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特許拒絶査定不服審判

2024-006487

測位システム、測位方法及びプログラム

審判番号
2024-006487
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-078314外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年04月16日
審決日
2025年07月23日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G01S) / P18 .575-Z (G01S)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023- 78314「測位システム、測位方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年11月21日出願公開、特開2024-162617〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、令和5年5月11日の出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和5年 5月31日付け:拒絶理由通知書

同年 7月27日 :意見書、手続補正書の提出

同年 9月14日付け:拒絶理由通知書(最後)

同年11月16日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 1月25日付け:補正の却下の決定
同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

(同年 2月 6日 :原査定の謄本の送達)

同年 4月16日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和6年4月16日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和6年4月16日にされた手続補正を却下する。

[補正の却下の決定の理由]

1 補正の内容

令和6年4月16日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正を含むものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年7月27日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。

(1) 本件補正前

「 【請求項1】
特徴点の位置情報を測位する測位システムであって、
一直線上に配置された複数のGNSSアンテナの各々が測位した各位置情報を取得する位置情報取得部と、
取得した前記各位置情報に基づいて、測位地点の緯度経度及び方向を計測する計測部と、
測距機が計測した前記特徴点の距離を取得する距離取得部と、
計測した前記測位地点の緯度経度及び方向と、取得した前記特徴点の距離とに基づいて、前記特徴点の位置情報を割り出す割出部と、
を備える測位システム。」

(2) 本件補正後

「 【請求項1】
特徴点の位置情報を測位する測位システムであって、
前記特徴点と複数のGNSSアンテナの各々が一直線上に配置され、前記複数のGNSSアンテナの各々が測位した各位置情報を取得する位置情報取得部と、
取得した前記各位置情報に基づいて、測位地点の緯度経度及び方向を計測する計測部と、
測距機が計測した前記特徴点の距離を取得する距離取得部と、
計測した前記測位地点の緯度経度及び方向と、取得した前記特徴点の距離とに基づいて、前記特徴点の位置情報を割り出す割出部と、
を備える測位システム。」

2 補正の目的

(1) 本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された「複数のGNSSアンテナ」の「配置」に関する「一直線上」との状態について、「特徴点」の「配置」も含めた状態であることに限定するものである。

(2) そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。

(3) したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。

3 独立特許要件の判断

本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。

(1) 本件補正発明

ア 本件補正発明の認定と分説

本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。

ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成X(X’)と構成Aから構成Dまでに分説する。また、参考図として、本願の【図1】、【図2】に部材名を記入したものを掲載する。

<本件補正発明の分説>

X’特徴点の位置情報を測位する測位システムであって、

A 前記特徴点と複数のGNSSアンテナの各々が一直線上に配置され、前記複数のGNSSアンテナの各々が測位した各位置情報を取得する位置情報取得部と、

B 取得した前記各位置情報に基づいて、測位地点の緯度経度及び方向を計測する計測部と、

C 測距機が計測した前記特徴点の距離を取得する距離取得部と、

D 計測した前記測位地点の緯度経度及び方向と、取得した前記特徴点の距離とに基づいて、前記特徴点の位置情報を割り出す割出部と、

X を備える測位システム。

<参考図>

【図1】

[図:0001427543000001.jpg]

【図2】

[図:0001427543000002.jpg]

イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載

本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、特徴点の位置情報の測位に有効な技術に関する。
【背景技術】
続きを表示(全25行)
【0002】
近年、準天頂衛生みちびきを始めとする測位衛星(米国GPS、ロシアGLONASS、欧州Galileo、中国BeiDou等)の充実に伴い、GNSS(Global Navigation Satellite System:衛星測位システム)を用いた位置情報の測位が行われている。
例えば、特許文献1では、作業者の位置情報を、複数の測定点の各々で測位する技術が開示されている。
また、他には、特許文献2では、標的装置を目標位置まで運搬し、測量を開始する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-144003号公報
【特許文献2】特開2022-143314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、特徴点(水道メータ、ガスメータ等)の場所の物理的な位置を正確に把握したいというニーズが存在する。
しかしながら、GPS(Global Positioning System)の精度が悪いため、センチメートル単位での特徴点の物理的な位置を特定することが出来ない。特に、GPSを用いた測定は、都市部ではビルが建っていたり、高いコンクリートの壁で囲まれていたりする場所において、困難であった。加えて、特徴点が配置されている場所は、他人の敷地内である場合も多く、進入が困難であり、物理的な位置の把握が困難であった。
また、GNSSと国土地理院が運営する電子基準点の情報を元に、ネットワーク型RTK(Real-time kinematic)測位が可能となっている。このネットワーク型RTK測位は、条件が揃えば、誤差1~2cmといった高精度で、対象の位置情報を測位することが可能となる。更に、GNSS受信機用LSI(Large Scale Integration)が各段に進化しかつ廉価になったことにより、低価格で測位機器が実現可能となっている。
しかしながら、ネットワーク型RTK測位でも、高層ビル群の中やビルの壁際や木陰等では、高精度測位が困難であった。
そのため、特徴点の物理的な位置を正確に把握する技術が求められている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、特徴点の場所が進入困難な場所である場合、特徴点の位置を測定することが困難であるため、特徴点の物理的な位置を正確に把握することが出来なかった。また、ネットワーク型RTK測位ではなく、衛生測位技術であるCLAS(Centimeter Level Augmentation Service:センチメーター級測位補強サービス)方式を用いても同様の課題が存在する。
そこで、本発明者は、遠隔から特徴点の物理的な位置を測定する仕組みに着目した。
【0005】
本発明は、遠隔から特徴点の物理的な位置を測定する(例えば、上空が空いている高精度測位可能な近接地から測距機で測定する)ことにより、特徴点の物理的な位置を正確に把握することを可能とする測位システム、測位方法及びプログラムを提供することを目的とする。」
「【0012】
[測位システム1の概要]
図1は、測位システム1の概要を説明するための模式図である。図1に基づいて、測位システム1の構成物について説明する。
…(中略)…
【0019】
以上が、測位システム1の概要である。
本測位システム1によれば、特徴点の物理的な位置を正確に把握することが可能となる。」
「【0020】
[装置構成]
図2は、測位システム1の構成を示すブロック図である。図2に基づいて、測位システム1の装置構成について説明する。
…(中略)…
【0021】
GNSSアンテナ4は、GNSS衛星からの情報を受信するアンテナである。第1GNSSアンテナ4a及び第2GNSSアンテナ4bは、各々が、複数(4機以上等)のGNSS衛星からの情報を受信し、自身の位置情報(緯度経度高度)を測位する。第1GNSSアンテナ4aと、第2GNSSアンテナ4bとは、所定の距離(20~30cm等)だけ離れた状態で配置される。また、第1GNSSアンテナ4a及び第2GNSSアンテナ4bは、位置を割り出そうとする特徴点3と一直線上(特徴点3、第1GNSSアンテナ4a、第2GNSSアンテナ4bが、同一直線上に存在する)に配置される。また、第1GNSSアンテナ4a及び第2GNSSアンテナ4bは、測距機6の光軸方向に沿って配置される。第1GNSSアンテナ4aが、第2GNSSアンテナ4bよりも特徴点3により近い位置に配置される。なお、特徴点3、第1GNSSアンテナ4a、第2GNSSアンテナ4bは、必ずしも一直線上に配置される必要はなく、適宜設計可能である。
本実施形態において、特徴点3は、水道メータやガスメータ等のメータであり、建築物2の周囲に配置されたものである。
各GNSSアンテナ4が、直線上に配置されることにより、2点の位置情報を高精度(センチメートル単位)で測位可能である。また、特徴点3と、各GNSSアンテナ4とが、直線延長線上に存在することにより、測距機6が距離を計測する際、高精度(ミリメートル単位)で計測可能である。
なお、特徴点3、第1GNSSアンテナ4a、第2GNSSアンテナ4bが、直線上に配置されていない場合であっても、2点の位置情報を十分に高精度で測位可能である。」
「【0033】
割出モジュールは、計測した測位地点の緯度経度及び方向と、取得した特徴点3の距離とに基づいて、特徴点3の位置情報を割り出す(ステップS14)。
割出モジュールは、計測した方向と、取得した距離とに基づいて、測位地点から、特徴点3までの間の角度を算出する。割出モジュールは、算出した角度と、取得した距離とに基づいて、測位地点から特徴点3までの距離を算出する。
割出モジュールは、計測した測位地点の緯度経度と、算出した測位地点から特徴点3までの距離とに基づいて、特徴点3の位置情報を割り出す。割出モジュールは、計測した測位地点の緯度と、経度との各々に、算出した特徴点3までの距離を加算する。割出モジュールは、この算出結果を、特徴点3の位置情報と見做し、特徴点3の位置情報を割り出す。
割出モジュールは、各GNSSアンテナ4の位置情報と、各GNSSアンテナ4の中間点からの離間距離から、特徴点3の位置情報を高精度に割り出すことが可能となる。」

