2024-012562
電子エアロゾル供給システム
- 審判番号
- 2024-012562
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-554642外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年08月01日
- 審決日
- 2026年03月19日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
- 【請求人代理人】轟木 哲
- 【請求人代理人】植田 晋一
- 【請求人代理人】中島 勝
- 分類
- P18 .121-Z (A24F) / P18 .56 -Z (A24F) / P18 .575-Z (A24F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、2020年(令和2年)3月10日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2019年3月11日 英国(GB))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。
第2 令和6年8月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年8月1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「エアロゾル前駆体材料からエアロゾルを発生させるエアロゾル供給システムであって、前記エアロゾル供給システムは、当該エアロゾル供給システムのユーザーに提供されるエアロゾルを発生させる消耗部品と、前記エアロゾル前駆体からのエアロゾルの発生を可能にするように構成された再利用可能な部品と、前記エアロゾル供給システムの使用状況を監視するように構成された制御回路と、通知信号を出力するように構成された通知ユニットと、を含み、前記制御回路は、所定の使用条件が満たされたことを決定し、前記所定の使用条件が満たされたとの決定に応答して、前記通知ユニットに通知信号を出力させるように構成され、前記通知ユニットは、ユーザー入力に応答して前記通知信号の出力を停止するように構成されており、前記消耗部品は前記再利用可能な部品から独立しており、直接的または間接的に前記再利用可能な部品と係合するように構成され、前記再利用可能な部品は前記消耗部品の存在を連続的に検出するように構成され、前記再利用可能な部品は前記ユーザー入力を受信するように構成されており、前記ユーザー入力によって前記通知ユニットは通知信号の出力を停止し、前記前記ユーザー入力は前記消耗部品と前記再利用可能な部品の相対的な分離を含むエアロゾル供給システム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和5年7月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「エアロゾル前駆体材料からエアロゾルを発生させるエアロゾル供給システムであって、前記エアロゾル供給システムは、当該エアロゾル供給システムのユーザーに提供されるエアロゾルを発生させる消耗部品と、前記エアロゾル前駆体からのエアロゾルの発生を可能にするように構成された再利用可能な部品と、前記エアロゾル供給システムの使用状況を監視するように構成された制御回路と、通知信号を出力するように構成された通知ユニットと、を含み、前記制御回路は、所定の使用条件が満たされたことを決定し、前記所定の使用条件が満たされたとの決定に応答して、前記通知ユニットに通知信号を出力させるように構成され、前記通知ユニットは、ユーザー入力に応答して前記通知信号の出力を停止するように構成されており、前記消耗部品は前記再利用可能な部品から独立しており、直接的または間接的に前記再利用可能な部品と係合するように構成され、前記再利用可能な部品は前記消耗部品の存在を連続的に検出するように構成され、前記ユーザー入力は前記消耗部品と前記再利用可能な部品の相対的な分離を含むエアロゾル供給システム。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「再利用可能な部品」、「通知ユニット」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、国際公開第2018/138749号(2018年8月2日国際公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。なお、下線は当審で付した(以下同様。)。
「[0001] 本開示は、ユーザが吸引するエアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルを生成する吸引装置並びにそのような吸引装置を動作させる方法及びプログラムに関する。」
「[0011] 本開示が解決しようとする第1の課題は、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの吸引に必要な要素の交換、充填、充電等のタイミングをユーザが認識しやすい吸引装置を提供することである。[0012] 本開示が解決しようとする第2の課題は、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの吸引に必要な要素の残量の回復をユーザが怠る可能性を低減することができる吸引装置を提供することである。」
「[0084] 以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について詳しく説明する。なお、本開示の実施形態は、電子たばこやネブライザーを含むが、これらに限定されない。本開示の実施形態は、ユーザが吸引するエアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルを生成するための様々な吸引装置を含み得る。[0085] 図1Aは、本開示の一実施形態に係る吸引装置100Aの構成の概略的なブロック図である。図1Aは、吸引装置100Aが備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及び吸引装置100Aの厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。[0086] 図1Aに示されるように、吸引装置100Aは、第1の部材102及び第2の部材104を備える。図示されるように、一例として、第1の部材102は、制御部106、通知部108、バッテリ110、センサ112及びメモリ114を含んでもよい。一例として、第2の部材104は、リザーバ116、霧化部118、空気取込流路120、エアロゾル流路121及び吸口部122を含んでもよい。第1の部材102内に含まれるコンポーネントの一部が第2の部材104内に含まれてもよい。第2の部材104内に含まれるコンポーネントの一部が第1の部材102内に含まれてもよい。第2の部材104は、第1の部材102に対して着脱可能に構成されてもよい。あるいは、第1の部材102及び第2の部材104内に含まれるすべてのコンポーネントが、第1の部材102及び第2の部材104に代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。[0087] リザーバ116は、エアロゾル源を保持する。」
