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特許異議申立

2024-700712

医薬品製造システム、及び医薬品製造方法

審判番号
2024-700712
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-024956
登録番号
7448937
請求日
2024年07月26日
審決日
2025年10月10日
公報発行日
2026年02月27日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】フロイント産業株式会社
  • 【権利者代理人】奥村 一正
  • 【異議申立人】高垣 泰志
審判長/審判官
  • 審判長 相崎 裕恒
  • 審判官 梶尾 誠哉
  • 審判官 間野 裕一
分類
P1651.121-ZAA(G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7448937号発明「医薬品製造システム、及び医薬品製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7448937号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕について訂正することを認める。 特許第7448937号の請求項1~5に係る特許を取り消す。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7448937号(以下「本件特許」という。)の請求項1~5に係る特許についての出願は、令和2年2月18日に出願され、令和6年3月5日にその特許権の設定登録がされ、同年3月13日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和 6年 7月26日 : 特許異議申立人高垣泰志(以下、「申立人」という。)による請求項1~5に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 7年 1月23日付け: 取消理由通知書 同年 3月 3日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年 4月10日 : 申立人による意見書の提出 同年 6月 4日付け: 取消理由通知書(決定の予告) 同年 7月 2日 : 特許権者による意見書の提出 同年 8月21日付け: 申立人に対する審尋 同年 9月 1日 : 審尋に対する申立人による回答書の提出 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和7年3月3日にされた訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)は、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~5について訂正することを求めるものであり、訂正の内容は、訂正事項1、2のとおりである(下線は、本件特許の設定登録時の特許請求の範囲の記載から訂正した箇所を示す。)。 なお、訂正前の請求項1~5について、請求項2~5はそれぞれ請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであるから、訂正前の請求項1~5に対応する訂正後の請求項1~5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を、 「医薬品製造のための医薬品製造システムであって、 医薬品製造装置に対して操作入力を行う操作部と、 前記医薬品製造装置のプロセスデータを収集するプロセスデータ収集部と、 前記操作部において前記医薬品製造装置に対して操作入力された操作履歴データ、及び前記プロセスデータ収集部が収集したプロセスデータを保存するデータ保存部と、 鍵付きラックに収納された長期保存部と、を備え、 前記データ保存部は、前記操作履歴データ及び前記プロセスデータを改ざん防止形式で保存し、 前記データ保存部に保存された改ざん防止形式の前記操作履歴データ及び前記プロセスデータは、前記長期保存部に保存され、 前記医薬品製造装置は、混合装置、造粒装置、コーティング装置、打錠装置、又は印刷装置のいずれかであることを特徴とする医薬品製造システム。」に訂正する。 (請求項1の記載を引用する請求項2~5も同様に訂正する。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を、 「前記操作部は、前記医薬品製造装置に対して操作入力された操作データの履歴を改ざん防止形式に変換して、定期的に又はロット毎に前記データ保存部に改ざん防止形式の操作履歴データとして保存可能であり、 前記プロセスデータ収集部は、前記医薬品製造装置における給気風量及び給気温度を含む前記プロセスデータを改ざん防止形式に変換して、定期的に又はロット毎に前記データ保存部に改ざん防止形式のプロセスデータとして保存可能であることを特徴とする請求項1に記載の医薬品製造システム。」