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特許異議申立

2024-701030

リハビリ支援システム

審判番号
2024-701030
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-185759
登録番号
7471771
請求日
2024年10月18日
審決日
2025年06月16日
公報発行日
2025年09月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社リモハブ
  • 【権利者代理人】新居 広守
  • 【異議申立人】中村 哲平
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 智康
  • 審判官 岡北 有平
  • 審判官 田川 泰宏
分類
P1651.121-YAA(G16H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7471771号発明「リハビリ支援システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7471771号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~17〕について訂正することを認める。 特許第7471771号の請求項1~17に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7471771号の請求項1~17に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和6年1月17日に提出された手続補正書により補正がされ、同年4月12日にその特許権の設定登録がされ、同年4月22日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、同年10月18日に異議申立人 中村哲平(以下「異議申立人」という。)により、特許異議の申立てがされ、当審は、令和7年1月30日付けで取消理由を通知した。特許権者は、同年4月4日受付の意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行い、当審は、同年4月11日付けで異議申立人に特許法第120条の5第5項の規定に基づく通知を行い、異議申立人は、同年5月13日に意見書を提出したものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求における訂正の内容は、以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記状況データは、・・・前記心電図データと、・・・主観データとを含み、」とあるのを、「前記状況データは、・・・前記心電図データと、・・・主観データとを含み、前記ユーザ機器は、前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信し、」に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2~17も同様に訂正する。(下線は、訂正請求書の記載と同様。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項11に「前記ユーザ機器は、前記対象者が前記リハビリテーションの開始前に、複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示し、前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信する」とあるのを、「前記ユーザ機器は、前記表示パネルに前記問診項目を表示する際には、複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示し、前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信する際には、前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信する」に訂正する。 請求項11の記載を引用する請求項12、13、15および17も同様に訂正する。(下線は、訂正請求書の記載と同様。) 2 訂正の適否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1の「ユーザ機器」について、「前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信」することを限定するものであるから、訂正事項1に係る本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 願書に添付した明細書の段落【0180】には、「ここで、前記ユーザ機器は、前記対象者が前記リハビリテーションの開始前に、複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示し、前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信してもよい。」と記載されている。 上記段落【0180】の記載より、「ユーザ機器」が、「前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信」することが記載されているといえ、訂正事項1に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正後の請求項1に「前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信し」との事項が特定されたことに伴い、これに整合するように、訂正前の請求項11の「前記ユーザ機器は、前記対象者が前記リハビリテーションの開始前に、複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示し、前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信する」との記載から、訂正後の請求項1において特定された「前記リハビリテーションの開始前に」との事項を削除するとともに、「前記表示パネルに問診項目を表示する際に」複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示すること、また、「前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信する際に」前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信することを特定したものである。 そして、当該特定は、訂正後の請求項1の「前記表示パネルに問診項目を表示し」との事項と、訂正前の請求項11の「複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示し」との事項との関係、および、訂正後の請求項1の「前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信し」との事項と、訂正前の請求項11の「前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信する」との事項の関係を明確にするためのものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 上記2(1)イのとおり、願書に添付した明細書の段落【0180】には、「ここで、前記ユーザ機器は、前記対象者が前記リハビリテーションの開始前に、複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示し、前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信してもよい。」と記載されている。 上記段落【0180】の記載より、「ユーザ機器」が、「複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示」すること、「前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信する」ことが記載されているといえ、また、「前記表示パネルに前記問診項目を表示する際」に、「複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示」すること、「前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信する際」に「前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信する」ことはいずれも自明な事項である。 そうすると、訂正事項2に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 3 小括 以上のとおり、訂正事項1~2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項の規定によって準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 さらに、訂正前の請求項1~17について、請求項2~17は、それぞれ請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、上記訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、請求項1~17は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 なお、特許異議の申立ては、訂正前の請求項1~17に対してされているので、訂正を認める要件として、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。 したがって、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~17〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 上記第2のとおり本件訂正請求は認められるから、本件特許の請求項1~17に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明17」という。)は、それぞれ、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~17に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 リハビリテーションを支援するリハビリ支援システムであって、 ネットワークに接続され、医療関係者用の情報端末装置と、 前記ネットワークに接続され、リハビリテーションの対象者に負荷を提供し、前記対象者の心電図データを測定するユーザ機器と、 を備え、 前記ユーザ機器は、 前記対象者の状況を示す状況データを表示する表示パネルと、 ネットワークを介して前記情報端末装置と通信する第2通信部と、を備え、 前記状況データは、前記情報端末装置を操作する前記医療関係者の指示に基づいて前記ユーザ機器を利用する前記対象者がリハビリテーションとしての運動を行っているときの前記対象者の状況を示すデータであり、 前記心電図データと、前記運動を行っている前記対象者により入力された、前記対象者の主観的な前記運動のきつさを示す主観データ とを含み、 前記ユーザ機器は、前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信し、 前記情報端末装置は、 前記ネットワークを介して前記ユーザ機器と通信する第1通信部と、 前記対象者の状態を示す状態データを表示する表示部と、を備え、 前記第1通信部は、 前記心電図データと、前記運動を行っている前記対象者により入力された前記主観データ とを含む前記状態データを前記ネットワークを介して前記ユーザ機器から取得し、 前記表示部は、前記第1通信部が取得した前記状態データを表示する リハビリ支援システム。 【請求項2】 前記表示パネルは、さらに、前記ユーザ機器が提供している負荷の大きさ、前記負荷に対する前記対象者の客観的な運動量、および、前記医療関係者をビデオ通話または音声通話に呼び出すための呼出ボタンを表示する 請求項1に記載のリハビリ支援システム。 【請求項3】 前記表示パネルは、前記医療関係者に緊急対応を要求するための緊急ボタンを表示する請求項1または2に記載のリハビリ支援システム。 