特許異議申立
2025-700515
タオル製品及びその製造方法
- 審判番号
- 2025-700515
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-204650
- 登録番号
- 7591258
- 請求日
- 2025年05月13日
- 審決日
- 2025年08月27日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ツイン
- 【権利者代理人】相原 正
- 【異議申立人】新居田物産 株式会社
- 【異議申立人代理人】木村 仁志
- 審判長/審判官
- 審判長 松永 稔
- 審判官 緑川 隆
- 審判官 綿引 隆
- 分類
- P1651.121-Y (D03D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7591258号発明「タオル製品及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7591258号の請求項1~3に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7591258号(以下「本件特許」という。)の請求項1~3に係る特許についての出願は、令和2年12月10日に出願され、令和6年11月20日にその特許権の設定登録がされ、同年11月28日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和7年5月13日に特許異議申立人 新居田物産株式会社(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1~3に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」~「本件特許発明3」という。)は、特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
基布と、前記基布の一方の面に形成されたシャーリング面と、前記基布の他方の面に形成されたパイル面とを備え、
前記シャーリング面は、2重以上のループから構成されるパイル面をシャーリング加工して形成されたことを特徴とするタオル製品。
【請求項2】
前記基布は、地経糸の密度が鯨筬番手で48~60、地緯糸の密度が1インチあたりの打ち込み数で50~60であることを特徴とする請求項1記載のタオル製品。
【請求項3】
基布と、前記基布の一方の面に形成されたシャーリング面と、前記基布の他方の面に形成されたパイル面とを備えるタオル製品の製造方法において、
2重以上のループから構成されるパイル面を少なくとも片方の面に有する両面パイルのタオル生地を製織する製織工程と、
前記2重以上のループから構成される片方のパイル面をシャーリング加工する第一シャーリング加工工程と、
前記第一シャーリング加工工程後に、前記タオル生地を洗濯・乾燥する洗濯乾燥工程と、
前記洗濯乾燥工程後の前記タオル生地のシャーリング加工された面を再度シャーリング加工する第二シャーリング加工工程と、
前記第二シャーリング加工工程後に、前記タオル生地を切断・縫製する切断縫製工程と、
を備えることを特徴とするタオル製品の製造方法。」
第3 申立理由の概要
1 申立人の提出した証拠
申立人は、次の甲第1号証~甲第6号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲6」という。)を証拠として提出している。
甲第1号証(甲1):特開昭53-65486号公報
甲第2号証(甲2):登録実用新案第3206216号公報
甲第3号証(甲3):特開2018-66075号公報
甲第4号証(甲4):実公平3-15573号公報
甲第5号証(甲5):特開2007-262630号公報
甲第6号証(甲6):特開2004-27438号公報
2 特許異議の申立理由
申立人は、本件特許発明1~3は、甲1に記載された発明、甲2~6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。
第4 申立人の提出した証拠の記載
1 甲1について
(1) 甲1の記載
甲1には、以下の記載がある(下線は当審において加筆した。以下同じ。)。
ア 「本発明は、パイル織タオル地の表面に部分的に糊液を塗布して、基布より直立して織成するパイル綿糸を横倒して硬化させた後、刃先に極小の凹凸を有した薄刃を多数回転軸に螺旋状に捲回して形成するサーキュラナイフと、これに一定の間隙を設けて固定する受刃とを設けるシヤーリング機を通して、糊付以外の部分の直立するパイル綿糸の上端を一様に剪毛して、パイル織タオル地の表面に、パイル地と剪毛地とを形成する事を特徴とするパイル織タオル地における部分的剪毛法に関するものである。」(第1頁右下欄7行~第1頁右下欄17行)
イ 「これらのタオル地は両面或は片面にパイルを一面に織成し、全体又は部分的に染色或はプリント模様を施しているものであるが、これらのパイル織タオル地の感触は常に一定のものである為、変化性を持たせる意味で近時においては両面パイル織タオル地の片面の全面をシヤーリング機に掛けて、基布より直立して織成するパイル綿糸の上端を剪毛してパイル綿糸を一本づつ直立させてビロード状の密度の高い感触を得る様にしたものがある」(第1頁右下欄最終行~第2頁左上欄9行)
