特許異議申立
2024-701028
医療システム及びそれを実行する方法
- 審判番号
- 2024-701028
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-028867
- 登録番号
- 7487872
- 請求日
- 2024年10月18日
- 審決日
- 2025年06月17日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】学校法人早稲田大学
- 【権利者代理人】弁理士法人高橋特許事務所
- 【権利者】ロゴスサイエンス株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人高橋特許事務所
- 【異議申立人】弁理士法人 河野国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 梶尾 誠哉
- 審判官 田川 泰宏
- 審判官 伏本 正典
- 分類
- P1651.536-Z (G16H) / P1651.537-Z (G16H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条4項1号特許法36条6項1号特許法36条6項2号特許法113条4号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条、特許法第29条の2
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7487872号発明「医療システム及びそれを実行する方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7487872号の請求項1及び2に係る特許を取り消す。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7487872号(以下、「本件特許」という。)の請求項1及び2に係る特許についての出願は、令和3年9月1日に出願した特願2021-142163号(特許第7038388号)の一部を、令和4年2月28日に新たに出願したものであって、令和6年5月13日にその特許権の設定登録がされ、同年5月21日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和6年10月18日に特許異議申立人 弁理士法人 河野国際特許商標事務所(以下「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされた。
その後、令和7年1月17日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者は応答しなかった。
第2 本件特許の請求項に係る発明
本件特許の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」及び「本件発明2」といい、併せて「本件各発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
【請求項1】
制御装置として機能するサーバーを有し、
前記サーバーは、
心理社会的問題、生活適応やストレス等に対して患者がどの程度適応的に行動できているのか或いは非適応的に行動しているのかをアセスメントする機能を有するブロックと、特定の疾患に特徴的な症状に対しても患者がどの程度適応的に行動できているのか或いは非適応的に行動しているのかをアセスメントする機能を有するブロックと、
心理社会的問題、生活適応やストレス等に対して患者がどの程度適応的に行動できているのか或いは非適応的に行動しているのかをアセスメントする機能を有する前記ブロックのアセスメント結果と、特定の疾患に特徴的な症状に対しても患者がどの程度適応的に行動できているのか或いは非適応的に行動しているのかをアセスメントする機能を有する前記ブロックのアセスメント結果を分析して、精神疾患の指標を含む複数の指標の統計処理の組み合わせから、患者を行動に基づく複数の特定の集団に分類し、以て、心因性の疾患に関する行動特性を分類する機能と、患者が分類された前記集団と予めリンク付けされた治療モジュールを選択する機能を有するブロックを含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
心理社会的問題、生活適応やストレス等に対して患者がどの程度適応的に行動できているのか或いは非適応的に行動しているのかに関する前記アセスメントで用いられる指標、及び/又は、特定の疾患に特徴的な症状に対しても患者がどの程度適応的に行動できているのか或いは非適応的に行動しているのかに関する前記アセスメントで用いられる指標は、認知行動療法で用いられる指標である請求項1のシステム。
第3 取消理由通知の概要
1 取消理由1(サポート要件)
本件各発明の「精神疾患の指標を含む複数の指標」は、発明の詳細な説明に記載されたものであるとは認められないから、本件特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
2 取消理由2(実施可能要件)
本件各発明の「精神疾患の指標を含む複数の指標」は、上記1のとおり、発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえず、発明の詳細な説明の記載は、本件各発明を当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとは認められないから、本件特許は、発明の詳細な説明の記載が不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
3 取消理由3(明確性)
本件各発明の「精神疾患の指標を含む複数の指標」は、それ自体不明であり、技術事項を明確に把握することができないから、本件特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
第4 当審の判断
1 取消理由1(サポート要件)について
特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである(知財高裁、平成17年(行ケ)10042号判決参照)。
以下、この判断基準に基づいて判断する。
(1)本件特許の特許請求の範囲の請求項1には「心理社会的問題・・・のアセスメント結果と、特定の疾患・・・のアセスメント結果を分析して、精神疾患の指標を含む複数の指標の組み合わせから、患者を行動に基づく複数の特定の集団に分類し、」と記載されているが、発明の詳細な説明には「精神疾患の指標」なる用語は一切記載されておらず、請求項1に記載の前記「精神疾患の指標を含む複数の指標」とは、発明の詳細な説明に記載のいずれの技術事項に対応しているのか不明である。
この点に関して、特許権者は、令和4年2月28日に提出された審査過程の上申書において、
