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特許無効審判

2021-800105

電子タバコカートリッジ

審判番号
2021-800105
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2021-085959
登録番号
6909946
請求日
2021年12月24日
審決日
2023年03月24日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】RUIYING JAPAN 株式会社
  • 【請求人代理人】SK弁理士法人
  • 【請求人代理人】奥野 彰彦
  • 【請求人代理人】伊藤 寛之
  • 【請求人代理人】松村 信夫
  • 【被請求人】Future Technology 株式会社
  • 【被請求人代理人】高橋 雄一郎
  • 【被請求人代理人】林 佳輔
  • 【被請求人代理人】阿部 実佑季
  • 【被請求人代理人】花岡 一哉
  • 【被請求人代理人】野村 亮二
審判長/審判官
  • 審判長 平城 俊雅
  • 審判官 菅家 裕輔
  • 審判官 松下 聡
分類
P1113.121-YAA(A24B) / P1113.537-YAA(A24B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条、特許法第134条の2第1項、特許法第44条、特許法第148条第1項、特許法第134条の2第3項、特許法第134条の2第9項、特許法第123条第1項第4号、特許法第126条第1項第4号、特許法第126条、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の特許第6909946号発明「電子タバコカートリッジ」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第6909946号の特許請求の範囲を令和4年3月30日付け訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨 1 請求の趣旨 特許第6909946号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。 2 答弁の趣旨 本件審判の請求は成り立たない 審判費用は請求人の負担とする との審決を求める。 第2 手続の経緯 1 出願分割の経緯の概略 本件無効審判の請求に係る特許第6909946号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、令和3年5月21日にされた特許法44条1項の規定による特許出願であって、平成29年10月23日に出願した特願2017-215949号(優先権主張 平成29年6月16日)を最先の出願とする、分割出願であるところ、出願の分割の経緯は、次のとおりである。なお、括弧内は当該出願の現実の出願日を示す。 最先の出願:特願2017-215949号(平成29年10月23日) 第1世代 :特願2018-166418号(平成30年 9月 5日) 第2世代 :特願2020-184899号(令和 2年11月 5日) 本願 :特願2021- 85959号(令和 3年 5月21日) 2 本件特許の手続の経緯の概略 (1) 本件特許の出願から設定登録までの経緯 本件特許の請求項1~3に係る発明についての、出願から本件無効審判請求の前までの手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和 3年 5月21日 :出願(特願2021- 85959号) 同年 5月31日付け:拒絶理由通知 同年 6月 2日 :意見書、手続補正書の提出 同年 6月18日付け:特許査定 同年 7月 7日 :設定登録 (2) 本件無効審判の手続の経緯 本件無効審判における手続の経緯の概略は、以下のとおりである。 令和 3年12月24日 :審判請求書の提出 令和 4年 3月30日 :答弁書、訂正請求書の提出 同年 5月 9日 :参加申請書の提出(開誠商事株式会社、特許法第148条第1項の規定により請求人側への参加の申請) 同年 6月23日付け:参加許否の決定(開誠商事株式会社が請求人側に参加することを許可。以下、同社を「参加人」という。) 同年 5月30日 :弁駁書の提出(請求人) 同年 6月 1日 :弁駁書の提出(参加人) 同年 8月 3日付け:審理事項通知書 同年 9月 1日 :口頭審理陳述要領書の提出(被請求人) 同年 9月13日 :口頭審理陳述要領書の提出(請求人) 同年 9月15日 :口頭審理陳述要領書の提出(参加人) 同年 9月29日 :口頭審理 同年10月 5日付け:補正許否の決定 同年10月13日 :上申書の提出(被請求人) 同年10月26日 :上申書の提出(請求人) 同年10月27日 :上申書の提出(参加人) 令和 5年 2月 7日 :参加取下書の提出 第3 訂正請求について 1 訂正請求の趣旨 令和4年3月30日付け訂正請求の趣旨は、「特許第6909946号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~3について訂正することを求める。」というものである。 2 訂正の内容 上記訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は当審にて付与した。以下同様。)。 (1) 本件訂正前後の特許請求の範囲の記載 ア 本件訂正前の特許請求の範囲 「【請求項1】 非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、 内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材と、を備え、 前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物である、 ことを特徴とする電子タバコカートリッジ。 【請求項2】 前記非タバコ植物由来原料は、前記非タバコ植物の粉砕物又は抽出物からなる、 請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。 【請求項3】 前記エアロゾルフォーマは、グリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、オレイルアルコールから選ばれた少なくとも1つからなる、 請求項1又は2に記載の電子タバコカートリッジ。」 イ 本件訂正後の特許請求の範囲 「【請求項1】 非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、 内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材と、を備え、 前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている、 ことを特徴とする電子タバコカートリッジ。 【請求項2】 前記非タバコ植物由来原料は、前記非タバコ植物の粉砕物又は抽出物からなる、 請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。 【請求項3】 前記エアロゾルフォーマは、グリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、オレイルアルコールから選ばれた少なくとも1つからなる、 請求項1又は2に記載の電子タバコカートリッジ。」 (2) 本件訂正の内容 本件訂正の内容は、次のとおりである。 特許請求の範囲の請求項1に、 「 非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、 内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材と、を備え、 前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物である、 ことを特徴とする電子タバコカートリッジ。」 と記載されているのを、 「 非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、 内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材と、を備え、 前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている、 ことを特徴とする電子タバコカートリッジ。」 に訂正する。 3 訂正の適否についての判断 (1) 一群の請求項について 訂正前の請求項1~3について、請求項2及び3は請求項1を引用しているものであり、本件訂正によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。よって、訂正前の請求項1~3に対応する訂正後の請求項1~3は、特許法第134条の2第3項に規定する一群の請求項である。 (2) 訂正の要件について ア 訂正の目的 本件訂正後の請求項1において、「フレーク状の成形物」は、「表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」のであるから、エアロゾル形成基材として機能するものといえる。また、「エアロゾル形成基材」がこのような「フレーク状の成形物を含」む点は、「エアロゾル形成基材」が「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有する」という点に矛盾するわけでもない。 そうすると、本件訂正は、請求項1における「エアロゾル形成基材」を、「フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」という事項により限定しようとするものである。 よって、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内であること 本件特許明細書には、以下のとおり記載されている。 「【0024】 次に、乾燥シートを成形する工程(S6)は、乾燥したシートをカートリッジに充填し易く、かつ、電子タバコ使用時に、発生したエアロゾルが吸引され易い形状に成形する。たとえば、正方形や長方形、または菱形などの平板状としたり、短辺に対して長辺が2~20倍程度となる片状や、短冊状、棒状、繊維状(ストレート状、ウエーブ状などを含む)などとしたり、不定型なフレーク状としたりすることが好ましい。大きさは、ほぼ一定の大きさでもよいし、ランダムな大きさでもよい。ただしいずれも最大長部分が1~20mm程度とすることが好ましい。これは、最大長部分があまり大き過ぎると、カートリッジへの充填の際に大きすぎて取り扱いが面倒になるおそれがあるためである。 【0025】 成形工程で非タバコ植物は切断されることになるが、S4の工程において、シート状の非タバコ植物にエアロゾルフォーマを塗布しているので、切断片の一つひとつにおいても、繊維表面の少なくとも一部はエアロゾルフォーマによって被覆された状態となっている。 【0026】 また、充填物の形状はたとえば、粉体、穎粒、ペレット、ストランド、多孔質状などの形態としてもよい。多孔質状にするためには、たとえば、複数の針で乾燥したシートを何度か突き刺すなどすることで形成できる(その他の方法であってもよい)。 【0027】 また、ブロック状に固めてもよいし、若干加水またはオイルを足してペースト状にしてもよい。 【0028】 その後、成形した充填物は、カートリッジに充填することで、電子タバコ本体に使用する非タバコ植物を使用したカートリッジとして提供される。」 そして、本件訂正後の請求項1における「エアロゾル形成基材」は、「フレーク状の成形物を含」むところ、本件特許明細書の段落【0024】における「乾燥したシートをカートリッジに充填し易く、かつ、電子タバコ使用時に、発生したエアロゾルが吸引され易い形状に成形する。たとえば、・・・不定型なフレーク状としたりすることが好ましい。」(「・・・」は省略を意味する。以下同様。)という記載に鑑みると、本件訂正後の請求項1における「エアロゾル形成基材」については、カートリッジに充填する前段階から、充填し易い形状として、成形物の一つ一つの形状をみたときに、フレーク状の形状のものを含むことが記載されているといえる。 また、本件訂正後の請求項1における「エアロゾル形成基材」は、「前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であ」るところ、本件特許明細書の段落【0026】には、「充填物の形状はたとえば、・・・多孔質状などの形態としてもよい。」と記載されている。ここでいう「形状」は、段落【0024】の上記記載にあるとおり、「カートリッジに充填し易」い形状であり、また、段落【0028】に「その後、成形した充填物は、カートリッジに充填することで、電子タバコ本体に使用する非タバコ植物を使用したカートリッジとして提供される。」と記載されているとおり、「成形した充填物」は、まだカートリッジに充填されていない。これらの記載から、本件訂正後の請求項1における「多孔質状の充填物」は、カートリッジに充填される前段階における成形物の段階から既に、その形状が多孔質状であることが記載されている。つまり、カートリッジに充填された後において、各成形物が合わさった集合体として形成する全体的な形状ないし構造をみたときに、初めて、多孔質状であるといえるのではなく、充填する前から既に、成形物の一つ一つ(乾燥シートを切り刻むのであれば、その細々とした一つ一つ)がそれぞれ多孔質状であることが記載されている。 これらを総合すると、本件訂正後の請求項1における「エアロゾル形成基材」は、カートリッジに充填する前から、成形物の一つ一つが、多孔質状の成形物であり、かつ、フレーク状の成形物を含むものとして本件特許明細書に記載されている。 一方、本件特許明細書には、エアロゾル形成基材が多孔質状の充填物である点と、エアロゾル形成基材がフレーク状の成形物を含む点と、を両立した実施例について、直接的な記載は存在しない。しかしながら、これら各点は段落【0024】と【0026】にそれぞれ開示されているといえる。また、各点はそれぞれ、一つ一つの成形物の内部形状ないし性質を特定するものと、一つ一つの成形物の外部形状を特定するものであり、お互いに矛盾し合うようなものではないから、本件特許明細書には、これら各点を両立した態様が記載されているに等しいといえる。 また、本件特許明細書の段落【0025】には、「シート状の非タバコ植物にエアロゾルフォーマを塗布しているので、切断片の一つひとつにおいても、繊維表面の少なくとも一部はエアロゾルフォーマによって被覆された状態となっている。」と記載されている。そして、段落【0025】は、フレーク状について記載されている段落【0024】の成形工程について記載されているものであるから、段落【0025】に記載された切断片は、フレーク状のものを含むといえる。 そうすると、本件特許明細書には、本件訂正後の請求項1における「前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」との事項が記載されているといえる。 よって、本件訂正は、本件特許明細書又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正でないこと 本件訂正は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 エ 独立特許要件について 全ての請求項に対して特許無効審判が請求されているので、訂正事項に関し、特許法第134条の2第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される要件(独立特許要件)は、適用されない。 オ 小括 してみれば、本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的としており、新規事項を追加するものではなく、また、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 したがって、本件訂正は、訂正の要件を満たしている。 (3) 請求人の主張について ア 請求人の主張の概要 請求人は、令和4年5月30日提出の弁駁書(4~5頁における8(1)~(2))において、概略、以下の点を主張している。 本件訂正後の請求項1における「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」(以下「構成要件C-1」という。)との事項は明細書などに記載されていない。 「構成要件C-1」における「前記エアロゾル形成基材は、...、フレーク状の成形物を含む」は、「エアロゾル形成基材」が「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマ」以外に新たな構成要素として「フレーク状の成形物」を有しているものと言える。一方、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、「エアロゾル形成基材」が備える「フレーク状の成形物」に関する記載は一切ない。 イ 請求人の主張についての検討 請求人の上記アの主張について検討するに、本件訂正後の請求項1は、「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含」むものであるから、「フレーク状の成形物」は、「エアロゾル形成基材」という概念に含まれるものである。また、「フレーク状の成形物」は、「表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」のであるから、エアロゾル形成基材として機能するものといえる。 そうすると、本件訂正後の請求項1における「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材」との事項と、「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」との事項とから、「フレーク状の成形物」は、「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有する」「エアロゾル形成基材」であり、それ以外の新たな構成要素からなるものではない。 また、本件特許明細書の段落【0013】~【0028】には、電子タバコカートリッジ用充填物の製造方法が記載されており、段落【0014】には、当該製造方法は、「非タバコ植物を含む水性スラリーを調整する工程(S1)と、この水性スラリーからシートを形成する工程(S2)と、その後、シートの含水量を50重量%未満に減少させる工程(S3)と、エアロゾルフォーマをエアロゾル発生温度(たとえば50℃)よりも低い温度でシートに加える工程(S4)と、その後、シートを乾燥させる工程(S5)と、乾燥シートを成形する工程(S6)」を有すること、段落【0024】には、「乾燥シートを成形する工程(S6)は、乾燥したシートをカートリッジに充填し易く、かつ、電子タバコ使用時に、発生したエアロゾルが吸引され易い形状に成形する。