に示すように,プログラムされたコンピュータ30は次の如きソフトウエアを含む。すなわち,本システムのビデオ及び音声周辺装置を制御するためのハードウエア駆動ソフトウエア(本システムに使用する周辺装置の各型に対する装置制御ルーチンを含む。),シーン探索ソフトウエア(使用者が未編集録画を本システム内に取入れ,取入れた録画のリストを作成するのに便利),編集決定ソフトウエア及び使用者インタフェース・ソフトウエアである。使用者インタフェース・ソフトウエアは,使用者がマウス33又はキーボード31を使って入力する指令に応じて他のシステム・ソフトウエアにアクセスでき,且つコンピュータ・モニタ35の画面に図9に示す形式の表示を発生できるものである。」(段落【0034】) 「編集決定ソフトウエアは,図8に示すように「第1カット」モジュール,「同期ロール」モジュール,「見直し修正」モジュール及び「編集物リスト管理」モジュールを含む。第1カットモジュールは,使用者が取入れた未編集録画から編集物リストを容易に作成できるようにする。編集物リストは,該リスト上の編集物間の接合を決めるタイムコードと,各接合の種類(すなわちワイプ,ディゾルブ,フェード又は単純カット)を決めるコードと,該リスト上の編集物の使用者が入力した説明とを含む。」(段落【0037】) 「未編集録画に含まれるビデオ及び音声信号を記憶させるのに,レーザビデオディスクプレーヤの外にランダムアクセスメモリ・ユニットを本システムに使用することが考えられる。例えば,該録画をディジタル化し磁気ディスク駆動装置に記憶させてもよい。本発明は,その範囲及び精神から逸脱することなく種々の変形,変更をしうるものであり,上述の特定の実施例に限定されるものではない。」(段落【0060】) b 上記記載によれば,甲17には,未編集ビデオ録画をランダムアクセスメモリに記憶させ,選択した録画を表示し,後でオンライン編集操作に用いる編集物リストを発生する手段を有するオフライン編集システムにおいて,その編集物リストを発生するためのソフトウェアでプログラムされた「コンピュータ」ないし「パーソナルコンピュータ」 を用いる構成が開示されていることが認められる。 (イ) 甲18の記載事項 a 甲18(「ビデオ編集の基本」ビデオα1995年2月号11巻2号通巻82号,平成7年2月1日発行)には, 「ノンリニア編集とは」との見出しの下に, 「新しい編集方法としていまノンリニア編集が注目されている。ノンリニア編集とは,いままでのオリジナルのビデオテープからほかのビデオテープに転写をしていく,直線的にカットを転写するリニア編集に対する言葉で,メモリーやディスクを中間媒体として自由にカットにアクセスしていく,データによる仮想編集を行う環境を呼ぶ。ノンリニア編集の編集効果とは,データによって編集効果をリアルタイムシミュレーションして見るものなので,その場で簡単に編集点の移動やカットの入替えができる。 編集というものはけっして頭の中で考えたとおりになるものではなく,実際に画をつなぎリアルタイムで再生して判断していくもので,トライアンドエラーを重ねてカットの長さや編集点を細かく修正していくのが望ましい。いままでのリニア編集では,一度編集を終えてしまうと各カットは1本のテープ上に直線状にリニアに並んでしまうので,個々のカットの編集点や長さを変更したり,シーンを入替えるには編集のやり直しが必要だった。ノンリニア編集ではこの作業がやりやすく,思いついたことがすぐ編集の結果として確認できるので,人間の作業を考えていく感性との相性が良く,これからの編集方式の主流になると考えられる。 ノンリニアの編集システムには,その編集結果がそのままOAやVPに使用できる高画質のオンライン用と,編集用のデータを求めるオフライン用の2種類があるが,オンライン用の場合は高画質が要求されるので,画質劣化のないデジタルのメモリーやハードディスクが使われている。そのためオンラインのシステムは,その開発初期には完成秒数の短い特殊効果やCM制作に限られて用いられていた。しかし現在は最大記録容量が9G(約5分)もあるリムーバブルのハードディスクが開発され,それを何台も連装してニュース番組の編集やOAをそのまま1つのシステムでこなしてしまうものも製品化されている。 これに対し,オンライン編集のためのデータ収集を目的としたオフラインの編集システムでは,ハードディスクやMOディスクを組合せて使うケースが多く,デジタルの帯域圧縮技術を利用して1つのシステムに10時間以上のオールラッシュが記録できるまでになっており,またパソコンベースの安価なシステムも発売されている。」(32頁右欄13行~33頁左欄11行)との記載がある。 b 上記記載によれば,甲18には,○1ノンリニア編集とは,「いままでのオリジナルのビデオテープからほかのビデオテープに転写をしていく,直線的にカットを転写するリニア編集に対する言葉で,メモリーやディスクを中間媒体として自由にカットにアクセスしていく,データによる仮想編集を行う環境」であり,ノンリニア編集システムには,その編集結果がそのままOAやVPに使用できる高画質のオンライン用と,オンライン編集のためのデータ収集を目的とし,その編集用のデータを求めるオフライン用の2種類があること,○2オフライン編集システムでは,ハードディスクやMOディスクを組み合わせて使うケースが多く,デジタルの帯域圧縮技術を利用して1つのシステムに10時間以上のオールラッシュが記録できるまでになっており,また,「パソコンベースの安価なシステム」も発売されていることの記載があることが認められる。 上記記載によれば,甲18には,オンライン編集のためのデータ収集を目的とし,その編集用のデータを求めるオフライン用のノンリニア編集システムとしてパソコンベースの安価なシステムが発売され,実用化されていることが開示されていることが認められる。 (ウ)小括 上記(ア)及び(イ)によれば,本件出願の優先日当時,オフライン式でオンライン編集のための編集決定リストを作成する仮編集機としてソフトウェアでプログラムされたパーソナルコンピュータを用いる構成,すなわち,仮編集機が「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」である構成は,周知であったものと認められる。」(118頁19行~124頁24行) 「(ア) 前記(2)の甲1の記載事項によれば,甲1には, 「カメラ一体型記録装置で撮像した映像に対して編集作業(仮編集・本編集)を行う編集システムであって, 撮像した被写体の映像を映像信号(NTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号)に変換し,記録する記録手段を有し, 上記記録手段は,撮像した被写体の映像を変換したRGBのデジタルの映像信号101を,主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)と副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク,光磁気ディスク)とに二重に記録可能であって,主記録手段12と副記録手段13において,同一の映像に対しては同一の位置情報(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等)が記録され,副記録手段13に装填された記憶媒体に記録される映像信号は,圧縮映像信号とする記録手段であり, 仮編集機を用い,この副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク,光磁気ディスク)を使用して仮編集作業を行い,編集対象のカット点の媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載し,このEDLリストに基づき,今度は本編集機を用い,主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)を使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる編集システムであって, 上記EDLリストに基づき,本編集作業を行う具体的な手順としては,編集システムの電子化に伴い,EDLリストの情報を電子化し,仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り,有効に本編集作業に反映させるようになったり,仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し,ワークマスターの作成まで行う編集システム。」(本件審決認定の甲1発明の構成)の記載があることが認められる。 これに関連して,甲1には,「しかし近年編集システムの電子化に伴い,EDLリストの情報を電子化し,仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り,有効に本編集作業に反映させるようになったり,仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し,ワークマスターの作成まで行うシステムが考案されてきている。」(段落【0013】)との記載がある。一方で,甲1には,上記段落【0013】の記載に先立ち,「従来の一般的な編集手順」の説明として,「カメラ一体型記録装置で撮像した映像はオリジナルとして原物磁気テープ(以下オリジナルテープと呼ぶ)に記録される。この映像を仮編集用の作業用磁気テープ(以下ワークカセットと呼ぶ)に複写し,作業用素材(以下ワークオリジナルと呼ぶ)とする。次に仮編集機を用い,このワークカセットを使用して仮編集作業を行いワークオリジナルを適当なカットに分けていく。そして編集対象のカットの媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載していく。そしてこのEDLリストに基づき,今度は本編集機を用い,オリジナルテープを使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる。」(段落【0010】)との記載があること,「従来の一般的な編集手順」のうちの「仮編集作業」について,「ワークカセットを繰り返し再生,巻き戻ししながら適当な編集位置を決めて,そのカットの位置情報等をEDLリストに記録」し,「この際のカットの位置情報には,媒体に映像信号と共に記録されている媒体の位置情報が用いられる」が,「この記録作業は目視による位置情報の確認と手作業による記録で,本編集時はこのEDLリストの読み取り,キー入力という一連の非効率な作業となって」おり,さらには,「仮編集作業ではこのように作成された編集意思情報に従い,ワークオリジナルを使って実際に編集し,ワークマスターとしてその結果,出来映えを確認する」が,「思い通りの編集結果が得られるまで繰り返しこれら編集作業を繰り返すことが必要であり,作業の長時間化という問題も有していた。」(段落【0012】)との記載があることからすると,段落【0013】の「仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し」との記載は,従来,「目視による位置情報の確認と手作業による記録」で行っていたEDLリストの作成(仮編集作業)を「コンピュータ」を用いて効率的に行うことを意味するものと理解することができる。 (イ) しかるところ,前記イ(ウ)のとおり,オフライン式でオンライン編集のための編集決定リストを作成する仮編集機としてソフトウェアでプログラムされたパーソナルコンピュータを用いる構成は,本件出願の優先日当時,周知の技術事項であったことに鑑みると,甲1に接した当業者であれば,甲1記載の「仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し」との記載は,オフライン式で編集決定リスト(EDLリスト)を作成する仮編集機としてソフトウェアでプログラムされたパーソナルコンピュータを用いることを開示したものと理解するものと認められる。 そして,オフライン式で編集決定リストを作成する仮編集機としてソフトウェアでプログラムされたパーソナルコンピュータを用いる構成は,本件発明1の「前記第1の記録媒体の番組素材を受け取り,オペレータがオフライン方式で,前記第1のフォーマットの番組素材から必要な情報を取り出して編集して,編集決定リストを作成」するように「プログラムされたパーソナルコンピューター」に該当するものと認められる。 そうすると,甲1には,本件発明1の「前記第1の記録媒体の番組素材を受け取り,オペレータがオフライン方式で,前記第1のフォーマットの番組素材から必要な情報を取り出して編集して,編集決定リストを作成」するように「プログラムされたパーソナルコンピューター」の構成の開示があり,甲1発明は,上記構成を備えるものと認められるから,本件発明1は甲1に記載された発明であるといえる。 したがって,甲1発明の仮編集機は「コンピュータと組み合わせ」るものであって,「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」とはいえない点で相違し,甲1には,上記相違点に係る構成の開示がないから,本件発明1は甲1に記載された発明ではないとした本件審決の判断は,誤りである。 (ウ)参加人は,これに対し,そもそも甲1には,仮編集機が「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」であることすら記載がないから,たとえ甲17及び18に仮編集機が「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」である構成が記載されているとしても,甲1に記載されている事項から上記構成を導き出すことはできないから,甲1に上記構成が開示されているということはできない旨主張する。 しかしながら,前記(イ)のとおり,本件出願の優先日当時,オフライン式でオンライン編集のための編集決定リストを作成する仮編集機としてソフトウェアでプログラムされたパーソナルコンピュータを用いる構成は,周知の技術事項であったことに鑑みると,甲1記載の「仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し」との記載は,本件発明1の「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューター」である構成を開示するものといえるから,参加人の上記主張は採用することができない。」(127頁9行~131頁7行) 以上の判決の判断を踏まえるに、甲第1発明は、本件発明1の「プログラムが入れてあるパーソナルコンピューターを備え、これは前記第1の記録媒体の番組素材を受け取り、オペレータがオフライン方式で、前記第1のフォーマットの番組素材から必要な情報を取り出して編集して、編集決定リストを作成できるように構成され」ている点で本件発明1と相違がない。 a1-2-4)「前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成したことを特徴とするデジタル映像制作システム」 甲第1発明は「このEDLリストに基づき、今度は本編集機を用い、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)を使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる編集システム」であり、「上記EDLリストに基づき、本編集作業を行う具体的な手順としては、編集システムの電子化に伴い、EDLリストの情報を電子化し、仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図り、有効に本編集作業に反映させるようになったり、仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し、ワークマスターの作成まで行う編集システム」である。 すなわち、甲第1発明は、「EDLリストの情報を電子化し、仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図」る構成を有しているといえるから、EDLリストを本編集機にフロッピーディスク等を用いて移しているといえる。 そして、甲第1発明の本編集機は、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)を使用して本編集作業を行う構成であり、甲第1発明の主記録手段に記録される映像情報は、本件発明1の第2のフォーマットの情報に、甲第1発明のEDLリストは、本件発明1の編集決定リストに、それぞれ、対応することは先に検討したとおりであるから、甲第1発明は、第2の記録媒体の映像情報と編集決定リストを使用してオンラインビデオ編集を行う構成であるといえる。 上記作業はオペレータの操作に基づき行うことは明白であるから、オペレータが編集決定リストを使って編集を行っているといえ、上記本編集により得られる映像は、マスターテープに仕上げられるのであるから、最終映像制作を行っているといえる。 以上まとめると、甲第1発明は、「前記編集決定リストをオンラインビデオ編集設備に移す手段を備え、これは前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、前記オンラインビデオ編集設備のオペレータが前記編集決定リストを使って、前記第2のフォーマットの番組ソース素材より最終映像制作を行うことを可能に構成したことを特徴とするデジタル映像制作システム」といえる点で本件発明1と相違がない。 a1-2-5)まとめ(対比) 以上検討したとおり、甲第1発明と本件発明1とは、相違しない。 a1-3)小括(本件発明1と甲第1発明) 以上の検討によれば、本件発明1は甲第1号証に記載された発明であるということができ、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する発明であって、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 a3)本件発明3と甲第1号証に記載された発明について 本件発明3は「前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。」であるから、本件発明1の構成に加えてさらに、「前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成している」構成を有する編集システムであるといえる。 本件発明1と共通する構成については、上記a1)で検討したとおりである。 さらに「前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成していること」について、以下検討する。 甲第1発明では、「カメラ一体型記録装置」の構成を有している。上記カメラ一体型記録装置をカムコーダーと称することは技術常識であるから、「前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成していること」は、甲第1号証に記載されているに等しい事項であるといえる。 したがって、本件発明3と甲第1発明とは、相違しない。 