「[0088] 霧化部118は、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。センサ112によって吸引動作が検知されると、霧化部118はエアロゾルを生成する。例えば、ウィック(図示せず)が、リザーバ116と霧化部118とを連結するように設けられてもよい。この場合、ウィックの一部はリザーバ116の内部に通じ、エアロゾル源と接触する。ウィックの他の一部は霧化部118へ延びる。エアロゾル源は、ウィックの毛細管効果によってリザーバ116から霧化部118へと運ばれる。一例として、霧化部118は、バッテリ110に電気的に接続されたヒータを備える。ヒータは、ウィックと接触又は近接するように配置される。吸引動作が検知されると、制御部106は、霧化部118のヒータを制御し、ウィックを通じて運ばれたエアロゾル源を加熱することによって当該エアロゾル源を霧化する。」
「[0090] 通知部108は、LEDなどの発光素子、ディスプレイ、スピーカ、バイブレータなどを含んでもよい。通知部108は、必要に応じて、発光、表示、発声、振動などによって、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成される。」
「[0093] 制御部106は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュールであってもよい。制御部106は、メモリ114に格納されたコンピュータ実行可能命令に従って吸引装置100Aの動作を制御するように構成されてもよい。メモリ114は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体である。メモリ114には、上記のようなコンピュータ実行可能命令のほか、吸引装置100Aの制御に必要な設定データ等が格納されてもよい。例えば、メモリ114は、通知部108の制御方法(発光、発声、振動等の態様等)、センサ112により検知された値、霧化部118の加熱履歴等の様々なデータを格納してもよい。制御部106は、必要に応じてメモリ114からデータを読み出して吸引装置100Aの制御に利用し、必要に応じてデータをメモリ114に格納する。」
「[0099]<第1の実施形態>図2は、本開示の第1の実施形態による吸引装置100の基本的な動作を示すフローチャートである。以下では、制御部106が図2に示されるすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、図2の一部のステップが吸引装置100内の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。[0100] ステップ202において、制御部106は、吸引装置100の要素の容量を検知又は推定する。ここで、「要素」とは、蓄積した容量を消費することにより、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの生成に寄与するように構成されるコンポーネントを意味する。一例として、図1Aに示される吸引装置100Aの構成を有する電子たばこの場合、第1の部材102はバッテリ110を含むバッテリ収容部とすることができ、第2の部材104はリザーバ116を含むカートリッジとすることができる。この場合、バッテリ収容部(又はバッテリ110)及びカートリッジ(又はリザーバ116)が上記「要素」に該当する。ここで、「容量」とは、バッテリ110の残量、リザーバ116に含まれるエアロゾル源の残量等を意味する。別の例として、図1Bに示される吸引装置100Bの構成を有する電子たばこの場合、第1の部材102はバッテリ110を含むバッテリ収容部とすることができ、第2の部材104はリザーバ116を含むカートリッジとすることができ、第3の部材126は香味源128を含むカプセルとすることができる。この場合、バッテリ収容部(又はバッテリ110)、カートリッジ(又はリザーバ116)及びカプセル(又は香味源128)が「要素」に該当する。ここで、「容量」とは、バッテリ110の残量、リザーバ116内のエアロゾル源の残量、香味源128に含まれる香喫味成分やエアロゾル源の残量等を意味する。香味源128やリザーバ116の体積、重量等は、吸引装置100の使用に伴って増加し得る。したがって、香味源128やリザーバ116の体積、重量等が必ずしも「容量」に相当しないことに留意されたい。[0101] 要素の容量は様々な方法で検知又は推定することができる。一例において、センサ112は、重量センサであってもよい。この場合、制御部106は、センサ112を用いて要素の重量(例えば、リザーバ116に含まれるエアロゾル源が液体やたばこである場合における、当該液体やたばこの重量)を検知し、検知された重量を当該要素の容量と判断してもよい。別の例において、センサ112は、(リザーバ116に含まれるエアロゾル源などの)液面の高さを検知することができてもよい。この場合、制御部106は、センサ112を用いて要素の液面の高さを検知し、検知された液面の高さに基づいて当該要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、霧化部118に対する通電時間の積算値を格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された積算通電時間に基づいて、要素の容量(例えば、リザーバ116に含まれるエアロゾル源の残量、たばこの香喫味成分の残量、香味源128に含まれる香喫味成分の残量等)を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、ユーザが吸引装置100に対して行った吸引(電子たばこの例においては「パフ」)の回数を格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された吸引回数に基づいて、要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、霧化部118の加熱履歴に関するデータを格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された当該データに基づいて、要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、バッテリ110のSOC(State of Charge,充電状態)、電流積算値及び/又は電圧に関するデータを格納してもよい。センサ112がこれらの値を検知してもよい。この場合、制御部106は、これらのデータに基づいて、要素(特に、バッテリ110)の容量を検知又は推定することができる。[0102] ステップ204において、制御部106は、ステップ202において検知又は推定された要素の容量が閾値未満であるか否かを判定する。当該閾値はメモリ114に格納されていてもよく、制御部106は閾値をメモリ114から取得してもよい。容量が閾値未満でない場合(ステップ204の「No」)、処理はステップ202の前に戻る。容量が閾値未満である場合(ステップ204の「Yes」)、処理はステップ206に進む。[0103] ステップ206において、制御部106は、既定の変数を検知する。