審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2024-700226

ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法

審判番号
2024-700226
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-224990
登録番号
7341475
請求日
2024年03月11日
審決日
2024年10月02日
公報発行日
2024年12月27日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 【異議申立人】若菜 友子
審判長/審判官
  • 審判長 松田 直也
  • 審判官 小林 俊久
  • 審判官 渋谷 知子
分類
P1651.121-Z (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7341475号発明「ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7341475号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7341475号(以下「本件特許」という。)の請求項1~3に係る特許についての出願は、令和元年7月18日に出願した特願2019-132946の一部を同年12月13日に新たな特許出願(特願2019-224990)としたものであって、令和5年9月1日にその特許権の設定登録がされ、同月11日に特許掲載公報が発行された。 本件特許の請求項1~3に係る特許に対して、令和6年3月11日に特許異議申立人若菜友子(以下、単に「申立人」という。)より、特許異議の申立てがされた。 当審において、令和6年5月29日付けで、本件特許の請求項1~3に係る特許に対して取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者は応答しなかった。 第2 本件特許発明の認定 本件特許の請求項1~3に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本件特許発明1」などという。)は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める(符号1A等は、分説するために当審合議体が付した。以下、1A等を付した事項を「特定事項1A」等という。)。 「【請求項1】 1A 進行に使用されるパラメータを規定するためのレベル値がプレイ状況に基づいて付与される経験値の累積量としての獲得量に応じて上昇するとともに、前記レベル値に上昇の限度としてのレベル上限値が設定されるゲームを提供するコンピュータを備えるゲームシステムであって、 1B 前記コンピュータは、 前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加させる経験値増加手段と、 1C 前記初期値から所定量まで前記経験値の獲得量が増加した場合に特典を付与する特典付与手段と、 を備え、 1D 前記特典付与手段は、前記ゲームにおいて前記レベル値の上昇に伴い付与され前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典を、前記特典として付与する、ゲームシステム。 【請求項2】 2A 進行に使用されるパラメータを規定するためのレベル値がプレイ状況に基づいて付与される経験値の累積量としての獲得量に応じて上昇するとともに、前記レベル値に上昇の限度としてのレベル上限値が設定されるゲームを提供するコンピュータのプログラムであって、 2B 前記コンピュータを、 前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加させる経験値増加手段と、 2C 前記初期値から所定量まで前記経験値の獲得量が増加した場合に特典を付与する特典付与手段と、 して機能させ、 2D 前記特典付与手段は、前記ゲームにおいて前記レベル値の上昇に伴い付与され前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典を、前記特典として付与する、 プログラム。 【請求項3】 3A 進行に使用されるパラメータを規定するためのレベル値がプレイ状況に基づいて付与される経験値の累積量としての獲得量に応じて上昇するとともに、前記レベル値に上昇の限度としてのレベル上限値が設定されるゲームを提供するコンピュータを備えるゲームシステムの制御方法であって、 3B 前記コンピュータは、 前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加させる経験値増加ステップと、 3C 前記初期値から所定量まで前記経験値の獲得量が増加した場合に特典を付与する特典付与ステップと、 を備え、 3D 前記特典付与ステップは、前記ゲームにおいて前記レベル値の上昇に伴い付与され前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典を、前記特典として付与する、 制御方法。」 第3 取消理由 1 取消理由の概要 当審において、本件特許発明1~3に係る特許に対して、令和6年5月29日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 本件特許発明1~3は、甲第9号証に開示された発明、又は甲第9号証に開示された発明及び甲第2号証に記載された技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~3に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。 2 甲号証一覧 ・甲第9号証:特開2017-192631号公報(平成29年10月26日公開。以下「甲9」という。) ・甲第2号証:「APEX LEGENDSレベル(ランク)100達成! レベル101は無い・・・!?」,[online],2019年2月18日に掲載された記事を2019年4月1日にWayback Machineに収録,<https://web.archive.org/web/20190401051353/https://www.stoicfps.com/32823/>(以下「甲2」という。) なお、甲第9号証、甲第2号証は、いずれも、本件特許の原出願(特願2019-132946号、令和元年(2019年)7月18日出願)の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である。 第4 当審合議体の判断 1 引用文献について (1) 甲9記載事項、甲9に開示された発明 ア 甲9記載事項 甲9には次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同様。)。 (ア) 「【0012】 以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。 