特許訂正審判
2024-390091
遊技機
- 審判番号
- 2024-390091
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2022-099234
- 登録番号
- 7470442
- 請求日
- 2024年08月14日
- 審決日
- 2024年10月08日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ニューギン
- 【請求人代理人】右田 俊介
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 蔵野 いづみ
- 審判官 阿部 知
- 分類
- P141 .851-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7470442号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7470442号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7470442号(以下「本件特許」という。)は、令和4年6月20日に特許出願(特願2022-99234)され、令和6年4月10日に特許権の設定登録がなされ、その後、同年8月14日に本件訂正審判の請求がなされた。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである。なお、下線は訂正箇所を表す。
1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1(以下、単に「請求項1」という。)に「図柄変動の開始に伴って当否判定を実行し、前記当否判定によって特定結果が導出された場合には、当該当否判定が実行された図柄変動の終了後に大当り遊技を生起可能であり、入賞口への遊技球の入賞が発生した場合に当該入賞口に対応する数の遊技球が付与され、前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数が特定閾値以上となったことに基づいて遊技停止がなされる遊技機であって、」と記載されているのを、「図柄変動の開始に伴って当否判定を実行し、前記当否判定によって特定結果が導出された場合には、当該当否判定が実行された図柄変動の終了後に大当り遊技を生起可能であり、入賞口への遊技球の入賞が発生した場合に当該入賞口に対応する数の遊技球が付与され、遊技球が最も減少した状況からの遊技球の増加分であるMY値が特定閾値以上となったことに基づいて遊技停止がなされる遊技機であって、」に訂正する。
これに合わせて、同請求項1に「前記報知制御手段は、前記差玉数が前記特定閾値以上となる前記入賞口への遊技球の入賞に基づいて特定報知を開始させることが可能であり、」と記載されているのを、「前記報知制御手段は、前記MY値が前記特定閾値以上となる前記入賞口への遊技球の入賞に基づいて特定報知を開始させることが可能であり、」に訂正する。
第4 訂正の適否についての判断
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
請求項1の「前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数が特定閾値以上となったことに基づいて」との記載は、「特定閾値以上とな」ることの判断対象となる「差玉数」の「導出」について具体的に特定するものではなかった。
ここで、請求項1の「前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数」について、本件特許の願書に添付した明細書又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)には、以下のとおり記載されている(下線は合議体が付した。)。
「【0127】
図13に示す通り、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理の最初のステップであるステップS102では、アウト玉およびセーフ玉を取得する。
なお、上述した通り、アウト玉は、アウト球センサ75によって検出された遊技球の総数を指し、アウト玉は、RAMクリア処理の実行を伴う電断復電によって初期値(本実施形態では、0)が設定される。
一方、セーフ玉は、上述の入賞口への遊技球の入賞によって付与された賞球の総数を指し、セーフ玉は、RAMクリア処理の実行を伴う電断復電によって初期値(本実施形態では、5000個)が設定される。
【0128】
ステップS104では、取得したアウト玉およびセーフ玉を用いて差玉数を導出する。
具体的には、当該処理では、セーフ玉からアウト玉を引いた値が差玉数として導出され、当該導出結果がマイナスになる場合には差玉数が零となる。
なお、差玉数の導出方法は、本実施形態に記載の導出方法に限らず、導出結果が一致する方法であれば、いずれの導出方法を採用してもよい。」
「【0133】
このように、本実施形態では、アウト玉およびセーフ玉を用いて導出された差玉数が特定閾値(100000個)以上となった場合には、大当り遊技中や小当り遊技中を除いて即座に遊技停止状態が設定される。一方、当該場合が大当り遊技中や小当り遊技中であれば、これらの当り遊技が終了した時点で遊技停止状態が設定されることになる。
特に、本実施形態では、差玉数のマイナス値を持たないが、セーフ玉の初期値が5000個であるため、実質的に差玉数がマイナス5000個までの値を持つと言える。当該初期値については、遊技機の性能に応じて任意の一の値(遊技機ごとに定まる値)を設定してよい。
ただし、セーフ玉の初期値は、アウト玉の初期値と同様に、零としてもよい。これによれば、遊技中に遊技球が最も減少した時点からの遊技球の増加分(いわゆるMY)よって遊技停止状態を設定することができる。」
【0127】、【0128】の記載によれば、「差玉数」とは「入賞口への遊技球の入賞によって付与された賞球の総数を指」す「セーフ玉から」「アウト球センサ75によって検出された遊技球の総数を指」す「アウト玉を引いた値」「として導出され」るものであるところ、「差玉数」は、「遊技球の増加分」を示す数値であるから、本件訂正に係る「遊技球が最も減少した状況からの遊技球の増加分」の「遊技球の増加分」を示す数値は、請求項1の「差玉数」に対応する。
そして、【0127】、【0133】の記載から、請求項1の「前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数」における「差玉数」の「導出」は、「セーフ玉の初期値が5000個」から導出するもの、「セーフ玉の初期値」「について」「任意の一の値」「を設定」して導出するもの、および「遊技中に遊技球が最も減少した時点から」導出するものが含まれていたといえる。
そうすると、本件訂正は、請求項1の「前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数」が、「遊技球が最も減少した時点から」「前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数」であることを限定するものである。
そして、【0133】より、「遊技中に遊技球が最も減少した時点からの遊技球の増加分」が「MY」であるから、「遊技球が最も減少した状況からの遊技球の増加分」を示す数値を「MY値」と称することは自然な表現である。
以上のことから、請求項1の「前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数」を、「遊技中に遊技球が最も減少した時点から」「前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数」、すなわち「遊技球が最も減少した状況からの遊技球の増加分であるMY値」とする本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、請求項1の「差玉数」を「MY値」とする訂正も、「差玉数」を「遊技球が最も減少した状況からの遊技球の増加分であるMY値」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項1は、本件明細書等の【0133】の記載に基づくものであるから、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項1は、上記1のとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項1に係る訂正前の請求項1に係る発明と同様に、訂正事項1に係る訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第7項の規定に適合するものである。
したがって、本件訂正審判の請求による訂正は適法にされたものであるから、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
よって、結論のとおり審決する。
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