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特許拒絶査定不服審判

2024-012550

光学フィルタ及び分光器

審判番号
2024-012550
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-082749
請求日
2024年08月01日
審決日
2025年06月09日
公報発行日
2025年11月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】杉村 憲司
  • 【請求人代理人】杉村 光嗣
  • 【請求人代理人】齋藤 恭一
審判長/審判官
  • 審判長 宮澤 浩
  • 審判官 南 宏輔
  • 審判官 藏田 敦之
分類
P18 .121-Z (G01J) / P18 .575-Z (G01J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021- 82749「光学フィルタ及び分光器」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月24日出願公開、特開2021-144039〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 本願は、平成28年 8月 3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年 8月 5日、(US)アメリカ合衆国)に特願2016-152877号として出願したものの一部を、2018年(平成30年) 4月12日に特願2018-76905号として分割出願したものの一部を、2021年(令和 3年) 5月14日に特願2021-82749号として分割出願したものであって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和 5年 2月28日付け:拒絶理由通知書(最後) 令和 5年 7月11日提出:意見書、手続補正書 令和 5年 9月29日付け:拒絶理由通知書(最後) 令和 6年 1月16日提出:意見書 令和 6年 3月26日付け:拒絶査定 令和 6年 8月 1日提出:審判請求書、手続補正書 令和 6年11月26日付け:前置報告書 令和 7年 2月 5日提出:上申書 第2 令和 6年 8月 1日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和 6年 8月 1日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について 令和 6年 8月 1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の請求項1を以下のように補正するものである(下線部は補正箇所を示す。)。 (1)本件補正前 「光学フィルタセグメントの2次元アレイを備える第1フィルタと、 第2フィルタと、 前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間に配置され、前記第1フィルタから反射した光を抑制するための円偏光子と を備え、 前記円偏光子は更に前記第1フィルタと前記第2フィルタを透過する光路に配置される、アセンブリ。」 (2)本件補正後 「光学フィルタセグメントの第1の2次元アレイを備える第1フィルタと、 光学フィルタセグメントの第2の2次元アレイを備える第2フィルタと、 前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間に配置され、前記第1フィルタから反射した光を抑制するための円偏光子と を備え、 前記円偏光子は更に前記第1フィルタと前記第2フィルタを透過する光路に配置される、アセンブリ。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「第2フィルタ」について、「光学フィルタセグメントの第2の2次元アレイを備える」と限定する補正事項を含むものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正である。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 (ア)記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2011-253078号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審において付した。以下同じ。)。 a 「【技術分野】 【0001】 本発明は、入射した光を波長ごとに分光して透過させる光学部品及び分光測光装置に関する。」 b 「【背景技術】 【0002】 プリズムや回折格子を用いて、センサアレイ上の各センサに異なる波長の光を受光させ、各センサからの出力を測定する分光測光装置が知られている。また、プリズムや回折格子の代わりに、透過波長可変フィルタを用いた分光測光装置も提案されている。透過波長可変フィルタは、プリズムや回折格子と比較して省スペースに設置できるため、分光測光装置を小型化できるという利点がある。また、プリズムや回折格子に光を導く際にはスリットが必要なため光量が減少するが、透過波長可変フィルタにはスリットは不要なので光量は減少しない。 