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特許異議申立

2024-700597

廃棄物処理設備

審判番号
2024-700597
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-213182
登録番号
7409838
請求日
2024年06月24日
審決日
2024年12月26日
公報発行日
2025年02月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社神鋼環境ソリューション
  • 【権利者代理人】小谷 昌崇
  • 【権利者代理人】山本 康平
  • 【異議申立人】山本 新
  • 【異議申立人】山本 新
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 充
  • 審判官 飯星 潤耶
  • 審判官 水野 治彦
分類
P1652.121-Y (F23G) / P1652.536-Y (F23G) / P1652.537-Y (F23G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第113条第4号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7409838号発明「廃棄物処理設備」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7409838号の請求項1~7、11~12に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7409838号の請求項1~12に係る特許についての出願は、令和元年11月26日に出願され、令和5年12月25日にその特許権の設定登録がされ、令和6年1月9日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和6年6月24日に特許異議申立人山本新(以下、「申立人」という。)により、請求項1~7、11~12に係る特許に対する特許異議の申立て(以下、「申立1」という。)がされ、令和6年7月2日に申立人により、請求項1~7、11~12に係る特許に対する特許異議の申立て(以下、「申立2」という。)がされた。 第2 本件発明 特許第7409838号の請求項1~7、11~12の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」~「本件特許発明7」、「本件特許発明11」~「本件特許発明12」といい、これらを総称して「本件特許発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~7、11~12に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機と、 前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備え、 前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であり、 前記冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路と、 前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部と、 前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部と、 前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御する制御部とをさらに備え、 前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である、廃棄物処理設備。 【請求項2】 廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機と、 前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備え、 前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であり、 前記冷却装置へ供給される熱媒体の流入量を調整する熱媒体流入量調整部と、 前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部と、 前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御する制御部と、をさらに備え、 前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である、廃棄物処理設備。 【請求項3】 前記空気導入経路のうち前記冷却装置と前記焼却炉との間を流通する前記燃焼用空気の温度を検知する炉入口温度検知部をさらに備え、 前記制御部は、前記炉入口温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御し、 前記炉入口温度検知部の目標温度は、前記フリーボード温度検知部の目標温度と前記廃棄物の性状とに基づいて算出される温度である、請求項1に記載の廃棄物処理設備。 【請求項4】 前記空気導入経路のうち前記冷却装置と前記焼却炉との間を流通する前記燃焼用空気の温度を検知する炉入口温度検知部をさらに備え、 前記制御部は、前記炉入口温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御し、 前記炉入口温度検知部の目標温度は、前記フリーボード温度検知部の目標温度と前記廃棄物の性状とに基づいて算出される温度である、請求項2に記載の廃棄物処理設備。 【請求項5】 前記焼却炉内の流動層の温度を検知する流動層温度検知部をさらに備え、 前記制御部は、前記流動層温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御し、 前記流動層温度検知部の目標温度は、前記フリーボード温度検知部の目標温度と、前記焼却炉におけるフリーボードの温度と前記流動層の温度との相関関係と、に基づいて設定される、請求項1に記載の廃棄物処理設備。 【請求項6】 前記焼却炉内の流動層の温度を検知する流動層温度検知部をさらに備え、 前記制御部は、前記流動層温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御し、 前記流動層温度検知部の目標温度は、前記フリーボード温度検知部の目標温度と、前記焼却炉におけるフリーボードの温度と前記流動層の温度との相関関係と、に基づいて設定される、請求項2に記載の廃棄物処理設備。 【請求項7】 前記冷却装置は、前記タービンから流出した前記燃焼用空気と熱利用設備に供給される熱媒体との間で熱交換する熱交換器により構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の廃棄物処理設備。」 「【請求項11】 前記焼却炉内に散水するための散水部をさらに備え、 前記制御部は、前記フリーボード温度検知部による検知温度を前記目標温度に近づけるための前記空気流入量調整部の制御の実行に際して、前記散水部の制御を併せて実行可能に構成されている、前記請求項1、3、5及び9のうちいずれか1項に記載の廃棄物処理設備。 【請求項12】 前記焼却炉内に散水するための散水部をさらに備え、 前記制御部は、前記フリーボード温度検知部による検知温度を前記目標温度に近づけるための前記熱媒体流入量調整部の制御の実行に際して、前記散水部の制御を併せて実行可能に構成されている、前記請求項2、4及び6のうちいずれか1項に記載の廃棄物処理設備。」 第3 特許異議申立ての概要 1 申立1における申立理由の概要 申立1において、申立人は、証拠方法として、甲第1号証~甲第26号証(以下、「申立1甲1」~「申立1甲26」という。)を提出し、概略次の申立理由(以下、申立1において主張された各理由を「申立1理由1」~「申立1理由3」という。)を主張している。 (1)証拠方法 申立1甲1:特開昭56-53316号公報(申立2甲1に同じ) 申立1甲2:特開昭56-53315号公報(申立2甲2に同じ) 申立1甲3:特開昭60-238608号公報 申立1甲4:特開昭63-113213号公報(申立2甲4に同じ) 申立1甲5:「下水汚泥自燃焼却システム パンフレット」,公益財団法人日本下水道新技術機構(申立2甲5に同じ) 申立1甲6:石川忠男編,「下水汚泥自燃焼却システム-技術資料」,公益財団法人日本下水道新技術機構,2014年3月(申立2甲6に同じ) 申立1甲7:岡田阿礼,“熱収支計算モデルを用いた汚泥焼却炉高温燃焼化の検討”,[online],2011年3月,中日本建設コンサルタント株式会社,[令和6年10月8日検索],インターネット <URL: https://www.nakanihon.co.jp/assets/pdf/thesis/neshu_okada.pdf> (申立2甲7に同じ) 申立1甲8:特開2017-44349号公報(申立2甲8に同じ) 申立1甲9:実願昭61-20028号(実開昭62-136727号)のマイクロフィルム(申立2甲9に同じ) 申立1甲10:特開2004-101069号公報(申立2甲10に同じ) 申立1甲11:特開2015-227747号公報(申立2甲11に同じ) 申立1甲12:特開2015-71130号公報(申立2甲12に同じ) 申立1甲13:逸見眞知,外3名,「高効率型流動床汚泥焼却炉」,三菱重工技報,三菱重工株式会社,1997年5月,第34巻,第3号,p.182-185(申立2甲13に同じ) 申立1甲14:特開2018-105566号公報(申立2甲14に同じ) 申立1甲15:特開昭64-14513号公報(申立2甲15に同じ) 申立1甲16:特開昭63-46313号公報(申立2甲16に同じ) 申立1甲17:特開2018-173188号公報(申立2甲17に同じ) 申立1甲18:特許第2941785号公報(申立2甲18に同じ) 申立1甲19:特開平10-232014号公報(申立2甲19に同じ) 申立1甲20:特開2015-194308号公報(申立2甲20に同じ) 申立1甲21:特開2015-145738号公報 申立1甲22:特開2014-167382号公報 申立1甲23:特開2019-190775号公報 申立1甲24:石川忠男編,「汚泥焼却炉からのN2O削減に関する技術資料」,財団法人下水道新技術推進機構,平成24年3月31日,p.16-35,69-73(申立2甲21に同じ) 申立1甲25:岡田阿礼,“熱収支計算モデルを用いた汚泥焼却炉高温燃焼化の検討”,平成22年度技術報告集,社団法人全国上下水道コンサルタント協会,平成23年3月,第25号,p.61,63,65-66(申立1甲7の公知日を立証するための証拠として示されている。) 申立1甲26:“技術研究発表会 最優秀・優秀発表賞受賞者一覧”,[online],公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会,[令和6年10月8日検索],インターネット <URL: https://www.suikon.or.jp/activity/committee-results/business_results/doc/youshiki_A.pdf> (申立1甲7の公知日を立証するための証拠として示されている。申立2甲23に同じ。) (2)理由の概要 ア 申立1理由1(進歩性) 本件特許発明1~7、11及び12は、下記の点で特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、同法第113条第2号に該当する。 記 (ア)申立1甲1を主引例とした場合 本件特許発明1は、申立1甲1に記載された発明と、申立1甲3、4、5、6、7又は25に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明2は、申立1甲1に記載された発明と、申立1甲8、9又は10に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明3は、申立1甲1、3~7、11~12、25に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明4は、申立1甲1、8~12に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明5は、申立1甲1、3~7、17、25に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明6は、申立1甲1、8~10に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明7は、申立1甲1、3~12、17、25に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明11は、申立1甲1、3~7、17、25に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明12は、申立1甲1、8~10に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 (イ)申立1甲2を主引例とした場合 本件特許発明1は、申立1甲2に記載された発明と、申立1甲3、4、5、6、7又は25に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明2は、申立1甲2に記載された発明と、申立1甲8、9又は10に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明3は、申立1甲2~7、11~12、25に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明4は、申立1甲2、8~12に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明5は、申立1甲2~7、17、25に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明6は、申立1甲2、8~10に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明7は、申立1甲2~12、17、25に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明11は、申立1甲2~7、17、25に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明12は、申立1甲2、8~10に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 イ 申立1理由2(実施可能要件) 本件特許明細書の発明の詳細な説明は、本件特許発明1~7、11及び12について、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当するから、取り消されるべきものである。 ウ 申立1理由3(サポート要件) 本件特許発明1~7、11及び12は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、特許法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。 2 申立2における申立理由の概要 申立2において、申立人は、証拠方法として、甲第1号証~甲第23号証(以下、「申立2甲1」~「申立2甲23」という。)を提出し、概略次の申立理由(以下、申立2において主張された各理由を「申立2理由1」~「申立2理由3」という。)を主張している。 (1)証拠方法 申立2甲1:特開昭56-53316号公報(申立1甲1に同じ) 申立2甲2:特開昭56-53315号公報(申立1甲2に同じ) 申立2甲3:特開2007-170703公報 申立2甲4:特開昭63-113213号公報(申立1甲4に同じ) 申立2甲5:「下水汚泥自燃焼却システム パンフレット」,公益財団法人日本下水道新技術機構(申立1甲5に同じ) 申立2甲6:石川忠男編,「下水汚泥自燃焼却システム-技術資料」,公益財団法人日本下水道新技術機構,2014年3月(申立1甲6に同じ) 申立2甲7:岡田阿礼,“熱収支計算モデルを用いた汚泥焼却炉高温燃焼化の検討”,[online],2011年3月,中日本建設コンサルタント株式会社,[令和6年10月8日検索],インターネット <URL: https://www.nakanihon.co.jp/assets/pdf/thesis/neshu_okada.pdf> (申立1甲7に同じ) 申立2甲8:特開2017-44349号公報(申立1甲8に同じ) 申立2甲9:実願昭61-20028号(実開昭62-136727号)のマイクロフィルム(申立1甲9に同じ) 申立2甲10:特開2004-101069号公報(申立1甲10に同じ) 申立2甲11:特開2015-227747号公報(申立1甲11に同じ) 申立2甲12:特開2015-71130号公報(申立1甲12に同じ) 申立2甲13:逸見眞知,外3名,「高効率型流動床汚泥焼却炉」,三菱重工技報,三菱重工株式会社,1997年5月,第34巻,第3号,p.182-185(申立1甲13に同じ) 申立2甲14:特開2018-105566号公報(申立1甲14に同じ) 申立2甲15:特開昭64-14513号公報(申立1甲15に同じ) 申立2甲16:特開昭63-46313号公報(申立1甲16に同じ) 申立2甲17:特開2018-173188号公報(申立1甲17に同じ) 申立2甲18:特許第2941785号公報(申立1甲18に同じ) 申立2甲19:特開平10-232014号公報(申立1甲19に同じ) 申立2甲20:特開2015-194308号公報(申立1甲20に同じ) 申立2甲21:石川忠男編,「汚泥焼却炉からのN2O削減に関する技術資料」,財団法人下水道新技術推進機構,平成24年3月31日,p.16-35,69-73(申立1甲24に同じ) 申立2甲22:岡田阿礼,“熱収支計算モデルを用いた汚泥焼却炉高温燃焼化の検討”,平成22年度技術報告集,社団法人全国上下水道コンサルタント協会,平成23年3月,第25号,p.61-67(申立2甲7の公知日を立証するための証拠として示されている。申立1甲25に同じ。) 申立2甲23:“技術研究発表会 最優秀・優秀発表賞受賞者一覧”,[online],公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会,[令和6年10月8日検索],インターネット <URL: https://www.suikon.or.jp/activity/committee-results/business_results/doc/youshiki_A.pdf> (申立2甲7の公知日を立証するための証拠として示されている。申立1甲26に同じ。) (2)理由の概要 ア 申立2理由1(進歩性) 本件特許発明1~7、11及び12は、下記の点で特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、同法第113条第2号に該当する。 記 (ア)本件特許発明1、3、5、7、11について申立2甲4を主引例とした場合 本件特許発明1は、申立2甲4に記載された発明と、申立2甲1又は2に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明3は、申立2甲4、1~2、6~7、11~12、22に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明5は、申立2甲4、1~2、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明7は、申立2甲4、10、1~2、5~8、11~12、17、22に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明11は、申立2甲4、1~2、5~7、11~12、17、22に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 (イ)本件特許発明1、3、5、7、11について申立2甲6を主引例とした場合 本件特許発明1は、申立2甲6に記載された発明と、申立2甲1又は2に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明3は、申立2甲6、1~2、11に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明5は、申立2甲6、1~2、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明7は、申立2甲6、10、1~2、5、8、11~12、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明11は、申立2甲6、1~2、5、11、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 (ウ)本件特許発明1、3、5、7、11について申立2甲7を主引例とした場合 本件特許発明1は、申立2甲7に記載された発明と、申立2甲1又は2に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明3は、申立2甲7、1~2、11に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明5は、申立2甲7、1~2、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明7は、申立2甲7、10、1~2、5~6、8、11~12、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明11は、申立2甲7、1~2、5~6、11、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 (エ)本件特許発明1、3、5、7、11について申立2甲22を主引例とした場合 本件特許発明1は、申立2甲22に記載された発明と、申立2甲1又は2に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明3は、申立2甲22、1~2、11に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明5は、申立2甲22、1~2、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明7は、申立2甲22、10、1~2、5~6、8、11~12、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明11は、申立2甲22、1~2、5~6、11、17に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 (オ)本件特許発明2、4、6、12について申立2甲10を主引例とした場合 本件特許発明2は、申立2甲10に記載された発明と、申立2甲1又は2に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明4は、申立2甲10、1~2、8、11~12に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明6は、申立2甲10、1~2、8に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 本件特許発明12は、申立2甲10、1~2、5~6、8、11~12に記載された発明と周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたものである。 