に訂正する。 2 訂正の適否についての判断 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1は、訂正前の請求項1に「鍵付きラックに収納された長期保存部と、を備え」及び「前記データ保存部に保存された改ざん防止形式の前記操作履歴データ及び前記プロセスデータは、前記長期保存部に保存され、」という発明特定事項を付加するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項1については、明細書の段落【0030】及び【0032】に記載されているといえるから、訂正事項1に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 エ 独立特許要件について 特許異議の申立ては、全請求項に対してされているので、訂正を認める要件として、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 訂正事項2は、訂正前の請求項2の「前記データ保存部に改ざん防止形式の操作履歴データとして保存可能であり」を「定期的に又はロット毎に前記データ保存部に改ざん防止形式の操作履歴データとして保存可能であり」と限定し、また、「前記医薬品製造装置における前記プロセスデータを改ざん防止形式に変換して」を「前記医薬品製造装置における給気風量及び給気温度を含む前記プロセスデータを改ざん防止形式に変換して」と限定し、さらに、「前記データ保存部に改ざん防止形式のプロセスデータとして保存可能である」を「定期的に又はロット毎に前記データ保存部に改ざん防止形式のプロセスデータとして保存可能である」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 ウ 本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項2の「定期的に又はロット毎に前記データ保存部に改ざん防止形式の操作履歴データとして保存可能であり」及び「定期的に又はロット毎に前記データ保存部に改ざん防止形式のプロセスデータとして保存可能である」については、明細書の段落【0024】、【0026】、【0029】、【0035】及び【0048】に記載されており、また、訂正事項2の「前記医薬品製造装置における前記プロセスデータを改ざん防止形式に変換して」を「前記医薬品製造装置における給気風量及び給気温度を含む前記プロセスデータを改ざん防止形式に変換して」については、明細書の段落【0022】、【0034】、【0040】及び【0047】に記載されているから、訂正事項2に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 エ 独立特許要件について 特許異議の申立ては、全請求項に対してされているので、訂正を認める要件として、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。 3 小括 以上のとおり、本件訂正請求による訂正は適法にされたものであるから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求による訂正は、上記第2のとおり認められたので、本件特許の請求項1~5に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」、「本件発明2」・・・「本件発明5」といい、これらをまとめて「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~5に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。なお、下線は、訂正箇所である。 【請求項1】 医薬品製造のための医薬品製造システムであって、 医薬品製造装置に対して操作入力を行う操作部と、 前記医薬品製造装置のプロセスデータを収集するプロセスデータ収集部と、 前記操作部において前記医薬品製造装置に対して操作入力された操作履歴データ、及び前記プロセスデータ収集部が収集したプロセスデータを保存するデータ保存部と、 鍵付きラックに収納された長期保存部と、を備え、 前記データ保存部は、前記操作履歴データ及び前記プロセスデータを改ざん防止形式で保存し、 前記データ保存部に保存された改ざん防止形式の前記操作履歴データ及び前記プロセスデータは、前記長期保存部に保存され、 前記医薬品製造装置は、混合装置、造粒装置、コーティング装置、打錠装置、又は印刷装置のいずれかであることを特徴とする医薬品製造システム。 【請求項2】 前記操作部は、前記医薬品製造装置に対して操作入力された操作データの履歴を改ざん防止形式に変換して、定期的に又はロット毎に前記データ保存部に改ざん防止形式の操作履歴データとして保存可能であり、 前記プロセスデータ収集部は、前記医薬品製造装置における給気風量及び給気温度を含む前記プロセスデータを改ざん防止形式に変換して、定期的に又はロット毎に前記データ保存部に改ざん防止形式のプロセスデータとして保存可能であることを特徴とする請求項1に記載の医薬品製造システム。 