特許拒絶査定不服審判
2024-008895
肺炎球菌ワクチンにおける使用のための免疫原性組成物
- 審判番号
- 2024-008895
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-178430
- 請求日
- 2024年05月29日
- 審決日
- 2026年02月12日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ファイザー・インク
- 【請求人代理人】四本 能尚
- 審判長/審判官
- 審判長 前田 佳与子
- 審判官 井上 千弥子
- 審判官 春日 淳一
- 分類
- P18 .121-Z (A61K) / P18 .575-Z (A61K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-178430「肺炎球菌ワクチンにおける使用のための免疫原性組成物」拒絶査定不服審判事件〔令和4年5月18日出願公開、特開2022-75575〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年(2021年)11月1日(パリ条約による優先権主張 2020年11月4日(US)アメリカ合衆国)を出願日とする特許出願であって、その主な手続の経緯は、次のとおりである。
令和 5年 6月16日付け 拒絶理由通知書
同年11月 1日 意見書及び手続補正書の受付
同年12月18日付け 拒絶理由通知書
令和 6年 3月 4日 意見書及び手続補正書の受付
同年 3月27日付け 補正の却下の決定及び拒絶査定
同年 5月29日 審判請求書、手続補正書及び手続補足書の提出
第2 令和6年5月29日提出の手続補正書による手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年5月29日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は補正箇所を示す。)
「【請求項1】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cによる感染に対してヒト対象を免疫化するための、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを含むが、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲートを含まない組成物。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和5年11月1日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。(なお、令和6年3月4日提出の手続補正書による補正は、令和6年3月27日付けの補正の却下の決定により却下された。)
「【請求項1】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cによる感染に対してヒト対象を免疫化するための、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む組成物であって、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートが肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cに対するヒト対象のOPA GMT(オプソノファゴサイトーシス活性幾何平均力価)を、免疫化前の集団に比べて少なくとも100倍上昇させる、組成物。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む組成物」において、「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲート」を含む組成物が有する性質を示す記載にすぎない、「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートが肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cに対するヒト対象のOPA GMT(オプソノファゴサイトーシス活性幾何平均力価)を、免疫化前の集団に比べて少なくとも100倍上昇させる」という記載を削除するとともに、「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲートを含まない」ことを限定する補正であって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の、請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献2の記載事項
令和6年3月27日付け補正の却下の決定及び拒絶査定における拒絶の理由において「引用文献2」として引用され、本願の優先日前に公開された「特表2017-504661号公報」(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。なお、原文にない下線は、当審が付した。
(摘記2a)
「【請求項1】
単離肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型15B莢膜多糖体であって、前記血清型15B莢膜多糖体1mM当たり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む、多糖体。
・・・
【請求項7】