イ 申立2理由2(実施可能要件)(申立1理由2に同じ) 本件特許明細書の発明の詳細な説明は、本件特許発明1~7、11及び12について、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当するから、取り消されるべきものである。 ウ 申立2理由3(サポート要件)(申立1理由3に同じ) 本件特許発明1~7、11及び12は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、特許法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。 第4 各甲号証の記載 各甲号証のうち、申立1甲1~申立1甲24及び申立2甲1~申立2甲21の記載は、以下の通りである。 なお、申立1甲25及び申立1甲26は、申立11甲7の公知日を立証するための証拠であるため、以下では摘記していない。 同様に、申立2甲22及び申立2甲23は、申立2甲7の公知日を立証するための証拠であるため、以下では摘記していない。 1 申立1甲1、申立2甲1 (1)申立1甲1及び申立2甲1の記載事項 申立1甲1及び申立2甲1には、「ごみ焼却プラントの排熱回収システム」に関して、次の事項が記載されている(下線は、当審によるものである。以下同様。)。 ア「本発明はごみ焼却プラントの排熱回収システムに関するものである。」(第1ページ左下欄第14~15行) イ「本発明は、高温排ガスの保有熱を従来のものに比べてさらに有効に回収し得るものを提供するものであり、以下その実施例を第2図に基づき説明する。 (20)はごみ焼却炉、(21)は水噴射式冷却塔、(22)は電気集塵器、(23)は誘引フアン、(24)は煙突であり、これらは排ガス路(25)中にこの順に介在される。(26)はタービン、(27)は圧縮機、(28)は変速機、(29)は誘導機であり、これらは共通の伝動経路(30)中に介在される。伝動経路(30)は、タービン(26)と圧縮機(27)との連結軸(30A)、圧縮機(27)と変速機(28)との連結軸(30B)、変速機(28)と誘導機(29)との連結軸(30C)より構成される。また誘導機(29)は誘導電動機(29A)としても誘導発電機(29B)としても運転させることのできるものを使用する。(31)は通気路であり、これは圧縮機(27)の出口とタービン(26)の入口とを接続する。(32)は第1熱交換器である。第1熱交換器(32)は、ごみ焼却炉(20)から水噴射式冷却塔(21)に至る排ガス路(25)の一部と、前記通気路(31)の一部とを含むものである。(33)は第2熱交換器である。第2熱交換器(33)はタービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(34)の一部と図外の排熱利用設備の水路(35)の一部とを含む。(36)は押込フアン、(37)はその駆動モータであり、押込フアン(36)の出口はバルブ(38)を介して前記送気路(34)に接続される。」(第1ページ右下欄第12行~第2ページ左上欄第16行) ウ「次に作動を説明する。ごみ焼却炉(20)の運転開始時から運転初期にかけては、誘導機(29)を誘導電動機(29A)として運転する。誘導電動機(29A)の始動により、その出力は伝動経路(30)を経て圧縮機(27)並びにタービン(26)に伝達され、これらが変速機(28)で設定される回転速度で駆動される。そのため、圧縮空気が通気路(31)、タービン(26)、送気路(34)を通して燃焼用空気としてごみ焼却炉(20)へ送られる。この場合、必要あれば押込フアン(36)による送気を併行させる。燃焼用空気の導入によりごみ焼却炉(20)ではごみ焼却が行なわれ、残滓はその下部から取出され、排ガスは排ガス路(25)を通して第1熱交換器(32)、水噴射式冷却塔(21)、電気集塵器(22)にこの順に誘引され、最終的に煙突(24)から外気中へ放出される。」(第2ページ左上欄第17行~右上欄第11行) エ「ごみ焼却炉(20)の運転時間の経過につれ、その排ガス温度は次第に上昇する。したがつてそれに応じて通気路(31)を通る圧縮空気が第1熱交換器(32)において加熱され次第に昇温する。この過程においてタービン(26)の作動状態は、当初誘導電動機(29A)による従動側であつたものが次第に駆動側へ移行する。その結果、誘導電動機(29A)の負荷は次第に小さくなる。そして誘導電動機(29A)の負荷が正から負へ移行する時点で、この誘導電動機(29A)は誘導発電機(29B)としての運転状態に自動的に切換えられる。第1熱交換器(32)を通つた圧縮空気は高温高圧状態でタービン(26)に入り、ここで膨張してその熱エネルギーが機械的エネルギーに変換される。タービン(26)の出力の一部が圧縮機(27)の駆動力として、また残りが誘導発電機(29B)の駆動力として消費される。」(第2ページ右上欄第11行~左下欄第6行) オ「タービン(26)からの排気は降温しているが、それでもなお排熱回収を行い得る場合には、水路(35)を流れる水を加熱した後、燃焼用空気としてごみ焼却炉(20)へ送り込まれる。たとえば、ごみ焼却炉(20)の初期運転後において、排ガス温度は850℃程度になる。その場合に第1熱交換器(32)を通る通気路(31)の圧縮空気(2.004ata)が約600℃程度に加熱されると、誘導電動機(29B)で得られる電力量は約110KWとなる。このとき、タービン(26)の排気は470℃程度まで降温しているが、それでもなお第2熱交換器(33)において30℃の水を80℃の温水とし得るだけの能力をもつ。第2熱交換器(33)を出た燃焼用空気は約300℃でごみ焼却炉(20)へ送り込まれる。他方、第1熟変換器(32)を出た排ガスは約510℃となつており、これが水噴射式冷却塔(21)で約300℃に冷却される。」(第2ページ左下欄第6行~右下欄第1行) カ「 [図:0001419360000001.jpg] 」(第2図) (2)上記(1)から認められること ア 第2図から、圧縮機(27)は、第1熱交換器(32)よりも通気路(31)上流側に配置されていることが看て取れる。 (3)甲1発明 上記(1)及び(2)から、申立1甲1及び申立2甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲1発明] 「ごみを焼却するごみ焼却炉(20)と、 ごみ焼却炉(20)へ燃焼用空気として圧縮空気を送る通気路(31)、送気路(34)と、 通気路(31)を通る圧縮空気を、ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガスにより加熱する第1熱交換器(32)と、 通気路(31)に接続され、第1熱交換器(32)よりも通気路(31)上流側に配置された圧縮機(27)と、第1熱交換器(32)で加熱された圧縮空気が入ることにより圧縮機(27)を駆動させるタービン(26)と、 タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(34)の一部を含み、タービン(26)の排気を470℃程度から約300℃にし、水路(35)を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱し得る第2熱交換器(33)と、を備える、ごみ焼却プラント。」 2 申立1甲2、申立2甲2 (1)申立1甲2及び申立2甲2の記載事項 申立1甲2及び申立2甲2には、「ごみ焼却プラントの排熱回収システム」に関して、次の事項が記載されている。 ア「本発明はごみ焼却プラントの排熱回収システムに関するものである。」(第1ページ左下欄第15~16行) イ「本発明は、高温排ガスの保有熱を従来のものに比べてさらに有効に回収し得るものを提供するものであり、以下その実施例を第2図に基づき説明する。 (20)はごみ焼却炉、(21)は水噴射式冷却塔、(22)は電気集塵器、(23)は誘引フアン、(24)は煙突であり、これらは排ガス路(25)中にこの順に介在される。(26)はタービン、(27)は圧縮機であり、これらは共通の伝動経路(28)中に介在される。(29)は通気路であり、これは圧縮機(27)の出口とタービン(26)の入口とを接続する。(30)は第1熱交換器である。第1熱交換器(30)は、ごみ焼却炉(20)から水噴射式冷却塔(21)に至る排ガス路(25)の一部と、前記通気路(29)の一部とを含むものである。(31)は第2熱交換器である。第2熱交換器(31)はタービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(32)の一部と図外の排熱利用設備の水路(33)の一部とを含む。(34)は押込フアン、(35)はその駆動モータであり、押込フアン(34)の出口は給気路(36)を介してタービン(26)の入口側に接続される。この給気路(36)にはその開閉装置(37)が介在される。また押込フアン(34)の出口は前記送気路(32)の途中にもバルブ(38)を介して接続される。」(第1ページ右下欄第12行~第2ページ左上欄第13行) ウ「次に作動を説明する。ごみ焼却炉(20)の運転開始時から運転初期にかけては、モータ(35)により押込フアン(34)を作動させ、同時に開閉装置(37)を開とし、所用圧力で常温空気を給気路(36)を通してタービン(26)へ送り込む。タービン(26)から出た空気はほぼ大気圧となつており、これが送気路(32)を通つて燃焼用空気としてごみ焼却炉(20)へ送り込まれる。このとき、タービン(26)の回転と共に圧縮機(27)が始動されるため、圧縮空気が通気路(29)を通してタービン(26)へ送られる。燃焼用空気の導入によりごみ焼却炉(20)ではごみ焼却が行なわれ、残滓はその下部から取出され、排ガスは排ガス路(25)を通して第1熱交換器(30)、水噴射式冷却塔(21)、電気集塵器(22)にこの順に誘引され、最終的に煙突(24)から外気中へ放出される。」(第2ページ左上欄第14行~右上欄第8行) エ「ごみ焼却炉(20)の運転時間の経過につれ、その排ガス温度は次第に上昇する。したがつてそれに応じて通気路(29)を通る圧縮空気が第1熱交換器(30)において加熱され次第に昇温する。この過程においてタービン(26)の作動状態は、当初押込フアン(34)からの給気による従動側であつたものが次第に駆動側へ移行する。その結果、押込フアン(34)ないしモータ(35)の負荷は次第に小さくなる。そしてそれらの負荷が正から負へ移行する時点で、前記開閉装置(37)が自動的に閉じられ、その後給気路(36)を通してのタービン(26)への給気が停止される。第1熱交換器(30)を通つた圧縮空気は高温高圧状態でタービン(26)に入り、ここで膨張してその熱エネルギーが機械的エネルギーに変換される。タービン(26)の出力が圧縮機(27)の駆動力として消費される。」(第2ページ右上欄第8行~左下欄第2行) オ「タービン(26)からの排気は降温しているが、それでもなお排熱回収を行い得る場合には、水路(33)を流れる水を加熱した後、燃焼用空気としてごみ焼却炉(20)へ送り込まれる。たとえば、ごみ焼却炉(20)の初期運転後において、排ガス温度は850℃程度になる。その場合に第1熱交換器(32)を通る通気路(29)の圧縮空気(2.004ata)が約410℃程度に加熱されると、タービン(26)の排気は330℃程度まで降温するが、それでもなお第2の熱交換器(31)において30℃の水を80℃の温水とし得るだけの能力をもつ。第2の熱交換器(31)を出た燃焼用空気は約250℃でごみ焼却炉(20)へ送り込まれる。他方、第1熟変換器(30)を出た排ガスは約640℃となつており、これが水噴射式冷却塔(21)で約300℃に冷却される。」(第2ページ左下欄第3~16行) カ「 [図:0001419360000002.jpg] 」(第2図) (2)上記(1)から認められること ア 第2図から、圧縮機(27)は、第1熱交換器(30)よりも通気路(29)上流側に配置されていることが看て取れる。 (3)甲2発明 上記(1)及び(2)から、申立1甲2及び申立2甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲2発明] 「ごみを焼却するごみ焼却炉(20)と、 ごみ焼却炉(20)へ燃焼用空気として圧縮空気を送る通気路(29)、送気路(32)と、 通気路(29)を通る圧縮空気を、ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガスにより加熱する第1熱交換器(30)と、 通気路(29)に接続され、第1熱交換器(30)よりも通気路(29)上流側に配置された圧縮機(27)と、第1熱交換器(30)で加熱された圧縮空気が入ることにより圧縮機(27)を駆動させるタービン(26)と、 タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(32)の一部を含み、タービン(26)の排気を330℃程度から約250℃にし、水路(33)を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱し得る第2熱交換器(31)と、を備える、ごみ焼却プラント。」 3 申立1甲3 (1)申立1甲3の記載事項 申立1甲3には、「焼却炉における温度制御方法」に関して、次の事項が記載されている。 ア「[発明の技術分野] 本発明は、流動層焼却炉等の焼却炉における温度制御方法に関する。」(第1ページ左下欄第14~16行) イ「[発明の具体例] 以下本発明をさらに詳説する。 第1図は本発明の具体例を示したもので、空気予熱器2を出た燃焼用空気Aは、廃熱回収器7を通る第1流路8と、これをバイパスする第2流路9とを流通可能とされ、それらに風量調整ダンパー10A,10Bが設けられている。」(第2ページ右上欄第14~20行) ウ「そこで、本発明例においては、汚泥Mの発熱量が高い場合には、低い温度の予熱空気で所望する炉内温度が得られるから、ダンパー10Aの開度を大きくし、積極的に廃熱回収器7で熱回収を行い、逆に汚泥Mの発熱量が低い場合には、高い温度の予熱空気が必要とされるから、タンバー10Bの開度を大きくし、廃熱回収量を少なくする操作を行う。 かくして、燃焼物の発熱量に応じた予熱空気温度に調節され、最適な焼却炉の炉内温度に制御される。」(第2ページ左下欄第5~15行) エ「 [図:0001419360000003.jpg] 」(第1図) (2)上記(1)から認められること ア 第1図の図示事項から、空気Aは、空気予熱器2と、第1流路8又は第2流路9とを介して、焼却炉1に導かれることが看て取れる。 (3)申立1甲3記載の技術的事項 上記(1)及び(2)から、申立1甲3には、次の技術的事項(以下、「申立1甲3記載の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [申立1甲3記載の技術的事項] 「流動層焼却炉等の焼却炉において、 空気予熱器2を出た燃焼用空気Aを、廃熱回収器7をバイパスして焼却炉1へ導く第2流路9への風量と、廃熱回収器7を通って焼却炉1へ導く第1流路8への風量とを調整する風量調整ダンパー10A,10Bとを備え、 最適な焼却炉の炉内温度に制御されるように、風量調整ダンパー10A,10Bを操作すること。」 4 申立1甲4、申立2甲4 (1)申立1甲4及び申立2甲4の記載事項 申立1甲4及び申立2甲4には、「流動床焼却炉における砂層温度維持方法」に関して、次の事項が記載されている。 ア「〔産業上の利用分野〕 本発明は,下水汚泥焼却炉の運転に適用される砂層温度維持方法に関する。 〔従来の技術〕 流動床焼却炉において,砂層温度やフリーボード温度によって炉内温度を安定に保つ方法が一般に利用されている。 その例を第2図に示す(特開昭60-238608号公報)。1は焼却炉,たとえば流動床焼却炉で,焼却物Sとして,たとえば下水汚泥を流動用かつ燃焼用空気Aで砂層部において燃焼させている。一般に,この砂層部分の温度維持のため補助燃料Oや流動空気温度T2が利用されている。すなわち,焼却炉の炉内温度T1が低下すると流動用空気温度T2を上げて行き,それでも低下する場合は補助燃料で補っている。逆に炉内温度T1が上昇した場合は流動空気温度T2を下げて行き対応している。ここで,炉内温度とは砂層温度またはフリーボード温度である。」(第1ページ左下欄第14行~右下欄第13行) イ「1…流動床焼却炉,2…空気予熱器,3…廃熱回収装置,S…汚泥,M…含水率,O…補助燃料,T…その場所の温度,D…ダンパ。」(第2ページ左下欄第16~18行) ウ「 [図:0001419360000004.jpg] 」(第2図) (2)上記(1)から認められること ア 第2図の図示事項から、空気予熱器2から流動床焼却炉1へ流動空気Aを流す流路があることが看取できる。ここで、上記(1)アにおいて、Aが「燃焼用空気」であることが記載されていることから、空気予熱器2から流動床焼却炉1へ「燃焼用空気Aを流す流路」が認められる。 イ 第2図の図示事項から、空気予熱器2では、流動空気A(上記アで説示したとおり、燃焼用空気Aでもある。)と、流動床焼却炉1からの排ガスとの熱交換が行われていることが看て取れる。 そうすると、燃焼用空気Aを流す流路を流れる燃焼用空気Aと、流動床焼却炉1からの排ガスとの熱交換を行う空気予熱器2が認められる。 ウ 第2図の図示事項から、上記「燃焼用空気Aを流す流路」(上記アで認定)において、空気予熱器2から流動床焼却炉1への流路の途中に、廃熱回収装置3が配置されていることが看て取れる。 エ 第2図の図示事項から、廃熱回収装置3を迂回する流路を備えることが看て取れる。 オ 上記(1)アの記載事項から、炉内温度T1に応じて流動用空気温度T2を制御していること、炉内温度T1はフリーボード温度であることがいえる。ここで、炉内温度T1に応じた制御を行っていることから、フリーボード温度である炉内温度T1の測定手段があることが認められる。 カ 第2図の図示事項から、ダンパD1は、廃熱回収装置3を迂回する流路に設けられていること、ダンパD2は、廃熱回収装置3の下流側の流路でかつ廃熱回収装置3を迂回する流路との合流位置よりも上流側に設けられていることが、看て取れる。 キ 上記オで説示したように、上記(1)アの記載事項から、炉内温度T1に応じて流動用空気温度T2を制御していることがいえる。ここで、当該制御を行うための「制御部」があることも認められる。 (3)甲4発明 上記(1)及び(2)から、申立1甲4及び申立2甲4には、次の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲4発明] 「汚泥を焼却する流動床焼却炉1と、 流動床焼却炉1へ燃焼用空気Aを流す流路と、 燃焼用空気Aを流す流路を流れる燃焼用空気Aと、流動床焼却炉1からの排ガスとの熱交換を行う空気予熱器2と、 燃焼用空気Aを流す流路のうち空気予熱器2から流動床焼却炉1への流路の途中に配置される、廃熱回収装置3と、を備え、 廃熱回収装置3を迂回する流路と、 フリーボード温度である炉内温度T1の測定手段と、 廃熱回収装置3を迂回する流路に設けられたダンパD1と、廃熱回収装置3の下流側の流路でかつ廃熱回収装置3を迂回する流路との合流位置よりも上流側に設けられたダンパD2と、 炉内温度T1に応じて流動用空気温度T2を制御する制御部とをさらに備え る、下水汚泥焼却炉。」 5 申立1甲5、申立2甲5 (1)申立1甲5及び申立2甲5の記載事項 申立1甲5及び申立2甲5には、「下水汚泥自燃焼却システム」に関して、次の事項が記載されている。 ア「下水汚泥焼却における温室効果ガス排出量の削減方法として燃焼温度を850℃に高温化する方法がありますが,この手法は高温焼却のために補助燃料を増加させる必要があり,その分の維持管理費の増加および温室効果ガス排出量の一部相殺などのデメリットがあります。」(第1ページ「1 背景」の本文第1~3行) イ「 [図:0001419360000005.jpg] 」(第1ページ「図-1 下水汚泥自燃焼却システムフロー」) ウ「焼却炉では,自燃運転を継続する中で,フリーボード温度が860℃に達すると流動空気量調節用のメインダンパが開となり,流動空気温度と共に炉内温度全体が低下しています。さらに,この状態が続くと再びダンパ類が閉となって炉内温度が回復しており,自燃の安定的な運転制御が可能であることを確認できました。」(第2ページ「3 実証試験結果」の本文第5~10行) 6 申立1甲6、申立2甲6 (1)申立1甲6及び申立2甲6の記載事項 申立1甲6及び申立2甲6には、「下水汚泥自燃焼却システム技術資料」に関して、次の事項が記載されている。 ア「(3)流動空気冷却器………気泡流動焼却炉の燃焼温度が高くなりすぎた場合に,流動空気を冷却するため,流動空気と常温空気を熱交換する装置をいう。」(第7ページ第10~12行) イ「焼却炉の入熱または出熱を制御する方法は,次の3方式が考えられる。 (1)流動空気冷却器を設ける。 空気予熱器を保護するため,予熱空気ダクトに流動空気冷却器(熱交換器)を設けて,流動空気温度を低下させ,炉の入熱を制限する。 (2)冷却水注入設備を設ける。 空気予熱器を保護するため,冷却水の蒸発潜熱を利用して炉出口排ガス温度を低下させる。 (3)排ガス冷却器を設ける。 空気予熱器を保護するため,排ガス冷却器(熱交換器)を設けて炉出口排ガス温度を低下させる。 本実証研究では,安全運転を目的の1つと位置づけ,排ガス量の増加が無く,焼却炉やその周辺機器への影響が小さい流動空気冷却器を採用した。また,急激な炉内温度変動による機器損傷を防ぐため,緊急冷却設備としてウォーターガン,ウォータースプレーを採用した。」(第10ページ第11~21行) ウ「自然焼却システムは,次の3要素より構成される。 (1)脱水設備 ・焼却炉で自燃運転できる含水率まで汚泥を脱水する ・含水率を一定範囲内にするため,圧入圧および薬注率を一定に制御する (2)搬送・流量測定設備 ・低含水率の脱水汚泥を一軸ネジ式ポンプで定量圧送する ・電磁流量計により脱水汚泥搬送量を監視し,焼却炉への供給量の制御にもちいる (3)焼却設備 ・自燃焼却を維持するために流動空気冷却器をもちいて流動空気温度を制御する ・炉内が突発的に異常高温となった場合には,砂層へのウォーターガンおよびフリーボードへのウォータースプレーをもちいて水を供給し,炉内温度を低下させる。」(第11ページ第5~15行) エ「3)焼却炉熱回収設備仕様 熱量過負荷対策および廃熱の回収を目的として,熱回収設備(流動空気冷却器および冷却ファン)を設置した。回収した余剰熱は,白煙防止空気と合流し,将来的にりん回収設備等の他設備で有効利用可能とした。また,脱水汚泥含水率の変動を考慮し,緊急冷却設備(砂層:ウォーターガン,フリーボード:ウォータースプレー)を設置した。図2-17に炉内温度制御フローを示す。」(第27ページ第1~6行) オ「 [図:0001419360000006.jpg] 」(第27ページ「図2-17 炉内温度制御フロー」) カ「図2-23と図2-24における自燃運転状態から,炉内温度制御として,FB温度860℃にて流動空気調節メインダンパ・バイバスダンパの制御がはたらき,流動空気温度(分散パイプ入口)が低下し,焼却炉への供給熱量が低下したことにより炉内温度が低下している。 さらに,図2-24における補燃運転状態から,炉内温度が低下した場合には,流動空気の冷却制御が停止し,流動空気の温度を上昇させることで再び炉内温度が上昇していることも確認できる。したがって,流動空気冷却器制御が正常に機能していると判断する。」