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特許異議申立

2024-701207

プラズマ処理装置及び監視装置

審判番号
2024-701207
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-019646
登録番号
7511501
請求日
2024年12月17日
審決日
2025年03月31日
公報発行日
2025年05月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】東京エレクトロン株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人ITOH
  • 【権利者代理人】伊東 忠重
  • 【権利者代理人】伊東 忠彦
  • 【異議申立人】吉村 浩一
審判長/審判官
  • 審判長 波多江 進
  • 審判官 後藤 孝平
  • 審判官 藤田 年彦
分類
P1651.121-Y (H05H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7511501号発明「プラズマ処理装置及び監視装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7511501号の請求項に係る特許を維持する。

理由

理 由 1 手続の経緯 特許第7511501号(以下「本件特許」という。)の請求項1~13に係る特許についての出願は、令和3年2月10日に出願され、令和6年6月27日にその特許権の設定登録がされ、同年7月5日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、同年12月17日に特許異議申立人 吉村浩一(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。 2 本件発明 本件特許の請求項1~13の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、本件特許の請求項1~13に係る発明をそれぞれ、「本件発明1~13」という。)。 「【請求項1】 プラズマ処理装置であって、 チャンバと、 前記チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部と、 前記チャンバ内に設けられ又は前記チャンバに直接的もしくは間接的に接続された監視対象を監視する監視部と、 を有し、 前記装置側コントローラ部は、前記監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を行い、 前記監視部は、前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を取得して、前記監視対象情報に基づき前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し前記監視対象を制御する ことを特徴とするプラズマ処理装置。 【請求項2】 前記監視対象は、前記チャンバに電力を供給する高周波電源であり、 前記監視部は、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力供給を変更するように前記高周波電源を制御する、 請求項1に記載のプラズマ処理装置。 【請求項3】 前記電力供給の変更には、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力供給を停止することを含む、 請求項2に記載のプラズマ処理装置。 【請求項4】 前記監視対象は、前記チャンバに供給されるガスの流量を制御する流量制御部であり、 前記監視部は、前記異常が発生した前記チャンバに対しガスの流量を変更するように前記流量制御部を制御する、 請求項1に記載のプラズマ処理装置。 【請求項5】 プラズマ処理装置であって、 チャンバと、 前記チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部と、 前記チャンバに電力を供給する高周波電源と、 監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される監視対象情報を取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する監視部と、 を有し、 前記装置側コントローラ部は、 前記監視対象の設定、及び前記監視対象情報を取得するタイミングの設定を前記監視部に対して行うこと を特徴とするプラズマ処理装置。 【請求項6】 前記装置側コントローラ部は、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知するための閾値の設定を前記監視部に対して行うこと を特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置。 【請求項7】 前記装置側コントローラ部、前記監視対象、及び前記監視部は、ポーリングによるデータ転送を行う第1の通信手段により接続されており、 前記装置側コントローラ部及び前記監視部は、前記第1の通信手段とは異なる第2の通信手段によりデータ通信可能に接続されており、 前記装置側コントローラ部は、前記第2の通信手段を利用して、前記監視対象の設定、前記監視対象情報を取得するタイミングの設定、及び前記閾値の設定を前記監視部に対して行うこと を特徴とする請求項6記載のプラズマ処理装置。 【請求項8】 前記第1の通信手段は、制御用ネットワークのマスタ通信部及びクライアント通信部を利用した通信を行うものであり、 前記装置側コントローラ部は、前記マスタ通信部を有し、 前記監視対象及び前記監視部のそれぞれは、前記クライアント通信部を有しており、 前記監視部は、前記装置側コントローラ部が前記監視対象から前記監視対象情報を取得するポーリング周期で前記監視対象情報を取得すること を特徴とする請求項7記載のプラズマ処理装置。 【請求項9】 前記監視部は、前記第2の通信手段を利用して、前記異常の発生を検知したタイミングの前記監視対象情報と、前記タイミングの前後の所望期間の前記監視対象情報と、をログ情報として前記装置側コントローラ部に提供すること を特徴とする請求項7又は8記載のプラズマ処理装置。 【請求項10】 前記監視部は、反射電力情報を前記監視対象情報とした異常放電の発生、ガス背圧情報を前記監視対象情報としたウェハ吸着異常の発生、静電チャックの高電圧電源の電流情報を前記監視対象情報としたウェハ吸着異常の発生、及びプラズマの発光分光情報を前記監視対象情報としたプラズマ異常の発生、の少なくとも一つを前記チャンバにおける異常の発生として検知すること を特徴とする請求項5乃至8の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。 【請求項11】 前記装置側コントローラ部は、前記プラズマ処理により反射電力の増加が予測される期間の前記監視対象情報の取得を行わず、前記プラズマ処理により反射電力の増加が予測されない期間の前記監視対象情報の取得を行うように、前記反射電力情報を取得するタイミングの設定を前記監視部に対して行うこと を特徴とする請求項10記載のプラズマ処理装置。 【請求項12】 前記チャンバ内に供給されるガスの流量を制御する流量制御部、 を更に有し、 前記監視部は、 前記流量制御部から前記装置側コントローラ部に送信される前記チャンバのガス濃度情報を取得して、前記ガス濃度情報に基づいて前記チャンバにおける前記ガスの異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに供給する前記ガスの流量を調整するように前記流量制御部を制御し、 前記装置側コントローラ部は、 前記監視対象の前記流量制御部の設定、前記ガス濃度情報を取得するタイミングの設定、及び前記ガスの異常の発生を検知するための閾値の設定を前記監視部に対して行うこと を特徴とする請求項5乃至11の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。 【請求項13】 プラズマ処理装置の異常放電を抑制する監視装置であって、 チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部から、監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を受け付ける設定受付部と、 前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を前記タイミングで取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知する検知部と、 前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御する制御部と、 を有する監視装置。」 3 申立理由の概要 申立人は、主たる証拠として (1)特開2004-327933号公報(以下「甲1」という。) 及び従たる証拠として (2)国際公開第2020/180848号(以下「甲2」という。) (3)特開2016-174081号公報(以下「甲3」という。) (4)再表2019/145990号(以下「甲4」という。) (5)特許第5232868号公報(以下「甲5」という。) (6)特開2015-106484号公報(以下「甲6」という。) (7)特開2016-170940号公報(以下「甲7」という。) (8)特開2010-82519号公報(以下「甲8」という。) を提出し、請求項1~13に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1~13に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 4 証拠に記載された事項及び引用発明等の認定 (1)甲1について ア 甲1の記載 甲1には、以下の事項が記載されている(下線は当合議体が付した。以下同様。)。 「【0002】 【従来の技術】 半導体の製造分野においては、生産性向上の観点から、異なった数種類のプロセス処理を組み合わせて行っている。さらに、一つのプロセス処理の中でも、目的毎に異なる設定によって実行されている。 【0003】 たとえば、スパッタリング成膜をプロセス処理とした場合、目的の膜の種類や厚さが異なれば、チャンバ圧力、基板加熱温度、RFパワー、ガスの種類、ガス流量、処理時間等のプロセス条件の設定を変える必要がある。ここで、半導体製造工程においては、異なった数種類のプロセス処理を組み合わせて行う必要がある。そのため、煩雑さを避け、かつ正確な処理を行うために、プロセス処理条件を予め設定したレシピを作成しておき、レシピをプロセス処理制御用コンピュータに記憶させておき、コンピュータ制御の元に、レシピにしたがってプロセス処理を行うようにしている。 【0004】 しかし、作成したレシピは完全でない場合もあり、また、プロセス処理装置の経時変化と共に、装置性能も変化するため、レシピ内容を適時変更する必要がある。特に、プロセス処理を行った結果と、プロセス処理中の経緯を表すプロセスデータとを比較・分析することによって、プロセス解析を行い、レシピを更新して、プロセス処理の適正化を図ることは、歩留まり向上の観点からも、重要な工程となっている。 【0005】 図10は、従来のプロセスデータ収集部16を含むプロセス処理装置1を示す機能ブロック図である。プロセス処理装置1は、コントローラ11と、駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)と、センサ系19(温度センサ10d、圧力計10e、流量計10f)と、SEMI規格の制御用ネットワークのセンサ・アクチュエータ・ネットワーク(SAN:Sensor Actuator Network以下、SANと称す。)10と、プロセスデータベース17とを有している。 【0006】 コントローラ11は、レシピ12と、装置制御部13と、SANマスタ通信部14と、上位システム通信部15と、プロセスデータ収集部16とを有している。 【0007】 マスタとしての装置制御部13は、レシピ12に書き込まれたプロセス条件を読み込み、SANマスタ通信部14とSAN10を介して、スレイブとしての駆動系18に制御指示を指令として送出する。一方、同様にスレイブとしてのセンサ系19は、制御結果を応答として、SAN10とSANマスタ通信部14を介して、装置制御部13とプロセスデータ収集部16に出力する。」 「【0020】 この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態かかるプロセスデータ収集装置2の配置関係を示すブロック図である。なお、図1に示すプロセス処理装置1の構成要素のうち、従来と同様のものについては、図10と同一符号を付している。図1において、プロセスデータ収集装置2は、SAN10を介して交信される信号を、SANマスタ通信部14を介さずにモニタする機能を有している。 【0021】 プロセスデータ収集装置2は、装置制御部13からプロセスデータ収集条件を入力し、SAN10を介して、センサ系19から実行値信号を収集する。そして、得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納する。 【0022】 そして、プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば、プロセスデータ収集装置2は、レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力する。上位システム3は、入力したプロセスデータと、プロセス処理結果とを比較・分析するプロセス解析を行い、新たなプロセス条件を設定し、上位システム通信部15を介してレシピ12の更新を行う。 【0023】 ここで、レシピ12の具体例を図9に示す。レシピID毎にチャンバ圧力(CH圧力)、基板加熱温度(加熱温度)、プラズマパワー(RFパワー)、ガス種類、ガス流量、処理時間等のプロセス条件が異なっているのが分かる。 【0024】 図2は、プロセスデータ収集装置2の概略構成を示すブロック図である。プロセスデータ収集装置2は、ネットワークモニタ部20と、プロセスデータ収集部21と、プロセスデータ格納ファイル22と、プロセスデータアップロード部23と、収集条件テーブル24と、収集条件設定部25とを有している。 【0025】 ネットワークモニタ部20は、SAN10を介してマスタとスレイブ間の信号をモニタする機能を有している。しかし、SAN10のプロトコルに加入していないので、コントローラ11に対する負荷をかけずにモニタでき、プロセス処理装置1のCPUに負担をかけずに済む。 【0026】 そのため、マスタとスレイブ間の交信に支障をきたすこと無く、高速にプロセスデータを抽出できる。モニタした信号は、ネットワークモニタ部20で、マスタであるコントローラ11から、スレイブである駆動系18に対する指示信号RYと、スレイブであるセンサ系19からのプロセスデータ信号RWRとを照合する機能を有している。」 「【0037】 つぎに、図2に示すように、プロセスデータ収集部21は、収集条件テーブル24に基づいて実行値信号RWRを読み込んで一連のプロセスデータを作成して、プロセスデータ格納ファイル22に格納する。なお、収集条件テーブル24は、収集条件設定部25を介してプロセス処理装置1から設定されるが、手操作によって、直接設定することも可能である。 【0038】 図5は、収集条件テーブル24の内容を示す概念図である。収集条件テーブル24は、実行中レシピ60と、プロセスデータID61と、リモートI/O資源62と、サンプリング周期63と、トリガ条件64と、対象レシピ65とを有している。 【0039】 レシピIDとは、レシピの識別子であり、実行中レシピ60は、プロセス処理装置1で、実行中のレシピIDである。プロセスデータID61は、プロセスデータの識別子であり、プロセスデータID61は、収集の対象となっているプロセスデータを示している。リモートI/O資源62は、プロセスデータID61に対応するSAN10でのプロセスデータ信号RWRである。サンプリング周期63は、プロセスデータ信号RWRを収集する周期である。トリガ条件64は、開始トリガと停止トリガとから構成されており、夫々プロセスデータ信号RWRの収集の開始条件と停止条件とを設定している。図5に示すように、指示信号RYを条件として用いてもよい。対象レシピ65は、プロセスデータID61が関連するレシピIDで、複数のレシピIDを指定することができる。 【0040】 図6は、プロセスデータ収集部21におけるプロセスデータ信号RWRの収集の開始と停止とを示すフローチャートである。