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特許無効審判

2025-800087

風味送達部材を備えた喫煙物品

審判番号
2025-800087
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2023-126089外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7714604
請求日
2025年09月26日
審決日
2026年03月23日
公報発行日
2026年07月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P1123.537-YAA(A24D) / 標準データ:手続:無効 / 標準データ:123・537-YAA (A24D) / 標準データ:確定ステータス:1 維持(出訴無し)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第1項、特許法第134条の2第9項、特許法第134条の2第3項、特許法第36条第6項、特許法第123条第1項第4号、特許法第36条第6項第2号、特許法第123条第1項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)

事件の表示

上記当事者間の特許第7714604号発明「風味送達部材を備えた喫煙物品」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
特許第7714604号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし13〕について訂正することを認める。
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由

目次 ▾ 15項目
理 由

第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨

1 請求の趣旨

特許第7714604号の特許請求の範囲の請求項1に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。

2 答弁の趣旨

本審判の請求は成り立たない。

審判費用は請求人の負担とする。

との審決を求める。

第2 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本件無効審判の請求に係る第7714604号(以下「本件特許」という。)の手続の経緯の概略は、以下のとおりである。

1 本件特許の出願から設定登録までの経緯

本件特許に係る出願は、2014年(平成26年)3月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年3月28日(EP)欧州特許庁)を国際出願日とする特願2016-504703号の一部を順次分割して、令和5年8月2日に新たな特許出願(特願2023-126089号)としたものであって、その手続は、概略以下のとおりである。

令和6年8月7日付け :拒絶理由通知
令和6年11月22日 :意見書提出
令和6年12月24日付け:拒絶理由通知
令和7年6月6日 :意見書、手続補正書の提出
令和7年6月10日付け :特許査定
令和7年7月18日 :設定登録

2 本件無効審判の手続の経緯

本件無効審判における手続の経緯の概略は、以下のとおりである。

令和7年9月26日 :審判請求書の提出
令和7年10月22日 :上申書の提出
令和8年2月2日 :審判事件答弁書、訂正請求書の提出
令和8年2月18日付け:書面審理通知

第3 本件訂正請求について

1 訂正請求の趣旨

令和8年2月2日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の請求は、本件特許の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし13について訂正することを求めるものである。

2 本件訂正の内容

本件訂正は、次の訂正事項からなる。

(1)訂正事項1

本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「約30%」及び「約5. 0~約12.0デニール、約10000~約35000合計デニール」とあるのを、「30%」及び「5. 0~12.0デニール、10000~35000合計デニール」にそれぞれ訂正する。請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~13も同様に訂正する。

3 訂正の適否についての判断

(1)訂正事項1について

ア 訂正の目的

訂正事項1は、「約」との記載を削除することにより、発明の範囲を明確なものとするものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内であること

訂正事項1は、「約」との記載を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではないこと

訂正事項1は、「約」との記載を削除することにより、発明の範囲を明確にするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エ 独立して特許を受けることができること

アのとおり、訂正事項1は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。

オ 一群の請求項であること

訂正前の請求項1ないし13について、請求項2ないし13はそれぞれ請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。

したがって、訂正前の請求項1ないし13に対応する訂正後の請求項1ないし13は、特許法第134条の2第3項に規定する一群の請求項である。

(2)小括

以上によれば、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1ないし13〕について訂正することを認める。

第4 本件発明

本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、訂正後の本件特許の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1の記載は、次のとおりである。なお下線部は訂正箇所を示す。

「【請求項1】
喫煙物品であって、
たばこ基質と、
フィルターと、を備え、
続きを表示(全11行)
前記フィルターが、
フィルター材料を含むフィルターセグメントであって、前記フィルターセグメントがフィルターの長軸方向に直角に測定した断面積を持つ、フィルターセグメントと、
前記フィルターセグメントに埋め込まれ、前記フィルター材料によってすべての側を囲まれた風味送達部材であって、前記風味送達部材が喫煙中に煙の風味付けをするための液体風味剤を封じ込めた構造材料を含み、前記風味送達部材が前記フィルターが外力に晒された時に前記液体風味剤の少なくとも一部分を放出する風味送達部材とを含み、
前記フィルターの前記長軸方向に直角に測定した前記風味送達部材の断面積は、前記フィルターセグメントの断面積の30%以上であり、
また、前記フィルターセグメントの前記フィルター材料は、フィラメント当たり5. 0~12.0デニール、10000~35000合計デニールの繊維を含み、
前記喫煙物品は、前記たばこ基質と前記フィルターを取り付けるチッピング材料をさらに含み、前記チッピング材料が前記チッピング材料を貫通する穿孔を含む換気ゾーンを含み、前記穿孔が前記フィルターの下流端から少なくとも11mmに位置する、
喫煙物品。」

第5 請求人の主張

折りたたみ中(クリックで表示)

上記審判請求書における請求人の主張は以下のとおりである。

特許第7714604号の請求項1の「フィラメント当たり約5. 0~約12.0デニール、約10000~約35000合計デニールの繊維」における「約」という記載により、数値限定の範囲が不明確となっており、特許を受けようとする発明が明確なものではないから、特許法第36条第6項2号の規定(明確性)により特許を受けることができないものであり、特許法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。

第6 被請求人の主張

上記審判事件答弁書における被請求人の主張は以下のとおりである。

訂正請求書により訂正前の請求項1の「約30%」及び「約5. 0~約12.0デニール、約10000~約35000合計デニール」との記載から「約」なる表現を削除し、「30%」及び「5. 0~12.0デニール、10000~35000合計デニール」にしたため、数値範囲に不明な点はなく、訂正後の請求項1に係る発明は明確である。

第7 当審の判断

本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、上限値又は下限値を示す数値から「約」との記載が削除されたことでその数値範囲が明確となり、また他の不明確な事項もないから、その記載は明確であるといえる。

そうすると、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものであり、特許法第123条第1項第4項に該当しない。

第8 むすび

以上であるから、請求人が主張する無効理由は理由がないものであり、本件発明についての特許は、無効とすることはできない。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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2025-800087

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