一例において、センサ112が、空気取込流路120及び/又はエアロゾル流路121内の圧力を検知する圧力センサを含む場合、既定の変数は圧力であってもよい。別の例において、センサ112が、空気取込流路120及び/又はエアロゾル流路121内の圧力に代えて、流路内の流量を検知する流量センサを含む場合、既定の変数は流量であってもよい。別の例において、吸引装置100が駆動用のボタン(図示せず)を備えている場合、既定の変数は、当該ボタンが押されたことを示す、応力や電流値などであってもよい。[0104] なお、センサ112は、複数のセンサを含んでいてもよく、当該複数のセンサのうちの少なくとも2つは、異なる物理量を検出してもよい。ステップ202において、制御部106は、吸引装置100の要素の容量を検知又は推定するために、複数のセンサのうち一部を用いてもよい。さらにステップ206において、制御部106は、既定の変数を検知するために、複数のセンサのうち異なる一部を用いてもよい。[0105] ステップ208において、制御部106は、ステップ206において検知された変数が既定の条件を満たすか否かを判定する。ここで、既定の条件とは、吸引装置100においてエアロゾルの生成を要求するために必要な条件とすることができる。一例において、変数が圧力又は流量である場合、既定の条件は、既定の継続時間を超えて圧力又は流量が検知されることであってもよい。別の例において、変数が圧力又は流量である場合、既定の条件は、既定の値を超える絶対値を有する圧力又は流量が検知されることであってもよい。変数が圧力以外の他の値である実施形態においても、様々な条件を既定の条件として設定することが理解されよう。検知された変数が既定の条件を満たさない場合(ステップ208の「No」)、処理はステップ206の前に戻る。検知された変数が既定の条件を満たす場合(ステップ208の「Yes」)、処理はステップ210に進む。[0106] ステップ210において、制御部106は、ユーザ(すなわち、吸引装置100の吸引者)に対して所定の通知を行う。例えば、制御部106は、通知部108を所定の態様を有する第1モードで機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、制御部106は、所定の態様(例えば、点滅)でLEDを動作させてもよい、別の例において、通知部108がディスプレイを含む場合、制御部106は、要素の交換、充填、充電等(以下、必要に応じて「交換等」と呼ぶ)が必要であることを示す所定の表示を行うよう、ディスプレイを動作させてもよい。別の例として、通知部108がスピーカを含む場合、制御部106は、所定の音声を出力するよう、スピーカを動作させてもよい。」
「[0134] 吸引装置100が複数の要素を含む場合、制御部106は、吸引装置100から少なくとも1つの要素が取り外された場合に、通知部108の機能を中断するように構成されてもよい。例えば、吸引装置が図1Aに示す吸引装置100Aの構成を有し、第2の部材104が取り外し可能である場合、制御部106は、第2の部材104が取り外された場合に通知部108の機能を中断してもよい。同様に、吸引装置が図1Bに示す吸引装置100Bの構成を有し、第2の部材104及び第3の部材126が取り外し可能である場合、制御部106は、これらの部材のうち1つ又は両方が取り外された場合に通知部108の機能を中断してもよい。このような吸引装置100から少なくとも1つの要素が取り外された状態では、すでにユーザが通知部108の通知を認識した状態と見做せる。よって、通知部108の機能を中断すれば、バッテリ110の電力の浪費を回避できる。」
「[図1A][図:0001437788000001.jpg]」
「[図2][図:0001437788000002.jpg]」
(イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 引用文献1に記載された技術は、エアロゾルを生成する吸引装置100Aに関するものであり([0001]、[0085])、エアロゾルの吸引に必要な要素の交換、充填、充電等のタイミングをユーザが認識しやすく、エアロゾルの吸引に必要な要素の残量の回復をユーザが怠る可能性を低減することができる吸引装置を提供することを課題としたものである([0011]、[0012])。
b 吸引装置100Aは、エアロゾル源を保持するリザーバ116とエアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化部118とを含むカートリッジである第2の部材104と、霧化部118のヒータを制御しエアロゾル源を加熱することによってエアロゾル源を霧化する制御部106及び通知部108を含む第1の部材102と、を備える([0086]-[0088]、[0093]、[0100])。
c 制御部106は、リザーバ116に含まれるエアロゾル源の残量を検知又は推定する([0100])。
d 通知部108は、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成される([0090])。
e 制御部106は、リザーバ116に含まれるエアロゾル源の残量である要素の容量を検知又は推定し、容量が閾値未満である場合、通知部108を所定の態様を有する第1モードで機能させる([0100]-[0106])。
f 第2の部材104は、第1の部材102に対して着脱可能に構成される([0086])。
g 制御部106は、第2の部材104が取り外された場合に通知部108の機能を中断する([0134])。
(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「エアロゾルを生成する吸引装置100Aであって、前記吸引装置100Aは、エアロゾル源を保持するリザーバ116とエアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化部118とを含むカートリッジである第2の部材104と、前記霧化部118のヒータを制御し前記エアロゾル源を加熱することによって前記エアロゾル源を霧化する制御部106及び通知部108を含む第1の部材102と、を備え、前記制御部106は、前記リザーバ116に含まれる前記エアロゾル源の残量を検知又は推定し、前記通知部108は、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成され、前記制御部106は、前記リザーバ116に含まれる前記エアロゾル源の残量である要素の容量を検知又は推定し、前記容量が閾値未満である場合、前記通知部108を所定の態様を有する第1モードで機能させ、前記第2の部材104は、前記第1の部材102に対して着脱可能に構成され、前記制御部106は、前記第2の部材104が取り外された場合に前記通知部108の機能を中断する吸引装置100A。」
イ 引用文献2
(ア)同じく原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった米国特許出願公開第2018/0077967号明細書(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、翻訳文は、当審で作成した。