【請求項3】 前記改ざん防止形式は、バイナリ形式であることを特徴とする請求項1~2のいずれかに記載の医薬品製造システム。 【請求項4】 前記操作履歴データにはロット番号を含み、 前記データ保存部では、前記プロセスデータを前記ロット番号に紐づけして保存されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の医薬品製造システム。 【請求項5】 少なくともデータ保存部に接続された無停電電源装置を備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の医薬品製造システム。 第4 特許異議申立ての概要 1 申立人は、甲第1号証~甲第6号証(以下「甲1」~「甲6」という。)を提出し、本件特許の請求項1~5に係る発明は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものであると、以下のとおり主張している。 (1)訂正前の請求項1について 甲1に記載された発明、甲2~甲5に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)訂正前の請求項2について 甲1に記載された発明、甲2~甲5に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)訂正前の請求項3について 甲1に記載された発明、甲2~甲5に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)訂正前の請求項4について 甲1に記載された発明、甲2~甲5に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (5)訂正前の請求項5について 甲1に記載された発明、甲2~甲6に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 証拠方法 甲1:一般社団法人製剤機械技術学会 第27回講演会 講演3「連続生産のシステム導入と生産設備のデータインテグリティに向けた統合管理 デジタル・イノベーションに向けて」の講演要旨(同講演要旨集,一般社団法人製剤機械技術学会,2018年8月3日 67頁~89頁) 甲2:特開2006-39741号公報 甲3:「三菱電機産業用PC MELIPCシリーズ MI3000」のカタログ,2019年2月発行,三菱電機株式会社 甲4:「三菱電機グラフィックオペレーションターミナル テクニカルニュース」,2019年8月発行,三菱電機株式会社 甲5:横河電機株式会社「Technical Information TI 04L41B01-03」,2010年2月15日発行,横河電機株式会社 甲6:特開2011-39685号公報 3 申立人は、令和7年4月10日に提出した意見書とともに参考文献1を提出し、当該意見書において、参考文献1には、物理的アクセス管理として「鍵付きキャビネット」が記載されているとともに、「コンピュータシステムの場合、このようにして鍵付きのキャビネットの中で管理するほうが比較的廉価に対応可能である。」と記載されていると主張している。 参考文献1:標準化教育プログラム[個別技術分野編-化学分野] 第6章 医薬GxP分野における電子記録・電子署名使用 に関する法規制対応解釈の標準化 4 また、申立人は、令和7年8月21日付け審尋に対して、同年9月1日に回答書とともに参考文献2を提出し、当該回答書において、参考文献1は、経済産業省委託事業である「平成20年度 国内人材育成等基盤体制強化事業(標準化に関する教育体制整備)」の成果報告書として、2008年(平成20年)12月24日に制作され、同強化事業の他の成果報告書とともに、参考文献2に掲載されて、翌年の3月(平成21年3月)に公開されたものであると主張している。 参考文献2:「平成20年度 経済産業省委託 国内人材育成等基盤体制 強化事業 標準化に関する教育体制整備 成果報告書 (第 2分冊)」 (平成21年3月に財団法人日本規格協会により発行された 文献) 第5 取消理由の概要 本件特許に対して、当審において令和7年1月23日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 本件の請求項1~4に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、甲1~5に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 また、本件の請求項5に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、甲1~6に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 第6 甲号証の記載 1 甲1について (1)甲1の記載事項 甲1は、2018年8月3日に開催された、一般社団法人製剤機械技術学会 第27回講演会の講演3「連続生産のシステム導入と生産設備のデータインテグリティに向けた統合管理 デジタル・イノベーションに向けて」の講演要旨であり、以下の事項が記載されている。 