特許拒絶査定不服審判
2024-019354
セルロース材料およびそれを作製および使用する方法
- 審判番号
- 2024-019354
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-173625外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年12月02日
- 審決日
- 2025年10月24日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .537-Z (D21H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第44条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-173625「セルロース材料およびそれを作製および使用する方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年12月15日出願公開、特開2022-187037〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年2月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年2月24日 米国)を国際出願日とする特願2018-545293の一部を、特許法第44条第1項の規定により令和4年10月28日に新たな特許出願としたものであって、その主な手続の経緯は次のとおりである。
令和4年10月28日 上申書の提出
令和5年11月22日付け 拒絶理由通知
令和6年 5月27日 意見書の提出
令和6年 7月29日付け 拒絶査定
令和6年12月 2日 審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1に記載された、「明細書に記載の発明。」である。
第3 原査定の拒絶理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、請求項1において「明細書に記載の発明。」とあるが、特許請求の範囲の記載が発明の詳細な説明の記載で代用されており、特許を受けようとする発明の範囲が不明瞭であるから、請求項1に係る発明は明確でなく、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない、というものである。
第4 当審の判断
1 明確性の判断枠組み
「特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。」
以下、上記判断枠組みに基づいて判断する。
2 明細書の記載
本願明細書には、次のような記載がある。
ア「【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
簡単な要旨
多くの態様のうちの一部では、本明細書において提供されるのは、パルプおよびフィブリル化セルロースを含み、パルプおよびフィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維からのものである、材料である。一部の実施形態では、植物繊維は、バガス、亜麻、大麻、ヤシおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、植物繊維はバガスを含む。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースはミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含む。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースはナノフィブリル化セルロース(NFC)を含む。一部の実施形態では、パルプは、フィブリル化セルロースと混合されている。一部の実施形態では、パルプにフィブリル化セルロースが含浸されている。一部の実施形態では、材料は、パルプを含む層を含み、層は、フィブリル化セルロースでコーティングされている。一部の実施形態では、材料は、パルプを含む層を含み、層は、フィブリル化セルロースでラミネートされている。一部の実施形態では、材料は、フィブリル化セルロースを含む第1の層と、パルプを含む第2の層と、フィブリル化セルロースを含む第3の層とを含み、第2の層は、第1の層と第3の層との間に位置する。一部の実施形態では、材料は、パルプを含む第1の層と、フィブリル化セルロースを含む第2の層と、パルプを含む第3の層とを含み、第2の層は、第1の層と第3の層との間に位置する。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースおよびパルプは、約1:100~約1:1、例えば、約1:10~約1:1の重量比で存在する。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースは、100nm未満の平均径を有する。一部の実施形態では、材料は、約15μmまたはそれ未満、例えば、約5μmまたはそれ未満の平均径を有する。一部の実施形態では、材料は、約0.9g/cm3またはそれよりも高い、例えば、約1.2g/cm3またはそれよりも高いエンベロープ密度を有する。一部の実施形態では、材料は、約48%またはそれ未満、例えば、約30%またはそれ未満の空隙率を有する。一部の実施形態では、材料は、約260秒またはそれよりも長い、例えば、38,000秒よりも長いガーレー時間(Gurley time)を有する。一部の実施形態では、材料は、約5×10-7m3Pa-1m-2s-1またはそれ未満、例えば、0.03×10-7m3Pa-1m-2s-1またはそれ未満の透気度を有する。一部の実施形態では、材料は、約10000cm3m-2d-1またはそれ未満、例えば、約4000cm3m-2d-1またはそれ未満の酸素透過速度(OTR)を有する。一部の実施形態では、材料は、約200cm3/(m2 24h.atm)またはそれ未満のOTRを有する。