【0013】 [第1の実施形態] 図1は、本発明の一実施の形態におけるシステム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、システム100は、サーバ10と、システムのユーザが使用するユーザ端末20,201~20N(Nは任意の整数)とを含む。なお、システム100の構成はこれに限定されず、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。 (中略) 【0019】 ここで、ビデオゲームの進行とは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等が生じたことを意味する。ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等の例としては、時間の進行、ゲーム要素のパラメータの変化、特定のステータス若しくはフラグの更新、あるいはユーザによる操作入力がある。 (中略) 【0022】 また、オブジェクトとは、ビデオゲームにおける操作対象や仮想的な物体を意味する。オブジェクトの例にはビデオゲーム上のアイテムや、キャラクタや、ユーザが含まれる。また、キャラクタの例にはビデオゲームにおける仮想的な人物や、生物や、モンスターが含まれる。また、オブジェクトの表示態様は特に限定されず、例えば仮想的なカードによる表示が含まれる。 (中略) 【0026】 ここで、レベルとは、品質、価値、難易度、または強さの段階を意味する。レベルには、段階ごとに次の段階に達するために必要な経験値が設定されているとともに、上限となる段階が設けられている。したがって、レベルは上限となる段階に達するために必要な経験値が設定されている。レベルの例にはランク、グレード、およびクラスが含まれる。レベルを管理する構成は、1のオブジェクトに対して1種類のレベルを管理する構成とされていてもよいし、1のオブジェクトに対して複数種類のレベルを管理する構成とされていてもよい。 【0027】 また、管理とは、レベルに関する処理を統制することを意味する。また、レベルに関する処理には、算出処理、判定処理、および更新処理が含まれる。また、ここでいう算出処理の一例としては、累積されている経験値に付与された経験値を加算する処理がある。また、ここでいう判定処理の一例としては、累積されている経験値に基づいて次のレベルに到達したか否かを判定する処理がある。また、ここでいう更新処理の例としては、記憶領域に格納されるオブジェクトの累積の経験値を更新する処理や、次のレベルに到達したと判定された際に記憶領域に格納されるオブジェクトのレベルデータを更新する処理がある。 【0028】 特典付与部13は、レベル上限に達するために必要な値を超えて付与された経験値(以下、余剰経験値)に基づいて特典を付与する。 【0029】 ここで、レベル上限とは、レベルが一定値(上限)まで到達し、レベルを上昇させるために累積可能な経験値が上限に達した状況を意味する。言い換えれば、レベル上限とは、オブジェクトに付与された経験値の総和が上限に達している状況を意味する。 【0030】 また、特典とは、特別に与えられる恩典を意味する。特典の構成は、ビデオゲームに何らかの影響のある効果やものであればよい。特典の例としては、ユーザやキャラクタに何らかの影響がある効果(例えば、バフや新スキルの解放)や、クエストやステージに何らかの影響がある効果(例えば、バフや新ステージの解放)や、アイテムや、仮想通貨がある。」 (イ) 「【0049】 [第2の実施形態] 図6は、ユーザ端末20の例であるユーザ端末20B(端末20B)の構成を示すブロック図である。本例において、経験値付与部21と、管理部22と、特典付与部23と、表示部24とを少なくとも備える。 【0050】 表示部24は、表示装置の表示画面にゲームの進行に応じたゲーム画像を表示させる機能を有する。また、表示部24は、レベル上限に達していない場合に、次のレベルに達するために必要な経験値を示す第1画像をゲーム画像中に表示させる機能を有する。また、表示部24は、レベル上限に達している場合に、レベル上限であり、かつ経験値が特典の付与の為に累積されていることを、第1画像と同一または対応する形態で表す第2画像をゲーム画像中に表示させる機能を有する。 【0051】 ここで、第1画像および第2画像とは、ある段階に到達するために必要な経験値をユーザにあらわし示す画像を意味する(以下、第1画像または第2画像を必要経験値画像と呼ぶ場合がある。)。ある段階の例には次のレベルや次の特典の付与が含まれる。また、必要経験値画像の例としては、数値やゲージがある。ゲージの例としては、円形のゲージや棒状のゲージがある。」 (ウ) 「【0074】 [第5の実施形態] 図12は、ユーザ端末20の例であるユーザ端末20Z(端末20Z)の構成を示すブロック図である。本例において、端末20Zは、経験値付与部21Zと、管理部22Zと、特典付与部23Zと、表示部24Zと、記憶部25Zとを少なくとも備える。 【0075】 また、本例では、経験値が累積されることにより迎える次のレベルまたは次の特典の付与の局面を「次の段階」と呼ぶ場合がある。 【0076】 経験値付与部21Zは、ビデオゲームの進行に応じて発生するイベントの結果に基づいてオブジェクトに経験値を付与する。具体的には、経験値付与部21Zは、イベントの結果を特定し、オブジェクトに付与する経験値を特定する。そして、経験値付与部21Zは、記憶部25Zを参照して、特定された経験値を累積経験値に加算してオブジェクト情報を更新する。レベル上限に達している場合でも、経験値付与部21Zは、特定された経験値を累積経験値に加算する。 【0077】 管理部22Zは、付与された経験値に基づいてオブジェクトのレベルを管理する機能を有する。具体的には、管理部22Zは、累積経験値がレベルを上昇させるために累積可能な経験値が上限(つまり、レベル上限)を超えているか否かを判定する。また、管理部22Zは、レベル上限を超えていないと判定した場合に、累積経験値が次のレベルに到達するために必要な累積経験値を以上になったか否かを判定する。そして、管理部22Zは、累積経験値が次のレベルに到達するために必要な累積経験値以上になったと判定した場合には、レベルに1を加算してオブジェクト情報を更新する。 【0078】 特典付与部23Zは、余剰経験値に基づいて特典を付与する。具体的には、特典付与部23Zは、特典テーブルを参照して、累積経験値が次に特典を付与する累積経験値以上になっているか否かを判定する。特典付与部23Zは、判定結果に基づいて、特典を付与する。特典付与部23Zは、特典を付与すると、オブジェクト情報を参照して、特典付与回数に1を加算してオブジェクト情報を更新する。なお、特典を付与するか否かを判定する際に参照される累積経験値は、レベル上限に余剰経験値を加えたものとなっている。したがって、特典付与部23Zは、余剰経験値に基づいて特典を付与することになる。 【0079】 表示部24Zは、表示装置の表示画面にゲームの進行に応じたゲーム画像を表示させる機能を有する。