【請求項4】 前記状態データは、前記情報端末装置を操作する前記医療関係者の指示に基づいて前記ユーザ機器を利用する前記対象者がリハビリテーションとしての運動を行っているときの前記対象者の状態を示すデータであり、 前記表示部は、前記心電図データに基づく心電図波形を前記状態データの一部として表示し、さらに、心拍数、前記ユーザ機器が提供している負荷の大きさ、および、前記負荷に対する前記対象者の客観的な運動量のうちの1つ以上を前記状態データの他の一部として表示する 請求項1から3のいずれか1項に記載のリハビリ支援システム。 【請求項5】 前記リハビリ支援システムは、N(Nは2以上の整数)台の前記ユーザ機器を含み、 前記表示部は、表示領域をN個に分割し、N個の分割領域にN個の前記ユーザ機器に対応する前記状態データをそれぞれ表示する 請求項4に記載のリハビリ支援システム。 【請求項6】 前記Nは8以下であり、 前記情報端末装置は、前記N台の前記ユーザ機器それぞれの前記対象者がリハビリテーションを並行して実施するよう支援する 請求項5に記載のリハビリ支援システム。 【請求項7】 前記表示部は、 前記心電図波形を表示する第1表示枠と、 前記心拍数を表示する第2表示枠と、 前記運動の負荷に対する前記対象者の客観的な運動量を表示する第3表示枠と、 を表示し、 前記情報端末装置は、前記第1表示枠、第2表示枠および第3表示枠部の表示をリアルタイムに更新する 請求項4から6のいずれか1項に記載のリハビリ支援システム。 【請求項8】 前記表示部は、 前記主観データを表示する第4表示枠を表示し、 前記情報端末装置は、前記第4表示枠の表示を間欠的に更新する 請求項4から7のいずれか1項に記載のリハビリ支援システム。 【請求項9】 前記情報端末装置は、カメラおよびマイクを備え、前記ユーザ機器の前記対象者との間でビデオ通話を制御し、 前記ユーザ機器は、カメラおよびマイクを備え、前記情報端末装置の前記医療関係者との間でビデオ通話を制御する 請求項1から8のいずれか1項に記載のリハビリ支援システム。 【請求項10】 前記情報端末装置は、前記ビデオ通話におけるビデオ表示をするかしないかを選択可能であり、 前記ユーザ機器は、前記ビデオ通話におけるビデオ表示をするかしないかを選択可能である 請求項9に記載のリハビリ支援システム。 【請求項11】 前記ユーザ機器は、 前記表示パネルに前記問診項目を表示する際には、 複数の問診項目と、前記問診項目に対応する回答用ボタン画像とを表示する問診表示枠を前記表示パネルに表示し、 前記対象者による前記回答用ボタン画像に対する回答を前記情報端末装置に送信する 請求項1から10のいずれか1項に記載のリハビリ支援システム。 【請求項12】 前記回答用ボタン画像は、「はい」を示すボタン画像と、「いいえ」を示すボタン画像とを含む 請求項11に記載のリハビリ支援システム。 【請求項13】 前記問診項目の1つは、前記対象者が準備運動を終えたか否かを問う質問である 請求項11または12に記載のリハビリ支援システム。 【請求項14】 前記ユーザ機器は、前記対象者が前記リハビリテーションの運動を開始する前に、現在の体重、現在の血圧値の入力を受け付ける入力表示枠を前記表示パネルに表示し、入力された値を前記情報端末装置に送信する 請求項8に記載のリハビリ支援システム。 【請求項15】 前記ユーザ機器は、前記情報端末装置と通信することにより前記リハビリテーションの予約日付および予約時刻を取得し、当該予約日付および予約時刻を表示する予約確認表示枠を表示する 請求項1から14のいずれか1項に記載のリハビリ支援システム。 【請求項16】 前記リハビリ支援システムは、さらに、 前記複数のユーザ機器から心電図データを受信し、当該心電図データから複数の心電図波形を示す波形画像をリアルタイムに生成し、前記波形画像を前記情報端末装置に送信するサーバ装置を備える 請求項5または6に記載のリハビリ支援システム。 【請求項17】 前記情報端末装置は、さらに、 前記医療関係者の操作を受け付ける第1操作部と、 前記第1通信部、前記第1操作部および前記表示部を制御する第1マイコンと、 を有し、 前記ユーザ機器は、 前記対象者の心電図データを測定する心電計と、 前記対象者に運動負荷を提供する負荷装置と、 前記対象者の操作を受け付ける第2操作部と、 前記状況データを表示する表示パネルと、 前記心電計、前記負荷装置、前記第2通信部、前記第2操作部および前記表示パネルを制御する第2マイコンと、 を有する 請求項1から16のいずれか1項に記載のリハビリ支援システム。」 第4 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要 令和6年10月18日に異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。 1 申立理由 本件特許の請求項1~17に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証を主引例とし、甲第2号証~甲第4号証を副引例として、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1~17に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。 2 証拠方法 異議申立人が提出した証拠は以下のとおり。 甲第1号証:Lecture Notes in Computer Science, in book Virtual Reality and Augmented Reality, "A Low-Cost Virtual Reality Bike for Remote Cardiac Rehabilitation" Boulanger P., Pournajib A., Mott W., Schaeffer S., 07 December 2017, pp. 155-166, <URL https: //doi. org/10. 1007 /978-3-319-72323-5_10> 甲第2号証:(Ewa Piotrowicz, How to do: Telerehabilitation in heart failure patients, Cardiology Journal 2012. vol. 19, p. 1-6 <URL https://www.researchgate.net/publiccation/225069305_How_to_do_Telerehabilitation_in_heart_failure_patients> 甲第3号証:横田卓, 慢性心不全に対するICTを活用したセルフケアサポートシステムの現状と今後,心臓49巻2号, 2017年,p.93-97) 甲第4号証:(Dedov et al., Automated Management of Exercise Intervention at the Point of Care: Application of a Web-Based Leg Training System, JMIR REHABILITATION AND ASSISTIVE TECHNOLOGIES, 2015 vol. 2 iss. 2 ell, p. 1-9, doi: 10. 2196/rehab. 4812 <URL https://rehab. jmir. org/2015/2/ell/> 第5 令和7年1月30日付けで通知した取消理由の概要 当審において令和7年1月30日付けで通知した取消理由(以下「取消理由」という。)の概要は以下のとおりである。なお、該取消理由は、「第4 1」の申立理由に対応するものであり、各証拠は、「第4 2」のとおりである。 本件特許の請求項1~17に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証、引用文献1(米国特許公開第2015/0182794号明細書)及び引用文献2(特開2017-148544号公報)に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第6 甲各号証及び引用文献 甲第1号証~甲第4号証、引用文献1~2の記載事項は以下のとおりである。 1 甲第1号証の記載事項と甲1発明 (1)甲第1号証の記載事項 甲1第号証には以下の事項が記載されている。(なお、下線は合議体にて付与した。以下同じ。) 「Abstract, Exercise-based cardiac rehabilitation (exCR) is the physical activity component of a multi-disciplinary cardiac rehabilitation program and is an integral step in the care of patients with acute or chronic cardiac disease. However, most patients do not participate in exCR despite evidence for improved out-comes and event reduction. Emerging strategies for improving exCR and over-coming these barriers points toward the use of non-hospital solutions that are based on gaming technologies. This paper presents a novel virtual reality based remote exCR system called MedBike which allows patients to perform a controlled exercise program in the comfort of their own home using a virtual reality gaming experience while being monitored by a remote exCR clinician. The paper describes the various technical aspects of the system and its pros and cons.」(1頁) (当審訳) 「要旨 運動療法に基づく心臓リハビリテーション(exCR)は、多岐にわたる心臓リハビリテーションプログラムの身体活動部門であり、急性または慢性の心疾患を有する患者のケアに不可欠なステップである。しかし、治療成績の改善や治療イベント減少のエビデンスがあるにもかかわらず、ほとんどの患者はexCRに参加していない。exCRを改善し、これらの障壁を克服するための新たな戦略は、ゲーム技術に基づく院外ソリューションの使用を示唆している。本論文では、MedBikeと呼ばれる新しいバーチャルリアリティベースの遠隔exCRシステムを紹介する。MedBikeは、患者が遠隔exCRの臨床医にモニターされながら、バーチャルリアリティゲーム体験を用いて、自宅で快適に制御された運動プログラムを行うことを可能にする。本稿では、システムの様々な技術的側面とその長所と短所について述べる。」 「3 Proposed Method In this section, we present the proposed YR system for retrofitting the low cost stationary bike, the software for MedBike system and the data flows between patient, bike, server, and clinicians. At the end of this section, the process YR rendering by updating camera is explained. Furthermore, the resistance computation method in the proposed YR system is described.」(3頁) (当審訳) 3 提案手法 本節では、低価格の固定式自転車に後付けできるYRシステム、MedBikeシステムのソフトウェア、患者、自転車、サーバ、臨床医間のデータの流れを提案する。本章の最後では、カメラ更新によるYRレンダリング処理について説明する。さらに、提案するYRシステムにおける抵抗計算方法について述べる。 