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特許無効審判

2025-800049

ニコチン含有シート

審判番号
2025-800049
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2022-196099
登録番号
7518145
請求日
2025年06月13日
審決日
2026年03月25日
公報発行日
2026年06月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】Future Technology 株式会社
  • 【被請求人】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
  • 【被請求人代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【被請求人代理人】須田 洋之
  • 【被請求人代理人】山崎 一夫
  • 【被請求人代理人】近藤 直樹
  • 【被請求人代理人】那須 威夫
  • 【被請求人代理人】鈴木 信彦
  • 【被請求人代理人】工藤 嘉晃
  • 【被請求人代理人】岩上 健
審判長/審判官
  • 審判長 水野 治彦
  • 審判官 槙原 進
  • 審判官 山本 崇昭
分類
P1123.121-Y (A24B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第123条第1項第2号、特許法第169条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の特許第7518145号発明「ニコチン含有シート」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨 1 請求の趣旨 特許第7518145号の請求項1に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。 2 答弁の趣旨 本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。 第2 手続の経緯 本件無効審判の請求に係る特許第7518145号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、2017年(平成29年)12月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年12月30日、(EP)欧州特許庁)を国際出願日とする特願2019-531211号の一部を令和4年12月8日に新たな特許出願としたものであり、その後の手続の経緯は概略以下のとおりである。 令和 6年 5月30日付け:特許査定 同年 7月 8日 :設定登録 令和 7年 6月13日 :審判請求書の提出 同年 7月17日 :手続補正書の提出 同年11月 4日 :審判事件答弁書の提出 同年12月17日付け:審理事項通知 令和 8年 1月26日 :口頭審理陳述要領書の提出(請求人) 同年 2月16日 :口頭審理陳述要領書の提出(被請求人) 同年 3月 9日 :口頭審理 第3 本件発明 本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、願書に添付された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「ラッパーによって囲まれたシートを含むエアロゾル発生ロッドであって、前記シートは繊維質材料、一つ以上のニコチン塩および一つ以上の糖アルコールを含み、前記シートは、乾燥質量基準で少なくとも約15重量%の総糖アルコール含有量を持ち、乾燥質量基準で少なくとも約1重量%の総ニコチン塩含有量を持つ、エアロゾル発生ロッド。」 第4 請求人の主張及び証拠方法 請求人は、審判請求書において以下の証拠方法を提出し、審判請求書及び口頭審理陳述要領書を踏まえると、概略、以下の無効理由を主張している。 1 証拠方法 甲第1号証:特開2016-220698号公報(以下「甲1」という。) 甲第2号証:国際公開第2016/050472号(以下「甲2」という。) 甲第3号証:国際公開第2015/183801号(以下「甲3」という。) 2 請求人が主張する無効理由の概要 (1)甲1に記載された発明は、次の構成を備えているといえる。 a.ラッパーによって囲まれた1つ又はそれ以上のエアロゾルフォーマを有する均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むエアロゾル発生ロッドであって、 b.均質化タバコ材料のギャザー付きシートは、 b1.タバコ及び非タバコ繊維を含む d.エアロゾル発生ロッド。 (2)本件発明と甲1に記載された発明を対比すると、以下の点で相違する。 相違点1:本件発明では、シートは「一つ以上のニコチン塩」を含み「乾燥質量基準で少なくとも約1重量%の総ニコチン塩含有量を持」つが、甲1に記載された発明はこれを備えていないこと。 相違点2:本件発明では、シートは「一つ以上の糖アルコールを含み」、「乾燥質量基準で少なくとも約15重量%の総糖アルコール含有量を持」つが、甲1に記載された発明はこれを備えていないこと。 (3)相違点1について、甲2の記載事項には、繊維材料(たばこ繊維)である均質化したたばこ材料にはニコチンが約1.5パーセント~約3.5パーセント含まれることが好ましいことが記載されている。また、甲3の記載事項には無煙タバコ製品にはニコチン塩を少なくとも1重量%含むことが記載されている。 (4)相違点2について、甲3の記載事項には、無煙タバコ製品には砂糖アルコールを少なくとも約50重量%含むことが記載されている。 (5)甲2の記載事項、甲3の記載事項はいずれも喫煙具に関する発明であり、相違点1及び相違点2に対してこれらを同じ技術分野である甲1に記載された発明に適用して出願前に本件発明に想到することは、当業者であれば容易に可能である。 (6)以上のとおり、本件発明は、甲1に記載された発明、甲2の記載事項及び甲3の記載事項に基づいて、その発明の属する技術分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が特許出願前に容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明についての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。 第5 被請求人の主張 被請求人は、審判事件答弁書及び口頭審理陳述要領書を踏まえると、概略、次の主張をしている。 1 甲2には「ニコチン塩」についての開示も示唆も一切なく、甲2の開示内容は相違点1を充足するものではない。 2 甲3において、請求人が指摘している「少なくとも1重量%」というニコチン塩の含有量は、トローチ剤の形態の無煙タバコ製品全体の質量を基準とするものと理解される。よって、甲3は、本件発明が採用する具体的な総ニコチン塩含有量(少なくとも約1重量%)はもちろん、シートの乾燥質量を基準として総ニコチン塩含有量を規定する、という技術思想についてすら、何ら教示するものではない。 3 甲3には、エアロゾル発生ロッドに含まれるシートに関連する記載が一切ない。そして、請求人が指摘している「少なくとも約50重量%」という砂糖アルコールの含有量は、トローチ剤の形態の無煙タバコ製品全体の質量を基準とするものと理解される。 甲3は、本件発明が採用する具体的な総糖アルコール含有量(少なくとも約15重量%)はもちろん、シートの乾燥質量を基準として総糖アルコール含有量を規定する、という技術思想についてすら、何ら教示するものではない。 4 したがって、本件発明は、甲1に記載された発明、甲2の記載事項及び甲3の記載事項から、当業者といえども容易に想到し得るものではない。 第6 当審の判断 1 甲1について (1)甲1の記載 甲1には、次の記載事項及び図示事項がある。なお、下線は、当審において付した。以下同様。 ア 「【0001】 本発明は、均質化タバコ材料のギャザー付きシートを備える喫煙物品用ロッド、このようなロッドを備える喫煙物品、及びこのようなロッドを形成する方法に関する。」 イ 「【0004】 米国特許第4,889,143号には、細断されたシート状再構成タバコ材料からもたらされ、外接する包装材料に閉じ込められる、実質的に長手方向に延びる複数のストランドを有するシガレットロッドが開示されている。シート状再構成タバコ材料のストリップは、複数のストランドに細断され、ロッド状形状に収束されて連続ロッドを形成するために紙ラップーで取り囲まれる。次に、連続ロッドは一定の間隔で切断されて、所望の長さの複数のロッドが形成される。」 ウ 「【0006】 第1に、細断タバコ材料は、不適当にタバコ細粒及び他の廃棄物を生じる。第2に、タバコ材料の細断片を含むロッドは、ロッド端部からタバコ材料の細断片が脱落する「解放端部(loose end)」を呈する。これは、ロッド形成時のタバコ材料の細断片の破損によって悪化する。解放端部は、審美的に望ましくないだけでなく、不都合に製造装置及び喫煙装置の頻繁な清掃を必要とすることに通じる可能性がある。 【0007】 第3に、タバコ材料の細断片を含むロッドは、大きな重さ標準偏差を示し、換言すると、同じ寸法のロッドの重さは一貫性のないものになる傾向がある。これは、1つにはロッドが前述の解放端部を呈する傾向があることに起因する。タバコ材料の細断片を含むロッドの大きな重さ標準偏差は、重さが選択された許容範囲から外れた望ましくない、ロッドの高い不良品発生率につながる。 【0008】 最後に、タバコ材料の細断片を含むロッドは、非均一な密度を呈し、換言すると、ロッド全長に沿った密度は、一貫性がない傾向となる。これは、ロッドに沿った種々の場所でのタバコ材料量のばらつきに起因しており、タバコ材料の量が低減した「空隙」及びタバコ材料のレベルが増大した「パッド」につながる。タバコ材料の細断片を含むロッドの不均一な密度は、ロッドの吸引抵抗(RTD)に悪影響を及ぼす。更に、タバコ材料の細断片を含むロッドの不均一な密度は、空隙がロッド端部に存在する場合に解放端部をもたらす。 【0009】 タバコ材料の細断片を含むロッドが示す大きな重さ標準偏差及び不均一な密度の解放端部は、長さの短いロッドでは特に問題があり望ましくない。長さの短いロッドは、プラグと呼ばれる場合もある。」 エ 「【0011】 タバコ材料の細断片を含むロッドよりも少ない解放端部を呈する、喫煙物品に用いるタバコ材料を含むロッドを提供することが望ましいであろう。 【0012】 別の方法として又は追加的に、タバコ材料の細断片を含むロッドよりも小さい重さ標準偏差を呈する、喫煙物品に用いるタバコ材料を含むロッドを提供することが望ましいであろう。 【0013】 別の方法として又は追加的に、タバコ材料の細断片を含むロッドよりも均一な密度を呈する、喫煙物品に用いるタバコ材料を含むロッドを提供することが望ましいであろう。」 オ 「【0014】 本発明によれば、ラッパーで取り囲まれた1つ又はそれ以上のエアロゾルフォーマを有する均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むロッドであって、均質化タバコ材料シートが、乾燥重量ベースで5%よりも大きいエアロゾルフォーマ含有量を有する、ロッドが提供される。」 カ 「【0066】 特定の実施形態において、本発明に用いる均質化タバコ材料シートは、乾燥重量ベースで少なくとも約40重量%、又は少なくとも50重量%のタバコ含有量を有することができる。別の実施形態において、本発明に用いる均質化タバコ材料シートは、乾燥重量ベースで約70重量%又はそれ以上のタバコ含有量を有することができる。本発明によるロッドが加熱式喫煙物品のエアロゾル発生基体として用いることが意図される場合、タバコ含有量が大きな均質化タバコ材料シートを用いると、好都合には、タバコ香味が強化されたエアロゾルが発生する。 【0067】 本発明に用いる均質化タバコ材料シートは、タバコ内生結合剤である1つ又はそれ以上の固有結合剤、タバコ外生結合剤である1つ又はそれ以上の外来結合剤、又はそれらの組み合わせを含むことができ、粒子状タバコの凝集を助けるようになっている。