たとえば、・・・不定型なフレーク状としたりすることが好ましい。」ことが記載されている。つまり、本件特許明細書には、乾燥したシートをフレーク状としたものは、非タバコ植物を含む原料から、エアロゾルフォーマを加える工程を経て成形されたものであることが記載されているといえる。 そうすると、本件訂正後の請求項1における「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材」との事項と、「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」との事項について、本件特許明細書を踏まえて解釈しても、「フレーク状の成形物」は、「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有する」「エアロゾル形成基材」であると解釈することが妥当である。 してみると、請求人が主張するように、「構成要件C-1」について、「エアロゾル形成基材」が「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマ」以外に新たな構成要素として「フレーク状の成形物」を有しているもの解釈した上で、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、「エアロゾル形成基材」が備える「フレーク状の成形物」に関する記載は一切ないとする主張は、採用できない。 4 訂正請求についてのむすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであって、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。よって、本件特許の特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。 第4 本件発明 前記第3のとおり本件訂正の請求による請求項1~3の訂正は認められるから、本件特許の請求項1~3に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本件発明1」などという。また、これらを総称して「本件発明」という。)は、それぞれ訂正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項(前記第3の2(1)イ参照)により特定されるとおりのものである。 第5 請求人の主張及び証拠方法 請求人は、「特許第6909946号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由として、概ね下記1のとおり主張し(審判請求書、陳述要領書、令和4年10月26日提出の上申書参照。)、証拠方法として、下記2のとおり甲第1号証~甲第15号証(以下、「甲1」等という。)を提出している。 1 請求人の主張の概要 (1) 無効理由1(甲1に基づく進歩性の欠如) 本件発明1~3は、甲1に記載された発明と周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29第2項の規定により特許を受けることができない。よって、本件発明1~3に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (2) 無効理由2(甲11に基づく進歩性の欠如) 本件発明1~3は、甲11に記載された発明と周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29第2項の規定により特許を受けることができない。よって、本件発明1~3に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (3) 無効理由3(甲2に基づく進歩性の欠如) 本件発明1~3は、甲2に記載された発明と周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29第2項の規定により特許を受けることができない。よって、本件発明1~3に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (4) 無効理由4(明確性要件違反) 本件発明1~3は、不明確なものであり、明確性要件(特許法36条6項2号)違反の無効理由(特許法123条第1項第4号)を包含するものとなる。 なお、無効理由4については、審判請求人が令和4年9月13日提出の口頭審理陳述要領書(第4頁第9行~第6頁第10行)において新たに主張され、令和4年10月5日付けの補正許否の決定により許可されたものである。 2 証拠方法 ・甲1 :特表2015-508676号公報 ・甲2の1 :国際公開第2016/023965号 ・甲2の2 :特表2017-524368号公報 ・甲3 :米国特許第5369723号明細書 ・甲4 :特表2015-515857号公報 ・甲5 :特表2015-517819号公報 ・甲6 :特表2012-525138号公報 ・甲7 :特表2001-501452号公報 ・甲8 :特表2007-508835号公報 ・甲9 :特表2003-532397号公報 ・甲10 :特開昭63-248378号公報 ・甲11 :特表2014-533513号公報 (以上、審判請求書に添付) ・甲12 :パイプ&喫煙具専門店 リビングショップ安藤、パイプうんちく講座、2022年5月9日(出力日)、https://www.lsando.com/pipeuntiku.htm (以上、弁駁書に添付して提出) ・甲13 :国際公開第2011/107975号 ・甲14の1:国際公開第2017/068093号 ・甲14の2:特表2018-537953号公報 (以上、口頭審理陳述要領書に添付して提出) ・甲15 :新村出 編、広辞苑、第七版、株式会社岩波書店、2020年2月25日、「孔」「多孔質」の項 (以上、令和4年10月26日付け上申書に添付して提出) 第6 被請求人の主張及び証拠方法 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない 審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、証拠方法として乙第1~2号証(以下、「乙1」等という。)を提出している。 ・乙1 :新村出 編、広辞苑、第七版、株式会社岩波書店、2019年5月10日、「発泡」の項 ・乙2 :古河電気工業株式会社、発泡とは、令和4年10月5日(出力日)、https://www.furukawa.co.jp/foam/what.htm (以上、令和4年10月13日付け上申書に添付して提出) 第7 当審の判断 1 甲号証、乙号証の記載事項 (1) 甲1について ア 甲1の記載事項 甲1には、以下の事項が記載されている。 (甲1ア) 「【0007】 本明細書で用いる時に、用語エアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することが可能であるエアロゾル形成基材を含む物品を示すのに使用される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材を燃焼させずに揮発性化合物を放出する物品である不燃性エアロゾル発生物品とすることができる。エアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために燃焼ではなく加熱されるように意図したエアロゾル形成基材を含むエアロゾル発生物品である加熱式エアロゾル発生物品とすることができる。加熱式エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の一部を形成する搭載式加熱手段を含むことができ、又は個別のエアロゾル発生デバイスの一部を形成する外部加熱器と相互作用するように構成することができる。 【0008】 エアロゾル発生物品は、ユーザの口腔を通してユーザの肺の中へ直接吸入可能なエアロゾルを形成する喫煙物品とすることができる。エアロゾル発生物品は、シガレットのような従来の喫煙物品に類似する場合があり、かつタバコを含むことができる。エアロゾル発生物品は使い捨てにすることができる。これに代えて、エアロゾル発生物品は、部分的に再利用可能であり、補充可能又は交換可能なエアロゾル形成基材を含むことができる。 【0009】 本明細書で用いる時に、用語「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することができる基材に関する。そのような揮発性化合物は、エアロゾル形成基材の加熱によって放出することができる。エアロゾル形成基材は、担体又は支持体に吸収され、被覆され、含浸され、又はそうでなければ充填することができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生物品又は喫煙物品の一部とすることが便利である。」 (甲1イ) 「【0013】 エアロゾル発生デバイスは、電力によって作動する加熱器を含むエアロゾル発生デバイスである電気加熱式エアロゾル発生デバイスとすることができ、加熱器は、エアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材を加熱する。エアロゾル発生デバイスは、ガス加熱式エアロゾル発生デバイスとすることができる。エアロゾル発生デバイスは、喫煙デバイスとすることができ、喫煙デバイスは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材と相互作用して、ユーザの口腔を通してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを形成する。」 (甲1ウ) 「【0015】 本明細書で用いる時に、用語「ロッド」は、実質的に円形、長円形、又は楕円形断面のほぼ円筒形の要素を表すのに使用される。」 (甲1エ) 「【0042】 エアロゾル形成基材は、固体エアロゾル形成基材とすることができる。代わりに、エアロゾル形成基材は、固体化合物及び液体化合物の両方を含むことができる。エアロゾル形成基材は、加熱によって基材から放出される揮発性タバコ香味化合物を含むタバコ含有材料を含むことが好ましい。代わりに、エアロゾル形成基材は、非タバコ材料を含むことができる。更に、エアロゾル形成基材は、エアロゾルフォーマを含むことができる。エアロゾルフォーマの適切な例は、グリセリン及びプロピレングリコールである。 【0043】 エアロゾル形成基材が固体エアロゾル形成基材である場合に、固体エアロゾル形成基材は、例えば、粉体、顆粒、ペレット、破片、スパゲティ、ストリップ、又はシートのうちの1つ又はそれよりも多くを含むことができ、これらは、ハーブ葉、タバコ葉、タバコ茎の断片、再構成タバコ、均質化タバコ、押出しタバコ、及び膨張タバコのうちの1つ又はそれよりも多くを含むことができる。固形エアロゾル形成基材は、容器に入っていない形態とするか、又は適切な容器又はカートリッジで提供することができる。例えば、エアロゾル形成基材のエアロゾル形成材料は、紙又は他のラッパー内に収容することができ、かつプラグの形態を有する。エアロゾル形成基材がプラグの形態である時に、何らかのラッパーを含むプラグ全体は、エアロゾル形成基材と見なされる。」 (甲1オ) 「【0045】 任意的に、固形エアロゾル形成基材は、熱的に安定した担体上に設けるか又はそれに埋め込むことができる。担体は、粉体、顆粒、ペレット、破片、スパゲティ、ストリップ、又はシートの形態とすることができる。固形エアロゾル形成基材は、例えば、シート、発泡体、ゲル、又はスラリの形態で担体表面に堆積させることができる。固形エアロゾル形成基材は、担体の全表面に堆積させるか、又はその代わりに使用中の香味送出を不均一にするように定められたパターンに堆積させることができる。 【0046】 エアロゾル発生物品の要素は、好ましくは、適切なラッパー、例えば、シガレット紙によって組み立てられる。シガレット紙は、エアロゾル発生物品の構成要素をロッドの形態に包むためのあらゆる適切な材料とすることができる。シガレット紙は、物品が組み立てられてロッド内で所定位置に保持された時に、エアロゾル発生物品の構成要素を把持する必要がある。適切な材料は、当業分野で公知である。」 (甲1カ) 「【0048】 好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品の形状は、実質的に円柱とすることができる。エアロゾル発生物品は、実質的に細長くすることができる。エアロゾル発生物品は、長さと、長さと実質的に垂直な周囲とを有することができる。エアロゾル形成基材の形状は、実質的に円柱とすることができる。エアロゾル形成基材は、実質的に細長くすることができる。また、エアロゾル形成基材は、長さと、長さと実質的に垂直な周囲とを有することができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル形成基材の長さがエアロゾル発生デバイス内の空気流の方向と実質的に平行であるようにエアロゾル発生デバイスに受け入れることができる。エアロゾル冷却要素は、実質的に細長くすることができる。」 (甲1キ) 「【0073】 図1に例示したエアロゾル発生物品は、消費するためにエアロゾル発生デバイス(図示しない)と係合するように設計される。そのようなエアロゾル発生デバイスは、エアロゾル形成基材20をエアロゾルを形成するのに十分な温度まで加熱するための手段を含む。一般的に、エアロゾル発生デバイスは、エアロゾル形成基材20に隣接してエアロゾル発生物品を取り囲む加熱要素、又はエアロゾル形成基材20内に挿入される加熱要素を含むことができる。」 (甲1ク) 「 [図:0001399904000001.jpg] 」 イ 甲1に記載された発明 上記アを総合すると、甲1には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「非タバコ材料であるハーブ葉を含み、更に、エアロゾルフォーマを含むエアロゾル形成基材と、 エアロゾル形成基材を内部に収容するラッパーであって、エアロゾル形成基材を円筒形の要素であるロッドの形態に包むラッパーと、を備え、 エアロゾル形成基材は、ラッパー内に収容され、破片を含むことができる、 電気加熱式エアロゾル発生デバイス用エアロゾル発生物品。」 (2) 甲2について ア 甲2の1の記載事項 甲2の1には、以下の事項が記載されている。なお、甲2の1の訳文として提出された甲2の2の該当箇所を摘記する。 (甲2ア) 「【0001】 本出願は、加熱式エアロゾル発生物品内でエアロゾル形成基体として使用するためのロッドを作製する方法、およびその方法によって作製されたロッドに関連する。その結果得られるロッドは、所定の空隙率および空隙率分布値を持つ。本出願はまた、こうしたロッドを備えた加熱式エアロゾル発生物品にも関連するが、ここで空隙率および空隙率分布は、加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル属性を制御するために最適化される。」 (甲2イ) 「【0020】 「空隙率」という用語は本明細書で使用されるとき、多孔性物品内の空隙空間の割合を意味する。「全空隙率」または「断面空隙率」という用語は、例えば、捲縮して集合したエアロゾル形成材料シートから形成したロッドの断面など、多孔性物品の断面積のうち空隙の割合を意味する。断面空隙率は、ロッドの横断断面の空隙の面積率である。ロッドの横断断面積は、ロッドの長軸方向軸と直角をなす平面内のロッドの面積である。」 (甲2ウ) 「【0042】 好ましい例において、加熱式エアロゾル発生物品は、ラッパー内で組み立てられたエアロゾル形成基体を含めた複数の要素を備えうるが、エアロゾル形成基体は6.5mm~8mmの直径を持つエアロゾル形成ロッドの形態であり、ロッドは均質化したたばこ材料を捲縮して集合したシートから形成され、シートは120mm~160mmの幅、150マイクロメートル~250マイクロメートルの厚さを持ち、またシートは100~250マイクロメートルの捲縮の深さで捲縮される。 【0043】 本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、加熱されると揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生する能力を持つエアロゾル形成材料から構成されるか、またはそれを含む基体を示す。たばこ材料シートは、本明細書の目的でのエアロゾル形成基体の一例である。ニコチン塩を含む紙または高分子のシートは、本明細書の目的でのエアロゾル形成基体の別の例である。」 (甲2エ) 「【0050】 エアロゾル形成材料シートは、たばこおよびエアロゾル形成体を含むたばこ材料シートであることが好ましい。シートを形成するたばこ材料は、再構成たばこまたは均質化したたばこが好ましい。均質化したたばこ材料は、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、結合剤および溶剤などの様々な他の添加物を含みうる。均質化したたばこ材料シートに含めるための適切なエアロゾル形成剤および湿潤剤は当業界で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これに限定されない。 【0051】 例えば、本明細書で説明したロッドの形成に使用するための均質化したたばこ材料シートは、乾燥質量で約5~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を持ちうる。加熱式喫煙物品で使用することが意図されたロッドは、エアロゾル形成体を含むロッドが燃焼されるのではなく加熱されるが、5%~約30%よりも多くのエアロゾル形成体を含むことが好ましい場合がある。こうした加熱式喫煙物品で使用することが意図されたロッドでは、エアロゾル形成体はグリセリンであることが好ましい。」 (甲2オ) 「【0057】 本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の一般的に円筒形の要素を示すために使用される。ロッドの直径は、5mm~10mm、好ましくは6mm~9mm、または7mm~8mmであることが好ましい。」 (甲2カ) 「【0070】 均質化したたばこ材料の連続的に捲縮したシート8は、搬送機構によって1対の捲縮ローラー6からロッド形成手段へと下流に搬送され、そこで先細の漏斗またはホーン10を通して供給される。