「[0071] The apparatuses and methods described herein generally include forming a vapor from a material (including in particular, liquid and oil-type plant materials) using a vaporization device. The vapor may be delivered for inhalation by a user. These apparatuses may be particularly adapted for use with an oil-based vaporizable material, including cannabis oils.[0072] The vaporizer apparatuses, including cartridges (vaporizer cartridges) and reusable vaporizers bases described herein may be used with any appropriate vaporizable material, including aqueous vaporizable materials.」
([0071] 本明細書に記載の装置及び方法は、一般的に、気化装置を使用して材料(特に、液体及び油タイプの植物材料を含む)から蒸気を形成することを含む。蒸気は、使用者による吸入のために送達され得る。これらの装置は、大麻油を含む油ベースの蒸発可能な材料に使用するために特に適合され得る。
[0072] 本明細書に記載のカートリッジ(気化器カートリッジ)及び再利用可能な気化器ベースを含む気化装置は、水性気化可能材料を含む任意の適切な気化可能材料とともに使用することができる。)
「[0074] For example, FIGS. 7A-7F illustrate one example of a cartridge that is adapted for use with a viscous oil-based vaporizable material (having a viscosity at room temperature of between 40 cP and 113 KcP), such as a cannabis oil. In this example, the cartridge 700 includes a flattened body that is approximately oval in cross-sectional area (see, e.g., FIGS. 7E and 7F showing top and bottom views) and includes a mouthpiece that is attached over a clear body forming a reservoir region holding the vaporizable material. The body 790 may be transparent, translucent or opaque. The mouthpiece may include one or more openings 792 at the proximal end (top) out of which vapor may be inhaled, by drawing breath through the device. The bottom may also include a locking feature (e.g., tab, indent, magnetic lock, etc.) for coupling and securing the cartridge within a cartridge receiver of a vaporizer base, such as the reusable vaporizer base 800 shown in FIGS. 8A-8G. In this example, the body may be elongate and may include an outer shell or cover 890; the proximal end of the vaporizer base may include an opening forming a cartridge receiver 892. The cartridge receiver may include one or more opening therethrough (e.g., lateral openings) to allow airflow therein, as described in more detail below. Any of these cartridges may also or alternatively include a rim, ridge, channel, protrusion, lip, etc. along the distal end region for engaging a complimentary portion of the vaporizer device. For example, in FIG. 7D, the cartridge include a channel or lip 795 at the distal end which may engage with a deflectable or deformable tab or protrusion in the cartridge receiving portion of the vaporizer; this may provide a snap fit. In general, the cartridge may fit within the cartridge receiver of the vaporizer by a friction fit. The snap-fit may provide audible and/or tactile confirmation that the cartridge is held in position. This fit may also lock or hold the cartridge within the receiver, but still allow it to be easily withdrawn to remove the cartridge.」