ウ 「実施例によりこれを説明すれば、パイル織タオル地(1)の表面(2)を、縦縞模様(3)になる様に一定の間隔毎、或は花柄模様(4)等の意匠的模様を残置した残余の一面にアルギン酸ソーダー糊(5)を塗布して基布(6)より直立して織成するパイル綿糸(7)を横倒しで硬化させたパイル織タオル地(1)を、刃先(8)に極小の凹凸を有した薄刃(9)を多数回転軸(10)に螺旋状に捲回して形成し、高速回転するサーキュラナイフ(11)と、これに一定の間隙を設けて固定する薄板状の受刃(12)とを設置するシヤーリング機(13)のサーキュラナイフ(11)と、受刃(12)との間隙を通して糊付以外のパイル綿糸(14)の上端を剪毛した後、熱湯に浸漬して糊液を落し、よく水洗いをして乾燥させて、パイル織タオル地(1)の表面(2)にパイル地(15)と剪毛地(16)とを形成する様にしたものであって、図中(17)はゲートテンション、(18)はパイル起立用ローラー、(19)は仕上げブラシローラー、(20)は振落しトップローラー、(21)はバスタオルである。」(第2頁右上欄14行~第2頁左下欄11行)
エ 「次いで剪毛されたパイル織タオル地(1)は、その表面(2)に硬化せる糊液を除去する為に熱湯に浸漬してこれを除去した後、水洗いをして乾燥すれば、剪毛されたパイル綿糸(14)の撚が解けて密度の高い剪毛地(16)とパイル地(15)とが出来上るものである。
本発明による、部分的に剪毛したパイル織タオル地(1)は密度の高いビロード状の感触を有する剪毛地(16)と、異質の感触のパイル地(15)とが一面に形成され、その上にプリント模様等を染色すればより立体感に富み、部分的剪毛の為従来の様な抜糸の憂いもなく、吸水性に優れ、織では出来ない変化に富んだ模様に剪毛する事が出来、タオル地本来の機能を何ら失う事なく長期間の使用に耐え、多量生産に向くと同時に商品価値を高めるものである。」(第2頁右下欄18行~第3頁左上欄12行)
オ 「第1図は本発明の実施の一態様を示すシヤーリング機の概略正面図、・・・・第7図は剪毛地の一部拡大切断面図、第8図はバスタオルに縦縞模様を加工した製品の斜面図、第9図は同上に花柄模様を加工した製品の斜面図である。」(第3頁左上欄14行~第3頁右上欄5行)
カ 「
[図:0001428008000001.jpg]
」
キ 「
[図:0001428008000002.jpg]
」
ク 「
[図:0001428008000003.jpg]
」
(2) 甲1に記載された事項
ア 上記(1)ウによれば、「パイル織タオル地(1)の表面(2)を、縦縞模様(3)」「或は花柄模様(4)等の意匠的模様を残置した残余の一面にアルギン酸ソーダー糊(5)を塗布して基布(6)より直立して織成するパイル綿糸(7)を横倒しで硬化させたパイル織タオル地(1)を、刃先(8)に極小の凹凸を有した薄刃(9)を多数回転軸(10)に螺旋状に捲回して形成し、高速回転するサーキュラナイフ(11)と、これに一定の間隙を設けて固定する薄板状の受刃(12)とを設置するシヤーリング機(13)のサーキュラナイフ(11)と、受刃(12)との間隙を通して糊付以外のパイル綿糸(14)の上端を剪毛した後、熱湯に浸漬して糊液を落し、よく水洗いをして乾燥させて、パイル織タオル地(1)の表面(2)にパイル地(15)と剪毛地(16)とを形成する様にし」て作成された「バスタオル(21)」が記載されているといえる。
イ 上記(1)エによれば、上記アの「バスタオル(21)」は、「部分的剪毛の為」、「抜糸の憂いもなく、吸水性に優れ、織では出来ない変化に富んだ模様に剪毛する事」ができるものといえる。
ウ 上記(1)オによれば、第7図は剪毛地の一部拡大切断面図であって、上記(1)キによれば、剪毛地(16)が形成されたパイル織タオル地(1)は、基布(6)の一方の面に剪毛地(16)が形成され、他方の面にパイル地が形成されていることが見てとれる。
エ 上記(1)オによれば、第8図はバスタオルに縦縞模様を加工した製品の斜面図であり、第9図はバスタオルに花柄模様を加工した製品の斜面図であって、上記(1)クによれば、「バスタオル(21)」には、一つの面に「パイル地(15)」と「剪毛地(16)」とが形成されることが見て取れる。
(3) 甲1発明
上記(1)、(2)によれば、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。(各構成末尾の(ア)~(エ)は、上記(2)の引用元を示す。)
「パイル織タオル地(1)の表面(2)を、縦縞模様(3)或は花柄模様(4)等の意匠的模様を残置した残余の一面にアルギン酸ソーダー糊(5)を塗布して基布(6)より直立して織成するパイル綿糸(7)を横倒しで硬化させたパイル織タオル地(1)を、刃先(8)に極小の凹凸を有した薄刃(9)を多数回転軸(10)に螺旋状に捲回して形成し、高速回転するサーキュラナイフ(11)と、これに一定の間隙を設けて固定する薄板状の受刃(12)とを設置するシヤーリング機(13)のサーキュラナイフ(11)と、受刃(12)との間隙を通して糊付以外のパイル綿糸(14)の上端を剪毛した後、熱湯に浸漬して糊液を落し、よく水洗いをして乾燥させて、パイル織タオル地(1)の表面(2)にパイル地(15)と剪毛地(16)とを形成する様にして作成されたバスタオル(21)であって、(ア)
