特許異議申立
2024-700122
光源ユニット、照明具および照明装置
- 審判番号
- 2024-700122
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-184240
- 登録番号
- 7325291
- 請求日
- 2024年02月13日
- 審決日
- 2024年11月07日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】三菱電機株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人きさ特許商標事務所
- 【権利者】三菱電機照明株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人きさ特許商標事務所
- 【異議申立人】宮▲崎▼ 章仁
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 覚
- 審判官 横溝 顕範
- 審判官 草野 顕子
- 分類
- P1651.113-YAA(F21S) / P1651.121-YAA(F21V)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7325291号発明「光源ユニット、照明具および照明装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7325291号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2、4~9〕について訂正することを認める。
特許第7325291号の請求項1~9に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7325291号の請求項1~9に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和1年10月7日に出願され、令和5年8月3日にその特許権の設定登録がされ、同年8月14日に特許掲載公報が発行された。
その特許についての特許異議申立人宮崎(当審注:「崎」は異字体のたつさき)章仁(以下「申立人」という。)による本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和6年2月13日 特許異議の申立て
同年4月30日付け 取消理由通知書
同年7月 8日 特許権者より意見書・訂正請求書
同年8月26日 申立人より意見書
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和6年7月8日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2における
「前記給電線の他端部は、前記受電部と電気的に接続される、」
との記載を、
「前記給電線の他端部は、前記受電部と電気的に接続され、
前記基板には、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、
前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される、」
に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項4、8、9も同様に訂正する。)
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4における
「前記基板には、前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置に、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、」
との記載を、
「前記基板貫通孔は、前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置に形成され、」
に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項4、8、9も同様に訂正する。)
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5における
「前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続され、前記基板の前記一面または前記他面から垂直方向に離れて配置される接続部を有する、」
との記載を、
「前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続され、前記基板の前記一面の側において、前記一面に対する垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される接続部を有する、」
に訂正する。(請求項5の記載を引用する請求項8、9も同様に訂正する。)
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6における
「前記給電線の前記他端部は、前記接続部貫通孔に挿入されることによって、前記接続部と電気的に接続される、」
との記載を、
「前記給電線の前記他端部は、前記接続部貫通孔に挿入されることによって、前記接続部と電気的に接続され、
前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される、」
に訂正する。(請求項6の記載を引用する請求項7~9も同様に訂正する。)
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項2の「前記給電線の他端部」と「前記受電部」の接続態様について、「電気的に接続される、」ことにとどまっていたものを、「前記基板には、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される、」ことに特定するものである。
したがって、訂正事項1は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項について
「前記給電線の他端部」と「前記受電部」の接続態様について、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)には、「・・・図26は、変形例7に係る照明具の要部の断面を拡大した状態を示す模式図である。変形例7の照明具3hは、光源部31hを含む光源ユニット30hを有する。・・・基板32hには、一面322に対して垂直方向(Z軸方向)において支持部貫通孔37hと重なる位置に基板貫通孔321hが形成されている。」(段落【0070】)、「基板32hの他面323には、受電部300hとして接続部材が設けられている。受電部300hは、基板32hの他面323に実装される面実装端子部材である。・・・」(段落【0071】)、「受電部300hは、・・・給電線38と電気的に接続される接続部312hと、・・・とを有する。接続部312hは、給電線38の導体382が挿入される接続部貫通孔3120hと、接続部貫通孔3120hに挿入される導体382と接触する接続片3121hとを有する。」(段落【0072】)との記載と共に【図26】が示されているから、「前記基板には、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される、」ことが記載されているものと認められる。
[図:0001419348000001.jpg]
以上のことから、「前記給電線の他端部」と「前記受電部」の接続態様について、「前記給電線の他端部は、前記受電部と電気的に接続される、」だったものを、「前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される、」ものに特定することは、本件明細書等の記載から導かれる事項であり、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項4の「前記基板には、前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置に、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、」との記載のうち、「前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され」るという構成が、訂正事項1により訂正後の請求項2に繰り入れられたことに伴い、訂正後の請求項2と4の整合を図るために、訂正後の請求項4を「前記基板貫通孔には、前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置に形成され、」と訂正するものである。
したがって、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項について