(2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定

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ア 引用文献1に記載された事項

原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2011-209031号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記ウの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。

(ア) 【0001】~【0008】

「【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象を撮像する撮像装置と、前記撮像装置によって撮像された監視対象までの距離を測定する測距装置と、現在位置を測定するGPS装置と、現在位置から前記監視対象までの方位を測定する方位計と、を備え、前記監視対象の位置を測定する監視装置および監視装置の方位計補正方法に関するものである。
【背景技術】
続きを表示(全23行)
【0002】
従来から、電子磁気コンパスなどの方位検出装置は、船舶、航空機などの各種の分野で用いられている。また、監視対象の位置を測定するためのターゲットロケータなどの監視装置でも方位検出装置が用いられている。
【0003】
この磁気センサを用いた方位検出装置は、真北と磁北とのズレ(偏差)を方位測定する場所毎に補正する必要がある。この偏差補正は、現在位置毎に演算する必要があるため、演算処理の簡易化を図るためには、地球全体の位置に対応する補正テーブルを持つ必要がある。
【0004】
一方、この磁気センサを用いた方位検出装置は、方位検出装置自体が一定距離以上移動した場合、上述した偏差の補正以外に、方位検出装置自体による磁北検出の誤差を補正する処理(コンパス補正処理)が必要である。
【0005】
なお、特許文献1には、地磁気センサを用いて地理的方位を精度良く求める方位補正方法が記載されている。また、特許文献2には、磁気方位センサにおける真北と磁北との偏差を補正する方位角度検出方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-292493号公報
【特許文献2】特開2007-271584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したコンパス補正処理は、操作者が装置を手動で動かす処理であるとともに、方位検出装置自体が、コンパス補正処理を行う必要がある距離移動したか否かを、測定時に常に意識する必要があり、操作者にかかる負担が大きいという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンパス補正処理にかかる操作者の負担を軽減することができる監視装置およびその方位計補正方法を提供することを目的とする。」

(イ) 【0009】~【0019】

「【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明にかかる監視装置は、監視対象を撮像する撮像装置と、前記撮像装置によって撮像された監視対象までの距離を測定する測距装置と、現在位置を測定するGPS装置と、現在位置から前記監視対象までの方位を測定する方位計と、を備え、前記監視対象の位置を測定する監視装置であって、前記方位計に対する前回のコンパス補正処理の実施位置から現在位置までの距離が所定距離以上であるか否かを判断する判断部と、前記判断部が所定距離以上であると判断した場合、コンパス補正処理の実施依頼を出力する出力制御部と、を備えたことを特徴とする。
…(中略)…
発明の効果
【0019】
本発明によれば、方位計に対する前回のコンパス補正処理の実施位置から現在位置までの距離が所定距離以上であるか否かを判断し、所定距離以上であると判断した場合、コンパス補正処理の実施依頼を出力するようにしているので、コンパス補正処理にかかる操作者の負担を軽減することができる。」