先細の漏斗10は、均質化したたばこ材料の連続的に捲縮したシート8を、均質化したたばこ材料シートの長軸方向軸に対して横断する方向に集合させる。均質化したたばこ材料の連続的に捲縮したシート8は、先細の漏斗10を通過する際は実質的に円筒形の構造であると想定される。 【0071】 先細の漏斗10を出ると、均質化したたばこ材料の連続的に捲縮したシートの集合体は、包装材料12の連続的なシートで包まれる。包装材料の連続的なシートはボビン14から供給され、エンドレスベルトコンベアまたは装具によって、均質化したたばこ材料の連続的に捲縮したシートの集合体の周りで包まれる。図1に示す通り、ロッド形成手段は、包装材料の連続的なシートの対向にある長軸方向の端が接触し互いに接着して連続的なロッドを形成するように、包装材料の連続的なシートの長軸方向の端のうち片方に接着剤を塗布する接着剤塗布手段16を含む。 【0072】 ロッド形成手段は、接着剤塗布手段16の下流にある乾燥手段18をさらに含むが、これは使用中に、連続的なロッドがロッド形成手段から切断手段へと下流に搬送される際に、連続的なロッドの継ぎ目に塗布された接着剤を乾燥させる。 【0073】 切断手段は、連続的なロッドを単位長さまたは複数単位長さの複数の個々のロッドに切断するロータリーカッター20を含む。 【0074】 一つの好ましい実施形態で、個別のロッドの直径は約7mmである。シートの幅、シートの厚さ、および捲縮の深さは、0.15~0.45の範囲内に入る所定の断面空隙率、および0.05~0.22の断面空隙率分布の値となるように選択される。断面空隙率分布の値は、ロッド内の空隙率の均一性の尺度である。」 (甲2キ) 「【0089】 所定のロッドの直径について、断面空隙率および断面空隙率分布の値の変動は、ロッドが加熱された時の様々なエアロゾル構成要素の送達に影響を及ぼす。ロッドは、(1)低い断面空隙率および不均一な断面空隙率分布、(2)低い断面空隙率および均一な断面空隙率分布、(3)高い断面空隙率および不均一な断面空隙率分布、および(4)高い断面空隙率および均一な断面空隙率分布を持つものが製造された。これら4つの異なるロッドの断面画像は図12~15に図示されている。」 (甲2ク) 「【0095】 グリセリンおよびニコチンの両方の送達に影響する主な要因は、ロッドの空隙率の高さであることがわかる。送達値は、またロッドの空隙率が均一な場合にもわずかに改善される。」 (甲2ケ) 「【0099】 エアロゾル発生装置と勘合されると、ユーザーは喫煙物品2000の口側端2012を吸い、エアロゾル形成基体2020が約375℃の温度に加熱される。この温度にて、揮発性化合物は、エアロゾル形成基体2020を形成する均質化したたばこから放出される。これらの化合物は凝縮されてエアロゾルを形成する。エアロゾルはフィルター2050を通して引き出され、ユーザーの口に入る。」 (甲2コ) 「【0102】 エアロゾル形成基体2020は、このタイプの加熱式エアロゾル発生物品のニコチンおよびグリセリンの送達を最適化するために、断面空隙率が約0.22で、断面空隙率分布の値(本明細書で説明した方法を使用して測定)が0.08のロッドを備える。」 (甲2サ) 「【0105】 図22に示したように、エアロゾル形成基体2020、伝達要素2204、エアロゾル冷却要素2206、スペーサー要素2040およびマウスピース2050、ならびにブラインド可燃性熱源2080の後方部分は、低空気浸透性のシート材料、例えば、シガレットペーパーの外側ラッパー2208に包まれる。」 (甲2シ) 「【0109】 本明細書で説明した特定の実施形態は、たばこ材料シートから形成されたロッドに関連することが知られているが、当然ながら当業者には類似した方法を使用して非たばこエアロゾル形成材料からロッドを形成しうることが明白である。さらに、本明細書で説明した特定の実施形態は、捲縮した材料シートから形成されたロッドに関連することが知られているが、当然ながら当業者には類似した方法を使用して、未処理の材料シートから、または捲縮以外の方法で処理が施されたシートからロッドを形成しうることが明白である。」 イ 甲2の1に記載された発明 上記アを総合すると、甲2の1には、以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 「非たばこおよびエアロゾル形成体を含む非たばこ材料シートであるエアロゾル形成材料シートと、 円筒形の要素であるロッドを形成するべくエアロゾル形成材料シートを囲むラッパーと、を備え、 エアロゾル形成材料シートは、ラッパーで囲まれてロッドを形成する状態において、ロッドとしては所定の断面空隙率を有するようになっている、 加熱式エアロゾル発生物品用のロッド。」 (3) 甲3について 甲3には、以下の事項が記載されている。なお、甲3の抄訳の該当箇所を摘記する。 (甲3ア) 「 上記のように、本発明のタバコフレーバー材料は、加熱されるとフレーバーを遊離する任意の材料とすることができる。タバコフレーバー材料が連続シートである場合、本発明によれば、坪量、シート密度、またはシートの成形厚を変えることにより、エアロゾルおよびフレーバーの生成を選択的に制御することができる。さらに、エアロゾルおよびフレーバーの生成は、エアロゾルおよびフレーバーが逃げることができる表面部位の数を増やすように、タバコフレーバー材料の有効表面積を増やすことによって制御することもできる。本発明によれば、有効表面積は、シート表面をパターン化することによって(例えば、表面をエンボス加工またはスクリーン印刷することによって)増加させることができる。さらに、エアロゾルおよびフレーバーの生成は、タバコフレーバー材料からのエアロゾルおよびフレーバー剤の逃げを容易にするように、タバコフレーバー材料の多孔性を増加させることによって制御することもできる。本発明のこの特徴は、例えば、シートに穴を開けることによって達成することができる。」(7欄61行目から8欄12行目) (4) 甲4について 甲4には、以下の事項が記載されている。 (甲4ア) 「【0006】 エアロゲルは、ゲルから抽出し、ゲル中の液体成分を気体に置換した高多孔性合成材料である。この結果、開細胞構造を有する低密度の固体が得られる。エアロゲルは、その名称にも関わらず、物理的特性がゲルとは全く異なる硬質の乾燥した材料であり、この名称は、ゲルから抽出されることに由来する。ゲルは、重量のほとんどが液体であるが、液体中の三次元架橋網状組織に起因して固体のように挙動する。一般に、ゲルは、連続相である固体内に分散相である液体分子が分散したものである。」 (甲4イ) 「【0013】 本開示による喫煙物品は、エアロゲル内にタバコを組み込むことによるタバコ基材の効果的な改善方法を提供する。エアロゲルは、タバコ基材内のタバコ含有量を要望に応じて特異的に調整できるようにする。エアロゲルは、タバコ基材内を流れる粒子及び気体と接するタバコ基材の表面積を広げ、エアロゲル内に分散する機能材料の効率を高めることもできる。エアロゲルは、いずれの形状に形成することもでき、タバコ基材内のタバコの量とは実質的に無関係とすることができる物理的又は構造的特性をタバコ基材に与えることができる。 【0014】 いくつかの実施形態では、本開示による喫煙物品が、開細孔構造を形成するエアロゲルを有するタバコ基材を含む。このタバコ基材は、エアロゲル内に分散したタバコを含む。エアロゲルは、タバコ基材の物理的構造の一部又は全部を形成することができ、又はタバコ基材内に分散した複数のエアロゲル粒子の形をとることができる。多くの実施形態では、エアロゲルが、タバコロッドの物理的構造を形成する。例えば、エアロゲルは、タバコロッドで見られる所望の形状又は堅度、或いは形状と堅度の両方をもたらす構造的特性を提供することができる。 【0015】 「開細孔構造」という用語は、相互接続された空隙又は細孔を定める網状組織又はマトリックスを含む構造を意味する。開細孔構造では、エアロゲルの相互接続された空隙又は細孔を通じてエアロゾル、気体又は蒸気が通過することができる。多くの実施形態では、空隙又は細孔の平均サイズが、500マイクロメートル未満、又は250マイクロメートル未満、又は100マイクロメートル未満である。空隙又は細孔のサイズは、開細孔構造の単体要素の粒子又は一部を切り開き、各空隙又は細孔の最大断面寸法を測定することによって求めることができる。空隙又は細孔の平均サイズは、これらの測定値の算術平均である。この開細孔構造により、エアロゲル構造内を気体が、また場合によっては気体に同伴する粒子状物質が流れるようになる。開細孔構造の細孔のサイズは、従来の喫煙物品のタバコロッドの吸引抵抗と同様の吸引抵抗を示すように選択することができる。多くの実施形態では、エアロゲル又は開細孔構造を含むタバコロッドの吸引抵抗が、約10~約70mm H2O、又は約20~約50mm H2Oである。多くの実施形態では、(エアロゲル又は開細孔構造を含むタバコロッドと、喫煙物品の他の要素とを含む)喫煙物品の吸引抵抗が、約50~約140mm H2O、又は約60~約120mm H2Oである。従って、本明細書で説明するいくつかの喫煙物品の喫煙体験は、従来の喫煙物品に匹敵することができる。」 (甲4ウ) 「【0042】 エアロゲルは、任意に機能材料を含むことができる。この機能材料をゲル化剤、タバコ及び水又は溶媒と組み合わせて、ゲル及び結果として得られるエアロゲルを形成することができる。この機能材料は、エアロゲルの開細孔構造内に分散させることができる。エアロゲルは、機能材料の効率を高めることができる広い表面積を提供する。従って、エアロゲルの開放気孔構造と共に利用する機能材料の量を、従来の喫煙物品と比べて少なくすることができる。機能材料をエアロゲル構造内に組み込み、基本的にエアロゲルマトリックス又は構造内に機能材料を「ロック」することができる。機能材料は、香味材料、或いは煙成分を捕捉又は変換する材料を含むことができる。 【0043】 香味材料は、液体香味料又は吸着剤、或いは液体香味料又はハーブ材料を含浸させたセルロース系材料の粒子を含む。香味料は、以下に限定されるわけではないが、天然又は合成メントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、(シナモン、クローブ及びショウガなどの)スパイス、ココア、バニラ、果物香味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ネズミサシ、アネトール及びリナロールを含む。また、香味料は、精油、又は1種類又はそれ以上の精油の混合物も含む。「精油」とは、取得元の植物の特異臭及び香味を有する油のことである。好適な精油としては、限定ではないが、ペパーミント油及びスペアミント油が挙げられる。多くの実施形態では、香味料が、メントール、オイゲノール、又はメントールとオイゲノールの組み合わせを含む。 【0044】 「ハーブ材料」という用語は、ハーブ性植物由来の材料を示すために使用するものである。「ハーブ性植物」は、葉又はその他の部分が医療、料理又は芳香目的で使用される芳香植物であり、喫煙物品により生成される煙中に香味を放出することができる。例えば、ハーブ材料は、以下に限定されるわけではないが、ペパーミント及びスペアミントなどのミント、レモンバーム、バジル、シナモン、レモンバジル、チャイブ、コリアンダー、ラベンダー、セージ、茶、タイム及びカーヴィ(carvi)を含むハーブ性植物からのハーブ葉又はその他のハーブ材料を含むことができる。「ミント」という用語は、ハッカ属の植物を示すために使用するものである。好適な種類のミント葉は、以下に限定されるわけではないが、セイヨウハッカ、ショウガ、エジプトミント、ベルガモットミント、スペアミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、メグサハッカ、アップルミント及びパイナップルミントを含む植物種から採取することができる。」 (甲4エ) 「【0049】 上記のあらゆるタバコ基材は、シガレットなどの従来の可燃性喫煙物品で使用することも、或いは、例えば熱、空気流又は化学反応を用いてタバコ成分を送達するように構成された喫煙物品などの不燃性喫煙物品で使用することもできる。」 (5) 甲5について 甲5には、以下の事項が記載されている。 (甲5ア) 「【0024】 加熱式エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基材を加熱することにより、基材の材料からエアロゾルを発生させるように動作する。この結果、消費者はエアロゾルを吸入することができる。しかしながら、エアロゾル形成材料のシートは、低い熱伝導性を有することがある。このことは、エアロゾル発生材料のシートから形成されたロッド又はプラグを均等に加熱するのが困難な場合があることを意味する。加熱に差があると、ロッド又はプラグの一部の箇所が高温に加熱されることがある。これらのロッド部分は焦げて、不快な味の揮発性成分を放出又は発生させることがあり、又はこれらの部分からの揮発性物質の発生又は消費が急速過ぎて、満足のいくユーザ体験が得られないこともある。ロッド又はプラグのうち熱源から離れた残りの部分は、揮発性物質を発生させるのに十分な温度に達しないこともある。 【0025】 熱伝導は、ロッドを形成するように共にギャザー加工した、エアロゾル形成材料の第1のシート及び熱伝導材料の第2のシートからロッドを形成することによって大幅に改善することができる。このギャザー加工した熱伝導材料のシートは、ギャザー加工したきエアロゾル形成材料のシートと織り合わせて、熱伝導材料がロッドを通じて熱を迅速かつ効率的に伝えるようにすることが好ましい。」 (甲5イ) 「【0027】 第1の材料シートは、テクスチャ加工された材料シートとすることができる。テクスチャ加工された材料シートを使用すると、本明細書で説明するロッドを形成するためのシートのギャザー加工を容易にすることができるという利点がある。第2の材料シートも、テクスチャ加工された材料シートとすることができる。第1の材料シートと第2の材料シートの両方を、テクスチャ加工された材料シートとすることもできる。 【0028】 本明細書で使用する「テクスチャ加工シート」という用語は、皺寄せ、エンボス加工、デボス加工、穿孔又は別の方法で変形させたシートを意味する。均質化タバコなどのテクスチャ加工した材料シートは、複数の離間した窪み、突起、穿孔又はこれらの組み合わせを含むことができる。」 (甲5ウ) 「【0064】 均質化タバコ材料のシートは、粒子状タバコを塊にする支援となるように、タバコの内部を発生源とする1又はそれ以上の内因性バインダ、タバコの外部を発生源とする1又はそれ以上の外因性バインダ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。これとは別に、又はこれに加えて、均質化タバコ材料のシートは、以下に限定されるわけではないが、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾル形成体、保湿剤、可塑剤、香味料、充填剤、水性及び非水性溶媒、並びにこれらの組み合わせを含む他の添加物を含むこともできる。」 (甲5エ) 「【0066】 当業では、均質化タバコ材料のシートに含めるのに適した非タバコ繊維が知られており、以下に限定されるわけではないが、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維及びこれらの組み合わせが挙げられる。非タバコ繊維は、均質化タバコ材料のシートに含める前に、以下に限定されるわけではないが、機械的パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化及びこれらの組み合わせを含む当業で周知の好適な処理を施すことができる。」 (6) 甲6について 甲6には、以下の事項が記載されている。 (甲6ア) 「【0009】 本発明で使用されるタバコは、例えば葉柄、葉身、ダスト、再生タバコまたはこれらの混合物であってもよい。好適なタバコ材としては、次のタバコ種、ヴァージニアまたは熱風乾燥タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコまたはタバコ材のブレンドなどが挙げられる。タバコは、ドライアイス膨張タバコ(DIET)などの膨張タバコであってもよく、押し出しなどの他の手段で処理されたものであってもよい。葉柄タバコは、予備処理されたものでも、未処理のものであってもよく、例えば固形の葉柄、刻んで乾燥させた葉柄またはスチーム処理した葉柄であってもよい。 【0010】 希釈剤は、例えばポリオール系エアロゾル発生手段または非ポリオール系エアロゾル発生手段、好ましくは非ポリオール系エアロゾル発生手段である少なくとも1つのエアロゾル形成剤である。エアロゾル形成剤は、室温で個体または液体であってもよいが、室温で液体のものが好ましい。好適なポリオールは、ソルビトール、グリセロールおよびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールなどのグリコール類である。好適な非ポリオール系のエアロゾル発生手段は、一価アルコール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸、ジアセチン、トリアセチン、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸イソプロピルなどのエステルなどである。同じまたは異なる比で組み合わせた希釈剤も使用可能である。トリアセチン、クエン酸トリエチルおよびミリスチン酸イソプロピルは、特に好ましい。」 (甲6イ) 「【0012】 希釈剤は、タバコ材を覆う表面として存在してもよく、および/または、一部がタバコ材に吸収されていてもよい。しかしながら本発明では希釈剤がタバコのある正確な位置に配置することは重要ではない。」 (甲6ウ) 「【0023】 本発明によって製せされた製品において、希釈剤がバリアー材で覆われ、その移行が周囲条件下で妨害される。本発明の1つの実施態様において見られる処理されたタバコの粒子を図1に略図にて示す。この実施態様では、処理されたタバコ粒子(1)は、希釈剤(3)を第1のコーティングおよび任意にその多孔質構造に含むタバコ粒子(2)である。この図ではタバコ繊維の間の「孔」(5)または空隙が示されており、希釈剤(3)は孔をコーティングした状態に示されているが、孔を完全に満たしてもよい。バリアー材(4)は、タバコ粒子の周囲に外部コーティングを形成する。実際にはバリアー材層と希釈剤層との境界は、必ずしも厳密である必要がなく、バリアー材層は、実質的に希釈剤の外側に見られる。」 (甲6エ) 「【0027】 処理されたタバコは、従来の手段によって喫煙品に組み込むことができる。この処理されたタバコを喫煙品に単独で組み込んでもよく、他のタバコ材と組み合わせてまたはブレンドしてもよい。