プロセスデータ収集部21は、ネットワークモニタ部20で更新された指示信号RYとプロセスデータ信号RWRとを読み込んで入力する。そして、トリガ条件指示信号RYを抽出する(ステップS201)。トリガ条件指示信号RYとは、指示信号RYにトリガ条件64が含まれているか否かを判断し、トリガ条件64が含まれていれば抽出するものである。つぎに、収集条件テーブル24のトリガ条件64に指定されている指示信号RYと照合して、トリガ発生の有無を判断する(ステップS202)。トリガ発生が無ければ、そのまま、トリガ条件用指示信号RY抽出(ステップS201)に戻る。」 [図:0001422469000001.jpg] [図:0001422469000002.jpg] [図:0001422469000003.jpg] [図:0001422469000004.jpg] [図:0001422469000005.jpg] [図:0001422469000006.jpg] イ 甲1の記載に基づいて当業者が把握できる事項 図1に示されるプロセス処理装置1の構成要素のうち、従来と同様のものについては、図10と同一符号を付していることから(【0020】参照)、図1及び図10を参照すれば、プロセスデータ収集部16、プロセスデータベース17及び上位システム3に供給されるプロセスデータを除き、図10に示されるプロセス処理装置1を含めた従来の技術に関する記載(【0002】~【0008】)は、図1に示されるプロセス処理装置1に共通するものと認められる。 ウ 甲1発明 前記ア及びイから、甲1には、図1に係るプロセス処理装置1について、下記の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(a等は分説のために付した。参考までに、認定の根拠とした段落を括弧内に記載する。以下同様。)。 <甲1発明> 「a プロセス処理としてスパッタリング成膜を行うことができる(【0003】)プロセス処理装置1とプロセスデータ収集装置2と(【0020】)上位システム3(【0022】)からなる装置であって、 b プロセス処理装置1は、コントローラ11と、駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)と、センサ系19(温度センサ10d、圧力計10e、流量計10f)と、SEMI規格の制御用ネットワークのセンサ・アクチュエータ・ネットワーク(SAN:Sensor Actuator Network以下、SANと称す。)10とを有し(【0005】)、 c コントローラ11は、レシピ12と、装置制御部13と、SANマスタ通信部14と、上位システム通信部15とを有し(【0006】)、 d マスタとしての装置制御部13は、レシピ12に書き込まれたプロセス条件を読み込み、SANマスタ通信部14とSAN10を介して、スレイブとしての駆動系18に制御指示を指令として送出する一方、同様にスレイブとしてのセンサ系19は、制御結果を応答として、SAN10とSANマスタ通信部14を介して、装置制御部13に出力し(【0007】)、 e プロセスデータ収集装置2は、SAN10を介して交信される信号を、SANマスタ通信部14を介さずにモニタする機能を有し(【0020】)、 f プロセスデータ収集装置2は、装置制御部13からプロセスデータ収集条件を入力し、SAN10を介して、センサ系19から実行値信号を収集し、得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し(【0021】)、 g プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば、プロセスデータ収集装置2は、レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力し、上位システム3は、入力したプロセスデータと、プロセス処理結果とを比較・分析するプロセス解析を行い、新たなプロセス条件を設定し、上位システム通信部15を介してレシピ12の更新を行い(【0022】)、 h レシピ12は、レシピID毎にチャンバ圧力(CH圧力)、基板加熱温度(加熱温度)、プラズマパワー(RFパワー)、ガス種類、ガス流量、処理時間等のプロセス条件が異なっており(【0023】)、 i プロセスデータ収集装置2は、ネットワークモニタ部20と、プロセスデータ収集部21と、プロセスデータ格納ファイル22と、プロセスデータアップロード部23と、収集条件テーブル24と、収集条件設定部25とを有し(【0024】)、 j ネットワークモニタ部20は、SAN10を介してマスタとスレイブ間の信号をモニタする機能を有し(【0025】)、モニタした信号は、ネットワークモニタ部20で、マスタであるコントローラ11から、スレイブである駆動系18に対する指示信号RYと、スレイブであるセンサ系19からのプロセスデータ信号RWRとを照合する機能を有し(【0026】)、 k 収集条件テーブル24は、収集条件設定部25を介してプロセス処理装置1から設定され(【0037】)、 l 収集条件テーブル24は、実行中レシピ60と、プロセスデータID61と、リモートI/O資源62と、サンプリング周期63と、トリガ条件64と、対象レシピ65とを有しており(【0038】)、 m プロセスデータID61は、プロセスデータの識別子であり、プロセスデータID61は、収集の対象となっているプロセスデータを示し、サンプリング周期63は、プロセスデータ信号RWRを収集する周期であり、トリガ条件64は、開始トリガと停止トリガとから構成されており、夫々プロセスデータ信号RWRの収集の開始条件と停止条件とを設定している(【0039】) 装置。」 また、前記ア及びイから、甲1には、図1に係るプロセスデータ収集装置2について、下記の発明(以下「甲1’発明」という。)が記載されていると認められる。 <甲1’発明> 「a プロセス処理としてスパッタリング成膜を行うことができる(【0003】)プロセス処理装置1とプロセスデータ収集装置2と(【0020】)上位システム3(【0022】)からなる装置に含まれるプロセスデータ収集装置2であって、 b プロセス処理装置1は、コントローラ11と、駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)と、センサ系19(温度センサ10d、圧力計10e、流量計10f)と、SEMI規格の制御用ネットワークのセンサ・アクチュエータ・ネットワーク(SAN:Sensor Actuator Network以下、SANと称す。)10とを有し(【0005】)、 c コントローラ11は、レシピ12と、装置制御部13と、SANマスタ通信部14と、上位システム通信部15とを有し(【0006】)、 d マスタとしての装置制御部13は、レシピ12に書き込まれたプロセス条件を読み込み、SANマスタ通信部14とSAN10を介して、スレイブとしての駆動系18に制御指示を指令として送出する一方、同様にスレイブとしてのセンサ系19は、制御結果を応答として、SAN10とSANマスタ通信部14を介して、装置制御部13に出力し(【0007】)、 e プロセスデータ収集装置2は、SAN10を介して交信される信号を、SANマスタ通信部14を介さずにモニタする機能を有し(【0020】)、 f プロセスデータ収集装置2は、装置制御部13からプロセスデータ収集条件を入力し、SAN10を介して、センサ系19から実行値信号を収集し、得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し(【0021】)、 g プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば、プロセスデータ収集装置2は、レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力し、上位システム3は、入力したプロセスデータと、プロセス処理結果とを比較・分析するプロセス解析を行い、新たなプロセス条件を設定し、上位システム通信部15を介してレシピ12の更新を行い(【0022】)、 h レシピ12は、レシピID毎にチャンバ圧力(CH圧力)、基板加熱温度(加熱温度)、プラズマパワー(RFパワー)、ガス種類、ガス流量、処理時間等のプロセス条件が異なっており(【0023】)、 i プロセスデータ収集装置2は、ネットワークモニタ部20と、プロセスデータ収集部21と、プロセスデータ格納ファイル22と、プロセスデータアップロード部23と、収集条件テーブル24と、収集条件設定部25とを有し(【0024】)、 j ネットワークモニタ部20は、SAN10を介してマスタとスレイブ間の信号をモニタする機能を有し(【0025】)、モニタした信号は、ネットワークモニタ部20で、マスタであるコントローラ11から、スレイブである駆動系18に対する指示信号RYと、スレイブであるセンサ系19からのプロセスデータ信号RWRとを照合する機能を有し(【0026】)、 k 収集条件テーブル24は、収集条件設定部25を介してプロセス処理装置1から設定され(【0037】)、 l 収集条件テーブル24は、実行中レシピ60と、プロセスデータID61と、リモートI/O資源62と、サンプリング周期63と、トリガ条件64と、対象レシピ65とを有しており(【0038】)、 m プロセスデータID61は、プロセスデータの識別子であり、プロセスデータID61は、収集の対象となっているプロセスデータを示し、サンプリング周期63は、プロセスデータ信号RWRを収集する周期であり、トリガ条件64は、開始トリガと停止トリガとから構成されており、夫々プロセスデータ信号RWRの収集の開始条件と停止条件とを設定している(【0039】) プロセスデータ収集装置2。」 (2)甲2について ア 甲2の記載 甲2には、以下の事項が記載されている。なお、日本語訳は、甲2のファミリー文献である特表2022-523807号公報を参考に当合議体が作成した。 「[0017] Referring first to FIG. 1, shown is a generator 102, match network 104, a plasma processing chamber 105, a plasma load 106, and an external controller 107. In operation, the generator 102 applies power (e.g., RF power) to the match network 104 via a transmission line 108 (e.g., coaxial cable) and then onto the plasma load 106 via an electrical connection 110. The generator 102 may be realized by a variety of different types of generators that may operate at a variety of different power levels and frequencies.」 ([0017]最初に図1を参照すると、示されるものは、発生器102、整合ネットワーク104、プラズマ処理チャンバ105、プラズマ負荷106、および外部コントローラ107である。動作時、発生器102は、電力(例えば、RF電力)を、伝送ライン108(例えば、同軸ケーブル)を介して整合ネットワーク104に、次いで、電気接続110を介してプラズマ負荷106上に印加する。発生器102は、種々の異なる電力レベルおよび周波数において動作し得る種々の異なるタイプの発生器によって実現され得る。) 「[0018] The match network 104 includes an input 112 including an electrical connector (not shown) to couple to the generator 102 via the transmission line 108 and an output 114 including an electrical connector (not shown) to couple to the plasma load 106 via the electrical connection 110. As shown, the match network 104 also includes an input sensor 116 and an output sensor 118 that are both coupled to an internal controller 119, which includes a measurement section 124, a reactance controller 122, and a variable reactance section 120.」 ([0018]整合ネットワーク104は、伝送ライン108を介して発生器102に結合するための電気コネクタ(図示せず)を含む入力112と、電気接続110を介してプラズマ負荷106に結合するための電気コネクタ(図示せず)を含む出力114とを含む。示されるように、整合ネットワーク104はまた、入力センサ116および出力センサ118を含み、両方とも内部コントローラ119に結合され、内部コントローラ119は、測定セクション124と、リアクタンスコントローラ122と、可変リアクタンスセクション120とを含む。) 「[0019] The plasma load 106 may be a plasma formed in the plasma processing chamber 105, which is known for performing treatments such as the etching of substrates or the deposition of thin layers upon substrates. The plasma load 106 is typically achieved by the formation of plasmas within low pressure gases. The plasma is initiated and sustained by the generator 102 (and potentially additional generators), and the match network 104 is employed to ensure the generator 102 sees a desired impedance (typically, although not always, 50 ohms) at the output of the generator.」 ([0019]プラズマ負荷106は、プラズマ処理チャンバ105内で形成されるプラズマであってもよく、これは、基板のエッチングまたは基板上での薄い層の堆積等の処置を実施することで公知である。プラズマ負荷106は、典型的には、低圧ガス内でのプラズマの形成によって達成される。プラズマは、発生器102(および、潜在的に、付加的な発生器)によって開始および持続され、整合ネットワーク104が、発生器の出力において、発生器102に所望のインピーダンス(典型的には、常時ではないが、50オーム)を見せることを確実にするために採用される。) 「[0025] The measurement section 124 may include processing components to sample, filter, and digitize the outputs of the input sensor 116 for utilization by the reactance controller 120. It is also contemplated that signals from the output sensor 118 may be utilized to control the variable reactance section 120. In any event, the reactance controller 122 may adjust the variable reactance component 120 to transform the impedance at the output of the match network 114 to the desired impedance (e.g., 50 ohms) at the input 112 of the match network. Because an impedance of the plasma load 106 tends to vary during processing of a workpiece (e.g., a substrate), the reactance controller 122 may operate to adjust the variable reactance section 120 to change its impedance to compensate for fluctuations in the impedance of the plasma load.」 ([0025]測定セクション124は、リアクタンスコントローラ120による利用のために、入力センサ116の出力をサンプリング、フィルタリング、およびデジタル化するための処理コンポーネントを含んでもよい。出力センサ118からの信号が、可変リアクタンスセクション120を制御するために利用され得ることもまた、考えられる。いずれにしても、リアクタンスコントローラ122は、整合ネットワークの出力114におけるインピーダンスを整合ネットワークの入力112における所望のインピーダンス(例えば、50オーム)に変換するように可変リアクタンスコンポーネント120を調節してもよい。プラズマ負荷106のインピーダンスは、ワークピース(例えば、基板)の処理の間に変動する傾向にあるため、リアクタンスコントローラ122は、プラズマ負荷のインピーダンスの増減を補償するためにそのインピーダンスを変化させるために可変リアクタンスセクション120を調節するように動作してもよい。) 「[0026] The match network 104 (and many variations of the match network 104) may be operable when there is some damage to the match network and/or when the match network is operating outside of design specifications. As discussed above, a damaged or operationally-deficient match network 104 can cause variations in the power applied to the plasma load 106, which can result in damage to workpieces (e.g., wafers) being processed in the processing chamber without the damage being noticed. As a consequence, aspects disclosed herein address this problem by detecting changes in the match network 104 that are indicative of damage to the match network 104 and/or operation outside of specifications.」 ([0026]整合ネットワーク104(および整合ネットワーク104の多くの変形例)は、整合ネットワークへのある損傷が存在するとき、および/または、整合ネットワークが設計仕様から外れて動作しているとき、動作可能であり得る。上記で議論されるように、損傷を受けているまたは動作可能に欠損のある整合ネットワーク104は、プラズマ負荷106に印加される電力の変動を引き起こし得、これは、損傷が気付かれることなく、処理チャンバ内で処理されているワークピース(例えば、ウエハ)への損傷をもたらし得る。結果として、本明細書に開示される側面は、整合ネットワーク104への損傷および/または仕様から外れた動作を示す整合ネットワーク104の変化を検出することによって、この問題に対処する。」 「[0027] More specifically, the match network 104 may include a damage detection component 126 that is coupled to the measurement section 124. In general, the damage detection component 126 is able to assess whether the variable reactance section 120 is at least one of damaged or operating outside of specifications using one or more input- parameter measurements (e.g., from the input sensor 116); one or more output-parameter measurements (e.g., from the output sensor 118); a reactance setting of the variable reactance section 120; and a model of the matching network 104.」 ([0027]より具体的には、整合ネットワーク104は、測定セクション124に結合される損傷検出コンポーネント126を含んでもよい。一般に、損傷検出コンポーネント126は、(例えば、入力センサ116からの)1つ以上の入力パラメータ測定値、(例えば、出力センサ118からの)1つ以上の出力パラメータ測定値、可変リアクタンスセクション120のリアクタンス設定、および整合ネットワーク104のモデルを使用して、可変リアクタンスセクション120が、損傷を受けているかまたは仕様から外れて動作しているかのうちの少なくとも1つであるかどうかを査定することが可能である。) 「[0042] If the match network 104 is damaged and/or operating outside of specifications, the assessment component 238 may prompt a reporting portion 240 to provide an alarm to an operator via a display and/or audio transducer of the match network 104. In some implementations, the reporting portion 240 may send a signal to the external controller 107, and the external controller 107 may provide an alarm to an operator of the system. The signal from the reporting portion 240 may be sent automatically or may be sent in response to a query from the external controller 107. In some implementations, contrasting the measurement-based attribute with the expected-attribute may include obtaining a difference between the measurement-based attribute with the expected-attribute, and the difference may be applied to one or more thresholds. For example, if the difference exceeds a first threshold, the reporting portion 240 may provide the operator with a low- level warning. And if the difference exceeds a second threshold, a higher- level warning may be reported to prompt the operator to interrupt a processing cycle.」 ([0042]整合ネットワーク104が、損傷を受けておりかつ/または仕様から外れて動作している場合、査定コンポーネント238は、整合ネットワーク104のディスプレイおよび/またはオーディオトランスデューサを介してオペレータに警報を提供するように、報告部分240にプロンプトしてもよい。いくつかの実装では、報告部分240は、外部コントローラ107に信号を送信してもよく、外部コントローラ107は、システムのオペレータに警報を提供してもよい。報告部分240からの信号は、自動的に送信されてもよい、または、外部コントローラ107からのクエリに応答して送信されてもよい。いくつかの実装では、測定ベースの属性を期待属性と対比することは、測定ベースの属性と期待属性との間の差異を取得することを含んでもよく、差異は、1つ以上の閾値に適用されてもよい。例えば、差異が、第1の閾値を超過する場合、報告部分240は、オペレータに低レベルの警告を提供してもよい。また、差異が、第2の閾値を超過する場合、より高いレベルの警告が、報告され、処理サイクルを中断するようにオペレータにプロンプトしてもよい。) [図:0001422469000007.jpg] [図:0001422469000008.jpg] [図:0001422469000009.jpg] [図:0001422469000010.jpg] ) イ 甲2技術事項 前記アから、甲2には以下の技術事項(以下「甲2技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <甲2技術事項> 「a 発生器102、整合ネットワーク104、プラズマ処理チャンバ105、プラズマ負荷106、および外部コントローラ107を備えるものにおいて([0017])、 b 動作時、発生器102は、電力(例えば、RF電力)を、伝送ライン108(例えば、同軸ケーブル)を介して整合ネットワーク104に、次いで、電気接続110を介してプラズマ負荷106上に印加し([0017])、 c 整合ネットワーク104は、入力センサ116および出力センサ118を含み、両方とも内部コントローラ119に結合され、内部コントローラ119は、測定セクション124と、リアクタンスコントローラ122と、可変リアクタンスセクション120とを含み([0018])、 d プラズマ負荷106は、プラズマ処理チャンバ105内で形成されるプラズマであってもよく、これは、基板のエッチングまたは基板上での薄い層の堆積等の処置を実施し([0019])、 e リアクタンスコントローラ122は、整合ネットワークの出力114におけるインピーダンスを整合ネットワークの入力112における所望のインピーダンス(例えば、50オーム)に変換するように可変リアクタンスコンポーネント120を調節し、プラズマ負荷106のインピーダンスは、ワークピース(例えば、基板)の処理の間に変動する傾向にあるため、リアクタンスコントローラ122は、プラズマ負荷のインピーダンスの増減を補償するためにそのインピーダンスを変化させるために可変リアクタンスセクション120を調節するように動作し([0025])、 f 整合ネットワーク104は、整合ネットワークへのある損傷が存在するとき、および/または、整合ネットワークが設計仕様から外れて動作しているとき、動作可能で、損傷を受けているまたは動作可能に欠損のある整合ネットワーク104は、プラズマ負荷106に印加される電力の変動を引き起こし得、これは、損傷が気付かれることなく、処理チャンバ内で処理されているワークピース(例えば、ウエハ)への損傷をもたらし得、整合ネットワーク104への損傷および/または仕様から外れた動作を示す整合ネットワーク104の変化を検出することによって、この問題に対処し([0026])、 g 整合ネットワーク104は、測定セクション124に結合される損傷検出コンポーネント126を含んでもよく、損傷検出コンポーネント126は、(例えば、入力センサ116からの)1つ以上の入力パラメータ測定値、(例えば、出力センサ118からの)1つ以上の出力パラメータ測定値、可変リアクタンスセクション120のリアクタンス設定、および整合ネットワーク104のモデルを使用して、可変リアクタンスセクション120が、損傷を受けているかまたは仕様から外れて動作しているかのうちの少なくとも1つであるかどうかを査定することが可能であり([0027])、 h 整合ネットワーク104が、損傷を受けておりかつ/または仕様から外れて動作している場合、査定コンポーネント238は、整合ネットワーク104のディスプレイおよび/またはオーディオトランスデューサを介してオペレータに警報を提供するように、報告部分240にプロンプトしてもよく、報告部分240は、外部コントローラ107に信号を送信して外部コントローラ107はシステムのオペレータに警報を提供してもよい([0042])こと。」 (3)甲3について ア 甲3の記載 甲3には、以下の事項が記載されている。 「【0017】 図1において、基板処理システム10は、ガラス基板等のFPD用の基板Gへプラズマ処理、例えば、プラズマエッチングを施す3つの基板処理装置11を備える。」 「【0023】 図2において、基板処理装置11は誘導結合型のプラズマ処理装置からなり、略矩形状のチャンバ20(処理室)と、該チャンバ20内の下方に配置されて基板Gを頂部に載置する台状の載置台21と、載置台21と対向するようにチャンバ20内の上方に誘電体、若しくは金属からなる窓部材(図示しない)を介して配置される渦巻き状の導体からなる誘導結合アンテナ50と、窓部材の下方においてチャンバ20内に処理ガスを供給するガス供給部22を備え、載置台21及びガス供給部22の間には処理空間Sが形成される。」 「【0031】 基板処理装置11が基板Gへプラズマエッチングを施す際、基板処理装置11の各構成要素の動作は装置コントローラ44(制御装置)により、所定のプログラムに従って制御される。」 「【0044】 ここで、装置コントローラは流量モニタから流量検知結果の信号を所定の間隔、例えば、100msec毎で受信するため、最悪、基板が載置台から剥離してから100msec経過した後に伝熱ガス流量が乱れたと判定することがある。一方、異常放電は基板が載置台から剥離してから数10msec後に発生することがある。したがって、装置コントローラが、基板が載置台から剥離して伝熱ガス流量が乱れたと判定したときには既に異常放電が発生しているおそれがある。特に、基板剥離判定システムが、流量検知結果の信号におけるノイズの影響を避けるために複数回ほど伝熱ガス流量が乱れた後、始めて基板が載置台から剥離したと判定する場合、基板が載置台から実際に剥離してから約1sec経過した後に伝熱ガス流量が乱れたと判定することになるため、異常放電の発生を防止することができない。 【0045】 これに対応して、本実施の形態では、静電吸着電極27の電位を監視する直流電圧モニタ46を設け、該直流電圧モニタ46はプラズマ生成用高周波電源41へ装置コントローラ44を介さずに接続される。直流電圧モニタ46は、直流電源28から静電吸着電極27に直流電圧を供給する供給ライン51上の特定の部位と接地電位との電位差を監視してもよく、また、供給ライン51上の特定の抵抗要素、例えば、抵抗52における電圧降下を監視してもよく、その他、静電吸着電極27における電位の変化を直接的あるいは間接的に監視できる手法が直流電圧モニタ46において用いられ得る。図2において、便宜上、供給ライン51と直流電圧モニタ46が一本の配線で接続されているが、供給ライン51と直流電圧モニタ46の接続方法は、これに限定されるものではなく、監視手法に応じて適切な接続方法が選択される。」 「【0047】 図7に示すように、基板処理装置11では、直流電源28が静電吸着電極27へ印加する直流電圧(以下、「静電吸着用直流電圧」という。)を監視する直流電圧モニタ46(電圧監視装置)を設け、直流電圧モニタ46と、装置コントローラ44と、プラズマ生成用高周波電源41とによって基板剥離判定システム47が構成される。該基板剥離判定システム47では、直流電圧モニタ46とプラズマ生成用高周波電源41が装置コントローラ44を介さずに信号線48によって直接接続されるとともに、プラズマ生成用高周波電源41と装置コントローラ44が接続される。また、直流電圧モニタ46と装置コントローラ44も信号線49によって直接接続される。直流電圧モニタ46は静電吸着用直流電圧が増加し、所定の閾値を超えたとき、基板Gが載置台21から剥離したと判定してプラズマ生成用高周波電源41へ高周波電力の供給を停止するための停止信号(以下、単に「停止信号」という。)を送信する。停止信号を受信したプラズマ生成用高周波電源41は、直ちに高周波電力の供給を停止する。」 