一部の実施形態では、材料は、約1000gm-2d-1またはそれ未満、例えば、約260gm-2d-1またはそれ未満の水蒸気透過速度(WVTR)を有する。一部の実施形態では、材料は、約5%またはそれ未満、例えば、約2%またはそれ未満の吸水率を有する。一部の実施形態では、材料は、ヒマシ油を用いて測定して、2%未満の吸油率を有する。一部の実施形態では、材料は、油を吸収しない。一部の実施形態では、材料は、3GPaよりも高い、例えば、約5GPaまたはそれよりも高い引張弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、約35MPaまたはそれよりも高い、例えば、約65MPaまたはそれよりも高い引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、約2%またはそれよりも高い、例えば、約4%またはそれよりも高い破断歪み率を有する。一部の実施形態では、材料は、50Nmg-1よりも高い、例えば、約88Nmg-1またはそれよりも高い比引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、約1800mJm-2またはそれよりも高い、例えば、約5000mJm-2またはそれよりも高い引張エネルギー吸収量を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い曲げ弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い貯蔵弾性率を有する。
【0004】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、材料(例えば、支持材料、プリフォーム)および別のポリマー(例えば、生分解性ポリマー)を含む複合材である。一部の実施形態では、別のポリマーは、ポリ乳酸(ポリラクチド)、キチン、キトサン、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸カリウム、アルギン酸ストロンチウム、アルギン酸バリウムまたはアルギン酸アンモニウム)、アルギン酸プロピレングリコール、リグニン、熱可塑性デンプン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(8-カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリリシン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アセチル化カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、コラーゲン、これらの誘導体、これらの任意の組合せ、またはこれらのコポリマーである。一部の実施形態では、別のポリマーは、繊維の形態である。一部の実施形態では、別のポリマーは、粉末の形態である。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い引張弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い引張強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い曲げ弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い貯蔵弾性率を有する。
【0005】
一部の実施形態では、本明細書に開示の材料または複合材は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して半透過性である。一部の実施形態では、本明細書に開示の材料または複合材は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して不透過性である。
【0006】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、本明細書に開示の材料または複合材によって製造された消費者製品である。一部の実施形態では、消費者製品は、自動車輌、家庭用もしくはオフィス用器具、電子デバイス、家庭用もしくはオフィス用家具、または子供用製品である。一部の実施形態では、消費者製品は小さい物体である。一部の実施形態では、消費者製品は、シート、袋、容器、プレートまたはトレイである。一部の実施形態では、消費者製品は、食品配膳手段または食品パッケージである。一部の実施形態では、消費者製品は即席麺用カップである。一部の実施形態では、消費者製品は容器である。一部の実施形態では、消費者製品はコーヒーカプセルである。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、カプセル本体(CMB)およびカプセル蓋(CL)を含む。一部の実施形態では、CMBおよび/またはCLは網状である。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、約0.5~約6mmの厚さを有する。一部の実施形態では、コーヒーカプセル
は、約1~約3mmの厚さを有する。一部の実施形態では、消費者製品は、ベース層、ポリマー層および/またはコーティング層を含む。一部の実施形態では、ベース層は、パルプ繊維、ナノフィブリル化セルロース(NFC)、毛状(hairly)繊維またはこれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、パルプ繊維は塩素を含まない。一部の実施形態では、ベース層は、撥水剤および/または撥油剤をさらに含む。一部の実施形態では、ポリマー層は、石油由来ではない天然ポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマー層はナノコンポジットである。一部の実施形態では、ポリマー層は、ナノクレイをさらに含む。一部の実施形態では、ナノクレイは剥離モンモリロナイトである。一部の実施形態では、ナノクレイは、ポリマーマトリックスに取り込まれている。一部の実施形態では、コーティング層は、NFC、毛状繊維、パルプ繊維またはこれらの任意の組合せを含む。