担体タンパク質に共有結合的に連結された請求項1から6のいずれか一項に記載の単離肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型15B莢膜多糖体を含む免疫原性コンジュゲート。
【請求項8】
担体タンパク質がCRM197である、請求項7に記載の免疫原性コンジュゲート。
・・・
【請求項22】
請求項7から21のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲート、および生理的に許容できるビヒクルを含む免疫原性組成物。
・・・
【請求項79】
対象において、血清型15Bおよび/または15Cの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)と関連がある肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)による感染、疾患または状態を治療または予防する方法であって、治療有効量または予防有効量の請求項22から25もしくは75のいずれか一項に記載の免疫原性組成物または請求項26もしくは76に記載のワクチンを投与するステップを含む方法。」
(摘記2b)
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型15A、15Bおよび15C等の、ワクチンが無効な血清型が引き起こす侵襲性肺炎球菌疾患の発生が最近増加している(例えば、Beall B.ら、Journal of Clinical Microbiology、44(3):999~1017、2006、またはJacobsら、Clin Infect Dis.(2008)47(11):1388~1395を参照されたい)。現時点で市販されている肺炎球菌ワクチンはいずれも、ヒト、特に、2歳未満の小児において、血清型15Bの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に対しては適切な防御をもたらさない。したがって、血清型15Bの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に対する免疫応答を誘発するために使用することができる免疫原性組成物が必要とされている。また、そのような免疫原性組成物を血清型15Cおよび/または15Aの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)から対象を防御するために使用し得るならば、追加の利益も得られるであろう。」
(摘記2c)
「【0179】
好ましい実施形態では、前記対象はヒトである。最も好ましい実施形態では、前記対象は、新生児(すなわち、年齢:3カ月未満)、乳児(年齢:3カ月~1歳)、または幼児(すなわち、年齢:1~4歳)である。
【0180】
ある実施形態では、本明細書に開示する免疫原性組成物は、ワクチンとして使用するためのものである。
【0181】
そのような実施形態では、ワクチンを接種すべき対象は、1歳未満である。例えば、ワクチンを接種すべき対象は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月であり得る。ある実施形態では、ワクチンを接種すべき対象は、約2、4または6カ月である。別の実施形態では、ワクチンを接種すべき対象は、2歳未満である。例えば、ワクチンを接種すべき対象は、約12~15カ月であり得る。場合によっては、わずか1回の用量の本発明に従う免疫原性組成物を必要とするに過ぎないが、状況によっては、第2、第3または第4の用量を投与する場合もある(レジメンのセクションを参照されたい)。
【0182】
本発明のある実施形態では、ワクチンを接種すべき対象は、年齢50歳以上のヒト成人、より好ましくは、年齢55歳以上のヒト成人である。ある実施形態では、ワクチンを接種すべき対象は、年齢65歳以上、年齢70歳以上、年齢75歳以上、または年齢80歳以上のヒト成人である。
【0183】
ある実施形態では、ワクチンを接種すべき対象は、免疫が低下した個体、特に、ヒトである。一般に、免疫が低下した個体を、感染性病原体による攻撃に対し、正常な液性または細胞性の防御を開始する能力の減弱または低下を示す人と定義する。」
(摘記2d)
「【0232】
(実施例4)
血清型15Bと血清型15Cとの間の交差機能性OPA応答
肺炎球菌血清群15には、4つの、構造的に関連のある血清型:15A、15B、15Cおよび5Fが含まれる。血清型15Bおよび15Cは、遺伝子タイピングの技法によっては区別できず、15B-PSは15C-PSのO-アセチル化バリアントであることを除いて、類似の莢膜多糖体(PS)組成を有する。血清型15Bについての抗莢膜PS抗体が血清型15Cに対して機能的な交差反応性を示すかどうかを理解するために、10匹のウサギを、本明細書に開示するCRM197に共有結合的に連結された肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型15B莢膜多糖体を含む免疫原性コンジュゲートをいずれもその製剤の一部として含有するPCV16vワクチンおよびPCV20vワクチンを用いて免疫した。ワクチン接種の前および後に得られた血清を、OPAアッセイ中で、血清型15Bおよび15Cの標的の肺炎球菌の菌株に対して試験した。
【0233】
各群からの10匹のウサギのうち、100%が、血清型15Bコンジュゲートを用いて免疫した後に、血清型15Bに対するOPA応答を示した。これらの同じ試料のうち、100%が、血清型15Cに対してもOPA応答を示した(表1および表2)。15CのOPAにおいて、ワクチン接種前の血清中では、低いOPAタイターを観察した。しかし、OPA中において、ワクチン接種後の血清が、ワクチン接種前と比較して10倍超のGMT OPAタイターの増加を示したことから、本発明の免疫原性コンジュゲートが血清型15Bおよび15Cの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)を死滅させることが可能な抗体の形成を誘発することが実証された。