([0074] 例えば、図7A-7Fは、大麻油などの粘性油ベースの蒸発可能な材料(室温での粘度が40cPから113KcPの間)に使用するように適合されたカートリッジの一例を示す。この例では、カートリッジ700は、断面積がほぼ楕円形の扁平本体を含み(例えば、図7Eと7Fが上面図と底面図を示す。)、気化可能な物質を保持する貯蔵領域を形成する透明な本体上に取り付けられたマウスピースを含む。本体790は透明、半透明、又は不透明であってもよい。マウスピースには、近位端(上部)に1つ以上の開口部792が設けられており、装置を通して息を吸い込むことによって、そこから蒸気を吸入することができる。底部には、例えば、図8A-8Gに示す再利用可能な気化器ベース800のような気化器ベースのカートリッジレシーバ内にカートリッジを結合して固定するためのロック機能(例えば、タブ、インデント、磁気ロック等)も含まれ得る。この例では、本体は細長く、外殻又はカバー890を備え、気化器ベースの近位端にはカートリッジレシーバ892を形成する開口部が備えられている場合がある。カートリッジレシーバには、以下でより詳細に説明するように、内部に空気が流れるように1つ以上の開口部(例えば、横方向の開口部)が設けられる場合がある。これらのカートリッジはいずれも、気化装置の補完部分に係合するためのリム、リッジ、チャネル、突起、リップ等を遠位端領域に沿ってさらに、又は、代わりに含むことができる。例えば、図7Dにおいてカートリッジは、遠位端にチャネル又はリップ795を備えており、これが気化器のカートリッジ受容部分の撓み可能又は変形可能なタブ又は突起と係合し、スナップフィットを実現できる。一般に、カートリッジは、摩擦嵌めによって気化器のカートリッジレシーバ内に収まる。スナップフィットにより、カートリッジが所定の位置に保持されていることを音や触感で確認することができる。このフィットにより、カートリッジがレシーバ内にロック又は保持される、カートリッジを取り外すために簡単に引き出すことができる。)
「[0077] The vaporizer body typically includes a battery and one or more control circuits housed within the cover 890. The control circuitry may control the heater, which in this example, is present in the cartridge. The heater may generally include a heating coil (resistive heater) in thermal contact with the wick; additional connectors formed of a different material (e.g., conductive material) may connect the heater coil to the electrical contacts on the base of the cartridge; although this may lead to inaccuracies in detecting and controlling temperature electrically, as described below, the control circuitry may include one or more additional circuits, such as Seebeck measurement circuits, that correct for offsets and other inaccuracies in the determination of temperature and therefore the power applied to the apparatus. The control circuitry may also include and may control and/or communicate with a batter regulator (which may regulate the battery output, regulate charging/discharging of the battery, and may provide alerts to indicate when the battery charge is low, etc.). The co control circuitry may also include and may control and/or communicate with an output, such as a display, one or more LEDs, one or more LCDS, a haptic output, or any combination of these. In the example shown in FIGS. 7A-9G, the apparatus includes only four (RGB) LEDs 897, arranged in a pattern (e.g., a circular, spiral or floral pattern; other patterns may include linear patterns). Any of the apparatuses described herein may also include a wireless communication circuity that is part of, connected and/or controlled by the control circuitry. The apparatus may be configured to wireless communicate with a remote processor (e.g., smartphone, pad, wearable electronics, etc.); thus the apparatus may receive control information (e.g., for setting temperature, resetting a dose counter, etc.) and/or output information (dose information, operational information, error information, temperature setting information, charge/battery information, etc.).[0078] The apparatus may also include one or more inputs, such as an accelerometer, a lip sensing input, a contact input, or the like. In particular, described herein are vaporizer apparatuses in which the device does not include any visible buttons, switches or external user input on an outer surface of the cartridge or vaporizer base. Instead, the input may be an accelerometer (coupled to, part of, and/or controlled by the control circuitry). The accelerometer and any accelerometer control circuitry may be configured to detect tapping on the apparatus (e.g., the case) and/or rolling of the apparatus (e.g., around the long axis