訂正前の請求項4には、「基板貫通孔」が「前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置」に「形成され」ることが記載されている。
したがって、訂正事項2は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項2は、訂正事項1に伴って請求項2と4の整合を図るものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項5の「接続部」が「前記基板の前記一面または前記他面から垂直方向に離れて配置される」ものであったのを、「前記基板の前記一面の側において、前記一面に対する垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」ものであることに特定するものである。
したがって、訂正事項3は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項について
「接続部」の配置について、本件明細書等には、「・・・図19は、実施の形態2に係る照明装置における照明具の一構成例を示す外観斜視図である。図20は、図19に示した照明具の要部の断面を示す模式図である。図21は、図20に示したG部を拡大した状態を示す模式図である。」(段落【0046】)、「・・・受電部300cは、・・・給電線38と電気的に接続される接続部312と、・・・を有する。」(段落【0048】)との記載と共に【図21】が示され、「・・・図22は、変形例3に係る照明具の要部の断面を拡大した状態を示す模式図である。・・・」(段落【0053】)、「・・・受電部300dは、・・・給電線38と電気的に接続される接続部312dとを有する。接続部312dは、給電線38の導体382が挿入される接続部貫通孔3120dと、接続部貫通孔3120dに挿入される導体382と接触する接続片3121dとを有する。・・・」(段落【0054】)との記載と共に【図22】が示され、「・・・図26は、変形例7に係る照明具の要部の断面を拡大した状態を示す模式図である。・・・」(段落【0070】)、「受電部300hは、・・・給電線38と電気的に接続される接続部312hと、・・・を有する。」(段落【0072】)との記載と共に【図26】が示されているから、「前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続され、前記基板の前記一面の側において、前記一面に対する垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される接続部を有する、」ことが記載されているものと認められる。
[図:0001419348000002.jpg]
[図:0001419348000003.jpg]
[図:0001419348000004.jpg]
以上のことから、訂正前の請求項5の「接続部」が「前記基板の前記一面または前記他面から垂直方向に離れて配置される」ものであったのを、「前記基板の前記一面の側において、前記一面に対する垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」ものに特定することは、本件明細書等の記載から導かれる事項であり、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項3は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項6では「接続部」の具体的な配置が特定されていなかったものを、「前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される、」ことに特定するものである。
したがって、訂正事項4は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項について
「接続部」の配置について、本件明細書等には、上記(3)イで説示したとおり、「前記基板の前記一面の側において、前記一面に対する垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される接続部を有する、」ことが記載されているものと認められる。
以上のことから、訂正前の請求項6の「接続部」の具体的な配置が特定されていなかったものを、「前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される、」ものに特定することは、本件明細書等の記載から導かれる事項であり、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項4は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
3 一群の請求項
本件訂正前の請求項2、4、8、9は、請求項4、8、9が、本件訂正前の請求項2の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、一群の請求項である。
本件訂正前の請求項5、8、9は、請求項8、9が、本件訂正前の請求項5の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、一群の請求項である。
本件訂正前の請求項6~9は、請求項7~9が、本件訂正前の請求項6の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、一群の請求項である。
上記3つの一群の請求項は、いずれも請求項8、9が共通するから、これら3つの一群の請求項は組み合わされて、1つの「一群の請求項」となる。
したがって、本件訂正の請求は、一群の請求項〔2、4~9〕について請求されたものである。
4 小括
以上によれば、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2、4~9〕について訂正することを認める。
第3 本件訂正発明
上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件訂正後の本件特許の請求項1~9に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」等という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認められる。
「【請求項1】
受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記一面に設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記基板には、前記一面に対して垂直方向において、前記支持部貫通孔と重なる位置に、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、
前記給電線は、導体と、前記導体を覆う外装とを有し、
前記給電線の一端部は、前記電源部と電気的に接続され、
前記給電線の他端部は、末端から一定の長さまで前記外装が除去され、前記導体が露出した構成であり、
露出した前記導体は、前記基板貫通孔に挿入されるとともに前記受電部と電気的に接続される、
光源ユニット。
【請求項2】
受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記他面に設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記受電部は、前記他面に対して垂直方向において、前記支持部貫通孔と重なる位置に設けられており、
前記給電線の一端部は、前記電源部と電気的に接続され、
前記給電線の他端部は、前記受電部と電気的に接続され、
前記基板には、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、
前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される、
光源ユニット。
【請求項3】
前記基板には、前記一面に対して垂直方向において、前記支持部貫通孔の位置と重なる位置に前記受電部が設けられている、
請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記基板貫通孔は、前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置に形成され、
前記基板貫通孔には、導電性を有するビアが設けられ、
前記基板の前記一面には、前記ビアと電気的に接続される配線パッドが設けられ、
前記光源部は、前記基板の前記一面に実装される発光素子を含む前記発光部を有し、
前記給電線の前記他端部は、前記受電部、前記ビアおよび前記配線パッドを介して前記発光部と電気的に接続される、
請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項5】