「【0051】 次いで、ステップS84では、直流電圧モニタ46は、静電吸着用直流電圧が所定の閾値、例えば、プラズマエッチング中に維持されるべき一定値の2%乃至5%増しの値のうち、直流電圧モニタ46の検出精度に応じて設定される閾値を超えたか否かを判定し、静電吸着用直流電圧が所定の閾値以下であると判定した場合、ステップS84に戻り、静電吸着用直流電圧が所定の閾値を超えたと判定した場合、プラズマ生成用高周波電源41へ停止信号を信号線48を経由して直ちに送信する(ステップS85)。直流電圧モニタ46の検出精度はノイズによっても左右され、除去しきれないノイズが大きい場合には閾値も大きくせざるを得ないが、その場合でも閾値は上限を一定値の5%増しの値とする。直流電圧モニタ46は数10μsec間隔、例えば、80μsec間隔で静電吸着用直流電圧を監視するため、基板Gが載置台21から剥離したとしても数10μsec後には、その旨を検知することができ、基板Gの剥離が発生してから短時間で停止信号を送信することができる。なお、直流電圧モニタ46は、プラズマ生成用高周波電源41へ停止信号を送信する場合、静電吸着用直流電圧が所定の閾値を超えた旨の信号を信号線49を経由して装置コントローラ44へ送信する。」 [図:0001422469000011.jpg] [図:0001422469000012.jpg] イ 甲3技術事項 前記アから、甲3には以下の技術事項(以下「甲3技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <甲3技術事項> 「a 基板処理システム10は、ガラス基板等のFPD用の基板Gへプラズマ処理、例えば、プラズマエッチングを施す3つの基板処理装置11を備え(【0017】)、 b 基板処理装置11は誘導結合型のプラズマ処理装置からなり、略矩形状のチャンバ20(処理室)と、該チャンバ20内の下方に配置されて基板Gを頂部に載置する台状の載置台21と、載置台21と対向するようにチャンバ20内の上方に誘電体、若しくは金属からなる窓部材を介して配置される渦巻き状の導体からなる誘導結合アンテナ50と、窓部材の下方においてチャンバ20内に処理ガスを供給するガス供給部22を備え(【0023】)、 c 基板処理装置11が基板Gへプラズマエッチングを施す際、基板処理装置11の各構成要素の動作は装置コントローラ44(制御装置)により、所定のプログラムに従って制御され(【0031】)、 d 静電吸着電極27の電位を監視する直流電圧モニタ46を設け、該直流電圧モニタ46はプラズマ生成用高周波電源41へ装置コントローラ44を介さずに接続され(【0045】)、 e 基板処理装置11では、直流電源28が静電吸着電極27へ印加する直流電圧を監視する直流電圧モニタ46(電圧監視装置)を設け、直流電圧モニタ46と、装置コントローラ44と、プラズマ生成用高周波電源41とによって基板剥離判定システム47が構成され(【0047】)、 f 該基板剥離判定システム47では、直流電圧モニタ46とプラズマ生成用高周波電源41が装置コントローラ44を介さずに信号線48によって直接接続されるとともに、プラズマ生成用高周波電源41と装置コントローラ44が接続され(【0047】)、 g 直流電圧モニタ46と装置コントローラ44も信号線49によって直接接続され(【0047】)、 h 直流電圧モニタ46は静電吸着用直流電圧が増加し、所定の閾値を超えたとき、基板Gが載置台21から剥離したと判定してプラズマ生成用高周波電源41へ高周波電力の供給を停止するための停止信号を送信し、停止信号を受信したプラズマ生成用高周波電源41は、直ちに高周波電力の供給を停止し(【0047】)、 i 直流電圧モニタ46は数10μsec間隔、例えば、80μsec間隔で静電吸着用直流電圧を監視するため、基板Gが載置台21から剥離したとしても数10μsec後には、その旨を検知することができ、基板Gの剥離が発生してから短時間で停止信号を送信することができること(【0051】)。」 (4)甲4について ア 甲4の記載 甲4には、以下の事項が記載されている。 「[0006] 本明細書は、電極間の放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、異常を検知する検知器と、記憶装置と、制御装置と、を備え、制御装置は、該プラズマ発生装置の状態を時刻に対応付けて記憶装置に記憶させ、検知器が異常を検出する所定時間前から異常を検知するまでのプラズマ発生装置の状態を記憶装置に記憶させる記憶処理を実行するプラズマ発生装置を開示する。」 「[0009]大気圧プラズマ発生装置の構成 大気圧プラズマ発生装置10は、大気圧下でプラズマを発生させるための装置である。図1に示すように、大気圧プラズマ発生装置10は、プラズマガス噴出装置12と加熱ガス噴出装置14と制御装置(図4参照)16とを備えている。以下の説明において、大気圧プラズマ発生装置10の幅方向をX方向と、大気圧プラズマ発生装置10の奥行方向をY方向と、X方向とY方向とに直行する方向、つまり、上下方向をZ方向と称する。 [0010]プラズマガス噴出装置12は、ハウジング20、カバー22、1対の電極24,26(図3)によって構成されている。図3に示すように、ハウジング20は、メインハウジング30、放熱板31、アース板32、下部ハウジング34、ノズルブロック36を含む。メインハウジング30は、概してブロック状をなし、メインハウジング30の内部には、反応室38が形成されている。また、メインハウジング30には、上下方向に延びるように、複数の第1ガス流路(図3では1本の第1ガス流路のみが記されている)50が形成されており、複数の第1ガス流路50は、X方向に所定の間隔をおいて並んでいる。各第1ガス流路50の上端部は、反応室38に開口し、下端部は、メインハウジング30の底面に開口している。」 「[0015]1対の電極24,26は、メインハウジング30の反応室38の内部において、対向するように配設されている。その反応室38には、処理ガス供給装置(図4参照)74が接続されている。処理ガス供給装置74は、窒素等の不活性ガスと酸素等の活性ガスとの少なくとも一方を、処理ガスとして供給する装置である。これにより、反応室38に、処理ガスが供給される。尚、処理ガスはドライエアでも良い。 [0016]また、加熱ガス噴出装置14は、保護カバー80、ガス管82、ヒータ83、連結ブロック84を含む。保護カバー80は、プラズマガス噴出装置12の放熱板31を覆うように配設されている。ガス管82は、保護カバー80の内部において、上下方向に延びるように配設されており、ガス管82には、加熱用ガス供給装置(図4参照)86が接続されている。加熱用ガス供給装置86は、酸素等の活性ガス、若しくは、窒素等の不活性ガスを供給する装置である。また、ガス管82には、概して円筒状のヒータ83が配設されており、ガス管82がヒータ83によって加熱される。これにより、加熱用ガス供給装置86からガス管82に供給されたガスが加熱される。また、ヒータ83には、概して円筒状の熱電対カバー91に覆われた熱電対92(図4)が配設されている。」 「[0018]図4に示すように、制御装置16は、コントローラ100、高周波電源102、駆動回路105、流量コントローラ103,104、制御回路106および通信部107などを備えている。コントローラ100は、不図示のCPU,ROM,RAM等を備えるコンピュータなどにより実現される。コントローラ100は、高周波電源102、駆動回路105、および流量コントローラ103,104を制御することにより、プラズマガス噴出装置12および加熱ガス噴出装置14を制御する。また、コントローラ100は、制御回路106を介して、表示装置115に接続されている。これにより、コントローラ100の指令に従って、表示装置115に画像が表示される。さらに、コントローラ100は、入力装置116に接続されている。入力装置116は、操作ボタンなどにより構成されており、操作ボタンへの操作による操作情報を出力する。これにより、操作ボタンへの操作による操作情報が、コントローラ100に入力される。通信部107は、不図示のネットワークに接続する通信機器と通信を行う。通信の形態は特に限定されず、例えば、LAN、シリアル通信などである。また、コントローラ100は機能部として記憶部120および異常検知部121を有する。記憶部120には、後述する記憶処理にて大気圧プラズマ発生装置10の状態が記憶される。異常検知部121は、後述する電流センサ111、圧力センサ112,113、熱電対92、温度センサ114からの出力値に基づいて、異常が発生したか否かを判断し、異常を検知する。 [0019]図5に示すように、高周波電源102は、商用電源から電極24,26へ給電する高周波の交流電力を生成し、生成した交流電力を電極24,26へ給電する。電流センサ111は、高周波電源102から電極24,26へ電力を供給するための給電線131に流れる電流を検出する。詳しくは、電流センサ111は例えばカレントトランスを備え、カレントトランスにより検出された給電線131に流れる電流値に応じた検出電圧をAD変換し、電流値に応じたデジタル値をコントローラ100へ出力する。以下、電流値に応じたデジタル値を単に電流値と記載する場合がある。 [0020]流量コントローラ103は、例えばマスフローコントローラなどにより実現される。流量コントローラ103は、処理ガス供給装置74から反応室38に供給される処理ガスの流量を制御する。また、供給される処理ガスの流量の値をコントローラ100へ出力する。圧力センサ112は、処理ガス供給装置74から反応室38に供給される処理ガスの配管132に取り付けられており、処理ガスのガス圧を検出し、検出したガス圧値をコントローラ100へ出力する。 [0021]流量コントローラ104は、流量コントローラ103と同様に、加熱用ガス供給装置86からガス管82に供給されるガスの流量を制御する。また、供給されるガスの流量値をコントローラ100へ出力する。圧力センサ113は、加熱用ガス供給装置86からガス管82を介して連通路88に供給されるガスの配管133に供給されるガスのガス圧を検出し、検出したガス圧値をコントローラ100へ出力する。 [0022]駆動回路105にはヒータ83付近に取り付けられた熱電対92が電気的に接続されている。駆動回路105は、コントローラ100に指示された目標温度となるように、熱電対92の出力値に基づき、ヒータ83を制御する。また、駆動回路105は、熱電対92の出力値に応じた温度をコントローラ100へ出力する。温度センサ114は、例えば熱電対を有し、プラズマガス(後述)の温度を検出し、検出した温度をコントローラ100へ出力する。」 「[0028]また、コントローラ100は、プラズマ発生制御を開始すると、所定時間毎に、電流センサ111から出力される電流値、流量コントローラ103,104から出力される流量値、圧力センサ112,113から出力されるガス圧値、駆動回路105および温度センサ114から出力される温度を時刻に対応付けて記憶部120に記憶させる記憶処理を開始する。以下の説明において、時刻に対応付けて記憶される電流値、流量値、ガス圧値、駆動回路105および温度センサ114から出力される温度を履歴と称する。また、以下の説明において、電流値、流量値、ガス圧値、温度を検出値と総称する。記憶部120において、履歴が記憶される領域は予め定められている。従って、コントローラ100は、記憶処理において、記憶部120の予め定められた領域に履歴が記憶され、新たな履歴を記憶することができる空の領域がなくなると、記憶部120に記憶されている履歴のうち、最古の履歴に新たな履歴を上書きする。これにより、所定期間前の履歴が記憶部120に記憶されることができる。尚、所定期間とは例えば数分程度である。 [0029]コントローラ100は、検出値の少なくとも1つが異常値となり異常検知部121が異常が発生した(当合議体注:「異常が発生した異常検知部121が」は「異常検知部121が異常が発生した」の誤記と認められるので誤記を正して摘記した。)と判断すると、異常を検知したため、電極24,26への給電の停止、処理ガス、ガスの供給を停止させ、プラズマ発生制御を終了する。これにより、大気圧プラズマ発生装置10のプラズマ発生は停止される。次に、コントローラ100は、記憶処理を終了する。これにより、図6に示すように、記憶部120には、異常停止より前の一定期間の履歴が記憶されている状態となる。尚、図6における異常発生とは、上記のコントローラ100が検出値の少なくとも1つが異常値となったと判断した時点を示す。また、図6における異常停止とは、上記の、コントローラ100が異常値となったと判断して、電極24,26への給電の停止、処理ガス、ガスの供給を停止させた時点を示す。」 [図:0001422469000013.jpg] [図:0001422469000014.jpg] イ 甲4技術事項 前記アから、甲4には、以下の技術事項(以下「甲4技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <甲4技術事項> 「a 電極間の放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって([0006])、プラズマガス噴出装置12と加熱ガス噴出装置14と制御装置16とを備えた大気圧プラズマ発生装置10において([0009])、 b プラズマガス噴出装置12は、ハウジング20、カバー22、1対の電極24,26によって構成され、ハウジング20は、メインハウジング30、放熱板31、アース板32、下部ハウジング34、ノズルブロック36を含み、メインハウジング30は、概してブロック状をなし、メインハウジング30の内部には、反応室38が形成され([0010])、その反応室38には、処理ガス供給装置74が接続され([0015])、 c 加熱ガス噴出装置14は、保護カバー80、ガス管82、ヒータ83、連結ブロック84を含み、ガス管82には、加熱用ガス供給装置86が接続され([0016])、 d 制御装置16は、コントローラ100、高周波電源102、駆動回路105、流量コントローラ103,104、制御回路106および通信部107などを備え([0018])、 e コントローラ100は機能部として記憶部120および異常検知部121を有し([0018])、 f 電流センサ111は、高周波電源102から電極24,26へ電力を供給するための給電線131に流れる電流を検出し([0018])、 g 圧力センサ112は、処理ガス供給装置74から反応室38に供給される処理ガスの配管132に取り付けられており、処理ガスのガス圧を検出し、検出したガス圧値をコントローラ100へ出力し([0020])、 h 圧力センサ113は、加熱用ガス供給装置86からガス管82を介して連通路88に供給されるガスの配管133に供給されるガスのガス圧を検出し、検出したガス圧値をコントローラ100へ出力し([0021])、 i 温度センサ114は、例えば熱電対を有し、プラズマガスの温度を検出し、検出した温度をコントローラ100へ出力し([0022])、 j コントローラ100は、プラズマ発生制御を開始すると、所定時間毎に、電流センサ111から出力される電流値、流量コントローラ103,104から出力される流量値、圧力センサ112,113から出力されるガス圧値、駆動回路105および温度センサ114から出力される温度を時刻に対応付けて記憶部120に記憶させる記憶処理を開始し(以下、電流値、流量値、ガス圧値、温度を検出値と総称する)([0028])、 k コントローラ100は、検出値の少なくとも1つが異常値となり異常検知部121が異常が発生したと判断すると、異常を検知したため、電極24,26への給電の停止、処理ガス、ガスの供給を停止させ、プラズマ発生制御を終了し、これにより、大気圧プラズマ発生装置10のプラズマ発生は停止されること([0029])。」 (5)甲5について ア 甲5の記載 甲5には、以下の事項が記載されている。 【請求項1】 複数個の電極を有するチャック本体と、処理すべき基板の外周縁部が面接触可能なリブ部及び前記リブ部で囲繞された内部空間に所定の間隔を存して立設された複数個の支持部を有する誘電体たるチャックプレートと、前記内部空間に所定のガスを導入するガス導入手段とを備え、電極間に所定の電圧を印加してチャックプレートで基板を吸着し、かつ、前記内部空間に所定のガスを供給してガス雰囲気の形成し得る静電チャックにて基板を保持する場合、当該基板の破損を招かないように基板状態を管理する基板管理方法であって、 交流電源を介してチャックプレートの静電容量を通る交流電流を流してその電流値を監視すると共に、ガス導入手段を介して前記ガスを流して当該ガス流量を監視し、電流値及びガス流量のうち少なくとも一方の変化量から前記基板状態の管理を行い、 前記電流値及びガス流量のうち少なくとも一方の変化量が所定の閾値を超えると、基板の破損につながる基板状態であると判断し、両電極間に印加する直流電圧及びガス導入手段からのガスの流量のうち少なくとも一方を制御して前記基板状態を解消することを特徴とする基板管理方法。 