or the short axis of the device). In some variations the apparatus may also include circuitry for sensing/detecting when a cartridge is connected and/or removed from the vaporizer base. For example, cartridge-detection circuitry may determine when a cartridge is connected to the device based on an electrical state of the electrical contacts within the cartridge reliever in the vaporizer base. For example, FIG. 5C illustrates the two electrical contacts 595, 595′. Without a cartridge inserted into the apparatus the circuit is open (e.g., between 595 and 595′) with the cartridge inserted, the electrical contacts (shown as pins 595, 595′ in FIGS. 5D and 11B) engage with the contacts (such as wiping contracts, described above, which scrape to remove leaked and/or dried vaporizable material on the electrode contact surfaces). The controller (via a separate or integrated cartridge-detection circuit) may determine that a cartridge has been inserted when the resistance between these contacts changes to within a recognizable range (from the open circuit). Other cartridge detectors may be used alternatively or additionally, including a trip switch (which is activated when the cartridge is present), or the like. Any of the apparatuses described herein may also include one or more breath detectors, including a pressure sensor 1109 (e.g., microphone coil) having a connection to the inside of the cartridge receiver, as shown in FIG. 11B.」
([0077] 気化器本体には通常、カバー890内に収容されたバッテリと1つ以上の制御回路が含まれる。制御回路は、この例ではカートリッジ内に存在するヒーターを制御することができる。ヒーターは、一般に、ウィックと熱的に接触する加熱コイル(抵抗ヒーター)を含み、異なる材料(導電性材料等)で形成された追加のコネクタが、ヒーターコイルをカートリッジのベースにある電気接点に接続することができる。これにより、電気的に温度を検出して制御する際に不正確さが生じる可能性があるが、後述するように、制御回路には、温度の決定、ひいては装置に適用される電力のオフセットやその他の不正確さを補正するゼーベック測定回路等の1つ以上の追加回路が含まれる場合がある。制御回路には、バッテリレギュレータ(バッテリ出力の調整、バッテリの充電/放電の調整、バッテリ充電量の低下を示す警告の提供等を行う)も含まれており、バッテリレギュレータを制御及び/又は通信することができる。副制御回路には、ディスプレイ、1つ以上のLED、1つ以上のLCD、触覚出力、又はこれらの任意の組み合わせ等の出力も含まれ、これらを制御及び/又は通信することができる。図7A-9Gに示された例では、この装置には、パターン(例えば、円形、螺旋状、花柄、他のパターンには直線状パターンが含まれる場合がある)に配置された4つの(RGB)LED897のみが含まれる。本明細書に記載のいずれの装置も、制御回路の一部であり、制御回路によって接続及び/又は制御される無線通信回路を含むことができる。装置は、リモートプロセッサ(例えば、スマートフォン、パッド、ウェアラブル電子機器等)と無線通信するように構成することができ、したがって、装置は制御情報(例えば、温度設定、投与量カウンタのリセット等)及び/又は出力情報(投与量情報、動作情報、エラー情報、温度設定情報、充電/バッテリ情報等)を受信することができる。
[0078] 装置は、加速度計、唇感知入力、接触入力等の1つ以上の入力も含み得る。特に、本明細書では、カートリッジ又は気化器ベースの外面上に目に見えるボタン、スイッチ、又は外部ユーザー入力を備えない気化器装置について説明する。代わりに、入力は(制御回路に結合された、制御回路の一部である、及び/又は制御回路によって制御される)加速度計であってもよい。加速度計及び任意の加速度計制御回路は、装置(例えば、ケース)のタッピング及び/又は装置の回転(例えば、デバイスの長軸又は短軸の周り)を検出するように構成することができる。いくつかのバリエーションでは、この装置は、カートリッジが気化器ベースに接続されたとき、及び/又は気化器ベースから取り外されたときに感知/検出するための回路も備えている場合がある。例えば、カートリッジ検出回路は、気化器ベース内のカートリッジリリーフ装置内の電気接点の電気状態に基づいて、カートリッジがいつデバイスに接続されたかを判定することができる。例えば、図5Cは、2つの電気接点595、595′を示す。カートリッジが装置に挿入されていない場合、回路は開いており(例えば、595と595′の間)、カートリッジが挿入されている場合、電気接点(図5D、11ではピン595、595′として示されている)は、接点(前述のワイピング接点のように、漏れた蒸発性物質や乾燥した蒸発性物質を電極接触面から削り取るもの)と係合する。コントローラは、(別個の又は統合されたカートリッジ検出回路を介して)これらの接点間の抵抗が(開回路から)認識可能な範囲内に変化したときに、カートリッジが挿入されたと判断する場合がある。トリップスイッチ(カートリッジが存在する場合に作動する)等、他のカートリッジ検出器を代替的または追加的に使用することもできる。本明細書に記載の装置はいずれも、図11Bに示されるように、カートリッジレシーバの内部に接続された圧力センサ1109(例えば、マイクロフォンコイル)を含む1つ以上の呼吸検出器を備えてもよい。)