【0003】 透過波長可変フィルタを用いた分光測光装置では、透過波長可変フィルタとセンサアレイ間の光の伝達が重要である。透過波長可変フィルタの光が入射する面に対して、斜めに入射する光をセンサが受光することで、分光測光装置の波長分解能が悪くなるからである。そのため、透過波長可変フィルタとセンサアレイの間に、ファイバーオプティックスプレートを配置したり(特許文献1参照)、また穴の開いた金属板を用いたりして(特許文献2参照)、センサへ入射する斜め成分の光を除去する、つまりセンサへの入射光をコリメートする方法が提案されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2002-277326号公報 【特許文献2】特開2003-131015号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、上述のセンサへの入射光をコリメートする方法では、光学的効率が不十分であり、またコストも高い等の問題が生じていた。そこで、本発明の目的は、透過波長可変フィルタを用いて、高い波長分解能を有する分光測光装置を提供することにある。」 c 「【0010】 [第1の実施形態] 本発明の第1の実施形態として、入射した光を波長ごとに分光して透過させる光学部品について説明する。図1に示すように、本実施形態の光学部品1は、第1の透過波長可変フィルタ11と、第2の透過波長可変フィルタ12と、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12を所定の間隔d1を隔てて配置するために用いられるスペーサ13とから主に構成される。第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12は平面形状が矩形の板状部材であり、その4隅に1個ずつ、合計4個のスペーサ13が配置されている。尚、図1において、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12の長手方向を「X方向」、X方向と直交する透過波長可変フィルタ11及び12の短手方向を「Y方向」、X及びY方向と直交する高さ方向を「Z方向」と定義する。また、図1に示す光学部品の配置において、Z方向の上側を単に「上側」、上側の反対方向を「下側」とし、光学部品1に対して光は上側から入射して、下側へ透過するものとする。 【0011】 「透過波長可変フィルタ」(LVF:Liner Variable Filter:以下、LVFと称することがある)とは、光が入射するとき、その入射する位置によって透過する波長が異なるフィルタを意味する。本実施形態では、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12に、同じLVFを用いた。第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12は、X方向と平行な波長変化方向14に沿って、透過波長が連続的に短波長(λmin)から長波長(λmax)へ変化する。そして、この2枚のLVFを互いの波長変化方向14が略平行で、かつ、透過光の短波長から長波長への変化の向きが同一となるように所定の間隔d1を隔てて配置した。つまり、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12は、略同一の波長の光を透過する領域がZ方向に間を隔てて並んで配置される。 【0012】 図2(a)を用いて、単一の透過波長可変フィルタを用いた場合の問題点について説明する。図2(a)では、第1の透過波長可変フィルタ11の下側に、X方向に沿って複数の受光センサ21が配列されたラインセンサ2が配置されており、第2の透過波長可変フィルタは使用していない。尚、図2においても、図1と同様に、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12の波長変化方向はX方向と平行であり、図2の向かって左から右へ、透過波長は短波長から長波長へ連続的に変化するものとする。」 d 「【0014】 一方、図2(b)に示すように、第1の透過波長可変フィルタ11の上方に、もう1枚のLVF、第2の透過波長可変フィルタ12を重ねると、次のような原理で斜め入射光b1の光センサ21への入射を阻止できる。図2(b)に示すように、斜め入射光b1は、第2の光学フィルタ12における波長λl1の光を透過する位置を透過するので、波長λl1以外の波長成分が取り除かれる。次に、斜め入射光b1は、第1の光学フィルタ11の波長λm1の光を透過する位置に入射されるが、入射された斜め入射光b1は波長λl1の光からなり、波長λm1の光は含まれていないため、第1の透過波長可変フィルタ11により完全に遮断される。 【0015】 このように、本実施形態の光学部品1は2枚の透過波長可変フィルタを重ねて用いることにより、斜め入射光を遮断し、フィルタに垂直な光成分のみのほぼ平行な入射光のみを透過させることができる。つまり、光学部品1は、入射光をコリメートしていることになる。 【0016】 本実施形態の第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12は、基板と、それら基板の光が入射する面に形成された多層積層膜を有するバンドパスフィルタである。