以上の検討によれば、本件発明3は甲第1号証に記載された発明であるということができ、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する発明であって、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 a4)本件発明4と甲第1号証に記載された発明について 本件発明4は「前記第1の記録媒体は磁気ハードディスクであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。」であるから、本件発明1の構成に加えてさらに、「前記第1の記録媒体は磁気ハードディスクである」構成を有する編集システムであるといえる。 本件発明1と共通する構成については、上記a1)で検討したとおりである。 さらに「前記第1の記録媒体は磁気ハードディスクであること」について、以下検討する。 本件発明1の第1の記録媒体に相当する甲第1発明の構成は副記録手段に装填される記録媒体であることは先に検討したとおりであり、上記副記録手段に装填される記録媒体は「磁気ディスク」、「光磁気ディスク」であるとされ、上記「磁気ディスク」が磁気ハードディスクであることは当業者であれば普通に想定し得たことである。 したがって、上記さらに付加された構成は、甲第1発明の構成と相違がない。 したがって、本件発明4と甲第1発明とは、相違しない。 以上の検討によれば、本件発明4は甲第1号証に記載された発明であるということができ、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する発明であって、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 a6)本件発明6と甲第1号証に記載された発明について 本件発明6は「前記第1の記録媒体は光磁気ディスクであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。」であるから、本件発明1の構成に加えてさらに、「前記第1の記録媒体は光磁気ディスクである」構成を有する編集システムであるといえる。 本件発明1と共通する構成については、上記a1)で検討したとおりである。 さらに「前記第1の記録媒体は光磁気ディスクであること」について、以下検討する。 本件発明1の第1の記録媒体に相当する甲第1発明の構成は、副記録手段に装填される記録媒体であることは先に検討したとおりであり、上記副記録手段に装填される記録媒体は「磁気ディスク」、「光磁気ディスク」であるとされるから、上記さらに付加された構成は、甲第1発明の構成と相違がない。 したがって、本件発明6と甲第1発明とは、相違しない。 以上の検討によれば、本件発明6は甲第1号証に記載された発明であるということができ、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する発明であって、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (1-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(1)b)について判断するまでもなく、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(1)a)によって、本件特許の請求項1、3、4、6に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (2)本件発明2の無効理由についての判断 (2-1)請求人は、本件発明2について、上記[第3]1.1-1(2)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 a2)本件発明2と甲第1号証に記載された発明について 本件発明2は「前記第2のフォーマットの情報は圧縮がされていないことを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。」であるから、本件発明1の構成に加えてさらに、「前記第2のフォーマットの情報は圧縮がされていない」構成を有する編集システムであるといえる。 本件発明1と共通する構成については、上記a1)で検討したとおりである。 さらに「前記第2のフォーマットの情報は圧縮がされていない」については、甲第1発明でも、主記録手段12に記録される映像信号について圧縮することは行っていないから、「前記第2のフォーマットの情報は圧縮がされていない」構成を有している点で本件発明1と相違がないといえる。 したがって、本件発明2と甲第1発明とは、相違しない。 以上の検討によれば、本件発明2は甲第1号証に記載された発明であるということができ、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する発明であって、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (2-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(2)b)について判断するまでもなく、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(2)a)によって、本件特許の請求項2に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (3)本件発明5の無効理由についての判断 (3-1)請求人は、本件発明5について、上記[第3]1.1-1(3)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 a5)本件発明5と甲第1号証に記載された発明について 本件発明5は「前記第1の記録媒体は光ディスクであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。」であるから、本件発明1の構成に加えてさらに、「前記第1の記録媒体は光ディスクである」構成を有する編集システムであるといえる。 本件発明1と共通する構成については、上記(1)a1)で検討したとおりである。 さらに「前記第1の記録媒体は光ディスクであること」について、以下検討する。 本件発明1の第1の記録媒体に相当する甲第1発明の構成は副記録手段に装填される記録媒体であることは先に検討したとおりである。 上記副記録手段は、甲第1発明を認定した第4実施例にて「副記録手段に装填された例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等の記憶媒体は例えばワークオリジナルの媒体であり」との記載があるから、「光磁気ディスク」、「磁気ディスク」については記載があるといえる。 しかし、上記「光磁気ディスク」、「磁気ディスク」は「例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等」と、例示されている一つの例であって、上記実施例に記載された技術思想は、「光磁気ディスク」、「磁気ディスク」のみにとどまらず、これら例示された記録媒体と同等の要件を満たす記録媒体についても開示されているというべきである。 そして、甲第1号証の段落0011には「この問題を解決するためにワークカセットとして、光磁気ディスク、ハードディスク、あるいは半導体記憶媒体等のランダムアクセス可能な媒体を用いる仮編集システムが考案されている(特願平03-247559号)。しかしながら光磁気ディスク、ハードディスク等は映像を記録する一般的な媒体であるカセットテープに比べ記録容量が小さく記録時間が短くなるという問題を有していた。」との記載があることからみて、「光磁気ディスク」、「ハードディスク(磁気ディスクといえることは明らかである。)」は、「ランダムアクセス可能(な媒体)」、「カセットテープに比べ記録容量が小さい(媒体)」の要件を有する記録媒体であって、当該要件を有する記録媒体として例示されていると認めることができるところ、「光ディスク」は本件出願前当業者において、「ランダムアクセス可能」、「カセットテープに比べ記録容量が小さい」という要件を有する記録媒体であることは普通に知られていたことあり、上記甲第1号証の【0011】の記載、および実施例4の「例えば光磁気ディスクあるいは磁気ディスク等」の記載をみれば、光ディスクも当然上記例示された記録媒体と同等の媒体として想定できることは明らかであるから、副記録手段に装填される記録媒体として、「光ディスク」は記載されていたに等しい事項であるといえる。 したがって、上記さらに付加された構成は、甲第1発明の構成と相違がない。 したがって、本件発明5と甲第1発明とは、相違しない。 以上の検討によれば、本件発明5は甲第1号証に記載された発明であるということができ、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する発明であって、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (3-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(3)b)、c)について判断するまでもなく、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(3)a)によって、本件特許の請求項5に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (4)本件発明7の無効理由についての判断 (4-1)請求人は、本件発明7について、上記[第3]1.1-1(4)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 a7)本件発明7と甲第1号証に記載された発明について 本件発明7は「前記第1の記録媒体はテープドライブであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。」であるから、本件発明1の構成に加えてさらに、「前記第1の記録媒体はテープドライブである」構成を有する編集システムであるといえる。 本件発明1と共通する構成については、上記(1)a1)で検討したとおりである。 さらに「前記第1の記録媒体はテープドライブであること」について、以下検討する。 本件発明1の第1の記録媒体に相当する甲第1発明の構成は副記録手段に装填される記録媒体であることは先に検討したとおりである。 さらに、甲第1発明において、副記録手段に装填される記録媒体として想定しているのは、上記a5)で検討したように、甲第1発明の「この副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)」における「磁気ディスク」、「光磁気ディスク」は例示であって、「光磁気ディスク」、「ハードディスク(磁気ディスクといえることは明らかである。)」は、「ランダムアクセス可能(な媒体)」、「カセットテープに比べ記録容量が小さい(媒体)」の要件を有する記録媒体であって、当該要件を有する記録媒体として例示されていると認めることができるといえるところ、テープドライブはランダムアクセス可能な記録媒体といえないことは、本件特許出願前当業者には技術常識であるから、甲第1発明では、「テープドライブ」を想定しているということはできず、したがって、本件発明7にてさらに付加された構成は、甲第1号証に記載されている事項であるということはできない。 したがって、上記さらに付加された構成は、甲第1発明の構成と相違する。 そうすると、本件発明7と甲第1発明とは、以下の相違点を有する。 (相違点) 前記第1の記録媒体はテープドライブである構成は、甲第1号証に記載されている事項であるということはできない点。 上記相違点について検討する。 甲第1号証の段落0010には、以下の記載がある。 「以下、従来の一般的な編集手順を説明する。上述したカメラ一体型記録装置で撮像した映像はオリジナルとして原物磁気テープ(以下オリジナルテープと呼ぶ)に記録される。この映像を仮編集用の作業用磁気テープ(以下ワークカセットと呼ぶ)に複写し、作業用素材(以下ワークオリジナルと呼ぶ)とする。次に仮編集機を用い、このワークカセットを使用して仮編集作業を行いワークオリジナルを適当なカットに分けていく。そして編集対象のカットの媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載していく。そしてこのEDLリストに基づき、今度は本編集機を用い、オリジナルテープを使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げるという手順で編集作業が行われる。」 すなわち、ワークカセットとして、ランダムアクセス可能でない記録媒体(作業用磁気テープ)を従来では採用していたことが開示されており、甲第1発明において、ランダムアクセス可能な記録媒体ではなく、記憶容量が大きいテープを採用することが可能であることは、上記記載から当業者であれば容易に想定し得たことであるといえる。 以上の検討によれば、本件発明7は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (4-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(4)b)について判断するまでもなく、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(4)a)によって、本件特許の請求項7に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (5)本件発明8の無効理由についての判断 (5-1)請求人は、本件発明8について、上記[第3]1.1-1(5)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 a8)本件発明8と甲第1号証に記載された発明について 本件発明8は「デジタルの音声・映像番組データはインターリーブ(重ね合わせ)されていることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像制作システム。」であるから、本件発明1の構成に加えてさらに、「デジタルの音声・映像番組データはインターリーブ(重ね合わせ)されている」構成を有する編集システムであるといえる。 本件発明1と共通する構成については、上記(1)a1)で検討したとおりである。 さらに「デジタルの音声・映像番組データはインターリーブ(重ね合わせ)されていること」について、以下検討する。 本件発明8のインターリーブは、発明の詳細な説明の記載を参酌すると「内部映像記録設備の二つの部分に具体化された二つの信号記録媒体は別々の形で音声・映像信号を記録するか、代わってマイクロソフト社の音声・映像インターリーブ(AVI)システム、ヒュウレットパッカード社によるM Power技術あるいは、その他のシステムのようなインターリーブ音声・映像データの為の幾つかの良く知られたシステムのどれかによって実現される。」(11欄4行~11行)とあるように、「内部映像記録設備の二つの部分に具体化された二つの信号記録媒体は別々の形で音声・映像信号を記録する」ものとは異なるもの、すなわち、音声信号と映像信号とが一つの形で記録されるものといえる。 一方、甲第1発明では音声信号と映像信号と記録することは特定されているといえるものの、これらの信号をどのように記録するか特定されていない。 したがって、甲第1発明では、デジタルの音声・映像番組データはインターリーブ(重ね合わせ)されている構成を有していない点で本件発明8と相違するから、以下の相違点を有する。 (相違点) 甲第1発明では、デジタルの音声・映像番組データはインターリーブ(重ね合わせ)されている構成を有していない点。 上記相違点について検討する。 音声信号と映像信号とを記録する時、これらを異なるトラックで別々に記録するか、一つのトラックにインターリーブするように記録するかは、いずれも本件特許出願前周知の技術事項であり、いずれを採用するかは当業者が適宜なし得た設計的事項であるといえ、甲第1発明に相違点の構成を採用することは当業者が容易になし得たことである。 以上の検討によれば、本件発明8は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (5-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(5)b)について判断するまでもなく、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(5)a)によって、本件特許の請求項8に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (6)本件発明13の無効理由についての判断 (6-1)請求人は、本件発明13について、上記[第3]1.1-1(6)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 本件発明13は「前記第2の圧縮比はゼロであることを特徴とする請求項12に記載のデジタル映像制作システム。」である。 本件発明12は「映像番組を、第1の圧縮比で第1の記録媒体に、そして第2の圧縮比で第2の記録媒体に二重に記録する手段とを備えており」とあるから、第2の記録媒体に記録する映像番組は、圧縮されていると捉えるべきである。 これに対して、本件発明13では「前記第2の圧縮比はゼロである」と特定することにより、第2の記録媒体に記録する映像番組は、ゼロである圧縮比、すなわち、圧縮されないことを特定事項とすることになるから、本件発明12で特定した「第2の記録媒体に記録する映像番組は、圧縮されている」構成に代えて、「第2の記録媒体に記録する映像番組は、圧縮されない」構成とし、それ以外は、本件発明12と同じ構成を有する発明が、本件発明13であるといえる。 すなわち、本件発明13は、本件発明12で特定した「第2の記録媒体に記録する映像番組は、圧縮されている」構成を有さず、代わりに、「第2の記録媒体に記録する映像番組は、圧縮比ゼロ(すなわち圧縮されない)」構成を有しているといえる。 したがって、本件発明13は、以下のとおりである。 最終番組を制作する目的で、オンライン映像編集設備に番組素材とこれに付随した編集決定リストを伝達するのに適用されるデジタル映像制作システムにおいて、 デジタル映像記録装置であって、この装置は、 映像番組を受け入れる入力部と、 一つ以上の圧縮比により番組をデジタル圧縮する手段と、 第1の記録媒体へのインターフェースと、 第2の記録媒体へのインターフェースと、 映像番組を、第1の圧縮比で第1の記録媒体に、そしてゼロである第2の圧縮比で第2の記録媒体に二重に記録する手段とを備えており、前記第1の圧縮比は前記第2の圧縮比より大きくなっており、そして オフラインデジタル映像編集システムは、 前記第1の記録媒体の番組素材を受け取るインターフェースと、 使用者が番組に関する編集決定を行うことができるように、前記映像番組の一部を再検討するためのディスプレイと、 編集決定リストを記録する第3の記録媒体へのインターフェースとを備え、 そこで前記第3の記録媒体の情報を受け取りしだい、オンライン映像編集設備が前記編集決定リストにより前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、番組の最終の編集版を制作することに使用されることを特徴とするデジタル制作システム。 