別の方法として又は追加的に、本発明に用いる均質化タバコ材料シートは、限定されるものではないが、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾルフォーマ、湿潤剤、可塑剤、香味物質、充填剤、水性又は非水性溶剤、及びこれらの組み合わせを含む他の添加物を含むことができる。」 キ 「【0069】 本発明に用いる均質化タバコ材料シートに含有するのに適切な非タバコ繊維は従来から公知であり、限定されるものではないが、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維、及びこれらの組み合わせを含む。本発明に用いる均質化タバコ材料シートに含有する前に、非タバコ繊維は、限定されるものではないが、機械的パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、及びこれらの組み合わせを含む従来公知の適切な処理を施すことができる。」 ク 「【0072】 本発明に用いる均質化タバコ材料シートに含有する適切なエアロゾルフォーマ及び湿潤剤は従来から公知であり、限定されるものではないが、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、及びグリセリン等の多価アルコール、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテート等の多価アルコールエステル、及びドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチル等のモノカルボン酸、ジカルボン酸、又はポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。 【0073】 特定の好ましい実施形態において、1つ又はそれ以上のエアロゾルフォーマを含む本発明に用いる均質化タバコ材料シートは、乾燥重量ベースで5%よりも大きなエアロゾルフォーマ含有量を有する。 他の好ましい実施形態において、1つ又はそれ以上のエアロゾルフォーマを含む本発明に用いる均質化タバコ材料シートは、乾燥重量ベースで約5重量%から約30重量%のエアロゾルフォーマ含有量を有する。」 ケ 「【0108】 図1に示す装置は、全体的には、均質化タバコ材料の連続シートを供給するための供給手段と、均質化タバコ材料の連続シートをけん縮するためのけん縮手段と、連続均質化タバコ材料のけん縮シートにギャザーを付けて、ギャザー付き連続均質化タバコ材料のけん縮シートをラッパーで取り囲んで連続ロッドを形成するためのロッド形成手段と、連続ロッドを複数の個別のロッドに断ち切るための切断手段とを備える。また、本装置は、均質化タバコ材料の連続シートを供給手段からけん縮手段を経由してロッド形成手段まで、装置を通って下流に搬送するための搬送手段を備える。 【0109】 図1に示すように、供給手段は、ボビン4及び一対の回転式けん縮ローラ6を備えるけん縮手段に取り付けられた均質化タバコ材料の連続シート2を備える。使用時、均質化タバコ材料の連続シート2は、ボビン4から引き出され、一連の案内ローラ及び張力ローラを経由して搬送機構によって下流の一対のけん縮ローラ6へ搬送される。均質化タバコ材料の連続シート2は一対のけん縮ローラ6の間に供給され、けん縮ローラは、均質化タバコ材料の連続シート2にかみ合ってけん縮して、複数の離間した均質化タバコ材料シートの装置を通る長手方向軸に実質的に平行なリッジ又はコルゲーションを有する連続した均質化タバコ材料のけん縮シート8を形成する。 【0110】 連続した均質化タバコ材料のけん縮シート8は、搬送機構によって、一対のけん縮ローラ6から下流側のロッド形成手段に搬送され、ここでは収束ファンネル又はホーン10を経由して供給される。収束ファンネル10は、均質化タバコ材料の連続シートを長手方向軸に対して横方向にギャザー付けする。連続した均質化タバコ材料のけん縮シート8は、収束ファンネル10を通ると実質的に円筒形状になると想定される。 【0111】 収束ファンネル10が存在すると、ギャザー付きの連続した均質化タバコ材料のけん縮シートは包装材料12の連続シートが巻き付けられる。包装材料の連続シートはボビン14から供給され、無端ベルトコンベヤ又は装備品によって、ギャザー付きの連続した均質化タバコ材料のけん縮シートの周りを包む。図1に示すように、ロッド形成手段は、包装材料の連続シートの長手方向端部の一方に接着剤を塗布する接着剤塗布手段16を含むので、包装材料の連続シートの反対側の長手方向端部が接触すると相互に付着して連続ロッドを形成するようになっている。 【0112】 更に、ロッド形成手段は、接着剤塗布手段の下流に乾燥手段18を備え、該乾燥手段は、使用時にロッド形成手段から切断手段へ下流に搬送される際に連続ロッドの継ぎ目に塗布された接着剤を乾燥させるようになっている。 【0113】 切断手段は、連続ロッドを単位長さ又は倍数の単位長さの複数の別個のロッドに断ち切る回転カッター20を備える。 【0114】 更に、図1に示す装置は、けん縮手段とロッド形成手段との間に配置され、収束ファンネル10によって長手方向軸に対して横方向にギャザー付けされる前に、例えば香味物質等の固体又は液体添加物を連続した均質化タバコ材料のけん縮シート8に付加するための添加物付加手段24を備える。」 コ 「【図1】 [図:0001436113000001.jpg] 」 (2)甲1発明 上記(1)から、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。 [甲1発明] 「ラッパーで取り囲まれた1つ又はそれ以上のエアロゾルフォーマを有する均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むロッドであって、前記均質化タバコ材料のギャザー付きシートは非タバコ繊維を含み、乾燥重量ベースで5%よりも大きなエアロゾルフォーマ含有量を有し、乾燥重量ベースで少なくとも約40重量%のタバコ含有量を有する、ロッド。」 2 甲2について (1)甲2の記載 甲2には、次の記載事項、図示事項がある。訳文は、甲第2号証訳文(特表2017-530704号公報)による。 ア 「This invention relates to a homogenized tobacco material and to a method for producing a homogenized tobacco material. In particular, the invention relates to a process for producing homogenized tobacco material for use in an aerosol-generating article such as, for example, a cigarette or a "heat- not-burn" type tobacco containing product.」(1頁3~7行) [訳] 「本発明は、均質化したたばこ材料、および均質化したたばこ材料を製造するための方法に関する。 特に、本発明は、例えば、タバコまたは「不燃性(heat-not-burn)」タイプのタバコ含有製品のようなエアゾール発生物品で使用するための均質化されたタバコ材料を製造するための方法に関する。」(段落【0001】~【0002】) イ 「In a "heat-not-burn" aerosol-generating article, an aerosol-forming substrate is heated to a relatively low temperature, in order to form an aerosol but prevent combustion of the tobacco material. Further, the tobacco present in the homogenized tobacco material is typically the only tobacco, or includes the majority of the tobacco, present in the homogenized tobacco material of such a "heat-not burn" aerosol-generating article. This means that the aerosol composition that is generated by such a "heat-not burn" aerosol- generating article is substantially only based on the homogenized tobacco material. Therefore it is important to have good control over the composition of the homogenized tobacco material, for the control for example, of the taste of the aerosol. The use of tobacco l dust or leftovers from other tobacco productions for the production of homogenized tobacco material for aerosol-generating article is therefore less suitable because the exact composition of the tobacco dust is not known. There is therefore a need for a homogenized tobacco material and of a new method of preparing the homogenized tobacco material for the use in a heated aerosol-generating articles of the "heat-not-burn" type that is adapted to the different heating characteristics and aerosol forming needs of such a heated aerosol-generating article. According to a first aspect, the invention relates to a method to produce homogenized tobacco material for use in a heat-not-burn aerosol-generating article, said method comprising the steps of blending graded tobacco types so as to form the tobacco blend, grinding said tobacco blend into a blended tobacco powder, forming a slurry comprising the blended tobacco powder, and forming a web of homogenous tobacco web from the slurry. According to the invention, the method further comprises the step of selecting a first target value for a first tobacco characteristic and a second target value for a second tobacco characteristic. The first tobacco characteristic is reducing sugars and the first target value is comprised between about 8 percent and about 18 percent in dry weight basis of a total amount of tobacco present within the homogenized tobacco material. The second target value is one of total ammonia and total alkaloids. The blending step is performed so that these first and second target values are obtained in the blend within a predetermined tolerance range.」