基板上に成膜された多層膜の膜厚は、波長変化方向14に沿って、図1における左側(λmin側)から右側(λmax側)に向かって厚くなる。すなわち、図示されていないが、光学ガラス基板上に形成された多層積層膜は、光が入射する面に垂直で且つ波長変化方向14に平行な断面が楔状の断面を有する。第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12は、このように光学薄膜の膜厚が連続的に変化することで、光の干渉により透過波長が連続的に変化するタイプのフィルタ(光干渉フィルタ)である。」 e 「【0028】 光学部品3は、ガラス基板33と第1の多層積層膜31からなるバンドパスフィルタと、同じく共通のガラス基板33と第2の多層積層膜32からなるバンドパスフィルタが、組み合わされたものとみることができる。また、光学部品3は、第1の実施形態における、スペーサ13の代わりに、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12の間に、第2の透過波長可変フィルタの基板15と同材料の充填物を充填した形態とみることもできる。本実施形態の光学部品3は、構造が単純で製造が容易であり、しかも機械的強度が高い。また、基板の一方の面に多層積層膜を有する通常のLVFでは、多層積層膜を有さない他方の面に反射防止膜を設ける必要があるが、本実施形態の光学部品3は、基板の両面に多層積層膜が設けられているので、反射防止膜を設ける必要がない。そのため、光学部品3は透過率が高く、また低コストである。更に、基板の両面に多層積層膜が形成されているので、光学部品3はアライメントの必要もない。」 f 図1 [図:0001428783000001.jpg] g 図2(b) [図:0001428783000002.jpg] (イ)認定事項 上記「(ア)c」の記載を参酌すると、上記「(ア)g」より、第1の透過波長可変フィルタ11のZ軸方向(図中上方)に、第2の透過波長可変フィルタ12が重ねられており、前記第1の透過波長可変フィルタ11のこれとは反対側(図中下方、Z軸の負の方向)に、X方向に沿って複数の受光センサ21が配列されたラインセンサ2が配置されていることが見て取れる。 これら、第1の透過波長可変フィルタ11、第2の透過波長可変フィルタ12及びラインセンサ2は、分光測光装置の構成であると認められる。 (ウ)引用発明 上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、参考のため、認定の根拠となった主な箇所を括弧内に示す。 「入射した光を波長ごとに分光して透過させる光学部品1と、複数の受光センサ21が配列されたラインセンサ2とを備えた分光測光装置であって((ア)a、c、g、(イ))、 光学部品1は、第1の透過波長可変フィルタ11と、第2の透過波長可変フィルタ12と、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12を所定の間隔d1を隔てて配置するために用いられるスペーサ13とから主に構成されており((ア)c、f)、 前記第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12は、いずれも、光が入射するとき、その入射する位置によって透過する波長が異なるフィルタであって((ア)c)、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12は、X方向と平行な波長変化方向14に沿って、透過波長が連続的に短波長から長波長へ変化するものであり、これら2枚のフィルタを互いの波長変化方向14が略平行で、かつ、透過光の短波長から長波長への変化の向きが同一となるように所定の間隔d1を隔てて配置、つまり、第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12の略同一の波長の光を透過する領域がZ方向に間を隔てて並ぶようにしており((ア)c、f、g)、 前記第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12をこのように重ねて用いることによって前記光学部品1は、斜め入射光を遮断し、フィルタに垂直な光成分のみの、ほぼ平行な入射光のみを透過させる分光測光装置((ア)d、g、(イ))。」 イ 引用文献2 (ア)記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2008-191097号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 a 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 透過スペクトルが順次異なる複数の微小フィルターを列状に配置しており、一定の透過波長帯域を有するユニットフィルターを一列或いは複数列有する複合型の分光フィルターと、 個々の前記微小フィルターに光学的に対応した画素を有し、微小フィルターを透過した光を受光する光電変換素子と、 を有することを特徴とする分光計測器。」 b 「【発明が解決しようとする課題】 【0013】 本発明は従来の技術が有している問題点を解決するものである。 