受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記受電部は、前記基板の前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記発光部と電気的に接続される端子部材を有し、
前記電源部は、前記給電線の一端部が前記電源部と電気的に接続され、前記給電線の他端部が前記端子部材と電気的に接続されることによって、前記発光部と電気的に接続され、
前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続され、前記基板の前記一面の側において、前記一面に対する垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される接続部を有する、
光源ユニット。
【請求項6】
受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記受電部は、前記基板の前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記発光部と電気的に接続される端子部材を有し、
前記電源部は、前記給電線の一端部が前記電源部と電気的に接続され、前記給電線の他端部が前記端子部材と電気的に接続されることによって、前記発光部と電気的に接続され、
前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続される接続部を有し、
前記接続部には、前記基板の前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置に接続部貫通孔が形成され、
前記給電線の前記他端部は、前記接続部貫通孔に挿入されることによって、前記接続部と電気的に接続され、
前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される、
光源ユニット。
【請求項7】
前記接続部は、前記接続部貫通孔の周縁部から前記接続部貫通孔の中央部に向かって張り出す接続片を有し、
前記接続部貫通孔に挿入された前記給電線の前記他端部は、前記接続片によって前記接続部と電気的に接続される状態が維持されるとともに、挿入された方向に対して反対方向への移動が規制される、
請求項6に記載の光源ユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の光源ユニットと、
透光性を有し、前記光源部を内包するカバーと、
を有する照明具。
【請求項9】
天井を含む造営部に設置される器具と、
前記器具に対して着脱自在に装着される、請求項8に記載の照明具と、
を有する照明装置。」
第4 取消理由の概要
本件訂正前の請求項2、4~9に係る特許に対して当審が通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
理由:(新規性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
記
<申立人が提出した証拠>
甲第1号証:特開2016-46047号公報
甲第6号証:特開2018-10734号公報
(以下、申立人が提出した「甲第○号証」を「甲○」という。)
<請求項に係る発明と引用文献の関係>
(1)甲1を主引用例とした場合
請求項 2、4、5、8、9
(2)甲6を主引用例とした場合
請求項 6~9
第5 取消理由についての判断
1 甲1を主引用例とした場合
(1)甲1発明について
ア 甲1発明2A
甲1には、実施形態2に関し以下の発明(以下「甲1発明2A」という。)が記載されていると認められる(括弧内に根拠箇所を示した。以下同様。)。
「受電する点灯電力によって光を出射する固体発光素子18が設けられた第1面および前記第1面の反対側の面である第2面を有する第1基板19Aと、前記第2面に設けられ、前記点灯電力を前記体発光素子18に供給する接続部53とを有する光源部3と(段落【0026】、【0079】、【0087】、【図6】)、
前記光源部3に給電される前記点灯電力を生成する電源ユニット52と(段落【0081】)、
前記第1基板19Aの前記第2面に対向する面であって前記光源部3を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源ユニット52を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔5aが形成された取付部材5と(段落【0039】、【0084】、【図6】)、
前記貫通孔5aに挿入された状態で、前記電源ユニット52から前記光源部3に前記点灯電力を供給する経路となる接続部材51のばね端子51aと(段落【0080】、【図6】)、
を有し、
前記接続部53は、前記第2面に対して垂直方向において、前記貫通孔5aと重なる位置に設けられており(段落【0087】、【図6】)、
前記ばね端子51aの一端部は、前記電源ユニット52と電気的に接続され(段落【0080】、【0082】、【図6】)、
前記ばね端子51aの他端部は、前記接続部53と電気的に接続され(段落【0093】、【図6】)、
前記第1基板19Aには、前記第1面と前記第2面との間を貫通する導電体57、58が設けられ(段落【0089】、【図7】)、
ばね端子51aは、前記第2面の側において、前記接続部53と接続される(段落【0093】、【図6】)、
光源ユニット50。」
[図:0001419348000005.jpg]
イ 甲1発明5
甲1には、実施形態1に関し以下の発明(以下「甲1発明5」という。)が記載されていると認められる。
「受電する点灯電力によって光を出射する固体発光素子18が設けられた第1面および前記第1面の反対側の面である第2面を有する第1基板19Aと、前記第1面に設けられ、前記点灯電力を前記体発光素子18に供給する接続部32とを有する光源部3と(段落【0023】、【0025】、【0026】、【0064】、【図3】)、
前記光源部3に給電される前記点灯電力を生成する電源ユニット4と(段落【0031】)、
前記第1基板19Aの前記第2面に対向する面であって前記光源部3を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源ユニット4を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔5aが形成された取付部材5と(段落【0039】、【0059】、【図3】)、
前記貫通孔5aに挿入された状態で、前記電源ユニット4から前記光源部3に前記点灯電力を供給する経路となる、第1コネクタ36・第2コネクタ37・導体部38からなる接続部材6と(段落【0066】、【0074】、【図5】)、
を有し、
前記接続部32は、前記第1基板19Aの前記第1面に設けられ、前記固体発光素子18と電気的に接続されるコネクタであり(段落【0062】、【図3】)、
前記電源ユニット4は、前記接続部材6の第1コネクタ36が前記電源ユニット4と電気的に接続され、前記接続部材6の第2コネクタ37が前記接続部32のコネクタと電気的に接続されることによって、前記固体発光素子18と電気的に接続され(段落【0064】、【0071】、【図5】)、
前記接続部32は、前記接続部材6の第2コネクタ37と電気的に接続され、前記第1基板19Aの第9孔17に通された位置に配置される一対のピン32a、32aを有する(段落【0062】、【0068】、【図3】、【図5】)、
光源ユニット2。」
[図:0001419348000006.jpg]
(2)本件発明2について
ア 対比
(ア)本件発明2と甲1発明2Aとを対比すると、後者の「固体発光素子18」は前者の「発光部」に相当し、以下同様に、「第1基板19A」は「基板」に、「接続部53」は「受電部」に、「光源部3」は「光源部」に、「電源ユニット52」は「電源部」に、「貫通孔5a」は「支持部貫通孔」に、「取付部材5」は「支持部」に、「光源ユニット50」は「光源ユニット」に、それぞれ相当する。
(イ)甲1発明2Aの「第1基板19A」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明2の「基板」における「一面」及び「他面」に相当する。
(ウ)甲1発明2Aの「取付部材5」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明2の「支持部」における「第1面」及び「第2面」に相当する。
(エ)本件発明2の「給電線」は、「前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路」となればよいものであって、その長さや径の大小、外装や可撓性の有無などは規定されていないから、字義通り、給電する線(部材)と解すべきであって、そうすると、甲1発明2Aの「接続部材51」の「ばね端子51a」のような短く細い針状の導電体も、これに含まれるものと認められる。
そうすると、甲1発明2Aの「接続部材51」の「ばね端子51a」は、本件発明2の「給電線」に相当する。