「3.1 Patient's VR System The Figure 1 presents the patient's MedBike hardware configuration. The system consists of a stationary bike from Sunny Inc which has been retrofitted with stepper motor to control the bike resistance according to the VR terrain. The stepper motor is controlled by an Arduino board where a linear potentiometer connects the brake pads and interprets the movement of the brake pads to the control board. For sensing the bike rotation speed a rotary encoder is mounted on the front wheel of the stationary bike. Since stationary bike have no steering capabilities, two force sensors have been mounted beneath the handle bar where the force difference between the two-hand steer the bike from left to right or right to left. All sensors are digitized by an Arduino board. In addition, a FAN which is controlled by an Arduino board according to a wind rendering algorithm. All communications between the control board and graphic rendering PC is performed using of WiFi which is embedded int he control board. The bike is also instrumented with a professional wireless (ANT+) cadence sensor and an Android tablet mounted on the handle bar which is responsible for collecting the vital sign sensors (ECG, Oximeter, Blood Pressure meter) using Bluetooth. The tablet is also used as the main interface for the patient initiating authentication, selecting menu items, and controlling the bike configurations. The tablet communicates with the graphic PC using WiFi. The rendering PC is a high-end graphic computer which is responsible for running Unity 3D in synchronization with bike sensors and instructions from the clinician. This PC is the HUB of the system (See Figure 3) and is responsible for: ・Rendering the virtual world based on bike sensor data (see Figure 2); ・Controlling the programmable resistance machine based on the virtual world terrain and the specifications from the clinician; ・Establishing secure audio/video connection with the clinician using WebRTC; ・Performing data encryption; ・Logging patient information to a MedBike server using Django application with MySQL database; ・Receiving clinician information to specify minimum and maximum cadence and power ranges the patient should achieve during his/her training; ・Updating and animating other cyclist avatar locations when the system is in multi-player mode.」(3~4頁) (当審訳) 3.1患者のVRシステム 図1に患者のMedBikeのハードウェア構成を示す。このシステムは、VRの地形に応じて自転車の抵抗を制御するためにステッピングモーターを後付けしたサニー社のステーショナリー自転車で構成されている。ステッピングモーターはArduinoボードで制御され、リニアポテンショメーターがブレーキパッドを接続し、ブレーキパッドの動きを制御ボードに伝える。自転車の回転速度を検知するために、ロータリーエンコーダが固定自転車の前輪に取り付けられている。ステーショナリーバイクにはステアリング機能がないため、2つのカセンサーがハンドルバーの下に取り付けられており、両手の力の差でバイクを左から右、または右から左にステアリングする。すべてのセンサーはArduinoボードでデジタル化されている。さらに、風カレンダリングアルゴリズムに従ってArduinoボードによって翻卸されるFANも搭載されている。制御ボードとグラフィックレンダリングPC間の通信はすべて、制御ボードに内蔵されたWiFiを使って行われる。自転車には、プロ仕様のワイヤレス(ANT+) ケイデンスセンサーと、ハンドルバーに取り付けられたアンドロイドタブレットが搭載されており、ブルートゥースを使用してバイタルサインセンサー(心電図、オキシメーター、血圧計)の収集を行う。タブレットは、患者が認証を開始し、メニュー項目を選択し、自転車の設定を制御するためのメインインターフェイスとしても使用される。タブレットはWiFiを使用してグラフィックPCと通信する。レンダリングPCはハイエンドのグラフィックコンピューターで、自転車センサーや臨床医からの指示と同期してUnity3Dを実行する。このPCはシステムのHUBであり(図3参照)、以下の役割を果たす: ・自転車のセンサーデータに基づいて仮想世界をレンダリング(図2参照); ・仮想世界の地形と臨床医からの仕様に基づいて、プログラマブル・レジスタンス・マシンを制御する; ・WebRTCを使用して臨床医との安全な音声/ビデオ接続を確立する; ・データ暗号化の実行; ・MySQLデータベースとDjangoアプリケーションを使用して、MedBikeサーバーに患者情報を記録; ・患者がトレーニング中に達成すべき最小・最大ケイデンスとパワー範囲を指定するための臨床医の情報を受け取る; ・システムがマルチプレーヤーモードにあるとき、他のサイクリストのアバターの位置を更新し、アニメーション化する。 「3.2 Clinician's Tele-Monitoring System On the clinician side, the system is based on a high-end PC where all the information from up to four patients can be displayed and analyzed. The session starts by first establishing patient and clinician authentication credentials with the MedBike server. Once established, each patient is attributed an encryption key to encode the information transmitted during the session. The system allows the clinician access to past session reports from the server which includes: ・Date and time of the session ・Mode (clinical or single player) ・Duration of the session ・Session Biodata Summary ・Min/Avg/Max of heart rate and % oxygen saturation (if selected in exercise prescription) ・Peak RPE value ・Resting, exercising, and post-session blood pressure ・Session Bike Summary ・Min/ Avg/Max power and cadence ・Total distance ・ECG data, including: ・The complete ECG for the session, viewable on a mm-calibrated grid; ・Highlights of the ECG with notes made by the clinician;」(5~6頁) (当審訳) 3.2医師による遠隔監視システム 臨床医側では、システムはハイエンドのPCをベースにしており、最大4人の患者のすべての情報を表示し、分析することができる。セッションは、まず患者と臨床医の認証情報をMedBikeサーバーと確立することから始まる。認証が確立されると、各患者にはセッション中に送信される情報を暗号化するための暗号キーが割り当てられる。このシステムにより、臨床医はサーバーから過去のセッションレポートにアクセスできる: ・セッション日時 ・モード(臨床またはシングルプレーヤー) ・セッション時間 ・セッション・バイオデータ・サマリー ・心拍数と酸素飽和度の最小/最大/最小値(運動処方で選択した場合) ・ピークRPE値 ・安静時、運動時、セッション後の血圧 ・セッションバイクまとめ ・最小/平均/最大パワーとケイデンス ・総距離 ・心電図データ: ・セッションの完全な心電図を、mm単位で較正されたグリッド上に表示可能; ・心電図のハイライトと臨床医によるメモ; 「3.3 Data Integrity One of the key requirements of the MedBike system is its ability to preserve patient's privacy and to guaranty data integrity. Since the application must run on public networks this privacy requirement is truly critic. As illustrated in Figure 3, privacy is preserved in two ways. All communication with the MedBike server, located in a secure location near the hospital where the clinician resides, is encrypted using HTTPS. This secure connection is leveraged to allow the clinician and patient to exchange a new encryption key every session, and used to encrypt biodata as it is streamed from each patient to the clinician. Communication between MedBike and the data center is hidden to port scanning using a VPN. Once the encrypted connections are established the clinician can then monitor each patient. Because the clinician operates the system from within the hospital, he can also access the patient medical records inside the protection of the Alberta Health Services network which is separate from the public internet. This electronic access to the patient medical records is critical to the rehabilitation process and this information must never be transmitted on the public internet. As for data integrity, the clinician can observe the readings of the biosensors and determine if they are in the acceptable range. In addition, transmission errors in data sent from patient to clinician can be detected by the integrity mechanisms built into the AES-GCM cipher used for encryption, while data uploaded to the server relies on the integrity mechanisms inherent to HTTPS {TCP checksums, as well as HMACs used in the selected cipher suite).