(第39ページ第8~13行) キ「 [図:0001419360000007.jpg] 」(第40ページ「図2-23 測定1回目(6月3日)トレンドグラフ」) ク「 [図:0001419360000008.jpg] 」(第40ページ「図2-24 測定2回目(6月10日)トレンドグラフ」) ケ「 [図:0001419360000009.jpg] 」(第42ページ「図3-2 改造後焼却設備フローシート」) コ「焼却炉における熱余り状態を解消するために,流動空気冷却器にて焼却炉への入熱量を制御しているが,この流動空気冷却器にて回収した廃熱を他設備の熱源として利用することが可能である。」(第51ページ第5~6行) サ「 [図:0001419360000010.jpg] 」(第70ページ「(5)流動空気温度」) シ「 [図:0001419360000011.jpg] 」(第71ページ「図4-5 (4)~(6)計装概略図と共通事項」) (2)上記(1)から認められること ア 上記(1)イの記載事項及び同ケの図3-2の図示事項から、図3-2において水色に着色された、流動空気予熱器と流動焼却炉の間の流路のうち、流動空気冷却器を通る流路は、予熱空気ダクトであること、予熱空気ダクトは、流動焼却炉へ流動空気を導くものであることがいえる。 イ 上記(1)ケの図3-2の図示事項から、流動空気予熱器は、予熱空気ダクトの流動空気(水色に図示)と、流動焼却炉からの排ガス(赤色に図示)との熱交換を行うことが看て取れる。 また、同図示事項から、流動空気冷却器は、予熱空気ダクト(水色に図示)のうち流動焼却炉の上流側に配置されることも看て取れる。 ウ 上記(1)ケの図3-2の図示事項から、流動空気予熱器を迂回するように予熱空気ダクトに接続された流路が看て取れる。 また、上記(1)オの図2-17及び同コの図4-5の図示事項から、空気予熱器冷却器を迂回する、バイパスダンパを備えた流路が看て取れる。そして、ここでの「空気予熱器冷却器」は、上記(1)ケの図3-2における「流動空気予熱器」と同じものであることは、図面上における配置から明らかである。 そうすると、流動空気予熱器を迂回するように予熱空気ダクトに接続された、バイパスダンパを備えた流路が認められる。 エ 上記(1)サには、炉内のフリーボードの温度を計測することが記載されている。 そうすると、フリーボードの温度を計測する手段を備えていることが認められる。 オ 上記(1)オの図2-17及び同コの図4-5の図示事項から、流動空気冷却器に接続される予熱空気ダクトに、メインダンパが設けられていることが看て取れる。 カ 上記(1)カには、流動空気調節メインダンパ・バイバスダンパを制御することが記載されている。 そうすると、メインダンパ・バイバスダンパを制御する制御部を備えていることが認められる。 (3)甲6発明 上記(1)及び(2)から、申立1甲6及び申立2甲6には、次の発明(以下、「甲6発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲6発明] 「下水汚泥を焼却する流動焼却炉と、 流動焼却炉へ流動空気を導く予熱空気ダクトと、 予熱空気ダクトの流動空気と、流動焼却炉からの排ガスとの熱交換を行う流動空気予熱器と、 予熱空気ダクトのうち流動焼却炉の上流側に配置され、流動空気を冷却する流動空気冷却器と、を備え、 流動空気冷却器を迂回するように予熱空気ダクトに接続された、バイパスダンパを備えた流路と、 流動焼却炉内のフリーボードの温度を計測する温度計と、 流動空気冷却器に接続される予熱空気ダクトに設けられたメインダンパと、バイパスダンパと、 FB温度が860℃にて、メインダンパ及びバイパスダンパを制御する制御部とをさらに備える、下水汚泥自燃焼却システム。」 7 申立1甲7、申立2甲7 (1)公知日について 申立1甲7の第1~7ページ及び申立2甲7の第1~7ページの記載事項は、それぞれ申立2甲22の第61~67ページの記載事項と同一である。そして、申立2甲22は、平成23年3月に発行されたものであるから、申立1甲7及び申立2甲7は、遅くとも本件特許の出願前である2011年3月31日には公知となっていたものと認められる。 (2)申立1甲7及び申立2甲7の記載事項 申立1甲7及び申立2甲7には、「熱収支計算モデルを用いた汚泥焼却炉高温燃焼化の検討」に関して、次の事項が記載されている。 ア「(3)流動焼却炉における温室効果ガス削減対策 前述のとおり、流動焼却炉のN2O排出量の削減対策は高温燃焼化であり、燃焼温度850℃以上を達成することが必要とされている。一方、実際の焼却炉で高温運転を行う際は、脱水ケーキの含水率が高い、可燃分が少ない、あるいは投入量が少ない場合などに、都市ガス等の補助燃料により熱量を補う必要がある。補助燃料は通常、化石燃料由来の資源であることから、温室効果ガス削減効果を算定する上で、補助燃料使用量を把握することが不可欠である。」(第2ページ第29~34行) イ「3.実測データに基づく熱収支計算モデルの作成 本稿で対象とした汚泥焼却施設の諸元を表-3に示す。また、焼却設備のフローと主要な管理項目を図-2に示す。 焼却炉の運転では、燃焼排ガス温度をはじめ、燃焼工程の各段階における運転温度が重要な管理指標となる。温度の他には、脱水ケーキ投入量(炉への可燃分の供給)、流動空気量(燃焼に必要な空気の供給、珪砂の流動)、白煙防止空気量(排ガスの冷却、白煙防止空気温度の制御)等の項目が重要である。」(第3ページ第4~11行) ウ「 [図:0001419360000012.jpg] 」(第3ページ「表-3 対象施設の諸元」) エ「 [図:0001419360000013.jpg] 」(第3ページ「図-2 焼却工程における温度及び主要な管理項目」) (3)上記(2)から認められること ア 上記(2)エの図示事項から、流動ブロワから空気予熱器への流路(番号13の付された流路)と、空気予熱器から汚泥焼却炉への流路(番号5及び12の付された流路)は、一つの流路を構成することが看て取れる。ここで、当該流路において付された番号12では燃焼用空気温度が管理されていることから、上記流路は、汚泥焼却炉へ燃焼用空気を流す「燃焼用空気の流路」であると認められる。 イ 上記(2)エの図示事項から、空気予熱器において、上記「燃焼用空気の流路」(上記アで認定)を流れる燃焼用空気が、流動焼却炉からの燃焼排ガス(紫色の太い矢印として図示)によって、冷風(水色の細い矢印として図示)から熱風(朱色の細い矢印として図示)にされることも看て取れる。 ウ 上記(2)エの図示事項から、上記「燃焼用空気の流路」(上記アで認定)において、空気予熱器から汚泥焼却炉への流路の途中に、空気予熱器から流出して当該流路を流れる温風(朱色の細い矢印として図示)である燃焼用空気と、抽熱ブロワから流れる冷風(水色の細い矢印として図示)を熱交換する「熱交換器」が配置されていることが看て取れる。 エ 上記(2)ウの表には、汚泥焼却設備が、流動焼却炉であることが記載されている。そうすると、汚泥焼却炉が流動焼却炉であることが認められる。 オ 上記(2)エの図示事項から、上記「熱交換器」(上記ウで認定)を迂回する流路があることが看て取れる。 カ 上記(2)エの図示事項から、汚泥焼却炉内において、番号2のフリーボード中部温度、番号3のフリーボード下部温度が管理項目とされていることが、看て取れる。ここで、上記の各温度を管理していることから、上記各温度の測定手段があること、つまり汚泥焼却炉内のフリーボード中部温度及びフリーボード下部温度の測定手段があることが認められる。 (4)甲7発明 上記(2)及び(3)から、申立1甲7及び申立2甲7には、次の発明(以下、「甲7発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲7発明] 「汚泥を焼却する汚泥焼却炉と、 汚泥焼却炉へ燃焼用空気を流す燃焼用空気の流路と、 燃焼用空気の流路を流れる燃焼用空気を、汚泥焼却炉からの燃焼排ガスにより冷風から熱風にする空気予熱器と、 燃焼用空気の流路のうち空気予熱器から汚泥焼却炉への流路の途中に配置され、空気予熱器から流出した温風の燃焼用空気と、抽熱ブロワから流れる冷風とが熱交換する熱交換器と、を備え、 汚泥焼却炉は、流動焼却炉であり、 熱交換器を迂回する流路と、 汚泥焼却炉内のフリーボード中部温度及びフリーボード下部温度の測定手段とをさらに備える、汚泥焼却施設。」 8 申立1甲8、申立2甲8 (1)申立1甲8及び申立2甲8の記載事項 申立1甲8及び申立2甲8には、「流動床式汚泥焼却炉」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0013】 本実施の形態の流動床式汚泥焼却炉1は、図1、図2に示すように、炉体3と、炉体3の側壁に形成された汚泥の投入口5と、炉体3の下部に設けられて流動用の空気を供給する一次空気供給部7と、一次空気供給部7の上方に設けられて二次空気を供給する二次空気供給部9と、炉内温度を測定する炉内温度測定器11と、炉内温度測定器11の測定値に基づいて炉内温度を850℃以上870℃以下に制御する炉内温度制御装置13とを備えている。 なお、炉体3の上部から排出される燃焼ガスは、空気予熱器15を通過して、その後、排ガス処理がされた後、図示しない煙突から大気中に排出される。 以下、各構成を詳細に説明する。」 イ「【0021】 <炉内温度測定器> 炉内温度測定器11は、炉体内における砂層下部温度を測定する。 炉内温度測定器11で測定された測定データは、炉内温度制御装置13に入力される。」 ウ「【0023】 本実施の形態の炉内温度制御装置13は、流動用空気として炉内に吹き込む一次空気の温度を制御することで炉内温度を制御している。 このような機能を有する炉内温度制御装置13は、流動ブロワ21から空気予熱器15に供給されて予熱された空気の供給を受けると共に冷却ブロワ23からの外気の供給を受ける空気冷却器25と、炉内温度測定器11の測定値に基づいて冷却ブロワ23の制御を行う制御部27とを備えて構成されている。 冷却ブロワ23の稼働を制御することで、炉内に吹き込む一次空気の温度を調整して炉内温度を制御する。具体的には、砂層内に設置した炉内温度測定器11の測定値を制御部27に入力し、制御部では冷却ブロワ23の風量を増減させることにより、一次空気の温度を調整することで、炉内温度(具体的には炉内のフリーボードの温度)を850℃~870℃に制御する。」 エ「【図1】 [図:0001419360000014.jpg] 」 (2)上記(1)から認められること ア 【図1】の図示事項から、空気冷却器25が、空気予熱器15と炉体3の間に配置されていることが看て取れる。 (3)甲8記載の技術的事項 上記(1)及び(2)から、申立1甲8及び申立2甲8には、次の技術的事項(以下、「甲8記載の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [甲8記載の技術的事項] 「流動床式汚泥焼却炉1において、 空気予熱器15と炉体3の間に配置され、空気予熱器15に供給されて予熱された空気の供給を受けると共に冷却ブロワ23からの外気の供給を受ける、空気冷却器25を備え、 制御部27により冷却ブロワ23の風量を増減させて、炉内温度を850℃~870℃に制御すること。」 9 申立1甲9、申立2甲9 (1)申立1甲9及び申立2甲9の記載事項 申立1甲9及び申立2甲9には、「自然焼却装置」に関して、次の事項が記載されている。 ア「考案が解決しようとする問題点 従来技術の問題点は、被焼却物10の焼却が助燃料を必要としない自然状態において発生し、具体的には次の様な問題がある。 すなわち、設置の熱損傷を避けるべく焼却炉3の排ガス温度の抑制操作を行つた時、焼却炉3の排ガス量が増大することであり、この原因は、排ガス温度を抑制しようとする時に、大気(希釈用空気)11cを排ガスに加え、混合するためである。これにつき、従来技術から容易に考え出せる方法として、焼却処理量を一時的に減少させる方法(ア)被焼却物投入量を減少させる。イ)燃焼空気量を減少させる。)があるが、(ア)は当該時点での焼却量の不足分を、後に増量して焼却する必要があり、焼却炉容量の増大を生ずる。次の(イ)は炉の蓄熱により被焼却物10の乾留が生じ(特に炉体蓄熱量の大きい流動炉等)、排気、集じん系での可燃ガス爆発の恐れがある。」(第2ページ第1~18行) イ「本考案の第1実施例を示す第1図は自然を成立させるために、燃焼用空気11aを、焼却炉3の廃熱により予熱して使用した例である。被焼却物10の燃焼用空気11aは空気予熱器5なる熱交換器にて焼却炉排ガスと熱交換し、200~500℃の予熱空気となつて、空気冷却器1なる熱交換器で、20℃前後の大気と熱交換し、焼却炉3に入る。 空気冷却器1へ供給される大気(冷却用空気)11bの量は、ダンパ2により調節できる様になつている。焼却炉3の排ガスは、集じん装置4、空気予熱器5を経て煙突6にて大気中へ放出される。 被焼却物10の発熱量が過渡的に増大した場合等に起因して、焼却炉3の排ガス温度が上昇傾向となつた場合には、空気冷却器1への大気11aの送気量を増して、予熱空気温度を下げ、焼却炉3排ガス温度を下げる。この操作を行つても、焼却炉3排ガス量は増大しない。」(第3ページ第19行~第4ページ第15行) ウ「 [図:0001419360000015.jpg] 」(第1図) (2)甲9記載の技術的事項 上記(1)から、申立1甲9及び申立2甲9には、次の技術的事項(以下、「甲9記載の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [甲9記載の技術的事項] 「自然焼却装置において、 燃焼用空気11aは空気予熱器5にて焼却炉排ガスと熱交換し、200~500℃の予熱空気となって、空気冷却器1なる熱交換器で、20℃前後の大気と熱交換し、焼却炉3に入り、 空気冷却器1へ供給される冷却用空気11bの量は、ダンパ2により調節できる様になっており、 焼却炉3の排ガス温度が上昇傾向となった場合には、空気冷却器1への大気11aの送気量を増して、予熱空気温度を下げ、焼却炉3排ガス温度を下げること。」 10 申立1甲10、申立2甲10 (1)申立1甲10及び申立2甲10の記載事項 申立1甲10及び申立2甲10には、「焼却炉における温度制御装置」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0002】 【従来の技術】 一般に、下水汚泥焼却プラントに設備される廃棄物焼却炉においては、排ガスの熱を回収し、その回収熱を焼却用空気の予熱に用いることが行われている。また、近年の脱水機の性能向上や分流式下水道の普及などの事情より、下水汚泥が低カロリーのものから高カロリーのものに変わって来たり、あるいは下水汚泥にし渣を混入した高カロリーの廃棄物となっており、焼却物の発熱量が上昇する傾向にある。 そこで、従来の下水汚泥焼却プラントには、図2及び図3に示すように、焼却物の発熱量の上昇に備え、焼却炉51の過熱を防ぐ目的で、空気予熱器52の出口の燃焼用空気ダクト53に空気冷却器54を設置する場合がある。 【0003】 すなわち、下水汚泥焼却プラントでは、供給された下水汚泥(廃棄物)55を焼却する焼却炉51と、排ガスダクト56中を流れる排ガス57の熱(温度約850℃)を利用して常温(温度約20℃)の燃焼用空気58を予備加熱(温度約650℃)する空気予熱器52と、焼却炉51及び空気予熱器52の間を接続する燃焼用空気ダクト53の途中に設けられる空気冷却器54とをそれぞれ備えており、焼却炉51には、炉内温度を維持すべく、第1の開閉弁59及び助燃料供給ダクト60を介して助燃料61が供給されるようになっている。 焼却炉51には、下水汚泥55の性状によって変動する炉内上部の温度を検出し、かつ検出した炉内上部の温度に応じて第1の開閉弁59の開度を調節するコントローラ62が接続されている。また、空気予熱器52の下流側には、排ガス処理設備63が設けられている。さらに、空気冷却器54には、媒体供給機64、第2の開閉弁65及び媒体供給ダクト66を介して冷却媒体67が供給され、第2の開閉弁65は、第1の開閉弁59と同様、コントローラ62によって開度が制御されるようになっている。」 イ「【0005】 一方、図3に示す如く、高カロリーの下水汚泥55などを焼却する自燃時においては、コントローラ62によって第1の開閉弁59を閉じ、助燃料61の焼却炉51内への供給を停止した状態で下水汚泥55を焼却している。この間、炉内温度をコントローラ62によって検出し、検出した炉内温度が約850℃を超えた場合は、コントローラ62によって第2の開閉弁65を開き、空気冷却器54には冷却媒体67が供給され、空気冷却器54を使用可能な状態にしておく。そのため、焼却炉51から排出された排ガス57は、排ガスダクト56を経て空気予熱器52に導入され、供給された燃焼用空気58を約650℃に加熱し、その後は、排ガス処理設備63に導かれることになる。また、加熱された燃焼用空気58は、燃焼用空気ダクト53を経て使用可能な状態の空気冷却器54に導かれて適正温度まで冷却され、助燃時に比べて低い温度で焼却炉51に供給され、炉内温度の上昇を抑えるようにしている。 したがって、空気冷却器54は、助燃時の未使用状態において空焚きされることになるので、空気温度が600~700℃に達することになる。SUS304等の通常のステンレス鋼では、温度が700℃近くになると強度面及び耐食面で厳しく、熱損するおそれがあった。そこで、従来から、未使用時の空気冷却器の空焚きを防止するため、例えば、図4及び図5に示すような燃焼用空気の冷却システムが提案されている。」 ウ「【図3】 [図:0001419360000016.jpg] 」 (2)甲10発明 上記(1)から、申立1甲10及び申立2甲10には、次の発明(以下、「甲10発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲10発明] 「下水汚泥55を焼却する焼却炉51と、 焼却炉51へ燃焼用空気58を供給する燃焼用空気ダクト53と、 燃焼用空気ダクト53を経て供給される燃焼用空気58を、焼却炉51から排出された排ガス57により予備加熱する空気予熱器52と、 焼却炉51及び空気予熱器52の間の燃焼用空気ダクト53の途中に設けられ、燃焼用空気58を冷却する空気冷却器54と、を備え、 焼却炉51は、流動炉であり、 空気冷却器54へ供給される冷却媒体67の供給を制御する第2の開閉弁65と、 焼却炉51の炉内上部の温度を検出するコントローラ62と、 コントローラ62による検出した炉内上部の温度が約850℃を超えた場合に、第2の開閉弁65を開くコントローラ62とをさらに備える、下水汚泥焼却プラント。」 11 申立1甲11、申立2甲11 (1)申立1甲11及び申立2甲11の記載事項 申立1甲11及び申立2甲11には、「廃棄物処理設備」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0019】 まず、燃焼手段としての焼却炉11に供給される例えば汚泥などの廃棄物は、例えば、水分含有率が約97%程度で固形分濃度が約3%の汚泥を回転加圧脱水機などによって、水分含有率を65%~80%、好適には75%以下程度まで脱水された脱水ケーキである。なお、廃棄物は汚泥以外のものであっても良く、必ずしも汚泥に限定されるものではない。脱水ケーキは、焼却炉11に投入されて焼却される。焼却炉11としては各種形式があるが、最近ではダイオキシンの発生防止や設備小型化の観点から、例えば流動焼却炉を採用するのが好ましい。なお、焼却炉11内において廃棄物を自燃させることが困難である場合には、必要に応じて焼却炉11内に補助燃料が供給される。また、焼却炉11に供給される流動空気などの空気の温度および圧力はそれぞれ、温度計21aおよび圧力計22aにより計測される。温度計21aにより計測された温度および圧力計22aにより計測された圧力のそれぞれの計測データは、制御部15に供給される。」 イ「【0025】 また、過給機12のコンプレッサ部12aの下流側である空気の送出側において分岐された配管には、コンプレッサ部12aが高圧になった緊急時に排気を行う緊急弁としてのバルブ20が設けられている。このバルブ20は、手動または制御部15により開閉制御される。また、コンプレッサ部12aの下流側かつ空気予熱器14の上流側には、流量計23bおよび第1圧力計測手段としての圧力計22bが設けられている。これらの流量計23bおよび圧力計22bによって、コンプレッサ部12aの空気の送出側における空気の流量および圧力がそれぞれ計測される。流量計23bによって計測された流量および圧力計22bによって計測された圧力のそれぞれの計測データは、制御部15に供給される。」 ウ「【0034】 まず、図2および図3に示すように、廃棄物処理設備1の運転が開始される時間において、制御部15によって、調節弁19a,19cを閉状態にするとともに、調節弁19b、第1調節弁19d、および第2調節弁19eを開状態にする。この状態において、補助送風機13から空気を送出する。補助送風機13から送り出された空気のうちの一部が第2調節弁19eを通じて大気に開放されるとともに、残部が空気予熱器14に供給される。そして、空気予熱器14に供給された空気は、空気予熱器14を通過した後に過給機12のタービン部12bを回転させつつ経由して、燃焼空気として焼却炉11に供給される(図2中、ステップST1)。 【0035】 その後、タービン部12bの回転に伴って、外部からコンプレッサ部12aに空気が供給される。その後、コンプレッサ部12aから送出された空気は、第1調節弁19dを通じて大気に放出される(図2中、ステップST2)。ここで、第1調節弁19dが開状態になっていることにより、補助送風機13から送出される空気の圧力も低い状態である。また、第2調節弁19eが開状態であって、コンプレッサ部12aから送出される空気が大気開放されていることにより、コンプレッサ部12aにおける空気の流量が0から増加する一方、空気の圧力は大気圧程度の低い状態で推移する。 【0036】 その後、図3に示すように、焼却炉11が稼働を開始すると、燃焼空気が供給された焼却炉11の内部温度が上昇するとともに、この内部温度の上昇に伴って、焼却炉11から排出されて空気予熱器14に供給される燃焼排ガスの温度も上昇する(図2中、ステップST3)。なお、焼却炉11内の昇温は、焼却炉11内に空気が供給されて燃焼されることにより、例えば850℃程度の所定温度に上昇するまで段階的に継続する。」 エ「【0044】 ステップST9においては、図4に示すように、制御部15によって、第1調節弁19dの開度を徐々に小さくして全閉状態にするとともに、第2調節弁19eの開度を徐々に大きくして全開状態にする。これにより、コンプレッサ部12aから送出される圧縮空気が空気予熱器14に供給されるとともに、補助送風機13から空気予熱器14を通じてタービン部12bに供給されていた空気の供給が停止される。そして、過給機12が自立運転を開始(図2中、ステップST10)した後、補助送風機13を停止させる(図2中、ステップST11)。以上により、過給機12が始動して、廃棄物処理設備1が稼働定常状態となる。」 オ「【図1】 [図:0001419360000017.jpg] 」 カ「【図2】 [図:0001419360000018.jpg] 」 12 申立1甲12、申立2甲12 (1)申立1甲12及び申立2甲12の記載事項 申立1甲12及び申立2甲12には、「有機性廃棄物の処理装置」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0025】 また、使用エネルギー要素である流動空気予熱器23は、バルブ23aによって流量が制御される流動ブロワB1によって大気から流入した流動空気と、燃焼ガスとの熱交換を行う。ここで、流動空気予熱器23は、上段および下段の塔で流動空気と燃焼ガスとの熱交換を行う。流動空気予熱器23から流動焼却炉21に供給される燃焼用エネルギーとしての流動空気において、温度は温度センサT3によって検出され、流量は流量センサF1,F2によって検出される。温度および流量の検出結果はそれぞれ、焼却設備燃焼制御装置28に入力される。