特に表示部24Zは、レベル上限に達していない場合に、現在のレベルにおいて累積した経験値と次のレベルに達するために必要な経験値との割合に基づいて形態を変える第1画像をゲーム画像中に表示させる機能を有する。また、表示部24Zは、レベル上限に達している場合に、レベル上限に達している場合に、レベル上限であり、かつ経験値が特典の付与の為に累積されていることを、第1画像と同一または対応する形態で表す第2画像をゲーム画像中に表示させる機能を有する。具体的には、表示部24Zは、レベル上限に達していない場合には、オブジェクト情報およびレベル情報を参照して、現在のレベルにおいて累積した経験値と次のレベルに達するために必要な経験値との割合を算出し、算出した割合に基づく形態の第1画像をゲーム画像中に表示させるための画像情報を生成する。一方で、表示部24Zは、レベル上限に達している場合に、レベル上限に達してから累積した経験値と次に特典が付与されるために必要な経験値との割合を算出し、算出した割合に基づく形態の第2画像をゲーム画像中に表示させるための画像情報を生成する。さらに、表示部24Zは、レベル上限に達した後に特典が付与されている場合に、特典が付与されてから累積した経験値と次に特典が付与されるために必要な経験値との割合を算出し、算出した割合に基づいた形態の第3画像をゲーム画像中に表示させるための画像情報を生成する。 【0080】 ここで、第3画像とは、ある段階に到達するために必要な経験値をユーザにあらわし示す画像を意味する。第3画像における、ある段階の例には次の特典の付与が含まれる。また、第3画像の例としては、数値やゲージがある。ゲージの例としては、円形のゲージや棒状のゲージがある。 (中略) 【0082】 記憶部25Zは、ビデオゲームの進行に用いる各種情報を記憶する記憶媒体である。記憶部25Zには、オブジェクト情報、レベル情報、および特典情報が格納される。 【0083】 図13は、オブジェクト情報の格納状態の例を説明するための説明図である。オブジェクト情報とは、オブジェクトに関する情報である。図13にて示されるように、オブジェクト情報には、レベル、レベル上限、累積経験値、画像、および各種パラメータが含まれる。経験値付与部21Zや、管理部22Zや、特典付与部23Zの更新指示に応じてオブジェクト情報に含まれる各種情報が更新される。 (中略) 【0086】 図16は、システム100が実行するゲーム関連処理の例を示すフローチャートである。以下、端末20Zの動作を例にして説明する。なお、下記の説明では、ビデオゲームの進行に応じてイベントが発生し、イベントにおいて経験値が付与される局面が訪れた際に実行される処理についての説明が行われる。また、下記の説明では、経験値が付与される対象をユーザUが操作するキャラクタAおよびキャラクタBとし、キャラクタAはレベル上限に達しており、キャラクタBはレベル上限に達していない場合を例にして、説明が行われる。 【0087】 端末20Zは、ゲーム関連処理において、先ず、経験値を付与する(ステップS5-12)。例えば、端末20Zは、実行していたイベントの情報およびオブジェクト情報を参照して、経験値を付与する対象としてのキャラクタAおよびキャラクタBを特定し、特定したキャラクタAに対応するオブジェクト情報およびキャラクタBに対応するオブジェクト情報に含まれる累積経験値を更新する。 【0088】 次いで、端末20Zは、経験値を付与した対象がレベル上限に達しているか否かを判定する(ステップS5-12)。例えば、端末20Zは、キャラクタAについてはレベル上限に達していると判定する。一方で、端末20Zは、キャラクタBについてはレベル上限に達していないと判定する。 【0089】 経験値を付与した対象がレベル上限に達していると判定された場合(ステップS5-12のY)には、端末20Zは、特典情報を参照して、特典を付与するか否かを判定する(ステップS5-13)。特典が付与されないと判定された場合(ステップS5-13のN)には、端末20Zは、ステップS5-19に移行する。 【0090】 特典が付与されると判定された場合(ステップS5-13のY)には、端末20Zは、ユーザUに特典を付与する(ステップS5-14)。例えば、端末20Zは、ユーザが所有するアイテム情報に、特典となるアイテムを追加する処理を実行する。 (中略) 【0093】 一方で、経験値を付与した対象がレベル上限に達していないと判定された場合(ステップS5-12のN)には、端末20Zは、レベル情報を参照して、レベルが上昇するか否かを判定する(ステップS5-17)。レベルが上昇しないと判定された場合(ステップS5-17のN)には、端末20Zは、ステップ5-19へ移行する。 【0094】 レベルが上昇すると判定された場合(ステップS5-17のY)には、端末20Zは、オブジェクト情報を参照して、レベルに1を加算して更新し(ステップS5-18)、ステップS5-19に移行する。 【0095】 次いで、端末20Zは、必要経験値画像をゲーム画像中に表示させる(ステップS5-19)。すなわち、端末20Zは、経験値の付与結果に関するゲーム画像を表示装置の表示画面に表示させる。例えば、端末20Zは、レベル上限に達していなければ第1画像を表示させる。また例えば、端末20Zは、レベル上限に達している場合であって、レベル上限に達してから初めての特典の付与にあたる段階であれば第2画像を表示させる。また例えば、端末20Zは、特典が付与されたことがある場合であれば第3画像を表示させる。 【0096】 図17は、表示画面の例について説明するための説明図である。特に、図17A,17B,17Cは、経験値の付与結果に関するゲーム画像の変化の態様を説明するための説明図である。図17にて示されるように、表示画面1000は、キャラクタAと、キャラクタAの現在のレベル1001と、キャラクタAのレベル上限1002と、第2画像としてのキャラクタAの必要経験値ゲージ1003(必要経験値画像)と、キャラクタBと、キャラクタBの現在のレベル1004と、キャラクタBのレベル上限1005と、第1画像としてのキャラクタBの必要経験値ゲージ1006(必要経験値画像)とを含む。本例の必要経験値ゲージ1003,1006の構成は、レベル上限に達しているか否かにかかわらず、到達している段階における累積経験値に基づいてゲージが徐々に伸びていく構成とされる。 【0097】 図17Bにて示されるように、必要経験値ゲージ1003,1006の構成は、累積経験値(余剰経験値を含む)が次の段階に到達する値(次のレベルに達する値、または次の特典の付与の局面に達する値)になると、ゲージの長さが最長になる構成とされる。そして、図17Cにて示されるように、必要経験値ゲージ1003,1006の構成は、累積経験値が次の段階に到達する値を超えると、ゲージの長さがリセットされる(つまり、ゲージの長さが0になる)構成とされる。そして、必要経験値ゲージ1003,1006の構成は、再度、到達している段階における累積経験値に基づいてゲージが伸びていく構成とされる。また、図17Cにて示されるように、次の段階に達すると、ゲージの長さがリセットされるとともに、キャラクタ上限に達していないキャラクタの現在のレベル1005が1上昇する。」 (エ) 「【0106】 なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20,201~20Nとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。 【0107】 また、システム100の構成は上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れか(例えば、ユーザ端末20)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、システム100におけるユーザ端末20とサーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。」 (オ) 「【図16】 [図:0001417653000001.jpg] 」 (カ) 「【図17】 [図:0001417653000002.jpg] 」 イ 甲9-1発明、甲9-2発明、甲9-3発明 上記アに摘記した記載事項から、甲9には次の発明が開示されていると認められる(以下「甲9-1発明」等という。)。 (甲9-1発明) 「サーバ10と、システムのユーザが使用するユーザ端末20とを含むシステム100であって(【0013】)、ユーザ端末20としての端末20Zは、経験値付与部21Zと、管理部22Zと、特典付与部23Zと、表示部24Zと、記憶部25Zとを備え(【0074】)、 経験値付与部21Zは、ビデオゲームの進行に応じて発生するイベントの結果に基づいて、ビデオゲーム上のキャラクタを例とするオブジェクトに経験値を付与し(【0076】、【0022】)、ここで、ビデオゲームの進行とは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等が生じたことを意味し、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等として、ゲーム要素のパラメータの変化等があり(【0019】)、 管理部22Zは、付与された経験値に基づいて、オブジェクトのレベルを管理する機能を有するものであり(【0077】)、ここで、レベルとは、品質、価値、難易度、または強さの段階を意味し、レベルには、段階ごとに次の段階に達するために必要な経験値が設定されているとともに、上限となる段階が設けられており(【0026】)、また、管理とは、レベルに関する処理を統制することを意味し、レベルに関する処理には、累積されている経験値に付与された経験値を加算する処理、累積されている経験値に基づいて次のレベルに到達したか否かを判定する処理、記憶領域に格納されるオブジェクトの累積の経験値を更新する処理、次のレベルに到達したと判定された際に記憶領域に格納されるオブジェクトのレベルデータを更新する処理があり(【0027】)、 特典付与部23Zは、レベル上限に達するために必要な値を超えて付与された、経験値としての余剰経験値に基づいて特典を付与するものであり(【0078】、【0028】)、ここで、レベル上限とは、レベルが一定値(上限)まで到達し、レベルを上昇させるために累積可能な経験値が上限に達した状況を意味し(【0029】)、また、特典としては、例えば、バフがあり(【0030】)、 表示部24Zは、表示装置の表示画面にゲームの進行に応じたゲーム画像を表示させ(【0079】)、表示部24は、レベル上限に達している場合に、レベル上限であり、かつ経験値が特典の付与の為に累積されていることを表す第2画像であって(【0050】)、ある段階に到達するために必要な経験値をユーザにあらわし示す画像を表示し、段階の例には次の特典の付与が含まれ(【0049】、【0051】)、 記憶部25Zは、ビデオゲームの進行に用いる各種情報を記憶し、記憶部25Zには、オブジェクト情報、レベル情報、および特典情報が格納され(【0082】)、オブジェクト情報には各種パラメータが含まれ(【0083】)、 ユーザ端末20Zとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラムに従って、各種の処理を実行し(【0106】)、 端末20Zは、ゲーム関連処理において、先ず、オブジェクト情報を参照して、経験値を付与する対象としてのキャラクタを特定し、特定したキャラクタに対応するオブジェクト情報に含まれる累積経験値を更新することで経験値を付与し(【0087】)、次いで、経験値を付与した対象がレベル上限に達しているか否かを判定し(【0088】)、経験値を付与した対象がレベル上限に達していると判定された場合には、特典情報を参照して、特典を付与するか否かを判定し(【0089】)特典が付与されると判定された場合には、ユーザUに特典を付与し(【0090】)、一方で、経験値を付与した対象がレベル上限に達していないと判定された場合には、レベル情報を参照して、レベルが上昇するか否かを判定し(【0093】)レベルが上昇すると判定された場合には、オブジェクト情報を参照して、レベルに1を加算して更新し(【0094】)、 また、端末20Zは、必要経験値画像をゲーム画像中に表示させ、レベル上限に達している場合であって、レベル上限に達してから初めての特典の付与にあたる段階であれば第2画像を表示させ(【0095】)、累積経験値が次の段階に到達する値を超えると、ゲージの長さがリセットされる(つまり、ゲージの長さが0になる)構成とされる(【0097】) システム100(【0013】)。」 (甲9-2発明) 「サーバ10と、システムのユーザが使用するユーザ端末20とを含むシステム100において、ユーザ端末20が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラムであって(【0013】、【0106】、【0107】)、 ユーザ端末20としての端末20Zは、経験値付与部21Zと、管理部22Zと、特典付与部23Zと、表示部24Zと、記憶部25Zとを備え(【0074】)、 経験値付与部21Zは、ビデオゲームの進行に応じて発生するイベントの結果に基づいて、ビデオゲーム上のキャラクタを例とするオブジェクトに経験値を付与し(【0076】、【0022】)、ここで、ビデオゲームの進行とは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等が生じたことを意味し、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等として、ゲーム要素のパラメータの変化等があり(【0019】)、 管理部22Zは、付与された経験値に基づいて、オブジェクトのレベルを管理する機能を有するものであり(【0077】)、ここで、レベルとは、品質、価値、難易度、または強さの段階を意味し、レベルには、段階ごとに次の段階に達するために必要な経験値が設定されているとともに、上限となる段階が設けられており(【0026】)、また、管理とは、レベルに関する処理を統制することを意味し、レベルに関する処理には、累積されている経験値に付与された経験値を加算する処理、累積されている経験値に基づいて次のレベルに到達したか否かを判定する処理、記憶領域に格納されるオブジェクトの累積の経験値を更新する処理、次のレベルに到達したと判定された際に記憶領域に格納されるオブジェクトのレベルデータを更新する処理があり(【0027】)、 