本明細書中で使用する「喫煙品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガー、シガリロなどの喫煙可能な製品である。またこの用語には、煙を発するまたは煙のようなエアロゾルを発するいわゆる「熱で燃焼しない」製品も含まれる。喫煙品は、喫煙者によって引き込まれる粒状または気相流のためのフィルターを設けてもよい。」 (甲6オ) 「 [図:0001399904000002.jpg] 」 (7) 甲7について 甲7には、以下の事項が記載されている。 (甲7ア) 「喫煙物品用の喫煙可能な充填材は、少なくとも当初は脂肪又は油に富んだ煙草葉でない1種又は2種以上の植物材料であって、豆、植物の果実、種子、草花、堅果の粗挽き又は粉末、コーヒー豆、落花生、カカオ豆以外の植物の殻の粗挽き又は粉末である植物材料を含有するか、あるいは、脂肪又は油に富んだ煙草葉でない植物材料の一部から得られる油、脂肪、バター又は脂肪酸を含有する。」(6頁6~10行) (甲7イ) 「本発明の燃料材の幾つかの燃えさし(熾き)の温度は、代用喫煙物品に使われている典型的な燃料材であるカーボンの燃焼温度に比較してかなり低温である。また、本発明の燃料材は煙草葉のロッドよりも、燃えさしの静的ピーク燃焼温度が低い。燃料混合物中に占める本発明の燃料材の量は、喫煙物品の燃えさしの静的ピーク燃焼温度を左右すると思われる。適度な燃焼温度をえるためには、燃料材の量を35%以下とするのが好ましい。 本発明の燃料材を含有する喫煙物品の燃えさしに、人が触れてしまう危険は、燃焼帯域の幅が大きければ大きいほど増大する。カカオを含有する喫煙物品の燃焼帯域の幅は、カーボンを含有する同形同種の喫煙物品の燃焼帯域の幅に比較して狭い。」(9頁下から1行~10頁9行) (甲7ウ) 「好ましいエアロゾル発生源には、グリセリンのようなエアロゾル発生剤や、前記PCT出願で説明したエアロゾル発生化合物が含まれる。そしてこれらには、多価アルコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、トリアセチン又はトリエチレングリコールジアセテート(TEGDA)のようなエステル、高沸点炭化水素などが含まれる。その他の適当なエアロゾル発生剤は、当業者によく知られている。 本発明の喫煙可能な充填材は、好ましくは発泡又は非発泡の押出し成形材である。適当な膨張剤、すなわち、発泡剤は、前記したPCT出願の膨張剤に関する記載に説明されており、これを参考文献として引用する。」(11頁15~23行) (8) 甲8について 甲8には、以下の事項が記載されている。 (甲8ア) 「【0003】 本発明の目的は、安定した発泡構造を有する喫煙可能な充填材料を提供することである。安定した発泡体の構造は、発泡体が実質的に発泡構造の充填力を維持しながら乾燥した状態にあることである。 【0004】 さらに本発明は、喫煙品の充填材料を形成するための刻みタバコとブレンドできる、または喫煙品内に単独の充填材料として存在し得る、安定化された発泡構造を有する喫煙可能な充填材料を提供することも目的としている。」 (甲8イ) 「【0045】 本発明の喫煙可能な充填材料は、化学的に安定し、発泡した材料である。この化学的に安定し、発泡した材料は、乾燥した際に実質的に発泡構造を維持するのが好ましい。 【0046】 本発明の喫煙可能な充填材料は、任意ではあるが、さらにエアロゾル発生手段、不活性充填材料、風味剤、着色料、繊維性材料、炭素系材料、バインダーおよび/またはタバコ材料、その他これらを組み合わせたものを含んでもよい。 【0047】 本発明の喫煙可能な充填材料がさらにエアロゾル発生手段を含む場合、このエアロゾル発生手段は、多価アルコール、グリセロール、プロピレングリコール、硝酸トリエチルもしくはトリアセチンなどのエステルまたは高沸点炭化水素などのエアロゾル形成手段を含むと有利である。これらのエアロゾル形成手段の組み合わせて使用してもよい。」 (甲8ウ) 「【0062】 本発明の喫煙可能な充填材料は、タバコを含んでもよい。タバコは、架橋剤としてまたは非タバコ架橋剤とは別に存在してもよい。」 (甲8エ) 「【0065】 さらに本発明は、本発明の喫煙可能な充填材料を含むブレンドを含む喫煙材をラッパーで巻いた喫煙材ロッドを含む喫煙品を提供する。」 (甲8オ) 「【0070】 本発明の喫煙可能な充填材料は、例えば押し出し加工されたシートなどのシート状のものであってもよい。充填材料がシート状のものである場合、シートを喫煙品に加える前に刻むまたは切断してもよい。これとは別に本発明による喫煙可能な充填材料は、安定化し、発泡した内部または層を有する材料を形成するようにラミネートしてもよい。さらにこれとは別に本発明による喫煙可能な充填材料は、細長い片として喫煙材料に組み込んでもよく、ラッパーに巻かれる前にロール状にしてもよい。」 (9) 甲9について 甲9には、以下の事項が記載されている。 (甲9ア) 「【0010】 本発明の目的は、押し出し成形されたフィラメント状のタバコの改良された製造方法を提供することである。」 (甲9イ) 「【0013】 またさらに本発明は、喫煙品、例えば紙巻きタバコ内に組み込むのに適した寸法の再生タバコ製品を提供することを目的としている。」 (甲9ウ) 「【0039】 本発明の処理は、押し出し物がダイから出るとすぐに押し出し物が、その中の水が蒸気に急速に気化することによって膨張するような条件下で行われるのが好ましい。これにより押し出し物の断面は大きくなり、内部が多孔質構造となる。」 (10) 甲10について 甲10には、以下の事項が記載されている。 (甲10ア) 「喫煙物として使用可能な材料を製造するため煙草再生方法を実施することが提案された。前記材料が例えば直径8mmの多孔ロッド状に製造される場合、前記ロッドは紙巻き煙草または葉巻に類似した喫煙物として喫煙可能である。また、煙草再生方法による製造物は、寸断された後、通常の喫煙物の切断充填物成分として利用することが提案されている。」(2頁左下欄最下行~同頁右下欄7行) (甲10イ) 「本発明は、重量比5%から35%のスターチと、重量比10%までのバインダーとを有し前記スターチの重量が前記バインダーの重量の2倍以上である粒子状煙草・スターチ・バインダー混合物を、該混合物の重量の0%から10%の範囲内の砂糖および水を添加して、押出物が押出機のダイの排出開口部より大きな断面を有するように押出してシート状押出物を形成し、前記押出物を切断して煙草充填物サイズの粒子製品を製造することを特徴とする煙草再生方法を提供する。」(3頁右上欄最下行~同頁左下欄9行) (甲10ウ) 「押出物がダイから排出される時の温度、および、押出機に供給される成分を一定にしたとき、押出物が、押出物内で飛び散って蒸気となる水によって膨張するような条件で行なう必要がある。このようにして、押出物の断面が大きくなり、多孔性の内部構造が形成される。押出物の密度は50mg/ccから500mg/ccであり、300mg/ccを越えないのが好ましい。」(4頁左下19行~同頁右上欄6行) (11) 甲11について 甲11には、以下の事項が記載されている。 (甲11ア) 「【0008】 本明細書で用いる場合に、用語「エアロゾル発生物品」及び「喫煙物品」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することができるエアロゾル形成基材を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザの口腔を通してユーザの肺に直接に吸入されるエアロゾルを発生させる喫煙物品とすることができる。エアロゾル発生物品は、使い捨てとすることができる。用語「喫煙物品」は、以下において一般的に用いられる。 【0009】 好ましくは、喫煙物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために燃焼するよりも加熱されるように意図したエアロゾル形成基材を含む喫煙物品である加熱式喫煙物品である。エアロゾル形成基材を加熱することによって形成されるエアロゾルは、エアロゾル形成基材の燃焼又は熱分解によって生成されると考えられるよりも含まれる公知の有害成分が少ない場合がある。喫煙物品は、タバコスティックとすることができ、又はこれを含むことができる。」 (甲11イ) 「【0013】 一実施形態において、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基材を受け入れることができる。装置は、エアロゾル形成基材を加熱するためのものであってエアロゾル形成基材の内部部分を貫通するように構成された加熱器と、エアロゾル発生装置に受け入れられたエアロゾル形成基材を引き出すための引出器とを含むことができる。引出器は、第1の位置と第2の位置の間でエアロゾル発生装置に移動可能に結合することができ、第1の位置は、エアロゾル形成基材と接触した加熱器によって定められる作動位置であり、第2の位置は、加熱器から分離したエアロゾル形成基材によって定められる引出位置である。」 (甲11ウ) 「【0047】 喫煙物品は、実質的に円筒形とすることができる。喫煙物品は、実質的に細長いとすることができる。喫煙物品は、長さ及び長さに実質的に直交する円周を有することができる。エアロゾル形成基材は、実質的に円筒形とすることができる。エアロゾル形成基材は、実質的に細長いとすることができる。エアロゾル形成基材も、長さ及び長さに実質的に直交する円周を有することができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル形成基材の長さがエアロゾル発生装置内の空気流の方向と実質的に平行であるようにエアロゾル発生装置の摺動レセプタクルに受け入れることができる。」 (甲11エ) 「【0049】 一実施形態において、喫煙物品の全長は、約45mmである。喫煙物品の外径は、約7.2mmとすることができる。更に、エアロゾル形成基材の長さは、約10mmとすることができる。これに代えて、エアロゾル形成基材の長さは、約12mmとすることができる。更に、エアロゾル形成基材の直径は、約5mmから約12mmの間とすることができる。喫煙物品は、外側包装紙を含むことができる。更に、喫煙物品は、エアロゾル形成基材とフィルタプラグの間に分離を含むことができる。分離は、約18mmとすることができるが、約5mmから約25mmの範囲とすることができる。 【0050】 エアロゾル形成基材は、固体エアロゾル形成基材とすることができる。これに代えて、エアロゾル形成基材は、固体及び液体成分の両方を含むことができる。エアロゾル形成基材は、加熱中に基材から放出される揮発性タバコ香味化合物を含有するタバコ含有材料を含むことができる。これに代えて、エアロゾル形成基材は、非タバコ材料を含むことができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾルフォーマを更に含むことができる。適切なエアロゾルフォーマの例は、グリセリン及びプロピレングリコールである。 【0051】 エアロゾル形成基材が固体エアロゾル形成基材である場合に、固体エアロゾル形成基材は、例えば、ハーブ葉、タバコ葉、タバコ茎の破片、再構成タバコ、均質化タバコ、押し出しタバコ、及び膨張タバコのうちの1つ又はそれよりも多くを含有する粉体、粒体、ペレット、破片、スパゲティ、ストリップ、又はシートのうちの1つ又はそれよりも多くを含むことができる。固体エアロゾル形成基材は、緩んだ形態にある場合があり、又は適切な容器又はカートリッジに提供することができる。任意的に、固体エアロゾル形成基材は、基材の加熱中に放出される追加のタバコ又は非タバコ揮発性香味化合物を含有することができる。固体エアロゾル形成基材はまた、例えば、追加のタバコ又は非タバコ揮発性香味化合物を含むカプセルを収容することができ、このようなカプセルは、固体エアロゾル形成基材の加熱中に溶融することができる。」 (甲11オ) 「【0077】 図2Aは、喫煙物品201がエアロゾル発生装置内に挿入された状態にある図1の引出器101を示す。図2では、簡略化のために引出器の参照番号は示されていない。この実施形態において、喫煙物品201は、細長い円筒形を有し、かつ連続的に配置されて同軸アラインメントにあるエアロゾル形成基材203及びフィルタプラグ205を含む。エアロゾル形成基材203及びフィルタプラグ205は、外側包装紙207によって上包装される。喫煙物品に他の構成要素を含めることができる。」 (甲11カ) 「【0099】 エアロゾル形成基材203の圧縮は、ある一定の状況下では望ましいことがある。例えば、エアロゾル形成基材203の圧縮は、エアロゾル形成基材203と加熱器の間の物理的接触を改善することができる。更に、エアロゾル形成基材203の圧縮は、エアロゾル形成基材203の多孔率を実質的に低減する。ここで、多孔率とは、エアロゾル形成基材203を形成する物質に対する空気の比率として定義される。例えば、エアロゾル形成基材203の横断面容積における空気の高い割合は、高い多孔率に対応し、空気の低い割合は、低い多孔率に対応する。換言すれば、物質の圧縮が上昇して空気が物質から押し出される時に、多孔率は低下する。多孔率が低下する時に、エアロゾル形成基材203を形成する物質の各部分間の平均距離も減少し、物質はより密度が高くなる。」 (甲11キ) 「 [図:0001399904000003.jpg] 」 (甲11ク) 「 [図:0001399904000004.jpg] 」 イ 甲11に記載された発明 上記アを総合すると、甲11には、以下の発明(以下、「甲11発明」という。)が記載されていると認められる。 「非タバコ材料であるハーブ葉を含有し、更に、エアロゾルフォーマを含むエアロゾル形成基材と、 円筒形の喫煙物品のエアロゾル形成基材を上包装する外側包装紙と、を備え、 エアロゾル形成基材は、外側包装紙に上包装され、エアロゾル形成基材を全体としてみると、所定の多孔率を有し、破片を含むことができる、 電気加熱式喫煙システム用喫煙物品。」 (12) 甲12について 甲12には、以下の事項が記載されている。 (甲12ア) 「配合した原料葉タバコに強い圧力を加え板状にし、これを種々の形状に刻んだもの。代表的なものには、 ・フレークカット(薄片にした刻み)」 (13) 甲13について 甲13には、以下の事項が記載されている。なお、甲13から摘記するとともに、甲13の抄訳の該当箇所を摘記する。なお、抄訳が無い箇所については、当審訳を付する。 (甲13ア) 「The present invention relates to a vaporising device for vaporising vaporisable matter to produce an aerosol for inhaling, and in particular, though not limited to a device for vaporising flavour constituents, medicinal and medical constituents and psychoactive constituents from such matter. Such vaporisable matter may be, for example, tobacco, mullein, passionflower, cloves, yohimbe, mint, tea, eucalyptus, camomile and other such herb and plant matter, as well as medicinal compounds, although the invention is not limited to a vaporising device for vaporising such matter. The invention also relates to a vaporising device for vaporising medicinal compounds and other matter to form an aerosol for inhaling for rapid absorption into the bloodstream. Further the invention provides a heat transfer element for use in the vaporising device.」(1頁3~13行) 「 本発明は、気化可能な物質を気化して吸入するためのエアロゾルを生成する気化装置に関し、特に、限定されるものではないが、そのような物質からフレーバー成分、薬効成分、医療成分、精神作用成分を気化する装置に関するものである。このような気化可能な物質は、例えば、モウズイカ(mullein)、トケイソウ(passionflower)、クローブ(clove)、ヨヒンベ(yohimbe)、ミント、茶、ユーカリ、カモミール(camomile)並びに他のそのようなハーブ及び植物物質、および薬用化合物であってもよいが、本発明は、このような物質を気化する気化装置に限定されるものではない。また、本発明は、薬用化合物及び他の物質を気化して吸入するエアロゾルを形成し、血流に速やかに吸収させる気化装置に関するものである。さらに本発明は、気化装置で使用するための熱伝達要素を提供する。」(甲13の抄訳より) (甲13イ) 「In general, such vaporising devices comprise a vaporising chamber for the vaporisable matter, and a heating means for heating the vaporisable matter in the vaporising chamber in order to vaporise vaporisable constituents in the vaporisable matter. The heating means may be electrically powered or gas powered. A mouthpiece which communicates with the vaporising chamber is provided to facilitate drawing of an aerosol which comprises vapours from the vaporisable constituents of the vaporisable matter from the vaporising chamber. By drawing on the mouthpiece, air is drawn into the vaporising chamber, and vapours from the vaporisable constituents are entrained in the air as it is drawn through the vaporising chamber to form the aerosol. The aerosol is then drawn from the vaporising chamber through the mouthpiece and inhaled.」