(1頁26行~2頁20行) [訳] 「「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成するがたばこ材料の燃焼は防止するために、比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこ材料中に存在するたばこは、一般にたばこのみであるか、または大部分がこのような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこ材料中に存在するたばこを含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成が実質的に均質化したたばこ材料のみに基づくことを意味する。従って、例えば、エアロゾルの味わいの制御のためには、均質化したたばこ材料の組成にわたる良好な制御を有することが重要である。従って、エアロゾル発生物品用の均質化したたばこ材料の製造のためにたばこダストまたは他のたばこ製造からの残り物を使用することは、たばこダストの厳密な組成が未知のためあまり適切ではない。 従って、このような加熱式エアロゾル発生物品の異なる加熱特性およびエアロゾル形成の必要性に適合された、「燃やさない加熱式」の加熱式エアロゾル発生物品での使用のための均質化したたばこ材料、および均質化したたばこ材料を調製するための新しい方法に対する必要性がある。 【課題を解決するための手段】 第一の態様によると、本発明は、燃やさない加熱式エアロゾル発生物品での使用のための均質化したたばこ材料を製造する方法に関し、前記方法は、たばこブレンドを形成するために等級分けしたたばこタイプをブレンドする工程と、前記たばこブレンドをブレンドしたたばこ粉末へと粉砕する工程と、ブレンドしたたばこ粉末を含むスラリーを形成する工程と、スラリーから均質なたばこウェブのウェブを形成する工程と、を含む。本発明によると、この方法は、第一のたばこの特徴に対する第一の標的値、および第二のたばこの特徴に対する第二の標的値を選択する工程をさらに含む。第一のたばこの特徴は還元糖であり、かつ第一の標的値は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料中に存在するたばこの合計量の約8パーセント~約18パーセントから成る。第二の標的値は、合計アンモニアおよび合計アルカロイドのうちの1つである。ブレンドする工程は、これらの第一の標的値および第二の標的値がブレンド中に所定の許容差範囲内で得られるように実施される。」(段落【0005】~【0007】) ウ 「According to the invention, different grades within the same tobacco type may be cross-blended to reduce the variability of each blend component. According to the invention, the different tobacco grades are selected in order to realize a desired blend having specific predetermined characteristics. For example, the blend may have a target value of the reducing sugars, total ammonia and total alkaloids per dry weight base of the homogenized tobacco material. Total alkaloids are for example nicotine and the minor alkaloids including nornicotine, anatabine, anabasine and myosmine.」(5頁27~33行) [訳] 「本発明によると、同一のたばこタイプ内での異なる等級は、各ブレンド構成成分のばらつきを低減するためにクロスブレンドされてもよい。本発明によると、特異的な所定の特徴を有する望ましいブレンドを実現するために異なるたばこ等級が選択される。例えば、ブレンドは、乾燥質量基準の均質化したたばこ材料あたりの還元糖、合計アンモニア、および合計アルカロイドの標的値を有してもよい。合計アルカロイドは、例えば、ニコチン、ならびにノルニコチン、アナタビン、アナバシン、およびミオスミンを含む少量アルカロイドである。」(段落【0023】) エ 「A first predetermined tobacco characteristic is the amount of reducing sugars. Reducing sugars may be an indicator for the level of different other compounds in the tobacco such as amino acids. As specific amino-acids may influence the level of certain aerosol constituent, the reduced sugar may be an indirect indicator of certain aerosol constituent. A very high content of reducing sugars in tobacco may be undesirable as it imparts to the aerosol an acidic character. Reducing sugars may increase moisture content in an aerosol and so act as an emollient. The ratio of sugar to alkaloids can be an indicator of a balance of opposing effects and thus serve as a good aerosol quality indicator. A high ratio may tend to indicate mildness and smoothness while a very low ratio may be indicative of a harsh aerosol. If the ratio is too high, it may indicate that the tobacco is considered too mild. A high sugar content combined with a moderate alkaloid content is particularly preferred feature in an aerosol of an aerosol-generating article. A target value for reducing sugars is between about 8 percent and about 18 percent in dry weight basis of the total amount of tobacco present within the homogenized tobacco material. It has been found that this selected target value of the amount of reducing sugars gives a pleasant aroma to the aerosol. Further, it has been found that this selected target value of the amount of reducing sugars enhances the plasticity of the homogenized tobacco material during processing.」(6頁32行~7頁13行) [訳] 「第一の所定のたばこの特徴は還元糖の量である。還元糖は、たばこの中の異なる他の化合物(アミノ酸など)のレベルに対する指標であってもよい。特定のアミノ酸はある一定のエアロゾル成分のレベルに影響する場合があるため、還元された糖はある一定のエアロゾル成分の間接的な指標である場合がある。たばこの中の還元糖の含有量が非常に高いと、エアロゾルに酸性を付与するため望ましくない場合がある。還元糖はエアロゾルの中の含水量を増加する場合があるので、軟化剤として作用する場合がある。アルカロイドに対する糖の比を、逆の効果のバランスの指標とすることができ、それゆえ良好なエアロゾル品質の指標として機能する。高い比はマイルドさおよび滑らかさを示す傾向があるが、一方で非常に低い比は強過ぎて不快なエアロゾルを示す場合がある。この比が高すぎる場合、たばこがマイルドすぎると考えられることを示す場合がある。適度なアルカロイド含有量と組み合わされた高い糖含有量は、エアロゾル発生物品のエアロゾル中の特に好ましい特徴である。還元糖に対する標的値は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の中に存在するたばこの合計量の約8パーセント~約18パーセントである。還元糖の量のこの選択された標的値はエアロゾルに心地良い芳香を与えることが分かっている。さらに、還元糖量のこの選択された標的値が処理中に均質化したたばこ材料の可塑性を高めることが分かっている。」(段落【0027】) オ 「The total ammonia may be, to some extent, an indicator of the total ammonia in the aerosol. Advantageously, said second tobacco characteristic is total alkaloids and said second target value is comprised between about 0.5 percent and about 3.8 percent in dry weight basis of the total amount of tobacco present within the homogenized tobacco material. Preferably, the total alkaloid target value is comprised between about 1 .5 percent and about 3.5 percent in dry weight basis of the total amount of tobacco present within the homogenized tobacco material. Nicotine is an alkaloid, thus controlling the amount of total alkaloids in turn may control the amount of nicotine in the homogenized tobacco material. Preferably, said second tobacco characteristic is total ammonia and said second target value is below about 0.2 percent in dry weight basis of the total amount of tobacco present within the homogenized tobacco material. Preferably, the total ammonia content is kept as low as possible. The control of total ammonia in the blend is linked, so some extent, to the control of the chemistry composition of the aerosol delivered when the homogenized tobacco material is in use in an aerosol-generating article. In this way the nicotine delivery in the aerosol is, to some extent, predictable and reproducible.」