b13)本件発明13と甲第6発明について b13-1)甲第6発明 上記参照する甲第6号証の記載からみて、先願明細書には、次の発明が記載されているといえる。 b13-1-1)仮編集手段、本編集手段を有するビデオ編集方法およびその装置 先願明細書の第4実施例(段落0121-0129)の記載をみると、ビデオ編集方法およびその装置に関する発明が記載されているといえ、その構成は、「ビデオ信号原120、ディジタイズ手段121、高質処理手段122、第1高質録画手段123、低質処理手段124、低質録画手段125、仮編集手段126、編集ポイント保存手段127、高質再生手段128、本編集手段129、本編集データ記録手段130、仕上がり映像再生手段131、第2高質録画手段132を備えている。」(段落0123) 構成であるといえる。 先願明細書のビデオ編集装置(方法)は、本編集手段および他の処理手段を有し、また、デジタイズ手段によりデータをデジタル化して編集しているから、本編集手段と他の手段を利用してデジタルビデオ編集をおこなう装置(方法)といえる。 したがって、先願明細書に記載された発明は、本編集手段と共に使用するように適合したデジタル編集装置(方法)に関する発明であるといえる。 b13-1-2)ビデオ信号の記録 先願明細書の段落0125-0127には、 「ビデオ信号原120は、ビデオ信号をディジタイズ手段121に送信する。ビデオ信号原120は、カメラやVTRなどであり、ビデオ信号は、高質録画の内容である。ディジタイズ手段121は、ビデオ信号をA/D変換して動画データに変えて、高質処理手段122、低質処理手段124にそれぞれ送信する。 高質処理手段122は、画質を落とさないように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して高画質の動画データに変え、第1高質録画手段123に送信する。第1高質録画手段123は、高画質の動画データを第3記録媒体、例えばテープに記録する。 低質処理手段124は、データ量を少なくするように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して低画質の動画データに変え、低質録画手段125に送信する。低質録画手段125は、低画質の動画データを第2記録媒体、例えばハードディスクに記録する。」 とあるから、「カメラやVTRなどから得られた高質録画の内容であるビデオ信号は、A/D変換して動画データに変えて、高質処理手段122、低質処理手段124にそれぞれ送信し、高質処理手段122は、画質を落とさないように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して高画質の動画データに変え、高画質の動画データを第3記録媒体、例えばテープに記録し、低質処理手段124は、データ量を少なくするように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して低画質の動画データに変え、低画質の動画データを第2記録媒体、例えばハードディスクに記録する」構成を有しているといえる。 b13-1-3)仮編集手段 先願明細書の段落0127には「仮編集手段126は、第2記録媒体の記録内容を編集して、編集ポイントを編集ポイント保存手段127に送信する。」とあるから、先願明細書に記載された編集装置(方法)は、第2記録媒体の記録内容(第2記録媒体の情報)を受け取り、編集して編集ポイントを保存する仮編集手段を有しているといえる。 b13-1-4)本編集手段 先願明細書の段落0127には「編集ポイント保存手段127は、編集ポイントを保存して、それに基づいて接合点等の位置情報を高質再生装置128および本編集手段129にそれぞれ送信する。高質再生装置128は、位置情報にしたがって第3記録媒体を再生し、採用分の動画データを本編集手段129に送信する。本編集手段129は、位置情報にしたがって採用分の動画データを接合、特殊効果、重ね合わせ処理して本編集データを作り本編集データ記録手段130あるいは仕上がり映像再生手段131にそれぞれ送信する。本編集データ記録手段130は、本編集データを第4記録媒体、例えばD-1VTRのテープに記録する。」の記載があるから、先願明細書に記載された編集装置(方法)は、仮編集手段により編集された編集ポイントに基づく位置情報を編集ポイント保存手段から受け取り、上記位置情報と第3記録媒体のデータ(高画質の動画データ)とに基づき採用分の動画データを接合、特殊効果、重ね合わせ処理して本編集データを作り本編集データ記録手段130あるいは仕上がり映像再生手段131にそれぞれ送信する本編集手段を有するデジタル編集装置であるといえる。 b13-1-5)まとめ 以上b13-1-1)ないしb13-1-4)の記載によれば、先願明細書には以下の発明(以下、甲第6発明という。)が記載されているといえる。 本編集手段と共に使用するように適合したデジタル編集装置であって、 カメラやVTRなどから得られた高質録画の内容であるビデオ信号は、A/D変換して動画データに変えて、高質処理手段122、低質処理手段124にそれぞれ送信し、高質処理手段122は、画質を落とさないように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して高画質の動画データに変え、高画質の動画データを第3記録媒体、例えばテープに記録し、低質処理手段124は、データ量を少なくするように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して低画質の動画データに変え、低画質の動画データを第2記録媒体、例えばハードディスクに記録し、 第2記録媒体の記録内容(第2記録媒体の情報)を受け取り、編集して編集ポイントを保存する仮編集手段を有し、 仮編集手段により編集された編集ポイントに基づく位置情報を編集ポイント保存手段から受け取り、上記位置情報と第3記録媒体のデータ(高画質の動画データ)とに基づき採用分の動画データを接合、特殊効果、重ね合わせ処理して本編集データを作り本編集データ記録手段130あるいは仕上がり映像再生手段131にそれぞれ送信する本編集手段を有するデジタル編集装置。 b13-2)対比 本件発明13と上記甲第6発明とを対比する。 b13-2-1)「最終番組を制作する目的で、オンライン映像編集設備に番組素材とこれに付随した編集決定リストを伝達するのに適用されるデジタル映像制作システムにおいて」 上記甲第6発明は、先願明細書に記載された従来技術(段落0002、0003)において、 「【従来の技術】従来、テープのようなシーケンシャルアクセスである記録媒体からランダムアクセス可能な記録媒体に変更して、テープの頭出し、巻き戻し時間を短縮するビデオ選集装置が存在している。 しかしながら、この装置は画質を維持した状態で記録時間を長くする場合に、非常に大掛かりな装置となり、日進月歩の今日でもそのコストは莫大なものとなっている。例えば、このような装置は放送などの用途でかなり良い画質が求められている場合に、画質を維持して大量の記録をするため、コストがかかり過ぎになる、あるいは装置が大掛かりになり過ぎる。このような欠点があるので、この装置は実用的ではない。」 とあるように、編集した映像を放送等に用いることも前提されているところ、放送される映像は番組とも呼ばれることは普通に知られているから、甲第6発明は、映像を番組として提供する、すなわち、最終映像番組を制作することを目的としているといえる。 よって、甲第6発明は「最終映像番組を制作する目的であ」る点で、本件発明13と相違がない。 甲第6発明の「本編集手段」、「編集ポイントに基づく位置情報」が本件発明13の「オンライン編集設備」、「編集決定リスト」に対応し、また、甲第6発明において編集するのは番組素材であることは、先に検討したとおりである。 もっとも、本件発明13の本編集を行う手段は「オンライン映像編集設備」であるから、オンライン編集を行う一つのまとまった装置といえるところ、甲第6発明の本編集を行う手段は、当該手段が一つのまとまった装置であるか明らかでない点で相違する。 甲第6発明は「本編集手段と共に使用するように適合したデジタル編集装置であって」、以下で検討するように、編集ポイントに基づく位置情報を仮編集手段から本編集手段に移動させているから、編集決定リストを伝達するのに適用されるデジタル映像制作システムといえる。 以上のことから、甲第6発明は「最終番組を制作する目的で、オンライン映像編集手段に番組素材とこれに付随した編集決定リストを伝達するのに適用されるデジタル映像制作システム」に関する発明であるといえこの点で、本件発明13と相違がない。 もっとも、本件発明13の本編集を行う手段は「オンライン映像編集設備」であるから、オンライン編集を行う一つのまとまった装置といえるところ、甲第6発明の本編集を行う手段は、当該手段が一つのまとまった装置であるか明らかでない点で相違する。 b13-2-2)「デジタル映像記録装置であって、この装置は、 映像番組を受け入れる入力部と、 一つ以上の圧縮比により番組をデジタル圧縮する手段と、 第1の記録媒体へのインターフェースと、 第2の記録媒体へのインターフェースと、 映像番組を、第1の圧縮比で第1の記録媒体に、そしてゼロである第2の圧縮比で第2の記録媒体に二重に記録する手段とを備えており、前記第1の圧縮比は前記第2の圧縮比より大きくなっており」 甲第6発明は「カメラやVTRなどから得られた高質録画の内容であるビデオ信号は、A/D変換して動画データに変えて、高質処理手段122、低質処理手段124にそれぞれ送信し、高質処理手段122は、画質を落とさないように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して高画質の動画データに変え、高画質の動画データを第3記録媒体、例えばテープに記録し、低質処理手段124は、データ量を少なくするように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して低画質の動画データに変え、低画質の動画データを第2記録媒体、例えばハードディスクに記録し」ている。 上記記録に際して、甲第6発明では、VTRなどから得られたビデオ信号は、A/D変換して動画データに変えて記録するから、VTRなどから映像を受け入れる入力部を有するデジタル映像記録手段といえ、上記映像は、番組も想定していることは、先に検討したとおりである。 また、動画データを「第3記録媒体」、「第2記録媒体」にそれぞれ圧縮して記録するのあるから、一つ以上の圧縮比により番組をデジタル圧縮する手段、第2記録媒体、第3記録媒体へのインターフェースを有しているといえる。 さらに、甲第6発明は、「高質処理手段122は、画質を落とさないように動画データを圧縮、・・して高画質の動画データに変え、高画質の動画データを第3記録媒体・・に記録」し、「低質処理手段124は、データ量を少なくするように動画データを圧縮・・・して低画質の動画データに変え、低画質の動画データを第2記録媒体・・に記録し」ているから、第2記録媒体、第3記録媒体ともに記録される動画データは圧縮され、第2記録媒体に記録される動画データの圧縮比の方が、第3記録媒体に記録される動画データの圧縮比よりも大きいことは明らかであるといえ、甲第6発明の「第2記録媒体」、「第3記録媒体」が、それぞれ、本件発明13の「第1の記録媒体」、「第2の記録媒体」といえる。 以上まとめると、甲第6発明は、 「デジタル映像記録手段であって、この手段は、 映像番組を受け入れる入力部と、 一つ以上の圧縮比により番組をデジタル圧縮する手段と、 第1の記録媒体へのインターフェースと、 第2の記録媒体へのインターフェースと、 映像番組を、第1の圧縮比で第1の記録媒体に、そして第2の圧縮比で第2の記録媒体に二重に記録する手段とを備えており、前記第1の圧縮比は前記第2の圧縮比より大きくなっており」 の構成を有しているといえる。 もっとも、本件発明13のデジタル映像記録手段は「デジタル映像記録装置」であるから、デジタル映像記録装置としてひとまとまりの装置であるといえるところ、甲第6発明は、デジタル映像を記録するための上記列記した手段を有するものの、当該各手段が、ひとまとまりのデジタル映像記録装置であるか明らかでない点で相違する。 また、本件発明13では「ゼロである第2の圧縮比で第2の記録媒体に・・・記録」である、すなわち、圧縮されないのに対し、甲第6発明では第3記録媒体に記録される動画データは圧縮される点で相違する。 b13-2-3)「オフラインデジタル映像編集システムは、 前記第1の記録媒体の番組素材を受け取るインターフェースと、 使用者が番組に関する編集決定を行うことができるように、前記映像番組の一部を再検討するためのディスプレイと、 編集決定リストを記録する第3の記録媒体へのインターフェースとを備え」 甲第6発明は「第2記録媒体の記録内容(第2記録媒体の情報)を受け取り、編集して編集ポイントを保存する仮編集手段」を有している。 甲第6発明の「仮編集」、「編集ポイント」は、本件発明13の「オフライン映像編集」、「編集決定リスト」といえる。 甲第6発明は、第2記録媒体の記録内容(第2記録媒体の情報)を受け取り編集するから、前記第1の記録媒体の番組素材を受け取るインターフェースを有しているといえる。 甲第6発明はディスプレイについて特定していないが、画像を編集する際には、上記編集の状態を確認するため、当該画像を表示するためのディスプレイが必要であることは技術常識であり、甲第6発明に格別特定されていなくても、上記ディスプレイを有することは、記載されているに等しい事項である。 また、甲第6発明は、編集ポイントを保存し、上記保存した編集ポイントは、以下で検討するように、本編集手段が編集ポイント保存手段から受け取り、本編集手段での編集に利用できるようにしているから、甲第6発明は上記保存手段(記録媒体)へのインターフェースを備えているといえる。 以上のことから、甲第6発明は、 「オフラインデジタル映像編集手段は、 前記第1の記録媒体の番組素材を受け取るインターフェースと、 使用者が番組に関する編集決定を行うことができるように、前記映像番組の一部を再検討するためのディスプレイと、 編集決定リストを記録する第3の記録媒体へのインターフェースとを備え」 の構成を有しているといえる。 もっとも、本件発明13のオフラインデジタル映像編集手段は、オフラインデジタル映像編集装置であるから、上記列記した各構成をひとまとめとした装置であるといえるが、甲第6発明では、オフラインデジタル映像編集手段が、上記各構成をひとまとめとした装置であるか明らかでない点で相違する。 b13-2-4)「そこで前記第3の記録媒体の情報を受け取りしだい、オンライン映像編集設備が前記編集決定リストにより前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、番組の最終の編集版を制作することに使用されることを特徴とするデジタル制作システム」 甲第6発明は「仮編集手段により編集された編集ポイントに基づく位置情報を編集ポイント保存手段から受け取り、上記位置情報と第3記録媒体のデータ(高画質の動画データ)とに基づき採用分の動画データを接合、特殊効果、重ね合わせ処理して本編集データを作り本編集データ記録手段130あるいは仕上がり映像再生手段131にそれぞれ送信する本編集手段を有するデジタル編集装置」である。 甲第6発明の本編集は、本件発明13のオンライン映像編集といえ、上記本編集手段は、編集ポイント保存手段から編集ポイントに基づく位置情報を受け取り、第3記録媒体のデータを編集して本編集データを作成するから、「前記第3の記録媒体の情報を受け取りしだい、オンライン映像編集手段が前記編集決定リストにより前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、番組の最終の編集版を制作」しているといえ、甲第6発明のデジタル編集手段は、上記制作に利用されているといえる。 以上のことから、甲第6発明は、「そこで前記第3の記録媒体の情報を受け取りしだい、オンライン映像編集手段が前記編集決定リストにより前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、番組の最終の編集版を制作することに使用されることを特徴とするデジタル制作システム」であるといえる。 もっとも、本件発明13のオンライン映像編集手段は、オンライン映像編集設備であって、上記設備がひとまとまりの構成であるといえるが、甲第6発明のオンライン映像編集手段は、当該手段が、ひとまとまりの構成であるか明らかでない点で相違する。 b13-2-5)まとめ(対比) 以上まとめると、以下の一致点で一致し相違点で相違する。 (一致点) 最終番組を制作する目的で、オンライン映像編集手段に番組素材とこれに付随した編集決定リストを伝達するのに適用されるデジタル映像制作システムにおいて、 デジタル映像記録手段であって、この手段は、 映像番組を受け入れる入力部と、 一つ以上の圧縮比により番組をデジタル圧縮する手段と、 第1の記録媒体へのインターフェースと、 第2の記録媒体へのインターフェースと、 映像番組を、第1の圧縮比で第1の記録媒体に、そして第2の圧縮比で第2の記録媒体に二重に記録する手段とを備えており、前記第1の圧縮比は前記第2の圧縮比より大きくなっており、そして オフラインデジタル映像編集手段は、 前記第1の記録媒体の番組素材を受け取るインターフェースと、 使用者が番組に関する編集決定を行うことができるように、前記映像番組の一部を再検討するためのディスプレイと、 編集決定リストを記録する第3の記録媒体へのインターフェースとを備え、 そこで前記第3の記録媒体の情報を受け取りしだい、オンライン映像編集手段が前記編集定リストにより前記第2の記録媒体の番組素材をアクセスして、番組の最終の編集版を制作することに使用されることを特徴とするデジタル制作システム。 (相違点1) 本件発明13は「オンライン映像編集手段」、「デジタル映像記録手段」、「オフラインデジタル映像編集手段」は、それぞれ、「オンライン映像編集設備」、「デジタル映像記録装置」、「オフラインデジタル映像編集システム」であって、それらは、それぞれひとまとまりの構成であると理解できるところ、甲第6発明は、上記各手段は手段でしか無く、それらがそれぞれひとまとまりの構成であるか明らかでない点。 (相違点2) 本件発明13では「ゼロである第2の圧縮比で第2の記録媒体に・・・記録」であるのに対し、甲第6発明では第3記録媒体に記録される動画データは圧縮される点。 b13-3)判断 b13-3-1)相違点1について 甲第6発明を認定した実施例4には以下の記載がある。 「この方式の装置は、ビデオ信号原120、ディジタイズ手段121、高質処理手段122、第1高質録画手段123、低質処理手段124、低質録画手段125、仮編集手段126、編集ポイント保存手段127、高質再生手段128、本編集手段129、本編集データ記録手段130、仕上がり映像再生手段131、第2高質録画手段132を備えている。これらの手段は、それぞれ別体として設けられたものでなくてもよい。例えば、1つのものを複数の手段に使い分けるようにしてものでもよい。」 