【0007】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、消費者製品の製造のための本明細書に開示の材料または複合材の使用である。一部の実施形態では、消費者製品は、自動車輌、家庭用もしくはオフィス用器具、電子デバイス、家庭用もしくはオフィス用家具、または乳幼児(baby)または子供(kid)用製品である。一部の実施形態では、消費者製品は小さい物体である。一部の実施形態では、消費者製品は、シート、袋、容器、プレートまたはトレイである。一部の実施形態では、消費者製品は、食品配膳手段である。一部の実施形態では、消費者製品は、食品パッケージである。一部の実施形態では、消費者製品は即席麺用カップである。一部の実施形態では、消費者製品はコーヒーカプセルである。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、カプセル本体(CMB)およびカプセル蓋(CL)を含む。一部の実施形態では、CMBおよび/またはCLは網状である。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、約0.5~約6mmの厚さを有する。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、約1~約3mmの厚さを有する。一部の実施形態では、消費者製品は、ベース層、ポリマー層および/またはコーティング層を含む。一部の実施形態では、ベース層は、パルプ繊維、ナノフィブリル化セルロース(NFC)、毛状(hairly)繊維またはこれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、パルプ繊維は塩素を含まない。一部の実施形態では、ベース層は、撥水剤および/または撥油剤をさらに含む。一部の実施形態では、ポリマー層は、石油由来ではない天然ポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマー層はナノコンポジットである。一部の実施形態では、ポリマー層は、ナノクレイをさらに含む。一部の実施形態では、ナノクレイは剥離モンモリロナイトである。一部の実施形態では、ナノクレイは、ポリマーマトリックスに取り込まれている。一部の実施形態では、コーティング層は、NFC、毛状繊維、パルプ繊維またはこれらの任意の組合せを含む。
【0008】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、パルプをフィブリル化セルロースと混合するステップを含み、パルプおよびフィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維からのものである、材料の製造方法である。一部の実施形態では、方法は、植物繊維をホモジナイザーに通過させることによってフィブリル化セルロースを製造するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ホモジナイザーは、約1~100MPaの圧力を発生させる。一部の実施形態では、通過の回数は約2~100である。一部の実施形態では、混合するステップは、水中で実施される。一部の実施形態では、方法は、共濾過をさらに含む。一部の実施形態では、方法は、多層濾過をさらに含み、パルプまたはフィブリル化セルロースの層は、フィブリル化セルロースまたはパルプの層の上で濾過される。一部の実施形態では、方法は、材料を圧密(consolidate)するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、材料を乾燥するステップをさらに含む。一部の実施形態では、乾燥するステップは、材料を吸収材の間に配置するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、30~50℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、50~70℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、70~90℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。
【0009】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、本明細書に開示の材料に液体樹脂を含浸させるステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、液体樹脂は、大豆油、亜麻仁油またはBIOCOATである。一部の実施形態では、方法は、含浸材料を硬化するステップをさらに含む。
【0010】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、植物セルロース、フィブリル化セルロースおよび別のポリマーを懸濁液中で混合するステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、別のポリマーは、ポリ乳酸、熱可塑性デンプン、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンである。一部の実施形態では、方法は、複合材を圧密するために熱を加えるステップを含む。一部の実施形態では、方法は、複合材を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、別のポリマーは、繊維の形態である。一部の実施形態では、別のポリマーは、粉末の形態である。
