特許拒絶査定不服審判
2024-011773
膀胱がんのバイオマーカーとしてのケラチン17
- 審判番号
- 2024-011773
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-112447
- 請求日
- 2024年07月17日
- 審決日
- 2025年08月04日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ザ・リサーチ・ファウンデーション・フォー・ザ・ステイト・ユニヴァーシティ・オブ・ニューヨーク
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 【請求人】ケーディーエックス・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 審判長/審判官
- 審判長 宮澤 浩
- 審判官 松本 隆彦
- 審判官 加々美 一恵
- 分類
- P18 .121-Z (G01N) / P18 .537-Z (G01N) / P18 .575-Z (G01N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-112447「膀胱がんのバイオマーカーとしてのケラチン17」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年10月12日出願公開、特開2022-153460〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年8月4日(パリ条約による優先権主張 2016年8月5日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2019-527778号の一部を、令和4年7月13日に新たな特許出願としたものであって、その手続の概要は次のとおりである。
令和5年 6月15日付け:拒絶理由通知
令和5年12月22日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 3月 8日付け:拒絶査定
令和6年 7月17日 :審判請求書、手続補正書提出
令和6年 9月19日 :上申書提出
なお、令和6年9月19日に提出された上申書において、「前置報告書に対する上申書を2024年12月17日までに提出することを予定しております。」、「上記期限までに上申書が提出されない場合は、審判請求時の主張に基づいて審理いただきたくお願い申し上げます。」と述べられていたが、上記期限までに、新たな上申書は提出されていない。
第2 補正却下の決定
令和6年 7月17日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和6年 7月17日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
本件補正は、次に示す本件補正前の請求項1を、本件補正後の請求項1に補正するものを含む。(下線は、補正に関する箇所を示す。)
(補正前)
「 【請求項1】
対象のケラチン17発現を検出するための方法であって、
対象から膀胱組織または細胞試料を受け取る工程であって、前記試料が複数の膀胱細胞を含む、工程と、
前記試料中のケラチン17(K17)タンパク質発現を検出する工程であって、前記細胞を抗K17抗体と接触させること、及び細胞中の前記K17タンパク質と抗K17抗体との間の結合を免疫組織化学分析によって検出することを含む工程と、
K17染色によりK17発現について前記細胞をスコアリングする工程であって、K17染色が2+であるならば、前記対象が膀胱がん細胞を有する、工程と
を含む、方法。」
(補正後)
「 【請求項1】
対象のケラチン17発現を検出するための方法であって、
対象から膀胱生検組織試料を受け取る工程であって、前記試料が複数の膀胱細胞を含む、工程と、
前記試料中のケラチン17(K17)タンパク質発現を検出する工程であって、前記膀胱細胞を抗K17抗体と接触させること、及び膀胱細胞中の前記K17タンパク質と抗K17抗体との間の結合を免疫組織化学分析によって検出することを含む工程と、
K17染色によりK17発現について前記膀胱細胞をスコアリングする工程であって、K17染色が2+であるならば、前記対象が膀胱がん細胞を有する、工程と
を含む、方法。
に記載の方法。」
2 補正の適否
(1)本件補正は、請求項1において、対象から受け取る試料を、本件補正前の「膀胱組織または細胞試料」から、本件補正後の「膀胱生検組織試料」にするものであって、試料が生検で得られた組織由来であることを限定するものである。