【0234】
PCV16vは、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F(16vPnC)に由来し、いずれもがCRM197に個々にコンジュゲートしている糖コンジュゲートを含む16価のコンジュゲート組成物である。
【0235】
PCV20vは、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F(20vPnC)に由来し、いずれもがCRM197に個々にコンジュゲートしている糖コンジュゲートを含む20価のコンジュゲート組成物である。
【0236】
[図:0001436602000001.jpg]
【0237】
[図:0001436602000002.jpg]
」
(3)引用文献2に記載された発明
引用文献2には、発明が解決しようとする課題として、血清型15Bの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に対する免疫応答を誘発するために使用することができる免疫原性組成物が必要とされていること、また、そのような免疫原性組成物を血清型15Cおよび/または15Aの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)から対象を防御するために使用し得るならば、追加の利益も得られるであろうことが記載されているところ(摘記2b)、上記課題を解決できる発明として、特許請求の範囲には、請求項1、7、8、22、及び79からみて、対象において、血清型15Bおよび/または15Cの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)と関連がある肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)による感染、疾患または状態を治療または予防する方法に使用するための免疫原性組成物であって、担体タンパク質のCRM197に共有結合的に連結された単離肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型15B莢膜多糖体を含む免疫原性コンジュゲート、及び生理的に許容できるビヒクルを含む免疫原性組成物の発明が記載されている(摘記2a)。
そして、実施例4には、10匹のウサギを、CRM197に共有結合的に連結された肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型15B莢膜多糖体を含む血清型免疫原性コンジュゲートを製剤の一部として含有するPCV16vワクチン及びPCV20vワクチンを用いて免疫し、血清型15Bおよび15Cの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)を死滅させることが可能な抗体の形成を誘発することが実証されたと記載されているから(摘記2d)、当該実施例は、上記特許請求の範囲に記載の発明において、「血清型15Bおよび/または15Cの肺炎連鎖球菌」を対象とする発明のうち「血清型15Bおよび15Cの肺炎連鎖球菌」を対象とする発明の具体例といえるものである。
そして、PCV20vは、「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33Fに由来し、いずれもがCRM197に個々にコンジュゲートしている糖コンジュゲートを含む20価のコンジュゲート組成物」であるから(摘記2d)、上記実施例4のPCV20vワクチンを中心に整理すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているといえる。
<引用発明2>
「対象において、血清型15B及び15Cの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)と関連がある肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)による感染、疾患又は状態を治療又は予防する方法に使用するための免疫原性組成物であって、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33Fに由来し、いずれもがCRM197に個々にコンジュゲートしている糖コンジュゲートを含む20価のコンジュゲート組成物である、免疫原性組成物。」
(4)対比
引用発明2における免疫原性組成物は、血清型15B及び15Cの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)と関連がある肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に対する免疫を誘導することで、感染、疾患または状態を治療または予防するものであるから、引用発明2における「対象において、血清型15B及び15Cの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)と関連がある肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)による感染、疾患又は状態を治療又は予防する方法に使用するための免疫原性組成物」は、本件補正発明における「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cによる感染に対して」「対象を免疫化するための、」「組成物」に相当する。