【0011】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、先行する請求項のいずれかに記載の材料、ラミネーションおよびポリマーフィルムを重層するステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、ラミネーションはポリシロキサンを含む。一部の実施形態では、ラミネーションは石油由来ワックスを含む。一部の実施形態では、ポリマーフィルムは、ポリ乳酸、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンを含む。一部の実施形態では、ポリマーフィルムは、スリットダイを備えたマイクロコンパウンダーによって生成される。一部の実施形態では、重層するステップは、複合材を圧密するステップを含む。一部の実施形態では、圧密するステップは、約50~200℃の温度で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約120℃の温度で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約1~5t重の圧力で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約1.5t重の圧力で実施される。
【0012】
本開示はまた、パルプ成形機を用いて物品を製造するステップを含む、消費者製品を製造するための方法も提供する。一部の実施形態では、方法は、減圧成形によって物品をカプセル化するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、減圧成形、赤外線加熱および/または超音波加熱によって物品の表面にポリマー層をコーティングするステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、赤外加熱または超音波加熱によってポリマー層を加熱することによって物品を互いに接着するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、NFC、毛状繊維、天然パルプ繊維またはこれらの任意の組合せの層で物品をディップコーティングするステップをさらに含む。一部の実施形態では、消費者製品はコーヒーカプセルであり、物品は、カプセル本体および/またはカプセル蓋である。」
イ 「 【0093】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
パルプおよびフィブリル化セルロースを含み、前記パルプおよび前記フィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維から誘導される、材料。
(項2)
前記植物繊維が、バガス、亜麻、大麻、ヤシおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、上記項1に記載の材料。
(項3)
前記植物繊維がバガスを含む、上記項2に記載の材料。
(項4)
前記フィブリル化セルロースがミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含む、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項5)
前記フィブリル化セルロースがナノフィブリル化セルロース(NFC)を含む、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項6)
前記パルプが前記フィブリル化セルロースと混合されている、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項7)
前記パルプに前記フィブリル化セルロースが含浸されている、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項8)
前記パルプを含む層を含み、前記層が前記フィブリル化セルロースでコーティングされている、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項9)
前記パルプを含む層を含み、前記層が前記フィブリル化セルロースでラミネートされている、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項10)
前記フィブリル化セルロースを含む第1の層と、
前記パルプを含む第2の層と、
前記フィブリル化セルロースを含む第3の層と
を含み、
前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項11)
前記パルプを含む第1の層と、
前記フィブリル化セルロースを含む第2の層と、
前記パルプを含む第3の層と
を含み、
前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項12)
前記フィブリル化セルロースおよび前記パルプが、約1:1~約1:100の範囲内の重量比で存在する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項13)
前記フィブリル化セルロースおよび前記パルプが、約1:1~約1:10の範囲内の重量比で存在する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項14)
前記フィブリル化セルロースが、100nm未満の平均径を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項15)
約15μmまたはそれ未満の平均径を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項16)
約5μmまたはそれ未満の平均径を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項17)
約10000cm3m-2d-1またはそれ未満の酸素透過速度(OTR)を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項18)
約4000cm3m-2d-1またはそれ未満のOTRを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項19)