(8頁4~18行) [訳] 「合計アンモニアは、エアロゾルの中の合計アンモニアのある程度の指標でありうる。有利なことに、第二のたばこの特徴は合計アルカロイドであり、そして前記第二の標的値は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の中に存在するたばこの合計量の約0.5パーセント~約3.8パーセントから成る。合計アルカロイド標的値は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の中に存在するたばこの合計量の約1.5パーセント~約3.5パーセントから成ることが好ましい。ニコチンはアルカロイドであり、それゆえ合計アルカロイド量を制御することは、その結果均質化したたばこ材料の中のニコチン量を制御する場合がある。前記第二のたばこの特徴は合計アンモニアであり、かつ前記第二の標的値は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の中に存在するたばこの合計量の約0.2パーセント未満であることが好ましい。合計アンモニア含有量を可能な限り低い保つことが好ましい。ブレンドの中の合計アンモニアの制御は、エアロゾル発生物品の中の均質化したたばこ材料が使用される時に送達される、エアロゾルの化学組成の制御にある程度リンクしている。このようにして、エアロゾルの中のニコチン送達は、ある程度予測可能かつ再現可能である。」(段落【0031】) カ 「Preferably, the predetermined tolerance range for the first or second target value of the first or second tobacco characteristic is plus or minus 10 percent the selected first or second target value, respectively. For example, where a target value of "x-RD" has been selected in the range of about 8 percent and about 18 percent of dry weight basis of the total amount of tobacco for the reducing sugars, preferably, the blending of the different tobaccos is so precise such that the actual content of the total reduced sugars in the blend is plus or minus 10 percent of "x-RD", within the range of about 8 percent and about 18 percent of dry base weight of the total amount of tobacco. For example, where "x-RD" is about 10 percent, the tolerance range is between about 9 and about 1 1 percent. More preferably, the range is of about plus or minus 5 percent and even more preferably of about plus or minus 2 percent the target value. Advantageously, the narrower the range is, the higher is the influence on the parameters of the process and, to some extent, on the delivery of the aerosol.」(9頁9~20行) [訳] 「第一のたばこの特徴または第二のたばこの特徴の第一の標的値または第二の標的値に対する所定の許容差範囲は、選択されたそれぞれ第一の標的値または第二の標的値プラスまたはマイナス10パーセントであることが好ましい。例えば、還元糖に対する標的値「x-RD」が、たばこの合計量の乾燥質量基準で約8パーセント~約18パーセントの範囲内で選択される場合、ブレンドの中の実際の合計の還元した糖の含有量が「x-RD」のプラスまたはマイナス10パーセントであり、たばこの合計量の乾燥基準重量の約8パーセント~約18パーセントの範囲内となるように、異なるたばこのブレンドが大変精密であることが好ましい。例えば、「x-RD」が約10パーセントである場合、許容差範囲は約9~約11パーセントである。この範囲は標的値のプラスまたはマイナス約5パーセントであることがより好ましく、またプラスまたはマイナス約2パーセントであることがなおより好ましい。有利なことに、範囲がより狭いほどプロセスのパラメータへの影響はより大きく、またエアロゾルの送達への影響がある程度より大きい。」(段落【0036】) キ 「In a preferred embodiment, the homogenized tobacco material comprises cellulose fibers in an amount between about 1 percent and about 3 percent in dry weight basis of the homogenized tobacco material. A cellulose pulp includes water and cellulose fibres. Cellulose fibres for including in a slurry for homogenized tobacco material are known in the art and include, but are not limited to: soft-wood fibres, hard wood fibres, jute fibres, flax fibres, hemp fibres, tobacco fibres and combination thereof. In addition to pulping, the cellulose fibres might be subjected to suitable processes such as refining, mechanical pulping, chemical pulping, bleaching, sulphate pulping and combination thereof.」(11頁33~12頁6行) [訳] 「好ましい実施形態では、均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の約1パーセント~約3パーセントの量のセルロース繊維を含む。セルロースパルプは、水およびセルロース繊維を含む。均質化したたばこ材料のスラリーに含むためのセルロース繊維は当業界において周知であり、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、大麻繊維、たばこ繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。パルプ化に加えて、セルロース繊維は、精製、機械的パルプ化、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどの適切なプロセスを受ける場合がある。」(段落【0046】) ク 「The analysis or retrieval of the value of these characteristics is performed for every grade within each tobacco type. For example, the flue-cured tobacco may include a type or grade having a reducing sugars content equal to about 22 percent in dry weight basis and an Ontario flue-cured tobacco having a reducing sugars content of about 18 percent in dry weight basis. The graded tobacco types are used in a tobacco blend 9 formed in a further step of the method of the invention. For the blend, a plurality of target values of tobacco characteristics is set. A target value for the reduced sugar within a range of about 8 percent and about 18 percent in dry weight basis of the total amount of tobacco is selected. Further, preferably a target value for the total ammonia below about 0.2 percent in dry weight basis of the total amount of tobacco is selected. Preferably, also a target value for the total alkaloids comprised between about 1 .5 percent and about 3.5 percent in dry weight basis of the total amount of tobacco is selected. Reduced sugar, total alkaloids and total ammonia can be measured directly in the tobacco leaves, so that the percentage of the various types of tobacco to be present in the tobacco blend 9 can be chosen in order to obtain the selected target values.」(15頁10~24行) [訳] 「各たばこタイプの中の各等級に対するこれらの特徴の分析または値の読み出しが実施される。例えば、熱風送管乾燥処理たばこは、乾燥質量基準で約22パーセントと等しい還元糖含有量を有する種類または等級、および乾燥質量基準で約18パーセントの還元糖含有量を有するオンタリオ熱風送管乾燥処理たばこを含んでもよい。