この記載は、甲第6発明の構成は、甲第6発明を構成する各構成要素がそれぞれ別体として記載されているが、各構成要素を別体として設ける必要はなく、上記各構成要素の1つを複数の手段として使い分けるようにしてもよいと述べていると捉えることができ、このことは、結局、いくつかの構成要素をまとめて一つのハードウェアとし、上記一つのハードウェアが、上記各構成要素の複数の手段として機能するようにしてもよいと述べているものと捉えることができる。 甲第6発明においては、上記各構成要素を一つのハードウェアとしてまとめる組み合わせについて、格別特定されていないが、従来より、オフライン編集をした後オンライン編集をする構成を有する編集システムは、映像を撮影し記録する撮影(記録)部としてカメラのハードウェア、上記カメラで撮像した映像を記録媒体等を介して受け取りオフライン編集を行う編集機のハードウェア、上記仮編集機のハードウェアで作成した編集リストを用いてオンライン編集を行う本編集機としてのハードウェアからなることが普通であり、上記先願明細書の記載を実現するとき(すなわち、各構成要素のいくつかをまとめて一つのハードウェアとするとき)、上記普通の構成となるようにまとめることは、極めて自然なことである。 したがって、上記記載からみて、先願明細書には、従来から存在するオフライン編集機の構成が記載されているに等しいといえる。 上記従来からあるオフライン編集機について、先願明細書の段落0082には、 「その上、本発明は、従来のオフライン編集で使われている程度のCPU、すなわちパーソナルコンピュータの利用が可能である。さらに、編集ポイントを見つける作業をするためのソフトウエアとして、従来のオフライン編集で使われているものを転用することも可能である。すなわちランダムアクセス可能な記録媒体以外の部分でも著しいコストダウンが図れる。」 との記載があるから、従来のオフライン編集機は、ソフトウェアを利用する(すなわち、プログラムが入れてある)パーソナルコンピューターを想定しているといえる。 以上のことからみて、上記相違点1に係る構成は、先願明細書に記載されているに等しい事項であるといえ、上記相違点1に係る構成は、先願明細書に実質的に記載されたものであるといえる。 b13-3-2)相違点2について 相違点2について、判決では、以下のように、判断している。 なお、甲34及び甲35は、それぞれ参考文献13及び14を指す。 「(1) 本件発明13と甲6発明の同一性の判断の誤りの有無について 原告は,本件審決は,本件発明13と甲6発明とは,本件発明13は「第2の記録媒体に記録する映像番組は,圧縮されない」構成を有しない点で相違し,上記相違点の構成は,先願明細書(甲6)に開示がないとして,本件発明13は先願明細書に記載された発明ではない旨判断したが,甲6の段落【0159】には,「帯域分割,JPEG圧縮,MPEG圧縮,拡大縮小等がされた高画質のデーター列176(または画像改善用のデータでもよい)は,低い圧縮率(1/1~1/6),大きい倍率(0.8~2),広い帯域(1/2~1/6,あるいは低画質データで記録されなかった残りの部分)で記録されている。」との記載があり,高画質のデータの圧縮率が「1/1」,すなわち,「情報は圧縮がされていない」場合についても記載があり,「第2フォーマットの情報が圧縮されていない」構成,すなわち,「第2の記録媒体に記録する映像番組は,圧縮されない」構成も記載されているといえるから,本件審決の上記判断は誤りである旨主張するので,以下において判断する。 ア 前記3(2)イ(ア)のとおり,本件審決は,先願明細書(甲6)の第4実施例(段落【0121】~【0129】)の記載(前記(1)カ)に基づいて,甲6発明を認定したものである。 しかるところ,甲6には,第4実施例に関し,「この方式の装置は,ビデオ信号原120,ディジタイズ手段121,高質処理手段122,第1高質録画手段123,低質処理手段124,低質録画手段125,仮編集手段126,編集ポイント保存手段127,高質再生手段128,本編集手段129,本編集データ記録手段130,仕上がり映像再生手段131,第2高質録画手段132を備えている。」(段落【0123】),「ビデオ信号原120は,カメラやVTRなどであり,ビデオ信号は,高質録画の内容である。ディジタイズ手段121は,ビデオ信号をA/D変換して動画データに変えて,高質処理手段122,低質処理手段124にそれぞれ送信する。」(段落【0125】),「高質処理手段122は,画質を落とさないように動画データを圧縮,拡大,縮小,帯域分割して高画質の動画データに変え,第1高質録画手段123に送信する。第1高質録画手段123は,高画質の動画データを第3記録媒体,例えばテープに記録する。」(段落【0126】),「低質処理手段124は,データ量を少なくするように動画データを圧縮,拡大,縮小,帯域分割して低画質の動画データに変え,低質録画手段125に送信する。低質録画手段125は,低画質の動画データを第2記録媒体,例えばハードディスクに記録する。」(段落【0127】)との記載がある。上記記載によれば,甲6には,高質録画の内容である「ビデオ信号」は,ディジタイズ手段121によって動画データにA/D変換され,さらに,その動画データは,高質処理手段122によって,「画質を落とさないように圧縮,拡大,縮小,帯域分割」して「高画質の動画データ」に変換され,その高画質の動画データは,第1高質録画手段123によって「高画質の動画データを第3記録媒体,例えばテープ」に記録されることが開示されているといえる。 これによれば,第3記録媒体(例えばテープ)に記録された「高画質の動画データ」には第1高質録画手段123によって「拡大」されたものも含まれており,「高画質の動画データ」は「圧縮」されたものに限られるものではなく,また,「高質録画の内容」をA/D変換した「動画データ」はオリジナルの画質を維持しているから,これをそのまま「画質を落とさないように」した「高画質の動画データ」として本編集に用いることができることは自明である。 イ 一方で,甲6には,「高質録画の内容および低質録画の内容をそれぞれディジタルデータとし,両者を対応づける」第8実施例(段落【0157】)に関し,「次に,図15を参照して,ディジタルデータにディジタルデータを対応づける方法について説明する。」(段落【0158】),「帯域分割,JPEG圧縮,MPEG圧縮,拡大縮小等がされた高画質のデーター列176(または画像改善用のデータでもよい)は,低い圧縮率(1/1~1/6),大きい倍率(0.8~2),広い帯域(1/2~1/6,あるいは低画質データで記録されなかった残りの部分)で記録されている。MPEG圧縮の場合,高画質を維持できるように,キーフレームを2駒~30駒毎に記録する。」(段落【0159】),「帯域分割,JPEG圧縮,MPEG圧縮,拡大縮小等がされた低画質のデーター列177(シーン確認用)は,高画質の物より,高い圧縮率(1/2~1/100),小さい倍率(0.9~0.1倍),狭い帯域(1/2~1/100)で記録されている。MPEG圧縮の場合,編集ポイントを捜すのに困らないように,キーフレームを2駒~4駒毎に記録する。」(段落【0160】)との記載がある。上記記載によれば,甲6には,「帯域分割,JPEG圧縮,MPEG圧縮,拡大縮小等がされた高画質のデーター」が,「低い圧縮率(1/1~1/6)」で記録されることが開示されている。 しかるところ,○1甲34(特開平6-197368号公報)には,「【産業上の利用分野】本発明は,CCD(Charge Coupled Device) などの撮像デバイスを用いた電子スチルカメラなどにおける画像データに信号処理を施す画像データ処理装置およびその方法に係り,特に,画像データをディジタル処理する装置およびその方法に関するものである。」(段落【0001】),「データ圧縮/伸張回路7は,CPU9の制御に基づき,圧縮過程においてフレームメモリ4に格納された画素(768×480×3)で1.08MBのオリジナル画像データを所定の圧縮率,たとえば1/1(非圧縮),1/2,1/3,1/4…でデータ圧縮する。データ圧縮された画像データは,後述するように記録メディア8に格納される。」(段落【0028】),「たとえば,ディジタル画像データに対して所定の補間処理を行った後にデータ圧縮を行い記録メディア8に格納することも可能であるが,本例の場合,この補間処理後に圧縮を行う場合に比べて,圧縮率を小さくできる。加えて,非圧縮のオリジナル画像データをも複数格納することができる。」(段落【0031】),○2甲35(特開平4-336892号公報)には,「【産業上の利用分野】本発明は,ビデオテープに記憶された画像情報をプリントアウトするビデオプリントシステムに関する。」(段落【0001】),「HDフレーム画の非圧縮情報を基準として,これが1画面分だけ格納可能なバッファメモリを想定して,上述のmode1乃至mode16に対応したデータ量と,メモリへの格納枚数を概算した結果を図8に示す。このようにmodeによっては,数枚乃至数10枚の静止画データを同一のバッファメモリ65に格納可能であることが判る。バッファメモリ65の記憶容量を非圧縮の画像データ1枚分としてその具体例を図9乃至図12に示す。同図中「A」は,非圧縮(1/1),「B」,「C」は1/2圧縮,「D」乃至「G」は1/4圧縮の画像データを示す。」(段落【0053】)との記載がある。 上記記載によれば,本件出願の優先日当時,画像データの圧縮率に関し,「非圧縮」,すなわち,圧縮されない場合を「1/1」と表記することがあることが認められる。 加えて,前記(ア)のとおり,「高質録画の内容」をA/D変換した「動画データ」をそのまま「高画質の動画データ」として本編集に用いることができることは自明であることからすると,甲6記載の「低い圧縮率(1/1~1/6)」にいう「1/1」は,「高画質の動画データ」は,上記「動画データ」をそのまま用い,圧縮されていないことを意味するものと理解することができる。 そうすると,甲6には,第8実施例に関し,「高画質の動画データ」が圧縮されていない構成,すなわち,本件発明13の「第2の記録媒体に記録する映像番組は,圧縮されない」構成(請求項13の「前記第2の圧縮比はゼロである」構成)のものも含むことが開示されているものと認められる。 そして,甲6の第4実施例と第8実施例は,「高質録画の内容」及び「低質録画の内容」の双方をディジタルデータとし,両者を対応づけた構成のものである点で共通すること(段落【0125】~【0127】,【0157】)からすると,当業者は,第4実施例の「画質を落とさないように圧縮,拡大,縮小,帯域分割」された「高画質の動画データ」についても第8実施例の段落【0159】が適用され,第4実施例,ひいては,甲6発明についても,「高画質の動画データ」が圧縮されていない構成のものも含むものと理解するといえる。 ウ 以上によれば,甲6には,本件発明13の「第2の記録媒体に記録する映像番組は,圧縮されない」構成(請求項13の「前記第2の圧縮比はゼロである」構成)の開示があり,甲6発明は,上記構成を備えるものと認められるから,これと異なる本件審決の判断は誤りである。 そして,本件審決は,本件発明13と甲6発明について,本件発明13の上記構成に係る相違点以外には相違はない旨判断しているから(本件審決118頁21行~34行),本件審決の上記判断の誤りは,本件発明13は先願明細書に記載された発明ではないとした本件審決の結論に影響を及ぼす誤りであるといえる。 エ 参加人は,これに対し,○1圧縮率は,圧縮ツールを利用してファイルを圧縮した際の,圧縮される前のデータサイズと圧縮された後のデータサイズとの比率をいい(乙2),圧縮された後のデータサイズがなければ圧縮率を求めることはできないから,甲6の段落【0159】の「低い圧縮率(1/1~1/6)」にいう「圧縮率1/1」は,圧縮されていることを前提とするものであり,圧縮率を四捨五入するなどして「1/1」になる場合をいい,圧縮した後のデータ量が圧縮する前のデータ量に対してほぼ「1/1」になるという意味であり,圧縮していないという意味ではない,○2 甲6には,「第8実施例は…その他の構成については,前述の第1実施例と同様である」(段落【0157】)との記載があり,この記載は,第8実施例の段落【0159】の記載は第1実施例に適用することを前提とするものであり,甲6には,第8実施例の第4実施例(甲6発明)への適用について記載も示唆もないなどとして,甲6には,本件発明13の「第2の記録媒体に記録する映像番組は,圧縮されない」構成の開示はない旨主張する。 しかしながら,前記イのとおり,甲6の段落【0159】の「低い圧縮率(1/1~1/6)」にいう「圧縮率1/1」は,「高画質の動画データ」は,上記「動画データ」をそのまま用い,圧縮されていないことを意味するものと理解することができる。 また,甲6の段落【0157】には,「第8実施例は,高質録画の内容および低質録画の内容をそれぞれディジタルデータとし,両者を対応づける。その他の構成については,前述の第1実施例と同様である。」との記載があるが,上記記載は,その文理上,第8実施例の段落【0159】の記載を第4実施例,ひいては,甲6発明に適用することを妨げる根拠とならないことは明らかである。 したがって,参加人の上記主張は理由がない。」(182頁7行~187頁末行) 以上の判決の判断を踏まえるに、甲第6発明において、圧縮せずに記録することは、先願明細書の記載および、本件特許出願前周知の技術事項を参酌すれば、先願明細書に記載されているに等しい事項であるといえる。 したがって、本件発明13と先願明細書に記載された発明とは、相違しない。 以上の検討によれば、本件発明13は先願明細書に記載された発明であるということができ、特許法第29条の2の規定に該当する発明であって、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (6-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(6)a)について判断するまでもなく、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(6)b)によって、本件特許の請求項13に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (7)本件発明22、本件発明23の無効理由についての判断 (7-1)請求人は、本件発明22、本件発明23について、上記[第3]1.1-1(7)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 a22)本件発明22の明確性及びサポート要件について (なお、本件発明23の明確性及びサポート要件についても同様であるので併せて検討する。) 請求項22の記載は、 「オンライン映像編集設備及び、編集決定リストの作成を含むオフライン編集を行うパーソナルコンピューターと共に使用されるのに適用されるデジタル映像記録装置において 映像番組を代表する情報を出力するカメラと、番組情報をデジタル圧縮する手段と、 前記パーソナルコンピューターを使用したオフライン編集に合った番組情報を、ランダムにアドレス可能な形態のものとして記録するディスクと、オンライン編集に合った番組情報を、順にアドレス可能な形態のものとして記録するテープとを備え、 前記番組情報の両方のバージョンは相互に関連した編集タイムコードで二重に記録され、これによりオフライン編集で作成した前記編集決定リストを使用して、オンライン編集を行うことを可能にしたデジタル映像記録装置。」というものである。 上記記載によれば、本件発明22の「デジタル映像記録装置」が、「映像番組を代表する情報を出力するカメラ」を備えることを理解することができる。 請求項22を引用する請求項23においても同様であり、本件発明23の「デジタル映像記録装置」が、「映像番組を代表する情報を出力するカメラ」を備えることを理解することができる。 そして、判決にて、 「しかるところ,本件訂正前の請求項22には,「映像番組を代表する情報」について,その具体的構成を特に規定する記載はなく,また,本件明細書(甲33)の発明の詳細な説明においても,「映像番組を代表する情報」の具体的構成について述べた記載はない。」(189頁20~23行) と判断されているように、請求項22には、「映像番組を代表する情報」について、その具体的構成を特に規定する記載はなく、また、本件特許明細書においても、「代表」の意味するところについて発明の詳細な説明に何ら説明もなく、「映像番組を代表する情報」の具体的構成について述べた記載はない。 請求項23においても同様である。 したがって、「映像番組を代表する情報」が、発明の詳細な説明に記載されたものでなく、また、その意味が不明確なものであるから、本件発明22、本件発明23は、特許法第36条第6項第1号、同項第2号の要件を満たすものではないので、これらの発明についての特許は、同法第123条第1項第4号の規定により、無効とすべきものである。 (7-2)被請求人の主張について 被請求人は、第2答弁にて、 「訂正明細書には、「元の編集されていない素材が、オフライン編集の環境で使う代表的映像を供給する為に、高いデータ圧縮比でデジタイズされ、そこで、オペレーターはEDLを作成する。」(8頁5~7行)との記載があり、「映像番組を代表する情報」は、映像番組を圧縮した情報であって、映像番組全体を表すことができる情報であることは把握できる。また、このような情報がカメラから出力されることも、訂正明細書の「内部の映像記録機能は二つの部分で構成されている。一つめは、低いデータ圧縮比のデジタル音声・映像信号が可搬型テープ駆動機構18の(1/4インチカートリッジ、1/2インチカートリッジ、DAT、6mm、8mmのような)固定ヘッドか回転ヘッドのデジタルデータレコーダーに記録され、下記に説明するオフライン編集システムを使うことを目的としている。それと同時に高いデータ圧縮比をもつ第2のデジタル音声・映像信号は可搬型記録媒体機器20に記録される。この可搬型記録媒体はオフライン映像編集システムでの使用を目的として、これもまた下記に説明されている。実際にはこの可搬型記録媒体は幾つかの良く知られた技術によって実現されている。そしてそれは、磁気・光磁気ディスク、光ディスクあるいは半導体記憶素子のようなものである。内部映像記録設備の二つの部分に具体化された二つの信号記録媒体は別々の形で音声・映像信号を記録するか、代わってマイクロソフト社の音声・映像インターリーブ(AVI)システム、ヒュウレットパッカード社によるM Power技術あるいは、その他のシステムのようなインターリーブ音声・映像データの為の幾つかの良く知られたシステムのどれかによって実現される。」との記載(10頁16~29行)や図1の記載から把握できる。 以上のとおり、本件発明22及び23は、明確性要件及びサポート要件を満たす。」(6頁6行~7頁1行) と主張している。 しかし、請求項22は、 「映像番組を代表する情報を出力するカメラと、 番組情報をデジタル圧縮する手段と、」と記載され、 請求項23には、 「カメラと、番組をデジタル圧縮する手段と、ディスクドライブと、テープドライブとの全てがカムコーダーに組み入れられていることを特徴とする請求項22に記載のデジタル映像記録装置。」 と記載されていることから、カメラと、番組をデジタル圧縮する手段は、異なる構成であり、それらがカムコーダーに組み入れられているといえる。 