約200cm3/(m2 24h.atm)またはそれ未満のOTRを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項20)
約1000gm-2d-1またはそれ未満の水蒸気透過速度(WVTR)を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項21)
約260gm-2d-1またはそれ未満のWVTRを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項22)
ヒマシ油を用いて測定して、2%未満の吸油率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項23)
3GPaよりも高い引張弾性率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項24)
約5GPaまたはそれよりも高い引張弾性率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項25)
約35MPaまたはそれよりも高い引張強さを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項26)
約65MPaまたはそれよりも高い引張強さを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項27)
約2%またはそれよりも高い破断歪み率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項28)
約4%またはそれよりも高い破断歪み率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項29)
50Nmg-1よりも高い比引張強さを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項30)
約88Nmg-1またはそれよりも高い比引張強さを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項31)
曲げ弾性率、曲げ強さまたは貯蔵弾性率が、前記植物繊維のそれよりも1~100倍高い、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項32)
先行する上記項のいずれかに記載の材料および別のポリマーを含む、複合材。
(項33)
前記別のポリマーが、ポリ乳酸、キチン、アルギン酸ナトリウム、熱可塑性デンプン、ポリエチレンまたはポリプロピレンである、先行する上記項のいずれかに記載の複合材。
(項34)
前記別のポリマーが、繊維または粉末の形態である、先行する上記項のいずれかに記載の複合材。
(項35)
引張弾性率、引張強さ、曲げ弾性率、曲げ強さまたは貯蔵弾性率が、前記材料のそれよりも1~100倍高い、先行する上記項のいずれかに記載の複合材。
(項36)
気体および液体に対して半透過性または不透過性である、先行する上記項のいずれかに記載の材料または複合材。
(項37)
前記気体が加熱空気である、上記項36に記載の材料または複合材。
(項38)
前記液体が水または油である、上記項36または37に記載の材料または複合材。
(項39)
先行する上記項のいずれかに記載の材料または複合材によって製造された消費者製品。
(項40)
食品パッケージ、食品配膳手段、自動車輌、家庭用もしくはオフィス用器具、電子デバイス、家庭用もしくはオフィス用家具、または子供用製品である、上記項39に記載の消費者製品。
(項41)
シート、袋、容器、プレートまたはトレイである、上記項39または40に記載の消費者製品。
(項42)
即席麺用カップである、上記項39に記載の消費者製品。
(項43)
コーヒーカプセルである、上記項39に記載の消費者製品。
(項44)
前記コーヒーカプセルが、カプセル本体(CMB)およびカプセル蓋(CL)を含む、上記項43に記載の消費者製品。
(項45)
前記CMBおよび/またはCLが網状である、上記項44に記載の消費者製品。
(項46)
前記コーヒーカプセルが、約0.5~約6mmの厚さを有する、上記項44または45に記載の消費者製品。
(項47)
前記コーヒーカプセルが、約1~約3mmの厚さを有する、上記項46に記載の消費者製品。
(項48)
ベース層、ポリマー層および/またはコーティング層を含む、上記項39から47のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項49)
前記ベース層が、パルプ繊維、ナノフィブリル化セルロース(NFC)、毛状繊維またはこれらの任意の組合せを含む、上記項48に記載の消費者製品。
(項50)
前記パルプ繊維が塩素を含まない、上記項49に記載の消費者製品。
(項51)
前記ベース層が、撥水剤および/または撥油剤をさらに含む、上記項48から50のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項52)
前記ポリマー層が、石油由来ではない天然ポリマーを含む、上記項48から51のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項53)
前記ポリマー層がナノコンポジットである、上記項48から52のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項54)
前記ポリマー層が、ナノクレイをさらに含む、上記項48から53のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項55)
前記ナノクレイが剥離モンモリロナイトである、上記項54に記載の消費者製品。
(項56)
前記ナノクレイがポリマーマトリックスに取り込まれている、上記項54または55に記載の消費者製品。
(項57)