本発明は、検出すべき波長領域とその中での波長間隔を高い自由をもって設計することが可能な分光計測器を提供することを目的とする。 本発明は、波長分解能と測定精度の両方を向上させることが可能な分光計測器を提供することを目的とする。 本発明は、機械的な駆動部を必要とせず、小型かつ軽量の分光計測器を提供することを目的とする。」 c 「【0020】 更に分光フィルター、光度計ともに2次元配列したものを用いることにより、波長域や波長間隔の異なる複数の計測機能を並列して実装することが可能である。例えばある列には中心波長が500nmから600nmまで段階的に変化する帯域通過フィルターを配置し、別の列には前記ある列の幅の範囲内の任意の幅(例えば波長545nmから555nm)まで変化するフィルターを配置すれば、波長550nmを中心として波長幅100nmにわたる広範囲なスペクトル形状と、波長幅10nmの範囲の詳細なスペクトル形状の両方が一度の測定で得られる。前記例のある列の波長は500nmから600nmに限らず任意の波長を選択できる。また、幅は100nmに限らず100nm以下、あるいは100nm以上の任意の幅で選択できる。また、別の列の波長あるいは波長幅も任意の波長あるいは波長幅を選択できることはいうまでもない。 【0021】 また計測の対象とする最短の波長と最長の波長の間を、1次元CCDアレイを用いた構成ではその画素数で割った波長分解能で計測するのが限界であるが、2次元配列した波長フィルターとイメージセンサーを用いる構成の場合、最短波長から最長波長までをいくつかの列に振り分けることで、波長分解能を大幅に細かくすることも可能である。またCCDによる電荷の蓄積時間を適宜延長することで、光量の低下にも対応することが可能である。」 d 「【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 本形態においては、透過スペクトルが順次異なる複数の微小フィルターを列状に配置してなり、一定の透過波長帯域を有するユニットフィルター401を一列或いは複数列有する複合型の分光フィルター105と、個々の前記微小フィルターに光学的に対応した画素を有し、微小フィルターを透過した光を受光する光電変換素子105と、を有する。」 e 「【0029】 次に、このような微小フィルター領域を、図4に示す要領で基板面内に2次元的に配置する。同図の列401、列402、列403はそれぞれ例えば波長400nm帯、波長500nm帯、波長600nm帯のように異なる波長帯域のスペクトルを検出するためのフィルター群で、列の左端から右端まで格子間隔pをわずかずつ変化させておく。また列404は例えば波長540nmから波長560nmの範囲など、特定の狭い範囲のスペクトルを検出するための領域で、上の3つの領域より面内格子間隔の変化を緩やかにしておく。」 f 図4 [図:0001428783000003.jpg] (イ)引用文献2に記載の技術的事項 上記記載から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。なお、参考のため、認定の根拠となった主な箇所を括弧内に示す。 「1次元CCDアレイを用いた構成ではその画素数で割った波長分解能で計測するのが限界であるが、2次元配列した波長フィルターとイメージセンサーを用いる構成の場合、最短波長から最長波長までをいくつかの列に振り分けることで、波長分解能を大幅に細かくすることも可能であることから((ア)c)、 分光フィルター、光度計ともに2次元配列したものを用いることにより、波長域や波長間隔の異なる複数の計測機能を並列して実装することを可能として、波長分解能と測定精度の両方を向上させた、小型かつ軽量の分光計測器において((ア)b、c)、 透過スペクトルが順次異なる複数の微小フィルターを2次元配列しており、一定の透過波長帯域を有するユニットフィルターを複数列有する複合型の分光フィルターと((ア)c~f)、 個々の前記微小フィルターに光学的に対応した画素を有し、前記微小フィルターを透過した光を受光する光電変換素子とを設けたこと((ア)d)」 ウ 引用文献3 (ア)記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2012-103208号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の記載がある。 a 「【0049】 [第二実施形態] 次に本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。 図7は、本発明の第二実施形態に係る光学装置のテレセントリック光学系により導光された光束の光路を示す図である。 第二実施形態の光学装置1Aでは、図7に示すように、第一実施形態の光学装置1におけるテレセントリック光学系31と波長可変干渉フィルター5との間に、第一円偏光板34が設けられている。 【0050】 この第一円偏光板34は、テレセントリック光学系31側に面する直線偏光板341と、波長可変干渉フィルター5側に面する1/4波長板342とを組み合わせることで構成されている。 このような第一円偏光板34では、直線偏光板341で、テレセントリック光学系31から入射した光のうち、例えばP偏光波のみを透過し、S偏光波を吸収する。また、1/4波長板342では、透過されたP偏光波を円偏光(右旋光性円偏光波)にして波長可変干渉フィルター5に向かって射出する。 