特許訂正審判
2025-390102
HSP90標的化コンジュゲート及びその製剤
- 審判番号
- 2025-390102
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-554483
- 登録番号
- 7487110
- 請求日
- 2025年07月29日
- 審決日
- 2025年10月08日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】フュージョン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】恩田 誠
- 【請求人代理人】恩田 博宣
- 【請求人代理人】本田 淳
- 【請求人代理人】中村 美樹
- 審判長/審判官
- 審判長 淺野 美奈
- 審判官 田中 耕一郎
- 審判官 井上 千弥子
- 分類
- P141 .851-Y (A61K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7487110号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7487110号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7487110号(以下「本件特許」という。)の請求項1~26に係る発明についての出願は、平成31年4月3日(パリ条約による優先権主張 2018年4月5日、2018年9月14日及び2019年1月3日 いずれも(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、令和6年5月10日に特許権の設定登録がされ、その後、令和7年7月29日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7487110号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
2 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すものである。
(1)訂正事項1
請求項1に「前記HSP90標的化部分は下記式
【化1】
[図:0001431079000001.jpg]
のものであり、式中、X、Y、及びZは、独立に、適切な置換を有しかつ環の対応する原子及び芳香族性の価数を満たすCH又はNであり;R1は、アルキル、アリール、ハロゲン化物、カルボキサミド又はスルホンアミドであり;R2は、前記リンカーを介して前記活性薬剤に結合された、任意選択で置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり;R3は、SH、OH、NR4R5又は-CONHR6であり、R4及びR5は、独立に、H、アルキル、アリール、又はヘテロアリールであり;R6は、アルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、」と記載されているのを、「前記HSP90標的化部分は、下記に示すTM1~TM5及びTM8
【化1-1】
[図:0001431079000002.jpg]
【化1-2】
[図:0001431079000003.jpg]
からなる群から選択されるものであり、」に訂正する。
(2)訂正事項2
請求項9に「前記HSP90標的化部分は、下記に示すTM1~TM5及びTM8
【化2-1】
[図:0001431079000004.jpg]
【化2-2】
[図:0001431079000005.jpg]
からなる群から選択される」と記載されているのを、「前記HSP90標的化部分は、TM5
【化2】
[図:0001431079000006.jpg]
である」に訂正する。
第3 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正前の請求項2~26は、訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項1によって訂正される訂正前の請求項1に連動して、訂正前の請求項2~26も訂正されるから、訂正前の請求項1~26は、一群の請求項に該当する。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第3項の規定に基づき、一群の請求項ごとに請求されたものである。
2 訂正事項1について
(1)訂正の目的
本件訂正前の請求項1に係る発明におけるHSP90標的化部分は、
「下記式
【化1】
[図:0001431079000007.jpg]
のものであり、式中、X、Y、及びZは、独立に、適切な置換を有しかつ環の対応する原子及び芳香族性の価数を満たすCH又はNであり;R1は、アルキル、アリール、ハロゲン化物、カルボキサミド又はスルホンアミドであり;R2は、前記リンカーを介して前記活性薬剤に結合された、任意選択で置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり;R3は、SH、OH、NR4R5又は-CONHR6であり、R4及びR5は、独立に、H、アルキル、アリール、又はヘテロアリールであり;R6は、アルキル、アリール、又はヘテロアリール」であった。
一方、本件訂正後の請求項1に係る発明におけるHSP90標的化部分は、上記X、Y、及びZを、いずれもNに特定し、R1を、アルキルの一種である基に特定し、R2を、前記リンカーを介して前記活性薬剤に結合された、任意選択で置換されているアリール又はヘテロアリールの一種である基に特定し、R3を、OH又は-CONHR6に特定し、R6を、アルキルの一種である基に特定した、下記に示すTM1~TM5及びTM8
【化1-1】
[図:0001431079000008.jpg]
【化1-2】
[図:0001431079000009.jpg]
からなる群から選択されるものである。
そうすると、訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明におけるHSP90標的化部分を限定的に減縮するものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
ア 本件訂正前の請求項9には、次の事項が記載されている。
「【請求項9】
前記HSP90標的化部分は、下記に示すTM1~TM5及びTM8
【化2-1】
[図:0001431079000010.jpg]
【化2-2】
[図:0001431079000011.jpg]
からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンジュゲート。」
イ また、本件の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の【0045】~【0051】には、次の事項が記載されている。なお、下線は強調のために当審が付した。また、「・・・」は、省略箇所である。
「【0045】
C.HSP90標的化部分
・・・
【0047】
・・・
別の例では、国際公開第2006055760号(シンタ・ファーマシューティカルズ・コーポレイション(Synta Pharmaceuticals Corp.))(この内容は全体として参照により本明細書に援用される)に開示されるガネテスピブ(旧称STA-9090、又はその高度に可溶性のリン酸塩プロドラッグSTA-1474)と称されるトリアゾロン含有HSP90阻害薬、又はその誘導体/類似体を本発明のコンジュゲートにおけるHSP90結合部分として使用し得る。
【0048】
【化10】
[図:0001431079000012.jpg]
【0049】
いくつかの実施形態において、ガネテスピブ又はその誘導体/類似体が標的化部分として使用され得る。ガネテスピブ誘導体/類似体の非限定的な例を以下に示す。
【0050】
【化11-1】
[図:0001431079000013.jpg]
【0051】
【化11-2】
[図:0001431079000014.jpg]
」
ウ 上記ア及びイのとおり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面には、HSP90標的化部分がTM1~TM5及びTM8である、訂正後の請求項1に係る発明のコンジュゲートが記載されているから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、上記(2)のとおり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立して特許を受けることができるものであること
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)で検討したとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項1に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そこで検討すると、本件訂正前の請求項1及び9に係る発明は、特許を受けることができない理由を発見しないとして特許を受けることができたものと認められるところ、本件訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由が新たに発見される事情はないから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項に適合する。
3 訂正事項2について
(1)訂正の目的
本件訂正前の請求項9に係る発明におけるHSP90標的化部分は、
「下記に示すTM1~TM5及びTM8
【化2-1】
[図:0001431079000015.jpg]
【化2-2】
[図:0001431079000016.jpg]
」からなる群から選択されるものである。
一方、本件訂正後の請求項9に係る発明におけるHSP90標的化部分は、
「TM5
【化2】
[図:0001431079000017.jpg]
」である。
そうすると、訂正事項2は、訂正前の請求項9に係る発明におけるHSP90標的化部分の選択肢を一つに特定するものであるから、特許請求の範囲を限定的に減縮するものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記2(2)ア及びイのとおり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面には、HSP90標的化部分がTM5である、訂正後の請求項9に係る発明のコンジュゲートが記載されている。
また、本件特許明細書の【0078】~【0079】には、次のとおり、HSP90標的化部分がTM5である訂正後の請求項9に係る発明のコンジュゲートが記載されている。
「【0078】
1つの非限定的な例は、化合物1(又はコンジュゲート1)であり、ここで、標的化部分はTM5であり、活性薬剤はDOTA及びルテチウム原子を含む:
【0079】
【化21】
[図:0001431079000018.jpg]
」
したがって、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面には、HSP90標的化部分がTM5である訂正後の請求項9に係る発明のコンジュゲートが記載されているから、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、上記(2)のとおり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立して特許を受けることができるものであること
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)で検討したとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項9に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そこで検討すると、本件訂正前の請求項9に係る発明は、特許を受けることができない理由を発見しないとして特許を受けることができたものと認められるところ、本件訂正後の請求項9に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由が新たに発見される事情はないから、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第7項に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項~第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2025-390102