(オ)甲1発明2Aの「導電体57、58」は、プリント基板に形成されたビアである(段落【0089】)から、「第1基板19A」には「導電体57、58」のため、その「第1面」と「第2面」との間を貫通する基板貫通孔が形成されていることは明らかである。
よって、甲1発明2Aの「第1基板19A」に「前記第1面と前記第2面との間を貫通する導電体57、58が設けられ」ていることは、本件発明2の「基板」に「前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され」ていることに相当する。
(カ)甲1発明2Aの「ばね端子51aは、前記第2面の側において、前記接続部53と接続される」と、本件発明2の「前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される」こととは、「前記給電線は、前記受電部と接続される」ことの点において共通する。
(キ)そうすると、両者は、
「受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記他面に設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記受電部は、前記他面に対して垂直方向において、前記支持部貫通孔と重なる位置に設けられており、
前記給電線の一端部は、前記電源部と電気的に接続され、
前記給電線の他端部は、前記受電部と電気的に接続され、
前記基板には、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、
前記給電線は、前記受電部と接続される、
光源ユニット。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
〔甲1発明2A相違点〕
給電線と受電部の接続に関し、本件発明2は、「前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される」のに対して、甲1発明2Aは、「ばね端子51aは、前記第2面の側において、前記接続部53と接続される」点。
イ 判断
甲1発明2A相違点は、実質的な相違点であるから、本件発明2は、甲1発明2Aではない。
(3)本件発明5について
ア 対比
(ア)本件発明5と甲1発明5とを対比すると、後者の「固体発光素子18」は前者の「発光部」に相当し、以下同様に、「第1基板19A」は「基板」に、「接続部32」は「受電部」に、「光源部3」は「光源部」に、「電源ユニット4」は「電源部」に、「貫通孔5a」は「支持部貫通孔」に、「取付部材5」は「支持部」に、「光源ユニット2」は「光源ユニット」に、それぞれ相当する。
(イ)甲1発明5の「第1基板19A」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明5の「基板」における「一面」及び「他面」に相当する。
(ウ)甲1発明5の「取付部材5」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明5の「支持部」における「第1面」及び「第2面」に相当する。
(エ)甲1発明5の「第1コネクタ36・第2コネクタ37・導体部38からなる接続部材6」は、本件発明5の「給電線」に相当する。
(オ)甲1発明5の「接続部32」が「コネクタ」であることは、本件発明5の「受電部」が「端子部材を有」することに相当する。そうすると、甲1発明5の「コネクタ」が「前記第1基板19Aの前記第1面に設けられ、前記固体発光素子18と電気的に接続される」ものであることは、本件発明5の「端子部材」が「前記基板の前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記発光部と電気的に接続される」ものであることに相当する。
(カ)甲1発明5の「前記接続部材6の第1コネクタ36」が「前記電源ユニット4と電気的に接続され」ていることは、本件発明5の「前記給電線の一端部」が「前記電源部と電気的に接続され」ていることに相当する。
(キ)甲1発明5の「前記接続部材6の第2コネクタ37」が「前記接続部32のコネクタと電気的に接続されることによって、前記固体発光素子18と電気的に接続され」ることは、本件発明5の「前記給電線の他端部」が「前記端子部材と電気的に接続されることによって、前記発光部と電気的に接続され」ることに相当する。
(ク)甲1発明5の「前記接続部32は、前記接続部材6の第2コネクタ37と電気的に接続され」ることは、本件発明5の「前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続され」ることに相当する。
(ケ)甲1発明5の「前記接続部32」が有する「一対のピン32a、32a」は、本件発明5の「接続部」に相当する。
(コ)そうすると、両者は、
「受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記受電部は、前記基板の前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記発光部と電気的に接続される端子部材を有し、
前記電源部は、前記給電線の一端部が前記電源部と電気的に接続され、前記給電線の他端部が前記端子部材と電気的に接続されることによって、前記発光部と電気的に接続され、
前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続され、接続部を有する、
光源ユニット。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
〔甲1発明5相違点〕
接続部の配置に関し、本件発明5は、「接続部」が「前記基板の前記一面の側において、前記一面に対する垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」のに対して、甲1発明5は、「一対のピン32a、32a」が「前記第1基板19Aの第9孔17に通された位置に配置される」点。
イ 判断
甲1発明5相違点は、実質的な相違点であるから、本件発明5は、甲1発明5ではない。
(4)本件発明4、8、9について
本件発明2を引用する本件発明4、8、9は、本件発明2の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記(2)で示したのと同様に、甲1発明2Aではない。
また、本件発明5を引用する本件発明8、9は、本件発明5の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記(3)で示したのと同様に、甲1発明5ではない。
2 甲6を主引用例とした場合
(1)甲6発明について
甲6には、以下の発明(以下「甲6発明6」という。)が記載されていると認められる。
「受電する点灯電力によって光を出射するLED220が設けられた下面および前記下面の反対側の面である上面を有する基板221と、前記下面に設けられ、前記点灯電力を前記LED220に供給する入力端子部222とを有するLEDモジュール22と(段落【0020】、【0041】、【図5】、【図9】)、
前記LEDモジュール22に給電される前記点灯電力を生成する電源装置4と(段落【0019】、【0026】~【0033】)、
前記基板221の前記上面に対向する面であって前記LEDモジュール22を支持する下面と、前記下面の反対側の面であって前記電源装置4を支持する上面とを有し、前記下面と前記上面との間を貫通する孔213が形成された取付部材21と(段落【0048】、【0049】、【図5】)、
前記孔213に挿入された状態で、前記電源装置4から前記LEDモジュール22に前記点灯電力を供給する経路となる導電体50と(段落【0050】、【0051】、【図8】)、
を有し、
前記入力端子部222は、前記基板221の前記下面に設けられ、前記LEDモジュール22と電気的に接続される第1端子部材51を有し(段落【0050】、【図6】)、
前記電源装置4は、前記導電体50の一端部が前記電源装置4と電気的に接続され、前記導電体50の他端部が前記第1端子部材51と電気的に接続されることによって、前記LED220と電気的に接続され(段落【0041】、【図8】)、
前記入力端子部222は、前記導電体50の前記他端部と電気的に接続される支持片512、案内片513を有し(段落【0050】、【図6】、【図8】)、
前記支持片512、案内片513には、前記基板221の前記下面に対して垂直方向において前記孔213と重なる位置に挿通孔511が形成され(段落【0050】、【図8】)、
前記導電体50の前記他端部は、前記挿通孔511に挿入されることによって、前記支持片512、案内片513と電気的に接続され(段落【0050】、【図8】)、
前記支持片512、案内片513は、前記基板221の前記下面側から切り起こされて、前記基板221の貫通孔2210に臨んでいる(段落【0039】、【図8】)、
光源ユニット2。」
[図:0001419348000007.jpg]
(2)本件発明6について
ア 対比