(2)また、本件補正は、請求項1において、抗K17抗体と接触させるものを、本件補正前の「前記細胞」から本件補正後の「前記膀胱細胞」とするものである。これは、本件補正前の当該「前記細胞」が「前記試料が複数の膀胱細胞を含む」の「膀胱細胞」を指し示すことが明らかであることに鑑みるに、「細胞」が「膀胱細胞」であることをより明示的に明らかにするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。同様に、本件補正前の「及び細胞中の前記K17タンパク質と抗K17抗体との間の結合を免疫組織化学分析によって検出することを含む工程」を「及び膀胱細胞中の前記K17タンパク質と抗K17抗体との間の結合を免疫組織化学分析によって検出することを含む工程」とする補正と、本件補正前の「K17染色によりK17発現について前記細胞をスコアリングする工程」を本件補正後の「K17染色によりK17発現について前記膀胱細胞をスコアリングする工程」とする補正についても、「細胞」が「膀胱細胞」であることをより明示的に明らかにするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(3)そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。
(4)このため、請求項1に係る本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに、該当する。
(5)上述のとおり、本件補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含むため、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明1」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。
3 独立特許要件
(1)引用文献1
ア 記載事項
原査定で引用され、本願の優先日前に頒布された引用文献1(横野秀樹、外2名、「膀胱移行上皮癌におけるサイトケラチン17発現の意義」、日本臨床細胞学会雑誌、第38巻補冊2号、平成11年9月、p.571)には、次の事項が記載されている。なお、下線は当審において付与したものである。
「膀胱移行上皮癌におけるサイトケラチン17発現の意義
北里研究所メディカルセンター病院 中央検査科1)、病理部2)
○横野秀樹(CT)1)、今井忠朗(CT) 1)、本告 匡(MD) 2)
【はじめに】サイトケラチン(CK)17は正常組織では喉頭、気管の基底細胞、子宮頸部の予備細胞、膀胱の基底層などに認められ、子宮頸部では腫瘍性病変の増殖とCK17の発現が相関することが示唆されている。今回、我々は、膀胱移行上皮癌におけるCK17の発現を免疫染色を用いて検討したので報告する。
【対象および方法】病理組織学的に移行上皮癌と診断された膀胱の手術・生検材料のホルマリン固定パラフィン切片(G1:13例、G2:25例、G3:15例)の癌部、非癌部を用いて、酵素抗体間接法によりCK17(E3,DAKO社)の発現を検討した。また、尿細胞診で陰性、陽性、classIIIと判定したPapanicolaou染色標本を脱色後、同様の検討を行った。
【結果】組織標本でのCK17の発現は非癌部では、ごく少数の基底側の細胞のみにみられた。癌部では、G1:9例(70%)、G2:22例(88%)、G3:15例 (100%)の腫瘍細胞に発現を認め、異型度が増すにつれ陽性率が高くなった。また深達度が深くなるにつれても陽性率が高くなった。
尿細胞診標本では、陰性例では深層細胞の一部にのみ弱陽性となった。陽性例では大部分の異型細胞で陽性となった。また、classIIIとした標本のうちその後の精査で良性疾患と考えられた症例と比較し、悪性であった症例ではより多くの細胞で陽性となった。
【まとめ】CK17の免疫染色は膀胱移行上皮の癌・非癌の鑑別に有用であり、尿細胞診においてはclassIIIの症例数を減らし、移行上皮癌の診断率を向上させることができると思われた。」
イ 引用発明
上記アより、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、参考のため、認定の主な根拠となった箇所を括弧内に示す。
(引用発明)
「膀胱移行上皮癌におけるサイトケラチン(CK17)の発現を免疫染色する方法であって、(【はじめに】)
病理組織学的に移行上皮癌と診断された膀胱の手術・生検材料のホルマリン固定パラフィン切片の癌部、非癌部を用いて、酵素抗体間接法によりCK17の発現を検討し、(【対象および方法】
その結果、組織標本でのCK17の発現は、非癌部ではごく少数の基底側の細胞のみにみられ、癌部ではG1:9例(70%)、G2:22例(88%)、G3:15例 (100%)の腫瘍細胞に発現を認め、異型度が増すにつれ陽性率が高くなったことから、(【結果】)