被請求人は、「映像番組を代表する情報」は、映像番組を圧縮した情報であり、このような情報がカメラから出力されると主張しているが、該主張で摘出した箇所をみても、カメラから、「映像番組を代表する情報」もしくは映像番組を圧縮した情報が出力されることは記載されておらず、また、デジタル圧縮する手段が、カメラとは異なる構成であることが把握できるだけであり、該記載からは、カメラが映像番組を圧縮した情報を出力することは想定できない。 したがって、被請求人の主張を採用することはできない。 (7-3)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(7)a)によって、本件特許の請求項22、23に係る発明についての特許を無効とすべきである。 なお、「映像番組を代表する情報」が、発明の詳細な説明に記載されたものでなく、また、その意味が不明確なものであるから、上記[第3]1.1-1(7)b)、c)については、判断しない。 (8)本件発明24、本件発明33の無効理由についての判断 請求人は、本件発明24、本件発明33について、上記[第3]1.1-1(8)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 b24)本件発明24と甲第6発明について b24-1)甲第6発明 先願明細書には、上記(6)b13-1)で検討した甲第6発明が記載されている。 b24-2)対比 本件発明24と上記甲第6発明とを対比する。 b24-2-1)「デジタル音声・映像制作システムであって・・・デジタル音声・映像制作システム。」 甲第6発明が「デジタル音声・映像制作システム」であることは、上記(6)b13-2-1)で検討したとおりである。 b24-2-2)「(a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され」 甲第6発明では、「カメラやVTRなどから得られた高質録画の内容であるビデオ信号は、A/D変換して動画データに変えて、高質処理手段122、低質処理手段124にそれぞれ送信し、高質処理手段122は、画質を落とさないように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して高画質の動画データに変え、高画質の動画データを第3記録媒体、例えばテープに記録し、低質処理手段124は、データ量を少なくするように動画データを圧縮、拡大、縮小、帯域分割して低画質の動画データに変え、低画質の動画データを第2記録媒体、例えばハードディスクに記録し」ている。 上記記録に際して、甲第6発明では、VTRなどから得られたビデオ信号は、A/D変換して動画データに変えて記録するから、VTRなどから映像を受け入れる入力部を有するデジタル映像記録手段といえ、上記映像は、番組も想定していることは、先に検討したとおりである。 甲第6発明は、A/D変換した動画データを「高画質の動画データを第3記録媒体、例えばテープに記録し」、「低画質の動画データを第2記録媒体、例えばハードディスクに記録し」ているから、二つの記録媒体すなわち、第1と第2のデジタル記録媒体を有している。 甲第6発明は、高質処理(圧縮)された動画データ(高質フォーマットの動画データ)と、低質処理(圧縮)された動画データ(低質フォーマットの動画データ)とを、それぞれ、第3記録媒体、第2記録媒体に記録している。 そして、高質処理(圧縮)された動画データと、低質処理(圧縮)された動画データとでは、低質処理(圧縮)された動画データの方がより圧縮されていえるから、甲第6発明の高質フォーマットの動画データが、本件発明24の第2のフォーマット(の動画データ)に、甲第6発明の低質フォーマットの動画データが、本件発明24の第1のフォーマット(の動画データ)に対応することは明らかである。 以上まとめると、甲第6発明は、 「デジタル映像記録手段であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され」 の構成を有しているといえる。 もっとも、本件発明24は「相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段」であるのに対し、甲第6発明では、「相互に関連した編集タイムコード情報を含む」ことについて特定されておらず、また、本件発明24のデジタル映像記録手段は「デジタル映像記録装置」であるから、デジタル映像記録装置としてひとまとまりの装置であるといえるところ、甲第6発明は、デジタル映像を記録するための上記列記した手段を有するものの、当該各手段が、ひとまとまりのデジタル映像記録装置であるか明らかでない点で相違する。 b24-2-3)「(b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え」 甲第6発明は「第2記録媒体の記録内容(第2記録媒体の情報)を受け取り、編集して編集ポイントを保存する仮編集手段を有し」ている。 甲第6発明の仮編集手段は、映像の編集を行う手段である点で、本件発明24の映像編集システムと共通しており、上記編集手段を第1の映像編集手段と称してもよいことは明らかである。 甲第6発明の第2記録媒体は、本件発明24の第1のデジタル記録媒体に対応することは、上記b24-2-2)で検討したとおりである。 甲第6発明において、上記編集は操作者(オペレータ)行うものであって、その結果として編集ポイント(編集決定指示)が作成されているといえるから、甲第6発明はオペレータが、編集決定指示を作成するよう編集手段は制御されているといえる。 以上まとめると、甲第6発明は、 「第1の映像編集手段であって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え」 ているといえる。 もっとも、本件発明24の第1の映像編集手段は、第1の映像編集システムであるから、上記列記した各構成をひとまとめとしたシステムであるといえるが、甲第6発明では、第1の映像編集手段が、上記各構成をひとまとめとしたシステムであるか明らかでない点で相違する。 b24-2-4)「(c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、を備えた」 甲第6発明は「仮編集手段により編集された編集ポイントに基づく位置情報を編集ポイント保存手段から受け取り、上記位置情報と第3記録媒体のデータ(高画質の動画データ)とに基づき採用分の動画データを接合、特殊効果、重ね合わせ処理して本編集データを作り本編集データ記録手段130あるいは仕上がり映像再生手段131にそれぞれ送信する本編集手段」を有している。 甲第6発明の本編集手段は、映像の編集を行う手段である点で、本件発明24の映像編集システムと共通しており、上記編集手段を第2の映像編集手段と称してもよいことは明らかである。 甲第6発明の本編集手段は、第3記録媒体のデータ(高画質の動画データ)に基づき編集を行っており、当該データにアクセスする手段を有することは明らかであるといえ、上記第3の記録媒体は、本件発明24の第2のデジタル記録媒体に対応することは、上記b24-2-2)で検討したとおりである。 甲第6発明は、仮編集手段により編集された編集ポイントに基づく位置情報を編集ポイント保存手段から受け取っているから、前記編集決定を受け入れる手段を有しているといえる。 甲第6発明の本編集データは、最終的には放送することを目的としているから、最終映像番組(のデータ)といえ、甲第6発明の本編集手段は、該最終映像番組を制作するために編集しているといえる。 甲第6発明の本編集手段は、仮編集手段により編集された編集ポイントに基づく位置情報と第3記録媒体のデータ(高画質の動画データ)とに基づき編集しているから、前記編集指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集しているといえる。 以上のことから、甲第6発明は 「第2の映像編集手段であって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、を備え」ているといえる。 もっとも、本件発明24の第1の映像編集手段は、第1の映像編集システムであるから、上記列記した各構成をひとまとめとしたシステムであるといえるが、甲第6発明では、第2の映像編集手段が、上記各構成をひとまとめとしたシステムであるか明らかでない点で相違する。 b24-2-5)まとめ(一致点・相違点) 以上の対比によれば、本件発明24と甲第6発明とは、以下の一致点で一致し相違点で相違する。 (一致点) デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録手段であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集手段であって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、 (c)第2の映像編集手段であって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えたことを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。 (相違点1) 本件発明24において、「デジタル映像記録手段」、「第1の映像編集手段」、「第2の映像編集手段」は、それぞれ、「デジタル映像記録装置」、「第1の映像編集システム」、「第2の映像編集システム」であって、それらは、それぞれひとまとまりの構成であると理解できるところ、甲第6発明は、上記各手段は手段でしか無く、それらがそれぞれひとまとまりの構成であるか明らかでない点。 (相違点2) 本件発明24は「相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段」であるのに対し、甲第6発明では、「相互に関連した編集タイムコード情報を含む」ことについて特定されていない点。 b24-3)判断 上記相違点について判断する。 b24-3-1)相違点1について 甲第6発明において、「デジタル映像記録手段」、「第1の映像編集手段」、「第2の映像編集手段」が、それぞれひとまとまりの装置となるように構成することは、上記(6)b13-3-1)で検討したように、先願明細書の記載および、本件特許出願前周知の技術事項を参酌すれば、先願明細書に記載されているに等しい事項であるといえる。 b24-3-2)相違点2について 相違点2について、判決では、以下のように、判断している。 なお、甲21は、参考文献11を指す。 「原告は,本件審決が,本件発明24及び本件発明24(請求項24)の記載を引用する本件発明33と甲6発明は,本件発明24は「相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を,それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段」であるのに対し,甲6発明では,「相互に関連した編集タイムコード情報を含む」ことについて特定されていない点で相違し(相違点2),先願明細書(甲6)には,上記相違点2に係る構成の開示がないから,本件発明24及び本件発明33は,先願明細書に記載された発明ではない旨判断したが,上記構成の開示があるから,本件審決の上記判断は誤りである旨主張するので,以下において判断する。 (中略) 本件明細書には,「タイムコード」あるいは「タイムコード情報」の具体的構成について説明した記載はないから,本件発明26の「編集タイムコード情報」には,本件出願の優先日当時周知の構成のものを含むと解される。 しかるところ,甲21(放送技術双書「VTR技術」日本放送協会編,昭和57年10月20日発行)には,「8.3 タイムコード」の項目に,「テープ位置情報として,キュートラックにテープアドレスを記録する方法をいくつかの編集機器が採用し,それぞれ独自のフォーマットをもつアドレスが運用されていた。各社のアドレスの特質を検討して,SMPTEが統一規格を推奨したのは1970年であった。このアドレスは1フレーム,80ビットの自己クロックをもつ24時間制の時刻情報と制御情報の複合コードで,1974年,…IEC規格となり,俗称,SMPTEタイムコードまたはEBUタイムコードと呼ばれている。」(219頁18行~末行),「8.3.1 SMPTEタイムコード」の項目に,「SMPTEタイムコードはアメリカ規格(…)に規定されたコードの略称である。IEC規格では,Publication(…)として625/50 televisi on systemを含む規格として一般化している。」(220頁1行~6行),「(2) コードフォーマット 各テレビジョンフレームに対してアドレス値が割り当てられ,フレーム値は00フレームから29フレームまでの番号がつけられる。時間けたは00~23時,分けたは00~59分,そして秒けたが00~59秒の24時間制のコードフォーマットである。各アドレスはビット00からビット79までの80ビットで構成され,図8.16のように割り付けられた値をもつ」(221頁2行~7行)との記載があり,「図8.16 タイムコードフォーマットとタイムコード波形のモデル」には,「16:47:31:23」(16時47分31秒23フレーム)のタイムコードの例(220頁)が記載されている。 上記記載によれば,本件出願の優先日当時,SMPTEタイムコードは周知であったものであり,本件発明26の「編集タイムコード情報」にSMPTEタイムコードが含まれるものと解される。 イ 先願明細書における「相互に関連した編集タイムコード情報」の開示の有無等について (ア) 本件審決は,先願明細書(甲6)の第4実施例(段落【0121】~【0129】)の記載(前記(1)カ)に基づいて,甲6発明として, 「本編集手段と共に使用するように適合したデジタル編集装置であって, カメラやVTRなどから得られた高質録画の内容であるビデオ信号は,A/D変換して動画データに変えて,高質処理手段122,低質処理手段124にそれぞれ送信し,高質処理手段122は,画質を落とさないように動画データを圧縮,拡大,縮小,帯域分割して高画質の動画データに変え,高画質の動画データを第3記録媒体,例えばテープに記録し,低質処理手段124は,データ量を少なくするように動画データを圧縮,拡大,縮小,帯域分割して低画質の動画データに変え,低画質の動画データを第2記録媒体,例えばハードディスクに記録し, 第2記録媒体の記録内容(第2記録媒体の情報)を受け取り,編集して編集ポイントを保存する仮編集手段を有し, 仮編集手段により編集された編集ポイントに基づく位置情報を編集ポイント保存手段から受け取り,上記位置情報と第3記録媒体のデータ(高画質の動画データ)とに基づき採用分の動画データを接合,特殊効果,重ね合わせ処理して本編集データを作り本編集データ記録手段130あるいは仕上がり映像再生手段131にそれぞれ送信する本編集手段を有するデジタル編集装置。」を認定した(本件審決58頁8行~60頁20行)。 原告は,先願明細書の第4実施例には,甲6発明の「位置情報」としてどのような情報を記録するかについて明示の記載はないが,従来技術(段落【0020】,【0021】,【0024】ないし【0027】)でも,他の実施例(段落【0141】ないし【0147】,【0245】ないし【0247】)でも,オフライン編集の素材と放送用の素材との双方に「タイムコード情報」(タイムコード又はタイムコードと関連づけられた情報)を記録し,「タイムコード情報」によって二つの素材を対応づける構成が記載されているのであるから,かかる構成を甲6発明の「位置情報」に適用することにより,かかる構成は先願明細書に記載されているに等しいといえる旨主張する(前記第3の4(1)ア(ア),エ参照)。 (イ) そこで検討するに,甲6には,「従来の技術」として,「目的の映像を作る実際の編集作業を行なうまでに,どの素材のどの部分を何処に使うか,混合や特殊効果等どのようなものを使うかを決めなくてはならない。そのために,まず全ての素材(…)の内容を見て行かなくてはならない。…採用される部分のあたりで数回繰り返して見て,採用される部分のタイムコードや,そのテープのタイトルや,管理番号等を記録するわけである。」(段落【0020】),「これらの作業を軽減するために従来はオフライン編集という手法が用いられている。これはランダムアクセス可能な記録媒体に高い圧縮率(画質を落とし,画面に何が映っているか確認できる程度に変える圧縮率,例えばほぼ1/6~1/100の圧縮率)で,全ての素材を記録し,一通りランダムアクセス可能な記録媒体上で映像を作ってみる手法である。その時,前述のようにタイムコードや特殊効果を記録して,リストとして印刷する。その後に,前述のように実際の編集作業をVTRで行なうものである。つまり,印刷されているリストにしたがって順番にテープを掛け替えて再生し,スイッチャー装置を使い画面の合成等を行ないながら収録側VTRにつなぎ取りを行なってゆくわけである。」(段落【0021】),「次に,図28を参照して,前述の従来のオフライン編集装置についてさらに説明する。…カメラ314からVTR315に音声情報および映像情報を送る。そして,VTR315によって,テープの音声トラック315aおよび映像トラック315bに音声情報および映像情報をそれぞれ高質録画するとともに,それらに対応させてタイムコード315cを記録する。このように,音声,映像,タイムコードの3種類のデーターがテープに記録される。その後,テープから映像情報を再生して圧縮して圧縮映像を作り,その圧縮映像をランダムアクセス可能な記録媒体317に録画する。つまり,テープの内容をコピーしてから圧縮映像を作る。そのため,編集に必要なデーターはタイムコードであり,全ての音声,映像はタイムコードによって管理されている。つまり,タイムコードによってテープの内容とランダムアクセス可能な記録媒体を対応させている。」(段落【0024】~【0027】)との記載がある。上記記載及び図28(別紙甲6図面参照)によれば,甲6には,従来の技術として,VTR315は,カメラ314から出力された音声情報及び映像情報をテープに高質録画するとともに,それらに対応させてタイムコード315cを記録することにより,音声,映像,タイムコードの3種類のデーターをテープに記録し,その後,テープの内容をコピーして圧縮映像を作り,その圧縮映像をランダムアクセス可能な記録媒体317に録画し,タイムコードによってテープの内容とランダムアクセス可能な記録媒体を対応させて編集を行う技術が記載されていることが認められる。これによれば,甲6には,高質録画した映像情報の素材(テープ)に記録されたタイムコードとその素材をコピーして作成した圧縮映像の素材(ランダムアクセス可能な記録媒体)に記録されたタイムコードとは相互に関連し,タイムコードによって二つの素材を対応させているので,タイムコードは編集に必要なデータであることが開示されているといえる。 次に,甲6には,「第6実施例」として,「第6実施例は,高質録画の内容をアナログデータとし,低質録画の内容をディジタルデータとして,両者を対応づける。…図13を参照して,アナログデータにディジタルデータを対応づける方法について説明する。高質録画のデータ列160の音声又はコントロールトラックに,あるいは垂直ブランキングの直前直後に記録開始信号をタイムコードインデックスとして,一般的に使われている手段,例えばLTCタイムコード,SMPTE等によってマークする。