(ア)本件発明6と甲6発明6とを対比すると、後者の「LED220」は前者の「発光部」に相当し、以下同様に、「LEDモジュール22」は「光源部」に、「基板221」は「基板」に、「入力端子部222」は「受電部」に、「電源装置4」は「電源部」に、「孔213」は「支持部貫通孔」に、「取付部材21」は「支持部」に、「第1端子部材51」は「端子部材」に、「支持片512、案内片513」は「接続部」に、「挿通孔511」は「接続部貫通孔」に、「光源ユニット2」は「光源ユニット」に、それぞれ相当する。
(イ)甲6発明6の「基板221」における「下面」及び「上面」は、本件発明6の「基板」における「一面」及び「他面」に相当する。
(ウ)甲6発明6の「取付部材21」における「下面」及び「上面」は、本件発明6の「支持部」における「第1面」及び「第2面」に相当する。
(エ)上記(ア)及び(イ)を踏まえると、甲6発明6の「入力端子部222」が「基板221」の「前記下面に設けられ」ることは、本件発明6の「受電部」が「基板」の「前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ」ることに相当する。
(オ)上記(ア)(イ)(エ)を踏まえると、甲6発明6の「第1端子部材51」が「基板221」の「前記下面に設けられ」ることは、本件発明6の「端子部材」が「基板」の「前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ」ることに相当する。
(カ)本件発明6の「給電線」は、「前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路」となればよいものであって、その長さや径の大小、外装や可撓性の有無などは規定されていないから、字義通り、給電する線(部材)と解すべきであって、そうすると、甲6発明6の「導電体50」のような棒状の導電体も、これに含まれるものと認められる。
よって、甲6発明6の「導電体50」は、本件発明6の「給電線」に相当する。
(キ)甲6発明6の「前記支持片512、案内片513」は、「前記基板221の前記下面側から切り起こされて」いるのだから、「前記基板221の前記下面側」から垂直方向に沿って下面から離れた位置に配置されている。そうすると、甲6発明6の「前記支持片512、案内片513は、前記基板221の前記下面側から切り起こされて、前記基板221の貫通孔2210に臨んでいる」ことと、本件発明6の「前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」こととは、「前記接続部は、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」ことの点で共通する。
(ク)そうすると、両者は、
「受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記受電部は、前記基板の前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記発光部と電気的に接続される端子部材を有し、
前記電源部は、前記給電線の一端部が前記電源部と電気的に接続され、前記給電線の他端部が前記端子部材と電気的に接続されることによって、前記発光部と電気的に接続され、
前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続される接続部を有し、
前記接続部には、前記基板の前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置に接続部貫通孔が形成され、
前記給電線の前記他端部は、前記接続部貫通孔に挿入されることによって、前記接続部と電気的に接続され、
前記接続部は、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される、
光源ユニット。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
〔甲6発明6相違点〕
接続部の配置に関し、本件発明6は、「前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」のに対して、甲6発明6は、「前記支持片512、案内片513は、前記基板221の前記下面側から切り起こされて、前記基板221の貫通孔2210に臨んでいる」点。
イ 判断
甲6発明6相違点は、実質的な相違点であるから、本件発明6は、甲6発明6ではない。
(3)本件発明7~9について
本件発明7~9は、本件発明6の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記(2)で示したのと同様に、甲6発明6ではない。
3 小括
以上のとおりであるから、本件発明2、4~9係る特許は、取消理由通知書に記載した取消理由によっては取り消されるべきものではない。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 その他の申立理由の内容
(1)甲1を主引用例とした場合の新規性
取消理由通知において甲1の実施形態2に基づき認定した甲1発明2Aと異なり、申立人が甲1の実施形態1に基づき認定した発明に関し、申立人は、特許異議申立書において、本件訂正前の請求項2、4に係る発明は、甲1に記載された発明であるから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである旨主張していると認められる。
(2)甲1を主引用例とした場合の進歩性
申立人は、特許異議申立書において、本件訂正前の請求項1~6、8、9に係る発明は、甲1に記載された発明と甲2~7に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張していると認められる。
(3)甲6を主引用例とした場合の進歩性
申立人は、特許異議申立書において、本件訂正前の請求項6、7に係る発明は、甲6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張していると認められる。
<申立人が提出したその他の証拠>
甲2:国際公開第2014/006790号
甲3:特開2012-209537号公報
甲4:特開2017-130362号公報
甲5:特開2017-212079号公報
甲7:国際公開第2014/006789号
<申立人が提出した参考資料>
参考資料1:特開2011-14305号公報
参考資料2:特表2012-517681号公報
参考資料3:特開2006-313718号公報
2 その他の申立理由についての判断
(1)上記1(1)甲1を主引用例とした場合の新規性について
ア 甲1発明について
甲1には、実施形態1に関し以下の発明(以下「甲1発明2B」という。)が記載されていると認められる。
「受電する点灯電力によって光を出射する固体発光素子18が設けられた第1面および前記第1面の反対側の面である第2面を有する第1基板19Aと、前記第1面に設けられ、前記点灯電力を前記体発光素子18に供給する接続部32とを有する光源部3と(段落【0023】、【0025】、【0026】、【0064】、【図3】)、
前記光源部3に給電される前記点灯電力を生成する電源ユニット4と(段落【0032】)、
前記第1基板19Aの前記第2面に対向する面であって前記光源部3を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源ユニット4を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔5aが形成された取付部材5と(段落【0039】、【0059】、【図3】)、
前記貫通孔5aに挿入された状態で、前記電源ユニット4から前記光源部3に前記点灯電力を供給する経路となる、第1コネクタ36・第2コネクタ37・導体部38からなる接続部材6と(段落【0066】、【0074】、【図5】)、
を有し、
前記接続部32は、前記第2面に対して垂直方向において、前記貫通孔5aと重なる位置に設けられており(【図3】)、
前記接続部材6の第1コネクタ36は、前記電源ユニット4と電気的に接続され(段落【0067】、【図5】)、
前記接続部材6の第2コネクタ37は、前記接続部32と電気的に接続され(段落【0093】、【図6】)、
前記第1基板19Aには、前記第1面と前記第2面との間を貫通する第9孔17が設けられ(段落【0063】、【図3】)、
前記接続部材6の第2コネクタ37は、前記第9孔17に通された接続部32と接続される(段落【0068】、【図5】)、
光源ユニット2。」
[図:0001419348000008.jpg]
イ 本件発明2について
(ア)対比
a 本件発明2と甲1発明2Bとを対比すると、後者の「固体発光素子18」は前者の「発光部」に相当し、以下同様に、「第1基板19A」は「基板」に、「接続部32」は「受電部」に、「光源部3」は「光源部」に、「電源ユニット4」は「電源部」に、「貫通孔5a」は「支持部貫通孔」に、「取付部材5」は「支持部」に、「第9孔17」は「基板貫通孔]に、「光源ユニット2」は「光源ユニット」に、それぞれ相当する。