前記コーティング層が、NFC、毛状繊維、パルプ繊維またはこれらの任意の組合せを含む、上記項48から56のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項58)
消費者製品の製造のための、先行する上記項のいずれかに記載の材料または複合材の使用。
(項59)
パルプをフィブリル化セルロースと混合するステップを含み、前記パルプおよび前記フィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維からのものである、材料の製造方法。
(項60)
前記植物繊維をホモジナイザーに通過させることによってフィブリル化セルロースを調製するステップをさらに含む、上記項59に記載の方法。
(項61)
前記ホモジナイザーが、約1~100MPaの圧力を発生させる、上記項60に記載の方法。
(項62)
前記通過の回数が約2~100である、上記項60または61に記載の方法。
(項63)
前記混合するステップが水中で実施される、上記項59から62のいずれか一項に記載の方法。
(項64)
共濾過をさらに含む、上記項59から63のいずれか一項に記載の方法。
(項65)
多層濾過をさらに含み、前記パルプまたは前記フィブリル化セルロースの層が、前記フィブリル化セルロースまたは前記パルプの層の上で濾過される、上記項59から63のいずれか一項に記載の方法。
(項66)
前記材料を圧密するステップをさらに含む、上記項59から65のいずれか一項に記載の方法。
(項67)
前記材料を乾燥するステップをさらに含む、上記項59から66のいずれか一項に記載の方法。
(項68)
前記乾燥するステップが、前記材料を吸収材の間に配置することを含む、上記項67に記載の方法。
(項69)
前記材料を、30~50℃の温度で乾燥するステップを含む、上記項67または68に記載の方法。
(項70)
前記材料を、50~70℃の温度で乾燥するステップを含む、上記項67または68に記載の方法。
(項71)
前記材料を、70~90℃の温度で乾燥するステップを含む、上記項67または68に記載の方法。
(項72)
先行する上記項のいずれかに記載の材料に液体樹脂を含浸させるステップを含む、複合材の製造方法。
(項73)
前記液体樹脂が、大豆油、亜麻仁油またはBIOCOATである、上記項72に記載の方法。
(項74)
含浸させた材料を硬化するステップをさらに含む、上記項72または73に記載の方法。
(項75)
植物セルロース、フィブリル化セルロースおよび別のポリマーを懸濁液中で混合するステップを含む、複合材の製造方法。
(項76)
前記別のポリマーが、ポリ乳酸、熱可塑性デンプン、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンである、上記項75に記載の方法。
(項77)
前記複合材を圧密するために熱を加えるステップをさらに含む、上記項75または76に記載の方法。
(項78)
前記複合材を乾燥するステップをさらに含む、上記項75から77のいずれか一項に記載の方法。
(項79)
前記別のポリマーが、繊維または粉末の形態である、上記項75から78のいずれか一項に記載の方法。
(項80)
先行する上記項のいずれかに記載の材料、ラミネーションおよびポリマーフィルムを重層するステップを含む、複合材の製造方法。
(項81)
前記ラミネーションがポリシロキサンを含む、上記項80に記載の方法。
(項82)
前記ラミネーションが石油由来ワックスを含む、上記項80に記載の方法。
(項83)
前記ポリマーフィルムが、ポリ乳酸、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンを含む、上記項80から82のいずれか一項に記載の方法。
(項84)
前記ポリマーフィルムが、スリットダイを備えたマイクロコンパウンダーによって生成される、上記項80から83のいずれか一項に記載の方法。
(項85)
前記重層するステップが、前記複合材を圧密することを含む、上記項80から84のいずれか一項に記載の方法。
(項86)
前記圧密することが、約50~200℃の温度で実施される、上記項66、77または85に記載の方法。
(項87)
前記圧密することが、約120℃の温度で実施される、上記項87に記載の方法。
(項88)
前記圧密することが、約1~5t重の圧力で実施される、上記項66、77または85に記載の方法。
(項89)
前記圧密することが、約1.5t重の圧力で実施される、上記項88に記載の方法。
(項90)
パルプ成形機を用いて物品を製造するステップを含む、消費者製品の製造方法。
(項91)
減圧成形によって前記物品をカプセル化するステップをさらに含む、上記項90に記載の方法。
(項92)
減圧成形、赤外線加熱および/または超音波加熱によって前記物品の表面にポリマー層をコーティングするステップをさらに含む、上記項90または91に記載の方法。
(項93)
赤外加熱または超音波加熱によって前記ポリマー層を加熱することによって前記物品を互いに接着するステップをさらに含む、上記項92に記載の方法。
(項94)
NFC、毛状繊維、天然パルプ繊維またはこれらの任意の組合せの層で前記物品をディップコーティングするステップをさらに含む、上記項90から93のいずれか一項に記載の方法。
(項95)
前記消費者製品がコーヒーカプセルであり、前記物品が、カプセル本体および/またはカプセル蓋である、上記項90から94のいずれか一項に記載の方法。」
3 判断
上記2に示したように、本願明細書には発明として多種多様なものが記載されている。そして、本願の特許請求の範囲の記載は、本願明細書に記載された多種多様な発明のうち、どの発明について特許を受けようとしているのか不明であって、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるといえるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
第5 結語
以上のことから、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-019354