第67頁上欄「 [図:0001432031000001.jpg] 」 第70頁下欄「 [図:0001432031000002.jpg] 」 第71頁上欄「 [図:0001432031000003.jpg] 」 第72頁上欄「 [図:0001432031000004.jpg] 」 第73頁上欄「 [図:0001432031000005.jpg] 」 第73頁下欄「 [図:0001432031000006.jpg] 」 第76頁上欄「 [図:0001432031000007.jpg] 」 第76頁下欄「 [図:0001432031000008.jpg] 」 第77頁上欄「 [図:0001432031000009.jpg] 」 第78頁上欄「 [図:0001432031000010.jpg] 」 第78頁下欄「 [図:0001432031000011.jpg] 」 第82頁下欄「 [図:0001432031000012.jpg] 」 第84頁上欄「 [図:0001432031000013.jpg] 」 (2)甲1に記載されているといえる事項 ア 第67頁上欄の記載によれば、甲1には「連続生産のシステム導入と生産設備のデータインテグリティに向けた統合管理」に関する技術的事項が記載されている。 このうち、「連続生産」について、第70頁下欄には、その狙いが「PATによる工程管理」であり「工程中に品質を管理することで最終製品品質をコントロール」することである旨が記載されている。 イ さらに、第71頁上欄には、「粉砕工程」、「造粒工程」、「混合工程」及び「打錠工程」のCPP(重要プロセスパラメータ)の例がそれぞれ「ローター回転速度」、「給気温度」、「混合時間」及び「打錠圧」であること、「バッチ生産(従来型)」においては工程毎に異なるバッチサイズで処理がなされるのに対して「連続生産」になる場合には同じバッチサイズで処理がなされる旨が記載されているといえる。 ウ 第72頁上欄から第76頁上欄は、「バッチ生産のシステム」の解説が記載されており、第73頁上欄の記載によれば、「バッチ生産のシステム」が造粒工程設備や打錠機等を含むこと、MESが、「マスターバッチレコード管理」、「製造管理」、「工程管理」及び「電子バッチ記録」を行うものであり、「製造管理」として「製造指図発行/承認」、「工程作業指示」、「工程記録」、「製造記録承認」を行い、「電子バッチ記録」として、「差異チェック」と「承認」を行うものであること、さらに、MESが、SCADAを介して前記造粒工程設備や打錠機等に対して製造指示を行い、SCADAを介して前記造粒工程設備や打錠機等から製造実績値を受け取ること、が記載されているといえる。 第73頁下欄の記載によれば、甲1には、「SCADA」が「Supervisory 監視」、「Control 制御」、「And Data Acquisition データ収集」のそれぞれの頭文字であって、「監視・制御・データ収集」を意味することが記載されており、「SCADA」が「プロセスデータ」についてのものである旨が記載されている。 また、同欄には、「制御装置」により制御される「製造ライン/機器」として「レシーバ」、「混合」、「造粒・流動層乾燥」、「整粒混合」、「潤沢剤混合」、「打錠」、「フィルムコート」の各工程が示されており、造粒工程設備を用いて行われる「造粒」工程や打錠機を用いて行われる「打錠」工程を含む「製造ライン」が「制御装置」により制御されることが示されている。 さらに、同欄には、「MES」が「製造指図」、「製造実行」及び「EBR承認」の各プロセスを行うこと、「SCADA」が「OPC(OLE for Process Control:安全で信頼性あるデータ交換を目的とした相互運用を行うための標準規格)」を介して「制御装置」からのデータを扱うこと及び「SCADA」と「MES」との「コネクター」を介して「MES」の「製造実行」プロセスとデータのやりとりを行うことが図示されている。 第74頁上欄の記載によれば、「指図完了しアーカイブする事で作業記録は電子バッチとして保存される」こと、「製造指図と作業記録」として、「作業フェーズ」を含む「製造指図」の「ヘッダデータ」に「署名」が付されること、「造粒・乾燥」、「混合」、「打錠」及び「コーティング」のそれぞれについて「署名」が付されること及び「電子バッチ記録」の具体的な内容として、「品目コード・ロット番号」に紐付けて、「プロセス指図」、「作業記録シート」、「添付文書」が記録され、「プロセス指図」が「製造指図書」、「バッチ製造記録:品目一覧」及び「バッチ製造記録:差異記録」を含み、「作業記録シート」が「作業指示・記録シート」を含むこと、「製造指図と作業記録」の結果について「EBR署名」が付されたものが「電子バッチ記録」に記録されること、が記載されているといえる。 