(ウ) 【0022】~【0030】、図1

「【0022】
図1は、本発明の実施の形態である監視装置の構成を示すブロック図である。図1において、この監視装置100は、可搬型の監視装置である。監視制御モジュール160には、近赤外線カメラ10、遠赤外線カメラ20、レーザ測距装置110、GPS装置120、方位計130、出力部50、通信部150、および操作部140が接続される。なお、バッテリ190は、上述した各構成部分に電源供給を行うものである。」
「【図1】
[図:0001427543000003.jpg]
」
「【0023】
ここで、近赤外線カメラ10の光軸C1、遠赤外線カメラ20の光軸C2、レーザ測距装置110内の送光部111の光軸C3,送受部112の光軸C4は、平行であり、近赤外線カメラ10、遠赤外線カメラ20、およびレーザ測距装置110は、隣接配置される。
【0024】
近赤外線カメラ10は、可視領域あるいは近赤外領域の光を受光して監視対象を撮像する。なお、近赤外線カメラ10は、図示しない近赤外カットフィルタの挿脱によって可視領域の可視画像および可視領域と近赤外領域とを合わせた領域の近赤外画像を取得することができる。遠赤外線カメラ20は、遠赤外領域の光を受光して撮像するボロメータ型の遠赤外固体撮像素子を用いて監視対象を撮像する。なお、近赤外線カメラ10および遠赤外線カメラ20のいずれも、機械的動作不良を少なくするため、およびメカシャッタ開閉による監視対象の見逃しをなくすため、シャッタレスで撮像処理を行っているが、これに限らない。
続きを表示(全16行)
【0025】
レーザ測距装置11は、送光部111および受光部110を有し、送光部111から出射されたレーザ光が監視対象から反射して受光部112で受光されるまでの時間差をもとにレーザ測距装置110と監視対象との間の距離を測定する。
【0026】
GPS装置120は、衛星からの情報をもとに、監視装置1の現在位置(現在座標)を求める。方位計130は、現在位置から監視対象への方位を求める。
【0027】
操作部140は、近赤外線カメラ10および遠赤外線カメラ20のズーミングを行うためのボタンや、レリーズボタンなどを有するとともに、近赤外線カメラ10によって撮像された近赤外画像と遠赤外線カメラ20によって撮像された遠赤外画像とのいずれか一方のみの出力、あるいは双方の重ね合わせ画像あるいは合成画像の出力を指示するボタンも有する。もちろん、電源スイッチも有する。また、操作部140は、レーザ測距装置110、GPS装置120、方位計130に対する操作指示機能も有する。
【0028】
出力部50は、近赤外線カメラ10および/または遠赤外線カメラ20によって取得され、撮像制御モジュール30から出力される画像を出力するものであり、たとえば電子ビューファインダなどによって実現される。なお、液晶パネルなどによって直接表示出力してもよい。この監視装置は、上述したように可搬型であり、監視対象に知られたくない場合には、電子ビューファインダなどに出力することが好ましい。また、通信部150は、無線あるいは有線によって外部出力するものであり、監視対象の位置などの情報を外部出力する。
【0029】
監視制御モジュール170内の撮像制御モジュール30は、近赤外線カメラ10および遠赤外線カメラ20による撮像制御を行うが、特にそれぞれのズーミングを一致させ、それぞれ取得される画像の視野角(画角)が同じになるように連動させる制御を行う。
【0030】
監視制御モジュール170の測定部170は、レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離と、GPS装置120が求めた現在位置と、方位計130が求めた現在位置から監視対象への方位とをもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定する。」

(エ) 【0031】~【0037】、図3

「【0031】
判断部201は、方位計に対する前回のコンパス補正処理の実施位置から現在位置までの距離が所定距離以上であるか否かを判断する。出力制御部202は、判断部201が所定距離以上であると判断した場合、コンパス補正処理の実施依頼を出力部50に出力する。具体的には、コンパス補正処理を実施することを報知するためのアラーム表示を行う。偏差登録部203は、GPS装置120が測定した現在位置をもとに、方位計120に対する磁北と真北との偏差を算出して方位計120に登録する。メモリ203内には、前回のコンパス補正処理の実施位置である前回補正実施位置205および偏差登録部203による偏差演算を行ったときの現在位置206が保持される。
【0032】
ここで、操作者が、電子ビューファインダなどの出力部50で監視対象を認識すると、操作者は、電子ビューファインダ内の中心にあるマーカ位置に監視対象が位置するように、監視装置100全体を動かし、監視対象がマーカ位置に位置した時点で、操作部140のボタンを押下する。
【0033】
そして、このとき、距離測定のためのボタンの押下によって、制御部180は、レーザ測距装置110にレーザ光を出射させて監視対象の位置までの距離を測定させる。と同時に、制御部180は、GPS装置120に監視装置100の現在位置を求めさせ、方位計130に監視対象への方位を求めさせる。そして、測定部170は、この求められた距離、位置、方位をもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定する。この監視装置100は、ターゲットロケータとして機能する。
【0034】
ここで、図2に示したフローチャートを参照して、制御部180による方位計130に対する補正処理手順について説明する。図2に示すように、まず、監視装置100の電源がオンになったか否かを判断する(ステップS101)。電源がオンになった場合(ステップS101,Yes)のみ、ステップS102に移行し、GPS装置120によって監視装置100の現在位置を取得し、現在位置206として登録する。その後、偏差登録部203は、この現在位置をもとに、図3に示した磁北と真北との偏差δを演算し、その結果を方位計130に登録する(ステップS103)。さらに、メモリ204に保持されている前回のコンパス補正処理の実施位置である前回補正実施位置205を取得する。」
「【図3】
[図:0001427543000004.jpg]
」
「【0035】
その後、判断部201は、前回のコンパス補正処理が行われた前回補正実施位置から所定距離D、たとえば20km以上離れたか否かを判断する(ステップS105)。図4の現在位置M2のように、前回補正実施位置から所定距離D以上離れていない場合(ステップS105,No)には、方位計130に対する補正が完了したものとして、出力部50に、目標位置測定準備完了の出力を行う(ステップS109)。
【0036】
一方、図4の現在位置M1のように、前回補正実施位置から所定距離D以上離れている場合(ステップS105,Yes)には、出力部50に、コンパス補正処理の実施依頼出力を行う(ステップS106)。たとえば、コンパス補正処理を促すアラーム表示を行う。その後、コンパス補正処理が実施されたか否かを判断する(ステップS107)。コンパス補正処理が実施された場合(ステップS107,Yes)に限り、メモリ204に保持されている前回補正実施位置205の値を更新する(ステップS108)。その後、ステップS109に移行して、出力部50に、目標位置測定準備完了の出力を行う。
【0037】
その後、電源がオフされたか否かを判断する(ステップS110)。電源がオフされた場合(ステップS110,Yes)には、本処理を終了する。一方、電源がオフされていない場合(ステップS110,No)には、さらに、GPS装置120によって現在位置を取得し(ステップS111)、この現在位置とメモリ204内の現在位置206との値を比較して、監視装置100が一定距離、移動したか否かを判断する(ステップS112)。監視装置100が一定距離、移動したものと判断された場合(ステップS112,Yes)、ステップS111で取得した現在位置をメモリ204内の現在位置206として更新登録し(ステップS113)、ステップS103に移行し、偏差補正の演算・登録処理を行うことから、上述した処理を繰り返す。一方、監視装置100が一定距離、移動したものと判断されない場合(ステップS112,No)、ステップS104に移行し、上述した処理を繰り返す。」