等級分けしたたばこタイプは、本発明の方法のさらなる工程で形成されるたばこブレンド9で使用される。ブレンドに対して、たばこの特徴の複数の標的値が設定される。還元した糖に対して、乾燥質量基準でたばこの合計量の約8パーセント~約18パーセントの範囲内の標的値が選択される。さらに、合計アンモニアに対して、乾燥質量基準でたばこの合計量の約0.2パーセント未満の標的値が選択されることが好ましい。合計アルカロイドに対して、乾燥質量基準でたばこの合計量の約1.5パーセント~約3.5パーセントから成る標的値が選択されることも好ましい。還元した糖、合計アルカロイド、および合計アンモニアをたばこ葉で直接的に測定することができ、これによって、選択された標的値を得るためにたばこブレンド9の中に存在する様々な種類のたばこの割合を選ぶことができる。」(段落【0064】) ケ 「As shown in figure 5, the blend is so prepared that the target values for the reducing sugars 10 and at least for one of the target values for total alkaloids 1 1 and total ammonia 12 are met. Preferably all three target values are selected, so that the resulting blend has a value of reduced sugar, of total ammonia and total alkaloids at about the selected target values. The first, second and third target values are obtained in the process of the invention within a predetermined tolerance range, said predetermined tolerance range being preferably plus or minus 10 percent the first, second, and third target values, resepctively.」(17頁18~24行) [訳] 「図5に示すように、ブレンドは還元糖10に対する標的値、ならびに少なくとも合計アルカロイド11および合計アンモニア12に対する標的値のうちの1つに適合するように調製される。結果として得られたブレンドが、還元した糖、合計アンモニア、および合計アルカロイドの値がおよそ選択された標的値を有するように、3つの標的値全てが選択されることが好ましい。所定の許容差範囲内の第一の標的値、第二の標的値、および第三の標的値が本発明のプロセスで得られ、前記所定の許容差範囲は、それぞれ第一の標的値、第二の標的値、および第三の標的値プラスまたはマイナス10パーセントであることが好ましい。」(段落【0077】) (2)甲2の技術事項 上記(1)から、甲2には、次の技術的事項(以下「甲2の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 「燃やさない加熱式エアロゾル発生物品での使用のためのたばこ繊維を含む均質化したたばこ材料を製造する方法において、たばこブレンドを形成するために等級分けしたたばこタイプをブレンドする工程を含み、ブレンドは、乾燥質量基準の均質化したたばこ材料あたりの還元糖、合計アンモニア、および合計アルカロイドの標的値を有し、合計アルカロイドは、ニコチン、ならびにノルニコチン、アナタビン、アナバシン、およびミオスミンを含む少量アルカロイドであり、還元糖に対する標的値は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の中に存在するたばこの合計量の約8パーセント~約18パーセントであり、合計アルカロイド標的値は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の中に存在するたばこの合計量の約1.5パーセント~約3.5パーセントから成ること。」 3 甲3について (1)甲3の記載 甲3には、次の記載事項、図示事項がある。訳文は、甲第3号証訳文(特表2017-523133号公報)による。 ア 「The present invention relates to various salts, co-crystals, and salt co-crystals of nicotine and to compositions and products (e.g., tobacco products) into which such salts, co-crystals, and salt co-crystals can be incorporated.」(1頁2~4行) [訳] 「本発明は、ニコチンの様々な塩、共結晶、及び塩共結晶、ならびにそのような塩、共結晶、及び塩共結晶が組み込まれ得る組成物及び製品(例えば、タバコ製品)に関する。」(段落【0001】) イ 「Certain of these types of smoking articles, smokeless tobacco products, and electronic smoking articles comprise a tobacco extract, which in some products may be purified such that the extract is comprised primarily of nicotine. However, tobacco extracts comprising a high percentage of nicotine (including extracts comprising at least about 90%, at least about 95%, and at least about 99% nicotine by weight) are typically in oil form. As such, nicotine extracts can be difficult to handle and incorporate into certain tobacco products. It would be desirable to provide such nicotine-based extracts in a form that is amenable to incorporation in tobacco products. It would further be desirable to incorporate such extracts into an enjoyable form of a tobacco product and to provide processes for preparing such forms of nicotine- based extracts as well as for preparing various types of compositions and products incorporating such forms of nicotine-based extracts.」(2頁25行~3頁2行 行) [訳] 「これらの喫煙物品、無煙タバコ製品、及び電子喫煙物品のうちのある特定の種類は、タバコ抽出物を含み、このタバコ抽出物は、いくつかの製品において、その抽出物が主にニコチンで構成されるように精製され得る。しかしながら、高い割合のニコチンを含むタバコ抽出物(少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、及び少なくとも約99重量%のニコチンを含む抽出物を含む)は、典型的に油形態である。そのようなものとして、ニコチン抽出物は、取り扱うこと、及びある特定のタバコ製品に組み込むことが困難であり得る。 タバコ製品に組み込み易い形態のそのようなニコチン系抽出物を提供することが望ましい。そのような抽出物を満喫できる形態のタバコ製品に組み込むこと、及びそのような形態のニコチン系抽出物を調製するプロセスならびにそのような形態のニコチン系抽出物を組み込む様々な種類の組成物及び製品を調製するためのプロセスを提供することがさらに望ましい。」(段落【0006】~【0007】) ウ 「The present invention provides various forms of nicotine that can be applicable to a wide range of products, including tobacco products. Particularly, the present application describes nicotine salts, co-crystals, and salt co-crystals and the preparation of such nicotine salts, co-crystals, and salt co-crystals. It also describes the incorporation of such nicotine salts, co-crystals, and/or salt co-crystals into various products including tobacco products (e.g. , smoking articles, smokeless tobacco products, and electronic smoking articles) and pharmaceutical products.」(3頁5~10行) [訳] 「本発明は、タバコ製品を含む広範囲の製品に適用可能であり得る様々な形態のニコチンを提供する。特に、本出願は、ニコチン塩、共結晶、及び塩共結晶、ならびにそのようなニコチン塩、共結晶、及び塩共結晶の調製を説明する。そのようなニコチン塩、共結晶、及び/または塩共結晶の、タバコ製品(例えば、喫煙物品、無煙タバコ製品、及び電子喫煙物品)ならびに医薬製品を含む様々な製品への組み込みも説明する。」(段落【0010】) エ 「The present invention relates to nicotine salts, co-crystals, and salt co-crystals and methods of preparation thereof. It also relates to products (including tobacco products and pharmaceutical products) that comprise one or more nicotine salts, co-crystals, and/or salt co-crystals. In certain embodiments, nicotine provided in one or more such forms can advantageously be isolated in a physical form that is an improvement over neat nicotine, which is a hygroscopic, oily liquid. For example, in certain embodiments, nicotine salts, co-crystals, and/or salt co-crystals as described herein can be in an easier to handle form than neat nicotine (e.g. , a solid or semi-solid form), can be provided in a higher purity form than neat nicotine, and/or can exhibit greater thermodynamic, physical, and/or chemical stability (e.g. , a higher resistance to