引用発明2における免疫原性組成物は、「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型」「15B」「に由来し、」「いずれもがCRM197に個々にコンジュゲートしている糖コンジュゲートを含む」ものであるから、本件補正発明における「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む」組成物に相当する。
一方で、引用発明2における免疫原性組成物は、糖コンジュゲートとして含む糖の由来となる肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型として、「1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33F」で示される20種類を含有すると記載されたものであり、「15C」を含有することの記載はなく、明細書における他の記載を検討しても、引用発明2の免疫原性組成物であるPCV20vワクチンが肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲートを含むと理解できる記載は存在しないから、引用発明2における「免疫原性組成物」は、本件補正発明における「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲートを含まない」組成物に相当する。
以上によれば、本件補正発明と引用発明2の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cによる感染に対して対象を免疫化するための、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを含むが、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲートを含まない組成物。」
<相違点1>
免疫化する対象が、本件補正発明においては「ヒト」であると特定しているのに対して、引用発明2においては対象が特定されていない点。
(5)判断
ア 相違点1について
引用文献2には、好ましい実施形態では、対象はヒトであることが記載されていることから(摘記2c)、引用発明2において、その対象を「ヒト」であると特定することは当業者が容易に想到し得たものである。
イ 本件補正発明の効果について
(ア)発明の詳細な説明には、本発明の目的は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清群15に対する防御のための免疫原性組成物を提供することであると記載され(【0001】)、具体的には、実施例1~3として、本件補正発明に係る組成物に該当する20価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(20vPnC)に関して、当該ワクチンを接種したヒト成人の血清を分析し、交差機能性活性を評価したこと、及び当該ワクチンは肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲートを含まないにも関わらず、血清型15C分離株に対して強い交差機能性応答が誘発されたことの結果が記載されている。
(イ)一方で、引用文献2には、本願実施例1~3と同じワクチン(20vPnC)をウサギに対して接種することで、血清型15B及び15Cの肺炎連鎖球菌を死滅させることが可能な抗体の形成を誘発することを確認した試験結果が記載されているところ(摘記2d)、引用文献2には、好ましい実施形態の対象がヒトであることが記載されているから(摘記2c)、上記ウサギは、対象がヒトである場合の効果を推測するためのモデル動物として用いられたと解される。
(ウ)また、本件優先日時点での技術常識を示す文献である、The Pediatric Infectious Disease Journal, 2020, Vol.39, No.1, p.70-77(以下、「参考文献1」という。請求人が審判請求書に示す参考文献1でもある。)には、肺炎球菌の血清型ごとの免疫応答(GMT of OPAすなわちオプソノファゴサイトーシス活性幾何平均力価)について、ヒト乳児(Human Infants)とニュージーランドシロウサギ(MZWR)との間で正の相関関係を示した試験結果(75頁図6D)と、ヒト乳児とマウス(Mouse)との間の関係を示した試験結果(75頁図6F)が記載されている。そして、参考文献1には、これらの試験結果を踏まえて、肺炎球菌コンジュゲートワクチンのPCV15(15価の肺炎球菌結合型ワクチン(PCV))を接種されたヒト乳児の免疫応答は、マウスとの相関関係はなかったが、ウサギとは中程度の相関関係があったこと、すなわちマウスよりもウサギの方が良好な相関関係があったことが記載されている(70頁左欄要約18行~22行、76頁左欄下から4行~2行)。
(エ)そうすると、引用文献2の記載(上記(イ))及び技術常識(上記(ウ))から、20価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(20vPnC)をヒトに接種した場合でも、ウサギに接種した場合と同様に、血清型15Bおよび15Cの肺炎連鎖球菌を死滅させることが可能な抗体の形成を誘発できることを当業者は期待できるといえるのであるから、本願実施例1~3の結果(上記(ア))は、引用発明2の対象がヒトである場合に当業者が期待できる程度の結果を確認したものにすぎない。
したがって、本件補正発明が、引用発明2及び引用文献2の記載から予測し得ない優れた効果を奏するものであるとは言えない。
ウ 請求人の主張について