イ 引用文献1の記載から読み取れる事項の認定

(ア) 認定事項1の認定

【0001】の「監視対象を撮像する撮像装置と、前記撮像装置によって撮像された監視対象までの距離を測定する測距装置と、現在位置を測定するGPS装置と、現在位置から前記監視対象までの方位を測定する方位計と、を備え、前記監視対象の位置を測定する監視装置」との記載を踏まえて図1を見ると、次の事項(以下「認定事項1」という。)が看取できる。

<認定事項1>

「監視対象を撮像する近赤外線カメラ10及び遠赤外線カメラ20と、近赤外線カメラ10及び遠赤外線カメラ20によって撮像された監視対象までの距離を測定するレーザ測距装置110と、現在位置を測定するGPS装置120と、現在位置から前記監視対象までの方位を測定する方位計130と、を備え、前記監視対象の位置を測定する監視装置100」

(イ) 認定事項2の認定

【0001】等の記載から、引用文献1に記載された発明は、監視装置100によって監視対象の位置を測定する技術を前提としているといえるから、図3において、「目標位置」が監視対象の位置であり、「測定位置」が監視装置100の位置である現在位置を表すものと解するのが合理的である。

そのため、図3から、次の事項(以下「認定事項2」という。)が看取できる。

<認定事項2>

「監視対象の位置である目標位置は、監視装置100の位置である現在位置を基準として、方位角θかつ仰角αの方向に、所定距離離れた位置であること。」

ウ 引用発明の認定

前記イにおいて認定した事項及び前記アに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、図1に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。ここで、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。

また、【0025】における「レーザ測距装置11」、「受光部110」、及び、【0030】における「監視制御モジュール170」は部材番号に誤記があり、図3等の記載から、正しい記載は、それぞれ、「レーザ測距装置110」、「受光部112」及び「監視制御モジュール160」であると認める。

<引用発明>

「監視対象を撮像する近赤外線カメラ10及び遠赤外線カメラ20と、近赤外線カメラ10及び遠赤外線カメラ20によって撮像された監視対象までの距離を測定するレーザ測距装置110と、現在位置を測定するGPS装置120と、現在位置から前記監視対象までの方位を測定する方位計130と、を備え、前記監視対象の位置を測定する監視装置100であって、(認定事項1)
監視対象の位置である目標位置は、監視装置100の位置である現在位置を基準として、方位角θかつ仰角αの方向に、所定距離離れた位置であり、(認定事項2)
監視制御モジュール160には、近赤外線カメラ10、遠赤外線カメラ20、レーザ測距装置110、GPS装置120、方位計130、出力部50、通信部150、および操作部140が接続され、(【0022】)
レーザ測距装置110は、送光部111および受光部112を有し、送光部111から出射されたレーザ光が監視対象から反射して受光部112で受光されるまでの時間差をもとにレーザ測距装置110と監視対象との間の距離を測定し、(【0025】)
GPS装置120は、衛星からの情報をもとに、監視装置1の現在位置(現在座標)を求め方位計130は、現在位置から監視対象への方位を求め、(【0026】)
操作部140は、レーザ測距装置110、GPS装置120、方位計130に対する操作指示機能も有し、(【0027】)
監視制御モジュール160の測定部170は、レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離と、GPS装置120が求めた現在位置と、方位計130が求めた現在位置から監視対象への方位とをもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定するものであり、(【0030】)
操作者が、電子ビューファインダなどの出力部50で監視対象を認識すると、操作者は、電子ビューファインダ内の中心にあるマーカ位置に監視対象が位置するように、監視装置100全体を動かし、監視対象がマーカ位置に位置した時点で、操作部140のボタンを押下し、(【0032】)
ボタンの押下によって、制御部180は、レーザ測距装置110にレーザ光を出射させて監視対象の位置までの距離を測定させ、同時に、制御部180は、GPS装置120に監視装置100の現在位置を求めさせ、方位計130に監視対象への方位を求めさせ、測定部170は、この求められた距離、位置、方位をもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定する、(【0033】)
監視装置100。」

(3) 引用文献3、4、6の記載事項及び周知技術1等の認定

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ア 引用文献3に記載された事項及び周知技術の認定

(ア) 引用文献3に記載された事項

原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である国際公開第2019/107212号(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。