(1頁20~30行) (当審訳:一般に、このような気化装置は、気化可能な物質の気化可能な成分を気化させるための蒸発可能な物質の蒸発室と、蒸発室内の蒸発可能な物質を加熱するための加熱手段を備えている。加熱手段は、電気式又はガス式であってもよい。蒸発室と連通しているマウスピースは、蒸発室内の蒸発可能な物質の気化可能な成分の蒸気を含むエアゾールの吸入を容易にするために提供される。マウスピースで吸い込むことにより、空気は、蒸発室内に引き込まれ、気化可能な成分からの蒸気は、蒸発室を通して吸引され、エアゾールを形成するように空気中に連行される。エアゾールは、次いで気化室からマウスピースを通じて吸引され、吸入される。) (甲13ウ) 「Referring to the drawings, and initially to Figs. 1 to 16, there is illustrated a vaporising device according to the invention, indicated generally by the reference numeral 1, for vaporising vaporisable matter, which in this embodiment of the invention is herbal matter 2, for example, tobacco, mullein, passionflower, cloves, yohimbe, mint, tea, eucalyptus, camomile and other such herb and plant matter. Where the herbal matter 2 is tobacco, the tobacco may be in flake, strip, particulate or any other suitable form, or a mixture of two or more such forms. The vaporising device comprises a two-part casing 3 formed by a pair of shells 5, which when secured together define a hollow interior region 6.」(10頁10~18行) 「 最初に図面の図1から図16を参照すると、気化可能な物質を気化するための、符号1によって一般的に示される本発明による気化装置が示されており、本発明の当該実施形態では、ハーブ物質2、例えばタバコ、モウズイカ(mullein)、トケイソウ(passionflower)、クローブ(clove)、ヨヒンベ(yohimbe)、ミント、茶、ユーカリ、カモミール(camomile)並びに他のそのようなハーブ及び植物物質である。ハーブ物質2がタバコである場合、タバコは、フレーク状、ストライプ状、微粒子状、若しくはその他の適切な形態であってもよく、又はそのような形態の2以上の混合物であってもよい。気化装置は、一対のシェル5によって形成された2部構成のケーシング3からなり、これらは一緒に固定されると、中空内部領域6を画定する。」(甲13の抄訳より) (甲13エ) 「While the vaporising device according to the invention has been described as being suitable for vaporising vaporisable constituents in herbal matter to produce an aerosol, it is envisaged that the vaporising device may be used for vaporising any vaporisable constituent to produce an aerosol in any type of matter, whether herbal matter or otherwise. It is envisaged that the vaporising device may be used for vaporising medicinal compounds and the like, which would be placed in the vaporising chamber.」(21頁22~28行) 「本発明による気化装置は、エアロゾルを生成するハーブ物質中の気化可能な構成要素を気化するのに適しているものとして説明されているが、気化装置は、ハーブ物質であるかそれ以外であるかにかかわらず、任意のタイプの物質中の構成要素であってエアロゾルを生成する任意の気化可能な構成要素を気化するために使用してもよいことが想定される。気化装置は、気化室内に置かれるであろう薬用化合物を気化するために使用してもよいことが想定される。」(甲13の抄訳より) (甲13オ) 「 [図:0001399904000005.jpg] 」 (14) 甲14について 甲14の1には、以下の事項が記載されている。なお、甲14の1から摘記するとともに、甲14の1の訳文として提出された甲14の2の該当箇所を摘記する。 (甲14ア) 「The invention relates to aerosol-generating articles and aerosol-generating pellets comprising a plurality of particles. The invention also relates to a method for manufacturing such aerosol-generating pellets and to an aerosol-generating system comprising such aerosol-generating pellets or aerosol-generating articles.」(1頁4~9行) 「【0001】 本発明は、複数の粒子を含むエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生ペレットに関連する。本発明はまた、そのようなエアロゾル発生ペレットを製造するための方法、およびそのようなエアロゾル発生ペレットまたはエアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生システムに関連する。」 (甲14イ) 「According to an aspect of the present invention, there is provided an aerosol-generating article. The aerosol- generating article comprises a casing and a plurality of aerosol-generating particles arranged inside the casing. The aerosol-generating particles of the plurality of aerosol- generating particles comprise a core of susceptor material, which core of susceptor material is coated with aerosol- forming substrate.」(1頁24~31行) 「【0004】 本発明の態様によると、エアロゾル発生物品が提供されている。エアロゾル発生物品は、ケーシングおよびケーシングの内部に配置された複数のエアロゾル発生粒子を含む。複数のエアロゾル発生粒子のエアロゾル発生粒子は、サセプタ材料のコアを含み、そのサセプタ材料のコアは、エアロゾル形成基体で被覆される。」 (甲14ウ) 「According to another aspect of the invention, there is provided an aerosol-generating pellet, preferably, for use in an aerosol-generating article as described herein. The aerosol-generating pellet is a compacted plurality of aerosol-generating particles, the particles of the plurality of aerosol-generating particles each comprises a core of susceptor material coated with aerosol-forming substrate.」(8頁32行~9頁6行) 「【0033】 本発明の別の態様によれば、好ましくは、本明細書で説明したエアロゾル発生物品における使用のためのエアロゾル発生ペレットが提供されている。エアロゾル発生ペレットは、密集した複数のエアロゾル発生粒子であり、複数のエアロゾル発生粒子の粒子はそれぞれ、エアロゾル形成基体で被覆されたサセプタ材料のコアを含む。」 (甲14エ) 「Particles may be granules, flakes or other particulate material, for example having round, flat or longitudinally extended shapes, having regular or irregular shapes or surfaces. Granules may for example be beads or grit. A particle may comprise a single or multiple coating of aerosol-forming substrate. A particle may comprise a core comprising a single susceptor particle or several susceptor particles.」(10頁22~29行) 「【0040】 粒子は、細粒、薄片またはその他の粒子材料(例えば、丸型、平らなもしくは長手方向に延びる形状をもつ、または均整のとれたもしくは不規則な形状もしくは表面をもつ)であってもよい。細粒は、例えば、ビーズまたはグリットであってもよい。粒子は、エアロゾル形成基体の単一または複数の被覆を含んでもよい。粒子は、単一のサセプタ粒子またはいくつかのサセプタ粒子を含むコアを含み得る。」 (甲14オ) 「The core of susceptor material of the particles of the plurality of particles may be a susceptor particle such as a susceptor granule, susceptor flake or susceptor fibers. The susceptor particle may, for example have a round, flat or longitudinally extended shape, have a regular or irregular shape or surface. A susceptor granule may for example be a susceptor bead or susceptor grit. ・・・ The susceptor may be formed from any material that can be inductively heated to a temperature sufficient to generate an aerosol from the aerosol-forming substrate and that allow the manufacture of susceptor particles such as granules, flakes and fibers. Preferred susceptors comprise a metal or carbon. A preferred susceptor may comprise or consist of a ferromagnetic material, for example ferritic iron, a ferromagnetic alloy, such as a ferromagnetic steel or stainless steel, ferromagnetic particles, and ferrite. A suitable susceptor may be, or comprise, aluminium. Preferred susceptors may be heated to a temperature in excess of 250 degrees Celsius. Preferred susceptors are metal susceptors, for example stainless steel. However, susceptor materials may also comprise or be made of graphite, molybdenum, silicon carbide, aluminum, niobium, Inconel alloys (austenite nickel-chromium- based superalloys) , metallized films, ceramics such as for example zirconia, transition metals such as for example Fe, Co, Ni, or metalloids components such as for example B, C, Si, P, Al. Preferably, the core of susceptor material is a metallic susceptor particle.」(12頁3行~13頁15行) 「【0049】 複数の粒子の粒子のサセプタ材料のコアは、サセプタ細粒、サセプタ薄片またはサセプタ繊維などのサセプタ粒子であってもよい。サセプタ粒子は、例えば、丸型、平らなまたは長手方向に延びる形状をもっていてもよく、均整のとれたまたは不規則な形状または表面をもっていてもよい。サセプタ細粒は、例えば、サセプタビーズまたはサセプタグリットであってもよい。 ・・・ 【0051】 サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができ、且つ、細粒、薄片および繊維などのサセプタ粒子の製造を可能にする任意の材料から形成され得る。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含んでよく、またはその強磁性材料からなってよい。適切なサセプタはアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでよい。好ましいサセプタは250℃を超える温度に加熱され得る。 【0052】 好ましいサセプタは、金属サセプタ(例えば、ステンレス鋼)である。しかし、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、シリコン炭化物、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケル・クロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニウムなど)、遷移金属(例えば、Fe、Co、Niなど)、または半金属構成要素(例えば、B、C、Si、P、Alなど)を含み、またはそれらで作られ得る。 【0053】 サセプタ材料のコアは、金属サセプタ粒子であることが好ましい。」 (甲14カ) 「A susceptor particle may be partially or entirely porous. A susceptor particle may be massive or hollow.」(15頁28~29行) 「【0065】 サセプタ粒子は、部分的に、または全体的に多孔性であってもよい。サセプタ粒子は、大きくてもよく、または中空であってもよい。」 (甲14キ) 「Aerosol-forming substrate may be a tobacco containing aerosol-forming substrate. The aerosol-forming substrate may be provided in the form of a slurry. Depending on a coating method for applying a substrate coating onto a susceptor core a moisture content of the slurry may vary. Preferably, the tobacco containing slurry and the aerosol-forming substrate coating made from the tobacco containing slurry comprises tobacco particles, fiber particles, aerosol former, binder and for example also flavours. Preferably, a coating is a form of reconstituted tobacco that is formed from the tobacco containing slurry.」(16頁12~22行) 「【0067】 エアロゾル形成基体はたばこ含有エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は、スラリーの形状で提供されてもよい。基体被覆をサセプタコア上に適用するための被覆方法に応じて、スラリーの含水量が変化し得る。 【0068】 たばこ含有スラリーおよびたばこ含有スラリーから作られるエアロゾル形成基体被覆は、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤、および例えばさらに風味を含むことが好ましい。