「また、親出願の請求項1の発明では「認知行動療法の指標を含む複数の指標」の統計処理の組み合わせから行動に基づく複数の特定の集団に分類しておりますが、本願分割出願の請求項1に係る発明では「精神疾患の指標を含む複数の指標」の統計処理の組み合わせから行動に基づく複数の特定の集団に分類している点が異なります。親出願の出願当初の明細書の段落[0012]には、「量的測定指標を用いて・・・うつ病、強迫症、パニック症、広場恐怖症、全般性不安症や社交不安症やスピーチ不安、限局性恐怖症、心的外傷後ストレス障害・・・に対して、治療効果を発揮することが出来る。」と記載されており、「うつ病、強迫症、パニック症、広場恐怖症、全般性不安症や社交不安症やスピーチ不安、限局性恐怖症、心的外傷後ストレス障害」は精神疾患なので、「精神疾患の指標を含む複数の指標」について記載されています。」
と説明している。
しかしながら、親出願(特願2021-142163号、特許第7038388号)の出願当初の明細書の段落【0012】(親出願と本件特許の明細書の段落番号とその記載内容は同一である。)には、「そして、量的測定指標を用いて診断横断的なアセスメント、疾患特異的なアセスメントを実行してクラスタ分析を行うことにより、治療の最適化が図られる。例えば、配偶者またはパートナーとの関係性の問題、勃起障害、うつ病、強迫症、パニック症、広場恐怖症、全般性不安症や社交不安症やスピーチ不安、限局性恐怖症、心的外傷後ストレス障害、・・・等に対して、治療効果を発揮することが出来る。また、患者の自殺の防止にも効果的である。さらに、上述した疾患が合併していても治療効果を発揮することが出来る。」(下線は当審において付与)と記載されているのであって、「量的測定指標を用いて」「クラスタ分析を行う」ことが記載されているものの、前記「量的測定指標」が「精神疾患の指標を含む複数の指標」であることは記載されていない。また、同段落【0012】には、「クラスタ分析を行う」ことにより、「うつ病、強迫症、パニック症、広場恐怖症、全般性不安症や社交不安症やスピーチ不安、限局性恐怖症、心的外傷後ストレス障害」「等に対して、治療効果を発揮することが出来る」ことが記載されているものの、これは、治療効果を発揮できる疾患には、「うつ病、強迫症、・・・心的外傷後ストレス障害」等の精神疾患が含まれていること示すものにすぎず、技術常識を参酌しても、「クラスタ分析を行う」際に用いる指標が「精神疾患の指標を含む複数の指標」であることを示すものではない。
よって、上申書における上記説明を参酌しても、請求項1に記載の「精神疾患の指標を含む複数の指標」とは、発明の詳細な説明に記載のいずれの技術事項に対応しているのか不明である。
(2)また、上記上申書では、本件特許の請求項1に記載の「精神疾患の指標を含む複数の指標」は、親出願の請求項1に記載の「認知行動療法の指標を含む複数の指標」とは異なるとしているところ、特許権者は、本件特許の審査過程における令和6年4月1日に提出された意見書において、「ここで、構成要件(ハ)における「精神疾患の指標を含む複数の指標」については、例えば段落[0025]、[0037]、[0069]に記載され、或いは段落[0071]、[0074]において具体的な指標が例示されています。」と説明している。
一方、親出願の審査過程では、特許権者は、令和3年12月23日に提出された意見書において、「ここで、前記構成要件(二)において、「認知行動療法の指標」については例えば段落[0037]に記載されており、或いは段落[0071]、[0074]において具体的な指標が例示されております。」と説明している。
してみると、特許権者は、上記上申書において「精神疾患の指標を含む複数の指標」と「認知行動療法の指標を含む複数の指標」とは異なるとしながらも、本件特許と親出願の審査過程においては、これらの異なる2つの指標が記載されている根拠として、同じ段落【0037】、【0071】、【0074】の記載を提示していることになり、著しく整合性を欠くものとなっている。
また、具体的な指標として、前記段落【0037】には「国際勃起機能スコア(IIEF)」が記載されており、前記段落【0071】には3つの指標「「EDにおける心理学柔軟性」AFQ-ED、「パートナーとの性に関するコミュニケーション」SRQ、「全般的な心理的柔軟性」PFQ」が記載されているが、これらの指標のうち、いずれかの指標が本件特許でいう「精神疾患の指標を含む複数の指標」であって、他方の指標が「精神疾患の指標を含む複数の指標」とは異なる親出願でいう「認知行動療法の指標」であると解する合理的な理由は、技術常識を参酌しても見出せない。なお、そもそも本件特許でいう「精神疾患の指標を含む複数の指標」と親出願でいう「認知行動療法の指標」とは、具体的にどのような点において異なるのか、発明の詳細な説明の記載全体、及び技術常識を参酌しても明らかではない。
よって、本件特許並びに親出願の審査過程における特許権者の説明を参酌しても、請求項1に記載の「精神疾患の指標を含む複数の指標」とは、発明の詳細な説明に記載のいずれの技術事項に対応しているのか不明である。
(3)以上のとおり、本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び請求項1を引用する請求項2に記載の「精神疾患の指標を含む複数の指標」とは、技術常識を参酌しても、発明の詳細な説明に記載のいずれの技術事項に対応しているのか不明である。
そうすると、本件各発明は、当業者の技術常識を踏まえて検討しても、本件明細書の段落【0005】に記載された課題を解決できる範囲のものであるとはいえない。
したがって、本件各発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであるとは認められない。
(4)小括
以上によれば、本件各発明は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
2 取消理由2(実施可能要件)について
特許法36条4項1号は、特許による技術の独占が発明の詳細な説明をもって当該技術を公開したことへの代償として付与されるという仕組みを踏まえ、発明の詳細な説明の記載につき実施可能要件を定める。このような同号の趣旨にかんがみると、実施可能要件を満たすためには、当業者が発明の詳細な説明の記載及び出願当時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その実施品の生産等ができる程度の記載があることを要するものと解される。
以下、この判断基準に基づいて判断する。
(1)上記1のとおり、請求項1及び2に記載の「精神疾患の指標を含む複数の指標」とは、技術常識を参酌しても、発明の詳細な説明に記載のいずれの技術事項に対応しているのか不明であって、本件各発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであると認められないから、発明の詳細な説明の記載は、本件各発明を当業者が発明の詳細な説明の記載及び出願当時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとは認められない。
(2)小括
以上によれば、本件特許に係る出願の発明の詳細な説明の記載は、本件各発明を当業者が実施するために必要な技術的事項を記載したものでないから、本件特許は、発明の詳細な説明が特許法36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
3 取消理由3(明確性)について
特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
以下、この判断基準に基づいて判断する。