「【0016】
図1に示すように、動揺観測装置10は、アンテナ201、アンテナ202、受信部211、受信部212、加速度センサ220、演算部230、および、動揺量算出部30を備える。受信部211、受信部212、演算部230、および、動揺量算出部30は、1個または複数のIC等によって実現される。
【0017】
動揺観測装置10は、図2に示すような船舶100に設置されている。船舶100には、偏位観測センサ20が設置されている。偏位観測センサ20は、アンテナ201、アンテナ202、および、加速度センサ220を少なくとも備えている。偏位観測センサ20は、船舶100におけるオープンスカイな環境に設置されている。これにより、アンテナ201、アンテナ202は、測位衛星からの測位信号を受信できる。測位信号とは、GPS(Grobal Positioning system)等のGNSS(Grobal Navigation Satellite Systems)の測位衛星から送信される信号であり、測位衛星毎に固有のコードによって搬送波信号を変調した信号である。搬送波信号には、測位衛星の軌道が記された衛星軌道情報等を含む航法メッセージが重畳されている。
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【0018】
アンテナ201、アンテナ202は、例えば、船舶100の船首と船尾を結ぶ方向に沿って配置されている。アンテナ201は、受信した測位信号を受信部211に出力する。アンテナ202は、受信した測位信号を受信部212に出力する。
【0019】
受信部211は、アンテナ201で受信した測位信号を捕捉、追尾する。受信部211は、測位信号のコード位相および搬送波位相を計測する。受信部211は、測位信号に重畳された航法メッセージを解析し、衛星軌道情報を取得する。受信部211は、コード位相を用いて、アンテナ201の位置をNED座標系で算出する。受信部211は、搬送波位相の計測値、衛星軌道情報、および、アンテナ201の位置を、演算部230に出力する。
【0020】
受信部212は、アンテナ202で受信した測位信号を捕捉、追尾する。受信部212は、測位信号のコード位相および搬送波位相を計測する。受信部212は、測位信号に重畳された航法メッセージを解析し、衛星軌道情報を取得する。受信部212は、コード位相を用いて、アンテナ202の位置をNED座標系で算出する。受信部212は、搬送波位相の計測値、衛星軌道情報、および、アンテナ202の位置を、演算部230に出力する。
【0021】
加速度センサ220は、所謂、慣性力を利用したセンサであり、船体座標系における直交三軸に加速度を計測する。加速度センサ220は、加速度を演算部230に出力する。
【0022】
演算部230は、衛星軌道情報から、測位衛星の位置を取得する。演算部230は、アンテナ201の位置、アンテナ202の位置、および、測位衛星の位置から、アンテナ201とアンテナ202とに対する方向余弦を算出する。方向余弦とは、アンテナ201とアンテナ202とを結ぶ基線ベクトルと、アンテナ201と測位衛星とを結ぶ基線ベクトルとの成す角である。演算部230は、アンテナ201の位置、アンテナ202の位置、および、測位衛星の位置から、偏位観測センサ20の姿勢角、すなわち、船舶100の姿勢角を算出する。」

(イ) 周知技術1の認定

前記(ア)に摘記した引用文献3の記載事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって周知の技術であったと認められる。(以下「周知技術1」という。)

<周知技術1>

「物体に配置した2つのGNSSアンテナで受信したGNSS信号を用いて算出した、それぞれのGNSSアンテナの位置に基づいて、物体の方向を算出すること。」

イ 引用文献4、6に記載された事項及び技術常識1の認定

(ア) 引用文献4に記載された事項

当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である中国特許出願公開第111190204号明細書(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。括弧内に当合議体が作成した日本語訳を示した。

「
[図:0001427543000005.jpg]
」

([0075] 図1及び図2に示すように、本発明の実施例が提供する北斗デュアルアンテナ及びレーザ距離計に基づくリアルタイム位置決定装置は、主に以下の部分で構成されている。:)

「【図1】
[図:0001427543000006.jpg]
」
「【図2】
[図:0001427543000007.jpg]
」
「
[図:0001427543000008.jpg]
」

([0076] 北斗アンテナ1は、約2mの長さの横梁に固定されていて、横梁は合金材料で作られ、変形係数が小さく、高精度測定の要求を満たすことができる。また、横梁は水平軸と垂直軸の周りで回転可能で、ベースを介して三脚6に固定できる。

[0077] レーザ距離計2は、横梁の一端に位置し、望遠鏡を通じて測定対象点を狙うことができる。

[0078] 通信モジュール3は、基準局の無線、モバイルネットワーク、又は衛星から送信される補強情報を受信するために使用される。

[0079] データ処理ユニット4は、北斗データのリアルタイム高精度位置決定機能を備えていて、二つの北斗アンテナが受信した観測データと通信モジュールが受信した補強情報を利用して、リアルタイムで二つの北斗アンテナの三次元座標を計算し、アンテナの座標と距離計の出力距離を利用して測定対象点の座標を算出することができる。)

「
[図:0001427543000009.jpg]
」

([0081] 装置を設計・製造する際には、装置座標系を確立し、距離計の位相中心と北斗アンテナの位相中心との相対位置関係を正確に較正し、距離計の軸線、望遠鏡の視準軸、そして二つの北斗アンテナによって決定されたベースラインが厳密に同一直線上にあるか、補正パラメータを提供することを確保する必要がある。また、装置の実用性、携帯性、互換性、消費電力、コストを十分に考慮し、工業設計を行い、強い環境適応能力を持たせる必要がある。)

「
[図:0001427543000010.jpg]
」

([0083] 本発明の実施例において、北斗デュアルアンテナとレーザ距離計に基づくリアルタイム測位方法は、北斗RTK又は衛星ベースの補強技術を利用して、リアルタイムでセンチメートルレベルの測位を実現できる。二つの北斗アンテナを剛性のある横棒に配置し、固定ベースラインを形成することで、アンテナの位相中心の三次元座標をリアルタイムで取得できるだけでなく、ベースラインの方向ベクトルもリアルタイムで特定できる。測定対象点については、測定対象点がベースラインの直線上にあることを保証すれば、すなわち測定対象点と二つの北斗アンテナの3点が共線である場合、レーザ距離計を使用してベースラインベクトルに沿った測定対象点までの距離を測定することで、共線方程式を利用して測定対象点の三次元座標を求めることができる。)

「
[図:0001427543000011.jpg]
」

([0089] 図3に示すように、1と2はそれぞれ二つの北斗アンテナであり、1点と2点の座標が既知で、1、2、そしてpの3点が同一直線上にある場合、pから2点までの距離を測定すれば、1点の座標に基づいてp点の座標を導出できる。)

「 【図3】
[図:0001427543000012.jpg]
」

(イ) 引用文献6に記載された事項

当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である特開2002-267738号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。

「【0033】図5は船舶における超音波センサとGPSアンテナとの配置関係を示す図である。この例では、2つのGPSアンテナ10,11と、超音波センサ31とを同軸上に配置している。」

「【図5】
[図:0001427543000013.jpg]
」

「【0034】図6は上記2つのGPSアンテナ10,11と超音波センサ31および超音波センサによる探知位置との座標関係を示している。ここで船首尾線方向をy軸、右舷左舷方向をx軸、鉛直線方向をz軸とするローカル座標系において、GPSアンテナ10の座標を原点(0,0,0)とし、もう一つのGPSアンテナ11の座標を、(x1,y1,z1)とする。また超音波センサ31の座標を(x3,y3,z3)とし、さらに超音波パルスの反射する点を(x4,y4,z4)とする。ここで、超音波センサ31からGPSアンテナ10,11までの距離をそれぞれL0,L1とすれば、GPSアンテナ10と11との間隔は(L0-L1)であるので、次の関係が成り立つ。」