被覆は、たばこ含有スラリーから形成される再構成たばこの一形態であることが好ましい。」 (甲14ク) 「Aerosol formers included in the slurry for forming the coating may be chosen based on one or more characteristics. Functionally, the aerosol former provides a mechanism that allows it to be volatilized and convey nicotine or flavouring or both in an aerosol when heated above the specific volatilization temperature of the aerosol former. Different aerosol formers typically vaporize at different temperatures. An aerosol former may be chosen based on its ability, for example, to remain stable at or around room temperature but able to volatize at a higher temperature, for example, between 40 degree Celsius and 450 degree Celsius. The aerosol former may also have humectant type properties that help maintain a desirable level of moisture in an aerosol-forming substrate when the substrate is composed of a tobacco-based product including tobacco particles. In particular, some aerosol formers are hygroscopic material that function as a humectant, that is, a material that helps keep a substrate containing the humectant moist. One or more aerosol former may be combined to take advantage of one or more properties of the combined aerosol formers. For example, triacetin may be combined with glycerin and water to take advantage of the triacetin' s ability to convey active components and the humectant properties of the glycerin . Aerosol formers may be selected from the polyols, glycol ethers, polyol ester, esters, and fatty acids and may comprise one or more of the following compounds: glycerin, erythritol , 1,3-butylene glycol, tetraethylene glycol, triethylene glycol, triethyl citrate, propylene carbonate, ethyl laurate, triacetin, meso-Erythritol , a diacetin mixture, a diethyl suberate, triethyl citrate, benzyl benzoate, benzyl phenyl acetate, ethyl vanillate, tributyrin, lauryl acetate, lauric acid, myristic acid, and propylene glycol.」(17頁6行~18頁7行) 「【0071】 被覆を形成するスラリーに含まれるエアロゾル形成体は、1つ以上の特性に基づき選択され得る。機能的には、エアロゾル形成体は、そのエアロゾル形成体の特定の気化温度を超えて加熱されたとき、そのエアロゾル形成体を気化させ、且つ、ニコチンまたは風味剤または両方をエアロゾルの状態で運ぶメカニズムを提供する。異なるエアロゾル形成体は通常、異なる温度で気化する。エアロゾル形成体は、例えば室温またはその付近で安定性を保つが、高めの温度、例えば40℃~450℃などで気化できるその能力に基づき選択されうる。エアロゾル形成体はまた、基質がたばこ粒子を含むたばこ由来の製品で構成されている時にエアロゾル形成基体内に望ましいレベルの水分を維持するのに役立つ、湿潤タイプの属性を持ちうる。特に、一部のエアロゾル形成体は、湿潤剤として機能する吸水性材料、すなわち、基体が湿潤剤を含んだ状態に保つのに役立つ材料である。 【0072】 1つ以上のエアロゾル形成体を組み合わせてそれらの組み合わせたエアロゾル形成体の1つ以上の特性を利用してもよい。例えば、有効成分を運ぶトリアセチンの能力とグリセリンの保湿性を利用するためにトリアセチンをグリセリンおよび水と組み合わせてもよい。 【0073】 エアロゾル形成体はポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、および脂肪酸から選択されてよく、且つ、次の化合物、すなわちグリセリン、エリスリトール、1,3-ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ-エリスリトール、ジアセチン混合物、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリル酸、ミリスチル酸、およびプロピレングリコールのうちの1つ以上を含んでよい。」 (甲14ケ) 「Preferably, the tobacco containing slurry comprises homogenized tobacco material and comprises glycerin as aerosol former. Preferably, the coating of aerosol-forming substrate is made of a tobacco containing slurry as described above . Advantageously, aerosol-forming substrate surrounding the core of susceptor material is porous to allow volatilized substances to leave the substrate. Due to the aerosol-forming substrate forming a coating of the susceptor material, only a small amount of substrate must be heated by one susceptor core, compared to aerosol-forming substrates heated by, for example, a heating blade. Thus, also coatings having no or only little porosity may be used. A coating with small thickness may, for example, be chosen to have less porosity than a coating with large thickness.」(18頁27行~19頁9行) 「【0076】 たばこ含有スラリーは均質化たばこ材料を含み、エアロゾル形成体としてグリセリンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体の被覆は、上述の通りたばこ含有スラリーで作製されることが好ましい。 【0077】 有利には、サセプタ材料のコアを囲むエアロゾル形成基体は、多孔性であり、それによって揮発した物質が基体を出ることを可能にする。サセプタ材料の被覆を形成するエアロゾル形成基体により、例えば、加熱ブレードによって加熱されるエアロゾル形成基体と比較して、わずかな量の基体のみが1つのサセプタコアによって加熱されるであろう。ひいては、空隙率をもたないまたはわずかな空隙率のみをもつ被覆がまた用いられてもよい。例えば、わずかな厚さをもつ被覆が選択され、それは大きな厚さをもつ被覆より小さい空隙率をもっていてもよい。」 (甲14コ) 「The cavity may also be a cavity of a casing of an aerosol-generating article. Thus, the step of filling the plurality of particles into a cavity may comprise filling the plurality of particles into a separate casing, and forming the aerosol-generating pellet inside the casing. Thereby, an aerosol-generating article including casing and aerosol- generating pellet is manufactured. In further steps, the casing including the aerosol-generating pellet may be removed from a pelletizing apparatus. Open ends of the casing may subsequently be sealed, preferably by frangible or removable barriers . According to yet another aspect of the invention there is provided an aerosol-generating system. The aerosol-generating system comprises at least one aerosol-generating pellet according to the invention and as described herein or an aerosol-generating article according to the invention and as also described herein. The system further comprises an aerosol-generating device comprising a device housing comprising a device cavity arranged in the device housing. The device cavity contains the at least one aerosol- generating pellet or the aerosol-generating article, respectively. A power source of the system is connected to a load network, wherein the load network comprises an inductor for being inductively coupled to a core of susceptor material of a plurality of particles of the at least one aerosol- generating pellet, possibly of the aerosol-generating article comprising the plurality of particles, preferably in the form of one or more pellets. The inductor may for example be one or more induction coils. If one induction coil only is provided, the single induction coil is inductively coupled to the plurality of particles, for example, of the pellet or the pellets. If several induction coils are provided, each induction coil may heat one pellet or individual portions of the pellet formed by the plurality of particles.」(21頁31行~22頁32行) 「【0094】 くぼみはまた、エアロゾル発生物品のケーシングのくぼみであってもよい。したがって、複数の粒子をくぼみの中に充填する工程は、複数の粒子を別個のケーシングの中に充填すること、およびエアロゾル発生ペレットをケーシングの内部に形成することを含み得る。それにより、ケーシングおよびエアロゾル発生ペレットを含むエアロゾル発生物品が製造される。さらなる工程において、エアロゾル発生ペレットを含むケーシングは、ペレット化装置から取り外され得る。ケーシングの開端部が、好ましくは、壊れやすいまたは取り外し可能なバリアで連続的にシールされ得る。 【0095】 本発明のさらに別の態様によれば、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは、本発明による本明細書で説明したようなエアロゾル発生ペレット、または、本発明による本明細書でまた説明したようなエアロゾル発生物品のうちの少なくとも1つを備える。システムは、装置ハウジングに配置された装置くぼみを含む装置ハウジングを備えるエアロゾル発生装置をさらに備える。装置くぼみは、それぞれのエアロゾル発生ペレットまたはエアロゾル発生物品のうちの少なくとも1つを含む。システムの電源は、負荷ネットワークに接続され、負荷ネットワークは、少なくとも1つのエアロゾル発生ペレットの複数の粒子のサセプタ材料のコアと誘導結合するためのインダクタを備え、考えられるエアロゾル発生物品は、好ましくは、1つ以上のペレットの形状における複数の粒子を含む。インダクタは、例えば、1つ以上の誘導コイルであってもよい。1つの誘導コイルのみが提供される場合、単一の誘導コイルは、例えば、ペレット(複数可)などの複数の粒子と誘導結合する。いくつかの誘導コイルが提供される場合、各誘導コイルは、複数の粒子によって形成された1つのペレットまたはペレットの個々の部分を加熱し得る。 (甲14サ) 「Fig. 9a shows a cross section of a susceptor core particle in the form of a flake 11. In Fig. 9b the susceptor flake 11 is coated with a first coating of aerosol-forming substrate 22. In Fig. 9c a second coating 23 of aerosol- forming substrate coats the first coating 22. A plurality of the inductively heatable flake 1 as shown in Fig. 9b or Fig. 9c may be used for being filled into a capsule or for being compacted into a pellet.」(29頁1~8行) 「【0129】 図9aは、薄片11の形状におけるサセプタコア粒子の断面図を示す。図9bにおいて、サセプタ薄片11は、エアロゾル形成基体22の第一の被覆で被覆される。図9cにおいて、エアロゾル形成基体の第二の被覆23は、第一の被覆22を被覆する。図9bまたは図9cに示すような複数の誘導加熱可能な薄片1は、カプセル内に充填されるように、またはペレット内に密集されるように用いられ得る。」 (甲14シ) 「 [図:0001399904000006.jpg] 」 そして、上記(甲14ア)~(甲14シ)を総合すると、甲14には、以下の事項(以下、「甲14記載事項」という。)が記載されているといえる。 「エアロゾル発生物品は、ケーシングの内部に配置された複数のエアロゾル発生粒子を含むこと、複数のエアロゾル発生粒子は、サセプタ材料のコアを含み、そのサセプタ材料のコアは、エアロゾル形成基体で被覆されていること、エアロゾル形成基体被覆は、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤を含むこと、被覆は、たばこ含有スラリーから形成される再構成たばこの一形態であり、被覆を形成するスラリーに含まれるエアロゾル形成体は、特定の気化温度を超えて加熱されたとき、エアロゾル形成体を気化させるものであり、サセプタ材料のコアを囲むエアロゾル形成基体は、多孔性であること、粒子は、薄片であること、誘導コイルによってサセプタ材料のコアが加熱し得るエアロゾル発生物品であること。」 (15) 甲15について 甲15には、以下の事項が記載されている。 (甲15ア) 「あな【穴・孔】〇1 くぼんだ所。または、向こうまで突き抜けた所。」(当審注:「〇1」は、丸数字の1を表す。) (甲15イ) 「たこうしつ【多孔質】多数の微細な孔をもつ物質。多孔質ガラスや多孔質樹脂は物質の吸着・分別などに用いる。」 (16) 乙1について 乙1には、以下の事項が記載されている。 (乙1ア) 「はっ-ぽう 【発泡】泡を生じること。」 (17) 乙2について 乙2には、以下の事項が記載されている。 (乙2ア) 「このような現象を応用してプラスチックの中に空気を閉じ込めたのが、発泡プラスチックです。プラスチックの中に空気を閉じこめたことで、同じ体積のプラスチックに比べ軽量にすることができます。また、中に空気があるので断熱性、クッション性が得られます。」 (乙2イ) 「 [図:0001399904000007.jpg] 」 2 無効理由1(甲1に基づく進歩性の欠如)について (1) 本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)甲1発明の「非タバコ材料であるハーブ葉」は、本件発明1の「非タバコ植物由来の原料」に相当し、同様に、「エアロゾルフォーマ」は「エアロゾルフォーマ」に相当する。 また、甲1発明の「非タバコ材料であるハーブ葉を含み、更に、エアロゾルフォーマを含むエアロゾル形成基材」は、本件発明1の「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材」に相当する。 (イ)甲1発明の「エアロゾル基材を内部に収容するラッパー」は、「内部」に「エアロゾル形成基材」を収容するものであり、「円筒形」であり、エアロゾル形成基材を「包む」ものであるので、本件発明1の「内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材」に相当する。 (ウ)甲1発明の「エアロゾル形成基材」は、「ラッパー内に収容され」るものであり、図1の図示内容を踏まえれば、ラッパー内に充填されているといえる。よって、甲1発明の「エアロゾル形成基材」は、本件発明1の「充填物」に相当する。 (エ)甲1発明の「電気加熱式エアロゾル発生デバイス用エアロゾル発生物品」は、本件発明1の「電子タバコカートリッジ」に相当する。 以上まとめると、本件発明1と甲1発明とは、以下の一致点で一致し、相違点で相違する。 <一致点> 非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、 内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材と、を備え、 前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された充填物である、 電子タバコカートリッジ。 <相違点1> 本件発明1では、「エアロゾル形成基材は、」「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」のに対し、 甲1発明では、「エアロゾル形成基材」が「破片を含むことができる」ものの、「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」態様であるか不明である点。 イ 判断 (ア)「エアロゾル形成基材」が「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」態様は、本件特許に係る出願の最先の出願の優先日(平成29年6月16日)前に公知であったか否かについて検討する。 甲1~15、乙1~2を参照しても、「エアロゾル形成基材」が「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」態様について、本件特許に係る出願の最先の出願の優先日前に公知であったとは認められない。 (イ)次に、「エアロゾル形成基材」が「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」態様は、周知技術であったか否かについて検討する。 a まず、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾル形成基材を構成する一つ一つの成形物のそれぞれを多孔質とすることが周知技術であったか否かについて検討する。 上記の甲6の記載事項によると、甲6には、熱で燃焼しない製品を含む喫煙品において、処理されたタバコ粒子(1)は、希釈剤(3)と多孔質構造のタバコ粒子(2)を含むこと、希釈剤は、タバコ材を覆う表面として存在すること、希釈剤は、エアロゾル形成剤であることが記載されている。 ここで、「熱で燃焼しない」ことは、非燃焼であることが明らかである。また、希釈剤(3)は、エアロゾル形成剤であり、エアロゾル形成剤は、一般的に加熱するためのものであることが技術常識であるから、甲6には、非燃焼加熱式のタバコが記載されているといえる。 してみると、甲6には、非燃焼加熱式のタバコの分野において、多孔質構造のタバコ粒子(2)の周りにエアロゾル形成剤である希釈剤で覆うことが記載されている。 次に、甲14には、上記の甲14記載事項のとおりであり、特に、「エアロゾル発生物品は、ケーシングの内部に配置された複数のエアロゾル発生粒子を含むこと、複数のエアロゾル発生粒子は、サセプタ材料のコアを含み、そのサセプタ材料のコアは、エアロゾル形成基体で被覆されていること、エアロゾル形成基体被覆は、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤を含むこと、被覆は、たばこ含有スラリーから形成される再構成たばこの一形態であり、被覆を形成するスラリーに含まれるエアロゾル形成体は、特定の気化温度を超えて加熱されたとき、エアロゾル形成体を気化させるものであり、サセプタ材料のコアを囲むエアロゾル形成基体は、多孔性であること」、「誘導コイルによってサセプタ材料のコアが加熱し得るエアロゾル発生物品であること。」が記載されている。また、甲14において、誘導コイルによってサセプタ材料のコアを加熱し得るエアロゾル発生物品であることは、技術常識を踏まえれば、非燃焼加熱式の電子機器であるといえる。さらに、甲14のエアロゾル形成基体被覆は、たばこ粒子を含むことから、甲14には、非燃焼加熱式の電子タバコが記載されているといえる。 してみると、甲14には、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾル形成基体を備え、エアロゾル形成基体は、たばこ粒子及びエアロゾル形成体からなり、エアロゾル形成基体は多孔性であることが記載されている。 そうすると、甲6及び甲14の記載を踏まえると、非燃焼加熱式のタバコの分野において、エアロゾル形成基材を構成する一つ一つの成形物のそれぞれを多孔質とすることは、周知技術(以下、「周知技術1」という。)であったといえる。 なお、甲7~甲10は、非燃焼加熱式のタバコであるか定かでないため、周知技術1の根拠としては、採用できない。 b 次に、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾル形成基材をフレーク状とすることは、周知技術であったか否かについて検討する。 上記の甲13の記載事項によると、甲13には、気化可能な物質を気化して吸入するためのエアロゾルを生成する気化装置に関し、気化装置は、電気式であること、ハーブ物質2がタバコである場合、タバコは、フレーク状であることが記載されている。 当該記載事項を踏まえると、甲13には、電気式の気化装置に用いられる気化可能な物質において、気化可能な物質がタバコである場合、タバコは、フレーク状であることが記載されている。 また、甲14には、上記の甲14記載事項のとおりであり、特に、「複数のエアロゾル発生粒子は、サセプタ材料のコアを含み、そのサセプタ材料のコアは、エアロゾル形成基体で被覆されていること」、「粒子は、薄片であること」が記載されている。ここで、「薄片」について、甲14の1では、「flake」と記載されていることから、甲14に記載の薄片は、フレーク状であるといえる。また、甲14には、上記aに記載したとおり、非燃焼加熱式の電子タバコが記載されているといえる。 してみると、甲13の記載事項及び甲14記載事項を踏まえると、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾル形成基材をフレーク状とすることは、周知技術(以下、「周知技術2」という。)であったといえる。 c 次に、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾルフォーマの存在態様が、エアロゾル形成基材の表面の少なくとも一部を被覆することは、周知技術であったか否かについて検討する。 甲6には、エアロゾル形成剤である希釈剤をタバコ粒子(2)にコーティングすることが記載されている。そして、コーティングは、被覆と同義であることが明らかである。 してみると、甲6には、非燃焼加熱式のタバコの分野において、エアロゾルフォーマの存在態様がタバコ粒子(2)の表面の少なくとも一部を被覆することが記載されている。 甲14には、金属材料で例示されるサセプタ材料のコアを、たばこ粒子及びエアロゾル形成体を含むエアロゾル形成基体で被覆されることが記載されている。 しかしながら、甲14のサセプタ材料のコアは、金属で例示されるものからなり、誘導コイルによって加熱されるものである。そうすると、甲14のサセプタ材料のコアは、当該コアを被覆するエアロゾル形成基体とは技術的に異なるものであり、たばこ粒子やエアロゾル形成体を含有するものではなく、エアロゾル形成基材を構成するものではない。 そうすると、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾルフォーマの存在態様が、エアロゾル形成基材の表面の少なくとも一部を被覆することは、甲6に記載されているのみであるから、周知技術であったとは認められない。 (ウ)相違点についての検討 本件発明1の「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」との事項について、「エアロゾル形成基材」は、「多孔質状の充填物」であり、かつ、「フレーク状の成形物」であることを特定しているものである。 まず、甲1発明に公知の技術を適用することについて検討する。 上記(ア)のとおり、「エアロゾル形成基材」が「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」態様は、本件特許に係る出願の最先の出願の優先日前に公知であったとは認められない。 次に、甲1発明と周知技術とに基いて容易に想到できたかについて検討する。 上記(イ)のとおり、エアロゾルフォーマの存在態様が、エアロゾル形成基材の表面の少なくとも一部を被覆することは、周知技術とは認められないから、「エアロゾル形成基材」を「多孔質状の充填物」とすること、及び「エアロゾル形成基材」を「フレーク状の成形物」とすることが、それぞれ周知技術1、周知技術2であったとしても、本件発明1は、甲1発明及び周知技術1、2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。加えて、甲1発明において、周知技術1、周知技術2を適用する場合には、甲1発明のエアロゾル形成基材に対して、多孔質とし、そして、フレーク状とするという二つの周知技術をそれぞれ適用することとなり、二段階の変更を伴うものであり、いわゆる容易の容易となる。よって、甲1発明に周知技術1及び周知技術2を適用することは、容易ではない。 仮に、エアロゾルフォーマの存在態様が、エアロゾル形成基材の表面の少なくとも一部を被覆することは、周知技術(以下、「周知技術3」という。)であった場合について以下に検討する。 甲1発明において、周知技術1、周知技術2、周知技術3を適用する場合には、甲1発明のエアロゾル形成基材に対して、多孔質とし、そして、フレーク状とし、さらに、表面の一部をエアロゾルフォーマによって被覆するという三つの周知技術をそれぞれ適用することとなり、三段階の変更を伴うものであり、いわゆる容易の容易となる。よって、甲1発明に上記三つの周知技術を適用することは、容易ではない。 よって、本件発明1は、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (2) 本件発明2及び本件発明3について 上記(1)のとおり、本件発明1は、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、本件発明1を引用する本件発明2及び本件発明3についても、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3) 請求人の主張について ア 請求人は、弁駁書において、以下の事項を主張する。 「 ここで、「フレーク」(又は「フレイク」)は、タバコ業界では、「フレークタバコ」(刻みタバコ)の意味として広く用いられる、「板状の葉タバコを刻んで薄片(フレーク)にしたもの」を指す用語である(甲12号証)。 よって、甲1は、甲12の通りタバコ分野において板状の葉タバコを薄片(フレーク)とすることは広く行われている加工であることから、フレーク状のエアロゾル形成基材とすることは周知技術であり、容易であったというべきである。」(6頁下から5行~7頁2行) 当該主張について検討するに、甲12の通りタバコ分野において板状の葉タバコを薄片(フレーク)とすることが広く行われている加工であるとしても、甲12に記載の技術は、エアロゾル形成基材であるとはいえないから、甲12から、エアロゾル形成基材をフレーク状とすることが周知技術であるとはいえない。 したがって、請求人の当該主張を採用することはできない。 イ 請求人は、陳述要領書において、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾル形成基材を多孔質とすること、エアロゾル形成基材をフレーク状とすること、エアロゾルフォーマの存在態様が、破片の表面の少なくとも一部を被覆することが周知技術であることを主張するとともに、これらの周知技術を甲1発明に適用することにより、本件発明は当業者が容易に想到し得ることを主張する。 上記の周知技術のうち、エアロゾルフォーマの存在態様が、破片の表面の少なくとも一部を被覆することについて、請求人は、その根拠として、甲6と甲14を示しているが、上記(1)で検討したとおり、甲6には、タバコ粒子(2)の表面の少なくとも一部を被覆することが記載され、甲14には、金属材料で例示されるサセプタ材料のコアが被覆されることが記載されている。そして、甲14のサセプタ材料のコアは、たばこ粒子やエアロゾル形成体を含有するものではなく、エアロゾル形成基材を構成するものではないから、被覆される対象を破片として上位概念化して周知技術としたとしても、甲1発明に適用する動機付けはなく、さらに、他の周知技術と併せて、三段階の変更を伴うことになるから、本件発明1は、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 したがって、請求人の当該主張を採用することはできない。 (4) 小括 よって、本件発明1~3は、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、無効理由1によっては、本件特許を無効とすることはできない。 3 無効理由2(甲11に基づく進歩性の欠如)について (1) 本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲11発明とを対比する。 (ア)甲11発明の「非タバコ材料であるハーブ葉」は、本件発明1の「非タバコ植物由来の原料」に相当し、同様に、「エアロゾルフォーマ」は「エアロゾルフォーマ」に相当する。 また、甲11発明の「非タバコ材料であるハーブ葉を含有し、更に、エアロゾルフォーマを含むエアロゾル形成基材」は、本件発明1の「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材」に相当する。 (イ)甲11発明の「円筒形の喫煙物品のエアロゾル形成基材を上包装する外側包装紙」は、「エアロゾル形成基材」を包装するものであり、「円筒形」であるので、本件発明1の「内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材」に相当する。 (ウ)甲11発明の「エアロゾル形成基材」は、「外側包装紙」に「包装され」るものであり、図2A及び図2Bの図示内容を踏まえれば、外側包装紙に充填されているといえる。よって、甲11発明の「エアロゾル形成基材」は、本件発明1の「充填物」に相当する。 (エ)甲11発明の「電気加熱式喫煙システム用喫煙物品」は、本件発明1の「電子タバコカートリッジ」に相当する。 以上まとめると、本件発明1と甲11発明とは以下の一致点で一致し、相違点で相違する。 <一致点> 非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、 内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材と、を備え、 前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された充填物である、 電子タバコカートリッジ。 <相違点2> 本件発明1では、「エアロゾル形成基材は、」「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」のに対し、 甲11発明では、「エアロゾル形成基材」が「全体としてみると、所定の多孔率を有し、破片を含むことができる」ものの、「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」態様であるか不明である点。 イ 判断 本件発明1における「エアロゾル形成基材」は、上記の第3の3(2)イにおける検討と同様に、「前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であ」るところ、本件特許明細書の段落【0024】、【0026】、【0028】の記載から、本件発明1における「多孔質状の充填物」は、カートリッジに充填される前段階における成形物の段階から既に、その形状が多孔質状であることが記載されている。つまり、カートリッジに充填された後において、各成形物が合わさった集合体として形成する全体的な形状ないし構造をみたときに、初めて、多孔質状であるといえるのではなく、充填する前から既に、成形物の一つ一つ(乾燥シートを切り刻むのであれば、その細々とした一つ一つ)がそれぞれ多孔質状であることが記載されている。 そうすると、甲11発明における「エアロゾル形成基材を全体としてみると、所定の多孔率を有」する構成と、本件発明1における「エアロゾル形成基材」の構成とは異なるものであり、甲11発明において、周知技術1(エアロゾル形成基材を構成する一つ一つの成形物のそれぞれを多孔質とすること)のような構成に変更することの理由は見いだせない。 さらに、上記の2(1)イにおける判断と同様の理由により、本件発明1は、甲11発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 (2) 本件発明2及び本件発明3について 上記(1)のとおり、本件発明1は、甲11発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、本件発明1を引用する本件発明2及び本件発明3についても、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3) 請求人の主張について ア 請求人は、弁駁書において、甲12を基に、フレーク状のエアロゾル形成基材とすることは周知技術であったと主張する。 