CK17の免疫染色は膀胱移行上皮の癌・非癌の鑑別に有用である、(【まとめ】)、
方法。」
(2) 対比
本件補正発明1と引用発明とを対比する。
ア 「対象のケラチン17発現を検出するための方法であって、」の構成について
引用発明の「サイトケラチン(CK)17」は、ケラチン17と同じものであることは技術常識(本願明細書の【0007】にも「ケラチン17(K17、KRT17、又はサイトケラチン17)」と記載されている)であるから、本件補正発明の「ケラチン17」「K17」に相当する。
とすると、引用発明の「膀胱移行上皮癌におけるサイトケラチン(CK17)の発現を免疫染色する方法」であり、「酵素抗体間接法によりCK17の発現を検討」することは、本件補正発明の上記構成を満たす。
イ 「対象から膀胱生検組織試料を受け取る工程であって、前記試料が複数の膀胱細胞を含む、工程と、」の構成について
引用発明の「病理組織学的に移行上皮癌と診断された膀胱の手術・生検材料」は、本件補正発明の「対象」から「受け取」った「膀胱生検組織試料」に相当する。また、通常、生検材料は複数の細胞を含むものであるから、引用発明は本件補正発明の上記構成を満たす。
ウ 「前記試料中のケラチン17(K17)タンパク質発現を検出する工程であって、前記膀胱細胞を抗K17抗体と接触させること、及び膀胱細胞中の前記K17タンパク質と抗K17抗体との間の結合を免疫組織化学分析によって検出することを含む工程と、」の構成について
引用発明の「病理組織学的に移行上皮癌と診断された膀胱の手術・生検材料のホルマリン固定パラフィン切片の癌部、非癌部を用いて、酵素抗体間接法によりCK17の発現を検討」する工程は、「膀胱」「生検材料」の「ホルマリン固定パラフィン切片に酵素抗体間接法」を施すものである。そして、酵素抗体間接法は、検出目的物質に対する一次抗体に、当該一次抗体に対する二次抗体に酵素標識を設けたものを作用させ、当該酵素標識により検出目的物質を検出するものであることは、技術常識である。とすると、「病理組織学的に移行上皮癌と診断された膀胱の手術・生検材料のホルマリン固定パラフィン切片」に「酵素抗体間接法」を施すことは、本件補正発明の「免疫組織化学分析」に相当する。また、引用発明の「免疫染色」も、本件補正発明の「免疫組織化学分析」に相当する。
また、抗体間接法である以上、一次抗体として検出目的物質に結合する抗体を使用することは技術常識であるため、「酵素抗体間接法によりCK17の発現を検討」する際には抗CK17抗体、すなわち抗K17抗体を使用することは明らかである。
とすると、本件補正発明は上記構成を満たす。
エ 「K17染色によりK17発現について前記膀胱細胞をスコアリングする工程であって、K17染色が2+であるならば、前記対象が膀胱がん細胞を有する、工程と」の構成について
引用発明は「組織標本でのCK17の発現は、非癌部ではごく少数の基底側の細胞のみにみられ、癌部ではG1:9例(70%)、G2:22例(88%)、G3:15例 (100%)の腫瘍細胞に発現を認め、異型度が増すにつれ陽性率が高くなった」という結果を得ており、免疫組織化学分析、免疫染色の結果からホルマリン固定パラフィン試料における膀胱細胞中のCK17発現の有無、および非癌部と癌部各グレードにおけるCK17発現細胞の百分率を確認していることが分かる。とすると、引用発明と本件補正発明は「K17染色によりK17発現について前記膀胱細胞を鑑別する工程」を有する点で共通する。
一方、本件補正発明は「K17染色が2+であるならば、前記対象が膀胱がん細胞を有する」「スコアリング工程」であるのに対し、引用発明はK17染色結果から対象が膀胱がん細胞を有するものか否かの鑑別を行うものではあるものの、どのような染色結果の際に対象が膀胱がん細胞を有すると鑑別するかや、スコアリングを行っているかについては、不明である。
オ 「を含む、方法。 に記載の方法。」の構成について
上記ア参照。
カ 対比のまとめ
上記ア~オより、本件補正発明と引用発明との一致点、相違点はそれぞれ以下のとおりである。
(一致点)
対象のケラチン17発現を検出するための方法であって、
対象から膀胱生検組織試料を受け取る工程であって、前記試料が複数の膀胱細胞を含む、工程と、
前記試料中のケラチン17(K17)タンパク質発現を検出する工程であって、前記膀胱細胞を抗K17抗体と接触させること、及び膀胱細胞中の前記K17タンパク質と抗K17抗体との間の結合を免疫組織化学分析によって検出することを含む工程と、
K17染色によりK17発現について前記膀胱細胞を鑑別する工程であって、K17染色の結果に基づき、前記対象が膀胱がん細胞を有すると判定する、工程と
を含む、方法。
に記載の方法。
(相違点)
鑑別工程が、本件補正発明1が「K17染色が2+であるならば、」前記対象が膀胱がん細胞を有する「スコアリング工程」であるのに対し、引用発明はK17染色の結果に基づき、対象が膀胱がん細胞を有するかの鑑別を行うものではあるものの、鑑別するための条件や、スコアリングをするかが不明である点。