「[0099] Alternatively or in addition to the atomizer, the vaporization device may be configured as a “cartomizer” to generate an aerosol from the vaporizable material for inhalation by the user.」
([0099] 噴霧器に代えて、又は噴霧器に加えて、気化装置は、ユーザーが吸入するための蒸発可能な材料からエアロゾルを生成する「カートマイザー」として構成されてもよい。)
(イ)上記記載から、引用文献2には、次の技術(以下、「引用文献2記載技術」という。)が記載されていると認められる。
「カートリッジ及び再利用可能な気化器ベースを含む気化装置であって、カートリッジが気化器ベースに接続されたとき、及び/又は気化器ベースから取り外されたときに感知/検出するための回路としてコントローラに統合されたカートリッジ検出回路を備えている、エアロゾルを生成する気化装置。」
(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)後者の「エアロゾル源」は、「霧化」されて「エアロゾルを生成」するので、前者の「エアロゾル前駆体材料」に相当する。そして、後者の「エアロゾルを生成する吸引装置100A」は、「エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化部」を備えるから、前者の「エアロゾル前駆体材料からエアロゾルを発生させるエアロゾル供給システム」に相当する。
(イ)後者の「エアロゾル源を保持するリザーバ116とエアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化部118とを含むカートリッジである第2の部材104」は前者の「当該エアロゾル供給システムのユーザーに提供されるエアロゾルを発生させる消耗部品」に相当する。
(ウ)後者の「前記霧化部118のヒータを制御し前記エアロゾル源を加熱することによって前記エアロゾル源を霧化する制御部106及び通知部108を含む第1の部材」は前者の「前記エアロゾル前駆体からのエアロゾルの発生を可能にするように構成された再利用可能な部品」に相当する。
(エ)後者の「前記リザーバ116に含まれる前記エアロゾル源の残量を検知又は推定」する「制御部106」は、前者の「前記エアロゾル供給システムの使用状況を監視するように構成された制御回路」に相当する。
(オ)後者の「ユーザに対して何らかの通知を行うように構成され」る「通知部108」は、前者の「通知信号を出力するように構成された通知ユニット」に相当する。
(カ)以上、(ア)~(オ)を踏まえると、後者の「前記吸引装置100Aは、エアロゾル源を保持するリザーバ116とエアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化部118とを含む第2の部材104と、前記吸引装置100Aの動作を制御する制御部106及び通知部108を含む第1の部材102と、を備え、前記制御部106は、前記リザーバ116に含まれる前記エアロゾル源の残量を検知又は推定し、前記通知部108は、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成され」る態様は、前者の「前記エアロゾル供給システムは、当該エアロゾル供給システムのユーザーに提供されるエアロゾルを発生させる消耗部品と、前記エアロゾル前駆体からのエアロゾルの発生を可能にするように構成された再利用可能な部品と、前記エアロゾル供給システムの使用状況を監視するように構成された制御回路と、通知信号を出力するように構成された通知ユニットと、を含」む態様に相当する。
(キ)後者の「前記制御部106は、前記リザーバ116に含まれる前記エアロゾル源の残量である要素の容量を検知又は推定し、前記容量が閾値未満である場合」という態様は、前記容量が閾値未満であるという条件が満たされたことを決定しているといえるから、前者の「前記制御回路は、所定の使用条件が満たされたことを決定」する態様に相当し、後者の「通知部108を所定の態様を有する第1モードで機能させ」る態様は、前者の「前記通知ユニットに通知信号を出力させる」態様に相当する。したがって、後者の「前記制御部106は、前記リザーバ116に含まれる前記エアロゾル源の残量である要素の容量を検知又は推定し、前記容量が閾値未満である場合、前記通知部108を所定の態様を有する第1モードで機能させ」る態様は、前者の「前記制御回路は、所定の使用条件が満たされたことを決定し、前記所定の使用条件が満たされたとの決定に応答して、前記通知ユニットに通知信号を出力させるように構成され」る態様に相当する。
(ク)後者の「前記第2の部材104は、前記第1の部材102に対して着脱可能に構成され」る態様は、前者の「前記消耗部品は前記再利用可能な部品から独立しており、直接的または間接的に前記再利用可能な部品と係合するように構成され」る態様に相当する。
(ケ)後者の「前記制御部106は、前記第2の部材104が取り外された場合に前記通知部108の機能を中断する」態様において、制御部106が通知部108の機能を中断するためには、第2の部材104が取り外されたか否かを検出し、その検出によって取り外された場合に生じる何らかの信号が制御部106に入力される必要があることは明らかである。また、第2の部材を取り外すのはユーザであることも明らかである。すると、後者の「前記第2の部材104が取り外された場合に」生じる信号は、前者の「前記消耗部品と前記再利用可能な部品の相対的な分離を含む」「ユーザー入力」に相当する。そして、後者の「前記制御部106は、前記第2の部材104が取り外された場合に前記通知部108の機能を中断する」態様は、「前記通知部108」が「前記第2の部材104が取り外された場合に」生じる信号に応答して、その機能を中断するといえるから、前者の「前記通知ユニットは、ユーザー入力に応答して前記通知信号の出力を停止するように構成されており」という態様に相当する。さらに、後者の「前記制御部106は、前記第2の部材104が取り外された場合に前記通知部108の機能を中断する」態様は、「前記制御部106」に「前記第2の部材104が取り外された場合に」生じる信号が入力されることによって「前記通知信号の出力を停止」しており、「前記制御部106」が「第1の部材102」に含まれていることから、「第1の部材102」は、「前記第2の部材104が取り外された場合に」生じる信号が入力されることによって「前記通知信号の出力を停止」しているといえる。したがって、後者の「前記制御部106は、前記第2の部材104が取り外された場合に前記通知部108の機能を中断する」態様は、前者の「前記再利用可能な部品は前記ユーザー入力を受信するように構成されており、前記ユーザー入力によって前記通知ユニットは通知信号の出力を停止」する態様に相当する。そして、後者の「前記制御部106は、前記第2の部材104が取り外された場合に前記通知部108の機能を中断する」態様は、上記のとおり第2の部材104が取り外されたか否かを検出する態様が含まれていることは明らかであるから、前者の「前記再利用可能な部品は前記消耗部品の存在を連続的に検出するように構成され」る態様と、「前記消耗部品の存在を検出するように構成され」る態様の限りにおいて一致する。
