特許訂正審判
2025-390027
電池
- 審判番号
- 2025-390027
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2022-580594
- 登録番号
- 7637706
- 請求日
- 2025年03月07日
- 審決日
- 2025年04月28日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社AESCジャパン
- 【請求人代理人】速水 進治
- 【請求人代理人】天城 聡
- 審判長/審判官
- 審判長 篠原 功一
- 審判官 畑中 博幸
- 審判官 渡辺 努
- 分類
- P141 .852-Y (H01M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7637706号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7637706号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔3-7〕について訂正することを認める。
理由
理 由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7637706号に係る出願は、令和4年2月3日(優先権主張 令和3年2月10日)を国際出願日とする出願であって、令和7年2月19日に特許権の設定登録がなされ、令和7年3月7日に訂正審判(以下、「本件訂正審判」という。)の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7637706号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3ないし7について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正事項
本件訂正審判の請求に係る訂正事項(以下、「本件訂正事項」という。)は、以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。
特許請求の範囲の請求項3に「前記正極活物質層の短手方向の長さが70nm以上120nm以下である」と記載されているのを、「前記正極活物質層の短手方向の長さが70mm以上120mm以下である」に訂正する。(請求項3の記載を引用する請求項4ないし7も同様に訂正する。)
第4 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正前の請求項3ないし7について、請求項4ないし7は、請求項3の記載を引用しているものであって、本件訂正事項によって記載が訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項3ないし7に対応する訂正後の請求項3ないし7は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
2 本件訂正事項について
(1)訂正の目的について
ア 「正極活物質層の短手方向の長さ」に関し、本件特許明細書には以下の記載がある。なお、下線は当審が付与した。
「【0045】
第1正極活物質層122の短手方向の長さWは、70mm以上120mm以下である。
イ また、本件特許明細書によれば、本件特許明細書に記載された「電池」に係る発明は、高容量かつ高出力の電池を提供するという課題(段落【0008】)を解決するために、正極電極を備え、前記正極電極は、一般式Li xNi yCo zM 1-y-zO 2(0.80≦y≦0.93、Mは、Mn及びAlのうちの少なくとも1つの元素を含む金属元素である。)によって示される正極活物質を含む正極活物質層を有し、前記正極活物質層の長手方向の長さが300mm以上740mm以下とするものである(段落【0009】)。
そして、同明細書の段落【0065】ないし【0076】、図4ないし図9には、実施例として、NMC複合酸化物である正極活物質(段落【0068】)を含む正極活物質層の長手方向の長さが異なり、短手方向の長さをいずれも「88mm」とした12種類の正極電極を用意し、該正極電極を含む電池を作製して(段落【0071】)、各電池の容量と出力を測定した(段落【0072】ないし【0073】、図4ないし図9)ところ、電池の高容量かつ高出力の観点からすると、正極活物質層の長手方向の長さが、300mm以上740mm以下にすることができること(段落【0076】が記載されている。
ウ 上記ア、イによれば、訂正前の請求項3の「正極活物質層の短手方向の長さが70nm以上120nm以下」とは、「正極活物質層の短手方向の長さが70mm以上120mm以下」の誤記であることは明らかである。
エ よって、本件訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
本件訂正事項は、上記(1)のとおり「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、願書に最初に添付した明細書の段落【0045】に基づいて訂正するものであることから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、本件訂正事項は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
本件訂正事項は、上記(1)のとおり「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、本件訂正事項に係る訂正により、特許請求の範囲の内容が実質的に拡張・変更されるものではないことは明らかである。
したがって、本件訂正事項は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
本件訂正事項は「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項に記載される事項により特定される発明について、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであり、本件訂正事項は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項及び同条第5項から第7項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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