「【図6】
[図:0001427543000014.jpg]
」
「【0035】
x1/(L0-L1)=x3/L0 …(16)
y1/(L0-L1)=y3/L0 …(17)
z1/(L0-L1)=z3/L0 …(18)
続きを表示(全22行)
また、超音波センサ31から超音波の反射点までの距離がdであるので次の関係も成り立つ。
【0036】
x1/(L0-L1)=x4/(L0+d) …(19)
y1/(L0-L1)=y4/(L0+d) …(20)
z1/(L0-L1)=z4/(L0+d) …(21)
ここでx1,y1,z1はGPS衛星からの観測値から求めることができ、L0,L1は既知であるので(16)式~(18)式に基づいて、超音波センサ31の位置(x3,y3,z3)を求めることができる。また、超音波センサ31がGPSアンテナ10,11と同軸上に超音波パルスを送受波して探知を行う場合には、超音波センサ31で探知物体までの距離dを測定することにより、(19)式~(21)式に基づいて探知物体の位置(x4,y4,z4)が求められる。したがって、この場合には、超音波センサ31の相対位置が直接求められなくてもよい。
【0037】なお、超音波センサ31とGPSアンテナ10,11とを結ぶ直線の鉛直線に対する傾きをθ、そのピッチ角成分をφ、ロール角成分をψとすれば、次の関係が成り立つ。
【0038】
z1/(L0-L1)=cosθ …(22)
y1/|z1|=tanφ …(23)
x1/|z1|=tanψ …(24)
したがって、超音波センサ31から反射される超音波ビームの向きが船舶の動揺によって超音波ビームの傾く角度θ、ピッチ角φ、ロール角ψを同時に求めることができる。
【0039】以上のように、測定点と2つのGPSアンテナとを同軸上に配置することにより、2つのGPSアンテナを用いるだけで、測定点(超音波センサの取り付け位置)の相対位置および、探知物体の位置を求めることができる。
【0040】
【発明の効果】この発明によれば、従来の加速度計を備えたモーションセンサを用いることなく、しかも測位用衛星からの電波を受信する測位用アンテナから離れた測定点の相対位置および/または相対速度を高精度に測定することができる。
【0041】また、この発明は、船底等に設けられている超音波センサの相対位置および/または相対速度を測定することができ、超音波センサの相対位置および/または相対速度に応じて探知結果を補正することにより、船舶の動揺による影響を取り除いて、正確な探知が可能となる。
【0042】また、この発明によれば、2つの測位用アンテナを超音波センサの位置を含む同軸上に配置することにより、少ない数の測位用アンテナを用いて超音波センサの相対位置および超音波センサによる探知位置を求めることができる。
【0043】また、この発明によれば、船舶の動揺をピッチ角とロール角として同時に求めることができ、船舶動揺測定のための専用機器を設ける必要がなくなる。」

(ウ) 技術常識1の認定

前記(ア)及び(イ)に摘記した引用文献4及び6の記載事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって技術常識であったと認められる。(以下「技術常識1」という。)

<技術常識1>

「基準点の位置座標及び基準点から対象物までの距離に基づいて対象物の位置座標を特定する際に、基準点の位置座標の特定に用いる二つのGNSSアンテナと対象物を一直線上に配置してもよいこと。」

(4) 本件補正発明と引用発明の対比

ア 対比分析

本件補正発明と引用発明を対比する。

(ア) 構成X’(X)の観点

a 構成X’は、「特徴点の位置情報を測位する測位システム」の発明であることである。

b 引用発明における「位置(絶対座標)」は、本件補正発明における「位置情報」に相当する。

そのため、引用発明の「位置(絶対座標)を測定する監視装置100」は、本件補正発明の「位置情報を測位する測位システム」に相当する。

c(a) 本願明細書の発明の詳細な説明における「特徴点(水道メータ、ガスメータ等)」(【0004】)、「本実施形態において、特徴点3は、水道メータやガスメータ等のメータであり、建築物2の周囲に配置されたものである。」(【0021】)等の記載を踏まえると、本件補正発明における「特徴点」には、点状のものだけでなく、一定の大きさを持った物体も含まれると解するのが相当である。

(b) してみると、引用発明における、「位置(絶対座標)を測定する」対象である「監視対象」は、本件補正発明における、「位置情報を測位する」対象である「特徴点」に相当する。

d したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。

「特徴点の位置情報を測位する測位システム」の発明である点。

(イ) 構成Aの観点

a 構成Aは、「前記特徴点と複数のGNSSアンテナの各々が一直線上に配置され、前記複数のGNSSアンテナの各々が測位した各位置情報を取得する位置情報取得部」を備えることである。

b 引用発明における「GPS装置120」は、GPS信号を受信するアンテナを備えることが明らかであるから、本件補正発明における「GNSSアンテナ」に相当する構成を備える。

c(a) 引用発明における「GPS装置120が求めた現在位置」は、前記bも踏まえると、本件補正発明における「GNSSアンテナ」「が測位した」「位置情報」に相当する。

(b) 引用発明において、「監視制御モジュール160の測定部170」は「GPS装置120が求めた現在位置」等「をもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定する」から、引用発明における「監視制御モジュール160」が、「GPS装置120が求めた現在位置」を取得する手段を備えることは明らかである。

d したがって、引用発明が「監視制御モジュール160」を備えることは、本件補正発明が「前記特徴点と複数のGNSSアンテナの各々が一直線上に配置され、前記複数のGNSSアンテナの各々が測位した各位置情報を取得する位置情報取得部」を備えることと、「GNSSアンテナが測位した位置情報を取得する位置情報取得部」を備える点で共通する。

e 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明の構成Aの観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。

(a) 構成Aの観点における一致点

「GNSSアンテナが測位した位置情報を取得する位置情報取得部」を備える点。

(b) 構成Aの観点における相違点

本件補正発明においては、GNSSアンテナの数が「複数」で、「前記特徴点と複数のGNSSアンテナの各々が一直線上に配置され」、位置情報取得部が取得する位置情報が「複数のGNSSアンテナの各々が測位した各位置情報」であるのに対して、