以上をまとめると、後者の「前記制御部106は、前記第2の部材104が取り外された場合に前記通知部108の機能を中断する」態様は、前者の「前記通知ユニットは、ユーザー入力に応答して前記通知信号の出力を停止するように構成されており、」「前記再利用可能な部品は前記消耗部品の存在を連続的に検出するように構成され、前記再利用可能な部品は前記ユーザー入力を受信するように構成されており、前記ユーザー入力によって前記通知ユニットは通知信号の出力を停止し、前記前記ユーザー入力は前記消耗部品と前記再利用可能な部品の相対的な分離を含む」態様と、「前記通知ユニットは、ユーザー入力に応答して前記通知信号の出力を停止するように構成されており、」「前記消耗部品の存在を検出するように構成され、前記再利用可能な部品は前記ユーザー入力を受信するように構成されており、前記ユーザー入力によって前記通知ユニットは通知信号の出力を停止し、前記前記ユーザー入力は前記消耗部品と前記再利用可能な部品の相対的な分離を含む」態様の限りにおいて一致する。
(コ)以上の限りにおいて、後者の「吸引装置100A」は、前者の「エアロゾル供給システム」に相当する。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「エアロゾル前駆体材料からエアロゾルを発生させるエアロゾル供給システムであって、前記エアロゾル供給システムは、当該エアロゾル供給システムのユーザーに提供されるエアロゾルを発生させる消耗部品と、前記エアロゾル前駆体からのエアロゾルの発生を可能にするように構成された再利用可能な部品と、前記エアロゾル供給システムの使用状況を監視するように構成された制御回路と、通知信号を出力するように構成された通知ユニットと、を含み、前記制御回路は、所定の使用条件が満たされたことを決定し、前記所定の使用条件が満たされたとの決定に応答して、前記通知ユニットに通知信号を出力させるように構成され、前記通知ユニットは、ユーザー入力に応答して前記通知信号の出力を停止するように構成されており、前記消耗部品は前記再利用可能な部品から独立しており、直接的または間接的に前記再利用可能な部品と係合するように構成され、前記消耗部品の存在を検出するように構成され、前記再利用可能な部品は前記ユーザー入力を受信するように構成されており、前記ユーザー入力によって前記通知ユニットは通知信号の出力を停止し、前記前記ユーザー入力は前記消耗部品と前記再利用可能な部品の相対的な分離を含むエアロゾル供給システム。」
【相違点】
前記消耗部品の存在を検出する態様に関し、本件補正発明は、「前記再利用可能な部品は前記消耗部品の存在を連続的に検出する」のに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。
(4)判断
ア 上記相違点に係る判断
上記(2)イ(イ)に記載したとおり、引用文献2には、次の引用文献2記載技術が記載されている。
「カートリッジ及び再利用可能な気化器ベースを含む気化装置であって、カートリッジが気化器ベースに接続されたとき、及び/又は気化器ベースから取り外されたときに感知/検出するための回路としてコントローラに統合されたカートリッジ検出回路を備えている、エアロゾルを生成する気化装置。」
引用発明において、上記(3)ア(ケ)に記載のとおり第2の部材104が取り外されたか否かを検出することは明らかである一方、その主体は明らかでないところ、引用発明の実施に伴う具体化手段として引用文献2記載技術を採用して、第1の部材102に含まれる制御部106に統合される検出回路が第2の部材104の取り外しを検出するものとすることは、当業者が容易になし得ることである。
また、当該検出に関し、ユーザがいつ取り外すのか不明なため、少なくとも一定時間継続して検出することは当然であるところ、そのように継続的に検出することにおいて、連続的に検出するか断続的に検出するかは当業者が必要に応じて適宜選択し得るものであり、連続的とすることに格別な困難性はなく、それにより格別な効果を奏するものでもない。
そして、相違点を勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2記載技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
イ 令和6年8月14日提出の手続補正書(方式)で補正された審判請求書における審判請求人の主張について
上記審判請求書において審判請求人は、本件特許発明(審判請求書中の「本願発明1」)と引用発明(同「引用発明1」)とを対比して、以下の3つの相違点
「相違点1本願発明1では、ユーザー入力は前記消耗部品と前記再利用可能な部品の相対的な分離を含み、前記通知ユニットは、前記ユーザー入力に応答して前記通知信号の出力を停止するように構成されているのに対して、引用発明1では、制御部106は、吸引装置100から第2の部材104が取り外された場合に通知部108の機能を中断するように構成されています(請求項15、段落0134)。しかし、第1の部材102とカートリッジ104の相対的な分離がユーザー入力に該当するか不明であり、またユーザー入力に応答して通知部の機能が中断されているのかも不明である点。相違点2本願発明1では、前記消耗部品は前記再利用可能な部品から独立しており、直接的または間接的に前記再利用可能な部品と係合するように構成され、前記再利用可能な部品は前記消耗部品の存在を連続的に検出するように構成され、前記ユーザー入力は前記消耗部品と前記再利用可能な部品の相対的な分離を含むのに対して、引用発明1では、センサ112は、カプセル126及び/又はカートリッジ104が取り外されたことを検知する嵌合検知機能(又は接続検知機能)を有しています(段落0194)。しかし、第1の部材102がカートリッジ104の存在を連続的に検出するように構成されているかは不明である点。相違点3本願発明1では、前記再利用可能な部品は前記ユーザー入力を受信するように構成されており、前記ユーザー入力によって前記通知ユニットは通知信号の出力を停止するが、引用発明1では、第1の部材102がそのような構成を有するか不明である点。」
を挙げた上で、
「相違点1-3は、引用文献1-3及び周知事項を考慮しても、当該文献等から当業者であってそれらの相違点に容易に想到できたとは言えないものと考えます。」
と主張している(審判請求書の7~10頁)。
しかしながら、審判請求人が主張する上記相違点1及び3については、上記(3)ア(ケ)で対比したとおり一致点である。
また、そして、審判請求人が主張する上記相違点2については、上記(3)イ【相違点】で示した点で相違し、上記アで判断したとおりである。
したがって、審判請求人の主張は、当を得たものではなく、採用できない。
ウ まとめ
以上より、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和6年8月1日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和5年7月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記再利用可能な部品は前記ユーザー入力を受信するように構成されており、前記ユーザー入力によって前記通知ユニットは通知信号の出力を停止し」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2024-012562