b 甲1発明2Bの「第1基板19A」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明2の「基板」における「一面」及び「他面」に相当する。
c 甲1発明2Bの「取付部材5」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明2の「支持部」における「第1面」及び「第2面」に相当する。
d 甲1発明2Bの「第1コネクタ36・第2コネクタ37・導体部38からなる接続部材6」は、本件発明2の「給電線」に相当する。
e 甲1発明2Bの「前記接続部材6の第1コネクタ36」が「前記電源ユニット4と電気的に接続され」ていることは、本件発明2の「前記給電線の一端部」が「前記電源部と電気的に接続され」ていることに相当する。
f 甲1発明2Bの「前記接続部材6の第2コネクタ37」が「前記接続部32と電気的に接続され」ていることは、本件発明2の「前記給電線の他端部」が「前記受電部と電気的に接続され」ていることに相当する。
g 甲1発明2Bの「前記接続部材6の第2コネクタ37は、前記第9孔17に通された接続部32と接続される」ことと、本件発明2の「前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される」こととは、「前記給電線は、前記受電部と接続される」ことの点において共通する。
h そうすると、両者は、
「受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記他面に設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記受電部は、前記他面に対して垂直方向において、前記支持部貫通孔と重なる位置に設けられており、
前記給電線の一端部は、前記電源部と電気的に接続され、
前記給電線の他端部は、前記受電部と電気的に接続され、
前記基板には、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、
前記給電線は、前記受電部と接続される、
光源ユニット。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
〔甲1発明2B相違点〕
給電線と受電部の接続に関し、本件発明2は、「前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される」のに対して、甲1発明2Bは、「前記接続部材6の第2コネクタ37は、前記第9孔17に通された接続部32と接続される」点。
(イ)判断
甲1発明2B相違点は、実質的な相違点であるから、本件発明2は、甲1発明2Bではない。
ウ 本件発明4について
本件発明4は、本件発明2の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記イで示したのと同様に、甲1発明2Bではない。
エ 小括
以上のとおり、本件発明2、4は、甲1発明2Bではないから、申立人の主張を採用することはできない。
(2)上記1(2)甲1を主引用例とした場合の進歩性について
ア 甲1発明について
(ア)甲1発明1
甲1には、実施形態1に関し以下の発明(以下「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。
「受電する点灯電力によって光を出射する固体発光素子18が設けられた第1面および前記第1面の反対側の面である第2面を有する第1基板19Aと、前記第1面に設けられ、前記点灯電力を前記体発光素子18に供給する接続部32とを有する光源部3と(段落【0023】、【0025】、【0026】、【0064】、【図3】)、
前記光源部3に給電される前記点灯電力を生成する電源ユニット4と(段落【0032】)、
前記第1基板19Aの前記第2面に対向する面であって前記光源部3を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源ユニット4を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔5aが形成された取付部材5と(段落【0039】、【0059】、【図3】)、
前記貫通孔5aに挿入された状態で、前記電源ユニット4から前記光源部3に前記点灯電力を供給する経路となる、第1コネクタ36・第2コネクタ37・導体部38からなる接続部材6と(段落【0066】、【0074】、【図5】)、
を有し、
前記第1基板19Aには、前記第1面に対して垂直方向において、前記貫通孔5aと重なる位置に、前記第1面と前記第2面との間を貫通する第9孔17が設けられ(段落【0063】、【図3】)、
前記接続部材6は、被覆電線である導体部38を有し(段落【0069】)、
前記接続部材6の第1コネクタ36は、前記電源ユニット4と電気的に接続され(段落【0067】、【図5】)、
前記接続部材6の第2コネクタ37は、前記第9孔17に通された接続部32と接続される(段落【0068】、【図5】)、
光源ユニット2。」
[図:0001419348000009.jpg]
(イ)甲1発明6
甲1には、実施形態1に関し以下の発明(以下「甲1発明6」という。)が記載されていると認められる。
「受電する点灯電力によって光を出射する固体発光素子18が設けられた第1面および前記第1面の反対側の面である第2面を有する第1基板19Aと、前記第1面に設けられ、前記点灯電力を前記体発光素子18に供給する接続部32とを有する光源部3と(段落【0023】、【0025】、【0026】、【0064】、【図3】)、
前記光源部3に給電される前記点灯電力を生成する電源ユニット4と(段落【0032】)、
前記第1基板19Aの前記第2面に対向する面であって前記光源部3を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源ユニット4を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔5aが形成された取付部材5と(段落【0039】、【0059】、【図3】)、
前記貫通孔5aに挿入された状態で、前記電源ユニット4から前記光源部3に前記点灯電力を供給する経路となる、第1コネクタ36・第2コネクタ37・導体部38からなる接続部材6と(段落【0066】、【0074】、【図5】)、
を有し、
前記接続部32は、前記第1基板19Aの前記第1面に設けられ、前記固体発光素子18と電気的に接続されるコネクタを有し(段落【0062】、【図3】)、
前記電源ユニット4は、前記接続部材6の第1コネクタ36が前記電源ユニット4と電気的に接続され、前記接続部材6の第2コネクタ37が前記接続部32のコネクタと電気的に接続されることによって、前記固体発光素子18と電気的に接続され(段落【0064】、【0071】、【図5】)、
前記接続部32は、前記接続部材6の第2コネクタ37と電気的に接続される一対のピン32a、32aを有し(段落【0062】、【図3】)、
前記接続部材6の第2コネクタ37は、前記第9孔17に通された接続部32と電気的に接続され(段落【0068】、【図5】)、
前記一対のピン32a、32aは、前記第9孔17に通された位置に配置される(段落【0064】、【図3】)、
光源ユニット2。」
イ 本件発明1について
(ア)対比
a 本件発明1と甲1発明1とを対比すると、後者の「固体発光素子18」は前者の「発光部」に相当し、以下同様に、「第1基板19A」は「基板」に、「接続部32」は「受電部」に、「光源部3」は「光源部」に、「電源ユニット4」は「電源部」に、「貫通孔5a」は「支持部貫通孔」に、「取付部材5」は「支持部」に、「第9孔17」は「基板貫通孔]に、「光源ユニット2」は「光源ユニット」に、それぞれ相当する。
b 甲1発明1の「第1基板19A」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明1の「基板」における「一面」及び「他面」に相当する。
c 甲1発明1の「取付部材5」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明1の「支持部」における「第1面」及び「第2面」に相当する。
d 甲1発明1の「第1コネクタ36・第2コネクタ37・導体部38からなる接続部材6」は、本件発明1の「給電線」に相当する。
e 甲1発明1の「接続部材6」を構成する「導体部38」が「被覆電線である」ことは、本件発明1の「給電線」が「導体と、前記導体を覆う外装とを有」することに相当する。
f 甲1発明1の「前記接続部材6の第1コネクタ36」が「前記電源ユニット4と電気的に接続され」ていることは、本件発明1の「前記給電線の一端部」が「前記電源部と電気的に接続され」ていることに相当する。