oxidation, reduced risk of hydrate formation, and/or a longer shelf life) than neat nicotine. In some embodiments, nicotine salts, co- crystals, and/or salt co-crystals can provide increased stability in the presence of relevant excipients in the product into which the salt, co-crystal, and/or salt co-crystal will be incorporated, as compared to neat nicotine. In some embodiments, nicotine salts, co-crystals, and salt co-crystals can exhibit a significant degree of water-solubility, rendering them applicable for incorporation within a wide range of compositions and products. Nicotine itself can be isolated and/or treated such that it is in one of two enantiomeric forms or it may be provided in racemic form. Nicotine is naturally occurring in levorotatory, (L)-nicotine form (also known as (-)-nicotine or S-nicotine). In the salts, co-crystals, and salt co-crystals provided herein, the nicotine is generally in the form of (L)-nicotine, although this disclosure is not intended to preclude the preparation and application of dextrorotatory ((D)-nicotine) salts, co- crystals, and salt co-crystals or racemic forms of nicotine in the disclosed salts, co-crystals, and salt co-crystals. Accordingly, nicotine salts, co-crystals, and salt co-crystals can be in an enantiomerically highly pure form (i.e. , (L)- or (D)- form) or in racemic form as described herein. A "nicotine salt" is a form of nicotine characterized by the interaction between nicotine in ionic form and a coformer in ionic form (e.g., an acid) via the transfer of one or more protons from the coformer donor to the nicotine acceptor. The structure of nicotine is such that it comprises two nitrogen atoms that are capable of accepting protons from a coformer and, accordingly, it can be present in non-protonated, mono-protonated, and/or di-protonated form in a given sample.」(10頁15行~11頁8行) [訳] 「本発明は、ニコチン塩、共結晶、及び塩共結晶、ならびにそれらの調製方法に関する。また、1つ以上のニコチン塩、共結晶、及び/または塩共結晶を含む製品(タバコ製品及び医薬製品を含む)にも関する。ある特定の実施形態において、1つ以上のそのような形態で提供されるニコチンは、有利に、純ニコチンを超える改良である物理形態で単離され得、それは吸湿性油性液体である。例えば、ある特定の実施形態において、本明細書に記載されるニコチン塩、共結晶、及び/または塩共結晶は、純ニコチン(例えば、固体または半固体形態)より扱い易い形態であり得、純ニコチンより高純度の形態で提供され得、ならびに/あるいは純ニコチンより優れた熱動的、物理的、及び/または化学的安定性(例えば、より高い抗酸化性、低減した水和物形成の危険性、及び/もしくはより長い貯蔵寿命)を呈し得る。いくつかの実施形態において、ニコチン塩、共結晶、及び/または塩共結晶は、純ニコチンと比較して、塩、共結晶、及び/または塩共結晶が組み込まれる製品中の関連賦形剤の存在下で増加した安定性を提供し得る。いくつかの実施形態において、ニコチン塩、共結晶、及び塩共結晶は、著しい程度の水溶性を呈することができ、それらを広範囲の組成物及び製品内の組み込みに適用可能にする。 ニコチン自体は、それが2つの鏡像異性体形態のうちの1つであるか、またはラセミ形態で提供され得るように単離及び/もしくは処理され得る。ニコチンは、天然に存在する左旋性の(L)-ニコチン形態である((-)-ニコチンまたはS-ニコチンとしても知られる)。本明細書に提供される塩、共結晶、及び塩共結晶において、ニコチンは、一般に(L)-ニコチンの形態であるが、本開示は、右旋性((D)-ニコチン)塩、共結晶、及び塩共結晶、または開示される塩、共結晶、及び塩共結晶中のラセミ形態のニコチンの調製及び適用を排除することは意図されない。したがって、ニコチン塩、共結晶、及び塩共結晶は、鏡像異性体的に高純度形態(すなわち、(L)-もしくは(D)-形態)または本明細書に記載されるラセミ形態であり得る。 「ニコチン塩」は、1つ以上のプロトンの、共形成剤ドナーからニコチンアクセプターへの移動を介した、イオン形態のニコチンとイオン形態の共形成剤(例えば、酸)との間の相互作用によって特徴付けられる、ニコチンの形態である。ニコチンの構造は、それが、共形成剤からプロトンを受容することができる2つの窒素原子を含むようなものであり、したがって、それが所与の試料中に非プロトン化、モノプロトン化、及び/またはジプロトン化形態で存在し得る。」(段落【0042】~【0044】) オ 「A "nicotine co-crystal" is a form of nicotine comprising nicotine and at least one other component ("coformer"), both in neutral form. Co-crystals are typically characterized by a crystalline structure, which is generally held together by freely reversible, non-covalent interactions. Co-crystals are typically made up of nicotine and at least one other component in a defined stoichiometric ratio. In some embodiments, co-crystals can encompass hydrates, solvates, and clathrates. Co-crystals can comprise nicotine in combination with an organic and/or an inorganic component. Co-crystals can generally be distinguished from salts by the absence of a proton transfer between the components (i.e., the nicotine and the one or more coformers) in a co- crystal. According to the U.S. Food and Drug Administration's Guidance for Industry (April 2013), a co-crystal is defined as a solid that is a crystalline material composed of two or more molecules in the same crystal lattice, where the components are in a neutral state and interact via nonionic interactions. See U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Guidance for Industry: Regulatory Classification of Pharmaceutical Co-Crystals (April 2013), which is incorporated herein by reference. A "nicotine salt co-crystal" is a type of hybrid structure with both salt and co-crystal characteristics. Typically, a nicotine molecule within a salt co-crystal is associated with at least two coformers (which may be the same or different), wherein one coformer is in ionic form (e.g., an acid) and transfers a proton to the nicotine molecule and wherein a second coformer does not transfer a proton to the nicotine molecule. The stoichiometry of the salts, co-crystals, and salt co-crystals described herein can vary. For example, in certain embodiments, where two components (i.e., nicotine and one coformer) are present, the nicotine: coformer stoichiometry can range in certain embodiments from about 5:1 to about 1 :5 nicotine: coformer. Where more than one coformer is used to form a nicotine salt, co- crystal, or salt co-crystal, the ratios of the coformers with respect to both the nicotine and to one another can also vary. In preferable embodiments, a given sample of the salts, co-crystals, and salt co-crystals provided according to the present disclosure exhibit substantially one single stoichiometry.」