流動空気の温度は、流動ブロワB1の後段に設けられる調整弁23d,23eの開度を変更することにより調整される。なお、流動空気の温度調整については、冷却ファンなどからなる冷却器を用いてもよい。以上のようにして熱交換された流動空気は、分散パイプ21bを通じて流動床21aに供給され、調整弁23b,23cを介して流動焼却炉21に供給される。これにより、流動焼却炉21内の空気比が調整されて流動焼却炉21内の温度が調整される。」 イ「【0030】 焼却設備燃焼制御装置28は、流動焼却炉21の内部を、微小の温度変動は生じつつも燃焼温度をほぼ一定の所定温度に維持するように補助燃焼装置22および流動空気予熱器23の動作を制御する。また、図示されないガス検出器により測定された排ガス中の有害ガス濃度に応じ、スクラバー25に添加される薬剤の投入量を制御する。さらに、焼却設備燃焼制御装置28は、燃料量検出器22aによって検出された燃料使用量、流動ブロワB1、白防ファンB2、誘引ファンB3の各電力使用量、および熱回収発電設備27による熱回収発電量、排ガス中の有害ガス脳度に応じたスクラバー25への薬剤投入量を、最適運転制御装置30に出力する。また、焼却設備燃焼制御装置28は、温度センサT1~T3、流量センサF1,F2の検出結果に基づいて、調整弁23b~23eを調整して汚泥の燃焼制御を行う。」 ウ「【図1】 [図:0001419360000019.jpg] 」 13 申立1甲13、申立2甲13 (1)申立1甲13及び申立2甲13の記載事項 申立1甲13及び申立2甲13には、「高効率型流動床汚泥焼却炉」に関して、次の事項が記載されている。 ア「 [図:0001419360000020.jpg] 」(第183ページ左欄「図3 基礎試験装置フロー」) イ「3.4 試験条件・測定項目 試験は,汚泥供給量を定格(50kg/h)と80%(40kg/h)の2ケースとし,燃焼促進体を設置する場合と設置しない場合(ブランク)に対して行った.砂層温度は830℃,燃焼空気温度は200℃とした.燃焼状態が定常に達した後に計測を行い,各部温度,各部圧力,燃焼促進体前後の差圧,汚泥供給量,燃焼空気量,排ガス性状,炉内未然ガス〔CO,T-HC(Total Hydrocarbon)〕濃度分布,助燃料(灯油)流量などを測定した.」(第183ページ右欄第7~14行) 14 申立1甲14、申立2甲14 (1)申立1甲14及び申立2甲14の記載事項 申立1甲14及び申立2甲14には、「廃棄物焼却システム」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0008】 本発明は、空気予熱器内における空気の過熱による機器の破損や排ガスが過度に低温化して排ガス中の酸成分が水溶液化して酸露点腐食が生じたりすることを防止し、かつ排ガスの熱を有効に回収し、安定した運転が可能な廃棄物焼却システムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明に係る廃棄物焼却システムの構成は以下の通りである。 (1)廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉に供給される燃焼用空気を加熱する空気予熱器と、 前記焼却炉からの排ガスにより蒸気を発生させる廃熱ボイラと、 を備えた廃棄物焼却システムであって、 前記焼却炉に供給される燃焼用空気のための配管Aと、前記焼却炉から排出される排ガスのための配管Bとが設けられており、 前記配管Aは、空気を前記空気予熱器の被加熱側のガス入口に導く配管A1と、空気を直接前記焼却炉に導く配管A2とに分岐しており、 前記空気予熱器の被加熱側のガス出口には前記空気予熱器から空気を排出する配管A3が設けられており、 前記配管Bは、排ガスを空気予熱器の加熱側のガス入口に導く配管B1と、排ガスを直接前記廃熱ボイラに導く配管B2とに分岐しており、 前記空気予熱器の加熱側のガス出口には空気予熱器から排ガスを排出する配管B3が設けられており、 前記配管A2と前記配管A3とは前記配管A2内の空気と前記配管A3内の空気とを混合して前記焼却炉に導く配管A4に接続されており、 前記配管B2と前記配管B3とは前記配管B2内の排ガスと前記配管B3内の排ガスとを混合して廃熱ボイラに導く配管B4に接続されており、 前記配管A1~A3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる空気の流量を制御する流量制御手段が設けられ、 前記配管B1~B3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段が設けられた、 廃棄物焼却システム。 (2)前記配管A1、前記配管A2、前記配管B1、及び前記配管B2にガス流量を制御する手段を設けた、上記(1)に記載の廃棄物焼却システム。 (3)前記配管A1又は前記配管A2、及び、前記配管B1又は前記配管B2にガス流量を制御する手段を設けた、上記(1)に記載の廃棄物焼却システム。 (4)前記焼却炉が流動床式焼却炉である、上記(1)~(3)のいずれか1項に記載の廃棄物焼却システム。 (5)前記廃棄物が下水汚泥、し尿汚泥又は産業排水汚泥である、上記(1)~(4)のいずれか1項に記載の廃棄物焼却システム。」 イ「【0016】 例えば、焼却炉1の炉内温度を約800℃に一定に保持しようとするとき、炉内温度が高くなると流量制御弁11を開く方向に制御すると共に、流量制御弁12を閉じる方向に制御することにより、空気予熱器2に供給される空気量を減少させて焼却炉1に供給される空気の温度を低下させる。 また、炉内温度が低くなると、流量制御弁11を閉じる方向に制御すると共に、流量制御弁12を開く方向に制御して、空気予熱器2への空気量を増加させて、焼却炉1に供給される空気の温度を上昇させる。」 ウ「【0024】 前記した方法においては、温度検出器17と温度指示制御器18とで空気予熱器2に流入する排ガスの流量を制御した。 図3に示したものは、温度指示制御器18で空気予熱器2に供給される空気量を制御する点は図2に示したものと同じであるが、空気予熱器2に供給される排ガスの流量を制御する方法が図2に示したものと異なる。 図3に示したものでは、焼却炉1に供給される配管A4内の空気の温度を温度検出器19で検出し、検出された温度情報を温度指示制御器20に送る。温度が設定値よりも高ければ、温度指示制御器20は空気予熱器2に流入する排ガス量を減少させるために流量制御弁14を閉じる方向に、また、流量制御弁13を開く方向に制御信号を出す。」 エ「【0029】 また、焼却炉1に投入される廃棄物は種々の性状のものが対象となり、特に含水率や可燃分率が大きく異なる場合があるが、本発明の廃棄物焼却システムは、この変動に対して焼却炉の温度調整を迅速に行うことができるので、幅広い性状の廃棄物を処理することができる。 本発明の廃棄物焼却システムを用いると、例えば、排ガス温度が850℃である場合、焼却炉1に供給する空気の温度を150℃~650℃の範囲とすることができるので、幅広い含水率を有する汚泥を安定して処理することができる。」 オ「【図1】 [図:0001419360000021.jpg] 」 カ「【図3】 [図:0001419360000022.jpg] 」 15 申立1甲15、申立2甲15 (1)申立1甲15及び申立2甲15の記載事項 申立1甲15及び申立2甲15には、「焼却炉の炉内温度制御装置」に関して、次の事項が記載されている。 ア「(発明が解決しようとする問題点) 流動ブロワによる風量調節ができない故に流動空気の温度制御ができない。このために炉内温度制御は、焼却物の制御、(炉内温度が高いときは投入量を減少させるか含水率を上げるため水を加える。低いときは、助燃燃料を多く供給する。)によらざるを得ない。 流量ブロワの空気量を変化させないで、流量空気の温度を変化させ、炉内温度の変動に対し制御することにより、投入焼却物の制御を行なう必要をなくす。」(第2ページ左上欄第6~16行) イ「〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) 本発明の一実施例を第1図に基き説明する。 流動空気温度を変えることのできる1次熱交換器8を通る廃ガス量を変えるために1次熱交換器にバイパス配管を設け、この1次熱交換器とバイパス配管の廃ガス量を調節するための1次熱交換器入口制御ダンパーとバイパス制御ダンパー19を設ける。この入口制御ダンパーとバイパス制御ダンパーのダンパー開度制御は、炉内砂層温度設定値に対する砂層温度T1の差に伴う、流動空気温度の設定値を演算し、この流動空気温度設定値になるよう廃ガス景の1次熱交換器とバイパス管への分配率を演算し、開度を制御する。」(第2ページ左上欄第17行~右上欄第10行) ウ「制御装置20により熱交換器8とバイパス17への廃ガス流量の分配を制御することにより流動ブロワによる流動空気への熱回収量を制御することができる。流動空気量はほぼ一定であるため流動空気温度の変化を行なうことが可能となる。流動空気温度設定は砂層温度の設定値に対する実温度との差より演算して決めるために炉内温度の一定制御が可能となる。 焼却炉に投入される、焼却対象物の変動(量、含水率、カロリー)に対して炉内温度の変動があっても、流動空気の温度を制御することにより、その変動に対して補正し制御することが可能となる。」(第2ページ右下欄第20行~第3ページ左上欄第12行) エ「 [図:0001419360000023.jpg] 」(第1図) 16 申立1甲16、申立2甲16 (1)申立1甲16及び申立2甲16の記載事項 申立1甲16及び申立2甲16には、「流動床焼却炉の運転制御装置」に関して、次の事項が記載されている。 ア「管12には、流動空気温度を検出するための空気予熱器出口温度検出器23が設置されている。この温度検出器23で検出された温度情報は、空気予熱器出口空気温度制御器24へ供給され、制御器24は管14に設けた廃熱ボイラ出口排ガスダンパ17の開閉を制御する。空気ダンパ13を開いていくと、空気予熱器3への流入空気量が減少して、結果的に空気予熱器3の出口の空気温度(すなわち流動空気温度)が高くなる。これを一定にするために、空気予熱器3へ導入される排ガス量を絞るようにする。そのために、圧力損失が相対的に少ない廃熱ボイラの出口側ダクト14に設けた廃熱ボイラ出口排ガスダンパ17を開く。逆に、空気ダンパ13を閉じていくことによつて、流動空気温度が低下する場合には、廃熱ボイラ出口排ガスダンパ17を閉じるようにして、空気予熱器3への排ガスの供給量を増加させる。この様にして空気予熱器3で予熱された流動空気の温度が略一定となるように制御する。」(第3ページ左上欄第2~20行) イ「上記のような制御を行うことにより、下水汚泥の性状が、例えば含水率で69~76%と大きく変動した場合でも、流動空気温度を241~650℃に制御することが可能である。このようにすれば、常に補助燃料を必要とせずに、自燃させて流動床炉1出口の排ガス温度を略800℃一定に維持することができ、かつ、処理物の処理量も減少させることなく、定常処理が維持できる。」(第3ページ右上欄第20行~左下欄第7行) ウ「 [図:0001419360000024.jpg] 」(第2図) 17 申立1甲17、申立2甲17 (1)申立1甲17及び申立2甲17の記載事項 申立1甲17及び申立2甲17には、「流動床焼却炉の制御方法」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0003】 ところで、下水汚泥は窒素成分に富んでいることからその燃焼排ガスには温暖化効果の高いN2Oを含むため、焼却炉から排出されるN2Oを極力少なくすることが望まれている。 特許文献1には、フリーボード部の温度が850℃程度となるように制御を行うことによって、N2Oなどの有害物質の少ない良好な排ガスを排出するようにした流動床式焼却炉が記載されている。」 イ「【0006】 この発明は、フリーボード部での燃焼率を大きくして焼却炉から排出されるN2Oを低減することができる流動床式焼却炉の制御方法、流動床式焼却炉およびプログラムを提供することを目的とする。」 ウ「【0021】 焼却炉本体1は、焼却炉本体1の下部に設けられた砂層部S(流動層)と砂層部Sより上方に設けられたフリーボード部Fと、を有している。流動床式焼却炉100は、汚泥Mを砂層部Sに投入する汚泥供給装置7を有している。 汚泥Mは、汚泥供給装置7から焼却炉本体1の内部の砂層部Sに投入される。汚泥供給装置7には、汚泥Mの投入量Qを測定する汚泥投入量センサ8bと、汚泥Mの含水率M(投入水分量)を測定する汚泥含水率センサ8aと、が設けられている。」 エ「【0036】 限界空気比計算工程S4は、限界空気比λを計算する工程である。限界空気比計算工程S4では、汚泥投入量Q(kg/h)、汚泥含水率M、限界空塔速度U(m/s)、限界一次空気量A(m3/s)、及び仮定値T(℃)を用いて限界空気比λを計算する。具体的には、限界空気比計算工程S4では、数式(2)を用いて限界空気比λを計算する。 【0037】 【数1】 [図:0001419360000025.jpg] 」 オ「【0048】 ここで、焼却炉における熱エネルギーの出入りを示す熱収支について説明する。図7は、焼却炉の熱収支を説明する図である。図7にローマ数字で記載した熱エネルギーは、以下の通りである。 I:入口汚泥顕熱 II:流動空気顕熱 III:漏込空気顕熱 IV:砂層内燃焼による発熱 V:蒸発潜熱 VI:放熱 VII:砂層出口ガス顕熱 【0049】 熱収支は、以下の数式(4)で表すことができる。 I+II+III+IV-V-VI = VII ・・・(4) また、各々の熱エネルギーは、以下の数式で表すことができる。 I = {Q(1-M)・CPS+Q・M・CPH2O}TSO II = A’・ρf・CPf・AT III = A’leak・ρf・CPf・ATleak IV = α・Q(1-M)・LHV V = Q・M・Heva VI = αloss(I+II+III+IV-V) VII = (Q+A’・ρf+A’leak・ρf)CPb・Ts」 カ「【0076】 一次空気温度ファジイ制御部F2は、炉出口6の排ガス温度及び砂層温度から、メンバーシップ関数によりそれぞれの集合における適合度を求め、表2に示すファジイルールにより、一次空気温度の制御量を演算する。」 キ「【0084】 以上のファジイ制御によって、一次空気量、一次空気温度、二次空気量を微調整されて、砂層温度が最低砂層温度目標値SVに近づくように制御される。」 ク「【図1】 [図:0001419360000026.jpg] 」 ケ「【図7】 [図:0001419360000027.jpg] 」 18 申立1甲18、申立2甲18 (1)申立1甲18及び申立2甲18の記載事項 申立1甲18及び申立2甲18には、「流動床焼却炉」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0007】下水汚泥の場合前記気泡流動層型焼却炉では、炉内での燃焼率は前記気泡流動層領域では略60~80%程度であるが、フリーボードでの燃焼によりその燃焼率は上昇して略100%近くに達する。従って、フリーボード56の受け持つ燃焼負荷は20~40%程度と高く、このためフリーボードでの温度は流動層領域における温度に比較し約150℃程高くなり特に燃焼エネルギーが変動し易い生ゴミや汚泥等の焼却の際に、フリーボード内の過熱を招来する問題点がある。 【0008】従って気泡流動層型焼却炉においては、省エネルギ及び低公害燃焼のため、前記排熱の有効利用の点から予熱空気の温度は略650℃のものを使用し、炉出口温度は未燃ガス(CO、ダイオキシン、シアン等)の対策上適正平均温度を略850℃としてある。そして、流動媒体により形成された砂層適正温度を700~750℃の均一温度に維持するためには焼却対象物の炉床水分負荷を250~280Kg/m2h未満にすることが必要条件であり、この為、下水汚泥のように高含水廃棄物を焼却する場合、炉床面積が必要以上に大きくなる。」 イ「【図3】 [図:0001419360000028.jpg] 」 19 申立1甲19、申立2甲19 (1)申立1甲19及び申立2甲19の記載事項 申立1甲19及び申立2甲19には、「流動床焼却炉のフリーボード温度制御方法」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、流動床焼却炉のフリーボード温度制御方法の改善に関し、より詳しくは効率良くフリーボード温度を制御して汚泥を焼却し、排ガス出口から排出される排ガス中のN2O,HCN,CO,NH3等の有害物質の発生量を少なくすることを可能ならしめるようにした流動床焼却炉のフリーボード温度制御方法の技術分野に属する。」 イ「【0029】因みに、図3(a)と、空気比1.4の総燃焼用空気を全て一次空気として風箱1aに供給した場合(一次空気/二次空気=1.4/0)を黒四角印と破線とで示し、空気比1.4の総燃焼用空気のうち1.0を一次空気として風箱1aに供給し、残りの0.4を二次空気としてフリーボード1cに供給した場合(一次空気/二次空気=1.0/0.4)を黒丸印と実線とで示した図3(b)とを参照しながら、砂層温度径10で測定した砂層温度と、フリーボード温度計12で測定したフリーボード温度と、排ガス出口温度計16で測定した排ガス出口温度との両者の相違をみてみる。即ち、図3(b)によれば、空気比1.4の総燃焼用空気を全て一次空気として風箱1aに供給した場合のフリーボード温度は820℃である。それに対して、空気比1.4の総燃焼用空気のうち1.0を一次空気として風箱1aに供給し、残りの0.4を二次空気としてフリーボード1cに供給した場合のフリーボード温度は850℃(30℃上昇)になっており、所定空気比の総燃焼用空気の一部を二次空気としてフリーボードに配分・供給することが、フリーボード温度の上昇に効果があることが判る。」 ウ「【図3】 [図:0001419360000029.jpg] 」 20 申立1甲20、申立2甲20 (1)申立1甲20及び申立2甲20の記載事項 申立1甲20及び申立2甲20には、「焼却処理設備」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0032】 第1熱交換器20で予熱された圧縮空気がタービン31に供給されることによってタービン31が回転駆動され、さらに駆動軸と連結されたコンプレッサ32が駆動されるようになる。タービン31から排出された500~600℃,0.05~0.15MPaの圧縮空気の一部は、流動用空気つまり燃焼用空気として流動床式焼却炉2に供給されて流動床が形成される。さらに、タービン装置30の出力軸に発電機Gが連結され、タービン31の回転動力によって発電可能に構成されている。 【0033】 バイオマス投入機構11によって炉内に投入された汚泥は、流動床で加熱されて燃焼し、その燃焼ガスが約850℃から900℃で燃焼して煙道に流出する。汚泥の燃焼時に地球温暖化ガスである亜酸化窒素が発生しないように、必要に応じて燃焼バーナ12に重油やガス等の化石燃料が供給され、炉内での燃焼温度が850℃以上に維持される。」 イ「【0036】 タービン31から排出され燃焼用空気として流動床式焼却炉2に供給される高温の圧縮空気の一部がエジェクタを構成する空気供給ポート40aに供給され、煙道の排ガスが真空ポート40bから吸引されてディフューザー40cに流出するようになるので、電力によって駆動される誘引送風機を備えなくても炉内が負圧に維持される。しかも、排煙処理塔17で40℃程度に低下した排ガスがディフューザー40cで高温の圧縮空気と混合して加熱されるので、排ガスの昇温及び湿度低下により、白防効果も併せて実現されるようになる。尚、高温の圧縮空気の一部を、分岐管を介して煙突18に導入してもよい。」 ウ「【0039】 流動床式焼却炉2の立上げ時には、発電機Gをモータとして動作させ、外部電力によって駆動されるモータでタービン31を回転させるとともに、燃焼バーナ12を点火し、炉が温まると被処理物を投入して焼却処理を開始し、モータとして動作させた発電機Gを停止し、その後発電機として動作させる。尚、発電機Gを備えていない場合には、タービン31に備えた燃焼器33に化石燃料を供給して生成した燃焼ガスで起動することも可能である。」 エ「【0041】 図2に示すように、流動床式焼却炉2に投入される被処理物を、タービン31から排出される高温の圧縮空気によって乾燥する乾燥機50を備えていることが好ましい。例えば、脱水汚泥等のように含水量がある程度多い被処理物を焼却する場合には、燃焼バーナ12に化石燃料を供給して加熱する必要があるが、乾燥機50に第1熱交換器20で加熱された高温の圧縮空気を供給して被処理物をある程度予備的に乾燥処理しておけば、化石燃料の消費量も低減させることができるようになり、自燃によって炉内温度を850℃以上に維持して亜酸化窒素の発生を抑制することができる。」 オ「【0043】 タービン31から排出された高温の圧縮空気を第2熱交換器22でさらに予熱することによって、被処理物が含水率の高い汚泥等であっても、燃焼バーナ12に化石燃料を供給して加熱することなく炉内の燃焼温度を十分な値に維持することができるようになり、化石燃料の消費量を低減させることができるようになる。尚、炉内に供給する圧縮空気の温度を調整すべく、第2熱交換器22をバイパスするバイパス管を設けて、第2熱交換器22で加熱された圧縮空気との混合量を調整可能に構成してもよい。」 カ「【図2】 [図:0001419360000030.jpg] 」 21 申立1甲21、申立2甲21 (1)申立1甲21及び申立2甲21の記載事項 申立1甲21及び申立2甲21には、「廃棄物処理設備」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0006】 ここで、上記従来の過給機を用いた廃棄物処理設備において消費電力およびコストを更に低減する方法として、タービンを回転させた後に焼却炉へと送られる空気の一部を熱源等として有効利用することが考えられる。即ち、従来の過給機を用いた廃棄物処理設備では、コンプレッサーが吸引する空気の量はタービンの回転数によって変動するため、焼却炉での廃棄物の焼却に必要な空気量以上の空気がコンプレッサーで吸引される場合がある。そして、コンプレッサーで吸引された空気は熱交換器での熱交換により加熱されているため、タービンを回転させた後でも十分な熱量を保有している。そこで、廃棄物の焼却に必要な空気量以上の空気がタービンへと供給された場合には、タービンを回転させた後の空気のうち過剰分の空気を他の装置(例えば、排ガス処理装置など)の熱源等として利用することにより、消費電力およびコストを更に低減することが考えられる。」 イ「【0021】 また、廃棄物処理設備100では、過給機20のコンプレッサー21の空気出口と熱交換器30の空気入口とが、圧縮空気ライン86を介して接続されており、熱交換器30の空気出口と過給機20のタービン22の空気入口とが、加熱空気ライン87を介して接続されている。更に、過給機20のタービン22の空気出口と焼却炉10とが、焼却炉10で廃棄物を焼却する際に使用する酸素含有気体を供給する燃焼用気体ラインとしての燃焼用空気ライン88を介して接続されている。また、燃焼用空気ライン88からは、気体利用ラインとしての空気利用ライン89が分岐しており、空気利用ライン89は、気体の有するエネルギーを利用する気体利用装置としてのスクラバー60の煙突部61まで延びている。 【0022】 そして、この廃棄物処理設備100では、過給機20が、回転軸23の回転を利用して発電可能な発電機24と、発電機24に設けられて回転軸23の回転数および発電機24での発電量を制御するインバーター25とを更に備えている。 即ち、廃棄物処理設備100の過給機20は、タービン22を回転させて得られた動力を利用して回転軸23を回転させることで、コンプレッサー21を駆動して空気を吸引すると共に、発電機24を駆動して発電することができるように構成されている。