g 甲1発明1の「前記接続部材6の第2コネクタ37」が「前記第9孔17に通された接続部32と接続される」ことと、本件発明1の「前記給電線の他端部は、末端から一定の長さまで前記外装が除去され、前記導体が露出した構成であり、露出した前記導体は、前記基板貫通孔に挿入されるとともに前記受電部と電気的に接続される」こととは、「前記給電線の他端部は、前記受電部と電気的に接続される」ことの点において共通する。
h そうすると、両者は、
「受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記一面に設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記基板には、前記一面に対して垂直方向において、前記支持部貫通孔と重なる位置に、前記一面と前記他面との間を貫通する基板貫通孔が形成され、
前記給電線は、導体と、前記導体を覆う外装とを有し、
前記給電線の一端部は、前記電源部と電気的に接続され、
前記給電線の他端部は、前記受電部と電気的に接続される、
光源ユニット。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
〔甲1発明1相違点〕
給電線の他端部と受電部の接続に関し、本件発明1は、「前記給電線の他端部は、末端から一定の長さまで前記外装が除去され、前記導体が露出した構成であり、露出した前記導体は、前記基板貫通孔に挿入されるとともに前記受電部と電気的に接続される」のに対して、甲1発明1は、接続部材6の第2コネクタ37が第9孔17に通された接続部32と接続される点。
(イ)判断
a 甲1の「また、接続部材6は、第1コネクタ36を保持する第1保持部39と、第2コネクタ37を保持する第2保持部40とを備えている。・・・」(段落【0070】)、「・・・第1保持部39は、第2保持部40に取り付けられ、かつ、第2保持部40に対して変位可能に構成されている。これにより、光源ユニット2では、第2保持部40に保持された第2コネクタ37を接続部32に接続した後に、第1保持部39を取付部材5の長手方向の一方向(図5では、右方向)に沿って変位させることで、第1コネクタ36とコネクタ22とが接続される。・・・」(段落【0071】)との記載によれば、甲1発明1は、「接続部材6」を構成する「第1コネクタ36」を保持する第1保持部39と、「第2コネクタ37」を保持する第2保持部40同士を変位可能に構成することで、「第2コネクタ37」と「接続部32」の接続後に、第1保持部39の変位によって「第1コネクタ36」と「電源ユニット4」のコネクタ22を接続するものであることが理解できる。
b 上記aのコネクタ接続のために甲1発明1は、接続部材6の第2コネクタ37が、第9孔17に通された接続部32のピン32a(段落【0064】、【図4】、【図5】)と接続する構造をとっていることが分かる。
c 上記a及びbの理解によると、甲1発明1はコネクタ接続を前提とするものであるから、甲1発明1において、接続部材6の第2コネクタ37を廃すると共に導体部38の外装を除去して導体が露出した状態とし、さらに接続部32のピン32を廃すると共に露出導体と接続する構造に変更すること、換言すると、甲1発明1においてコネクタ構造を廃して直接接続とすることの阻害事由がある。
d したがって、その他の証拠、及び参考資料について検討するまでもなく、甲1発明1において、甲1発明1相違点に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(ウ)小括
以上のことから、本件発明1は、甲1発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
ウ 本件発明2について
(ア)対比
上記(1)イ(ア)で検討したとおり、本件発明2と甲1発明2Bを対比すると、両者は以下の点で相違する。
〔甲1発明2B相違点〕
給電線と受電部の接続に関し、本件発明2は、「前記給電線は、前記基板貫通孔を貫通するとともに、前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置において前記受電部と接続される」のに対して、甲1発明2Bは、「前記接続部材6の第2コネクタ37は、前記第9孔17に通された接続部32と接続される」点。
(イ)判断
a 甲1発明1について上記イ(イ)で説示したのと同様に、甲1発明2Bは、「接続部材6」を構成する「第1コネクタ36」を保持する第1保持部39と、「第2コネクタ37」を保持する第2保持部40同士を変位可能に構成することで、「第2コネクタ37」と「接続部32」の接続後に、第1保持部39の変位によって「第1コネクタ36」と「電源ユニット4」のコネクタ22を接続するものであることが理解できる。
b 上記aのコネクタ接続のために甲1発明2Bは、接続部材6の第2コネクタ37が、第9孔17に通された接続部32のピン32a(段落【0064】、【図4】、【図5】)と接続する構造をとっていることが分かる。
c 上記a及びbの理解によると、甲1発明2Bはコネクタ接続を前提とするものであるから、第9孔17に通された接続部32のピン32aと接続する構造を廃すると共に、第1面から離れた位置、すなわち第9孔17から離れた位置で接続するような態様に変更することの阻害事由がある。
d したがって、その他の証拠、及び参考資料について検討するまでもなく、甲1発明2Bにおいて、甲1発明2B相違点に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(ウ)小括
以上のことから、本件発明2は、甲1発明2Bに基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
エ 本件発明5について
(ア)対比
上記第5の1(3)アで検討したとおり、本件発明5と甲1発明5を対比すると、両者は以下の点で相違する。
〔甲1発明5相違点〕
接続部の配置に関し、本件発明5は、「接続部」が「前記基板の前記一面の側において、前記一面に対する垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」のに対して、甲1発明5は、「一対のピン32a、32a」が「前記第1基板19Aの第9孔17に通された位置に配置される」点。
(イ)判断
a 甲1発明1について上記イ(イ)で説示したのと同様に、甲1発明5は、「接続部材6」を構成する「第1コネクタ36」を保持する第1保持部39と、「第2コネクタ37」を保持する第2保持部40同士を変位可能に構成することで、「第2コネクタ37」と「接続部32」の接続後に、第1保持部39の変位によって「第1コネクタ36」と「電源ユニット4」のコネクタ22を接続するものであることが理解できる。
b 上記aのコネクタ接続のために甲1発明5は、接続部材6の第2コネクタ37が、第9孔17に通された接続部32のピン32aと接続する構造をとっていることが分かる。
c 上記a及びbの理解によると、甲1発明5はコネクタ接続を前提とするものであるから、第9孔17に通された接続部32のピン32aと接続する構造を廃すると共に、第1面から離れた位置、すなわち第9孔17から離れた位置で接続するような態様に変更することの阻害事由がある。
d したがって、その他の証拠、及び参考資料について検討するまでもなく、甲1発明5において、甲1発明5相違点に係る本件発明5の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(ウ)小括
以上のことから、本件発明5は、甲1発明5に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
オ 本件発明6について
(ア)対比
a 本件発明6と甲1発明6とを対比すると、後者の「固体発光素子18」は前者の「発光部」に相当し、以下同様に、「第1基板19A」は「基板」に、「接続部32」は「受電部」に、「光源部3」は「光源部」に、「電源ユニット4」は「電源部」に、「貫通孔5a」は「支持部貫通孔」に、「取付部材5」は「支持部」に、「光源ユニット2」は「光源ユニット」に、それぞれ相当する。
b 甲1発明6の「第1基板19A」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明6の「基板」における「一面」及び「他面」に相当する。
c 甲1発明6の「取付部材5」における「第1面」及び「第2面」は、本件発明6の「支持部」における「第1面」及び「第2面」に相当する。
d 甲1発明6の「第1コネクタ36・第2コネクタ37・導体部38からなる接続部材6」は、本件発明6の「給電線」に相当する。
e 甲1発明6の「接続部32」が有する「コネクタ」は、本件発明6の「受電部」が有する「端子部材」に相当する。そうすると、甲1発明6の「コネクタ」が「前記第1基板19Aの前記第1面に設けられ、前記固体発光素子18と電気的に接続される」ものであることは、本件発明6の「端子部材」が「前記基板の前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記発光部と電気的に接続される」ものであることに相当する。