特典付与部23Zは、レベル上限に達するために必要な値を超えて付与された、経験値としての余剰経験値に基づいて特典を付与するものであり(【0078】、【0028】)、ここで、レベル上限とは、レベルが一定値(上限)まで到達し、レベルを上昇させるために累積可能な経験値が上限に達した状況を意味し(【0029】)、また、特典としては、例えば、バフがあり(【0030】)、 表示部24Zは、表示装置の表示画面にゲームの進行に応じたゲーム画像を表示させ(【0079】)、表示部24は、レベル上限に達している場合に、レベル上限であり、かつ経験値が特典の付与の為に累積されていることを表す第2画像であって(【0050】)、ある段階に到達するために必要な経験値をユーザにあらわし示す画像を表示し、段階の例には次の特典の付与が含まれ(【0049】、【0051】)、 記憶部25Zは、ビデオゲームの進行に用いる各種情報を記憶し、記憶部25Zには、オブジェクト情報、レベル情報、および特典情報が格納され(【0082】)、オブジェクト情報には各種パラメータが含まれ(【0083】)、 端末20Zは、ゲーム関連処理において、先ず、オブジェクト情報を参照して、経験値を付与する対象としてのキャラクタを特定し、特定したキャラクタに対応するオブジェクト情報に含まれる累積経験値を更新することで経験値を付与し(【0087】)、次いで、経験値を付与した対象がレベル上限に達しているか否かを判定し(【0088】)、経験値を付与した対象がレベル上限に達していると判定された場合には、特典情報を参照して、特典を付与するか否かを判定し(【0089】)特典が付与されると判定された場合には、ユーザUに特典を付与し(【0090】)、一方で、経験値を付与した対象がレベル上限に達していないと判定された場合には、レベル情報を参照して、レベルが上昇するか否かを判定し(【0093】)レベルが上昇すると判定された場合には、オブジェクト情報を参照して、レベルに1を加算して更新する(【0094】)処理を実行し(【0106】)、 また、端末20Zは、必要経験値画像をゲーム画像中に表示させ、レベル上限に達している場合であって、レベル上限に達してから初めての特典の付与にあたる段階であれば第2画像を表示させ(【0095】)、累積経験値が次の段階に到達する値を超えると、ゲージの長さがリセットされる(つまり、ゲージの長さが0になる)(【0097】) 各種制御プログラム(【0106】)。」 (甲9-3発明) 「サーバ10と、システムのユーザが使用するユーザ端末20とを含むシステム100の制御方法であって(【0013】)、ユーザ端末20としての端末20Zは、経験値付与部21Zと、管理部22Zと、特典付与部23Zと、表示部24Zと、記憶部25Zとを備え(【0074】)、 経験値付与部21Zは、ビデオゲームの進行に応じて発生するイベントの結果に基づいて、ビデオゲーム上のキャラクタを例とするオブジェクトに経験値を付与し(【0076】、【0022】)、ここで、ビデオゲームの進行とは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等が生じたことを意味し、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等として、ゲーム要素のパラメータの変化等があり(【0019】)、 管理部22Zは、付与された経験値に基づいて、オブジェクトのレベルを管理する機能を有するものであり(【0077】)、ここで、レベルとは、品質、価値、難易度、または強さの段階を意味し、レベルには、段階ごとに次の段階に達するために必要な経験値が設定されているとともに、上限となる段階が設けられており(【0026】)、また、管理とは、レベルに関する処理を統制することを意味し、レベルに関する処理には、累積されている経験値に付与された経験値を加算する処理、累積されている経験値に基づいて次のレベルに到達したか否かを判定する処理、記憶領域に格納されるオブジェクトの累積の経験値を更新する処理、次のレベルに到達したと判定された際に記憶領域に格納されるオブジェクトのレベルデータを更新する処理があり(【0027】)、 特典付与部23Zは、レベル上限に達するために必要な値を超えて付与された、経験値としての余剰経験値に基づいて特典を付与するものであり(【0078】、【0028】)、ここで、レベル上限とは、レベルが一定値(上限)まで到達し、レベルを上昇させるために累積可能な経験値が上限に達した状況を意味し(【0029】)、また、特典としては、例えば、バフがあり(【0030】)、 表示部24Zは、表示装置の表示画面にゲームの進行に応じたゲーム画像を表示させ(【0079】)、表示部24は、レベル上限に達している場合に、レベル上限であり、かつ経験値が特典の付与の為に累積されていることを表す第2画像であって(【0050】)、ある段階に到達するために必要な経験値をユーザにあらわし示す画像を表示し、段階の例には次の特典の付与が含まれ(【0049】、【0051】)、 記憶部25Zは、ビデオゲームの進行に用いる各種情報を記憶し、記憶部25Zには、オブジェクト情報、レベル情報、および特典情報が格納され(【0082】)、オブジェクト情報には各種パラメータが含まれ(【0083】)、 ユーザ端末20Zとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラムに従って、各種の処理を実行し(【0106】)、 端末20Zは、ゲーム関連処理において、先ず、オブジェクト情報を参照して、経験値を付与する対象としてのキャラクタを特定し、特定したキャラクタに対応するオブジェクト情報に含まれる累積経験値を更新することで経験値を付与し(【0087】)、次いで、経験値を付与した対象がレベル上限に達しているか否かを判定し(【0088】)、経験値を付与した対象がレベル上限に達していると判定された場合には、特典情報を参照して、特典を付与するか否かを判定し(【0089】)特典が付与されると判定された場合には、ユーザUに特典を付与し(【0090】)、一方で、経験値を付与した対象がレベル上限に達していないと判定された場合には、レベル情報を参照して、レベルが上昇するか否かを判定し(【0093】)レベルが上昇すると判定された場合には、オブジェクト情報を参照して、レベルに1を加算して更新し(【0094】)、また、端末20Zは、必要経験値画像をゲーム画像中に表示させ、レベル上限に達している場合であって、レベル上限に達してから初めての特典の付与にあたる段階であれば第2画像を表示させ(【0095】)、累積経験値が次の段階に到達する値を超えると、ゲージの長さがリセットされる(つまり、ゲージの長さが0になる)(【0097】)、各ステップを備えた システム100の制御方法(【0013】)。」 (2) 甲2記載事項、甲2記載技術 ア 甲2記載事項 甲2には次の事項が記載されている。 (ア) 「 [図:0001417653000003.jpg] 」 (「APEX LEGENDSレベル(ランク)100達成! レベル101は無い・・・!?」の表題の下方) (イ) 「ランク100達成。 ランク100の次は101という表記は無いのでエクステンドなのだろうか? 追記:レベル100以降はずっと18000EXPを周回する模様」(上記(ア)に示した図の下方) イ 甲2記載技術 上記アに示した記載事項から、甲2には次の事項が記載されていると認められる(以下「甲2記載技術」という。)。 (甲2記載技術) 「APEX LEGENDSで、レベル100を達成するとレベル101は無く、レベル100以降はずっと18000EXPを周回する点。」 2 本件特許発明1について (1) 対比・判断 ア 対比 (ア) 特定事項1Aについて 甲9-1発明の、「品質、価値、難易度、または強さの段階を意味」する「レベル」、「進行に応じて発生するイベントの結果に基づいて」「付与」される「経験値」、「累積されている経験値」、「レベルデータの更新」、「レベル」に「設けられ」た「上限となる段階」、「ビデオゲーム」、「ユーザ端末20」は、それぞれ、本件特許発明1の特定事項1Aの、「レベル値」、「プレイ状況に基づいて付与される経験値」、「経験値の累積量としての獲得量」、(レベル値の)「上昇」、「レベル上限値」、「ゲーム」、「ゲームを提供するコンピュータ」に相当し、甲9-1発明の「システム100」は、後述する(イ)~(エ)の機能を備えることから、後述する相違点は別にして、本件特許発明1の構成要件1A及び末尾の「ゲームシステム」に相当する。 そうすると、甲9-1発明の「進行に応じて発生するイベントの結果に基づいて」「オブジェクトに経験値を付与し」、「累積されている経験値に基づいて次のレベルに到達したか否かを判定」し、「次のレベルに到達したと判定された際に記憶領域に格納されるオブジェクトのレベルデータを更新」し、「レベルには、」「上限となる段階が設けられ」た「ビデオゲーム」を行う「ユーザ端末20」「を含むシステム100」は、レベル値が「進行に使用されるパラメータを規定する」ものであることが判然としない点で相違するものの、本件特許発明1の特定事項1Aの「レベル値がプレイ状況に基づいて付与される経験値の累積量としての獲得量に応じて上昇するとともに、前記レベル値に上昇の限度としてのレベル上限値が設定されるゲームを提供するコンピュータを備えるゲームシステム」に相当する。 (イ) 特定事項1Bについて 上記(ア)で述べたように、甲9-1発明の「進行に応じて発生するイベントの結果に基づいて」「付与」される「経験値」、「累積されている経験値」、「ユーザ端末20」は、それぞれ、本件特許発明1の「プレイ状況に基づいて付与される経験値」、「経験値の累積量としての獲得量」、「コンピュータ」に相当するところ、甲9-1発明において、「進行に応じて発生するイベントの結果に基づいて」「経験値を付与」する「経験値付与部21Z」と、「累積されている経験値に付与された経験値を加算する処理」を行う「管理部22Z」を、「ユーザ端末20」が備えていることは、本件特許発明1の特定事項1Bにおいて、「経験値の獲得量をプレイ状況に基づいて増加させる」「経験値増加手段」を、「コンピュータ」が備えていることに相当する。 そして、甲9-1発明では、「経験値を付与した対象がレベル上限に達していると判定され」ることになる場合、すなわち「レベル上限に達した後」にも、対象(オブジェクト)に「経験値を付与」しているのであるから、甲9-1発明における、「ユーザ端末20」の「累積されている経験値に付与された経験値を加算する」機能を実現する手段は、「前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加させる」機能を備えていない点で相違するものの、本件特許発明1の特定事項1Bにおける、「前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において」「増加させる経験値増加手段」に相当する。 (ウ) 特定事項1Cについて 甲9-1発明の「特典」は、本件特許発明1の特定事項1Cの「特典」に相当し、甲9-1発明において、「表示部24は、レベル上限に達している場合に、レベル上限であり、かつ経験値が特典の付与の為に累積されていることを表す第2画像であって」、「ある段階に到達するために必要な経験値をユーザにあらわし示す画像を表示し、段階の例には次の特典の付与が含まれ」ることから、甲9-1発明における、「経験値を付与した対象がレベル上限に達しているか否かを判定し」、「経験値を付与した対象がレベル上限に達していると判定された場合には」、「ユーザUに特典を付与」する機能を実現する手段は、「前記初期値から所定量まで前記経験値の獲得量が増加した場合に」特典を付与するものでない点で相違するものの、本件特許発明1の特定事項1Cの「所定量まで経験値の獲得量が増加した場合に特典を付与する特典付与手段」に相当する。 (エ) 特定事項1Dについて 上記(ウ)で述べたように、甲9-1発明の「特典」、「特典付与部23Z」は、それぞれ、本件特許発明1の「特典」、「特典付与手段」に相当するところ、甲9-1発明において、「特典付与部23Z」が「特典を付与する」ことは、「特典」が、「前記ゲームにおいて前記レベル値の上昇に伴い付与され前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典」でない点で相違するものの、本件特許発明1の特定事項1Dにおいて、「特典付与手段」が「特典を付与する」ことに相当する。 イ 一致点と相違点 上記アからみて、本件特許発明1と甲9-1発明とは、 「1A’ レベル値がプレイ状況に基づいて付与される経験値の累積量としての獲得量に応じて上昇するとともに、前記レベル値に上昇の限度としてのレベル上限値が設定されるゲームを提供するコンピュータを備えるゲームシステムであって、 1B’ 前記コンピュータは、 前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において前記プレイ状況に基づいて増加させる経験値増加手段と、 1C’ 所定量まで前記経験値の獲得量が増加した場合に特典を付与する特典付与手段と、 を備え、 1D’ 前記特典付与手段は、特典を付与する、ゲームシステム。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1](特定事項1A) 本件特許発明1の「レベル値」は、「進行に使用されるパラメータを規定する」ものであるのに対し、甲9-1発明の「レベル」(レベル値)が、「進行に使用されるパラメータを規定する」ものであるのかが明らかではない点。 [相違点2](特定事項1B、1C) 本件特許発明1は、「前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加させ」、「前記初期値から所定量まで前記経験値の獲得量が増加した場合に特典を付与する」のに対し、甲9-1発明は、「前記経験値の獲得量」を、「当該レベル上限値に達した後の初期値から」「増加」し、また、「前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加」するのかが明らかではない点。 [相違点3](特定事項1D) 本件特許発明1において付与される「特典」は、「ゲームにおいてレベル値の上昇に伴い付与され前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典」であるのに対し、甲9-1発明の「特典」が、かかる「特典」であるのかが明らかではない点。 ウ 当審合議体の判断 (ア) 相違点1について 甲9-1発明では、「ビデオゲームの進行」とは、「ゲーム要素のパラメータの変化等」が「生じた」ことであるとされており、ゲームの「進行」に「パラメータ」を「使用」することは明らかであるところ、この「ビデオゲームの進行」に係る、「進行に応じて発生するイベント」の「結果に基づいて」「付与」される「経験値」は、「累積されている経験値に基づいて次のレベルに到達したか否かを判定」されるものであり、また、当該判定にあたって「次の段階に達するために必要な経験値」は、「段階ごとに」「設定され」るものであるから、累積される「経験値」の、「次の段階に達するために必要な経験値」に対する達成度合又は必要な経験値に対する不足具合は、「段階」(レベル値)によって「規定」されるといえ、甲9-1発明は、相違点1に係る本件特許発明1の構成である、「レベル値」が「規定」する「進行に使用されるパラメータ」に相当する構成を備えている。よって相違点1は実質的な相違点ではない。また、実質的な相違点であるとしても、当業者が容易に想到することができる程度のものにすぎない。 (イ) 相違点2について 甲9-1発明において、「レベル上限に達してから」表示する「第2画像」は、「累積経験値が次の段階に到達する値を超えると、ゲージの長さがリセットされる(つまり、ゲージの長さが0になる)構成」であり、このことから、甲9-1発明が、本件特許発明1における、「経験値の獲得量」を、「レベル上限値に達した後において」「初期値から増加」させることに相当する構成を備えることは明らかである。 よって、相違点2は実質的な相違点ではない。 また、上記1(2)イに示した甲2記載技術では、「APEX LEGENDS」(ゲーム)において、「レベル100を達成するとレベル101は無く、レベル100以降はずっと18000EXPを周回する」とされるところ、「レベル101は無く」とされていることから、甲2記載技術の「レベル100」は、本件特許発明1の「レベル上限値」に相当し、また、甲2記載技術において、「ずっと18000EXPを周回する」ことは、本件特許発明1の「経験値の獲得量を初期値から増加させる」ことに相当する。 そうすると、甲2記載技術は、上記相違点2に係る本件特許発明1の構成を備えている。 よって、相違点2が、仮に実質的な相違点であるとしても、甲2記載技術を、レベルの上限値を超えて特典を付与するという機能において共通する甲9-1発明に適用し、「レベル上限に達するために必要な値を超えて付与された、経験値としての余剰経験値」を「初期値」から増加させるようにして、相違点2に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ) 相違点3について 甲9-1発明において付与される「特典」として「バフ」が例示されるところ、「バフ」が、ゲームにおけるキャラクタの能力値等の一時的な強化をもたらすものであって、ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典であることは、ゲームの分野における技術常識である。 また、「特典」としての上記「バフ」は、甲9-1発明において、「経験値」の増加に基づいて付与されるものであるから、同様に「経験値」の増加に基づく「レベル」の上昇に伴って付与されるようにもすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 そして、本件特許発明1が奏する効果についてみても、甲9-1発明、又は、甲9-1発明及び甲2記載技術から予測される程度のものにすぎず、予測困難かつ格別顕著な効果を認めることはできない。 そうすると、甲9-1発明において付与される「特典」を、「ゲームにおいてレベル値の上昇に伴い付与され前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典」として、相違点3に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 エ 小括 したがって、本件特許発明1は、甲9-1発明、又は、甲9-1発明及び甲2記載技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 本件特許発明2について (1) 対比、一致点と相違点 甲9-2発明の「各種制御プログラム」は、本件特許発明2の「プログラム」に相当する。 そして、上記2(1)アにおける本件特許発明1についての検討を踏まえると、本件特許発明2と甲9-2発明とは、 「2A’ レベル値がプレイ状況に基づいて付与される経験値の累積量としての獲得量に応じて上昇するとともに、前記レベル値に上昇の限度としてのレベル上限値が設定されるゲームを提供するコンピュータのプログラムであって、 2B’ 前記コンピュータを、 前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において前記プレイ状況に基づいて増加させる経験値増加手段と、 2C’ 特典を付与する特典付与手段と、 して機能させ、 2D’ 前記特典付与手段は、特典を付与する、 プログラム。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点4](特定事項2A) 本件特許発明2の「レベル値」は、「進行に使用されるパラメータを規定する」ものであるのに対し、甲9-2発明の「レベル」(レベル値)が、「進行に使用されるパラメータを規定する」ものであるのかが明らかではない点。 [相違点5](特定事項2B、2C) 本件特許発明2は、「前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加させ」、「前記初期値から所定量まで前記経験値の獲得量が増加した場合に特典を付与する」のに対し、甲9-2発明は、「前記経験値の獲得量」を、「当該レベル上限値に達した後の初期値から」「増加」し、また、「前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加」するのかが明らかではない点。 [相違点6](特定事項2D) 本件特許発明2において付与される「特典」は、「ゲームにおいてレベル値の上昇に伴い付与され前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典」であるのに対し、甲9-2発明の「特典」が、かかる「特典」であるのかが明らかではない点。 (2) 当審合議体の判断 上記相違点4~6についての判断は、上記2(1)ウにおいて相違点1~3について検討したとおりである。 (3) 小括 したがって、本件特許発明2は、甲9-2発明、又は、甲9-2発明及び甲2記載技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。 4 本件特許発明3について (1) 対比、一致点と相違点 上記2(1)アにおける本件特許発明1についての検討を踏まえると、本件特許発明3と甲9-3発明とは、 「3A’ レベル値がプレイ状況に基づいて付与される経験値の累積量としての獲得量に応じて上昇するとともに、前記レベル値に上昇の限度としてのレベル上限値が設定されるゲームを提供するコンピュータを備えるゲームシステムの制御方法であって、 3B’ 前記コンピュータは、 前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において前記プレイ状況に基づいて増加させる経験値増加ステップと、 3C’ 特典を付与する特典付与ステップと、 を備え、 3D’ 前記特典付与手段は、特典を付与する、 制御方法。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点7](特定事項3A) 本件特許発明3の「レベル値」は、「進行に使用されるパラメータを規定する」ものであるのに対し、甲9-3発明の「レベル」(レベル値)が、「進行に使用されるパラメータを規定する」ものであるのかが明らかではない点。 [相違点8](特定事項3B、3C) 本件特許発明3は、「前記経験値の獲得量を前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加させ」、「前記初期値から所定量まで前記経験値の獲得量が増加した場合に特典を付与する」のに対し、甲9-3発明は、「前記経験値の獲得量」を、「当該レベル上限値に達した後の初期値から」「増加」し、また、「前記レベル値が前記レベル上限値に達した後において当該レベル上限値に達した後の初期値から前記プレイ状況に基づいて増加」するのかが明らかではない点。 [相違点9](特定事項3D) 本件特許発明3において付与される「特典」は、「ゲームにおいてレベル値の上昇に伴い付与され前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典」であるのに対し、甲9-3発明の「特典」が、かかる「特典」であるのかが明らかではない点。 (2) 当審合議体の判断 上記相違点7~9についての判断は、上記2(1)ウにおいて相違点1~3について検討したとおりである。 (3) 小括 したがって、本件特許発明3は、甲9-3発明、又は、甲9-3発明及び甲2記載技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。 5 まとめ 以上述べたとおり、本件特許発明1は、甲9-1発明、又は、甲9-1発明及び甲2記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許発明2は、甲9-2発明、又は、甲9-2発明及び甲2記載技術基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許発明3は、甲9-3発明、又は、甲9-3発明及び甲2記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本件特許発明1~3は、甲第9号証に開示された発明、又は甲第9号証に開示された発明及び甲第2号証に記載された技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~3に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、本件特許の請求項1~3に係る特許は同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-700226

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決134件(株式会社コナミデジタルエンタテインメント、若菜 友子)
  • 2018-701038異議申立 / 2020-03-25 / 訂正認容ゲーム装置、及び、ゲーム装置のプログラム
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 2025-015092拒絶査定不服審判 / 2026-04-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)ゲームシステム、制御プログラム及び制御方法
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 2025-007950拒絶査定不服審判 / 2026-01-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)メッセージシステム、制御方法、及びプログラム
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 2024-016906拒絶査定不服審判 / 2025-11-11 / 原査定取消(特許/登録すべき)ゲーム装置、ゲーム装置のプログラム、及び、ゲームシステム
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 2024-017318拒絶査定不服審判 / 2025-10-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報システム、情報処理方法、プログラムおよび動画配信システム
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
同じ論点・分野の審決(審決分類)4,588件(121・A63F)
  • 2025-700736異議申立 / 2026-06-26 / 訂正認容情報処理プログラム、情報処理方法およびゲームシステム
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-700737異議申立 / 2026-06-26 / 訂正認容情報処理プログラム、情報処理方法およびゲームシステム
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-701006異議申立 / 2026-06-11 / 請求成立(取消)管理システム
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2026-700262異議申立 / 2026-06-04 / 維持遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2026-700236異議申立 / 2026-05-14 / 維持遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存