そして、過給機20のインバーター25は、回転軸23の回転数を調整する回転数調整機構として機能する。 【0023】 また、この廃棄物処理設備100では、必要に応じて補助燃料を燃焼させることにより熱交換器30から流出した空気を更に加熱する過熱器40が、加熱空気ライン87に設けられている。更に、ダンパーなどの流量調整弁89Aが、空気利用ライン89に設けられている。また、過給機20から焼却炉10に供給される空気の流量を測定する流量測定器としての流量センサ88Aが、燃焼用空気ライン88のうち、燃焼用空気ライン88から空気利用ライン89が分岐する位置と焼却炉10との間に設けられている。」 ウ「【図1】 [図:0001419360000031.jpg] 」 22 申立1甲22 (1)申立1甲22の記載事項 申立1甲22には、「廃棄物処理設備」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0021】 図1に示すように、この第1の実施形態による廃棄物処理設備1は、焼却炉11、ガスタービン12、過熱器13、熱交換器14、集塵機15、煙突16aが設けられたスクラバ16、および誘引ファン17を備える。ガスタービン12には、発電手段としてのジェネレータ12cが設けられている。」 イ「【0025】 また、過給手段としてのガスタービン12は、例えばマイクロガスタービンなどから構成され、コンプレッサー部12aとタービン部12bとを有する。このガスタービン12は、コンプレッサー部12aにより外部から吸引した空気等の気体を加圧し、空気供給ラインを介して熱交換器14に供給するとともに、熱交換器14から排出された空気が任意に過熱器13によって温度調整されてタービン部12bに戻されることで過給動作を行う。すなわち、熱交換器14において加熱された空気は、熱交換器14と過熱器13とを接続する加熱空気供給ラインを介して過熱器13に供給され、過熱器13は、必要に応じて供給補助燃料が供給されて空気を過熱し、この空気をガスタービン12のタービン部12bに過熱空気供給ラインを介して供給する。そして、少なくとも熱交換器14によって加熱された空気のエネルギーによってガスタービン12が駆動し、外部から空気を吸引して圧縮するとともに例えば回転力などの動力を出力する。具体的には、加熱された空気のエネルギーによってガスタービン12のタービン部12bを回転させると共にタービン部12bに接続されたコンプレッサー部12aを駆動して外部から空気を吸引して圧縮(加圧)し、更に、タービン部12bに接続されたジェネレータ12cに回転力などの動力を出力する。このようにして、ガスタービン12は、焼却炉11の廃熱を、熱交換器14を通じて駆動用の動力に変換している。なお、ジェネレータ12cは、このガスタービン12から出力された駆動用の動力を電力に変換して出力可能に構成されている。 因みに、廃棄物処理設備1の起動時におけるガスタービン12のタービン部12bへの空気の供給は、任意の手段を用いて行うことができる。具体的には、空気の供給は、図示しない起動用ブロアを用いて行ってもよい。また、空気の供給は、ガスタービン12に電力を供給し、インバーター制御などを利用しつつコンプレッサー12aを駆動させることにより行ってもよい。更に、空気の供給は、過熱器13に燃料を供給し、燃焼させることによって行なってもよい。」 ウ「【0028】 ここで、スクラバ16を通過した焼却排ガスは、飽和濃度の水蒸気を含む。そのため、焼却排ガスを煙突16aからそのままの状態で大気中に放出すると水蒸気の凝結による白煙が生じる。そこで、この第1の実施形態においては、ガスタービン12から、加熱された空気を煙突16aに供給する。すなわち、この第1の実施形態においては、タービン部12bと焼却炉11とを接続する燃焼空気供給ラインから分岐して延びる白煙防止ラインを介して、ガスタービン12から、焼却炉11に供給された燃焼空気以外の空気の残部を煙突16aに直接的に供給する。これにより、煙突16aから排気される焼却排ガスにおける白煙を防止する。すなわち、ガスタービン12から煙突16aに供給される加熱された空気を、白煙防止用空気として用いる。」 エ「【図1】 [図:0001419360000032.jpg] 」 23 申立1甲23 (1)申立1甲23の記載事項 申立1甲23には、「廃棄物処理設備」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0035】 この実施形態においても、一次燃焼部20には過給機40によって一次酸素含有ガス(空気等)が供給され、二次燃焼部30には、一次ガス供給流路60から独立した二次ガス供給部70によって一次酸素含有ガスよりも低圧の二次酸素含有ガス(空気等)が供給される。よって、図4に示されるような、過給機40のタービン42から排出された一次酸素含有ガスの一部が減圧弁V等によって減圧されて二次燃焼部30に供給される場合とは異なり、一次酸素含有ガスが予熱器50で受けたエネルギーの損失が回避される。」 イ「【図4】 [図:0001419360000033.jpg] 」 24 申立1甲24 (1)申立1甲24の記載事項 申立1甲24には、「N2O削減技術」に関して、次の事項が記載されている。 ア「(2)B社気泡式流動炉 設計には下記の項目を考慮する。 1)燃焼空気の分配 2)二次空気,三次空気の吹き込み位置 3)燃焼空気温度」(第70ページ第5~9行) イ「(3)C社気泡式流動炉 設計には下記の項目を考慮する。 1)空気比は,1.3~1.5程度とする。 2)一次空気の空気比は1.1~1.2,二次空気は空気比から一次空気の空気比を差し引いた空気比とする。 3)燃焼温度は880℃程度,炉出口の温度は850℃とする。 4)その他については,従来の気泡式流動炉に準じる。」(第71ページ第1~7行) ウ「(4)C社循環式流動炉 設計には下記の項目を考慮する。 1)空気比は,1.3~1.5程度とする。 2)一次空気の空気比は0.8~1.0程度,二次空気の空気比は0.3~0.5程度とする。 3)燃焼温度について,熱分解ゾーンは750~800℃,完全燃焼ゾーンは900℃程度とする。 4)熱分解ゾーンについては,従来の流動式流動炉に準じる。 5)完全燃焼ゾーンは,空塔速度,滞留時間について完全燃焼を充分達成できるように決定する。」(第72ページ第1~8行) 25 申立2甲3 (1)申立2甲3の記載事項 申立2甲3には、「廃棄物処理設備」に関して、次の事項が記載されている。 ア「【0013】 以下、図面を参照して、本発明に係る汚泥処理設備および方法の一実施形態について説明する。 図1は、本発明に係る廃棄物処理方法を用いる廃棄物処理設備1のブロック図である。この図において、符号2は気泡流動床炉(燃焼炉)、3は第1予熱器(熱交換器)、4は第1過給機(ターボチャージャー)、5は第2予熱器(熱交換器)、6は第2過給機(ターボチャージャー)、7は排ガス湿式処理装置、8は誘引ファン、9は排煙筒、10,11は始動用空気供給装置である。」 イ「【0017】 第1予熱器3は、気泡流動床炉2の後段に設けられており、気泡流動床炉2によって生成された排ガスX4と圧縮空気X3とを間接的に熱交換することによって、圧縮空気X3を所定の温度まで加温するものである。 【0018】 第1過給機4は第1予熱器3に連結されている。第1過給機4は、第1予熱器3を流通する排ガスX4との間接的な熱交換により加熱された圧縮空気X3’によって回転駆動されるタービン4b及び当該タービン4bの回転動力を伝達されることによって外気より圧縮空気X3を生成して第1予熱器3内に送気するコンプレッサ4aから構成されている。すなわち、第1過給機4の動力源となった圧縮空気X3’が燃焼用圧縮空気として気泡流動床炉2に供給される。ここで、本発明者らは、第1過給機4で圧縮した圧縮空気X3を第1予熱器3で予熱して得られる圧縮空気X3’によりタービン4bを回転させ、さらにこの動力源となった圧縮空気X3’を燃焼用空気として気泡流動床炉2に供給するサイクルが十分に成り立つことを知見している。なお、始動方法の一例としては、ブロワや圧縮機などの始動用空気供給装置10から燃焼用空気を供給し、バーナーの着火、炉の昇温を行う。その過程で、過給機のコンプレッサ空気と燃焼空気との流路をバルブ等で切り換える。」 ウ「【図1】 [図:0001419360000034.jpg] 」 (2)上記(1)から認められること ア 【図1】の図示事項から、気泡流動床炉2へ圧縮空気X3及び圧縮空気X3’を供給する流路があること、当該流路に第1過給機4が接続されることが看て取れる。 イ 段落【0018】には、圧縮空気X3’が燃焼用空気であることが記載されている。また、同段落には、圧縮空気X3’が圧縮空気X3を第1予熱器3で予熱して得られるものであることも記載されている。 そうすると、圧縮空気X3及び圧縮空気X3’が燃焼用空気であることがいえる。 (3)申立2甲3記載の技術的事項 上記(1)及び(2)から、申立2甲3には、次の技術的事項(以下、「申立2甲3記載の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [申立2甲3記載の技術的事項] 「廃棄物処理設備1において、 燃焼用空気である圧縮空気X3及び圧縮空気X3’が供給される流路に接続された第1過給機4であって、外気より圧縮空気X3を生成して第1予熱器3内に送気するコンプレッサ4aと、第1予熱器3で予熱して得られる圧縮空気X3’により回転するタービン4bであって、タービン4bの回転駆動によりコンプレッサ4aが外気より圧縮空気X3を生成して第1予熱器3内に送気するタービン4bと、を含む第1過給機4を備えること。」 第5 当審の判断 1 申立1理由1(進歩性)について (1)申立1甲1を主引例とした場合 ア 本件特許発明1について (ア)対比 a 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 (a)甲1発明の「ごみ」は、本件特許発明1の「廃棄物」に相当し、甲1発明の「ごみ焼却炉(20)」は、本件特許発明1の「焼却炉」に相当する。 (b)甲1発明の「燃焼用空気として圧縮空気を送る」ものは、本件特許発明1の「燃焼用空気を導くための」ものに相当する。ここで、甲1発明の「圧縮空気」は、「燃焼用空気として」送られるものであるため、本件特許発明1の「燃焼用空気」に相当する。また、甲1発明の「通気路(31)」及び「送気路(34)」は、本件特許発明1の「空気導入経路」に相当する。 (c)甲1発明の「通気路(31)を通る」ことは、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する」ことに相当する。また、甲1発明の「ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガス」は、本件特許発明1の「前記焼却炉から排出された排ガス」に相当する。 そうすると、甲1発明の「通気路(31)を通る圧縮空気を、ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガスにより加熱する第1熱交換器(32)」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器」に相当する。 (d)甲1発明の「通気路(31)に接続され」ることは、本件特許発明1の「前記空気導入経路に配置され」ることに相当する。 甲1発明の「圧縮機(27)」は、本件特許発明1の「コンプレッサ」に相当する。ここで、圧縮機は、流体を圧縮すること、圧縮した流体を流体回路の下流側へ吐出することが技術常識であることを踏まえると、甲1発明の「圧縮機(27)」が「第1熱交換器(32)よりも通気路(31)上流側に配置され」ることは、本件特許発明1の「コンプレッサ」が「前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出する」ことに相当するといえるといえる。 甲1発明の「タービン(26)」は、本件特許発明1の「タービン」に相当する。ここで、タービンは、タービンに導入された流体によって回転するものであることが技術常識であることを踏まえると、甲1発明の「タービン(26)」に「圧縮空気が入る」ことは、本件特許発明1の「タービン」が「前記燃焼用空気によって回転する」に相当するといえる。 甲1発明の「圧縮機(27)」及び「タービン(26)」は、本件特許発明1の「過給機」にも相当する。 そうすると、甲1発明の「通気路(31)に接続され、第1熱交換器(32)よりも通気路(31)上流側に配置された圧縮機(27)と、第1熱交換器(32)で加熱された圧縮空気が入ることにより圧縮機(27)を駆動させるタービン(26)」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機」に相当する。 (e)甲1発明の「第2熱交換器(33)」は、本件特許発明1の「冷却装置」に相当する。ここで、甲1発明の「第2熱交換器(33)」が「タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(34)の一部を含」むことは、その配置関係から、本件特許発明1の「冷却装置」が「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され」ることに相当する。 甲1発明の「タービン(26)の排気を470℃程度から約300℃に」することは、本件特許発明1の「前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する」ことに相当する。 そうすると、甲1発明の「タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(34)の一部を含み、タービン(26)の排気を470℃程度から約300℃に」する「第2熱交換器(33)」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」に相当する。 (f)甲1発明の「ごみ焼却プラント」は、本件特許発明1の「廃棄物処理設備」に相当する。 b 上記aから、本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機と、 前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備える、廃棄物処理設備。」 <相違点1-1> 本件特許発明1では、「前記焼却炉は、流動床式の焼却炉」であるのに対して、甲1発明では、かかる特定がされていない点。 <相違点1-2> 本件特許発明1では、「冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路」を備えているのに対して、甲1発明では、かかる構成を備えていない点。 <相違点1-3> 本件特許発明1では、「前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部」と、「前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部」と、「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御する制御部」とを備え、「前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」のに対して、甲1発明では、かかる構成を備えていない点。 (イ)判断 事案に鑑み、上記相違点1-2について検討する。 廃棄物処理設備において、空気予熱器と焼却炉の間に配置された冷却装置を迂回するように、前記空気導入経路に接続されたバイパス経路を設けることは、申立1甲3記載の技術的事項、甲4発明、甲6発明及び甲7発明に例示されているように、周知技術といえる。 しかしながら、甲1発明における第2熱交換器(33)は、水路(35)を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱するものであって、仮に上記周知技術を適用してバイパス経路を付加すると、バイパス経路の流量によっては、水路(35)を流れる水が加熱されないのであるから、加熱された温水の温度が不安定になり、甲1発明の第2熱交換器(33)が元来備えている「30℃の水を80℃の温水に加熱する」という機能が失われてしまう。そうすると、甲1発明に上記周知技術を適用することについて、阻害要因があるといえる。 そして、本件特許発明1は、「炉内温度が焼却炉の耐熱温度を超えないために必要な燃焼用空気の温度が、過給機の自立運転を維持するために必要な燃焼用空気の温度より低い場合であっても、タービンから流出した後の燃焼用空気の温度を下げることにより対応可能となる。」(段落【0008】)という、格別顕著な効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、当業者であっても、甲1発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 イ 本件特許発明2について (ア)対比 a 本件特許発明2と甲1発明とを対比する。 (a)甲1発明の「ごみ」は、本件特許発明2の「廃棄物」に相当し、甲1発明の「ごみ焼却炉(20)」は、本件特許発明2の「焼却炉」に相当する。 (b)甲1発明の「燃焼用空気として圧縮空気を送る」ものは、本件特許発明2の「燃焼用空気を導くための」ものに相当する。ここで、甲1発明の「圧縮空気」は、「燃焼用空気として」送られるものであるため、本件特許発明2の「燃焼用空気」に相当する。また、甲1発明の「通気路(31)」及び「送気路(34)」は、本件特許発明2の「空気導入経路」に相当する。 (c)甲1発明の「通気路(31)を通る」ことは、本件特許発明2の「前記空気導入経路を流通する」ことに相当する。また、甲1発明の「ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガス」は、本件特許発明2の「前記焼却炉から排出された排ガス」に相当する。 そうすると、甲1発明の「通気路(31)を通る圧縮空気を、ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガスにより加熱する第1熱交換器(32)」は、本件特許発明2の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器」に相当する。 (d)甲1発明の「通気路(31)に接続され」ることは、本件特許発明2の「前記空気導入経路に配置され」ることに相当する。 甲1発明の「圧縮機(27)」は、本件特許発明2の「コンプレッサ」に相当する。ここで、圧縮機は、流体を圧縮すること、圧縮した流体を流体回路の下流側へ吐出することが技術常識であることを踏まえると、甲1発明の「圧縮機(27)」が「第1熱交換器(32)よりも通気路(31)上流側に配置され」ることは、本件特許発明2の「コンプレッサ」が「前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出する」ことに相当するといえるといえる。 甲1発明の「タービン(26)」は、本件特許発明2の「タービン」に相当する。ここで、タービンは、タービンに導入された流体によって回転するものであることが技術常識であることを踏まえると、甲1発明の「タービン(26)」に「圧縮空気が入る」ことは、本件特許発明2の「タービン」が「前記燃焼用空気によって回転する」に相当するといえる。 甲1発明の「圧縮機(27)」及び「タービン(26)」は、本件特許発明2の「過給機」にも相当する。 そうすると、甲1発明の「通気路(31)に接続され、第1熱交換器(32)よりも通気路(31)上流側に配置された圧縮機(27)と、第1熱交換器(32)で加熱された圧縮空気が入ることにより圧縮機(27)を駆動させるタービン(26)」は、本件特許発明2の「前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機」に相当する。 (e)甲1発明の「第2熱交換器(33)」は、本件特許発明2の「冷却装置」に相当する。ここで、甲1発明の「第2熱交換器(33)」が「タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(34)の一部を含」むことは、その配置関係から、本件特許発明2の「冷却装置」が「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され」ることに相当する。 甲1発明の「タービン(26)の排気を470℃程度から約300℃に」することは、本件特許発明2の「前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する」ことに相当する。 そうすると、甲1発明の「タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(34)の一部を含み、タービン(26)の排気を470℃程度から約300℃に」する「第2熱交換器(33)」は、本件特許発明2の「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」に相当する。 (f)甲1発明の「ごみ焼却プラント」は、本件特許発明2の「廃棄物処理設備」に相当する。 b 上記aから、本件特許発明2と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機と、 前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備える、廃棄物処理設備。」 <相違点1-4> 本件特許発明2では、「前記焼却炉は、流動床式の焼却炉」であるのに対して、甲1発明では、かかる特定がされていない点。 <相違点1-5> 本件特許発明2では、「前記冷却装置へ供給される熱媒体の流入量を調整する熱媒体流入量調整部」を備えているのに対して、甲1発明では、かかる構成を備えていない点。 <相違点1-6> 本件特許発明2では、「前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部」と、「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御する制御部」とを備え、「前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」のに対して、甲1発明では、かかる構成を備えていない点。 (イ)判断 事案に鑑み、上記相違点1-5について検討する。 廃棄物処理設備において、空気予熱器と焼却炉の間に配置された冷却装置に供給される熱媒体の流入量を調整し、それにより炉内温度を調整することは、甲8記載の技術的事項及び甲10発明に例示されているように、周知技術といえる。 しかしながら、甲1発明における第2熱交換器(33)は、水路(35)を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱するものであって、仮に上記周知技術を適用して、熱媒体の流入量を調整する機能を付加して、これにより炉内温度を調整させるようにすると、炉内温度に応じて水路(35)を流れる水の量が変化することで、加熱された温水の温度や供給量が不安定になり、甲1発明の第2熱交換器(33)が元来備えている「30℃の水を80℃の温水に加熱する」という機能が失われてしまう。そうすると、甲1発明に上記周知技術を適用することについて、阻害要因があるといえる。 そして、本件特許発明2は、「炉内温度が焼却炉の耐熱温度を超えないために必要な燃焼用空気の温度が、過給機の自立運転を維持するために必要な燃焼用空気の温度より低い場合であっても、タービンから流出した後の燃焼用空気の温度を下げることにより対応可能となる。」