(ア)請求人は、令和6年5月29日提出の審判請求書において、本願の優先日時点の技術水準を示す参考資料として参考文献1(上記イにおける参考文献1と同じ。)を提出し、「本願の優先日時点での技術水準では、肺炎連鎖球菌コンジュゲートを含むワクチンにおいては、ウサギにおけるOPA応答と、ヒトにおけるOPA応答を比較した場合、大部分の血清型(参考文献1では約87%の血清型)がヒトにおけるOPA応答のほうが低く、さらに、ヒトにおけるOPA応答のほうが高い血清型であっても、ウサギにおけるOPA応答と比較して約1.4~2倍であったことに鑑みれば、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物をヒトに投与した場合に、ウサギのOPA応答よりも高いOPA応答を有し、さらに、OPAの上昇率がウサギのOPA応答と比較して10倍近い数値であることは、当業者が予測することができない顕著な効果」であることを説明し、本件補正発明は、当業者が引用文献2の記載に基づいて当業者が容易になし得たものではない旨主張している。
(当審注:「OPA」は、オプソノファゴサイトーシス活性であり、免疫応答の指標となるものである。)
そこで、上記主張について、以下検討する。
(イ)まず、請求人が提示する参考文献1について、そもそも当該文献は、動物モデルで評価することで、ヒトでの評価に先立ち肺炎球菌ワクチンの性能を初期評価できることを記載した文献であり(70頁左欄「Background」)、結論としても、マウスではOPA応答に関してヒトの乳児と相関関係がなかったが、ウサギでは中程度の相関関係にあったことが記載されているから(70頁左欄「Results」)、参考文献1を考慮したとしても、上記イのとおり、引用文献2に接した当業者であれば、20vPnCであるワクチンをヒトに接種した場合、ウサギに接種した場合と同様、血清型15Bおよび15Cの肺炎連鎖球菌を死滅させることが可能な抗体の形成を誘発できると期待できるといえる。
(ウ)そして、上記「(ヒトにおける)OPAの上昇率がウサギのOPA応答と比較して10倍近い数値」における「10倍近い」とする数値を求める計算方法について、審判請求書の8頁には以下の記載がある。
「一方、本願発明においては、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物をヒトに投与した場合、引用文献2に示される、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物をウサギに投与した場合の血清型15Cに対するOPA GMTが免疫前と比較して11~20倍の上昇(以下の計算1参照)であるのに対し、本願明細書の1028段落に示される、ヒトに投与した場合の血清型15Cに対するOPA GMTは188~229倍の上昇(以下の計算2参照)であり、ヒトのOPA GMT(188~229倍)はウサギのOPA GMT(11~20倍)と比較して10倍近い上昇率を有します。
計算1
引用文献2、0236段落、15C OPAのGMT
第0週:98、第4週:1075であるので、1075/98=約11
引用文献2、0237段落、15C OPAのGMT
第0週:77、第4週:1515であるので、1515/77=約20
計算2
本願明細書、1028段落、15C(株1)
Tdap(肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含まないので、引用文献2の0236段落の表における第0週に相当):9、20vPnC:1692であるので、1692/9=188
本願明細書、1028段落、15C(株2)
Tdap:12、20vPnC:2747であるので、2747/12=約229」
(当審注:「Tdap」は、破傷風、ジフテリア、無細胞百日咳混合ワクチンである(段落【1016】)。)
ここで、上記「ウサギのOPA GMT(11~20倍)」に関して、上記計算1によると、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物をウサギに投与した際における、第0週の血清型15Cに対するOPA GMTと第4週の血清型15Cに対するOPA GMTとを用いて計算していることから、上記「ウサギのOPA GMT(11~20倍)」は、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物でウサギを免疫した際における血清型15Cに対するOPA応答を、免疫前のOPA応答に対する比で示した値であると理解できる。
一方で、上記「ヒトのOPA GMT(188~229倍)」に関して、上記計算2によると、ヒトにワクチンを投与した際における、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含まないワクチン(Tdap)投与1ヶ月後の血清型15Cに対するOPA GMTと、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物(20vPnC)投与1ヶ月後の血清型15Cに対するOPA GMTとを用いて、ヒトのOPA応答を計算していることから、上記「ヒトのOPA GMT(188~229倍)」は、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物でヒトを免疫した際における血清型15Cに対するOPA応答を、免疫前のOPA応答に対する比で示した値とはなっていない。そして、Tdapが肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含まないからといって、Tdapが15C OPAの値に影響を与える交差機能性応答を示さないか否かは不明であり、交差機能性応答を示す可能性を考慮せずに「第0週に相当」と判断して計算を行った根拠についての説明もないことから、上記計算2により求められた「ヒトのOPA GMT(188~229倍)」が、肺炎連鎖球菌血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物でヒトを免疫した際における血清型15Cに対するOPA応答を、免疫前のOPA応答に対する比で示した値の代替として用い得るものであるともいえない。