エ 第76頁下欄から第78頁下欄は、「連続生産・PATのシステム」が記載されており、第77頁上欄の記載によれば、連続生産のシステムを構成する製造ラインとして上記ウの「バッチ生産システム」についてと同様、「レシーバ」、「混合」、「造粒・流動層乾燥」、「整粒混合」、「潤沢剤混合」、「打錠」、「フィルムコート」の各工程が示されており、「MES」が「製造指図」、「製造実行」及び「EBR承認」の各プロセスを行うこと、「SCADA」が「OPC」を介して「制御装置」からのデータを扱うこと及び「SCADA」と「MES」との「コネクター」を介して「MES」の「製造実行」プロセスとデータのやりとりを行うことについても、「バッチ生産システム」と同様であることが示されている。そして、上記ウのとおり、「バッチ生産システム」では、MESが、SCADAを介して前記造粒工程設備や打錠機等に対して製造指示を行うところ、MESが製造指示のプロセス及びSCADAとデータのやりとりを行う製造実行のプロセスを行うことは、「連続生産・PATのシステム」において同様であるから、「連続生産・PATのシステム」においても、SCADAを介して前記造粒工程設備や打錠機等に対して製造指示を行うものといえる。 オ 第78頁上欄の記載によれば、「連続生産・PATのシステム」においても、「製造指図と作業記録」として、「作業フェーズ」を含む「製造指図」の「ヘッダデータ」に「署名」が付されること、「電子バッチ記録」の具体的な内容として、「品目コード・ロット番号」に紐付けて、「プロセス指図」、「作業記録シート」、「添付文書」が記録され、「プロセス指図」が「製造指図書」、「バッチ製造記録:品目一覧」及び「バッチ製造記録:差異記録」を含み、「作業記録シート」が「作業指示・記録シート」を含むこと、「製造指図と作業記録」の結果について「EBR署名」が付されたものが「電子バッチ記録」に記録されることが示されており、「造粒・乾燥」、「混合」、「打錠」及び「コーティング」のそれぞれについてでなく、「造粒・乾燥、混合、打錠及びコーティング」の全体に対して「署名」が付される点以外では、上記ウの「バッチ生産システム」についてと同様のことが示されている。 カ 第82頁下欄の記載によれば、甲1には、「医薬品の開発、製造、製品等に係わるデータ、生データ」が、「人の命、安全に影響を及ぼす可能性がある医薬品・医療機器の品質を示す重要な証拠」であること及び「「データインテグリティ(データの完全性)」の保証が求められること」が記載されている。 キ 第84頁上欄の記載によれば、甲1には、「データインテグリティ対応の要点」を説明する表の項目として、「監査証跡」の概要が「操作履歴とデータの監査証跡(データを変更した場合、日付、変更者、変更理由を記録)」であり、そのコメントとして「電子署名についても確認」が記載されている。 (3)甲1に記載されている発明 上記(1)及び(2)によれば、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 (甲1発明) 生産設備のデータインテグリティに向けた統合管理を行うための連続生産のシステムであって、 造粒工程設備を用いて行われ給気温度を重要プロセスパラメータとする造粒工程や打錠機を用いて行われ打錠圧を重要プロセスパラメータとする打錠工程を含む製造ラインが制御装置により制御され、 MESが製造指図、製造実行及びEBR承認の各プロセスを行うものであり、 プロセスデータについてのものであるSCADAが、OPCを介して制御装置からのデータを扱い、また、MESとのコネクターを介してMESの製造実行プロセスとデータのやりとりを行い、 製造指図と作業記録として、作業フェーズを含む製造指図のヘッダデータに署名が付され、造粒・乾燥、混合、打錠及びコーティングの全体に対して署名が付され、 製造指図と作業記録の結果についてEBR署名が付されたものが電子バッチ記録に記録され、 この電子バッチ記録は、品目コード・ロット番号に紐付けて、プロセス指図、作業記録シート、添付文書が記録されるものであり、このプロセス指図は、製造指図書、バッチ製造記録:品目一覧及びバッチ製造記録:差異記録を含むものであり、この作業記録シートは、作業指示・記録シートを含むものであり、 医薬品の開発、製造、製品等に係わるデータ、生データが、人の命、安全に影響を及ぼす可能性がある医薬品・医療機器の品質を示す重要な証拠であり、データインテグリティ(データの完全性)の保証が求められており、 操作履歴とデータの監査証跡(データを変更した場合、日付、変更者、変更理由を記録)及び電子署名の確認がデータインテグリティ対応の要点である、 連続生産のシステム。 2 甲2~6について 甲2~6の記載は、後記第7の当審の判断参照。 第7 当審の判断 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「連続生産のシステム」は、医薬品の製造に係わるデータ等のデータインテグリティの保証が求められている状況において、生産設備のデータインテグリティに向けた統合管理を行うためのものであるから、甲1発明の「連続生産のシステム」は、本件発明1の「医薬品製造のための医薬品製造システム」に相当する。 