そして,N駒毎にタイムコードインデックス160a~160eを高質記録時にマークとして付けておく。編集用(低画質)のディジタイズ時(つまり,アナログデータを低質のディジタルデータに変える時)に,記録開始信号を検知し,その直後の駒を最初の駒として1駒ずつ駒番号を割り当てる。」(段落【0141】~【0145】),「図示例においては,高質記録時にタイムコードインデックス160a~160eを30駒毎に,かつ1秒毎に割り当てている。そして,低質録画のデータ列161の各採用分162,163(採用1,採用2)の初めの位置および終りの位置を記録する。初めの位置は,採用分の最初の駒の前方で最も近いタイムコードインデックスからその駒の直前の駒までの駒数を示す。終りの位置は,採用分の最後の駒の前方で最も近いタイムコードインデックスからその駒までの駒数を示す。低質のデータ列161の採用分162,163(採用1,採用2)の最初の駒の位置および最後の駒の位置にしたがって,高質データの採用分164,165(採用1,採用2)を高画質で取り込む。つまり,高質録画のデータ列160をタイムコードインデックス160a(00:00:01:00)まで早送りし,そこから4駒数えた後,5駒目から採用1の最後の駒まで取り込み,その後,タイムコードインデックス160c(00:00:03:00)まで早送りし,そこから15駒数えた後,16駒目から採用2の最後の駒まで取り込む。」(段落【0146】~【0147】)との記載がある。上記記載及び図13(別紙甲6図面)によれば,甲6には,「タイムコード」の具体的構成として,「駒番号」(図13記載のタイムコード(駒数)),SMPTEタイムコード(図13記載の「00:00:01:04」,「00:00:02:10」等)が記載されており,図13記載の「駒番号」とSMPTEタイムコードの対応関係をみると(「4駒」は「00:00:01:04」,「10駒」は「00:00:02:10」,「15駒」は「00:00:03:15」等),「駒番号」は,SMPTEタイムコードを構成する「フレーム番号」に相当するものと解される。 そして,前記アのとおり,このSMPTEタイムコードは,本件発明26の「編集タイムコード情報」に含まれる。 以上によれば,甲6には,本件発明24の「相互に関連した編集タイムコード情報」を「第1のフォーマット」で「第1の記録媒体」(高質録画した映像情報の素材)上に,「第2のフォーマット」で「第2の記録媒体」(上記映像情報の圧縮映像の素材)上にそれぞれ有する構成の開示があるものと認められる。 したがって,甲6には,本件発明24の「相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を,それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段」の構成が開示されているに等しいものといえる。 (ウ)本件審決は,これに対し,○1先願明細書の段落【0020】及び【0021】の記載は,編集時に編集を行う箇所をタイムコードで管理することに関する記載であって,「相互に関連した編集タイムコード情報を,第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有」することに関する構成とも,また当該構成を示唆する構成ともいえない(本件審決64頁26行~65頁1行),○2先願明細書の段落【0024】ないし【0027】の記載は,オフライン編集時に利用する映像を記録する時とオンライン編集時に利用する映像を記録する時とで,それぞれ対応するようにタイムコードを記録する技術思想まで記載しているとはいえない(本件審決65頁2行~66頁3行),○3先願明細書の段落【0141】ないし【0147】の記載は,高質録画の内容(アナログデータ)を編集用の低画質のデータにデジタイズして取り込むときにアナログデータのフレーム位置を特定するためにタイムコードを用いていることのみの記載であって,デジタイズされた低画質データについてはコマ数で位置を特定しているから,オフライン編集時に利用する映像を記録する時とオンライン編集時に利用する映像を記録する時にそれぞれ対応するようにタイムコードを記録する技術思想まで記載しているとはいえない(本件審決66頁8行~24行)などと判断した。 しかしながら,前記(イ)で認定したとおり,甲6の段落【0020】,【0021】,【0024】~【0027】の記載及び図28によれば,甲6には,高質録画した映像情報の素材(テープ)に記録されたタイムコードとその素材をコピーして作成した圧縮映像の素材(ランダムアクセス可能な記録媒体)に記録されたタイムコードとは相互に関連し,タイムコードによって二つの素材を対応させているので,タイムコードは編集に必要なデータであることが開示されており,また,段落【0141】ないし【0144】,【0146】,【0147】及び図13によれば,甲6には,「タイムコード」の具体的構成として,「駒番号」(図13記載のタイムコード(駒数)),SMPTEタイムコード(図13記載の「00:00:01:04」,「00:00:02:10」等)が記載されており,この「駒番号」は,SMPTEタイムコードを構成する「フレーム番号」に相当することに照らすと,本件審決の挙げる上記○1ないし○3の諸点はいずれも失当であり,本件審決の上記判断は誤りである。 (エ)参加人は,これに対し,○1例えば,オフライン編集用の装置が,編集のためにオフライン編集用に記録された素材を再生する際に,素材の先頭を0(ゼロ)として所定のタイムコードを生成し,そのタイムコードをオフライン編集用の装置の画面に表示すれば,オフライン編集においてタイムコードを記録したリストを作成することができ,また,ランダムアクセス可能な記録媒体がオフライン編集用の装置にセットされた段階で,オフライン編集用の装置が,所定のタイムコードを生成し,そのタイムコードをオフライン編集用に記録された素材に付けて,ランダムアクセス可能な記録媒体に記録し直すこともでき,このようにオフライン編集用に記録された素材そのものにタイムコードが含まれていなくとも,オフライン編集においてタイムコードを記録したリストを作成し,編集作業を行うことができることからすると,先願明細書の段落【0020】及び【0021】の記載は,編集時に編集を行う箇所をタイムコードで管理することに関する記載であって,「相互に関連した編集タイムコード情報を,第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有」することに関する構成であるとはいえないし,また,段落【0027】の記載は,単に「タイムコード」を用いて,テープに記録された映像とランダムアクセス可能な記録媒体に記録された映像とを対応させることに関する記載にすぎず,オフライン編集時に利用する映像を記録する時とオンライン編集時に利用する映像を記録する時とで,それぞれ対応するようにタイムコードを記録する技術思想まで記載しているとはいえない,○2「タイムコード情報」には,その語句のとおり,時,分,秒などの時間を特定できる情報が含まれることは明らかであるが,「駒番号」(段落【0145】)は,時間を特定できる情報は含まないから,「タイムコード情報」に該当しない,○3「タイムコード」に関する段落【0141】ないし【0147】の記載は,先願明細書の「第6実施例」に関する記載であり,第6実施例は,「高質録画の内容をアナログデータとし,低質録画の内容をディジタルデータとして,両者を対応づける。」(段落【0142】)ものであって,本件審決が甲6発明を認定した「第4実施例」とは高質録画のデータ(高画質の動画データ)の形式が異なり,また,段落【0142】には「その他の構成については,前述の第1実施例と同様である。」と記載されており,第6実施例を第4実施例に適用できるとする記載はないから,段落【0141】ないし【0147】の記載を甲6発明に適用して解釈することはできないなどとして,前記(ウ)の本件審決の認定及び判断に誤りはない旨主張する。 しかしながら,上記○1の点については,参加人が挙げる上記○1の例は,オフライン編集用の素材が記録媒体に記録された後,その素材を用いてオフライン編集を行う際に,オフライン編集用の装置が上記素材にタイムコードを付与するもといえるが,その後,オフライン編集で作成されたリストに基づいて,オンライン編集を行うには上記タイムコードがオンライン編集用の素材に付されたタイムコードと対応づけられている必要があるから,上記○1の例があり得ることが,甲6において,「相互に関連した編集タイムコード情報を,第1と第2のフォーマットで第1と第2の記録媒体の上に有」することに関する構成が開示されていることを否定する根拠となるものではない。また,前記(ウ)認定のとおり,甲6の段落【0020】,【0021】,【0024】~【0027】の記載及び図28によれば,甲6には,高質録画した映像情報の素材(テープ)に記録されたタイムコードとその素材をコピーして作成した圧縮映像の素材(ランダムアクセス可能な記録媒体)に記録されたタイムコードとは相互に関連し,タイムコードによって二つの素材を対応させているので,タイムコードは編集に必要なデータであることが開示されているから,甲6は,オフライン編集時に利用する映像を記録する時とオンライン編集時に利用する映像を記録する時とで,それぞれ対応するようにタイムコードを記録する技術思想を開示しているものといえる。 次に,上記○2の点については,前記(ウ)のとおり,「駒番号」は,本件発明24の「タイムコード情報」に含まれるSMPTEタイムコードを構成する「フレーム番号」に相当するものと認められる。 さらに,上記○3の点については,甲6においては,「高質録画の内容および低質録画の内容をそれぞれディジタルデータとし,両者を対応づける」第8実施例(段落【0157】)に関し,「このように第8実施例の方法は,データーを対応付けて,2通りの記録方法で録画する方法(ディジタルデータとディジタルデータを対応させる方法)である。この方法は,前述の第6実施例のディジタルとアナログの対応付け方法と組み合わせることも可能である。」(段落【0164】)と記載されているように,「高質録画及び低質録画の内容が「アナログデータ」か,「ディジタルデータ」によって対応付け方法を峻別していないから,本件審決が甲6発明を認定した「第4実施例」と「第6実施例」とで高質録画のデータ(高画質の動画データ)の形式が異なることは,タイムコード」に関する段落【0141】ないし【0147】記載の技術を甲6発明に適用することの妨げとなるものではない。 したがって,参加人の上記主張は,理由がない。 ウ 本件発明24及び本件発明33と甲6発明の同一性について 前記イ(イ)のとおり,甲6には,本件発明24の「相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を,それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段」の構成が開示されているに等しいことに鑑みると,甲6に接した当業者は,甲6発明の「位置情報」は,「タイムコード情報」に該当し,甲6発明において「高画質の動画データ」を「第3記録媒体,例えばテープ」に記録し,「低画質の動画データ」を「第2記録媒体,例えばハードディスク」に記録するに当たり,「位置情報」をそれぞれの記録媒体(第3記録媒体及び第2記録媒体)に記録し,この「位置情報」によって「高画質の動画データ」と「低画質の動画データ」を対応づけているものと理解するものといえる。 したがって,甲6発明は,本件発明24の「相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を,それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段」の構成を備えるものと認められるから,これと異なる本件審決の判断は誤りである。 そして,本件審決は,本件発明24と甲6発明について,本件発明24の上記構成に係る相違点(相違点2)のほかに,「本件発明24は「デジタル映像記録手段」,「第1の映像編集手段」,「第2の映像編集手段」は,それぞれ,「デジタル映像記録装置」,「第1の映像編集システム」,「第2の映像編集システム」であって,それらは,それぞれひとまとまりの構成であると理解できるところ,甲6発明は,上記各手段は手段でしか無く,それらがそれぞれひとまとまりの構成であるか明らかでない点」を相違点(相違点1)として認定したが,相違点1に係る本件発明24の構成は,先願明細書に記載されている事項に等しい事項であり,甲6発明と相違はない旨判断しているから(本件審決141頁11行~30行),本件審決の相違点2に係る上記判断の誤りは,本件発明24は先願明細書に記載された発明ではないとした本件審決の結論に影響を及ぼす誤りであるといえる。 また,同様に,本件審決は,本件発明33について,本件発明24の構成に付加された構成は,甲6発明と相違はない旨判断しているから(本件審決143頁3行~17行),本件審決の上記判断の誤りは,本件発明33は先願明細書に記載された発明ではないとした本件審決の結論に影響を及ぼす誤りであるといえる。」(169頁2行~181頁24行) 以上の判決の判断を踏まえるに、甲第6号証には、本件発明24の「相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段」の構成が開示されているに等しいものといえる。 b24-3-3)まとめ 以上の検討によれば、本件発明24は先願明細書に記載された発明である。 b24-4)小括(本件発明24と甲第6発明) よって、本件発明24は先願明細書に記載された発明であるから、特許法第29条の2の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 b33)本件発明33と甲第6発明について 本件発明33は「前記第2のデジタル記録媒体は磁気テープであることを特徴とする請求項24に記載のデジタル音声・映像制作システム。」であるから、本件発明24の構成に加えてさらに、「前記第2のデジタル記録媒体は磁気テープである」の構成を有するデジタル音声・映像制作システムであるといえる。 本件発明24と共通する構成については、上記b24)で検討したとおりである。 さらに「前記第2のデジタル記録媒体は磁気テープであること」について検討する。 本件発明24の第2の記録媒体に相当する甲第6発明の構成は、第3記録媒体であることは先に検討したとおりであり、上記第3記録媒体は「(例えば)テープ」であるとされ、「テープ」について特定されている。 したがって、上記さらに付加された構成は、甲第6発明の構成と相違がない。 よって、本件発明33と甲第6発明とは、相違がないので、本件発明33は先願明細書に記載された発明である。 以上の検討によれば、本件発明33は先願明細書に記載された発明であるから、特許法第29条の2の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (8-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(8)a)について判断するまでもなく、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(8)b)によって、本件特許の請求項24、33に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (9)本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明31、本件発明32の無効理由についての判断 (9-1)請求人は、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明31、本件発明32について、上記[第3]1.1-1(9)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 本件発明26は、「前記第2の映像編集システムは複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段を備えており、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用されることを特徴とする請求項24に記載のデジタル音声・映像制作システム。」である。 請求項26は、請求項24を引用しているので、本件発明26は、以下のとおりである。 デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、 (c)第2の映像編集システムであって、 複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えており、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用されることを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。 a26)本件発明26と甲第1号証に記載された発明について a26-1)甲第1発明 甲第1号証には、上記(1)a1-1)で検討した甲第1発明が開示されている。 a26-2)対比 本件発明26と上記甲第1発明とを対比する。 a26-2-1)「デジタル音声・映像制作システムであって・・・デジタル音声・映像制作システム。」 甲第1発明が「デジタル音声・映像制作システム」であることは、上記(1)a1-2-1)で検討したとおりである。 a26-2-2)「(a)デジタル映像記録装置であって、 映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され」 甲第1発明は 「カメラ一体型記録装置で撮像した映像に対して編集作業(仮編集・本編集)を行う編集システムであって、 撮像した被写体の映像を映像信号(NTSCのアナログやRGBのデジタル等の映像信号)に変換し、記録する記録手段を有し、 上記記録手段は、撮像した被写体の映像を変換したRGBのデジタルの映像信号101を、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)と副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)とに二重に記録可能であって、主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等)が記録され、副記録手段13に装填された記憶媒体に記録される映像信号は、圧縮映像信号とする記録手段」である。 甲第1発明が記録編集する映像信号が、最終的に番組として利用されることは、例えば、上記(1)a1)で検討したとおりであるから、カメラが撮像した映像は映像番組であるといえるが、甲第1発明のカメラ一体型記録装置の入力部は、カメラそのものであるから、カメラが受ける(すなわちカメラから入力する)映像は番組ではない。 したがって、甲第1発明は番組映像を受ける入力部を有しているとはいえない。 