そうすると、上記「ヒトのOPA GMT(188~229倍)」と上記「ウサギのOPA GMT(11~20倍)」との比から求められた「10倍近い」という値を用いて、本件補正発明の効果の顕著性を検討することはできない。
(エ)また、上記「(ヒトにおける)OPAの上昇率がウサギのOPA応答と比較して10倍近い数値」が本件補正発明の効果として採用し得るものであったとしても、当該数値を計算した際の対象とされたヒトは、成人のヒトであり、一方で、参考文献1において対象とされたヒトは、乳児(Infant)のヒトである。そして、成人を対象とする場合と乳児を対象とする場合では、ワクチンの投与量やワクチンに対する応答性も異なるといえ、前記投与量や応答性が異なれば、その結果として測定されるOPA応答の値も異なる数値になることは当然予測できることであり、請求人が主張するウサギとヒトとの違いは、ウサギではOPA応答があったがヒトではOPA応答がなかったという極端な違いでもない。
そして、肺炎球菌の血清型ごとの免疫応答について、ヒト乳児とニュージーランドシロウサギとの間で正の相関関係を示すという技術常識(上記イ(ウ))からみて、ウサギとヒトとでOPA応答の程度が異なる場合があることを考慮しても、20価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(20vPnC)をヒトに接種した場合でも、ウサギに接種した場合と同様に、血清型15B及び15Cの肺炎連鎖球菌を死滅させることが可能な抗体の形成を誘発できることを当業者が期待できること(上記イ(エ))に変わりはないのであるから、本願補正発明の効果(上記イ(ア))が、当業者の予測を超える顕著なものであるとは言えない。
(オ)さらに、請求人が主張する上記効果は、ワクチンとして20vPnCである所定のものを使用した場合の効果であり、本願実施例1~3の記載を参酌しても、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを含むという構成により奏される効果であるのか、さらに、CRM197である担体にコンジュゲートしている場合に奏される効果であるのか、又は、それに加えて、20vPnCが含有している他の血清型由来の他の糖コンジュゲートを含有することにより初めて奏される効果であるのか、不明であるから、結局、使用するワクチンが20vPnCに特定されていない本件補正発明が当業者の予測を超える顕著な効果を奏するとは言えない。
(カ)したがって、上記(イ)~(オ)のとおり、上記請求人の主張は採用することができない。
(6)小括
よって、本件補正発明は、引用文献2に記載された発明、及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正発明は、引用文献2に記載された発明、及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
上記第2のとおり、本件補正は却下されたので、本願の請求項1~5に係る発明は、令和5年11月1日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cによる感染に対してヒト対象を免疫化するための、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む組成物であって、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートが肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cに対するヒト対象のOPA GMT(オプソノファゴサイトーシス活性幾何平均力価)を、免疫化前の集団に比べて少なくとも100倍上昇させる、組成物。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明に対応する請求項1に係る発明についての拒絶の理由は、次の理由を含むものである。
2.(進歩性)本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
2.特表2017-504661号公報
3 当審の判断
(1)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2の記載事項は、上記第2の2(2)のとおりである。
(2)引用文献2に記載された発明
引用文献2に記載された発明(引用発明2)は、上記第2の2(3)のとおりである。
(3)対比
本願発明と引用発明2とは、上記第2の2(4)と同様に対比され、一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cによる感染に対して対象を免疫化するための、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを含む組成物。」
<相違点1>
免疫化する対象が、本願発明においては「ヒト」であると特定しているのに対して、引用発明2においては対象が特定されていない点。
<相違点2>