一方、波長可変干渉フィルター5では、多重干渉により強め合った光は透過光として検出部32側に透過されるが、その他の波長の光は、ほぼテレセントリック光学系31側に反射される。 この時、反射波は、旋回方向が逆転する。例えば、本実施形態では、1/4波長板342により右旋光性円偏光波に変換されているので、反射波は左旋光性円偏光波となる。このような左旋光性円偏光波は、第一円偏光板34の1/4波長板342に入射すると、S偏光波に変換され、直線偏光板341により吸収され、テレセントリック光学系31側に透過しない。 【0051】 (第二実施形態の作用効果) 上述したような第二実施形態の光学装置1Aでは、テレセントリック光学系31と、波長可変干渉フィルター5との間に、第一円偏光板34が設けられ、この第一円偏光板34は、テレセントリック光学系31に面する直線偏光板341と、波長可変干渉フィルター5に面する1/4波長板342とを組み合わせることで構成されている。 このため、第一円偏光板34は、テレセントリック光学系31から波長可変干渉フィルター5に向かって入射光を透過させることができ、波長可変干渉フィルター5で反射された光を吸収することができる。これにより、テレセントリック光学系31に波長可変干渉フィルター5で反射された光が戻ることがなく、このような反射波がテレセントリック光学系のレンズ内やレンズ間で反射することで生じるモアレやゴーストなどの発生も防止できる。したがって、検出部32での光量測定精度の低下を抑制することができる。」 b 図7 [図:0001428783000004.jpg] (イ)周知技術 上記(ア)の記載事項に例示されるように、本願の優先日前に次の周知技術があったものと認められる(以下「周知技術」という。)。 「一方の光学要素から他方の光学要素へ光が通過する場合に、この光路上に円偏光板を設けて、当該円偏光板において他方の光学要素から反射された光を吸収する光学装置」 エ 引用文献4 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2005-148224号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の記載がある。 a 「【0038】 図7はこの発明の実施の形態5の車載用カメラの要部を示す概略構成図である。 図7において、5は赤外カットフィルタであり、光学フィルタ2と撮像素子3の間に設置されているが、その設置場所は特に問わない。 なお、その他の構成については、図1と同様のものであり、図1との同一符号は、同一または相当部分を示すので説明は省略する。」 b 「【0040】 実施の形態6. 実施の形態5では、光学フィルタと赤外カットフィルタの2枚のフィルタを用いるため、どうしても内面反射に起因するゴースト像が生じてしまう。 そこで、この実施の形態6においては、任意の波長領域を透過させる光学フィルタは比較的容易に作成できるため、実施の形態5で示した光学フィルタの特性と、赤外カットフィルタの特性を併せ持つ1枚フィルタを作成し、この一体化された1枚構造の光学フィルタを使用するものである。 このフィルタの特性を図9に示す。このフィルタを単一で用いても、もちろん、図8に示す分光特性結果と同様の結果が得られるものである。」 c 図7 [図:0001428783000005.jpg] オ 引用文献5 前置報告書において周知の課題を示す文献として引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2013-101886号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。 「【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、出願人は、光源から照射面に至る光路上に、光源のスペクトル特性を太陽光のスペクトル特性に変換するスペクトル補正フィルタと、光量を調整するための減光フィルタとを交換自在に設け、疑似太陽光のスペクトル特性や光量を容易に調整可能にした擬似太陽光照射装置について、既に国際出願している(PCT/JP2011/066531)。 しかしながら、スペクトル補正フィルタ、及び減光フィルタを光路上に設けると、一方のフィルタにコーティングされた膜面で反射した反射光が他方のフィルタの膜面で反射され照射面への照射光に混入する。この反射光が、スペクトル補正フィルタの膜面での反射を経ている場合、スペクトル補正フィルタでの反射によってスペクトル特性に変調を受ける。このような反射光が照射光に混入すると、照射光のスペクトル特性が設計値からずれてしまい、特性評価や耐光試験の目的に見合った品質の照射光が得られなくなる、といった問題がある。」 カ 周知の課題 上記エ及びオの記載事項に例示されるように、次の周知の課題があったものと認められる(以下「周知の課題」という。)。 「複数の光学フィルタを設けた光学装置において、一方のフィルタで反射した光が、他方のフィルタへ入射して、種々の問題を引き起こすこと」 (3)対比 本件補正発明と引用発明1とを対比する。 