引用発明においては、GPS装置120が備えるアンテナの数が不明であり、アンテナ等の配置の態様や監視制御モジュール160が取得する位置情報の詳細が不明である点。

(ウ) 構成Bの観点

a 構成Bは、「取得した前記各位置情報に基づいて、測位地点の緯度経度及び方向を計測する計測部」を備えることである。

b 引用発明は、本願発明の構成Bに相当する構成を備えていないから、本願発明と引用発明は、次の点において相違する。

本件補正発明においては、「取得した前記各位置情報に基づいて、測位地点の緯度経度及び方向を計測する計測部」を備えるのに対して、

引用発明においては、本件補正発明の「計測部」に相当する構成を備えていない点。

(エ) 構成Cの観点

a 構成Cは、「測距機が計測した前記特徴点の距離を取得する距離取得部」を備えることである。

b 引用発明における「レーザ測距装置110」は、本件補正発明における「測距機」に相当し、同様にして、「レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離」は、前記(ア)c(b)も踏まえると、「測距機が計測した前記特徴点の距離」に相当する。

c 引用発明において、「監視制御モジュール160の測定部170」は「レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離」等「をもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定する」から、引用発明における「監視制御モジュール160」が、「レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離」を取得する手段を備えることは明らかである。

d そのため、引用発明が「監視制御モジュール160」を備えることは、本件補正発明が「測距機が計測した前記特徴点の距離を取得する距離取得部」を備えることに相当する。

e 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。

「測距機が計測した前記特徴点の距離を取得する距離取得部」を備える点。

(オ) 構成Dの観点

a 構成Dは、「計測した前記測位地点の緯度経度及び方向と、取得した前記特徴点の距離とに基づいて、前記特徴点の位置情報を割り出す割出部」を備えることである。

b(a) 本件補正発明において、「複数のGNSSアンテナ」と「特徴点」が配置される高さの関係について、何ら特定されていないから、本件補正発明の技術的範囲には、これらが同一の高さに配置される場合も含まれている。

そのため、本件補正発明の構成Dにおける「方向」には、発明の詳細な説明の【0030】における説明でいうところの、「方位角」成分のみで特定される方向も含まれると解するのが相当である。

(b) また、本件補正発明の構成Dにおける「計測した前記測位地点の緯度経度及び方向」は、本件補正発明の構成Bも踏まえると、「計測部」が「計測した前記測位地点の緯度経度及び方向」であると認められる。

c(a) 引用発明における「監視制御モジュール160の測定部170」は、「レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離と、GPS装置120が求めた現在位置と、方位計130が求めた現在位置から監視対象への方位とをもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定する」ものである。

(b) 前記(ア)b及びcにおいて説示した事項から、引用発明における「監視対象の位置(絶対座標)」は、本件補正発明における「特徴点の位置情報」に相当する。

(c)i 引用発明における「GPS装置120が求めた現在位置」は、本件補正発明における「測位地点の緯度経度」と、「測位地点の位置」である点で共通する。

ii また、引用発明における「現在位置から監視対象への方位」は、前記b(a)の解釈を踏まえると、本件補正発明における「測位地点の」「方向」に相当する。

iii そのため、前記b(b)及び前記(ウ)における構成Bについての対比分析の結果も踏まえると、引用発明における「GPS装置120が求めた現在位置と、方位計130が求めた現在位置から監視対象への方位」は、本件補正発明における「計測した前記測位地点の緯度経度及び方向」と、「測位地点の位置及び方向」である点で共通する。

(d) 引用発明における前記(a)の「レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離」は、前記(エ)cを踏まえると「監視制御モジュール160」において取得されたものといえるから、本件補正発明における「取得した前記特徴点の距離」に相当する。

(e) したがって、引用発明における、「レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離と、GPS装置120が求めた現在位置と、方位計130が求めた現在位置から監視対象への方位とをもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定する」「測定部170」は、本件補正発明における「計測した前記測位地点の緯度経度及び方向と、取得した前記特徴点の距離とに基づいて、前記特徴点の位置情報を割り出す割出部」と、「測位地点の位置及び方向と、取得した前記特徴点の距離とに基づいて、前記特徴点の位置情報を割り出す割出部」である点で共通する。

d 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明の構成Dの観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。

(a) 構成Dの観点における一致点

「測位地点の位置及び方向と、取得した前記特徴点の距離とに基づいて、前記特徴点の位置情報を割り出す割出部」を備える点。

(b) 構成Dの観点における相違点

割出部が特徴点の位置情報を割り出す際に基づく位置及び方向に関する情報が、

本件補正発明においては、「計測部」が「計測した前記測位地点の緯度経度及び方向」であるのに対して、

引用発明においては、「GPS装置120が求めた現在位置と、方位計130が求めた現在位置から監視対象への方位」である点。

イ 一致点及び相違点

前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、後記(イ)に示す相違点において相違すると認められる。

(ア) 一致点

「特徴点の位置情報を測位する測位システムであって、
GNSSアンテナが測位した位置情報を取得する位置情報取得部と、
測距機が計測した前記特徴点の距離を取得する距離取得部と、
測位地点の位置及び方向と、取得した前記特徴点の距離とに基づいて、前記特徴点の位置情報を割り出す割出部と、
を備える測位システム」の発明である点。

(イ) 相違点

本件補正発明においては、

GNSSアンテナの数が「複数」で、「前記特徴点と複数のGNSSアンテナの各々が一直線上に配置され」、位置情報取得部が取得する位置情報が「複数のGNSSアンテナの各々が測位した各位置情報」であって、

「取得した前記各位置情報に基づいて、測位地点の緯度経度及び方向を計測する計測部」を備え、

割出部が特徴点の位置情報を割り出す際に基づく位置及び方向に関する情報が、「計測部」が「計測した前記測位地点の緯度経度及び方向」であるのに対して、

引用発明においては、

GPS装置120が備えるアンテナの数が不明であり、アンテナ等の配置の態様や監視制御モジュール160が取得する位置情報の詳細が不明であって、

本件補正発明の計測部に相当する構成を備えておらず、

「計測部170」(本件補正発明の「割出部」に相当する。)が基づく位置及び方法に関する情報が、「GPS装置120が求めた現在位置と、方位計130が求めた現在位置から監視対象への方位」である点。