しかしながら、上記の2(3)アでの検討と同様に、請求人の主張を採用することはできない。 イ 請求人は、陳述要領書において、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾル形成基材を多孔質とすること、エアロゾル形成基材をフレーク状とすること、エアロゾルフォーマの存在態様が、破片の表面の少なくとも一部を被覆することが周知技術であることを主張するとともに、これらの周知技術を甲11発明に適用することにより、本件発明は当業者が容易に想到し得ることを主張する。 しかしながら、上記の2(3)イでの検討と同様に、請求人の主張を採用することはできない。 (4) 小括 よって、本件発明1~3は、甲11発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、無効理由2によっては、本件特許を無効とすることはできない。 4 無効理由3(甲2に基づく進歩性の欠如)について (1) 本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲2発明とを対比する。 (ア)甲2発明の「非たばこ」と、本件発明1の「非タバコ植物由来の原料」とは、「非タバコ」「由来の原料」という限りにおいて一致する。 また、甲2発明の「非たばこおよびエアロゾル形成体を含む非たばこ材料シートであるエアロゾル形成材料シート」と、本件発明1の「非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材」とは、「非タバコ由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材」という限りにおいて一致する。 (イ)甲2発明の「ラッパー」は、「エアロゾル形成材料シート」を囲むものであり、「円筒形」であるので、本件発明1の「内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材」に相当する。 (ウ)甲2発明の「エアロゾル形成材料シート」は、「ラッパーで囲まれてロッドを形成する」ものであり、ロッドは、甲2の段落【0070】~【0074】に記載されているように、捲縮したシート8を先細の漏斗またはホーン10を通して、長軸方向軸に対して横断する方向に集合させるものである。してみると、エアロゾル形成材料シートは、「ラッパーで囲まれてロッドを形成する」状態において、ラッパー内に充填されているといえる。よって、甲2発明の「エアロゾル形成材料シート」は、本件発明1の「充填物」に相当する。 (エ)甲2発明の「加熱式エアロゾル発生物品用のロッド」は、本件発明1の「電子タバコカートリッジ」に相当する。 以上まとめると、本件発明1と甲2発明とは以下の一致点で一致し、相違点で相違する。 <一致点> 非タバコ由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、 内部に前記エアロゾル形成基材を配置する円筒形状の包装部材と、を備え、 前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された充填物である、 電子タバコカートリッジ。 <相違点3> 「非タバコ」「由来の原料」に関して、本件発明1では、「植物由来」であるのに対し、甲2発明では、植物由来であるか不明である点。 <相違点4> 本件発明1では、「エアロゾル形成基材は、」「多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み、前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」のに対し、 甲2発明では、「ロッドとしては所定の断面空隙率を有する」ものの、「エアロゾル形成材料シート」自体が多孔質状の充填物であるかは不明であり、さらに、「フレーク状の成形物」を含んでおらず、また、「前記フレーク状の成形物の表面の少なくとも一部がエアロゾルフォーマによって被覆されている」態様ではない点。 イ 判断 相違点3について検討する。 非タバコからなる喫煙物品において、原料を非タバコ植物由来のものとすることは、甲1(段落【0043】)、甲7(6頁6~10行)、甲11(段落【0051】)にも記載されているように周知技術であったといえる。 そして、甲2発明において、当該周知技術を適用し、原料として非たばこ由来であるものを、非タバコ植物由来とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 次に、相違点4について検討する。 上記の3(1)イにおける判断と同様に、「エアロゾル形成基材」を「多孔質状の充填物」とすること、及び「エアロゾル形成基材」を「フレーク状の成形物」とすることが、それぞれ周知技術1、周知技術2であるものの、甲2発明において、「エアロゾル形成材料シート」自体を、周知技術1のように構成を変更することの理由は見い出せず、さらに、甲2発明の「エアロゾル形成材料シート」に周知技術1及び周知技術2を適用することは、二段階の変更を伴うものであり、いわゆる容易の容易となる。加えて、エアロゾルフォーマの存在態様が、エアロゾル形成基材の表面の少なくとも一部を被覆することは、上記の3(1)イに記載したとおり、周知技術とは認められない。 よって、本件発明1は、甲2発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 (2) 本件発明2及び本件発明3について 上記(1)のとおり、本件発明1は、甲2発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、本件発明1を引用する本件発明2及び本件発明3についても、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3) 請求人の主張について ア 請求人は、弁駁書において、甲12を基に、フレーク状のエアロゾル形成基材とすることは周知技術であったと主張する。 しかしながら、上記の2(3)アでの検討と同様に、請求人の主張を採用することはできない。 イ 請求人は、陳述要領書において、非燃焼加熱式の電子タバコの分野において、エアロゾル形成基材を多孔質とすること、エアロゾル形成基材をフレーク状とすること、エアロゾルフォーマの存在態様が、破片の表面の少なくとも一部を被覆することが周知技術であることを主張するとともに、これらの周知技術を甲2発明に適用することにより、本件発明は、当業者が容易に想到し得ることを主張する。 しかしながら、上記の2(3)イでの検討と同様に、請求人の主張を採用することはできない。 (4) 小括 よって、本件発明1~3は、甲2発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、無効理由3によっては、本件特許を無効とすることはできない。 5 無効理由4(明確性要件違反)について (1)請求人の主張 ア 請求人は、陳述要領書(4頁9行~6頁10行)において、以下のとおり主張する。 「A. 「2 本件訂正発明1における、多孔質状の充填物とフレーク状の形成物との関係について (1) 被請求人は、訂正発明の訂正請求書の4頁目の「(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること」において、本件訂正が新規事項の追加ではないとする根拠として引用する本件特許明細書の段落【0052】の記載を挙げているが、当該記載において、「フレーク状」は片状、ストランドと並んで充填物の存在形式であることが明記されているものの、個々のフレーク状の成形物の形状については何ら限定がされておらず、何をもって「フレーク状」であるかの定義付けがなされていない。 (2) しかも、本件訂正発明1における「エアロゾル形成基材は・・多孔質の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」との記載によれば、フレーク状の成形物はエアロゾル形成基材の充填物の一部を構成するにすぎない。 (3) 他方、「特許請求の範囲」に記載された「多孔質状の充填物」は「前記包装部材の内部に充填された」と表現されているように「包装部材の内部の全体に充填されている充填物」を指し、「多孔質状」もかような充填物の全体の形状を指しているように表現されている。しかも、多孔質状の充填物を形成する方法として、「たとえば、複数の針で乾燥したシートを何度か突き刺すことで形成できる」とも記載されており(本件特許明細書の段落【0026】)、このことは充填物を構成する「フレーク状の成形物」が最初から多孔質状であることを前提としていない。また、上記乾燥したシートに「フレーク状の成形物」が含まれていた場合にも、単に複数の針で乾燥したシートを何度か突き刺すだけで、このような充填物の中に含まれる個々の「フレーク状の成形物」のすべてが多孔質状になることが保証されているとは言い難い。 (4) 本件特許明細書の「発明の詳細な説明」においても、「充填物の形状」として粉体、流体等と並んで多孔質状の形態が記載されており、その作用、効果としても「多孔質状の充填物は、カートリッジに詰めたときに多孔質であるので吸引されたときの空気の流れをよくする」との効果を生じることが記載されている(本件特許明細書の段落【0053】)。しかしながら、このような効果は「充填物」全体が「多孔質状」であれば足りるのであり、この充填物を構成する個々のフレーク状の成形物まで多孔質状であることを要しない。 以上(1)から(4)のような理由からは、充填物の一部を構成する「フレーク状の成形物」と多孔質状の充填物とは何ら相互関係を有せず、多孔質状の「充填物」とは文字どおり「包装部材の内部に充填された」充填物の総体を意味する用語として理解すべきである。 また、もし、被請求人が、本件訂正後の発明が合議体の意見のように「一つ一つのフレーク状の成形物のそれぞれが多孔質状の充填物」を意味する発明に変更(減縮)する趣旨で訂正を行うのであれば、その趣旨を明確にするためには、特許請求の範囲の該当部分の記載は「前記エアロゾル形成基材は、フレーク状の成形物を含む、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり」と訂正すべきであろう。 したがって、合議体の暫定見解のような発明を意図して本件のような訂正を行ったとすれば、本件訂正発明1は、当該意図が反映されていない不明確なものであり、新たな明確性要件(特許法36条6項2号)違反の無効理由(特許法126条第1項第4号)を包含するものとなる。」 イ ここで、審理事項通知書の「2 本件訂正発明1における、多孔質状の充填物とフレーク状の成形物との関係について」の項で合議体から示した暫定的な見解は以下のとおりである。 「合議体は、本件訂正発明1では、一つ一つのフレーク状の成形物のそれぞれが多孔質状の充填物そのものであり、当該多孔質状かつフレーク状の成形物のそれぞれが、エアロゾル形成基材の構成要素となっている(つまり、エアロゾル形成基材が、複数の多孔質状の充填物からなり、複数の多孔質状の充填物のうち少なくとも幾つか(全部でもよい。)のそれぞれは、外部形状がフレーク状の成形物でもある。)と考える。」 ウ 請求人の主張を要約すると、多孔質状の充填物とフレーク状の形成物との関係について、仮に、審理事項通知書において合議体が示した暫定的な見解のとおり、「一つ一つのフレーク状の成形物のそれぞれが多孔質状の充填物そのものであり、当該多孔質状かつフレーク状の成形物のそれぞれが、エアロゾル形成基材の構成要素となっている(つまり、エアロゾル形成基材が、複数の多孔質状の充填物からなり、複数の多孔質状の充填物のうち少なくとも幾つか(全部でもよい。)のそれぞれは、外部形状がフレーク状の成形物でもある。)」ことを意図するのであれば、本件発明1における「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」との発明特定事項は、当該意図が反映されていない不明確なものであると主張していると認められる。 (2)被請求人の主張 被請求人は、口頭審理(口頭審理調書の2頁25~31行)及び令和4年10月13日提出の上申書(4頁4~21行)において以下のとおり主張する。 「4 合議体の暫定的な見解の全てに同意する。請求項1の「包装部材の内部に充填された多孔質の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」は、「一つ一つが多孔質状かつフレーク状の成形物のみからなり、フレーク状の成形物の表面の少なくともがエアロゾルフォーマによって被覆されている」を意味するものであると主張。」(口頭審理調書) 「第1 請求人主張の新しい無効理由(令和4年9月13日付け請求人の口頭審理陳述要領書4頁9行~6頁10行に記載の新たな明確性要件違反の無効理由)が成り立たないことについて 請求人は、「合議体の暫定見解のような発明を意図して本件のような訂正を行ったとすれば、本件訂正発明1は、当該意図が反映されていない不明確なものであり、新たな明確性要件(特許法36条6項2号)違反の無効理由(特許法126条1第1項第4号)を包含するものとなる」(請求人の口頭審理陳述要領書6頁7~10行)と主張する。しかしながら、明確性要件は、ある具体的な物や方法が請求項に係る発明の範囲に入るか否かを当業者が理解できるように記載されているかどうかにより判断されるものであるところ(特許・実用新案審査基準第II部第2章第3節2.1(1))、当業者の最たるものである合議体が、本件訂正発明について審理事項通知書に記載されているとおり理解している(理解できている)のであるから、本件訂正発明が明確であることは疑いの無い事実である。 したがって、請求人主張の新しい無効理由(令和4年9月13日付け口頭審理陳述要領書4頁9行~6頁10行に記載の新たな明確性要件違反の無効理由)は成り立たない。」(上記上申書) (3)判断 特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。 以下、この観点に立って、本件発明が明確であるか否かについて検討する。 ア まず、本件発明1の「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」との発明特定事項に関して、上記(1)ウで請求人の主張を要約したとおり、本件発明1における多孔質状の充填物とフレーク状の形成物との関係について、「一つ一つのフレーク状の成形物のそれぞれが多孔質状の充填物そのものであり、当該多孔質状かつフレーク状の成形物のそれぞれが、エアロゾル形成基材の構成要素となっている」ことを表すことが不明確であるか否かについて検討する。 本件発明1における「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」との事項で表す技術内容について検討するに、上記の第3の3(2)イにおける検討と同様に、本件発明1における「エアロゾル形成基材」は、「フレーク状の成形物を含」むところ、本件特許明細書の段落【0024】の記載に鑑みると、本件発明1における「エアロゾル形成基材」は、カートリッジに充填する前段階から、充填し易い形状として、成形物の一つ一つの形状をみたときに、フレーク状の形状のものを含むといえる。 また、本件発明1における「エアロゾル形成基材」は、「前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であ」るところ、本件特許明細書の段落【0024】、【0026】、【0028】の記載から、本件発明1における「多孔質状の充填物」は、カートリッジに充填される前段階における成形物の段階から既に、その形状が多孔質状であることが記載されている。つまり、本件特許明細書には、カートリッジに充填された後において、各成形物が合わさった集合体として形成する全体的な形状ないし構造をみたときに、初めて、多孔質状であるといえるのではなく、充填する前から既に、成形物の一つ一つ(乾燥シートを切り刻むのであれば、その細々とした一つ一つ)がそれぞれ多孔質状であることが記載されている。 そして、そのような記載は、本件特許明細書の段落【0053】に記載された「多孔質状の充填物は、カートリッジに詰めたときに多孔質であるので吸引されたときの空気の流れをよくする」との効果と矛盾するものではない。 これらを総合すると、本件発明1における多孔質状の充填物とフレーク状の形成物との関係について、一つ一つのフレーク状の成形物のそれぞれが多孔質状の充填物そのものであり、当該多孔質状かつフレーク状の成形物のそれぞれが、エアロゾル形成基材の構成要素となっていると理解できる。 このように、本件明細書の記載を参酌すると、本件発明1の多孔質状の充填物とフレーク状の形成物との関係は、明確であるといえる。 イ 次に、本件発明1の「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり、フレーク状の成形物を含み」との記載自体の明確性について検討するに、当該事項は、文章の構成からみて、「前記エアロゾル形成基材は、」との主語が、「前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であり」との事項、及び「フレーク状の成形物を含み」との事項の両者にかかるものである。そうすると、本件発明1の上記記載は、「前記エアロゾル形成基材は、前記包装部材の内部に充填された多孔質状の充填物であ」ること、及び、「前記エアロゾル形成基材は、」「フレーク状の成形物を含」むことの両者を特定している。つまり、「エアロゾル形成基材」は、「多孔質状の充填物」であり、かつ、「フレーク状の成形物」であると解釈できるものであり、当該記載は、明確であるといえる。 ウ よって、特許請求の範囲の記載は、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとまではいえない。 (4) 小括 以上のとおりであるから、本件発明1に係る特許請求の範囲の記載は、特許法36条6項2号の「特許を受けようとする発明が明確であること。」との要件を充足する。 第8 むすび 以上のとおりであるから、無効理由1~4は、いずれも理由がないものであり、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件発明1~3についての特許は、無効理由1~4によっては、無効とすることはできない。 審判費用は、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-800105

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