}(6~7頁) (当審訳) 3.3データの完全性 MedBikeシステムの重要な要件の一つは、患者のプライバシーを守り、データの完全性を保証する能力である。アプリケーションは公共ネットワーク上で実行されなければならないので、このプライバシー要件は本当に重要である。図3に示すように、プライバシーは2つの方法で保護される。臨床医が居住する病院の近くの安全な場所に設置されたMedBikeサーバーとの通信はすべてHTTPSを使用して暗号化される。この安全な接続を利用して、臨床医と患者はセッションごとに新しい暗号鍵を交換し、各患者から臨床医にストリーミングされるバイオデータを暗号化する。MedBike とデータセンター間の通信は、VPNを使用してポートスキャニングから秘匿される。暗号化された接続が確立されると、臨床医は各患者をモニターすることができる。睦床医は病院内からシステムを操作するため、公衆インターネットとは別のAlberta保健サービスネットワークの保護下にある患者の医療記録にアクセスすることもできる。患者の医療記録への電子的なアクセスは、リハビリテーション・プロセスにとって非常に重要であり、この情報は決して公共のインターネット上で送信されてはならない。データの完全性に関しては、臨床医は生体センサーの測定値を観察し、許容範囲内かどうかを判断することができる。さらに、患者から臨床医に送信されるデータの送信エラーは、暗号化に使用されるAES-GCM暗号に組み込まれた完全性メカニズムによって検出することができ、サーバーにアップロードされるデータは、HTTPSに固有の完全性メカニズム(TCPチェックサム、および選択された暗号スイートで使用されるHMAC) に依拠する。 「Figure 1 [図:0001426839000001.jpg] 」 「Figure 2 [図:0001426839000002.jpg] 」 図2には、以下の1.~12の表示事項が記載されている(()内は当審訳)。 1. Notification(お知らせ) Please use your tablet to report your Rating of Perceived Exertion (RPE)(タブレットを使って自覚的運動強度を報告してください) 2. Total Distance Travelled(総走行距離) 3. Current Speed(現在の速度) 4. Session Time(セッション時間) 5. Current Resistance(現在の抵抗値) 6. Clinician Video(医師のビデオ) 7. Clinician Status(医師の状態) 8. Other Players’ Distance and Direction(他プレイヤーの距離と方向) 9. Oxygen Saturation(酸素飽和度) 10. Heart Rate(心拍数) 11. Power (パワー) 12. Cadence(ケイデンス) 「Figure 3 [図:0001426839000003.jpg] 」 図3には、患者のPCと、MedBikeサーバーと、臨床医のPCが相互にデータの送受信を行えることが記載されている。また、患者のPCから臨床医のPCにバイオデータをストリーミング配信すること(Streaming biodata to clinician)が記載されている。 (2)甲第1号証に記載されているといえる事項 ア Figure3の記載事項を踏まえると、甲第1号証には、「患者のPCと、MedBikeサーバーと、臨床医のPCがネットワークを介して接続されており、患者のPCはネットワークを介して臨床医のPCと通信する通信部を備え、臨床医のPCはネットワークを介して患者のPCと通信する通信部を備えている」との事項が記載されているといえる。 イ 3.1及びFigure1、Figure3の記載事項を踏まえると、甲第1号証には、「ネットワークに接続され、タブレット、自転車、患者のPC、モニター等のハードウェアを備えた患者のMedBike」が記載されているといえる。 ウ 3.1の記載事項を踏まえると、甲第1号証には、「前記自転車はVRの地形に 応じて自転車の抵抗を制御するためにステッピングモーターを後付けしたステーショナリー自転車であり、自転車には、ハンドルバーに取り付けられた前記タブレットが搭載されており、ブルートゥースを使用してバイタルサインセンサー(心電図、オキシメーター、血圧計)の収集を行う」との事項が記載されているといえる。 エ 3.1及びFigure1、Figure2の記載事項を踏まえると、甲第1号証には、「前記モニターに『タブレットを使って自覚的運動強度を報告してください』というお知らせ、現在の抵抗値、酸素飽和度、心拍数、パワー等を表示する」との事項が記載されているといえる。 オ 3.2の記載事項を踏まえると、甲第1号証には、「臨床医のPCは、患者の情報を表示する表示部を備えている」との事項が記載されているといえる。 カ 3.3及びFigure3の記載事項を踏まえると、甲第1号証には、「臨床医のPCは患者のPCからストリーミング配信されたバイオデータを受信する」との事項が記載されているといえる。 キ 3.2の記載事項を踏まえると、甲第1号証には、「臨床医のPCはサーバーから過去のセッションレポートにアクセスでき、前記表示部はセッションの完全な心電図を表示可能であり、また、最大4人の患者のすべての情報を表示し、分析することができる」との事項が記載されているといえる。 (3)甲第1号証に記載されている発明 上記(1)及び(2)によれば、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 (甲1発明) 「患者が遠隔運動療法に基づく心臓リハビリテーションの臨床医にモニターされながら、自宅で快適に制御された運動プログラムを行うことを可能にする、MedBikeと呼ばれる遠隔運動療法に基づく心臓リハビリテーションシステムであって(Abstract)、 ネットワークに接続された臨床医のPCと(上記ア)、 前記ネットワークに接続され、タブレット、自転車、患者のPC、モニター等のハードウェアを備えた患者のMedBikeと、を備え、(上記イ)、 前記自転車はVRの地形に応じて自転車の抵抗を制御するためにステッピングモーターを後付けしたステーショナリー自転車であり、自転車には、ハンドルバーに取り付けられた前記タブレットが搭載されており、ブルートゥースを使用してバイタルサインセンサー(心電図、オキシメーター、血圧計)の収集を行い(上記ウ)、 前記モニターは、「タブレットを使って自覚的運動強度を報告してください」というお知らせ、現在の抵抗値、酸素飽和度、心拍数、パワー等を表示する(上記エ)、 前記患者のPCは、患者がトレーニング中に達成すべき最小・最大ケイデンスとパワー範囲を指定するための臨床医の情報を受け取り(3.1)、 前記患者のPCは、臨床医のPCとネットワークを介して通信する通信部を備え(上記ア)、 前記臨床医のPCは、 前記ネットワークを介して前記患者のPCと通信する通信部と(上記ア)、 前記患者の情報を表示する表示部を備え(上記オ)、 前記患者のPCからストリーミング配信されたバイオデータを受信し(上記カ)、 臨床医のPCはサーバーから過去のセッションレポートにアクセスでき、前記表示部はセッションの完全な心電図を表示可能であり、また、最大4人の患者のすべての情報を表示し、分析することができる(上記キ)、 遠隔運動療法に基づく心臓リハビリテーションシステム。」 2 甲第2号証 甲第2号証には、以下の事項が記載されている。 「Telerehabilitation equipment and infrastructure Currently available monitoring systems include: A special remote device for tele-ECG-monitored and supervised exercise training - TR set (Pro Plus Company, Poland), which consists of: EHO mini device, blood pressure measuring, and weighing machine (Fig. 1).」(1頁右欄) (当審訳) テレリハビリテーション機器とインフラ 現在利用可能なモニタリングシステムには以下が含まれる。: テレECGによるモニタリングと監視された運動トレーニング用の特別なリモートデバイス - TRセット(ポーランドのPro Plus社製)、これはEHOミニデバイス、血圧測定器、体重計(図1)で構成される。 「Telerehabilitation set An EHO mini device adjusted to register 16-seconds to 5-minutes fragments of ECG recording from three precordial leads and to transmit the data via mobile phone network to the monitoring center (Fig. 2). An EHO mini device has training sessions preprogrammed individually for each patient (defined exercise duration, breaks, timing of ECG recording). The moments of automatic ECG registration are preset and coordinated with the exercise training. The planned training sessions are executed with the device indicating what should be done with sound and light signals. There are sound signals in the form of bleeps and light signals from color-emitting diodes. Bleeps and green diode blinking mean the patient should do exercise; another set of bleeps and red diode blinking mean stop exercise. The timing of automatic ECG recordings corresponded to peak exercise. An EHO mini device has a tele-event-Holter ECG feature as well. Tele-event-Holter ECG is a feature that enables a patient, whenever a worrying symptom occurs, to register and immediately send the ECG recording via mobile phone network to the telemonitoring center. The system works in