(5) 判断

前記相違点について検討する。

ア GNSSアンテナの数、及び、配置について

(ア) 前記(3)ア(イ)において周知技術1として認定したとおり、「物体に配置した2つのGNSSアンテナで受信したGNSS信号を用いて算出した、それぞれのGNSSアンテナの位置に基づいて、物体の方向を算出すること」は、周知の技術である。

(イ) ここで、GNSSアンテナで受信したGNSS信号を用いて算出した位置情報が三次元の位置情報であることは技術常識であるから、前記周知技術1において算出できる物体の方向が、三次元空間における方向、すなわち、方位角成分と仰角成分を有する方向であることは、当業者にとって明らかである。

(ウ) そのため、引用発明において、「監視対象の位置」が「監視装置100の位置である現在位置を基準として、方位角θかつ仰角αの方向に、所定距離離れた位置」であることが想定されていることを踏まえると、当業者にとって、引用発明の「監視装置100」において、方位角成分と仰角成分を有する方向を計測することができる、前記周知技術1を採用しようとする契機は存在するといえる。

<参考図> 引用文献1の【図3】(再掲)

[図:0001427543000015.jpg]

(エ) したがって、前記(ウ)において説示した契機に基づき、引用発明において前記周知技術1を採用して、方位計130やGPS装置120に代えて、又は、加えて、「複数のGNSSアンテナ」を設けるようにすることは当業者にとって自明な設計事項であり、その際に、「特徴点と複数のGNSSアンテナの各々が一直線上に配置され」る配置構成とすることは、監視装置100の位置である現在位置を基準とした監視対象の方位角θ及び仰角αを把握可能な配置構成として、当業者が想定し得た種々の選択肢の一つにすぎず、格別なことではない。さらにいえば、そのような配置構成により監視対象の方位角θ及び仰角αを得るための計算上のメリットも期待できるから、当該配置構成を採用することは当業者にとってむしろ自然なことであるともいえる。

(オ) また、前記(3)イ(ウ)において技術常識1として認定したとおり、「基準点の位置座標及び基準点から対象物までの距離に基づいて対象物の位置座標を特定する際に、基準点の位置座標の特定に用いる二つのGNSSアンテナと対象物を一直線上に配置してもよいこと」は技術常識であるから、仮に、「特徴点と複数のGNSSアンテナの各々が一直線上に配置され」る配置構成とすることが、監視対象の方位角θ及び仰角αを把握可能な配置構成として当業者が想定し得たものでないとしても、前記技術常識1に基づいて当該配置構成を採用することは、当業者であれば適宜なし得たことである。

イ その他の構成について

(ア) 引用発明にける「監視制御モジュール160の測定部170」は、「レーザ測距装置110が求めた現在位置から監視対象までの距離と、GPS装置120が求めた現在位置と、方位計130が求めた現在位置から監視対象への方位とをもとに、監視対象の位置(絶対座標)を測定する」ものである。

ここで、前記「現在位置」をどのような手段で求めるようにするかは当業者が適宜決定すべき事項にすぎず、また、GNSSアンテナが測位した位置情報を地理座標系における緯度経度で表現することは当業者にとっては常套手段であるから、位置情報を「緯度経度」として処理することも格別なことではない。

そして、前記アにおいて説示した事項から、引用発明における「測定部170」において、前記「方位」に代えて、二つのGNSSアンテナによって求めた「方向」を用いるようにすることは、当業者であれば適宜なし得たことである。

(イ) したがって、引用発明における「監視制御モジュール160」について、「複数のGNSSアンテナの各々が測位した各位置情報」を取得させるように構成し、「取得した前記各位置情報に基づいて、測位地点の緯度経度及び方向を計測する計測部」として機能させ、引用発明における「測定部170」が監視対象の監視対象の位置を測定する際に、「監視制御モジュール160」が計測した「測位地点の緯度経度及び方向」に基づくようにすることは、前記アに記載した構成を採用するに際して適宜採用すべき設計変更というべきものであって、格別のものでない。

なお、この場合において、「測定部170」における監視対象の位置の測定における処理内容を、前記アにおいて検討した配置構成を反映した処理内容とすることは、当業者にとっては当然のことである。

ウ 総合評価

前記ア及びイにおいて検討したとおり、引用発明において、前記相違点に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明、周知技術1及び技術常識1に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。

そして、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。

したがって、本件補正発明は、引用発明、周知技術1及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

エ 請求人の主張について

(ア) 請求人の主張内容

引用文献3に記載された技術は、特徴点と、複数のGNSSアンテナとを同一直線上に配置するものではなく、単に、複数のGNSSアンテナが一直線上に存在するものにすぎず、特徴点と、複数のGNSSアンテナとの仰角を、各GNSSアンテナの座標から算出不可能である。

(イ) 請求人の主張についての検討

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引用文献3において、特徴点の仰角を算出できるように複数のGNSSアンテナを配置することの記載がないとしても、前記(5)アにおいて説示したとおり、引用発明においては、「監視対象の位置」が「監視装置100の位置である現在位置を基準として、方位角θかつ仰角αの方向に、所定距離離れた位置」であることが想定されているから、引用発明において周知技術1を採用するに際して、特徴点と二つのGNSSアンテナとの仰角を各GNSSアンテナの座標から算出可能な配置構成とすることに、格別な困難性は認められない。

したがって、請求人の主張は前記ウの結論を左右するものではない。

オ 独立特許要件の判断のまとめ

以上検討のとおり、本件補正発明は、引用発明、周知技術1及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。

4 本件補正の却下の決定の理由のむすび

前記3(5)オのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明について

本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。

2 原査定における拒絶の理由の概要

原査定の本願発明に対する拒絶の理由(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。

理由(進歩性の欠如) 本願発明は、出願前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

記

引用文献1.特開2011-209031号公報

引用文献2.国際公開第2020/174935号(周知技術を示す文献)

引用文献3.国際公開第2019/107212号(周知技術を示す文献)

3 各引用文献に記載された事項及び引用発明の認定等

引用文献1に記載された事項、引用発明、周知技術1及び技術常識1は、前記第2の3(2)ア、ウ、(3)ア(イ)及びイ(ウ)において示したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は、本件補正発明から、前記第2の2(1)に示した限定を省いたものである。

そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(5)において説示したとおり、引用発明、周知技術1及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2024-006487

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