組成物について、本願発明においては「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートが肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cに対するヒト対象のOPA GMT(オプソノファゴサイトーシス活性幾何平均力価)を、免疫化前の集団に比べて少なくとも100倍上昇させる」ものであると特定しているのに対して、引用発明2においては当該特定がされていない点。
(4)判断
ア 相違点1について
相違点1については、上記第2の2(5)アに記載したものと同様に判断されるものであり、引用発明2において、その対象を「ヒト」であると特定することは当業者が容易に想到し得たものである。
イ 相違点2について
本願発明における「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートが肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cに対するヒト対象のOPA GMT(オプソノファゴサイトーシス活性幾何平均力価)を、免疫化前の集団に比べて少なくとも100倍上昇させる」という記載は、「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲート」を含む組成物である「20vPnC」について、本願実施例2において確認された性質を記載したものであるから、「20vPnC」であれば、「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートが肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cに対するヒト対象のOPA GMT(オプソノファゴサイトーシス活性幾何平均力価)を、免疫化前の集団に比べて少なくとも100倍上昇させる」という活性を有していると判断されるものである。
そして、引用発明2の組成物も、「20vPnC」であるから(摘記2dの【0235】)、同様に、「肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートが肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cに対するヒト対象のOPA GMT(オプソノファゴサイトーシス活性幾何平均力価)を、免疫化前の集団に比べて少なくとも100倍上昇させる」という性質を有するものである。
したがって、相違点2は、実質的な相違点ではない。
ウ 本願発明の効果について
本願発明の効果については、上記第2の2(5)イに記載のものと同様に判断されるから、本願発明が、当業者の予測を超える顕著な効果を奏するものであるとは言えない。
エ 請求人の主張について
請求人は、令和6年3月4日受付の意見書の2(2)イにおいて、引用文献2には、血清型15B由来の糖コンジュゲートを含み、血清型15C由来の糖コンジュゲートを含まない組成物でウサギを免疫した場合に、血清型15Bおよび血清型15Cに対してOPA応答を示したことが記載されているが、ヒト対象においてOPA応答を示すか否か、また、どの程度のOPA応答を誘導できるかについては全く記載されていない一方、本願発明は、血清型15B由来の糖コンジュゲートを含み、血清型15C由来の糖コンジュゲートを含まない組成物を、血清型15Bおよび15Cによる感染に対してヒト対象を免疫化するという用途に用いることを特徴とするものであること、また、上記意見書の2(3)において、引用文献2に示されるような技術水準からすれば、ヒトにおいても血清型15Cに対するOPA応答は血清型15Bに対するOPA応答の約1/51~1/24倍に留まると予測されるところ、血清型15Bに対するOPA応答と比較して、約1/3~1/2倍という、血清型15Bに対するOPA応答と近い値まで血清型15CのOPA応答を増加させられることを確認した本願発明の効果は、当業者が予測することができない顕著な効果であることを説明し、本願発明は引用文献2に対して新規性及び進歩性を有する旨主張している。
しかし、上記意見書の2(2)イの点について、第2の2(5)ウで説示したとおり、引用発明2の組成物において、その対象を「ヒト」であると特定することは、当業者が容易に想到し得たものである。
また、上記意見書の2(3)の点について、上記説明している「ヒトにおいても血清型15Cに対するOPA応答は血清型15Bに対するOPA応答の約1/51~1/24倍に留まると予測される」という記載は、あくまでウサギに投与した場合とヒトに投与した場合とで完全に同じOPA応答を示すという前提に立った場合における、ウサギに投与した場合のOPA応答を示したものであるところ、参考文献1(第2の2(5)イ(ウ))の記載からも理解できるとおり、肺炎球菌コンジュゲートワクチンを投与された際の免疫応答は、ウサギとヒトとで相関関係は認められるが、完全に同じOPA応答を示すものではないから(75頁図6F、70頁左欄要約18行~22行)、上記ウサギに投与した場合のOPA応答から「ヒトにおいても血清型15Cに対するOPA応答は血清型15Bに対するOPA応答の約1/51~1/24倍に留まると予測される」という前提の主張を採用できないし、採用したとしても、当該ウサギに投与した場合のOPA応答に対して、ヒトに投与した場合のOPA応答が異なる値を示したとしても、当業者の予測を超えるものではなく、本願発明が顕著な効果を奏するとはいえない。
したがって、上記請求人の主張は採用することができない。
(5)小括
よって、本願発明は、引用文献2に記載された発明、及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献2に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-008895