(段落【0008】)という、格別顕著な効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明2は、当業者であっても、甲1発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 ウ 小括 上記ア及びイで説示したように、本件特許発明1及び2は、当業者であっても、甲1発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 また、本件特許発明1又は2を直接的又は間接的に引用する本件特許発明3~7、11~12についても、同様のことがいえる。 したがって、本件特許発明1~7、11~12は、甲1発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)申立1甲2を主引例とした場合 ア 本件特許発明1について (ア)対比 a 本件特許発明1と甲2発明とを対比する。 (a)甲2発明の「ごみ」は、本件特許発明1の「廃棄物」に相当し、甲2発明の「ごみ焼却炉(20)」は、本件特許発明1の「焼却炉」に相当する。 (b)甲2発明の「燃焼用空気として圧縮空気を送る」ものは、本件特許発明1の「燃焼用空気を導くための」ものに相当する。ここで、甲2発明の「圧縮空気」は、「燃焼用空気として」送られるものであるため、本件特許発明1の「燃焼用空気」に相当する。また、甲2発明の「通気路(29)」及び「送気路(32)」は、本件特許発明1の「空気導入経路」に相当する。 (c)甲2発明の「通気路(29)を通る」ことは、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する」ことに相当する。また、甲2発明の「ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガス」は、本件特許発明1の「前記焼却炉から排出された排ガス」に相当する。 そうすると、甲2発明の「通気路(29)を通る圧縮空気を、ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガスにより加熱する第1熱交換器(30)」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器」に相当する。 (d)甲2発明の「通気路(29)に接続され」ることは、本件特許発明1の「前記空気導入経路に配置され」ることに相当する。 甲2発明の「圧縮機(27)」は、本件特許発明1の「コンプレッサ」に相当する。ここで、圧縮機は、流体を圧縮すること、圧縮した流体を流体回路の下流側へ吐出することが技術常識であることを踏まえると、甲2発明の「圧縮機(27)」が「第1熱交換器(30)よりも通気路(29)上流側に配置され」ることは、本件特許発明1の「コンプレッサ」が「前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出する」ことに相当する。 甲2発明の「タービン(26)」は、本件特許発明1の「タービン」に相当する。ここで、タービンは、タービンに導入された流体によって回転するものであることが技術常識であることを踏まえると、甲2発明の「タービン(26)」に「圧縮空気が入る」ことは、本件特許発明1の「タービン」が「前記燃焼用空気によって回転する」に相当する。 甲2発明の「圧縮機(27)」及び「タービン(26)」は、本件特許発明1の「過給機」にも相当する。 そうすると、甲2発明の「通気路(29)に接続され、第1熱交換器(30)よりも通気路(29)上流側に配置された圧縮機(27)と、第1熱交換器(30)で加熱された圧縮空気が入ることにより圧縮機(27)を駆動させるタービン(26)」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機」に相当する。 (e)甲2発明の「第2熱交換器(31)」は、本件特許発明1の「冷却装置」に相当する。ここで、甲2発明の「第2熱交換器(31)」が「タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(32)の一部を含」むことは、その配置関係から、本件特許発明1の「冷却装置」が「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され」ることに相当する。 甲2発明の「タービン(26)の排気を330℃程度から約250℃に」することは、本件特許発明1の「前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する」ことに相当する。 そうすると、甲2発明の「タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(32)の一部を含み、タービン(26)の排気を330℃程度から約250℃に」する「第2熱交換器(31)」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」に相当する。 (f)甲2発明の「ごみ焼却プラント」は、本件特許発明1の「廃棄物処理設備」に相当する。 b 上記aから、本件特許発明1と甲2発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機と、 前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備える、廃棄物処理設備。」 <相違点2-1> 本件特許発明1では、「前記焼却炉は、流動床式の焼却炉」であるのに対して、甲2発明では、かかる特定がされていない点。 <相違点2-2> 本件特許発明1では、「冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路」を備えているのに対して、甲2発明では、かかる構成を備えていない点。 <相違点2-3> 本件特許発明1では、「前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部」と、「前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部」と、「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御する制御部」とを備え、「前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」のに対して、甲2発明では、かかる構成を備えていない点。 (イ)判断 事案に鑑み、上記相違点2-2について検討する。 廃棄物処理設備において、空気予熱器と焼却炉の間に配置された冷却装置を迂回するように、前記空気導入経路に接続されたバイパス経路を設けることは、申立1甲3記載の技術的事項、甲4発明、甲6発明及び甲7発明に例示されているように、周知技術といえる。 しかしながら、甲2発明における第2熱交換器(31)は、水路(33)を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱するものであって、仮に上記周知技術を適用してバイパス経路を付加すると、バイパス経路の流量によっては、水路(33)を流れる水が加熱されないのであるから、加熱された温水の温度が不安定になり、甲2発明の第2熱交換器(31)が元来備えている「30℃の水を80℃の温水に加熱する」という機能が失われてしまう。そうすると、甲2発明に上記周知技術を適用することについて、阻害要因があるといえる。 そして、本件特許発明1は、「炉内温度が焼却炉の耐熱温度を超えないために必要な燃焼用空気の温度が、過給機の自立運転を維持するために必要な燃焼用空気の温度より低い場合であっても、タービンから流出した後の燃焼用空気の温度を下げることにより対応可能となる。」(段落【0008】)という、格別顕著な効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、当業者であっても、甲2発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 イ 本件特許発明2について (ア)対比 a 本件特許発明2と甲2発明とを対比する。 (a)甲2発明の「ごみ」は、本件特許発明2の「廃棄物」に相当し、甲2発明の「ごみ焼却炉(20)」は、本件特許発明2の「焼却炉」に相当する。 (b)甲2発明の「燃焼用空気として圧縮空気を送る」ものは、本件特許発明2の「燃焼用空気を導くための」ものに相当する。ここで、甲2発明の「圧縮空気」は、「燃焼用空気として」送られるものであるため、本件特許発明2の「燃焼用空気」に相当する。また、甲2発明の「通気路(29)」及び「送気路(32)」は、本件特許発明2の「空気導入経路」に相当する。 (c)甲2発明の「通気路(29)を通る」ことは、本件特許発明2の「前記空気導入経路を流通する」ことに相当する。また、甲2発明の「ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガス」は、本件特許発明2の「前記焼却炉から排出された排ガス」に相当する。 そうすると、甲2発明の「通気路(29)を通る圧縮空気を、ごみ焼却炉(20)からの排ガス路(25)の排ガスにより加熱する第1熱交換器(30)」は、本件特許発明2の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器」に相当する。 (d)甲2発明の「通気路(29)に接続され」ることは、本件特許発明2の「前記空気導入経路に配置され」ることに相当する。 甲2発明の「圧縮機(27)」は、本件特許発明2の「コンプレッサ」に相当する。ここで、圧縮機は、流体を圧縮すること、圧縮した流体を流体回路の下流側へ吐出することが技術常識であることを踏まえると、甲2発明の「圧縮機(27)」が「第1熱交換器(30)よりも通気路(29)上流側に配置され」ることは、本件特許発明2の「コンプレッサ」が「前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出する」ことに相当する。 甲2発明の「タービン(26)」は、本件特許発明2の「タービン」に相当する。ここで、タービンは、タービンに導入された流体によって回転するものであることが技術常識であることを踏まえると、甲2発明の「タービン(26)」に「圧縮空気が入る」ことは、本件特許発明2の「タービン」が「前記燃焼用空気によって回転する」に相当する。 甲2発明の「圧縮機(27)」及び「タービン(26)」は、本件特許発明2の「過給機」にも相当する。 そうすると、甲2発明の「通気路(29)に接続され、第1熱交換器(30)よりも通気路(29)上流側に配置された圧縮機(27)と、第1熱交換器(30)で加熱された圧縮空気が入ることにより圧縮機(27)を駆動させるタービン(26)」は、本件特許発明2の「前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機」に相当する。 (e)甲2発明の「第2熱交換器(31)」は、本件特許発明2の「冷却装置」に相当する。ここで、甲2発明の「第2熱交換器(31)」が「タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(32)の一部を含」むことは、その配置関係から、本件特許発明2の「冷却装置」が「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され」ることに相当する。 甲2発明の「タービン(26)の排気を330℃程度から約250℃に」することは、本件特許発明2の「前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する」ことに相当する。 そうすると、甲2発明の「タービン(26)の出口からごみ焼却炉(20)に至る燃焼用空気の送気路(32)の一部を含み、タービン(26)の排気を330℃程度から約250℃に」する「第2熱交換器(31)」は、本件特許発明2の「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」に相当する。 (f)甲2発明の「ごみ焼却プラント」は、本件特許発明2の「廃棄物処理設備」に相当する。 b 上記aから、本件特許発明2と甲2発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機と、 前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備える、廃棄物処理設備。」 <相違点2-4> 本件特許発明2では、「前記焼却炉は、流動床式の焼却炉」であるのに対して、甲2発明では、かかる特定がされていない点。 <相違点2-5> 本件特許発明2では、「前記冷却装置へ供給される熱媒体の流入量を調整する熱媒体流入量調整部」を備えているのに対して、甲2発明では、かかる構成を備えていない点。 <相違点2-6> 本件特許発明2では、「前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部」と、「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御する制御部」とを備え、「前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」のに対して、甲2発明では、かかる構成を備えていない点。 (イ)判断 事案に鑑み、上記相違点2-5について検討する。 廃棄物処理設備において、空気予熱器と焼却炉の間に配置された冷却装置に供給される熱媒体の流入量を調整し、それにより炉内温度を調整することは、甲8記載の技術的事項及び甲10発明に例示されているように、周知技術といえる。 しかしながら、甲2発明における第2熱交換器(31)は、水路(33)を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱するものであって、仮に上記周知技術を適用して、熱媒体の流入量を調整する機能を付加して、これにより炉内温度を調整させるようにすると、炉内温度に応じて水路(33)を流れる水の量が変化することで、加熱された温水の温度や供給量が不安定になり、甲2発明の第2熱交換器(31)が元来備えている「30℃の水を80℃の温水に加熱する」という機能が失われてしまう。そうすると、甲2発明に上記周知技術を適用することについて、阻害要因があるといえる。 そして、本件特許発明2は、「炉内温度が焼却炉の耐熱温度を超えないために必要な燃焼用空気の温度が、過給機の自立運転を維持するために必要な燃焼用空気の温度より低い場合であっても、タービンから流出した後の燃焼用空気の温度を下げることにより対応可能となる。」(段落【0008】)という、格別顕著な効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明2は、当業者であっても、甲2発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 ウ 小括 上記ア及びイで説示したように、本件特許発明1及び2は、当業者であっても、甲2発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 また、本件特許発明1又は2を直接的又は間接的に引用する本件特許発明3~7、11~12についても、同様のことがいえる。 したがって、本件特許発明1~7、11~12は、甲2発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 申立2理由1(進歩性)について (1)申立2甲4を主引例とした場合 ア 本件特許発明1について (ア)対比 a 本件特許発明1と甲4発明とを対比する。 (a)甲4発明の「汚泥」は、本件特許発明1の「廃棄物」に相当し、甲4発明の「流動床焼却炉1」は、本件特許発明1の「焼却炉」に相当する。 (b)甲4発明の「燃焼用空気A」は、本件特許発明1の「燃焼用空気」に相当し、甲4発明の「燃焼用空気Aを流す流路」は、本件特許発明1の「燃焼用空気を導くための空気導入経路」に相当する。 (c)甲4発明の「燃焼用空気Aを流す流路を流れる燃焼用空気A」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気」に相当し、甲4発明の「流動床焼却炉1からの排ガス」は、本件特許発明1の「前記焼却炉から排出された排ガス」に相当し、甲4発明の「空気予熱器2」は、本件特許発明1の「空気予熱器」に相当する。 また、甲4発明の「燃焼用空気Aを流す流路を流れる燃焼用空気Aと、流動床焼却炉1からの排ガスとの熱交換を行う」ことについて、流動床焼却炉1に入る前の「燃焼用空気Aを流す流路を流れる燃焼用空気A」の温度よりも、流動床焼却炉1を出た後の「流動床焼却炉1からの排ガス」の温度が高くなることは、流動床焼却炉1で加熱が行われることから技術的に明らかであり、両者が「熱交換を行う」ことによって、「燃焼用空気Aを流す流路を流れる燃焼用空気A」が、温度が高い「流動床焼却炉1からの排ガス」によって加熱されることも、技術的に明らかである。そうすると、甲4発明の「燃焼用空気Aを流す流路を流れる燃焼用空気Aと、流動床焼却炉1からの排ガスとの熱交換を行う」ことは、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する」ことに相当する。 したがって、甲4発明の「燃焼用空気Aを流す流路を流れる燃焼用空気Aと、流動床焼却炉1からの排ガスとの熱交換を行う空気予熱器2」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器」に相当する。 (d)甲4発明の「廃熱回収装置3」は、「燃焼用空気Aを流す流路」の途中に設けられていることから、燃焼用空気Aの廃熱回収、つまり燃焼用空気Aの冷却を行っていることがいえるため、本件特許発明1の「前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」に相当する。 そうすると、甲4発明の「燃焼用空気Aを流す流路のうち空気予熱器2から流動床焼却炉1への流路の途中に配置される、廃熱回収装置3」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」と、「前記空気導入経路」に「配置され」、「前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」である限りにおいて一致する。 (e)甲4発明の「流動床焼却炉1」は、本件特許発明1の「前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であ」ることに相当する。 (f)甲4発明の「廃熱回収装置3を迂回する流路」は、本件特許発明1の「前記冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路」に相当する。 (g)甲4発明の「フリーボード温度である炉内温度T1の測定手段」は、本件特許発明1の「前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部」に相当する。 (h)甲4発明の「廃熱回収装置3を迂回する流路に設けられたダンパD1と、廃熱回収装置3の下流側の流路でかつ廃熱回収装置3を迂回する流路との合流位置よりも上流側に設けられたダンパD2」は、上記第4の4(1)ウの第2図に図示される配置から、廃熱回収装置3を迂回する流路への燃焼用空気A(図面では「流動空気A」と表記。)の流入量と、廃熱回収装置3への燃焼用空気A(図面では「流動空気A」と表記。)の流入量との比率を調整する機能を備えているといえる。 そうすると、甲4発明の「廃熱回収装置3を迂回する流路に設けられたダンパD1と、廃熱回収装置3の下流側の流路でかつ廃熱回収装置3を迂回する流路との合流位置よりも上流側に設けられたダンパD2」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部」に相当する。 (i)甲4発明の「炉内温度T1」は、本件特許発明1の「前記フリーボード温度検知部による検知温度」に相当し、甲4発明の「制御部」は、本件特許発明1の「制御部」に相当する。 そうすると、甲4発明の「炉内温度T1に応じて流動用空気温度T2を制御する制御部」は、本件特許発明1の「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御する制御部」と、「前記フリーボード温度検知部による検知温度」に応じて「制御する制御部」である限りにおいて一致する。 (j)甲4発明の「下水汚泥焼却炉」は、本件特許発明1の「廃棄物処理設備」に相当する。 b 上記aから、本件特許発明1と甲4発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置され、前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備え、 前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であり、 前記冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路と、 前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部と、 前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部と、 前記フリーボード温度検知部による検知温度に応じて制御する制御部とをさらに備える、廃棄物処理設備。」 <相違点4-1> 本件特許発明1では、「前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機」を備え、冷却装置が「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する」のに対して、甲4発明の「燃焼用空気Aを流す流路のうち空気予熱器2から流動床焼却炉1への流路の途中に配置される、廃熱回収装置3」では、「過給機」についての構成を備えていない点。 <相違点4-2> 「制御部」の「制御」について、本件特許発明1では、「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御」し、「前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」のに対して、甲4発明の「炉内温度T1に応じて流動用空気温度T2を制御する制御部」では、かかる制御についての特定がされておらず、「目標温度」の特定もされていない点。 (イ)判断 a 相違点4-1について 事案に鑑み、上記相違点4-1について検討する。 (a)甲4発明への周知技術の適用について 廃棄物処理設備において、焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路に、燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された燃焼用空気を空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、空気予熱器で加熱された燃焼用空気によって回転することによりコンプレッサを駆動させるタービンと、を含む過給機を設けることは、甲1発明、甲2発明及び申立2甲3記載の技術的事項に例示されているように、周知技術といえる。 しかしながら、甲4発明に上記周知技術を適用するにあたり、甲4発明の構成上、どの部分に過給機を設けるかを特定することができず、相違点4-1に係る配置とすることは、当業者が容易に想到できるとはいえない。 (b)甲4発明への甲1発明又は甲2発明の適用について 甲1発明及び甲2発明のタービンとごみ焼却炉の間に備えられた第2熱交換器は、いずれも水路を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱するものでもある。一方、甲4発明は、廃熱回収装置3を迂回する流路が設けられており、これを設けたまま甲1発明又は甲2発明を適用すると、甲1発明又は甲2発明の第2熱交換器の水路を流れる水は80℃の温水に加熱されなくなることは明らかであり、水の加熱が阻害されることになるから、当業者といえども甲4発明に甲1発明又は甲2発明を適用することは想起し得ない。 b 効果について そして、本件特許発明1は、「過給機の自立運転を維持しつつ焼却炉内の過昇温を抑制することが可能」という、格別顕著な効果を奏する。 c まとめ 上記aから、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、当業者であっても、甲4発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 イ 小括 上記アで説示したように、本件特許発明1は、当業者であっても、甲4発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 また、本件特許発明1を直接的又は間接的に引用する本件特許発明3、57、11についても、同様のことがいえる。 したがって、本件特許発明1、3、5、7、11は、甲4発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)申立2甲6を主引例とした場合 ア 本件特許発明1について (ア)対比 a 本件特許発明1と甲6発明とを対比する。 (a)甲6発明の「下水汚泥」は、本件特許発明1の「廃棄物」に相当し、甲6発明の「流動焼却炉」は、本件特許発明1の「焼却炉」に相当する。 (b)甲6発明の「流動空気」は、本件特許発明1の「燃焼用空気」に相当し、甲6発明の「流動空気を導く予熱空気ダクト」は、本件特許発明1の「燃焼用空気を導くための空気導入経路」に相当する。 (c)甲6発明の「予熱空気ダクトの流動空気」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気」に相当し、甲6発明の「流動焼却炉からの排ガス」は、本件特許発明1の「前記焼却炉から排出された排ガス」に相当し、甲6発明の「流動空気予熱器」は、本件特許発明1の「空気予熱器」に相当する。 また、甲6発明の「予熱空気ダクトの流動空気と、流動焼却炉からの排ガスとの熱交換を行う」ことについて、流動焼却炉に入る前の「予熱空気ダクトの流動空気」の温度よりも、流動焼却炉を出た後の「流動焼却炉からの排ガス」の温度が高くなることは、流動焼却炉で加熱が行われることから技術的に明らかであり、両者が「熱交換を行う」ことによって、「予熱空気ダクトの流動空気」が、温度が高い「流動焼却炉からの排ガス」によって加熱されることも、技術的に明らかである。そうすると、甲6発明の「予熱空気ダクトの流動空気と、流動焼却炉からの排ガスとの熱交換を行う」ことは、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する」ことに相当する。 したがって、甲6発明の「予熱空気ダクトの流動空気と、流動焼却炉からの排ガスとの熱交換を行う流動空気予熱器」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器」に相当する。 (d)甲6発明の「流動空気冷却器」は、本件特許発明1の「冷却装置」に相当する。 そうすると、甲6発明の「予熱空気ダクトのうち流動焼却炉の上流側に配置され、流動空気を冷却する流動空気冷却器」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」と、「前記空気導入経路」に「配置され」、「前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」である限りにおいて一致する。 (e)甲6発明の「流動焼却炉」は、本件特許発明1の「前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であ」ることに相当する。 (f)甲6発明の「バイパスダンパを備えた流路」は、本件特許発明1の「バイパス経路」に相当する。 (g)甲6発明の「フリーボードの温度を計測する手段」は、本件特許発明1の「フリーボード温度検知部」に相当する。 (h)甲6発明の「流動空気冷却器に接続される予熱空気ダクトに設けられたメインダンパと、バイパスダンパ」は、上記第4の6(1)オの図2-17及び同コの図4-5に図示される配置から、予熱空気ダクトからバイパスダンパを備えた流路への流動空気の流入量と、予熱空気ダクトから流動空気冷却器(図2-17及び図4-5では、「空気予熱器冷却器」と表記。)への流動空気の流入量との比率を調整する機能を備えているといえる。 そうすると、甲6発明の「流動空気冷却器に接続される予熱空気ダクトに設けられたメインダンパと、バイパスダンパ」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部」に相当する。 (i)甲6発明の「FB温度」は、本件特許発明1の「前記フリーボード温度検知部による検知温度」に相当し、甲6発明の「制御部」は、本件特許発明1の「制御部」に相当する。 そうすると、甲6発明の「FB温度が860℃にて、メインダンパ及びバイパスダンパを制御する制御部」は、本件特許発明1の「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御する制御部」と、「前記フリーボード温度検知部による検知温度」に応じて「前記空気流入量調整部を制御する制御部」である限りにおいて一致する。 (j)甲6発明の「下水汚泥自燃焼却システム」は、本件特許発明1の「廃棄物処理設備」に相当する。 b 上記aから、本件特許発明1と甲6発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置され、前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備え、 前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であり、 前記冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路と、 前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部と、 前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部と、 前記フリーボード温度検知部による検知温度に応じて前記空気流入量調整部を制御する制御部とをさらに備える、廃棄物処理設備。」 <相違点6-1> 本件特許発明1では、「前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機」を備え、冷却装置が「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する」のに対して、甲6発明の「予熱空気ダクトのうち流動焼却炉の上流側に配置され、流動空気を冷却する流動空気冷却器」では、「過給機」についての構成を備えていない点。 <相違点6-2> 「空気流入量調整部」の「制御」について、本件特許発明1では、「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御する制御部とをさらに備え、前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」のに対して、甲6発明の「FB温度が860℃にて、メインダンパ及びバイパスダンパを制御する制御部」では、「目標温度」の特定がされていない点。 (イ)判断 a 相違点6-1について 事案に鑑み、上記相違点6-1について検討する。 (a)甲6発明への周知技術の適用について 廃棄物処理設備において、焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路に、燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された燃焼用空気を空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、空気予熱器で加熱された燃焼用空気によって回転することによりコンプレッサを駆動させるタービンと、を含む過給機を設けることは、甲1発明、甲2発明及び申立2甲3記載の技術的事項に例示されているように、周知技術といえる。 しかしながら、甲6発明に上記周知技術を適用するにあたり、甲6発明の構成上、どの部分に過給機を設けるかを特定することができず、相違点6-1に係る配置とすることは、当業者が容易に想到できるとはいえない。 (b)甲6発明への甲1発明又は甲2発明の適用について 甲1発明及び甲2発明のタービンとごみ焼却炉の間に備えられた第2熱交換器は、いずれも水路を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱するものでもある。一方、甲6発明は、流動空気冷却器を迂回する流路が設けられており、これを設けたまま甲1発明又は甲2発明を適用すると、甲1発明又は甲2発明の第2熱交換器の水路を流れる水は80℃の温水に加熱されなくなることは明らかであり、水の加熱が阻害されることになるから、当業者といえども甲6発明に甲1発明又は甲2発明を適用することは想起し得ない。 b 効果について そして、本件特許発明1は、「過給機の自立運転を維持しつつ焼却炉内の過昇温を抑制することが可能」という、格別顕著な効果を奏する。 c まとめ 上記aから、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、当業者であっても、甲6発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 イ 小括 上記アで説示したように、本件特許発明1は、当業者であっても、甲6発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 また、本件特許発明1を直接的又は間接的に引用する本件特許発明3、57、11についても、同様のことがいえる。 したがって、本件特許発明1、3、5、7、11は、甲6発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)申立2甲7を主引例とした場合 ア 本件特許発明1について (ア)対比 a 本件特許発明1と甲7発明とを対比する。 (a)甲7発明の「汚泥」は、本件特許発明1の「廃棄物」に相当し、甲7発明の「汚泥焼却炉」は、本件特許発明1の「焼却炉」に相当する。 (b)甲7発明の「燃焼用空気」は、本件特許発明1の「燃焼用空気」に相当し、甲7発明の「燃焼用空気を流す燃焼用空気の流路」は、本件特許発明1の「燃焼用空気を導くための空気導入経路」に相当する。 (c)甲7発明の「燃焼用空気の流路を流れる燃焼用空気」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気」に相当する。また、甲7発明の「汚泥焼却炉からの燃焼排ガスにより冷風から熱風にする」ことは、冷風から温風になる際に「加熱」されているのは明らかであるから、本件特許発明1の「前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する」ことに相当する。さらに、甲7発明の「空気予熱器」は、本件特許発明1の「空気予熱器」に相当する。 そうすると、甲7発明の「燃焼用空気の流路を流れる燃焼用空気を、汚泥焼却炉からの燃焼排ガスにより冷風から熱風にする空気予熱器」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器」に相当する。 (d)甲7発明の「空気予熱器から流出した温風の燃焼用空気と、抽熱ブロワから流れる冷風とが熱交換する」ことについて、「燃焼用空気」が「冷風」との熱交換によって冷却されることは明らかであるから、本件特許発明1の「前記燃焼用空気を冷却する」ことに相当する。また、甲7発明の「熱交換器」は、本件特許発明1の「冷却装置」に相当する。 そうすると、甲7発明の「燃焼用空気の流路のうち空気予熱器から汚泥焼却炉への流路の途中に配置され、空気予熱器から流出した温風の燃焼用空気と、抽熱ブロワから流れる冷風とが熱交換する熱交換器」は、本件特許発明1の「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」と、「前記空気導入経路」に「配置され」、「前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」である限りにおいて一致する。 (e)甲7発明の「流動焼却炉」は、本件特許発明1の「流動床式の焼却炉」に相当する。 (f)甲7発明の「熱交換器を迂回する流路」は、本件特許発明1の「前記冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路」に相当する。 (g)甲7発明の「フリーボード中部温度及びフリーボード下部温度の測定手段」は、本件特許発明1の「フリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部」に相当する。 (h)甲7発明の「汚泥焼却施設」は、本件特許発明1の「廃棄物処理設備」に相当する。 b 上記aから、本件特許発明1と甲7発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置され、前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備え、 前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であり、 前記冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路と、 前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部とをさらに備える、廃棄物処理設備。」 <相違点7-1> 本件特許発明1では、「前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機」を備え、冷却装置が「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する」のに対して、甲7発明の「燃焼用空気の流路のうち空気予熱器から汚泥焼却炉への流路の途中に配置され、空気予熱器から流出した温風の燃焼用空気と、抽熱ブロワから流れる冷風とが熱交換する熱交換器」では、「過給機」についての構成を備えていない点。 <相違点7-2> 本件特許発明1では、「前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部と、前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御する制御部とをさらに備え、前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」のに対して、甲7発明では、かかる構成を備えていない点。 (イ)判断 a 相違点7-1について 事案に鑑み、上記相違点7-1について検討する。 (a)甲7発明への周知技術の適用について 廃棄物処理設備において、焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路に、燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された燃焼用空気を空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、空気予熱器で加熱された燃焼用空気によって回転することによりコンプレッサを駆動させるタービンと、を含む過給機を設けることは、甲1発明、甲2発明及び申立2甲3記載の技術的事項に例示されているように、周知技術といえる。 しかしながら、甲7発明に上記周知技術を適用するにあたり、甲7発明の構成上、どの部分に過給機を設けるかを特定することができず、相違点7-1に係る配置とすることは、当業者が容易に想到できるとはいえない。 (b)甲7発明への甲1発明又は甲2発明の適用について 甲1発明及び甲2発明のタービンとごみ焼却炉の間に備えられた第2熱交換器は、いずれも水路を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱するものでもある。一方、甲7発明は、熱交換器を迂回する流路が設けられており、これを設けたまま甲1発明又は甲2発明を適用すると、甲1発明又は甲2発明の第2熱交換器の水路を流れる水は80℃の温水に加熱されなくなることは明らかであり、水の加熱が阻害されることになるから、当業者といえども甲7発明に甲1発明又は甲2発明を適用することは想起し得ない。 b 効果について そして、本件特許発明1は、「過給機の自立運転を維持しつつ焼却炉内の過昇温を抑制することが可能」という、格別顕著な効果を奏する。 c まとめ 上記aから、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、当業者であっても、甲7発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 イ 小括 上記アで説示したように、本件特許発明1は、当業者であっても、甲7発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 また、本件特許発明1を直接的又は間接的に引用する本件特許発明3、57、11についても、同様のことがいえる。 したがって、本件特許発明1、3、5、7、11は、甲7発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)申立2甲10を主引例とした場合 ア 本件特許発明2について (ア)対比 a 本件特許発明2と甲10発明とを対比する。 (a)甲10発明の「下水汚泥55」は、本件特許発明2の「廃棄物」に相当し、甲10発明の「焼却炉51」は、本件特許発明2の「焼却炉」に相当する。 (b)甲10発明の「燃焼用空気58」は、本件特許発明2の「燃焼用空気」に相当する。ここで、甲10発明の「燃焼用空気58を供給する燃焼用空気ダクト53」は、その内部で「燃焼用空気58」を導くものといえるから、本件特許発明2の「燃焼用空気を導くための空気導入経路」に相当する。 (c)甲10発明の「燃焼用空気ダクト53を経て供給される」ことは、本件特許発明2の「前記空気導入経路を流通する」ことに相当し、甲10発明の「排ガス57」は、本件特許発明2の「排ガス」に相当し、甲10発明の「予備加熱する」ことは、本件特許発明2の「加熱する」ことに相当し、甲10発明の「空気予熱器52」は、本件特許発明2の「空気予熱器」に相当する。 (d)甲10発明の「冷却器54」は、本件特許発明2の「冷却装置」に相当する。 そうすると、甲10発明の「焼却炉51及び空気予熱器52の間の燃焼用空気ダクト53の途中に設けられ、燃焼用空気58を冷却する空気冷却器54」は、本件特許発明2の「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」と、「前記空気導入経路」に「配置され」、「前記燃焼用空気を冷却する冷却装置」である限りにおいて一致する。 (e)甲10発明の「流動炉」は、本件特許発明2の「流動床式の焼却炉」に相当する。 (f)甲10発明の「冷却媒体67の供給を制御する」ことは、本件特許発明2の「熱媒体の流入量を調整する」ことに相当し、甲10発明の「第2の開閉弁65」は、本件特許発明2の「熱媒体流入量調整部」に相当する。 (g)甲10発明の「焼却炉51の炉内上部の温度」は、本件特許発明2の「前記焼却炉内のフリーボードの温度」に相当し、甲10発明の「検出する」ことは、本件特許発明2の「検知する」ことに相当し、甲10発明の「コントローラ62」は、本件特許発明2の「フリーボード温度検知部」に相当する。 (h)甲10発明の「検出した炉内上部の温度」は、本件特許発明2の「検知温度」に相当し、甲10発明の「第2の開閉弁65を開く」ことは、本件特許発明2の「前記熱媒体流入量調整部を制御する」ことに相当し、甲10発明の「コントローラ62」は、本件特許発明2の「制御部」にも相当する。 そうすると、甲10発明の「コントローラ62による検出した炉内上部の温度が約850℃を超えた場合に、第2の開閉弁65を開くコントローラ62」は、本件特許発明2の「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御する制御部」と、「前記フリーボード温度検知部による検知温度」に応じて「前記熱媒体流入量調整部を制御する制御部」である限りにおいて一致する。 (i)甲10発明の「下水汚泥焼却プラント」は、本件特許発明2の「廃棄物処理設備」に相当する。 b 上記aから、本件特許発明2と甲10発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「廃棄物を焼却する焼却炉と、 前記焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路と、 前記空気導入経路を流通する前記燃焼用空気を、前記焼却炉から排出された排ガスにより加熱する空気予熱器と、 前記空気導入経路に配置され、前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備え、 前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であり、 前記冷却装置へ供給される熱媒体の流入量を調整する熱媒体流入量調整部と、 前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部と、 前記フリーボード温度検知部による検知温度に応じて前記熱媒体流入量調整部を制御する制御部とをさらに備える、廃棄物処理設備。」 <相違点10-1> 本件特許発明2では、「前記空気導入経路に配置された過給機であって、前記燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された前記燃焼用空気を前記空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、前記空気予熱器で加熱された前記燃焼用空気によって回転することにより前記コンプレッサを駆動させるタービンと、を含む前記過給機」を備え、冷却装置が「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する」のに対して、甲10発明の「焼却炉51及び空気予熱器52の間の燃焼用空気ダクト53の途中に設けられ、燃焼用空気58を冷却する空気冷却器54」では、「過給機」についての構成を備えていない点。 <相違点10-2> 「熱媒体流入量調整部」の「制御」について、本件特許発明2では「前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御する制御部と、をさらに備え、前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」のに対して、甲10発明では、「目標温度」の特定がされていない点。 (イ)判断 a 相違点10-1について 事案に鑑み、上記相違点10-1について検討する。 (a)甲10発明への周知技術の適用について 廃棄物処理設備において、焼却炉へ燃焼用空気を導くための空気導入経路に、燃焼用空気を圧縮すると共に圧縮された燃焼用空気を空気予熱器側へ吐出するコンプレッサと、空気予熱器で加熱された燃焼用空気によって回転することによりコンプレッサを駆動させるタービンと、を含む過給機を設けることは、甲1発明、甲2発明及び申立2甲3記載の技術的事項に例示されているように、周知技術といえる。 しかしながら、甲10発明に上記周知技術を適用するとしても、甲10発明のどの部分に過給機を設けるか箇所の特定ができない。そうすると、相違点10-1に係る本件特許発明2の配置とすることは、当業者が容易に想到できるとはいえない。 (b)甲10発明への甲1発明又は甲2発明の適用について 甲10発明は、空気冷却器54へ供給される冷却媒体67の供給を制御する第2の開閉弁65が設けられており、炉内上部の温度が約850℃を超えた場合に、第2の開閉弁65を開くものである。一方、甲1発明及び甲2発明のタービンとごみ焼却炉の間に備えられた第2熱交換器は、いずれも水路を流れる30℃の水を80℃の温水に加熱するものでもある。そうすると、甲10発明の空気冷却器54と、甲1発明又は甲2発明の第2熱交換器とは、全体的な機能は異なるから、甲10発明に甲1発明及び甲2発明を適用することに阻害要因があるといわざるを得ない。 b 効果について そして、相違点10-1に係る本件特許発明2の発明特定事項により、本件特許発明2は「過給機の自立運転を維持しつつ焼却炉内の過昇温を抑制することが可能」という、格別顕著な効果を奏する。 c まとめ 上記aから、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明2は、当業者であっても、甲10発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 ウ 小括 上記ア及びイで説示したように、本件特許発明2は、当業者であっても、甲10発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 また、本件特許発明2を直接的又は間接的に引用する本件特許発明4、6、7、12についても、同様のことがいえる。 したがって、本件特許発明2、4、6~7、12は、甲10発明、他の甲号証に記載された技術的事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 申立1理由2及び申立2理由2(実施可能要件)並びに申立1理由3及び申立2理由3(サポート要件)について (1)申立1理由2及び申立2理由2(実施可能要件) 申立1理由2と申立2理由2とは、いずれも同内容の主張に基づく申立理由であるため、以下では両者をまとめて判断する。 ア 特許法第36条第4項第1号の実施可能要件について 特許法第36条第4項第1号は、特許による技術の独占が発明の詳細な説明をもって当該技術を公開したことへの代償として付与されるという仕組みを踏まえ、発明の詳細な説明の記載につき、実施可能要件を定める。このような同号の趣旨に鑑みると、明細書の発明の詳細な説明の記載が実施可能要件を充足するためには、当該発明の詳細な説明の記載及び出願当時の技術常識に基づいて、当業者が過度の試行錯誤を要することなく、特許を受けようとする発明の実施をすることができる程度の記載があることを要するものと解される。 以下、この規範に沿って検討する。 イ 当審の判断 (ア)本件特許発明1の「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御」する構成、本件特許発明2の「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御」する構成について a はじめに、本件特許発明1における「フリーボード温度検知部による検知温度」の制御を「前記空気流入量調整部を制御」することで行うこと、本件特許発明2における「フリーボード温度検知部による検知温度」の制御を「前記熱媒体流入量調整部を制御」することについて、本件明細書の発明の詳細な説明は、当業者であれば、本件発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるといえるか否かについて検討する。 本件特許明細書の段落【0067】には、「フリーボード温度検知部11による検知温度に基づいて、空気流入量調整部90のダンパ開度又は熱媒体流入量調整部84のバルブ開度を制御してもよい。」と記載されており、ここでの「空気流入量調整部90のダンパ開度」の制御方法については、同段落【0045】に「受付部101は、フリーボード温度検知部11、流動層温度検知部12及び炉入口温度検知部13の各々から検知信号を受信する。判定部102は、受付部101に入力された検知データと目標温度とを比較し、その大小関係を判定する。開度制御部103は、判定部102による判定結果に基づいて、冷却入口ダンパ91及び冷却出口ダンパ92のうちいずれか一方のダンパ及びバイパスダンパ93の各開度を制御する。」と記載されており、「熱媒体流入量調整部84のバルブ開度」の制御方法については、同段落【0060】に「制御部100は、フリーボード温度検知部11による検知温度が目標温度に近づくように、熱媒体流入量調整部84を制御する(図6,7)。」と記載されている。 そうすると、本件特許明細書の段落【0045】及び【0067】の記載は、本件特許発明1における「フリーボード温度検知部による検知温度」の制御を「前記空気流入量調整部を制御」することで行うことに係る事項であり、本件特許明細書の段落【0060】及び【0067】の記載は、本件特許発明2における「フリーボード温度検知部による検知温度」の制御を「前記熱媒体流入量調整部を制御」することで行うことに係る事項であるといえる。 したがって、本件特許発明1における「フリーボード温度検知部による検知温度」の制御を「前記空気流入量調整部を制御」することで行うこと、本件特許発明2における「フリーボード温度検知部による検知温度」の制御を「前記熱媒体流入量調整部を制御」することで行うことについて、本件明細書の発明の詳細な説明は、当業者であれば、本件発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである。 b 次に、本件特許発明1及び2における「フリーボード温度検知部による検知温度」の「目標温度」の設定について、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者であれば、本件発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるといえるか否かについて検討する。 本件特許明細書の段落【0048】には、「フリーボード温度検知部11の目標温度は、本実施形態では、一例として850~880℃に設定され」ることが記載されている。 ここで、「フリーボード温度検知部11の目標温度」の設定方法について、上記の一例以外、本件特許明細書の発明の詳細な説明には記載がないものの、焼却炉や空気予熱器の耐熱温度、過給機が自立運転可能となる温度は、使用する焼却炉、空気予熱器及び過給機に応じて異なることは技術常識であり、当該技術常識に照らせば、「フリーボード温度検知部11の目標温度」は、当業者であれば、使用する焼却炉、空気予熱器及び過給機に応じて実験的に求められるものである。 そうすると、「フリーボード温度検知部11の目標温度」、すなわち本件特許発明1及び2における「フリーボード温度検知部による検知温度」の「目標温度」の設定は、当業者であれば、過度の試行錯誤を要することなく実施できるものであるといえる。 c 以上により、本件特許発明1の「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御」する構成、本件特許発明2の「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御」する構成について、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるといえる。 (イ)本件特許発明3及び4の「前記炉入口温度検知部の目標温度は、前記フリーボード温度検知部の目標温度と前記廃棄物の性状とに基づいて算出される温度」であるという構成について a 本件特許明細書の段落【0047】には、「まず、炉入口温度検知部13の目標温度を設定する(ステップS10)。具体的には、フリーボード温度検知部11の目標温度と、焼却炉10内へ投入される廃棄物の性状(例えば、下水汚泥の含水率等)とに基づいて、フリーボード温度検知部11による検知温度を目標温度にするために必要な炉入口温度検知部13の目標温度を熱収支計算により算出し、設定する。」と記載されている。 ここで、本件特許明細書では、「炉入口温度検知部13の目標温度」の算出で考慮するものとして、「フリーボード温度検知部11の目標温度と、焼却炉10内へ投入される廃棄物の性状」としての「下水汚泥の含水率」以外のものは記載されていない。 しかしながら、「前記炉入口温度検知部の目標温度」を算出する際に「廃棄物の投入量」を考慮することは、焼却炉の技術分野において技術常識に過ぎない。 そして、「前記炉入口温度検知部の目標温度」の算出を、「廃棄物の投入量」を入力して行う際に、どのような関数を用いるかは、当業者が実験的に決定する事項に過ぎない。 そうすると、「炉入口温度検知部13の目標温度」の算出にあたり、「廃棄物の投入量」のような、「フリーボード温度検知部11の目標温度と、焼却炉10内へ投入される廃棄物の性状」としての「下水汚泥の含水率」以外のものも考慮に入れて、本件特許発明3及び4における「フリーボード温度検知部による検知温度」の「目標温度」を、「前記フリーボード温度検知部の目標温度と前記廃棄物の性状とに基づいて算出」することは、当業者であれば、過度の試行錯誤を要することなく実施できるものであるといえる。 b 以上により、本件特許発明3及び4の「前記炉入口温度検知部の目標温度は、前記フリーボード温度検知部の目標温度と前記廃棄物の性状とに基づいて算出」されることについて、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるといえる。 (2)申立1理由3及び申立2理由3(サポート要件) 申立1理由3と申立2理由3とは、いずれも同内容の主張に基づく申立理由であるため、以下では両者をまとめて判断する。 ア 特許法第36条第6項第1号のサポート要件について 特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断するものと解するのが相当である。 以下、この規範に沿って検討する。 イ 当審の判断 (ア)本件特許発明1及び2について a 本件特許発明1の発明特定事項 本件特許発明1には、以下の発明特定事項が記載されている。 「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備え、 前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であり、 前記冷却装置を迂回するように前記空気導入経路に接続されたバイパス経路と、 前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部と、 前記空気導入経路から前記バイパス経路への前記燃焼用空気の流入量と、前記空気導入経路から前記冷却装置への前記燃焼用空気の流入量との比率を調整する空気流入量調整部と、 前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御する制御部とをさらに備え、 前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」 b 本件特許発明2の発明特定事項 本件特許発明2には、以下の発明特定事項が記載されている。 「前記空気導入経路のうち前記タービンと前記焼却炉との間に配置され、前記タービンから流出した前記燃焼用空気を冷却する冷却装置と、を備え、 前記焼却炉は、流動床式の焼却炉であり、 前記冷却装置へ供給される熱媒体の流入量を調整する熱媒体流入量調整部と、 前記焼却炉内のフリーボードの温度を検知するフリーボード温度検知部と、 前記フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御する制御部と、をさらに備え、 前記目標温度は、前記焼却炉内の温度又は前記空気予熱器の温度がその耐熱温度以下になり且つ前記過給機が自立運転可能になるような温度である」 c 発明の詳細な説明における発明の課題 発明の詳細な説明において発明が解決しようとする課題は、本件特許明細書の段落【0006】に記載された、「過給機の自立運転を維持しつつ焼却炉内の過昇温を抑制することが可能な廃棄物処理設備を提供すること」であると認められる。 d 発明の詳細な説明おいて当業者が「発明の課題」を解決できると認識できる範囲 本件特許明細書の段落【0053】には、「空気予熱器30で加熱された高温(500~700℃程度)の燃焼用空気A1をタービン52へ流入させると共に、タービン52から流出した後に冷却装置80により冷却された燃焼用空気A1を焼却炉10内へ導くことができる。これにより、焼却炉10内の温度が当該焼却炉10や当該焼却炉10の後段に位置する熱交換器(空気予熱器30)の耐熱温度を超えないために必要な燃焼用空気A1の温度が、過給機50の自立運転を維持するために必要な燃焼用空気A1の温度より低い場合であっても、タービン52から流出した後の燃焼用空気A1の温度を下げることにより対応可能となる。したがって、本実施形態に係る廃棄物処理設備1によれば、過給機50の自立運転を維持しつつ、焼却炉10内の過昇温を抑制することが可能になる。」ことが記載されている。 そうすると、発明の詳細な説明においては、「タービン52」と「焼却炉10」の間に「冷却装置80」を配置して、「焼却炉10内の温度が当該焼却炉10や当該焼却炉10の後段に位置する熱交換器(空気予熱器30)の耐熱温度を超えない」ように、かつ「過給機50の自立運転を維持するために必要な燃焼用空気A1の温度より低」くならないようにすれば、上記課題を解決することができるものと当業者が認識し得る程度に記載されているということができる。 e 特許請求の範囲との比較 上記aにおける本件特許発明1の発明特定事項、上記bにおける本件特許発明2の発明特定事項は、いずれも上記dで示した「『タービン52』と『焼却炉10』の間に『冷却装置80』を配置して、『焼却炉10内の温度が当該焼却炉10や当該焼却炉10の後段に位置する熱交換器(空気予熱器30)の耐熱温度を超えない』ように、かつ『過給機50の自立運転を維持するために必要な燃焼用空気A1の温度より低』くならない」ようにすることが特定されている。 したがって、本件特許発明1及び2は、発明の詳細な説明に記載したものであるといえる。 (3)特許異議申立人の主張について ア 特許異議申立人の主張の概要 申立人は、申立1の特許異議申立書の第109~111ページ、申立2の特許異議申立書の第177~182ページにおいて、大略以下の主張をしている。 (ア)主張1 本件特許発明1において、「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記空気流入量調整部を制御」しており、本件特許発明2において、「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、前記熱媒体流入量調整部を制御」している。しかしながら、本件特許発明1又は2におけるフリーボードの温度制御に必須となる制御指標(パラメータ)について何ら特定されておらず、いかなる制御をすれば本件特許発明1又は2の上記制御ができるか不明である。 すなわち、本件特許発明1及び2の上記構成は、特許出願人が解決しようとする発明の課題の提示に過ぎず、特許法第36条第4項第1号(実施可能要件違反)及び特許法第36条第6項第1号(サポート要件違反)の拒絶理由を有する。 (イ)主張2 本件特許発明1又は2は、空気流入量調整部90を制御する際に、炉入口温度検知部13による検知温度が目標温度に近づくように空気流入量調整部90を制御しており、この結果として、フリーボード温度検知部11による検知温度が目標温度に近づくに過ぎず(本件特許明細書の段落【0046】)、制御指標は、炉入口温度検知部13による検知温度であり、「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、空気流入量調整部を制御する」ものではない。仮に、同段落【0047】の記載を根拠に上記構成要件がサポートされていると考えても、フリーボード温度検知部11の目標温度については、一例として850~880℃との記載があるだけで、耐熱温度や自立運転に対応させて目標を設定するような記載はない(同段落【0048】)。 そのため、上記構成要件における「目標温度」は、「フリーボード温度検知部11の目標温度と、下水汚泥の含水率とに基づいて設定される炉入口温度検知部13の目標温度」を指していると解するのが妥当であり、フリーボード温度検知部11の目標温度と上記構成要件とは対応していない。 したがって、本件特許発明1及び2は、特許法第36条第6項第1号(サポート要件違反)の拒絶理由を有する。 (ウ)主張3 以下の理由から、本件特許発明3及び4は、特許法第36条第4項第1号(実施可能要件違反)の拒絶理由を有する。 a 主張3-1 本件特許発明3及び4の「前記炉入口温度検知部の目標温度は、前記フリーボード温度検知部の目標温度と前記廃棄物の性状とに基づいて算出される温度」との発明特定事項について、「前記炉入口温度検知部の目標温度」の算出には、「廃棄物の性状」だけではなく、甲6、甲7及び甲17に例示されるように、廃棄物の投入量も必須である。しかしながら、本件特許発明の明細書には、廃棄物の投入量を入力とする算出について何ら開示も示唆もされておらず、当業者であっても、本件特許発明の明細書の開示内容からだけでは、「前記炉入口温度検知部の目標温度」を算出することはできない。 b 主張3-2 本件特許明細書の段落【0015】には、本件特許発明3及び4の効果として、「この構成によれば、炉の入口温度を空気流入量調整部又は熱媒体流入量調整部の制御指標にすることにより、フリーボードの温度を制御指標にする場合に比べて、温度制御の安定性を向上させることができる。」点が記載されているが、その理由については記載されておらず、当業者であっても、本件特許発明の明細書の開示内容からだけでは、「フリーボードの温度を制御指標にする場合に比べて、温度制御の安定性を向上させることができる」という効果を得ることはできない。 イ 特許異議申立人の主張に対する当審の見解 (ア)主張1に対して 本件特許明細書の段落【0048】には、「フリーボード温度検知部11の目標温度は、本実施形態では、一例として850~880℃に設定され」ることが記載されている。したがって、「フリーボードの温度制御に必須となる制御指標(パラメータ)」は、特定されているといえるため、申立人の主張は当を得ない。 (イ)主張2に対して a 本件特許明細書の段落【0005】には、「従来の過給式の廃棄物処理設備では、過給機の自立運転を維持しつつ焼却炉内の過昇温を抑制するのが困難という課題があった。」と記載されており、同段落【0006】には、「本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、過給機の自立運転を維持しつつ焼却炉内の過昇温を抑制することが可能な廃棄物処理設備を提供することである。」と記載されている。 b 焼却炉や空気予熱器の耐熱温度、過給機が自立運転可能となる温度は、使用する焼却炉、空気予熱器及び過給機に応じて異なることは、技術常識である。そして、申立人が主張するような、本件特許明細書に「フリーボード温度検知部11の目標温度については、一例として850~880℃との記載があるだけで、耐熱温度や自立運転に対応させて目標を設定するような記載」がない場合であっても、「フリーボード温度検知部11の目標温度」は、上記技術常識に照らせば、当業者であれば、使用する焼却炉、空気予熱器及び過給機に応じて実験的に求められるものである。 ここで、上記aにおける課題の解決を前提とすると、「フリーボード温度検知部11の目標温度」は、耐熱温度や自立運転に対応させて設定されたものと理解できる。 c したがって、「フリーボード温度検知部11の目標温度」は、本件特許発明1及び2における構成要件「フリーボード温度検知部による検知温度が目標温度に近づくように、」における「目標温度」に対応しているといえるため、申立人の主張は当を得ない。 (ウ)主張3に対して a 主張3-1に対して 本件特許発明の明細書に、「廃棄物の投入量」についての明記がされていないとしても、「前記炉入口温度検知部の目標温度」を算出する際に「廃棄物の投入量」を考慮することは、申立人が自ら証拠として示しているように、申立1甲6、申立2甲6、申立1甲7、申立2甲7、申立1甲17、申立2甲17等に例示されているように、焼却炉の技術分野において技術常識に過ぎない。 そして、「前記炉入口温度検知部の目標温度」を、「廃棄物の投入量」から算出することは、当業者であれば、過度な試行錯誤を要することなく実施できることである。 したがって、当業者であれば、本件特許明細書の発明の詳細な説明及び技術常識に基づいて、「前記炉入口温度検知部の目標温度」を算出することができるため、申立人の主張は当を得ない。 b 主張3-2に対して 本件特許明細書の段落【0004】には、「炉内温度は、炉内へ投入される廃棄物の性状(例えば、下水汚泥の含水率)や補助燃料の投入量あるいは炉内へ供給される燃焼用空気の温度に依存して変動する。」との記載があり、同段落【0047】には、「まず、炉入口温度検知部13の目標温度を設定する(ステップS10)。具体的には、フリーボード温度検知部11の目標温度と、焼却炉10内へ投入される廃棄物の性状(例えば、下水汚泥の含水率等)とに基づいて、フリーボード温度検知部11による検知温度を目標温度にするために必要な炉入口温度検知部13の目標温度を熱収支計算により算出し、設定する。」との記載がある。 これらの記載から、「フリーボードの温度」を制御指標にする場合は、焼却炉内へ投入又は供給される物の影響を受けることがいえる。一方、「炉の入口温度」を制御指標とする場合は、焼却炉の炉内よりも上流側で温度を検知するため、このような炉内へ投入又は供給される物の影響を受けず、より安定した温度制御が可能であることは、当業者であれば理解できる。 したがって、当業者であれば、「フリーボードの温度を制御指標にする場合に比べて、温度制御の安定性を向上させることができる」という効果を奏することが理解できるため、申立人の主張は当を得ない。 (4)小括 以上により、発明の詳細な説明は、当業者が本件特許発明を実施できる程度に記載したものであり、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしている。また、本件特許発明1及び2並びにこれらを引用する本件特許発明3~7、11~12は、発明の詳細な説明に記載したものであって、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。 第6 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~7、11~12に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~7、11~12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700597

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