部分的剪毛の為、抜糸の憂いもなく、吸水性に優れ、織では出来ない変化に富んだ模様に剪毛する事ができるものであり、(イ)
剪毛地(16)が形成されたパイル織タオル地(1)は、基布(6)の一方の面に剪毛地(16)が形成され、他方の面にパイル地が形成されたものであり、(ウ)
一つの面にパイル地(15)と剪毛地(16)とが形成されたバスタオル(21)。(エ)」
2 甲2について
甲2には、以下の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本考案は、タオル生地で構成される汚れ落としの優れたタオル生地体に関するものであり、特にパイル糸が超極細であってダブルでのレーヨン製パイル糸の撚糸で構成される肌に優しい、吸湿性、放湿性の高い、汚れ落としの優れたタオル体に関する。
・・・
【考案の効果】
【0019】
本考案の汚れ落としの優れたタオル生地体によれば、パイル糸がレーヨン繊維を撚り合わせて構成される織布生地により構成されているので、ダブルパイル糸を構成するレーヨン繊維が肌に優しく、そしてダブルパイル糸を構成する合成繊維が生地の伸縮を防止するので、型くずれしにくい汚れ落としの優れたタオルとなる。
パイル糸自身がレーヨン繊維を撚り合わせて構成され、地経糸及び地緯糸が綿繊維からなる織布生地で構成されたものは、上記効果に加え、さらに高い吸水性と、しなやかさとを有するタオル生地となる。
【0020】
前記天然繊維を綿糸編地の上に、ダブルパイル糸のセルロース繊維のレーヨンのキュプラで構成することにより、吸水性が高く、皮脂や汚れを吸着し、かつ、軽量で薄く、透明感・清潔感のあり、嵩張らずに、携帯できる肌に優しいタオル生地体とすることができる。
【0021】
また、2輪のダブルパイル糸と地経糸と地緯糸を1組とし、前記パイル糸の再生セルロース繊維の地経糸を配することにより、滑りやすく、抜けやすい合成繊維を含んで構成されるダブルパイル糸を確実に配置することができるので、皮膚の毛穴の皮脂、或は古い角質をスムーズに落とし、吸水性及び放湿性の高い、かつ薄く嵩張らない、さらには皮脂もとることができ、フイキンとして乾式落とすことができる特定の大きさでのタオル生地体になる。
・・・
【実施例1】
【0024】
図1に示すように、パイル糸、地経糸及び地緯糸からなる織布のタオル生地において、下地の地経糸及び地緯糸を綿糸で撚り合わせて、パイル部におけるパイル糸をレーヨンのセルローズ繊維を主体にした繊維を撚り合わせてダブルパイル状構造を構成した横140mm、縦140mmの寸法の正方形の生地体であった。
【0025】
図1に示すようにパイル糸がセルローズの再生繊維のレーヨンであって、2本のパイル糸と生地の天然繊維の綿糸の2本の地経糸と地緯糸とを1組とし、前記パイル糸の左右に地経糸を配し、前記左右の地経糸と地緯糸とが綿の天然繊維であって、生地面に再生セルロース繊維とで撚り合わせて構成され、パイル糸が全体糸の50%を占めて、地経糸及び地緯糸のタオル生地に再生セルロース繊維のパイル糸で織布生地に覆った状態で編製された。
【0026】
パイル糸は、図2、3に示すように再生セルロース繊維がキュプラである前記超極細レーヨン系繊維の太さが、束状13ミクロンの単糸繊度0.5デニールであって、織布生地のタオル生地に前記単糸の集束として300ミクロンの太さの糸束を1mmの高さの輪パイル状でダブル状態にした。
【0027】
横140mm、縦140mmの又正方体は、縁取りとして3mmの幅にして、縁取りには再生セルロース繊維のキュプラである前記超極細レーヨン糸で括ったものであり、繊維色としてはブルーの濃淡色であった。これを顔、肌の化粧落としに使用した。結果は図5に示すように、容易に簡単に化粧が落とされた。しかしシルクの場合には落ちにくかった。」
第5 当審の判断
1 本件特許発明1について
(1) 対比
本件特許発明1と甲1発明を対比する。
ア 「基布と、前記基布の一方の面に形成されたシャーリング面と、前記基布の他方の面に形成されたパイル面とを備え」について
甲1発明の「パイル織タオル地(1)」は、「シヤーリング機(13)のサーキュラナイフ(11)と、受刃(12)との間隙を通して糊付以外のパイル綿糸(14)の上端を剪毛」して、「剪毛地(16)」が形成されるものであり、「剪毛地(16)」が形成される面は、「シャーリング機(13)」によって形成されるのであるから、「シャーリング面」といい得るものである。
また、甲1発明の「剪毛地(16)が形成されたパイル織タオル地(1)」は、「基布(6)の一方の面に剪毛地(16)が形成され、他方の面にパイル地が形成されたもの」であるから、「基布(6)」の「他方の面」は「パイル面」といい得るものである。
そして、「パイル織タオル地(1)」から作成された「バスタオル(21)」は、「パイル織タオル地(1)」と同様の構成を備えたものであるから、「基布(6)」と、「基布(6)の一方の面に剪毛地(16)」が形成された面である「シャーリング面」と、「基布(6)」の「他方の面にパイル地が形成された」「パイル面」とを備えるものといえる。