ア 第1フィルタと第2フィルタについて 引用発明の「第1の透過波長可変フィルタ11」及び「第2の透過波長可変フィルタ12」は、「光が入射するとき、その入射する位置によって透過する波長が異なるフィルタ」であって、「X方向と平行な波長変化方向14に沿って、透過波長が連続的に短波長から長波長へ変化する」ように構成されており、これらは、「第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12の略同一の波長の光を透過する領域がZ方向に間を隔てて並ぶように」配置されている。そうすると、引用発明の「第1の透過波長可変フィルタ11」及び「第2の透過波長可変フィルタ12」は、それぞれ、波長変化方向14に沿って配置された、透過する波長が異なる領域を備えているといえる。 したがって、引用発明の「第1の透過波長可変フィルタ11」及び「第2の透過波長可変フィルタ12」は、本件補正発明の「第1フィルタ」及び「第2フィルタ」に相当する。また、本件補正発明の「第1フィルタ」及び「第2フィルタ」と引用発明の「第1の透過波長可変フィルタ11」及び「第2の透過波長可変フィルタ12」とは、特定の方向に沿って配置された「透過する波長が異なる領域」を備えている点で共通する。 イ 光路について 引用発明は、「前記第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12をこのように重ねて用いることによって前記光学部品1は、斜め入射光を遮断し、フィルタに垂直な光成分のみの、ほぼ平行な入射光のみを透過させる」ように構成されているところ、フィルタに垂直な光成分は、これらのフィルタの両方を通過する。 したがって、引用発明は、本願発明と同様に「前記第1フィルタと前記第2フィルタを通過する光路」を有しているといえる。 ウ アセンブリについて 引用発明の「分光測光装置」は、「光学部品1」及び「ラインセンサ2」とを組み合わせることにより構成されるものである。したがって、引用発明の「分光測光装置」は、本件補正発明の「アセンブリ」に相当する。 (4)一致点及び相違点 以上の対比結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。 ア 一致点 「透過する波長が異なる領域を備える第1フィルタと、 透過する波長が異なる領域を備える第2フィルタと、 を備え、 前記第1フィルタと前記第2フィルタを通過する光路を有する、アセンブリ。」 イ 相違点 <相違点1> 透過する波長が異なる領域が、本件補正発明では、「光学フィルタセグメント」の「2次元アレイ」であるのに対して、引用発明では、透過する波長が異なる領域が、特定の方向に連続的に変化するものである点。 <相違点2> 本件補正発明は、「前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間に配置され、前記第1フィルタから反射した光を抑制するための円偏光子」を備えるとともに、円偏光子が更に「前記第1フィルタと前記第2フィルタを透過する光路に配置される」のに対して、引用発明1は、「円偏光子」を備えていない点。 (5)判断 上記相違点について検討する。 ア 相違点1について (ア)波長分解能の向上は、分光測定装置における一般的な課題であり、このために、より多くの波長域に分割された光を、より多くの画素により検出することは、上記一般的な課題に含まれるところである。 さらに、小型、軽量であることは、測定装置の分野における一般的な課題である。 (イ)引用文献2には、分光計測器(分光測定装置)において、透過スペクトルが順次異なる複数の微小フィルターを2次元配列しており、一定の透過波長帯域を有するユニットフィルターを複数列有する複合型の分光フィルターと、個々の前記微小フィルターに光学的に対応した画素を有し、前記微小フィルターを透過した光を受光する光電変換素子とを設けることが開示されているところ、当業者であれば、引用発明において、上記一般的な課題から、引用文献2に記載の技術的事項を採用することは容易に想到し得たことである。 (ウ)引用発明が、2枚のフィルタを、略同一の波長の光を透過する領域がZ方向に間を隔てて並ぶように重ねて用いることにより、斜め入射光を遮断して波長分解能の悪化を防ぐものであることからすれば、上記(イ)に際して、2枚のフィルタを同様に、「透過スペクトルが順次異なる複数の微小フィルターを2次元配列しており、一定の透過波長帯域を有するユニットフィルターを複数列有する複合型の分光フィルター」としなければならないことは、当業者にとって自明である。 (エ)上記(ウ)の「分光フィルター」は、「透過スペクトルが順次異なる複数の微小フィルターを2次元配列」していることから、本件補正発明の「(第1及び第2フィルタの)透過する波長が異なる領域」が、「光学フィルタセグメント」の「2次元アレイ」であるとする要件を満たすものである。 (オ)以上のとおりであるから、引用発明において、相違点1に係る構成となすことは、当業者が、引用文献2に記載の技術的事項に基づいて容易になし得たことである。 (カ)請求人の主張について a 請求人は、「請求の理由(c)本願発明と引用文献に記載された発明との対比」(以下「請求の理由(c)」という。)において、「引用文献2は、微小フィルター(セグメントに相当)を2次元的に配列した分光フィルター105が記載されていますが、この分光フィルター105は、広帯域波長選択フィルター103、及び偏光子104と組み合わされており、分光フィルター105と組み合わされる広帯域波長選択フィルター103は、セグメント化されておりません。