(11頁28行~12頁20行) [訳] 「「ニコチン共結晶」は、ニコチン及び少なくとも1つの他の成分(「共形成剤」)を、いずれも中性形態で含む、ニコチンの形態である。共結晶は、典型的に、結晶構造によって特徴付けられ、一般に反転自在の非共有結合相互作用によって一緒に保持される。共結晶は、典型的に、定義された化学量論比のニコチン及び少なくとも1つの他の成分で形成される。いくつかの実施形態において、共結晶は、水和物、溶媒和物、及び包接物を包含し得る。共結晶は、有機及び/または無機成分との組み合わせでニコチンを含み得る。共結晶は、一般に、共結晶中の成分間(すなわち、ニコチンと1つ以上の共形成剤)のプロトン移動の不在によって塩から区別され得る。米国食品医薬品局の業界向けガイダンス(2013年4月)に従って、共結晶は、同じ結晶格子中の2つ以上の分子で構成される結晶材料である固体として定義され、成分は中性状態であり、非イオン性相互作用を介して相互作用する。参照により本明細書に組み込まれる、米国保健福祉省、食品医薬品局の業界向けガイダンス、Regulatory Classification of Pharmaceutical Co-Crystals(2013年4月)を参照されたい。 「ニコチン塩共結晶」は、塩及び共結晶特徴の両方を有するハイブリッド構造の一種である。典型的に、塩共結晶内のニコチン分子は、少なくとも2つの共形成剤(同じか、または異なり得る)と関連付けられ、1つの共形成剤が、イオン形態(例えば、酸)であり、プロトンをニコチン分子に移動させ、第2の共形成剤が、プロトンをニコチン分子に移動させない。 本明細書に記載される塩、共結晶、及び塩共結晶は異なり得る。例えば、2つの成分(すなわち、ニコチン及び1つの共形成剤)が存在するある特定の実施形態において、ニコチン:共形成剤の化学量論は、ある特定の実施形態において、約5:1~約1:5のニコチン:共形成剤の範囲であり得る。複数の共形成剤を使用してニコチン塩、共結晶、または塩共結晶を形成する場合、ニコチン及び互いに対する共形成剤の比率はいずれも異なり得る。好ましい実施形態において、本開示に従って提供される塩、共結晶、及び塩共結晶の所与の試料は、実質的に1つの単一化学量論を呈する。」(段落【0046】~【0048】) カ 「One representative type of smokeless tobacco product comprising one or more of the nicotine salts, co-crystals, or salt co-crystals described herein is a lozenge, e.g., as substantially described in US Pat. App. Pub. Nos. 2013/0312774, 2013/0074856, and 2013/0074855, all to Holton, Jr., which are incorporated herein by reference. Such lozenges can comprise, in addition to one or more nicotine salts, co-crystals, or salt-co-crystals, a majority of one or more sugar alcohols (e.g., isomalt and maltitol syrup), e.g., in an amount of at least about 50% by weight, at least about 70% by weight, at least about 80% by weight, or at least about 90% by weight. Other ingredients of particular interest in such lozenge products include, but are not limited to, salts (e.g., NaCl), sweeteners (e.g., sucralose), and one or more flavorings. The amount of nicotine salt, co-crystal, or salt co-crystal incorporated within a smokeless tobacco composition can vary and can be dependent, in part, on the specific type of smokeless tobacco composition. Clearly, the amount of a given nicotine salt, co-crystal, or salt co-crystal to be incorporated within a product will depend on the desired nicotine content of that product, and can be calculated based on the mass of the coformer and the stoichiometry of the salt, co-crystal, or salt co-crystal. Exemplary amounts include from about 0.1 % by weight of the consumable material to about 10% by weight of the consumable or inhalable material. For example, for a lozenge, the amount of nicotine salt, co-crystal, or salt co-crystal is at least about 0.5%, generally at least about 1%), often at least about 1.5 %, often at least about 2%, often at least about 2.5%, and frequently at least about 3 % by weight of the product, e.g., about 0.5% to about 10%, including about 1% to about 5% by weight of the product. The amount of nicotine salt, co-crystal, or salt co-crystal can be determined based on the desired nicotine content in the lozenge.」(33頁1~21行) [訳] 「本明細書に記載されるニコチン塩、共結晶、または塩共結晶のうちの1つ以上を含む無煙タバコ製品の1つの代表的な種類は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2013/0312774号、同第2013/0074856号、及び同第2013/0074855号(全てHolton,Jr.)に実質的に記載されるようなトローチ剤である。そのようなトローチ剤は、1つ以上のニコチン塩、共結晶、または塩共結晶に加えて、1つ以上の砂糖アルコール(例えば、イソマルト及びマルチトールシロップ)の大部分を、例えば、少なくとも約50重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、または少なくとも約90重量%の量で含み得る。そのようなトローチ剤製品中の特定の関心対象の他の原料としては、塩(例えば、NaCl)、甘味剤(例えば、スクラロース)、及び1つ以上の風味剤が挙げられるが、これらに限定されない。 無煙タバコ組成物に組み込まれるニコチン塩、共結晶、または塩共結晶の量は異なり得、部分的に、特定の種類の無煙タバコ組成物に依存し得る。明らかに、製品内に組み込まれる所与のニコチン塩、共結晶、または塩共結晶の量は、その製品の所望のニコチン含有量に依存し、共形成剤の質量、及び塩、共結晶、または塩共結晶の化学量論に基づいて計算され得る。例示的な量は、約0.1重量%の消費可能な材料~約10重量%の消費可能または吸入可能な材料を含む。例えば、トローチ剤について、ニコチン塩、共結晶、または塩共結晶の量は、少なくとも約0.5%、一般に少なくとも約1重量%、多くの場合、少なくとも約1.5重量%、多くの場合、少なくとも約2重量%、多くの場合、少なくとも約2.5重量%、及び頻繁に少なくとも約3重量%の製品、例えば、約0.5重量%~約10重量%、(約1重量%~約5重量%を含む)の製品である。ニコチン塩、共結晶、または塩共結晶の量は、トローチ剤中の所望のニコチン含有量に基づいて決定され得る。」(段落【0123】~【0124】) キ 「In certain embodiments, the nicotine salts, co-crystals, and salt co-crystals provided according to the present disclosure are incorporated within electronic smoking articles. An exemplary embodiment of an electronic smoking article 200 incorporating a nicotine salt, co- crystal, or salt co-crystal according to the present disclosure is shown in FIG. 21. As illustrated therein, a control body 202 can be formed of a housing 201 that can include a control component 206, a flow sensor 208, a battery 210, and an LED 212. The electronic smoking article also may comprise a cartridge 204 that can be formed of a housing 203 enclosing a reservoir 244 that is in fluid communication with a transport element 236 adapted to wick or otherwise transport an aerosol precursor composition stored in the reservoir to a heater 234 (e.g., a resistive heating wire that may be coiled around at least a portion of the transport element). Exemplary reservoirs and transport elements are disclosed in US Pat. Pub. No. 2014/0261487 to Chapman et al, and exemplary heaters are disclosed in US Pat. Pub. No. 2014/0157583 to Ward et al., the disclosures of which are incorporated herein by reference in their entireties. An opening 228 may be present in the cartridge housing 203 at a mouthend 205 thereof to allow for egress of formed aerosol from the cartridge 204. Such components are representative of the components that may be present in a control body and/or cartridge and are not intended to limit the scope of components that are encompassed by the present disclosure.」