a loop scheme, owing to which it is possible to analyze the part of ECG recording which directly preceded an event that made a patient press the signal button. Patients are also able to make additional registrations and send them at any time, for example, when they felt unwell, if they experienced symptoms like palpitations, chest pain, etc. Apart from the EHO mini device, the TR set also includes a weighing machine and a manometer, both of which are compatible with the EHO mini device and enable blood pressure results and body mass to be sent automatically to the monitoring facility. Patients' data are sent to the monitoring center instantly after being obtained by the EHO mini device. It is of utmost importance, since such a procedure hinders patients from manipulating their medical data (i.e., the patients have to take actual measurements and cannot simply enter whatever data they wish, thus providing the monitoring center with false information on their state of health). The EHO mini device, apart from storing and transmitting medical data to the monitoring center, is also a mobile phone that allows patients to be in constant touch with the center.」(3頁右欄~4頁左欄) (当審訳) テレリハビリテーションセット EHOミニデバイスは、3つの前胸リードからのECG記録の16秒から5分の断片を登録し、データをモバイル電話ネットワークを介してモニタリングセンターに送信するように調整されている(図2)。EHOミニデバイスには、患者ごとに個別にプログラムされたトレーニングセッションが記憶されている(定義された運動時間、休憩、ECG記録のタイミング)。自動ECG登録のタイミングは事前に設定され、運動トレーニングと調整されている。計画されたトレーニングセッションは、デバイスが音と光の信号で何をすべきかを示しながら実行される。音信号はビープ音の形で、光信号は色を発するダイオードから発せられる。ビープ音と緑のダイオードの点滅は、患者が運動を行うべきことを意味し、別のビープ音と赤のダイオードの点滅は運動を停止することを意味する。自動ECG記録のタイミングはピーク運動に対応している。 EHOミニデバイスには、テレイベントホルターECG機能もある。テレイベントホルターECGは、患者が心配な症状が発生したときに、ECG記録を登録し、モバイル電話ネットワークを介してテレモニタリングセンターに即座に送信できる機能である。このシステムはループスキームで動作し、患者が信号ボタンを押すきっかけとなったイベントの直前のECG記録を分析することが可能である。 患者はまた、体調が悪いと感じたときや、動悸や胸痛などの症状を経験したときに、追加の登録を行い、いつでも送信することができる。 EHOミニデバイスの他に、TRセットには体重計と血圧計も含まれており、どちらもEHOミニデバイスと互換性があり、血圧の結果と体重を自動的にモニタリング施設に送信することができる。患者のデータは、EHOミニデバイスによって取得された後、即座にモニタリングセンターに送信される。これは非常に重要である。なぜなら、この手続きにより患者が自分の医療データを操作することが妨げられるからである(つまり、患者は実際の測定を行わなければならず、単に望むデータを入力することはできず、その結果、モニタリングセンターに健康状態に関する誤った情報を提供することがない)。EHOミニデバイスは、医療データをモニタリングセンターに保存および送信するだけでなく、患者がセンターと常に連絡を取ることができる携帯電話でもある。 「The basic telerehabilitation stage The basic TR stage ought to consist of two parts performed prior to each training session: -First part―the training consent procedure required to access each training session; -Second part―the training session. The first part - the training consent procedure. Each patient, before a training session, should answer a series of questions regarding his or her present condition via mobile phone (factors should include fatigue, dyspnoea, oedema, and medication(s) taken). Subsequently, patients should transmit resting ECG, blood pressure, and body mass data to the monitoring center. If no contraindications to training are identified, patients can receive consent to start the training session. The second part - the training session. Exercise training should be performed in accordance with the published standards for HF patients. Three different training modalities have been proposed to improve exercise capacity in HF patients: aerobic endurance (continuous or interval), respiratory muscle, and strength/resistance training. Within the TR program, patients can perform a varied range of endurance training, e.g., walking, Nordic walking, and cycle ergometer training. The intensity of exercise depends on workload achievements in tests. A training heart rate range of 40-70% HRR (HRR = difference between the basal and peak heart rate during exercise test) and 10/20-14/20 of the Borg perceived exertion are recommended.」(5頁左欄~5頁右欄) (当審訳) 遠隔リハビリテーションの基本ステージ 基本的なTR段階は、各トレーニングセッションの前に行われる2つの部分で構成されるべきである: -第1ステージ-各トレーニングセッションにアクセスするために必要なトレーニング同意手続き; -第2ステージ-トレーニングセッション 第1ステージ: トレーニングの同意手続き。各患者は、 トレーニングセッションの前に、携帯電話で現在のコンディションに関する一連の質問(疲労、呼吸困難、浮腫(の有無)、服用している薬などの要素が含まれる)に答える。その後、患者は、安静時の心電図、血圧、体格データをモニタリングセンターに送信する。 トレーニングに対する禁忌事項が確認されなければ、患者はトレーニングセッション開始の同意を得ることができる。 第2ステージ: トレーニングセッション。運動トレーニングは、公表されているHF患者に対する基準に従って実施されるべきである。HF患者の運動能力を向上させるために、有酸素性持久カトレーニング(連続またはインターバル)、呼吸筋トレーニング、筋力/抵抗トレーニングの3種類のトレーニング方法が提案されている。TRプログラムでは、患者は、ウォーキング、ノルディックウォーキング、サイクルエルゴメータートレーニングなど、さまざまな種類の持久カトレーニングを行うことができる。運動強度は、検査で得られた仕事量によって決まる。 トレーニングの心拍数範囲は40~70%HRR(HRR=運動テスト中の基礎心拍数とピーク心拍数の差)、運動強度はBorg知覚労力の10/20~ 14/20が推奨されている。 「Telemonitoring during training sessions TR set is used to monitor and control training in anywhere the patient has elected to exercise. If the training session is completed uneventfully, the patient transmits ECG recording via a mobile phone to the monitoring center immediately after the end of every training session. The data are stored in a computer and are analyzed by the TR team at the monitoring center, and the safety, efficacy, and accuracy of a particular patient rehabilitation program are assessed. Using the data on heart rate during exercise and the patient's subjective evaluation of the perceived exertion, consultants are able to adjust the training workload appropriately or, if necessary, to discontinue the session (physicians are those who take the final decisions). Patients can also transmit an ECG recording at any moment, e.g., due to symptoms like palpitation, chest pain, etc. (thanks to the tele-event-Holter ECG feature). The telephone contact is also used for psychological support.」(5頁右欄) (当審訳) トレーニングセッション中の遠隔監視 TR (Telerehabilitation) セットは、患者が運動を選択したトレーニングの監視と制御に使用される。もしトレーニングセッションが問題なく終了した場合、患者は各トレーニングセッションが終了するたびにすぐに心電図記録を携帯電話でモニタリングセンターに送信する。データはコンピューターに保存され、モニタリングセンターのTRチームが分析する。そして、特定の患者のリハビリテーションプログラムの安全性、有効性、正確性が評価される。 