そうすると、本件特許発明1と甲1発明とは、「基布と、前記基布の一方の面に形成されたシャーリング面と、前記基布の他方の面に形成されたパイル面とを備え」る点で共通する。
イ 「前記シャーリング面は、2重以上のループから構成されるパイル面をシャーリング加工して形成されたことを特徴とする」について
甲1発明の「剪毛地(16)」は、「シヤーリング機(13)」によって「糊付以外のパイル綿糸(14)の上端を剪毛」して形成されるものであるから、「糊付以外のパイル綿糸(14)」が形成された「パイル面」を「シャーリング加工」して形成されたといい得るものであり、「パイル面」が「ループ」から構成されることは技術常識である。
また、上記アで検討したように、「剪毛地(16)」が形成される面は、「シャーリング面」といい得るものである。
そうすると、本件特許発明1と甲1発明とは、「前記シャーリング面は、ループから構成されるパイル面をシャーリング加工して形成され」る点で共通する。
ウ 「タオル製品」について
甲1発明の「バスタオル(21)」は、「タオル製品」といい得るものである。
エ 上記ア~ウより、本件特許発明1と甲1発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
「基布と、前記基布の一方の面に形成されたシャーリング面と、前記基布の他方の面に形成されたパイル面とを備え、
前記シャーリング面は、ループから構成されるパイル面をシャーリング加工して形成されたことを特徴とするタオル製品。」
[相違点]
本件特許発明1の「シャーリング面」は、「2重以上のループ」から構成されるパイル面をシャーリング加工して形成されるのに対し、甲1発明は、剪毛される「パイル綿糸(14)」のループの回数についての特定がない点。
(2) 判断
申立人は、上記(1)エの[相違点]について、特許異議申立書13頁下から5行~14頁9行で、甲2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到し得る旨主張する。
しかしながら、甲2には、「タオル生地で構成される汚れ落としの優れたタオル生地体に関するものであり、特にパイル糸が超極細であってダブルでのレーヨン製パイル糸の撚糸で構成される肌に優しい、吸湿性、放湿性の高い、汚れ落としの優れたタオル体」(【0001】)の発明が記載されているといえるところ、効果についての【0019】~【0021】の記載によると、甲2に記載された発明は、パイル糸をレーヨン繊維で構成されるダブル状態、すなわち、2重のループとすることによって、肌に優しい、吸湿性、放湿性の高い、汚れ落としが優れるという作用効果を奏するものであるから、甲2に記載された発明において、ダブル状態としたパイル糸をあえてシャーリング加工すれば、上記の作用効果を奏することができなくなる。
そうすると、甲1発明に、甲2に記載された発明を適用することには、阻害要因が認められ、当業者が容易に想到し得ることとはいえないから、本件特許発明1は、甲1発明及び甲2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることがでたものとはいえない。
また、甲3~6にも、上記(1)エの[相違点]について、記載も示唆もされていないから、本件特許発明1は、甲1発明及び甲3~6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
2 本件特許発明2について
本件特許発明2は、本件特許発明1を限定した発明であり、甲1発明と対比すると、少なくとも、上記1(1)エの[相違点]を有するところ、本件特許発明1が上記1(2)のとおり、甲1発明、甲2~甲6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本件特許発明2も甲1発明、甲2~甲6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本件特許発明3について
本件特許発明3は、「タオル製品の製造方法」の発明であるところ、本件特許発明1を製造方法の発明として特定したものである。
そうすると、本件特許発明3は、甲1から認定される製造方法の発明と対比すると、上記1(1)エの[相違点]と同様に、「前記2重以上のループから構成される片方のパイル面をシャーリング加工する第一シャーリング加工工程」を備えるものでない点で、少なくとも相違する。
したがって、上記1(2)と同様、本件特許発明3は、甲1発明、甲2~甲6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 小括
以上のとおり、本件特許発明1~3は、甲1発明、甲2~甲6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本件特許発明1~3は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び申立人の提出した証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-700515