また、甲1発明の「造粒工程設備」や「打錠機」は、本件発明1の「医薬品製造装置」に相当する。 イ 甲1発明の「MES」は、造粒工程設備や打錠機等に対して製造指示を行うものであり、操作者が前記製造指示のための操作入力を行うためのものであるといえるので、上記アを踏まえると、本件発明1の「医薬品製造装置に対して操作入力を行う操作部」を備えているといえる。 ウ 本件発明1の「プロセスデータ」は「医薬品製造装置Pが製造を行っている期間の給気風量、給気温度、時間等」(本件明細書の段落【0022】)であるところ、甲1発明の「プロセスデータ」は、造粒工程の重要プロセスパラメータである給気温度や打錠工程の重要プロセスパラメータである打錠圧を含むことから、両者は相当するものといえる。 そして、甲1発明の「SCADA」は、OPCを介して制御装置からのデータを扱い、コネクターを介してMESの製造実行プロセスとデータのやりとりを行うところ、このデータが製造ラインの各工程のプロセスデータを含むこと及びSCADAが製造ラインの各工程からプロセスデータを収集することは明らかであるから、甲1発明の「SCADA」は、本件発明1の「プロセスデータ収集部」に相当する。 エ 甲1発明において、造粒・乾燥、混合、打錠及びコーティングの全体に対して署名が付され、製造指図と作業記録の結果についてEBR署名が付されたものが電子バッチ記録に記録され、この電子バッチ記録は、品目コード・ロット番号に紐付けて製造指図書を含むプロセス指図や作業指示・記録シートを含む作業記録シートが記録されるものであるから、作業指図や作業指示に関連する需要プロセスパラメータのプロセスデータを記録するものであることは明らかであり、このことから甲1発明の「電子バッチ記録」は、本件発明1の「前記操作部において前記医薬品製造装置に対して操作入力された操作履歴データ、及び前記プロセスデータ収集部が収集したプロセスデータ」を保存する「データ保存部」に相当する。 オ 甲1発明の「造粒工程設備」及び「打錠機」は、それぞれ本件発明1の「造粒装置」及び「打錠機」に相当し、本件発明1と甲1発明とは、医薬品製造装置が「混合装置、造粒装置、コーティング装置、又は打錠装置のいずれか」である点で一致する。 (2)一致点及び相違点 上記(1)で対比した事項を踏まえると、本件発明1と甲1発明は、 「医薬品製造のための医薬品製造システムであって、 医薬品製造装置に対して操作入力を行う操作部と、 前記医薬品製造装置のプロセスデータを収集するプロセスデータ収集部と、 前記操作部において前記医薬品製造装置に対して操作入力された操作履歴データ、及び前記プロセスデータ収集部が収集したプロセスデータを保存するデータ保存部と、を備え、 前記医薬品製造装置は、混合装置、造粒装置、コーティング装置、又は打錠装置のいずれかであることを特徴とする医薬品製造システム。」 という点で一致し、以下の点で相違している。 (相違点1) 本件発明1では、データ保存部が、操作履歴データ及びプロセスデータを改ざん防止形式で保存しているのに対し、甲1発明では、データ保存部が、操作履歴データ及びプロセスデータを改ざん防止形式で保存していない点。 (相違点2) 本件発明1では、医薬品製造システムが、鍵付きラックに収納された長期保存部を備え、データ保存部に保存された改ざん防止形式の操作履歴データ及びプロセスデータが、前記長期保存部に保存されているのに対し、甲1発明では、医薬品製造システムが鍵付きラックに収納された長期保存部を備えておらず、データ保存部に保存された改ざん防止形式の操作履歴データ及びプロセスデータが、前記長期保存部に保存されていない点。 (3)判断 ア 相違点1について 甲1発明は、操作履歴とデータの監査証跡の確認がデータインテグリティ対応の要点であるとの認識のもとでの生産設備のデータインテグリティに向けた統合管理を行うための連続生産のシステムである。 そして、操作履歴データ及びプロセスデータをバイナリ形式である改ざん防止形式で保存することは、甲2(段落【0012】、【0014】、【0026】、【0061】、【0064】)、甲3及び甲4(甲3の第8頁の「パネルコンピュータでGOT2000の豊富な機能が使える」の「操作ログ」及び「ロギング&グラフ・リスト」の項、甲4の第[2/18]頁の「1.概要」の項、第[6/18]頁の「2. FDA 21 CFR Part 11に関連するGOT機能一覧」の「3.4 データのセキュリティと閲覧」の欄、第[10/18]頁の「3.4.1 データのセキュリティ」の項、第[11/18]頁の「3.5 監査証跡(Audit Trail)」の項、第[14/18]頁の「4.1 記録が改ざんされない仕組み」の「操作ログ」の欄及び「ロギング」の欄)、甲5(第5頁~第6頁の「記録のトレーサビリティと監査証跡(Audit Trails)」の項)に記載された周知技術である。 