f 甲1発明6の「前記接続部材6の第1コネクタ36」が「前記電源ユニット4と電気的に接続され」ていることは、本件発明6の「前記給電線の一端部」が「前記電源部と電気的に接続され」ていることに相当する。
g 甲1発明6の「前記接続部材6の第2コネクタ37」が「前記接続部32のコネクタと電気的に接続されることによって、前記固体発光素子18と電気的に接続され」ることは、本件発明6の「前記給電線の他端部」が「前記端子部材と電気的に接続されることによって、前記発光部と電気的に接続され」ることに相当する。
h 甲1発明6の「前記接続部32」が有する「一対のピン32a、32a」は、本件発明6の「接続部」に相当する。そうすると、甲1発明6の「一対のピン32a、32a」が「前記接続部材6の第2コネクタ37と電気的に接続される」ことは、本件発明6の「接続部」が「前記給電線の他端部と電気的に接続され」ることに相当する。
i そうすると、両者は、
「受電する点灯電力によって光を出射する発光部が設けられた一面および前記一面の反対側の面である他面を有する基板と、前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記点灯電力を前記発光部に供給する受電部とを有する光源部と、
前記光源部に給電される前記点灯電力を生成する電源部と、
前記基板の前記他面に対向する面であって前記光源部を支持する第1面と、前記第1面の反対側の面であって前記電源部を支持する第2面とを有し、前記第1面と前記第2面との間を貫通する支持部貫通孔が形成された支持部と、
前記支持部貫通孔に挿入された状態で、前記電源部から前記光源部に前記点灯電力を供給する経路となる給電線と、
を有し、
前記受電部は、前記基板の前記一面および前記他面のうち、少なくともいずれかに設けられ、前記発光部と電気的に接続される端子部材を有し、
前記電源部は、前記給電線の一端部が前記電源部と電気的に接続され、前記給電線の他端部が前記端子部材と電気的に接続されることによって、前記発光部と電気的に接続され、
前記受電部は、前記給電線の前記他端部と電気的に接続される接続部を有する、
光源ユニット。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
〔甲1発明6相違点〕
接続部に関し、本件発明6は、「前記接続部には、前記基板の前記一面に対して垂直方向において前記支持部貫通孔と重なる位置に接続部貫通孔が形成され、前記給電線の前記他端部は、前記接続部貫通孔に挿入されることによって、前記接続部と電気的に接続され、前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」ものであるのに対して、甲1発明6は、「前記接続部材6の第2コネクタ37は、前記第9孔17に通された接続部32と電気的に接続され」るものであって、「前記一対のピン32a、32aは、前記第9孔17に通された位置に配置される」ものである点。
(イ)判断
a 甲1発明1について上記イ(イ)で説示したのと同様に、甲1発明6は、「接続部材6」を構成する「第1コネクタ36」を保持する第1保持部39と、「第2コネクタ37」を保持する第2保持部40同士を変位可能に構成することで、「第2コネクタ37」と「接続部32」の接続後に、第1保持部39の変位によって「第1コネクタ36」と「電源ユニット4」のコネクタ22を接続するものであることが理解できる。
b 上記aのコネクタ接続のために甲1発明6は、接続部材6の第2コネクタ37が、第9孔17に通された接続部32のピン32aと接続する構造をとっていることが分かる。
c 上記a及びbの理解によると、甲1発明6はコネクタ接続を前提とするものであるから、第9孔17に通された接続部32のピン32aと接続する構造を廃すると共に、接続部32に接続部貫通孔を設け、さらに第1面から離れた位置、すなわち第9孔17から離れた位置で接続するような態様に変更することの阻害事由がある。
d したがって、その他の証拠、及び参考資料について検討するまでもなく、甲1発明6において、甲1発明6相違点に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(ウ)小括
以上のことから、本件発明6は、甲1発明6に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
カ 本件発明3、4、7~9について
本件発明1を引用する本件発明3、8、9は、本件発明1の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記イで示したのと同様に、甲1発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
本件発明2を引用する本件発明4、8、9は、本件発明2の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記ウで示したのと同様に、甲1発明2Bに基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
本件発明5を引用する本件発明8、9は、本件発明5の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記エで示したのと同様に、甲1発明5に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
本件発明6を引用する本件発明8、9は、本件発明6の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記オで示したのと同様に、甲1発明6に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(3)上記1(3)甲6を主引用例とした場合の進歩性について
ア 本件発明6について
(ア)対比
上記第5の2(2)アで検討したとおり、本件発明6と甲6発明6を対比すると、両者は以下の点で相違する。
〔甲6発明6相違点〕
接続部の配置に関し、本件発明6は、「前記接続部は、前記基板の前記一面の側において、前記垂直方向に沿って前記一面から離れた位置に配置される」のに対して、甲6発明6は、「前記支持片512、案内片513は、前記基板221の前記下面側から切り起こされて、前記基板221の貫通孔2210に臨んでいる」点。
(イ)判断
a 甲6の「そして、作業者は、2つの導電体50のそれぞれを、2つの第1端子部材51のうちの対応する第1端子部材51の挿通孔511に挿入する。このとき、挿通孔511を囲むように配置されている3つの支持片512と3つの案内片513の下面(傾斜面)により、導電体50の上端部(第2端部501)が挿通孔511に案内される。そのため、作業者は、導電体50を容易に挿通孔511に挿入することができる。ただし、3つの支持片512はそれぞれ、導電体50に先端部分が接触することによって、導電体50が挿入される向き(上向き)に撓む(弾性変形する)。」(段落【0050】)との記載によれば、甲6発明6の「支持片512、案内片513」の「前記基板221の前記下面側から切り起こされて、前記基板221の貫通孔2210に臨んでいる」という構成によって、棒状の導電体である「導電体50」を容易に挿入することができるものであることが理解できる。
b すなわち、挿入容易性のために甲6発明6の「支持片512、案内片513」は、「前記基板221の前記下面側から切り起こされて、前記基板221の貫通孔2210に臨んでいる」という構造をとっていることが分かる。
c 上記a及びbの理解によると、甲6発明6の「支持片512、案内片513」は、「前記基板221の前記下面側から切り起こされて、前記基板221の貫通孔2210に臨んでいる」という構造が必須であるから、第1面から離れた位置、すなわち貫通孔2210に臨まないような構造に変更することの阻害事由がある。
d したがって、その他の証拠、及び参考資料について検討するまでもなく、甲6発明6において、甲6発明6相違点に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
(ウ)小括
以上のことから、本件発明6は、甲6発明6に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
イ 本件発明7について
本件発明6を引用する本件発明7は、本件発明6の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を付加したものであるから、上記アで示したのと同様に、甲6発明6に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
第7 むすび
以上によれば、取消理由通知書に記載した取消理由並びに特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び証拠によっては、請求項1~9に係る特許を取り消すことはできないし、他に請求項1~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2024-700122