運動中の心拍数データと患者による運動の主観的(自覚的)評価から、コンサルタントはトレーニングの負荷を適切に調整したり、必要に応じてセッションを中止したりすることができる(最終的な判断を下すのは医師である)。 患者は、例えば動悸や胸痛などの症状がある場合、テレイベントホルター(ECG機能)により、いつでも心電図記録を送信することができる。電話連絡は心理的サポートにも利用される。 「Figure 1 [図:0001426839000004.jpg] 」 「Figure2 [図:0001426839000005.jpg] 」 したがって、甲第2号証には、以下の技術事項(以下、「甲2記載の技術事項」という。)が記載されているといえる。 (甲2記載の技術事項) 「各患者は、トレーニングセッションの前に、携帯電話で現在のコンディションに関する一連の質問に答えること」 3 甲第3号証 甲第3号証には、以下の事項が記載されている。 「〇タブレット端末を活用したセルフケアサポートシステム 最近、われわれは慢性心不全患者向けICTセルフケアサポートシステムとして、タブレット端末版セルフケアアプリ「みまもり帖」を日立製作所と共同開発した(図2)。「みまもり帖」の主な特徴は、 1)セルフモニタリングサポート機能、 2)電子版学習教材、3)病状悪化を知らせる自動アラートシステムである。セルフモニタリングデータとして、患者自身が血圧・脈拍・体重・体温・酸素飽和度などのバイタルサイン、自覚症状、服薬状況、睡眠の質、食事内容(写真を含む)、塩分摂取量、運動内容、歩数・カロリー消費量などを毎日入力または選択する(図3)。 ICTセルフケアサポートシステムの導入により、記録手帳では実現不可能であった大容量のデータ保存、患者自身のセルフモニタリングデータの振り返りを容易にする最適なグラフ化、食事の写其撮影が可能となった。また、本システムではセルフケア強化に直結する学習教材が搭載されている。さらにバイタルサインの変化および自覚症状をスコア化し、独自のアルゴリズムにより病状悪化をいち早く患者に知らせる自動アラートシステムが搭載されており、心不全が重症化する前に心不全治療を開始することが可能となるとともに、患者が自宅でも医療者に見守られているような安心感を得ることにより不必要な臨時受診を減らす効果も期待される。なお、多くの心不全患者がICTセルフケアサポートシステムを利用できるように、汎用性の高いスマートフォン版セルフケアアプリ「みまもり帖」を新たに開発した。 「みまもり帖」は、単にセルフケアを強化するのみならず、個々のセルフモニタリングデータをもとに医師と患者の双方向のコミュニケーションを創出し(図4)、なおかつ医療スタッフが短時間でPHRを把握できるように工夫されている。また、多職種医療スタッフ間の連携を強化し、患者を中心に地域のコミュニティやクリニックとも円滑な連携をとれるようにすることを念頭に開発されている。 現在、北海道大学病院を中心に、通院中の慢性心不全患者を対象にセルフケアアプリ「みまもり帖」の安全性・有効性などを検証中であるが、「みまもり帖」は超高齢者などICTに不慣れな心不全患者も利用できるようにシンプルでわかりやすい内容となっている。個人情報の保殴や利用者のモチベーションマネージメントなど克服しなければならない課題がまだ残されているが、今後心不全忠者が主体性をもって適切なセルフケアマネージメントを行うことができるような遠隔医療システムを開発・検証し、普及に努めていく必要がある。」 「 [図:0001426839000006.jpg] 」 「 [図:0001426839000007.jpg] 」 「 [図:0001426839000008.jpg] 」 これらの記載から、甲第3号証には、以下の技術事項(以下、「甲3記載の技術事項」という。)が記載されているといえる。 (甲3記載の技術事項) 「患者自身が血圧・脈拍・体重・体温・酸素飽和度などのバイタルサイン、自覚症状、服薬状況、睡眠の質、食事内容(写真を含む)、塩分摂取量、運動内容、歩数・カロリー消費量などをタブレット端末を用いて入力または選択すること」 4 甲第4号証 甲第4号証には、以下の事項が記載されている。 「Figure 1 shows that the phase of actual training has been influenced by technology to a lesser extent than other components of CR. It could be suggested that taking patients away from the point of care for training and use of conventional exercise methods may hold back implementing the full potential of technology in CR. Therefore, we have developed a Web-enabled system for training on-site, which consisted of an innovative leg rehabilitation system integrated with mobile devices (arrows 5). This study demonstrated that typical exercise regimens used in CR were feasible at home with remote monitoring and automated reporting of compliance. Application of this technology might be useful for the integration of exercise training with digital interventions at the point of care to improve sustainability of CR.」(2頁右欄) (当審訳) 図1は、実際のトレーニングの段階が、CR(心臓リハビリテーション)の他の構成要素に比べ、技術の影響をあまり受けていないことを示している。トレーニングや従来の運動方法を使用するために、患者を治療の現場から遠ざけることは、CRにおけるテクノロジーの可能性をフルに発揮することを妨げている可能性が示唆される。そこで我々は、モバイル機器と統合された革新的な下肢リハビリテーションシステムからなる、現場でのトレーニングのためのウェブ対応システムを開発した(矢印5)。この研究により、CRで使用される典型的な運動レジメンが、遠隔モニタリングとコンプライアンスの自動報告により、自宅でも実行可能であることが実証された。この技術の応用は、CRの持続可能性を向上させるために、ケアの現場におけるデジタル介入と運動トレーニングの統合に有用であろう。 「The following 5 CR protocols were tested: (1) moderate-intensity continuous training (MICT), where the participants exercised at a steady-state intensity for specified durations, which ranged from 10 to 120 minutes; (2) dosed MICT protocol, where participants were training at the HR of 100 ± 10 BPM for 30 minutes to match the recommended daily exercise volume for healthy adults [20]; (3) high-intensity intermittent training, using a modified Wingate protocol [26], which included 10 cycles of alternate exercise at high (30 seconds) and moderate (2 minutes) intensities; (4) concurrent training at the office desk while participants were working with computers; and (5) training in the bed, where recumbent participants were exercising ad libitum, while viewing TV or entertaining themselves with their electronic devices.」(3頁右欄) (当審訳) 以下の5つのCRプロトコルがテストされた:(1)中強度連続トレーニング(MICT): 参加者は定常状態の強度で、10分から120分の範囲で指定された時間運動した。(2)投与 型MICTプロトコル:参加者は、健康な成人に推奨される1日の運動量に合うように、 100土lOBPMのHRで30分間トレーニングした; (3)修正Wingateプロトコルを用いた 高強度間欠トレーニング。高強度(30秒)と中強度(2分)の運動を交互に10サイクル行う。(4)オフィスのデスクで、参加者がコンピューターを使って仕事をしている間の同時 トレーニング。(5)ベッドでのトレーニング。ベッドでは、テレビを見たり、電子機器で娯楽を楽しみながら、仰臥位の参加者が自由に運動した。 「 [図:0001426839000009.jpg] 」 (当審訳) 図1.最新テクノロジーを使用したCR(心臓リハビリテーション)配信フレームワーク: 各矢印は、(1)医療提供者による遠隔管理、(2)対象集団へのデジタル介入の提供、(3)身体活動モニタリング、(4)従来の運動および心臓リハビリテーション、(5)さまざまな環境におけるMedExerciseシステムを用いた現場トレーニング、を示す。 「 [図:0001426839000010.jpg] 」 (当審訳) 図2. この研究で記録された典型的な設定とデータ:各矢印は、(1)参加者と電子機器間のワイヤレスデータ転送、(2)インターネットヘの接続、(3)監督者によるリモートアクセス、 それぞれ曲線1および曲線2で示される激しい運動および中程度の強度の運動中の(4)HR (心拍数)、および(5)△t゜ (トレーニング機器の上昇温度)の記録;(6)MICT中の収縮 期血圧、拡張期血圧、血中酸素飽和度の変化(それぞれ曲線1~3);(7)高強度インターバルトレーニング中のHRと△t゜の変化;(8)机上トレーニング中および(9)ベッド上トレーニング中の△t°の変化。 「 [図:0001426839000011.jpg] 」 (当審訳) 図3.MICT(中強度の筋持久カトレーニング)量のパーソナライゼーションと自動化。 (上の行) 100土10bpmの同じHR(心拍数)で生成された/J.t゜(トレーニング機器の上昇温度)の変動とMICT量の数値表現。(中段)1週間の連続△t゜記録と対応するデジタルインターフェイス(遵守した日を目盛りでマークする)。(下の行)この研究中の自宅ベースのトレーニングシステムから監督者のインターフェースまでのデータフロー。複数の参加者の個別化されたMICT量の毎日の順守を反映している。 5 引用文献1(特開2005-316870号公報) 合議体による職権で発見した引用文献1には、以下の事項が記載されている。 