(34頁29行~35頁11行) [訳] 「ある特定の実施形態において、本開示に従って提供されるニコチン塩、共結晶、及び塩共結晶は、電子喫煙物品に組み込まれる。本開示に従うニコチン塩、共結晶、または塩共結晶を組み込む電子喫煙物品200の例示的な実施形態を、図21に示す。そこで示されるように、制御本体202は、制御構成要素206、フローセンサー208、バッテリー210、及びLED212を含み得る筐体201から形成され得る。電子喫煙物品はまた、貯蔵器内に保管されたエアロゾル前駆体を灯心するか、または他の方法で加熱器234(例えば、輸送要素の少なくとも一部分の周りに巻かれ得る抵抗性加熱ワイヤ)に輸送するように適合された輸送要素236と流体連通する貯蔵器244を取り囲む筐体203から形成され得るカートリッジ204を備えてもよい。例示的な貯蔵器及び輸送要素は、米国特許公開第2014/0261487号(Chapmanら)に開示され、例示的な加熱器は、米国特許公開第2014/0157583号(Wardら)に開示され、これらの開示は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。開口部228は、その口端205においてカートリッジ筐体203内に存在し、カートリッジ204から形成されたエアロゾルの退出を可能にすることができる。そのような構成要素は、制御本体及び/またはカートリッジ内に存在し得る構成要素の代表であり、本開示によって包含される構成要素の範囲を制限することを意図しない。」(段落【0127】) (2)甲3の技術事項 上記(1)から、甲3には、次の技術的事項(以下「甲3の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 「無煙タバコ製品であるトローチ剤において、ニコチン塩、共結晶、または塩共結晶を少なくとも約1重量%の量で含み、加えて、1つ以上の砂糖アルコールの大部分を、少なくとも約50重量%の量で含むこと。」 4 対比 本件発明と、甲1発明とを対比する。 甲1発明の「ラッパー」は、本件発明の「ラッパー」に相当する。 甲1発明の「1つ又はそれ以上のエアロゾルフォーマを有する均質化タバコ材料のギャザー付きシート」は、本件発明の「シート」に相当する。 甲1発明の「ロッド」は、1つ又はそれ以上のエアロゾルフォーマを含むものであるから、本件発明の「エアロゾル発生ロッド」に相当する。 甲1発明の「非タバコ繊維」は、本件発明の「繊維質材料」に相当する。 そして、甲1発明の「前記均質化タバコ材料のギャザー付きシートは非タバコ繊維を含」むことと、本件発明の「前記シートは繊維質材料、一つ以上のニコチン塩および一つ以上の糖アルコールを含む」こととは、「前記シートは繊維質材料を含む」という限りにおいて一致する。 してみると、本件発明と、甲1発明とは、以下の一致点で一致し、相違点で相違する。 [一致点] 「ラッパーによって囲まれたシートを含むエアロゾル発生ロッドであって、前記シートは繊維質材料を含む、エアロゾル発生ロッド。」 [相違点1] 「シート」に関し、本件発明は、「一つ以上のニコチン塩」を含み、「乾燥質量基準で少なくとも約1重量%の総ニコチン塩含有量を持つ」のに対して、甲1発明は、「乾燥重量ベースで少なくとも約40重量%のタバコ含有量を有」する点。 [相違点2] 「シート」に関し、本件発明は「一つ以上の糖アルコールを含み」、「乾燥質量基準で少なくとも約15重量%の総糖アルコール含有量を持」つのに対して、甲1発明は、「乾燥重量ベースで5%よりも大きなエアロゾルフォーマ含有量を有」する点。 なお、甲1発明、一致点、相違点1及び相違点2の認定について、請求人と被請求人との間に争いはない。 5 判断 (1)相違点1について 甲2の技術事項におけるアルカロイドであるニコチンは、等級分けしたたばこタイプをブレンドすることで形成したタバコブレンドからなる均質化したたばこ材料が有するアルカロイドであるニコチンである。そして、甲3の上記3(1)エの「ニコチン塩、共結晶、及び/または塩共結晶は、純ニコチン(例えば、固体または半固体形態)より扱い易い形態であり得、純ニコチンより高純度の形態で提供され得、ならびに/あるいは純ニコチンより優れた熱動的、物理的、及び/または化学的安定性(例えば、より高い抗酸化性、低減した水和物形成の危険性、及び/もしくはより長い貯蔵寿命)を呈し得る。」との記載事項、及び「いくつかの実施形態において、ニコチン塩、共結晶、及び/または塩共結晶は、純ニコチンと比較して、塩、共結晶、及び/または塩共結晶が組み込まれる製品中の関連賦形剤の存在下で増加した安定性を提供し得る。いくつかの実施形態において、ニコチン塩、共結晶、及び塩共結晶は、著しい程度の水溶性を呈することができ、それらを広範囲の組成物及び製品内の組み込みに適用可能にする。」との記載事項を踏まえると、ニコチンとニコチン塩は同じものとはいえない。そして、上記甲2の技術事項におけるたばこ材料が有するアルカロイドである「ニコチン」は、たばこ材料が元々備えるものであるから、製品中に組み込まれるものである「ニコチン塩」と異なるものと解される。 そして、甲2の技術事項は、「合計アルカロイド標的値は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の中に存在するたばこの合計量の約1.5パーセント~約3.5パーセントから成る」ものであって、乾燥質量基準の合計アルカロイド標的値は、「ニコチン、ならびにノルニコチン、アナタビン、アナバシン、およびミオスミンを含む少量アルカロイド」を合計した値であるから、乾燥質量基準における総ニコチン塩の含有量を開示するものとはいえない。 そうすると、甲2の技術事項は、相違点1に係る本件発明の発明特定事項を開示するものではないから、甲1発明に甲2の技術事項を適用しても、相違点1に係る本件発明の発明特定事項とすることはできない。 甲3の技術事項は、「ニコチン塩、共結晶、または塩共結晶を少なくとも約1重量%の量で含」むものであるが、「少なくとも約1重量%の量」は乾燥重量基準によるものではなく、本件特許の明細書の段落【0028】~【0030】、【0045】~【0049】の記載事項から導くことができる、「主要ニコチン塩」と「たばこニコチン塩」を考慮するものである「総ニコチン塩含有量」という技術的概念を含むものとも認められないから、相違点1に係る本件発明の発明特定事項を開示するものではない。 また、甲3の技術事項は、「無煙タバコ製品であるトローチ剤」という使用者の口中で溶かしながら使用する形態のものである一方、甲1発明は、「ラッパーで取り囲まれた1つ又はそれ以上のエアロゾルフォーマを有する均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むロッド」という使用者の口の外でエアロゾルを発生して口中にエアロゾルが導入される形態のものであり、両者は使用形態が異なるから、甲1発明に甲3の技術事項を適用する動機付けは認められない。 そうすると、甲1発明において、甲3の技術事項を適用して、相違点1に係る本件発明の発明特定事項とすることは当業者であっても容易に想到できない。 なお、甲1発明において、甲2の技術事項における乾燥質量基準である合計アルカロイドの標的値を適用し、さらに、合計アルカロイドの標的値に甲3の技術事項におけるニコチン塩の「少なくとも約1重量%の量」を適用することは、所謂2段階容易(容易の容易)となるから、そのような適用は採用できない。 したがって、甲1発明において、甲2の技術事項及び甲3の技術事項に基いて、相違点1に係る本件発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 (2)相違点2について 甲2の技術事項における「還元糖」は、「糖アルコール」とは異なるものである。 そうすると、甲2の技術事項における還元糖に対する標的値は、乾燥質量基準での総糖アルコール含有量である、相違点2に係る本件発明の発明特定事項を開示するものではないから、甲1発明に甲2の技術事項を適用しても、相違点2に係る本件発明の発明特定事項とはならない。 甲3の技術事項における「砂糖アルコール」は、上記3(1)カの記載事項から、糖アルコールの一種といえるが、「少なくとも約50重量%の量」が乾燥質量基準であるものではないから、相違点2に係る本件発明の発明特定事項を開示するものではない。 また、上記(1)で検討したとおり、甲3の技術事項は甲1発明と使用形態が異なるから、甲1発明に甲3の技術事項を適用する動機付けは認められない。 そうすると、甲1発明において、甲3の技術事項を適用して、相違点2に係る本件発明の発明特定事項とすることはできない。 なお、甲1発明において、甲2の技術事項における乾燥質量基準である還元糖の標的値を適用し、さらに、燥質量基準である還元糖の標的値に甲3の技術事項における砂糖アルコールの含有量を適用することは、所謂2段階容易となるから、そのような適用は採用できない。 したがって、甲1発明において、甲2の技術事項及び甲3の技術事項に基いて、相違点2に係る本件発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 (3)本件発明の効果について 本件発明は、相違点1及び2に係る発明特定事項を備えることにより、本件特許の明細書の段落【0010】に記載された「本発明によるエアロゾル発生ロッドおよびエアロゾル発生物品のユーザーは、有利なことに、液剤を取り扱う必要がない。」という効果、段落【0011】に記載された「本発明によるシートおよび本発明によるエアロゾル発生ロッドは、有利なことに、電子たばこで一般的に使用される液剤よりも長い貯蔵寿命を有しうる。」という効果、段落【0012】に記載された「本発明によるエアロゾル発生ロッドから高いレベルのニコチンを有するエアロゾルを生成するために、高い電池電力を備えた大規模な装置を使用する必要がなくなりうる。」という効果、及び段落【0054】に記載された「糖が含まれていないシートと比較して、有利なことに、シートの展性および柔軟性が有利に改善しうる。これは、シートの集合を容易にしてロッドを形成しうる。」という効果を奏するものである。 (4)請求人の主張について 請求人の上記第4の2(5)の主張について検討すると、甲2の技術事項は甲1発明と加熱式エアロゾル発生物品の技術分野で共通すると理解できる。また、甲3の上記3(1)イ及びキにおいて、電子喫煙物品が記載されているから、甲1発明及び甲3の技術事項は、電式喫煙物品の技術分野で共通するとも解することもできる。 しかしながら、このように解しうるとしても、上記(1)及び(2)の検討のとおり、甲2の技術事項及び甲3の技術事項には、相違点1及び相違点2に係る本件発明の発明特定事項は開示されていないのであるから、甲1発明に甲2の技術事項及び甲3の技術事項を適用しても、本件発明の発明特定事項に想到することはできない。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 (5)まとめ したがって、本件発明は、甲1発明、甲2の技術事項及び甲3の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるとすることはできない。 よって、本件特許の請求項1に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当せず、無効とすることはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、請求人の主張する無効理由及び証拠方法によっては、本件特許の請求項1に係る特許を無効とすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-800049

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