「【0015】 以下に図面を参照して、処理すべき基板をウエハWとし、PVD法、CVD法等による成膜処理、イオン注入処理、熱処理やエッチング処理などの処理を行う真空処理装置内に配置された静電チャックCにてウエハWが破損しないように管理する本発明の実施の形態の基板管理方法を説明する。 【0016】 図1に示すように、静電チャックCは、図示省略の処理室内の底部に配置されるチャック本体1と、このチャック本体1の上面に設けられた誘電体たるチャックプレート2とから構成される。例えば窒化アルミ製のチャック本体1には図示省略の絶縁層を介して正負の電極3a、3bが組み込まれ、公知のチャック電源Eの直流電源E1から直流電圧が印加できるようになっている。 【0017】 また、チャック本体1には、上下方向に貫通するガス通路4が形成され、このガス通路4の下端は、マスフローコントローラ5を介設したガス管6を介してArガス等の不活性ガスを収容したガス源7に連通し、これらの部品が本実施の形態のガス導入手段を構成する。さらに、チャック本体1には、公知の構造を有する抵抗加熱式のヒータ8が内蔵され、ウエハWを所定温度に加熱保持できるようになっている。なお、本実施の形態では、ヒータ8のみを設けたものを例に説明しているが、これに限定されるものではなく、公知の冷却手段を組み付けて構成してもよい。 【0018】 チャックプレート2は、例えば窒化アルミ製であり、ウエハW裏面の外周縁部が面接触可能な環状のリブ部2aと、リブ部2aで囲繞された内部空間2bで同心状に立設された複数個の棒状の支持部2cとを備える。この場合、支持部2cの高さは、リブ部2aの高さより僅かに小さくなるように設定され、チャックプレート2表面でウエハWを吸着したときに、各支持部2cでウエハWを支持するようになっている。 【0019】 そして、チャックプレート2にウエハWを載置した後、両電極3a、3b間に直流電圧を印加することで発生する静電気力でウエハWがチャックプレート2の表面で吸着される。このとき、ウエハW裏面の外周縁部がリブ部2aとその全周に亘って面接触することで内部空間2bが略密閉される。この状態で、ガス導入手段を介してArガスを供給すると、上記内部空間2bにArガス雰囲気が形成し得る。これにより、ヒータ8を作動させてウエハWを加熱する場合、リブ部2aとウエハW裏面とで画成される内部空間2bにArガス雰囲気を形成することで、ウエハWへの熱伝達をアシストして効率よくウエハWを加熱できる。 【0020】 なお、ウエハW裏面の外周縁部とリブ部2aとの間にはシール部材を設けていないので、ウエハW裏面の外周縁部がリブ部2aとその全周に亘って面接触しているように場合でも微量(例えば0.01~0.03sccm)の不活性ガスが漏れることとなる。 【0021】 ここで、ウエハWには、図2(a)及び(b)に示すように、例えばそれ自体の応力やウエハW表面に形成した薄膜の応力により圧縮方向または引張方向の反りが生じている。このようなウエハWを静電チャックCに吸着するとき、静電チャックCでウエハWを吸着して加熱処理や成膜処理する間、または、処理後に静電チャックCの吸着を解除して搬送するときに基板が破損(割れやかけ等をいう)しないように管理する必要がある。 【0022】 本実施の形態では、上記ウエハの状態を把握するために、チャック電源E内の直流電源E1に交流電源E2を直列に接続し(図示せず)、交流電源E2から静電チャック1の静電容量を通る交流電流を流し、公知の電流計Aにて測定した電流値からインピーダンスを監視すると共に、マスフローコントローラ5の下流側でガス管6に公知のマスフローメータ9を介設してArガスのガス流量を監視することとした。」 「【0026】 ウエハWの加熱中、電流計で測定した電流値は略一定であり、その結果、インピーダンスも略一定となり、また、ガス流量及び変位量も殆ど変化しない。そして、所定時間経過後、ヒータ8及びArガスの導入を停止し、両電極3a、3b間への電圧の印加を停止し、このときの電流値、ひいてはインピーダンスを測定すると、吸着前のものより約2割高くなり、レーザ変位計で測定すると、吸着前のものより変位量が大きくなってウエハWの圧縮方向の反りが大きくなった。 【0027】 これにより、インピーダンスからウエハWの反り状態を的確に管理できることが判る。また、レーザ変位計による測定により、ウエハWの圧縮方向の反りが生じている場合には、インピーダンスとウエハWの変位量には相関があり、略比例関係となることが判る。以上のことから、インピーダンス、ひいては電流値を測定すれば、ウエハWの反り量が判断でき、これを管理すれば、ウエハWの破損に通じる状態を適格に管理できる。このように本実施の形態では、インピーダンス、ひいては電流値の変化からウエハWの破損につながる状態を的確に把握できるため、特に処理室内でのウエハWの破損を確実に防止して製品歩留りを向上しつつ生産性を向上できる。 【0028】 なお、処理中にインピーダンス、ひいては電流値が所定の閾値を超えて変化した場合には、ウエハの破損につながる状態であると判断し得る。このような場合には、所定の処理を適宜中止しながら、両電極3a、3b間に印加する直流電圧及びガス導入手段からのガス流量のうち少なくとも一方を制御してウエハWに無理な応力が加わる状態を解消する。これにより、処理室内でのウエハWの破損を防止できる。なお、閾値については、ウエハWのサイズや厚さを考慮して適宜設定すればよい。」 「【0031】 さらに、本実施の形態では、圧縮方向の反りが生じている場合を主として説明したが、図2(b)に示すように、処理中やその前後においてウエハWが引張方向の反りを生じている場合には、チャックプレート2にウエハWを吸着しても、リブ部2aとウエハWの外周縁部とは面接触せず、両者の間の隙間が大きくなって漏洩するガス量が大きる。その結果、マスフローメータ9で測定しているガス流量も変化する。このように、ガス流量とウエハWの引張方向の反り量とには相関があることから、ガス流量を管理すれば、ウエハWの反り量が判断でき、これを管理すれば、ウエハWの破損に通じる状態を適格に管理でき、上記と同様にして処理室内でのウエハWの破損を防止できる。」 [図:0001422469000015.jpg] [図:0001422469000016.jpg] イ 甲5技術事項 前記アから、甲5には、以下の技術事項(以下「甲5技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <甲5技術事項> 「真空処理装置内に配置された静電チャックCにてウエハWが破損しないように管理する基板管理方法において(【0015】)、 チャック本体1には、上下方向に貫通するガス通路4が形成され、このガス通路4の下端は、マスフローコントローラ5を介設したガス管6を介してArガス等の不活性ガスを収容したガス源7に連通し、これらの部品がガス導入手段を構成し(【0017】)、 ウエハW裏面の外周縁部がリブ部2aとその全周に亘って面接触することで内部空間2bが略密閉され、この状態で、ガス導入手段を介してArガスを供給すると、上記内部空間2bにArガス雰囲気が形成し得、これにより、ヒータ8を作動させてウエハWを加熱する場合、リブ部2aとウエハW裏面とで画成される内部空間2bにArガス雰囲気を形成することで、ウエハWへの熱伝達をアシストして効率よくウエハWを加熱でき(【0019】)、 ウエハの状態を把握するために、チャック電源E内の直流電源E1に交流電源E2を直列に接続し、交流電源E2から静電チャック1の静電容量を通る交流電流を流し、公知の電流計Aにて測定した電流値からインピーダンスを監視すると共に、マスフローコントローラ5の下流側でガス管6に公知のマスフローメータ9を介設してArガスのガス流量を監視し(【0022】)、 処理中にインピーダンス、ひいては電流値が所定の閾値を超えて変化した場合には、ウエハの破損につながる状態であると判断し得、このような場合には、所定の処理を適宜中止しながら、両電極3a、3b間に印加する直流電圧及びガス導入手段からのガス流量のうち少なくとも一方を制御してウエハWに無理な応力が加わる状態を解消し(【0028】)、 ガス流量を管理すれば、ウエハWの反り量が判断でき、これを管理すれば、ウエハWの破損に通じる状態を適格に管理でき、処理室内でのウエハWの破損を防止できること(【0031】)。」 (6)甲6について ア 甲6の記載 甲6には、以下の事項が記載されている。 「【0003】 図20は高周波電源(RF電源)によるプラズマ負荷の駆動を説明するための概略図である。図20において、高周波電源(RF電源)100から出力されたパルス出力は、整合器101を介してプラズマ処理装置やCO2レーザ加工機等のプラズマ負荷102に供給される。 【0004】 高周波電源のパルス駆動によるパルス出力はオフ状態とオン状態とを高周波で繰り返す高周波(RF)出力である。高周波電源(RF電源)のパルス駆動では、プラズマ負荷に対してパルス出力の進行波電圧が断続的に供給されるため、プラズマ負荷のプラズマは点灯と消灯とを繰り返すことになる。 【0005】 高周波(RF)出力がオン状態とオフ状態との間で切り替わる時は、パルス駆動状態が正常であっても反射波が発生する。高周波(RF)出力がオフ状態からオン状態に切り替わる時点からプラズマが着火するまでの間で反射係数Γがほぼ1となって(Γ≒1)不整合状態が発生するため一時的に全反射状態となる。このとき、プラズマ負荷から高周波電源に向かって反射波が発生する。反射波の発生要因としては、例えば整合器の固有振動やプラズマの着火動作等がある。」 [図:0001422469000017.jpg] イ 甲6技術事項 前記アから、甲6には、以下の技術事項(以下「甲6技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <甲6技術事項> 「高周波電源(RF電源)によるプラズマ負荷の駆動において(【0003】)、 高周波(RF)出力がオン状態とオフ状態との間で切り替わる時は、パルス駆動状態が正常であっても反射波が発生し(【0005】)、 高周波(RF)出力がオフ状態からオン状態に切り替わる時点からプラズマが着火するまでの間で反射係数Γがほぼ1となって(Γ≒1)不整合状態が発生するため一時的に全反射状態となり、このとき、プラズマ負荷から高周波電源に向かって反射波が発生すること(【0005】)。」 (7)甲7について ア 甲7の記載 甲7には、以下の事項が記載されている。 「【0072】 ここで、オフ・プリセット・ポジションは、放電開始(プラズマ着火)時にチューナポジションT1,T2を強制的に特定のポジション(スタート位置)へ移動させる場合の移動先ポジションを指す。オフ・プリセット・タイマは、チューナポジションT1,T2をオフ・プリセット・ポジションに移した後にMWon(マイクロ波オン)してからその位置に保持する時間の長さである。関係者は、オフ・プリセット・イネーブル/ディスエーブルの設定を“イネーブル(En)”とするか“ディスエーブル(Di)”とするかによって、オフ・プリセット・ポジションの活用(有効)または不活用(無効)のどちらでも選択できる。 【0073】 オン・プリセット・ポジションは、放電開始で着火したプラズマを安定化させるために、あるいはプラズマ生成中に割り込みが入った時に、チューナポジションT1,T2を強制的に特定のポジション(スタート位置)へ移動させる場合の移動先ポジションを指す。オン・プリセット・タイマは、チューナポジションT1,T2をオン・プリセット・ポジションに移してからその位置に保持する時間の長さである。関係者は、オン・プリセット・イネーブル/ディスエーブルの設定を“イネーブル(En)”とするか“ディスエーブル(Di)”とするかによって、オン・プリセット・ポジションの活用(有効)または不活用(無効)のどちらでも選択できる。 【0074】 「Γin」は、整合動作においてチューナポジションT1,T2の現時位置に対応する反射係数Γの現時値を収束させるべき整合ポイントとしての目標値(複素数)である。目標値Γinは、典型的には絶対値|Γin|および位相θinについて設定されてよいが、実数部|Γin|cosθおよび虚数部|Γin|sinθについて設定されてもよい。「Γth」は、反射係数Γの目標値Γinを囲む第1の近傍範囲であり、たとえばΓチャート(スミスチャート)上で目標値Γinを中心とする半径Γthの円の内側を規定する。「Γh」は、反射係数Γの目標値Γinを第1の近傍範囲Γthよりも外側で囲む第2の近傍範囲であり、やはりΓチャート上で目標値Γinを中心とする半径Γhの円の内側を規定する。「モータ速度」は、電動機M1,M2の回転速度または送り速度である。」 「【0110】 図12,図13および図14に示すように、(|Γin|,θin)=(0.00、0°)の場合はもちろん、(|Γin|,θin)=(0.04、0°)の場合および(|Γin|,θin)=(0.04、90°)の場合にも、夥しい数で尖頭値の高い反射波パワーのパルス(ハンチングの発生)が観測された。また、反射波パワーのスパイクに連動してチューナポジションT1,T2が脈動するのが観測された。」 [図:0001422469000018.jpg] イ 甲7技術事項 前記アから、甲7には、以下の技術事項(以下「甲7技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <甲7技術事項> 「放電開始(プラズマ着火)時に(【0072】)、夥しい数で尖頭値の高い反射波パワーのパルス(ハンチングの発生)が観測されること(【0110】)。」 (7)甲8について ア 甲8の記載 甲8には、以下の事項が記載されている。 「【0017】 以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態に係る自己クリーニング機能付圧力容器をについて説明する。この自己クリーニング機能付圧力容器は、高圧・高温下での試験薬液に対するワークの耐食試験やアニール処理を行うものであり、クリーニングに際し、圧力容器の内壁に付着した付着物をプラズマ処理のプロセスにより除去可能に構成されている。 【0018】 図1に示すように、自己クリーニング機能付圧力容器1は、容器本体11と容器本体11を開閉する容器蓋12とから成り、内部でワークを処理する圧力容器2と、圧力容器2の内壁に付着した付着物をプラズマ処理のプロセスによりクリーニングするクリーニング装置3と、これらを統括制御する制御装置4と、を備えている。すなわち、実施形態の自己クリーニング機能付圧力容器1は、圧力容器2にプラズマ処理装置を併設した構成を有している。詳細は後述するが、この自己クリーニング機能付圧力容器1では、ワークの耐食試験後、耐食試験によって圧力容器2の内壁に付着した有機物等の付着物を、プラズマ処理によって定期的にクリーニング可能に構成したものである。」 「【0026】 そして、単一のプロセスガスを供給する場合には、供給開閉バルブ43を開放した状態で、供給するプロセスガスのガスボンベ51に連なる下流側開閉バルブ56を開放する。この際、容器室26内のプロセスガスのガス濃度は、圧力容器2内のガス濃度が所定のガス濃度になるように、ガス検出センサ14による検出結果に基づいて、供給ガスコントローラ54よってプロセスガスのガス流量を制御することで調整されている。これにより、プロセスガスは、供給ガスコントローラ54で制御され、所定の濃度(流量)で圧力容器2(容器室26)に供給される。また、複数種のプロセスガスを供給する場合には、供給開閉バルブ43を開放した状態で、該当する複数の下流側開閉バルブ56をそれぞれ開放する。この場合におけるプロセスガスの混合割合も、上記と同様に、それぞれの供給ガスコントローラ54よってそれぞれのガス流量を制御することで調整される。 【0027】 ガス排気配管44には、プロセスガスの排気側の元栓となる排気開閉バルブ46と、ニードルバルブやマスフローコントローラ等で構成された排気ガスコントローラ63と、圧力容器2内を負圧状態にする真空ポンプ62と、が上流側から順番に介設されている。また、排気開閉バルブ46、真空ポンプ62および排気ガスコントローラ63は、制御装置4に接続されている。プロセスガスの排気は、上記したプロセスガスの供給と同時に行われ、真空ポンプ62を駆動した状態で、排気開閉バルブ46を開放する。容器室26内のプロセスガスのガス濃度は、圧力容器2内のガス濃度が所定のガス濃度になるように、ガス検出センサ14による検出結果に基づいて、排気ガスコントローラ63よってプロセスガスのガス流量を制御することで調整されている。すなわち、圧力容器2内のガス濃度が一定なるように、プロセスガスの供給流量および排気流量が等しくなるように、供給ガスコントローラ54および排気ガスコントローラ63によって制御されている。」 [図:0001422469000019.jpg] イ 甲8技術事項 前記アから、甲8には、以下の技術事項(以下「甲8技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <甲8技術事項> 「高圧・高温下での試験薬液に対するワークの耐食試験やアニール処理を行う(【0017】)自己クリーニング機能付圧力容器1であって、ワークの耐食試験後、耐食試験によって圧力容器2の内壁に付着した有機物等の付着物を、プラズマ処理によって定期的にクリーニング可能に構成した自己クリーニング機能付圧力容器1において(【0018】)、 単一のプロセスガスを供給する場合には、供給開閉バルブ43を開放した状態で、供給するプロセスガスのガスボンベ51に連なる下流側開閉バルブ56を開放し、この際、容器室26内のプロセスガスのガス濃度は、圧力容器2内のガス濃度が所定のガス濃度になるように、ガス検出センサ14による検出結果に基づいて、供給ガスコントローラ54よってプロセスガスのガス流量を制御することで調整され(【0026】)、 プロセスガスの排気は、上記したプロセスガスの供給と同時に行われ、真空ポンプ62を駆動した状態で、排気開閉バルブ46を開放し、容器室26内のプロセスガスのガス濃度は、圧力容器2内のガス濃度が所定のガス濃度になるように、ガス検出センサ14による検出結果に基づいて、排気ガスコントローラ63よってプロセスガスのガス流量を制御することで調整されること(【0027】)。」 5 当合議体の判断 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)本件発明1の「プラズマ処理装置」との特定事項について 甲1発明の「a プロセス処理としてスパッタリング成膜を行うことができるプロセス処理装置1とプロセスデータ収集装置2と上位システム3からなる装置」は、「プラズマパワー(RFパワー)」を「プロセス条件」(h参照)とするものであり、また、スパッタリング成膜がプラズマを利用したプロセス処理であるという技術常識に鑑みれば、本件発明1の「プラズマ処理装置」に相当するといえる。 したがって、甲1発明は前記特定事項を備えている。 (イ)本件発明1の「チャンバと、」「を有し、」との特定事項について 甲1発明の「a プロセス処理としてスパッタリング成膜を行うことができるプロセス処理装置1」は、「チャンバ圧力(CH圧力)」を「プロセス条件」(h参照)とするものであり、また、スパッタリング成膜がチャンバ内で行われるという技術常識に鑑みれば、甲1発明は、本件発明1の「チャンバ」を有するといえる。 したがって、甲1発明は、前記特定事項を備えている。 (ウ)本件発明1の「前記チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部と、」「を有し、」との特定事項について 甲1発明の「d マスタとしての装置制御部13」は、「レシピ12に書き込まれたプロセス条件を読み込み、SANマスタ通信部14とSAN10を介して、スレイブとしての駆動系18に制御指示を指令として送出する」ものであり、「プロセス条件」には「チャンバ圧力(CH圧力)」と「プラズマパワー(RFパワー)」を含み(h参照)、「プロセス処理としてスパッタリング成膜を行うこと」(a参照)がチャンバ内でプラズマを利用したプロセス処理であるという技術常識を踏まえれば、「装置制御部13」はチャンバ内のプラズマ処理を制御するものといえるから、甲1発明の「装置制御部13」は、本件発明1の「前記チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部」に相当する。 したがって、甲1発明は、前記特定事項を備えている。 (エ)本件発明1の「前記チャンバ内に設けられ又は前記チャンバに直接的もしくは間接的に接続された監視対象を監視する監視部と、を有し、」との特定事項について 甲1発明において、「プロセスデータ収集装置2」は、「SAN10を介して交信される信号を」「モニタする機能を有」(e参照)し、「センサ系19から実行値信号を収集」(f参照)するものであるところ、「マスタとしての装置制御部13は、レシピ12に書き込まれたプロセス条件を読み込み、SANマスタ通信部14とSAN10を介して、スレイブとしての駆動系18に制御指示を指令として送出する一方、同様にスレイブとしてのセンサ系19は、制御結果を応答として、SAN10とSANマスタ通信部14を介して、装置制御部13に出力」(d参照)することからすれば、プロセスデータ収集装置2は、SAN10を介して交信される信号である駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)(b参照)に送出される制御指示の応答としてのセンサ系19(温度センサ10d、圧力計10e、流量計10f)(b参照)が出力する制御結果をモニタする機能を有するといえ、監視(モニタ)対象である駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)及びセンサ系19(温度センサ10d、圧力計10e、流量計10f)を監視(モニタ)するものといえるから、甲1発明の「駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)」及び「センサ系19(温度センサ10d、圧力計10e、流量計10f)」を合わせたもの、「プロセスデータ収集装置2」はそれぞれ、本件発明1の「監視対象」、「監視部」に相当する。 また、甲1発明において、「プロセス処理としてスパッタリング成膜」(a参照)がチャンバ内でプラズマを利用したプロセス処理であるという技術常識を踏まえれば、「プロセス処理装置1」が「有」する「駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)」及び「センサ系19(温度センサ10d、圧力計10e、流量計10f)」(b参照)は、チャンバ内に設けられるか、チャンバに直接的もしくは間接的に接続されるものであることは明らかである。 したがって、甲1発明は、前記特定事項を備えている。 (オ)本件発明1の「前記装置側コントローラ部は、前記監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を行い」との特定事項について 甲1発明において、「装置制御部13」は、「プロセスデータ収集装置2」へ「プロセスデータ収集条件を入力」(f参照)するものであり、「プロセスデータ収集装置2」が「有」する「収集条件設定部25」(i参照)「を介してプロセス処理装置1から設定され」る「収集条件テーブル24」(k参照)は、「プロセスデータID61と、」「サンプリング周期63と、トリガ条件64と」「を有しており」(l参照)、「プロセスデータID61は、収集の対象となっているプロセスデータを示し、サンプリング周期63は、プロセスデータ信号RWRを収集する周期であり、トリガ条件64は、開始トリガと停止トリガとから構成されており、夫々プロセスデータ信号RWRの収集の開始条件と停止条件とを設定している」(m参照)ことからすれば、装置制御部13は、プロセスデータ収集装置2が有する収集条件設定部を介して、収集する対象となっているプロセスデータと、プロセスデータ信号RWRを収集する周期と、プロセスデータ信号RWRの収集の開始条件と停止条件、すなわち、収集のタイミングを設定しているものといえ、甲1発明の「プロセスデータ信号RWR」は、本件発明1の「監視対象情報」に相当する。 そうすると、甲1発明の「装置制御部13」は、本件発明1でいう「前記監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を行」うものである。 したがって、甲1発明は、前記特定事項を備えている。 (カ)本件発明1の「前記監視部は、前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を取得して、前記監視対象情報に基づき前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し前記監視対象を制御する」との特定事項について 甲1発明において、「プロセスデータ収集装置2」が有する「ネットワークモニタ部20」は、「SAN10を介してマスタとスレイブ間の信号をモニタする機能を有」(j参照)するところ、「プロセスデータ収集装置2」が「収集」する「スレイブであるセンサ系19からのプロセスデータ信号RWR」(j、m参照)もまた、「マスタとスレイブ間の信号」であり、このことは、「スレイブであるセンサ系19からのプロセスデータ信号RWR」が、「スレイブとしてのセンサ系19」から、「マスタとしての装置制御部13」に送信されることを意味している。 そうすると、本件発明1と甲1発明とは、「前記監視部は、前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を取得」する点で共通する。 しかしながら、「監視部」は、本件発明1では「前記監視対象情報に基づき前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し前記監視対象を制御する」ものであるのに対し、甲1発明の「プロセスデータ収集装置2」は、「装置制御部13からプロセスデータ収集条件を入力し、SAN10を介して、センサ系19から実行値信号を収集し、得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し」(f参照)、「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」(g参照)するものであり、プロセスデータ信号RWRに基づきチャンバにおける異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)を制御するものではない。 イ 一致点及び相違点 前記アから、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は次のとおりである。 <一致点> 「プラズマ処理装置であって、 チャンバと、 前記チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部と、 前記チャンバ内に設けられ又は前記チャンバに直接的もしくは間接的に接続された監視対象を監視する監視部と、 を有し、 前記装置側コントローラ部は、前記監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を行い、 前記監視部は、前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を取得する プラズマ処理装置。」である点。 <相違点1> 監視部は、本件発明1では「前記監視対象情報に基づき前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し前記監視対象を制御する」のに対して、甲1発明では「装置制御部13からプロセスデータ収集条件を入力し、SAN10を介して、センサ系19から実行値信号を収集し、得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し」、「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」するものであり、スレイブであるセンサ系19からのプロセスデータ信号RWRに基づきチャンバにおける異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)を制御するものではない点。 ウ 判断 (ア)相違点1について a 甲2について 甲2技術事項において、プラズマ負荷106は、基板のエッチングまたは基板上での薄い層の堆積等の処置を実施するためのプラズマ処理チャンバ105内で形成されるプラズマであってもよく(d参照)、リアクタンスコントローラ122は、プラズマ負荷のインピーダンスの増減を補償するためにそのインピーダンスを変化させるために可変リアクタンスセクション120を調節するように動作(e参照)するものであるが、このプラズマ負荷のインピーダンスを補償するためにインピーダンスを変化させるために可変リアクタンスセクション120を調節するリアクタンスコントローラ122の動作は、通常時に動作するものであって、異常が発生したチャンバに対して動作するものではなく、相違点1に係る本件発明1の構成に対応するものといえない。 また、甲2技術事項において、整合ネットワーク104は、整合ネットワークへのある損傷が存在するとき、および/または、整合ネットワークが設計仕様から外れて動作しているとき、プラズマ負荷106に印加される電力の変動を引き起こし得、これは、損傷が気付かれることなく、処理チャンバ内で処理されているワークピース(例えば、ウエハ)への損傷をもたらし得、結果として、整合ネットワーク104への損傷および/または仕様から外れた動作を示す整合ネットワーク104の変化を検出することによって、この問題に対処(f参照)するものであることから、整合ネットワーク104への損傷および/または仕様から外れた動作を示す整合ネットワーク104の変化を検出することは、処理チャンバ内で処理されているワークピース(例えば、ウエハ)への損傷をもたらし得るというチャンバにおける異常の発生を検出することといえるが、この問題への対処として、オペレータに警報を提供する(h参照)ことは、異常が発生したチャンバに対し制御を行うものといえず、相違点1に係る本件発明1の構成に対応するものといえない。 したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲2技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 b 甲3について 甲3技術事項は、静電吸着電極27の電位を監視する直流電圧モニタ46(d参照)が、所定の閾値を超えたとき、基板Gが載置台21から剥離したと判定してプラズマ生成用高周波電源41へ高周波電力の供給を停止するための停止信号を送信し、停止信号を受信したプラズマ生成用高周波電源41は、直ちに高周波電力の供給を停止する(h参照)ものであることから、直流電圧という監視対象情報に基づき、基板Gの載置台21からの剥離の判定というチャンバ20(b参照)における異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバ20に対し(b参照)、高周波電力の供給を停止するようにプラズマ生成用高周波電源41を制御するものといえるところ、高周波電力の供給を停止するようプラズマ生成用高周波電源41を制御することは、監視対象である静電吸着電極27を制御するものとはいえず、相違点1に係る本件発明1の構成に対応するものといえない。 したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲3技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 c 甲4について 甲4技術事項は、「電極間の放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置」(a参照)において、「プラズマガス噴出装置12は、ハウジング20、カバー22、1対の電極24,26によって構成され」(b参照)、「電流センサ111は、高周波電源102から電極24,26へ電力を供給するための給電線131に流れる電流を検出し」(f参照)、「コントローラ100は、プラズマ発生制御を開始すると、所定時間毎に、電流センサ111から出力される電流値、流量コントローラ103,104から出力される流量値、圧力センサ112,113から出力されるガス圧値、駆動回路105および温度センサ114から出力される温度を時刻に対応付けて記憶部120に記憶させる記憶処理を開始し」(j参照)、「コントローラ100は、検出値の少なくとも1つが異常値となり異常検知部121が異常が発生したと判断すると、異常を検知したため、電極24,26への給電の停止、処理ガス、ガスの供給を停止させ」(k参照)ることからすれば、甲4技術事項は、監視対象情報(電流センサ111から出力される電流値等)に基づきチャンバ(プラズマガス噴出装置12等)における異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し監視対象を制御(電極24,26への給電の停止、処理ガス、ガスの供給を停止)する監視部(コントローラ100)を有するものといえ、相違点1に係る本件発明1の「前記監視対象情報に基づき前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し前記監視対象を制御する監視部」を備えるものといえそうである。 