(1)上記1のとおり、請求項1及び2に記載の「精神疾患の指標を含む複数の指標」とは、それ自体不明であり、技術常識を参酌しても、発明の詳細な説明に記載のいずれの技術事項に対応しているのかも不明であって、当業者であっても、前記記載が示す技術事項を明確に把握することができないから、本件各発明は明確であるとはいえない。
(2)小括
以上によれば、特許請求の範囲の請求項1及び請求項2の記載は、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるから、本件特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
第5 取消理由通知において採用しなかった申立理由について
1 申立人の提出した甲号証及び申立理由の概要
申立人の提出した甲号証は、以下のとおりである。また、取消理由通知において採用しなかった、申立人が主張する申立理由の概要は以下の(1)~(3)のとおりである。なお、申立理由の番号は当審において付与した。
<申立人が提出した甲号証>
甲第1号証(甲1):特願2020-53760号(特開2020-166853号公報)
甲第2号証(甲2):「Potential for Long-Term Benefit of Cognitive Behavioral Therapy as an Adjunct Treatment for Men with Erectile Dysfunction」、 The Journal of Sexual Medicine, Volume 16, Issue 2, February 2019, Pages 300-306
甲第3号証(甲3):特表2018-514026号公報
甲第4号証(甲4):特許第6301573号公報
甲第5号証(甲5):中国特許公開107463790号公報
甲第6号証(甲6):特許第6301573号公報
(1) 申立理由1(拡大先願)
本件各発明は、本件特許の出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた甲1の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明(以下、「甲1発明」という。)と同一であり、しかも、本件特許の出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許の出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。
(2) 申立理由2(進歩性)
ア 本件各発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲3に記載された発明(以下、「甲3発明」という。)及び甲4に記載された事項に基づいて、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
イ 本件各発明は、「精神疾患の指標を含む複数の指標」を発明特定事項として含んでいるところ、当該事項は、本件特許の優先権の主張の基礎とした特願2020-146925号には含まれておらず、本件特許の出願の原出願(特願2021-142163号)で追加された事項であるから、上記事項については、優先権主張の効果はない。
そうすると、本件各発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲1発明に基づいて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(3) 申立理由3(新規性)
ア 本件各発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲5に記載された発明(以下、「甲5発明」という。)であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
イ 本件各発明は、上記2(2)のとおり、優先権主張の効果はない。
そうすると、本件各発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲1発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2 当審の判断
(1) 申立理由1(拡大先願)について
上記第4の3(1)のとおり、本件各発明の「精神疾患の指標を含む複数の指標」とは、それ自体不明であり、当業者であっても、「精神疾患の指標を含む複数の指標」が示す技術事項を明確に把握することはできない。
そうすると、本件各発明と、甲1発明を対比すると、本件各発明は、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成を有するのに対し、甲1発明は、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成を有しない点で少なくとも相違する。
そして、技術常識を参酌しても、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成は不明であり、当業者にとって周知技術であるということもできないから、本件各発明は、甲1発明と同一であるとはいえない。
したがって、申立理由1は、理由がない。
(2) 申立理由2(進歩性)について
上記(1)のとおり、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成は不明確であるから、本件各発明と、甲3発明又は甲1発明と対比すると、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成を有しない点で少なくとも相違する。
そして、当該構成が甲4に記載されているともいえず、周知技術であるということもできないから、本件各発明は、甲3発明及び甲4に記載された事項に基づいて、あるいは、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、申立理由2は、いずれも理由がない。
(3) 申立理由3(新規性)について
上記(1)のとおり、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成は不明確であるから、本件各発明と、甲5発明又は甲1発明と対比すると、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成を有しない点で少なくとも相違する。
そして、技術常識を参酌しても、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成は不明であって、当業者にとって周知技術であるということもできないから、「精神疾患の指標を含む複数の指標」に係る構成は、実質的な相違点である。
そうすると、本件各発明と、甲5発明又は甲1発明ではない。
したがって、申立理由3は、いずれも理由がない。
第6 むすび
以上のとおり、本件特許は、特許法第36条第4項第1号、並びに、同条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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