(3) 判断
「K17染色が2+である」ことについて、「染色」が「2+」であるとは必ずしも日本語として明確ではないが、本願明細書の【0053】の「膀胱がん中のK17に対する免疫組織化学的染色を、対応する臨床データに対し盲検で、強く染色された腫瘍細胞の百分率を定量化するマニュアル半定量的スコアリングシステム、PathSQによってスコアリングした。PathSQは、強い(すなわち、2+)染色を有する腫瘍細胞の割合に基づく。」(下線は合議体による)との記載を参酌するに、「K17染色が2+である」ということは「K17染色が強い染色を有する」ことを意味するものであることは十分理解できる。
酵素抗体間接法において、検出目的物質の発現の程度を、標識の強度が閾値を超えるか否かで判定することは、当業者にとって自明であり、その際の閾値をどこに設定するかは、標識の種類、検出器の感度や特異性、使用する抗体の特異性等に応じて、統計的に有意な判断指標とするよう当業者が適宜適切に設定するものである。そして、本願の明細書を参酌しても、対象が膀胱がん細胞を有するとする際の閾値を(マニュアル半定量的スコアリングシステム、PathSQにおける)「K17染色が2+である」とすることにより、格別の効果があることを示すような実施例は存在しないし、それを示すような記載も見当たらない。とすると、酵素抗体間接法を実施して膀胱移行上皮の癌・非癌の鑑別を行う際に、検出目的物質であるK17の染色度合いの閾値をどこに設定するかは、当業者が適宜最適化できるものであり、そのようにして設定された閾値は、本件補正発明における「K17染色が2+である」との要件を満たすものといえる。そして、鑑別結果が出ているのであるから、それをもとにスコアを設定してスコアリングすることも、当業者が適宜なしうるものである。また、本件補正発明のように「K17染色が2+である」と設定することや、鑑別結果でスコアリングを行うことによる格別の効果も見いだすことができない。
このため、本件補正発明は、引用発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(4) 審判請求書での主張とそれに対する判断
審判請求書の3頁にて、審判請求人は「本願の新請求項1~9に係る方法の発明は、「試料」が「膀胱生検組織試料」に特定されておりますので、不明確ではなく、サポート要件を満たし、且つ、引用文献1~3に記載された方法よりも、すっと容易に実施可能である点で、格別な効果を有しますので、引用文献1~3に対しまして進歩性を有するものと思料いたします。」と主張している。
しかしながら、「試料」が「膀胱生検組織試料」に特定されている本件補正発明に進歩性が見いだせないことは、上記(3)で述べたとおりである。
4 補正却下についてのむすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、本件補正における他の補正部分について検討するまでもなく、本件補正は、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~12に係る発明は、令和5年12月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~12に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の1の(補正前)に記載されたとおりのものである。
第4 原査定の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された事項に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものを含む。
引用文献1:横野秀樹、外2名、「膀胱移行上皮癌におけるサイトケラチン17発現の意義」、日本臨床細胞学会雑誌、第38巻補冊2号、平成11年9月、p.571
第5 判断
1 引用文献
引用文献1の記載事項は、上記第2 3(1)に記載したとおりである。
2 対比、判断
本願発明は、上記第2の2で検討したとおり、本件補正発明から試料についての限定を省き、また、もともと膀胱細胞を指し示すことが明らかだった「細胞」という表現に「膀胱細胞」であることを明示するために挿入した「膀胱」の語句を省いたものである。
とすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3で説示したとおり、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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