しかしながら、甲1発明においては駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)の制御は装置制御部13が行うのであって、プロセスデータ収集装置2は駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)の制御を行う機能を備えておらず、また、センサ系19の応答はプロセスデータ収集装置2のみならず装置制御部13にも出力されていることに照らせば、甲1発明における甲4技術事項の「コントローラ100」に対応する構成は、「装置制御部13」であるというべきであり、甲1発明に甲4技術事項を適用すると、「装置制御部13」が駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)や駆動系18としての電極等の異常の検知と制御を行う構成となり、当業者は、相違点1に係る構成とその前提となる構成からなる本件発明1の「前記監視部は、前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を取得して、前記監視対象情報に基づき前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し前記監視対象を制御する」との構成を想到することはできない。 したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲4技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 d 甲5~甲8について 甲5~甲8には、いずれも、相違点1に係る本件発明の構成について記載も示唆もされていない。 e 申立人の主張について 申立人は、甲2及び甲3に記載のように、相違点1に係る本件発明1の構成である「監視部は、監視対象から装置側コントローラ部に送信される監視対象情報を取得して、監視対象情報に基づきチャンバにおける異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し監視対象を制御する」ことは周知技術である旨主張するが、甲2及び甲3は、前記a及びbで述べたように、前記構成を開示するものではなく、これを周知技術とする申立人の主張は採用できない。 (イ)小括 甲1~甲8の全記載を考慮しても、前記(ア)の結論を左右するものはない。 したがって、本件発明1は、甲1に記載された発明及び甲2~8に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (2)本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1に他の構成を付加して限定したものであり、甲1発明と少なくとも前記(1)イの相違点1において相違するから、他の相違点について検討するまでもなく、前記(1)ウで検討したのと同様の理由により、甲1に記載された発明及び甲2~8に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明5について ア 対比 本件発明5と甲1発明とを対比する。 (ア)本件発明5の「プラズマ処理装置であって」、「チャンバと、前記チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部と、」「を有し、」との特定事項について 前記(1)ア(ア)と同様に、甲1発明の「プロセス処理としてスパッタリング成膜を行うことができるプロセス処理装置1とプロセスデータ収集装置2と上位システム3からなる装置」は、本件発明5の「プラズマ処理装置」に相当する。 また、前記(1)ア(イ)と同様に、甲1発明は、本件発明5の「チャンバ」を有するといえる。 そして、前記(1)ア(ウ)と同様に、甲1発明の「装置制御部13」は、本件発明5の「前記チャンバ 内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部」に相当する。 したがって、甲1発明は、前記特定事項を備えている。 (イ)本件発明5の「前記チャンバに電力を供給する高周波電源と、」「を有し、」との特定事項について 甲1発明は、プロセス条件として、プラズマパワー(RFパワー)が設定されており、プラズマパワー(RFパワー)がプラズマを発生させるための高周波の電力を意味するという技術常識に鑑みれば、甲1発明がこの高周波の電力の電力源である高周波電源を備えることは明らかである。 したがって、甲1発明は、前記特定事項を備えている。 (ウ)本件発明5の「監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される監視対象情報を取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する監視部と、を有し、」との特定事項について 前記(1)ア(カ)と同様に、本件発明5と甲1発明とは、「前記監視部は、前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を取得」する点で共通する。 しかし、監視部は、本件発明5では「前記監視対象情報に基づき前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する」ものであるのに対し、甲1発明では、「装置制御部13からプロセスデータ収集条件を入力し、SAN10を介して、センサ系19から実行値信号を収集し、得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し」(f参照)、「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」(g参照)するものであり、プロセスデータ信号RWRに基づきチャンバにおける異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御するものではない。 (エ)本件発明5の「前記装置側コントローラ部は、前記監視対象の設定、及び前記監視対象情報を取得するタイミングの設定を前記監視部に対して行うこと」について 前記(1)ア(オ)と同様に、甲1発明の「装置制御部13」は、本件発明5でいう「前記監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を行」うものである。 したがって、甲1発明は、前記特定事項を備えている。 イ 一致点及び相違点 前記アから、本件発明5と甲1発明との一致点及び相違点は次のとおりである。 <一致点> 「プラズマ処理装置であって、 チャンバと、 前記チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部と、 前記チャンバに電力を供給する高周波電源と、 監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される監視対象情報を取得する監視部と、 を有し、 前記装置側コントローラ部は、 前記監視対象の設定、及び前記監視対象情報を取得するタイミングの設定を前記監視部に対して行うこと を特徴とするプラズマ処理装置。」である点。 <相違点2> 監視部は、本件発明5では「前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する」ものであるのに対して、甲1発明では「装置制御部13からプロセスデータ収集条件を入力し、SAN10を介して、センサ系19から実行値信号を収集し、得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し」、「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」するものであり、スレイブであるセンサ系19からのプロセスデータ信号RWRに基づきチャンバにおける異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御するものではない点。 ウ 判断 (ア)相違点2について a 甲2について 甲2技術事項において、プラズマ負荷106は、基板のエッチングまたは基板上での薄い層の堆積等の処置を実施するためのプラズマ処理チャンバ105内で形成されるプラズマであってもよく(d参照)、リアクタンスコントローラ122は、プラズマ負荷のインピーダンスの増減を補償するためにそのインピーダンスを変化させるために可変リアクタンスセクション120を調節するように動作(e参照)するものであるが、このプラズマ負荷のインピーダンスを補償するためにインピーダンスを変化させるために可変リアクタンスセクション120を調節するリアクタンスコントローラ122の動作は、通常時に動作するものであって、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御するものではなく、相違点2に係る本件発明5の構成に対応するものといえない。 また、甲2技術事項において、整合ネットワーク104は、整合ネットワークへのある損傷が存在するとき、および/または、整合ネットワークが設計仕様から外れて動作しているとき、プラズマ負荷106に印加される電力の変動を引き起こし得、これは、損傷が気付かれることなく、処理チャンバ内で処理されているワークピース(例えば、ウエハ)への損傷をもたらし得、結果として、整合ネットワーク104への損傷および/または仕様から外れた動作を示す整合ネットワーク104の変化を検出することによって、この問題に対処(f参照)するものであることから、整合ネットワーク104への損傷および/または仕様から外れた動作を示す整合ネットワーク104の変化を検出することは、処理チャンバ内で処理されているワークピース(例えば、ウエハ)への損傷をもたらし得るというチャンバにおける異常の発生を検出することといえるが、この問題への対処として、オペレータに警報を提供する(h参照)ことは、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御するものではなく、相違点2に係る本件発明5の構成に対応するものといえない。 したがって、本件発明5は、甲1発明及び甲2技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 b 甲3について 甲3技術事項は、「静電吸着電極27の電位を監視する直流電圧モニタ46」(d参照)が、「所定の閾値を超えたとき、基板Gが載置台21から剥離したと判定してプラズマ生成用高周波電源41へ高周波電力の供給を停止するための停止信号を送信し、停止信号を受信したプラズマ生成用高周波電源41は、直ちに高周波電力の供給を停止する」(h参照)ものであって、「直流電圧モニタ46と装置コントローラ44も信号線49によって直接接続され」ていることから、監視対象(静電吸着電極27)から装置側コントローラ部(装置コントローラ44)に送信される監視対象情報(直流電圧)を取得して、監視対象情報(直流電圧)に基づいてチャンバにおける異常の発生(チャンバ20における(b参照)基板Gの載置台21からの剥離)を検知し、異常が発生したチャンバに対し、高周波電力の供給を停止するように高周波電源を制御するものといえ、相違点2に係る本件発明5の構成とその前提となる構成からなる「監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される監視対象情報を取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する監視部」を備えるものといえる。 しかしながら、甲1発明に甲3技術事項を適用すれば、甲1発明の「駆動系18」の1つとして甲3技術事項の「静電吸着電極27」が、及び甲1発明の「センサ系19」の1つとして甲3技術事項の前記「静電吸着電極27」の電位を監視する「直流電圧モニタ46」が設けられることとなり、甲1発明の「プロセスデータ収集装置2」に代えて、当該「直流電圧モニタ46」が本件発明5の「監視部」に相当することとなるが、甲3技術事項は、本件発明5と甲5発明の一致点である「前記装置側コントローラ部は、前記監視対象の設定、及び前記監視対象情報を取得するタイミングの設定を前記監視部に対して行うこと」に対応する構成を開示するものではないから、甲1発明に甲3技術事項を適用した構成においては、当該「前記装置側コントローラ部は、前記監視対象の設定、及び前記監視対象情報を取得するタイミングの設定を前記監視部に対して行うこと」との一致点が維持されない。そして、甲1発明に甲3技術事項を適用した構成において、「静電吸着電極27」及びその電位を監視する「直流電圧モニタ46」の「静電吸着用直流電圧」の「監視」は、「装置制御部13」により監視対象として設定されたり設定されなかったりすべきものではないし、異常放電が、基板が載置台から剥離してから数10msec後に発生することがあること(【0044】)を想定して、「数10μsec間隔、例えば、80μsec間隔」(i参照)という極めて短い間隔で行われることからすれば、異常放電の特性を考慮した上で可能な限り迅速に異常を検知すべきようになされているものといえ、「装置制御部13」により監視対象情報のタイミングが設定されたりすべきものではないことは技術的にみて明らかであり、当業者は、相違点2に係る本件発明5の構成と、本件発明5の「前記装置側コントローラ部は、前記監視対象の設定、及び前記監視対象情報を取得するタイミングの設定を前記監視部に対して行うこと」との構成の両方を備える構成を想到し得ない。 したがって、本件発明5は、甲1発明及び甲3技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 c 甲4について 甲4技術事項は、「電極間の放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置」(a参照)において、「プラズマガス噴出装置12は、ハウジング20、カバー22、1対の電極24,26によって構成され」(b参照)、「電流センサ111は、高周波電源102から電極24,26へ電力を供給するための給電線131に流れる電流を検出し」(f参照)、「コントローラ100は、プラズマ発生制御を開始すると、所定時間毎に、電流センサ111から出力される電流値、流量コントローラ103,104から出力される流量値、圧力センサ112,113から出力されるガス圧値、駆動回路105および温度センサ114から出力される温度を時刻に対応付けて記憶部120に記憶させる記憶処理を開始し」(j参照)、「コントローラ100は、検出値の少なくとも1つが異常値となり異常検知部121が異常が発生したと判断すると、異常を検知したため、電極24,26への給電の停止」(k参照)をすることからすれば、甲4技術事項は、監視対象情報(電流センサ111から出力される電流値等)に基づいてチャンバ(プラズマガス噴出装置12等)における異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し電力の供給(電極24,26への給電)を停止するように高周波電源102を制御する監視部(コントローラ100)を有するものといえ、相違点2に係る本件発明5の「前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する監視部」を備えるものといえそうである。 しかしながら、前記(1)ウ(ア)cで検討したのと同様に、甲1発明に甲4技術事項を適用すると、「装置制御部13」が駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)や駆動系18としての電極等の異常の検知と制御を行う構成となり、当業者は、本件発明5の「監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される監視対象情報を取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知し、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する監視部」を有する構成を想到することはできない。 したがって、本件発明5は、甲1発明及び甲4技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 d 甲5~甲8について 甲5~甲8には、いずれも、相違点2に係る本件発明5の構成について記載も示唆もされていない。 e 申立人の主張について 申立人は、甲2及び甲3に記載のように、相違点2に係る本件発明5の構成である「監視部は、監視対象情報に基づいてチャンバにおける異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御する」ことは周知技術である旨主張するが、前記aで述べたように、甲2はこの技術を開示するものではないし、甲1発明に甲3技術事項を適用しても本件発明5の構成に至らないことは前記bで説示したとおりである。 