特許訂正審判
2024-390042
体液貯留または塩分過負荷と関連する障害および消化管障害の治療におけるNHE媒介性アンチポートを阻害するための組成物および方法
- 審判番号
- 2024-390042
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2014-010049
- 登録番号
- 5805802
- 請求日
- 2024年05月17日
- 審決日
- 2024年07月09日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】アーデリクス,インコーポレーテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人平木国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 典之
- 審判官 小石 真弓
- 審判官 齊藤 真由美
- 分類
- P141 .852-Y (C07D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第36条の2第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第5805802号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第5805802号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔3、5~17〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5805802号(以下「本件特許」という。)は、2009年12月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2008年12月31日、2009年4月15日、2009年8月28日 いずれも(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする外国語特許出願である特願2011―543730号の一部を、平成26年1月23日に新たな特許出願とした外国語書面出願である特願2014-10049号の請求項1~17に係る発明について、平成27年9月11日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和6年5月17日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第5805802号の特許請求の範囲を、本審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3、及び、請求項5~17について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1のとおりである。
なお、訂正前の請求項3、5~17について、請求項5~17は、それぞれ請求項3の記載を直接的に又は間接的に引用しており、訂正事項1によって記載が訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項3、5~17に対応する訂正後の請求項3、5~17に係る本件訂正は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項について請求されたものである。
<訂正事項1>
特許請求の範囲の請求項3の上から12番目の構造の化合物、すなわち、以下の化合物
[図:0001415237000001.jpg]
を削除する。
請求項3の記載を引用する請求項5~17も同様に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1) 訂正の目的について
ア 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項3における上から12番目の構造の化合物、すなわち、以下の化合物
[図:0001415237000002.jpg]
(合議体注:以下、当該化合物を「化合物1」という。)
を削除するものである。
請求人は、当該訂正事項について、誤記の訂正を目的とするものである旨を主張しているので、まず、当該訂正事項が誤記の訂正を目的とするものであるか検討する。
「誤記の訂正」とは、本来その意であることが、特許請求の範囲、明細書又は図面などから明らかな内容の字句、語句に正すことをいい、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものをいうと解される。
そこで、請求項3において、化合物1が記載されていることが明らかな誤りであって、かつ、当該化合物1の記載がなかったものと同一の意味であったかについて検討する。
イ 特許請求の範囲の記載
本件特許の設定登録時の特許請求の範囲における請求項1~3の記載は次のとおりである。
(下線は当審合議体が付した。また、「・・・」は記載の省略を表す。)
「【請求項1】
式(X):
【化1】
[図:0001415237000003.jpg]
[式中、nは2であり、
NHEは次の構造のいずれか、
【化2】
[図:0001415237000004.jpg]
を有し、
Lは、ポリアルキレングリコールリンカーであり;かつ
コアは
【化3】
[図:0001415237000005.jpg]
からなる群より選択されるものである]
の構造を有する化合物(ただし、以下の構造
【化4】
[図:0001415237000006.jpg]
を有する化合物は除く)又はその製薬上許容し得る塩。
【請求項2】
Lがポリエチレングリコールリンカーである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
化合物が
【化5】
[図:0001415237000007.jpg]
・・・
[図:0001415237000008.jpg]
・・・からなる群より選択される、請求項1若しくは2に記載の化合物、又はその製薬上許容し得る塩。」
ウ 請求項3に係る発明は、請求項1若しくは2に記載の一般式の構造を有する化合物について、さらに具体的な構造を特定した複数の化合物から選択される化合物の発明である。
そして、化合物1は、請求項1に記載の化合物からは除かれている(下線部を参照)ところ、請求項3においては、列記された化合物の選択肢の一つとして記載されている。
しかしながら、請求項1に記載の化合物から除かれている化合物1は、請求項1の化合物をさらに特定した請求項3の化合物においても除かれているものであり、その選択肢に包含されることはあり得ない。また、請求項2に記載の化合物にも、同項が請求項1の記載を引用しているので、化合物1が含まれないことは自明である。
したがって、化合物1が、請求項3において選択肢として記載されていることは、矛盾しており、その記載自体で誤りであることが明らかである。
また、上記のとおり、化合物1は、請求項3において選択肢としては除かれていたと解すべきであるから、請求項3において選択肢として記載されないものであるべきであったといえる。
そして、これらのことは、請求項3の記載を直接的に又は間接的に引用する請求項5~17についても同様である。
エ したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものに該当する。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記第1のとおり、本件特許に係る出願は外国語書面出願(特許法第36条の2第1項の規定による特許出願)であるから、誤記の訂正を目的とする訂正事項1に係る訂正は、外国語書面に記載した事項の範囲内においてするものでなければならない。
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1に係る訂正は、その記載自体で誤りであることが明らかである、請求項3において選択肢とされている化合物1の記載を、本来その意であることが明らかな内容に正して単に削除するのみであるから、外国語書面の全ての記載を総合して導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、外国語書面に記載した事項の範囲内においてするものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3) 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1に係る訂正は、誤りであることが明らかな記載を、本来その意であることが明らかな記載に正すものであり、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4) 独立特許要件について
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とする訂正に該当するから、同条第7項に規定する、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないとの要件(いわゆる独立特許要件)を満たす必要があるところ、当該訂正後の請求項3及び5~17に係る発明について、見直すべき新たな事情は存在せず、当該訂正により同法第36条第4項第1号及び第6項(第4号を除く。)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-390042