したがって、引用文献2には、2つのフィルタの一方がセグメント化された装置が開示されているのみです。」と主張している。 当該主張について検討する。 引用文献2には、上記2イ(ア)の記載事項があり、上記2イ(イ)にて述べた技術的事項が開示されているのであるから、「引用文献2には、2つのフィルタの一方がセグメント化された装置が開示されているのみ」であるという主張は認めることができない。 b さらに、請求人は、請求の理由(c)において、『各引用文献には、引用文献1の第1及び第2の透過波長可変フィルタを備えた光学部品に、引用文献2の構造を適用する動機づけについては記載も示唆もなく、引用文献1のフィルタ構造に引用文献2の構造をどのように適用するかは、全く開示されていません。仮に、適用したとしても、引用文献2の構造から、引用文献1の2つの透過波長可変フィルタの両者を、セグメント化されたフィルタ構造とすることは、当業者が容易に想到し得ることではないと思料します。本願発明の「光学フィルタセグメントの第1の2次元アレイを備える第1フィルタと、光学フィルタセグメントの第2の2次元アレイを備える第2フィルタと」「を備える、アセンブリ。」は、引用文献1~5のいずれにも開示されておりません。引用文献1の2つの透過波長可変フィルタのセグメント化・2次元化を行うことは、本願発明を認識した後の事後的な着想と言わざるを得ません。』と主張している。 当該主張について検討する。 引用文献1の光学部品に、引用文献2に記載の技術的事項(引用文献2の構造)を適用する動機づけについては、上記(ア)~(イ)に述べたところであり、また、引用文献1のフィルタ構造に引用文献2の構造をどのように適用するか(すなわち、引用発明の2つのフィルタのいずれも、「透過スペクトルが順次異なる複数の微小フィルターを2次元配列しており、一定の透過波長帯域を有するユニットフィルターを複数列有する複合型の分光フィルター」として、当該2つのフィルタの透過する波長が異なる領域を、「光学フィルタセグメント」の「2次元アレイ」となすこと)については、上記(イ)~(エ)にて述べたところである。 よって、請求人の当該主張を採用することはできない。 イ 相違点2について (ア)引用文献1の「基板の一方の面に多層積層膜を有する通常のLVFでは、多層積層膜を有さない他方の面に反射防止膜を設ける必要がある」(前記「2ア(ア)e」参照)の記載に鑑みれば、引用発明には、反射光への対策が必要であることが明らかである。 (イ)周知の課題(上記(2)カ)に照らせば、複数の光学フィルタを設けた光学装置(第1及び第2の透過波長可変フィルタ11及び12を備えた分光測光装置)である引用発明において、一方のフィルタ(第1の透過波長可変フィルタ11)で反射した光が、他方のフィルタ(第2の透過波長可変フィルタ12)へ入射して、種々の問題を引き起こすことが当業者には明らかであり、一方の光学要素から他方の光学要素へ光が通過する光学装置において、この光路上に円偏光板を設けて、他方の光学要素から反射された光を吸収することが周知技術(上記(2)ウ(エ))であることからすると、これら2つのフィルタの間に周知の課題解決手段であるところの円偏光板を設けることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 (ウ)円偏光板は、円偏光素子を含むものであり、上記(イ)の円偏光板は、第1フィルタ(第1の透過波長可変フィルタ11)と第2フィルタ(第2の透過波長可変フィルタ12)を透過する光路に配置されるものである。 (エ)以上のとおりであるから、引用発明において、相違点2に係る構成となすことは、当業者が、周知技術及び周知の課題に基づいて容易になし得たことである。 (オ)請求人の主張について a 請求人は、請求の理由(c)において、引用文献1の[第2の実施形態]に関する段落[0028](上記(2)ア(エ))を摘記して、「この記載は、通常のLVF(Liner Variable Filter:透過波長可変フィルタ)では、多層積層膜を有さない他方の面に反射防止膜を設ける必要があることを、指摘しているにすぎません。フィルタの技術分野においては、多層積層膜を有する光干渉フィルタ等を単独で使用する場合であっても、他方の面に反射防止膜を設けることが技術常識です。・・・すなわち、引用文献1の上記記載は、通常のLVFでは必要な反射防止膜が[第2の実施形態]では不要であることを説明しているにすぎず、別のフィルタからの反射光が生ずるという現象や課題について説明するものではありません。したがって、引用文献1の[第1の実施形態]の光学部品(1)において、第1の透過波長可変フィルタ(11)から反射光が生じるという認識はされておらず、よって、引用文献1には、第1の透過波長可変フィルタ(11)から反射した光を抑制するという技術課題は、記載も示唆もされていません。」と主張している。 当該主張について検討する。 引用発明の課題(上記(ア)参照)、周知の課題に照らせば、引用発明1において、2つのフィルタの間に反射光が生じて種々の問題を引き起こすことが当業者に自明であることは、上記(イ)にて述べたところである。 よって、当該主張を採用することはできない。 b 請求人は、請求の理由(c)において、さらに、「引用文献4には、図7に基づいて、「内面反射に起因するゴースト像」が生じることが記載されていますが、これは面内が均一な反射面となる2つの光学フィルタ(光学フィルタ2と赤外カットフィルタ5)を用いたときに生じる現象の説明です。