「[0025] With reference to FIGS. 1, 2, 3-4 and 5-6 for the block diagram, schematic views of different applications, and a schematic view of a sensor and a charging cradle in accordance with a preferred embodiment of the present invention respectively, a physiological and physical movement detection apparatus 1 of the present invention is provided for detecting a physiological condition and a movement status of a human body during an exercise, and recording and transmitting related information to a remote device 2, so that users can monitor their physical conditions during the exercise. Preferably, the remote device 2 is a Smartphone or a tablet PC which is portable and comes with a display screen. ・・・(略)・・・ [0026] ・・・(中略)・・・When the remote device 2 is online, the display data are timely outputted to the remote device 2 through the wireless transmission module 106 and provided for the user's viewing. ・・・(略)・・・」 「[0030] During the user's exercise, the display data may be viewed and obtained from the remote device 2, and the display data include one or more selected from the group consisting of a heart rate, an electrocardiogram (ECG), an electromyography (EMG), a step count, a step length, a moving speed, a current position coordinate, a moving path map, a consumed time, a body temperature and a current temperature. The users may selectively view the required information through the remote device 2 and control their physiological condition during exercise.」 「[0035] The physiological and physical movement detection apparatus 1 of the present invention not just timely detects the user physiological conditions including a heart rate, an ECG status and an EMG status by the electric conduction method, but also detects non-physiological signals by the positioning module 104 and the movement sensing module 103, so that users can control information of the exercising site or exercise status to plan for an exercise program effectively by integrating the information and know about their own physiological conditions. Regardless of an athletic, a sub-health group or a rehabilitation groups, users can obtain complete integrated information.・・・(略)・・・」 (当審訳) 「【0025】 構成図については、図1、図2、図3-4および5-6、異なるアプリケーションの模式図と、センサ及び本発明の好ましい実施形態に従って、充電台の概略図を参照すると、本発明の生理学的および身体的運動検出装置1は、生理学的状態および運動中の人体の運動状態を検知して、関連情報を記録し、遠隔装置2に送信するものになっているため、ユーザは、運動中に、それらの物理的状態を監視することができる。好ましくは、遠隔デバイス2は、スマートフォンまたは携帯型であり、表示画面を備えたタブレットPCである。・・・(略)・・・ 【0026】 ・・・(中略)・・・遠隔装置2がオンラインである場合には、表示データが適時に無線送信モジュール106を介して遠隔装置2に出力され、ユーザの視聴に供される。・・・(略)・・・」 「【0030】 使用者の運動中に、表示データは、遠隔装置2から取得・表示され、表示データは、心拍数、心電図(心電図)、筋電図(EMG)、歩数、歩幅、移動速度、現在位置、移動経路、所要時間、体温おおよび現在の気温からなる群から選択される1種以上が挙げられる。ユーザはリモート装置2を介して必要な情報を選択的に閲覧し、運動中にそれらの生理的条件を制御してもよい。」 「【0035】 本発明の生理・運動検出装置1は、電気伝導方式により心拍数、心電図状態、筋電図状態などの使用者の生理状態を適時に検出するだけでなく、測位モジュール104と運動検出モジュール103により非生理信号も検出するので、使用者は運動部位や運動状態の情報を統合管理し、自分の生理状態を知ることにより、効果的に運動プログラムを計画することができる。運動者、サブ健康グループ、リハビリグループに関係なく、ユーザは完全な統合情報を得ることができる。」 以上より、引用文献1には、以下の事項(以下、「引用文献1記載事項」という。)が記載されている。 (引用文献1記載事項) 「表示画面を備えたPCに、心拍数、心電図等のデータを出力し、運動中のユーザに閲覧させること」 6 引用文献2(特開2017-148544号公報) 合議体による職権で発見した引用文献2には、以下の事項が記載されている。 「【0003】 時間内歩行試験は、被検者に例えば30mの距離を一定時間に可能な限り往復歩行させ、このときの、歩行距離、ボルグスケール(最大呼吸困難感又は主観的運動強度と呼ばれる、被検者の息苦しさの指標)、SpO2(動脈血酸素飽和度)、脈拍を測定する。時間内歩行試験では、途中息切れのために立ち止まることや、壁にもたれて休むことなどは許される。」 「【0017】 <全体構成> 図1は、本発明の実施の形態に係る歩行試験システムの全体構成を示す概略図である。歩行試験システム1は、パルスオキシメータ100と、タブレット端末200とから構成されている。パルスオキシメータ100とタブレット端末200は、互いに無線通信可能な機能を有する。本実施の形態の場合には、パルスオキシメータ100とタブレット端末200はBluetooth(登録商標)規格に準拠した近距離通信が可能とされている。パルスオキシメータ100は、測定データを無線によりタブレット端末200に送信する。タブレット端末200は、パルスオキシメータ100から受信した測定データを収集して測定結果を表示するとともに、歩行試験レポートを作成する。」 「【0030】 図6の安静時画面が表示されているとき(安静時ステージ)において、タブレット端末200は、歩行試験前の安静時のデータを収集して表示する。具体的には、タブレット端末200は、パルスオキシメータ100から受信した測定データに基づいて、SpO2、脈拍、歩数の数値を表示する。実際上、安静時において被検者は歩行していないので歩数は「0」である。また、タブレット端末200は、SpO2、脈拍、歩数を、横軸が時間であり縦軸が度数である同一グラフ上に表示する。このグラフにおける現時点に対応する位置には、マーク(図における三角マーク)が表示される。また、脈拍(PR)の光電脈波波形24も表示される。また、安静時画面においては、ユーザが血圧を入力できるようになっている。血圧は、複数回入力可能とされ、最後に入力された血圧が表示される。なお、血圧は、ユーザによる手動入力の他に、血圧計のデータを無線により受信することで入力してもよい。また、安静時画面では、「テスト時間」の変更もできる。「スタート」の項目がタップされると、図7のテスト中画面に移行し、検査が開始される。また、「準備」の項目がタップされると、図5の準備画面に戻る。「メニューに戻る」の項目がタップされると、図3のメニュー画面に戻る。」 「【0032】 図7のテスト中画面が表示されているとき(歩行中ステージ)において、タブレット端末200は、パルスオキシメータ100から歩行試験中の測定データをリアルタイムで受信して表示する。具体的には、タブレット端末200は、パルスオキシメータ100から受信した測定データに基づいて、SpO2、脈拍、歩数の数値をリアルタイムで表示する。また、タブレット端末200は、SpO2、脈拍、歩数を、横軸が時間であり縦軸が度数である同一グラフに表示する。具体的には、同一グラフ上には、SpO2のトレンドグラフ21と、脈拍のトレンドグラフ22と、歩数のバーグラフ23と、が表示される。このグラフにおける現時点に対応する位置には、マーク(図における三角マーク)が表示される。また、脈拍(PR)の光電脈波波形24も表示される。また、「テスト時間」の変更もできる。また、「中断」又は「休憩」の項目がタップされると、歩行試験を中断又は休憩できるようになっている。また、「検査中止」の項目がタップされると検査を終了する。中断、休憩、中止の確認メッセージを表示及び又は音声出力した後に、検査を中断、休憩、終了させてもよい。また、テスト中画面には、ボルグスケール画像13が表示され、上述したように、ボルグスケール画像13又は図9の専用画面を用いてボルグスケールを入力可能となっている。タブレット端末200は、図7のテスト中画像を表示してから所定の歩行試験時間(例えば1分おき)で自動的にボルグスケール入力画面(図9)を表示することで、ボルグスケールの入力を一定時間間隔で促してもよい。また、一定間隔でボルグスケールの入力を促すメッセージを表示してもよい。」 「【0036】 図11は、測定結果画面のうち、測定履歴表示画面を示す図であり、歩行開始前(安静時)、歩行中、歩行終了後(リカバリー中)の測定結果の履歴がグラフ表示される。また、代表値が数値で表示される。実際には、同一ブラフ上に、SpO2のトレンドグラフ21、脈拍のトレンドグラフ22、歩数の履歴を示すバーグラフ23と、ボルグスケールの履歴(図中の丸付き数字)と、が表示される。・・・(略)・・・」 「【0043】 以上説明したように、本実施の形態の歩行試験システムによれば、パルスオキシメータ100によって、SpO2及び脈拍に加えて歩行量を測定し、タブレット端末200によって、SpO2、脈拍及び歩行量の情報を受信し、検査期間内におけるSpO2、脈拍及び歩行量の履歴を、同一グラフ上に表示するようにしたことにより、時間内歩行試験にかかる手間を軽減でき、かつ、歩行と関連付けて呼吸リハビリテーションの効果確認をより分かり易く表示できるようになる。」 「【図7】 [図:0001426839000012.jpg] 」 「【図9】 [図:0001426839000013.jpg] 」 「【図11】 [図:0001426839000014.jpg] 」 これらの記載から、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。 (引用文献2記載事項) 「主観的運動強度(ボルグスケール)を一定間隔で入力可能とし、また、入力された主観的運動強度の履歴を動脈血酸素飽和度、脈拍の数値等と共に表示すること」 第7 取消理由通知に記載した取消理由について 1 本件発明1 (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア「リハビリテーションを支援するリハビリ支援システム」について 甲1発明の「運動療法に基づく心臓リハビリテーションシステム」は、リハビリテーションの支援を目的としていることは明らかであるから、本件発明1の「リハビリテーションを支援するリハビリ支援システム」に相当する。 イ「ネットワークに接続され、医療関係者用の情報端末装置」について 甲1発明の「臨床医」、「PC」はそれぞれ本件発明1の「医療関係者」、「情報端末装置」に相当する。 そうすると、甲1発明の「ネットワークに接続された臨床医のPC」は、本件発明1の「ネットワークに接続され、医療関係者用の情報端末装置」に相当する。 ウ「前記ネットワークに接続され、リハビリテーションの対象者に負荷を提供し、前記対象者の心電図データを測定するユーザ機器」について 甲1発明の「患者」は、遠隔運動療法に基づく心臓リハビリテーションの臨床医にモニターされながら自宅で運動プログラムを行う者であり、リハビリを行う者といえるから、本件発明1の「リハビリテーションの対象者」に相当する。 また、甲1発明の「MedBike」はネットワークに接続される機器であり、そして、「MedBike」を構成するハードウェアの一種である自転車が備える、VRの地形に応じて自転車の抵抗を制御するための「ステッピングモーター」は患者に負荷を与えるものであるから、「MedBike」は、本件発明1の「リハビリテーションの対象者に負荷を提供」する機能を有するものといえる。 