カメラ一体型記録装置とは、撮像するカメラ部、撮像した映像を記録するのに適した映像信号に変換する変換部、上記変換した映像信号を記録する記録部をひとまとめとした構成のことをいうから、甲第1発明のカメラ一体型記録装置は、「撮像するカメラ部」、「主記録手段に装填される記録媒体」、「副記録手段に装填される記録媒体」を有し、「主記録手段に装填される記録媒体」にはデジタル映像信号を圧縮せずに、および、「副記録手段に装填される記録媒体には」デジタル信号を圧縮してそれぞれ記憶する構成を有しているといえる。 そして、副記録手段に装填される記録媒体に記録されるデジタル映像信号は、主記録手段に装填される記録媒体に記録されるデジタル映像信号と比較して圧縮されていることは明らかであるから、甲第1発明の「主記録手段に装填される記録媒体」、「副記録手段に装填される記録媒体」はそれぞれ、本件発明26の「第2のデジタル記録媒体」、「第1のデジタル記録媒体」といえる。 そして、甲第1発明は、「主記録手段12と副記録手段13において、同一の映像に対しては同一の位置情報(テープカウンターやSMPTEタイムコードあるいはフレーム番号等)が記録され」の構成を有しているから、相互に関連した編集タイムコード情報も前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録しているといえる。 以上まとめると、甲第1発明は 「デジタル映像記録装置であって、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され」 の構成を有しているといえる。 もっとも、本件発明26は「映像番組を受ける入力部」を有しているのに対し、甲第1発明は当該構成を有していない点で相違する。 a26-2-3)「(b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え」 甲第1発明は「仮編集機を用い、この副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)を使用して仮編集作業を行い、編集対象のカット点の媒体上での位置情報とそのカットの順序情報とその他の編集情報を編集意志決定表(以下EDLリストと呼ぶ)に記載し」ている。 甲第1発明の仮編集機は、仮編集を行う装置と捉えることができるから、映像編集装置(システム)といえ、これを第1の映像編集システムと称してもよいことは明らかである。 甲第1発明の仮編集機は、副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)を使用して仮編集作業を行うが、そのためには、上記記録媒体から、編集するための情報(番組素材)を受け取る必要があることは明らかであり、上記副記録手段に装填された記録媒体は、本件発明24の「第1の記録媒体」といえることは、上記a26-2-1)で検討したとおりであるから、上記第1の記録媒体の番組素材を受け取る手段を有しているといえる。 甲第1発明は、上記第1の記録媒体(副記録手段に装填された記録媒体)に記録された情報を用いて編集しているのであるから、圧縮映像信(第1のフォーマットの信号)で番組を編集しているといえ、編集情報をEDLリストに記載するから、編集決定指示を作成するようになされており、したがって、甲第1発明の仮編集機は、編集しEDLリストを作成するよう制御する構成を備えているといえる。 以上のとおりであるから、甲第1発明は 「第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え」 の構成を有しているといえる。 a26-2-4)「(c)第2の映像編集システムであって、 複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えており、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用される」 甲第1発明は「このEDLリストに基づき、今度は本編集機を用い、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)を使用して本編集作業を行いマスターテープに仕上げる」構成を有している。 甲第1発明の本編集機は、主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)を使用して本編集作業を行う機械といえ、映像編集システムであり、これを第2の映像編集システムと称してもよいことは明らかである。 甲第1発明は「主記録手段12に装填された記憶媒体(磁気テープ)を使用して本編集作業を行」うが、そのためには、上記記録媒体から、編集するための情報(番組素材)を受け取る(アクセスする)必要があることは明らかであり、上記主記録手段に装填された記録媒体は、本件発明24の「第2の記録媒体」といえることは、上記a24-2-1)で検討したとおりであるから、甲第1発明は、前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段を有しているといえる。 甲第1発明の本編集機は、この(第1の編集手段で作成された)EDLリストに基づき、編集を行っているが、「上記EDLリストに基づき、本編集作業を行う具体的な手順としては、・・仮編集作業の結果をフロッピーディスク等の媒体に記録させて本編集システムとデータの共有化を図」ることも想定されており、したがって、甲第1発明の本編集機は、仮編集機で作成されたEDLリストを、フロッピーディスク等の媒体から受け入れる手段を有しているといえる。 甲第1発明の本編集機が利用する主記録手段に装填された記録媒体に記録された信号は、上記a24-2-1)で検討したように、第2のフォーマットの信号といえ、また、マスターテープに仕上げられるのは、番組として放送される映像であることは先に検討したとおりであるから、甲第1発明の本編集機は「最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段」を有しているといえる。 以上まとめると、甲第1発明は、 「第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、を備え」ているといえる。 もっとも、本件発明26は、前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段が複数であり、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用される」のに対し、甲第1発明は当該構成を有していない点で相違する。 a26-2-5)まとめ(一致点・相違点) 以上の検討によれば、本件発明26と甲第1発明とは、以下の一致点で一致し相違点で相違する。 (一致点) デジタル音声・映像制作システムであって、 (a)デジタル映像記録装置であって、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され、 (b)第1の映像編集システムであって、 前記第1のデジタル記録媒体の番組素材を受け取る手段と、 オペレータが前記第1のフォーマットで番組を編集でき、そして、編集決定指示を作成する制御とを備え、 (c)第2の映像編集システムであって、 前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段と、 前記編集決定指示を受け入れる手段と、 最終映像番組を制作するための前記編集決定指示により前記第2のフォーマットに番組情報を編集する手段と、 を備えたことを特徴とするデジタル音声・映像制作システム。 (相違点1) 本件発明26は「映像番組を受ける入力部」を有しているのに対し、甲第1発明は当該構成を有していない点。 (相違点2) 本件発明26は前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段が複数であり、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用されるのに対し、甲第1発明は当該構成を有していない点。 a26-3)判断 a26-3-1)相違点1について 上記相違点1は、甲第1発明がカメラ一体型記録装置であるのに対し、本件発明26の記録装置は「映像番組を受ける入力部」を備える、すなわち、本件発明26は、例えば、別体のカメラや他の映像番組記録装置が記録した信号を入力する入力部を備える点が、甲第1発明と相違するというものである。 甲第1発明は、カメラ一体型記録装置の構成であるが、a1-2-1)の検討を踏まえれば、甲第1発明が「編集した映像をドキュメンタリー番組、ドラマ番組、ニュース等に利用されることを前提としていることは明らか」であって、放送用の装置を想定しているといえ、そして、放送に利用される撮影装置としてのカメラは、甲第1発明にあるようなカメラ一体型記録装置だけではなく、カメラと記録部とを別とした構成も本件特許出願前周知慣用の構成として普通に利用されているといえるから、「カメラ一体型記録装置」と「カメラと記録部とが別体となった構成」のいずれを採用するかは、利用者が適宜選択していたものであるから、甲第1発明に触れた当業者であれば、上記甲第1発明のカメラ一体型記録装置を、カメラと記録装置が別体となった構成を採用し、記録装置を、 「映像番組を受ける入力部と、 第1と第2のデジタル記録媒体と、 相互に関連した編集タイムコード情報を含む番組を、それぞれ第1と第2のフォーマットで前記第1と第2のデジタル記録媒体に二重に記録する手段とを備え、 前記第1のフォーマットは前記第2のフォーマットの情報に関連してデータ圧縮され」 の構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるといえる。 a26-3-2)相違点2について 相違点2について、判決では、以下のように、判断している。 なお、甲19及び甲32は、参考文献9、12を指す(判決文中の「甲19(特開平5-159563号公報)」は、「甲19(特開平5-159536号公報)」の誤記であると認められる。)。 「イ 本件出願の優先日当時の周知の技術事項ないし技術常識について 原告は,本件出願の優先日当時,オンライン編集装置に「複数の第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段」が備わっている構成は,周知の技術事項ないし技術常識であった旨主張する。 (ア) 甲19の記載事項 a 甲19(特開平5-159563号公報)には,次のような記載がある(下記記載中に引用する図4及び図6については別紙甲19図面を参照)。 「【産業上の利用分野】本発明は,オンライン編集時,特にABロール編集時に発生する編集動作の情報を,詳細かつ明確に分かるようにしたビデオ編集装置に関するものである。」(段落【0001】) 「【従来の技術】近年,ビデオ編集装置の発達により,オンライン編集時に行う編集作業に様々な効果が用いられるようになってきた。それに伴い,その情報量も増加し,編集リストも手書きでは対応しにくくなってきたため,現在ではシステム管理化されている。」(段落【0002】) 「以下に従来のビデオ編集装置について説明する。図4はビデオ編集装置のシステム構成の一例を示したものである。ビデオ編集装置1は,編集処理部2と表示部3と編集情報記憶部4とから構成されており,このビデオ編集装置1には2台の再生用VTR5,6と1台の編集用VTR7とスイッチャー8とが接続されている。ここで,図4において細線は映像信号の流れを示し,太線は制御信号の流れを示す。」(段落【0003】) 「図6は従来の編集リストエリア13をさらに詳しく示したものである。図6において,14は各イベントの番号を示すイベント番号エリア,15は使用しているテープ(リール)名を示すリール名エリア,16はAUDIOモードとVIDEOモードとの切換表示を示すA/Vモードエリア,17はカット,デゾルブ,ワイプなどの編集の種類を示すトランジションタイプエリア,18は編集の時間を示すトランジションレートエリア,19は再生用VTR5,6のIN-タイム,20は再生用VTR5,6のOUT-タイム,21は編集用VTR7のIN-タイム,22は編集用VTR7のOUT-タイムを示している。」(段落【0005】) 「【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記の従来構成のビデオ編集装置では編集時における基本的な内容は分かっても,ABロール編集などの時に発生する詳細な情報が分からないという問題を有していた。」(段落【0007】) 「本発明は上記従来の問題を解決するもので,編集リストに詳細な情報を付加,表示できるビデオ編集装置を提供することを目的とするものである。」(段落【0008】) 「【課題を解決するための手段】上記問題を解決するために本発明のビデオ編集装置は,編集用VTRと複数の再生用VTRとが接続され,編集処理部,表示部および編集情報記憶部を有するビデオ編集装置において,前記編集情報記憶部に,トランジションの詳細な内容情報を記憶するトランジション内容記憶領域を設けて,前記表示部にてトランジション内容を自在に表示できるように構成したものである。」(段落【0009】) b 上記記載によれば,甲19には,オンライン編集用のビデオ編集装置において,複数のオンライン編集用の素材(テープ(リール))にアクセスする手段である再生用VTR5,6を備え,この複数の再生用VTR5,6の各々に編集リストが適用されて,編集用VTR7で編集されたデジタル音声・映像が作成されることが開示されていることが認められる。 (イ) 甲32の記載事項 a 甲32(特開平6-86210号公報)には,次のような記載がある(下記記載中に引用する図1及び図2については別紙甲32図面を参照)。 「【産業上の利用分野】本発明は,ビデオ編集操作インタフェース方法,特に,編集処理の際に,一連のビデオ情報即ちビデオ・シーケンスの制御の視覚性及び対話性を高めたビデオ編集操作インタフェース方法に関する。」(段落【0001】) 「【従来の技術】現在,使用されているビデオ編集装置では,ビデオ番組を作成するアーチストが,その番組を作成する際にビデオ画像を操作するためには,多くの数字を使用したり,技術的に考慮するべき問題がある。フィルム編集器上でフィルムを切断及び継ぎ合わせたりすることは,フィルムの時間的面に,視覚的的且つ空間的な性質を与える。これまでに,かなりの進歩が遂げられたが,この同一の種類の対話的利便性及び「感覚」をビデオ・テープ編集処理に取り入れようとする試みには限界があった。」(段落【0002】) 「したがって,本発明の目的は,ビデオ・シーケンスの内容の視覚的感覚を操作者に与えるためにビデオ・シーケンスのグラフィック表現を表示する編集操作インタフェース方法の提供にある。」(段落【0009】) 「【課題を解決するための手段及び作用】本発明のビデオ編集操作インタフェース方法では,ビデオ・シーケンスをシステムに最初に処理するとき,各ビデオ・フレームの少量であるが代表的サンプルを局部メモリに記憶し,一方,ビデオ自体は大容量記憶手段に記憶する。フレーム・サンプルは,基礎となる記憶されたビデオのビデオ絵入り時間ラインを表示するために使用する。」(段落【0013】) 「【実施例】図1は,本発明のビデオ編集操作インタフェース方法を実現するスクリーン表示画像を示す。操作インタフェースは,アップル社製マッキントッシュのコンピュータ上で実現されている。このインタフェースは,通常のマッキントッシュ・インタフェースに幾分類似するウインドウ及びカーソル制御方法を使用しているが,通常のマッキントッシュ・キーボードの代わりに,着色されたキーを有するキーボードを使用している。このキーボードは,テレビジョンのカメラ撮り後放映までの制作の編集装置における標準であるキーボード及びカラー・コーディングに類似している。」(段落【0017】) 「操作者用可動なカーソル12が,ビデオ絵入り時間ライン10及び詳細ビデオ絵入り時間ライン11と関連するカーソル(図中で12)の1つにロックされる間,カーソル12を移動させると,大容量記憶手段が従来のビデオテープ・レコーダのように直線的であるか,又はレーザ・ディスク或いは複数のハード・ディスクの様にランダム・アクセスであるかによって,2つの結果の一方が生じる。図5を参照して後述する様に,システムの大容量記憶手段が直線的であれば,直線記憶手段がビデオ・テープを動かすよりも速くカーソル12を動かすと,第2カーソル(図5の13)が現れる。第2カーソル13は,テープ上の実際のVTR位置を示し,一方,操作者により制御されるカーソル12は,所望のテープ位置を表す。カーソル12の移動が遅くなるか又は停止するとき,実際の位置を表す他のカーソルは,直線記憶手段50の最高の速度で所望の位置に追いつくように移動する。システムの大容量記憶手段50がランダム・アクセス・メモリであるとき,カーソルが急速に移動し,ビデオ・ウインドウ14が殆ど即座にカーソル12の位置を表すとき,第2カーソルは現れない。」(段落【0033】) 「図2及び図3を参照すると,ビデオ絵入り時間ライン10及び11を作るためのフレーム・サンプル17は,デジタル・ビデオ/オーディオ・プロセッサ58により生成され,グラフィック・インタフェース表示発生器57に適した局部メモリ60に記憶される。後述する様に,時間マーク31及び単一ビデオ・フレーム19も,局部メモリ60に記憶される。」(段落【0041】) 「フレーム・サンプル17が表す基礎となるビデオ・フレーム19は,離間された大容量記憶手段50に記憶される。ビデオ・フレーム・サンプル17は,対応するビデオ・フレーム19の位置に対するポインタと共に記憶される。大容量記憶手段50の性質に応じて,これらのポインタは,SMPTE時間コード又はメモリ・アドレスの一方又は両方である。大容量記憶手段50を表すアイコンはVTRを示しているが,実際に,大容量記憶手段は他のビデオ記憶手段でよく,好適には,マルチ・レーザ・ディスク又は磁気ハード・ディスクの様な高容量ランダム・アクセス・メモリでよい。」(段落【0042】) 「キーボードからの操作者の入力は,手動制御ヒューマン・インタフェース・ロジック64に作用して,編集ロジック/自動制御ソフトウェア54内で所望の効果を生じさせる。ビデオ・ソース・インタフェース56は,編集ロジック/自動制御ソフトウェア54と,手動制御ヒューマン・インタフェース・ロジック64と作用して,これらから命令を受け取り,状態情報を返す。これらの命令に応答して,ビデオ・ソース・インタフェース56は,ビデオ・ソース選択手段52を使用して大容量記憶手段50の内容へのアクセスを制御する。ビデオ・ソース選択手段52は,時間コード及び制御データと,ビデオ/オーディオ情報を大容量記憶手段50に記憶する。ビデオ・ソース・インタフェース56は,表示されるビデオ・ソースの識別情報,現在のビデオ・フレーム・データ及び時間コード範囲をグラフィック・インタフェース表示発生器57に与える。グラフィック・インタフェース表示発生器57は,ウインドウ/スクリーン表示発生器62を制御し,CRT表示器68上に表示を形成する。」(段落【0044】) 「【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のビデオ編集操作インタフェース方法によるスクリーン表示を示す線図である。 【図2】本発明の方法を実現するためのビデオ編集装置を示す簡略ブロック図である。」