したがって、申立人の主張は採用できない。 (イ)小括 甲1~甲8の全記載を考慮しても、前記(ア)の結論を左右するものはない。 したがって、本件発明5は、甲1に記載された発明及び甲2~8に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4)本件発明6~12について 本件発明6~12は、甲1発明と少なくとも前記(3)イの相違点2において相違し、他の相違点について検討するまでもなく、前記(3)ウで検討したのと同様の理由により、本件発明6~12は、甲1に記載された発明及び甲2~8に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (5)本件発明13について ア 対比 本件発明13と甲1’発明とを対比する。 (ア)本件発明13の「プラズマ処理装置の異常放電を抑制する監視装置と、」「を有する」との特定事項について 甲1’発明の「プロセスデータ収集装置2」は、「SAN10を介して交信される信号を、SANマスタ通信部14を介さずにモニタする機能を有」(e参照)するものであって、「SAN10を介して」「センサ系19(温度センサ10d、圧力計10e、流量計10f)」(b参照)が「装置制御部13に」「SAN10」「を介して」「出力」する「制御結果」(d参照)、すなわち、「センサ系19」から「出力される」「実行値信号を収集」(f参照)して「モニタ」(監視)するものといえる。 また、甲1’発明の「プロセスデータ収集装置2」は、「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」(g参照)するものである。 そうすると、本件発明13の「プラズマ処理装置の異常放電を抑制する監視装置」と、甲1’発明の「プロセスデータ収集装置2」とは、「プラズマ処理装置の監視装置」の点で共通するが、監視装置が、本件発明13では「異常放電を抑制する」のに対し、甲1’発明では「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」するものである点で異なる。 (イ)本件発明13の「チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部から、監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を受け付ける設定受付部と、」「を有する」との特定事項について 甲1’発明の「d マスタとしての装置制御部13」は、「レシピ12に書き込まれたプロセス条件を読み込み、SANマスタ通信部14とSAN10を介して、スレイブとしての駆動系18に制御指示を指令として送出する」ものであり、「プロセス条件」には「チャンバ圧力(CH圧力)」と「プラズマパワー(RFパワー)」を含み(h参照)、「プロセス処理としてスパッタリング成膜」(a参照)がチャンバ内でプラズマを利用して行われるという技術常識に鑑みれば、チャンバ内のプラズマ処理を制御するものといえるから、甲1’発明の「装置制御部13」は、本件発明13の「前記チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部」に相当する。 また、甲1’発明において、「装置制御部13」は、「プロセスデータ収集装置2」へ「プロセスデータ収集条件を入力」(f参照)するものであり、「プロセスデータ収集装置2」が「有」する「収集条件設定部25」(i参照)「を介してプロセス処理装置1から設定され」る「収集条件テーブル24」(k参照)は、「プロセスデータID61と、」「サンプリング周期63と、トリガ条件64と」「を有しており」(l参照)、「プロセスデータID61は、収集の対象となっているプロセスデータを示し、サンプリング周期63は、プロセスデータ信号RWRを収集する周期であり、トリガ条件64は、開始トリガと停止トリガとから構成されており、夫々プロセスデータ信号RWRの収集の開始条件と停止条件とを設定している」(m参照)ことからすれば、装置制御部13は、プロセスデータ収集装置2が有する収集条件設定部を介して、収集する対象となっているプロセスデータと、プロセスデータ信号RWRを収集する周期と、プロセスデータ信号RWRの収集の開始条件と停止条件、すなわち、収集のタイミングを設定しているものといえ、甲1’発明の「プロセスデータ信号RWR」は、本件発明13の「監視対象情報」に相当し、甲1’発明の「収集条件設定部25」は、本件発明13の「設定受付部」に相当する。 したがって、甲1’発明は前記特定事項を備えている。 (ウ)本件発明13の「前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を前記タイミングで取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知する検知部と、」「を有する」との特定事項について 前記(1)ア(カ)で検討したのと同様に、甲1’発明の「プロセスデータ収集装置2」は、本件発明13でいう、「前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を前記タイミングで取得」するものであるから、本件発明13の「前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を前記タイミングで取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知する検知部」と甲1’発明とは、「前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を前記タイミングで取得」する取得部を有する点で共通する。 しかし、本件発明13は「前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知する検知部」を有するものであるのに対し、甲1’発明の「プロセスデータ収集装置2」は、「得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し」(f参照)、「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」(g参照)するものであり、プロセスデータ信号RWRに基づいてチャンバにおける異常の発生を検知する検知部を有するものではない点で異なる。 (エ)本件発明13の「前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御する制御部と、を有する」との特定事項について 甲1’発明の「プロセスデータ収集装置2」は、「得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し」(f参照)、「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」(g参照)するものであり、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御する制御部を有するものではない。 したがって、甲1’発明は前記特定事項を備えていない。 イ 一致点及び相違点 前記アから、本件発明13と甲1’発明との一致点及び相違点は次のとおりである。 <一致点> 「プラズマ処理装置の監視装置であって、 チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部から、監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を受け付ける設定受付部と、 前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を前記タイミングで取得する取得部と、 を有する監視装置。」 <相違点3> 本件発明13は「前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知する検知部と、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御する制御部」を有し「異常放電を抑制する」ものであるのに対し、甲1’発明は「得られた実行値信号からプロセスデータに変換して、レシピ12との対応関係を取り、レシピIDを付加し、レシピID毎にプロセスデータを格納し」、「プロセス解析のために、上位システム3からプロセスデータの出力指示があれば」「レシピIDを付加したプロセスデータを上位システム3に出力」するものであり、プロセスデータ信号RWRに基づいてチャンバにおける異常の発生を検知する検知部と、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御する制御部を有するものではなく、異常放電を制御するものではない点。 ウ 判断 (ア)相違点3について a 甲2について 甲2技術事項において、プラズマ負荷106は、基板のエッチングまたは基板上での薄い層の堆積等の処置を実施するためのプラズマ処理チャンバ105内で形成されるプラズマであってもよく(d参照)、リアクタンスコントローラ122は、プラズマ負荷のインピーダンスの増減を補償するためにそのインピーダンスを変化させるために可変リアクタンスセクション120を調節するように動作(e参照)するものであるが、このプラズマ負荷のインピーダンスを補償するためにインピーダンスを変化させるために可変リアクタンスセクション120を調節するリアクタンスコントローラ122の動作は、通常時に動作するものであって、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御するものではなく、相違点3に係る本件発明13の構成に対応するものといえない。 また、甲2技術事項において、整合ネットワーク104は、整合ネットワークへのある損傷が存在するとき、および/または、整合ネットワークが設計仕様から外れて動作しているとき、プラズマ負荷106に印加される電力の変動を引き起こし得、これは、損傷が気付かれることなく、処理チャンバ内で処理されているワークピース(例えば、ウエハ)への損傷をもたらし得、結果として、整合ネットワーク104への損傷および/または仕様から外れた動作を示す整合ネットワーク104の変化を検出することによって、この問題に対処(f参照)するものであることから、整合ネットワーク104への損傷および/または仕様から外れた動作を示す整合ネットワーク104の変化を検出することは、処理チャンバ内で処理されているワークピース(例えば、ウエハ)への損傷をもたらし得るというチャンバにおける異常の発生を検出することといえるが、この問題への対処として、オペレータに警報を提供する(h参照)ことは、異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御するものではなく、相違点3に係る本件発明13の構成に対応するものといえない。 したがって、本件発明13は、甲1’発明及び甲2技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 b 甲3について 甲3技術事項は、「静電吸着電極27の電位を監視する直流電圧モニタ46」(d参照)が、「所定の閾値を超えたとき、基板Gが載置台21から剥離したと判定してプラズマ生成用高周波電源41へ高周波電力の供給を停止するための停止信号を送信し、停止信号を受信したプラズマ生成用高周波電源41は、直ちに高周波電力の供給を停止する」(h参照)ものであって、「直流電圧モニタ46と装置コントローラ44も信号線49によって直接接続され」ていることから、監視対象(静電吸着電極27)から装置側コントローラ部(装置コントローラ44)に送信される監視対象情報(直流電圧)を取得して、監視対象情報(直流電圧)に基づいてチャンバにおける異常の発生(チャンバ20における(b参照)基板Gの載置台21からの剥離)を検知し、異常が発生したチャンバに対し、高周波電力の供給を停止するように高周波電源を制御するものといえ、相違点3に係る本件発明13の構成とその前提となる構成からなる「前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を」「取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知する検知部と、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する制御部」とを有し「異常放電を制御する」ものといえる。 しかしながら、前記(3)ウ(ア)bで検討したのと同様の理由により、当業者は、相違点3に係る本件発明の構成と、本件発明13の「チャンバ内のプラズマ処理を制御する装置側コントローラ部から、監視対象の設定、及び監視対象情報を取得するタイミングの設定を受け付ける設定受付部」を有する構成の両方を備える構成を想到することはできない。 したがって、本件発明13は、甲1’発明及び甲3技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 c 甲4について 甲4技術事項は、「電極間の放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置」(a参照)において、「プラズマガス噴出装置12は、ハウジング20、カバー22、1対の電極24,26によって構成され」(b参照)、「電流センサ111は、高周波電源102から電極24,26へ電力を供給するための給電線131に流れる電流を検出し」(f参照)、「コントローラ100は、プラズマ発生制御を開始すると、所定時間毎に、電流センサ111から出力される電流値」「を時刻に対応付けて記憶部120に記憶させる記憶処理を開始し」(j参照)、「コントローラ100は、検出値の少なくとも1つが異常値となり異常検知部121が異常が発生したと判断すると、異常を検知したため、電極24,26への給電の停止」(k参照)をすることからすれば、甲4技術事項は、監視対象情報(電流センサ111から出力される電流値)に基づいてチャンバ(プラズマガス噴出装置12)における異常の発生を検知し、異常が発生したチャンバに対し電力の供給(電極24,26への給電)を停止するように高周波電源102を制御する監視部(コントローラ100)を有するものといえ、相違点3に係る本件発明13の「前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知する検知部と、前記異常が発生した前記チャンバに対し電力の供給を停止するように前記高周波電源を制御する制御部と」を有し、「異常放電を制御する」ものといえそうである。 しかしながら、前記(1)ウ(ア)cで検討したの同様の理由により、甲1発明に甲4技術事項を適用すると、「装置制御部13」が駆動系18(ヒータ10a、ポンプ10b、バルブ10c)や駆動系18としての電極等の異常の検知と制御を行う構成となり、当業者は、相違点3に係る構成とその前提となる構成からなる本件発明13の「前記監視対象から前記装置側コントローラ部に送信される前記監視対象情報を」「取得して、前記監視対象情報に基づいて前記チャンバにおける異常の発生を検知する検知部」を有する構成を想到することはできない。 したがって、本件発明13は、甲1’発明及び甲4技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものではない。 d 甲5~甲8について 甲5~甲8には、いずれも、相違点3に係る本件発明13の構成について記載も示唆もされていない。 e 申立人の主張について 申立人は、甲2及び甲3に記載のように、相違点3に係る本件発明13の構成である「異常が発生したチャンバに対し電力の供給を停止するように高周波電源を制御する」ことは周知技術である旨主張するが、前記aで述べたように、甲2はこの技術を開示するものではないし、甲1’発明に甲3技術事項を適用しても本件発明13の構成に至らないことは前記bで説示したとおりである。 したがって、申立人の主張は採用できない。 (イ)小括 甲1~甲8の全記載を考慮しても、前記(ア)の結論を左右するものはない。 したがって、本件発明13は、甲1に記載された発明及び甲2~8に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 6 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1~13に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1~13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-701207

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