してみると、甲1発明において甲2~甲5記載の周知技術を適用することで、甲1発明において、データ保存部が、操作履歴データ及びプロセスデータを改ざん防止形式で保存するよう構成することは当業者が容易に想到し得ることである。 イ 相違点2について 医薬品に係る製造システムに係る操作履歴や製造プロセスのデータについて、データ保存部に保存されたデータを、より長期間の保存が可能な「長期保存部」にも保存することは、甲4(第[14/18]頁の「4.1 記録が改ざんされない仕組み」の「操作ログ」~「ロギング」に対応する「運用やGOT以外のシステムで対応が必要なこと」の欄の「1)バイナリ形式のログファイルを必要期間保管するためには、定期的にGOTからログファイルをパソコンにコピーし、適宜バックアップして安全に保管する仕組みを構築する必要があります。」との記載)、甲5(第5頁第19~20行の「データファイルは,DXAdv/AS1の外部記憶メディア(CFカード)に順次保存され,自動転送機能使用時には,FTPサーバにも保存されます。」との記載)に示されているように、周知技術である。 また、このようなデータを保存するデータ保存部や長期保存部を鍵付きラックの中に設けることも、申立人から提出された参考文献1(医薬GxP(generic good practice)分野における「電子記録・電子署名」の学習用教材であり、2008年(平成20年)12月24日に株式会社日立製作所によって作成され、経済産業省委託事業である「平成20年度 国内人材育成等基盤体制強化事業(標準化に関する教育体制整備)」の成果報告書として、同強化事業の他の成果報告書とともに、参考文献2に掲載されて、翌年の3月(平成21年3月)に公開された文献であり、その第13頁上部の囲み枠内には、「2 21CFR Part11の条文解説(4)」として、「(4)セキュリティ」の項に、「・物理的アクセス管理 -施錠できる部屋 -鍵付きキャビネット」と記載されており、また、同頁下部の「解説」には、「(1)物理的アクセス管理」の項に、「コンピュータシステムの場合、このようにして鍵付きのキャビネットの中で管理するほうが比較的廉価に対応が可能である。」と記載されている。)にも示されているように、周知技術であるといえる。 そして、上記アで言及したように、甲1発明は、操作履歴とデータの監査証跡の確認がデータインテグリティ対応の要点であるとの認識のもとでの医薬品に係る生産設備のデータインテグリティに向けた統合管理を行うための連続生産のシステムであるから、監査証跡の確認をより確実に行うために、甲1発明においてこれらの周知技術を適用して、医薬品製造システムを、鍵付きラックに収納された長期保存部を備え、データ保存部に保存された改ざん防止形式の操作履歴データ及びプロセスデータが、前記長期保存部に保存されるようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 ウ 特許権者の主張について 特許権者が令和7年7月2日に提出した意見書における主張について検討する。 (ア)参考文献1の公開日について 特許権者は、参考文献1について、公開日が不明であり、本件の証拠としての能力を有しない旨主張する。 しかしながら、参考文献1は、経済産業省委託事業である「平成20年度 国内人材育成等基盤体制強化事業(標準化に関する教育体制整備)」の成果報告書として、2008年(平成20年)12月24日に制作され、同強化事業の他の成果報告書とともに、参考文献2に掲載されて、翌年の3月(平成21年3月)に公開されたものであるから、本件特許出願前に日本国内において頒布された文献であり、周知技術を示す証拠になり得るものといえる。 (イ)参考文献1から「鍵付きラックに収納された長期保存部と、を備え」ることが周知技術といえるかについて 特許権者は、参考文献1に記載されている事項が、「医薬品製造システム」を大きな鍵付きキャビネットに入れるという思想であり、本件発明における「長期保存部」を「鍵付きラック」に保存するものとは大きく構成が異なる旨主張する。 しかしながら、本件発明1は、少なくとも「長期保存部」が鍵付きラックに収納されていることを特定しているのみであり、「医薬品製造システム」のうちの「長期保存部」以外の構成が鍵付きラックに収納されていないことまでは特定していない。実際に、本件明細書の段落【0032】には、「データ保存部30及び長期保存部40は、鍵付きのラックに収納され、容易にアクセスできないように管理されている。」との記載があり、「長期保存部」ではない「データ保存部」が鍵付きラックに収容されることも想定されているといえる。 したがって、参考文献1が、「医薬品製造システム」全体を大きな鍵付きキャビネットに入れることしか示していないとしても、本件発明1における「医薬品製造システム」が備える「長期保存部」を鍵付きラックに収納することは、参考文献1に記載された周知技術である。 なお、特許権者は、「医薬品製造システム」全体を大きな鍵付きキャビネットに入れると、日常のシステム管理が相当困難となる旨主張するが、上記のとおり、本件発明1において、「医薬品製造システム」全体ではなく「長期保存部」のみを鍵付きラックに収納することが特定されているわけではないから、特許権者の上記主張は、請求項の記載に基づくものではない。 (ウ)相違点2の判断がいわゆる容易の容易に相当するかについて 特許権者は、相違点2の判断において、甲1に甲4及び甲5を適用し、さらに甲4及び甲5に参考文献1を適用することは、いわゆる容易の容易に相当し、許されない旨主張する。 しかしながら、甲4及び甲5に周知技術として示されていることは、データを、より長期間の保存が可能な「長期保存部」にも保存することであり、他方、参考文献1に周知技術として示されていることは、甲1発明の「電子バッチ記録」に相当する「データ保存部」を含めた、データを保存するためのものを鍵付きラックの中に設けることであるから、上記相違点2の判断において、甲1発明に対して、甲4及び甲5に記載の周知技術と、参考文献1に記載の周知技術とを並列に適用するものであり、いわゆる容易の容易に相当するとはいえない。 (エ)まとめ 上記(ア)~(ウ)のとおり、特許権者の上記意見書における主張はいずれも採用できない。 エ 小括 よって、本件発明1は、甲1発明、甲2~甲5及び参考文献1に記載の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 本件発明2について 甲1発明において、MESは、「品目コード・ロット番号」に紐付けて、「プロセス指図(製造指図書、バッチ製造記録)」、「作業記録シート(作業指示・記録シート)」を電子バッチ記録として記録しているから、これを定期的に又はロット毎に保存可能にすることは、当業者が適宜なし得ることである。 また、操作履歴データ及びプロセスデータを改ざん防止形式で保存することは、上記1(3)アのとおり、甲2~甲5に記載された周知技術である。 さらに、甲1発明の連続生産のシステムの製造ライン/機器は、給気温度を重要プロセスパラメータとする造粒工程等を含むものであり、また、甲1の第73頁下欄及び第77頁上欄には、製造ライン/機器が造粒・流動層乾燥を行う機器を含むことが示されており、前記流動層乾燥は、粉体を加湿空気の空気流によって浮遊流動させながら乾燥させるプロセスであり、加湿空気の給気風量と給気温度が重要なプロセスパラメータであることも当該分野における技術常識であるから、甲1発明において、給気風量及び給気温度をプロセスデータとして収集して保存するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 よって、本件発明2は、甲1発明、甲2~甲5及び参考文献1に記載の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 本件発明3について 操作履歴データ及びプロセスデータをバイナリ形式である改ざん防止形式で保存することは、上記1(3)アのとおり、甲2~甲5に記載された周知技術である。 よって、本件発明3は、甲1発明、甲2~甲5及び参考文献1に記載の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 本件発明4について 甲1発明において、MESは、「品目コード・ロット番号」に紐付けて、「プロセス指図(製造指図書、バッチ製造記録)」、「作業記録シート(作業指示・記録シート)」を電子バッチ記録として記録している。 よって、本件発明4は、甲1発明、甲2~甲5及び参考文献1に記載の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 本件発明5について 電源供給停止時に、情報処理装置に保存されたデータやプログラム、ハードウェアを保護するために、情報処理装置に無停電電源装置(UPS)を接続することは、甲6(段落【0002】~【0003】)に記載された周知技術である。 よって、本件発明5は、甲1発明、甲2~甲6及び参考文献1に記載の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第8 まとめ 本件発明1~4は、甲1に記載された発明、甲2~甲5及び参考文献1に記載の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 また、本件発明5は、甲1に記載された発明、甲2~甲6及び参考文献1に記載の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 したがって、請求項1~5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、本件特許の請求項1~5に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、上記結論のとおり決定する。

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2024-700712

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