(18欄) b 上記記載によれば,甲32には,複数の大容量記憶手段50(VTR又はマルチ・レーザ・ディスク又は磁気ハード・ディスクのような様な高容量ランダム・アクセス・メモリ)及びビデオ・ソース選択手段52を備えた,ビデオ番組を作成するためのビデオ編集装置において(図2),ビデオ・ソース選択手段52を使用して大容量記憶手段50の内容(ビデオテープ又はランダムアクセス可能な記録媒体の素材)へアクセスすることが可能であり,上記各素材に各々既存の編集決定指示(編集ロジック)が適用されてデジタル音声・映像が作成される構成が開示されていることが認められる。 (ウ)小括 上記(ア)及び(イ)によれば,本件出願の優先日当時,オンライン編集において,複数のオリジナル映像素材から編集決定指示に基づいて適当なカットを選択するなどして編集し,最終映像番組である完成映像を作成することは一般的に行われていたことであり,オンライン編集装置が複数の映像素材にアクセスする手段を備え,編集決定指示が各々すべての素材に適用される技術は一般的であったものといえるから,オンライン映像装置が「複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段を備えており,前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用される」構成は,技術常識であったものと認められる。 (中略) ウ 相違点の容易想到性について 前記ア認定のとおり,本件発明26の「複数の第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段」は,「ジュークボックス」の構成のものに限定されるとした本件審決の認定は誤りがあり,本件出願の優先日当時,周知の構成のものもこれに含まれる。 しかるところ,前記イ認定のとおり,オンライン映像装置が「複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段を備えており,前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用される」構成は技術常識であったものであり,また,そのアクセスの対象となるデジタル記録媒体の数を単数とするのか,複数とするのかはデジタル記録媒体の記録容量等に応じて適宜設定すべき設計的事項であるといえるから,甲1に接した当業者であれば,甲1発明において,本件発明26の上記構成(相違点2に係る構成)を採用することを容易に想到することができたものと認められる。これと異なる本件審決の判断は誤りである。 そして,本件審決は,本件発明26と甲1発明は,本件発明26が引用する本件発明24の共通の構成に係る相違点1と上記共通の構成に付加された構成である相違点2において相違する旨認定したが,相違点1に係る本件発明26の構成は当業者が甲1発明に基づいて容易に想到することができたものである旨判断しているから(本件審決148頁19行~149頁5行),本件審決の上記判断(相違点2に係る本件発明26の構成の容易想到性の判断)の誤りは,本件発明26は甲1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえないとした本件審決の結論に影響を及ぼす誤りであるといえる。 したがって,本件審決には本件発明26の容易想到性の判断に誤りがあるとの原告の主張は理由がある。」(138頁12行~146頁21行) 以上の判決の判断を踏まえるに、本件出願の優先日当時、オンライン編集において、複数のオリジナル映像素材から編集決定指示に基づいて適当なカットを選択するなどして編集し、最終映像番組である完成映像を作成することは一般的に行われていたことであり、オンライン編集装置が複数の映像素材にアクセスする手段を備え、編集決定指示が各々すべての素材に適用される技術は一般的であったものといえるから、オンライン映像装置が「複数の前記第2のデジタル記録媒体の番組素材をアクセスする手段を備えており、前記編集決定指示が各々すべての前記第2のデジタル記録媒体に適用される」構成は、技術常識であったものと認められる。 また、そのアクセスの対象となるデジタル記録媒体の数を単数とするのか、複数とするのかはデジタル記録媒体の記録容量等に応じて適宜設定すべき設計的事項であるといえるから、甲第1号証に接した当業者であれば、甲第1発明において、本件発明26の構成を採用することを容易に想到することができたものと認められる。 以上の検討によれば、本件発明26は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 a27)本件発明27と甲第1号証に記載された発明について 本件発明27は「前記デジタル映像記録装置はカムコーダーを形成することを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。」であるから、本件発明26の構成に加えてさらに、「前記デジタル映像記録装置はカムコーダーを形成する」構成を備えたデジタル音声・映像制作システムであるといえる。 本件発明26と共通する構成については、上記a26)で検討したとおりである。 上記本件発明27のさらに付加された構成について検討する。 甲第1発明では、「カメラ一体型記録装置」の構成を有している。上記カメラ一体型記録装置をカムコーダーと称することは技術常識であるから、「前記デジタルビデオレコーダーはカムコーダーの一部を構成していること」は、甲第1号証に記載されているに等しい事項であるといえる。 したがって、本件発明27と甲第1発明とは、上記a26)で検討した相違点(相違点1、相違点2)で相違しているといえるところ、いずれの相違点も、甲第1発明から、容易に想到することができたものと認められる。 以上のとおりであるから、本件発明27は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 a29)本件発明29と甲第1号証に記載された発明について 本件発明29は「前記第1のデジタル記録媒体は磁気ディスクであることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。」であるから、本件発明26の構成に加えてさらに、「前記第1のデジタル記録媒体は磁気ディスクである」構成を備えたデジタル音声・映像制作システムであるといえる。 本件発明26と共通する構成については、上記a26)で検討したとおりである。 上記本件発明29のさらに付加された構成について検討する。 甲第1発明の副記録手段(本件発明29の第1のデジタル記録手段に相当する。)は、「副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)」と特定されているから、この点で本件発明29と相違はない。 したがって、本件発明29と甲第1発明とは、上記a26)で検討した相違点(相違点1、相違点2)で相違しているといえるところ、いずれの相違点も、甲第1発明から、容易に想到することができたものと認められる。 以上のとおりであるから、本件発明29は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 a31)本件発明31と甲第1号証に記載された発明について 本件発明31は「前記第1のデジタル記録媒体は光磁気ディスクであることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。」であるから、本件発明26の構成に加えてさらに、「前記第1のデジタル記録媒体は光磁気ディスクである」構成を備えたデジタル音声・映像制作システムであるといえる。 本件発明26と共通する構成については、上記a26)で検討したとおりである。 上記本件発明31のさらに付加された構成について検討する。 甲第1発明の副記録手段(本件発明31の第1のデジタル記録手段に相当する。)は、「副記録手段13に装填された記憶媒体(磁気ディスク、光磁気ディスク)」と特定されているから、この点で本件発明31と相違はない。 したがって、本件発明31と甲第1発明とは、上記a26)で検討した相違点(相違点1、相違点2)で相違しているといえるところ、いずれの相違点も、甲第1発明から、容易に想到することができたものと認められる。 以上のとおりであるから、本件発明31は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 a32)本件発明32と甲第1号証に記載された発明について 本件発明32は「前記第1のデジタル記録媒体は半導体記憶素子であることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。」であるから、本件発明26の構成に加えてさらに、「前記第1のデジタル記録媒体は半導体記憶素子である」構成を備えたデジタル音声・映像制作システムであるといえる。 本件発明26と共通する構成については、上記a26)で検討したとおりである。 上記本件発明32のさらに付加された構成について検討する。 甲第1発明の副記録手段(本件発明30の第1のデジタル記録手段に相当する。)は、半導体記憶素子であるとの特定はない。 しかし、甲第1発明の副記録手段として、半導体記録素子も想定されることは、甲第1号証の【0011】の「この問題を解決するためにワークカセットとして、光磁気ディスク、ハードディスク、あるいは半導体記憶媒体等のランダムアクセス可能な媒体を用いる仮編集システムが考案されている(特願平03-247559号)。しかしながら光磁気ディスク、ハードディスク等は映像を記録する一般的な媒体であるカセットテープに比べ記録容量が小さく記録時間が短くなるという問題を有していた。」の記載からも明らかである。 してみると、上記甲第1発明の副記録手段に装填される記録媒体として、「半導体記憶素子」は記載されていたに等しい事項であるといえる。 したがって、本件発明32と甲第1発明とは、上記a26)で検討した相違点(相違点1、相違点2)で相違しているといえるところ、いずれの相違点も、甲第1発明から、容易に想到することができたものと認められる。 以上のとおりであるから、本件発明32は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (9-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(9)a)によって、本件特許の請求項26、27、29、31、32に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (10)本件発明28の無効理由についての判断 (10-1)請求人は、本件発明28について、上記[第3]1.1-1(10)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 a28)本件発明28と甲第1号証に記載された発明について 本件発明28は「前記第1の映像編集システムはプログラムされたパーソナルコンピューターの一部を構成することを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。」であるから、本件発明26の構成に加えてさらに、「前記第1の映像編集システムはプログラムされたパーソナルコンピューターの一部を構成する」構成を備えたデジタル音声・映像制作システムであるといえる。 本件発明26と共通する構成については、上記a26)で検討したとおりである。 上記本件発明28のさらに付加された構成について検討する。 甲第1発明の仮編集機(本件発明28の第1の編集システムに対応する構成である。)は「コンピュータと組み合わせ」るものであるが、「プログラムされたパーソナルコンピューターの一部を構成する」ことは、上記a1-2-3)で検討したように、仮編集機としてソフトウェアでプログラムされたパーソナルコンピュータを用いる構成は、周知の技術事項であったことに鑑みると、甲第1発明の「仮編集システムをコンピュータと組み合わせて効率的に仮編集し」との記載は、オフライン式で編集決定リスト(EDLリスト)を作成する仮編集機としてソフトウェアでプログラムされたパーソナルコンピュータを用いることを開示したものと理解するものと認められるので、甲第1発明は、「前記第1の映像編集システムはプログラムされたパーソナルコンピューターの一部を構成する」点で本件発明28と相違がない。 したがって、本件発明28と甲第1発明とは、上記a26)で検討した相違点(相違点1、相違点2)で相違しているといえるところ、いずれの相違点も、甲第1発明から、容易に想到することができたものと認められる。 以上のとおりであるから、本件発明28は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (10-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(10)a)によって、本件特許の請求項28に係る発明についての特許を無効とすべきである。 (11)本件発明30の無効理由についての判断 (11-1)請求人は、本件発明30について、上記[第3]1.1-1(11)の無効理由を主張しているので、この点について検討する。 a30)本件発明30と甲第1号証に記載された発明について 本件発明30は「前記第1のデジタル記録媒体は光ディスクであることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音声・映像制作システム。」であるから、本件発明26の構成に加えてさらに、「前記第1のデジタル記録媒体は光ディスクである」構成を備えたデジタル音声・映像制作システムであるといえる。 本件発明26と共通する構成については、上記a26)で検討したとおりである。 上記本件発明30のさらに付加された構成について検討する。 甲第1発明の副記録手段(本件発明30の第1のデジタル記録手段に相当する。)は、光ディスクであるとの特定はないが、上記甲第1発明の副記録手段に装填される記録媒体として、「光ディスク」は記載されていたに等しい事項であるといえることは、上記(3)a5)で検討したとおりである。 したがって、本件発明30と甲第1発明とは、上記a26)で検討した相違点(相違点1、相違点2)で相違しているといえるところ、いずれの相違点も、甲第1発明から、容易に想到することができたものと認められる。 以上のとおりであるから、本件発明30は甲第1号証に記載された発明に基づき容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当する。 (11-2)まとめ 以上の検討により、請求人の主張する無効理由[第3]1.1-1(11)a)によって、本件特許の請求項30に係る発明についての特許を無効とすべきである。 [第8]むすび 以上のとおりであるから、 特許査定時の特許請求の範囲の請求項1ないし6に係る発明についての特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものであり、当該請求項に係る発明についての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものであり、 特許査定時の特許請求の範囲の請求項7、8、26~32に係る発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、当該請求項に係る発明についての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものであり、 特許査定時の特許請求の範囲の請求項13、24、33に係る発明についての特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであり、当該請求項に係る発明についての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものであり、 特許査定時の特許請求の範囲の請求項22、23に係る発明は、特許法第36条第6項第1号、第2号に違反してなされたものであり、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第64条の規定により、被請求人の負担とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2012-800149

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決76件(パナソニック 株式会社、マルチ―フォーマット インコーポレイテッド)
  • 2022-800069無効審判 / 2024-02-05 / 請求不成立照明装置
    同じ当事者: パナソニック 株式会社
  • 2021-800026無効審判 / 2023-01-10 / 請求不成立LED照明装置
    同じ当事者: パナソニック 株式会社
  • 2021-800027無効審判 / 2023-01-10 / 請求不成立LED照明装置
    同じ当事者: パナソニック 株式会社
  • 2021-800029無効審判 / 2023-01-10 / 請求不成立LED照明装置
    同じ当事者: パナソニック 株式会社
  • 2021-800028無効審判 / 2022-03-15 / 請求不成立LED照明装置
    同じ当事者: パナソニック 株式会社
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,409件(113・H04N、121・H04N、16・H04N ほか)
  • 2024-009904拒絶査定不服審判 / 2025-07-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)ビデオ処理方法、ビデオ処理装置、エンコーダ、デコーダ、媒体、およびコンピュータプ…
    共通の審決分類: 113・H04N、121・H04N、16・H04N、537・H04N
  • 2022-700882異議申立 / 2023-10-12 / 訂正認容画像検査システム、画像検査設定方法、および画像検査設定プログラム
    共通の審決分類: 113・H04N、121・H04N、537・H04N、841・H04N
  • 2022-012323拒絶査定不服審判 / 2022-12-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)ビデオコーディングの方法、ビデオコーディングデバイス、コンピュータ可読記憶媒体お…
    共通の審決分類: 113・H04N、121・H04N、16・H04N、537・H04N
  • 2021-700020異議申立 / 2022-06-30 / 訂正認容情報処理装置、カメラ制御方法、プログラム、カメラ装置、および画像処理システム
    共通の審決分類: 113・H04N、121・H04N、537・H04N、841・H04N
  • 2018-016257拒絶査定不服審判 / 2020-08-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)3Dビデオコーディングにおける視差ベクトル導出および動きベクトル予測の簡略化
    共通の審決分類: 113・H04N、121・H04N、16・H04N、537・H04N

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存