本願発明のようなセグメント化されたフィルタ構造を有するフィルタにおいて、どのような現象が生じるかは明確ではありません。さらに、引用文献4では、このゴースト像の対策として、実施の形態6において、『光学フィルタの特性と、赤外カットフィルタの特性を併せ持つ1枚フィルタを作成し、この一体化された1枚構造の光学フィルタを使用する』ことを開示しています。したがって、引用文献4は、仮に内面反射の課題を示唆しているとしても、その課題解決のために、円偏光板を用いることを教示するものではありません。」と主張している。 当該主張について検討する。 フィルタがフィルタセグメントにより構成されたからといって、光の反射が生じないという合理的理由は認められず、フィルタセグメントにより構成されたとしても、光の反射が生じること、また、これに起因した種々の問題が生じ得ることは当業者に自明のことである。また、引用文献4に記載の事項より円偏光板(円偏光子)を用いることを読み取っておらず、また、反射光による課題と円偏光板とが周知であることは既に述べたとおりであるから、当該主張は認められない。 c 請求人は、請求の理由(c)において、さらに、「引用文献3は、テレセントリック光学系で生じるモアレやゴーストなどの発生を防止するものであり、本願発明とは前提となる光学系や課題が全く異なった発明です。仮に、円偏光板に「反射された光を吸収する」という上位概念的な機能が認識できたとしても、引用文献3には、いずれの引用文献にも開示のない『光学フィルタセグメントの第1の2次元アレイを備える第1フィルタと、光学フィルタセグメントの第2の2次元アレイを備える第2フィルタと』の間に円偏光板を配置することについて、開示も示唆もありません。」と主張している。 当該主張について検討すると、引用文献3は、周知技術(上記(2)ウ(イ))について記載のある文献として例示したものであるところ、当該主張に係るような、本願発明の前提となる光学系の種別や、光学要素のセグメントの配置の違いによって、その「反射された光を吸収する」との作用が影響を受けるものと理解することはできない。したがって、引用文献3の記載に基づいて、前記(2)ウ(イ)に記載した周知技術を認定できるといえる。 よって、当該主張を採用することはできない。 ウ 本件補正発明の奏する効果について 本件補正発明の奏する効果は、引用発明、引用文献2に記載の技術的事項、周知技術及び周知の課題からして、当業者であれば容易に予測することができた程度のものである。 (6)まとめ 以上のとおり、本件補正発明は、当業者が引用発明、引用文献2に記載の技術的事項、周知技術及び周知の課題に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和 6年 8月 1日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和 5年 7月11日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記「第2[理由]1(1)」に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~3、5~7及び10~20に係る発明は、その優先日前に頒布された刊行物である引用文献1~4に記載された発明に基いて、その優先日前当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。 引用文献1:特開2011-253078号公報 引用文献2:特開2008-191097号公報 引用文献3:特開2012-103208号公報 引用文献4:特開2005-148224号公報(周知技術を示す文献として拒絶査定時に追加) 3 引用文献1~4について 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1~4の記載事項、引用発明、引用文献2に記載の技術的事項、周知技術及び周知の課題は、前記「第2[理由]2(2)ア~エ、カ」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記「第2[理由]2(3)~(6)」で検討した本件補正発明に対して、第2フィルタについての「光学フィルタセグメントの2次元アレイを備える」という限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記「第2[理由]2(3)~(6)」に記載したとおり、当業者が引用発明、引用文献2に記載の技術的事項、周知技術及び周知の課題に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、当業者が引用発明、引用文献2に記載の技術的事項、周知技術及び周知の課題に基づいて容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、本願優先日前に頒布された刊行物である引用文献1~4に記載された発明及び周知技術に基いて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-012550

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