加えて、当該自転車には、タブレットが搭載されており、ブルートゥースを使用してバイタルサインセンサー(心電図、オキシメーター、血圧計)の収集を行うことから、「Medbike」は、患者の心電図データを測定する機能も有しているといえる。 してみると、甲1発明の「MedBike」は、本件発明1の「前記ネットワークに接続され、リハビリテーションの対象者に負荷を提供し、前記対象者の心電図データを測定するユーザ機器」に相当する。 エ「前記対象者の状況を示す状況データを表示する表示パネル」について 甲1発明の「モニター」は、本件発明1の「表示パネル」に相当する。 また、甲1発明の「モニター」は、心拍数等の運動中の患者の状況を示すデータを表示するものであるから、本件発明1と「対象者の状況を示すデータを表示する表示パネル」である点で共通し、下記(6)において特定するとおり、表示する「対象者の状況を示すデータ」の具体的内容において相違している。 オ「ネットワークを介して前記情報端末装置と通信する第2通信部」について 甲1発明の「患者のPC」が備える、臨床医側のPCとネットワークを介して通信する「通信部」は、本件発明1の「ネットワークを介して前記情報端末装置と通信する第2通信部」に相当する。 カ「前記状況データは、前記情報端末装置を操作する前記医療関係者の指示に基づいて前記ユーザ機器を利用する前記対象者がリハビリテーションとしての運動を行っているときの前記対象者の状況を示すデータであり、前記心電図データと、前記運動を行っている前記対象者により入力された、前記対象者の主観的な前記運動のきつさを示す主観データとを含み」について 甲1発明において、臨床医は患者に対してトレーニング中に達成すべき最小・最大ケイデンスとパワー範囲を指定しており、患者が臨床医の指示に基づいてMedBikeを利用していることは明らかである。 そうすると、甲1発明の「モニター」に表示される心拍数等のデータは、本件発明1の「表示パネル」に表示される「状況データ」と、「情報端末装置を操作する前記医療関係者の指示に基づいて前記ユーザ機器を利用する前記対象者がリハビリテーションとしての運動を行っているときの前記対象者の状況を示すデータ」である点で共通する一方、本件発明1の状況データは「前記心電図データと、前記運動を行っている前記対象者により入力された、前記対象者の主観的な前記運動のきつさを示す主観データとを含」むのに対し、甲1発明の「モニター」に表示されるデータは、そのようなデータを含むことが特定されていない点で両者は相違している。 キ「前記ユーザ機器は、前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信し」について 本件発明1の「ユーザ機器」は「前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信」するものであるのに対し、甲1発明の「MedBike」は、そのような事項が特定されていない点で両者は相違している。 ク「前記ネットワークを介して前記ユーザ機器と通信する第1通信部」について 甲1発明の「臨床医のPC」が備える、「ネットワークを介して前記患者のPCと通信する通信部」は、本件発明1の「前記ネットワークを介して前記ユーザ機器と通信する第1通信部」に相当する。 ケ「前記対象者の状態を示す状態データを表示する表示部」について 甲1発明の「臨床医のPC」は、患者のPCからストリーミング配信されたバイオデータを受信するものであるところ、臨床医は、患者をモニターするために患者からデータを取得するのであるから、「臨床医のPC」が備える「表示部」において、患者のPCから取得したバイオデータが表示されることは明らかである。 また、甲1発明の「バイオデータ」は、3.2の記載から、心拍数等を含むものといえるから、患者の状態を示すデータといえる。 してみると、甲1発明の臨床医のPCが備える「表示部」は、本件発明1と、「前記対象者の状態を示すデータを表示する表示部」である点で共通し、下記(9)において特定するとおり、表示する「対象者の状態を示すデータ」の具体的内容において相違している。 コ「前記第1通信部は、前記心電図データと、前記運動を行っている前記対象者により入力された前記主観データとを含む前記状態データを前記ネットワークを介して前記ユーザ機器から取得し」について 甲1発明の「臨床医のPC」の「通信部」は、「患者のPCからストリーミング配信されたバイオデータ」を患者のPCから取得するものであるから、甲1発明と本件発明1とは「前記第1通信部は、データを前記ネットワークを介して前記ユーザ機器から取得」する点で共通する一方、本件発明1の医療関係者用の情報端末装置が取得する「状態データ」は、「前記心電図データと、前記運動を行っている前記対象者により入力された前記主観データとを含む前記状態データとを含」むのに対し、甲1発明の臨床医のPCの「通信部」が患者のPCから取得するデータは、そのようなデータを含むことが特定されていない点で相違している。 サ「前記表示部は、前記第1通信部が取得した前記状態データを表示する」について 甲1発明の「臨床医のPC」が備える「表示部」は、通信部により取得した患者のバイオデータを表示するものであるから、本件発明1の「表示部」と、「前記第1通信部が取得した前記データを取得する」点で共通し、上記コにおいて特定されたとおり、表示するデータの具体的内容において相違している。 (2)一致点及び相違点 上記(1)で対比した事項を踏まえると、本件発明1と甲1発明は、 「リハビリテーションを支援するリハビリ支援システムであって、 ネットワークに接続され、医療関係者用の情報端末装置と、 前記ネットワークに接続され、リハビリテーションの対象者に負荷を提供し、前記対象者の心電図データを測定するユーザ機器と、 を備え、 前記ユーザ機器は、 前記対象者の状況を示すデータを表示する表示パネルと、 ネットワークを介して前記情報端末装置と通信する第2通信部と、を備え、 前記状況データは、前記情報端末装置を操作する前記医療関係者の指示に基づいて前記ユーザ機器を利用する前記対象者がリハビリテーションとしての運動を行っているときの前記対象者の状況を示すデータであり、 前記情報端末装置は、 前記ネットワークを介して前記ユーザ機器と通信する第1通信部と、 前記対象者の状態を示す状態データを表示する表示部と、を備え、 前記第1通信部は、前記状態データを前記ネットワークを介して前記ユーザ機器から取得し、 前記表示部は、前記第1通信部が取得した前記状態データを表示する リハビリ支援システム。」 という点で一致し、以下の点で相違している。 (相違点1) 本件発明1の「ユーザ機器」は「前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者より入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末装置に送信」するものであるのに対し、甲1発明の「MedBike」は、そのような事項が特定されていない点。 (相違点2) 本件発明1の「表示パネル」に表示される「状況データ」は「前記心電図データと、前記運動を行っている前記対象者により入力された、前記対象者の主観的な前記運動のきつさを示す主観データとを含」むのに対し、甲1発明の「モニター」に表示されるデータは、そのようなデータを含むことが特定されていない点。 (相違点3) 本件発明1の医療関係者用の情報端末装置が取得する「状態データ」は、「前記心電図データと、前記運動を行っている前記対象者により入力された前記主観データとを含む前記状態データとを含」むのに対し、甲1発明の臨床医のPCの「通信部」が患者のPCから取得するバイオデータは、そのようなデータを含むことが特定されていない点。 (3)判断 相違点1について 甲第2号証には、上記「第6 2」のとおりの技術的事項が記載されており、トレーニングセッションの前(本件発明1の「前記対象者による前記リハビリテーションの開始前」に相当)に、現在のコンディションに関連する一連の質問(本件発明1の「問診項目」に相当)に答えることが出願時において知られていたことは認められるものの、甲第2号証には、表示パネルに問診項目を表示し、患者により入力された問診項目に対する回答をモニタリングセンターに送信することは記載されておらず、また、そのような構成とする示唆も認められない。 そして、甲第3号証、甲第4号証、引用文献1~2には、上記「第6 3~6」に示したとおりの記載があるのみで、上記相違点1に係る構成は甲第3号証、甲第4号証、引用文献1~2のいずれにも記載されていない。 以上を踏まえると、甲1発明に甲第2号証~甲第4号証、引用文献1~2に記載された技術的事項を適用しても上記相違点1の構成に至らないことは明らかであり、また、上記相違点1に係る構成が本件特許の出願時の技術常識に鑑みて、周知技術であった又は当業者であれば自明であるとの合理的な理由もない。 したがって、本件発明1は、相違点2及び3について判断するまでもなく、甲1発明及び甲第2号証~甲第4号証、引用文献1~2に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (4)異議申立人の意見書の主張について 異議申立人は令和7年5月13日に提出した意見書において、以下のとおり主張している。 「令和7年4月3日にされた訂正に係る訂正事項1により新たに生じた請求項1における相違点「前記ユーザ機器は、前記対象者による前記リハビリテーションの開始前に、前記表示パネルに問診項目を表示し、前記対象者により入力された前記問診項目に対する回答を前記情報端末に送信し、」について、異議申立書にも記載した通り、甲3(P95、96、図3)には、血圧・脈拍・体重・体温・酸素飽和度などのバイタルサイン、自覚症状、服薬状況、睡眠の質、食事内容、塩分摂取量、運動内容、歩数・カロリー消費量などのセルフモニタリングデータを毎日入力または選択してヘルスケアサーバヘ送信し、医師と忠者の双方向コミュニケーションを可能とするためのGUIを有するタブレット端末アプリ用の表示パネルが開示されている。 甲3には、上記モニタリングデータを対象者のリハビリテーションの開始前に入力することは記載されていないものの、甲2のP5, “The basic telerehabilitatiOn stage"(遠隔リハビリテーションの基本ステージ)の第1ステージには、「各患者は、 トレーニングセッションの前に、携帯電話を介して、疲労、呼吸困難、浮腫(の有無)、服用している薬など、現在のコンディションに関する一連の質問項目に答える」ことが記載されている。 したがって、甲1発明の患者の表示パネルを表示するに際し、甲2発明及び甲3発明を適用し、姑象者によるリハビリテーションの開始前に、表示パネルに問診項目を表示し、対象者により入力された問診項目に対する回答を情報端末に送信することは容易になし得たものである。」 上記主張について検討する。 甲第3号証には、上記「第6 3」のとおりの技術的事項が記載されており、タブレット端末を用いてバイタルサインや自覚症状等を入力し、ヘルスケアサーバへ送信することが出願時において知られていたことは認められるものの、甲第3号証には、リハビリテーションの開始前にそのような情報を入力することについては記載されておらず、甲1発明に甲3記載の技術事項を適用する動機付けが存在しない。 そして、甲1発明に甲3記載の技術事項を適用する動機付けが存在しない以上、「甲1発明の患者の表示パネルを表示するに際し、甲2発明及び甲3発明を適用し、対象者によるリハビリテーションの開始前に、表示パネルに問診項目を表示し、対象者により入力された問診項目に対する回答を情報端末に送信することは容易になし得た」との論理付けを採用することはできない。 したがって、異議申立人の上記主張は採用できない。 (5)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲第1号証~甲4号証及び引用文献1~2に記載された事項を勘案しても、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、取消理由を維持することはできない。 2 本件発明2~17について 本件発明2~17は、本件発明1を減縮した発明であり、上記1で検討した相違点1~3に係る構成を有するから、本件発明1についてと同様の理由により、甲第1号証~甲第4号証及び引用文献1~2に記載された事項を勘案しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求は認められるものであり、また、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1~17に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-701030

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